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2014年7月14日 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第66回) 議事録

政策統括官付政策評価官室

○日時

平成26年7月14日(月)13:59~17:43


○場所

労働委員会会館講堂(7階)


○出席者

酒井部会長、定本委員、清水委員、田宮委員、中村委員

○議事

(以下、議事録)


○酒井部会長

 それでは、定刻より少し早いようですが、関係者皆さんお揃いになったようですので、ただいまから第66回目の厚生労働省独立行政法人評価委員会調査研究部会を開催させていただきます。大変暑い日ですが、この暑い夏がくると評価委員会ということで、委員の皆さん方も非常に大変だと思いますけれども、準備をしていただいている法人の方も大変な労力を使って資料等準備していただいておりますので、是非いい評価委員会にしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。委員の皆様方におかれましては大変お忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。本日は、金倉部会長代理、丸山委員、馬場委員、3名の方が御欠席です。それでは早速ですが、本日の議事等について事務局のほうから御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○政策評価官

 暑い中どうもありがとうございます。私は、41日付けで政策評価官室にまいりました藤澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の議事について事務局から御説明させていただきます。議事次第にありますように議事は3点です。2つが労働安全衛生総合研究所の関係でして、平成25年度の業務実績についての個別評価、2つ目が同じく労働安全衛生総合研究所の業務方法書の変更について、3点目が後半になりますが、国立健康・栄養研究所の平成25年度の業務実績の個別評価についてです。参考資料1を御覧ください。独立行政法人は、通則法32条第1項の規定により、各事業年度における業務の実績について、独立行政法人評価委員会の評価を受けなければならないとされております。

 厚生労働省の独立行政評価委員会におきましては、この評価を、各法人の中期計画等に基づき設定した評価項目ごとに5段階(SD)の評定をつける「個別評価」と、業務実績全体の状況について、記述による評価を行う「総合評価」とに分けて実施しております。本日は1回目ということで、この個別評価を実施することになります。

 続きまして、個別評価の進め方について今宮補佐から説明を申し上げます。

 

○政策官評価官室長補佐

 本年71日付けで政策評価官室長補佐を拝命いたしました今宮と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、個別評価の進め方につきまして御説明いたします。まず、お手元に配布しております参考資料の2、平成25年度の業務実績に係る自己評定一欄表の左端を御覧ください。「説明グループ区分」という欄がございますが、個別評価につきましては法人の評価項目をこれらのグループ区分に従い、グループごとにまず法人から業務実績・自己評定について説明をしていただき、それに対して質疑応答、その後評定記入用紙へ評定を記入という作業を繰り返していきます。

 評定につきましては、SからD5段階評定となりまして、各委員におかれましては法人からの御説明を踏まえ、中期計画通りであれば「B」、上回っていれば「A」、大幅に上回っていれば「S」、下回っていれば「C」又は「D」を記入していただくよう、よろしくお願いいたします。評定には原則として理由を付していただくことになりますが、特に計画を大幅に「上回った場合のS」又は「計画を大幅に下回った場合のD」の評定を付ける場合には、そのように御判断した理由について具体的に記載していただくようよろしくお願いいたします。

 また、参考資料の2の右側の欄には平成25年度の業務実績評価に係る法人の自己評定と昨年度の業務実績に係る評定結果と、法人の自己評定を記載しておりますので、こちらのほうは今回評定を付ける際の御参考としていただきますようよろしくお願いいたします。

 なお、委員の皆様方には、評定記入用紙に評定と評定理由を記入しながら議事を進めていただくことになりますが、会議時間内に記入が終わらない場合につきましては、資料をお持ち帰りいただいて御記入いただくか、本日評定記入用紙の電子媒体をメールにて送付させていただきますので、そちらのほうに御記入の上、御提出いただければと思います。その場合には大変恐縮ですが、717(木曜日)までに事務局へ提出いただきますようよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○酒井部会長

 ありがとうございました。進め方について特に御意見ありますか。よろしいでしょうか。それでは早速ですが、議事に入りたいと思います。まず、労働安全衛生総合研究所の個別評価を行います。最初に理事長から御挨拶と平成25年度における業務実績のポイントの説明をしていただければと思います。よろしくお願いします。

 

○労働安全衛生総合研究所理事長

 独立行政法人労働衛生総合研究所理事長の小川でございます。本日は、平成23年に定められた第2期中期計画に基づく第3年目となる平成25年度の業務実績を御評価していただくことになります。私どもの研究所役職員が一丸となって全力で取り組んでまいりました1年間の実績ですので、何とぞ評価のほうをよろしくお願い申し上げます。

 それではまず、手短に私どもの研究所の概要を説明させていただきます。実績説明資料に沿って説明させていただきます。まず、第1ページ目で、役職員数は平成26331日現在で104名、平成25年度の予算が約22億円、当研究所は平成18年に産業安全研究所と産業医学総合研究所が合併して以来、我が国唯一の産業安全及び労働衛生分野における総合的研究機関として、職場における労働者の安全と健康の確保に資する調査研究を実施してまいりました。組織に関しては、次の2ページにございますように総務部、研究企画調整部、労働災害調査分析センター、国際情報・研究振興センターの2センター、それに安全・健康・環境の3研究領域の9研究グループで構成されております。研究所のミッションに関しましては次の3ページの2番目に書かせていただいておりますように、1番目が労働災害の防止並びに労働者の健康増進及び職業性疾病に関する総合的な調査及び研究の実施であり、2番目が労働安全衛生法に基づく専門的観点からの労働災害の原因調査等の実施です。具体的には主要な業務である調査研究、それから災害調査、これを効果的にリンクさせながら研究成果を上げるとともに、現場への効果的なフィードバッグを図るよう成果の普及・活用に務めております。

 またこれらの業務の、公正さをもって確実に実施するために、4番目にありますように内部統制をしっかり行ってきております。簡単ですが、以上で概要説明を終わらせていただきます。

 

○酒井部会長

 ありがとうございました。それでは、先ほど説明がありましたようにグループとして4つに分けて、順次参考資料2の左側にありますように、グループ1から4ですが、まず最初に、グループ1についてお願いしたいと思います。その際、先ほど御説明の中に私たちが評価するときにSDの場合には理由をつけろとありました。自己評価をしていただいていますが、例年ですがSという評価したものについては特になぜなのかという御説明をいただけると、大変私たちの参考になりますのでよろしくお願いいたします。それでは、30分ということでよろしくお願いします。

 

○労働安全衛生総務研究所研究企画調整部長

 御指示、ありがとうございます。特にSの所については一生懸命説明させていただきたいと思います。まず資料1-1、パワーポイントの資料をメインに説明させていただきます。それから業務実績評価シート、資料1-2があります。ただ、こちらまで触れる時間が余りありませんので、どのページにありますという事だけ申し上げます。それから、先ほど参考資料2という事でお話がありました自己評価の一覧表、二枚紙になっている一枚めくった方のページが労働安全衛生総合研究所となっております。当方の評価がどうだったか見ていただく時は、こちらの一覧表で見ていただけると思いますので御参照いただきながらと思います。

 では説明させていただきます。理事長から当研究所のミッションの説明がありました。特に当の研究所の場合、調査研究、また災害調査というところで、とにかく労働の現場に行ってきちんと見て調査研究をする、また災害調査をする。その結果を厚生労働省に報告をし、行政に活かしていただく。また、企業の現場で参考にして活動していただくことが非常に重要であります。そのためにどういうことをしているかを御説明させていただきます。

 資料1-15ページ目を御覧いただきますと、まず評価項目の1、労働現場ニーズの把握と業務への積極的な反映とあり5ページ目から7ページ目までが一塊になっております。研究員自らの労働現場の訪問で、労働現場などに赴いた数が314現場です。平成24年度が289現場でしたので25件増加をしています。頑張って現場へ行ったということです。

 その中の例として例えば労働災害、職業疾病の発生を端緒とする調査研究として、6ページ目に掲げております「塩素系有機溶剤の複合ばく露による生体影響に関する研究」につきましては、胆管がんがきっかけになりました。この研究では実験動物を用いて塩素系有機溶剤の毒性について調査を行いました。これは急ぎ行いましたので、平成24年度、25年度でやらせていただきました。結果については3)4)を御覧ください。遺伝子突然変異の誘発は容量依存性がなく、変異作用は弱いとか、ジクロロメタンとの混合ばく露は変異原作用に影響は見られなかったというような結果が得られております。

 次のページの研究例は労働現場で実際に行って調べています。これは平成23年度から27年度ですので、まだ研究を続けています。石綿や騒音性難聴、振動工具、建設業の場合は怪我をするということ以外、労働衛生上の課題が非常に沢山ありますので現場をよく調べて、対策をどうするかということを一生懸命研究しています。

5ページの右側で、国内外の学会、会議等への積極的参加とあります。国内学会へ270名、国外学会へ48名、計318名が参加しております。平成24年度が307名でしたので11名の増加ということであります。一生懸命講演、学会等にも行っているということです。

 その下、関係業界、安全衛生関係団体との意見・情報交換とあります。機械関係や電気関係、建設関係がありますが、そのほかに日本スーパーマーケット協会があります。これは第三次産業の関係の安全対策・衛生対策をいろいろ一緒にやりましょうということで、こういった所とも新しく情報交換を行っています。現場にも赴き、現場に密着した研究もしています。また、そういう新しい業界とも交流を深めているということで自己評定をAとさせていただいています。

8ページは評価項目2になります。労働現場のニーズ及び行政ニーズに沿った調査研究の実施については、8ページから11ページまでになります。評価シートでは3ページから6ページまでになります。ここでプロジェクト研究、基盤的研究、行政要請研究という3種類の研究を三本柱として実施しております。まず、プロジェクト研究につきましては明確な到達目標を定め、重点的に研究資金や研究要員を投入しているものです。基盤的研究につきましては長期的な視点から研究を進めているものです。行政要請研究については行政からの要請を受け、期限を決め、きちんと結果を出すことで研究を進めています。

 まず、プロジェクト研究についてお話申し上げますと、今12課題を進めております。例としては、タンクの保守やガス溶接時に起きた災害の分析、建設機械の転倒、接触災害の防止といった研究をしております。総研究費の4分の3を占めており、また、研究員は延べ80から90名を重点的に投入しています。

 次のページを見ていただきますとその具体的な例があります。学際的研究課題例とあります。当研究所にいわゆる安全部門と労働衛生部門と大きく2つあります。そこが協力をして1つの研究を進めていくという非常に重要な課題になっています。労働衛生上の問題として、介護職場では腰痛が非常に問題になっております。介護者の腰痛率が6割以上、右側に人がぶら下がっているリフトがあります。そのリフト導入率・使用率が低いという課題があります。労働衛生上の課題についていろいろ研究を進めてきた過程で右側に絵が描いてありますが、介護者を入浴させる時に台を上下させる。その時にお湯の温度を手で測りながら下げていくと、そこではさまってしまう事故が起きる事も分かってまいりました。そうしますと、介護する方の腰痛を防止するだけでは安全面の方が疎かになり十分な対策ができない。安全上の課題もできたということで、両方で協力して研究を進めている事例です。

 先ほどのリフトの導入のところで、リフトの上下がゆっくりしていると作業がなかなかうまく進まないということでリフトが使えないことがあり、介護される方が余り心配がない程度のスピードで上下させるという改良を行った実績があります。

 あと、右下の手袋は、手の平の所が何もないという非常に変わった手袋です。これはお湯の温度を見る時、手の平が出ていればちゃんと温度が分かります。ただ、指先をはさまれないように指先を強化した手袋を今開発をしているところです。いろいろ協力をしながら進めているプロジェクト研究の例でございます。

 続いて10ページが基盤的研究です。1つの成果として防爆構造の除電器があります。静電気を除去する機械でして、右側にボールペンのような物の横に金色に光った物があります。これが新しい物で、サイロなどに小麦粉などを投入すると静電気が起きて、時に爆発が起きることがあります。そこで、その静電気を除去する装置を付けなければいけないのですが、なかなかいい物がありませんでした。この新しいタイプを開発したことで、今までの1.5倍の性能の物が作られました。これは基盤的研究で行いましたが、その成果を今度は実際にサイロにどういうように配置したらいいかなどをプロジェクト研究として実施していこうということで今進めています。ですから、基盤的研究がプロジェクト研究につながった良い例だと考えております。

11ページが産業用ロボットの安全対策に関する行政要請研究です。産業ロボットというのは囲いをして、基本的に人が近づいてはいけないことになっています。産業用ロボットが動いている時に人が傍に行くと、アームで頭を叩かれて亡くなる例があったりするものですから、一緒にしてはいけないというのがルールになっています。

 ところが、一緒に働けるような方法がないかという事が政府の規制改革に関する答申で出されたものですから、それに対していろいろ検討を行ってきました。これは大急ぎで研究を行ったものです。その結果は、この絵にありますように、いろいろな方策をやれば一緒に働ける方法があるのではないかということで報告書を出し、その結果、産業用ロボットに関する労働安全衛生規則の通達の改正、またそれに基づくパンフレットが交付され、新しいルールが作られたというものです。こういったようにプロジェクト研究、基盤的研究、行政要請研究のそれぞれについてきちんとした成果を出してきており、これについて自己評価Aとさせていただいております。

 評価項目312ページです。研究評価の実施につきましては内部研究評価・外部研究評価を実施しております。プロジェクト研究の評価を外部評価では実施しておりますが、事前評価が2課題、中間評価1課題、事後・終了評価が7課題となっています。事後・終了が多いのは今回外部評価規程の改定を行い、今まではプロジェクトが終わってから評価をしていたのですが、終わる前にきちんと評価をして、終わるまでに成果を出しなさいとルールを変えましたので事後評価が4課題、終了評価3課題となりましたのでここは数が多くなっております。

 評価結果の反映では、プロジェクト研究の評価の結果、外部評価をしていただいたところ、平成24年度は青の棒、25年度が赤の棒ですが、全体に良い方にシフトをしているということで、結果としても良い物が出てきていると思っております。内部評価の客観性・公平性というのは新しい規程を設けたのでこういう評価をいただいておりますが、一応合格の評価をいただいたと考えております。

 内部評価規程・外部評価規程の改正ですが、これは評価項目を、例えば中間評価については目標の達成度ということで見ておりましたけれども、研究の進捗、それから今後の計画というように評価内容を変えました。それから、一番下にありますように内部評価の客観性・公正性を外部評価で見ていただくように変えました。評価のやり方、事後評価を終了評価というように変えたというように新しく評価規程を変えたこともあり、自己評定をAとさせていただいております。

 続いて評価項目4、成果の積極的な普及・活用です。評価シートでは9ページ、10ページになります。平成25年度は法令への改正の貢献が18件ありました。中期目標期間中に50件という目標があり、単純に平均すると110件という事ですから大体その倍位の成果を上げている事になります。例としては車両系建設機械に係る労働安全衛生規則及び構造規格の改正、これは解体用の機械が新たに規制の対象となり、そのための基礎研究を実施したという成果です。

 職場における腰痛予防対策、先ほど腰痛を研究していると申し上げましたが、これについては非常に分量の多い物で、非常に詳細にわたって現場で実際に使える指針です。20年ぶりに大幅に改定をしたということでございます。腰痛対策というのは基本的に余り変わりはない部分ではありますが、新しい機械が出てきたりとか、技術の進歩等もありますのでそういったものも踏まえて新しく改正されたという大きな改正です。

 それから、先ほども申し上げましたが産業用ロボットに関する改正、これも行政の要請に応えた非常に重要な改正であったと思っております。ここについては今回、特に大きな重要な改正に貢献ができたということがありますので、ここについては自己評定をSとさせていただいております。また、件数としても十分目標をクリアしていると考えております。

14ページが評価項目5の成果の積極的普及・活用の中の学会発表の促進です。評価シートでは11ページになります。講演・口頭発表は目標としては年4回、実績が4.2回ですからここは目標をクリアしています。論文発表については、年間の目標が2報となっているところを研究員1人当たり、実績として4.1報ということで2倍の成果を出しております。また、原著論文についても平成24年より25年にかけて大幅に増加をしています。また論文の中身も非常に充実した物になってきています。

 受賞につきましては地盤工学会や日本産業衛生学会で優秀論文賞など6件表彰いただいています。延べ数では10名になりますが、そういった評価をいただいており、一生懸命研究して学会発表等も充実したという事で自己評定をAとさせていただいています。

 評価項目6はインターネット等による研究成果の情報の発信です。評価シートでは12ページから14ページになります。まずホームページですが、これは研究業績・成果や刊行物等へのアクセス目標数を65万件というように決めております。前年は136万件でしたが、更に一層増えまして195万件となり、目標に対して3倍にという非常に大きな成果を得ております。

 また、メールマガジンについては安全衛生研究の動向やコラム、研究所主催の行事など、いろいろ有用な情報を提供させていただいております。月一回発行で、配信数が1,725アドレス、前年に対しては423アドレス増えています。これはやはり、見ていただいた方が良いからという事で、またほかの方にお勧めいただいているのかなというようにも思いますが非常に増えています。

 また、研究成果の公表という中では研究所の年報、あと研究の報告を全部載せているという以外に、例えば技術指針として公表した粉じん用電動ファン付き呼吸用保護具というのは普通の防じんマスクにファンが付いておりまして呼吸が楽になるという物です。今回、労働安全衛生法が改正され、これが義務付けになる部分が出てきます。それに先がけて、きちんと基準を示しておかないと企業が困るという事で指針をお出しして、これがいずれ構造規格につながっていくものだと思いますが、公表させていただいています。

 一般誌への寄稿・取材への協力については、当研究所には非常にいろいろ取材やお問い合わせも多くあります。何か事故があると、うちの研究所に「これはどういう理由で起きたのでしょうか」など、そういった取材もたくさんあります。それに対しても非常に丁寧に回答していると思っております。そういった事で対応させていただいております。また、一般誌等からもいろいろ掲載の依頼があり、それに対して応えています。

 研究所のトップページについては昨年度、一生懸命改定の作業を行いました。実際の公開は今年の5月でしたが、ホームページの中身を非常に分かりやすく、また検索しやすいように大幅に見直しを行っております。いわゆる情報発信について非常に頑張っているという事で、自己評定をSとさせていただいております。

 講演会等の開催については16ページです。評価シートでは15ページ、16ページになります。まず数値目標としては3回以上となっており、安全衛生技術講演会を仙台、東京、大阪という3都市で開催しております。参加者合計が447名、定員が500名ですから概ね満員になったという事です。数値目標として入っておりますのが、アンケート調査の結果、「良かった」、「とても良かった」を75%以上を目標にしておりますが、これに対しては76%から「良かった」、「とても良かった」という評価をいただいております。

 また、ほかに一般公開や施設見学等も行っております。一般公開につきましては清瀬地区、登戸地区で4月に実施しており合計508名の参加をいただいています。ここは「とても良かった」、または「良かった」という割合が清瀬93.6%、登戸89.4%と非常に良い評価をいただいています。

 一般公開以外に見学をしたいという御希望があった時はそれに対応しておりまして、大学・研究機関・民間企業等から訪問をいただいております。清瀬市の関係者の方、それから大学や中学校、外国政府機関というのはタイやベトナムなどの方が来られて見学をしていただきました。

 その左側の下、厚生労働省子ども見学デーというのがあります。これは初めての試みですが、夏休みに厚生労働省で厚生労働省の関係の業務をいろいろ紹介するという行事がありました。当研究所も参加させていただいて、例えば静電気について子どもさんたちに体験してもらうとか、いろいろそういったことをやりまして非常に好評でした。407名の参加があり、今年も参加するように依頼があり、今年も参加させていただくことになっております。これについては非常に好評であったこと、それから人数の参加も多かったということで自己評価をAとさせていただいております。

 続きまして17ページが知的財産の活用促進です。評価シートは17ページです。これについては特許の出願・登録を行っています。新規特許の登録特許が2件、新規出願が4件、これについては取得に精通した担当者を配置するなどいろいろ工夫してやっております。右側の表を見ていただくと分かりますように、登録特許の数はここ3年間で順次増えてきております。2件確保しております。また、出願中についても増えて4件となり、着実に特許の出願・登録をやってきて増えてきているということで自己評定をAとさせていただいています。

18ページが労働災害の原因の調査等の実施です。評価シートでは18ページと19ページです。これは当研究所の非常に重要な活動です。労働災害、特に重大な労働災害が発生しますと、厚生労働省から研究員を現場に派遣するようにという依頼が来ます。災害発生の原因を科学的に分析して特定、御報告申し上げ、その結果、厚生労働省の方では法令の改正や指導に活かしていただくという仕組みになっております。

 昨年度は17件ありました。その前の年の倍以上で、非常に忙しかったわけです。例えば土砂崩壊災害、これは道路が地割れして非常に危ないという事で、それを直す工事をしていて崖が崩れて非常にたくさん亡くなられたという事故でした。化学工場で発生した爆発災害も熱交換器が、ある意味火を吹いたような形になっており、原因究明に今非常に苦慮しているところですけれども、難しい災害の調査を行っております。

 難しい例でいきますと、平成242月ですから2年半位前なのですが、岡山県倉敷市で海底トンネルの崩落がありました。工場の間に海があって、その下をトンネルでつなぐ工事をやっていたのですが、シールド工法で掘っていた時に、それが崩落して5名亡くなるという事故がありました。次のページがトンネルが崩落しまして6名巻き込まれ、5名が亡くなられたという事故です。これについては、災害発生の翌日にもう現場に行きました。この時はまだ水没した状態のままですので、まずは分かる所だけ調べました。

 その後、「引き上げたマシン調査」とありますが、マシンが引き上げられましたのでその調査を行いました。それから材料強度等試験、これはどのように壊れたのかを実際にその部品を壊してみて、いろいろな力のかけ方をして、壊れた物との比較でどういうように力が加わったのかをいろいろ調べました。そういう結果を踏まえてデータ分析を行いました。これで、どの順番に部品が壊れていったのかということを苦労して解析いたしましたが、その結果、調査報告がまとまったので、73日に厚生労働省に報告をさせていただいたということです。

 また、この部門についてはいわゆる機械部門や建設部門など、部門がまたがって研究者が協力しています。つまり、当研究所としての特色が非常に出た調査だと思っております。非常に苦労して成果を出したという事でございます。

18ページに戻っていただきますと、資料として活用されたとする割合が数値目標80%ですが、97%が活用したという結果をいただいており、成果を活かしていただいているということで自己評価をSとさせていただいております。

20ページを御覧ください。評価項目10の労働安全衛生分野の研究の振興です。評価シートでは20ページから22ページです。まず、労働安全衛生重点研究ワークショップを開催しております。研究成果は普及するということ、また研究・振興を図るということです。昨年10月、「墜落災害の防止と防護に関するワークショップ」を開催致しました。これにはアメリカや韓国の方にも参加していただいて、それぞれの国の状況を発表していただき、一般の方にも聴衆として参加していただいて、これについては日英の翻訳付きで理解をしていただくように工夫をしました。

 インパクトファクターについては、昨年は6月末に結果が公表されておりましたので、この場で御報告させていただけたのですが、そのインパクトファクターを出している所が「今年は7月末まで出ません」という事なのです。申し訳ないのですが、去年の数字をそのまま0.87で出しております。目標が0.8なので目標はクリアできているだろうということで、ここだけは申し訳ないのですがそういった数値をお出ししています。

 ワークショップについては通常は国内だけで実施するのですが、昨年の場合は特に工夫して外国の方にも参加していただいたということで、自己評定をAとさせていただいております。

 次に評価項目11の若手研究者の育成等です。右側にありますように、若手研究者の受け入れでは63名の研究者を受け入れております。これは昨年と同様です。それから、労働安全衛生機関の支援として、労働大学校の産業安全専門官研修、労働衛生専門官研修、新任労働基準監督官研修といったように、行政の職員に対する研修を一生懸命やっております。これについては講義を10回、研究所に来られて見ていただき、説明を行ったのが3回です。その下に地方労働局とありますが講義に伺ったのが3回あります。やはり規則改正等がありますと、なぜそういう改正があったのかという技術的なところをよく勉強したいという声もあり、研究員が出向いて講義をしたり、専門官研修等についてももともとの規則ができた経緯など、技術的な所を研究員が説明する事が非常に重要だということで講師として呼ばれているということもありますので自己評定をAとさせていただいています。

 評価項目1222ページと23ページです。まず、外国の研究機関との研究協力・協定が10あります。中にはアメリカのNIOSHも含まれております。国際的な研究協力の推進という事で、先ほど墜落災害という話がありましたが、墜落災害の防止と防護に関する国際会議、ここはいわゆる学会になる部分ですがアメリカのNIOSH、韓国のOSHRIをはじめ10か国、70名の参加をいただき、当研究所において開催しております。その時に学会というだけでなく、一般の方への裨益も考えて、先ほど申し上げましたワークショップを開催し、研究の成果と普及という事にも努めたという事です。

 右下の方に共同研究の比率は31%とあります。数値目標が15%ですので大幅に上回っています。若手研究員の派遣は35名、受入れが63名、合計98名となり、目標の数字が20名ですのでこれについても非常に上回っていると考えております。

23ページはアメリカと韓国が突出して多いというのがあったので、アメリカはNIOSHとの間でカーボンナノチューブについていろいろ意見交換を行ったという事を記載しています。韓国は安全面の方が多いのですが、韓国のOSHRI、ソウル科学技術大学、釜慶大学といったような所といろいろ交流をさせていただいているということで上げております。

 ここの部分については、共同研究の比率や若手研究員の派遣という点について非常に成果を挙げており、自己評定をAにさせていただいています。以上が御説明です。

 

○酒井部会長

 委員の皆様におかれましては、評定記入用紙の1番から12番まで、記入をお願いしたいと思います。その間に、御質問等ありましたら、自由にどうぞ。

 

○中村委員

15ページ、ホームページ、メールマガジン、研究成果の公表とあるのですが、この3番目で「Industrial HealthTRNo.45が出ているのですが、もうちょっと具体的に教えてほしいのです。私の理解は、こういった施策をやるときにホームページ上でも分かりやすく説明しているというように取ったのですが、それでよろしいでしょうか。

 

○労働安全衛生総合研究所研究企画調整部長

 ここは指針を載せているということです。これはどちらかというと、保護具を開発といいますか、商品化する方用の評価といいますか、製品をきちんと作るかどうかということの指針ですので、一般向けとは少し違います。ただし、公表することによって、そういうものを作りたいというところが、どこでも参考にできるということで公表させていただいているということです。

 

○中村委員

 指針等は一般にプロが作りますので、きちんと漏らさないで必要な項目が書いてあるわけですが、実際に使おうとするときに、かなり技術的なギャップがあるというか、理解しづらいというのがあって、それに対してここではそれの解説みたいなこととか、使い方とか、そういったところまで触れているのか、それとも単に指針をそのままPDFでもってポンと載せているのかという点をお伺いしたかったのです。

 

○労働安全衛生総合研究所研究企画調整部長

 ホームページでは、そこまでは詳しくしておりません。というのは、逆にこれの説明をしてほしいという方は、当研究所に直接問い合わせていただいて、それで11で説明しないと、これを読んだだけで理解してくれというのは多分難しいので、そういった対応をさせていただいております。

 

○中村委員

 なるほど。こういうものができましたということで、情報提供と。

 

○労働安全衛生総合研究所研究企画調整部長

 これについては、そういうことです。

 

○中村委員

22ページに「国内外の労働安全衛生関係機関等との協力の促進」とありまして、私は貴研究所はこの分野はかなり積極的にやっていて、業績も上がっていると思っているのですが、その現れとして具体的な数字も、目標に対して大体倍近い、あるいは倍以上がありますよね。これがSでなくてAとしたのは、何かあるのでしょうか。

 

○労働安全衛生総合研究所研究企画調整部長

 数値目標としてはクリアしています。本当はSでもいいのかもしれないのですが、昨年と比較して特別に多いかというとそうでなかったということと、他の一生懸命頑張った結果どうかというのと、また性格が違ったものですから、昨年と比較してAかなということでさせていただいたということです。Sにしていただいて困るということではありません。

 

○中村委員

 昨年と実績、その他は余り変わりないと。昨年は評価がAであったということに鑑みてAとしたということで、よろしいですか。

 

○労働安全衛生総合研究所研究企画調整部長

 そういうことです。

 

○酒井部会長

 まず、それでよろしいですか。

 

○中村委員

 はい。

 

○清水委員

1か所、教えていただきたいのですが、17ページの「成果の積極的な普及・活用」というところで、「知的財産の活用促進」がAとなっているのですが、この活用、あるいは普及活動は、実際にやっているのですか。特許を取ったというのは、先ほど御説明を受けた、あるいは出願中という説明を受けたのですが、活用というのはこの中でどこに表現されているのでしょうか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 普通は特許を取って、それで収入を得ようというのが多いのだと思うのですが、当研究所の場合は特許を取って、それを皆さんにできるだけ自由に使っていただこうという部分もありますので、特許を取りましたということを広報して勧めているということです。例えば建設部門でいいますと、説明会、建設の対策についての指導の研修会等の場において、こういう特許がありますよというような紹介をさせていただいているということです。ただ、説明ということで言われると、ここには書いていません。

 

○清水委員

 そうすると、今おっしゃられたような利用がどのぐらいされているかをどこかで表現されてくれないと、これは何も言っていないので、別にAなどという評価というわけにいかないと思うのですけれども。

 何か資料はあるのですか。今お手元にはないかもしれないですが、実際にこのように活用されている、このように利用されているというデータは、把握されているのですか。

 

○酒井部会長

 いかがでしょうか。もし難しいようでしたら、ごく短期間のうちに、委員のほうにこんなことだったということを示していただくような資料を提出いただいても、よろしいかと思いますけれども。もし今お答えいただけるなら、もちろんお答えいただければと思います。

 

○清水委員

 これは、そもそもは特許の件数を幾つ取るということを目標に掲げているのですかね。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 ここには書いてないのですが、例えばそれに関するような業界とか、そういった所には働きかけをして、こういう特許がありますよということはやっております。それから、先ほど一般公開というのを申し上げましたが、そういった所でも、こういう工夫がありますということは説明をさせていただいています。

 

○清水委員

 普及活動はやられているということですね。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 はい、そうです。

 

○清水委員

 だから、活用というのは、数字的なものでは今のあれでは表現されていないので、ここでいうところの普及はいいですね。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 活用ということでいうと、右側の表の一番下に「特許実施料」ということで、これだけ使っていただいていますというのは一応あります。ただ、ちょっと額が少ないのですけれども。

 

○清水委員

 このぐらいの額だと、自己評価は幾らになるのですか。これでもやはりAですか。普及と一緒にしてAと、このように考えてよろしいですかね。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 実施料については、もともと数値目標を入れていないということと、それで収入を得ようということが目標になっていないので、これは普及に努めているということで御理解いただければと思います。

 

○清水委員

 そうだとすると、やはり目標の所を活用というよりも普及ということを重視してもらって、そこに対するデータをある種、記載してもらって、分かりやすいようにしていただきたいと思います。今回は分かりました。

 

 ○労働安全総合研究所理事(豊澤)

 追加ですが、平成25年度は登録が2件と新規の出願が4件ありまして、過去に比べて研究員はかなり頑張って出したという状況です。そういうことも加味していただければと思います。

 

○清水委員

 分かりました。

 

○定本委員

2点、質問させてください。先ほどの御質問とかぶるかもしれませんが、1点目がホームページへのアクセスが300%、それから配信数、アドレス件数が非常に増加したということですが、これは特別な理由があったのでしょうか。例えばいろいろな災害などの問題等が起こって、研究所にアクセスしたのか、非常に新奇な研究成果が出て、貢献するような知見とか、行政に対する普及・活用ができるような情報が発信されたのか。どちらだとお考えなのかということが1点目です。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 まず、お答えさせていただきます。原因が何かというのは、なかなか分かりにくいところはあるのですが、ホームページの内容が最近、更に充実したというのはあります。見ていただいている方がいい情報があると、それによって、例えば毎月チェックをしようとかです。つまり、適宜、更新していますので、新しい情報が出ているのではないかということで、毎月見に来ていただいているとか、あとは御紹介をしていただいて、ほかの方も見るようになったとかなどです。また、メールマガジンの中に、こういう情報が新しく載りましたということも情報発信させていただいていますので、そうすると、それを見た方が「ホームページ見に行こう」と、メールマガジンの中からリンクして飛ぶようになっていますので、それによって更にホームページに来ていただいている方が増えてきているということもあろうかと思っています。

 

○定本委員

 研究の紀要の、例えばPDFのダウンロード数とか、そのような件数も非常に分かりやすいかと思います。2点目の質問、よろしいでしょうか。研究のプロジェクトをすごくたくさん、精力的にやっていらっしゃるということで、非常に評価したいと思います。1つ、最近はストレスマネジメントといいますか、ストレスに対する労働災害とか、健康被害とか、健康問題が多いと思うのですが、その辺りの特筆すべき報告というのはないのでしょうか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 研究所のほうで、ストレスチェックについて、ずっと研究をしています。今回やっと労働安全衛生法が改正されて、そういった面について法令化されるということも出てきておりますが、そういった関係があって、そういったものについてストレスチェックということで検索すると、うちの研究所が出てきてということで、関心を持って見ていただいているということもあろうかと思います。ですから、最近急にということではなくて、ずっと地道にやってきた活動というのはあります。

 

○定本委員

 基盤的な研究というところで行われているというように理解して、よろしいでしょうか。

 

○労働安全総合研究所理事長

 今の件に関しましては、基盤的研究とは違いまして、一部、行政要請研究、それからプロジェクト研究で、もっと短い期間の中で答えを出す必要があるものとしてやらせていただいております。基盤的研究に関しては、ストレスをどう測るか等、もう少し基礎的な研究として続けております。

 

○定本委員

 分かりました。

 

○酒井部会長

 恐らく御質問されているのは、ストレスチェック自体が法令化されるような中にあって、皆さん方がどういう関与があるのかということだったと思うのですけれども。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 ストレスチェック、要するに法令化する際にいろいろ検討されて、その際にうちの研究所の研究員が検討会のメンバーに加わったり、そういった形で基礎的にある知識、研究成果も踏まえて、いろいろ意見を言わせていただいたということはあります。

 

○田宮委員

 お疲れさまです。今回、まず「調査研究と災害調査等」という所で、知見と技術、課題、見通しという図が3ページにあって、これはすごく素晴らしいなと思って拝見していました。2つの研究所が一緒になって大分たちますが、こういうところを是非というように思っております。例えば介護のリフトなども、そういう点で非常に良い知見が出ていると思うのですが、これに関して1つちょっと気になるのが、前に労災のデータベースとの関係が報告に上がっていたような気がするのですが、それは今回出ていないように思うのですが、それはどうなっていたのでしたか。うろ覚えですが、特に労災のデータベースをお持ちで、それを使って研究していたということが前にないですか。ちょっとうろ覚えですかね。グラフが出ていたり、去年とか前に労災のデータベースをお持ちではなかったですか。何かそれをうまく活用いただけるといいなというコメントを前にさせていただいたような気がするのですが、そんなことが今回は出ていないので、多分それはそちらの研究所ならではのものだったかなと記憶しているのですが、もし違っていたら失礼します。

 

○労働安全総合研究所理事長

 先生がおっしゃっているのは、多分、災害調査分析のことだと思うのですけれども。

 

○田宮委員

 それです。

 

○労働安全総合研究所理事長

 今までは事故を中心として、死傷病報告等のデータベースを使って、分析をかなりやっておりまして、プロジェクト研究をそういう災害調査分析の結果をベースにして企画するということは、常に一連の流れとして位置づけて進めているわけですが、労働衛生上の職業性疾病に関しては、その辺が十分できていないという面があります。要するにデータの収集がなかなか困難であるということがあるのですが、後ほどお話が出るかもしれませんが、労災病院との効果的な協力により今後、その辺の解析は進めていくことになると思います。

 

○田宮委員

 是非お願いしたいと思います。もう1点、教育に関連して、若手をいろいろ取り入れて教育というのは素晴らしいと思うのですが、大学にいる場でちょっと気になるのが大学院生です。論文の審査と書いてあるのですが、大学院生の活用が1名いらしたという実績が書いてあって、学位論文の審査をしたと資料の21ページに書いてあったかと思うのですが、これは飽くまで審査なのですか。若手で希望者も余りいないかもしれないのですが、できれば若手がそこで研究を一緒に実施したというのではなくて、外部審査委員として審査をしたという実績ですか。ちょっと細かいですけれども、21ページの左側の上です。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 当然これは指導もした上で審査しております。

 

○田宮委員

 分かりました。大学によっては、審査と指導と分けている所もすごく多いので、これだと審査だけなのかなとちょっと思ってしまって、指導もされて、その若手が研究所に来られて研究を実施したということですね。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 そういうことです。

 

○田宮委員

 それはすごく大きい実績だと思います。頑張っていただきたいと思います。

 

○酒井部会長

1つだけ私のほうから質問させていただきたいのですが、労働災害の災害調査は大変重要ですし、立派な調査をやられて、しかも年間17例もやるというのはすごいことだと思うのです。毎年そう思っているのですが、示していただいている事例が非常にうまく行った事例が書かれているのですが、原因特定というのはそう簡単なことではないと思っていて、例えば随分努力したのだけれども、問題が残って、それをまた基盤研究のほうに戻したとかいうケースはないのでしょうか。この17例は全部、原因解明ができたというように思ってよろしいのでしょうか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 ここに挙げさせていただいているのは、逆に非常に苦労して解析したものです。ほとんどのものは研究所が行って、割とすぐに解決します。ただ、先ほどの塩素系の有機溶剤の件で説明させていただきましたが、研究成果としてこれがそうでしたというようには、研究が出ていません。つまり、胆管がんについては調査中で、被害者が出たので、多分こうだろうということにはなっていますが、学問的にこうだという結論はまだ出ていません。そういう意味でいうと、1つの例がそういうことになろうかと思いますが、なかなか難しいものもあります。

 

○酒井部会長

 そうでしょう。また引き続き、よろしくお願いしたいと思います。

 

○中村委員

 関連してですが、この労働災害の原因の調査は非常に貢献していると思うのですが、研究リソースに対する問題とか、そういったことは特にありませんか。これにかなりの時間を取られるので、ほかのことがなかなか進まないとか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 全くないとは申し上げません。ただし、研究員が一生懸命、頑張ってやってくれていることと、もう1つはその調査した結果が、その後の研究にまた生きてきているという部分もありますので、災害調査を疎かにしていいというものではなくて、そういう研究にも生きているということと、社会的な使命もありますので、ここはほかの研究が若干後ろにずれるということはあるかと思いますが、そういった中で工夫して、効率よく調査をやっているという実情です。

 

○中村委員

 上手に回っているというように理解してよろしいですか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 はい。

 

○中村委員

 部会長が先ほどおっしゃったように、この調査が基盤研究とかそういったものにリンクするかという話がいつもあったと思うのですが、そういった面でも上手に使われていると考えてよろしいですか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 はい、それはあります。

 

○労働安全総合研究所理事(豊澤)

 追加ですが、例えば先ほど19ページに挙げました岡山県のシールドトンネルの建設工事中の水没災害の災害調査ですが、延べで83日、研究員が岡山に出張しておりまして、確かにリソースをかなり取られていますが、その代わり災害の分析を通じて、新しい解析、問題の発見、災害手法の高度化というものに役立っていると思います。

 

○中村委員

 ありがとうございます。

 

○酒井部会長

 まだおありになるかもしれませんが、よろしいでしょうか。先へ進ませていただきます。

 グループの2番目になります。項目が飛びますが、131519になりますが、御説明をよろしくお願いします。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 説明をさせていただきます。24ページが評価項目の13です。評価シートでは2629ページです。ここは具体的な数値目標がないので、実績を説明させていただく形になります。まず、「柔軟な組織体制の実現と見直し」ということで、理事長のリーダーシップの下、日常業務体制によって、効果的かつ効率的に進行されるように管理をしています。理事長打合せで、原則、週1回、幹部が集まって進行管理の会議をやっています。役員会議は、年4回開催しております。両地区の合同部長等会議は、原則、週1回集まって、情報の共有化、また進行管理をやっています。これについては、登戸地区と清瀬地区に分かれておりますので、テレビ会議の仕組みを設けて、両方の会議室に関係者が集まって、テレビの画面を見ながら、お互い顔が見える状態で会議をしています。

 「効率的な研究業務の推進」ですが、先ほど領域が3つあると理事長から説明いたしましたが、その研究グループごとに日常的な進捗の管理、内部評価、外部評価の会議によって、厳正に課題の評価をやっています。研究討論会、労働災害調査の報告会、行政要請研究の報告会で情報の共有化、またその内容についてそれぞれ意見交換をし、研究の質の維持・向上を図っているということです。

1つ飛びますが、研究企画調整部による調査研究の実施状況、業績の一元的な管理ということで、各研究グループがきちんとやっているかというチェックもやっております。予算の執行管理も実施しております。

 資質の高い人材の登用ですが、人材活用等に関する方針を研究所のホームページに公表しており、それに基づいて取組を進めております。実際にどのように採用したかということですが、昨年度新しく2名、研究員を採用しております。5名内定して、この4月に5名とも無事採用に至っております。さらに、今申し上げたのはいわゆる任期付きの研究員で、3年間の任期があります。平成23年度に任期付きとして採用した1名については、任期を付さない、いわゆるパーマネントの職員として、今年4月に採用しております。良い人材を確保するということで、一生懸命、頑張らせていただいているということです。

 「業務・システムの効率化」は、グループウェアの充実で、皆がスケジュール管理を行い、きちっと相互に確認できるように、業務が効率良くいくように工夫しています。

 研究員の業績評価ですが、赤字で書いてあります。内部研究評価の規程の改正を先ほど申し上げましたが、それによって研究業績、対外貢献、例えば講師でいくとか、説明会等に出かけるとか、学会発表をするということと、所内貢献等の評価項目によって、業績評価を実施しております。一番下ですが、優秀研究員、若手研究員、研究業績優秀研究員といった優秀な研究員について、表彰することで、モチベーションの維持向上を促進をしています。

 このように数値目標はありませんが、それぞれの項目について、きちっと進めてきているということで、自己評定としてはAを付けております。

 評価項目の15は「運営費交付金以外の収入の確保」です。これは競争的資金の確保ということで、昨年度は42件、4,476万円の獲得をしております。これは平成24年と比べると35件から7件増え、かなり頑張ったと思っております。民間機関からの受託研究で12件、これも前の年と比べると倍増しております。ということで、外部研究資金の合計は約11,000万円になっております。一生懸命、頑張ったのですが、総額に占める外部資金の割合を、研究資金の3分の1以上にするようにという大目標がありまして、それに対する実績はどうかというと、平成25年度は18.7%、前年と比べると0.1ポイント増加はしましたが、3分の1というと33%ですので、それから比べると、まだなかなか追い付いていないということで、残念ながら自己評定はBを付けました。これについては、一生懸命、頑張って取るようにということでやっておりますが、基本的に11件確保するようにと、明確な目標ではないのですが、昨年も申し上げましたが、一応そういう目安は設けております。やはり外部資金で、正に競争して取ってくるものなので、なかなか目標までは行っていないということです。これについては、引き続き頑張らさせていただくということです。

 評価項目の19ですが、「公正で的確な業務の運営に向けた取組」ということで、評価シートでは32ページ、33ページになります。これは情報セキュリティポリシーにのっとって、情報セキュリティ管理をきちんとやっています。個人情報保護についても、個人情報保護管理者を選任して、個人情報の的確な保護に努めているということです。情報公開請求はありませんでした。通則法に基づく公表資料以外に調達関係の資料、特許情報のホームページでの公表に努めています。研究倫理については、外部有識者を含めて、研究倫理審査委員会を開催して、23件について厳正な審査を行いました。これは、きちっとした審査をやるようにしているということです。

 動物実験審査委員会については、1件について新規、2件について計画変更ということで審査を行いました。科学研究費補助金取扱規程に基づいて、科研費に対する内部監査を実施しております。これは非常に重要なことですが、不正使用の防止の対策を推進しているということです。利益相反審査管理委員会で、受託研究、共同研究について内部審査を行っています。こういったことで、淡々とではありますが、きちっとやらせていただいているということで、自己評定をAにしています。以上です。

 

○酒井部会長

 委員の皆さん、ただいまの131519についての評価記入をよろしくお願いいたします。

 

○清水委員

2つあります。1つは24ページの「業務・システムの効率化」というようにうたっているのですが、これは例えば前年と比べて業務プロセス等を変更して、更に良くなったというような具体的な取組は何かありますか。あるいは、前年度のを更に推し進めるというか、慣れた状態でやっていくような、そんなイメージで考えてよろしいのですか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 これをやりましたというのはなかなか難しいのですが、進めていくときに改善すべき点が時々出てきますので、そういったものを日々改善しながら実施しているというように御理解いただければと思います。

 

○清水委員

 大きな流れで変えたということはないのですか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 そうです。

 

○清水委員

 日々の中で、より効率的な運営を目指したと、こういうことですか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 これを変えましたということではないと思います。

 

○清水委員

 次の25ページでお聞きしたいのですが、外部資金の獲得が3分の1を目指すということで、18.7%になったと。最初に目標数値を掲げたわけではないという御発言がありましたが、例えば目標を3分の1に立てておいて、18.7%しか達成していないとなると、独法の評価の考え方からいくと、目標達成しないということで、Bというのは目標達成したときですよね。ということは、そこはどういう形で考えられているのですか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 非常に厳しい御指摘だと思うのですが、ある意味、中期計画の途中段階で、まだ去年と比べて余り変わっていないので、最後、達成できますというのはなかなか申し上げにくいのですが、今としてはとにかく目標に行くように一生懸命頑張っているということで、評価としてはBを付けているということです。

 

○清水委員

 今後、上がっていくと、そのような期待が。よく分からないですけれども。ということでいいですか。

 

○労働安全総合研究所理事長

 その点で再確認させていただきたいのですが、当初の時点で、そもそも3分の1を達成すべき数値目標として出しているわけではなくて、「努める」という語句が入っていますように、これに対していかに努力するかという視点で評価いただければ、という意味あいで書いてあると理解しているところです。

 

○清水委員

 分かりました。ありがとうございます。

 

○中村委員

 今のところなのですが、外部資金は非常に頭が痛いことだと思うのですが、平成21年、平成22年が結構大きい外部資金になっているわけですね。これとの極端な差というのは何かあるのでしょうか。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 これはNEDOからいただいていた大きいのがあって、それがなくなったのでということで、大きく下がっております。

 

○中村委員

NEDOの大型案件がなくなったと、終了したということですね。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 はい。

 

○中村委員

 分かりました。

 

○田宮委員

 両者の業務運営に関する事項で、両方の研究所の効率的な運営体制ですね。具体的なプロジェクトで、安全と衛生の方が両方入っているようなプロジェクトの割合はどんな感じか。大体でいいのですが、分かれば。やはりプロジェクトは別々が多いのか。前は結構、見ても同じ、両方の方が取り組まれているのかなと思ったりするのもありますし、その辺の傾向を教えていただければ有り難いと思います。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 お配りしている資料の中に、添付資料があります。その中の添付資料1に「プロジェクト研究、基盤的研究の課題リスト」とありまして、その中の2番と12番です。2番が「爆発・火災・中毒災害」となっておりますが、そういうところで協力して研究をしています。12番が先ほど説明させていただいた介護のところですが、これについても協力をしながら進めています。はっきり申し上げられるのは、その2番と12番ということです。

 

○田宮委員

 それ以外は別々でということですね。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 もともと課題自体が、ある部門に特定のものですから、安全と衛生というよりは、安全の中でも特定の部門に特化した研究であったりというものもありますので、そういう意味で必ず両方がということではありません。ただ、2番と12番については、課題が重なる部分があるので、協力をして研究しているということです。

 

○田宮委員

12番の介護など、先ほど伺っても安全の側面と労働者の健康と、両方すごく良い視点だなと思いましたので、是非進めていただきたいと思います。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 ありがとうございます。

 

○田宮委員

 もう1点、外部資金のお話が出ましたが、今の大学などでも、若手に対して外部資金をいかに獲得するかという教育講演をやったり、そういう取組はされていますか。うちもちょうど始めたところなのですけれども。まだでしたら是非やって。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 年に1回ですが、そういう講習会というのはやっております。

 

○田宮委員

 是非進めてください。

 

○労働安全総合研究所理事(豊澤)

 補足ですが、過去に申請で採択されたものを所内ホームページに載せて、それを参考にして良いものを作ってくださいというような教育もしております。

 

○田宮委員

 そうですね。いろいろな所が頑張り始めているので、是非続けて。

 

○労働安全総合研究所理事長

 ただ、ちょっと難しい点は、我が研究所は行政ミッション型なので、研究課題がミッションにある程度は合致しないと、獲得できても逆に研究員が本来のミッションに沿わない研究に時間が取られてしまうという問題がありまして、その辺が非常に難しいところで、その辺も十分検討しながら努力させていただきたいと思います。

 

○田宮委員

 お願いします。

 

○酒井部会長

 要望ですが、先ほど前のところでリソースの話が出ていまして、行政ミッションで忙しいというのはよく分かるのですが、若い人たちを含めて、本当に研究にちゃんと取れていますかというところとの関連の説明を頂けるといいなと思いました。意見ですから、特にお答えいただかなくても。

 

○労働安全総合研究所研究企画調整部長

 ありがとうございます。

 

○酒井部会長

 先へ進ませていただきます。グループ3です。グループ3は評価項目の1416、時間的には法人の説明が5分、委員の記入が5分と予定されていますので、よろしくお願いいたします。

 

○労働安全総合研究所総務部長

 総務部長の渡部と申します。私からは第2「業務運営の効率化に関する措置」のうち、(3)「業務運営の効率化に伴う経費節減」に関して説明いたします。評価シートは34ページ、本説明資料は27ページです。評価項目14に記載がある数値目標は2つありますが、まず第1は中期目標期間中において、前中期目標期間の最終年度である平成22年度運営費交付金と比べて、一般管理費(人件費を除く)について15%、事業費(人件費を除く)5%に相当する額を節減することになっております。平成25年度は、平成22年度に比べて、一般管理費でマイナス25.9%、これは目標に比べて10.9ポイント上回っております。業務経費でマイナス8.0%、これは目標に対して3.0ポイント上回っているということで、削減を達成しております。

2つ目の数値目標ですが、常勤役職員の人件費、これは退職手当及び福利厚生費、並びに人事院勧告部分を除くものですが、この人件費については、数値目標は毎年度1%以上節減することとしております。予算額では予定どおり削減しておりますが、平成25年度の実績では更にそれを下回って支出しており、約12,600万円の削減を行っているという状況です。平成24年度、平成25年度の2年度においては、国家公務員に準じて政府の要請に応じて2年間の給与減額措置を行っております。

 次に説明資料の28ページです。経費の節減については、引き続き随意契約の見直しに努めてまいりました。その結果、平成25年度の随意契約は、資料の右上の表にあるとおり、件数で4件、契約金額で約3,700万円まで減少しております。この随意契約4件の内訳ですが、水道が2件、都市ガス1件、官報の公告、これは財務諸表の官報掲載です。この4件については、ほかに競争する事業者がないといった性格のものです。

 右下の表ですが、省エネルギー対策の推進を取りまとめたものです。光熱水料の支出額の実績については、結果的に対前年度比で0.4%の増加となってしまったところです。この要因としては、このグラフを見ると、平成23年度に大きく落ち込んでおりますが、これは東日本大震災の影響で、節電等の政府全体の目標もありまして、実験になるべく支障がない限りで節減に努めたところが徐々に回復して、電気料については燃料費高騰による発電コスト上昇に伴う燃料費調整額の影響、石油とか天然ガスの輸入額が増えたことにより、それが電力料金に反映されてしまったといったことから、表にありますとおり、光熱水料全体の増加分は40万円だったのですが、電気料金だけ見れば約290万円増加していると。これは特殊要因であると考えております。

 電気の使用量については、黄色の棒グラフで表示しておりますが、平成25年度と比較すべき、前中期計画の最終年度、平成22年度に比べてマイナス14.4%となっており、ガス使用量はマイナス7.9%ということで、引き続き節減には努めているところです。

 次に、説明資料29ページの説明に入ります。タイトルは「国家公務員及び他の法人との給与水準の比較」です。当法人は、独立行政法人化以前については、国の附属研究機関だったこともありまして、給与体系は国家公務員に準じたものです。国家公務員と全く同じ俸給表を使っているところです。平成25年度のラスパイレス指数について、研究職の対国家公務員比較で92.0%、対他法人については93.1%ということで、研究職については大きく下回っているところです。事務・技術職の対国家公務員、これは国家公務員の行政職(一)と比較しておりますが、100.6%ということで、ほぼ公務員と同水準となっております。対他の法人との比較では、97.4%ということで下回っているところです。

 以上、経費の大幅な節減及び人件費の削減を行ったという実績から、自己評価をAとしました。

 次に説明資料30ページですが、「予算、収支計画及び資金計画」について説明いたします。評価シートの39ページ、評価項目16に記載があります。数値目標は、評価項目14の数値目標と同一です。中期目標期間中において、新規業務追加部分を除き、平成22年度運営費交付金と比べて、一般管理費について15%、事業費について5%に相当する額を節減するとしております。これは先ほど説明したところと同じです。当研究所では、中期計画に示された数値目標に基づく年度予算の範囲内で予算を執行しており、節減目標を達成しているところです。説明資料の表にありますとおり、人件費(退職手当を除く)は、予算額に対する執行率が94.7%、一般管理費は81.7%、業務経費は94.9%でした。なお、予算の執行に際しては、業務の進行状況と予算執行状況を把握しながら、適宜見直しを行っております。

 以上の経費節減については、一般競争入札の徹底に努めたこと、また研究設備や機器の購入、保守管理、メンテナンス等について、なるべく多くの業者が参加できるように仕様書の見直しや入札公告を厚生労働省の掲示板に掲示するなど、広く周知に努めたことにより、競争原理がうまく働いたものと考えております。

 以上、数値目標を上回る経費の大幅節減を行った実績から、自己評価をAとしました。以上です。

 

○酒井部会長

 委員の皆様方、記入をよろしくお願いします。御質問等どうぞ。

 

○清水委員

27ページの一般管理費と業務経費の節減の状況なのですが、これを見ると非常に大きな節減を実施しているとも見えるのです。2つ疑問がありまして、1つは平成22年度の予算が大きすぎるのかなとも思えますが、もう一方で、これだけ節減をしていて、本当に業務上支障がなく、うまく行っているのだろうかという思いもありまして、この辺をちょっと解説いただけると助かるのですけれども。

 

○労働安全総合研究所総務部長

 そうですね。平成22年度の予算が大きすぎたかどうかということは、私どもはちょっと今の段階で評価するのは難しいところですが、それをスタートラインとして、先ほど申し上げましたように、競争原理を働かせるような仕組みを随時導入してきたこと。それから、管理費であるところの管理部門の縮小もしてきて、ただし今、先生がおっしゃいましたように、研究員の研究には、なるべく支障を来さないような形で随時、努力している結果だと私どもは自負しております。

 

○清水委員

 一般管理部門の費用が減っていって、本当に研究に影響がないという感じなのですかね。

 

○労働安全総合研究所総務部長

 なるべくそういう形でですね。ただ、研究員の方にも管理部門が縮小してきた中で、簡単な事務については、そこはお手伝いいただきながらやっているところです。全てが管理部門で庶務系統、何でもかんでもやるのは難しい状況ですので、研究員に協力いただきながら、研究所として研究に支障のない形で運営をしているところです。

 

○清水委員

 なるほど。数字だけから見ると、そこでAではなくて、これだけの幅で縮小してくるとSのような気もしなくはないのですが、これはいいのですか。

 

○労働安全総合研究所総務部長

Sを頂ければ確かに有り難いのですが、平成26年度も同じようにやっていけるのかということで比較されたときに、去年より駄目ではないかと言われる可能性もありますので、そこはちょっと難しいところかなと考えております。

 

○酒井部会長

 登戸と清瀬の話ですが、両研究所が一緒になって、事務部門がより合理的になったという面はあるのですか。

 

○労働安全総合研究所総務部長

 そうです。それぞれで管理部門がありますが、人数を減らした分、業務的には合理化を図ってきたという結果だと思います。

 

○田宮委員

 今のお答えの中で少し気になったのですが、研究員の方に事務作業を少しお願いしているというのは、具体的にどんなことでしょうか。

 

○労働安全総合研究所総務部長

 そうですね。例えば簡単な物品請求については、物品請求の用紙があるのですが、それを自ら書いて、決裁まで上げてもらうとかです。決裁まで受けてもらう必要はないのですが、最低限の書類は作ってもらうという形ですので。

 

○田宮委員

 程度にもよると思うのですが、研究員の方はいろいろ行政的なニーズもある中、研究も進めるという非常に大変な中、更にまた事務作業も増えるのではちょっと気の毒かなと思いまして、その辺のバランスをよく考えていただきたいと思います。

 

○労働安全総合研究所理事(福澤)

 ありがとうございます。補足させていただきますと、先ほど部会長がおっしゃいましたように、統合効果を出せという要請もありまして、それは間接部門の所に相当皺寄せが行っている部分があります。統合前は両研究所合わせて、間接部門で22名だったと思うのですが、今は14名と減らさざるを得ない状況であったということです。

 その中で、必要なものは非常勤職員を採用したり、派遣で対応したりというような部分もあるのですが、一部、例えば今、総務部長が申し上げましたように、単純な事務手続の部分を、研究員の方が書ける部分は書いていただくということも御協力いただいてやっているということで、研究員に全く負担が掛かっていないということはないのです。外部からの要請で、間接部分は減らさざるを得ない状況であったということを御理解いただければ有り難いと思います。

 

○酒井部会長

 よろしいでしょうか。最後のグループ4の評価に入りたいと思います。評価項目は1718です。大変時間が短くて恐縮ですが、法人の説明が5分、評定の記入に5分、10分でやりたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○労働安全総合研究所総務部長

 次に第6「その他、業務運営に関する事項」について説明申し上げます。説明資料の31ページ「人事に関する計画」です。評価シートの42ページ、評価項目17に記載があります。数値目標は当年度末の常勤職員数の見込みを104名としております。当研究所の平成25年度末の常勤職員数は99名ということでしたので、数値目標を下回っております。説明資料の左側に記載しておりますが、資質の高い人材を採用するため、公募情報を広く周知し、若手任期付き研究員の採用を実施しました。先ほど永田部長からも説明があったとおりです。

 表にまとめましたが、平成25年度は公募に応募した76名の中から、5名を任期付き研究員として内定しております。平成24年度は募集分野3に対して内定が3ということですが、平成25年度は募集枠は5であったのですが、募集分野を幅広く取るということで、17の分野に広げました。そうした結果、応募者数が前年の11名から76名と大幅に増えて、優秀な方の応募が増えたと考えております。この中から5名を任期付き研究員として内定しているところです。

 次に、研究員の人事評価については、先ほどもお話がありましたように、研究業績、対外貢献、所内貢献の3つの観点から評価を行っております。その結果については、昇給・昇格等の人事、並びに先ほどお話がありました各種表彰に反映させているところです。これらの評価に当たっては、公平かつ適正に行うため、研究員の所属部長、領域長、役員等が多面的に評価を行うシステムとしております。

 説明資料の右側の下段に記載しましたが、人件費総額の見込みについては、平成25年度における人件費の総額は82,620万円でした。これは年度計画における人件費の見込みを12,580万円下回るものです。これは先ほど説明した中で、2年間の給与減額措置があった結果、これだけ多かったということもあります。

 常勤職員数の実績及び人件費総額削減の実績から、自己評価をAとしました。

 続きまして、説明資料の32ページです。施設・設備に関する計画について説明いたします。評価シートの44ページ、評価項目18にある評価の視点として、施設・設備の耐用年数、用途、使用頻度等を勘案して、計画的に更新・整備を進めているかとあります。当研究所の施設・整備については、平成23年度から平成27年度までの中期計画期間中、整備計画を表にまとめておりますが、平成25年度に計画されておりました太字の工事2件について、計画どおり実施しました。

 事業の実績から計画どおりということで、自己評価はBとしました。以上で説明を終わらせていただきます。

 

○酒井部会長

 委員の皆さん、記入をよろしくお願いします。御質問はいかがですか。

 

○定本委員

31ページの任期付きの研究員のことですが、募集分野数が17あったということで、採用は5ということ。本来はどの分野分ぐらい、例えば10分野採りたかったけれども5になったのか、そもそも5ということでお考えになっていたのか。

 

○労働安全総合研究所総務部長

 これは5名ということですので、その5人の枠の中で、幅広く応募してきた中から、優秀な方を採ろうということで、どの分野に5名ということで、あらかじめ決めていたわけではありません。応募していただいた結果、中身を見て決めさせていただいたというところです。

 

○定本委員

 作戦として、募集分野数を広げたということ。任期は3年ということなのでしょうか。こういう若手の任期付きの研究員を採ったときに、その任期が終わる頃までに、どのぐらいの人が研究所を離れていってしまうのかとか、そういう比率はどうなのでしょうか。皆さんその任期を満了して、あるいは次の更新を迎えるとか、そういう状況をお教えくだされば有り難いと思います。

 

○労働安全総合研究所理事長

 当研究所としては、いわゆる任期付き限定で採用しているわけではなく、基本的には本採用に匹敵するような人を選んで採用させていただくということです。ただ、その3年間の任期中の2年間の実績から、やはり当初期待していた役割を担える人とは違っているとか、そういう場合にはもちろんパーマネントにはなれないもしくはならない場合もありますが、ほとんどの場合はパーマネントになっていくという基本的考え方で採用しているということです。やはり我々の領域は非常に特殊な応用科学の領域ですので、もともと我々の領域で、すぐ研究を主導していけるような若い人はめったにいないのです。実際、バリバリ働いてくれる方がたくさんいるかというとほとんどいないわけです。そういう中で、一方では我々が育てますよというだけの十分な余裕も最近はなくなっているという事情もありますので、より幅広い領域で公募して、その中でしっかりと研究ができる方を選んでいるということで、5名ということになります。

 

○定本委員

 よく分かります。若手の人がきちっと定着していけるようにと。むしろこの任期付きというのは、本当に研究するサイドからすると、研究者の効率からも考えると非常に問題で、なるべく定着してくれるということを聞いて安心いたしました。

 

○田宮委員

 分野を広げて公募することで、たくさん集まってというと、とてもいいと思うのですが、参考までに必要な分野にちゃんと当てはまった方というのは得られましたか。

 

○労働安全総合研究所理事長

70%以上当てはまるという人は、例えばこの5名の中では3名、残りの2名は必ずしも70%ではないけれども、一応ベースとしての力が十分あるから、これなら何とかなるのではということで2名を選んでいるということで、76名集まっても、ちょうど私どもが期待している領域の方というのはなかなか集まらないのが現状です。

 

○田宮委員

 分野を広げたということは、ベースの力を高い人を得るという意味ではよかったということですかね。

 

○労働安全総合研究所理事長

 はい。

 

○田宮委員

 ありがとうございます。

 

○酒井部会長

 ほかはよろしいでしょうか。本来ですと、少し書く時間を確保したいのですが、時間が押しておりますので、進行させていただきます。議第の(1)についてはここで終了したということで、もう1つ、(2)で「業務方法書の変更について」です。事務局のほうで御説明いただきたいと思います。

 

○政策評価官室長補佐

 説明いたします。資料1-4、資料1-5になろうかと思います。独立行政法人の業務方法書とは、独立行政法人通則法第28条第1項の規定に基づき作成される法人の具体的な業務の方法の要領を記載した書類という位置付けになります。法人は、業務の開始の際に、この業務方法書を作成して、主務大臣の認可を受けなければならないということとされており、認可に当たりましては同条第3項の規定により、「主務大臣はあらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならない」とされております。また、業務方法書の変更の場合についても、同様の手続が必要と規定されておりますので、本日、労働安全衛生総合研究所の業務方法書の変更について、本部会で御審議していただくこととしております。

 それでは、労働安全衛生総合研究所のほうから、御説明をよろしくお願いいたします。

 

○労働安全総合研究所総務部長

 説明申し上げます。資料1-4を御覧ください。業務方法書の変更案ですが、WTO(世界貿易機関)が策定した政府調達協定が平成243月に改正されたことに基づいて、所要の対応を行うものです。これは政府調達における国際的な競争の機会を増大させる等の目的のために、1994年にモロッコのマラケシュで策定された有志国間の協定です。現在、日本も協定を結んでいるものです。

 今回の改正のポイントですが、開発途上国の加入の促進、各締約国の対象調達機関の拡大、電子的手段の活用による調達手続の簡素化といったことです。日本国においては、政府調達協定を改正する議定書を受託して、締結することについて平成25年度、臨時国会で承認されております。平成26317日に受諾書をWTOに寄託して、416日よりこの改正が効力を生じております。

 資料1-5ですが、当研究所はこの政府調達協定が適用される調達機関の1つで、業務方法書第25条において、政府調達に当たる契約に関する事務の取扱いについて、別に定めることを規定しております。この第25条に今、説明しました改正政府調達協定を追記するというのが、今回の業務方法書改正の内容です。

 

○酒井部会長

 趣旨並びにその内容は今、御説明のあったとおりのようです。御意見、御質問はありますでしょうか。

(各委員了承)

 

○酒井部会長

 それでは、御提案のとおりで、評価委員会としては問題はないということで、お認めいただいたことになります。ありがとうございます。駆け足で評価をやってまいりましたが、全体を通し何か御意見、御質問はありますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。これで労働安全衛生総合研究所に関わる議題は終了したいと思います。次の案件が、予定では1550分からということで、もう法人の方にお集まりいただいていると思いますが、それまでの間、5分間、休憩をとらせていただきます。皆さん、どうもありがとうございました。

(法人及び所管課入れ替え)

 

○酒井部会長

 それでは、国立健康・栄養研究所の個別評価を行います。

 最初に、理事長から御挨拶と平成25年度における業務実績のポイントの御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いします。

 

○国立健康・栄養研究所理事長

 ありがとうございます。国立健康・栄養研究所理事長の古野と申します。よろしくお願いします。評価用の資料として、資料2-1と資料2-2があります。資料2-2は細かく書いていますので、資料2-1を使って説明をいたします。資料2-11枚目のスライドは、評価を頂く中身について項目を挙げています。2枚目は、前年度の資料と全く同じですが、研究所の歴史と研究所の使命を書いています。国の健康政策に資する研究を重点的に進めるということで仕事をしています。

2ページ目の上下です。沿革と組織図で、従来と変わったところはありませんので省略します。

3ページの上のほうが、今回評価を頂く各研究事業の項目になります。1番目、国の生活習慣病対策等の施策としてより効果的な反映が見込まれる研究。それが3つあります。健康増進法に基づく業務が2つあります。それから、研究上の国際協力、あるいは、情報発信の概要をここに示しています。それと、NR、いわゆる栄養情報担当者の育成制度について、平成27年度7月まではこちらが関与するということで作業を進めています。以上です。

 

○酒井部会長

 ありがとうございます。それでは、早速個別評価に入りたいと思います。最初はグループ1として、評価項目14について。法人の説明20分、私たちの評定の記入に20分という時間配分でやりたいと思いますので、よろしくお願いします。

1つだけお願いなのですが、自己評価については、私たちも参考にしたいと思っています。特にS評価を付けている部分については、なぜなのかという御説明を是非入れていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

7月から研究企画評価主幹を務めています清水です。よろしくお願いします。資料2-1を中心に重要な部分について説明します。また、適宜資料2-2の評価シートを御覧いただきながら評価をしていただきたいと思っています。

3ページの下、Part1「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」です。当研究所においては、生活習慣病予防のための運動と食事の併用効果に関する研究、日本人の食生活の多様化に関する栄養疫学的研究、「健康食品」を対象とした調査研究。この3つを三本柱として研究を進めています。研究所の研究能力の向上及び食育推進のための調査研究も実施しています。以下、順を追って説明します。

4ページの上、評価シートは13ページです。生活習慣病予防のための運動と食事の併用効果に関する研究については、ア-a、運動基準、食事摂取基準等の改定のための科学的根拠の提示。ア-b、生活習慣病発症における遺伝、環境リスクの相互作用の解明。ア-c、遺伝子改変動物等を用いたテーラーメード予防法の開発に向けた科学的根拠の提示です。

4ページの下です。まず、運動基準、食事摂取基準等の改定のための科学的根拠の提示について、主なものを3つ挙げています。厚生労働省が策定した健康づくりのための「身体活動基準2013」で示された身体活動量の妥当性を検討する大規模介入研究を実施しました。平成25年度には1,071名の登録終了者を追跡しています。左がベースラインの断面研究です。身体活動基準を満たし、食事摂取基準の各栄養素をスコア化したスコアが高い者は、両者を満たさない者、あるいは、いずれかを満たす者よりも腹囲が良好でした。また、右が約2年間の介入研究の結果です。縦断追跡の結果、身体活動介入群、すなわち身体活動基準を満たした者、緑の線ですが、は非介入群、赤い線よりも腰痛の有訴率が低くなっていました。これらの結果から、平成24年度に改定されたアクティブガイドの妥当性や、あるいは、運動と食事の併用効果の研究結果を得ることができました。この介入のコホート研究は、今後更に観察期間を延ばし、有用な知見を積み重ねていく予定としています。

5ページの上です。食事摂取基準の子どもや高齢者のエネルギー必要量は欧米人の結果に基づいています。そのため、これらの対象のエネルギー必要量のデータを収集することが重要です。そのため、自立した高齢者のエネルギー消費量、身体活動レベルを調査しています。平成24年度の調査対象者37名の歩数は、左の表のように、国民健康・栄養調査より多かったということでしたので、平成25年度は、これらの対象者を含めた全対象者の歩数の平均が国民健康・栄養調査に近づくよう、62名の歩数調査の結果から新たに18名を選別しエネルギー消費量を測定しました。現時点で、従来考えていたよりも高めの身体活動レベルが得られています。

5ページの下です。肥満の予防や解消に寄与する知見を得るため、ヒューマンカロリメーターを用いて、朝食の栄養素組成比が1日の基質利用量に影響するかを検討しました。これは、1日の平均栄養素組成を同じにした上で3種類の食事、すなわち、13食とも脂肪、タンパク質、糖質の組成が同じ食事。2、朝食が糖質の多い高糖質食。3、朝食が脂肪の多い高脂質食で基質の利用比較をしています。その結果、3の朝食が高脂質食の場合、エネルギー消費は同じですが脂質の利用量が多く、朝食の栄養組成が1日の基質利用に関連していました。朝食が高脂質食では、糖質の利用が少なく筋肉や肝臓のグリコーゲンが保持されるため、食欲亢進が起こりにくくなるという可能性があります。

6ページの上です。ア-b、人を対象とした生活習慣病発症における遺伝、環境リスクの相互作用を解明するための研究です。計画では、新たな2型糖尿病感受性遺伝子の同定を挙げています。1000ゲノムプロジェクトの参照パネルとimputation法によって全ゲノム関連解析を行い、東アジア民族に特有の2型糖尿病の発症に関わる3種類の遺伝子を新たに同定しました。

6ページの下です。ア-c、遺伝子改変動物等を用いたテーラーメード予防法の開発に向けた科学的根拠の提示です。これまでに同定した2型糖尿病関連遺伝子の機能解明の観点から、インスリン分泌能と関連している遺伝子であるTcf7l2の膵臓Β細胞における機能を、この遺伝子の機能を低下させたマウスで解析しました。その結果、左グラフにあるように、インスリンの分泌能低下と、それに伴う耐糖能異常が見られました。また、写真にあるように、インスリンが少なく、グラフにあるように、出生直後から膵臓のΒ細胞が減少し、また右のグラフにあるように、細胞増殖に関わる遺伝子発現の低下や細胞増殖能の低下が見られました。このため、遺伝子Tcf7l2は、膵臓のΒ細胞の発生段階から細胞増殖を介して膵Β細胞量を調節しているということを明らかにしました。このような2型糖尿病発症メカニズムの解明は、テーラーメード予防の開発に資するものであると考えています。

7ページの上です。低炭水化物食の肥満改善効果や安全性の検討のため、肥満マウスに高脂肪食、青で表示していますが、それと2種類の低炭水化物食、赤及び緑で表示、を与えてその後の肥満改善効果などを見ました。その結果、脂肪の多い低炭水化物食、緑では、グラフにあるように、体重増加が抑制される時期があり、全期間に渡りインスリン値は低かったが、肝臓のトリグリセリラドは増加し、脂肪肝は悪化しました。以上が、生活習慣病予防のための運動と食事の併用効果に関する研究の主要な実績です。これらの研究は、厚生労働省の策定する運動基準の妥当性の検討や、食事摂取基準改定など、行政施策の推進に寄与するものであり、あるいは、生活習慣病の予防のための研究も進展していると考えています。評価としてはAとしています。

7ページの下です。2点目の、日本人の食生活の多様化と健康への影響、及び食生活の改善施策に関する栄養疫学的研究です。評価シートは45ページです。平成24年度の計画は、イ-aの日本人の食事摂取基準を策定するための栄養疫学研究及び基本的情報の収集と、イ-bの国民健康・栄養調査の機能強化及びデータ活用に関する検討です。

8ページの上です。まず、イ-aの「日本人の食事摂取基準」の策定作業への協力と普及啓発については、食事摂取基準に用いる参照体位、目安量、目標BMIの策定根拠を決定するため、国民健康・栄養調査複数年データプールを用い、種々のパターンでの集計と提出を行っています。資料は、参照体位のうち体重について示しています。

8ページの下です。食事摂取基準の改定に資する研究です。摂取基準の策定に当たり、日本人でエビデンスが不足している高齢者について補足をするため、国民健康・栄養調査のデータを用いて、加齢による貧血の頻度と栄養素摂取量及び食品群摂取量との関連を検討しました。その結果、表にあるように、男性、女性とも貧血の頻度は加齢とともに増加すること。さらに、男性では魚介類・肉類の高摂取、女性では肉類の高摂取が貧血のリスクを低下させることと関連があることを明らかにしました。

 次に、イ-b、国民健康・栄養調査の機能強化及びデータの活用です。9ページの上です。この部分では、国民健康・栄養調査の技術的支援として、栄養摂取状況調査入力管理ソフト、「食事しらべ2013」の改良を行いました。これは、食品の摂取量の案分率を計算した数値が食品ごとの1人分の上限値よりも高い場合に、赤く色付けされて表示され入力時のエラーチェックを可能にしています。また、資料にはありませんが、食品成分表の改定により、年次推移の検討が困難となっていた穀類について、米の摂取量が減少傾向にあることなどを明らかにしました。以上、食品摂取基準の策定において、不足している対象集団のエビデンスの創出や、国民健康・栄養調査のデータ活用、更にはデータベースの構築などを行っており、A評価としています。

9ページの下です。3点目の、「健康食品」を対象とした食品成分の有効性及び健康影響評価に関する調査研究です。評価シートは67ページです。計画としては、ウ-a、「健康食品」の素材成分の健康影響に関する研究と、ウ-b、「健康食品」に関する公正な情報の提供です。

10ページです。健康食品素材の健康影響に関する実績です。第1に、食品抗酸化のデータベースの構築です。抗酸化物質の摂取は健康に良い影響を与える可能性がありますが、どの程度摂取をすればよいかは不明です。これを明らかにするには、摂取した抗酸化物質の総量を数値化し、疫学研究を行うことが有効です。そのためのデータベースとするため、215品目について、ORAC法により抗酸化能を数値化したデータの収集を行っています。概要はグラフのとおりです。今後更にデータベースの拡充が必要です。

10ページの下です。ビタミンDの公定法は、精製操作が煩雑で測定誤差の原因となることから、精製過程を自動化する方法、カラムスイチングHPLC法を開発しました。この方法で、右にあるように、幅広い食品でビタミンDを検出できました。回収率の改善や分析方法の妥当性の確認が今後の課題です。

11ページの上です。食品に含まれる微量栄養素の生理機能の評価です。ビタミンAの代謝に関わるレチノール結合タンパク(RBP4)については、インスリン抵抗性では、脂肪細胞における遺伝子の発現が上昇し、血中濃度が上昇することが明らかにされています。このため、その測定系の構築を目指しました。結果として、レチノール結合タンパクの精製法は確立できましたが、高力価抗体の作成には至りませんでした。また、レチノール結合タンパクの遺伝子発現を制御するPSMB1の機構の一部を明らかにしました。

11ページの下です。疾病モデル動物における「健康食品」素材と医薬品の相互作用に関する研究です。レスベラトロールは抗加齢効果を標榜する健康食品素材ですが、医薬品との相互作用の安全性は十分に確保されていません。そこで、この健康食品のターゲットである中高年女性が、同時に服用することが多いと想定される高コレステロール治療薬のスタチンとの併用による相互作用を評価しました。図は、肝臓の薬物代謝酵素発現に対する影響を示しています。閉経後モデル群の遺伝子発現は亢進をしていますが、スタチン投与群とレスベラトロール摂取群は遺伝子発現を抑制しています。また、スタチン投与群と最も右のスタチン併用群で差は見られていません。結果として、レスベラトロールとスタチンは、特定の薬物代謝酵素の発現を抑制しましたが、交互作用は見られませんでした。

12ページの上です。食品添加物として規定されていないミネラルは、酵母に取り込ませミネラル酵母として汎用されています。このミネラル酵母の実態は不明であることから、健康食品に含まれるミネラルの形態の確認手法について検討を行いました。セレンを対象とした検討では、図に示した分画方法で有機セレンと無機セレンの分画が可能で、市販の酵母を使用した食品について実態評価が可能となりました。

 下の図を御覧ください。これも、利用が多いダイエットハーブであるコレウス・フォルスコリについて医薬品との相互作用を動物試験で検討しました。その結果、左のグラフにあるように、コレウス・フォルスコリの濃度につれ、薬物代謝酵素の量、活性ともに高くなりました。また、右にあるように、血糖降下作用は減弱し、血糖値は高くなりました。このことは、人においてもコレウス・フォルスコリと医薬品の併用により相互作用が生じる可能性があることを示しています。以上のような、健康食品の安全性評価に関する研究は食の安全確保に貢献するものと考えています。

13ページからは、ウ-b、健康食品に関した情報発信に関するものです。現在、当研究所では、健康食品の安全性・有効性情報というホームページを提供しています。内容は、厚生労働省、消費者庁と連携し情報を作成しています。また、データベース上で現場の専門職と連携もしており、情報交換や、専門職の方がこのホームページを通じて消費者に正しい情報を伝えることが可能になっています。下は、提供の状況です。アクセス数の目標は8,000件ですが、1日当たり14,000件で目標を上回っています。健康被害の未然防止、拡大防止に寄与することができたのではないかと考えています。

14ページの上です。小児のサプリメント利用実態のアンケート調査を実施しています。小児のサプリメント利用率は8%あり、更に、どこの何という製品を与えているのか意識せずに子どもに与えている母親が3割あることが明らかになりました。このことから、利用時に注意すべき基本的事項の伝達が必要と考えられました。下は、特定保健用食品の利用に関する調査研究です。摂取目安量、摂取方法を守っている人や、生活運動習慣を改善した人で、特定保健用食品の効果を実感できているとの結果が得られ、効果的な情報の伝達が重要と考えられました。

15ページの上です。健康食品による有害事象の収集とその活用に関する検討です。各所の情報を集め、健康食品の摂取と有害事象との因果関係を判断するためのアルゴリズムを作成し、保健所と、企業、消費者センターの担当者を対象にアンケートを実施しています。今年度は更に実用性の検証を進める予定です。以上より、健康食品に関わる研究や公正な情報提供について貢献度が大きいと考えていることから、本年度はA評価としています。

4点目、研究所の研究能力の向上及び食育推進のための研究です。評価シートは89ページです。15ページの下です。研究能力の向上に関しては、若手育成型の科学研究費補助金を年間10件、助成事業における外部資金の年間5件以上の獲得を目標としていました。また、効果的な栄養教育手法の開発も挙げています。16ページです。研究費は、若手育成型の科学研究費補助金は11件、助成事業における外部資金を1件獲得しました。オ、効果的な栄養教育手法の開発については、通所施設利用者を対象とした介入の実施、高齢者を対象とした栄養改善に関する文献検索と質問作成及び調査、東日本大震災時に作成した栄養支援情報ツールに関する調査を実施しました。また、食育推進全国大会に参加し、食育の推進に努めました。更に、共食や欠食と健康状態、栄養教育を用いた効果的な介入方法について文献レビューも行っています。

16ページの下です。食育推進全国大会でのアンケート調査です。栄養成分表示を減塩に活用するには、食塩相当量表示とする必要があることを明らかにしました。以上のとおり、食生活の諸問題や東日本大震災時の栄養支援情報ツールについて調査研究を行うと共に、食育に関する情報提供に努めたことからA評価としています。説明は以上で終わります。

 

○酒井部会長

 ありがとうございました。それでは委員の皆様に評価用紙への記入お願いします。御質問がありましたらどうぞ。

 

○定本委員

 御説明ありがとうございました。最初のコメントで質問ではありませんが、特に一番最初の運動と栄養、食事と組み合わせた生活習慣病予防のための非常に大規模な研究をされていることは当該研究所にとりましては、ならではのプロジェクトということで、これは非常に意義が高く評価したいと思います。しかも遺伝子のゲノムでの分析等々まで踏み込んでいらっしゃって、これは評価したいと1点目は申し上げたいと思います。

 健康食品は非常にトピックスでありますし、この点についての医薬品との相互作用も着眼点はとてもおもしろいと思います。この辺についてはずいぶんなされていると思いますが、15ページ4番の研究所の研究能力の向上及び食育推進のための調査研究というところで、どのように評価すればよいのか少し戸惑ったところです。多分、時間的な問題もあるとは思いますが、資料の16ページの上のほうで、平成25年度の実績で、若手研究者の研究資金を獲得したことと、グループ4のところで外部資金の導入というような所に関係するような事項ではないかと思って判断をしておりましたが、これが食育推進のための調査研究というところで1つにまとめられているということで、どうしてこれが2つが一緒になっているだろうということが1点目の疑問です。

 しかも、25年度の科研費、補助金の外部資金を若手のために獲得したというその金額、件数というものと、若手の教育研究支援をしたという能力の向上に資する事業を行ったということとは別問題だと思いますので、この点の御説明をよろしくお願いします。

 

○国立健康・栄養研究所理事長

 先生、私が理解している範囲で説明します。これはエとオの若手育成と食育が一緒になっていて、同じスライドで説明していますので分かりづらいかと思います。エのほうは若手が取れる研究費というものです。それに限定した金額と件数です。後のほうの外部資金は、シニア研究者も含めた外部資金です。若手育成型の研究費を取れたということが、研究能力の向上についての努力とどのように関係しているかは、確かに、難しいです。能力向上の活動の結果として研究費が取れるようになるのではなかろうかという、温かみをもった観点で評価をいただければありがたいと思います。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 それから補足ですが、仕組みとして私どもの中期計画の中でこのエとオの研究所の研究能力の向上という項目と、食育に関する研究が評価項目のほうで第1(1)のエとオの形で連続しており、そこを1つの評価の形でセットしてここに載せているという点もございます。

 

○定本委員

 分かりました。エのほうはあまり意識を集中しないようにし、オのほうの栄養教育の手法の開発の成果に力点をおいて見るという評価をしたいと思っております。

 

○酒井部会長

 ほかはいかがですか。

 

○中村委員

 非常に大事な研究をされていると思いますが、9ページの上のイ-bで「食事しらべ2013」の開発、これは非常におもしろいと思いました。ゴールはどこら辺ですか。誰が大体使おうとしているのか、これは今後どういう形で使っていくかを教えてください。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 このソフトですが、国民健康・栄養調査時に各自治体、保健所の担当の方が使われることを想定しております。

 

○中村委員

 「食事の内容入力時にエラーチェックが可能」と。個人の食事動向に対する評価ですね、これは。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 そこに書いておりますが、実際に按分して計算で求めた数値が、上限値が決まっております。それよりもし大きいということであれば、警告という意味でしょうか、赤く色付けされて表示をされるというように改良をしております。

 

○中村委員

 対象となるデータは、そこに来た人のデータということになるのですか。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 基本的には、国民健康・栄養調査に御協力いただいた方々のデータを。

 

○中村委員

 いろいろ聞いて入れる。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 基本的に食事の記録という形で出てきますから。それをいろいろ栄養素単位で。

 

○中村委員

 分析して、あなたはこうですよ。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 分析をしたり、そのような形で使うソフトということです。

 

○中村委員

 そうですか。それで終わると考えていいですか。それをベースにこれから統計的なものがたくさん集まってきたら、それから傾向を取るとか。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 といいますか、この調査は毎年実施しておりますので、そこでいろいろな食事の内容とかそういうような状況の変化、あるいはコンピューターのソフトも必ずしも万全じゃないようなことがあり得ますので、そういうものを適宜リニューアルするような形で、少なくてもこのソフトとしては毎年何らかの手直しというのが必要です。

 

○中村委員

 今までやっていたデータ収集と、このソフトの差というのは、それを発展させたものと考えればいいですか。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 といいますか、その調査は飽くまでもそういういろいろな個別のものに落とし込んでいくためのソフトです。その結果が、いろいろな国調の集計表という形で外部の先生方にも利用できる形でアウトプットをして出てくるものです。

 

○国立健康・栄養研究所理事長

 補足します。開発と書いてあるので、新たに開発されたものだと思われましたでしょうか。

 

○中村委員

 はい。

 

○国立健康・栄養研究所理事長

 これは改訂版作成と御理解いただければいいです。

 

○中村委員

 そうですか。ありがとうございます。

 

○田宮委員

 いろいろな研究に取り組まれてすばらしいと思いますが、研究について2点確認させてください。1点は、1のアもイも学術論文も掲載されたと文言ではなっておりますが、これはいつもお願いをしておりますが、スライドの中に下に出典が有るものと、無いものがあり、有るものだけが掲載されたと考えてよいのか。それとも無いものもきちんと掲載されているのかを、いつもこれは分かるようにしていただきたい。せっかくの研究業績ですので有り難いという点が1点。

 もう1点は、アの大きな介入研究です。これもすばらしいと思います。この介入研究の方法について聞き逃したかもしれませんので、介入の方法はとても大きい点と思うので、その2点を確認させてください。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 まず論文ですが、これは資料作成時点で実際に出版されたものについては載せております。一部印刷中のものもあったかと思います。現在準備中についても、この中に挙げたものの中にはありますが、それについてはここには記載はしておりません。

 

○田宮委員

 この朝食の栄養組成は、これはもうペーパーになっておりますか。アのaとか。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 aの5

 

○田宮委員

a541とか。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 これはまだなっておりません。

 

○田宮委員

 これはなっていない。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 はい。

 

○田宮委員

 書いていないのはなっていないということですか。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 現時点では、論文になっていない。

 

○田宮委員

 なっていない。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 はい。

 

○田宮委員

 書いてあるものは、なっているわけですか。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 書いてあるものは、なっております。

 

○田宮委員

 その辺は、こういう基準で見せていただいてよろしいですか、この後も。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 昨年そういう御指摘を頂いたので。

 

○田宮委員

 いたしました。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 今年は少なくともパプリッシュされているものに関しては。

 

○田宮委員

 書いてある。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 出典を書く形にしています。

 

○田宮委員

 ないものは、まだこれから。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 ないものは、現在作成中かないしは引き続き。

 

○田宮委員

 それは過程があると思うのでいいのですが。それをちょっと確認させていただきたく思いました。あと介入のほうはどうですか。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 介入は無作為。これは無作為で割り付けております。

 

○田宮委員

 重要な点なので、明記していただいたほうがいいと思います。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 はい、分かりました。

 

○酒井部会長

 ほかはいかがでしょうか。皆さんがおっしゃっているようにとても大事な研究をされています。研究機関ですからこのような形にまずなるのでしょうが、これを私たち国民へどのようにそれぞれの成果を持っていく、持っていかれるようにしているかがもう1つ非常に大事なことと理解します。もし後のほうで説明があるのならそれは今の質問のように行政であったり、今、健康ということにものすごく、国民の関心が高くなっています。場合によっては非常に健康食品だけの話ではないですが、如何わしいものもいろいろ世の中的にはあるので、そういうことでこのようにきちっとエビデンスのあるデータをどのように普及するかに、どう力を入れられているかを簡単に説明していただけますか。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 研究のいくつかは、国の施策に関係するもので、様々な基準の策定、国民健康・栄養調査等についても毎年調査をして国の施策に役立つもので、これが直接というよりも国の施策をとおして国民の皆様に還元されていくものと考えております。

 また、いろいろな研究については、後ほどまた出てくるかとは思いますが、情報発信という形でホームページあるいは、その他の媒介を通じて情報発信をしていくというようになっております。

 

○酒井部会長

 また後ほど関心を持って聞かせていただきます。ほかによろしいですか。

 次にグループ2番目に行きたいと思います。評価項目の512番までです。所要時間の目安としては、法人からの御説明に15分、委員の評定と質疑のやり取りに15分ぐらい、合計30分でやりたいと思います。よろしくお願いします。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 引き続き資料2-1を御覧ください。17ページの下、論文、学会発表等の促進について、評価シートは10ページです。計画は原著論文が年間80報以上、インパクトファクター2以上が30報でした。実績として原著論文が104報、インパクトファクターが2以上の論文は49報で、目標を大きく上回っております。また、学会発表、目標200回以上ですが、実績221回です。これについては目標を上回る学術論文の掲載が英文学術書を中心になされ、特にインパクトファクターが高い、国際評価が高い学術雑誌にも目標を上回る掲載がされるなど、高い水準を確保するとともに、国際学会での発表51回、あるいは招待講演10回も併せて、海外に向けて研究成果を積極的に発表できていると判断をしております。この項目についてはA評価としました。

 次に、6.の「講演会等の開催、開かれた研究所」についてです。評価シートは1112ページです。実績としては一般公開セミナーについて、平成25年度は雪にもかかわらず300名以上の参加がありました。また、専門家向けセミナーは健康・栄養調査等に関する技術研修を全国3箇所で行いました。研究所業務を理解していただくために、研究所を広く一般に公開するオープンハウスでは平成25年度は420名の参加がありました。昨年度は290名ですので、大幅な増加が認められました。「総合的な学習の時間」については、中学校26名、高等学校87名を受け入れ、健康や栄養に関する知識や関心の普及啓発を行いました。

18ページの下に、オープンハウスの様子を示しております。この項目については一般公開セミナーは悪天候にもかかわらず300名以上の参加を得るとともに、アンケートにおいても「非常に役に立った」「役に立った」との回答が80%以上あったこと、またオープンハウスで昨年を大幅に上回る参加者を得たこと、施設見学の積極的な受入れ、講師依頼への積極的対応等から、A評価としました。

 次に、7.の「研究実施体制等の整備に関する事項」です。評価シートは1314ページを御覧ください。実績については、健康増進法に基づく業務である国民健康・栄養調査や、食品試験業務及び重点調査研究部門に研究員、技術補助員を重点的に配置しました。また、運営費交付金、外部資金の執行状況を定期的にモニタリングすることにより、年度中間の予算補正や人員の追加配置等に反映させました。大学、民間企業・団体への研究者の派遣は目標100名のところ、219名の研究者の派遣をしております。民間企業との共同研究等ですが、目標12件のところ、共同研究や受託研究など12件の実施をしております。連携大学院については、6名を客員教授等で派遣しております。最後に、客員研究員等の受入れについては目標100名のところ134名、うち若手研究員等は52名を受け入れております。以上、重要性、進捗状況を踏まえた人員配置や研究費配分を行っており、目標を上回る受入れや派遣実績から、A評価としました。

 次に19ページの下、8.の「健康増進法に基づく業務に関する事項」です。評価シートの1516ページを御覧ください。ア.は国民健康・栄養調査の集計業務についてです。実績としては平成24年度の国民健康・栄養調査は通常の4倍の客体数でしたが、結果発表までの期間の迅速化を図っております。平成25年度調査の準備としては調査担当者、行政担当者を対象に技術セミナーを3回行っております。また、調査の効率化を目指した専用ソフト「食事しらべ」のアップデートを行い、自治体に配付しております。

20ページの上段は技術セミナーについてです。初めての参加者が多いにもかかわらず、7割以上の方が「理解できた」との回答でした。専用ソフト「食事しらべ」については、先ほどの説明のとおりです。平成24年度の集計ですが、客体数が従来と異なることから、平成23年以前との比較性を重視し、20ページ下にあるような補正を行っております。また、集計に当たっては21ページ上段右にあるように、都道府県の現状値の「見える化」を行っております。

 次に、もう1つの健康増進法の業務として、特別用途食品の許可に係る分析業務についてです。2か月以内に報告する目標を設けておりますが、6検体につき遅滞なく報告をしております。栄養表示基準における栄養成分の分析法については、消費者庁の事業を委託され、ビタミンKとモリブデン分析法の標準化と登録試験機関間の共同試験を行いました。また、特定保健用食品の申請時のヒアリング等も行っております。これらの業務を通じて、消費者に正しい情報の提供、食品の安心・安全の確保をしております。

 イの4、食品表示法の交付により、食品衛生法における登録検査機関においても、収去食品の栄養表示に関する検査が可能となったことから、登録試験機関間の外部精度管理試験を54の登録検査機関に対して実施しております。以上、この部分については国民健康・栄養調査や、特別用途食品の分析、消費者庁事業など、行政施策への遂行に寄与したものとして、A評価としました。

 次に、9.の「社会的・行政ニーズへの対応」です。評価シートは17ページです。実績として、関係団体との意見交換は目標6回程度のところを6回行っております。また、消費者庁、厚生労働省等の行政との意見交換の目標は各1回以上ですが、関係各課等と意見交換会を開催しております。国や自治体の審議会や検討会に委員として参加し、技術的支援、協力等も行っております。WHOFAO等の委員会へも参画をしております。国民や行政のニーズを把握し、それらを業務に反映させたと考えておりますので、前年と同じレベルとして、A評価としております。

 次に、10.の「国際協力、産学連携等対外的な業務」です。評価シートは1819ページです。実績として国際機関の活動への対応として、長年にわたり審査が継続されていた「栄養と身体活動に関するWHO協力センター」に認定をされました。WHOGEMS/Food プログラムの協力機関として、食品摂取量に関するデータを提供しております。人材育成については、若手外国人研究者招聘事業としてマレーシアとベトナムから各1名、またフォローアップ共同研究事業としてマレーシア1名のフォローアップをしております。産学連携については民間企業の商品開発における介入試験への助言提供を行っております。また、知的財産関係ではプログラム等創作1件について、共同開発者と共同で申請をしております。以上、我が国唯一の栄養と運動に関わるWHO協力センターへの認定や、外国人研究者の受入れの研究活動などを評価して、S評価としました。

 次に、23ページの下、11.の「栄養情報担当者制度に関する事項」、評価シートは20ページです。栄養情報担当者制度は平成277月、一般社団法人日本臨床栄養協会への移管を完了することになっております。平成25年度には708名が移籍しました。移籍していない有資格者に対して移籍の情報提供を行うとともに、移籍までの間、有資格者の不利益とならないよう、栄養情報担当者のスキルアップのための研修会を全国6箇所で開催をしております。NRの皆様に不利益にならないような対策を取りながら、移管を進めております。引き続き、A評価としました。

 次に、24ページの12.の「情報発信の推進に関する事項」、評価シートは21ページです。実績としては研究成果ならびに国内外の健康・栄養に関連した情報を収集し、ホームページで発信をしております。アクセス数は研究所全体で年間870万件です。目標値の年間300万件を大きく上回るとともに、昨年度実績の年間700万件を大幅に更新しております。また、トピック的な内容を掲載した機関誌『健康・栄養ニュース』を年4回発行し、希望者2,800名余りの方に配信しております。情報発信には「フェイスブック」「ツイッター」等も利用して、情報提供に努めております。

24ページの下が、「公式ホームページ等を介しての健康・栄養情報の配信」の概要です。25ページの上が、「face book」や「twitter」を利用した配信の概要です。以上、ホームページやニュースレターを通じて、研究成果や栄養に関する情報を迅速かつ積極的に配信しており、これらを通して健康の維持増進に大きく寄与したと考えております。特に、ホームページのアクセス件数についても、目標値に対して大きく上回っておりますことから、S評価としました。以上でPart2の説明を終わります。

 

○坂井部会長

 それでは委員の皆様の評価をお願いいたします。御質問・御意見をいかがでしょうか。

 

○定本委員

 すみません、聞き漏らしたと思うのです、19ページの研究実施体制等の整備に関する事項のところで、219名の研究者を大学・民間企業等へ派遣しているとのことですが、具体的にはどういうことなのでしょうか、219名の研究者を派遣。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 共同研究ですとか、あるいは講演会等も入っての人数ということです。

 

○坂井部会長

 よろしいですか。

 

○定本委員

 栄養研究所のほうに派遣されるのではなくて、研究所のスタッフが出向くということですよね。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 研究所の研究者が大学や民間の企業にお伺いをして。

 

○定本委員

 向かうということですね。それの延べ人数ということですね。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 はい。

 

○定本委員

 ありがとうございます。

 

○坂井部会長

 ほかにいかがでしょう。

 

○中村委員

 先ほどの部会長の質問とちょっと重なるのですが、先ほど部会長が素晴らしい研究をやっていて、しかも国民の関心に、正にぴったりの情報がたくさんあるので、いかにこれを普及するかということについて御質問されたと思うのです。それに対して、行政を通じてだと回答をいただいたのですが、ここにある、消費者への正しい情報の提供とか、単に行政を通じてだよと言うのではなくて、何か意図的にやっているようにたくさん読めるのですが、そこら辺の意識はどうなのですか。

 

○国立健康・栄養研究所理事長

 最初私がお答えて、ほかの者が追加でお答えします。基本的に、人を対象とした研究にしても、動物の場合でも、1つの研究結果だけで結論が得られるわけではないと考えています。食事摂取基準や身体活動基準などが5年ごとに出されますが、ほかの研究結果も総合的に判断して国としての方針を示されます。そのような施策に活用できるような研究を行うことを第一に考えています。したがって、1つの研究結果をすぐにホームページに載せる、あるいは新聞に積極的に掲載してもらうということは、特にやっておりません。飽くまでも、国の政策として反映されるような成果を求めるということです。ただ、食の安全性という観点からは、緊急性を要することがあります。そのような情報は、研究所のホームページに掲載しています。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 先ほど、行政を通じてと申し上げたのは、私どもの研究の成果が、例えば「健康日本21」とか、あるいは「食事摂取基準」ですか。そういう政策の科学的エビデンスとして活用されてますという趣旨で、政策として活用されているということです。それで、今回のグループ2のほうで、こちらのほうでお話ししているように、個別のいろいろな情報の提供とか、あるいは個々の研究成果等については、またそれなりのホームページ等の方法で広報・周知はしているということです。

 

○中村委員

 研究をそのまま出せと言っているのではなくて、国民に分かるような、役に立つような情報にしてというのは当然前提であると思うのですね。今日、御説明頂いたようなTcf712とか、何とかやって、我々全く分からないですから、そこに対する研究所としての姿勢を教えてほしいという質問であったのではないかと思うのです。それが、ホームページで、これだけやってますよと。非常に良いことだと思うのですが、そういうものを通じて、できるだけ得た知見の中で、本当に役に立つものは行政もちろんやっていただくのだけれども、大いに情報として出してほしいなという気がするのです。

 

○国立健康・栄養研究所食品保健健康機能研究部長

 基本的には、消費者一人一人というよりは、能団体、例えば栄養士会ですとか、先ほど述べましたようなNRですとか、専門家に対して情報を提供して、そこから更に消費者に情報を広げていただくというような、そういう姿勢でやっております。

 

○中村委員 ホームページは何のためにあるのですか。

 

○国立健康・栄養研究所食品保健健康機能研究部長

 ホームページは国民の、消費者のためにもありますけれども。

 

○中村委員

 誰が読むのですか。

 

○国立健康・栄養研究所食品保健健康機能研究部長

専門家の方、それから一般の方、両方見るのですけれども。

 

○中村委員

 それは分かるのですけれども、そういう団体があるので。そこに大事な情報を提供して、それで国民全体の健康増進を図るというのは分かるのですけれども、ホームページ等で見るというのは、そういう方が見るのではなくてね、国民が見るわけですよね。その数が増えたということで、Sにしろと言っているわけですよね。だから、そういう情報を的確にやってほしいというお願いなのですけれども。

 

○国立健康・栄養研究所理事長

 先生、私が確認も含めてお答えします。スライド資料の6ページの遺伝子多型の研究とか、高脂肪食を食べさせたときの発現分子の違いとか、普通の方は理解しづらいような研究結果があります。先生がおっしゃるのは、そういうことも含めてでしょうか。

 

○中村委員

 いや、そこまで要求しているのでは、違います。

 

○国立健康・栄養研究所理事長

 そういうことではないですか。

 

○中村委員

 だから、国民の段階、国民に役に立つような段階に落とし込めたものについては、積極的に教えて欲しいと。

 

○国立健康・栄養研究所理事長

 国民栄養調査の結果摂取基準の解説記事などはホームページに掲載するようにしております。動かない結果は積極的に公開という姿勢です。個別の研究結果の解説記事は載せていません。

 

○中村委員

 それは出しても分からないでしょうから、そこまでは要求してない。

 

○坂井部会長

 そうしますと、そのホームページへのアクセス数の増え方が非常に大きいですよね。どうしてこれだけのアクセスがあるという分析はされているのですか。例えば、24ページの上で、1日に24,000件ものアクセスがあるわけですね。つまり、これだけのアクセスがあるということは、研究所のほうの意図と、見にきてくれる人の意図が合致しないと、こんなに来ないですよね。

 

○国立健康・栄養研究所理事長

 今、部長から聞きましたが、健康食品関連が一番多いということです。国民栄養調査のアクセスはカウントしていませんが、圧倒的に多いのは健康食品ということです。

 

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹

 補足いたしますと、健康食品が14,000、当研究所の公式ホームページが1万件ということで、併せて124,000件ということです。それで、経年的に各ページのアクセス数についてはやはり変動があるわけですが、最近については「face book」が導入後増えてきております。また、世界の最新健康ニュースといったものも増えてきているところで、現在の件数になっているということです。

 

○坂井部会長

 ありがとうございます。

 

○田宮委員

 今のアクセス数から言っても、やはり健康食品の部分が国民の関心が高いのかなと思うのですね。それに対して安全なきちんとした情報を提供するというのは、研究所としても大事かと思うのです。それに関連して、11番のNRについて、ちょっと気になっています。確か今までもいろいろな経緯があったかと思うのです。私も全部把握していなくて申し訳ないですが、NRからNRサプリメントアドバイザーに変わって。それがいろいろ民間に移管する間のつなぎをやっているという程度なのか。この方たちへの期待というのも、国民から、今の話からすると大きいのではないかと思いますので、研究所がこの制度に対してどのぐらいの責任を負って、どういう今体制なのか、確認させていただけますか。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 以前もお話ししたかと思いますが、NRについては、いわゆる以前の厚生労働省の事業仕分けによって、研究所の仕事ではなくて、民間の類似事業に移管しなさいと。そういうことで、いろいろと関係団体と調整をした結果、この臨床栄養協会のNRサプリメントアドバイザーに、私どもがやっていたこの制度が移行するという形になったわけです。したがいまして、移行に伴って、私ども、NRは制度としては廃止すると。ただ、そうは言っても、NR受講者の方々の能力向上とか、更新とか、いろいろな仕組みがあるので、その移行までの一定の期間に関しては、当研究所で責任を持って対応する。そういう形で、その終期が277月ということです。したがいまして、私どもとしては基本的には省の方針でそういう新しい仕組みのほうに移行するのだけれども、その間の移行の円滑な手続については責任を持って対応するという姿勢で行っているということです。

 

○田宮委員

 いろいろ事情、私も伺っていましたけれども、移行の手続ということで。ただ、やはりこれとても重要な職種に国民の期待も大きいと思うので、その質の保証といいますか。その辺が研究所から離れるということですが、その辺スムーズに消費者に不利にならないように工夫していただきたいと思います。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 当然、その臨床栄養協会の方々と定期的な話もしております。

 

○田宮委員

 ええ、そうですね。そこ大事ですね。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 あと、私どもの研究所の中でそういう質の向上なり、こちらの次の新しい制度のほうにコミットする職員もおりますので、そういうような形を通じて質の担保というのは是非行いたいと考えています。

 

○田宮委員

 よろしくお願いします。

 

○清水委員

 ちょっと確認をさせていただきたいのです。23ページの10番の国際協力と産学連携等対外的な業務というところなのですが、平成24年度の自己評価がAで、結果はBだったと思うのです。ここ読ませてもらうと、どれがSになるのかが非常に分かりにくい。特に、一番下の産学連携なんていうのは、別に何をしているのかがよく分からないような記載内容なのです。具体的に何をもってSだと言われているのですか。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 今年、特にS評価という形にさせていただいたのは、一番最初にありますWHO協力センターとして、今年3月に正式にWHOから認定されたというところを、S評価の根拠といたしております。それはなかなかここには書きづらいのですが、従前は比較的WHO本部、WHOのいろいろな指示に基づいて粛々と業務を、認定に向けての作業をやっていたのです。それでは非常に不十分ではないかと、理事長の考えもございまして。それでWHOの本部とか、あるいは西太平洋の担当者にいろいろ機会を通じて積極的に働きかけをしたり。それからこの承認の直前には厚生労働省のアグレマンも必要なので、実はその前の22ページの厚生労働省等との意見交換会のところに、大臣官房の国際協力室と意見交換したと書いていますが、ここが、いわゆるWHOの窓口をしているところです。そういう所にも私どもの研究所がWHOCC、協力センターになるところの意義と、できるだけ早期にアグレマンをしていただくようにお願いとか、そういう従前の取組以上に、言ってみれば水面下のいろいろな働きをして、それで昨年3月に認定に至ったと。そういうプロセスがあるので、そこは従来とちょっと活動が違うし、更に認定という目に見える成果も出たということで、これはS評価にさしていただきたいということです。

 それから産学連携は確かに件数的に少ないのですが、実は昨年の私どもとしての外部評価委員会の場で、少しそういう知財に詳しい方にオブザーバーで、その外部評価の委員会を聞いていただきました。そういう中で、今までとちょっと違った、こういうような視点の知財の取り方もあるのではないかといったようなアドバイスもいただいたりしております。確かに、今すぐには成果にはつながってないのですが、そういう知財に向けても新しい取組もしているというようなことです。そういったようなことも含めて、昨年度についてはSという形で書かせていただいたということです。

 

○清水委員

 お話は分かりましたが、1WHOの協力センターに認定されたということは素晴らしいと思うのですが、そうなってその後どういうことをやったかで、本来は評価されるのではないかと思うのですよ。認定されたというだけのことが、本当にSなのかなと。それはそれで素晴らしいと思うのですが、そういう疑問が1つあります。

 最後のところは、産学連携というのはいろいろな所の独立行政法人が言っていますけど、なかなか成果を出すのは難しいテーマであることもよく理解しているので、こういうところでSというのはなかなか付けにくい場所ではあると思います。お話は分かりました。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 今後はWHO協力センターとしてどうするかということが当然目標に入る。取りあえず現時点においては、センターになるという目標が達成できたということですので、そこは御理解いただけたらと。

 

○坂井部会長

 ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。先ほど来出ていたので、皆さんたちの役割が行政ミッション的で、非常にそういう研究成果を行政に反映さすのが主目的だと。これはよく理解できるのです。でも、私たちとしては、国民のニーズは非常に今皆さんたちのほうに目が向いていると思うので、もう少し積極的に研究所の戦略として、国民に対して研究成果を反映するという方策があってもいいのではないかということで、中村委員も、私も発言していたわけなのです。

 

○中村委員

 十分やっていると思うのです。控え目な回答で、ちょっともったいないという気がして。

 

○国立健康・栄養研究所理事長

 私がお答えさしていただきます。中期目標にも、独創的な研究をうたってはいるのですが、国の政策に役立つ研究でないと、国の研究所である意義はないでしょうと、1年前から所員の皆さんに言っています。私の意向が強く反映されているかもしれません。独創的で、10年後に花開く研究を考えている所員もいることを理解した上で、話させていただいております。そのように御理解していただきたいと思います。

 

○坂井部会長

 ありがとうございました。それでは先へ進ませていただきます、グループ3でして、評価項目13から18、法人の説明15分、委員の記入に15分ということで進めたいと思います。よろしくお願いします。

 

○国立健康・栄養研究所事務部長

 それではPart3を説明いたします。事務部長の藤村と申します。よろしくお願いいたします。まず、Part3「業務運営の改善及び効率化に関する事項」についてです。13番の「運営体制の改善に関する事項」。資料はカラーのポンチ絵図の26ページの上段です。業績シートは22ページから24ページです。運営体制は、研究所の重要な事項を協議する場として、運営会議を設置しております。この運営会議は、理事長、理事、各研究部長、センター長で構成して、研究所の意思決定機関並びに情報共有の場として年間12回を開催しております。

 また、各研究部門の連携強化を図る観点から、研究部センターからの研究員で構成する

研究企画委員会を9回開催し、研究部門間の連携や、事業の企画立案などを行ってまいりました。また、調査研究の実施に当たりまして、利益相反の管理について、適切な措置が行われるよう、利益相反委員会(COI委員)を開催し、研究者からのヒアリング並びに審査を行い、リスク管理に努めたところです。さらに外部委員が参加する研究倫理審査委員会を3回開催し、疫学研究の可否、臨床研究の可否について審査を行い、適切な研究となるよう、必要に応じて修正や変更を指示しているところです。

 研究所内の情報共有については、所内のイントラネットを用いた情報共有を行って、各研究部の研究業務の進捗状況を、各研究部並びに各事務の会計側の双方で把握できるような仕組みを作っており、それを随時提供して、研究部サイドでもその状況が分かるように努めており、お互いに進捗状況を把握しながら運用をしているところです。

 最後に研究者セミナーにおける研究所の交流については、研究部門間との連携、異なる研究分野からの情報や、研究手法を利用した事業の立案などをすることを考えております。その一環として、研究者の自己研鑚ということで、国内外の最新の研究成果を得る機会として、研究所セミナーを開催し、研究員、特別研究員、技術補助員も含め、全ての研究者が参加して、毎月1回以上、その他不定期に国内の有識者や、海外の研究者の方をお招きして、年間28回を開催し、自己研鑚並びに研究部門間の連携に資するために利用しております。

 さらに研究所の円滑な組織運営のための業務進捗管理及び評価については、後ほども出てきますが、各研究部、センターの調査研究及び業務の進捗状況については、11月に中間報告会を開催し、各部から報告を頂きます。また、年度末に最終報告を行って、最終的な評価、その業績に対して評価を頂いて、内部評価並びに外部評価を実施しております。

 また、若手の研究者である特別研究員についても、研究発表会を開催し、成果研究発表をしていただいて、その評価を実施しております。なお、研究成果や、研究所の情報についてはホームページで公開をし、法人運営の透明化に努めるようにしております。

 各研究部、センター並びに研究員ごとの研究業務が行われ、その進捗管理も適宜把握されております。外部評価、内部評価についても適正に実施していることから、自己評価についてはAとさせていただいております。

 続きまして、ポンチ絵では26ページの下、業績評価シートでは25ページです。項目14.の「研究・業務組織の最適化に関する事項」です。研究業務を円滑に進め、中期計画を確実に実施するため、一部研究室の強化を行っております。具体的には、栄養・疫学研究部に専任の研究部長を設置させていただきました。また、国民健康・栄養調査の業務については、その充実を図るため、若手の研究員を増やしました。さらに生活習慣病の栄養療法の研究を充実させるため、臨床栄養研究部に研究室長を配置。また、タンパク質等の主要栄養素の適切な摂取に関する基礎研究を行うために、基礎研究部に研究室長を1名配置しております。また、研究所の研究員が実施する観察研究や介入研究のデザイン設計やデータ分析をするという、研究所全体をアドバイスする立場の研究員を1名採用し、国際産学に参入して、調査研究の充実に努めたところです。

 また、当研究所が持つデータベースについては、健康食品の安全性・有効性の情報データベースについては、厚労省の新開発食品保健対策室と、特別用途食品・栄養療法のエビデンス情報については、日本栄養士会と連携を図り、データベースの更新について引き続き実施しております。

 民間企業、大学等との連携交流については、客員研究員、協力研究員、研修生を受け入れ、外国人も含め126名を受け入れております。また、研究所からの派遣については、大学の客員教授や非常勤講師等の派遣で44件を実施し、若手育成に貢献しているところです。以上のことから、研究室の強化の積極的な対応、必要な人材の確保を図るための研究者を受け入れ、研究業務に応じた体制にしたこと。若手育成のために大学等へ人を派遣していることから、自己評価についてはAとさせていただいております。

 続きまして、ポンチ絵の27ページの上段、業績評価シートは2627ページです。項目15.の「職員の人事の適正化に関する事項」です。当研究所は、平成25年度末で常勤の研究員が29名でした。平成25年度中については、人材確保のため新たに2名を公募で採用しております。私どもの研究所の特徴として、常勤研究員29名のうち、女性研究員が17名ということで、他の研究所と比べても、女性研究者が多い職場となっております。なお、平成13年度の創立以来、研究員の採用については、研究者の流動化計画に沿って、任期付き研究員として原則公募により採用を図っております。

 次に重点的な業務に対する対応については、東日本大震災後の被災者の支援プロジェクトチームを設置し、研究所内の組織的・横断的な組織として、必要な人材を確保し、被災者の食物摂取状況等の調査を実施しております。先ほど研究業務組織の最適化に関する事項で御説明したとおり、栄養疫学研究部・基礎栄養・臨床栄養等に必要な人材を配置しております。女性研究員や外国人研究者の関係については、先ほど女性の比率が高いと申し上げましたが、平成25年度は研究員の2名の採用、3名の採用内定を行いました。5名のうち4名は女性を採用することになりました。女性研究員が働きやすい環境ということで、フレックスタイムの導入や育児休暇の制度を整えております。また、外国人研究者については、平成25年度に1名の採用内定を行って、今年の4月から採用しております。

 最後に管理部門である事務職員については、私ども事務長・所属課長による評価を行って、その評価結果を総合的に評価し、勤勉手当や昇給に反映させております。

 「職員の人事の適正化に関する事項」については、研究業務の動向を見据えた採用や、研究業務の状況に応じた配置を実施しました。先ほども申し上げしたが、女性研究者の採用については、政府が決定している第三次男女共同参画基本計画における科学技術分野、自然科学系25%という目標がありますが、それを実現推進し、中期計画における女性採用についても可能な限り行うということで実現しており、この項目については自己評価はAとさせていただきました。

 続きまして、ポンチ絵の27ページの下、16.の「事務等の効率化・合理化に関する事項」です。事務システムの効率化・最適化におきましては、所内ランのシステムの活用や、事務処理の電子化を進め、効率化に努めております。経費の節減については、複写機などの減を行って、経費の削減を行いました。事務職員の資質の向上については、情報公開研修や、評価セミナー、人事労務セミナーなどに参加して、資質の向上に努めてきました。

 事務業務システムの効率化については、所内ランの活用、事務処理の電子化を進めて、最適化を進めております。なお、平成274月の独立行政法人医薬基盤研究所との統合については、平成2512月の閣議決定を受けて協議を進めているところです。事務等の効率化・合理化に関する事項については、昨年度と比べ、公付金で7,600万円を削減しました。ポンチ絵の27ページに7,600万円と書いておりますが、この額を削減させていただきました。大変申し訳ないのですが、評価シートの28ページの欄の数字が違っており、3,700万円となっておりますが、7,600万円が正しい数字ですので、大変恐縮ですが、28ページの一番下の所の数字は7,600万円に変えていただきたいと思います。したがいまして、事務等の効率化・合理化に関しては、自己評価をAとさせていただいております。

 続きまして、28ページの「評価の充実に関する事項」です。研究及び業務の業績については、内部評価委員による中間評価を平成25年度11月、最終評価を平成263月に実施。個人の評価については、理事長等が研究部内の役割と貢献や研究活動によって個々の評価をしております。外部評価については、平成263月に平成25年度分を行い、併せて平成26年度計画の事前評価を実施したところです。評価結果については、全ての研究員に周知するとともに、ホームページで公開しております。評価の仕組みについては、ポンチ絵の28ページの内部評価のフレームワークということで、1年間の流れを示しております。先ほど知的財産については御意見を頂いておりますが、外部有識者からの特許に関する御提言等も頂いておりますので、それを踏まえ、今後の検討課題と考えております。以上のことから、本事項については自己評価をAとさせていただきました。

Part3の最後ですが、29ページの上段、評価シートは31ページから32ページ、「業務運営全体での効率化」についてです。一般管理費については、平成22年度を基準として、毎年度2%の削減、中期計画最終年度までに10%を削減、平成25年度前年度と比較して2.9%を削減。平成22年度と比較して、平成25年度末現在で11.6%の削減となり、目標を達成し計画は順調に進んでおります。

 人件費については、平成24年度以降、毎年度1%以上の削減ということで、平成25年度は前年度に比べ6.6%の削減です。平成22年度と比較しても19.1%の削減です。人件費については、国家公務員同様、給与の特令法に準拠して削減しておりますので、大幅な削減となっております。

 業務経費については、毎年度1%の削減、中期計画最終年度までに平成22年度を基準にして、5%の削減を目標としております。平成25年度は、前年度と比較して9.7%の減となりました。平成22年度と比較して24.5%の削減となっており、目標を達成し計画は順調に進んでおります。

 経費の主な削減要因については、人件費については、任期付き研究員の採用、若手研究員の採用などにより、人件費の抑制です。また、一般管理費は複写機等の廃止です。業務経費の研究資材の節約については、賃貸リースについては再リース契約などを行って、経費の節減を結び付けております。なお、当研究所の給与体系は、国家公務員と同様のものとなっており、その給与水準は国家公務員を100とした場合、年齢、地域、学歴勘案等数では、事務職が97.4、研究職で98.1となり、国家公務員を下回っております。中期計画の最終年度に向けての削減計画が、既に平成25年度末において、人件費、業務経費、一般管理費とも計画の最終目標を達成しましたので、自己評価としてはSとさせていただきました。以上でPart3の説明を終わります。よろしくお願いします。

 

○酒井部会長

 委員の皆さん記入をよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

 

○清水委員

13番の運営体制の改善に関する事項というので御説明を受けましたが、ここの「運営会議」以下、下の5項目の中で、これは新たに取り組まれた内容というのは何かあるのですか。

 

○国立健康・栄養研究所事務部長

5項目については継続の事業です。

 

○清水委員

 そうすると、これは何が改善ということになるのですか。

 

○国立健康・栄養研究所事務部長

 情報共有ということで、所内のネットを使って情報共有をしているのですが、それについては、実際の研究に関する予算の動きを的確に把握、共通認識できるように進めたところが改善点となります。

 

○清水委員

 それは前の年はそうなっていなかったということですか。

 

○国立健康・栄養研究所事務部長

 改善をしたということで、少しは実施したのですが、より分かりやすくしたところを改善点として考えております。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 例えば、研究企画委員会などは平成24年度に比べて平成25年度は回数を大幅に増やしており、研究の中身についてディスカッションというものが充実したということがあります。この事項とは若干違うのですが、昨年度、所内には、特に研究職以外の技術補助員、事務補助員の職員が結構いるので、そういう方々を各部単位で理事長室に来ていただいて、自由な意見交換をするという、所員交流会といったようなものもやったりして、そういったいろいろな取組を通じて所内の意思疎通なり、いろいろな情報、連携でつなぐと。

 

○清水委員

 意味は分かりました。私が持っているイメージというのは、運営上の課題みたいなものが認識されていて、それに対してどういう運営をしてきて、それが直ってきたと言っていただくと非常に分かりやすいのですが。今ここに書かれたのだけ読むと、通常やられていることをそのまま書いているだけだなと読めてしまうので、説明のプレゼンをするときの書き方等に工夫をしていただいて、どういうものを組織運営上の課題と認識して、それに対してどういうことを直していったのかということを言っていただけると、この辺は非常に明確だと思いますので、よろしくお願いします。内容は分かりました。

 

○酒井部会長

 ほかにありますか。

 

○田宮委員

15番の職員の人事の適正化ですが、非常に女性の多い研究所であることがユニークであって、国の方針としても女性研究者の活用は大きい目標になっているので、模範になっていっていただきたいなと思います。実際、いろいろなことを取り組んでいらっしゃると思います。例えば、フレックスタイム制などは具体的にどのようなことをどの程度されているのか教えていただけますか。

 

○国立健康・栄養研究所事務部長

 フレックス体制は具体的にはコア時間といいますか、コア曜日というのがありまして、例えば、月曜日と木曜日は必ず研究所で勤務してくださいとか、少なくとも10時から3時の間は居てくださいというような縛りをしながら、あとは朝の7時ぐらいから夜の10時ぐらいまでの間で、先生方の御意思によって決めていただいて活用していただくというフレックスタイムにしております。当初、毎月そのように決めており、適宜変更もしても構わないということで柔軟に対応しております。特に女性でお子さんをお持ちの方は急遽というというようなこともあるので、そこはうまくフレックスの時間をずらすことで研究時間を確保することも柔軟に対応しております。

 

○田宮委員

 毎月事前に申請するのですか。

 

○国立健康・栄養研究所事務部長

 事前に出しますが、例えば明日どうしても都合が悪いという場合は、変更も十分に可能ということで、正にフレックスに対応させていただいて、先生方の便宜を図っているかと思います。

 

○酒井部会長

 ほかによろしいですか。

 

○定本委員

28ページの評価の充実に関する事項のところで、知的財産に対する助言というのがあるのですが、評価委員として、評価の充実に関する事項を評価委員会が評価するのかみたいな、ちょっと悩んだところがあります。そう思って見ますと、これは評価の充実を達成するための措置ができているか、できていないかという視点で判断するということだと思うのです。そう考えますと、知的財産に対する助言というのが、どういうふうに評価に関わってきて、研究所としては活用しているのかというところはいかがでしょうか。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 これに関しては先ほど申し上げたとおり、私どもの計画の中で、特に知的財産に関しては、数値的目標をなかなか達成していないではないかという御指摘を受けていたので、今般、外部評価委員会に合わせて、知的財産に非常に詳しい方にオブザーバーで参画をしていただいて、私どもの研究者のいろいろな報告を聞いていただいて、そういう中からこういったような事項については、新たに知的財産の対象として考えられるではないかというアドバイスを頂いたということです。評価の指標として知的財産について少し件数なり、内容を見直すに当たって外部の方の意見を聞いて改善に取り組むことに着手したという趣旨です。

 

○定本委員

 分かりました。

 

○酒井部会長

 よろしいですか。ほかはいかがですか。

 

○田宮委員

 興味深く伺いましたが、実際にそれによって知的財産として評価を新たな気付きで生まれそうだとか、そういうことはありましたか。

 

○国立健康・栄養研究所理事

 例えば、遺伝子関係の情報といったものは少し考えてもいいのではないかという御指摘を頂いております。

 

○酒井部会長

 よろしいですか。それでは、先に進ませていただきます。グループの4番目、評価項目の1921です。短くて恐縮ですが、法人の御説明を10分、記入を10分、計20分でやりたいと思います。よろしくお願いします。

 

○国立健康・栄養研究所事務部長

Part4、「財務の内容の改善に関する事項」です。カラーのポンチ絵の資料で30ページの上段です。業績評価シートは33ページです。項目19.ということで、「外部資金その他の自己収入の増加に関する事項」についてです。数値目標として、運営交付金以外の競争的資金で、中期目標期間中に研究資金の50%を獲得するという目標を出しております。平成25年度については、厚生労働省の厚生科学研究費補助金並びに文部科学省の科学研究費補助金等の競争的資金は、前年度より7件増え55件、金額で14,600万円で、金額については若干減少しております。また、共同研究、受託研究については、前年度より7件増え、金額で7,158万円余、金額、件数共に前年度より増加しております。寄附研究については5件、前年度と同じで644万円で、金額は増えております。その結果外部資金については競争的資金の間接経費は2,163万円。共同研究、受託研究は7,158万円。及び寄附研究644万円、合計が外部資金の比率の所に書いておりますが、9,9666,000円ということで、これが分子になり、その比率については前年度に比べて7.64%の増。全体として54.39%ということで、数値目標をクリアしたということです。

 競争的資金の獲得に向けては、研究者全員が積極的に多くの応募を行いました。その結果、その研究計画が評価され採択になったものと考えております。

 続きまして、研究成果の社会的還元による自己収入の増加については、研究成果や業務として行っている国民健康・栄養調査等の結果等については、社会還元を目的として、出版等の監修や執筆などからの印税収入を受けて自己収入の増加を図りました。研究のための基礎データの収集のために、研究に協力される方に対して、運動フロア等の施設開放を行って、若干ですが自己収入につなげております。

 経費の節減、運営交付金については節減に努め、平成20年度比12.3%の削減を行ったということです。以上のことから、競争的資金の獲得が50%を超えたことから、自己評価はAとしております。

 続きまして、30ページの下段、評価シートは3435ページ、「経費の抑制に関する事項」です。ここでの評価の視点は、コスト管理が適正になされ、効率的な運用か。人的資源の有効な活用を図り、経費につながっているかと。計画と実績に差がある場合には理由は何か等々の目標です。コスト管理については、先ほども申し上げましたが、会計課のみならず、研究部単位で補助金の執行状況を把握することで、コスト管理の徹底を図りました。また、調達に当たりましては、原則一般競争入札として調達価格の低減に努めてきました。そのため前年度を上回る12.3%の削減となりました。

 人的資源の有効活用については、国民健康栄養調査のデータ入力や、コホート研究における検体検査などについては、できる限り外部委託をいたしました。また、栄養情報担当者(NR)のフォローアップの研修については、開催地での協力者を得るなどとして、研究職員の負担、軽減を図るとともに、経費の節減に努めたところです。

 計画と実績の差異については、交付金において債務として残った理由については経費の節減によるものです。総務省の政策評価独立行政法人委員会の評価の視点にある当期の純利益8,9015,073円ですが、この主な理由は、研究費の補助に当たりまして、若手の研究員を採用するなどの人件費の節減が主な節減結果です。契約については、1社応札、1社応募に係る改善策を策定し、ホームページで公開し、調達マニュアルなども整備・運用し、契約の適正化に努めているところです。また、契約の適正化を図るため、これは引き続きですが、会計監事による毎月の内部監査を実施して、毎月適切に行われているか確認をしております。以上のことから、本事項については自己評価をAとしております。

 最後になりますが、31ページの上段、評価シートは36ページです。「その他の業務運営に関する重要事項」ということで、ここでは情報セキュリティについて御説明します。情報セキュリティの確保については、セキュリティ用ハードウェアのアップデートを月1回行い監視体制を継続しております。さらにクラウド型セキュリティ・ファイヤ・ウォールを導入し、随時最新のウイルスに対応できる監視体制としました。セキュリティポリシーについては、今般、かなり改訂をして最新のものとしております。数値目標であるセキュリティチェックの年2回以上については、自己評価に加え、セキュリティ会社のチェックはしております。また、職員のセキュリティ意識の向上については、年6回の新規ユーザーの更新、継続のものに対しては5回ということで、ここに意識の向上に努めてきました。

 情報システムの情報セキュリティの確保については、その確保に努め、最新の技術を導入したことや、日ごろからの職員へのセキュリティ意識の向上を図っていることから、自己評価としてはAとしております。Part4の説明は以上です。

 

○酒井部会長

 ありがとうございました。委員の皆さん記入をよろしくお願いします。御質問はいかがでしょうか。それでは、全体的に確認の御質問なり、御意見はありませんか。それもよろしいですか。それでは、ありがとうございました。国立健康・栄養研究所に関わる個別評価はこれで終了させていただきます。それでは、本日の議事は以上になります。事務局から今後の流れについて、また次回の開催等について御案内いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 今後の流れについて御説明します。まず、入替え前の法人の会議の冒頭にも御説明しましたが、全ての評価項目について、評定の記入が終わっている場合については、評定記入用紙を部会終了後に回収しますので、机上にそのままにして御退席いただくようお願いいたします。一方、記入が終わっていない場合については、評定記入用紙をお持ち帰りいただいて御記入いただくか、本日、評定記入用紙の電子媒体をメールにて送信させていただきますので、電子媒体に御記入の上、717()までに事務局へ御提出いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 御提出いただいた委員の方々の評定については、事務局で集計を行って、本部会の評定結果を確定させていただきます。その後、委員の方々の評定等を踏まえて、起草担当委員の方々と法人所管課において御調整を頂き、評価書()を作成していただきます。その上で評価書()については、821()の総合評価を行う予定としている部会において御審議いただくこととなっております。なお、入替え前の法人も含めて、2法人ありますが、各法人の評価書()を起草いただく御担当の委員の方々については、参考資料1の別添5に記載されているとおりですのでよろしくお願いいたします。

 続いて、本年1月に書面にて御意見を賜った案件について、参考資料31枚紙を御覧ください。入替え前の法人の案件になりますが、労働安全衛生総合研究所の不要財産の国庫納付については、本年131日付けで、本部会において了承されたことを御報告いたします。次回の開催については、86()16時からを予定しております。議題としては、医薬基盤研究所の平成25年度の業務実績に係る個別評価を行うこととしております。なお、開催場所については、現時点では未定であるため、別途御案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 最後に本日配布しました資料については、かなり多い分量になっていますので、資料の送付を御希望される場合については事務局より送付しますので、机上にそのままにして御退席いただきますよう、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○酒井部会長

 それでは、本日の評価委員会は終了いたします。ありがとうございました。


(了)

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