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2015年2月18日 第3回蚊媒介性感染症に関する小委員会

健康局結核感染症課

○日時

平成27年2月18日(水)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 専用第12会議室(12階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2-2)


○議題

(1)蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針について
(2)その他

○議事

○梅木結核感染症課長補佐 ただいまより、「第 3 回蚊媒介性感染症に関する小委員会」を開催いたします。本日は、委員 11 名中、現在のところ 9 名の方々に御出席をいただいています。また、本日は、角田委員より御欠席の連絡を、澤邉委員より遅れる旨の連絡を頂いています。現時点で定足数以上の委員に御出席いただいていますので、会議が成立しますことを報告いたします。ここから大石委員長に議事をお願いいたします。

○大石委員長 国立感染症研究所感染症疫学センターの大石です。議事に先立ちまして、事務局より資料等の確認をお願いいたします。

○梅木結核感染症課長補佐 お手元の資料ですが、議事次第、配布資料一覧のほか、資料として「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針 ( ) 」、参考資料をお付けしています。不足の資料がありましたら、事務局にお申し付けください。申し訳ありませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力のほどお願いいたします。

○大石委員長 議事に入る前に本日の議題を確認します。本日の議題ですが、議題 1 「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針の策定について」、議題 2 「その他」となっています。この小委員会の開催は今回で第 3 回目ですが、本日で蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針 ( ) について、本小委員会として取りまとめ、 20 ( ) に開催を予定しています厚生科学審議会感染症部会に報告するという方針で進めたいと思っていますので、皆様方の御協力をよろしくお願いいたします。議題 1 「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針の策定」につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○梅木結核感染症課長補佐 お手元の資料を御覧ください。「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針 ( ) 」となっています。この資料につきましては、第 2 回小委員会で委員の皆様から御議論いただいた内容と、終了後に委員の方々から頂いたコメントを基に修正を加えたものとなっています。それから、事務的なものですが、「蚊媒介性感染症」という名称から、「蚊媒介感染症」といった形の用語の変更も行っています。それから、 1 つ「国民の役割」も追加していることになっています。そういった修正を加えたものとなっていますので、御覧ください。

○大石委員長 ただいま事務局から説明がありましたが、委員の先生方から、指針 ( ) 全体につきましてコメントがありましたら、いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 よろしいですか。特段ありませんようでしたら、本日は小委員会としてこの指針 ( ) を取りまとめるという予定になっていますので、段落ごとに内容の確認をしていきたいと思います。事務局に指針 ( ) の読上げをお願いできますか。よろしくお願いします。

○梅木結核感染症課長補佐 読上げをさせていただきたいと思います。各段落ごとに読上げをしますので、少し聴いていただければと思います。

 蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針 ( ) 。国際的な人の移動の活発化に伴い、国内での感染があまり見られない感染症について、海外から持ち込まれる症例が増加している。デング熱などの蚊が媒介する感染症 ( 以下「蚊媒介感染症」という。 ) についても、海外で感染した患者の国内での発生が継続的に報告されている。

 我が国においては、平成 26 8 月、デング熱に国内で感染した症例が、昭和 17 年から 20 年までの間にかけて報告されて以来、約 70 年ぶりに報告された。現在、デング熱については、ワクチンや特異的な治療法は存在せず、また、まれにではあるが、デング出血熱と呼ばれる重篤な症状を呈する場合がある。このような蚊媒介感染症のまん延防止のためには、平時から感染症を媒介する蚊 ( 以下「媒介蚊」という。 ) の対策を行うこと、国内において蚊媒介感染症が媒介蚊から人に感染した症例 ( 以下「国内感染症例」という。 ) を迅速に把握すること、把握時に的確な媒介蚊の対策を行うこと、蚊媒介感染症の患者に適切な医療を提供することなどが重要である。しかしながら、近年、国内感染症例が発生した蚊媒介感染症は、予防接種の普及により年間数件の発生にとどまる日本脳炎に限られており、感染症対策の一環として、平時における媒介蚊の対策だけでなく、国内に常在しない蚊媒介感染症が国内で発生した際の媒介蚊の対策が十分に実施されていないという現状がある。このため、近年、各地方公共団体における媒介蚊の対策に関する知識や経験が失われつつあるとともに、国民の媒介蚊に対する知識や危機感が希薄になりつつある中、媒介蚊の対策を含む蚊媒介感染症の対策の充実が喫緊の課題となっている。こうした蚊媒介感染症の感染経路、流行した場合に社会に与える影響等に鑑みると、行政関係者や医療関係者はもちろんのこと、国民一人一人がその予防に積極的に取り組んでいくことが極めて重要である。一旦、ここで切ります。

○大石委員長 今日の協議は、ほとんどこの指針 ( ) についての議論ですので、たっぷり時間があります。前書きと第八章までの部分につきましてしっかり議論していきたいと思います。ここまでで御意見がありましたら、いかがですか。

○松井委員 国立感染症研究所感染症疫学センターの松井です。デング出血熱について言及いただいているのですが、「まれに」という所は、数字の感覚が受け取る側によって違うものですから、「まれにではあるが」という部分は抜いても文脈は成立するのではないかと思います。いかがですか。

○大石委員長 いかがですか。よろしいですか。流行国と非流行国だと頻度も大分違うのかと思うのですが、よろしいですか。

○高崎委員 例えば、台湾だと去年は 15,000 人出て、出血熱が 139 ということで、 20 名死んでいると。だから、 15,000 分の 139 をまれとは考えにくいかと思いますので、抜いたほうがいいかと思います。

○大石委員長 では、事務局、そのようなことで、削除ということでお願いします。ほかはありませんか。ないようでしたら、事務局、よろしくお願いします。

○梅木結核感染症課長補佐  28 行目から続きます。

 蚊媒介感染症であるチクングニア熱については、現時点では国内感染症例が報告されていない。しかしながら、デング熱及びチクングニア熱については、いずれも日本国内に広く分布するヒトスジシマカが媒介することが可能であり、また、いずれも海外で蚊媒介感染症に感染した者が帰国又は入国する例 ( 以下「輸入症例」という。 ) が増加傾向にあることから、輸入症例を起点として国内での感染が拡大する可能性が常に存在する。蚊媒介感染症については、これら以外にも、マラリア、ウエストナイル熱、日本脳炎などがある。マラリアについては、媒介蚊であるハマダラカが国内の人口が密集している地帯には生息しない。ウエストナイル熱については、発症している際の人の血中におけるウイルス量が少なく、媒介蚊のみを介した人から人への感染環が成立しないことから、デング熱やチクングニア熱と比して、輸入症例を起点として国内感染が発生する可能性は低い。日本脳炎については、効果的なワクチンが既に存在し、予防接種法 ( 昭和二十三年法律第六十八号 ) に基づく定期の予防接種が実施されている。こうした理由から、デング熱及びチクングニア熱以外の蚊媒介感染症については、現時点では、その感染が国内で拡大する可能性は低いと考えられる。このため、本指針では、デング熱及びチクングニア熱を、重点的に対策を講じる必要がある蚊媒介感染症に位置付け、これらの感染症の媒介蚊であるヒトスジシマカが発生する地域における対策を講じることにより、その発生の予防とまん延の防止を図ることを主たる目的とする。なお、これら以外の蚊媒介感染症についても、共通する対策は必要に応じて講じることが期待される。

 本指針は、このような状況を受け、蚊媒介感染症について、適切なリスク評価を行った上で、必要な範囲において対策を実施することを目標とする。あわせて、その目標を達成するため、国、地方公共団体、医療関係者、国民等、全ての関係者が連携して取り組んでいくべき施策について、新たな方向性を示すものである。

 本指針は、蚊媒介感染症の発生動向、蚊媒介感染症の予防・治療等に関する最新の科学的知見、本指針に基づく取組の進捗状況等を勘案して、少なくとも五年ごとに再検討を加え、必要があると認めるときは、これを改正するものとする。一旦、ここで止めます。

○大石委員長 指針 ( ) の蚊媒介性感染症の範疇を規定し、また、指針の目的を明確にした部分だと思いますが、いかがですか。御意見はありますか。

○小森委員 つまらないことで恐縮ですし、もしも感染症の御専門の方にはこういう言葉が妥当であるのかもしれませんが、 30 行目の「国内に広く分布するヒトスジシマカが媒介することが可能であり」という言葉が日本語として何となく違和感があるのですが、「が知られており」ということのほうが自然のように、私のような専門家でない者は感じるのですが、松井先生、そのほかはじめ御専門の方々にこの言葉を吟味していただいて、「可能である」という言葉のほうがよく使われる言葉であれば何の異論もありません。

○大石委員長 いかがですか。小森委員がおっしゃるのは一理あると思うのですが、「媒介することは知られており」。

○澤邉委員 特におかしいとは感じません、日本語としておかしければ、少し修正していただければと思います。

○大石委員長 小森委員の御指摘のとおり修正というところで、事務局、よろしいですか。

○梅木結核感染症課長補佐 はい、そのようにいたします。

○大石委員長 ほかはありませんか。ありませんようでしたら、第一 平常時の予防対策に入っていきます。

○梅木結核感染症課長補佐  60 行目「第一 平常時の予防対策」。一 基本的考え方。蚊媒介感染症については、国、都道府県、保健所を設置する市及び特別区 ( 以下「都道府県等」という。 ) 、市町村 ( 保健所を設置する市を除く。以下同じ。 ) 、医療関係者等の関係者並びに国民一人一人が連携して予防に取り組むことが基本である。それらの予防対策の積み重ねにより、社会全体における蚊媒介感染症の発生の予防及びまん延の防止につなげるものである。以上です。

○大石委員長 一 基本的考え方で御意見はありませんか。ないようですので、次に行きましょう。

○梅木結核感染症課長補佐 二 一般的な予防方法の普及。国、都道府県等及び市町村は、国民に対し、個人及び地域で実施可能な予防方法として、媒介蚊の発生源の対策、肌をできるだけ露出しない服装や忌避剤の使用等による防蚊対策、ワクチンがある蚊媒介感染症については予防接種等の普及を努めるものとする。また、国、都道府県等は、海外に渡航する者に対し、現地で流行している蚊媒介感染症、防蚊対策、黄熱等の予防接種、マラリア予防薬の服薬などの蚊媒介感染症の予防方法に関する知識の周知徹底を図り、渡航者が海外で蚊媒介感染症に感染することを防止するとともに、蚊媒介感染症が国内に持ち込まれる頻度を低減させるよう努めるものとする。以上です。

○大石委員長 予防法の普及という点ですが、何か御意見、追加等はありますか。

○調委員 山口県の調です。 2 ページの 71 行目、「ワクチンがある蚊媒介性感染症」、これは今のところ日本脳炎を想定しているのでしょうか。

○大石委員長 今は日本脳炎ワクチンだけですかね。開発中であれば、デングワクチンということもあるのでしょうが。

○調委員 それであれば、ここに何か具体的に日本脳炎ということを入れたほうが分かりやすいのではないかと思ったのですが。開発中ということを含めて特定しないということなのでしょうか。

○大石委員長 開発中のワクチンとなると、普及に努めるというのは難しいのでしょう。有り得るとすれば日本脳炎ワクチンということでしょうか。

○高崎委員 ここの段階では、黄熱も入っているのかと私は理解したのですが。

○大石委員長 そうしますと、特記すべきことではないのではないかということでよろしいでしょうか。

○高崎委員 私は思いますが。

○大石委員長 それでは、そういうことです。では、三 平常時の対応に入っていきます。

○梅木結核感染症課長補佐  78 行目、三 平常時の対応。国は、空港及び海港周辺において、海外からの媒介蚊の侵入状況等について調査を実施し、必要に応じて駆除等の措置を行うものとする。

 都道府県等は、蚊媒介感染症の発生に関する人及び蚊についての総合的なリスク評価を行うものとする。訪問者数が多く、かつ、蚊の生息に適した場所が存在する大規模公園など、リスク評価の結果、注意が必要とされた地点においては、必要に応じて、市町村と連携しつつ、施設管理者の協力を得て、定点を定めた媒介蚊の発生状況の継続的な観測 ( 以下「定点モニタリング」という。 ) 、媒介蚊の幼虫の発生源の対策及び媒介蚊の成虫の駆除、当該地点に長時間滞在する者又は頻回に訪問する者に対する防蚊に関する注意喚起や健康調査などの対応を行うものとする。

 都道府県等は、海外で感染して帰国後に発症した症例について、媒介蚊の活動が活発な時期であるか否かや周辺の媒介蚊の発生状況に留意しつつ、患者の国内での蚊の刺咬歴等の確認を行うとともに、医療機関と連携し、蚊媒介感染症に感染したと診断された患者に対して、血液中に病原体が多く含まれるため蚊を媒介して感染拡大のリスクがある期間 ( 以下「病原体血症期」という。 ) の防蚊対策や献血の回避の重要性に関する指導を行うこととする。

 また、国は、国内感染症例が発生した場合に備え、人及び蚊についての積極的疫学調査 ( 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 ( 平成十年法律第百十四号 ( 以下「法」という。 ) 15 条に基づく調査をいう。以下同じ。 ) 等に関する手引を作成する。都道府県等は、当該手引を踏まえ、平常時における対策及び蚊媒介感染症が発生した際における対応のマニュアル等を整備することとする。

 国民は、蚊媒介感染症に対する正しい知識を持ち、海外への渡航時は、蚊媒介感染症に感染しないよう防蚊対策を実行するとともに、帰国後、発熱などで医療機関を受診する場合は海外への渡航歴を伝えるよう努めるものとする。また、蚊媒介感染症に感染したものと診断された場合には、医師や行政機関の助言に従い、病原体血症期において、防蚊対策を確実に実施して蚊に刺されないようにすること、献血を控えること、行政機関が実施する積極的疫学調査に協力することなど、蚊媒介感染症の予防に必要な協力を行うよう努めることとする。以上です。

○大石委員長 「平常時の対応」の所は、国民に対する啓発を最後のパラグラフで加えてあると思います。平常時の対応につきまして、御意見はありますか。

○澤邉委員  93 行目、「病原体血症期」という単語が少し気になるのですが、それは使われますか。マラリアも考えていらっしゃるのだと思いますが。

○高崎委員 そうだと思います。あまり使われない言葉ですが、「ウイルス血症」と言ってしまうとマラリアは入ってこないので。

○大石委員長 そのとおりで、事務局の意図としては、マラリアも含めて総合的に蚊媒介性疾患として対応を記載しているということです。この文言については、あまり一般的ではないという理解はあります。

○前田委員  99 行目ですが、都道府県等が手引を作成するという所がありますが、この場合は都道府県等、いわゆる保健所設置所及び特別区も含む政令市ごとに作るという考え方で、都道府県一本ではないということでいいのかということの確認です。

 もう 1 点は、この案を部長会に提示しましたところ、「手引も指針もあるのに、あえて更にマニュアルを都道府県で作るのか」という声がありました。私、個人的には、東京都では既にマニュアルに近い都道府県の具体的な方針を示すものを作っていますので、違和感はなかったのですが、他の県からはそういう声がありました。 1 つには、「マニュアル」という言い方が、非常にそうした都道府県としての方針を示す発行物としての名称として、あまりそういうことを感じさせない名称なのではないかと思いまして、一応、可能では「マニュアル」という言い方を、少し都道府県が策定するにふさわしい名称にしていたほうがよいのではないかと思いました。

○大石委員長  98 行目ですね。保健所設置所及び特別区も含む政令市ごとに作るという点ですか?

 

○前田委員 保健所設置及び特別区ごとに作るという考え方が 1 点目です。

○大石委員長 それと「マニュアル」という文言について御意見ですが、事務局はいかがですか。

○福島結核感染症課長補佐 御指摘の 98 行目、「都道府県等」には、事務局の意図としては、「政令市等、保健所設置市」を含めています。また、対応の「マニュアル」という単語の代わりにどの単語を使えばよいか、今、ぱっと思いつかないのですが、実際に何か国内感染症例が起きたときには迅速に動けるように、それぞれで作っていただくことをイメージして文章を作っています。

○大石委員長 マニュアルは、手引よりもっと具体的な手順を示したものという理解ですか。

○福島結核感染症課長補佐 手引を参考にして、それぞれの自治体において、例えばこの対策を担当する課はどこであるとか、そういったところも踏まえて具体的なものを作っていただきたいという意図で書いています。

○大石委員長 前田委員の御指摘は、「マニュアル」という文言を何とかならないのかということでしょうか。

○前田委員 都道府県の対策の方針等が書かれたものだと、「マニュアル」という言い方があまりしないのかという気がしたものですから。例えば、具体的に保健所がどういう業務を行うといった程度のものであれば、「マニュアル」という言い方も違和感はないですが、少なくとも都道府県レベルで都道府県としての方針を定めるものが、「マニュアル」という言い方が馴染まないかと思うのです。実際は「マニュアル」という言い方で作成しているものはあるのですが、今回初めて示す際に、いきなり「マニュアル」と言われると、恐らく各都道府県等も、手引があるのに、なぜマニュアルだという気持ちになってしまうのではないかと思いますので、そこら辺の言い方を御一考いただけるというのと、あとは、この後、各都道府県等に対して、具体的にどういう方向でマニュアルを作成するのかと、内容的にはどういうものかを具体的にお示しいただく中で、御理解をいただくという方法もあるかと思います。

○大石委員長 自治体から御出席の委員の方がおられますが、この点につきまして何か御意見はありますか。要点は分かるのですが、「マニュアル」という言葉がどうなのだという。

○高崎委員 いや、ちょっと質問です。「マニュアル」イコール「手順書」ということですかね。「手順書」あるいは「マニュアル」は、日本語に訳すと、ここの場合、「具体的手順書」、日本語ではその辺はどうなのでしょうか。

○感染症情報管理室長 やはり、これは実際にやっていただく自治体が使いやすい言葉が一番いいのではないかと思います。もし前田委員のほうでお話のあったような方針が、都道府県等レベルで馴染みやすいというのでしょうか、理解が得やすいということであれば、そういった言葉がいいのではないかと、今、思った次第です。これについては、そのような形で表記を改めさせていただこうかと、今、思っている次第です。

○前田委員 恐らく現実に手引を参照しながらこの指針を読み込んで、各都道府県なりに一定程度の方針を決めていかないとならない事項が、実はかなりあると思うのです。そういうものが含まれたものだということなら、示されるような名詞のほうがいいのかと思いまして、こういう発言をさせていただきました。

○大石委員長 了解いたしました。その辺、前田委員の意図を酌みつつ、事務局で対応していただくということで、よろしくお願いいたします。ほかのコメントはありませんか。ありませんでしたら、第二 発生動向の調査の強化に進んでいきたいと思います。

○梅木結核感染症課長補佐  110 行目「第二 発生動向の調査の強化」。一 基本的考え方。国及び都道府県等は、平常時から蚊媒介感染症について情報の収集及び分析を進めるとともに、国内に常在しない蚊媒介感染症の国内感染症例の発生が認められた場合には、感染の原因を特定するため、正確かつ迅速に発生動向を調査することが重要である。以上です。

○大石委員長 事務局、ここは六まで行きましょうか。

○梅木結核感染症課長補佐 はい。二 蚊媒介感染症の発生動向の調査の強化。国及び都道府県等は、蚊媒介感染症の発生動向の調査に当たっては、医師の届出による患者の情報のみならず、患者の検体から検出された病原体に関する情報及び定点モニタリングによる媒介蚊の増減などの情報も含め、総合的に分析を行うこととする。

 三 医師による診断及び届出。国は、デング熱やチクングニア熱等の蚊媒介感染症の迅速かつ正確な診断が全国的に可能となるよう、体外診断用医薬品の広範な利用に向けて、必要に応じ支援を行うこととする。また、国は、医師がデング熱やチクングニア熱等の蚊媒介感染症の感染が確定した症例について直ちに届出を行うことができるよう、診断から届出に至る一連の手順等を示した手引を作成し、公益社団法人日本医師会 ( 以下「日本医師会」という。 ) の協力を得て、医師に周知することとする。

 また、都道府県等は、蚊媒介感染症の病原体の遺伝子検査等のため、必要に応じて、蚊媒介感染症の診断がなされた後においても医師等の医療関係者に患者の検体等の提出を依頼することとする。

 四 日本医師会との協力。国は、日本医師会を通じて、患者が発生した際の検体等の提出についての協力を依頼するものとする。あわせて、診断した患者に対して、病原体血症期の防蚊及び献血の回避の重要性に関する指導を行うよう依頼するものとする。

 五 病原体の遺伝子検査等の実施。国及び都道府県等は、輸入症例及び国内感染症例のいずれにおいても、提出された蚊媒介感染症の患者の全ての検体について、可能な限り病原体の遺伝子検査を実施し、病原体の血清型等を解析するとともに、必要に応じて病原体の遺伝子配列の解析を行うことにより、感染経路の究明等に努めるものとする。都道府県等は、病原体の遺伝子検査等を実施した場合、その結果を速やかに国に報告するものとする。

 六 国際的な発生動向の把握等。蚊媒介感染症は我が国のみならず世界中で発生していることから、国は、国際的な蚊媒介感染症の発生及び流行の状況を常時把握し、必要に応じて、国民、特に海外への渡航者に注意喚起を行うとともに、新興の蚊媒介感染症については診断検査法を整備するなど、対策に努めるものとする。以上です。

○大石委員長 「発生動向の調査の強化」で一から四までありますが、いろいろな部署が関わる所で、医師の届出、日本医師会、病原体検査、そういった各部署が関わる所ですが、委員の皆さん方からの御意見はいかがですか。よろしいですか。それでは、第三 国内感染のまん延防止対策に入っていきます。

○梅木結核感染症課長補佐  154 行目「第三 国内感染のまん延防止対策」。一 基本的考え方。国、都道府県等、市町村、医療関係者等の関係者及び国民一人一人が予防に取り組むことが基本であり、その予防対策の積み重ねにより、国内でのまん延の防止に結び付けることが重要である。

 二 国内発生時の対応。国内に常在しない蚊媒介感染症の国内感染症例が発生した場合、当該症例が発生した市町村、都道府県等及び国等の間で、迅速に情報共有を行うとともに、必要に応じ、住民等への注意喚起を実施することとする。

 都道府県等は、国内感染症例については、可能な限り全ての症例に対して積極的疫学調査を実施し、国内で蚊媒介感染症に感染したと推定される場所 ( 以下「推定感染地」という。 ) に関する情報を収集する。また、必要に応じて、推定感染地の周辺の媒介蚊の密度調査等を実施することとする。積極的疫学調査の結果、他の都道府県等への情報提供を要すると判断した場合には、迅速に情報提供を行い、必要に応じ、他の都道府県等との間で連携を取りつつ、対策を講じることとする。また、蚊媒介感染症に感染したと診断された患者に対しては、病原体血症期の蚊の刺咬歴等を確認するとともに、医療機関と連携し、病原体血症期の防蚊対策や献血の回避の重要性について指導することとする。

 都道府県等は、国内の同一地点、同一期間又は同一集団内で複数の国内感染症例が発生すること、異なる患者の検体から分離された病原体の遺伝子配列が一致することなどにより、推定感染地がある程度特定された場合、現地における法第 35 条に基づく蚊の密度調査等の結果や、当該推定感染地が公園等の公共施設であるときは、利用者の状況等を踏まえ、蚊媒介感染症の感染が拡大する蓋然性の評価を実施する。さらに、都道府県等は、蚊媒介感染症の感染が拡大する蓋然性に関する評価の結果に応じ、法第 28 条に基づき、施設等の管理者や市町村への蚊の駆除の指示を行うとともに、市町村や当該感染地の管理者等と連携して、一定の区域の立入制限等を含む媒介蚊の対策を実施することとする。

 市町村は、必要に応じて、都道府県の指示の下、蚊の駆除を行うこととする。

 また、都道府県等及び市町村は、媒介蚊の密度調査等を実施する場合、当該調査等に従事する者が蚊媒介感染症に感染することを防止するための対策を徹底するものとする。

 国民は、蚊媒介感染症の発生動向に留意するとともに、蚊媒介感染症に感染したものと診断された際は、医師や行政機関の助言に従い、病原体血症期においては、防蚊対策を確実に実施して蚊に刺されないようにすること、献血を控えること、行政機関が実施する積極的疫学調査に協力することなど、感染の拡大の防止に必要な協力を行うよう努めることとする。以上です。

○大石委員長 国内症例の発生時の対策についてです。推定感染地に関する情報を収集し、蚊の調査等を行い、また症例、症例の発生状況、患者のウイルス検査による遺伝子配列等の情報から感染推定地が推定される場合の都道府県等の対応を明確に書いております。最後に国民に対する留意事項をまとめてありますが、いかがでしょうか。

○椎野委員 熱海市です。 182 行目の「市町村は、必要に応じて、都道府県の指示の下、蚊の駆除を行うこととする」という所なのですが、指示の下というのが少し引っかかるのです。都道府県と協力しながらとか連携しながらのほうがいいのかなという気がしますが、どうでしょうか。

○大石委員長 ごもっともな御意見かと思いますが、事務局としてはいかがでしょうか。

○梅木結核感染症課長補佐 こちらの文章については法律上の文言を使っておりまして、指示の下で実施するものとするという記載に合わせています。心としては、そういった連携ということは考えてはいるのですが、表現ぶりはこうなっています。

○大石委員長 よろしいですか。

○調委員  173 行目から始まる遺伝子配列の所で確認させていただきたいのですが、第一例がといいますか、患者が確認されてウイルスの遺伝子配列が決められたときは、直ちに公表されると考えてよろしいでしょうか。といいますのは、私どもは、例えば継続して患者が発生している場合、ほかの患者から得られたウイルスの配列情報と照合するということを直ちに行う必要があると思いますので、その点に関して確認しておきたいと思います。

○大石委員長 この点については、高崎委員から御意見。

○高崎委員 直ちに公表しましたので、ということでいいかなと。ジーンバンクに登録され次第オープンになります、第一例目は。

○大石委員長 基本的には、そういう遺伝子配列の情報は感染研で分析して、そしてそれをジーンバンクに登録すると。それでそれを公表されると。そうすると地衛研でも情報が見られるということになる。

○高崎委員 そうですね。うちのホームページにアクセスナンバーが出ます。

○調委員 登録までには時間がかかりますか。

○高崎委員 いや、 2 3 日で終わってしまうと思います。

○調委員 ですから、ジーンバンクに登録する以前に、やはりこういう情報は、少なくとも行政機関の間でといいますか、そういう国と自治体の間では共有すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○感染症情報管理室長 正に調委員がおっしゃるとおりではないかと考えています。私どもは、国立感染症研究所とは常にそういった情報を共有しておりますので、ほかの自治体からどういう遺伝子配列だったのかと問われた場合には、もし我々が把握していれば、すぐに共有できることはさせていただこうと考えています。

○大石委員長 では、感染研から結核感染症課に連絡が行き、そして自治体に報告されるという流れです。

○高崎委員 要請があれば、配列はいつでもメールで送れます。

○大石委員長 ありがとうございます。ほかはありませんか。以上です。では、第四、医療の提供に入っていきたいと思います。

○梅木結核感染症課長補佐  192 行目「第四 医療の提供」。一 基本的考え方。国及び都道府県等は、医師が蚊媒介感染症の患者を適切に診断するとともに、良質の医療が提供できるよう、医療機関に向けた情報発信の強化等を図ることが重要である。

 二 診断及び治療体制の整備。一部の蚊媒介感染症の国内感染症例は現時点ではまれな事例であることから、国は、診療に当たる医師が早期の診断と適切な治療を実施できるよう、他の感染症との鑑別診断や治療方針等について、診断から治療に至る一連の手順等を示した手引を作成するとともに、日本医師会の協力を得つつ医師に周知する。また、国は、チクングニア熱を始めとする現時点では国内感染症例の報告がない蚊媒介感染症についても、地域医療を担う医師が感染症の専門家に円滑に相談できるよう、国立研究開発法人国立国際医療研究センター ( 以下「国立国際医療研究センター」という。 ) 、日本医師会、関係諸学会等と連携しつつ、協力体制の構築に努めるものとする。

 三 医療関係者に対する普及啓発。国及び都道府県等は、日本医師会、国立国際医療研究センター等と連携し、医療機関に対して、蚊媒介感染症の国内外での発生・流行状況に関する情報、国内感染症例の疫学情報、媒介蚊や蚊媒介感染症の診断・治療に関する知見、院内での防蚊対策の実施方法等について積極的に提供するものとする。以上です。

○大石委員長 医療の提供の部分です。ここでは手引を作成して、医療従事者には情報共有するということが記載されています。御意見はありますか。ないようですので、次に進めさせていただきます。第五、研究開発の推進、お願いします。

○梅木結核感染症課長補佐  215 行目「第五 研究開発の推進」。一 基本的考え方。国は、蚊媒介感染症の特性に応じた発生の予防及びまん延の防止のための対策を実施するとともに、良質かつ適切な医療を提供するため、必要な研究を推進することが重要である。

 二 ワクチン等の研究開発の推進。デング熱及びチクングニア熱については、現在、ワクチンの実用化に向けた研究開発が進められているところである。国は、必要に応じて蚊媒介感染症のワクチンの研究開発を推進していくものとする。また、蚊媒介感染症について、迅速診断検査法の開発、媒介蚊を駆除すべき場所の選定方法、薬剤の選択や散布方法などを含めた有効かつ適切な媒介蚊の駆除方法の検討、薬剤によらない新たな媒介蚊の駆除方法の開発、地理情報システム (GIS) や植生図を活用した媒介蚊の分布調査、モニタリングシステムの構築など、蚊媒介感染症への対策に資する研究を推進するものとする。

 三 疫学研究の推進。国は、人及び環境における詳細なリスク因子の解明に関する研究、蚊媒介感染症に罹患した場合における重症化の要因の究明に関する研究等を推進するものとする。

 四 研究機関の連携体制の整備。国は、国立感染症研究所、国立国際医療研究センター、地方衛生研究所、大学等からなる研究機関の連携体制を整備し、それぞれの研究成果の相互活用の推進を図るものとする。

 五 研究評価の充実。国は、研究の成果を的確に評価するとともに、研究の成果を広く一般に還元していくこととする。以上です。

○大石委員長 第五章、研究開発の推進の部分で御意見はありますか。

○高崎委員 ちょっと確認です。 225 の、駆除すべき場所の選定方法と薬剤の選択という所です。昨日聞いた話、去年は備蓄しているものをそれぞれ使ったということなのですが、具体的には、やはり製剤として統一するほうがいいのですかね。

○大石委員長 殺虫剤のことですね。

○澤邉委員 製剤を統一するということは、国から言えないと思います。幾つか種類があるので、その中で自治体が使いやすいものを推奨すると。そのくらいしか言えないと思います。

○大石委員長 それは手引等に書き込むということですか。よろしいでしょうか。ほかの部分はありませんか。ないようでしたら、第六、人材の養成に入ります。

○梅木結核感染症課長補佐  245 行目「第六 人材の養成」。一 基本的考え方。蚊媒介感染症や媒介蚊に関する幅広い知識や技術を有する人材を養成することが必要である。

 人材の養成に当たっては、国及び都道府県等のほか、国立国際医療研究センター、大学、日本医師会、関連する学会等の関係機関が連携し、研修を実施することが重要である。

 二 都道府県等及び市町村における人材の養成。都道府県等及び市町村は、人及び媒介蚊についての積極的疫学調査の研修、蚊の捕集、同定、密度調査及び駆除に関する研修、ウイルス検査の研修等を通じ、蚊媒介感染症や媒介蚊に関する知識や技術を有する職員を養成する。また、都道府県等及び市町村は、こうした人材の養成及び継続的な確保に努めることとする。

 三 医療分野における人材の養成。国及び都道府県等は、日本医師会及び国立国際医療研究センター等の関係機関と連携し、蚊媒介感染症に対する医療に関して専門的知識を有する医師等の医療関係者の養成に努めることとする。

 四 国による支援及び人材の養成。国は国立感染症研究所、国立保健医療科学院等を通じて、都道府県等及び市町村に対して必要な支援を行うとともに、必要に応じて、都道府県等及び市町村が実施する研修の中核を担う人材の養成を行うものとする。以上です。

○大石委員長 第六章、人材の養成の部分で御意見はありますか。

○澤邉委員  255 行の「ウイルス検査の研修等」と書いてありますが、先ほど私が質問したように、病原体と幅広く書かれたほうがよろしいのではないでしょうか。

○福島結核感染症課長補佐 そのように訂正いたします。

○大石委員長 ほかにはありませんか。ないようですので、続いて、第七、国際的な連携に行きます。

○梅木結核感染症課長補佐  270 行目「第七 国際的な連携」。一 基本的考え方。国は世界保健機関を始めとする国際機関や諸外国の政府機関との連携を強化することにより、我が国の蚊媒介感染症の対策の充実を図っていくことが重要である。

 二 諸外国との情報交換の推進。国は、世界保健機関を始めとする国際機関や諸外国の政府機関へ情報発信するとともに、これらの機関との間で情報交換等を積極的に行うことにより、世界的な蚊媒介感染症の発生動向の把握、諸外国において効果を上げている対策の研究等に努め、国や研究者等との間において、蚊媒介感染症に関する研究や取組の成果等について、国際的な情報交換を推進するものとする。

 三 国際機関への協力。蚊媒介感染症の流行国における対策を推進することは、国際的な保健水準の向上に貢献するのみならず、輸入症例の発生の低減につながり、ひいては、国内感染症例の発生の予防にも寄与することから、国は、世界保健機関等の国際機関と連携しながら、国際的な蚊媒介感染症の対策の取組に関与し続けていく必要がある。以上です。

○大石委員長 第七章、国際的な連携について御意見はありませんか。ありませんので、続いて、最後の第八、対策の推進体制の充実をお願いいたします。

○梅木結核感染症課長補佐  290 行目「第八 対策の推進体制の充実」。一 基本的考え方。蚊媒介感染症の対策を推進するために、施策の検討及び評価を行う体制を整備することが必要である。

 二 都道府県における対策のための会議等。蚊媒介感染症については、大規模公園等の同一地点等で感染した患者が広域に拡散するなど、市町村間の区域を越えた一体的な対応を必要とする事例が想定されることから、都道府県は、感染症の専門家、媒介蚊の専門家、医療関係者、保健所を設置する市、特別区及び市町村の担当者、蚊の防除を行う事業者等からなる蚊媒介感染症の対策のための会議を設置し、地域の実情に応じて開催するものとする。同会議では、蚊媒介感染症の対策の検討や、実施した対策の有効性等に関する評価を行うほか、適時、必要に応じて対策を見直すとともに、関係者による定期的な訓練を実施する場として活用する。

 三 普及啓発の充実。国、都道府県等及び市町村は、媒介蚊の専門家、医療関係者、報道機関等と連携し、蚊媒介感染症及び媒介蚊に関する正しい知識や、行政機関が実施する媒介蚊への対策や積極的疫学調査への協力の必要性等について周知を図るものとする。

 国は、関係省庁及び関係機関と連携し、検疫所のホームページや旅行会社等を通じ、海外に渡航する者向けの情報提供及び注意換起をより一層強化するものとする。

 都道府県等及び市町村は、住民向けのセミナー等の開催を通じ、媒介蚊への対策の重要性について周知するとともに、平時から地域住民の協力を得て蚊の対策を講じることができるよう、体制の構築に努めることとする。以上です。

○大石委員長 対策の推進体制の充実ということで、一番重要なところが記載されていると思いますが、いかがでしょうか。

○福島結核感染症課長補佐 申し訳ありません。 1 点、こちらの不手際で抜けている部分がありました。 305 行目の「国、都道府県等及び市町村は、媒介蚊の専門家」というふうに以下続きますが、この間に「感染症の専門家」が抜けておりましたので、こちらの一単語を追記させてください。

○大石委員長 ほかはありませんか。よろしいでしょうか。

○前田委員 大変些末なことで申し訳ないのですが、 312 行目の「都道府県等及び市町村は、住民向けのセミナー等の開催を通じ」になりますと、何らかのものを必ず開催しなければならないので、「セミナーの開催等を通じ」にしていただけないでしょうか。

○大石委員長 大丈夫ですか。

○福島結核感染症課長補佐 はい。そのように修正します。

○大石委員長 ほかはよろしいでしょうか。特にないようでしたら、これで第八章まで終わってしまうのですが、全体を通して、もしお気づきの点がありましたらお受けします。いかがでしょうか。

○前田委員 この内容について全国衛生部長会等に紹介した際に、非常に都道府県に対する負担が大きいという御意見が、かなりありました。それぞれの事項についても、これは都道府県ですべきことではないとか、あるいはこれは国ですべきだとか、いろいろな御意見がありました。あえてその細かいものについては、こちらにお伝えしておりませんが、全体的にかなり負担が強いという気持ちが一同強いと思います。ざっと挙げてみても、発生動向調査、積極的疫学調査、拡大する蓋然性の評価、それから感染推定地の駆除、マニュアルの作成、対策委員会の設置・運営、研修、普及、啓発と。これが全部都道府県に、これまでの業務に上乗せでかかってくるということです。恐らく、当然こうした上乗せの事業を行うマンパワーは、各都道府県、非常に少ないと思っております。マンパワーが少ない際には、この分野では実務的なところは委託によって行うのが可能な部分はあるかと思いますが、これについても予算が必要ですが、もう予算案がある程度確定しているこの時期に、その補てんをすることはできません。恐らく今日午後の全国衛生部長会、井上課長が御出席されるということですが、そこでもかなりそういう御意見が出ると思います。ですので、本来は部会でお話するべきかもしれませんが、そうした都道府県の負担が大きくなるということについての財政的、あるいは様々な側面的な支援を国にお願いしていただかないと、やはりこの指針が各都道府県で実行される形で展開することはできないのではないかと考えております。

○大石委員長 指針の内容とは少し違う、外れることかもしれませんが、趣旨はごもっともです。やはり実施における予算措置は大変重要という前田委員からのメッセージだと思います。事務局から何か御意見がありますか?

○感染症情報管理室長 行政上、大事な視点のお話だと承りました。私ども、昨年はある程度限定的な発生だったというところで、限定的な自治体の負担ということ等で、それから私どもも幾つかの予期せぬ対応もさせていただきましたが、そういったことになって、また発生があれば、間違いなくそういう状況にはなろうかと考えています。ただ、こういった感染症は、前田先生もよく御承知のとおりに、いつ、どういうふうに発生するか、なかなか分からないというのが実情です。それに備えた形で、体制づくりというのは、どういう状況であろうとも、私どもは前に進めていかないといけないと考えている次第です。そのようなところで、感染症法の改正なども昨年の秋の臨時国会などでいたしまして、そういったことも踏まえた形で、今後の体制、予算等々、検討できるところはしていかなくてはいけないのではないかと考えている次第です。以上です。

○大石委員長 よろしいですね。

○調委員 確認させていただきたいことがあるのですが、 3 ページの平常時の対応の所で、 81 行目の、都道府県は総合的なリスク評価を行うとなっておりますが、これは 95 行以下の国が作成する手引の中に、このリスク評価の方法も含まれていると考えてよろしいのでしょうか。

○福島結核感染症課長補佐 はい。詳細なリスク評価の方法についても、この手引の中で記載させていただく方向で現在作業をしています。

○大石委員長 よろしいでしょうか。ほかはありませんか。そうしましたら、これで指針に対する議論が一応まとまったという理解をいたしました。委員の皆さん方、本当にありがとうございました。今回の指針案については、今回の結論をもって小委員会の取りまとめとさせていただきます。また、今回の取りまとめ等をもって、親会である感染症部会に報告したいと思っておりますが、そういう手順でよろしいですか。

                                     ( 了承 )

○大石委員長 ありがとうございます。異議がないということでしたら、あとは事務局で御連絡をお願いします。

○梅木結核感染症課長補佐 議題 (2) その他となっておりますが、事務局からは特にありません。

○大石委員長 そうしましたら、時間が大分予定より早いのですが、皆様方の御協力によるもの、また事務局の準備によるものだと理解しております。どうもありがとうございました。本小委員会はこれで終了いたします。この委員会は一旦終了になりますが、事務局から今後の方針について、また御説明いただけますか。

○梅木結核感染症課長補佐 本日、各委員の先生方から様々な御意見を頂きましたので、大石先生と修正をさせていただいた上で、小委案として感染症部会、参考の資料にお付けしておりますが、 20 日に感染症部会を開催する予定にしておりまして、そちらで今回の小委案を提出させていただきたいと考えております。今回の小委員会自体は、指針の作成に関しての開催ということでしたので、一旦終了になります。今後は、必要に応じて感染症部会長と相談させていただき、必要があれば御連絡させていただくということになります。

○大石委員長 それでは、 3 回にわたる小委員会での御議論、どうもありがとうございました。これで閉会させていただきます。


(了)

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