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2014年10月6日 第8回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」 議事録

○日時

平成26年10月6日(月)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(6階)


○出席者

井出教授 沖倉教授 野沢論説委員
萩原部長 平野教授 藤井障害保健福祉部長
川又企画課長 田中障害福祉課長 冨澤精神・障害保健課長
竹林障害児・発達障害者支援室長 落合課長補佐 平川課長補佐
小泉課長補佐 菅自立支援給付専門官 曽根障害福祉専門官
山科就労支援専門官

○議題

(1)平成26年障害福祉サービス等経営実態調査の結果について
(2)生活介護、短期入所、施設入所支援の報酬について
(3)就労系サービスの報酬について
  (就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型)
(4)その他

○議事

○田中障害福祉課長 定刻になりました。ただいまから障害福祉サービス等報酬改定検討チームの第 8 回会合を開催いたします。御出席のアドバイザーの皆様方には御多用のところお集まりいただき誠にありがとうございます。本日のアドバイザーの方の出席状況ですけれども、野沢委員は遅れておられますが全員、出席の御予定です。橋本政務官は本日公務により欠席をさせていただきます。撮影はここまでですので、よろしくお願いをいたします。

 続いて本日の資料の確認です。お手元の資料、資料 1 「平成 26 年障害福祉サービス等経営実態調査結果 ( 速報値 ) 」、それから資料 2 「施設等サービスに係る報酬について」論点と、資料 3 「就労系サービスに係る報酬について」です。過不足等ありましたら事務局にお申し付けください。よろしいですか。

 それでは議事に入ります。まずは資料 1 、経営実態調査結果 ( 速報値 ) について事務局から説明をお願いします。

○菅自立支援給付専門官 障害福祉課の菅からご説明いたします。資料 1 ですが、まず調査の概要について 3 4 ページ目をご覧ください。 3 ページ、 1. 調査の目的ですが障害者総合支援法に基づく自立支援給付費及び児童福祉法に基づく障害児通所給付費等について、障害福祉サービス事業所等の経営実態と制度の施行状況を把握するための基礎資料を得ることを目的といたしました。

 2. 調査対象。サービスですが、 (1) 障害福祉者サービス、 (2) 障害児サービス全てのサービスについて調査対象としています。

 3. 調査の期日ですが、平成 26 4 1 日を調査時点としています。

4. 調査事項については、平成 25 年度における収支状況、いわゆる平成 25 年度決算ベースです。併せて従事者数、給与等を調査しております。

5. 抽出方法ですが、サービスごとに、経営主体や地域性を考慮して、 1/20 から全数で設定をしています。

6. 集計方法等ですが、今回の調査において集計方法等を前回から変更しております。具体的に記載をしておりますが、前回の調査結果の出し方としましては回収された調査票から休廃止・記入不備票を除いたもののうち、調査対象サービスとしてあてたサービス以外の障害福祉サービス等の報酬収入全体に占める比率が 60 %以上のものを集計の対象としています。また、調査対象サービス以外の障害福祉サービス、医療・介護などのその他のサービス、これらに係る収入と支出をそれぞれ含めた形で集計をして、収支差率を算出しています。

 これに対し、今回の結果においては、回収された調査票から休廃止・記入不備票を除いたもの、これを全て集計対象としています。また、調査対象サービス以外の障害福祉等、合わせて医療・介護等のその他のサービス、これらにかかる収入と支出については必要に応じて収入比率等により按分をした上で除いています。そのため、調査対象サービスとしてあてた当該調査対象サービス分の収入・支出を集計して、その結果の収支差率を算出しています。このため、集計方法が前回と今回で異なっていますので調査結果については前回との単純な比較はできないと考えます。

4 ページが、回収状況です。者と児を合わせた全体で有効回答率は 33.2 %で、調査票を配布した総数から休止、廃止の事業所を除いた数が調査客体数、それに対する最終的に有効回答となった有効回答数の割合が 33.2 %となっています。

 ページを戻っていただき、 1 2 ページ目が調査結果の全体の概要で、 1 ページ目の上半分、調査の概要は重複のため説明を省略いたします。今回の調査結果ですが、 1 ページ目の下が調査結果の概要の (1) 収支の状況です。右側の箱が前回、平成 23 年調査の結果、左側が今回、平成 26 年調査の結果です。

 障害者サービス等の全体として収支差率は 9.6 %となっており、障害者が 9.7 %、障害児が 9.1 %となっております。

 以下、サービスごとにそれぞれ集計した結果では、概ね訪問系のサービスについては相対的に高めの収支差となっております。また、生活介護、それから短期入所についても相当高い収支差となっています。一方で特に共同生活介護については、前回の収支差率からは数字が落ちています。また、前回は平成 23 年調査ですので旧体系から新体系の移行途中で、サービスごとの集計が今回調査とは必ずしもイコールにはなっておりません。具体的には施設入所支援は、前回の調査においては障害者支援施設の形で、生活介護など日中提供するサービスの分と合わせた形で施設の収支差率を算出しています。一方で今回につきましてはそれぞれのサービスの収支差率を先ほど御説明した方法により集計をしていますので、比較する場合には施設入所支援と生活介護と二つを並べた形で数字は見ていただく必要があるかと考えております。

 また就労継続支援 B についても全体として収支差率は高めの結果となっています。一方で計画相談、地域相談の関係については、全体の中では相対的に収支差率は低い結果となっています。また、障害児のサービスについては放課後等デイサービスで収支差率が他に比べて高い結果となっています。特に障害児のサービスについては、前回調査との比較はなかなか困難かなと思われますが、参考として前回平成 23 年調査の欄ですと、それぞれ障害児入所施設、児童デイサービス、障害児通所施設といった形で集計をしておりまして、その結果が表のとおりです。また前回の調査結果において旧体系のサービス、個々の調査結果がそれぞれ内訳としてはありますが、今回、記載は省略をしております。収支の状況については以上です。

 続きまして 2 ページをご覧ください。この調査で併せて施設事業所で働いている従事者の状況についても調査をしています。同様に右側が前回、左側が今回の結果です。これを見ますと、結果にはバラツキがありますが、サービス全体として常勤率は若干下がっています。また訪問系サービスのホームヘルパーについては全体として常勤率、常勤の方の一人当たり年間給与についても前回よりも高い数字となっています。一方で例えば生活介護の生活支援員、短期入所の生活支援員、施設入所支援の生活支援員、就労系のサービスにおける職業指導員、生活支援員を見ますと前回と比べて常勤率、一人当たりの年間給与が下がっているところもあります。従事者の状況については以上です。

 続きまして資料の 5 ページです。調査結果の本体となり、細かい費目ごとの数字について表となってサービスごとに整理しておりますが、簡単に表の見方をご説明いたします。 5 ページが全体の数字となりまして、上の箱が今回、下が前回の調査結果です。

 収入については 1. 事業活動収入のうち (4) 国庫補助金等特別積立金取崩額以外の (1)(2)(3)(5) 、これにプラスして3 . 事業活動外収入に計上しているうちの (1) 借入金利息補助金収入及び (2) 本部からの繰入金収入を合計したものが収入となっています。

 一方で支出は2 . 事業活動支出の (1) (4) 、併せて1 . 事業活動収入に入っている (4) 国庫補助金等特別積立金取崩額同額を支出からも差し引いています。それにプラスして4 . 事業活動外支出の (1)(2) を足したものが支出となっています。さらに、収入から支出を引いたものが収支差で、収入額を 100 としてそれに対するそれぞれの割合が金額の横に%表示されています。

 それから (3) 補助事業等収入は補助金等による収入がここに計上されています。また 1. 事業活動収入の (5) その他の数字の前回の結果と今回の結果を比べますと、大きく割合が違っていますが、今回の集計方法の変更によるもので、前回は医療・介護など他の障害福祉サービスを含めた数字での集計となっていますので、例えば事業活動収入の (5) その他に医療、介護等の報酬収入等が含まれています。

 続きまして 6 ページが全体の数字のグラフで収支差率の分布を示しています。山の真ん中、一番高いところが収支差率 0 %、そこからなだらかにプラスとマイナスにそれぞれ山ができています。実線で示しているのが今回の結果で者と児を合わせた全体の平均値で、前回調査の右側のグラフについては実線が前回調査の新体系サービスにかかる平均値です。大きな傾向としては、同様といえるかと思いますが、前回調査に比べると今回はよりなだらかな山となってプラスにもマイナスにもより広く収支差率が分布している結果になっています。

7 ページ以降はサービスごとにそれぞれ集計した結果ですが、説明は省略させていただきます。資料 1 の説明は以上です。

○田中障害福祉課長 ただいまの資料 1 に関する説明について、御質問・御意見等がありましたらお願いいたします。

○野沢論説委員  2 ページの収入ですが、処遇改善を考える上で参考になると思いますけれども、 23 年と 26 年と比べると、給与が全部増えているのかと思ったら、そうでもないですね。これは年齢や勤続年数がどのぐらいのものなのかが分からないと比較のしようがないと思うのですが、どのようなことが考えられるのでしょうか。これだけ見ると、事業所の収入は増えているけれど従業員の給与へは回ってないように見えなくもないのですが、新規の若い人たちが増えている分だけ相対的に給料が若干減っているという理解でいいのか、何かそんな根拠があるデータがあればちょっと教えていただければと思います。

○田中障害福祉課長 事務局からお願いします。

○菅自立支援給付専門官 お答えいたします。今回は速報値で、詳細な分析は十分できている状況ではありませんが、従事者の状況については、野沢先生がご指摘のとおり、 23 年調査時点以降、障害サービスは年々費用額、利用者数も伸びており、新規参入の施設・事業所が一定程度ありますので、相対的には若い従業者をまず雇われている所があるのかなと思われます。そこが全体の平均給与に影響している部分が一つ考えられることではないかと思っております。

 また、 1 1.5 万円の処遇改善交付金が平成 21 年秋から補正予算で入りましたが、 23 年の調査、つまり 22 年度の決算ベースでは、政府の取組として行われた 1 1.5 万円の効果は、一応、現れていると考えられます。その後、 24 年の改定で引き続き加算という形で処遇改善の取組が継続されていますので、前回調査、今回調査については、この点では同様の状況であることを前提に数字を見る必要があるかと思っています。

○野沢論説委員 もう一つ、 6 ページの収支差率の分布は、今回は 26 年度がプラスもマイナスも増えて、若干広がっているわけです。プラスはなんとなく分かるのですが、マイナスが広がっているのは、新しい事業を広げるのに借入金があってということなのでしょうか。

○田中障害福祉課長 事務局で今分かることがあればお願いします。

○菅自立支援給付専門官 借入金の詳細は分析しきれていません。すみません。今回、大きく収支差が下がっているのが、居宅介護、施設入所支援、共同生活介護、この辺りだと思うのですが、施設入所支援については、先ほど御説明しましたとおり、今回は施設入所支援として払われている、いわゆる夜間のサービス部分として、収支差率を算出していますので、生活介護と併せた形で見る必要があるかと考えています。

 また、居宅介護については、 6.7 ポイントほど、前回から収支差率が下がっていますが、内訳として給与費の割合を見ますと、収支差率の減少と同程度のポイント数で落ちていますので、詳細は分析できておりませんが、この辺りが収支差率マイナスの要因になっているのかと、現時点では考えています。

 それから、共同生活介護についても 8.1 ポイントと、数字上は大きく収支差率が下がっていますが、人件費の支出が前回に比べて伸びていますので、 1 人当たり給与が伸びていることと併せて考える必要があるかと考えます。

○野沢論説委員 はい、分かりました。

○田中障害福祉課長 ほかに御質問などありますか。

○沖倉教授 そもそもこの発言が適切かどうか分かりませんが、この調査の結果で、いろいろなことが分かるとずっと期待して待っていたのですが、有効回答率がこの 33 %強をどう評価するかが気になるのですね。この有効回答率で全体の傾向を言うことが適切かどうか、なぜこのように低くなってしまうのか、という原因などが分析されているのであれば教えていただきたいと思います。

 サービスによっても非常に偏りがあって、例えばこのあと議論になる生活介護の辺りは 6 割を超える回答をいただき、全体を押し並べて見る場合と、それぞれのサービスで見る場合と変わってくると思うのですが、その辺り何かあれば教えていただきたいのですが。

○菅自立支援給付専門官 有効回答率の話ですが、今回の調査は障害サービスとしては報酬になって 3 回目の調査になりますが、初めてこの調査に回答される事業所も当然多いと思われる中で、法人経営者によっては、率直に非常に細かくて難しい調査であるのかと思います。このため、残念ながら調査に御協力いただけないという所が相当数あるものと思います。

 また、調査票の回収という点では 6 割台の回収数がありますが、それが有効回答となる過程で最終的には 33 %ですので、きちんと回答いただくところが、やはり難しい調査であるのかと思っています。

 次回以降もまた同様に調査を行う上では、更に調査票や記入要領の中で、その辺りをなるべく少なくしていけるような工夫をしていきたいと思っています。事業所に対する回答の依頼は、複数回にわたり厚労省からも行っていますが、併せて更に有効回答率について高めていけるような工夫を考えたいと思います。

   サービスごとの有効回答の偏りについては、もともとの母数が少ないサービスは、基本的に全数であてて調査票をお送りはしていますが、例えばサービス分野ごとに傾向が同様というわけでもないため、どのサービスがとは一概には言えませんが、いずれにしろ回収率は高めていけるように考えたいと思います。

○田中障害福祉課長 よろしいでしょうか。

○井出教授 教えていただきたいことがあります。 1 ページ目の 1 の概要の 5 番目の、前回と集計方法が変わっているという所で、どういう意図があって変更したのかを、簡単で結構ですので教えてください。

 それと、今出てきている全体が 9.6 %の収支差額率だと、これはある一定の回答率の中の結果であって、実際はこの 9.6 よりも本当は高いのか低いのか、私にちょっとまだ判断がつかないのですが、勘所としてはこの「 9.6 %」というのは全体からすると、実は高い数字で出てきているのか、本当は全体からするともっと下がってしまうのかが、まだちょっと分からない所です。

 あと、先ほどの 6 ページ以降に細かいことを聞きたいことがあるのですが、それはまた個人的にお伺いするとして、 5 ページの「収支差額」の所の、全体でもどこでもいいのですが、 2 番目の事業活動支出の所で、順位的に給与費がトップにきて、そのあと減価償却費、委託費、その他で、その他の中にどれほどの費目があるかが分からないのですが、思ったよりその他がいろいろ集まった結果、約 20 %近くの金額的にあるのは、例えばどんな費目があるのかを教えていただきたいのと、人件費の給与費がトップにくるのは分かるのですが、なぜ 2 番目で減価償却費、場合によると活動に反映しない支出、つまりプールできる支出がどうしてここに記載されているのか、パーセントが大きいからきたのかなというイメージは分かるのですが、何か特別な理由があるのかどうか。それから 3 番目に委託費がきているのはどうしてなのかなと、まずはその辺のところを、すみませんが教えていただけると有り難いと思います。

○菅自立支援給付専門官 順にお答えさせていただきます。まず、資料の最初の 1 ページにもあります、集計方法の今回の変更ですが、前回と前々回の調査においては、障害のサービスごとの収支差というよりも、結果としてはそれぞれの御回答いただいた事業所トータルとしての収支の実態、医療・介護等のサービスまで含めて取っている面が強かったのではないかと考えています。今回も同様の集計方法を採るという選択もあったのですが、ただ、そうしますと例えば 24 年に新たにできた保育所等訪問支援等の比較的メインでやられていないサービスについては、前回の 60 %ルールをそのまま当てはめますと、恐らく客体として残らないという、非常に実際的な課題もありましたので、今回の調査は調査票を設計する段階で、障害福祉サービスの中で鞍分するための指標として、サービスごとに延べ利用者数、延べ訪問回数、建物関係の延べ床面積などを今回の調査票から項目をこしらえまして、この調査で取って按分をする形で、当該サービス分の数字を計算して、収支差率として出すということにしました。介護の同様の調査が基本的にこのような方法を取っておりまして、今回は介護の調査と並びをとる整理で、障害の調査も行ったところです。

 それから、有効回答数が高ければ、全体としての収支差率が上がるのか下がるのかという点については、今回の有効回答率は 33.2 %という数字でしたが、今回の調査結果として出た収支差率は、調査結果としてはこのような実態があるのではないかと考えています。

5 ページの全体の表の説明に関わる御質問ですが、事業活動支出、 2 番ですが、給与費、減価償却費、委託費、それ以外はその他ということで全てまとまっていますが、前回もそうですが、今回この調査は事業所としての事業活動収支計算書の項目、社会福祉法人の会計基準上の項目をベースに調査票はできていますので、そこの中で事業費支出として入ってくるものは全てこの「その他」で、給与費それからここにある 3 つの費目以外の、例えば福利厚生費や食材料費、水道光熱費、給食委託費、その他委託費、あと土地の賃借料や建物の賃借料、雑費、その他経費という形で基本的には事業活動にかかる支出として、 (1) から (3) 以外に整理されるものが全て (4) その他となっていますので、そういう意味では全体の中ではそれなりの割合を占める結果となっています。

 あと、減価償却費についても会計基準上、事業費支出の一つの項目として記載するようになっていますので、この調査票においても、支出の中の項目として調査は取っています。結果の集計において、主に建物に係る減価償却ですので、それなりの数字がここには載ってきますので、こういう形で項目を一つ立てて数字をお示しさせていただいています。

○田中障害福祉課長 よろしいでしょうか、ほかに御質問等ありましたらお願いします。それでは、後ほどもし御質問がありましたら伺って議事を進めます。次は、議題の続きで資料 2 について事務局から説明をお願いします。

○落合課長補佐 それでは、資料 2 について説明します。資料 2-1 2-2 です。資料 2-2 については基礎データ等なので後ほど御参照いただくことはあるかもしれませんが説明としては省略します。

 資料 2-1 について「施設等サービスに係る報酬について」です。 2 ページで生活介護の利用額については、平成 25 年度において約 5,879 億円で障害福祉サービス全体の 4 割弱を占めている状況です。平成 24 年度までは体系移行の影響等もあり、毎年 30 %台の伸びを示していました。平成 25 年度においても 5 %弱の伸び率は鈍化していますが増加傾向にある状況です。

 こうした状況の中、障害福祉サービスに係る費用の 4 割弱を占めている状況において生活介護におけるサービス内容をどのように評価していくことができるか。こういったことが重要な課題です。

 その上で【論点】ですが、適正なサービス内容の評価の観点から生活介護のサービス提供実態を踏まえた報酬上の評価を、どのように考えるべきかということです。

3 ページ、生活介護については、障害者総合支援法及び基準省令において入浴、排せつ、食事の介護、創作的活動又は生産活動の各機会の提供、その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することとしています。

 この生活介護について、前回の報酬改定例示の議論において「サービス利用時間の観点も含め、生活介護等自体のサービスの質がどのようなものとなっているか」検証を行い、次期報酬改定に向けて引き続き取り組んでいくこととしています。

 これを受け今回の報酬改定に対しては、生活介護のサービス提供実態を踏まえた報酬上の評価を検討するべきであり、その際、議論をする項目として 2 点あります。「サービス利用時間」と「支援の内容」の 2 点について御議論をいただきたいと考えています。

4 ページ、サービス利用時間についてです。まず 1 点目の【論点】は、前回報酬改定においては 8 時間を超える開所について延長支援加算として評価する一方で、 4 時間未満しか開所していない場合については、公費の効率性、公平性といった観点から開所時間減算として減算を行っています。

 その一方で、 4 時間を少しでも超えている多少でも満たす支援を実施しているような場合においては、 8 時間未満までは同一の単価設定となっています。この営業時間について、サービス提供実態調査の結果 5 ページの表を見ると 4 時間以上、 1 時間刻みで 8 時間未満まで、事業所が半数以上ある状況でこの表のような分布となっています。

 このような状況を踏まえ、 4 時間未満の事業所以外の所についても開所時間に応じて差を設けることについて、どのように考えるかという点について検討する必要があるのではないかということでございます。

6 ページ、点目の【論点】は「支援の内容について」です。これもサービス提供実態調査の結果を見ると、上から入浴支援の有無で入浴支援を行っている事業所が 49 %。 1 人当たり平均で週 3.15 回という状況となっています。創作活動については、レクリエーションが最も多く 73.4 %、続いて絵画、造型等が多く分賦となっています。複数回答ですので、複数の創作活動をやっている所もあります。

 次の生産活動の実施状況については、実績なし、無回答といった所も多くありますが、 4 割以上の事業所で生産活動を実施しており、事業所内での下請・内職作業が 28.8 %、自主製品の製造販売が 24.7 %と多くなっています。

7 ページ、このように事業所ごとあるいは利用者ごとに様々な支援が行われているという現状を踏まえ、支援内容に応じた差別化を図るといった報酬上の評価についてどのように考えるかといった点について御議論をいただきたいということでございます。

8 ページについては「生活介護に関する団体からの要望」をまとめていますが、説明は省略します。

 続いて 9 ページ「短期入所」についてです。この短期入所については、障害者総合支援法の附帯決議を受けて設置された障害者の地域生活の推進に関する検討会において議論がなされる中で、地域における居住支援に求められる機能の 1 つとして「緊急時の受け入れ・対応」の必要性が挙げられています。現状、短期入所については、急な利用希望に対応が難しいという声も多く挙がっているところです。

 また、医療的な対応も含め、レスパイトとしての機能を有する短期入所というものを更に推進していく必要があるところです。これらを踏まえて【論点】の1緊急時のけ受け入れについて、2医療的対応や強度行動障害を有する者への対応強化の必要性、3単独型事業所の報酬上の評価についての 3 つを挙げています。

10 ページ、【論点】の1は、緊急時の受け入れ推進についてです。現在、短期入所における緊急時の受け入れについて緊急短期入所体制確保加算・緊急短期入所受入加算として評価をしているところです。

 それぞれの加算の概要については 11 ページにあります。このように評価をしていますが、この課題としては現行の体制確保加算は介護保険制度に併せて、稼働率 90 %以上を要件としているところですが、平成 24 年度に実施している緊急事業の結果によると平均稼働率が約 45 %で現状稼働率 90 %以上という要件を満たす事業所はごく一部に限られてしまっている状況にあります。また、受け入れ加算を算定するに当たっては、先の体制かつ確保加算を取得し、更に緊急利用枠以外の空床が利用されている場合のみ算定できるということなど、算定のハードルが高い現状にあります。

 また、緊急時の定義については、報酬告示においては介護を行う者の急病等としていますが、真に支援が必要な場合か否かの判断は自治体に委ねられています。こうした課題を踏まえ緊急利用のニーズに対応していくため、受け入れ加算の算定要件の見直しについて、また緊急時における初期のアセスメントを評価する必要性についてどのように考えるかという点、更に稼働率の高い従業所における緊急利用枠の確保に対する評価も重要ですので、これを引き続き報酬上評価していくこと等を御議論いただきたいと思います。

12 ページです。【論点】の2「医療的対応や強度行動障害を有する者への対応強化について」、この課題としては短期入所については基本的に宿泊を前提としているので、日中活動系サービスと比べて支援時間が長くなり、また医療的ケアが必要な利用者に対しては褥瘡の処置等看護の提供の頻度も増えていくことから、これらを考慮した評価が必要ではないかということでございます。

 また、重度障害者支援加算において、行動障害を有する利用者への支援を評価していますが、強度行動障害等、単に職員を配置するだけではなく、適切な支援ができる職員による支援が重要なのではないかということでございます。

 こうした状況を踏まえた論点として、医療連携体制加算について、現在は日中活動系サービスと短期入所で同単価となっていますが、支援頻度等を考慮した単価設定についてどのように考えるかということでございます。もう 1 点については、行動障害を有する者に対して、現在都道府県で実施を進めている強度行動障害支援者養成研修を受講した職員が支援を行った場合を評価するような単価設定を行うことについて、どのように考えるかという点について御議論をいただきたいと思います。

14 ページです。【論点】3「単独型事業所の評価について」です。現在、短期入所の報酬については「 1 日利用の場合」と、「日中活動系サービスと併せて短期入所を利用した場合」のいわゆる半日単価の 2 つに分かれます。連泊した場合においては、中日に外出して日中活動系サービスを利用した場合においては、半日単価を適用することとなっています。

 しかしながら、サービス提供実態調査の結果によると連泊者に対する中日支援時間はこちらの表にありますとおり、 16 時間以上は 44.7 %となっているなど支援時間が長期にわたっています。

 更に課題2として、単独型事業所の場合は利用者数において 6:1 の配置が求められるところですが、利用者が日中活動に行っている間や事業所に戻って来る前など、利用者の支援のための業務に従事しているケースが想定されますので、連泊中の職員の配置時間が利用者の利用時間より長くなります。

15 ページです。平成 24 年度の研究事業の結果によりますと、利用期間について 1 2 日が 43.6 %で一番多く、 2 泊以上の連泊は 5 割強を占めている状況にあります。このような状況から職員配置の負担が重い単独型事業所については、本体報酬とは別に評価をしていく必要があるのではないかという点について、その評価についてどのように考えていくかについて御議論をいただきたい。

16 ページについては、短期入所に関する団体からの要望をまとめていますが、説明は省略します。

17 ページ、施設入所支援についてです。施設入所支援に係る【背景】としては、第 4 期障害福祉計画における国の指針において、地域移行を進めるという観点から、平成 25 年度末時点の入所者数の 12 %以上が地域生活へ移行するとともに、平成 29 年度末の入所者数を平成 25 年度末から 4 %以上を削減することとしています。

 その一方で、障害者支援施設は障害者の重度化・高齢化などに対応した専門的ケアを行っていくことも求められています。

 また、強度行動障害を有する者に対しては、適切な支援を行うことにより危険を伴う行動が減少する効果があるとも言われていますので、適切な支援等ができる職員による支援を行っていくことが重要であります。

 これらを踏まえ【論点】としては、強度行動障害支援者養成研修の受講を促すなど、適切な支援が実施されるよう、重度障害者支援加算の見直しが必要ではないかを挙げています。

18 ページです。具体的には、重度障害者支援加算2があります。これは行動障害を有す者に対する支援を評価することを目的として設定されている加算です。算定に当たっての課題1は、当該加算の算定要件が指定障害者支援施設基準に規定する人員に加えて生活支援を配置することとなっています。例えば、生活介護事業所において指定基準を超えて職員を加配している場合、人員配置体制加算が算定できることになりますが、その場合それによる加配の職員をもって夜間には重度障害者支援加算で評価することが可能となっています。

 課題2は、強度行動障害は、支援者による不適切な対応が行動障害の原因となることもあります。そのようなことから単に職員を配置するだけではなく、適切な支援や働きかけができる職員による支援が重要であります。

19 ページにありますが、これらを踏まえた【論点】として重度障害者支援加算2については、そもそも「昼間に生活介護を受ける利用者に対する支援が 1 日を通じて適切に確保されるよう、職員を加配して支援を行った場合」にそれを評価するものですので、その趣旨に沿うように実際に夜間における手厚い支援を実施した場合にこれを評価するべきではないかということです。

 また、強度行動障害の支援者養成研修が現在都道府県で実施され始めていることを受け、こうした研修を受講した職員の配置を要件とすることについてどのように考えるかという点があります。

 この場合、当該研修が始まったばかりなので、未実施の自治体もあることを考えて一定の経過措置を併せて検討する必要があるのではないかということです。これらを踏まえて重度障害者支援加算2について手厚い体制を評価するとともに、行動障害を有する者に対する支援の実施を評価するという体系に見直すことについて、御議論をいただきたいというところです。

20 ページについては、今申し上げた重度障害者支援加算2の概要等です。

21 ページは、施設入所支援に関する団体からの要望をまとめていますが説明は省略します。説明は以上です。よろしくお願いします。

○田中障害福祉課長 それでは、ただいまの説明について、論点も多いのですが、分けるとかえって御質問等しにくいと思いますので、全体で御質問、御意見を伺います。どの論点、どのページからでも結構ですのでお願いいたします。

○野沢論説委員 いろいろ多岐にわたっているのでどこから話していいのか分からないですが、最初の、生活介護のサービス利用の時間です。確認ですが、今、 4 時間未満と 8 時間以上、これはそれぞれ差を設けていて、その間は同じだということですよね。調査結果を見ると、 8 時間以上は 46 %あるのですが、 4 時間未満は 0.0 %というより、全くゼロではなくて多少あるという意味でいいのですか。それとも全くないのですか。

○田中障害福祉課長 サービス提供実態調査で統計的に取っているものですので、今、事務局で分かることがあればお願いします。

○落合課長補佐 このサービス提供実態調査でこういう数字になっているのですが、国保連が集計しているデータなどによると、事業所の 1 %程度は 4 時間未満があるということです。

○野沢論説委員 そうですか。それを差し引いたとしても、半分以上は差のないところ 4 時間から 8 時間未満に収まっているということですよね。それをまた小刻みに分けるのも何だか少し世知辛いような感じもするのですが、ただ、予算額が多いのです。全体の 4 割弱、大体 6,000 億ですか。どこかでメリハリを付けて捻出するということを考えると、多少でも、ここで差を設けたほうが、ほかのいろいろ必要なところに財源を回せるのではないかという気はします。

 実際にどのぐらい差を付けるかによって全然違ってくると思うのですが、何か全体像のシミュレーションのようなものを、今すぐでなくていいのでどこかでしてもらえると、具体的に想像できると思うのです。こうやったからといって、事業所側の事務負担が増えるわけではないですか。もし増えるのであれば余り乗り気がしないのですが、増えないのであれば、ここは多少検討する余地があるのではないかと聞いていたのです。

○落合課長補佐 具体的に事務負担が急激に増えるかというと、項目が分かれたりするような点はあるかと思いますが、それほど事務負担が増えることはないと思います。

○野沢論説委員 そうすると、一生懸命 8 時間未満のぎりぎりのところでやっている人と、 4 時間ちょっとの人のところが同じというのも、やっている側にとってのインセンティブというか、モチベーションに関わってくるので、多少分けたほうがいいような気がします。もちろん個人的な意見ですが。

 それから支援内容です。いろいろ考えるのですが、生活介護というのはそもそも何かという、事業所によって支援内容はばらばらなので何とも言えないのですが、内容によって評価を分けるのは一概に難しいのではないかと、いろいろ考えた末に、今はそう思っているのです。

 これを見ると、造形や絵画や園芸などはクリエイティブな感じがして、レクリエーションと言うとただ遊びみたいな感じがしますが、実際に見てみると、結構重度の方で、このレクリエーションが相当御本人の生活の質を保っている、良い影響を与えているなどという現場をよく見るのです。そうすると、レクリエーションだから遊びじゃないかみたいに一見、見られがちですが、それは少し乱暴ではないかと思うのです。支援の中身について評価するというよりも、何か利用者の満足度や改善度などで評価できるのであれば、そちらで評価したほうがいいのではないかと思うのです。それも、では一体どうするのだとなると、なかなか定量的な評価は難しいですよね。誰がどうやって利用者の満足度を見るのかというのは永遠の課題かもしれません。何となくはっきりしないのですが、そんなイメージを抱いています。議論のたたき台にでもなればと思って発言しました。

○沖倉教授 同じ項目です。サービス利用時間のところで、ヒアリングで幾つかの団体がおっしゃっていた中で、ここで出ているサービス利用時間は、開所時間の減算や延長支援加算ということで、平成 24 年度に創設された部分ですが、基本的にウイークデーを中心に算定されています。出てきた意見の中で多かったのは、土日や祝日等にサービスを提供した場合に評価をしていただきたいということだったと記憶しています。その辺りが入る余地などについてはどう考えればいいのでしょうか。先ほど、各団体の意見を聞いたので、説明は省略ということでしたが、非常に多かったように記憶していますので、その辺りは一つ検討の課題だと思うのです。

○田中障害福祉課長 事務局から何かありますか。

○落合課長補佐 要望に関しては、団体から幾つか頂いています。基本的に入所者に関する土日の支援については、これまでも土日等日中支援加算というものがありますので、それで評価していたものを、現在の報酬体系の中では本体報酬に入れ込んで評価をしている状況です。

○沖倉教授 そうなると、関係団体の皆さんがおっしゃったのは、それでは不十分なので、改めて加算として、と考えればよろしいですよね。

○落合課長補佐 そういう御要望を頂いているということです。

○沖倉教授 その辺りをどう考えるかというのは、声は大きかったと思いますので、一つ検討の余地があると思って申し上げておきます。

○落合課長補佐 はい。

○井出教授 資料 2 を拝見して、この中の全体の流れというか、一つの論点は、この中にもありましたが、障害者が高齢化したり重度化したりする中で、障害福祉サービスの中の看護の立ち位置というか重要さというのを、私はかなり大きく感じています。論点にもありましたが、そろそろというのも変ですが、しっかりといろいろなところで加算を考えていく必要があると思います。看護の立ち位置や重要さというのは、今回は私としては論点にしてみたいと思っています。これは意見だけです。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見などはいかがでしょうか。

○沖倉教授 すみません、余りに論点が多いのでどこから言ったらいいのか分かりませんが、思い付いたところから申し上げます。強度行動障害の支援者養成研修というのが何回か出てきますが、ちょっと不勉強で恐縮ですが、これはどの程度の時間をかけて、主にどんな内容をされているのかを教えてください。

○曽根障害福祉専門官 研修を担当している曽根と申します。強度行動障害支援者養成研修については、基礎研修が 12 時間、それから、今年度、実践研修というものを実施することを準備しているのですが、こちらも今のところの予定では 12 時間、合わせて 24 時間という形になります。

 内容としては、障害特性への理解や、構造化やスケジュールなどという自閉症の障害特性に応じた支援の手法を身に付けてもらうことが基礎研修の内容です。実践研修については、そのことをアセスメントできる、それから、アセスメントに基づいて、実際の支援計画が立てられるというところを目標にしています。

 大体、全体の半分が講義、半分が演習という組立になっていまして、ベースになっているのが、これまでの行動援護従業者養成研修です。ただ、こちらは居宅系のサービスということで、訪問サービスを前提にしているのですが、それに類するような研修が、例えば入所の施設やグループホームや通所の施設、そういった職員さんに対する研修がこれまでなかったものですから、これを広く、全てのサービス種別で職員に受けていただく研修ということで、一応、基礎研修と実践研修という二段構えで人材養成を進めていこうとしています。

 ただ、これは実際の支援の支援技術の向上というのもあるのですが、これまで非常に深刻な虐待事案の中で、行動障害の方が多く虐待に遭っていたという事実もあり、そういったことも踏まえて、より多くの方にこういったスキルを学んでいただくということです。ただ、任意の研修で「みんなで頑張ろう」ということだけでは進まないので、報酬上、評価をして取組を進めることも必要ではないかという観点になります。

○沖倉教授 追加で確認なのですが、実践研修というのは、まだ始まっていないのですか。

○曽根障害福祉専門官 今年度からです。

○沖倉教授 先ほど、そもそも経過措置が必要ではないかという議論もありましたが、どの程度、既に受講し、今後の見通しとしては、というか、未実施の自治体もかなりあるわけですよね。

○曽根障害福祉専門官 はい。

○沖倉教授 その辺りを踏まえて、これを条件にするかどうかというのも出てくると思うのです。その辺りはどうお考えというか、今、実際にはどうなのかということなのですが。

○曽根障害福祉専門官 基礎研修のことで一つ申し上げますと、基礎研修を行う都道府県の指導者を養成する研修を平成 25 年度に実施しました。ただ、実際の研修を行ったのが 10 月だったものですから、平成 25 年度中にこの研修を実施した自治体は、私の知る限りでは 4 自治体と聞いています。平成 26 年度にどの程度の自治体が実施しているかというのは、まだきちんと正確な数字はないのですが、 30 以上の自治体で実施されるのではないかと聞いています。実践研修については、 10 15 日、 16 日で指導者養成研修を行い、その後、それを受けて自治体が実施していくという形になります。

 もう一つは、この研修をどの程度の職員が受ければ加算の対象にするかなどという関係も出てきますので、そういったことも含めて経過措置をどうするかを検討していただくことになるのではないかと思います。

○田中障害福祉課長 落合さん、何か補足がありますか。

○落合課長補佐 こちらのデータで、一応、今年度の予定として、 6 割程度の自治体で実施する予定です。

○平野教授  9 ページの短期入所の関係です。やはりいろいろな施設に行くと、特に都市部の周辺部なのですが、かなり人気がある。例えば、実際に居合わせたことがあるのですが、 1 日に 3 か月後の受付をやると、朝の 9 時から半ぐらいまでずっと電話が鳴りっぱなしで、本当にコンサートのチケットを取るような感じの状態になっていて、もうそれで埋まってしまうという状態があって、それで結局、緊急の場合に対応できないというのがすごく続いていました。そういった意味では、この問題をどうするかというのは、すごく大きな問題です。

 これは可能かどうか分かりませんが、緊急の事態に対応するというところで、一つは家族の病気などもあるのですが、虐待事例の場合に対応しなければならないというのがすごくあるのです。虐待事例の場合には、当然、今は虐待防止法もありますから何とかしなければならないという。こういう虐待事例に対しては、市町村の場合もシェルターとして使わなければいけないということで、こういった部分も多少サポートするとか、そういうことをしないと、現実問題としては、困っているときに手が打てないという。この辺りも少し考えてみる必要があるのではないかというのが一つです。

 それから、行動障害について今回評価してもらったのですが、これはすごく大事だと思っています。やはり施設側からすると長く入院する人や予定のある人は前もって評価ができて、どう対応するかというプログラムをある程度作れるのですが、ポンと来て、すぐ対応しなければならないというのは、すごく難しい。そういった意味で、特に行動障害や医療的ケアも含めて、いきなりポンと受ける人たちに対して、もう少し手厚くするのは、多分あると思います。そういった意味では一般的なほうを下げろというのは難しいのですが、やはり多少のメリハリを付けてもいいのではないかという感じは持っております。

○野沢論説委員 行動障害の話の関連です。私は、やはり今回の報酬改定は、この行動障害への対応を一番の目玉にしてほしいと、実は思っているのです。国連の権利条約に批准して、あれはどう読んでもやはり入所型の施設よりも地域で暮らすことを推し進めていこうということですよね。障害者基本法でもそうなっているわけです。事業者さんもいろいろな良い所が出てきましたし、大抵の方が地域での暮らしの可能性が見えてきているのですが、それでも唯一と言ったら言い過ぎかもしれませんが、医療的なケアのある方もそうですが、本当に地域で暮らしにくいのはやはり行動障害を持った人だと思います。私もよく知っていますが、もう家も親もボロボロです。とにかくもう、どっちが倒れるかまでやって、それで地域のいろいろな所に、通所だったり放課後等デイサービスであったりしますが、そこでも、どこでもやはり難しくて、職員のほうも心が折れてしまってどうにもならない。

 ですから、やはりそういう方は、とりあえず入所に行って落ち着いていただくみたいなことなのですが、しかし入所の職員さんだって、きちんと対応できる人はそんなにいるとは思えない。この人たちが施設の中での虐待リスクが一番高いと思います。

 千葉県の袖ヶ浦の福祉センターが、こういう方ばかり集めるというか、地域では難しいので、割と安易にそこに入れる、入所施設からもそこに渡すわけです。袖ヶ浦のセンターというのは人員配置が非常に手厚いのです。一般の民間施設の 2 倍から 3 倍ぐらいだと言われていて、給料も高いのです。いろいろな強度行動障害の研究事業だってやっている所なのです。それでもうまくいかなくて、結局、 1 人亡くなるという、本当にひどい事件が起きてしまった。

 ここをきちんとやらないと、権利条約も基本法も実現できない、虐待防止法もうまく進んでいかないところに来ています。ここの見通しが付けば、家族にしても、施設職員さんにしても、本人が悪いのではなくて環境や周囲の人間関係や支援との関係で起きるものだと思いますが、どんな難しい状況になっても、何とか地域でやれるのだという一つの見通しや希望のようなものを示せるのは、やはりここだと思います。

 ですので、いろいろなところで行動障害の事案が出てきますが、やはり今回の改定を通して見て、「ああ、行動障害のことをきちんとやれるような、地域で暮らしていけるような改正になったね」というメッセージを送れるようなものに、是非していただきたいと思います。

 とりあえずは短期で、緊急に避難できる所は必要だと思います。しかし、この短期入所だけで行動障害の人を見るのは相当難しいですよね。むしろ悪くなってしまったというケースもよく聞きます。ですので、あくまでも短期できちんと緊急避難としての機能を果たせる物と人とを用意する。それで相談支援等にかかって、行動障害の人をどうやって改善していくのかというようなことをチームでやっていくような取組が一番要のところだと思います。

 研修のことについて言うと、研修は沖倉先生がおっしゃるように、まだまだだと思いますが、すごく良い支援や良い環境を提供すれば相当改善できるし、それを実践している人もたくさん知っています。やはり虐待防止法ができて一番いいのは、この研修で、行動障害を何とかしようという動きが、かなりあちこちで始まっているところで、それを国がスタンダードにしていこうという流れなので、むしろ、ここの加算をきちんとして、インセンティブを強めて、だから研修をしていくのだというような、そのぐらいの牽引力のあるものにしてもいいのではないかと思います。研修を待っていて、その加算を考えるよりも、むしろ加算を付けることによって研修を促すようなものにしてもいいぐらいだと私は思います。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。今まで出た部分以外も、単独型事業所の評価や施設入所のところは御意見が出ておりませんが、この辺りなどもいかがでしょうか。

○藤井障害保健福祉部長 一つ私のほうから。これは改めてなのですが、先ほどの生活介護の 6 7 ページの辺りです。「支援の内容について」で野沢委員から若干言及がありましたが、私も、これはなかなか難しいとは思っています。ただ、結構、予算額的には大きいこともあり、先ほど野沢委員もおっしゃったように、レクリエーションでも何であっても、本当にそれぞれの障害のある方、利用者にとって必要なことを必要なだけサービス提供していただいているのであれば、もちろん私もこの支援の内容について特段に論点として上げる必要もないのですが、そうではないところもあるのではないかという声もあり、これをどう考えるかということを論点に上げているのです。

 どうでしょう、先生方は実際に現場の実態等を御覧になっていただいていて、この辺りについてどんな認識をお持ちか、改めてお伺いできれば有り難いのですが。すみません、答えにくいところもあるかもしれません。

○平野教授 確かに内容はいろいろあってもいいのではないかというのはあるのです。余り、これだ、という形にするよりは、その地域や形に合ったほうがいいというのはあります。

 これは個人的な意見なのですが、一つは、最近の生活介護を見ていると、こういう表現がいいか分かりませんが、デイサービス化しているなという感じはあるのです。来て預かっているという所で。今までの通所施設のイメージなどで言えば、ある意味継続した処遇をやっていたのです。プログラムを作って段階的に変えていくという。それが、預かって、見ていくという、何か、その日その日の仕事みたいになってしまっている感じがあります。そこが少し危惧しているところがあります。その人に対してプログラムを作って、長期的にどう変えていくのか。今、利用日数が週 3 日間ぐらいですから、そういった意味でできていない。

 もう一つは、今までより少し後退したのが家族支援なのです。今までは施設入所者、利用者ということで、家族などの支援があったのです。それ自体は悪いことではないのですが、今は利用者本人の支援になってしまって、家族の部分が抜けてしまって、それがまた、家族が地域で暮らすことの難しさになっているという。その辺りを、できればもう一回しっかり、本人を支えるのも大事ですけれども、プラス、地域で家族を支えていく機能を持っていく必要があるのではないか。その辺りが弱くなってきたのではないかということを懸念しています。

 ただ、逆に良い面としては、これまでよりはいろいろサービスの内容が膨んできたのは事実です。 3 障害ミックスになったことによって、いろいろなものが出てきた。その辺りはプラスになったと思っています。

 もう一つ。特に入浴などの辺りはやはりまだ難しいのではないか。これは、まだ古い殻を背負っているのかなという気はしています。例えば、生活介護に来たのが、全部が全部、身障の養護や知的の更生ではなくて、極端に言えば、知的の通所授産などの所が生活介護に来ているのもたくさんあるのです。そうすると、こういう入浴などの設備そのもの、ハードを持っていない所はまだありますので、これを全部に義務付けるのはハードの問題も出てくるので、その辺りは多少の幅を持たせながらも、もう少し地域を支える、地域生活にするというところの特性介護はもっと、そういうところからプログラムを考えてほしいという感じは持っています。

○沖倉教授 今、平野委員からデイサービスが、というお話がありましたが、私も幾つかの施設で生活介護を見せていただいて、先ほど、何を中身でしているかという、項目としては上がってきて、レクリエーションも入ってということで出てきましたが、やはり集団でいろいろな活動をすることが中心にはなってくるのだと思うのです。その中にあっても、一人一人の利用者が、今なぜそれをやり、どこをゴールとして取り組んでいくかという、きちんと計画化されているかどうかではないかと思います。

 生活介護などにお邪魔すると、サービス管理責任者の方とお話するのですが、やはり目標設定がしにくいことや、どうしても集団で見ていくことが中心になってくるので、個別性を反映できないなど、その辺りはよく聞きます。

 ただ一方で、個別支援計画を作ったことがない人が、一生懸命見よう見まねで作っていることも事実なのです。この報酬改定や、その報酬の評価の中で、サービス管理責任者をどの位置に置くかは私もちょっと分かりませんが、この方たちの役割は大きくて、その計画と実際やる職員とのコミュニケーションの中で見えてくるものがあるかと思っています。今は特にレクリエーションなどで身体を動かしましょうとなると、集団で音楽をかけて、ここはカットしていただいたほうがいいのですが、クルクル回ってしまうとか、ちょっと思い切った発言をしておりますが、事実なので申し上げれば、そういうところも幾つか見ています。それが意味するものが、ゴールがあってされているのであれば一つ評価なのでしょうけれども、何となくそれを尋ねてもお答えを頂けないところを見ると、いかんともし難い状況です。特に重度化すればするほどそういう状況にあるというのも見ているので、それをどうしていくかというのは課題だと思っています。今回の報酬のうんぬんには直結しない物言いで恐縮なのですが、そこはずっと気になっています。

○野沢論説委員 問題提起に対して言うと、生活介護は本当にいろいろです。良いなと思えるものもいろいろな評価のポイントがあると思っています。一つは、非常に見栄えの良い、外部一般の人に向けてのパフォーマンスが非常に上手な所があります。パンフレットなども上手だし、やっていることも何かすごく拍手したくなるようなことなのですが、職員がそういうことが上手であって、では利用者御本人の個別の支援はどうなのかというと、そうでもなかったりする所もあれば、見栄えは悪いし、何か言っても取っ付きにくいけれども、利用者本人に対しては非常に良い支援をして、対人サービスができている所もあります。それだけではなくて、家族や地域を巻き込みながら、本当の地域生活みたいなものを目指している所もあって、特に後者 2 つはどちらも評価したいなとは思うのです。それは、やっていることの中身ではなくて活動のアイテムそのものではなくて、非常に評価の難しいところ感じるのです。

 これはどうやって定量的な評価に反映させるのか、先ほども言いましたが難しいところではあるのですが、何かもう一つそのぐらいのところに評価の階段を進めたほうが、本当はいいのだろうなと思っています。報酬改定のときだけこういう議論をして、これが終わると、また何となく「収支は大丈夫かな」ぐらいのところで行ってしまうのは、何か残念な気がします。研究会や検討会などで、この辺りの評価の仕組みや人材育成のようなことは、やはり本腰入れてやる時期だという気はしています。

○平野教授 もう一つ追加です。先ほど野沢委員から行動障害という問題も出されたのですが、今度の総合支援法の一つの重要なものが、 3 障害の区分をなくしたということです。逆に言えば、これが今まで谷間だった重複障害の人たちに対して、谷間ではないのだと、きちんと重複障害も受け入れるのだという素地を作ったというプラス面を救っていると思うのです。

 これまで重複障害の人たちは、盲重複や聾重複などがあったのですが、そういったところが今度は浮上してきたわけです。こういうところに対して、やはりもう一つメッセージを出してもいいと思うのです。今回、難病が入って谷間をなくしたということであれば、こちらも重複で谷間の部分を一番、きちんと手厚くしましたよというメッセージも出していいのではないかと。やはり重複はかなり対応が、 1+1=2 ではなくて 1+1=3 ぐらいの難しさになりますから、こういう制度が変わった部分をプラスに発展させるようなメッセージもそろそろ出してもいいのではないかと。ここを一つお願いしたいと思います。

○野沢論説委員 短期の緊急時の受入れの点です。これは医療で言えば救急命班の期待を背負っているところだと思うので、余り収支のことを考えていたのでは、とてもじゃないですがこれをやる所がなくなってしまうのではないかという気がします。やはり要件が若干厳しいのではないかと思うのです。これではなかなか広がっていかないだろうなと思うし、ここが一つあれば、本当に本人や家族にとって死活問題のときに救ってもらえる救急的な駆け込みの場所は必要なので、もう少し算定要件を広げてあげてはどうかという気がします。

 もう一つが、入所の夜間の配置です。先ほど言った袖ヶ浦の福祉センターでも、職員のもともとの配置は一般の民間の 2 倍ぐらいあるなどと言われていますけれども、夜間は相当手薄なのです。実際には、人数はいるけれども、昼間はごろごろしていて、やることがないから畳の上で並んで洗濯物をたたんでいるだけなどということを、後から応援で入った民間の人が言っていました。その割に非常に夜間が手薄で、やはり夜間のほうが利用者も難しい局面があったりして、そういうときに対応できないと。ですので、やはりここは、きちんと夜間に配置をしていただくと。そちらのほうに報酬もシフトすることは当然考えていいだろうと思います。

○田中障害福祉課長 ありがとうございました。すみません、先ほどの短期入所の算定が難しいというのは、加算ということでよろしいですか。

○野沢論説委員 どこでしたか。

○田中障害福祉課長  10 ページの。

○野沢論説委員  10 ページですね、はい。

○田中障害福祉課長 分かりました。ありがとうございます。

○野沢論説委員 これは 90 %でないと駄目というのですよね。

○田中障害福祉課長 そうです。

○平野教授  90 %はかなりハードルが高いですよね。多分、 50 %を超えてもかなり厳しいです。 90 %だったら職員が持ちこたえられないですよ。やはり緊急は欲しいですものね。

○野沢論説委員 緊急は欲しいですよ。

○平野教授 本当に緊急は欲しい。こう言ったら語弊がありますが、一般的なショートステイを下げてもいいから緊急を上げてくださいというぐらいの。

○野沢論説委員 本当にそう思います。ショートはいろいろな目的で使われてしまっているところがありますものね。

○平野教授 実際、レスパイト化している所もありますから。

○田中障害福祉課長 ほかの論点でも結構ですが、いかがでしょうか。

○萩原部長 今更なのですが、少し教えていただきたいのですが、生活介護のサービス提供時間、利用時間です。資料の 5 ページ辺りです。これは、営業時間ということで、個別の指導時間ではないという位置付けだと読んでいるのですが、例えば 8 時に送迎の車が出て、 3 時ぐらいに送迎の車が出発して、 5 時ぐらいに戻ってくるとなると、ここの時間の区割では何時間の中に入るのですか。

○田中障害福祉課長  8 時に事業所から送迎のバスを出して利用者さんの所に行って。

○萩原部長  4 時に事業所から帰りの車が出て 5 時に帰ってくるとすると。

○落合課長補佐 ここで言う営業時間は、その送迎の部分は含んでいなくて、利用者が事業所に来て帰るまでの時間です。

○萩原部長 出て入るまでですね。

○落合課長補佐 はい。

○萩原部長 そうすると、長い時間を送迎していると、どちらかというと不利になってしまうということですかね。

○田中障害福祉課長 サービスの利用時間ということで言えば、どれだけ営業しているかということですから。

○萩原部長 ここで言う営業時間の階級別事業所数とある、この階級は。

○田中障害福祉課長 営業時間でいいですか。

○萩原部長 送迎の時間を含まないということですよね。

○田中障害福祉課長 送迎の時間が入っているのか、入っていないのか。

○落合課長補佐 この時間には含んでいないのですが、報酬体系の中では、ある程度、本体報酬の中で、この送迎も見込んで。

○萩原部長 送迎の加算が付くということで別に分けているということですね。

○落合課長補佐 本当は報酬でも、一応、評価はしているのですが、それに送迎加算をどうするかというのは、また別のところでの議論にはなります。

○萩原部長 そうですよね。ありがとうございました。

○田中障害福祉課長 ほかの論点でいかがでしょうか。短期入所の単独型事業所のところは特段、今まで御意見がありませんでしたが、何かありますか。

○野沢論説委員 単独型は増えているのですか。どのぐらい増えているのか。それと、先ほど気になったのは、短期入所の常勤率が 15 ポイントも下がっているのです。これはどんな理由かと少し気になりました。

○田中障害福祉課長 単独型の推移と、常勤率が下がっていることについて、順次、事務局から分かることがあればお願いします。

○落合課長補佐 単独型の数ですが、正確な数はこのデータを分析してみないと何とも言えないのですが、資料 2-2 6 ページにある平成 25 年度のデータで 3,674 というのが全体の事業所数です。先ほど出ました平成 24 年度の研究事業の中で、単独型事業所の割合が約 16 %ということなので、それからこの数字を推計すると 600 弱ぐらいという推計はできます。

○田中障害福祉課長 常勤率が下がっている点については、もし特段に何かコメントできることがあればお願いします。

○菅自立支援給付専門官 サービスごとの分析には至っておりません。申し訳ありません。

○野沢論説委員 確か、新しく立ち上げている所が多いのですよね。割と小さな NPO などもこれでやるとか。ですので、すぐに常勤でというのは。いろいろやり繰りしながらやっているのかなというのはうかがえるのですが。

○平野教授 短期入所というのはニーズが変化しますから、利用者が一定しているわけではないですから、そうすると、多分、ニーズに応じて増やしたり、減ったりということの反映なのでしょうね。

○野沢論説委員 事業としては難しそうですね。

○平野教授 そうですね。決まった固定客がいるわけではないですから。

○野沢論説委員 ユーザーからすると、すごく必要性は高いですよね。地域でずっとやっていても、やはりどうしても、ちょっと預かってほしいということは、特に家族から、ありますよね。これがないと、もう入所かという選択肢になってしまいますので、ここをきちんと各地域で作って、うまく運営してもらうということが、地域で暮らし続けるためにも必要だとは思います。単独型は応援したい気はあります。どうでしょうか。

 自治体によって緊急の定義というか、運営の仕方が違うという点はどうですか。この辺りは自治体の。

○萩原部長 先ほども出ましたが、虐待に関わるようなものは最優先でということになりますし、その段階で、虐待なのかどうかという、公も含めた介入の段階で状況を確認してということになると思います。

 ただ、 10 ページにあるアセスメントですか、ここは私も同感で、ここは評価すべきだと思うのですが、アセスメントのフレームをどう作るかが大きいだろうと思っています。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。生活介護と短期入所についてはいろいろ御意見を頂きましたが、施設入所のところは余り御意見を頂いておりません。先ほど、夜間にもしっかり配置をされないということと、行動障害の関係では御意見を頂いておりますが、 18 ページの課題 1 2 、それから 19 ページの論点のところで何か御意見はありますか。

○野沢論説委員 繰り返しになりますが、施設入所はやはり行動障害をきちんとやれるということを必須の要件にしていただきたいぐらいです。今日の入所施設の存在理由として、そのためにあると言ってもいいぐらいだと思っているのです。こういうことを言うと、また非常に嫌われると思いますが、中には「うちはもう行動障害は苦手だから、余り得意じゃないからいいんだよ」などと言っている人には「何言ってんだ」と私はいつも突っ掛かるのです。厳しい言い方かもしれませんが、地域で生きにくい人たちのためにならなければ、何のためにやるのだろうぐらいの感じはします。ですので、やはりきちんとそういう機能を担えるところにこそ、胸を張って自分たちの存在理由をアピールできるようなものに、是非なっていただきたいと思います。そういう良い入所施設も幾つもあることは、私は目で見て分かっておりますので、是非、そういうところに導くような加算や報酬単価の設定をしていただきたいと思います。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。ほかの御意見はよろしいでしょうか。

○平野教授 繰り返しになりますが、やはりもう一つ、行動障害と重複障害の部分を、施設入所支援で支えてほしいということ。それから、今回、総合支援法の平成 26 年分で、刑余者、いわゆる累犯障害者と言われる人たちに対しても、今度は地域移行支援の対象にするということでも、積極的に対応しましょうというのが入りました。

 すごく評価できることと思うのですが、実際問題として、現場でやっていると、犯罪を犯した障害者の場合、帰ってくる場所がない。性犯罪を犯したような場合は、元の地域に戻すことができないと、やはり地域に帰さないで、どうしても施設入所せざるを得ない。でも、そういう人たちは比較的障害そのものは軽いのです。こういう人たちを考えれば、先ほど提案があったように刑余としてのしっかりした指導などをしないと、なかなか悪循環から抜け出せないというのがあり、重い人たちに対する対応も必要ですが、夜のケアはきちんと、ナイトケアではないのですが、そういう生活の面での指導はすごく刑余者の人たちにとっては必要です。単純に、地域に戻せないわけですから、新しい地域を作っていかなければいけないということも含めて、そういう意味でしっかりした支援ができるような対応を組まないと、いつまでたっても施設に滞留するだけになってしまう。そういうところを考えてもらうのはすごく大事だと思います。

 もう一つは個人的な意見ですが、無条件に施設がいいというつもりはありませんが、やはり、施設入所を全面的に、ということです。もう一つ施設の持っているのは、集団でやるという部分が大きい経験があって、例えば、脊髄損傷にずっとかかっていたのですが、ずっと病院にいて、自分だけ取り残されていくのです。ほかの患者さんはどんどん出ていくのに、自分だけ病院に独りぽつんといて、自分だけが不幸の存在みたいになってしまって、落ち込んでいて。それが施設に行くと、自分と同じような脊損がたくさんいることで、「あ、自分だけじゃないんだ」という。そこで「頑張らなければいけない」とやっている。そういう部分もあるのです。

 そう考えていくと、単純にケアだけではなくて、グループワークというような意味で考えてもらう、そういう処遇をやっていくのは施設の持っているもう一つの意味があると思うのです。そういう意味で、先ほど言われたように、しっかりした処遇をやってもらう。そういった意味で、施設は必要枠というわけではなくて、きちんとした、地域や障害者に対する機能を持てるような関わりができる所に、という。

 先ほど野沢委員も言われましたが、単純に預かっているのではなくて、こういうことをやるんだよ、ここを担うんだよというメッセージを出せるようにしていくのは大事だと思います。そういった意味での先ほど言ったような取組を意図できるようなスタイルにしたいとお願いしたいところです。

○野沢論説委員 私の先ほどの発言だけだと、 1 人だけ突出して悪者になりそうなので補足します。施設というのは、私も最近いろいろな所を見てみると、結構おもしろい運用というか、運営の仕方ができるなと思っています。この前行った所は、みんな個室なのですが、二人部屋があって、今どきわざわざ二人部屋を作ったのは、御夫婦で住んでいるというのです。ずっと長年施設にいて、すぐに外に出て二人で新婚生活をしろというのもなかなか難しくて、カップルが出来たら、取りあえず施設の中に二人部屋を作って、そこで新婚生活をして、慣れてきたらグループホームに移って、更に独立して、みたいな。こんなことをやるのだなと思って、せっかくある箱物だからいろいろなことを試して、新しいものをやるのもいいなと思ったのです。

 それから、やはり触法の方は確かに軽いですよね。軽いからこそ難しいのです。施設のほうも結構困ってしまってはいるのですが、やはりこの辺りのことも、きちんと見てあげたほうがいいと思います。

 それと、最近よく聞くのは高齢化への対応です。ただ、高齢化と言われてしまうと、何だか余りすっきりしませんが、高齢になっても、今は年齢だけでは推し量れないところがあり、高齢になって、医療的なケアなどが必要になったときにどうするのかという辺りを何か考えなければいけないと思います。しかし、そこばかりどんどん加算していくと、結局、入所施設がまた焼け太りになってしまったみたいな。またこういう言葉が残ってしまうとまずいですかね。でも入所は減らして、できれば地域のほうに出ていってもらったほうがいいわけだし、そもそも地域に移行できそうな人は相当いるのです。そういう人は移行していただきたいし、それでもそういう人を抱え込むのであれば、そこはやはり下げて、その代わりに本当に入所ならではの取組をきちんとできている所はむしろ増やすという。そういうことができませんか。

○藤井障害保健福祉部長 基本はそういうことだと思うのです。施設入所にしても、あるいは生活介護もそうですが、結局、トップランナーとは言わないまでも、しかるべきことを一生懸命やっていただいている所を、何某かの累計化をしつつ捉えて、そこに加算であれ、あるいは報酬を引き上げるのであれ、何某かのメリットを与えて、トップランナー的に頑張っている所だけではなくて、ほかの皆さんもそっちへ行っていただけるような、そういう施策を打つために報酬を組み立てるという。それが一つの報酬の体系の存在、あるいはこの報酬の改定を考える意味なのだとは思います。

 ですから、そこをどういうふうに、ある程度の累計化をして抜き取っていくのかというところが、前回申し上げましたが、なかなか難しいところです。そこをどんなコンセプトで抜き出していけばいいのかを、またいろいろ御助言いただければ有り難いと思います。

○沖倉教授 今、皆さんのお話を伺っていて、一つこれは少し大きな話というか大枠の話になるのですが、施設入所支援の基本報酬が、結局、障害支援区分によっているわけです。区分が高いと、それだけ報酬単価の単位が高くて、ということなのです。では、これ以外にどんな方法があるかとは今聞かないでくださいという感じなのですが、ただ、これをしていると、先ほど皆さんがおっしゃっていた、区分が軽くても、いわゆる障害が軽くても、とても支援を必要とする人たちはいる。区分が高い人の単位を高くすると、やはり重い人を入所させていこうというインセンティブは働くとは思うのですが、ただ、一方で、その方たちに、適切な支援をしていると、そんな簡単な話ではないですが、区分が下がっていく可能性もあるわけです。そうなってくると、報酬は下がるのです。

 本来、報酬というのは、提供した支援の結果に対して与えられるものなのですが、何となく矛盾を起こすだろうと、この間ずっと気にしていて、それも、今お話を伺った中で、勘違いでもなく、多分そういうこともあるのだろうなと思ったのです。ですから、重い人を入れれば大変だろうなどという話ではなくて、やはり、どんな支援や手当が必要かというところの中で本来は評価されるのですが、ではそれをどうやってするのかと言われても、「ちょっと考えておきます」みたいな感じなのですが、そこは一つ申し上げておこうと思いました。

○藤井障害保健福祉部長 おっしゃるとおりだと思います。そこは診療報酬も介護報酬もそうなのですが、こういう政策体系の、本当に一大課題なのです。何やかんかと工夫しながら、私どもは私どもなりには工夫してきたつもりではありますが、まだまだ足りないところだと思います。

○田中障害福祉課長 時間もありますので、次の議題に移りたいと思います。資料 3 の就労系サービスについてです。まず、事務局から説明をお願いします。

○平川課長補佐 資料 3 に基づいて、就労系のサービスについて説明いたします。資料 3-1 2 ページです。就労系のサービスは、就労移行支援事業、継続支援 A 型、 B 型がありますが、まず就労移行支援事業です。【背景】として、最初の○は職場定着支援、就労定着支援の関係です。就労移行支援事業については、利用者が就職をしてから少なくとも 6 か月以上は職場定着支援を行うことが定められております。 6 か月経過後は、障害者就業・生活支援センター等による支援が継続的に行われるように、必要な調整を行うことになっております。実態としては、多くの就労移行支援事業所が就職から 6 か月以上たった利用者についても、引き続き職場定着支援を行っており、一定の定着の実績を上げておられるというのが【背景】の 1 つです。

2 番目の○は、一般就労への移行に関する点です。就労移行支援事業所における一般就労への移行率は毎年、増加傾向にはあります。ただ、事業所単位で見ると、 1 年間における一般就労への移行率が 30 %以上と高い事業所もある一方で、一般就労への移行率が 0 %であるという事業所も 3 割以上存在するという実態があります。

 こういった【背景】を踏まえた【論点】ですが、まず【論点】の1は就職時の適切なマッチングや継続的な職場定着支援を行うことによって、就職した利用者が一定期間以上、職場定着している事業所について、定着実績に応じて評価する仕組みについて、どのように考えるかというものです。【論点】の2ですが、就労移行支援事業は就職を希望する方が就職できるように支援を行う事業ですが、複数年にわたって一般就労への移行実績がないということは、その役割を果たしているといえるのかということで、報酬での適正化についてどう考えるかというものです。

3 ページですが、【論点】の1です。現行で就労移行支援体制加算があります。前年度及び前々年度において、一般就労移行後 6 か月以上継続して就労している方の数が利用定員の一定割合以上いる場合に、加算で評価をするという制度になっております。こちらは 6 か月以上継続して就労している方の割合で評価をするということですので、それ以上長期にわたって定着している方については、特段、評価の対象にはなっていないことになっております。

 障害者の一般就労については、就職を実現するのも大事ですが、就職した先で長く働けるように支援するのも同様に重要ですので、現行の加算を見直して利用者の一般就労後の就労定着についても着目してはどうかという御提案です。例えば、一般就労移行後 6 か月経過後以降の定着について、 1 年以上 2 年未満とか、 2 年以上 3 年未満といった定着期間に応じて評価をしてはどうかという論点です。

4 番目の○ですが、「なお」ということで、現行の就労移行支援体制加算の対象ですが、企業等に就職した方以外に、就労継続支援 A 型に移行した方もカウントすることになっております。同一法人の A 型に移行された方はカウントしませんが、別法人であれば就労移行継続支援 A 型に移行された方についても就職者としてカウントすることになっております。この A 型事業ですが、利用者と雇用契約を締結するものではありますが、一方で障害者総合支援法に位置付けられた障害福祉サービスです。その事業所には職業指導員とか生活支援員なども配置されているということで、就労移行支援事業所が引き続き定着支援を行う必要性は高くはないのではないかと考えられるところですが、この点についてどのように考えるかという【論点】です。

4 ページですが、就労移行支援事業所の退所者の状況で、一番右が平成 24 年度になります。ピンク色の四角で囲ってある所は移行先が A 型であったところです。平成 24 年度の全体で見ると、大体 7 %ぐらいになっております。

5 ページの【論点】の2です。就労移行実績がない場合の減算の見直しということで、就労移行支援事業については、平成 24 年度の報酬改定において、過去 3 年間又は過去 4 年間における就労定着者数が 0 である場合に減算を行うという仕組みを導入しております。細かくは小さい字の所ですが、過去 3 年間の就労定着者数が 0 の場合は 15 %減算、過去 4 年間が 0 の場合は 30 %減算ということを平成 24 年度に導入しております。就労移行支援事業の趣旨は、就労を希望する方で、一般企業に雇用されることが可能と見込まれる方に対して支援を行うという事業の趣旨を踏まえて、就労定着の実績がない事業所に現在適用されている減算割合について、更に強化をし、更なる適正化を図ることについてどのように考えるかという論点です。

3 番目の○ですが、 1 年間で 1 人も就職者を出していない事業所が 3 割あるといった状況も踏まえて、就労移行支援の利用期間は原則 2 年間ですが、その 2 年間で一般就労へ移行した利用者が 1 人もいない場合にも減算を行うことについて、どう考えるかということです。

4 番目の○は先ほどと同様の話で、就労継続支援 A 型に移行した方について、移行実績としてどのように取り扱うかという論点です。

6 ページは、今申し上げた就労定着者数が 0 の場合の減算の適用状況の推移です。青いのが合計になりますが、導入直後は 4.3 %だったものが現在 3.7 %ぐらいで推移しているところです。

7 ページの紫のグラフが就労移行支援事業の一般支援への移行率になりますが、平成 20 年から見ると年々上がってきているところです。

8 ページは、就労移行支援事業による移行率別の施設割合の推移ということです。一番上のグラフが最新の数字で、平成 24 4 月です。平成 24 4 月より過去 1 年間なので平成 23 年度になりますが、その 1 年間に就職者数がどのぐらいあったかという率です。黄色い所が 0 %で、平成 23 年度 1 人も就職者がいなかった事業所が全事業所の中の 35 %であったという状況となっております。

9 ページは、就労移行支援に係る要望ということですが、こちらは省略いたします。

10 ページは、就労継続支援 A 型に係る【論点】です。まず、【背景】の上の○ですが、 A 型事業については平成 24 年度の報酬改定において、短時間利用者が一定割合以上である場合の減算を導入しております。ただ、最近においても、利用時間が比較的短い事業所の存在が指摘されているところです。小さい字は、平成 24 年度の報酬改定において導入された減算の中身ですが、週 20 時間未満の利用者を短時間利用者と呼びますが、この週 20 時間未満の利用者の割合が 100 分の 50 以上、 100 分の 80 未満であれば 10 %減算、これが 100 分の 80 以上になると 25 %減算という制度を平成 24 年度に導入しております。

 【背景】の 2 番目の○は、また別の課題で、重度者支援体制加算です。特定旧法指定施設、これは自立支援法施行前から事業を運営されている事業所になりますが、こういった所について重度者支援体制加算の要件を、通常の加算より緩和した形で設定しております。こちらは旧体系から新体系への移行を推進するための経過措置として設けられたもので、過去 2 回延長を繰り返して、経過措置が平成 27 3 31 日までとなっております。

 【背景】の 3 番目の○はまた別の課題で、施設外就労加算という加算があります。事業所から外に出て、請負などの形態で就労した場合に加算が付く制度ですが、平成 21 年度の報酬改定において、一般就労の現場での就労機会の提供が利用者の工賃の向上に有効であるということで、導入されたものです。

 【論点】は下に1、2、3とありまして、上の【背景】の 3 つの○と対応します。【論点】の1ですが、まず A 型事業の趣旨です。一般就労が困難な方に就労の機会を提供して、就労に必要な知識及び能力の向上のための訓練など、必要な支援を行う。そういった趣旨を踏まえて、短時間利用者が一定程度多い事業所について、その評価についてどのように考えるかが【論点】の 1 つです。

 【論点】の2ですが、上の【背景】の 2 番目の○と対応します。重度者支援体制加算の取扱いについてですが、経過措置の取扱いについてどう考えるかということです。

 【論点】の3ですが、施設外就労の要件について、 B 型事業については総合特別区域法により、一部地域において要件が一定程度緩和されております。 B 型のところで要件の緩和について、また【論点】として挙げたいと思いますが、 A 型についても同様の要件緩和を行うことについて、どう考えるかということです。

11 ページの【論点】1 A 型の短時間利用に係る減算です。現行の短時間利用に係る減算の仕組みですが、先ほど申し上げたように、事業所における短時間利用者の割合が現員数の 5 割以上の場合に適用されることになっておりますので、必ずしも個々の利用者の利用実態を踏まえた減算制度とはなっておりません。

 そこで、減算の適用に当たって、個々の利用者の利用実態を反映させたものとするために、事業所における利用者 1 人当たりの平均労働時間という形でとってはどうかということです。

 具体的には利用者 1 人当たりの 1 日の平均労働時間、これは例えば ( 直近 3 か月の利用者全員の総労働時間を延べ利用者数で割る ) といった形で出ると思いますが、このように 1 1 日当たりの平均労働時間を出して、その時間に応じて基本報酬を減算することについてどう考えるかという論点です。

12 ページは、都道府県の主管課長会議の資料で、平成 24 10 月に報酬の減算を導入した後の会議の資料です。自治体にお願いしたもので、例えば A 型事業については最低でも週 20 時間を超えるように促していただきたいとか、あるいは短時間利用によって自立支援給付、報酬を浮かせて、それを障害者の賃金に充てている事例も懸念されるので、そういった取扱いは趣旨に反するので是正を促してくださいと、自治体にお願いをしているところです。

13 ページは、短時間利用に係る減算の適用状況の推移です。 25 %の減算と 10 %の減算がありますが、その合計が赤いグラフになっていて、直近では 4.7 %となっております。

14 ページは、重度者支援体制加算の経過措置についてです。重度者支援体制加算については、重度者の利用促進を図る観点から、平成 21 年度の報酬改定で創設されております。具体的には、重度者(障害基礎年金 1 級受給者)の割合が、 50 %以上の場合に加算で評価するという形で平成 21 年度に作られて、その後、平成 24 年度の改定で 25 %以上という新たな区分も創設しております。特定旧法指定施設については、平成 21 年に創設されたときに重度者の割合が 5 %以上で算定できるという形で設定しております。このときは、平成 24 3 月までの経過措置ということでしたが、平成 24 年度の報酬改定において、引き続き重度者支援体制加算 ( ) という形で単価を引き下げた上で創設しております。こちらの経過措置が平成 27 3 月までとなっておりますので、この経過措置の延長についてどう考えるかという論点です。

15 ページは、この加算の算定状況の推移です。緑の ( ) が今申し上げた加算ですが、下がってきており、直近で 1.64 %がこの加算の算定状況になっています。

16 ページの【論点】の 3 、施設外就労です。この施設外就労ですが、事業所を出てどこかの企業などに働きに行く。請負などの形で、例えば清掃業務とか、あるいは製造業であればラインを請け負うといった形で、事業所から外に出て働く形態ですが、この施設外就労については現行で要件が課されております。下のほうに書いてありますが、例えば 3 人以上で出なければならない、 1 ユニット 3 人以上の形で、そこに職員が 1 人以上付いて出ていくとか、あるいは施設外就労の対象者は、利用定員の 100 分の 70 以下でなければならないといった要件があります。ほかの要件として、施設外就労で何人か外に出ていきますが、残った人たちに対して必要な職員の人員配置がなされていなければならないという仕組みになっております。この要件について、 B 型については総合特区などで既に一部地域で緩和されていることも踏まえて、要件の緩和をすることについてどう考えるかということです。この施設外就労については、施設外就労加算という形で 100 単位、付くことになっておりますので、要件緩和を行った場合、現行では施設外就労に加算していることについて、どのように考えるかという論点です。

17 ページは A 型に係る要望ですが、こちらは省略いたします。

 続いて、就労継続支援 B 型に係る【論点】です。まず、【背景】ですが、工賃の話です。 B 型事業所で働く障害者に支払われる工賃の向上については、各都道府県で策定する、平成 19 年度~平成 23 年度については工賃倍増 5 か年計画、平成 24 年~平成 26 年度については工賃向上計画に基づいて実施してきております。この工賃向上計画については、都道府県だけでなくて、各 B 型等の事業所においても作成していただいて、工賃向上に向けた取組を行うことになっております。工賃の実績ですが、 B 型における平成 24 年度の平均工賃は 14,190 円となっており、平成 18 年度が 12,222 円でしたので、増加はしておりますが、引き続き工賃向上に向けた取組が必要であるということになっております。

3 番目の○は、先ほど説明した A 型と同様の重度者支援体制加算がこちらにもあります。同じ論点になりますので、説明は省略いたします。

4 番目の○も施設外就労加算ということで、先ほどの A 型と同様の加算ですので、説明は省略いたします。

 下の【論点】の1の工賃向上ですが、工賃向上に向けた取組について、事業者自らが積極的に取り組み、その結果として工賃の向上が図られた実績をより評価できるような見直しについてどう考えるかということです。

19 ページは、工賃向上に向けた取組の推進ということで、 B 型事業の利用者に支払う工賃については、利用者が地域で自立した生活を営むことを支援するために、事業者自らがその水準を高めていくように取り組む必要があります。そこで、事業所の工賃向上に向けた取組をより推進するために、現行の加算及び目標工賃達成加算について、単価や算定要件を見直したり、あるいは一定程度高い工賃を実現している場合の加算区分を新たに設けることについてどう考えるかということです。

3 番目の○は、目標工賃達成指導員配置加算です。これについて、工賃向上に向けた体制の整備に積極的に取り組む事業所を評価するよう、要件を見直すことについてどう考えるかという論点です。

20 ページです。今申し上げた目標工賃達成加算、目標工賃達成指導員配置加算の要件を掲げております。目標工賃達成加算は 2 種類あって、 ( ) 49 単位で、この加算が算定される要件としては、前年度の工賃実績が地域の最低賃金の 1/3 以上であること、事業所が立てられた目標工賃以上であること、「工賃向上計画」を自ら作っていて、それに基づいて取り組んでいることが要件になっております。

 目標工賃達成加算 ( ) は、各都道府県の施設種別平均工賃、例えば B 型なら B 型の平均工賃の 100 分の 80 に相当する額を超えていること、「工賃向上計画」に基づいて取り組んでいることが要件となっております。

 目標工賃達成指導員配置加算の要件としては、目標工賃達成指導員を配置して、目標工賃達成指導員も含めた従業員の員数が利用者の数と比べて 6 1 になった場合に加算をするという仕組みになっております。

21 ページは、 B 型における工賃の状況です。金額は、先ほど申し上げたように 14,190 円ですが、時給換算で地域の最低賃金と比較をすると、地域の最低賃金の 1/3 以上となっている事業所は全体の 2 割程度となっております。参考ですが、その中で最低賃金の 1/2 以上となっている事業所は約 3 割、 1/3 以上 1/2 未満は約 7 割となっております。

22 ページ以降は重度者支援体制加算と施設外就労の【論点】で、先ほどの説明と同様ですので、省略いたします。

25 ページは B 型に係る要望ですが、こちらも省略いたします。説明は以上です。

○田中障害福祉課長 就労系サービスに関して御議論いただきたいと思いますが、就労継続の A B は共通するものもありましたので、ひとまとめにして、最初に就労移行支援の【論点】からお願いできますか。

○野沢論説委員 ここはやはりヒアリング等でも一番見直しが必要ではないかと、私も思いましたし、ほかの委員からもそんな意見が出たように思います。改めて見ても、 8 ページで移行率 0 %というのはやはりまだこんなにあると。見てみると、厳しい言い方かもしれませんが、事業のコンセプトが理解できていないのかもしれないという所があるように思うのです。就労移行なので、そこでいろいろなものを作ってもらったり、そこで工賃をどうこうではなくて、あくまでも目標は就職してもらうと。そのための職業訓練、あるいは職域の開拓とかいうことだと思うのです。ちゃんとやっている所もありますし、相変わらず就労継続 B のようなことをやっていらっしゃる所もあって、ここはもともと単価を高く設定してあるから、この事業を始めた所がたくさんあると思うので、この単価の高さに見合った内容を求めていくのが筋だと思います。ここにもありますように、たくさん就労させている、実績のある所、あるいは半年以上だけではなくて、 1 年以上とか 2 年以上とか、きちんと安定的な定着をしている所、定着のためにいろいろ働いている所を傾斜して評価していくべきだろうと思います。

 私も前回の改定のときから、この制度はちゃんと移行して就労させている所の報酬を上げて、そうでない所を低くしていく、でも、何かどうしても限界があるような気がして、というのは頑張れば頑張るほど、やはり利用者がいなくなるわけですよね。そこで、幾ら高くしても利用者がいなくなる以上、報酬単価はがくんと落ちます。これだけの年数が来ているので、もう少し何か見直しが必要なのではないかと最近思っていて、ある程度安定的に毎年毎年 50 %ぐらいの方を就労させている所は、今現にいる利用者ではなくて、定員で評価してあげるぐらいのことを考えてもいいのかと思います。

 それを 1 年ごとに見直していけばいいわけで、落ちてしまったらまた元に戻ってもらえばいいわけで、そうでもしていかないとこの事業は本当に力のある所、やる気のある所が継続して良い人材、職員をここに当てて、どこまで頑張ってやれるかと思うのです。本当に大事な事業だと思うのです。福祉から就労、給付から納税者へと。ここは自立支援法から総合支援法でも、時代の要請を象徴するところだと思うので、大事に大事に良い事業所を育てていくべきだろうと思います。

 もう 1 つは、就労継続 A 型に就職させた人もカウントするのかどうかということです。これはいろいろな考え方があって、利用者の側から見れば、良い A 型に行けばそれはいいと思うのです。そうでない A でも問題になっていますが、短時間しか仕事はしないという所だとやはりまずいと思います。ただ、利用者目線だけではなくて、財政的に考えても一般就労して、福祉のお金から企業が給料を払うと。そうなると納税者になる。それをやれるための就労移行だと思うのです。 A というのは補助金で運営費がある程度成り立っている。福祉とかの事業所ですよね。財政的に考えると、何か辻褄が合っているようで合っていないのではないかという気がします。ここは難しいところでしょうけれども、やはりこの辺は良い所を伸ばすためのことを考えて、ちょっと厳しい要件を課してもいいかという思いがしています。もし違うという意見があれば言ってください。そうしないと、なかなか私も落ち着かないものですからね。

○平野教授 私は今の野沢委員と同じで、もうちょっとめりはりを付けたほうがいいとは思います。生活介護はある意味では重い人を相対的にやっているからまだいいのですが、こっちの場合は就労というゴールがはっきりしているのに、その割にやっていることにかなり違いがあると。本当に熱心にやっている所は、結果的にどんどん人が回転していって、常時、利用者不足になる。こういう言い方は失礼なのですが、経営第一にしている所は、どんな人でもいいから入れて、ずっと囲んでいると。当然出ていかない、出さないと、こういう悪循環になっているというのがあって、私はある程度しっかりやっている所を伸ばしていくのはすごく大事なことだと思います。あと、実績を上げていない所にはよく言うのですが自分の所は就職先がなくて駄目だと言うのですが、だったら自分の所で新しく A を作るとか、そのぐらいの開発をしてもいいのではないかと。いつまでもできない、できないと言っているのではなくて、「じゃあ、働く場所を作りましょう」とか、そのぐらいのことはやってもいいのではないかと。そういった意味では、めりはりを付けたほうがいいと思います。

3 ページの 4 番目の所ですが、 A について今は認めているのですが、個人的にはもうこれは切ってもいいなと、私も思っています。 1 つは上の○にも影響するのですが、就労支援がどこまでを視野にするかという話だと思うのです。今回、上のほうではもっと就労支援がフォローアップ、アフターケアも視野にして、定着するまで面倒を見ていこうと言うのであれば、 A のほうはそういうアフターケアをする人がいるわけですから、片方で就労支援のほうはアフターケアして、手厚く先まで定着しましょうと、そこまで先までもっていくのだったら、ちゃんといる所にまだ見るというのは、これは論理矛盾になってしまうのではないのかと。そういった意味では、きちんと送り出す。その代わり、ちゃんと長く面倒を見ますと。そのほうが本来の就労移行の役割になるのではないのかと。どこまでをやるのかを明確にするという意味でも、 A についての移行はもう外してもいいのではないかという感じは持っています。

○萩原部長 同じ話を繰り返さないにしても、私も同様の意見でおります。併せて定着の指標が 6 か月だけというのは、ある程度事業が広がりを見せていく中で、施策をより効果的に次の段階に進めていくという観点で申し上げますと、先ほども例をおっしゃっていましたが、もう少し指標があってもいいのではないかと思っています。何とか 6 か月間だけ頑張って、 6 か月ちょっと過ぎて就労から離れていくという例もあるのだろうとは推測しています。以上です。

○野沢論説委員 先ほど言い忘れたのですが、法定雇用率が 1.8 から 2.0 に上がって、知的の人とか精神の人の就労は増えています。ずっと増えてきて、特に精神の伸びは大きくて、これを企業だけに「あとよろしくね」というので任せてしまうと、やはりちょっと無理だと思うのです。こここそ福祉の事業体がやっている就労移行の強みがあると思うのです。株式会社系の就労移行もあって、それはそれでいろいろな賛否があって、私は良い面もあると思うのですが、それでもやはりそこにはできないものとして、もともと福祉の事業所が就労移行をやることによって、その後の知的や精神の方はデリケートで、半年ぐらい見ているだけではちょっとどうかなと。その後も継続的に慣れた所が見てあげたほうがいいのではないかというところを、この福祉の側がきちんと噛んで定着を図ることによって、本当に雇用の一般就労の実践というのはそこに生まれてくるはずなのです。実際生まれておりますし、ここは重視していただきたいと思います。

 ナカポツセンターがあるからいいのではないかと言っても、良い所もありますが、そうでもない所と言ったら失礼ですが、もともとの福祉の事業所を長くやってきた所の力をこういうところにも発揮していただきたいと思うので、ここを重点的にやっていただきたいと思います。

○平野教授 先ほど言い漏らしたのがありまして、 10 ページの就労継続 A の【背景】の 3 つ目です。施設外就労の加算を緩和したいという話で、今 3 人のものを 1 人というのですが、これは是非やったほうがいいと思っていて、特に A こそ必要だなと思っています。 A の場合は比較的、仕事の多様な働き方もありますし、施設の実習もあったりしますので、 3 人というと受けるほうもしんどいのですが、 1 人のほうが多様な場所を提供できると。そういった意味では、これは緩和するほうが障害者のニーズにも応えられるし、いろいろな就労の場所を広げることができると。そうやってできるだけ一般の職場に入って移行していったほうが、より効率的で効果的だと思っていますし、そういった意味で緩和というのはすごく期待できる。特に今度、雇用促進法も変わって、雇用の事業者が小さい事業者まで広がってくるとなると、大きい人数を受け入れるのはしんどくて、小さい人数を 1 人とかでやったほうが、より入りやすくなってくると。そういった意味ではここは緩和してもらうのはすごくいいと思います。

○田中障害福祉課長 継続 A についても御意見が出ましたので、就労移行支援だけでなく、継続 A B の【論点】についても御意見がありましたら、御意見、御質問をお願いしたいと思います。

○野沢論説委員  A についてもやはりいろいろな問題が指摘されているところです。やはりここもふるいに掛けて、良い A はもっともっと応援すると。短時間で云々という所は、もう少し改善したほうがいいと思って、ここに書かれている利用者 1 人当たりの平均労働時間を基本にすべきではないかと思います。先ほど平野先生が御指摘された、ここは私もそのとおりで、もっともっと A の可能性を見ていってもいいのかと思うのです。施設外就労で、中だけで仕事を確保するというのは皆さんなかなか苦労していて、むしろ外に良い仕事があるのであれば、そちらのほうに乗り出していって、むしろ職域を開拓していくぐらいのものがあっていいのではないかと思います。スウェーデンのサムハルなども、ずっとこれをやっているのです。施設外就労に行って、いろいろな企業に食い込んで広げていくみたいなことをやっているので、この辺は是非バックアップしたいと思います。

 気になるのは、加算を算定する必要はなくなるのではないかみたいなことを考えているけれども、これはしばらく今の加算のままで応援してあげていいのではないかと思います。せっかく芽が出かかっているのに、ここのインセンティブを下げてしまってはもったいないという気がします。

○平野教授  10 ページの時間の短いことの減算の関係なのですが、実は私もかつてはといいますか、やはり継続 A なのだから、できるだけ一般就労に近い形が望ましいので、短いのは本来の趣旨に反するでしょうという考え方を持っていたのです。本当はできるだけ一般就労に近い形にしろということで考えていて、そういった意味でこういう減算は必要だと思っていたのですが、様子を見ていると、ちょっと違うなというのも出てきました。 1 つは要望にもあるのですが、精神障害の方たちのように長いのは難しいのと、これは最近、企画課長と一緒にやっているのですが、難病の検討会に顔を出させてもらっていまして、難病でサービスを受けている方の中に、かなり継続 A の利用者がいらっしゃるのです。そのことで、どうしてなのだろうということで、いろいろ団体の方に聞いて調べてみたら、難病の方が昔は治療に専念していたのが、今はやめて働かなければならないという方が相当いらっしゃるのです。病気と一緒に生きていかなければならないという方がいらっしゃって、難病の方の場合ほとんど中途障害者なので、かなりのノウハウを持っている方が多いのです。決して B のことを悪く言うつもりはありませんが、実際ある程度しっかりした仕事がしたいというので、そうすると A のほうに行く。ただし、長時間ずっとフルタイムでやるのは難しくて、限られた条件でやっていく。そういう意味では難病系の方と精神系の方が、こういうニードを持っているのかと。

 ですから、指摘されたように安く上げてやっているとか、それは論外だと思うのですが、ニードに合った短時間でのという部分はそれはそれで評価してあげる必要があるのかと。そこがうまく切り分けできないところが難しいところですかね。ですから、減算は減算で仕方ないと思うのです。いろいろな【背景】があって、その辺の【背景】を汲み取ってあげないと厳しいのかと、その辺は考えたい感じがします。

○田中障害福祉課長 ほかにはいかがでしょうか。

○野沢論説委員  B のほうもいいですか。

○田中障害福祉課長  B のほうもお願いします。

○野沢論説委員 賃金がまだこんなものなのかなと、ちょっと切ないなという感じがして、もっと生活介護とは違うのだというところを見せてほしいなという気はしているのです。見てみると、最低賃金の 2 分の 1 以上というのも、わずかですが 6 %弱ありますよね。 B で最低賃金を超えているという所はないですか。さすがにないですか。聞いたことないですかね。 A になってしまいますか。

○平川課長補佐 最低賃金を超えている所は、ちょっと数は分かりませんが、あるのは承知しています。

○野沢論説委員 ありますか。就労継続ですので、ここの辺りを評価するべきではないかと思います。生活介護と違いますので、ちゃんと就労を提供して、それなりの賃金を。どう考えても 1 万何ぼでは生活できないですね。なので、高い所にはもうちょっと加算を付けてやってもいい気がするのです。そういうめりはりを付けると、事業所は頑張りませんかね。安い所は下げてしまうのですかね。どうですか。それもなかなか厳しいかもしれないですね。

○平野教授 利用者の程度があるから、利用者の状況がね。

○野沢論説委員 確かに利用者の程度がね。なかなか難しい重度の利用者を抱えながら、それなりに賃金を出している所はやはり評価してあげないと。

○田中障害福祉課長 ほかにいかがでしょうか。特に重度者の支援体制加算は A でも B でも【論点】に挙げていますが、この辺りも含めていかがですか。

○平野教授 支援加算は、旧法のものはそろそろ整理したほうがいいかと思います。 1 つは、旧法の施設の人に怒られてしまうのですが、 A などのほうは新しく自立支援法以降の、参入した人たちも来ているわけですね。そうすると、新しく参入した人たちのほうにはそういうのがなくて旧法にあるというのは、ちょっと説明し難い状態になっているので、もう移行期間が過ぎたということで、並んだほうがいいとは思うのです。そうしないと、先ほどのように後から来た事業者はそういう恵みがないというのも。移行期間はいいと思うのですが、そういう意味では A B も、そろそろフラットにしていくというのがあってもいいと思いますけれども。

○沖倉教授 就労継続支援 B 型に関してなのですが、工賃を上げていくことを命題にしてやっているわけですが、先ほど何人かの委員の中でもお話がありましたように、どういうタイプの利用者が、障害の程度もそうですし、どのぐらいいるかによって、多分支援の度合が変わっていって、幾つか B 型のほうも見せていただいているのですが、施設の中で作業に取り組むことが精一杯で、新規の事業や仕事を開拓したりということに手が回らない様子を結構見ているので、ここでいくと指導員配置加算の辺りは、もう少し金額の多寡ではなく丁寧に見ていったほうがいいかと思いました。というのは、意外に B 型の職員が外に出られなくて、どこかの団体でヒアリングのときに営業みたいな書き方をなさっておられましたが、そういうのとか、他の事業所の工夫というか企業秘密のような感じもするのですが、それがまた福祉なわけですから、情報交換をして、どんな仕事を持ってこられるかとか、どういう工夫をしているかをきちんと情報交換できるような体制を作れないかと思ったりしています。なので、それを指導員配置加算でするのか否かもあるかもしれませんが、もう少し工賃を上げることに関して研究ができるというか、情報収集ができるような体制をどこかでとったほうがいいかなという感じがしています。

○田中障害福祉課長 ほかに御意見、御質問などありませんでしょうか。【論点】については、一当り御意見を頂戴したかと存じますが、全体を通じて就労系サービス、施設等サービス、最初の経営実態調査結果を含めて、御意見、御質問等、言い忘れになったことがありましたらお伺いしたいと思います。

○曽根障害福祉専門官 前半の最後のほうに沖倉先生がおっしゃったことで、良い支援をすると御本人の状態が改善されて、障害支援区分が低くなって、報酬上低く評価されてしまうというところをどうしたらいいだろうかと、いつも思うというお話があったと思うのですが、今回、障害支援区分に変更になったときに、これは行動関連項目の部分なのですが、ここについては障害程度区分のときには認定調査を行ったときに行動障害がなければ「ない」と評価するという認定調査マニュアルだったのです。支援区分上のマニュアルですと、過去に行動障害があって、現在、適切な支援に基づいて行動障害が起きていない場合は、行動障害が「ある」と評価するという形にマニュアルが変更されています。ちょっと地味な点なのですが、今回の障害支援区分で改善は図られた部分があるということを先ほどお伝えしようと思ったのですが、今お伝えさせていただきました。

○野沢論説委員 経営実態調査の所で、例えば就労移行支援だと 16.8 %の収支差が出ていますよね。これは最大ですよね。例えばどういう所がどのぐらい高く出るのかとか、その辺のもうちょっと詳しい分析は、今後出る余地はありますか。 A 型にしても、利用時間とか何とかですね。

○菅自立支援給付専門官 本日の資料以上のものは公表ベースには載ってこないのですが、幾つか基本的な属性として、規模別とか経営主体別、地域別など、基本的なところは集計できるようになっていますので、今後、御指摘の点はもう少し分析を加えることはできると思います。

○野沢論説委員 いろいろな厳しい議論を含めてあるところは、そういうエビデンスがあると、我々だけが厳しく言っているのではないみたいなものが出てくるかと思ったので。

○菅自立支援給付専門官 事務局のほうから、今後それぞれサービスの各論で提案申し上げる内容について必要なデータは、今回の基本的なデータに加え更にデータを付けられるものは付けたいと思っておりますし、個別にお話をいただければ、そこは可能な限りで対応はさせていただきたいと思っております。

○井出教授 もう 1 つだけ、今、実調の話が出たのでお願いなのですが、また 5 ページに戻ってしまうと、申し訳ないです。支出の所で切り口がこういう切り口なのですが、事業活動の直接費というか、本当の事業費と間接費というか、事務的な経費というこの費目の切り方でなくて、いわゆる直接費と間接費のような、そんな切り口で費用分析はできますか。

○菅自立支援給付専門官 記入要領を細かく見てみると、更にお答えできるかもしれませんが、この調査で記入いただいている費用、支出の部分は、基本的には当該障害福祉サービスの提供において、直接的に支出された 1 年間の費用の積上げとなっておりますので、具体的に間接的な経費というのはどういった定義で考えていらっしゃるかなのですが、基本的にはサービス提供に要した支出費目を集計しているということで、よろしいかと思いますが。

○沖倉教授 経営の実態調査と併せて、例えば施設等サービスの所などで、サービス提供実態調査を幾つか抜粋して、資料としてお出しいただいているのですが、その全容は見せていただくことは可能なのですか。というのは、施設等サービスの所では、例えば支援の内容ということで幾つか出していただいているのですが、先ほど私が申し上げた就労 B でどんなことがされているかなどは、この調査の中から見ることはできるのですか。どのぐらいの割合でどういう。サービス提供の中身ということですよね。今というのではなくて、そのように見えるものであれば、エビデンスとまでいくか分かりませんが、どういう実態にあるのか教えていただくためには、経営だけではなくて、サービス内容の実態がある程度見えるものがほしいというのは、私はこの間ずっと申し上げてきたことなので、だとすると併せて見せていただいたほうがいいと思ったので申し上げました。今ということではありません。

○田中障害福祉課長 必要なものは準備できると思いますが、事務局どうですか。全部は難しい。サービスの提供調査自体をお見せすることはできるわけですか。

○菅自立支援給付専門官 必要なものについては資料の中でお渡しできると思います。

○田中障害福祉課長 どのようなものが出せるかは実際の結果なども見て検討いたします。

○沖倉教授 その辺りを検討してみてくださいというお願いです。

○田中障害福祉課長 最後に資料などでお付けしております団体からの要望などのところも含めて、御意見などがありましたらお願いします。要望でお伺いしているところについ - ては、中身に盛り込んでいるところもあれば、沖倉先生のほうから生活介護の指導員配置の件もお伺いいたしました。また、就労の関係では、精神障害者等への配慮の点なども要望に出ているところでお伺いしております。ほかに何かありましたら、最後にまとめて御意見を頂ければと思います。ちょっと時間より早いですが、予定している議事は終了ということにさせていただきます。次回の検討チームですが、詳細が決まり次第、追って御連絡させていただきます。本日はお忙しい中を長時間にわたり、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

障害保健福祉部障害福祉課

評価・基準係 : 03-5253-1111(内線3036)

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