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2014年10月7日 第5回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成26年10月7日(火)9:40~11:30


○場所

全国都市会館 第2会議室(3階)


○出席者

大山部会長代理、石井委員、磯村委員、岩瀬委員、喜田村委員、西沢委員、吉山委員、木間委員

○議題

 (1) 年金記録の訂正手続の創設に向けた準備状況について
 (2) 平成27年度予算概算要求について
 (3) その他

○議事

○梶野年金事業運営推進室長 それでは、岩瀬委員はおくれて来られるということですので、定刻になりましたので、ただいまより第5回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 まず、委員の出欠状況でございますけれども、本日は斎藤委員から、あらかじめ御欠席という御連絡をいただいております。

 また、増田部会長におかれましては、急遽、本日御欠席との御連絡をいただいております。増田部会長からは、本日の議事進行につきましては、大山部会長代理にお願いしたいと言づかっておりますので、本日の議事進行につきましては、社会保障審議会の決定しているルールに基づきまして、大山部会長代理にお願いしたいと思います。

 なお、本日の議題につきましては、議事次第にもございますように、主な議題として2つございます。

 1つは、7月の前々回の当部会でも御報告させていただきました「年金記録の訂正手続の創設に向けた準備状況」について、本日は2回目の御審議をお願いしたいと存じます。

 また、2つ目の議題として「平成27年度予算の概算要求」について御報告いたします。

 本日は、以上の2つが主な議題となります。

 前回、機構の実績評価につきまして御審議いただきましたけれども、この際、主に機構の内部統制について厳しい御指摘をいただいたところでございます。これに関しましては、次回の部会において、機構から今年度の実績の中間報告をさせていただくということになっておりますけれども、これとあわせまして御報告をさせていただきたいと考えております。その際は、また御審議いただければと存じます。

 それでは、議事進行につきましては、部会長代理よりお願いしたいと存じますが、恐れ入りますけれども、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。

 

(報道関係者退室)

 

○梶野年金事業運営推進室長 それでは、大山部会長代理にお願いいたします。

 

○大山部会長代理 おはようございます。

 それでは、議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。

 まず、1つ目の議題ですが「年金記録の訂正手続の創設に向けた準備状況について」です。

 それでは、事務局から説明をお願いしたいと思います。お願いします。

 

○赤澤事業企画課長 事業企画課長でございます。おはようございます。

 それでは、記録の訂正手続の創設につきまして、説明させていただきます。

 本日御用意をさせていただいている資料は、前々回、7月22日に提出させていただきました記録の訂正手続の創設の資料、これを参考資料としてお手元に配付させていただきまして、本日の資料1は、前々回、磯村委員から御指摘をいただきました点についての現在の私どもの考え方をお示しさせていただいている形でございます。前々回の資料及び今回の資料もあわせまして、本日、御審議を賜れればと思っているところでございます。

 それでは、まず今回の資料1から御説明をさせていただきたいと存じます。

 まず、前々回の審議の後、私どものほうでいろいろ今回手続の施行に向けて準備をしている中で、第三者委員会で審議中の事案、これを実質的にこちらに引き継ぐという件につきまして今後の方針というものを固めておりますので、これを御説明させていただくということでございます。

 1ページのところに書いてございますように、年金記録確認第三者委員会の業務終了時おいて、調査審議されているという調査審議中のもの、終わっていないものにつきまして、円滑に請求書の出し直しや事案調査のやり直しということにならないように、できるだけ簡便な方法によって事案の引き継ぎを行いたいと考えるということでございます。

 一番下の箱でございます「具体的な引継方法」ということでございます。

 本年の11月1日から総務大臣への確認申し立て、いわゆるあっせんの申し立てでございますが、これを受け付ける際に、新たな訂正手続、訂正請求の事前申込書というものを御本人の御同意をいただいて受け付けるということにしたいと考えております。

 この事前申込書を出していただきますと、事前申込書の提出がされている、あっせん申し立ての事案、これにつきましては、3月1日時点で訂正請求として受け付けて、さらに平成27年の3月31日時点で総務省が調査審議中で終わっていないということであれば、厚生労働省に引き継ぎをするという形で、調査のやり直し、請求書の出し直しということは一切不要という形で厚生労働省に事案の引き継ぎを行うということで、御本人の同意も得ておりますので、関係資料も厚生労働省に引き継ぐという形で対応したいと思っております。4月1日から地方厚生局における審議会において、議論を開始するということになります。

 この段取りをまとめましたのが次の2ページでございます。

11月から訂正請求の事前申込書の受け付けをします。平成27年3月に訂正請求の受け付けということで法施行がされまして、平成27年の3月31日時点で一番下のところに書いてございます事前申込書の提出があった事案について、3月末時点で総務大臣の判断がなければ訂正請求に引き継ぎということで、請求書の出し直し等を行わず、そのまま平成27年4月以降、審議に付していくという手続を考えているところでございますので、よろしくお願い申し上げます。

 引き続きまして、前回、磯村委員からの御指摘についての資料をまとめたものでございます。

 3ページは、これまでも御案内させていただきましたように年金記録の訂正手続の流れについて書いているものでございます。

 その上で4ページでございます。

 まず、第三者委員会における過去のデータ、関連蓄積資料の取り扱いはどうなるのかということでございます。第三者委員会が保有しております確認申し立てに係る情報というのは、大きく以下の2つがございます。

 1つが、あっせん文等の内容を収録している事案情報データということで、第三者委員会のシステム上にこの事案情報データが登録されているというものがございます。

 もう一つが、第三者委員会が持っております調査で取得した関連資料ということで、かなり膨大な資料があるという状況になってございます。

 まず、最初の事案情報データでございますが、これは総務省から事案情報データについて、そのまま提供を受ける方向で現在、調整をしているところでございます。

 ちなみに、事案情報データの収録項目というのは、かなりの項目が入っておりますが、例えば国民年金、厚生年金保険の別とか、受け付けをした委員会、受け付けの年月日、処理年月日、申し立て期間、申し立て内容、あっせん文書の内容といったものが、例として挙げますと、こういうものが入っているということでございます。

 ただ、※のところで書いてございますように、申し立ての内容やあっせん文書は単に文章で打ち込まれているだけという状況でございます。

 それから、その収録項目、幾つかたくさん入っているわけでございますが、この収録項目そのものはクロス集計ができる状況にはなっていないということで、例えば、その受付委員会と処理年月日をクロスにかけて分析するということはできないという、そういう意味では、かなり使い勝手の悪いデータになっているという状況でございます。

 次に5ページでございます。

 調査で取得した関連資料、いろいろなところに問い合わせをした資料などというものもございます。これは、引き続き、総務省において、まず文書自身は保管をする予定でございます。総務省において保管する理由というのは、基本的には行政文書というのはその行政の行政目的に従って取得しているということで、公文書管理法においても、そういうものは所掌である行政機関の長が保存することになっているところでございます。

 総務省は、今後も総務省設置法に基づきまして、行政相談やあっせんというのは所掌事務として実施し得るということになっているものでございますので、引き続き、総務省において保管するということになります。

 その次の○のところでございますが、私どものほうは、新たな訂正手続の適正な実施のために必要な場合には、個別の事案を特定しまして、その提供、要するにその資料のコピーと申しますか、写しと申しますか、それをいただける方向で調整をしているということでございます。

 注意書きで書いているところでございます。先ほど申し上げました事案の情報データ、調査で取得した関連資料、いずれにつきましても第三者委員会が収集した個人情報の利用というのは、法律の定める事務、または業務の遂行に必要な限度で個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当な理由のあるときという、行政機関個人情報保護法の規定に基づきまして提供いただくことが可能ではないかと考えておりまして、総務省ともその方向で現在、検討しておるという状況でございます。

 引き続きまして、6ページでございます。

 第三者委員会で培ったノウハウ等の引き継ぎをきっちり行うべきではないかという御指摘をいただいておるところでございます。

 まず、ノウハウの引き継ぎにつきましては、現在の第三者委員会におきましては、直接的な資料だけではなく、いろいろな関連資料、それから周辺事情についても、幅広くいろいろな電話等も使って、訪問等も行っていろいろな調査を行った上で、記録訂正の要否を判断しているところでございます。

 新たな訂正手続についても、この調査方法を引き続き踏襲し、行っていく必要がありまして、訂正手続の処理開始当初は、まずは第三者委員会の方法と同様の調査を行うということで考えているところでございます。

 この下の※のところでございますが、調査する対象や調査事項、これにつきましても、基本方針等に規定することとしておりまして、この基本方針等は総務大臣決定、あっせんの基本方針に準じて策定する予定としておるところでございます。

 また、地方厚生局に設ける民間有識者からなる合議体、地方審議会でございますが、この委員の選定につきましても、業務の継続性の観点から現在の第三者委員会での委員経験がある方にできるだけ御就任していただくといった配慮を十分やっていきたいと考えているところでございます。

 また、御指摘のございました第三者委員会の経験を生かした日本年金機構の対応ということでございます。

 御指摘は、第三者委員会の方から、今度の訂正手続の中で、機構はこうむしろやったほうがいいのではないかという話があるのではないかという御指摘をいただいていたところでございます。

 この一番下の○のところでございますが、総務省から今、聞いておりますが、これまでの確認申し立て手続の経験に照らしまして、回復基準に基づいて訂正できる事案、事務所段階で訂正できる事案が、第三者委員会に転送されるケースがあるのではないか。それから、年金事務所において、十分な資料収集をしていただけるといいのだけれども、それが徹底できていないのではないかといった御意見も頂戴しているところでございます。

 こういう御意見につきましては、次の7ページでございますが、日本年金機構において、この9月に拠点向けに新たな訂正手続の移行時期の取り扱いに関する説明会、これは先ほども説明いたしました11月に事前申込書を受け付けるために、その実施を徹底するために説明会をやっているところでございますが、その次に控えますのは、平成27年3月の訂正請求の受け付けに向けた説明会も1月ごろに実施するということにしておりまして、この際に、年金事務所段階での記録の訂正可能な事案については適切に対応すること、年金事務所段階で収集すべき資料については適切に整えるということを初め、円滑に手続ができるよう、徹底したいと考えております。

 総務省のほうからは、具体的にどういう事案があってどう困ったかということも含め、きちんと状況を踏まえ日本年金機構において徹底したいと考えておりますので、御理解を賜れればと思います。

 引き続きまして、8ページで「訂正決定の公平性・透明性の確保」ということでございます。

 今回の訂正手続では、地方厚生(支)局に訂正決定の権限を委任するというシステムになっておりますが、そういうことの中で審議会の答申、意見というのは、きちんと尊重されるのかという御指摘をいただいたところでございます。

 今回の訂正手続は、最初の○のところでございますが、訂正決定・不訂正決定を行う場合にあっては、民間有識者からなる合議体、地方年金記録訂正審議会に諮問しなければならないという形で法律に明確に書いてございまして、その答申に拘束されるという法律構成になっているところでございます。

 また、その具体的な運用につきましては、例えば、その諮問に当たっては単に意見を聞くというだけではなく、諮問決定案に関係資料を添えて、これでやりますという形で具体的に御意見を伺うということで、通常の諮問、答申という形の拘束性を担保したいと思っておりまして、その旨は、基本方針等、具体的には事務処理要領等に位置づけることと考えております。

 それから、審議会の訂正の可否の判断基準、これも基本方針等に定めますし、委員の構成につきましても、先ほども申し上げましたように、現在の第三者委員会の構成と同様に、弁護士、社会保険労務士、税理士等の専門家による構成ということにしたいと考えております。

 この基本方針等は、社会保障審議会の分科会で審議し、策定・公表する予定でございますし、先ほども申し上げましたように、総務省の方針に準じた形で策定する予定でございます。

 以上のような形で法律上、諮問、答申という形できっちり拘束されておりますので、審議会の審議結果に基づいて訂正決定がなされ、公平性・透明性が確保される仕組みとなっているところだと私どもは考えております。今後、その旨もきちんとPRをしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 最後でございます。

 前回、委員から御指摘のありました、年金記録の訂正手続ができると、実質的に社会保険審査官・会に対する不服申し立てと別のもう一つルートができて、これでいろいろな救済手続が整うということになるのだけれども、そのいろいろな差、どう違うのかというあたりは、やはり国民に対してきっちりPRすべきではないかという御指摘をいただいているところでございます。

 そちらに書かせていただいておりますように、新たな訂正手続のもとでは、まず、年金事務所段階の記録回復基準、現在ありますこの第三者委員会の記録回復基準と同様に、年金事務所段階で訂正できる場合は、事務所段階で記録の訂正ができるという、こういうシステムを引き続き、維持することといたしております。

 その上で、年金事務所段階で訂正することができない場合には、地方厚生局に設ける地方審議会の審議結果に基づいて厚生労働大臣が訂正決定を行うという、この2つのルートの用意を予定しておるところでございます。

 一方、社会保険審査官・会に対する不服申し立ては、被保険者資格や年金給付等に係る厚生労働大臣の処分に不服がある場合に、原則として処分を知った日の翌日から60日以内に社会保険審査官への審査請求、さらに不服があれば、社会保険審査会の再審査請求ができるというシステムでございます。

 例えば、処分の例で申し上げますと、国年法では、第3号被保険者の被扶養の認定、保険料の免除承認、厚年法では、被保険者資格の確認とか標準報酬の決定といったようなもの、こういうものが処分の例として考えられるわけでございますが、こういうものにつきましては、厚労大臣のほうが処分をするということになっており、この処分そのものを争うということであれば官・会のほうにいくということになります。

 今回の記録訂正手続の創設の趣旨ということでございますが、このいわゆる厚生労働大臣の行う処分だけで争いますと、処分を知った日の翌日から60日以内に不服をしなければ、それから争うことはできないということになります。

 その範囲内で申し立てをしなければ、もうそれ以上、争いはできないということで、次に争う場合は年金の受給の裁定の段階ということになります。しかし、年金記録は皆様、御案内のとおり、非常に長い年月を経て保険料が拠出されて、それで裁定に至るわけで、その間にいろいろな証拠、いろいろな人の記憶というものは薄れていくということになるわけでございます。

 そういう意味で、今回の記録訂正手続は、随時に記録の訂正を請求できる仕組みを設けることによって、その時々の段階で記録を訂正することによって、被保険者または受給者の方の基本的な救済を図るということができるようにしたいということでございますので、この辺につきましても、きちんと日本年金機構のホームページ、また我々がつくるリーフレット等でのPRを行っていきたいと考えているところでございます。

10ページでございます。

 これは本日の審議会用にまとめておりますので、やや固い言葉で書いておりますが、具体的に、今後PR等をしていくときには、できるだけ国民の皆さんにわかりすいような形でPR等をしていきたいと思います。

 表を簡単に御説明させていただきますと、年金事務所段階の訂正、地方厚生局への訂正請求は、年金記録の誤りを対象にするものでございまして、社会保険審査官・会への不服申し立ては被保険者資格の確認といった厚生労働大臣の処分を対象にするもので、一番違うところは訂正請求の可能な期間というところでございます。記録の訂正につきましては、記録という事実を直すということでございますので、訂正請求の期間について限定はございません。

 一方、厚生労働大臣の処分である被保険者資格や年金給付等に係る処分につきましては、処分を知った日の翌日から60日以内にしないといけないということで、この期間を過ぎてしまいますと、いわゆる救済ができないという形になっております。

 これにつきまして、年金記録の訂正手続を創設することによって、ここの部分をきっちり救済していこうというのが、今回の法律の趣旨ということでございます。

 受付窓口は、記録の訂正については日本年金機構の年金事務所。年金事務所段階で訂正可能なもの以外は、地方厚生(支)局に移送されて、地方厚生局長の訂正決定がなされ、その訂正決定・不決定がなされたものについての審査請求は厚労大臣に与えられるという形になります。

 一方、官・会のほうは、社会保険審査会への再審査請求という形になっておりまして、こういう形での違いはございますが、いずれにしても、重なるケースもございますので、その点につきましても含めて、リーフレット、パンフレット等で国民の皆さんにわかりやすく周知徹底を図っていきたいと思っておりますので、今後、委員の皆様方の御指導を引き続き、賜りたいと思っているところでございます。

 以上が、前回の御質問に対するまとめた資料ということでございます。よろしくお願い申し上げます。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、ただいまいただきました説明内容につきまして、御意見、御質問等がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 磯村委員、どうぞ。

 

○磯村委員 前回の質問に対して、いろいろお手配をいただいているようで、ありがとうございました。

 ただ、もう少し確認したいことやら抽象的な部分の説明を伺いたいことがございますので、3つ、4つ続けて質問だけ伺いますから、よろしくお願いします。

 まず、4ページ「第三者委員会における過去のデータ・関連蓄積資料の取扱い」の中で、この箱の一番下、※2、各項目はクロス集計できる状況になっていなくて、使い勝手が悪い、という御説明がありました。

 では、その使い勝手をよくするために、今の段階でどのようなことをお考えなのか、いつごろまでにどうなさるおつもりなのか。まず、これが1つでございます。できるだけデータベース化して検索を容易にしないと、恐らく、年金機構はあたふたするのではないかと思いますので、そういう質問をするわけです。

 2つ目ですが、6ページへまいりまして、ノウハウの引き継ぎのところ、2つ目の〇の3行目「今後更に知識・経験を蓄積する過程で適宜改善を図っていく」と書いておられますが、この適宜改善をするところは幾つかあると思うのですけれども、今の段階でどのような問題意識をお持ちになって、何をどうなさろうとしておられるのか、もう少し御説明をいただいたほうが安心できるかと思っております。

 3つ目ですが、同じく6ページの一番下の○、総務省からマル1、マル2という御意見をいただいておる、ということでございます。

 私も、これは全く同感なのですけれども、その次の7ページの○の対策マル1、マル2も含めて両方伺いますが、そもそも、このオンライン検索が不可能な記録の累計というのが、いまだにわからないのです。これは、年金記録問題に関する特別委員会の報告書でもその辺を書いておいたつもりなのですが、いまだにわからない。この辺をはっきりさせないから、年金機構が今の第三者委員会からいろいろ聞かれたときに、簡単に探せる記録も探さないで第三者委員会に持っていったり、あるいは逆に探せと言われた記録が本当にないのかあるのかなくしたのか、非常にわからなくて、回答が二転三転するという事例もあるわけです。

 こういう状況が今後も続きますと、せっかく厚労省に戻した、やはり身内でやっているのだからだめなのではないか、という不信感の解消には寄与しないのではないかと思われますので、そういったことを含めて、この総務省からの御意見というものをもう少し具体的に実務的にお詰めいただいたほうが、よろしいのではないかと思います。何だったらもう一遍、総務省からせっかくあそこはいろいろやってくれているのですから、克明に聞いて対策をお立てになるべきではないか思います。

 それから、8ページでございます。「訂正決定の公平性・透明性の確保」というところ、共通してですが、要は、今回の総務省から厚労省への、切りかえという表現を使っておられますが、この切りかえに際して、過去の身内で処理しておる、あるいは身内で処理をするのでは問題だからという不信感を解消するだけの切りかえメリットというのは、一体、具体的に何なのか。これがどこにも表れていないのです。これでは、何かあったときに、やはりだめなのではないの、ということに逆戻りせざるを得ないと思うのです。

 ですから、切りかえメリットというのが一体どこにどのようなものが具体的にあるのか、国民目線から、もう少し列挙していただかないと、これではPRの材料にもならないのではないのかという感じがいたしました。

10ページでございます。社会保険審査会あるいは社会保険審査官との役割の整理表、これはこれでよろしいと思うのですが、PRする際にはもっとわかりやすくというお話もございました。この中に漏れておるなと思いますのが、審査官・会と、今度の新しい訂正手続との間のダブりがあるはずです。このダブりの部分が、ここでは漏れているのではないか。その辺も含めて、もう少し国民目線でわかりやすく書いていただくということが必要なのではないかと思いました。

 最後ですが、この資料には事務室の職員のことが全く書かれておりません。私の知る限り、ピークでは平成24年時点でたしか1,900人ぐらいというデータが、第三者委員会から報告書の形でホームページに載っております。それ以降、減っているのかどうかわかりませんが少なくとも、1,000人を超える事務室職員が全国にいるはずなのですが、一体その人たちの手当て、手当てというのは任用です。これは一体どうするのか、あるいは新しい人が来たらその研修をどうするのか。そうした部分の準備というのは、ここでは全く触れられていない。せっかくの切りかえで、ベテランがいなくなってしまっては大変だという感じがします。

 以上でございます。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。どうぞ。

 

○磯村委員 わかるところは今日で結構ですし、わからなければ、また次回でも。

 

○梶野年金事業運営推進室長 私のほうから、今、6つほど御質問をいただきました。

 まず、クロス集計の話です。4ページの一番下のクロス集計ですけれども、まず、2つありまして、今度、厚生労働省で記録訂正手続を実施する際には、いろいろデータ分析ができるように、今はまだ検討中ですが、例えば、企業規模とか業種別とか、または年代別などです。そういった分析ができるように仕組みたいと考えているということです。

 この総務省のデータについては、今こういう状況になっていますので、これもまだ整理中、検討中ですけれども、来年度、分析をできるような費用を、シンクタンクかどこかに委託して分析ができるようなものを今回、8月末に概算要求をさせていただいたということです。

 3点目は、6ページの一番下と7ページのお話でございました。突き合わせ不可能な記録もございまして、年金事務所で徹底するというお話がございました。年金事務所で、どういった事例についてどういう資料を持っていてどういう資料を持っていないのかというのをちゃんと年金事務所で徹底してくれという話ですので、まさに、先生から御指導いただいて整理をしているところですので、年金事務所でどう徹底するかというのは、もし、機構の方からもし補足があれば後でしていただければと思いますが、まさにやっているところです。

 それから、突き合わせ不可能な記録のところは、記録特別委員会報告書でも指摘をいただいておりますので、私の方でも今、総務省のあっせん文を見てはおりますけれども、その分析も含めて先ほどの件について、大体1,000万ぐらい概算要求をしておりますが、予算がつきましたらそういったところで分析をしていきたい、直ちに分析をしたいと思います。

 4点目の切りかえのメリットですけれども、これはまた繰り返しになって申しわけないのですが、まず、今まであっせんというのは法的な行政処分という処分性がないものですから訴えることができなかったわけですが、今度法的に位置づけましたので、地方厚生局長の決定に不満があれば、大臣に不服をせずとも訴訟に訴えることができるということで、争うことができるというメリットがございます。厚労省でやるようになってからサービスが落ちたということがないように努力をするということは、もちろんでございます。

 それから、6点目につきましては、今の話に関連しておりますが、要は今、総務省でいろいろな地方で事務職員が調査をしているわけですが、この大部分が厚生労働省の地方厚生局に来ていただいて、戻っていただいて調査をするということを考えておりますので、そういった意味では、第三者委員会と基本的には同じような調査がされるということでございます。

 6ページ目にありますように、なるべく今、第三者委員会の委員をされている方にまたお願いをする。そうすると、例えば審議をしている上で、総務省のときはこのぐらい調査したという話になりますので、資料をちゃんと求めるようになりますし、調査をする事務職員についても今、申し上げたような形でやるということでございます。

 

○赤澤事業企画課長 補足をさせていただきますと、まず一番最後の体制の関係でございます。

 今年の4月現在で、総務省の年金記録確認第三者委員会の常勤職員が大体230人程度、非常勤職員が330人程度、それから、委員を見ますと240人程度で、これを合わせますと大体1,000人弱という体制になります。ピーク時に比べますと、職員は大体600人弱という形になっておりまして、委員が大体240人ぐらいという形で、こういう形での第三者委員会の体制になっております。

 これにつきまして、先ほど梶野のほうから申し上げましたように、平成27年度予算要求でこれの経費がかなりかかるわけでございますが、後ほど、予算の状況を御説明しますけれども、予算要求をきっちりやっておりまして、引き続き、同規模の職員を確保できる形での要求、それから、組織・定員要求を行っているという現状でございます。

 この職員の方々につきましては、ノウハウ、当然、別組織で雇うこととなりますので選考方法は別にならざるを得ないのでございますが、先ほど梶野のほうから申し上げましたように、いわゆる本体部分の職員の皆様方のノウハウというものがなければ、円滑な事務、事案の引き継ぎができませんので、当然、第三者委員会での審査経験というものを重視した形での採用という形をやらせていただきたいと思っておりまして、予算要求が実現いたしました暁に、至急、そのあたりにつきましても、採用に備えての手続を進めるという形で、現在、準備を進めておるというところでございます。

 それから、若干補足をさせていただきますと、適宜改善を行っていくというノウハウのところでございます。1つ、抽象的で恐縮でございますが、今回の基本方針等は年に1回程度は必ず地方における審議の事例を含めまして、見直し等をやっていきますので、当然、その過程の中でさまざまな手順の改善点があれば、事務処理要領なり、いろいろなものを改めていくという不断の見直しを行っていきたいと思っております。

 また、ノウハウの引き継ぎという点につきましては、第三者委員会、全国ブロックごとにあるわけでございまして、そこ独自のノウハウというか、その独自のいろいろな情報などもあろうかと思います。こういうものにつきましても、きちんと今回の新たな訂正手続に引き継いでもらうよう、地方厚生局宛てにお願いをしてまいりたいと考えているところでございますので、よろしくお願いいたします。

 それから、梶野のほうから申し上げていませんでしたが、いわゆる第三者委員会の事案をこちらに引き継いでこちらで審議していくことになりますと、当然、今までは総務省との関係で申し上げますと、向こうにあっせんのお願いをして、あっせんの結果をこちらがいただくということでございました。そういう意味では、時間的に申し上げましても、理論的には時間が短くなる可能性というか、その部分だけは必要にならなくなるということになります。

 今回の事務処理要領の中では、いわゆる行政手続法に基づく標準処理期間というものを定めたいと考えております。これは今、総務省のほうであっせんの受け付けからあっせんされるまで、大体130日程度ということになっていると聞いておりますが、厚労省に来ますと総務省と行って来たりする時間というのは少なくとも要らなくなるわけでございますから、その標準処理期間をそういう行って来る期間も考慮して、若干、短目で設定できる形にしたいと思います。

 ただ、標準処理期間ということで、あくまでも目安でございます。これは必ず守らなければいけないという形にいたしますと、十分な調査ができなかったり、逆に早く出すべきものであるものが出せないということにもなります。あくまでも標準処理期間、目安期間ということでございますが、それにつきましても、私どものほうへ来ればできるだけ早くなるような事務処理という形でのものを設定したいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。

 それから、ダブりの件でございます。ダブりの件は、多分、委員がおっしゃっておりますのは、例えば、厚年の標準報酬の資格であれば厚生労働大臣による資格確認があり、それを不服申立てで争う、さらには、例えば給付につきましても結局記録に基づいて給付がされるわけでございますので、最終的には、裁定をする段階で裁定を不服申立てで争うということができるわけですが、むしろ、被保険者期間が違うということで記録というところで訂正請求という形で争うこともできるようになるわけで、ここはダブっているのだろうという御指摘と考えております。それは、委員の御指摘はそのとおりでございます。

 今回の制度の趣旨は、先ほども申し上げましたように、厚生労働大臣の処分というものによっては、不服が60日以内でないとできないという中で、その次に争おうとすると、いわゆる裁定の段階で争わないといけない。その間にすごく時間がかかって、年月がたちますので事実も散逸いたしますし、資料も散逸するという中で、随時、記録の訂正請求を受け付けるということによって、被保険者または受給者の救済を図るということが一番メーンだと考えているところでございます。

 そういう意味では、ダブりはございますので、そのダブりにつきましても、今回のPRの中できっちりダブるのだということも含めて、その上で選択を十分していただけるような形でのPRを行っていきたいと考えているところでございます。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 

○磯村委員 いろいろありがとうございました。

 そうしますと、今年の11月1日から事前受け付けが始まる。来年の4月1日からは、もう、一部どうしても厚労省に持っていかれるのは嫌だという人を残して、総務省とは縁が切れる、こういうことになるわけですね。そうしますと、それから後は厚労省なり年金機構が、ひとり立ちして審査をしなければいかぬわけですね。

 一方、先ほどのデータベース、クロス集計めいたことが間に合うというのは来年度の予算だというお話ですから、それから予算をもらってシステムをつくって入力をして、使えるというのはいつごろになるのですか。そういった段取りは考えておられますか。一体、ブランクの期間というのはどれぐらいあるのか。

 

○赤澤事業企画課長 まず、先ほども御説明させていただきましたように、今回の第三者委員会のシステムというのは、クロス集計などはなかなかできない状況になっているので、非常に使い勝手が悪い状況になっております。

 そういう意味で、まず、そののぺっとした情報を分析して、ある程度、特に難しい案件ですね。今まで非あっせんとなったようなものについて、どういう形で非あっせんになっているのかという分析をやらないといけないと思っていまして、そのために平成27年度予算に予算を計上しているという状況でございますので、そこのところは、分析に若干時間がかかると考えているところでございます。

 先ほど申し上げましたように、総務省の事案情報データというのは、やはり、当時の年金記録問題の起きている中で、非常に慌ただしい中でつくったものでございますので、非常に使い勝手が悪いということになっております。今度の私どものほうで構築する事案情報データシステム、これは、クロス集計もできるようにしますし、いろいろな項目を分析できるような形で構築したいと思っておりまして、ですから、新規にこちらのほうに受け付ける案件につきましては、例えばこれとこれのクロスをかけたいというのであれば、ぱっとかければかけられるようなシステムとして今、設計をしておりますので、こちらのほうは、そのほうで御期待していただきたいと思っております。

 ただ、総務省からいただく事案情報データは、そもそものぺっとしたデータになっておって、なかなかクロス集計などができない状況になっておりますので、そこは一応、予算が認められましたら、通った段階ですぐに調査分析をやるための手続をやって分析について至急やって、その上で対応を考えていきたいと考えているところでございます。

 

○磯村委員 伺いたいのは、一体どれぐらいのブランクの期間を覚悟しておられるのかということです。

 

○梶野年金事業運営推進室長 ブランクというか、残念ながら当時、記録問題が起きて、総務省であっせんということをやられてきたわけです。ですので、今、総務省さんのほうでは分析がない。

 もちろん、総務省さんで例えば1、2回既に申請をされていて今度は厚労省に申請されるケースというのは、先ほど御説明したとおり、その情報は取り寄せるわけです。総務省が保管していますけれども、その文書は取り寄せるわけです。ですから、そういう意味では、その人については支障がないです。

 

○樽見年金管理審議官 結局、総務省のほうのこういう事案情報データについてはそのまま受けますので、今、総務省のほうで持っている過去のこういうどういうあっせんがどうあったかということについての情報はいただくわけですので、何か引き継ぐことによって情報のないブランクができるかというとそうではなくて、そこは今、総務省でもって、逆に総務省のほうでもクロス集計できる状況になっておりませんので、そういう事案の状況に応じて、例えば、この種の事案というのは何件ぐらいあって、どういうあっせんをされているかというようなことをぱっと出そうと思うと、今の総務省の形もなっておらないわけです。

 そこの状態で引き継ぎますので、そういう意味で、我々のほうでまず情報を分析して、これは来年度の予算ということですけれども、私どもは御指摘のような問題意識というものを今から持って総務省といろいろ協議をしていきますので、できる範囲で来年度予算ということを待たずに、そういう分析みたいなことについて、できるだけのことはできればと思っておりますが、そこを分析をして、例えばどういうキーで引くというのが一番引き方としていいのか。あるいはどういう分類の仕方がいいのかあるいはデータベースで収録するとすれば、どういう形で収録していくのがいいのかということについて、中身の分析をしてやっていきたいということですので、そこについては、いつこういう形のデータベースができるということについては、今、申し上げることはまだできないのですけれども、そういう意味で、今、総務省が持っている情報がこちらに引き継ぐことによって使えなくなるようなブランクができるかでいうと、そうではないと思っています。

 ですので、まさにうちのほうでいただいたところでそれを分析しまして、それが検索をしたり、分析ができるような形でデータベースに入れ込むという作業はこれからやっていくことになるわけですけれども、そういう意味でのブランクというものはないと思います。

 それから、同時にそれを補うような効果といいますか、先ほど申し上げたように実際の地方の第三者委員会を、厚生局のほうでの審議会という形で再編をするわけでありますけれども、できれば同じ委員の方にできるだけ入っていただきたいということでやっておりまして、ノウハウの引き継ぎとかあるいは過去、こういうときにはこんなことをやったということについて、こちらにいわば切りかえをしたことによって、がらっと変わってしまうとか、やり方が変わってしまうとか、判断が変わってしまうとかということはないように、実際に判断をしておられる方のレベルでも当面、できるだけ引き継ぎをしたい。それによって、いわば、ブランクというのでしょうか。こちらへ来たことによって前のノウハウがなくなってしまうとか、前の判断と違う判断が出てしまうとか、そういうことはできるだけ減らしていきたいと考えているということなのです。

 

○磯村委員 なるほど。ちょっとくどいので、申しわけありません。

 そうしますと、今の総務省の資料の管理状況と、しばらくの間の厚労省側の管理状況とは全く変わらないから、今までだってそんなに簡単に過去のデータのクロス分析ができていないのだから、しばらくの間、こちらがクロス分析ができなくなったって、別に状況が悪化するわけではなかろうと、こういうことですね。

 

○樽見年金管理審議官 そうです。

 

○磯村委員 それからしばらくして予算をとって、何らかのデータベースを構築するわけですね。そうすると、従来の総務省より、格段にいろいろな事案分析やら検索が容易になると、こういうことですね。そこは大きな切りかえによるメリットになるわけですね。そこはどういう格好でPRなさいますか。それも1つのPRでございましょう。

 

○樽見年金管理審議官 そうです。そこは、一言で言うと今、先生がおっしゃったようなことになって、これはメリットだと思います。

 

○梶野年金事業運営推進室長 いつというのは難しいですが、分析結果が出ましたら、それは上乗せになりますので、そのときにPRをしたいと思います。

 ただ、いずれにしても予算がつくまで待つということではなくて、また御指導をいただきながら、どういうもので研究機関に委託したほうがいいのか。要は、あっせん文が28万件あるのです。総合的に判断してあっせんをされているわけですが、その材料となる資料が200ページとかそれぞれ1件ごとについていて、どういう証拠だとあっせんして、こういう証拠でも非あっせんになっているのかというのを分析してもらうわけですが、なかなか丸投げでは難しいですので、予算がつく前に準備をして、つき次第着手して、それが出たらプラスアルファですから、それをPRしていくということで、今から何月とか何年というのはなかなか申し上げられませんが、急ぎますということです。

 

○磯村委員 くどいのですけれども、ここは非常に大事なところなので、今まで総務省が多少使い勝手の悪い資料の管理方法をしても自分の手元にあるわけですから、さっと行けば、誰も労を惜しまずにやってくれるわけです。今度は、よその省庁になるわけです。そうすると、頼んだものがすぐには出てこないのです。

 そういう状況をなるべく置かないようにするためには、予算を待たずに、例えば、私は大山先生みたいなシステムのプロではありませんので全くの素人の考えですが、私自身が半年分の総務省のホームページに載っているものをキーワード検索してみたのです。それだけでも100事例ぐらい出てくるのです。なぜそれぐらいの手を惜しむのですか。それだったらちょっとした、変な話ですが学生さんを使ってでもキーワード検索してもらうぐらいのことをやってみたら、私のイメージしているブランクというものがなくなるのではないかと、こう思うのです。

 

○梶野年金事業運営推進室長 まさに御助言いただきまして、キーワード検索をやっています。「駐留軍施設」とか「戦争災害」とか「陸軍施設」とかそれぞれ検索をして、それであっせん文を打ち出して見ている状況です。

 その上で、あっせん文がありますけれども、あっせん文の中に「駐留軍施設」というのが引っかかるわけでございます。最終的には、今のあっせん文ですと申し立ての概要が書いてあって、あっせんの内容が書いてあるわけですが、その詳細がわからないのです。総合的に判断して、あっせんするというものが多くなっています。

 ですので、今からそのあっせん文を見て、ここはもっと総合的に判断のもととなっている書類をもらわなければいけないだろうとか、いずれにしても、例えば「駐留軍施設」とかというキーワードが載っているあっせん文については、例えば優先的にすぐさま情報提供をもらわなければいけないとか、そういう整理を今からしなくてはいけないと考えています。

 

○磯村委員 というように具体的にここへ書いてくださればいいわけです。だから、抽象的だと申し上げておるのです。

 

○樽見年金管理審議官 それはまさに予算を待たずに、そういう作業は、今もできる体制でできることについてやっていくということで考えてございました。

 

○磯村委員 すみません。長くなりました。以上です。

 

○大山部会長代理 非常に重要なお話をいろいろ聞かせていただきまして、ありがとうございました。

 ほかにございますか。石井委員、どうぞ。

 

○石井委員 意見ではなくて確認で、そもそも総務省から厚生労働省へ引き継がれる事案の件数というのは、28万件なのですか。

 

○梶野年金事業運営推進室長 28万件というのは、今まであっせんが終わった件数です。ですので、4月に引き継がれるというのは、3月までに総務省さんで処理できなかったものでございます。

 今、受け付けているもの、もしくは11月から受け付けたもので、総務省さんで3月までに基本的には終わられるというスタンスでございますけれども、ただ、内容によっては終わらない場合は、数件かゼロ件なのか10件なのかわかりませんが、引き継がれるということでございます。

 

○石井委員 ということは、3月末でカットオフをせずに9月末という実績でもいいのですけれども、つまり、引き継がれてこれから問題解決をしなければいけない事案の量というのは何件なのかしらと、とても普通の疑問としてあるだけなのです。

 

○樽見年金管理審議官 構図としては、引き継ぎという言葉を2カ所で使ってしまっているので若干わかりにくいかと思うのですが、今、梶野のほうから申し上げました、これまで28万件あって、そのデータを引き継ぎますというのは、平成19年からこの記録の訂正手続というものができて、これまで総務省のほうでそれぞれあっせんをやられたもの、それの全体の件数が28万件ということになるわけです。ですので、それについてのデータ、あっせん文とかいつどういうことで訴えられていたかということについては、それを引き継ぐということになるわけでございます。

 今日の資料の1ページ目で書いてある事案の引き継ぎと申しますのは、そういうことではなくて、現に来年の3月末の時点で総務省のほうが、一義的には第三者委員会での調整審議を終了するという方針を立てておられますが、そのときに実際にあっせんの申し立てを受けたけれども、終わらない、先ほど申し上げたように大体3、4カ月で標準処理期間を設けていますので、大体3、4カ月で終わっているのですが、そうしますと4カ月ぐらいだと大体終わるのですが、終わらないものというのが一部、出てくるのではなかろうか。

 平成27年3月から4カ月をさかのぼりますと、11月ぐらいから受けたのについては、もしかすると、総務省でお店を開いている間に最終的な出口まで行かないものがあるのではなかろうかという案件について、厚労省は嫌いなのでこちらは絶対嫌だとおっしゃる方は別なのですけれども、そういう第三者の御意見によって記録の訂正をということでの趣旨、目的は共通でございますので、そのときにこちらで新たに総務省が終わったので、もう一回こちらで出してくださいと言うと、お客様に御負担をおかけすることになります。そこの御負担をできるだけ少なくするために、あらかじめ事前申込書というものをお出しいただくということを11月から始めたいということです。

 したがいまして、今日の資料の1ページ目、2ページ目に書いてあります引き継ぎというところについては、これから来るもので来年の3月までに終わらないものということになりますので、それについては、件数はまだわからないということになります。

 

○石井委員 参考資料1の最終の12ページに、数字のデータで唯一今日の資料はこれだけみたいなものなのですが、これを拝見すると、例えば平成25年度における平均受け付け件数は、どうもこれを見ると一番右側で1,500件と書いてあり、あるいは要処理残件数が4,600件と書いてありと、こういう状況という数字と、12ページにも一番最初の行に書いてある、これまで約28万件の申し立てを処理をして、そのうち136,000件の記録を回復したと書いてあるこの数字と、今の御説明を聞くと、ますますのところ何をどうやって読めばいいのかよくわからないというのが本音なのです。

 物事の重要度というのは、量とのかかわりがどうしてもあって、なぜ、その消えた5,000万件がとてつもなく重要かというと、1億2,000万人の人口の中で5,000万件の位置づけもよくわかりませんが、やはり5,000万というとてつもない量の中で問題が起きているからという話ですが、申しわけないのですが、全くわからず、私はこの12ページを拝見すると要処理残件数という残りの数字を単純に4,600、つまり、今のように11月以降、3月までという数カ月の追加があったとしても、例えば数千件という議論をされているのか、そうではなくて28万件の中の136,000件は記録を回復して、完全にデータとしてクローズできるけれども、残った15万件ぐらいについては、まだまだこれからいろいろな形で復活してくる可能性があるので、実はこれ自体は非常に大きな問題なのですという問題認識が正しいのか、そこのところがよくわからないです。

 

○梶野年金事業運営推進室長 この参考資料1のほうの12ページですけれども、まず、上の数字の28万件というのは、これまでの申し立ての件数です。この中には、同じ方が数回申し立てられている件数もありますが、そういう数字が28万件です。約半分の13.6万件は記録回復ということで、あっせんです。逆に、残りの約半分、14万ぐらいは非あっせんです。いずれにしても、あっせんにしても非あっせんにしても、ここでは申し立てを処理ということで、終わっているのが28万件です。

 このグラフの、先ほどの「1,501」というのは、月ベースの平均受付件数ですので、これは平成25年度の数字でございますけれども、このベースでいうとちょっと減ってきているかもしれませんが、今も月ベースで1,500件ぐらいの申立てが今後も来る可能性があるということです。

 この際に、5,000万件との関係でごさいますけれども、もちろん、5,000万件の未統合記録の関係で申し立てられている方もいらっしゃいますが、最近は新しい記録の間違いが多い。と申し上げますのは、過去の年金機構やいろいろな記録の間違いもありますが、最近、新しいのは厚生年金事案で、特に賞与が算定されていなかったとか、そういう間違いです。賞与も適用になるのですけれども、それを外して手続をされている場合とか、そういう新しい間違いというのがふえてきています。

 念のため、今の記録問題との関係で申し上げると、そういう新しい記録間違いというのがふえてきているというのが、申立ての中ではあるということでございます。

 それで、この「4,606」というのは要処理残件数ですので、受付自身は28万というよりは、それより多い数字で受け付けてきているわけです。29万とかです。そのうち、28万が処理が終わって、4,600がこの時点で残っている。この4,600のうち、3月までに総務省さんのほうで処理をされていくわけですけれども、処理されないものは厚労省に来るわけでございますが、その数字は現時点ではなかなか正確にはわからないです。

 

○樽見年金管理審議官 大ざっぱに言いますと、28万件は今、申し上げたように終わっています。ですので、終わってしまって記録を引き継ぐというものです。今の状況は、毎年1,500件とかそれくらいが受け付けをされて、平成25年度でいうと、年度末のところで4,600件が残って、次の年度に繰り越しになっているという関係です。

 ですので、今度も平成26年度の末の段階で、この平均受け付け件数が同じようなペースで続いているとすれば、この4,5004,600というぐらいが年度末のときに終わっていなくて、こちらのほうに案件として引き継がなければならないとなる可能性は、大体それぐらいのオーダーであると。数は今のところではわかりませんけれども、オーダーとしていうと、大体それくらいがあるという関係でございます。

 

○石井委員 磯村先生の隣にいるので、私もちょっとしつこくなってしまったようです。そのようなことを言ってはいけないですね。すみません。

 2点ありまして、これを見せていただくと、一番下のところに、年次の下にこういうことをさまざましました、「ねんきん定期便」とか「個人情報提供システム」を構築してきましたと。

 多分、平成19年前というのは5,000万件問題発生前の状況だということで、とてつもない問題が、言ってみれば内蔵されていて、それが白日のもとにされて、そして、実はこのグラフでいくと折れ線のグラフというのが要処理残件数で、19年度は4万5,000件ほどありましたと。そして、棒グラフのほうの5,600件というのが、これが何かというと、平均受け付け件数の月次の件数ということですね。

 そうすると、2つと申し上げたのは、19年以前の、ある意味において社会保険庁そのものを、その存在を議論しなければいけないぐらいの大問題であった時代の5,600件に対して、平成25年度の1,500件という、このバランスの関係は、年次の下にあるような、とてつもないコストをかけてさまざまな作業をしてシステム化を行ってきたということとの効果でいくと、適切な効果なのか。5,6001,500という形での変化が、適切なのだろうか。5,600560まで収れんしても、適切かどうかという議論は非常に大きな問題ではないか。なぜかというと、これは非常にコストとのかかわりがあるからです。

 あるいはもう一つ申し上げるとすると、当初1,900人という人数が出ましたが、これが先ほど560という数字になっていますが、今のこの時系列の変化に対して、当初1,900であったものが今560というのは、人員がオーバーなのではないですかという見方はないのかどうかです。これだけ状況が変わってきたのだとすると、1,900などという数はもう要らずに、200でもいいのではないのという議論はしなくていいのかどうか。そういうことを本来、考えていくということなのかと思ってしまいました。すみません。

 以上です。

 

○大山部会長代理 年金管理審議官、どうぞ。

 

○樽見年金管理審議官 まず、事実関係でいいますと、これは平成19年度、これが年金記録問題というものが平成19年の2月から5月にかけて明らかになって、それで、5,000万件、未統合記録がある。そのほか、実際にそのコンピュータ記録に入っている記録でも大分、間違いがあるのではないかということが問題になって、それに対する救済の仕組みということで、この第三者委員会というものが発足をしたということでございますので、最初の、毎月5,600件ぐらい申し立てがあり、最初は処理件数が非常に低かったわけです。毎月処理ができる件数が少なくて、年度末で4万5,000件も余ったというところから始まって、こういう申し立て件数、処理件数、残件数という形になったというのが事実関係でございます。

 したがいまして、下に書いてありますような特別便あるいは定期便、それから、ここではちゃんと書いてありませんけれども、紙とコンピュータの情報の突合、それから、各種、茶色便とか黄色便とかいろいろ出しましたが、御本人にいろいろ記録の中身を確認をするあるいは標準報酬の遡及訂正事案についての調査をし、訂正できるものについては訂正をする。そういったことをやりながら、この第三者委員会を通じて記録の訂正をしていくということをあわせて、記録の訂正、回復といったものについて取り組んできたということでございまして、これが費用でいいますと、昨年度、磯村先生中心の検討会の報告書にも書いてございますが、全体で約4,000億円という費用をかけてこういうふうにやってきたということでございます。

 そういうことでいいますと、平成19年度のときに5,600件、5,000を超えるような申し出というものが大体平成19年から平成22年度ぐらいまでずっと続いてきたわけでございますけれども、そういうことを通じて、記録の過去の間違いについては、これは実際問題として、先ほど磯村先生から御指摘のありましたように、いろいろやってもなお、例えば紙台帳で読めないものがあるとか、なくなってしまっているものがあるのではないかとか、あるいは重複付番対策とか、なお、残っている取り組むべきところというのがございますので、完全にきれいになったというわけではありませんが、いわゆる5,000万件とか、記録の中身が正しくないといったところについては、かなり改善をされてきて、それが平成23年度以降の大きな受け付け件数の減というところに結びついているのではないかと思います。

 したがいまして、全体として見ると、これは基本的には受け付け件数は減少傾向ということです。

 ただ、先ほど梶野のほうから申し上げましたとおり、最近の受け付けのものを見ると、そういう5,000万件とか昔の紙台帳などという、そういう世界の話ではなくて、最近の事業主からの届け出内容と、御本人様のここでこういうふうに働いていて年金記録があるはずだという御認識とが齟齬をしている。そういうものというのがふえてきています。ですので、それは記録問題のこの4,000億円かけてやってきたということとは別のといいますか、日々、生じ得る記録の必要な訂正手続という要素がだんだん強くなってきたということだろうと思います。

 したがいまして、この新しい年金記録の訂正手続についての、費用をどうかけて、それによる効果というものをどう見るかということについては、そういう新しい要素も含めて、これからやっていく中で検証をしていかなければいけないということだろうと思いますし、一概に費用がどうこうということについては言えないのでございますけれども、そういう今、申し上げたような記録問題が平成19年度に明らかになって、平成22年ぐらいまでいろいろな形で取り組んだというものに比べますと、そういうことで事務体制とかというものについてはかなり減ってきている、減らしてきている状況があるという関係でございます。

 数量的なことについては、この数字がこうなのでこうとは申し上げることはできませんし、特に事務体制については、件数が減ったので直ちに人がその割合で減らせるというものでもなかろうと思いますので、その辺は分析をするだろうと思いますが、そういうような関係になっているということでございます。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 結局は、なくなりそうもないということがわかってきたということなのですね。

 

○樽見年金管理審議官 はい。

 

○大山部会長代理 では、木間委員、どうぞ。

 

○木間委員 最近の傾向をお聞きしますと、調査で取得した関連資料の分析は、それほど重要ではないのかもしれませんが、先ほど磯村委員が手元にあればすぐ見ることができるとおっしゃいましたし、また、梶野室長はあっせん文書の分析だけでは詳細はわからないとおっしゃいました。

 資料1の5ページに調査で取得した関連資料は、引き続き、総務省において保管する予定とあり、その理由は、法律に規定されていると書かれていますけれども、国民の税金でこの関連資料についての調査はなされたわけですから、そういう点から見ると、例えば、厚労省と総務省の共有とするというような検討はなさっているのでしょうか。あるいはできないものでしょうか。

 

○赤澤事業企画課長 御指摘の件、非常に御主張はよくわかるところでございますが、これは純粋に法制度的にいうと、総務省は行政相談という事務の中で、あっせんという事務をやっていて、その目的のもとに、この行政文書を取得したということになるので、どうしても法律的に言うと、向こうが保管するということにならざるを得ないということになります。

 そこの部分に、必要に応じた個別の案件で、当然、この3月に引き継ぐものにつきましては御本人様の同意がありますので、全ての関係資料をいただきますので、審査が滞ることはありません。過去やったものについても、主張があれば、言えば出していただける。事案データというものもいただけるという状況になっています。

 もうちょっと突っ込んで申し上げますと、今、私どもで基本方針等というものをつくっております。この基本方針等の中身につきましては、今、総務省で行われているどういうものがどういう形で積極的にあっせんになっていて、どういうパターンが非あっせんになっているのかというようなものも、できるだけ類型化してつくろうと思っておりまして、そういう部分では今までの総務省のノウハウというものを踏まえた処理、判断基準というものを私どもは今、具体化しているところでございますので、そういうものを踏まえて、適切な判断をやっていきたいと思っております。

 総務省の今の状況というのは、一言で言えば、判例みたいな形になっているのです。あっせん文はあるのだけれども、それがどういうパターンでどういうケースだと、どういうあっせんになっているというのが、具体的な形は余り残っていないのです。それを今、我々のほうでは、具体的になるような形で整理して、こういうパターンは今までこういう形であっせんになっているというものをできるだけ聞いてつくろうとしております。そういうものと個々の引き継ぎ、さらには過去の事案につきましては、事案情報データとか、そういうもので見て、必要があれば過去のものも取り寄せることができるという形で、いろいろな形でやって、国民の皆様に不利益が当たらない形での対応をしたいと思っていますので、御理解いただきたいと思います。

 

○樽見年金管理審議官 恐らく、今のような個々の案件についての分析なり、引くというところのシステムがだんだんできてきますと、それに関する関連文書というものをどの範囲でどうもらえばいいかというところがかなり御理解ができてくるのではないか、それを目指してやっていきたいと思っています。

 もう一つは、これは事実上ということになるのですけれども、先ほど来、申し上げていますように、地方審議会の委員でありますとか、あるいは事務局の体制も含めて、事務局も実は最初に総務省で発足するときに、なかなか年金制度について詳しく知っている総務省の職員がいないということもあって、当時の社会保険庁からかなりの職員が出向して対応して、それが今度、みんな戻ってきます。それをできるだけこういう関係に戻して使うという人のつながりみたいなところで、これについてはここにあるとかそういうことについて、今のところはそういう人の体制ということも含めて、できるだけ今より悪くならないようにということでやっていきますが、あわせて、そういう事案の分析を通じて、この関連資料についても、所有は総務省ということに、法律上、ならざるを得ないのですが、それが確かに前面に出た資料になってしまったかと今、伺って反省しておりますが、そういう法律上の所有の問題とは別に、ただ、所有はそうだけれども、見せていただけるという相談はしっかりしておりますので、それをどう指定をして、いかに簡便・迅速に見せてもらうかということについては、努力をしていきたいと思います。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 

○木間委員 つまり、法改正とか規則改正とか、そのようなことをするつもりは毛頭ないということですか。

 

○樽見年金管理審議官 そういうことでいいますと、規則を改正するということによって能率がよくなる、簡便になる、早くなるというところがあれば、それについては考えていかなければいけないと思います。ただ、今、法律上の文書の所有権というか、それはこうなっているということなので、それをどう引っ張り出すかという、そこの仕組みについては総務省と、総務省も決して出さないと言っているわけではなくて、非常に御協力いただける感じでございますので、そこは前向きに相談をしていきたいと思います。

 

○大山部会長代理 では、吉山委員、どうぞ。

 

○吉山委員 先ほど、磯村委員がおっしゃっていたように、ベテランがいなくなるのは心配であり、もともと厚生労働省に頼むこと、厚生労働省に不満や不信感があって総務省が受けることになったという国民感情からしますと、やはり、厚生労働省に移ってしまったら身内だから甘くてだめなのではないかという評価が出ることを非常に恐れています。

 お話を伺っていくと、ノウハウを持った職員の方々が、そのまま厚生労働省に移ってきて年金の記録回復にもう一度携わるということで安心しておりますが、先ほど、データベースがないという話が出ました。これはこれから構築していって検索しやすいようにすればいいと思うのですが、私は東京の第三者委員会にいたので、多少、総務省びいきかもしれませんけれども、ベテランの職員の方々や調査員の方々がそれぞれの申立人の方につくのですが、その方たちの勘が非常に鋭くて、先ほど梶野室長もおっしゃっていたように、1つのあっせん文に対して資料が200ページぐらいとおっしゃっていましたが、それを調べてくれるのが調査員の方なのです。

 第三者委員会の委員というのは人数が少ないのですが、調査員の方々が出してきた資料をもとに委員があっせんか非あっせんかという判断をします。人事に関してはこちらは口を出せないのかもしれませんけれども、ノウハウを持った調査員の方々が、できるだけ今回も厚生労働省で携わっていくことによって、データベースはまだ時間がかかってしまって、すぐに検索はできないかもしれませんが、例えば1つ申し立てがあると類似案件というのを調査員の方が出してきてくれるのです。過去の事案を捜して、こういう例がありました、こういう判断をしましたというものを示してくれるので、そういう人海戦術でやっていかれるといいのではないかと思います。

 あと、調査員の方が申立人の方とコンタクトをとっていますので、信頼関係というものも重要になってきています。悪くいうと、いかにもお役所っぽい方ではなくて人として申立人の方に接していって心をほぐしていく方法にしないと、不満は募っていくのではないかと思います。

 あっせんの判断基準が、総務省はもともとおおむね確からしいというところで始まっていますので、きっちり分析して白黒が出ないものもあるのかと思いますし、それが厚生労働省さんのやりにくいところかもしれませんけれども、公平性・透明性に重点を置いて進めていかれてほしいと思っております。

 お願いみたいな形になりましたけれども、分析も、分析と同時に今までの経験を積んだ方たちの経験をそのまま吸い上げるような形で、今後のプラスにしていっていただきたいと思っております。

 以上です。

 

○大山部会長代理 年金管理審議官、どうぞ。

 

○樽見年金管理審議官 今、ちょっと課長から聞いたのですが、常勤職員については先ほど申し上げたように、実は最初のときに社会保険庁から行った職員などもかなりいますので、それはできるだけ戻して使うということになりますが、調査員では、非常勤の職員ということで総務省で採用されているという職員がいます。これは新たにこちらでまた採用するということになりますので、その採用ルールによってということになりますけれども、今、働いておられる方をできるだけ引き継ぐようにという形で当面やっていきたいと思っております。

 あと、若干個人的な経験から感じるのですけれども、私も実は総務省に出向していたことがあって、特に行政管理局で行政評価局の方々と非常に近いところで仕事をしていたことがあるのですが、行政評価局で行政相談というものを日常的に、各県でも行政評価事務所でやっておられる。恐らく、そういうところの経験から、例えば調査員の方でお役人的な対応をするというよりは、できるだけ相談する方に寄り添うような形で話を聞くというノウハウというものが行政相談の経験の中であるのかというのを、私もかつて総務省に出向していたときに、時々感じたことがあります。

 そういう総務省でやっているところのいい点というのは、できるだけ引き継ぐといいますか、こちらに来たら年金事務所と同じ目線になってしまったというように言われることがないように、そこは今、先生のお話を伺って感じたことでありますけれども、そうしていきたいと思います。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 西沢委員、どうぞ。

 

○西沢委員 1個、石井委員の質問と関連して、参考資料の12ページについて、これは全部が宙に浮いた未統合5,000万件の処理だと私はずっと思っていたのです。そうではなくて、新しい記録訂正も入っているということなので、内訳を切り分けられないかもしれませんが、示さないと。全部5,000万件の未統合記録の処理をしているかと思っていました。こういう第三者委員会みたいな一時的な組織に、年金事務所の窓口で処理されるような新しい申し立てが行っていたわけかもしれないわけです。だから、ある程度、内訳を示していかないといけないと思います。もうこれは始まってから何年もたっているのに、毎月、1,500件ぐらいいまだに申し立てがあるのが不思議だったのです。だから、新しい、そこを区別していかないといけないと思います。それだけです。

 

○大山部会長代理 そこの違いの資料がもしあるのなら、提出していただくほうがいいかもしれません。

 

○梶野年金事業運営推進室長 次回、以前は記録問題ということで国民年金事案が多かったのですが、最近は厚生年金事案が9割以上になっています。そのうち、総報酬制ということで、今まで月ベースの給与しか保険料を適用していなかったものが、総報酬制で賞与を入れてからのほうが多いです。厚生年金事案のうち8割ぐらいが総報酬制導入後、つまり、平成15年4月以降のものが多いということですので、9割の8割が平成15年4月以降のものということです。

 

○樽見年金管理審議官 それは最近受けているものですね。最近受けているものについて内訳を見ると、そういう形になっています。次回配らせていただきます。

 

○梶野年金事業運営推進室長 平成24年度のデータです。資料を提出したいと思います。

 

○西沢委員 恐らく、それは簡単な事案なので、多分、年金事務所の窓口で処理基準か何かに従ってすぐに訂正できていて、第三者委員会まで行くという、そういう難しいものではないのではないですか。

 

○樽見年金管理審議官 そうでもないです。

 

○西沢委員 そうでもないのですか。結構難しいのですか。

 

○樽見年金管理審議官 まさに、こちらへ来ているというのは、両方の言い分がそれぞれあってということですね。

 

○西沢委員 先ほどの、戦争中のとか戦後の記録とかそういう話だったら難しいと思うのですが。

 

○赤澤事業企画課長 例えば、厚生年金事案でも、いわゆる厚生年金特例法ですね。被保険者の方は保険料を納めたと思っているのに、事業主がそれを当時の社会保険庁に納めない、日本年金機構に納めないような案件というのは、引き続き処理していますので、こういう案件はなかなか年金事務所の窓口だけでわかるような話にはならないところがあって、そういうものは、いろいろな当時の状況を積極的に調査しないとわからないということがありますので、引き続き、厚生年金事案であったとしても、もちろん、年金事務所段階で回復できるものは回復いたしますが、積極的に当時の勤めている職場の同僚とか、いろいろな人に聞いてみないとわからないような話は当然ありますので、そういうものは引き続き、発生しているという状況だと認識しております。

 

○西沢委員 だとすれば、例えば、会社員で天引きされて払っているなと安心していても、実は会社が納めていなくてというのは今でも当然起こり得ることなので、それは、制度として根本的に間違っているのであって、例えば会社が日本年金機構に納めたかどうか即座に、瞬間に、給与日に自分の「ねんきんネット」でわかるとかできないのでしたか。

 

○樽見年金管理審議官 給与日にはわからないですけれども、あとで。

 

○西沢委員 そういう運用とか制度を改めていけば減っていくということですね。

 

○梶野年金事業運営推進室長 そうです。法律上は、まず事業主はこういう標準報酬でということを通知しなくてはいけないのです。ただ、実際、事業主さんによってはできていないこともありますので、記録問題が起きたときに「ねんきん定期便」を送るということになりました。それから、その後「ねんきんネット」ということで、やはり御本人様に確認いただいて申していただくという、2段階の構えになっています。

 

○大山部会長代理 吉山委員、どうぞ。

 

○吉山委員 年金事務所の窓口で処理という話が出たので一言つけ加えたいのですけれども、できるだけ資料の徴取も年金事務所で行って処理するようにと書いてあるのですが、資料の徴取というのも非常に難しいところもあります。前々から年金事務所の人員配置が気になっているのですが、かなり人手、時間を割くものだと思いますので、年金事務所の窓口ですぐに処理できればいいのでしょうけれども、何でもかんでも年金事務所でやってください、ほかのところに上げてこないようにとしてしまうと、今度は窓口業務が滞ってしまう心配があるので、本当に判断がスムーズにできるものだけに限定してみてはいかがかと思っております。

 以上です。

 

○大山部会長代理 何かありますか。

 

○赤澤事業企画課長 そちらで書いてありますのは、第三者委員会でつくった回復基準は年金記録を年金事務所段階で訂正できるケースが書いてあって、そこで、その回復基準に合致しているかどうかという資料収集に必要なものをきっちり集めていただきたいということでございますので、そこの部分は今、そういう形で回復基準をつくっている以上、当然、年金事務所のほうできっちり資料収集はしていただきたいという趣旨で書かせていただいたところでございます。

 ただ、その機構の体制の問題も、それは当然、今そういう回復基準でやっている資料収集が、機構の体制上、非常に厳しいと委員がおっしゃっているような話があるという話であれば、それは機構全体の、いわゆるマネジメントの中でどう考えるか、機構の定員をどう考えるかという問題になっていきますので、そこは別途、私どもの中でいろいろ配慮しながら対応していかないといけないと思うところでございます。

 

○吉山委員 ということは、今でも年金事務所で処理できるものはするようにとなっているので、それをそのまま続けていくという考え方でもよろしいでしょうか。

 

○赤澤事業企画課長 そういう考え方でございます。

 

○大山部会長代理 時間の都合があるのでそろそろと思うのですけれども、簡単に今のお話をはっきり言えるのかどうかは別で、わからないことはあるのですが、実は平成19年度より前の第三者委員会が発足する前の状況では、年金記録の訂正手続というものがなかった。手続を第三者委員会が発足して、そこが今の役割を持ったわけですけれども、その後「ねんきん定期便」を初めとしたいろいろな情報で本人に提供するようになってきたら、最初は5,000万件に主として軸がある、月に5,000件以上の申し立てがあって、それを第三者委員会の方がずっと努力をなさり、ここまで来て1,500件ぐらい減ってきていると思っていたら、実は新しい問題がまた見えてきた。

 したがって、今回の今日の一番大事な資料1の話は、この先、来年度以降も年金訂正手続の創設をしてずっと対応しますと、こういうことですね。

 どうも引き継ぎのところの話がメーンに聞こえるので、引き継ぎがいつ終わるのかと見えてしまうのだけれども、実はそうではなくて、ほかにまだ残っている可能性があるのだと、こういうことで整理はいいですか。

 

○樽見年金管理審議官 そういうものにうまく対応できるように制度をつくっていきたいということでございます。

 

○大山部会長代理 その意味では、先ほど西沢委員もおっしゃっていましたが、記憶が薄れる前にちゃんと確認いただくと、年金の記録は自分で守るという意識を持っていただくというお願いになるのですかね。少なくとも、確認いただくという話になるのでしょうか。

 もしよろしければ、先へ進めさせていただきたいと思います。

 それでは、次の議題に移ります。

 次は「平成27年度予算概算要求について」ということでございます。平成27年度の予算の概算要求について、事務局から説明をお願いいたします。

 

○梶野年金事業運営推進室長 資料2、1枚紙です。

 表裏ですけれども「平成27年度年金関係予算概算要求」ということで、真ん中の大きな四角の中に1として「持続可能で安心できる年金制度の運営」。これは、制度の基礎年金部分の2分の1の国庫負担の部分です。10兆円です。括弧の数字は平成26年度予算額です。左の数字が来年度、平成27年度の要求額でございます。

 次の太字の四角ですけれども、2ということで、「正確な年金記録の管理と年金記録の訂正手続の創設」ということで、55億円。今年度の予算でいうと、150億円から減ってきているということです。

 (1)ですけれども、24億円とございますが、これは前回御説明させていただいたいわゆる未統合記録5,000万件についてです。田村大臣から御指示があったところでございます。特に、記録統合の可能性が高いところで、お手紙をお送りしていて、いまだ御返事がいただけていない方について電話、場合によっては訪問まで行うという費用について、要求をさせていただいているというのが1点です。

 それから、次の「また」以下でございますけれども、これも先ほどお話がありましたが、いわゆる年金記録の確認ができる「ねんきんネット」です。「ねんきん定期便」は情報量が限られていますが「ねんきんネット」ですといつでも見られますし、全ての記録が見られますので、今後の記録の間違いがないようにするためにも、まさに、おっしゃられたように御本人に「ねんきんネット」を見ていただくということが重要ですので、これを今回「年金の日」というものをそういう趣旨でつくりましたが、その「ねんきんネット」の利用者の拡大を図るための周知を要求させていただいております。

 (2)が「年金記録の訂正手続の実施に係る経費」、31億円ということで、これは今、総務省の第三者委員会でやられているところでございますけれども、今度は厚生労働省でやりますので、中央と地方と合わせて31億円ということで、要求をさせていただきました。

 

○樽見年金管理審議官 これは今、総務省のほうで大体同規模の予算でやっておりますので、それが減るとかはなくて、ほぼそのままこちらでやるということです。

 

 

 

○大西事業管理課長 ページを裏にめくっていただきまして、3番の「適用・収納対策の取組の推進」というところです。要求は277億円となっております。

1つは「厚生年金保険の適用調査対象事業所への適用促進対策」ということで、これまで当部会でも御審議いただいておりますけれども、法人登記簿情報の活用等によって、年金事務所や委託事業者のほうで適用調査対象事業所に対する加入指導を行うものです。

特に、今年の12月ごろを予定していますが、国税庁から、稼働中の法人情報、源泉徴収をしている法人の情報を新たにいただけることになりましたので、これを活用して積極的に適用促進をしていくということで、108億円を計上しております。

それから(2)の国民年金の保険料収納対策です。まずマル1の「納めやすい環境の整備」というところですが、従来はできなかった、インターネットやあるいはスマートホンを活用して、保険料の口座振替あるいはクレジットカードを活用した納付を可能にするということができないかということで、新規の予算要求をしております。

2点目、市場化テスト業者による納付督励というところですが、従来から御説明していますとおり、国民年金保険料収納対策については今年度から強化を図っているところでございまして、特に市場化テストにおいて戸別訪問を強化したいということで、予算の増を見込んでおります。

3点目、「高所得者への強制徴収の徹底」についてです。今年度は、控除後所得400万円以上で未納月数13カ月以上の方、約14万人を見込んでおりますが、その方々を全て督促するということで取り組んでおります。来年度につきましては、13カ月というところを未納月数7カ月まで広げて、さらに強制徴収の徹底を図りたいと考えております。

4番の項目につきましては以上の2、3と重複しておりますけれども、機構における業務の交付金関係の予算を2,956億円ということで計上しています。

以上でございます。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 今の件で何か。では、まず岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 2点、「ねんきんネット」についてなのですけれども、これは周知拡大を図るだけの予算ということなのですか。「ねんきんネット」の使い勝手をよくするための予算というのはここには入っていない。

 というのは「ねんきんネット」を今たたいて見ますと、仮に今日、平成26年の10月7日でたたくと、10月分に給付される額というのは2カ月分しか出てこないのです。平成27年以降から1年分が出る。ということは、自分が年金をたたいて見ると、なぜ今年はこんなに低くて翌年から上がるのかという、単純な疑問を持ってしまうわけです。それに対して「ねんきんネット」はなんの注意書きも書いていないので、そういうものはやはり書くべきではないかと思うのですが、そういう、もっとこれ以外にも使い勝手をよくするための予算というのは、ここに入っているのか入っていないのかというのを教えてもらいたいです。

 

○梶野年金事業運営推進室長 補足があれば機構からお願いしたいと思いますが、今まで5次リリースやって、大分、大幅なサービスの改善をやっていましたが、それは基本的に含んでいたのですけれども、平成27年度は大きなサービスの改善を予定していませんので、ここには入っておりませんが、ただ、今申し上げたようないろいろ細かい利便性のところは「ねんきんネット」のシステムの費用で見れるのではないかと思いますので、もし間違っていれば補足を。

 

○小森日本年金機構事業企画部長 日本年金機構の事業企画部長でございます。

 「ねんきんネット」につきましては、大きなシステム改修の場合はシステム経費の中で金額をかなりかけてやらなくてはいけないのですけれども、例えば、注意書きを入れるとか、そういったものについては、いわゆる保守費用の中で対応することができます。

 本日御指摘のあったことにつきましても、注意書きも入っていないということでございますので、そういういろいろな「ねんきんネット」の改善に向けてのアドバイスというのは、日々、お客様からもいただくことにしていまして、幾つか寄せられておるところでございますので、それを踏まえて保守の費用の中でできるものは対応させていただいて、また、お金のかかるものにつきましては、局とも相談ないしシステム部門とも相談させていただいて、可能なものから対応していきたいと思っております。

 

○樽見年金管理審議官 そういうことでいうと、今日の予算の費用でいいますと、大きな4番「日本年金機構による公的年金業務の着実な実施」というところに入っておると御理解をいただければよろしいと思います。

 ここの中に、まさに年金機構に対する、これは交付金でございますけれども、ここで年金機構におけるシステムの運営、改善に関する経費というものは入っています。

 実は、昨年に比べてふえているというのは、全体のシステムの改善に係る部分で少しふえているということがあるわけでございますが「ねんきんネット」というだけでの、今のお話だとかっちりした計上というものはないのかもしれませんけれども、そういうシステム全体の改善の中でどう改善をしていくかということだと思います。

 

○岩瀬委員 大きいシステムの改修というのは計画立ててやられるのでしょうけれども、日常的にいろいろな声が上がってきて、そして、それをくみ上げて少しずつ使い勝手をよくしていく。そういう作業というのは、余りやられていないのではないかという気はするのですが、その点はどうですか。何か問題になったときだけやるという感じがしないでもないです。

 

○小森日本年金機構事業企画部長 「ねんきんネット」は開発段階でもいろいろな声を聞きながら開発しているのですが、開発した後も、いろいろ考えが至らないところで、ここが使い勝手が悪いというような御指摘というのが、いろいろお客様から「ねんきんネット」の相談窓口みたいなものも設けておりますので、そこに上がってきております。お客様からのご指摘を毎日、事業企画部長である私とか、担当のグループ長であるとか、参事役であるとか、関係者全員に情報がいく、ないしはシステム部門のほうにもいくということでございます。

 その中には若干誤解があるものもありますけれども、私が読んで確かにもっともだというものがあって、それらについてはどうしたら対応できるのか、システムの大幅な改修ないし経費がかかるのか。それとも、比較的、システムの保守点検の中でできるのか、すぐに対応できるのか、若干時間をかけなくてはいけないのか、いろいろありますので、改善可能なものから順次対応していっているということでございます。

 

○岩瀬委員 わかりました。

 そうすると、過去においてどういう要望があって、それによってどう使い勝手がよくなったのかというのを、今日でなくて結構ですので、簡単にまとめて教えていただくとわかりやすいかと思いますので、お願いしたいと思います。

 もう1点、個別訪問の強化なのですけれども、これはいつごろからこの個別訪問を強化してそれがどういう効果が出ているのか、これは続けていくのがいいのか、要するに、もっと別のやり方があるのか。その辺の過去の実績みたいなものを教えていただけませんでしょうか。

 

○樽見年金管理審議官 それは納付督励の話ですか。それとも記録の話ですか。

 

○岩瀬委員 すみません。納付督励の強化のお話です。

 

○深田日本年金機構理事(事業管理部門担当) 年金機構の事業管理部門の深田でございます。

 納付督励の関係のものは市場化テスト業者が行うものでありまして、今年、平成25年度にモデル事業を行いまして、人口当たりの未納者1万人当たりあるいは5,000人当たり、幾つかのケースに分けてモデル事業を実施してまいりました。そのときに出た、1カ月の保険料をいただくのに必要なコストがどれだけとれたか。つまり、たくさんとれれば人をふやしても全体のコストとしては低くなるということで、それを計算したところ、効果はかなり出たということでありまして、実質的にはコスト的にも下がった。1カ月当たりのコストは下がったということなので、これを今度は全体に広げていきたいということで、まだ、今年も継続して行っていますので、年末にかけてもう一遍集計し直した上で、どうするかを決めたいと思っています。

 

○岩瀬委員 その効果の中身なのですけれども、これは保険料が納付されたということなのか、それとも、いわゆる免除手続というものが促進されて全体的に数字が上がったからという、どちらなのですか。

 

○深田日本年金機構理事(事業管理部門担当) 両方です。

 

○岩瀬委員 その比率というか、どう見ればいいのか。

 

○深田日本年金機構理事(事業管理部門担当) 個別訪問の方は免除の獲得と、当然納付のほうも両方やっていますので、すみません。今、手元にありませんので、データをとってまたお話しします。

 

○岩瀬委員 わかりました。お願いします。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 では、磯村委員、どうぞ。

 

○磯村委員 裏面の(1)の厚年の適用調査対象事業所の促進策で、先ほどの御説明では国税庁からの源泉徴収事業所のうちの法人だけ、という意味の御説明がありました。

 これはたしか前々回であったか、法人だけなのかあるいは従業員5人以上を含む個人事業主も入るのかというお伺いをしましたところ、個人事業主で従業人5人以上は、厚年の適用対象事業所ではあるけれども、国税庁からのデータは個人情報の関係でもらえないというお話が、たしかあったように記憶しているのですが、この状況は今でも変わっていないのですか。

 

○大西事業管理課長 変わっておりません。

 

○磯村委員 そうですか。今の個人情報がネックになっているから厚労省には渡せないというのは、国税庁としての正式な回答ですか。

 

○大西事業管理課長 はい。

 

○磯村委員 文書か何かあるのですね。

 

○大西事業管理課長 文書はございません。

 

○磯村委員 文書ではなくて口頭ですか。

 

○大西事業管理課長 実際に、情報をやりとりする内容につきましては、マニュアルなどもつくりまして、そういう中でこういう情報をいただく・・・。

 

○磯村委員 文書か口頭かということを聞いているのです。

 

○大西事業管理課長 ということで、交換する情報の内容は、厚労省、国税庁との間で共有文書化してまいりますけれども、その交渉過程を文書化したものはありません。

 

○磯村委員 そうですか。その理由について、厚労省側はなるほどと心底から納得しておられますか。

 

○大西事業管理課長 やむを得ないと考えております。

 

○磯村委員 納得しておられるかどうか。

 

○大西事業管理課長 法令に基づいて、渡せないという以上は納得しております。

 

○磯村委員 どのような法令ですか。

 

○大西事業管理課長 税法上の、個人情報保護に関する諸規定だと理解しております。

 

○磯村委員 それは法人と個人と区別してあるのですか。あったら、その条文をお見せください。

 

○大西事業管理課長 では、その点につきましては国税庁に伺って用意したいと思います。

 

○磯村委員 2つ目、では、従業員5人以上の個人事業主で源泉徴収をしている事業所というのは、数字だけは個人情報で関係ないから出せますね。何件あると聞いておられますか。

 

○大西事業管理課長 聞いておりません。

 

○磯村委員 つい、先月、国税庁の数字が出ております。

 

○大西事業管理課長 聞いておりません。

 

○磯村委員 それをお聞きにならずに納得しておられるのですか。

 

○大西事業管理課長 その数字がどういうものか私は見ておりませんので、一概に申し上げられません。

 

○磯村委員 しかし、厚年の適用事業所でございましょう。当然、把握していなければいかぬ数字です。

 

○大西事業管理課長 厚生年金を適用している個人事業所の数字という意味でしょうか。

 

○磯村委員 そのとおりです。

 

○大西事業管理課長 約10万事業所ぐらいあると思います。

 

○磯村委員 いえ、今の源泉徴収の適用になっている5人以上の個人事業主。これは適用対象でございましょう。

 

○大西事業管理課長 はい。適用される業種の縛りはあります。

 

○磯村委員 原則としてね。そしたら、当然それは全体としてつかんでおいて、その中で非適用事業所が幾らかという差し引きをしなければいかぬわけですね。そういう数字をつかんだ上でやむを得ないと納得しておられるのだったらしようがないのですけれども、その数字もおつかみにならずに、ただ単に国税庁から言われましたから法人事業主だけを対象にしますというのは、いかがなのでしょうか。

 

○大西事業管理課長 国税庁のほうでオープンにしている統計がございましたら、それは私のほうで今後きちんとチェックしたいと思います。

 

○磯村委員 ぜひつかんで、一体、個人の適用事業主でどれだけがデータがもらえないために漏れるのか。その漏れる数字をきちんとつかんでおいてください。

 

○樽見年金管理審議官 御指摘を踏まえまして、確かに法律論でこういうことなっていますということで議論しているのですが、できるだけ適用すべきは適用するということに向けて我々は努力しなければいかぬという立場にございますので、今の御指摘を踏まえて、国税庁とできるだけきっちりと相談をしたいと思います。

 

○磯村委員 例によってくどいのですけれども、これは一種の不作為です。適用すべき事業所を適用しないまま、別のお役所が出せませんというからそれでしようがないですというのは、私は不作為だと思います。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 あと、ほかにございますか。よろしいですか。

 次に「その他」に移ります。議事次第では、「その他」となっておりますが、以前、当部会にも報告いただきました「年金の日」につきまして、事務局から報告があるということですので、お願いします。

 

○梶野年金事業運営推進室長 簡単に報告をさせていただきます。

 資料3でございます。「年金の日」、1130日ということで近くなってまいりましたので、状況報告でございます。

 1つ目の〇ですけれども、ここは非常に重要ですが、この趣旨に賛同いただいた金融機関、銀行、生保・損保、信金・信組、金庫等が行う年金相談会で「年金の日」や「ねんきんネット」の周知をお願いしているわけですが、現在、一部の金融機関が行う年金相談会等において、機構との協働イベントの実施を検討されています。

 2つ目の〇。「年金の日」前後1週間で「ねんきんダイヤル」の携帯電話の通話料の引き下げを今、整理しています。また決まりましたら詳細を改めて公表したいと思います。

 3つ目の〇。1130日当日「年金の日」イベントを開催し、シンポジウム、それから「わたしと年金」エッセイの大臣表彰式、落語家の柳家さん八さんに年金落語をやっていただくということです。

 4つ目は、機構で全国の年金事務所等で休日年金相談を実施していただくとか、5点目は、インターネット広告もやりますということで、いずれにしても先ほど来ありました「ねんきんネット」の加入をふやしていただくということを、一生懸命やっていきたいと思っています。

 以上です。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 何かこの件について、御意見等はございますか。

 岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 質問ですけれども、インターネット広告は幾ら予算がかかるのですか。

 

○梶野年金事業運営推進室長 これは正確な数字は覚えておりませんが、900万ぐらいの数字だったと思います。正確な数字は今、手元にないです。

 

○岩瀬委員 わかりました。

 

○大山部会長代理 ほか、いかがですか。よろしいですか。

 それでは、本日の議事等は全て終了いたしました。

 磯村委員、どうぞ。

 

○磯村委員 その前に、これはこの年金事業管理部会の議事になじむのかなじまないのかわかりませんが、少なくともこの年金事業管理部会というのは年金事業に関するいろいろな意見、提言を大臣に申すべき役割であると理解しております。

 その前提で1つ、これは提言というよりもお願いなのですが、先ほど話題になりました社会保険審査官・会、俗に官・会法と言われる法律に基づく独立した機関があるのだそうでございます。この独立した機関、ざっと3,000件程度の裁決というのか、審決というのをやっているのですが、そのうちの7割ぐらいは障害年金でございます。

 障害年金、これはもちろん年金事業の一環でございます。この判断が申し立てに対してイエスなのかノーなのかというのをこれは裁決というのでしょうか。審決というのでしょうか。言葉はわかりませんが、結論が出た事例が開示されているのですが、ホームページに開示されている事例がわずか50事例ぐらいしかありません。あとはどうなっているのかさっぱりわからない。かつて、平成18年ごろまでは、市販で業者が裁決事例集を売っておったそうですが、最近はどうもそれもないらしい。

 そうしますと、年金相談を扱う社会保険労務士さんとか、そのほかの関係者も含めて、一体、社会保険審査官や会がどういう裁決をしたのか、ほとんど見当がつかないのです。情報開示請求をすれば別なのでしょうけれどもね。

 一方、国税庁、これも実は年間4,0005,000件の税の異議申し立てを扱っておりますが、ここのホームページは非常に私ども素人が見ましても懇切丁寧、税にすれば懇切丁寧だと思います。それと類似の性格を持っている社会保険審査会のホームページと比較しますと、本当に情けない思いがいたします。これが年金事業の一環を担っている社会保険審査会のホームページかいなと、こんな感じがします。

 ぜひ、この辺は、国税庁のまねをしてくれとまではいいませんけれども、少なくとも裁決事例をもっとたくさん載せて、庶民にわかりやすいホームページにしていただくなどの是正をお願いしたいと思いますので、蛇足ながらお願いをしておきます。よろしくお願いします。

 

○大山部会長代理 どうぞ。

 

○梶野年金事業運営推進室長 社会保険審査会、法律に基づいていて、直接の権限はなかなかございませんけれども、国税庁のホームページと比べて見にくいという点につきましては、所管課にきちんとお伝えをしておりますが、また、今日御意見がございましたので、今日の御意見も含めてちゃんと伝えたいと思います。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、次回の日程等について。

 

○梶野年金事業運営推進室長 1128日金曜日15時から開催したいと思います。場所は後日改めて御連絡差し上げたいと思います。

 今日は、本当にどうもありがとうございました。

 

○大山部会長代理 それでは、本日の会議はこれで終了とさせていただきます。委員の皆様におかれましては、どうも活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。

 閉会いたします。


(了)

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