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2018年4月5日 第8回サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会 議事録

医薬・生活衛生局医薬安全対策課

○日時

平成30年4月5日(木)
14:00~

 

○場所

田中田村町ビル8F会議室8E
東京都港区新橋2-12-15

○議題

1.サリドマイド、レナリドミド及びポマリドミドの安全管理について
2.その他

○議事

○医薬安全対策課長 定刻になりましたので、第8回サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会を開催します。本日、御出席の構成員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日の検討会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、御理解、御協力のほど、よろしくお願いします。傍聴の方々におかれましては、静粛を旨とし、喧噪にわたる行為はしないこと、座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うことなど、留意事項の厳守をお願いします。
本日の構成員の出欠ですが、全ての構成員の方々に御出席いただいておりますので、お配りしている本検討会の開催要綱に基づき、定足数に達しており、会議が成立していることを初めに報告申し上げます。また、今回は参考人として、公益財団法人いしずえ理事長の佐藤嗣道様、日本骨髄腫患者の会代表の上甲恭子様に御出席いただいております。後ほど意見陳述をお願いすることとしておりますので、よろしくお願いします。
この会議ですが、前回の第7回が平成26年11月の開催です。この会議体自体は引き続き今回が第8回という形で開催させていただきますので、座長等につきましても、前回の検討会からそのまま引き続き藤井先生にお願いしたいと思っています。あと今回、第8回の開催に当たりまして、サリドマイドに関してはTERMSの第三者評価委員会、そしてレナリドミド、ポマリドミドにつきましてはRevMate第三者評価委員会、それぞれからRevMate、TERMSに関する改善に向けた提言書、TERMSに関しては医師・薬剤師・患者アンケート第5版改訂に関する追加アンケート結果報告を頂いているので、これらの資料に基づきまして、TERMS、RevMate等に関する御議論を本日はお願いしたいと思っています。
前回の開催が平成26年11月ということで、その間に事務局のほうも人事異動がありましたので、初めに紹介をさせていただきます。医薬安全対策課の安全使用推進室長の江野です。事務局を担当しております北尾です。あと、私は医薬安全対策課長の佐藤です。どうぞよろしくお願いします。それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。以後の議事進行は藤井座長にお願いします。
○藤井座長 それでは、議事を始めたいと思います。まず事務局から、審議参加に関する遵守事項について御説明をお願いします。
○事務局 まず、本検討会の審議参加規程ですが、以前の検討会の際と同様に、薬事分科会審議参加規程を準用させていただきます。それでは、議事参加について報告します。本日、御出席の構成員及び参考人の方々の、過去3年度における関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの寄附金、契約金などの受取状況を報告します。本日の議題に関して、競合品目、競合企業については、事前にリストを各構成員と参考人の方々にお送りして、確認を頂いておりますが、遠藤構成員よりセルジーン株式会社から50万円以下の受取、尾崎構成員よりセルジーン株式会社、ヤンセンファーマ株式会社、小野薬品工業株式会社、ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社から50万円以下の受取、林構成員よりセルジーン株式会社から50万円以下の受取、藤井構成員よりセルジーン株式会社から50万円以下の受取、上甲参考人よりヤンセンファーマ株式会社から50万円以下の受取と申告いただいたほかは、受取の申告はありませんでした。よって、全ての委員におかれましては意見を述べ、議決にも加わることができるとともに、全ての参考人におかれましても意見を述べることができます。これらの申告については、ホームページで後ほど公表させていただきます。
続いて事務局より、所属構成員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告させていただきます。薬事分科会規程第11条においては、「構成員、臨時構成員又は専門構成員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しています。今回、全ての構成員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。
構成員の皆様におかれましては、お忙しいところ書面を御提出いただき、ありがとうございました。審議参加に関する遵守事項についての説明、薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果の報告は以上になります。
○藤井座長 ただいま事務局から説明がありました、審議参加に関する遵守事項についてはよろしいでしょうか。特にないようですので、競合品目、競合企業の妥当性を含めて、御了解いただいたものといたします。では、事務局から今日の配布資料の確認をお願いします。
○事務局 それでは、配布資料について説明します。まず、議事次第の裏に配布資料一覧がありまして、検討会の座席表、その裏に出席者名簿、あと検討会の開催要綱を一綴りにしています。続きまして、資料1はサリドマイド製剤等について、資料2はTERMS及びRevMateについて、資料3はTERMS及びRevMateの運用の見直しについて、その下に資料3の別紙として、別紙1はサリドマイドの管理手順に関する同意書、別紙2は定期確認票、別紙3は手順のフローになります。資料4は佐藤参考人からの資料となりまして、資料5は上甲参考人からの資料になります。その下に参考資料1、TERMS第三者評価委員会からの指摘事項です。その下に参考資料2、RevMate第三者評価委員会からの提言書。その下に競合品目・競合企業リストです。机上配布資料になりますが、前回の平成26年12月に取りまとめられた検討会の報告書、あと、現行のTERMSとRevMateをお配りしています。以上です。漏れ、落丁などがありましたらお申し出ください。
○藤井座長 よろしいでしょうか。それでは、議事に入りたいと思います。資料について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、資料1から説明させていただきます。今回は3年ぶりの検討会ですので、まず初めにサリドマイド、レナリドミド、ポマリドミドについて簡単に説明させていただきます。資料1を御覧ください。サリドマイドはもともと昭和30年代に催眠鎮静薬として販売され、当時、妊娠中の女性が服用することで、胎児に重篤な先天異常を引き起こすことが判明したことから、世界各国で販売中止と回収が行われた薬剤です。その後、しばらくして1990年代後半になり、多発性骨髄腫に対するサリドマイドの有効性が報告されるようになり、日本国内でも主に医師の個人輸入により、サリドマイドが使用されるようになってまいりました。平成10年には米国においてサリドマイドの製造販売が承認され、その後、平成20年には日本においても多発性骨髄腫の治療薬として再承認されました。その際には、胎児曝露防止を目的としたTERMSの実施が、承認条件として義務付けられています。
続いてレナリドミドとポマリドミドについてですが、こちらも同じく多発性骨髄腫に対する治療薬として開発された薬剤でして、サリドマイドと同様の化学構造を有し、動物実験においてサリドマイドと同様、催奇形性を有することが確認されています。そのため、平成22年にレナリドミドが国内で承認された際には、TERMSと同様の管理手順として、RevMateの実施が義務付けられました。また、平成27年にはポマリドミドが承認され、レナリドミドと同様にRevMateで管理することが義務付けられました。下の表にはサリドマイド及びレナリドミド、ポマリドミドについてまとめさせていただいております。
続いて資料2、TERMS及びRevMateについて説明させていただきます。まずTERMSですが、こちらはサリドマイドの製造販売承認審査の過程において、被害者団体でありますいしずえより、米国で実施されている管理手順、STEPS以上の確実性を持って、日本での安全管理を行うべき、また、その検討には厚生労働省も積極的に関与すべきといった御要望を頂きました。それを受けまして、平成20年に「サリドマイド被害の再発防止のための安全管理に関する検討会」を設置しまして、米国のSTEPSを参考としながらTERMSが検討され、その実施が製造販売承認の条件とされたところです。
続いてRevMateです。レナリドミド、ポマリドミドについてもサリドマイドと同様に催奇形性があることから、TERMSと同じく承認条件として、RevMateの実施が義務付けられています。基本的な枠組みはTERMSと共通です。また、TERMS、RevMateの実施状況については、(3)の表にお示ししているとおりとなっています。
2ページ目に移りまして、TERMSとRevMateの登録状況の年齢別、患者分類別の人数の表とグラフを記載しています。ここでの患者分類のA、B、Cは、Aは男性患者、Bは妊娠可能性のない女性患者、Cは妊娠可能性のある女性患者でして、TERMS、RevMateともに同じような年齢分布となっています。
続いて3ページになります。TERMSの仕組みを1枚の図に表したものです。こちらを用いて、TERMSの概要について御説明させていただきたいと思います。まず初めにサリドマイドを処方する医師は、丸1でお示ししている矢印のとおり、藤本製薬から提供される医師向けの資材を用いまして、TERMSに関する情報を入手した後、丸2、医師自身にTERMS管理センターへ登録いただく必要があります。同様に下の丸2ですが、院内の責任薬剤師についても同様に登録が必要になります。その後、丸3になりますが、患者向け資材を使って、医師から患者に必要な教育を行っていただき、同意を取得していただいた上で、患者をTERMS管理センターに登録します。ここまでが処方を行う前の準備でして、ここからが毎回の処方ごとに、具体的に行われる手順となります。
処方医師の右下の丸5になりますが、処方医師と患者の間で、遵守状況確認票等を用いた催奇形性に関する説明、妊娠検査、残薬数の確認が行われます。その後、処方箋と一緒に遵守状況確認票や定期確認票が院内の薬剤部に送られまして、薬剤師によって遵守状況等の確認が行われた後、患者に薬剤と定期確認票が交付されます。基本的にこの定期確認票は、次回の来院時に処方医に提出してもらう手順となっており、薬剤師から患者に薬剤やこの定期確認票が交付された後、薬剤師はTERMS管理センターに遵守状況確認票等を送るという流れとなっています。以上がTERMSの手順でして、4ページのRevMateについても同様の流れとなっています。
続いて5ページ目からが、TERMS及びRevMateのこれまでの改訂の経緯でして、6ページ目、最後のページですが、前回の検討後から改訂されたものになります。まず主要な改訂について、説明させていただきます。3つ目の行を御覧ください。こちらは前回の本検討会で議論された内容ですが、薬剤管理者の設置について、患者本人が薬剤管理できる場合に限り、設置を省略できる変更、これまで企業に登録していた患者情報を、医療機関に登録するよう変更、定期確認票を企業ではなく処方医に提出することなど、患者の個人情報を企業が持たないようにするなどの改訂を行いました。その後、RevMateにおいてはレブラミド、ポマリストの誤投与事例が複数続いたことから、RevMate上で新たに病棟看護師を定義付け、教育資材の提供先に病棟看護師を追加し、入院時の薬剤管理に関する記載を追加するなどの改訂を行いました。なお、TERMSについては既に記載がありましたので、RevMateをTERMSに合わせるという形の改訂となっています。その他、ポマリストの承認や、レブラミドの効能追加に関する改訂を行っています。
続きまして、資料3について説明させていただきます。まず初めに今回、本検討会を開催する趣旨でもありますが、TERMS第三者評価委員会からの指摘事項と、RevMate第三者評価委員会からの提言書が取りまとめられたことから、これらの内容を踏まえて、TERMSとRevMateの改訂の必要性について御審議いただきたいと考えています。まず初めに審議事項1つ目、薬剤管理者設置ルールの策定についてになります。本件はRevMate第三者評価委員会からの提言事項になりまして、概要について説明させていただきます。薬剤管理者とは、患者以外の者の誤飲防止や、不要になった薬剤の返却を徹底するために、患者の薬剤管理を行う者であり、患者本人が確実に薬剤を管理できることを処方医が確認した場合に限り、設置の省略が可能とされているところです。これにつきまして、RevMate第三者評価委員会によるアンケート調査から、薬剤管理者を設置していない患者に対し、患者本人が薬剤管理できなくなった場合などに設置するタイミングの指標がない、管理者になり得る人がいないといった意見が挙げられていました。
今後、高齢化の進行等により、患者自身で薬剤管理することが困難な患者が増え、薬剤の処方を受けている患者が介護施設等に入所するなどのケースも想定され、RevMate第三者評価委員会より薬剤管理者の役割・定義の明確化、入所施設等への薬剤の持込みも踏まえ、薬剤管理のルールを検討するよう求められています。
現行のTERMS、RevMateは資料に記載しているとおりですが、TERMSについては薬剤管理者の役割について記載はありますが、TERMS、RevMateともに薬剤管理者の要件に関する記載はありません。そのため、施設の入所や在宅医療も考慮した薬剤管理者の要件として、2ページの薬剤管理者の定義の案を示させていただきました。基本は現行のTERMSに記載されている薬剤管理者の役割や、薬剤管理者の同意書を参考に作成しています。新しい部分としまして、患者の身近な者として、具体的に「家族、親戚、近隣住民」としたほか、新たに「介護職員」を追加し、さらに1点目、本剤が胎児に障害を起こす可能性があることを理解している者、2点目が、薬剤を患者以外に譲ったりしてはいけないことを理解している者、3点目が、患者と定期的に接する機会がある者、以上の3つの要件を満たすと処方医が判断した者を、薬剤管理者とすることができるとしています。
「ただし」以降は既存の管理手順に記載されている、薬剤管理者設置の省略に関するもので、下から3行目の「なお」以降は、既にTERMSに記載されていた内容と同様の趣旨ですが、診察時に患者の状態を確認し、薬剤管理者の設置の必要性を検討する旨の記載としています。以上が薬剤管理者設置ルールの策定になります。
続いて2つ目の審議事項、残薬の回収について説明します。平成30年2月28日に開催されたTERMS第三者評価委員会において、死亡した患者の残薬を回収するために、企業が薬剤師に対して、患者の個人情報の取得を試みたという、企業からの薬剤紛失事例の報告に対して、第三者評価委員会の委員より、「残薬の数の確認を含む第三者曝露防止」と、「企業による安全管理手順」への関与に共通して関わるもので、現実的かつ社会的に許容可能な対応を検討する必要があるのではないかとの指摘がありました。
現行のTERMS、RevMateの薬剤の返却に関する記載においては、治療の中止等により不要な薬剤が発生した場合に関する記載はありますが、患者が亡くなった場合など、薬剤の回収が困難な場合に関する記載はない状況ですので、現実的な対応として、3ページに記載していますが、TERMS、RevMateの薬剤の返却の項に、「ただし、独居の患者が亡くなった場合など、薬剤の回収が困難な場合であって、第三者曝露のリスクがないと認められた場合にはこの限りではない」という趣旨の文言を追加してはどうかと考えています。以上が残薬の回収に関する内容になります。
続いて3つ目の審議事項になりますが、女性患者Cの同意書の文言に関する内容になります。本件はTERMS第三者評価委員会からの指摘事項になります。別紙1を御覧ください。四角囲みしている箇所になりますが、現行のTERMSの女性患者Cの同意書には、「必要に応じて、パートナーの情報を藤本製薬株式会社に提供することを承諾します」という記載があります。TERMS第三者評価委員会から、この文言について、女性患者Cのパートナーの情報を企業に提出することにより、胎児曝露防止につながるとは考えにくく、削除すべきとの指摘がありました。こちらにつきましては、現行のRevMateにも記載はなく、TERMS第三者評価委員会の指摘のとおり、胎児曝露防止につながるとは考えにくいため、削除しても差し支えないのではないかと考えているところです。
最後の審議事項になりますが、資料3の4ページを御覧ください。定期確認票の運用の見直しについてです。まず定期確認票についてですが、定期確認票とは患者自らが記入する定期的な遵守状況報告で、具体的には別紙2に定期確認票を添付しています。患者の区分に応じた頻度、内容で、遵守状況に関する報告を医師に提出していただく運用となっています。
資料3、4ページに戻っていただきまして、2つの論点について説明します。まず丸1についてですが、こちらはRevMate第三者評価委員会からの提言になります。現行の定期確認票の提出は医師となっていますが、RevMate第三者評価委員会のアンケートの調査では、図でお示ししているとおり、医師・薬剤師ともに、提出先は「薬剤師」が最も良いと考えている結果が報告されています。
また、RevMate第三者評価委員会より、患者・医療従事者の負担軽減を目指し、運用方法についても改めて議論してもらいたいとして、対応案として電子化が提案されています。具体的には医師からリマインドを実施し、そのデータを薬剤師に飛ばすという方法で、医師・薬剤師からの患者へのリマインド、セルジーン社のモニタリングが可能となり、さらに電子で保管することになるため、保管場所も不要になるというものになります。
続きまして、丸2について説明します。こちらは平成26年12月に取りまとめられました、本検討会の報告書によるものになります。これまで患者の遵守状況の確認方法は、患者自身が企業に定期確認票を送るというものでしたが、このときの検討会では2つの案が提案されていまして、1つ目が定期確認票を廃止し、患者の遵守状況は医療関係者の確認にまとめる、2つ目が現在の手順となりますが、企業に送っていた定期確認票を処方医に渡すというものです。
本検討会の報告書によると、1つ目の定期確認票を廃止する案が支持されていましたが、これまで企業を介していたものが、全て医療機関で行うようになるという点で大きな改訂になるため、段階的な改訂を行うべきという結論となっていました。一方で平成27年9月の安全対策調査会では、1つ目の患者の遵守状況の確認を医療機関にまとめる案について、引き続き検討すべきとの意見も出されていました。
以上、2つの論点がありますので、2つの対応案について説明させていただきます。5ページを御覧ください。まずA案についてですが、定期確認票の提出先に薬剤師を追加した案でして、B案は定期確認票を廃止した案になります。具体的な手順については別紙3を御覧ください。まず1ページ目ですが、定期確認票を医師に渡す現行の手順となりますが、患者は前回の診察時に定期確認票が渡されており、処方医に提出するよう言われておりますので、丸2になりますが、診察時に定期確認票を処方医に提出します。その上で処方医は、定期確認票と遵守状況確認票に基づき必要な説明を行い、必要に応じて妊娠検査等を行います。処方医は定期確認票の記載内容の確認と必要な説明を行った旨、処方数、妊娠検査結果等を遵守状況確認票に記入し、定期確認票と一緒に薬剤部へ送ります。薬剤師は記入された内容を確認した後、薬剤管理に関する必要な説明、記入内容の確認と必要な説明を行った旨を遵守状況確認票に記載し、薬剤を交付します。その後、薬剤師は遵守状況確認票と定期確認票を企業に送り、原本は医療機関内に保存します。企業は送られた定期確認票等を随時確認し、担当者が定期的に医療機関を訪問します。以上が定期確認票を医師に渡す現行の手順となっています。
続いて2ページを御覧ください。A案は医師又は薬剤師に定期確認票を渡す流れですが、こちらの図は薬剤師に渡した場合の手順を示しています。主な変更点は、赤字とオレンジの矢印の箇所になります。変更点を中心に説明させていただきますが、まず初めに、患者が診察を受ける際に医師に定期確認票を渡さないため、処方医は定期確認票を用いず、患者の遵守状況と理解度の確認等を行います。丸5になりますが、患者は医師の診察が終了した後、薬剤師に定期確認票を提出します。丸7ですが、薬剤師が必要に応じ、患者の遵守状況等について医師に報告をするという手順になります。
続きまして、B案について説明します。3ページを御覧ください。定期確認票を廃止した場合の手順ですが、これまで定期確認票を用いて、患者が適切に薬剤管理を行えていたか、また、男性患者Aや女性患者Cについては、性交渉の有無等の確認を行っておりまして、患者の状況を医師が把握していました。そのため、定期確認票を廃止するのであれば、薬剤管理や性交渉については処方医が確認し、遵守状況確認票に記載することになるかと思います。その後の手順はこれまでと同様、薬剤師は処方医が記載した遵守状況確認票を確認し、患者に対して必要な確認や説明を行い、企業に遵守状況確認票を送り、企業が随時確認するという流れになります。以上が定期確認票に関する内容です。
審議事項は以上になりますが、その他のRevMateの提言事項の対応については、TERMS、RevMateの改訂につながる内容ではないため、それぞれ対応方針について報告させていただきます。資料3の6ページを御覧ください。1点目は教育資材の見直しになります。RevMate第三者評価委員会の患者アンケートによると、家族や同居人と共有した薬剤や催奇形性に関する話題の問いに対して、「高齢なので不要」、「妊娠する可能性がないので不要」といった趣旨の回答が多数ありました。
本プログラムは患者本人だけではなく、家族と周囲にとっても重要なプログラムであることが、理解されていない恐れがあると考えられたため、第三者評価委員会から具体的な対応案が提案されています。患者用の資材にRevMateの目的、必要性を追記し、高齢者が見ても分かりやすい資材とすること。薬剤の包装をカプセルシートとし、妊娠の可能性がある女性にとって危険な薬剤であることが分かるようなものとすること。薬剤が第三者に渡ってしまったときのリスクを、教育資材で視覚化すること、という対応案が提案されています。
これらの提案に対して、カプセルシートは既に藤本製薬でも導入済みでして、セルジーン株式会社においては平成30年1月から導入されている状況です。また、教育資材については、既にセルジーン株式会社で検討を進めているところと聞いており、藤本製薬に対してはRevMate第三者評価委員会のアンケート調査を参考に、資材の作成について提案することを考えています。教育資材については以上になります。
続いて7ページを御覧ください。2つ目はレブメイトキットの見直しについてですが、こちらもRevMate第三者評価委員会からの提言でして、アンケート調査の結果、レブメイトキットが大きくて「使いにくい」との意見が複数上がっていることから、セルジーン株式会社において形状等の見直しを検討しているとのことです。
最後の報告になりますが、本検討会で取りまとめられた検討会の報告書及び平成27年9月の安全対策調査会で求められた、サリドマイド等の安全管理手順に関する診療報酬について、平成30年4月1日より施行が決定されたので報告します。駆け足ですが、資料1~3について、事務局からの説明は以上です。
○藤井座長 ありがとうございました。続いて今日、御出席の参考人の方から意見を聴取したいと思います。まず初めに佐藤参考人から資料4の説明をお願いします。
○佐藤参考人 サリドマイド薬害被害者の福祉センターであります「公益財団法人いしずえ」の佐藤と申します。本日はこのような機会を与えていただきましたこと、座長の藤井先生及び厚生労働省の関係者の皆様に御礼を申し上げます。
今回、3年ぶりにこの検討会が開かれることになったわけですが、このTERMS及びRevMateの目的は、これらの薬剤の胎児への曝露を防止することなのですが、改めてなぜサリドマイド及びレナリドミド、ポマリドミドについて、このような特別なリスク管理が必要であるのかを確認しておきたいと思います。サリドマイドの催奇形性については、過敏期に服用すると1回1錠の服用で確実に、これは100%と言ってよいと思います、確実に奇形を起こすという薬剤です。世の中には様々な催奇形性を持つ薬剤は存在しますが、このような薬はほかにはないということです。通常、催奇形性があるという薬剤でも、奇形のリスクが2倍に上がるとか、そういうもともとそれほどの頻度でないものが、ある種の奇形が2倍に上がるというようなもので、そういった薬剤はありますが、このように1回の服用で100%奇形が起こるという薬剤は、恐らく今のところ知られている限り、ほかにはないのではないかと思います。ですので、催奇形性があると言われるほかの薬とは違って、これに関しては特別なリスク管理が必要であるということだと思います。
もう1つ重要な点は、奇形を起こすヒトでの閾値が分からないということです。どのぐらいの低用量であれば安全なのかは、今のところ誰にも分からないということですので、非常に低用量の曝露においても奇形が起こり得ると現状では考えて、対策をとることが必要になるかと思います。
次に3枚目のスライドです。サリドマイドを男性が服用する場合も、妊娠の回避が必要であることをもう一度確認したいと思います。サリドマイドを服用した男性の精子、精液中からサリドマイドが検出されるということ。それからウサギの実験で雄のウサギにだけサリドマイドを投与した場合に、子供に異常が認められたという報告があるということです。先ほどの精子、精液中のサリドマイドは恐らく微量だとは思いますけれども、サリドマイドが胎児に影響を与える閾値は不明であるということですので、低用量であってもヒトに奇形を起こす可能性は排除できないという点で、男性が妊娠回避をするということも非常に重要なポイントであると思います。
そのことを、いかにきちんとこの薬を飲まれる患者の皆様に御理解いただいて、そのことを実施していただくかということが、このリスク管理の一番のポイントになるわけですが、一番の根幹に関わることの1つが、この定期確認票だと私は思っております。しばしばリマインドという言葉が使われますが、実はこの定期確認票の意義は、単なる知識のリマインドではないということです。むしろ患者さん自身が自分の行動を振り返って、妊娠回避と家庭での薬剤の管理を、妊娠可能な女性の患者さんであれば月に1回、男性の患者さんであれば2か月に1回、妊娠の可能性がない女性の患者さんについては半年に1回振り返って、セルフチェックをすることが一番重要なポイントであると思います。自らの行動を自ら振り返って確認するということです。
ですので、先ほど論点として定期確認票の廃止ということも、1つの案として厚生労働省から出されていましたけれども、こういう定期確認票の意義を考えると、そもそもこれを廃止することを論点にすること自体が、このシステムの根本を否定するような提案であると思います。この患者さんが自らの行動を振り返って確認したということを、現行では医師・薬剤師、そして中央のセンターが把握することになっております。ここで何か問題が見出されれば、介入の必要性が生じることになるかと思います。
実際に患者さんがこの定期確認票への記入について、どのように感じていらっしゃるかについての調査結果が出ております。RevMateの第三者評価委員会で行った調査結果はスライド5です。「定期確認票」を記入することについてどのように感じているかに関して、「負担ではない」が55%です。「どちらともいえない」が30%、「負担である」というのは僅か11%です。それから、妊娠防止に役立っていると思うかに関して、「役立っている」と答えたのが33%です。「どちらともいえない」が24%、「わからない」が11%。「役立っていない」という回答は6%にすぎません。ここから分かるのは、「役立っている」と実感を持っている方がそれなりの割合、かなりの割合いらっしゃるということが1つ。それから「どちらともいえない」、あるいは「わからない」という回答をされた方というのは、恐らく自分は直接もう妊娠の防止については関係がないので、自分自身にとっては「わからない」という答えであったのではないかと思います。このことから言えるのですが、患者が記入する定期確認票は、患者さんにとって現状ではそれほど負担にはなっていませんし、「役立っている」と感じていらっしゃる方がむしろ多いと考えております。今後も定期確認票を有効に活用すべきです。
それから論点の中で医師・薬剤師が記入する遵守状況確認票と同じ用紙というようなことも出ていたかと思いますが、そのようなことは基本的にはナンセンスだと思っております。最終的な資料からは、その点は除かれていたのかもしれませんが、いずれにしても患者さんが居宅に持ち帰って記入できるということが必須で、医療機関で全て済ませてしまうことには問題があると思います。やはり妊娠回避という極めてプライベートな事柄に関しては、病院という非日常の診察の場ではなくて、自宅という日常生活の場で自らの行動を振り返ることがいいのではないかと考えております。
この論点の中で医師・薬剤師にとって負担になっているという意見が多いということが書かれていたのですが、今回の第三者評価委員会の調査結果を見る限り、医師・薬剤師にとって負担であるという意見は少数です。例えば、参考資料2の66ページ、こちらは医師の回答の部分です。提出方法として薬剤師に手渡ししてほしいという意見が多いということはあるのですが、「定期確認票」の確認について問題点・改善点ということを言っている方は、66ページの右下、「N=29」と書いてあります。全体の回答のN数が636人ですから、非常に僅かな方が「時間・手間がかかる」とかおっしゃっていて、大多数の医師はそのことに対して特別な負担であるとの意見は表明していないということになるかと思います。
薬剤師についても、今と同じ資料の78ページの右下です。薬剤師の回答は490で、そのうち「定期確認票」の確認について問題点・改善点があるというのは88ですが、「定期確認票は不要」というのは20例にすぎなくて、「頻度を減らしてほしい」、「作業が煩雑」というのは13件、11件ということで、こちらも多数の意見とは言えない。そういう意見があることはありますが、比較的少数の意見であるかと思います。ですから、資料3の5ページ、厚生労働省が作られたこのTERMS及びRevMateの運用見直しについてのB案、「定期確認票の廃止」の所に記載されている「定期確認票が医療者及び患者にとって負担となっている意見が引き続き多い」というのは、完全に誤った解釈であると思います。
こういう定期確認票の廃止ということを論点として立てるということ自体が、私はやや常軌を逸しているのではないかと思います。少なくとも今回の第三者評価委員会の調査結果からは、定期確認票を廃止すべきという議論は全く出てこない議論であると思っておりますし、第三者評価委員会でも定期確認票を廃止すべきだというディスカッションは、基本的にはなされていないと理解しております。ですから定期確認票に関しては、より有効な運用、活用の仕方はどうあるべきかは大いに議論すべきであると思いますが、廃止ということに関してはシステムの根幹に関わることですので、これを変えようということに関しては、よほどの根拠となる数字なりがなければ、できないだろうと思っております。
最後になりますが、もう一度資料4の意見に戻ります。資料4の一番最後です。残薬の確認に関してですが、基本的には残薬は原則として回収すべきであると思います。居宅に残った薬による不測の事故を防止するという観点からです。先ほど論点に出ておりましたが、製薬企業の方が患者さんの同意なしに自宅を訪問するということがもしあるならば、それは問題ですが、通常同意なしにそういうことをするということは現実的にはありませんし、そこに関してきちんと患者さんの意向を配慮していくということは重要だとは思いますが、ただ基本的には回収の必要性について患者・家族の方に御理解を頂いて、協力していただくことは原則であろうと思います。逆に薬が居宅に残ったまま放置されているという状況は、患者さんや御家族にとってもお困りになることなのではないかと思います。
先ほどの独居の方がお亡くなりになられた場合に、確かに回収が実質的に困難な場合というのが生じるとは思いますが、そのことに関して例外的に、実際に回収が難しいということについて、それを何が何でも100%、無理やり回収せよということまでは私も申しませんけれども、基本的にはなるべく御協力、御理解を頂いて回収をするということが望ましいと思います。
治療終了後にどのぐらい残薬があるかを把握するためには、処方のたびに残薬数を確認することが必要になってきます。これは患者さんにとって御負担が多いのかもしれませんけれども、現在はカプセルシートを持参して見せることはしなくてもよいということですので、患者さんの申告に基づいてということですので、そういうことについても引き続き継続をしていただきたいと思っております。私からの意見は以上です。ありがとうございました。
○藤井座長 ありがとうございました。それでは引き続きまして上甲参考人から資料5の説明をお願いします。
○上甲参考人 骨髄腫患者の会で代表をしております上甲恭子と申します。本日は検討会を開催していただき、また、意見を述べる機会を頂戴しまして、座長をはじめ、委員の先生方、厚生労働省の皆様方に感謝申し上げます。ありがとうございます。資料5に基づきまして御説明申し上げます。
改訂から2年がたちました。改訂を実施する前にあった安全対策調査会のときに、逸脱が起きたらどうだろうか、あるいは本当に恐しいこと、妊娠例が起きたらどうなるのだろう、胎児曝露例が起きたらどうなるのだろうということが盛んに議論されて2年間、私、ひやひやしながらこの動向を見守ってまいりましたが、改訂から2年を振り返って、妊娠例も胎児曝露例も1例も起きていない。このことを先生方にもまずは認識していただきたいと思って、最初に書かせていただきました。
では、妊娠や胎児曝露につながるようなヒヤリ・ハット、ひやりとするようなことが起きたのか。この点については、1点目、事務局からの御説明にもありましたが、医療機関内、入院中の病棟内でほかの患者に薬を渡してしまって飲んじゃったということが起きました。幸いそれは男性の患者だったので妊娠しているということがありませんでしたが、これが多分、この2年間の中、あるいはサリドマイドが承認されて10年の中で1番、私がひやりとした瞬間だったような気がしております。
そして肝心の、このTERMSやRevMateが主としている、外来で薬をもらって家で薬を飲んでいる患者、その人たちの中でヒヤリ・ハットが起きなかったのかということをRevMateの患者調査は行っていますが、「胎児曝露のリスク」に直結するような例は見られなかったという報告がありました。
一方、システム自体の逸脱はなかったでしょうか。TERMSの社内委員会の報告書から引用してまいりました。社内委員会の報告書は公表されていませんので、つまびらかにはできませんが、ある3か月間に起きた逸脱は合計10数件です。遵守状況の確認のファックスを送る時期が誤っていた、あるいは、未登録のまま処方がされた、あるいは、妊娠反応検査4週を超えないようにというところを4週を超えてしまった、というような、重要インシデントとは言えませんが、逸脱は起こっているということも報告しなければアンフェアだと思いまして、一緒に書かせていただきました。
次のページです。ということは、このシステムは完璧に胎児曝露を、妊娠を防止していて、このシステムでいいじゃないかという考え方もあろうかと思いますが、では、このシステムによって薬へのアクセスが阻害されているということがないのかということを、報告書等々から引用してまいりました。TERMSの医師調査報告の自由記載欄には、はっきり、「新規処方する気が失せる」という言葉がありました。薬剤師の自由記載欄にも、「手間がかかるので使用中止を検討する」と。これは正しく、この薬へのアクセスを阻害している、そういう結果がこの報告書に表われているのではないかと思い、委員の先生方にも読んでいただきたいと思い引用してまいりました。では、TERMSのほうがファックス使ったりで面倒なので、RevMateのほうは何にも持ってないんじゃないのという疑問にお答えするべく、RevMateの医師・薬剤師の調査報告からも、「時間がかかる・手続きが多い」という意見がゼロではないということをお示しすべく、このスライドを作りました。
次のスライドを御覧ください。システムが患者に与える心理的負担がないのか、という点について紹介したいと思います。先ほど事務局からの御案内もありましたように、死亡した患者の家に残薬がある、処方された数と飲んだ数とを引き算するとどう考えても残薬がある、企業がそれを回収しに来たい、そのために患者の個人情報を入手するべく試みたという例がありました。この参考に書かせていただいていますのは、前回までの検討会の報告書の1ページです。前回までの報告書にも、もう企業へは個人情報を登録しないようにしましょうね、でも、企業が患者の家に直接、連絡するときは、あらかじめ手順を定めておかなきゃいけませんよということが記載されています。実際、この企業が死亡患者宅の個人情報を知りたがったときに、この手順をあらかじめきちんと踏んでいたのかどうかは、企業からの報告書には載っていませんので分かりませんでしたが、こういう事例がありました。こういう事例があったということは、この患者は既に死亡しておりますので関係ありませんし、ほかの患者は知りませんが、こういうことがあったということを患者が知ったら重い重い心理的負担を帯びる、そう思っております。
この企業からの報告書を私は読んでおりますが、この中にこういうくだりがありました。「患者は残薬を返すというふうに同意書で約束しているでしょ」とか、「医療機関が持っている情報はやむを得ない場合には企業に開示されますよ、ということも同意書で同意しているでしょ、でも、患者はそういうことを納得しなかった、同意したのに」と。そういうふうなスタンスを企業はとっておりまして、余計、私は腰を抜かすほど驚いて、同意書をもう一度、見てみなければと思った次第です。
 同意書の文面を見ていただきたくお示しいたしました。最初に放射性ヨウ素の同意書が出ておりますが飛ばしまして、サリドマイドとレブラミドの同意書を先生方、御覧になってください。今日、別紙1でも配られておりますが、別紙1では四角で囲んであり、妊娠可能な女性患者が万一、妊娠したとき、必要に応じてパートナーの情報を企業に提供することに同意しなきゃいけないと。これは、どう考えても脅し以外の何があるんだろうかと思いまして、企業に尋ねたんですが、この文言、このTERMSができた10年前から入っていたと聞きまして、がく然といたしました。私はTERMSを作るときから携わってきましたので、こういうのを私も見落していたので、私にも責任が十分あると重く感じております。この同意をこれまでサリドマイドの治療を受けてきた女性患者C、2桁の数しかありませんが、みんなこういうのを見てきた、どんな心理的な負担を帯びていただろうか、そう考えると大変申し訳ない気持ちになっております。
 サリドマイドの同意書の、ずっとこの四角で囲んだ下を見ていってください。「本剤を不適切に扱い、万が一、事故が発生した場合は、私にも責任があることを理解しました」と。同じような文言が裏面、RevMateの同意書にもあります。多発性骨髄腫は不治の病です。この薬を飲んだからといって治癒するわけではありませんが、そういう患者が治療をするにおいて、この薬の社会的背景、過去のことを考えるといろんなことを同意しなければいけないけれども、いろんなこと、細かいこと、何もかも同意して、まだ最後に、私にも責任があるんですよというようなことに同意させられるというのは。一体この同意書は、同意書と言えるのだろうか、誓約書なんだろうか、念書なんだろうか、そういうふうな気持ちを持って、最近改めて同意書を読んでみました。
放射性ヨウ素の内用療法に関する同意書を添付しましたのは、これが私が受けた治療であるからです。サリドマイドは過去に大きな薬害を起こしていますので、ほかの治療と同列に扱うことは、ほかの抗がん剤と同列に扱うことはできないということは重々承知しておりますが、その上でこれも御参考に見ていただきたいと思いました。なぜなら、サリドマイドは、自分が飲んだ薬は自分に対して被害を及ぼすのではなく、自分のお腹の子供、自分の子であったとしても別人格である子供に被害を及ぼすのだから、ほかの抗がん剤と一緒に考えられないという観点からすると、放射性ヨウ素の治療も同じでした。大変な量の放射性ヨウ素を飲みますと、体から放射線が放出されます。それの被害を受けるのは患者の自分ではなく周りの人です。だから周りの人のことを考えてこういうことを理解しなければ、あなたは治療を受けられないんですよということで、私もこの同意書にサインをいたしました。その頃、もう、TERMSのこともRevMateのことも知っておりましたので、随分違うものだなあと考えたことを今もよく覚えております。サリドマイドには過去に大きなことがありましたから、この放射性ヨウ素と同じようにしてほしいとは思いませんが、この同意書が患者に与える心理的負担はゼロではないということを、先生方にも知っていただきたいと思いました。
次のスライドです。第三者曝露防止について事務局からの提案もありました。例えば残薬を確認すること、例えば薬剤管理師を設置すること、これらは、いずれも第三者曝露を防止するという観点からの考え方だと思うのですが、薬剤管理者の設置のルールを変えるとか、残薬の回収ルールに一行加えるとか、そのこと自体に反対は全くしておりませんが、その議論をしていただく前にどうか、第三者曝露防止とは何かというところをもう一度御確認いただけたらと思っております。第三者曝露防止について、欧米も含めて、第三者による誤服用や供与における妊娠事例の報告はありません。また、欧米のどこにも残薬の勘定をしているところはありません。残薬の勘定をするなとは申しません。私もたくさん薬を飲んでおりまして、診察室で医師に、あれは何個、あれは何個って言っています、コンプライアンスの面からも。あとは、たくさん薬を持っていると、その分、お金が掛かりますから、サリドマイドもレナリドミドもポマリドミドも安い薬ではありませんので、たくさん患者の手に持たす必要はありませんので、残薬を勘定するのは構わない。コンプライアンスの面、あるいは経済的な面で勘定するのは構わないのだけど、残薬が患者の手元に残っていたら、一体どんな現実的なリスクがあるのかというところをもう一度、先生方で御確認いただいた上で、薬剤管理者、あるいは亡くなった患者の残薬回収について御議論いただけたらと思っております。
定期確認票についてです。定期確認票について「いしずえ」の方々が強いお気持ちがあるということは、もう、長年、このことをやっておりますので承知しておりますが、そろそろ、もう一度、考えていただきたい時が来ていると思っております。定期確認票のエビデンスを求める声は、RevMateの薬剤師、医師の調査から出ております。どういうふうに目的を果しているのか分からない、あるいは、定期確認票によって患者とのコミュニケーションが良くなったというふうには感じない。次のスライドですが、10年間、私、このことに携わっておりますが、こういう言葉はなかなかなかったなあと思うのですが、どういう効果があるのかエビデンスを示してほしいと。こういうふうにはっきり書かれたものを見ることが余りありませんでしたので、定期確認票、どういうふうに今後、なっていくのか、対応案を事務局からもお示しいただきましたが、どうあれ、定期確認票を続けるならばエビデンスを示していただきたい、それからにしてほしいというふうに思っております。
それから定期確認票の議論をするのは当然だと私は思っております。前回の検討会の報告書では手順案1、つまり、今回、配っていただいたポンチ絵のB案になろうかと思いますが、手順案1を支持する意見が多いものの、まずは手順案2によりやっていく、段階的にやっていきましょうということが報告書にも明確に記されていますので、これを議論しないということは考えられませんし、是非、議論の際には、エビデンスを求める声が実際あるということをどうか先生方、念頭に置いていただきたいと思います。
次のスライド、いろいろ書いておりますが、精子、精液中の薬剤が胎児にもたらす影響の研究やってください。前回の報告書にもそのような記載が、そういう研究を進めることが望ましいという記載があったかと思います。今、男性患者はグレーです。でも、黒に近いグレーとして扱われていて、それは今の段階では致し方ないと思っております。精子精液中に薬剤が行くことは分かっていますが、それが胎児にどういう影響をもたらすのかという研究をしていただいたら、もしかしたら男性患者はグレーか黒が白になるかもしれない。そうすると、今、帯びている無用のストレスがなくなるかもしれないというふうに思っておりますので、引き続き研究について御検討いただきたいと思います。
それから、このスライドの一番下に書いておりますが、家庭内で、服用している薬について患者の家族や同居人とお話したことがありますかという質問に対して、関係ないとか、妊娠しないとか、年寄りやし、というようなことがたくさん出てきているようです。それが実際、示していることだとは思いますが、「じゃあ、あなたの家には妊娠可能な二十歳のお孫さんは来ませんか」みたいなことを薬剤師さんが、おじいさんの患者さん、おばあさんの患者さんと話すようなことが、このシステムを良くしていくんじゃないかなと思っております。幸いなことに、たくさんの先生方、厚生労働省の御努力により診療報酬を付けていただきましたので、その診療報酬は残薬を数えたり、定期確認票をファイルしたりというようなことに使うのではなく、「あなたの家、お孫さんいないの」みたいに、「ああ、まだ話してないんですね。じゃあ今度、また次回、尋ねますから話してね」みたいなことが薬剤師さんと高齢の患者の間でなされているなら、診療報酬を付けていただいた意味がとてもあるなあと思っております。
長くなりました。まとめです。妊娠例はありません。胎児曝露も起きていません。ヒヤリ・ハットも胎児曝露に直結するようなものはありませんでした。すなわち、今のシステムは大変よく機能していると言えますが、一方、アクセスを阻害しているという意見もあり、更なる改良の余地と必要性を示唆していると思っております。どうかよろしくお願いいたします。前回、検討会の報告書にある手順案1、今回、書いていただいたポンチ絵のB案になりますが、これに移行するべく、定期確認票の効果の有無、それからその要否、それからシステムにどこまで企業が関与するのか、その程度を検討していただきたいと思っております。最後に第三者の曝露防止の取組、一体どこにリスクがあって、誰のリスクを回避するために第三者曝露防止を継続するのか、その根っこのところを話し合った上で、薬剤管理者や残薬の回収などについて御検討いただければと思います。長くなりました。以上です。
○藤井座長 ありがとうございました。それでは、両参考人の意見を聴取した上で、資料3の審議事項に従い、1つずつ議論を進めていきたいと思います。まず、最初の議題(1)「薬剤管理者設置ルールの策定」です。事務局より、施設への入所や在宅医療等も考慮した薬剤管理者の定義に関して提案がありました。御意見をお願いいたします。ありませんか。久保田先生。
○久保田委員 久保田です。2ページ目の管理者(案)は、リーズナブルだと思うのですが、ほかのことでもそうですが、こういう変更をしたときに、後できちんと評価できるような数字を残しておいてほしいと思います。つまり、現状で管理者になり得る人がいないと言っている人が実際にどのぐらいいるのか、その属性といいますか、年齢だったり何だったり、そういう背景も含めて何%ぐらいいるのか、今度、この案を採用したとして、それがどのぐらい改善したのか、この案をもってしても、どうしても見つけられないという人もいるかもしれないので、それが何%ぐらいあるのか。そのようにきちんと評価できるような数値を、是非、残しておいてほしいというのが私の希望です。
○藤井座長 遠藤先生いかがでしょうか。
○遠藤委員 前回のときも薬剤管理者の設置について、かなり議論はしたと思いますが、今回、このように手順案を作っていただくのであれば、各医師の所でこれに従ってきちんと判断していただければ、管理者がいないというような、様々な問題点をある程度解消できるのではないかと思います。
○藤井座長 尾崎先生いかがですか。
○尾崎委員 私もそうで、基本的に患者さんの病状が変わり得ると思いますので、そのときには、やはり薬剤管理者の設置の必要性について医療機関側でも判断していくということを盛り込んでいただくということで良いと思います。
○藤井座長 田代先生はいかがですか。
○田代委員 基本的にこれで良いと思いますが、1点細かいところで、ここに「患者さんの身近な者」として、「家族、親戚、近隣住民」と書かれ、その後、「医療関係者又は介護職員」とあり、特定をし過ぎているような気もします。現場で実際に判断するとき、例えば、在宅の患者さんでケアマネさんだったらどこで読むのかなど、余りリジッドに読まれない表記のほうがいいと思います。
これと直接関係はしませんが、厚労省で最近改訂のあった「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」などでも、やはり、単身世帯や必ずしも家族がいるわけではないということを踏まえ、「家族等」という表現の中で友人なども含めて見ることができるようにとされています。厚労省全体として、このような患者さん本人を支える人たちをどのように定義付けて呼んでいくのかということは、整合性を持ちつつも、少し膨らみのある形で、実を取れるような感じでやっていただければと思います。方向性としてはこれでいいと思います。
○藤井座長 そうしますと、例えば「等」という言葉を入れるとか。
○田代委員 そうですね、ここでは「身近な人」ということが趣旨になっており、かつ以下にあるようなことを十分に理解されている方という、実質で現場で判断していただけるようになればいいと思います。
○藤井座長 林先生。
○林委員 今回の改訂の問題意識からすると、こういった改訂の記載をすることについては意味があると思います。法的な問題ではないのですが、私もここにどのぐらい書き込むのか、今、田代先生がおっしゃった点は、ぼんやりとどこまでかなと思っていましたので分かりやすいと思いました。
○藤井座長 では、法律の専門の山口先生。
○山口委員 そうですね、その趣旨をきちんと活かして、そして処方医師がきちんと判断してくださるということであれば、田代先生がおっしゃったような方向性を少し入れたほうがいいと考えます。方向性として特に異存はありません。
○藤井座長 そうしますと、皆様の御意見として、おおむねこの事務局案で御賛同いただけるということですが、田代先生のおっしゃるとおり、余りリジッドに決めてしまいますと身動きが取れなくなるので「等」という字を「介護職員」の後に、などの「等」でよろしいでしょうか。では、それを加えるということと、久保田先生のおっしゃるように、実際どのぐらいの方がこれに見合うものをやられたのか、これを調べるのはどこになるのですか。
○医薬安全対策課長 事務局です。御指摘ありがとうございます。今、田代先生からの御指摘を踏まえ、座長に御整理いただいたように、介護職員の後ろに「等」を入れるという形で少し幅広に取れるようにしたいと思います。ケアマネがその介護職員に入るのか入らないのかは、厚労省内の報告書等でも微妙なところがあり、解釈が分かれるところではありますが、そこは対応いたします。
久保田先生から御指摘いただいた、こういった人材がアベーラブルなのかどうかというところ、そして、これを置くことにより、どのように状況が変化しているかということについては、引き続き、第三者評価委員会にそれぞれ単独、連名とありますので、その中で何らかの形で調査やアンケート等ができるかどうかも含め、少し検討させていただきたいと思います。
○藤井座長 ありがとうございました。それでは、今、事務局から改めて「等」という案が出されましたので、その案のとおり、薬剤管理者の定義を定めることとしてよろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○藤井座長 ありがとうございます。御異議なしといたします。続いて、2つ目の議題「残薬の回収について」です。先ほどの独居の患者さんが亡くなったときのように、残薬の回収が困難な場合の対応案が、事務局より提示されております。御意見はいかがでしょうか。いかがですか。先ほど佐藤先生からも、亡くなってどうしても駄目な場合には、それはさすがにとありましたが皆さんはいかがでしょうか。御意見はないですか。よろしいですか。この原案によりますと、「ただし、独居の患者さんが亡くなった場合など、残薬の回収が困難な場合であって、第三者曝露のリスクがないと認められる場合にはこの限りではない」と。よろしいでしょうか。遠藤先生はよろしいですか。
○遠藤委員 はい。
○山口委員 これでも十分に厳しいかな、「ない」というのは十分に厳しいかなと思います。
○藤井座長 「ない」というのは、この「ない」というのはどのように判断するのか、「極めて少ない」ぐらいなら分かるのですが、「ない」というのはどのように判断するのですか。これはいかがですか、事務局案を作ったとき。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。この「ないと認められる場合」ということで、一定の水準で不在の証明ではないのですが、ないことが見込まれる状態のときにということで、この「認められる場合」というのを後ろに付けたのですが、そこが分かりにくいということであれば、「第三者のリスクが見込まれない場合はこの限りではない」とか、そのような、もう少しストレートな表現にしたほうがいいのではと、今の議論を聞いていて思ったところです。
○藤井座長 確かに、独居の方が亡くなり、そこに誰かが踏み込んで、その薬をわざわざ見付けて飲むというのは非常に考えにくいことではありますので、「見込まれない」でよろしいでしょうか。よろしいですか。それでは、皆様の御意見から、今の事務局案「ただし、独居の患者が亡くなった場合など、残薬の回収が困難な場合であって、第三者曝露のリスクが見込まれない場合にはこの限りではない」という文言を追加するということでよろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○藤井座長 それでは、御異議なしといたします。ありがとうございます。ここまでは極めて順調です。それでは、3つ目の議題「TERMSに関する女性患者Cの同意書の改訂」について、審議を進めたいと思います。事務局より、女性患者Cの同意書の存在そのものについて、上甲参考人より意見表明もありましたが、この同意書の中の、パートナーの情報を藤本製薬に提供することを承諾するという項目を削除する案が提案されております。御意見いかがでしょうか。これはRevMateにはセルジーンというものはありません。統一する意味でも、私は。どうぞ遠藤先生。
○遠藤委員 私もTERMSを作るときに関与していたのですが、この条項があるのは知らず、本当に何か申し訳ないと思います。もし私がこれに気付いていれば、この条項はなくてもいいと考えたと思いますので、遅ればせながら削除してよろしいと思います。
○藤井座長 それでは、本日の議題に入っておりますTERMSのほうの項目を削除するということについては、よろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○藤井座長 では、これも御異議なしということでお認めいただいたということにいたします。なお、私も先ほどの上甲先生の、同意書の中の「責任はあなたにある」という、いかにも製薬サイドのような文言があるのは確かに気になるので、この辺については引き続き第三者評価委員等で御検討いただければと思います。同意書そのものの存在はともかくとして、個々の細かい項目について、余り私たちも日常シーンで見掛けない言葉ですので、これについては本当に必要があるかどうかについて御議論いただければと思います。
多分、今日一番議論があると思いますが、最後の審議事項「定期確認票の運用の見直し」について、審議を進めたいと思います。本日2つの案があります。事務局より、定期確認票の提出先に薬剤師を追加するA案、定期確認票を廃止するB案の2つの案が提示されております。御意見等はいかがでしょうか。両参考人から、それぞれの意見を表明いただきました。佐藤委員からは、第三者委員会の調査で、特に負担になっていないと回答された方が多かった、それから、やはり意義があると言っている方が最多数の30何%いるという意見がありましたので、うまくいっているのでこのままでいいという御意見でした。
また一方、上甲委員からは、この定期確認票のそもそもの意義が、要するに、医師との間で本当にプラスアルファであるのかどうかについて確認されていない、エビデンスがないという意見もありました。いかがでしょうか。これについてはそれぞれ意見があると思いますが、まず久保田先生いかがですか。
○久保田委員 定期確認票という形ではないとしても、STEPSなどでは定期的に確認を求めることがあると思います。これが本当に有効なのかを示すのは、かなり難しい問題であると、それは私もそのとおりだと思います。この胎児曝露を防止するということ自体が実はとても難しいことで、なかなか直接的に手を出すわけにはいかないので、難しい問題であると思います。
ただ、今までにリスク最小化策の評価には2つあると言われており、1つはアウトカム評価です。実際、それにより防ごうとしていることがどのぐらい減ったのか、発生がどのぐらい減ったのか、この評価の場合には、いわゆる疫学的な方法も使えると言われています。もう1つはプロセス評価と言われるもので、アウトカムにまでは至らないが、そのアウトカムが発生するようなことを増やすことにつながると考えられることが、どうなっているのかという、多くは関係者の意識調査や行為を調査する、聞くというサーベイになって、いわゆる疫学的な方法は余り使えないみたいなことです。
アウトカムということに関して言えば、今までのところゼロである、そのとおりだと思います。ただ、先ほども申し上げましたが、実はこれは非常に難しいことで、アメリカにイソトレチノインの最終的に取られたアイプレッジというシステムがあり、これは基本的にはSTEPSと同じなのです。ところが、曝露事例は相当起きており、いろいろな手段を講じて、どのぐらい減ったかという評価はアウトカム評価で行っています。なぜ、それが起きているのかというと、やはり、対象集団が全然違うのです。こちらの患者Cは1%程度ですが、イソトレチノインは重症のニキビなどに使うので、正にティーンネイジャーの一番問題のある人たちが使っていて、いろいろなことをやっていても、どうしても出てしまうことなのです。ですから、STEPSも実は決して100%のものではない。
私もよく知りませんが、多分、そのうちにレナリドミドになるのか分かりませんが、リンパ腫にもひょっとしたらという話があり、その場合には年齢層がぐっと下がると思います。そうすると、それこそアウトカム評価しなければならないような事態というのも、決して想定されないわけではないということだと思います。
ただ、今の段階では、アウトカム評価をすべきものというのは、ゼロがずっと続いているわけですから問題ないと思います。しかし、プロセス的なことで今回、一番私が注目しているのは、RevMate、レブラミド及びポマリストに関する第三者評価委員会による調査報告書の13ページに、「胎児に重大な障害を及ぼすかもしれないこと」、「服用中または服用後一定期間は献血してはならないこと」については80%以上が「よく分かっている」うんぬんと回答し、もっとも重要な「胎児に重大な障害を及ぼすかもしれないこと」は、「よく分かっている」うんぬんの割合が、前回調査時は90%で、理解度の割合の低下が見られるという、そこを一番注目しています。
特に、妊娠というか、この胎児曝露の防止ということでいうと、この使う患者さんがどの程度それを認識し続けているのかが一番重要なので、この点を私は一番重要と思っています。90から80なので大したことないという話があるかもしれませんが、やはり低下しているのは事実なので、いろいろなことが関連しているとは思いますが、ここのところをもう少しきちんとしていったほうがいいと思います。
特に、定期確認とひとまとめにしてしまうのはどうかという気はしており、というのは、一番問題になる患者Cは1%なのです。だから、全部の中で統計を取ってしまうと、患者Cの方についてどうなのかというのは消えてしまうので、いろいろな集計をA、B、Cに分けて出していただくことが、とても重要だと思うのです。
また、定期確認票を実施する頻度も違いますので、毎月と2か月に1回と6か月に1回というのでは大分違います。確か、前回、出していただいた資料の中でも、6か月に1回などということになると、定期確認票を出す前に、もう既に治療が終わっているというか、もう対象にならない人も結構いるという話で、6か月に1回と毎月というのは大分違うと思います。定期確認票の内容も患者B、女性患者で妊娠の可能性のない方については、セクシュアル・アクティビティに関連するような質問はないわけですから、やはり内容も大分違うということです。そういう意味で最終的には90%から80%とは何なのかということですが、それをきちんと患者さんの種類別などに分け、前回の場合と今回の場合を出していただけると有り難いと感じます。
あと、RevMateではどうなのでしょうか。それに類似するようなことがあるのか、前回の変更以前と今回を比べるような資料がどうもないように思うので、どのような形であるのか分かりませんが、いろいろな形で調査をされていると思いますので、そういうことに関連するような、この90が80に落ちたということに同等の調査結果というのが、あるのかないのか。その辺を是非見たいというか、改訂前がどうで、改訂後どうなのかということです。
改訂の大きなところは、定期確認票を企業に直接送るのか、それとも病院内で処理するのかという問題です。それは定期確認をした後にどうするかという処理の問題なので、本来は本質的な問題ではないのですが、例えば、そのことが定期確認を行うこと自体への影響があるなどということになれば、それは影響を与え得るのだろうと思います。前回も私がお願いして、企業の方から、定期確認票が遅れた人がどのぐらいいるのか、やるべきなのにやらなかった人はどのぐらいなのかという数字を出していただきました。そういう事例というのはそれなりにあるのです。確か、サリドマイドのほうが比較的良かったという記憶が私にはあるのですが、そのときにサリドマイドのほうが社会的に大きなインパクトがあったので、そういう意味では、より良いのではないかという意見を述べた覚えがあります。
その辺の実施の在り方が今回の改訂をする前と後でどのように変わったのか、それは必ずしも企業に送ることを復活せよという意味ではなく、そういう定期確認を行うことがきちんと実施されていることと、一番重要な患者さんの意識との間に何らかの関係があるのかを見るためにも、是非、そういう子細な分析をしていただきたい。余り情念だけで議論するのではなく、なるべく数値なり、実際変更を行ったわけですから、その前後でどう変わったのかという評価可能なものをなるべく出し、それを基に議論することが良いのではないかと思います。
○藤井座長 ありがとうございます。確かにCとA、Bで、もうリスクが全然違いますし、恐らくこの定期確認票に対する意識も大きく違うことは予想されます。もちろんこれも調査しなければいけないわけですので、それを全部一括りにして、えいやあと決めることについて、確かにいかがなものかという意見もあるかと思います。また、RevMateの今日の資料には載っているのかもしれませんが、処方医師が何でこのようなことを、このような面倒臭いことをやらなければいけないのだということを理解していないのも増えてきている。つまり逆に言うと、余りにも医療者側がその意義が分かっていない、意味がないのではないかということが入っていると、かえっておざなりに、先ほど何かマンネリ化する危険というのが入っておりましたが、そういうものもあるかと思います。遠藤先生いかがでしょうか。
○遠藤委員 定期確認票については、前回、7回までの検討会でも、相当議論をして、先ほどの事務局の説明にもありましたように、廃止してもいいという意見のほうが多かったのだと思います。現在、定期確認票を全部やめたからと言って何もチェックをしないわけではなくて、毎回、来院ごとに遵守状況の確認を医師なり薬剤師なりできちんとしているわけなので、それを最終的に定期確認で、それこそ1か月、2か月、6か月という形で確認を取っていて、今はそれを病院の中に提出しているということです。また、どうして廃止するかと言ったら、同じ繰り返しになるので言いませんが、遵守状況の確認も全てなくすわけではありませんので、そこはきちっと確認ができていると思いますので、これがなくてもいいと思っています。
○藤井座長 尾崎先生、いかがですか。
○尾崎委員 確かに遠藤先生がおっしゃったように、医療者側では、遵守状況の確認は処方前に、基本的には毎月記載しているわけですので、定期確認票は、個別に患者さんの直接の認識、意識状態を問うているということだろうと思います。同じようなことをやっていますので、実際、本当に妊娠ケア適用の方であれば、よりそこのところはしっかり指導をしていかないといけないし、逆に、圧倒的に多数の方は、そのリスクがない方ですので、その方にとっては、もうある程度不必要ではないかという御意見もありますので、するとしても、定期確認票を廃止して遵守状況の確認票と一本化するのが、本来の一番効率的な方法ではないかと思います。
○藤井座長 田代先生。
○田代委員 私も前回の検討会の際に、しっかり医療従事者と患者さんが話し合う機会を設けていただくことが最も効果的だろうと考えていましたので、その方向で話ができればいいと思います。ただ今回、調査結果を見させていただいて、そもそも、この調査が定期確認票を廃止すべきかどうかということのための調査ではないので、相当限界があるとは思うのです。先ほど佐藤参考人からも出ていた、定期確認票が負担になっているかどうかとか、あるいは、役に立っているかどうかということの前提として、そもそも定期確認票を受け取ったことがあるかという質問に対して、半数ぐらいの患者さんしか「はい」と答えていません。名称から理解できていなかった、人によっては本当に受け取っていない人もいるのかもしれませんが、これが、やはりこのシステムの中でキーになっているのかどうかについては、なかなかこの調査からはそういう結果を導くのは難しいのではないかという気がします。ですので、役に立っているとか、負担感に関しても、結局、答えている3,300人ぐらいの患者さんのうちの半数だとか3分の1の方だけが答えていることになっているので、ダイレクトに今回の調査結果から定期確認票が役に立っているとか、負担があるとかないとかということを導くのは、なかなか難しい結果になっているとは思います。何らかの意味で、もし役に立っていることが言えるのであれば、やはりそれをしっかり示す必要はあるでしょうし、それにしっかりフォーカスをしたようなサーベイをしていただいたほうが、やはり議論としては進みやすくなると思って、この結果を見させていただきました。
○藤井座長 林先生。
○林委員 今まで、どなたもが御指摘した内容にも重なる部分があるのですが、順番に考えたことをコメントさせていただきます。まず、今のこの検討会では、今の適応症の今の患者ポピュレーションに対しての安全管理手順として改訂ができるかどうかのみを議論していて、今後、適応拡大になったときには、別の仕組みが要るかどうかを別途また、‘TERMSⅡ/RevMateⅡ’みたいなものをやるのか、それともそれは、全体をひっくるめてという在り方を検討しているのかということによって、コメントする内容が変わってきます。人生の中でも、まだパートナーの方とのそういう精神的、身体的コミュニケーションが活発に行われて、自然な時期の方たちに対する安全管理を国家として何か考えようという場合には、今より1個作業を減らしていいかどうかについては、より慎重になる意見があっても不自然ではないと思うのです。それを、今の患者さんたちを想定しているものと一緒にここで議論をしているのかどちらなのかというのが、まず最初にあると思うのですが、それはどちらなのですか。
○藤井座長 あくまでも現時点ですよね。
○林委員 そうだとすると、少し慎重になる意見が出てくることもあり得るかとは思うのです。一方で、今の遵守状況確認票で確認していることと、定期確認票で確認していることの内容には重複するものがありますが、記載の記録としては、遵守状況確認票は定期確認票の提出により内容を確認したという項目しかないので、もし統合して運用するような案を考えるのであれば、TERMSの書式において、もう少しそこに医療従事者が確認すべきことの項目が挙がっていてもいいのかと思いました。ここに出席している医師の皆さんは、この問題について問題意識が高い先生方だと思います。もちろん、日本国におられる医師の皆さんの意識も高いとは思うのですが、やはり大勢の方が大勢の様々な日常診療の中で診療されているときに、同じだけの認識を持たれているかどうかについては、幅が一定の範囲であり得るのは自然なことだと思います。そこは誰がやってもできるような書式を用意するという意味で、もし統合するという考え方を推し進めるのであれば、この遵守状況確認票を一定の範囲でアレンジすることも含めて進めたほうがいいのかと思いました。現在の患者さんのポピュレーションを対象に進めるのであれば、統合を検討することは、値するというか意味があることだと思います。
ただ、最後になるのですが、それが安全管理上、未来に禍根を残さないのかと言われると、判断材料がないということなのだと思うのです。現時点でゼロなので、ゼロが今のセキュリティを変更したときにゼロのままかどうかを判断するための情報は、とても難しいと思うのです。科学的に大丈夫ですと、判断できるかと言われると、その判断材料が少ない。そもそも、そのような材料があるのかと言われればそうではないのですが、少し悩ましい判断をしなければいけないと思っています。
ちょっと取りとめがなくなってしまいましたが、ですので、1つには、今回、一定の診療報酬上も患者さんと向き合うようにという手続ができるような御配慮を頂いたとは理解しています。その取組の中で、患者さんにハードル感を感じさせないような、ストレスを感じさせないような定期確認票の運用が進むといいとは思っていたところですので、1回、その辺の進捗が患者さんたちにとってストレスが減るのかどうかを一定期間、試みてみるという考え方もあり得ると思います。それをもっても結構ハードルが高いというお話があるようであれば、安全が確保できるのであれば統合するというか、そういう考え方もあっていいと思っています。少し判断材料が少ないので、両論併記みたいなコメントになって恐縮です。
○藤井座長 山口先生、いかがですか。
○山口委員 正直言って、非常に悩ましくて、私自身判断が付いていないと言うのが正直なところです。ただやはり、変えるという判断は付いていない、どちらかを選べということで言うと、ちょっと今のところどちらかと言うと消極論、消極論と言うか、統合することには消極論になってしまう、大幅な変更にはならない方向になってしまうかという部分があります。その理由ですが、先ほど佐藤参考人からも、これは患者さん自身が書かれることの意味合いといったことについて強調がありました。それについて、その意義に対するところについて何らかの変わる手当てといったもの、医師と患者との間のコミュニケーションですればいいということが、それの答えなのかもしれないのですが、やはり本質的に少し違う部分ももしかしたらあるのかというところもあります。
上甲参考人からも、今までこれでそれなりにはうまくいっているという部分もあると。そういうことからすると、先ほど御意見もあったように、大幅に変えていくことに対するちょっと怖さと言うか、そういった部分もなきにしもあらずかという部分があって、医師と患者との間のコミュニケーションといったものが現在もある中で、そして、ここで一旦、日常の場に戻ったところでの定期確認票、そして、その中には、例えば自由記入欄とかそういったものなどもある。そこで何かしら振り返り、そして、むしろ困った部分についてのある程度のつながりというところにも寄与するかもしれないという部分があって、あえて大きく変えていく方向については少し。
それで前回と今回までとの間に、法律学的なあれで言うと、立法事実と言うか何て言うか、要するに、ここの部分に問題があるから何かを変えるという大きな何かしらの変化とか、そういった事実というものの変化があるのかと言ったら、それもなかなか受け止められない、ちょっと理解できない、分からないという部分などもあって、そういった中で言うと、どちらかと言うと、現状維持的な発想になってしまうのが正直なところであって、余り理論的ではないのかもしれないのですが、感触としてはそのような感触を持っているという次第です。
○藤井座長 ありがとうございます。まず幾つかの問題がありまして、この条項に絡むのは、今日に限らず前からおっしゃっているのは、骨髄腫の患者さんは何でもかんでも面倒臭いから簡単にしてくれと言っているわけではなくて、必要なものは何でもやると。つまり、必要であるならやるということで、一番の問題は、先ほどから議論になっていますように非常に難しいのだけれども、医師及び薬剤師が遵守状況を確認した上での定期確認票にどのぐらい意義があるのか、つまりプラスの部分で意義があるのか、これは意義があるという意見、意義がない、ないとは言いませんがはっきりしないという意見の両方あると思います。そこで、これについてのデータについては、それなりの研究班を厚労省に手続していただくのがいいかと思うのですが。
○医薬安全対策課長 そうですね。よろしいでしょうか、事務局から、資料をお配りしてください。今、先生方からいろいろな御指摘を頂きまして拝聴させていただきました。今日は、余りTERMSのほうの評価結果、アンケート結果の報告書には触れていただけなかったのですが、実は、TERMSの結果を拝見すると、医師の方が定期確認票にどのぐらい意義を感じているかということで、患者さんが自ら定期的に記載することは妊娠防止に役立っていると思いますかということで、「はい」が54.4%、「いいえ」が45.3%で、TERMSのほうを見ると、医療従事者はこの定期確認票に対して否定的な意見が多いという状況があります。あと、先ほど事務局のペーパーの中で、定期確認票に関する問題点が引き続きということを書いた部分で、佐藤参考人からも違うのではないかということも御指摘を頂いたのですが、やはり、レブラミド、ポマリストの状況を見ても、薬剤部門とかお医者さんが患者から苦情の訴えを受ける割合の中で、この定期確認票に対する苦情がトップから2番目ぐらいのところにある状況は変わっていないということ。あと、薬剤師から、薬剤部門からの改善要望の中でも、定期的な遵守確認票に関しての改善要望が、引き続き前回から見ても多い状況は変わっていないところなので、そこはやはり、レブラミド、ポマリスト、サリドマイドにおける安全管理の中での定期確認票の位置付けに対して、現場からは、大多数ではないにせよ、いろいろなクエッションが付けられているのではないかという状況である。このことについては、これまでの状況と変わっていないだろうと事務局でも分析をしております。
また、久保田先生から御指摘がありましたように、定期確認票の意義の部分で、言ってみればサイエンティフィックに何も決着が付いていないまま10年間進められてきている部分があって、その中で、やはり上甲さんからも御指摘を頂いたように、医療側からもこの必要性についてクエッションを投げ掛ける指摘も、今回、明確になされてきているという状況もあると思います。また、林先生からも御指摘を頂いて、これからいろいろと対象患者さんが増えていったときに、本当にこのシステムを引き続き、妊娠可能な女性の服用防止のためにお勧めしていくのかどうかについても、十分な根拠が今はないという状況があるのが現状だと思っています。ただ、今回、御紹介させていただいていますTERMS、RevMate、それぞれの調査結果は、アンケート調査で、もう現服用者の方々にそれぞれある一定期間の中で振り返って回答していただいたものなので、またこれを改めてこういったタイプの調査をするのは限界があると感じているところでもあります。
したがいまして、やはり何か、そういったエビデンスを作っていくのだとすると、前向きな形で何らか、定期確認票についての効果を検証する形での調査を行う必要があるのではないかということで、今、委員の皆様方にお配りしたTERMS/RevMateの調査研究について(案)を作成しております。最初の2つのポツは、今、私が申し上げた部分を要約したものであります。こういう中で、後ろ向きに幾らアンケートを取っても分からない部分だとするのであれば、定期確認票を、現状の手順の中に置いているものから調査事業に移行させていただいて、一部の患者さんの協力を得ながら、定期確認票の実施と効果を検証する形での調査という形で、レギュラーな形でのTERMS、RevMateの中の運用になっているものを、調査事業に移行させてやってはどうかと。また、調査事業ということになると大掛かりになってきますので、例えば、一部の患者さんということで、全体の1%ですが、妊娠可能女性Cに絞った形での調査事業をきちんとやって、そのエビデンスを取った上で、またこの会も一定期間後に開催させていただいて、やはり効果があるということであれば、全体的なレギュラーな手順書に戻す形にもしますし、皆さんが御主張されているように、毎回の受診時の遵守事項の確認で十分だということであれば、最終的にはこの手順から落とすと。こういったことで、きちんとしたエビデンスに基づいた議論をこの場でもしていただきたいと思っていまして、このような調査事業を行うという形で提案をさせていただいております。
○藤井座長 研究の間にどうするか、つまり続けるのか続けないかということであります。山口先生がおっしゃるとおり、漠然とした不安感というのも皆さんあるかと思うのです。要は医者が直接聞くのと患者が家で書くのとの違いは本質的で、ただ、林先生のおっしゃるとおり、定期確認票と遵守状況の確認で項目が違うとすれば、その部分については、もしも定期確認票をこの研究期間の間は患者さんにやらないのであれば、遵守状況のほうに定期確認票に入っている項目を入れるという配慮はやはり必要ではないかと思うのですが、これについて久保田先生はいかがですか。要は、研究している間はどうするかという。全部やってしまうと、結局、研究ですので、やる、やらないの、やらない群が必要になるので、この辺も問題になるかと思うのです。基本的にやれと言っている中で、やらないことが倫理的に許されるかということもございます。
○久保田委員 ちょっと、どういうことをやろうとしているのかが、今いち私にはイメージができなくて、何とも、ちょっとイエスともノーとも言い難いというのがあります。それから、女性患者Cに絞るというお話ですが、私は、結構重要なのは男性患者ではないかと思っています。分からないわけです。恐らく精液に出てくる量は飲む量に比べたら微量であることは間違いないですし、それは一般の方でもそう思いますよね、恐らく。そのときに、そのようなものに対して本当にこのようなことをやらなければいけないのかという疑念は持たれると思うのです。そんないいのではないのという、ぶっちゃけて言えば、そのように思われているAの方はそれなりにいるのではないか。ただ、今までの調査を見ていても全然見えてこないのです。それこそ例えば質問するのでも、ぶっちゃけて、男性患者Aの方に、「本当に避妊は必要だと思いますか」、「これは本当にリスクだと感じていますか」、「やはりやることは重要だと思いますか」と聞くと、「いや、要らないのではないか」と答える人は結構いるのではないかと思うのです。そういう意識というのが最終的にどのようなビヘイビアを取るかということとも関係してきますので、そういうのはきちんと取れるような調査をやっていいと思います。やはり患者Aを放っておいていいのかというのは非常に疑問です。
○医薬安全対策課長 事務局です。そういうことであれば、患者数Aの方も一定数組み入れるとか、そういう工夫をしていただいたらいいのではないかと思います。また、こういった研究をするに当たっては、薬剤疫学者である久保田先生にいろいろと御相談をさせていただきたいとは思っております。
○久保田委員 はい。
○藤井座長 まず、研究班を組織、これは厚労省からの指示で当然研究班ですから、私たちからやりたいと言ってあるものでもないのですが、それは厚労省のほうに研究班、その具体的内容については研究班でまた考えていただくことになるかと思います。まず、この調査を、研究班を立ち上げていただいてやることについてはよろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○藤井座長 では、その間をどうするかと。結論が2年ぐらいは多分、通常ですと研究班は1年だと短いかという感じもするので、2年間やる間をどうするかという問題であります。この間について、今のようにずっと続けるのか、あるいは、先ほど林先生がおっしゃったように、少し遵守状況の項目を考慮していただいた上で、原則は取りあえずやらないでいるのか。あるいはまた、Cについてはやはりすごく危ないし、Cの方はそれほど負担を感じていないかもしれない、あるいは、Cについては本当に荷があるかもしれないからCだけは怖いから残す、いろいろな考えがあると思います。皆さんの意見を伺いたいと思います。
○遠藤委員 遵守状況の確認として医師や薬剤師がしている項目と、定期確認票の項目は、中身的には一緒なのです。ですから、遵守状況をきちんと確認するということで私はいいと思います。私に聞かれるとそう答えてしまうと思うのですが。なくてもいいと思っている私としては、調査研究をやるのであれば、そちらでしっかり研究調査をしていただくということでいいのではないかと思います。特にそこでC女性も入りますし。
○山口委員 この方針を決めるために調査研究をやるということであれば、原則としては、変えないというのが原則になるのだろうとは私は思うのです。その間は待っていて、そしてそれを踏まえた上で変更案を考えると。
○藤井座長 先生、そうすると、やらないことが許されるかどうかということになるのです。研究ですので、定期確認票をやらないというグループが当然ないと駄目ですよね。
○山口委員 それは研究の枠組みの中での話であって。
○藤井座長 ただそうすると、RevMateの中では定期確認票をやれという基準があるので、それに逸脱するわけですね。
○山口委員 今、議論しているのは、その研究の中でやらないことについての話でしょう。
○藤井座長 いや、ですから、研究をやっている間、研究に、研究というのは全員が何も参加するわけではありません。ちゃんと同意書を取って。
○山口委員 今は、参加される方についての話をしているということですか。
○藤井座長 いや、参加しない方です。
○山口委員 参加しない方は。
○藤井座長 参加する方は今と同じだと思います。具体的にどうするかは研究班に聞きますが。
○山口委員 えっ。
○藤井座長 参加しない方です。
○山口委員 参加しなかったら。
○藤井座長 参加しない方のほうの基準で、定期確認票は必ず出さなければいけないという厳然たる基準がある中で、そもそもその研究が許されるかということです。
○山口委員 それは研究倫理の中での話ということになると思います。
○藤井座長 結局、必要だからというので基準があるのに、研究と言えどもやらないというのは、これは倫理委員会で下手するとひっくり返される、駄目と言われる可能性は十分にあります。
○山口委員 そうですね、はい。ですので、それは倫理審査委員会での検討事項になるかと思うので。
○藤井座長 そうですが、そこで否定されてしまうと全て止まりますので。
○林委員 1日も早く患者さんたちの負担を軽くすることは大事なことだと思っていますが、ただ今回の研究と仕組みを変えるかどうかの議論からすると、今、山口先生がおっしゃったように、今のままにして、1つシステムを外しても大丈夫かどうかの研究をして、その研究結果があるから、検討会としても科学的根拠に基づいて外せるよねという議論のストーリーは、科学的根拠に基づいてこの検討会が判断したと考えれば、合理的なのだろうと私には感じられました。ただし、このTERMS、RevMateは基本的には承認条件なのですよね。ですので、おっしゃられるように、承認条件を外した研究をしてもいいかということを、多分、研究倫理審査委員会で良しにするのはなかなか難しいので、その研究班自身が、厚労省の設置でやって、その承認条件自体を研究することを指示事項のようにしていただけないと、研究しづらいだろうと思いました。
○医薬安全対策課長 事務局です。少しその理解は違っていると思います。承認条件になっているのは、あくまで安全管理手順を作成し遵守することというところまででありまして、その中身の詳細についてまでが承認事項になっているものではないです。ということですので、そこについては、定期確認票というものを研究をやっている期間、実施しないような形の手順にするということは、承認条件に違反しているということではありませんので、先生方、検討会の御意見を頂いて、厚労省のほうで手順の変更の手続をすればよいことだけになります。
○林委員 御教授ありがとうございました。それであれば、研究倫理審査委員会の議論も割とスムーズなのかもしれません。
○田代委員 今までのお話を聞いていて少し難しいなと思ったのですが、むしろ話をひっくり返してしまうかもしれませんが、新しく調査事業としてやるほうで、むしろモデル的に外したものをやるという考え方もあり得るのかなと思ったのです。特に今回、これがどのぐらい機能するのかということで、現場の先生方に伺いたかったのは、ずっと課題になっていた診療報酬の問題がある程度クリアされて、薬剤師の方が中心となって、ハイリスクの薬なので、それを患者さんとしっかり話合いをしながら管理していくという、それがある意味ではしっかり制度的に保障されたわけですが、それが本当に現場でそのように動くかどうかということ。これが1つの懸念になっていて、そこが動くのであれば逆に紙ベースで何かやるよりも、はるかに患者さんにとっても満足度が上がるかもしれない。逆にここを十分使って、薬剤師の方が中心になりながら、薬の管理を一緒に考えていくというようなことをモデル事業的に、調査事業として別途、走らせてもらって、それがうまくいくようであればというのも、1つの考え方かなとは思いました。なので、定期確認票のほうを、この調査事業に移行させるのがいいのかどうか、非常に悩ましいなと、今うまくまとまらないのですが、そこを少し考えたところです。
○藤井座長 先生、それはプラスマイナス両面の話なので、結局は定期確認票が意味があるかどうかという、それは研究班の研究計画の問題だと思いますが。尾崎先生。
○尾崎委員 もともとは妊娠のことが一番懸念されているわけですが、実際患者さんとお話をして挙児希望の方には、そもそもこの薬剤を投与しませんので、そういう方は別の薬剤で、そしてある程度出産が終わって、治療に専念できるということが分かれば、こういう治療に入るというのが基本ですので、それで妊娠していないかということを、そのたびに聞かれること自体が、患者さんにとってかなり苦痛であるということ。それから、特に高齢者で全く対象にならない方には、余り意味がないということを、よく現場では聞いています。そういうことから考えますと、今後適応拡大等でいろいろな患者さんが入ってくるということであれば、やはり一番初めの教育と、医療機関の医師、薬剤師、看護師等、そういうようなところに対する啓蒙、教育のほうがむしろ重要視されていて、実際患者さんで御理解されている方に、そういうことを定期的にフィードバックしても、それ以上の意識の変化等は起こらないのではないかと感じています。したがって、この定期調査票自体は、余り有効と思えませんけれども、ただし、毎回の受診のたびに、遵守状況報告書は、医師あるいは薬剤師が必ず話合いの中でしますので、その中で、妊娠の希望があれば、治療を中止して、どのぐらい休薬すれば安全かということも、医学的には明らかではありませんが、そういうようなことの研究のほうがむしろ重要ではないかと思います。
○藤井座長 はい。今回も意見を見ますと、基本的に今のままでいいとは何となくみんな思っていないけれども、バサッと切るのは怖いという意見のほうが多いということになると思います。そこでまず研究班を立ち上げるということで、そうしますと、それ以外の方については、B案についての賛同はお二方という形になると思うのですが、問題はもう1つ、A案というのがございます。なるべく、少なくとも現場の意見といいますかで、要するに医師ではなくて薬剤師に定期確認票を渡すというのがA案でございます。この研究の結果が出てくるまでの間を、今と全く同じでいくのか、あるいはA案で薬剤師の方向に提出すると、こういう案も出ておりますが、その辺はいかがでしょうか。こちらの方が特に。薬剤師の方。
○遠藤委員 B案でないのであれば、調査研究をしている間、定期確認票を廃止しないということであれば、A案の薬剤師が受け取るということは、全く問題はなく、現在、がん患者さんについては、一部の病院で薬剤師外来という形で、医師の診察の前に薬剤師が患者さんと会って面談をして、いろいろお話をして、その情報を医師に伝えているというやり方をやっています。ですので、そこの中で、TERMSやRevMateを入れ込んでもらえれば、今よりは少なくともそこの部分についは、しっかり患者さんの状況の確認ができ、医師にしっかり話ができ、医師と薬剤師とで患者さんを確実にケアできるということが、現実にやれると思います。もしかしたら一部ではそういうことを既にやっている病院もあるのかもしれません。
○林委員 同様にそのように決まれば、それが可能になる素地が、今、定着してきているだろうと思っています。
○久保田委員 渡すのが薬剤師であるということに関して、全然問題はないと思います。
○田代委員 ここは現行と比べて大きな変化が生じるものではなく、調査の中でも、薬剤師に渡すということは適切だと書いていますので、Aにいくということ自体は全く問題はないとは思っています。
○尾崎委員 私も現状では薬剤師、あるいは薬剤師外来、あるいは実際の診療医の診察の時間がありますので、施設によればこのような運用で、医師の所に来た後にまた薬剤師に戻るだとか、直接薬剤師にお渡しするとか、いろいろな運用は可能だと思いますので、A案でも問題はないと思います。
○藤井座長 そうしますと、研究は立ち上げて、定期確認票を取らないという選択については、その研究班の中に、やるのとやらないのとを比べないと、それは分からないので、入ってくるかと思いますが、その間、研究の結論が出るまでの間につきましては、薬剤師のほうに定期確認票を出す。
○久保田委員 どうもランダム化試験のようなことを考えておられるのかなと思うのですけれども。
○藤井座長 それは研究計画書で決めていただければ。
○久保田委員 そうなのでしょうけれども、要するに定期確認票をやるグループとやらないグループに分けるみたいな、どうもそういうイメージを持っておられるようなのですが、それが果たして適切かどうかはちょっと微妙ですね。
○藤井座長 具体的に先生はどのようなイメージですか。
○久保田委員 私は観察研究でずっときている人間ですので。例えば、現在もRevMateとTERMSの調査結果を見ても、項目は全然違うのです。とても比較できないですよね。例えば、負担感に関しても、負担か負担じゃないかという二者択一でTERMSは聞いているし、RevMateはそうでもないし、質問同士を比べてみても余り整合性がないし、もうちょっとうまい方法というのは私はあると思います。必ずしもそういう介入試験的なことをやらなくても、もうちょっときちんとした計画を立てることで、できるのかもしれない、断言はしませんが。なので、ちょっとこの問題に関して介入試験みたいなことを考えるというのも、どうですかね。余り適切な事例ではないように私は思いますが。今回初めて言われたので、何ともすぐにはクリアな答えは出ないのですが、とにかく一方の群はやめてしまうというような、かなり思い切った方法が本当にいいのかというのは、よっぽど考えてみないといけないと思います。
○藤井座長 あるいはもう1つの案としては、Cだけは残して、ほかの方については、例えばAも残していいのですが、Bの方については、定期確認票は取りあえず外すという考え方もあると思いますが、Bの方ですね。Aが危ないという意見もあったので、AとCは残して、Bは定期確認票を外すという考え方もあるかと思いますが、いかがでしょうか。田代先生の言ったとおり、A、B、Cで全然リスクが違うと思いますので、その辺が多分、負担感に対する意識の大きな違いになっていると思います。Aの方には確かによく分からないで何だと思っている方もいると思うのですが、Cの方は言われなくてもやるよと思っていると思いますし、Bの方は自分はどう考えても70歳で妊娠するわけないじゃない、ときっと思っているので。
○久保田委員 Bについては、そもそも定期確認票でセクシュアルなことは聞いてない……。
○藤井座長 ただ、まあ、何というか、意義ですね。
○久保田委員 いや、確か違いますよね、質問項目が。
○藤井座長 それはそうなんですけれども、問題は手間の問題なので。骨髄腫会の方がよく言っているように、必要なものは幾らでもやりますよと。でも、必要性がよく分からないものは負担ですという言い方をしているので。要は書くことですよね。
○山口委員 ちょっと不安なのが、人によって違うというのは、もともと違うのですけれども、流れを大きく変えることになるので、そこのところの混乱というか勘違いとか、そういうリスクが新たに生じるというのはあり得るかもしれないなと思いますので、筋としては、それは1つの考え方としてはあるのですが、今パッと座長が言われて、じゃあ、それに乗ろうというのは、ちょっと早いかなという感じも少しする気がします。
○藤井座長 慎重派だった林先生、田代先生いかがですか。確かにもともと妊娠のことについて余り聞いていない定期確認票を残す意義が、どのくらいあるかどうかというところはあると思うのですよね。
○医薬安全対策課長 恐らく、手順は削除する方向のものでしたら、そんなに逆に混乱はないのかなと、増やすほうで間違えたりということは、恐らくあるのだろうと思いますけれども。そういう点では、事務局のほうから見ている限りでは、Bについては今回外されてもいいのかなという感じはしておりますけれども。
○藤井座長 すみません。Bの定期確認票の内容はどこか資料に載っていますか。
○医薬安全対策課長 ございます。本日の別紙2は定期確認票、「男性患者」から始まっていますが、1枚おめくりいただきまして、裏側が「女性患者B」になってございます。
○藤井座長 この項目を見ると、Bは医師だけで十分な気が私はするのですが。
○尾崎委員 確かに定期確認票は患者さんの意識を見るということですけれども、実際の臨床の現場では、遵守状況確認票で同じことを、多分遵守状況確認票のコピーも、この資料の中に入っていますけれども、同じことを確認していますので、定期確認票がなくなったからと言って、混乱はまずない、現場の手順等でも。患者さんもそれが送られてきていたのがなくなっただけで、そういうだけの認識だと思いますので、運用的な混乱はまずないと思います。
○藤井座長 そもそもこの検討会がなぜ始まったかといえば、リスクをとにかくないようにしながら、患者さんの薬へのアクセスを保障してあげるということから始まったと思います。ということを考えますと、まず本当にこの定期確認票が意義があるのかどうかについては、研究班を、その内容については久保田先生からも意見を頂いて、研究計画を作らないといけないと思うのですが、その結論が出るまで、取りあえずBについては、もちろんBですぐそばに若い人が出入りするという人は、特に注意が必要だと思いますが、定期確認票をプラスして出すということについては、ないという方向でいいと思いますが、いかがでしょうか。
○山口委員 これ、事務局のほうでそういったことについて検討して事務局案として、事務局でも事前にいろいろ議論していて何もないねという形で、1つの案として出てきていたら、十分ちょっとあれなのですが、少し慎重過ぎるのかもしれないですけれども、今パッと出たこの議論に、そのまま乗っていいかどうなのかというところが正直な感想で、非常に感覚的なものなのですが。議論がもしあったのであれば。
○医薬安全対策課長 事務局としては今回、A案とB案の両論のみを示させていただいていますが、当然これはリスクに応じて考えるべき問題ではありますので、その折衷的な部分、中間的な部分というのも想定をしながら、この案を作らせていただいている状況です。
○山口委員 今のように、要するにBについては除くという案についても、事務局内で事前に議論があったかどうなのかということは。
○医薬安全対策課長 事務局の中では議論をさせていただいておりますし、この検討会の場でBを今回、定期確認票の中から落とすということであれば、それは事務局としても了承させていただきます。
○山口委員 分かりました。
○藤井座長 先生、検討会のほうが事務局より上ですから。
○山口委員 それはそうなのですが、やはり、権限の問題ではなくて、実質的な議論の時間とか、いろいろな方面のものというようなことも踏まえてということなので、感覚的なものではあるのですが、事務局で想定していなかったものであったとすると、これは慎重にということなのですが、想定した上で、特に問題ないなというようなことであれば、私もいいのかなと考えました。
○医薬安全対策課長 1点補足をさせていただきますと、今回の調査研究について提案をさせていただいております。Bの件を外すということも当然あるわけですが、調査研究をやった結果として、やはり全部戻すべきだという結論が出ればそれは当然戻すべきものだというふうに考えていますので、そこは我々、中立的な立場でものを考えているということで御理解いただければと思っています。
○佐藤参考人 理屈は分かると言えば分かるのですが、今までBの患者さんについても、家庭での薬の管理について定期確認票の記入をお願いしてきたという経緯があって、それが今日の僅か15分にも満たない議論の中で、妊娠回避とは別の項目だからなくしていいのではないかという、そんな簡単な議論でこれをなくすということは、どうなのかなと思います。
先ほど久保田委員から、今回の第三者評価委員会の調査結果の中で、A、B、Cに区別した患者調査の結果が示されていないということもありましたので、少なくともA、B、Cで今回の調査結果がどのように違うのかということをきちんと明らかにして、この検討会を少なくとももう一回は開いて、きちんとそういうことも踏まえた議論をしていただくということが必要なのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○藤井座長 この議論につきましては、前回の第7回までの間に、むしろその間はB案というような意見が大多数であったと思いますので、むしろもっと思い切ってなくしたいという意見のほうが大勢だったと思います。
○山口委員 すみません。今、佐藤参考人の意見を聞いて、前回、これの廃止をするような形でのものが多数だったのにもかかわらず、取りあえずはという形でというのも、やはりこれは今までの経緯等を踏まえて、これはもう、絶対に禍根はないような形で慎重にやっていこうという、そこの部分もある程度同じ意識でやっていたと思うのです。ですので、すみません、先ほどそれならBについてはなくすという形でもいいという意見を申し上げましたけれども、やはり今おっしゃったような形で、ちょっとパッと出た議論に少し飛び付くという形は、少なくとも取らないほうがいいかなという感じを思っています。
○藤井座長 今、佐藤参考人に御発言いただいたので、上甲参考人のほうもお願いします。
○上甲参考人 報告書にまとめられた7回までの議論から、2年間やって、何も起こらなくて、医療現場には負担があるということがはっきり示されたにもかかわらず、7回の報告書から後ろに下がるような印象を私は受けております。どうして、この2年で怖くなった理由は何だろうか。感覚的なものだというふうに先ほど来、先生方から伺っておりますが、怖いという気持ちを私も強く持っております。だから2年間やって、やっと何もなかった。このスタート地点が何でまた下がるのだろうというのが、本当に分かりづらくて、この議論を聞いていて、どうやって私は患者たち、あるいは医療者に説明できるのだろうと、途方に暮れております。
仮にBだけ外しましょう。じゃあ、Bの定期確認票で何を聞いてるかと言ったら、人に渡してませんねとか、ちゃんと管理していますねということを聞いているわけですが、世界中どこを見ても、誰かに渡たして妊婦が飲んでしまったとか、そういうことで胎児曝露は起きていませんので。なのにまだ何で日本だけやっぱりBもやばいよねという議論に。何が怖いのだろう、では、どうしたら怖くなくなるのだろうということを、今日の御議論では全く感じることができなくて、あと何年何をやったら許されるのだろうという気持ちでおります。
○藤井座長 それでは時間が、実は予定時間を過ぎております。この辺で座長としてまとめさせていただきます。まず、研究班を作る。定期確認票をプラスして、医師の遵守確認にプラスして本当に意義があるのか、あるいはないのかについてしっかりと研究いただく。その研究計画が大事であるという御意見も頂きましたが、それについては皆さん御異議がないと思います。その間どうするということにつきましては、本日だけではなくて、全7回までの議論を受けまして、座長として、Bの方につきましては、遵守状況を更に医師が十分に確認するということで、外すということを提案したいと思います。
AとCにつきましては、やはりリスクが非常に高いということで、Cの方はまず受け入れていただけると思うのですが、Aの方はやはりなぜと思う方もあるかと思いますが、サリドマイドという薬はほかの催奇形性がある薬と違いまして、約60年近く前に、日本に大きな実際の被害をもたらしたという歴史は無視できないと思います。その辺りについて慎重になる考えというのは当然あると思いますので、研究班の結果が出るまでの間、A、Cについては、現行どおりといいますか、薬剤師に提出する形にするということにまとめたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田代委員 今のお考えで賛成なのですが、ただ、もし女性患者Bのものをなくすのであれば、結局、譲渡関係の項目に定期確認票に意味があるのかということに関わっていると思いますので、やはり女性患者Cと男性患者に関しても、この項目に関しては定期確認票の中身から外すほうが、そろうのではないかなという。つまり、第三者提供の話を定期確認票でわざわざやるということの意味はないのではないかという話なので、もし、そうであれば、そういうほうがそろうのではないかと思ったのですが。
○藤井座長 これは定期確認票の内容が正しいかどうかという研究ではなくて、プラスして定期確認票をやるかどうかという。そのことについては遵守状況確認票に入っていますよね。だから、Bの方にもそれを聞かなくなるわけではないので、それについて余り細かく変えてしまうとごちゃごちゃになると思うので、そのほうがいいかと思うのですけれども。
○久保田委員 今の案だと、恐らく対象になるのはAとCですよね。Cで実際に、現在アクティブな方というのはどのくらいいるのですかね。私、個人輸入のをやっていますが、延べにすれば相当な数になりますが、実際に現在使っている方って、一部なのですよね。だから、これ、今までのものを足して、TERMSで64人、RevMateで276ですよね。その中で実際に現在、アクティブに薬を使っている方は、恐らくその1割なのか2割なのか分かりませんが、調査として成立するのかというのが非常に……。
○藤井座長 調査は別にCに限らないで、調査は別にA、B、C全部やればいいのです。
○久保田委員 だからBは、そういう意味では、コントロールとしてというか、どういう形になるか分かりませんけれども、それなりに重要な役割を果たすはずなので、そこで今、変えてしまうというのは、非常にデータの解釈を難しくするのではないかと思いますが。
○藤井座長 要するに、Bで加わった方が同じようにやればいいのです、研究ですから。別にBの方で、定期確認票を出してはいけないというわけではないので。
○久保田委員 要するに、やはり介入試験的な発想なのだと思います。私はどちらかというとオブザベーショナルな方法を考えますから、現状をきちんと分析していく。今の形での質問票には非常に問題があると思いますが、現状をきちんと見て、オブザベーショナルに解析していく。そのステップが1つはあっていいと思いますね。介入的なものをやるというのは、私は、多分うまくいかない。
○藤井座長 研究計画については、またその中で考えていくということで。とにかく前回までの7回の議論を無視して元に戻るというのはよろしくないかと思いますが、これに対する反対の意見があることも重々承知しておりますが、やはり少しでもアクセスを良くして、しかも、日本であった歴史を踏まえて、絶対に曝露のないようにということで、リスクがあるものについては避けるという形で、先ほどのほうで私はまとめたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 そうしましたら事務局のほうで、今の座長のおまとめを頂きまして、TERMS、RevMateに関しても、A案を基本としつつ、Bの患者さんを外した形での改訂案を作りまして、また研究を実際実施する場合に、コントロールの議論はあるのですが、介入コントロールを置くようなデザインになっても大丈夫なように、TERMS、RevMateに一部そういう研究班に協力する場合の限定規定を入れさせるような形で改訂をさせていただくことで、また薬食審の調査会のほうに報告をさせていただく形にさせていただこうと思っています。大変長時間にわたり議論を頂きましてありがとうございます。
○藤井座長 まだ終わっておりませんで、審議事項は以上なのですが、報告事項がありまして、資料3に教育資材と、レブメイトキットと、安全管理運用負担軽減に向けた見直しの説明がありました。これについて意見はございますか。
○遠藤委員 さっき尾崎先生も言われましたけれども、このシステムは、やはり医療者と患者の教育が一番大事なのです。今回、教育資材の話が報告事項に入っていましたので、是非そういう意味で、良い教育資材を作っていただきたいと強く思っていますので、よろしくお願いします。
○藤井座長 それは藤本製薬とセルジーンに対してということですね。よろしいでしょうか。では、御議論いただきありがとうございました。予定されておりました議題は以上です。事務局から今後の予定をお願いします。
○課長補佐 今後の予定について説明させていただきます。今回の検討会の御意見を踏まえた結果を、委員の先生に御確認いただいた上で、その改訂案については、まず5月頃にパブリックコメントを行い、その後、安全対策調査会で御審議いただく予定としております。調査会で了承されましたら、TERMS、RevMateの改訂という流れになります。
○藤井座長 それでは本日の検討会は終わります。長い間ありがとうございました。
 

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