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2014年10月31日 第47回独立行政法人評価委員会年金部会 議事要旨

政策統括官付政策評価官室

○日時

平成26年10月31日(金) 13:28~14:47


○場所

労働委員会会館講堂(7階)


○議事


(1)事務局から本日の議事について説明が行われ、議論の途中経過が市場に影響を及ぼすこと等のおそれがあることから非公開とすることを提案し、了承された。

 

(2)法人所管課から年金積立金管理運用独立行政法人第2期中期目標の変更案について説明が行われ、審議の結果、原案のとおり了承された。法人から年金積立金管理運用独立行政法人第2期中期計画の変更案(基本ポートフォリオの変更)について説明が行われ、審議の結果、原案のとおり了承された。質疑等の概要は以下のとおり。

 

○ 従前のポートフォリオに比べるとかなりトータルリスクとしては高くなっており、今後、ポートフォリオの許容変動幅の中で機動的な運用を行うこととなるが、イベントリスクなりテールリスクが発生したときの意思決定についてはどのように捉えておられるのか。

 

○ 積立金の運用利回りについて、名目賃金上昇率プラス 1.7 %を最低限確保することを目標としているが、タイムラグが生じるため、短期的には名目賃金の上昇に対し、マーケット全体の利回りが上がらず、目標とする運用利回りを確保できない可能性もある。定性的な市場のメカニズムを通じて、名目賃金上昇率プラス 1.7 %を長期的に確保していくという理解でよいか。

 

○ 今回のポートフォリオの変更は、政策的な意図によるものではなく、客観的な試算、分析に基づき、過去の賃金上昇率と各資産との相関関係から最適なバランスを考えられたと理解してよろしいか。

 

○ 日本の年金給付は、そもそも長期的に見ると、名目賃金上昇率で上昇していく。積立金の運用利回りというのは、当初、名目賃金上昇率を目途としていたが、安全性を重んじて結果的に債券中心になった。今後は、名目賃金上昇率プラス 1.7 %を目標に、許容変動幅の中で機動的な運用を行うとともに、分散投資によるリスク低減の観点から、オルタナティブ資産を運用するなど「運用手法の多様化」も図っていくという考えでよろしいか。

 

○ 名目賃金上昇率の下方確率が 44 %、一方、運用の下振れリスクは 12 %だが、これは、収益率の低下、すなわち、株価等が下落した場合に、賃金がそれに応じてすぐに下がらない、賃金も下がったとすれば、逆に賃金を下回る確率というのは、見掛けよりは小さくなるとの想定によるものか。

 

○ 経済中位ケースは上下幅が 128 %、市場基準ケースでは 121 %だが、想定ケースとしている経済中位ケースと市場基準ケースの定義を説明いただきたい。

 

○ 基礎年金部分とそれ以外の部分では負債の性質が異なるが、運用資産 130 兆円のうち、基礎年金部分とそれ以外の部分は、どのくらいの金額があるのか。また、負債の性質に対してアセットプラスをどう持つべきなのか、そのような議論は運用委員会でなされたのか。

 

○ 経済前提については、 TFP 0.5 %から 1.8 %に上がる、若しくは経済が好転しなかった、すなわち、成長戦略がうまくいかなかった場合でも TFP 1.0 %まで上がる、との強気の見通しに立っているが、これに関して何らかの議論は運用委員会でなされたのか。

 

○ 運用資金の目的性、適合性の観点から名目賃金上昇率を基準とすることは理解できるが、実際の運用においては、インフラ投資等により経済成長が達成され、利回りが好転したことによる収益も得ることとの整理もきちんとしていく必要があるのではないか。

 

○ 今回の見直しにより、資産構成割合が増えた資産、減った資産があるが、減った資産において許容変動幅が増え、構成割合が増えた資産において許容変動幅が減っているが、これらの考え方をお示しいただきたい。

 

○ 今回の見直しは、年金制度の持続可能性の観点から、リスクを取らなければ、財政検証で示したシナリオを達成できない、財政的な余裕を持たせるためには、運用だけに頼るわけにはいかないとの議論に発展しかねないのではないかと懸念している。仮にデフレ脱却の期間における対応であるならば、そのようなニュアンスをかなり強く出していく必要があるのではないか。

 

○ 仮にデフレ脱却の期間における対応であるならば、債券の運用の中にデフレ脱却を見込んだリターン設定をする今回の考え方と、従来からの考え方でポートフォリオを構築した場合とを比較し検証するなど、「必要に応じて見直す」際の判断基準について、検討課題の 1 つとしていただきたい。

 

○ 経済前提について、 TFP 0.5 から 1 %に上がるだけでもかなりの経済改善であるが、シナリオを実現できなかった状況を想定して基本ポートフォリオを組んでいただかないと、年金の一元化が控えている中にあっては、他の公的年金のポートフォリオにも非常に大きな影響を及ぼすことになるのではないか。他の公的年金において納得のいく議論を行うためには、経済中位ケース、市場基準ケース以外のケースも議論していただくことが望ましいのではないか。

 

○ 基礎年金部分はほとんどないが、基礎年金部分こそ非常に厳格にリスクなく運用すべきであって、そうでない部分に関しては、もっとリスクを取ってもいいのではないかという議論も出てくることが懸念される。そういう意味ではアセットプラスの性格と負債部分の性格についても議論していただく必要があるのではないか。

 

○ グローバルで運用機関に委託した場合に、運用機関サイドで、ある程度機動的に内外株式のアロケーションを変更すると思う。それを個別に管理して国内株式と外国株式に振り分けていくという考えだが、かなり複数の運用機関でグローバル・マンデートを行った場合、管理がうまくいくのか。基本ポートフォリオの内外の区分については、グローバル・マンデートとの整合性や管理の仕方を 1 つのテーマとして考えておかなければならない。

 

(3)事務局から今後の予定等について報告があった。



                                                                                                        以上




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