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2015年3月24日 第3回労働災害防止団体運営評価会議(議事録)

○日時

平成27年3月24日(火)17:00~18:15


○場所

厚生労働省専用第12会議室


○議題

(1)各労働災害防止協会の取組状況について
(2)各労働災害防止協会の業績評価について
(3)その他

○議事

○事務局

 定刻となりましたので、第3回労働災害防止団体運営評価会議を開催いたします。私は災防団体を担当しております安全衛生部計画課課長補佐の小島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 議事に入る前に、本日御参集の皆様を御紹介させていただきます。最初に順不同にて、委員の皆様を御紹介させていただきます。この会議の座長であります今村肇委員、三柴丈典委員、一宮昭博委員、吉村健吾委員、齊藤栄太郎委員、以上、5名となります。よろしくお願いいたします。

 続きまして、各災防団体を御紹介いたします。中央労働災害防止協会、辻田総務部長、和田総合調整課長。建設業労働災害防止協会、伊藤専務理事、高橋総務部長。陸上貨物運送事業労働災害防止協会、小林事務局長、中川総務課長。林業・木材製造業労働災害防止協会、坂本事務局長、小山総務課長。港湾貨物運送事業労働災害防止協会、本間総轄審議役、川戸総務部長。以上となります。よろしくお願いいたします。

 引き続きまして、本会議の開催者である行政側を紹介いたします。土屋安全衛生部長、美濃安全衛生部計画課長。以上でございます。よろしくお願いいたします。

 議題に入ります前に、土屋安全衛生部長より御挨拶させていただきます。

○安全衛生部長

 改めまして、厚生労働省安全衛生部長の土屋でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。本日、委員の皆様方には大変御多忙の中、この会議に御参加を頂きまして、誠にありがとうございます。また、皆様方には日頃より私どもの安全衛生行政の推進に御理解、御協力を賜っておりますことを、この場をお借りして御礼申し上げたいと思います。

 御案内のとおりこの会議では、3年前に開催をされました検討専門委員会を踏まえまして、その報告書で指摘をされた労働災害防止団体が求められました業務の改善、この取組をこの会議において検証してきていただいたところでございます。本日は3回目ということで、これまでの御指摘内容を踏まえて、各団体が更にこの1年において取り組んだ内容を御説明申し上げる予定でございます。是非、忌憚のない御意見を頂戴できればと思いますし、また御意見を踏まえながら、私どもとしても各団体とともに継続的な取組を進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○事務局

 続きまして、議題に移りたいと思います。これからの進行は、座長であります今村委員にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○今村座長

 それでは議題に入りたいと思います。まずは、事務局から議題の1「労働災害防止協会の取組状況について」、資料の構成及び議論の進め方に関して御説明をお願いいたします。

○事務局

 それでは議題1を御説明申し上げます。資料2を御覧ください。資料2につきましては、資料2-1から2-5まで各災防団体別に構成されておりまして、災防団体ごとに取組状況を一覧に整理したものでございます。

 資料2の左側、「指摘事項(要約)」の欄に記載されている事項が、平成23年の検討専門委員会により提言された指摘事項の項目及び内容となっております。資料中側、「達成目標」の欄に記載されている事項が、提言された指摘内容に対する各災防団体の達成目標の内容となっております。これらの指摘事項、達成目標に関しまして、これまでにどのような取組を行ったか、また今後どのような取組を行うかが、資料2の右側、「主な取組状況」の欄に記載されております。

 この資料2-1から資料2-5に基づきまして、各災防団体より資料番号順に御説明させていただきたいと思います。説明内容や関連する事項につきまして、御意見、御質問を交え、御議論いただきたいと思います。

 進行方法ですが、2回に分けて行わせていただきます。最初に中央労働災害防止協会に関しまして、御説明、御議論いただきまして、次に各業種別災防団体、4団体に関しまして、通しで御説明、御議論とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○今村座長

 はい、それではまず、中央労働災害防止協会から資料に基づき、説明をお願いいたします。

○中災防

 はい。それでは資料2-1、中央労働災害防止協会の取組状況、これを御覧いただければと思います。先ほど御説明がありましたように、指摘事項、達成目標、主な取組状況と3つに分かれておりますけれども、その一番右側の主な取組状況を中心に御説明申し上げます。

 指摘の1点目なのですが、理事数を削減するようにという御指摘でございまして、私どもは平成25年度に理事数を10名に、既に削減をしております。ただ、その他の従来の理事につきましては、やはり地域からの様々な提言、意見を述べるという役割もございますので、そういった方々に対しては、幹事という位置付けで、別途、措置したということでございます。

 それから2番目、支部でございますけれども、支部について廃止をするようにということでございますけれども、平成25年度に、既に支部は全て廃止をいたしております。ただ、支部が行っていた広報、あるいは問合せといった業務については協力が必要ということでございまして、都道府県労働基準協会と業務委託契約を締結いたしまして、一定の業務を依頼、実施をしていただいていると、こういう状況でございます。

3番目、会費ですけれども、会費の使途等を公開する。あるいは、会員としてのメリットを実感できる仕組みにという御指摘でございます。まず1点目です。会費につきまして、会員に対してメールマガジンを創設いたしまして配信をし、あるいはインターネット上も会員専用サイトを開設をしたということでございます。あるいは会費を含めて決算諸表等をホームページで掲載をいたしております。さらに、会員のメリットといたしまして、会員の割引の制度がございますが、そういったもののほか、会員に対してポスター、小冊子といったものを提供するようなことで充実を図っているところでございます。

 経費の節減につきましては、ここに書いてございますように、職員数を相当数、削減をいたしておりますし、あるいは支出予算についても精査をいたしまして削減をし、経費節減を図っております。また、競争入札につきましては、私どもは100万円以上の契約については、原則、競争入札という形で切替えをいたしまして、ホームページ上での公告等々を行って、経費の削減に努めているということでございます。

 それから目標管理につきましては、事業計画に業務目標を設定するようにとか、参与、利用者等の要望をしっかり聞く等々の御指摘がございました。これに対して、目標管理の一番上ですが、私どもは毎年度、事業計画を立てておりまして、その中で業績目標というものを明確に定めて、それを必達するというような形で業務運営をしているということ。それから2番目です。PDCAサイクルと書いてございますけれども、私ども参与、あるいは各種研修会の利用者のアンケートといったものの意見、要望などを十分捉えまして、新規の研修等の開発、あるいは既存の研修の見直しといったものに反映をさせているということでございます。

 また3番目でございますけれども、アウトカム評価委員会ということで、私どもの賛助会員の取組状況によって、会員の災害率がどの程度下がっているのかを、この委員会にお諮りをいたしまして、その報告書をホームページに掲載するなど、その事業効果を広く周知するといったようなことに取り組んでおります。

 最後、安全衛生調査研究活動ということで、研究機関その他の団体との連携を図るようにということでございますけれども、一番上の所に書いてございますように、行政及び各種災害防止団体相互において、情報交換、共有を図るための意見交換会を開催するですとか、2番目に書いてございますように、国の緊急要請、災害が本年度、非常に増えたということで、6月に緊急要請を受けておりますけれども、それを受けまして、災防団体あるいは安全衛生団体が集まって、共同アピールといったようなものを行うという連携強化を図るといったようなこと。

 あるいは安全衛生研究所との連携につきましては、最後に書いてございますように、安全衛生研究所の研究成果を、私どもの全国産業安全衛生大会で発表していただいて、広く情報発信をしていくといったような共同した取組を進めているということでございます。

 最後、もう1点だけ御説明を差し上げます。参考資料の参考の5に中災防の財務状況、71ページにありますが、簡単に触れさせていただきます。様々な指摘事項等々踏まえまして、先ほどの経費削減など積極的に取り組んできた成果が一定程度現れているということでございますけれども、一番上の収支状況、収支計算書の所を見ていただきまして、一番左側の中災防を見ていただきますと、収入ベースで53億弱ということでございます。会費収入が25,000万、事業収入426,000万、受託が7,800万、国庫補助が69,000万、その他1,300万と、こういう数字になっております。

 支出につきましては、521,200万ということでございまして、管理費、いわゆる人件費が245,000万、その他の管理費が47,900万、それから事業費が22億、それから受託関係が7,800万ということでございまして、トータル収支で差し引きますと、平成25年度の収支上は9,200万余のプラス、黒字という形でございます。

 この要因でございますけれども、基本的には人件費の削減、あるいは合理化、管理費の削減、そういったものを行った結果、出てきているものと考えております。以上でございます。

○今村座長

 ありがとうございました。ただいまの説明に関しまして、御意見、御質問等がありましたら、お知らせいただいて御発言いただきたいと思います。

○吉村委員

 前回も発言させていただいた、指摘というか意見ですけれども、人件費をかなり減らされたとの説明に対し、労働者の立場として、モチベーションが下がらないよう配慮をしていただきたいことについて、現状では、どういった意見がありますか。

○中災防

 モチベーションについては、やはり大事な点だと思います。理事長からも全体の会議等々、収支決算のときは、必ず総会の後などに開いて、皆さんの努力の結果、こういう形になったと、モチベーションを上げるための様々な激励といいますか、お声掛けなども積極的にやっていただいていますし、あるいは我々地区センターがございますので、地区センターに役員自ら出向きまして、職員と懇談したり、情報交換をするなど激励をしているということです。

 あとは人事評価制度、どこの団体も持っていると思いますが、人事評価制度の中で一定程度、前向きな取組をした職員については、評価できるような仕組みを設けて給与、賞与にも一応反映されていく形にもなりますので、こうしたものも活用しながらやっているということです。

 現状どうなのかということですけれども、やはりこれだけ人を削減する、要はこの5年間に2割ぐらい、もう既に削減しているんですね。それで収支を合わせているという状況になっているわけですけれども、そうするとやはり現場レベルでは、相当過密といいますか、オーバーワーク気味になっている。私どもの仕事というのは研修をやったり、あるいは各企業に出向いて技術指導するという仕事になるわけですけれども、その件数がどんどん溜まっていくという話になります。ですから一人の管理士が週3件とか、3日とか4日とか、外に出て指導しているという状況になりますので、相当に苦労されている形にはなっています。この点について、我々としては人的措置として管理部門、本部部門をできるだけ削減しつつ、そういった所に手厚い一定の人的措置を講じる。全体で人件費としては、もう増やすことはなかなか難しいわけですから、全体、とにかく抑制基調でありながら、現場に手厚い人事配置をしていくといったようなことでできるだけ、対処しているということでございます。

○吉村委員

 ありがとうございます。労働者の方とコミュニケーションを密にして、納得が得られるような取組を是非とも進めていただきたいこと、仕事が過密になってくると、長時間労働にもつながりかねないので、是非ともフォローと業務の効率化をこれからも図っていただくことをお願いします。

○三柴委員

1点はお尋ねで、1点はコメントを差し上げたいのですけれども、先ずお尋ねは、安全衛生調査研究活動に関する点です。行政等との意見交換会や安衛研との情報交換が挙げられていますけれども、問題がない範囲で具体的にどんな情報の交換をされているかということを教えていただけますか。

○中災防

 幾つかの例になってしまいますが、例えば安全衛生研究所との関係で申し上げますと、我々、国際事業というものを実施しておりまして、安全衛生関係の国際団体との交流や国際関係の情報発信というものを行っております。最近各企業のニーズをいろいろ聞いてみますと、特に海外に進出している企業について、中国や東南アジアといった所の安全衛生関係の情報が不足しているそうです。どういう規制があるのか、あるいは慣行があるのか等々、そういったものについて、実は安全衛生研究所のほうでも一部、情報提供を取り扱っているということです。ですから、そういったものを私どもで一定程度できないのか。あるいは共同でできないのか。そういったものも含めて、この場では、今申し上げた場では、いろいろ議論をさせていただいています。

 あるいは、安全衛生研究所の研究成果といったものを、現場レベルで実務として、どういかしていけるのかどうか。そういう観点からもいろいろ意見交換はさせていただいているということです。

 また付け加えますと、共同アピールというものもあるのですが、実は国のほうで緊急要請がございまして、事業者に対して一定程度、災害防止措置を、具体的な行動を取ってくださいと各企業に対して要請をし、私ども災防団体に対しては、そういったものをうまくサポートしてほしいという要請であるわけです。

 それを受けて私どもは、各災防団体と共同で、各企業における安全衛生活動の総点検や安全衛生教育の実施、あるいは気運の醸成等々について積極的にサポートしていこうという、共同アピールを取りまとめてプレスで発表して情報を発信して、各企業の方も是非、私どもを使ってほしいといったようなことを共同歩調で併せて行っているということです。

○三柴委員

 ありがとうございます。災防団体さんは災害調査については、調査の権限というのはお持ちではないですよね。他方、安衛研は立法でそこが担保されているという違いがあります。他方で、安全衛生について関係者のモチベーションを高めるというのは、やはり現場を知ることが原点になるはずだから、その交流の中で、たとえ生のデータではなくても、そういったものを分析したものについて、ある程度、流通させる等の営みは、あってもいいのかなと思ったのが1点です。

 それから、先ほど申し上げたコメントのほうですが、災防団体さんも事業をされている団体という面もお持ちなので、結局内部のスタッフの方が個別に会員企業、参与企業さんなどとつながっているというケースは多々あると承知しています。そうすると、たとえばベテランの方で企業さんなどと顔がつながっていた方がいなくなったときに、その関係がちゃんと受け継がれるかという問題が多分あると思うんですね。

 私のうかがう限り、そういうベテランの方が一様におっしゃっるのは、直接出向く姿勢があるか。スタッフの方が直接企業まで出掛けていって、顔をつなぐ姿勢、誠意を見せる姿勢が重要だと。つまり、釈迦に説法ながら、現場の重要性という、実は同じことを申し上げているような気がするのですが、その点については、たとえ世代交代が進んでいったり、人員構成が変わっていくことがあったとしても、吉村委員の話とちょっと矛盾するかもしれませんけれども、繋いでいっていただきたいなというのが、私からのコメントです。

○今村座長

2つの質問に関連してですが、人員を削減したということと、現場のガバナンスといいますか、把握の話です。

 この委員会というのは、御存じのとおり検討専門委員会というものがあって、そこから半ば一方的に降りてきた指示をちゃんと守っていらっしゃるかどうかということを評価するという、我々もちょっと中途半端な立場にいるのですけれども、その意味では理事数の削限などに関して前回も議論したわけですが、大変興味があるのは、中災防さんは理事数の削減を実現されましたが、それが果たして本当に効果があったかどうかということを、是非知りたいです。

 つまり、これがどのように中災防さんの組織にインパクトを与えたのか。具体的な例があれば、目的はガバナンスを改善したり、皆さんのモチベーションを向上させたり、それから、コンプライアンスの問題もありますね。それから意思決定上もできるだけ組織をコンパクトにして共有するとか、いろいろな意図が上の委員会ではあったと思うのですけれども、それを実現されてみて、果たしてそれが本当に効果があったかどうかということをお伺いしたい。

 それは先ほどの労働者が減ったときのモチベーションの問題とか、いろいろな過剰労働の話とか、そういうこととも関連すると思いますし、あるいは逆に三柴先生がおっしゃった現場に本当にガバナンスの意図が到達して達成されているかどうかということとも関連しているのですけれども、特に理事数の削減で組織がどう変わったかを、教えていただきたいと思います。

○中災防

 やはり迅速性といいますか、あるいは柔軟性という形が、相当、実現されたのかなと思っています。というのは、今、理事が全体で10人になっているのですけれども、中核的な方という話になりますと、各副会長さんや業界団体の理事さん辺りという形になるわけです。

 従来ですと、100人ぐらい理事がいて、その理事の中の1人という話になりますので、やはりコミュニケーションとしては非常に薄い。理事会に出てきてもらうだけとか、そういう形で運営されていたということなのです。ところが10人という形になりますので、常日頃からコンタクトを取って、当然、理事会が行われる前、事前説明をしたり、その中で私どもの現状もお話しますし、また先方からの、例えば業界団体であれば業界として、様々な意見を頂ける、あるいは会社であれば会社の経営者としての御意見を頂けるという意見交流というか意見共有化といいますか、そういった形での良い面といいますか、柔軟さ、迅速さという面は非常に出てきたのかなと思われます。

○今村座長

 ありがとうございます。それでは各業種別の団体から資料に基づいて説明をお願いいたします。

○建災防

 建災防です。資料2-2を御覧ください。先ほどの中災防さんと同じ括りですので、上から順番に説明いたします。まず、理事数ですが、私どもは理事の削減は地方の支部長が理事になっているということから、やる気をなくさせることは非常に難しいということで、理事数の削減をする代わりに、正副会長会というのが10名で成り立っていますので、これを位置付けて、そこにありますように、重大な課題が生じたときには、正副会長会を開催して迅速に対応する。こういう役割を、平成255月の総代会で承認を得て、こういう形になっています。正副会長会の運営を強化させるために、厚生労働省の幹部との意見交換会、それから正副会長を中心としたメンバーである建設業における労働災害防止活動を一層推進するための特別委員会といったもので、ここに行政の方も入っていただいて、行政と業界との連携をどのようにやっていくかを迅速に対応していくという体制作りをしています。

 現に今回、災害増加の緊急要請というのが、厚生労働省からありましたので、これも正副会長の10名と、厚生労働省の幹部と実際に話し合いまして、緊急要請に対する対応をしたという実績も残りました。その結果、非常にいい結果が出ています。理事数については、それぞれの支部の理事の意見を聞くことも大切なのですが、意見を聞いたあと、実際に行動してもらうという観点から、理事をきちんと残しておいて、その地区の役割として、理事が先頭に立って地区の役割を果たす、こうした形になっています。

 次に支部ですが、支部のガバナンスを効かすということでもって私どもは考えています。全国の支部事務局長会議を年に2回開催し、模範的な運営を行っている支部から活動事例などを発表してもらい、全支部で情報を共有して本部と支部が一体となって事業に当たるという対応をしています。

 更に2つ目の●の、数年サイクルで全支部を対象とした監査を実施し、新たに協会の職員となった者を対象に、「中央研修」を実施する。このような形で本部と支部の役割を明確にして、一体感を付与していくと。こういうことでガバナンスを効かしているということです。

 次に会費ですが、安全管理士の技術指導、機関誌による安全管理手法に係る情報提供を通じて、会員としてのメリットを実感できる環境を整備しています。したがって、会員として、メリットを感じるような形ができたのではないかと思います。決算報告書をホームページに公開したり、公共工事の入札参加資格、これは一般的にインセンティブと呼ばれていますけれども、特にコスモスですが、マネジメントシステムをとった所については、公共工事の発注において、優遇措置を採用してもらう、そういったことについて地方自治体の調査をして、ホームページに公開し、会員加入の促進を促しているところです。

 経費節減については、協会の規程の金額を下回る金額であっても競争入札をするとしてきたわけですが、実際問題として競争入札を余りやりすぎた感じで、品質が落ちたということがありますので、これをカバーするために、品質も確保できるような競争入札として、経費節減と品質向上を両立させることをやっています。

 目標管理ですが、建災防の5ヵ年計画、これは国の5ヵ年計画と期間は全く同じですが、私どもは第7次になっています。目標や達成状況を常にホームページに掲載することにしています。更にPDCAサイクルによる事業実施を行い、主に参与会の事業実績評価を受けていますので、その参与会の意見を踏まえて、次年度の事業計画を出しているということです。各種事業の参加者の感想をホームページに紹介して、利用者の拡大を図る。更には、ここには書いていませんが、各参加者のアンケート調査などは事業計画等にも反映しているわけです。それから、平成25年度までの取組を継続するとともに、サービス向上の意見といったものを事業の改善につなげています。

 災防規程ですが、安全管理士による内部の検討会を開き、検討いたしました。これは国の第12次労働災害防止計画に合わせて、私どもの防止規程も変更を行いました。変更は改正という意味です。この規程を変更しましたので、規程そのものでは分かりづらいので、分かりやすいように規程の解説書を作りました。図や写真を用いて解説書を作り、全国大会や安全指導者等に配り、12,000冊を配布しています。

 調査研究活動について、熱中症に関する調査も行っています。更に全国大会においてその発表をしています。特に安衛研との共同研究としてやっています。共同研究ではなくて、安衛研の研究成果を取り入れた形でもってやっているというのが正確な表現です。

 それから、行政と災害防止団体間において、労働災害防止に向けた情報交換をしています。また、ハーネス型安全帯の使用促進のために、安衛研と協力をして、測定等の調査を行っています。

 それから、参考資料5です。先ほどの中災防さんの説明と同じ、収支状況です。建災防は左から2番目です。収入が418,600万円、支出が416,400万円、収支差額はプラス2,200万円となっています。ただ、国庫の補助金の収入は6,100万円ということで、当初3億円あったのですが、6,100万円に減っています。けれども、先ほどのマネジメントシステムとか様々な教育の開発といったもので何とかカバーしまして、このような形になっています。以上です。

○今村座長

 では次、お願いいたします。

○陸災防

 陸災防でございます、よろしくお願いいたします。陸災防ではこの運営評価会議での評価を踏まえ、当協会として労働災害防止についてより効果的、効率的な活動になるよう改善を図ってきました。必ずしもまだ十分ではない点もありますけれども、これまでの取組について少し整理をしながら御説明いたします。資料2-3にこれまでの取組について整理がされています。

 まず最初の理事数の関係です。この理事数の削減等について、私ども陸災防の支部には、本部作成の事業計画を踏まえ、理事である支部長がその責任の下、各支部の自主的な労働災害防止活動を推進しているところです。このため、支部長が理事であることは、各支部の労働災害防止を効果的に進める上での必須事項と考えていまして、この理事数の削減については、現状では困難と判断をしているところです。しかしながら、組織としての迅速な意思決定、こういった機能は必要ですので、このため、正副会長会議及び常任理事会を年3回開催しており、一定の迅速な意思決定に対応をしてきたところです。

 さらに、必要な際の迅速・適切な意思決定の機能については首都圏のメンバーで構成をされています常任理事会で行うこととして、その機能の充実を図ることとしたところです。平成26年度現在、常任理事会については、会長、専務理事、常任理事2名の計4名で構成をされていますが、より適切な意思決定を図るために、常任理事について、首都圏の支部長2名を追加することにいたしました。就任は本年4月からとしております。なお、これらの対応並びにその趣旨については、本年5月に開催予定の総代会で報告をする予定としています。

 次の支部の関係です。まず、本部事業計画に基づく支部の事業活動の実施ですが、陸災防としての労働災害防止活動を統一的、効果的に実施をするということで、当協会では事業計画の作成段階でブロック会議を開催し、支部長、事務局長の意見の聴取を行っています。また、総代会で決定された後、全国事務局長会議を開催し、事業計画の内容についての統一的な理解を図っているところです。また、実施段階では年度の途中でブロック単位での事務局長会議により、その進捗状況の確認等を行っているところです。

 次に組織の関係の明確化ですが、私ども陸災防支部の組織について、都道府県トラック協会と密接な連携の下で運営されているのが実態ですが、そういった関係の公正化、明確化を図る。取り分け陸災防の運営について、トラック協会の職員が兼務をしたり、あるいは出向という形も取られているケースがあります。そういった点で、陸災防と都道府県トラック協会との業務委託契約の締結を行ってきています。そうしたことを行うことで、より明確な組織の形をとってきたところです。

 さらに、監査指導の関係については、これまで法定の技能講習を中心とした監査指導を実施してきましたけれども、よりガバナンスの徹底を図るという観点から、監事による財務関係の机上調査も実施するようにしており、今後については、一般業務指導を含めた監査指導を、より計画的に実施する予定としています。

 次の会費の関係ですが、会員がメリットを感じる取組ということで、メールマガジンあるいはホームページにより、会員事業場への有用な情報の提供を行ってきています。また、平成27年度からは、ホームページに会員限定のページを開設することとしており、更に会員としてのメリットを実感できるものとする予定としています。また、会員事業場の安全衛生管理を直接支援をするという仕組みとして、平成23年度から、特定事業場制度という形で、個別の事業場の支援を行ってきています。会員事業場の安全性水準の向上をこうした形で支援しているところです。

 次に、経費削減の関係です。私ども陸災防では、国の補助金制度の見直しにより、平成23年度に、実質的に6,100万という大変大きな赤字の決算をしたところです。このため、駐在管理士あるいは本部職員の大幅な削減を含め、全ての支出について徹底的な見直しを行ったところです。その結果、平成24年度・25年度の収支については、実質的に3,000万を超える黒字となったところです。今年度、平成26年度も黒字決算の見込みとなっています。しかしながら、職員の削減等により、都道府県支部を支援する体制の低下、あるいは支部の経済的な負担増などを生じ、労働災害防止に対する活動の低下に一部つながっているというように感じているところもあります。このため、必要な節約については継続するものの、本来必要な駐在管理士の再配置や支部の財政的負担の軽減など、段階的に現在取り組んでいるところです。

 目標管理について、これまで労働災害については国の災害防止計画の目標を踏まえ、陸運業の目標を設定し、5ヵ年計画として取り組んできたところです。各災防団体、同様ですが、昨年創立50周年を迎え、この50年で死亡災害については6分の1に減少し、また死傷災害については3分の1に減少という大きな成果を上げてきたところです。こうした中長期の観点からの取組とともに、毎年度、事業計画で数値目標を設定し、いわゆるPDCAサイクルにより、その推進を図ってきています。最近の状況としては、死亡災害については、過去最少を平成25年に実現をしています。また、死傷災害については平成25年まで、残念ながら4年連続で増加という状況がありましたが、国の緊急要請の全国的な取組強化などで、平成26年は、増加傾向に一定歯止めがかかった状況になっているところです。

 次の災防規程ですが、当協会の災防規程の直近の改正については、平成2310月です。昨年労働安全衛生法が改正され、本年、その施行に向けて規則等の改正作業が行われていますので、当協会に特に関係するストレスチェック等の内容が明確になった時点で、必要により、災防規程開催のための作業を開始することとしています。改正する場合は平成28年度の総代会に諮ることとなります。

 最後に、安全衛生調査研究活動です。研究活動として、実態調査検討専門委員会をおいて、そこで様々な検討を行っています。この委員会での検討の結果として、フォークリフト運転者の安全を含めた、運転技能を評価認定する制度を、新たに平成27年度から開始する予定をしています。また、労働安全衛生総合研究所との連携については、本年度平成26年度に荷役作業に関わる、ロールボックスパレットの安全な作業方法についての検討委員会の一員として、その取りまとめに協力をいたしたところです。その成果については、今後、当協会の、荷役災害防止の取組に活用していく予定をしているところです。以上です。

○林災防

 林災防の取組状況について説明いたします。資料2-4です。まず、改革検討委員会報告書の指摘事項を踏まえ、その後の当協会としての対応について若干説明させていただきます。平成237月に「協会の在り方検討委員会」を設置して、補助金、委託費に頼らない財政の維持や、また社会的に適正な組織として運営していくための方策を探るために、審議、検討を行い、平成241月に報告書として取りまとめたところです。その後、この報告書で示された方向性の実現に向けて、平成254月に、同委員会の作業部会を設置し、部会においては、主に理事数、支部、協会組織、会員の在り方について、当協会の会長を座長として検討を重ねてきました。この結果、平成2612月には、検討結果を報告書に取りまとめ、本年2月から3月の初旬に開催した、ブロック支部長会議で説明を行い、理解・協力を求めているという状況です。その後、今後は64日に開催される理事会、それから総代会で説明して審議いただくことにしています。

 それでは、各論のまず、理事数ですが、報告書で示された5名では、地域、業界の意見を反映できないため、10名程度ということで現在努力をしている状況です。これに伴いまして、理事数の削減を行い、常任理事会を廃止することとしています。理事数の削減に代わる措置として、各地域における課題、要望等の意見具申の機会が損なわないようにと、全国支部長会議を開催することとしています。このための定款変更議案を平成27年度の総代会に上程する予定です。

 次に、支部について、ガバナンスの関係です。支部の監査を実効あるものとするためには、監査規程を見直し、数年サイクルで全支部の監査を実施していきたいと考えているところです。また、支部へのガバナンスの徹底を図るためには、現在支部準則というのがありますが、これを廃止して、組織規程において整備を行い、万全な体制を図っていきたいと考えています。併せて、支部長の契約権限の限定、それから支部への会計機関の設置を盛り込んだ会計規程を整備することとしています。これまで実施してきました全国支部事務局長会議や新任支部事務局長会議を、更に充実させていきたいと考えているところです。

 会費については、会計規程の整備と併せて本部で資金管理をするシステムを構築していきたいと考えています。また、定期的に開催する理事会において、支部が実施する会員事業場への労働災害防止活動支援事業に支出を決定させていきたいと考えているところです。

 次に、経費削減ですが、平成25年以前については、人件費の圧縮、会費の節減等を実施してきました。平成26年以降についても、引き続き競争入札の徹底、それから旅費の節減など、事業を制約しない範囲で経費の削減に努めていきたいと考えているところです。

 次に目標管理です。国の第12次防に基づいて、協会で策定した労働災害防止5ヵ年計画において、労働災害の減少に向けた具体的な目標件数と重点対策を明記し、これに基づいて年度計画目標を策定しています。また、安全衛生教育、集団指導会の実施内容、それからアンケート結果等、ホームページ、若しくは月刊情報誌に掲載して、指導の効果を広報しているという状況です。

 さらに、平成26年度前半には、死亡労働災害の多発傾向に迅速に対処するため、「林材業死亡労働災害多発警報発令要綱」を策定し、死亡災害が発生した地域において、行政と連携した再発防止対策を実施しているところです。ちなみに、平成26年度は、北海道を含め10道県に発令し、現場安全パトロールなど緊急集団指導会を実施しています。そのほか、後ほど説明申し上げますが、外部有識者による総合評価委員会においても、毎年度の業務状況や、業績評価を実施し、委員会の意見を次年度以降の事業計画の策定にも反映しているところです。

 次に災防規程の関係です。現在、安全管理士等が行う現場安全パトロール、それから個別指導の際に、災防規程の遵守を把握することと併せ、災防規程に基づく安全指導を行っているところです。また、平成25年度の改正安全衛生法の規則を踏まえ、木材伐出機械作業等を中心とする林業関連規程を大幅に改正する変更案を、現在策定中です。今回の平成27年度総代会に上程するということを考えているところです。

 次に、調査研究活動です。平成26年度においては、チェンソー伐木造材作業、また林業架線作業に関わる調査研究を行ってきました。平成27年度以降については、現在、木材は、木材のプレカットや集成材などの加工作業について、かなり普及していますので、これらについて労働災害防止対策の措置についての調査研究を行い、今後、規程に反映させていきたいと考えています。

 当協会の財政状況についてです。参考資料5、林災防の平成25年度の収支計算書がありますが、プラス1,7469,000円ほどの収支差が載っていますが、全体的に申しますと、平成21年以降、国からの補助金の削減に伴って実施した大幅な人件費の縮減と労働災害に関わる啓発図書等の積極的な販売努力を行ってきました。それによって、損益面では剰余を計上できる経営体質を確保維持できるという状況です。平成26年度においても、引き続き剰余が見込まれるという状況にあります。収支面においても黒字基調で推移していまして、損益と同様に、平成26年度も黒字となる見込みです。以上です。

○港湾災防

 続きまして、港湾労災防止協会の取組状況について、最近の取組状況を中心にポイントを掻い摘んで御説明したいと思います。初めに理事数、すなわち組織運営の在り方については、昨年、平成26年の私どもの港湾労災防止協会の会員事業場における、港湾荷役作業での労働災害の発生状況ですが、特に死亡災害が1年で2件に留まったということです。それまでの最低記録は、前年平成25年の3件だったのですが、割とこのところ堅調に減少してきたのですが、更に過去最少記録を更新して、今のところ2件です。前回も申しましたけれども、今後もこうした労働災害の減少に向けての取組というものを、そういう組織力を維持するためにも今の組織体制が必要だということとして、しかしながら、臨機の対応も必要ですので、組織力を維持するためにも業務委員会を活用して、臨機に適切な対応を図っていくこととしています。それと行政との意見交換、情報交換に努めているところです。

 次に支部です。ガバナンスの徹底について、この際、新たに総支部に対して監査指導を実施することとするなど、強化して取り組んでいるところです。会費ですが、これも今年も3年続けてになりますが、全会員に対して協会の事業に関するアンケート調査を実施して、事業計画に反映するようにしています。

 次に、経費節減についてです。例えば、唯一購読している一般紙の購読をやめてしまうというようなことを含めて、更なる節減に努めているところです。目標管理については、12次防の目標を踏まえ、毎年度の事業計画で具体的な目標を掲げて取り組んでおり、会員へのアンケート調査で事業効果を測定しているということです。

 次に、災防規程については、当協会の各年度の、本年度もそうですが、事業計画において、引き続きその遵守徹底を第一の重点として取り組んでいます。更に、その変更については、検討委員会を設置し、検討を進めているところです。安全衛生調査研究活動について、本年度も引き続き、管理監督者セミナーにおいて、労働安全衛生総合研究所の研究員による講演を行いました。そのほか、行政との情報交換、意見交換にも努めているところです。

 なお、財務状況については、平成23年度約1,000万の収支差はマイナスでした。平成24年度から人件費の削減効果もあり、プラスを維持しているという状況です。以上です。

○今村座長

4つの業種別災防団体から御説明がありましたが、ただいまの説明に関して、御意見、御質問がありましたら、挙手いただいた上で御発言いただきたいと思います、いかがでしょうか。

○吉村委員

 陸災防さんにですが、今回は支部へのサービスが低下しているということですが、具体的にはどういうサービスなのか、お聞きしたいと思います。

○陸災防

 先ほど私どもの人の関係の削減を大幅にせざるを得なかったというお話をしました。全国に駐在の管理士が7名、プロック単位で配置をしていましたけれども、先ほど申し上げた状況の中で、全部の駐在の安全管理士の廃止をしたという状況です。そうした駐在の管理士というのは、そのブロックでの支部の活動、又は会員のいろいろなニーズに対応するということで、支部の支援ができていたのですが、廃止した後は代替として、本部にいる安全管理士が行うということにしたのですが、その人数の部分であったり、あるいは非常に遠いという部分もあったり、なかなか活用も図られないということでの、いわゆる支援の部分の弱体と言いますか、多少低下があったと思っています。そういった中で、最近少しずつ再配置をしたいということで、昨年の11月には、東海・北陸のブロックですが、1名、駐在の管理士を再配置しました。今後、財政の状況も見ながらの話になりますが、再配置をしていきたいという状況です。

○吉村委員

 駐在の方を削減された結果、フォローがなかなか難しいので、ブロック制で進めるプランにしているということでよろしいのでしょうか。

○陸災防

 支部そのものについては、各都道府県ですが、従来、駐在管理士がブロック単位で配置をされていましたので、支援としては、ブロック単位で従来行っていたので、できる限りまたそういった形に戻していきたいということです。

○吉村委員

 職員数を減らしつつということになりますか。それとも、元に戻るということですか。

○陸災防

 職員数については、平成23年度は本部16名、駐在管理士7名の計23名いました。平成26年度は本部職員が10名、駐在管理士0ということで、当時23名から現在は10名で運営をしているということで、なかなか十分な活動ができにくくなっているので、当面としては駐在管理士の配置を増やしながら、併せて本部の職員についても少しずつ増やす形を取っていきたいということです。

○今村座長

1つだけ、皆さんPDCAを挙げられているのですが、時間を節約するために簡単に質問しますけれども、基本的に事業計画に反映するという書き方があるのですが、それ以外に、何かもっとPDCAをボトムと言いますか、末端のほうまでやっていらっしゃる例があれば教えていただきたいのですが、大体トップレベルでの事業計画への反映ということでよろしいのでしょうか。そうでなければ、どこかもっと違うことをやっているという事例があれば教えていただけますか。

○港湾災防

 事業計画にとどまらず、私ども災防規程の遵守を第1にというのは、やはり業界の基本的な安全はルールだということで、それは日々と言いますか、しょっ中変わるものではないにしても、ルールも向上させないといけないとすれば、PDCAのところの反映させるべきものにも災防規程はあるかと認識しています。

○今村座長

 分かりました、ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 御説明、ありがとうございました。4つの各災防団体の業務改善に向けて、取組について説明、議論をいただきましたが、業務そのものも効率的に実施されていることが重要となります。各災防団体におかれましては、有識者による業務評価を受けているとのことですので、その説明をお願いしたいと思います。事務局から、議題2「労働災害防止協会の業績評価について」、資料の構成及び議論の進め方について、説明をお願いいたします。

○事務局

 それでは議題2を御説明申し上げます。資料3を御覧ください。資料3-1から資料3-5まで、各災防団体別に構成されており、災防団体ごとに外部有識者で構成される評価委員会等における業績評価の報告書です。この資料3-1から資料3-5に基づいて、資料番号順に各災防団体に業績評価の仕組み、また実際に受けた業績評価の内容等について御説明させていただきます。この説明内容について、御意見、御質問を交え、御議論いただきたいと思います。

 進行方法は、中央労働災害防止協会から、各業種別災防団体まで、5団体通しで御説明、議論とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○中災防

 資料3-1「業績評価報告書」です。簡単な概要になっていますが、手短に御説明差し上げます。

 ページをめくっていただきますと、参与の名簿が出てきます。私どもは参与会議において、各事業の外部評価をしていただいているということで、そのメンバーが書かれております。基本的には、全体で12名おり、学識が4名、使用者側が4名、労働側が4名という構成になっております。座長は北里大学の相澤先生にお願いし、経団連の代表の方、連合の代表の方にもお越しいただいています。

6ページ、「業績評価に至る業務の流れ」です。どういった形でやっているのかということだけ、簡単に御説明いたします。

 平成26年度の分ですが、4月上旬に事業報告書を各事業ごとに事務的にまとめさせていただきます。2番目ですが、自己評価を実施します。4月上旬~5月上旬に向けて、主な自主事業、主な受託補助事業、全てについて自己評価をまず実施します。

7月~8月下旬にかけて、「各参与による評価」ということで、全体の事業を二分し、参与の任期は2年ですので、半分は1年目、残り半分は2年目という形で、参与の方に外部評価をお願いするということで、私どもの自己評価のポイントを記した全体の書類を参与の方にお持ちして、場合によっては御説明をして、評価をしていただきます。

9月中旬~下旬に、御一堂にお集まりいただき、参与会議を行います。そこで、各参与の評価結果の一覧をお示しし、それについて3の人、2の人などがいらっしゃいますので、そこで御議論を頂き、全体の会議としての評価を確定していただく手続が、参与会議です。

 確定したものについては、業績評価報告書として作成し、私どもの会長に御報告するとともに、ホームページに公表するという手続になってきます。

9ページです。具体的にどのような形の評価になるのかです。例えば平成25年度の業績評価の結果が出ています。1(1)が主な事業ということで、リスクアセスメントの人材養成等支援事業、いわゆる研修です。2番目の箱が認定事業、それから教育、健康快適、それぞれの項目について、参与の方は5段階で評価いたしますが、例えばリスクであれば4の方が2名、3の方が10名ということで、参与会議としての結果が右側に書いてあるように、3であったという形で整理されていくということです。

 また(2)の受託事業、補助事業については、ABC3ランクで評価いたしますが、平成25年度については、バイオアッセイで行っている研究、中小企業のサポート事業、それぞれについて参与の方に評価していただいて、参与会議としての評価を頂くという流れになっています。以上です。

○建災防

 建災防の評価について御説明いたします。1ページ目に、「平成25年度業務実績評価について」ということで、報告を参与会の委員長から頂いております。評価の手法が3番目にありますが、業績評価を行う事業は、協会の自主事業と国との協力に基づく付託事業、大きな2つの観点から、事業内容の達成状況、予算及び収支決算上の達成状況、これをABC3段階で評価を頂いています。

 評価の実施は、平成26718日に参与会を開き、平成25年度の事業報告、決算報告書に基づく説明を私どもから行い、それに基づいて参与の方々に評価を頂いているということです。

 次のページです。評価を頂いた後、平成26129日に、評価を頂いたものをもう一度集めて、そこで全参与委員が3段階方式の評価を見て、そこで最終的な評価を頂く形になっております。評価の結果については、「総合的には事業目的は達成されている」と認められたという形で評価を頂いております。

 具体的な評価の内容のアピールポイントは、マネジメントシステムが私たちの一番の売りですので、それを御説明させていただきます。27ページです。マネジメントシステムを私どもは「コスモス」と呼んでおります。総合評価ですが、A8B0C0という具合に、コスモスの総合評価を頂いております。そういうことで、私どもは大変よい評価を頂いているところです。

○陸災防

 陸災防です。資料3-3です。最初に評価の委員会の関係ですが、4ページに委員の名簿があります。評価については、この労働災害防止対策委員会で評価をするということで実施しております。多くは陸運事業者ですが、5番目に流通経済大学の教授がございますが、委員長としてお願いしているところです。

 委員会については年に2回の開催です。具体的な実績評価の方法については、2ページに、「平成25年度陸上貨物運送事業労働災害防止協会業務実績評価表」という表があります。この評価表を使い、この項目については7項目ありますが、事業計画に相応したものです。

 評価の観点として、労働災害の減少への寄与という点と、2つ目の自主財源の拡大への寄与ということで、各評価についてはABCDEということで、Aの「大変貢献をしている」からEの「貢献をしていない」の5段階で評価をしています。

 評価については、この資料の最後に横書きの表を幾つか付けています。こういった形で、それぞれ実績を取りまとめて、成果目標、具体的には数値目標に対する実績並びに事業計画に基づく実施状況ということで、基本としてはアウトカム(成果)を基本としながら、アウトプット(実績)も参考にしながら評価を行うということで、実施しています。

 結果の部分は資料の1ページに報告書を添付しています。報告書の結論としては、平成25年度については、「事業計画に基づく取組及び災害発生状況に応じた取組は適正に実施」という判断を頂いているところです。死亡災害については過去最少となったということで高く評価されたところですが、一方で死傷災害については、取組そのものについては評価を頂きましたが、災害の増加が続いたということで、この報告書の中ではやや低い評価、表ではBになりますが、こういった形となり、この報告書では、その多くを占める「荷役災害を重点とした取組を一層強化するように」ということを求められたところです。

 また、同様に、なお書きにあるように、「評価基準については、より客観的な評価が可能となるものとするよう検討を」ということで、先ほど申し上げました災害の寄与あるいは実施状況を踏まえた形での、より分かりやすい評価基準ということで、これについては今月3月に開催された災防対策委員会の中で改正案について御説明し、改正を図ったところです。

 そのほか、ここには記載はありませんが、ホームページのアクセス数が、目標とした10万件を大きく超え、12万件近くになったということで、こういった点については広報の重要性を考えるということで、高く評価を頂いたところです。

○林災防

 林災防の業績評価について御説明いたします。資料3-4です。まず、委員又は評価方法ですが、評価委員については9ページです。外部有識者が全体の7名です。うち学識経験者は、林業、木材、労働衛生の専門家の4名、団体関係者は、労働、林業の2名、経営者が1名で、座長には東京大学の小林名誉教授にお願いしています。

 次に、2ページから4ページで、評価の方法です。1つは、前年度の事業ごとに次の観点から個別的な評価を行っています。1つ目は事業の達成度、2つ目は効果的な適正な事業運営、3つ目が労働災害防止活動促進への寄与度、4つ目が安全衛生推進への有用度。これに加えて収益上においては、事業基盤強化への貢献度も評価の1つになっています。今お話しした4点を踏まえて、協会の設立目的に照らした総合評価を行っており、評価については5段階の評価です。

 評価結果は5ページです。補助事業が4点、自主事業は4点、総合評価は4点ということで、いずれも良いという評価です。このほか、報告書には記載されておりませんが、各委員からは事業ごとの評価点も受けて、参考としているところです。

 委員の総合コメントは5ページです。事業全体としては、1つは、計画以上の実績を上げて、労働災害の減少、安全衛生水準の向上が期待できるということが1点、効果的な新規事業に積極的に取り組んでいるという評価を受けているところです。6ページを御覧いただくと、補助事業について載せています。これについては、現場の安全パトロール、集団指導、個別指導などが積極的に行われているということで、非常に目標以上に実績は高くやっているということで評価を受けています。

 また、評価結果のフィードバックの関係です。1つは協会トップへの報告ということで、評価結果を会長、常任理事会、理事会への報告を行っています。

 2つ目は、事業計画への反映です。評価結果及び委員のコメントについては、次年度以降の事業計画の策定なり、具体的な実施に当たり、可能な限り反映させているところです。

○港湾災防

 港湾災防です。資料3-5です。前年度の事業実績について評価いただく評価委員会を、総代会後の7月頃、8月になることもあるのですが、開催しております。協会側から、協会事業全般について資料を基に説明を行い、各委員から事業実績評価表を提出いただいているということです。

 評価委員会のメンバーは6ページです。合計6人の委員にお願いしています。外部が4名、業界内部は東の横浜、西の神戸ということで、2人入っております。

 評価内容については1ページに戻ります。中程の「概況」という所で、ABC3段階で評価を頂いています。合計16の事業について評価を頂いているわけですが、それについて6人の評価委員ですので、16掛ける6で、96の評価の数になります。そのうちA評価が80B16C0ということで、A83%ということで、全般的にはおおむね良好と評価されているところです。

 「概況」の4行目ぐらいに書いてありますが、6人の委員全員がA評価としたものについて挙げると、経営トップセミナー、ストラドルキャリヤー運転業務安全教育、指差呼称定着化研究会、主要港督励巡視、港湾安全パトロール、機関誌の発行の6種の事業です。

○今村委員

 ただいま各災防団体から御説明がありました。ただいまの説明に関して、御意見、御質問があれば、挙手にて御発言願います。その他、本日の議題全般に関して、御意見等がありましたらお願いいたします。

○吉村委員

 監査の参与についてですが、私は労働側で出席しているので、ある団体では労働組合の者が監査メンバーに含まれているところと、含まれていないところがあります。実は中災防さんの参与には、我々の労働側がメンバーに入っており、そこでいろいろな相談を受けながら評価について協議しながら進めてきた経緯があります。

 労働者の代表をメンバーに加えていただけると、労働側としても何をやっているのかが見えて、これからどうしていきたいのだという意見反映ができると思っております。

 各団体ともに、労働災害防止という観点では働く者の意見を一定程度考慮していただいてもいいと私は思いますので、そういった意味で、是非とも監査メンバーの中に労働側の者を入れてほしいと思います。

○一宮委員

 マネジメントシステムを導入するというのは、非常に安全衛生管理上効果があるかと思うのですが、建災防さんはコスモスの認定が増加して、非常にいいかなと思うのですが、中小企業に入れるとなると非常に課題があるかなと思います。その辺はどのように広げていこうとお考えか。

○建災防

 結果論ですが、私どもは中小企業が結構入ってきております。中小企業というより、専門工事業者が入ってくるようになりました。専門工事業者の中には大手もありますが、一般的には中小が多いです。

 ですから、私どものコスモスはそれにも対応できるようなものだと、もちろんそういうつもりで作ったわけですが、結果論として中小企業にも受け入れられていると考えています。

○一宮委員

 あと、東北地区の対策で、新規入場者の教育をやられていますが、一般の小企業などだと事業主が本当は教育しないといけないのでしょうけれども、なかなか教育が行き届いていないところもあるかと思うのです。一般の教育というか、新規の入職者たちへの教育は、今後何か考えていませんか。

○建災防

 私どもは東北で東日本大震災が発生した際に、国の委託を受ける前から新規参入者、これはどういうことかというと、津波で工場等が流されたり、漁業ができなくなったりする方が建設業にくるのではないかと。特に復興工事でです。その方たちが建設業でけがをしては大変だということで、直ちに新規参入者用のテキストを作りました。

 その時点で、今度は国からの委託事業が6月か7月頃に出てきまして、新規参入者教育をやれというような委託事業が出てきましたので、それを使って現在も新規参入者教育をやっております。そういうことで、かなり東北の被災地区には災害防止の役に立ったのではないかと考えております。

○一宮委員

2020年のオリンピックに向けて、建設工事も大変多くなってくるかと思うのですが、まだまだこれから新規で入ってくる事業者がたくさんいるかと思いますので、教育をしっかりやっていただければと思います。

○建災防

 ありがとうございます。

○三柴委員

 これまで3回の会議を通じて、全体に、各災防団体さんが、本当に御尽力いただいて今に至っていることが伺い知れて、心強く感じております。また敬意を持っております。

 今回は何か特定のお願いを差し上げるという意図はないのですが、今後ますます重要になる課題の1つとして、毛細血管をどう作るかという点がある。つまり、あまり安全衛生に関心を示さないような企業さんまでメッセージが行き渡るような仕組みをどうするかということがあると思います。

 これは既に取り組まれている災防規程の現場での運用であったり、そういう地道な活動を続けられることで、だんだん浸透が図られていくという面もあると思うのですが、もう一方では、その取組をするとメリットがある。また、していないと制裁と言わないまでも不利益があるという仕組みが必要なのかなと思います。

 これは行政の方への遠い将来的な提案なのですが、たとえば企業さんの中で労災の発生率が高いようなところについて、災防団体さんへの加入強制というようなことが考えられないかということを申し上げたく存じます。

 それから、最終的には安全衛生というのは関係者間の対話型が重要な鍵になる課題だと思いますので、引き続き、仕組みやルールと人づくり、その両方の関係性を回していくという作業を災防団体さんにはお願いできればと思います。

 いずれにしましても、これまでの御尽力に改めて敬意を表させていただきます。

○今村委員

 時間がないので少しだけ付け加えさせていただきます。この議題2の前にPDCAについて質問させていただいたのは、できるだけ客観性、透明性のある指標でPDCAを回していただきたいということのお願いと、先ほど吉村委員からありましたステイクホルダーの問題です。労働災害を削減することが目的ですから、最大のステイクホルダーは労働者だと思うのです。そうすると、そういうフィードバックの機構の中に、できれば労働者の代表の方を入れるなりして、もっと組織全体で徹底するような努力、三柴委員もおっしゃいましたように、毛細血管を張り巡らすという御努力が、これから必要ではないかなと思います。

 前回も申し上げたのですが、ここに女性が誰もいないというのはステイクホルダーに対する配慮を我々はまだまだ足りないのかなと考えていて、ここは印象ということで申し上げたいと思います。

 いずれにしても、世の中はどんどん変わっていまして、私は1月にニューヨークに行って、ソーシャルインパクトボンドのヒアリング調査をしてきたら、客観的に第三者が科学的な手法を使って目標の管理を評価するという仕組み、地方自治体の行政費用が足りないところを投資家たちのお金を使って、社会サービスを提供しようという仕組みなのですが、一番分かりやすい指標は刑務所からの出所者の再犯率を下げるというのが目標です。労災の目標というのは、そういう意味では数値目標は非常に設定しやすいところもありますが、まだ評価が難しいところもありますが、何を申し上げたいかというと、そのようにして、いかにして目的を達成するためにイノベーションを起こすかという点で、是非、今回をきっかけにして、引き続き皆さんで御議論いただきたいと思います。皆さんもいろいろおっしゃっていましたが、仕組み作りについてさらに工夫をしていただければというのが、総括的なコメントです。

 順序が逆になりましたが、皆様が御努力は最大限していらっしゃるということを、もちろん評価させていただき、敬意を表させていただきたいと思います。

 おおむね意見も出尽くしたようです。本日の議論を集約いたしますと、各災防団体において、労働災害防止団体改革検討専門委員会報告書の指摘を踏まえ、業務運営の改善に向けた取組を進められ、一定の成果を挙げられたものと評価することができると思います。今後も各災防団体において自己検証の充実を図りつつ、厚生労働省ともより一層の連携・調整を図り、PDCAサイクルにより業務改善の継続した取組に努めていただきたいと思います。

 また、災防団体は、労働災害をめぐる状況が厳しさを増す中、労働災害防止について専門的なノウハウを有する団体として、業界の労働災害防止活動の推進役としての役割、それから労働災害防止に関する情報提供や、教育指導を行う機関としての役割を是非積極的に果たしていただきたいと思います。

 また、厚生労働省には、各災防団体が取り組む労働災害防止に資する活動に対して、第12次労働災害防止計画の重点対策を考慮しながら、必要な支援を行うことを期待しております。

 なお、当評価会議は評価結果を安全衛生部長へ報告することを求められていますので、座長の私のほうで、事務局と案を取りまとめ、各委員に御確認いただいた上で報告するということでよろしいでしょうか。

( 異議なし)

○今村委員

 ありがとうございます。

 本日の会議の総括は以上ですが、私から1つ最後に重要な提案がございます。先ほども述べさせていただきましたとおり、これまで各災防団体において業務運営の改善に向けた取組を進められ、一定の成果を挙げられたことから、この労働災害防止団体運営評価会議は一応の役割を終えたものと思います。今後は本会議の役割を厚生労働省にバトンタッチすることといたし、各災防団体における業務の改善状況の進捗を見据え、本取組が継続して行われるよう、厚生労働省におかれまして、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。委員の皆様、このような仕組みとすることでいかがでしょうか。

( 異議なし)

○今村委員

 ありがとうございます。

 では、本件に関して厚生労働省から何か発言はございますでしょうか。

○安全衛生部長

 今いただきました御提案につきましては、私どもはしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。今後においては、私ども厚生労働省が、この会議で担っていただきました役割を確実に引き継いでまいりたいと考えておりますし、各災防団体がPDCAを回す形での自己検証の充実を図るということが前提でございますが、その上で業務改善の継続した取組に各団体が努めるように、私どもの立場からもしっかりと検証し、また見守っていきたいと考えております。よろしくお願いしたいと思います。

 それから、もう1つ先ほど座長からお話がございましたが、災防団体が取り組んでいる労働災害の防止に資する活動について、厚生労働省としても必要な支援をというお話についても、先ほど業績評価の件で発表し、御議論もいただきましたように、各災防団体とも非常に厳しい環境の中で、こういう外部から見ても一定の評価をいただけるような成果を挙げ、頑張っているということです。そういった中で、私どもとしてもこういった活動が更に一層進められるように、必要な支援を行うということもしっかり果たしていきたいと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

○今村委員

 ありがとうございます。

 ただいま土屋安全衛生部長より発言のありました内容のとおり、厚生労働省としてもしっかりと取り組んでいただければと思います。最後に事務局より連絡事項をお願いいたします。

○事務局

 今ほど今村座長から説明されました、当評価委員会の評価結果案については、事務局より各委員にメールにて御確認させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○今村委員

 各委員におかれましては、本日は熱心に議論いただき、ありがとうございました。各災防団体におかれましては、本日の議論も御考慮の上、引き続き業務の改善にお取り組みいただきますよう、お願い申し上げます。

 それでは、労働災害防止団体運営評価会議はこれをもって終了とさせていただきます。本日はお忙しい中、皆様ありがとうございました。

 


(了)

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