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2014年8月6日 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第67回) 議事録

政策統括官付政策評価官室

○日時

平成26年8月6日(水)15:58~18:06


○場所

専用第22会議室(18階)


○出席者

酒井部会長、金倉部会長代理、清水委員、中村委員、馬場委員

○議事

(以下、議事録)

○酒井部会長

 定刻より少し早いようですが、ただいまから第67回厚生労働省独立行政法人評価委員会・調査研究部会を始めます。本日は暑い中、また遠路からお集まりいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。本日は、委員の皆様におかれましてはお忙しい中御出席いただきありがとうございます。定本委員、田宮委員、丸山委員が御欠席と聞いております。それでは、本日の議事等について事務局からお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 御説明の前に、情報政策・政策評価審議官の異動がありましたので、御紹介いたします。安藤情報政策・政策評価審議官です。 

 

○情報政策・政策評価審議官

 安藤でございます。よろしくお願い申し上げます。

 

○政策評価官室長補佐

 それでは、本日の議事について説明いたします。本日の議事は、お手元の議事次第のとおり、医薬基盤研究所の平成25年度業務実績に係る個別評価についてです。

 なお、個別評価につきましては、前回と同様に、委員の皆様方には評定記入用紙、資料の1-3に評定と評定理由を記入しながら議事を進めていただくことになりますが、会議時間内に記入が終わらない場合につきましては、資料をお持ち帰りいただいて御記入いただくか、本日、評定記入用紙の電子媒体をメールにて送付させていただきますので、そちらのほうに御記入の上、御提出いただければと思います。その場合には、お忙しいところ大変恐縮ですが、88()までに事務局へ御提出いただきますよう、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○酒井部会長

 ありがとうございました。委員の皆様よろしくお願いいたします。それでは、議事に入ります。まず医薬基盤研究所の個別評価ですが、最初に理事長から御挨拶と平成25年度における業務実績のポイントの御説明をお願いいたします。

 

○医薬基盤研究所理事長

 医薬基盤研究所の米田と申します。本日はお忙しい中、またこのように暑い中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。私ども、本日は平成25年度の評価をしていただくことになるかと思いますけれども、これは、第2期中期計画の4年目に当たります。第2期中期計画では次世代ワクチンの研究、それからiPS細胞を使った創薬の安全性評価に関するような研究、それから難病治療のための研究といった大きく3つの重点的な分野を掲げて研究を進めてまいっているところであります。また、さらに難病とか希少疾病というのが私共にとりまして1つのキーワードになっておりまして、それの医薬品等の開発支援について、研究所を挙げて進めておるところでございます。

 それから平成25年度に特筆すべき点、創薬新ネットワークの本部機能を担うということで、創薬支援戦略室を立ち上げることができました。この創薬新ネットワークというのはご存知のことと思いますけれども、アカデミアで優れた基礎研究の成果を何とか医薬品として実用化につなげるための支援を行うということで作られた取組でありますけれども、基盤研と一緒に理研、産総研それから、それぞれを所管いたします省庁の厚生労働省、文部科学省、経済産業省だけではなく内閣官房の健康医療戦略室の方々からも力強いサポートをいただきながら、立上げ並びに運営を進めてまいったところであります。

 来年度には、新しく作られます独立行政法人である日本医療研究開発機構の中に恐らく、新戦略室の本部機能が移されることになるわけですけれども、この平成26年度においてもそれにスムーズにつながるような形でと考えております。それから、来年度以降も恐らく支援ネットワークが機能するためには、我々医薬基盤研究所と一体となって、連携を進めるということ、機能的に一体となって進めるというのは非常に大事だというふうに考えておりますので、そのための努力をしているところであります。

 それから、同じく創薬支援スクリーニングセンターというのも立ち上がりまして、抗体とか、人工核酸のスクリーニングもスタートしているところであります。

 それから、今年の7月には健康医療戦略が閣議決定されまして、その基本理念としまして、医療分野の研究開発における基礎的な研究開発から、実用化のための研究開発までの一貫した研究開発の推進及びその成果の円滑な実用化により、世界最高水準の医療の提供に寄与するということが定められております。我々基盤研といたしましても、この戦略に沿った形で、世界最高の医療の提供に資するための革新的な医薬品の創出ということを目指して、それを責務だと考えて、研究に取り組んでおるところであります。

 それから、来年度我々は国立栄養研究所と統合するということが決まっております。2つの少し異なる研究所が統合するわけですけれども、その統合に向けて、今正にいかに新しい独立行政法人になるかということを議論しているところであります。そういった取組をさらに進めて、新しい組織でどう、うまく我々が進んでいくことができるかということで、是非この評価委員会の先生方に御意見をいただければというふうに考えておりますので、どうぞ、本日はよろしくお願いいたします。以上でございます。

 

○酒井部会長

 早速評価に入りたいと思いますけれども、昨年と同じように4つのグループごとに評価を行いたいと思っております。

 まず、グループの1ですけれども、これにつきましては評価項目の14について行います。所要時間は法人の御説明を15分、質疑と評定の記入に15分の30分でやりたいと思っておりますのでよろしくお願いしたいと思います。それでは、法人のほうから平成25年度の業務実績と自己評価、S評価を自己評価で付けたところについては、その理由等について是非私たちも参考にしたいと思いますので、そのような御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。    

 

○医薬基盤戦略企画部長

 グループ1の説明をさせていただきます。お手元のカラー刷りの資料1-1を御覧ください。医薬基盤研究所の平成25年度の業務実績について御説明させていただきます。1ページが医薬基盤研究所の事業体系図です。上段にありますように、基盤研は大学などの基礎研究と企業の新薬開発などの間を結ぶ橋渡し研究の実施、複数の製品で活用できる共通の基盤的な技術の開発、安全性を確保しながら難病患者等の切実な要望に応え、画期的な創薬等に向けた基盤的研究の実施、これらをミッションとしています。

 創薬をめぐる現状と課題というのが、下段の黄色の所にあります。医薬品産業については他の産業分野と全く異なっている状況がありまして、新薬の開発には20年程度の期間と巨額の投資が必要なことが挙げられます。また、その成功率も、約3万分の1と極めて低いことも特徴です。このように、創薬は最先端の知識と技術の結晶で、先進国でしか実現できないというような状況です。このような現状に鑑みまして、創薬に特化した公的研究機関としての、医薬基盤研究所の存在意義があると考えています。このため、基盤研では中段の所に書かれていますように、左から4つの創薬関連の業務と、これらの業務を適切に運営するための組織などに関する業務ということで体系化しています。

 左のほうから説明しますが、1番目の業務は、研究所自らが創薬に向けた基盤的研究を実施する、基盤技術研究業務です。こちらの項目については、グループ2の所で御説明させていただきます。2番目の業務は、創薬研究に不可欠な生物資源の資源化と、研究者などへの提供を行う、生物資源研究に関する業務です。本項目についても、グループ2の所で御説明させていただきます。3番目の業務は、大学やベンチャー企業に対して研究・開発資金を提供するとともに、研究の進捗について指導、助言を行う研究開発振興業務です。本項目についてはグループ3の所で御説明させていただきます。4番目の業務は、アカデミア等の優れた基礎研究の成果を医薬品としての実用化につなげるための支援を行う創薬支援業務です。この項目についてもグループ3のところで御説明させていただきます。適切な業務運営のための組織・予算の所につきましては、効率化係数による削減と業務改善の取組状況などについての御説明となりますが、グループ1とグループ4のところに分かれていますが、それぞれ御説明させていただきます。

 大変恐縮ですが、資料のpart1&5となっていますが、5が誤植で4になりますので、御訂正いただければと思います。

 それではグループ1の中身に入らせていただきます。時間の都合上、ポイントとなるページのみ御説明させていただきますので御了承ください。

2ページです。グループ1は大きく分けて戦略的な事業の展開と、適切な事業運営に向けた取組の2つの事項からなっています。まず、1番目の戦略的な事業の展開の項について御説明させていただきます。評価項目1の「社会的ニーズ及び厚生労働省の政策課題を踏まえた戦略的事業展開」については、いずれの数値も数値目標を上回った成果を達成しており、また、国策にそって創薬支援戦略室を設置し、その運営が順調に開始されたことなどから、自己評定は「S」とさせていただきました。

4ページです。創薬支援戦略室の設置・運営について御紹介させていただきます。創薬支援戦略室は、我が国のアカデミアの優れた研究成果を医薬品として実用化するために、基盤研、理研、産総研を中心に構成する、オールジャパンの創薬支援体制である「創薬支援ネットワーク」の本部機能を担う組織として平成25年の5月に設置したものです。基盤研では創薬支援ネットワークの実施に向けて、基盤研全体をあげて取り組みまして、ここでは戦略的な事業の展開の1項目でもある、成果の普及及びその促進にも関係するシンポジウムの開催及び創薬支援ネットワーク棟という施設の構築について、特に御紹介させていただきます。なお、創薬支援ネットワークなどの本部機能の業務に関する創薬支援業務につきましては、グループ4のところで別途御説明させていただきます。まず、シンポジウムですが、平成25年の517日に公開シンポジウム、「オールジャパンでの創薬支援体制の構築に向けて」を開催いたしました。こちらは、基盤研、理研、産総研の3独立行政法人が主催したものですが、関西経済連合会に共催いただき、また、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、大阪府及び日本製薬工業協会の後援を受け、更には内閣官房の支援も受けるなど、産学官が総力を上げて開催したものです。また、当日も大阪府から松井大阪府知事、内閣官房の健康医療戦略室からは和泉室長、日本製薬工業協会からは多田副会長に御出席いただき、来賓の挨拶を頂くなど、非常に強力にバックアップしていただきました。その結果、全国から非常に多くの方に御参加いただき、最終的には予定していた会場には収まらなかったため、急遽会場を追加し、中継でつないで、シンポジウムの様子を御覧いただくなど、大盛況のうちに終了することができました。

 また、平成26121日にも、大阪府等と共同で「彩都産学官連携フォーラム2014サテライトシンポジウムinうめきた」を開催いたしました。内閣府、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省から後援を受け、更には日本製薬工業協会等、8組織からも協賛を頂き、成功裏に終えることができました。このシンポジウムの成功により、創薬支援ネットワークが産学官から継続的に、非常に力強い協力を頂いていることを示すことができたところです。

 次に施設についてです。平成25年には我が国初の抗体・人工核酸等を専門とするスクリーニング施設として、創薬支援ネットワーク棟を彩都に完成させており、今後創薬支援ネットワークの一環として、創薬支援戦略室等との密接な連携のもとで、アカデミアの技術支援を行ってまいります。

5ページです。外部評価についてですが、それぞれの事業内容に特化した外部有識者による各種委員会などを設置し、自ら研究する機関として、また、資金配分機関として評価を受けております。

6ページです。部門間の連携についてですが、所内における研究情報の交換・共有を促進するために、研究者ごとに研究を発表する、所内研究発表会などを実施し、研究連携等に役立てております。

7ページ以降は、研究成果の普及及び促進についてです。8ページは一般公開・講演会の開催等についてです。大阪本所の一般公開では、過去最高となる1,227名の方が来場されました。今回は近隣にございます日本赤十字社の近畿ブロック血液センター等と連携して開催し、当研究所の更なる周知に努めたところです。今後も同様の取組を進めていきたいと考えております。また、薬用植物資源研究センターなどでも、毎年一般公開等を行うことにより、地域の方々に対して研究の御説明や成果の普及に努めております。

9ページです。研究発表等についてですが、査読付論文は中期計画を上回る106報、学会発表は424回となっており、いずれも中期目標を十分に達成した件数となっています。特許出願件数は18件となっており、こちらも中期目標を大幅に上回る件数となっています。

 次に評価項目2、外部との交流と共同研究の推進についてです。10ページですが、共同研究の推進や研究分野の重点化を行うなど、研究環境の整備を行ったこと、また、従前から進めておりました次世代アジュバント研究会や創薬等モデル動物研究プロジェクトが積極的に進められており、十分な成果を上げていることから、自己評定は「A」としております。

11ページです。共同研究等の件数、金額等についてお示ししております。件数、金額とも昨年度と同様の水準ですが、平成25年度の後半には、一般社団法人グローバルヘルス技術振興基金から、結核ワクチンの開発に対して助成を受けるなど、基盤研の研究が基礎研究のみならず、開発までの幅広い分野にわたって成果を上げた結果、多数の企業、組織に関心を持たれていることを示すものと考えており、これらの共同研究を更に進めるよう取り組んでまいりたいと考えています。

 次に適切な事業運営に向けた取組の項について御説明いたします。このうち評価項目3のコンプライアンス、倫理の保持等については13ページ及び14ページを御覧ください。コンプライアンスにつきましては、引き続き研究に従事する者に対して、研修を行うなどの取組を行い、また、人事評価の活用等を通じて、業務改善、無駄削減についての取組を進めたことなど、十分な成果を上げていることから、自己評定は「A」とさせていただいております。

 また、評価項目4の外部有識者による評価の実施、反映の項につきましては、15ページと16ページを御覧ください。基盤的研究分野等において、外部有識者による評価等を実施し、相対的に評価の高いプロジェクトに対して、研究資金の追加交付を行っております。なお、本評価結果につきましては、机上配付資料として評価結果の一覧表を別途参考資料で配付しておりますので、そちらも御参考にしていただければと思います。また、ホームページのアクセス件数ですが、平成25年度は約140万件であり、昨年度よりは少ない件数となっておりますが、十分なアクセス件数を確保していることから、これらを総合的に勘案して、自己評定は「A」とさせていただいております。グループ1の説明は以上です。

 

○酒井部会長

 ありがとうございました。

 

○清水委員

 パート1の最初の評価項目の1項目なのですが、Sという評価を自己評価でされているのですけれども、目標を大きく上回ったというのは自らはどこを主張されているのかなと、少し分かりにくかったのですが、要するにAでなくてSだという。それほどの高い評価というのはどこをイメージして付けられている評価なのか、もう一度御説明いただきたいのですが。

 

○医薬基盤戦略企画部長

 こちらにつきましては、まず研究成果の戦略的な事業展開について、やはり目標を上回る大きな成果を上げたと考えていることから、Sに値すると思っております。具体的にはアカデミアの優れた研究成果を、医薬品として実用化するためのオールジャパンの創薬支援体制である創薬系ネットワークの本部機能を担う組織として戦略室を立ち上げて、運営が開始されたということと、個別の研究の中では、第二世代の薬物伝達システム機能を持たせた核酸アジュバントの開発に成功し、この成果が米国科学アカデミーに掲載されるとか、この技術が独立行政法人科学技術振興機構と企業の産学連携事業の産学共同実用化開発事業に採択されたこと、また、経鼻噴霧系の新規結核ワクチンの開発に関する研究について、官・企業・市民がセクターの垣根を越えてパートナーシップを組み、一般社団法人のグローバルヘルス技術振興基金から助成を受けたことなど、基盤研が推進していたものについて、実用化に向けた研究に対する支援を受けることができたということがございます。シンポジウム等については、複数回の数値目標を大きく上回り、7回開催したこと、公開シンポジウムでも、オールジャパンでの創薬支援体制の構築に向けての関係で、基盤研、理研、産総研が主催したシンポジウムを大盛況のうちにすることができたこと、また、一般公開の中でも、過去最高となる入場者数の1227名が基盤研に来ていただくことができたこと、また、論文発表数は、数値目標を大きく上回る高い水準を維持しているということで、106報出ていますが、このうちのインパクトファクター2以上のものが85報出ております。

 

○清水委員

 論文の数ですが、目標は幾つだったのですか。目標は100と書いてありますが、100なのですか。100に対して106ということですか。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

 確かに目標100に対しての106ですが、その中でもインパクトファクターが2以上のものが、85報入っているということで、単に数が超えたということではなくて、質の高いものが出ていると考えています。

 

○清水委員

 インパクトファクターの高いものというのは、目標ではどのぐらいをイメージしていたのですか。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

 もともとの計画の中ではインパクトファクター2以上の論文数として、幾らというような計画はありませんでした。

 

○清水委員

 ということは、予定していなかったけれども、80数件のインパクトファクターがあるものが発表されたということは、全てが計画を大きく上回る要因の1つとそのように考えていいですか。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

 また、前年度は68報でしたが、25年度は85報ということで、数も大きく延びておりますので。

 

○清水委員

 前年度と比べてという判断でいいですか。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

 はい。

 

○清水委員

 よく分かりました。それから、創薬支援戦略室についてですが、これはもともと当初は予定していなくて、25年度の途中から戦略室を作るような、そういう考え方で今年度作ったということですか。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

 室を作ること自体は、計画に則って行った形になります。

 

○清水委員

 私が聞きたいのは、いわゆる計画で想定されているものをそのままやったということではないのかということです。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

 もともとは中期計画や中期目標を作る段階ではなかったものですが、国策の中でこういった施策として新しく盛り込まれてきたという背景の中で、その計画に沿って実行したということです。

 

○清水委員

 すると決定したのはいつの時点ですか。25年に入ってからということですか。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

24年の6月頃かと思います。

 

○清水委員

24年の6月というと、25年度の前の期ですか。前の期に計画していて。計画したものをその計画通りにやっているので、それは独法の評価のベースでいくと「B」ではないかなという気もするのです、そこだけ見ると。それを「S」の要因の1つに挙げてくるという、その辺の説明がもう少し必要と思います。言われていることは分かりましたが、今一つ納得感がある形で頭に入ってこないというのが私の感想です。

 それから、もう1つだけお聞きしたいのですが、評価項目3の所で、コンプライアンスと倫理の保持についての御説明があったのですが、回数をやられたことは分かったのですが、例えば全体の受講率のようなものというのはどのぐらいですか。受講された人。何回やって受講率がどのぐらいだったか、そこを御説明いただきたいのですが。

 

○医薬基盤研究所総務部長

25年度は研究に従事する職員に対して、研究者倫理に関する研修を行ったのですが、手元にはないのですが、大半の職員は受講していると考えております。

 

○清水委員

 研修では、実施したというよりも、受講率そのものが、ちゃんと受けているかどうかが重要だと思うのですが。

○医薬基盤研究所総務部長

 会議室は50人ぐらい入れる会議室と、あと、北海道や筑波などを中継で結んでやっていますので、その会議室がスカスカであったということはありませんので。

 

○清水委員

 感覚的に言うと結構高いという。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 そのように理解しています。

 

○清水委員

 はい、分かりました。ありがとうございました。

 

○金倉部会長代理

 今の続きですが、それを義務付けているというわけではないのですか。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 強制ではやってはいないのですが、業務のほかの予定がないところを狙ってといいますか、事前に周知をしてなるべく研修には参加をしていただくように配慮をしているというところです。

 

○金倉部会長代理

 年に何回やられているのですか。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 昨年は1回だけだったのですが、その前はコンプライアンスの研修であるとか、毎年毎年変えてコンプライアンスについては啓発をしているということです。

 

○金倉部会長代理

 分かりました。

 

○馬場委員

 今の御議論に関連するのですが、最初のグループ1のいろいろなものが、結局個別事業とかなりオーバーラップしている部分が多いですよね。先ほど議論がありました、例えば研究業績。論文を見ても個々のあとの個別の成果を見ればすばらしい成果が上がっていると一目瞭然なのですが、それは例えば9ページにあるような先ほど御意見ありましたが、104報でIF2以上だから「S」だという表現はなかなか馴染まない。実際にあとの業績を見ていただき、ネイチャーとかPNASとか本当のトップジャーナル、非常に世界的に評価の高いものに業績が幾つか出ているわけですよね。やはりそれを「S」というのであれば104報に達したからではなくて、普通ではあり得ないなかなか難しい極立った成果が得られているということが分かるような表記にされたほうが、逆に言うと、最初の創薬支援数ですが、part4で意見を申し上げようと思うのですが、これにしても個々の事業課題についての評価と、最初の前段のところがある程度オーバーラップするところがあるので、最初のところはいろいろなものが入っているから、その資料だけではなかなか評価しにくい。そこの分かりにくさがあるように思うのですが。

 

○酒井部会長

 何か法人の皆さんからコメントありますか。よろしいですか。ほか、いかがでしょうか。

 

○中村委員

 創薬支援室は、新しい、しかも国の重要な取組ですが、皆さん方が中心になり、順調に推移しているということは高く評価したいと思っています。ただ、それが具体的にどうであるかという評価は、今後の展開にかかっていると思っております。もちろん、その前段として2つのシンポジウムが成功裏に行われたということは非常に良いことだと思っています。そう考えた上で、自己評価はSですが、特に評価に値するというところが他に何かあれば教えてほしいのですがいかがでしょうか。事前の取組、戦略室を立ち上げるに当たっての特段優れた事柄があるのでしょうか。戦略室の成果そのものはこれから出てくるのだろうと思うのですが、この段階といいますか、準備するに当たって特段にこういうことがあった言うことがあれば教えて下さい。

 

○医薬基盤研究所理事

 先生の御質問にダイレクトに答えられるか自信がないところもあるのですが、まず創薬支援戦略室というのは、先ほど当方から説明がありましたように、構想としては24年度には既にありました。ただし実態は詳細な設計等は何もなく、準備室が立ち上がったのが41日です。最初に私が準備室長に着任し、そこから具体的な準備を始めたと。その後、516日に官房長官が創薬支援戦略室の、当時の言葉で申し上げますと、日本版NIHに先行して創薬支援戦略室を設置するというアナウンスメントがございました。これが516日でした。このシンポジウムは517日で、この40数日間の間に、事業の骨子を設計し、シンポジウムで、これはただ単にシンポジウムを行ったということだけではなく、ここに書いてあるとおり、主催、理研、産総研、基盤研の3独法で、綿密な打ち合わせをしました。これはシンポジウムのプログラムを打ち合わせるためではなくて、事業の骨子を明確なものにして、このシンポジウムの開催にこぎつけました。国との調整も非常に困難なことでした。その結果、ここに示させていただいたとおり、非常に盛況で、日本全国から注目を集める質の高いシンポジウムになったと考えております。

2番目のシンポジウムは、我々の事業を展開していく中で、基盤研は関西にありますので、その枠の中で、新たな取組としてのシンポジウムを開催させていただいたのですが、こちらは地域を限定していたということがありまして、参加者は第1回目の全国版よりは少なくなっておりますが、一定の成果を示すことができたのではないかと、そのように考えています。

 

○酒井部会長

 関連して、先ほど2回のシンポジウムを加えて7回されたというように聞いたと思うのですが、ほかのシンポジウムはどういう内容のものをされているのですか。

 

○医薬基盤戦略企画部長

 すみません。資料1-2の横長の業務実施評価シートの3ページを御覧ください。この7回というのは、創薬支援だけではなく、ほかにシンポジウムやフォーラムということで、一番右側のところに「研究成果の普及及びその促進」という項目の(2)の所で公開シンポジウムや、薬用植物のフォーラムや霊長類医科学研究フォーラムなどを開催したということです。

 

○医薬基盤研究所理事長

 すみません。創薬支戦略室ということで説明させていただきますと、西日本で本部機能を担うということでスタートしたのですが、やはり東日本にも統括部がいるだろうということで、東日本ににも設けさせていただいて、全国2か所で支援事業をやったということに関しては、やはりかなり上回った事業だと私は理解しております。

 

○中村委員

 説明がなかったのですが、こちらのシートのほうには特許件数が大幅に目標を上回っているというのがありますね。たしか6件に対して18件ですね。ここも評価の対象だと思うのですが、いかがでしょうか。

 

○医薬基盤戦略企画部長

 中期計画では5年間に30件となっておりますが、既に平成22年度からの累計では今現在で53件となっています。

 

○中村委員

25年度には18件の出願ですね。

 

○医薬基盤戦略企画部長

 はい、25年度で18件です。

 

○中村委員

 そうですね。1年度で6件という目標に対し、頑張っている数字だと思います。

 

○医薬基盤戦略企画部長

1年当たり6件と比べると多いと考えています。

 

○酒井部会長

11ページの共同研究の推進ということですが、ここに挙がっている数字というのは、共同研究、受託研究、奨励寄付金ですので、競争的研究資金はこの中に混じっていないという理解でよろしいのですか。

 

○医薬基盤戦略企画部長

 入っていないという理解です。

 

○酒井部会長

 ほか、いかがでしょうか。もしよろしければ記入を進めていただきたいと思いますが。ホームページのアクセスで、平成25年の場合に、5月が15万件ぐらいでややピークがありますが、ほかの月は10万件から11万件ぐらいですが、ここは15万件を超えているようですが、これは何か5月には特別なことがあったのでしょうか。

 

○医薬基盤戦略企画部長

 これも詳細な解析ができているかというところは若干あるのですが、25年度に創薬支援戦略室が立ち上がったことの関係もありますので、その関係で多分基盤研について興味を持っていただいた人たちがホームページにアクセスをかけてきたのかなと考えています。

 

○医薬基盤研究所理事長 

516日に立ち上がりました。

 

○酒井部会長

 はい。

 

○馬場委員

 些細なことなのですが、分かったら教えてほしいのですが、10ページの2のNMR施設等の外部利用の推進というのが書かれて、NMRの成果非公開型、外部利用あるいは、公開型外部利用で182時間とか各々書いてあるのですが、これは外部のいろいろな機関の人にこういうのをどんどんNMRを使ってくださいと、あるいはそのときに技術協力か何かをされているのですか。単に機械として一般に使いたい人はどうぞというようにやられているのか、ある程度技術的な。

 

○医薬基盤研究所理事長

 私のほうから答えさせていただきます。これは、実際には企業の方とかが使いに来られるのですが、我々のほうで専門のNMRを使う専門職員がおりますので、使用に当たっての技術的な支援をしています。

 

○馬場委員

 要するに、外部利用ということをメインにしている機器というように考えればいいのですか。

 

○医薬基盤研究所理事長

 もちろん所内の者も研究で使っておりますが、それ以外に外部からも受け入れています。

 

○医薬基盤戦略企画部長

 平年と比べてそれほどでこぼこがあるという状況ではありません。

 

○馬場委員

 この程度外部の人も利用しているという。

 

○医薬基盤戦略企画部長

 もともと特に目標数値として設定されていない中で、実績としてこのぐらい利用していただいているという御説明になります。

 

○馬場委員

 はい、分かりました。

 

○酒井部会長

 それでは先へ進みます。グループ2で、評価項目510について、法人の説明15分、質疑評定の記入15分でお願いします。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

  グループ2の関係でご説明させていただきます。こちらは本研究所で行っております基盤的技術研究と、生物資源研究に関する御報告になります。昨年と同様に全部のものを網羅的に御説明させていただくのではなく、評価項目ごとの代表的な研究をまとめた資料をこの1753ページまで用意いたしましたので、本日はそれらについて御説明させていただきます。なお、個別に御報告させていただかない研究成果についても、54107ページまでに掲載しておりますので、御参考にしていただきたいと思います。

  初めに17ページですが、ここにありますように基盤的技術研究、生物資源研究ともに3つの評価項目から成り立っています。各評価項目につき自己評定並びに代表的なプロジェクトの概要と研究成果について御報告いたします。1ページめくっていただいて、下段の19ページを御覧ください。まず基盤的技術研究の評価項目5の、次世代ワクチンの研究開発の項についてです。こちらの自己評定は「S」としております。これはワクチンのアジュバントの開発に成功し、国内製薬企業への導出、医師主導治験の開始、大型プロジェクトへの採択などから特に優れた成果を達成したと考えることによるものです。

  20ページを御覧ください。アジュバント開発プロジェクトではアジュバント開発に特化した研究を行っており、安全性及び有効性の高いアジュバントの開発研究及び治験等の実用化に向けた研究を行っております。21ページ、こちらは核酸アジュバント入りのマラリアワクチンの研究で、大阪大学附属病院、大阪大学微生物病研究所、バイオベンチャーのジーンデザイン等とアカデミア治験チームを構築して進めているものです。日本初の核酸アジュバントを使用したマラリアトラベラーズワクチンについて、今年度から第I相の医師主導治験を開始いたしました。この試験は阪大病院では初の健常人に対する医師主導治験です。今後はマラリアワクチンに加え、同じアジュバントを用いた肺炎球菌ワクチン等のワクチンについても前臨床の共同研究を開始する予定です。

  22ページ、こちらは薬物伝達システム機能を付加した新規のアジュバントの作成に成功し、この成果は各種メディアでも取り上げられています。また、この技術は科学技術振興財団の産学連携事業の大型プロジェクトとして採択され、開発を継続し実用化を目指しております。23ページですが、御説明申し上げた業績等から本プロジェクトのプロジェクトリーダーが、THE WORLD MOST INFLUENTIAL SCIENTIFIC WORLD2014に選出されています。こちらは引用回数の多い論文著者を元に選出されていることから、その分野において世界トップレベルでの実績を出していることにほかならず、非常に名誉なことと考えております。以上より、特に優れた成果を達成したものと考えております。

  25ページは、基盤的技術研究の評価項目6の医薬品等の毒性等評価系構築に向けた基盤的研究の項についてです。本項の自己評定は「S」としております。こちらはiPS細胞を用いた研究で、心筋細胞となる可能性のある細胞をより早期の段階で分離することに成功し、毒性評価系の構築に大きく前進したためです。26ページは、幹細胞制御プロジェクトですが、こちらは遺伝子を導入することにより、ヒトiPS細胞から心筋細胞等への高い効率での分化誘導技術を開発し、創薬研究を加速することを目的として分化誘導した心筋細胞などを、新薬の毒性評価に用いる系の構築を行っております。

  ヒトiPS細胞を用いた毒性評価試験は心毒性評価系ではヒトiPS細胞由来の心筋細胞の純度が低く、ロット差が大きいこと。神経毒性の評価系では薬物が血液から脳内へ移行する過程が反映できていないことなどが問題とされており、現在も評価系の開発が勢力的に行われています。本プロジェクトでは細胞分化の早期の段階で心筋細胞になる可能性のある細胞分離に成功し、また薬物の脳内への移行も包括した全く新しい神経毒性評価系を構築する基盤技術を開発することに成功しました。

  27ページを御覧ください。脳の毛細血管の細胞は、通常の血管に存在する細胞とは異なる特殊な構造を持ち、それにより血液から脳への薬物等が移行することを防いでおります。左の図に示しますように、ヒトiPS細胞由来の血管内皮細胞を、ラットグリオーマC6と呼ばれる細胞を培養することで、御説明したような脳血管特異的な性質を持つ細胞を得ることに成功し、特に優れた成果を達成しました。このヒトiPS細胞由来血管内皮細胞及びヒトiPS細胞由来神経細胞を用いたモデルが確立できれば、薬物の脳内移行性を考慮した精度の高い神経毒性、薬効評価系の構築につながります。

  28ページです。アレルギー性疾患において重要な役割を果たすマスト細胞がありますが、これは組織の中に存在するため採血等の低侵襲な方法では得ることができません。ヒトから採取することが困難とされています。このプロジェクトでは独自の培養法を用いて、2つの図にお示ししますようにヒトiPS細胞からマスト細胞様の細胞を分化誘導することに成功し、中期計画を大幅に上回る成果を達成しました。今後はヒトiPS細胞由来のマスト細胞を用いて炎症性の腸疾患に対する、いわゆる試験管レベルでの薬効スクリニーング系の構築を目指しております。

  次に3031ページでは、基盤的技術研究の評価項目7の難病治療等に関する基盤的研究の項についてです。こちらの自己評定は「A」としております。これは企業との共同研究等による難病のバイオマーカーや治療法の創薬研究が進み、十分な成果を上げていることによるものです。次に32ページ、免疫シグナルプロジェクトですが、こちらは潰瘍性大腸炎・クローン病のバイオマーカー及び抗体医薬品としてのLRGの開発研究を行っております。潰瘍性大腸炎は、難病として知られている炎症性の疾患で有効なバイオマーカーがなく、病気の状態を把握するために、全例大腸の内視鏡での検査が施行されている状況のため、バイオマーカーの同定が急務となっております。また、潰瘍性大腸炎・クローン病に最も有効とされておりますTNF-α阻害抗体を使用したときの寛解率、良くなる比率ですが、これは43%で、有効な治療法の開発も求められております。

  本プロジェクトでは、炎症性の疾患において値が高くなるLRGというタンパクを見い出し、これを潰瘍性大腸炎のバイオマーカー・抗体医薬品のターゲットとして開発することを目指しております。33ページでは、左の図に示しますように、潰瘍性大腸炎の患者におけるLRGの変化率は内視鏡のスコアと相関が認められ、内視鏡をスキップできるバイオマーカーとして、要するに内視鏡の代わりに評価できるようなバイオマーカーとしてPMDAと事前面談を実施しました。現在も臨床性能試験を継続しております。また、右の図に示しますとおり、LRGの欠損マウスを作成し、野性型マウスと腸炎の程度を比較するとLRG欠損マウスで症状が軽いことが確認され、LRGが潰瘍性大腸炎の病態形成に関与することが明らかとなりました。

  本研究については、PMDAとの事前面談も実施しており、バイオマーカーと治療薬の両面で開発が進んだことから、計画を上回る成果を達成したものと考えております。平成26年度は、バイオマーカーについては臨床データの収集を継続し、その後承認申請を目指します。抗体医薬品は平成2627年度に前臨床試験を終了し、その後の臨床試験への移行を目指しております。

  次に、3537ページですが、こちらは生物資源研究の評価項目8の難病・疾患資源研究の項についてです。こちらの評価は「A」としています。これは難病研究資源数、バイオ細胞の収集数、細胞バンクの供給数、それから疾患モデル動物の開発数、マウスの系統の分譲数がいずれも目標を上回る成果を達成したことによるものです。

  38ページを御覧ください。培養資源研究室では厚生労働省所管の施設が有する唯一の細胞バンクとして、国内外の研究者に高品質な細胞を分譲しております。39ページですが、平成25年度の細胞分譲実績は、ヒューマンサイエンス研究資源バンクとの統合もありまして、前年度に比べ、117%増で4,277アンプルに達しております。目標の3,000アンプルを大きく上回る成果を達成しております。今後は細胞情報を公開し、特に海外分譲に関するシステム、会計に関するシステム開発を行い、利便性の向上・利用拡大を目指しています。

  次に、4142ページですが、生物資源研究の評価項目9の薬用植物の項についてです。こちらの自己評定は「S」としております。43ページですが、薬用植物資源研究センターは北海道・筑波・種子島に研究部を有する国内唯一の薬用植物に関する総合研究センターです。このセンターでは、薬用植物資源を国民の健康増進に役立てるため、薬用植物の収集、保存、供給、情報の整備、提供、それから保存・増殖・栽培・育種に関する必要な技術並びに化学的・生物学的評価に関する研究開発などを行っております。

  平成23年度は、産学官連携により世界で初めて甘草の水耕栽培に成功し、土譲汚染や残留農薬等の影響を受けないクリーンな甘草の国内栽培を可能としたことによって、内閣府の第9回産学関連携功労者表彰で、厚生労働大臣賞を受賞しております。

  44ページを御覧ください。厚生労働科学研究事業として、今までになかった大規模な薬用植物総合情報データベースを構築し、基盤系のホームページにおいて平成253月より一般に公開いたしました。平成2512月末までに2万回以上の検索が計測され、Google等の検索エンジンでは常にトップにヒットし、大きな注目を集めております。第2期の研究事業として、トランスクリプトーム・ゲノミクス情報等の新規カテゴリーを追加し、解析研究も実施したことから特に優れた成果を達成したものと考えております。平成26年度からは更なる情報の収集、公開を予定しており、日本で使用される全ての生薬に関する情報の収集及び公開を目指しています。

  45ページです。薬用植物のニンジン、いわゆる朝鮮人参とか高麗人参と呼ばれているものですが、通常5年以上の栽培期間が必要です。この中では特に1年で薬用部位の取得、要するに薬になるニンジンが育てられるという水耕栽培法に成功したことがあります。これにより、漢方原料生薬のニンジンの短期間での効率的な栽培が可能になり、特に優れた成果を達成したものと考えております。平成26年度は市場流通生薬との化学的、生物学的同等性試験を予定しており、その後水耕栽培品の局方生薬としての認可、生産、流通を目指しております。

  46ページは、インドネシア産の薬用植物から抗C型肝炎ウイルスの活性を有する物質を得て、これを分離、構造解析し、特殊な構造の化合物であることを特定しました。本化合物の抗C型肝炎ウイルス活性の報告は成されておらず、現在特許申請の準備中です。平成26年度は新たなインドネシア産及びインド産植物からこのような化合物の探索を行い、創薬資源としての活用を目指しております。

  最後に4849ページですが、生物資源研究の評価項目10の霊長類の項についてです。本項の自己評定については「S」としております。50ページの霊長類医科学センターは、国内唯一の医学実験用霊長類センターです。本センターは医学研究の発展に役立てるため、新薬の開発における重要な実験動物である、カニクイザルを約1600頭飼育しており、世界で最も清浄化されたSPFカニクイザルの繁殖育成及び供給、並びにカニクイザルを用いた医学研究、外部研究者に対する支援を行っております。平成25年度中に世界最大級の感染症実験施設、こちらを完成させ、今後この施設を用いてインフルエンザや結核の感染症研究やワクチン開発の推進が期待されております。

  51ページでは、左上の表にお示ししていますように、世界的にも貴重な人為的に有害な病原体を除去したSPFサルを継続的に増やすことに成功しており、また下の図にお示しておりますとおり、安定的なカニクイザルの生産及び供給を行っています。次に52ページですが、世界唯一の経鼻噴霧型の新規結核ワクチンの実用化を目指した創薬研究を行っております。経鼻噴霧型結核ワクチンは呼吸器粘膜に粘膜免疫を誘導し、安全性及び有効性の高い結核ワクチンとして実用化が期待されています。平成25年度は、ヒトパラインフルエンザ2型ウイルスを用いてベクターを作製し、これにより新規の結核ワクチンを作製したことで十分上回る成果を達成したと考えています。今後、ビル・ゲイツ財団を初め、複数の海外NGO法人の協力の下、追加の非臨床試験を実施し、早期に治験の開始を予定しております。

  53ページです。現在ヒトB型肝炎ウイルス、ヒトC型肝炎ウイルスに対する動物モデルは存在せず、治療薬の開発が困難であることから、このセンターにおいて自然感染のモデルを作製する研究を行っております。C型肝炎ウイルスに感染するTupaiという動物がおりますが、この繁殖コロニーの作製とB型肝炎ウイルスに継続的に感染する個体の樹立に成功し、更にはC型肝炎ウイルスの非構造タンパクが治療用ワクチンの標的抗原となり得ることを確認し、特に優れた成果を達成しました。今後はモデル型の維持法を確立することにより、繁殖コロニーの構築を実現し、研究開発向けのTupaiの供給を目指していきたいと思っております。グループ2については以上です。

 

○酒井部会長

  ありがとうございます。委員の皆様、御質問等ございますか。

 

○馬場委員

  まず最初の毒性評価のところなのですが、iPS幹細胞制御プロジェクトのグループの研究ですが、これはいろいろなところ、例えば京大の山中先生の研究所をはじめ、日本中でやっていますが、基盤研は毒性評価という視点からそれに必要な細胞の樹立を行うということで理解してよろしいのですね。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

  薬をつくっていくうえで、毒性評価に役立つものをつくっていきたいと考えています。

 

○馬場委員

  それに特化してやっているのですか。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

  一部再生医療研究などもあるとは思うのですが、基盤研の大きな目的の一つとしては薬をつくるための。

 

○馬場委員

  それで脳血管の微少血管特有の血管内細胞を樹立したということ、それからマストセルの樹立ができたということ。これは2728についてはこれまで論文化されてないのですか。他のいろいろな成果については、表の中に論文として出されていると記載があるのですが、これはこれからと理解してよろしいのですか。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

  これからです。

 

○馬場委員

  次に37ページのカニクイザルのSPFを、さらなるクリーンなカニクイザルをというのが、どこかに書いてありましたね。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

  50ページ辺りです。

 

○馬場委員

  この資料で、SPFよりさらに高度なクリーン度というのは、一般的に要求される基準と考えていいのですか。そこのところが私はよく分からかったので。

 

○医薬基盤研究所

  一般的にサルのSPFというのは、白血病ウイルスや、それと結核がないというのが、一般的にSPFと称するものなのですが、他の動物と比べると、ほとんど関係ないウイルスなので、今我々は、他の動物と近いような、麻疹ウイルスもない、EVウイルスもない、サイトメガロもないというような、ヒトに近いようなものを作ろうとしています。

 

○馬場委員

  わかりました。それから最後に薬用植物のところで、甘草をはじめ今回はニンジンも含め水耕栽培というのをかなり精力的に取り組まれて、例えば45ページでは新しいニンジンの水耕栽培で薬局方記載の成分規格値に合致したものができたということなのですが、他方漢方の薬用植物は、産地とか生育条件によって有効性がずいぶん変わるということがよく知られているのですが、水耕栽培をこれだけきちんとやられているのだったら、その有効性は。ただ漢方の有効性は短期間で出すのは困難なのですが。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

  これは薬局方というのがありまして、薬として保つべき水準の薬効があるものに合致する生薬、この薬局方の水準に達成するニンジンが1年でできたというのが、この研究のミソになっています。

 

○馬場委員

  薬局方で規制されている成分値をクリアしているということを、水耕栽培の条件設定にされていると理解していいのですか。

 

○医薬基盤研究所戦略企画部長

  薬局方に合致していないと、逆に言うと生薬として利用できないので、そういうものができるという条件のもとで、さらに栽培期間を短くするところに目標設定をしました。

 

○馬場委員

  はい、わかりました。

 

○金倉部会長代理

  核酸アジュバントの開発は、すごくよろしいかと思います。それからiPSからいろいろな細胞を作っていますが、若干疑問に思うのですが、グリオーマのC6細胞と共に培養する脳の血管内皮細胞についてですが、血管内皮にも脳血管に特異的な血管内皮というのがあるわけですか。

 

○医薬基盤研究所理事長

  それは私のほうから。ブラッド・ブレーン・バリアを構成するような脳の血管内皮細胞と理解していただければと思います。他の体中の内皮細胞に比べてかなりタイトな結合をしていて、物質の通過がほとんどできない、そういう脳のバリア機能を持ったような血管内皮細胞を再現できるようなところまで来たと、そういう実験であります。

 

○金倉部会長代理

  これはグリオーマC6細胞と共培養するということが必須なわけですか。

 

○医薬基盤研究所理事長

  というふうに聞いております。

 

○金倉部会長代理

  これは接触していないで、フィルターで区切って培養している。液性の因子が。

 

○医薬基盤研究所理事長

  実際には接触していないけれども、ということだと理解しております。

 

○金倉部会長代理

  これは再現性が良いのですか。

 

○医薬基盤研究所理事長

  再現性があるので、ここに出てきていると理解しております。

 

○金倉部会長代理

  それから、マストセルを炎症性腸疾患に何で使っているのか、もう一つわからないのですが。マストセルはアレルギーには関係していますけれど、炎症性腸疾患とどう関係するのかというのが、よくわからないのですが。

 

○医薬基盤研究所理事

  マストセルは先生が御指摘のとおり、従来はアレルギー反応、特に皮膚のアレルギーであるとか喘息等の発現に非常に重要な役割を担っていると整理されてきたのですが、最近では炎症性の腸疾患との関わりというのが、臨床的にも基礎的にも動物を使ったモデル等で指摘されておりまして、製薬企業としては新しい創薬のターゲットとして注目を浴びているところです。

 

○金倉部会長代理

  マストセルを標的にすると、どういう効果が見られるということになるのですか。確かにマストセルは動脈硬化層にもいるということは知られているし、いろいろな病態に関係しているということはわかっているのですが。

 

○医薬基盤研究所理事

  例えば古典的には、マストセルスタビライザーといったようなもの、膜を安定化するという形で整理されてきたもの。例えばトラニラストとか御存知だと思いますけれども、そういう化合物が同じマストセルでも反応性が違う。従来はラットのRBRという細胞をマストセルと位置付けて使ってきたのですけれども、これをヒト由来のマストセルを使うというところで、創薬研究の精度も上がるし、成功確率も上がるのではないかと、そんなふうに期待されているところです。

 

○金倉部会長代理

  それは十分に理解できます。ヒトからマストセルを抽出するのはなかなか難しいと思いますので、重要だと思います。もう一つ、LRGというのがどういうものなのか。面白いとは思うのですが、IL-6で誘導されない、そういうタンパクであって炎症性疾患のマーカーとなるというのは、これはどこに存在していてどういう機能を担っているのかというのがわかっていたら、教えてください。

 

○医薬基盤研究所理事長

  LRGというのは、leucine-rich glyco proteinの略です。これは血中に存在するタンパク質であることはわかっているのですが、どういう働きをするかということに関しては、まだまだわかりません。それも研究者としては非常に興味深い対象になると思いますし、炎症のマーカーになるということで臨床にもっていくという、そういう2つの研究を進めているところです。

 

○酒井部会長

 先へ進みます。続いてグループ3、評価項目1114です。法人の説明は20分、委員の質疑と評定の記入に15分、35分でやります。よろしくお願いします。

 

○医薬基盤研究所研究振興部長

 私から説明させていただきます。part3で、108ページです。国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項、個別的事項2です。3.研究開発振興で、3つの事業から構成されております。(1)先駆的医薬品・医療機器研究発掘支援事業、(2)希少疾病用医薬品等開発振興事業、(3)実用化研究支援事業及び承継事業となっております。

 こちらの3つの事業ですが、分かりやすくするために、各事業について1枚のサマリーを付けております。そのサマリーの中でSABC評価がどうして評価になるのかという点について、その根拠と今までの実績を明示した上で、どうしてその評価になるのかというところを1枚でまとめております。詳細なデータは、112ページ以降、167ページと別冊になりますが資料1-2の業務実績評価シートにもありますので、併せて御参照いただければと思います。

 評価項目11の研究開発振興、先駆的事業の説明をさせていただきます。事業概要ですが、113ページを御覧ください。この事業の特色ですが、研究開発上のリスクが高くてなかなか研究が進まない、主体的な開発が困難な領域に特化して、具体的には113ページの左側にあります外部評価機能、充実した事務局機能ということから、PDPOを主体とした指導・助言を行っております。

 その中の真ん中下ほどにありますように、研究計画の審査とか、成果報告、書面評価を経まして、進捗状況等報告会、実地調査、指導・助言というPDCAサイクルを回しながらの進捗管理を行っております。丁寧な進捗管理ということで、現場に赴いたり先生方とじっくりディスカッションをするといった機会を設けまして、そのページの右下にありますように、今まで治験の段階に達した研究プロジェクトが計10件ということで、トータル支援を109件行っておりますが、11分の1の高い確率となっているわけです。過去の支援事例としましては、山中先生のヒトiPS細胞の樹立に関する研究に対しても、当部から支援を行っております。

 ページを戻っていただきまして、こうした支援の形態をとっているわけですが、数値目標として2つ設定をしております。1つは、採択課題1件当たりの査読付きの論文数で、これはトータルとして平成25年度では189件ということで、プロジェクト1件当たりでは6.09になります。年度当初が4.07ですので、年度当初と比べて50%増ということで、目標値が10%ですので、今回は50%達成してその目標を超えたと判断しております。

2つ目が実用化が見込まれる研究プロジェクトの割合で、これは目標が4割となっておりますが、平成25年度の終了課題は10件中5件ですので、これも5割ということで目標を達成していると考えております。平成25年度までの成果実績についてですが、先ほど紹介しましたPDPO制度による進捗管理、外部評価によって研究の進捗が図られたと考えておりますし、特許件数についても出願数が458、登録件数が57件の高い数値になっていると考えております。治験まで進んだものが10件です。

 最後にありますように、広報活動の強化も努めておりまして、成果発表会とか、産学橋渡しセミナーの開催を通じて、広く国民へ普及啓発を行っております。こちらのレポートについては当方のホームページでも載せているのですが、いろいろな所から要望がありますので、学会等の際には積極的に配布をしておりますし、日英両方でパンフレット等は作っております。以上、全体を見ますと数値目標を上回っておりますので、自己評定は「A」とさせていただいています。

110ページは希少疾病用医薬品等開発振興事業ということで、評価項目の12です。こちらの事業の概要ですが、希少疾病、オーファンドラッグ、オーファンデバイスについては、マーケットメカニズムに基づいてなかなか開発が進まないことがありますので、各種の助成事業とか、PDPO制度による助言システムをフル活用しまして、開発を進めていて、大臣指定を受けた後、例えば開発費用に関する助成金の交付とか、税額控除に関する申請書の認定とか、指導・助言を行っておりまして、このページの右側のほうに「指導・助言業務」が出ているかと思うのですが、平成25年度に助成金を交付しました26品目に対しまして、適切な指導・助言を行ったと考えておりまして、10品目が承認申請に至っております。

 この事業の数値目標について申し上げます。数値目標は、説明会を年1回開催となっておりますが、実態としては3回開催しておりますので、これは大きく数値目標を上回っていることになるかと思います。ただし、この数値目標については、説明会の開催だけでなくて、業務の実質的な指標を設定する必要があるのではないかということで、政策評価独立行政法人評価委員会から平成251月に指摘を受けておりますので、新たな指標を平成25年に設置しました。

 その評価の中身としては、支援を開始してから3年間の支援を行って、全体の3分の1が承認申請に至るという目標を新たに設定しまして、平成25年に設定をしましたので、結果が出てくるのは平成27年度になるのですが、今、暫定的に1年ちょっと経過した時点の状況としては、3分の1の目標に対して28%の達成度になっておりますので、最終的には平成27年には目標を達成できると考えております。

 もう一度資料に戻っていただいて、ウルトラオーファン助成があります。これはオーファンの患者数が5万人という数値があるのですが、それより非常に少ないウルトラオーファン1,000人ですと、普通のオーファンでも開発が進みにくいということですが、ウルトラオーファンは更に進みにくいので、より強化した支援を行っております。例えば、通常の助成金ですと、実績ベースで約40%ぐらいですが、それに上乗せをして原則50%の支援を行うなど、通常のオーファンよりも更にレベルの高い支援を行っているわけです。

 実績が110ページの中央に、平成25年度の助成金交付品目数が出ておりまして、希少疾病用医薬品においては24品目、医療機器については2品目、このうち新規がそれぞれ14品目と0品目となっております。26品目に対して約8.6億円の支援を行っております。注目をしていただきたいのは、その下の表で、これまでの累積実績ということで、どれぐらいの品目数に支援を行ったかがまとめてあるのですが、例えば医薬品に関してですと、交付品目数が164で、承認取得が101なので、61%の高い成功率になっていると考えております。医療機器についても14分の8なので、57%ということで、こちらも非常に高い数値になっていると考えております。

 平成25年度に何を行ったかということで、さらに情報発信を強化しておりまして、ホームページを使いやすく改善するなど、英語版のパンフレットを追加したり、あと、海外の会議にも出席するなど、海外における情報発信も平成25年度は行っております。

 最後になりますが、オーファン治験ウェブを立ち上げて、オーファン医薬品・医療機器については治験が非常に難しいと言われておりますので、この治験をサポートするウェブサイトを立ち上げて、これは企業だけでなくて、患者にも利用いただける形でウェブページを整備しております。

 ということで、評価項目12について総括いたしますと、昨年度もこちらはS評価を頂いたところですが、昨年度事業に加えて広報の強化とか、支援の充実を図っておりますので、今回、自己評定を「S」としております。

 最後に、評価項目13を御覧ください。評価項目13については、2つの事業からなっております。実用化研究支援事業と承継事業です。実用化研究支援事業ですが、平成1622年度までベンチャー企業等に対する支援を実施しておりまして、採択課題のうち19テーマ採択があったのですが、そのうち15テーマで臨床試験が開始され、8テーマでライセンス契約を行っております。2テーマで承認申請済みでして、1テーマで承認取得です。

 最後の1テーマについてやや詳しく説明申し上げますと、平成25年度に承認された後、開発事業者とディスカッションを行いまして、今後の事業展開について議論をさせていただきました。例えば、販売契約とか、販路の拡大に当たりまして、流通経路の確保、流通計画の策定を事業者に行っていただきまして、今後の売上納付につながるお話をさせていただいております。こうした売上納付がありますと、それが繰越欠損金の解消につながる見込みですので、そうした方向で開発事業者とか打合わせを行っております。

 右側の承継事業ですが、これは昭和62年度~平成15年度まで医薬品副作用被害救済研究振興調査機構(旧機構)での支援が行われたもので、当研究所では具体的な助成金の交付等は行っていないのですが、フォローアップのみを行っています。この事業の成果として、iPS細胞作成キットなどが市販をされるようになりまして、そのロイヤリティーを得ている状況です。さらに、遺伝子治療製剤6件については、ライセンス契約済みとなっております。これは旧出融資事業ということで融資事業もあったのですが、融資事業については平成25年度で全て回収ということで、こちらは回収が終了しております。

 併せて、先ほど繰越欠損金について若干触れましたが、そちらについても先ほどの政策評価独立行政法人評価委員会(政・独委)から指摘がありまして、財務上の観点からの分析評価といったことがありましたので、今回の評価においては繰越欠損金の解消に係る目標時期とか、財務諸表上の数値について、業務実績評価シートに明示させていただきました。

 具体的には、両事業の平成2225年度の経常利益、当期総利益、繰越欠損金の経年変化を示すとともに、解消に向けた様々な取組を説明させていただいております。詳しくは、資料12の評価シートを御覧ください。実際の繰越欠損金の解消額はまだまだ小さいのですが、実用化研究支援事業において初めての承認取得とか、承継事業においては、継続的なロイヤリティー収入があるということで、成果管理会社か、近年、黒字化したこともありますので、外部評価委員会において両事業とも評価を頂いているのですが、双方とも継続が妥当であるといった評価を頂いております。

 もう一度資料に戻っていただきますと、こちらの実用化支援事業等については数値目標がありまして、それは収益が見込まれる案件が5件を確保するということで、5件が数値目標になっております。実績が7件になりますので、これも目標を上回っていると考えております。収益が見込まれる案件の内容ですが、特許等の実施許諾を通じて製品化が見込まれ、売上げが期待される案件になっております。中期計画に係る数値目標の具体的中身については、実用化研究支援事業が売上納付1件に加えまして、ライセンス契約に伴う一時基金等で収益を得ている案件を含めますと、合計6件となっております。承継事業については、商品化された1件をカウントしております。

 最近、それ以外にいろいろな所から非常に実用化調査委託・事業委託がありまして、東北三県で実施している医療機器に関する事業といったものも受託をして、当方のPDPO制度に基づいて積極的な支援を行っております。この評価項目13ですが、先ほども申し上げましたように、数値目標を上回っていることと初めての承認取得がありましたので、自己評定を「A」としております。

 

○医薬基盤研究所理事

 同じカテゴリーですので、創薬支援について説明を差し上げます。資料の168ページを御覧ください。評価項目14、創薬支援、自己評定は「S」とさせていただいております。冒頭の質問にお答えしたとおり、創薬支援戦略室の事業は41日に準備室が立ち上がりました。その後、基盤研が文字どおり総力を挙げて支援事業の骨格、ここについての構築、関連する3省、3独法との調整、交渉を経て合意形成に至り、40数日後の516日、正式な創薬支援戦略室の設置に至っております。また、創薬支援事業については、その後、7月下旬に開始されたということで、平成25年期の半ばにスタートした事業であることをまず理解いただければと思います。

 数値目標の達成度について説明いたします。これは第1番目、「アカデミア等が保有する創薬シーズの目利き評価を実施」という形で書かせていただいております。この目標、この評価を実施するために、大学等への事業説明会、我々が行う事業が何であるかを説明する説明会を38件実施しております。また、コーディネーターの大学等への訪問、あるいは早期・探策的臨床試験拠点等との連携構築を進めております。また、最初の創薬支援事業である創薬ナビも通じまして、効果的な創薬シーズの情報収集を行うとともに、医薬品としての実用化の可能性の高い基礎研究の成果についての目利き評価・相談を行い、総件数135件を数えております。

 実用化の可能性が高い創薬シーズの選定・支援に対する説明をいたします。このような創薬シーズの関わる情報収集を、目利き評価を通じて絞り込んだ重要課題、医薬品としての実用化の可能性が高い創薬シーズを4件選定いたしまして、平成26年度の本格的な創薬支援に先行して、創薬支援ネットワークによる技術支援を開始しております。これに加え、既に支援テーマとして決定している有望な実用化の可能性の高い創薬シーズについては、順次支援を開始する予定であり、中期目標、期間の最終年度に設定しております支援件数20件以上を確実に達成する見込みとしております。

 平成25年度の活動実績ということで、創薬支援体制の整備について説明をいたします。「医薬品開発の専門家等採用」と書かせていただいておりますが、製薬企業等で医薬品の研究開発に関わる経験を績んだ高度専門人材26名を、コーディネーターとして採用し、医薬品としての実用化の可能性の高い創薬シーズの評価基準を策定するなど、情報収集、評価・選定を行うための体制を整備しております。

 我々が採用したコーディネーターは、申し上げましたとおり大手製薬企業で研究開発に従事した実際の経験を20年以上持つ、文字どおり国際レベルの研究開発を指導できる高度専門人材にしております。また、その範囲も、科学、化学、薬理学、毒性学、臨床研究、知財管理といった創薬研究に必要な全ての専門性を網羅する人材投与を実現しております。こういったことから我が国発ということは元より、世界的に見ても非常に特徴のある公的な創薬支援機関が完成したと考えております。

 「創薬支援ネットワークの連携体制を整備」と書かせていただいた項目について、説明いたします。創薬支援ネットワークは理研、産総研とともに医薬基盤研が中心となってオールジャパンで創薬支援を進めていくものですが、この支援内容を審議・承認する会議体として、理研、産総研とともに「創薬支援ネットワーク運営会議」を設置いたしまして、支援内容の決定等を効果的かつ公正に実施するシステムを構築し、創薬支援ネットワークの連携体制を整備しております。また、全く今までになかった研究助成とは違う形の戦略、技術支援、非臨床試研等の開発・試験も支援する新しいシステムが完成しております。この項目については、以上です。

 

○酒井部会長

 委員の皆様、御意見、御質問などをお願いします。

 

○金倉部会長代理

 今の創薬支援ですが、極めて重要だと思います。今までは死の谷があって、なかなか実臨床に結び付かないことがよく言われておりましたが、こういう機構ができれば、シーズがあれば新しい創薬が出されることが期待されるわけですが、いろいろ目利きをしていただいた段階で、良いシーズは確かに日本にあると感じられましたか。

 

○医薬基盤研究所理事

 はい、現在の活動をベースにしてそのように考えるに至っています。我々の目利き評価は、これまでの研究助成、リサーチ・ファンディング等が行われてきた科学的な合理性とか、独創性、こういったところだけに注目した評価ではありませんで、アンネット・メディカル・ニーズをいかに充足するか、あるいは市場性はどうか、研究開発に関わる潜在リスク、こういったもののどういったものが考えられるかという非常に多面的な、正に実用化にフォーカスを当てた評価をしているのですが、確立的には、私どもが評価した135件のうち約10分の1が、そういった目利き評価に合格をする形になっております。これを多いとするか少ないとするかですが、私はこれまで十分実用化に支援が受けられなかったシーズはこれだけあるのだということで、今後に期待しています。

 

○金倉部会長代理

 今後とも件数も極めて重要だと思いますし、また極めて重要なものについては集中的に支援することが必要かもしれませんので、その辺は、またうまく支援していただければと思います。

 

○馬場委員

 今の金倉先生の御質問に関係するのですが、言うまでもないのですが、創薬支援に関して、御承知のように例えば各アカデミア、大学等々が全て知財システム、正にこういうコーディネーターと同じ人を各大学は配置しています。それから、製薬企業は、全てオープンイノベーションという形でかなりアカデミアともそういう連携をしているわけです。そういった中で26人の人員を入れて、基盤研が国の独法としてどう住み分けていくかと。アカデミアのシーズを引っ張っていくところを明確にしていかないと、各大学は私も阪大だったのですが、知財をいろいろやるのですが、本当に汗をかきながら研究員と話をして、その中でものになるのは非常に少ないのです。だから、135件を行ったのは、例えば基盤研のこのシステムに外部から依頼があったものについて、先ほど言われた視点からやって話をされたのか、あるいは、大学等の知財システムとか、個別に回ってピックアップされたのか、私はその辺のことが分からないのです。

 

○医薬基盤研究所理事

 分かりました。172ページを御参照ください。この中には135件の内訳として創薬ナビ(相談事業)と書いてありますが、これは研究者から我々の支援を求めた形で戸を叩き、我々が応じて、主に戦略な支援、知財に関わる戦略管理の策定・助言を行ってきたと、そういうソフト面での支援の実績です。これに加えて80件以上は、私どもが大学等に直接出向き、事業を説明し、その結果発掘してきたシーズと、このように御理解いただければよろしいかと思います。

 大学の事業との住み分けというコメントでしたが、我々の事業と大学等でこれまで築いてきた整備事業とは、住み分けるというよりは相互的・相乗的に効果を及ぼすものと、そのように理解しております。例えば、旧帝大を中心として創薬は大きなイノベーションの柱になっておりまして、各大学とも知財の専門家、あるいは製薬企業で経験を持った方といった方を採用して、コーディネーターとして配置しているわけですが、どんな大きな大学でもその数は限定されておりまして、先ほど私が説明の途中で申し上げた薬理・科学・安全性、代謝、薬物動態、臨床研究、知財管理、バイオテクノロジーと、そういったものを全て網羅できる体制をとっている所は、1つもありません。そういったところで国がこのような専門家チームとして大学等で創薬支援を行える機関をつくったことは、非常に価値の高いものだと考えております。

 

○馬場委員

 私も同意するわけですが、加えてそういう国の主導のオールジャパンの体制をこれでつくられたわけなので、もし可能であれば、各大学の知財組織などの1つのリンクをつくって、基盤研のいろいろなオールラウンドの視点も入れた形で各大学、そういうものをつくられて、その中核的な位置付けでやられたらいいと思ったのですが。

 

○医薬基盤研究所理事

 非常に大事なコメントをありがとありがとうございました。私どもも実は創薬支援戦略室の事業を立ち上げたと同時に、最初は国が文部科学省・厚労省が戦略的に研究資金を投下している橋渡し研究拠点と、厚労省で言えば早期探策、並びに臨床研究中核病院が全国で18機関あります。これに加えてナショセンが6個ありますが、その全機関と連携・協力をして有望シーズを発掘し、支援につなげるという組織連携の働きかけを行ってきております。平成25年度は、連携協定を3件結ぶに至っております。今年度も今月中には先ほど説明を申し上げた全ての機関と紙ベースで、互いに約束して協力する体制を確立すると見込んでおります。

 

○酒井部会長

 よろしいですか,ほかはいかがですか。創薬支援戦略室と169ページにあるネットワークとの関連性は、同じことを言っているのですか。それとも,戦略室自身は、基盤研の中にできている組織ですよね。

 

○医薬基盤研究所理事

 はい、創薬支援戦略室は医薬基盤研の組織の一部であり、このネットワークの本部機能を担う組織です。

 

○酒井部会長

 そのことを一番最初に伺ったのでは、この部分が別の機関に移行する予定だと。

 

○医薬基盤研究所理事

 さようでございます。

 

○酒井部会長

 それは何か理由か何かがあるのですか。

 

○医薬基盤研究所理事

 私どもというより国策、政策として新たに立ち上げる日本医療研究開発機構の一部とするというところです。今1つ指摘を受けまして、先ほど組織連携、シーズの発掘に関わる組織連携は紙ベースで3件と申し上げてしまいましたが、厳密に機関を区切って言えばまだゼロ機関です。それで、今年度中、この8月、9月で全機関との連携が成立するという見込みについては変わりありません。

 

○酒井部会長

 先生が先ほど指摘した部分ですね。

 

○医薬基盤研究所理事

 はい。

 

○酒井部会長

 よろしいですか。大変質の高いディスカッションをありがとうございました。先へ進ませていただいて、グループ4に行きます。評価項目の1518です。法人の説明は10分、委員の評定の記入に5分、15分でやります。よろしくお願いします。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 それでは、御説明いたします。説明資料180ページ、評価項目15、機動的かつ効率的な業務運営です。

 次の181ページは、業務運営体制です。理事長をトップとして、理事、監事、理事長特任補佐、各部長、センター長で構成する幹部会を毎月開催しまして、業務の状況把握、業務運営の重要課題について審議を行っております。また、幹部会メンバー及び各部のプロジェクトリーダーから構成するリーダー連絡会を開催しまして、研究所の運営、研究環境などに関する意見交換を行い、基盤研全体の業務運営に反映させております。また、各プロジェクト研究については、内部研究評価委員会、人事委員会などにおいて、内部評価を行い、更に外部有識者で構成されます運営評議会、基盤的研究等外部評価委員会、研究振興業務関連委員会などを定期的に開催しておりまして、公正な判断、透明性の確保に努めているところです。

182ページは、全体の組織図です。第2期中期計画においては、基盤的技術研究については、次世代ワクチン基盤研究、毒性等評価系構築に向けた幹細胞基盤研究、難治性疾患治療等基盤研究の三分野に重点化することとし、プロジェクトチームの再編、創設、廃止を実施しております。難病疾患研究についても、難病・疾患資源等研究分野の重点化を図るため、効率的な組織の再編等を行っているところです。また、創薬支援ネットワーク機能の本部機能を担う創薬支援戦略室、それから創薬支援を行う創薬支援スクリーニングセンターを昨年度設置したところです。更に、これまで常勤の役員は理事長一人でしたが、平成25年度から理事が常勤となりました。また、理事長を補佐する理事長特任補佐を新たに設置しまして、理事長のリーダーシップに基づく業務執行体制を強化しております。

183ページです。内部統制の強化ということで、理事長を最高責任者として、監事、外部監査人、コンプライアンス委員会などの連携のもと、全職員へ法令等の遵守の推進を図っております。コンプライアンス啓発のための研修については、平成25年度においては、研究者倫理に関る研修を研究に従事する職員を対象に実施したところです。以上のことから、機動的かつ効率的な業務運営については、自己評定は「A」評価としております。

184ページです。評価項目16、業務運営の効率化に伴う経費節減等です。185186ページです。一般管理費、事業費の節減目標ですが、平成22年度予算を基準に一定割合を削減し、各年度予算を作成するということです。計画では最終年度は平成26年度になりますが、一般管理費について、5年間で15%程度削減、事業費についても、5年間で6.2%程度削減することとしております。その中で、平成25年度予算に対しての決算実績ですが、一般管理費は1.4%の増、金額で2805,000円の増、事業費は0.9%の減、金額で2,0763,000円の減となっております。一般管理費については、予算に計上していない創薬支援ネットワーク等の新築工事に伴う停電作業及び電源工事に伴う費用が急遽生じましたため、若干の増となっておりますが、調達方法を原則一般競争入札で行い、経費の節減に努めており、中期目標期間を見通した経費節減を実行しております。

187ページは、総人件費改革への取組を状況です。数値目標は平成17年度基準額と比較して、平成22年度実績において、5%以上の削減、また平成23年度以降においても、対前年度比1%以上の削減を継続することとなっております。平成25年度実績ですが、人件費の支給総額は基準年度であります平成17年度と比較して、目標8%以上のところ、13.5%の減少となっておることから、人件費の削減については、大幅に進展しているところです。

188ページは給与水準です。当研究所は国家公務員と同一の給与体系ですが、国家公務員と比較して、ラスパイレス指数は、研究職員は95.1%、事務職員については、111.3%となっております。職員の俸給、諸手当等の給与水準については、国家公務員の給与水準と同一で、国家公務員の給与法改正も100%反映させており、法人独自の手当も一切ないことから、ラスパイレス指数の目的である給与水準の国家公務員と同一の抑制は実現しておりまして、適正なものであると考えております。事務職員の対国家公務員で数値が上回る点については、調査対象が20人と少数であるため、単純に全国平均と比較すると、高い数字が出やすいこと。異動に伴う対象者の変化による指数の変動が大きくなる傾向があります。また、人件費を抑制するため、定型的な業務について、非常勤職員を積極的に活用している関係で、管理職の割合が高くなっていること。医学、薬学、法律といった職務の専門性により、大卒者割合が高くなっていること。職員の受けている地域手当の支給割合が高いことが要因として挙げられます。研究所としては、引き続き国家公務員の給与改正に準じた見直しを実施し、適正な水準を維持してまいる所存です。以上、人件費、一般管理費、事業費とも、着実に経費の削減を図っていることから、業務運営の効率化に伴う経費節減等については、自己評価は「A」評価としております。

190ページです。評価項目の17、財務内容の改善に関する事項です。一般管理費・事業費の節減目標の達成状況ですが、一般管理費の平成25年度決算実績は、平成22年度予算と比較して、2,200万円の減、10.07%の減、それから事業費の平成25年度決算実績は、平成22年度予算と比較しまして、15,500万円の減、6.1%の減と、着実に経費の削減を図っているところです。

191ページは運営費交付金以外の自己収入として、競争的研究資金、受託研究費、共同研究費などの獲得状況です。平成25年度ですが、平成24年度と比較して、件数はほぼ横這い、金額は全体で24,100万円の減少となっております。総額では17億円と相当規模の外部資金を獲得している状況です。

192ページです。開発振興勘定にかかる未処分利益積立金です。平成25年当期未処分利益は、約21,000万円となっております。また、平成25年度末積立金は約83,000万円です。積立金については、中期計画終了後は厚生労働大臣の承認を受けた額を除いた残余の額について、国庫納付することとなります。なお、これら財務内容については、監事監査及び監査法人からは監査報告書に適正に処理されているとの報告を頂いております。

 以上のことから、財務内容の改善に関する事項については、自己評価は「A」評価としております。

193ページです。評価項目の18、その他業務運営に関する事項です。最初に研修の実施ですが、国内外の専門家を招いてのセミナーの開催、各プロジェクトの当番制による定例研究発表会の開催など、各種研修会、講習会を開催したことによりまして、所内の情報交換を深めるとともに、研究職員の連携がより一層大きく図られたところです。次に、人事評価制度の実施ですが、評価結果については、平成25年度の賞与に反映しております。

194ページは職員の採用状況です。平成25年度においては、創薬支援スクリーニングセンターの研究員、創薬支援戦略室のコーディネーターについて、広く公募を行い公正を期するため、人事委員会を開催し、任期付き職員として採用しております。

195ページは平成25年度末常勤職員数です。創薬支援戦略室設置に伴う増員分を除きまして82名となっているところです。

196ページです。セキュリティの確保についてです。当研究所はIDカードによる入室の管理システムを導入しておりますので、新任職員に指導するなど、周知徹底を図っております。併せてRI区域及びES細胞室の入室管理の強化も行っているところです。また、出入口等に設置した監視カメラを活用して、本研究所への立入りを随時把握することによって、セキュリティの向上を図っております。

 最後は施設及び設備に関する事項です。筑波にあります霊長類医科学研究センター高度実験等建設工事などを計画どおり実施したところです。以上のことから、その他業務運営に関する事項については、自己評価は「A」評価としております。簡単ですが、これで説明を終わらせていただきます。

 

○酒井部会長

 ありがとうございました。どうぞ、御意見、御質問はどうでしょうか。

 

○清水委員

 よろしいですか。ラスパイレス指数の所の説明をもう一回お願いしたいのですが、何ページでしたか。188ページの給与水準の所のこのちょっと赤っぽいもので示された、平成25年度実績というのは、これはどう見たらいいのですか。1と2とありますが、当研究所の研究職員及び事務職の平均給与を1国家公務員、2他法人と、それぞれ比較するということで、ここの最初に書いてある111.3%というのは、これは何を指しているのですか。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 国家公務員の事務職の平均と比較したものです。

 

○清水委員

 これは国家公務員の平均ですか。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 はい。

 

○清水委員

 その後ろの研究職というのは。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 これは国家公務員の研究職の平均と比較したものです。

 

○清水委員

 これは国家公務員の研究職と。これはそういう意味ですか。この他法人というのは、他の独立行政法人という意味ですか。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 はい、そうです。

 

○清水委員

 他の独法という意味ですか、なるほど、それは分かりました。それから、最初の所の機動的かつ効率的な業務運営で、自己評定を「A」とされている所です。これは昨年と比べて、運営の手法というのは、何か変えた場所はありますか。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 業務運営体制ということですか。

 

○清水委員

 はい。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 特段は大きく変わったところというのはございません。

 

○清水委員

 同じ方法でずうっとやっているということで、これはそうすると、中期計画で想定している運営と違う所というか、それを超えた効率的な運営というのは、この運営体制の中では、何をイメージしたらいいのですか。幹部会とか、その開催回数ですか。

 

○医薬基盤研究所総務部長

 回数も、基本的には定期的に毎月開催しておりますので、極端に今年度が非常に増えているとか、そういうことはございません。

 

○清水委員

 幹部会などで運営会議を行いコンセンサスをとることは、組織運営の当たり前のやり方だと思うのです。そうすると、それはもともと計画の中に当然包含されて、実施しなければならない内容なのです。例えば、こういうことを標榜して、組織運営上それを達成したとか、そういうものがあると、それは目標に対してどうかということがジャッジできるのですが、この説明だけだとなかなかイメージが伝わってこないというのが、私の感想です。全体的によくやられていると思うので、それはそれで問題は全くないのですが、ここの所だけを見ると、どう判断したらいいだろうかというのが、率直な気持ちです。

 別に「A」評価を批判しているわけではないです。どういうように私が見たらいいのかということです。

 もう1つですが、内部統制のこと、ガバナンスのことがよく書かれています。今総務省のほうで、いろいろ監事機能の強化も含めて、独法の改正で検討されていると思いますが、内部統制はもともといわゆるチェック体制やガバナンスのためのいろいろな制度構築をやっていくだけではなくて、こういう研究型の組織の場合には、限られた財源によって、最大の成果を出すような、そういう運営でもあると思います。

 国が企画機能を受け持っていて、決まったことをやっているような独法の運営では、一定の業務を最小のコストでとこういうことになると思います。研究型のケースでは、いわゆる効率というのは、限られたお金で最大の成果ということなのだと思います。今日、お聞きした話の中では、そういう方向を向いているので、いいだろうなと思います。その内部統制を入れるときには、その辺も言及してもらうと分かりやすいかなというように思います。以上です。

 

○ 医薬基盤研究所理事長

 分かりました。私のほうから、御質問に対して、1つだけ追加で御説明させていただきます。機能的な業務運営ということで、理事長の経営判断が迅速に反映される組織体制の視点となっていると思います。平成25年度に理事補佐、委員も常勤で加わりましたので、毎週1回連絡会をするということです。部長を含めた形で、連絡会をやって議論した上で、幹部会に諮っていくという体制にしております。少なくとも、前年よりも、我々としては努力しているということを、御理解いただきたい。

 

○清水委員

 分かりました。私見ですが、いろいろな組織でガバナンスが効いているか効いていないかということは、よく見ていくと、理事長の決断は当然非常に重要ですが幹部職員の能力にも相当依存するところがあります。

 幹部職員の人たちが的確に情報を把握し、理事長がジャッジメントができるようなものを提案し、理事長が判断し、方向を決めていくということで、適切な経営ができるということになると思います。

 幹部織員研修みたいなものが適正に行われるようにすることを、運営の一つのテーマにしていくと、いいのかなと私は個人的には思っています。

 

○医薬基盤研究所理事長

 ありがとうございます。そういう意味では、私はかなり幸せな理事長だと思います。

 

○清水委員

 それはよろしいですね。

 

○酒井部会長

 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。

 

○中村委員

 今の件で、私は理事の常勤化、それから理事長支援スタッフの充実、これは評価できる項目かと思っております。ただ、それは体制を取りましたということですが、その結果成果を上げているというようなものはありますか。もちろん、連絡を密にして戦略を練った結果の成果というものがあると思うのですがどうでしょう。こういう体制を取ったがゆえに、このような形が生まれつつある、ということがあれば、教えてください。

 

○医薬基盤研究所理事長

 そういう意味では、1つは戦略室の立ち上げは、我々非常に苦労したと理解しております。

 

○中村委員

 大きなテーマですね。

 

○医薬基盤研究所理事長

 それに関して、かなり突っ込んだ議論ができたと理解しています。あと、ほかのセンター、我々は筑波などにセンターを持っております。そういう所とのつながり、連携を今まで以上にどうするかに関しての議論をしております。そういう意味では、そういう所で成果は上がってきてると、私はそう思っております。

 

○清水委員

 ありがとうございました。

 

○酒井部会長

 ほかはいかがでしょうか。何か、いかがでしょうか。よろしいですか。全体的に再度、御質問、御意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。

1つだけ、私からこの年度評価のことではないのですが、理事長が最初におっしゃられた挨拶の中で、国立健康栄養研との統合の話がありました。今、現在特にシナジー効果が上がるような方向で、特段私たちが栄養研も評価の対象機関です。何か、ちょっと情報を共有していただけるようなことがあれは、簡単にお願いします。

 

○医薬基盤研究所理事長

 業務の効率化ということで、事務方は事務方で、議論していただいてます。それから、研究者同士の中でも、情報交換を実はかなり密に開始しました。その結果、2つの独法の研究者は、それぞれお互いに話をしてみると、お互い取り入れるところもたくさんあるということが分かってきました。シナジー効果が出るような研究テーマが幾つか上がってきております。それを我々としては、なるべく実現させたいと思っております。

 例えば、我々の研究、医薬基盤研のほうには、腸間の免疫をやっている研究者がいます。その研究者はやはり食べものがいかに大事かも分かってきました。そういう意味で、健康栄養研究所でやっておられる栄養、そういう食品など、そういう関係の研究とうまくミックスさせると、今までとは違う形のサイエンスが生まれるのではないかと考えております。そういうことを今、計画しておるところです。

 

○酒井部会長

 ありがとうございます。よろしいでしょうか。これで、平成25年度の個別評価を終了したいと思います。事務局から今後の流れと、次回の開催等についての連絡があれば、よろしくお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 今後の流れについて御説明いたします。まず、会議の冒頭でも御説明させていただきましたが、全ての評価項目について、評定等の記入が終わっている場合については、評定記入用紙を部会終了後に回収いたしますので、机上にそのままにして御退席いただきますよう、よろしくお願いします。

 一方、記入が終わっていない場合については、評定記入用紙をお持ち帰りいただいて御記入いただくか、本日、評定記入用紙の電子媒体をメールにて送付させていただきますので、そちらのほうに御記入の上、88日の金曜日までに、事務局へ御提出いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 次回の開催については、821日木曜日、945分からを予定しております。場所としては、厚生労働省6階の専用第23会議室6階を予定しております。議題としては、本部会、調査研究部会の3法人、具体的には、労働安全衛生総合研究所、国立健康栄養研究所及び医薬基盤研究所の3法人に関して、平成25年度の業務実績に係る総合評価及び平成25年度の財務諸表の承認に係る審議に加えまして、本年度が中期目標期間の最終年度に当たります、国立健康栄養研究所と医薬基盤研究所の暫定評価、そして組織、業務全般の見直しの当初案に関する審議などを行うこととしております。

 なお、次回御審議いただきます暫定評価や組織、業務全般の見直し等については、参考資料1に内容について書いておりますので、御参照いただければと思います。

 最後に本日配布いたしました資料の送付を御希望される場合については、事務局より送付いたしますので、机上にそのままにして御退席いただきますよう、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○酒井部会長

 よろしいでしょうか。本日は暑い中、大変御苦労さまでした。以上とさせていただきたいと思います。長時間にわたり、熱心な御審議、ありがとうございました。




(了)

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