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2014年6月5日 第14回足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会 議事録
労働基準局安全衛生部安全課建設安全対策室
日時
場所
(東京都港区白金台2-6-21)
出席者
参集者(敬称略)
小林謙二(座長) |
大幢勝利 |
鈴木芳美 |
小野辰雄 |
原田保 |
金森勝三 |
鈴木敏彦 |
小島政章 |
才賀清二郎 |
宗像祐司 |
児玉猛 |
高橋元 |
加藤正勝 |
宮本一 |
オブザーバー
屋敷次郎 (国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課長) |
事務局
半田有通 (安全衛生部長) | 奈良篤 (安全課長) |
野澤英児 (建設安全対策室長) | 丹羽啓達 (主任技術審査官) |
川越俊治 (技術審査官) | 磯崎勇太 (指導係長) |
議題
(2)その他
議事
○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「第14回足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会」を開催いたします。
本日は、お忙しいところ、本検討会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。事務局を務めます厚生労働省建設安全対策室の磯崎と申します。よろしくお願いいたします。
本日、マイクの数が少し足りなくて、各列に1本、もしくは2本、マイクを置いてありますので、発言される際はそれを回して発言いただけますでしょうか。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
まず、資料の確認をさせていただきます。
議事次第に記載されておりますとおり、1から4までございまして、それと、全国仮設安全事業協同組合から資料5として追加の資料が出てきております。
資料1が「足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会報告書案」。
資料2が「足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会報告書案 第5まとめ(案)」。
資料3が「足場からの墜落防止措置に関するアンケート調査結果」。
資料4が「死亡労働災害及び一人親方等の死亡災害の発生状況(調査結果)(訂正版)」。
そして資料5としまして別冊で、全国仮設安全事業協同組合から「墜落災害撲滅の決め手の法制化に関する要望について」を提出いただいています。
不足する資料がありましたら、お知らせいただけますでしょうか。
本日は、臼井委員、東京工芸大学の田村委員、国土交通省の田村委員から欠席との連絡をいただいております。
また、小島委員からは事前に少し遅れるとの連絡をいただいております。
本日の検討会は、足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会報告書案について議論する予定です。委員の皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
次に、傍聴される方への注意事項について説明いたします。
事務局の指定した場所以外に立ち入ることはできません。
携帯電話等、音の出る機器については、電源を切るか、マナーモードに設定してください。
写真撮影やビデオカメラ等の使用は事務局の指示に従ってください。
カメラ撮りは会議の冒頭のみとさせていただきます。会議の妨げにならないよう静かにしてください。
その他、座長と事務局の指示に従っていただくようお願いいたします。
報道関係者の皆様におかれましては、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御了承ください。
それでは、以降の進行を小林座長にお願いいたします。○小林座長 皆さん、御苦労さまでございます。座長の小林です。どうぞよろしくお願いいたします。
今日の検討会の議事次第に17時までと書いてありますけれども、17時にはこの部屋を明け渡さなければいけないという話でございますので、16時45分ごろまでに何とか終わらせたいものと思っておりますので、円滑な議事運営に皆様方の御協力をお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
具体的に議事に入る前に、前回、建設安全対策室長の発言の中で、ガイドラインに関しまして誤解を与えるような発言があったという話でございますので、それについて建設安全対策室長から発言を求められておりますので、室長、よろしくお願いいたします。○野澤建設安全対策室長 今、座長からお話があったように、関係する方からでございますが、前回の検討会で手すり先行工法等のガイドラインを軽視するような発言があったという御指摘がございました。どこと言われておりませんが、ここかと思われるところがわかりましたので、そこのことについて説明をさせていただきます。
前回、私の発言の前に、小野委員から、手すり先行工法等のガイドラインにつきまして、手すりができない場合に親綱になっていると、そのような発言がございまして、私からは、ガイドラインは推奨だからといった発言をいたしました。この趣旨でございますが、ガイドラインは義務ではないことから、仮に義務化を考えた場合、ガイドラインどおりになるとは限らないと、そういうことを説明したいと思って発言したということでございます。
その後に小野委員から、ガイドラインを軽く扱わないでほしいという発言がございまして、それに対して、それぞれの判断だということを発言したわけでございますが、これについても、仮に義務化を考える場合、義務化をどのようにするかは個別に判断されるものであるということを説明するつもりでございました。
いずれにしましても、言葉がかなり足りない形での発言になってしまって、ガイドラインを軽視しているように聞こえたとすれば、申し訳なかったと思っております。以後、気をつけたいと思いますが、ここの場面での発言のことであれば、今、申し上げたようなものであるということで御理解をお願いしたいと思います。○小林座長 どうもありがとうございました。
今の室長からの御説明、いかがですか。御了解いただけたかと思いますけれども。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 どうもありがとうございます。
それから、先ほど事務局から御説明ありましたように、今日は資料1が中心になっておりますけれども、資料1の前に、前回までの報告書骨子案について、まずは御検討いただいてから、資料1の本体のほうに戻りたいと思っております。
資料2の「第5 まとめ(案)」の御審議では、前回、途中までは御審議いただいた後、個別に事務局からいろいろ御意見を伺って、その部分が訂正されたものが、今、資料として配られておりますので、冒頭から再度、御意見を伺って検討していきたいと思っております。1(ローマ数字)の2の足場の組み立て等作業従事者に対する特別教育とか、3の足場の組み立て等作業主任者能力向上教育については、御意見が一致したということでありますので、省いていきたいと思っております。こういう進め方でよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 ありがとうございます。
それでは、今回の資料として提出されております資料2について、事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。○川越技術審査官 それでは、本日の「第5 まとめ」、資料2でございますけれども、こちらをご覧ください。既に各委員には、この内容を事前に送付いたしまして意見を伺い、また、変更できる点、おおむね各委員から異論がないものについては、あらかじめ修正したものを配付しております。そういったことで、今回、全てについて説明することは控えたいと思います。さらに、2日前に皆さんに事前に送付したところから変わった点がございますので、説明いたします。
資料2の1ページ目の1(ローマ数字)の1の足場の組立て、解体又は変更の作業においての安全帯取付設備の話の中で、なお書きのところに下線を引いておりますけれども、前回、単に手すり等を優先することという書き方をしていたところを、今回、「なお、足場の一方の側面のみであっても、手すりを設ける等労働者が墜落する危険を低減させるための措置を優先的に講ずるよう指導すること。」と改めております。
ここは、この下の安全帯取付設備の解釈の部分も含めて、これが法令で義務化された場合には、同時に都道府県労働局長に対して施行通達というものを出すときに書く部分でございます。事務局で内容を確認した際に、労働局長に対し、手すり等を優先することというのは不適当ではないかとの指摘がありまして、労働局長に対する指示文書ということで、過去の例を見ますと、「何々することを講ずるよう指導すること。」というような語尾になることから、このような表現に改めているものでございます。
それ以外につきましては、下線部のところが前回からの主な変更点でございます。基本的には、各委員からの意見を踏まえて、概ね異論がないと思われるものについては修正して記載しておりますが、議論があるところについては修正せずに記載しておりますので、本日、御議論ください。
また、最後の5ページ目の「今後、検討するべき課題」のマル1に「足場の側面からの墜落防止措置の規制のあり方」と書いてありますが、これは幅木の議論などもあった中で、足場板の幅が狭い場合につまずく危険などもあるということで、どれぐらいであれば危なくないのか、そういったところをきちんと研究していくことなども含めて、明らかにした上で、さらに性能要件化なども含めて検討する必要があるということで記載をしております。
また、併せて、アンケート調査結果などについても途中で引用しておりますので、今回、資料3として、3月の検討会では速報という形で報告を大幢委員からいただいたところですが、その後、理由欄の分析を終えているということで、資料として配付しております。
具体的には、資料3をめくっていただいて、別添2から「足場からの墜落防止措置に関するアンケート調査結果」がございます。全ては説明いたしませんが、前回から変わった点としまして、3ページ目の上に「3(ローマ数字)-1-1 上さんの設置(理由欄の要旨)」のところに書かれておりますように、必要と答えた方のうち、理由欄に回答があった数、また、理由欄の回答の要旨を幾つかに分類しまして、特に多かった順に上位3つの理由だけを書きまして、それ以外について、その他ということで残りの数を記載しております。こういった形で、全ての理由欄について分析した結果を今回添付しております。
また、3月の第12回の検討会で指摘がありました足場の組立て作業に従事している方の職種がわからないだろうかという意見もございましたので、12ページ、「4(ローマ数字)-1 わく組足場及びくさび緊結足場の組立て作業の経験」で職種ごとに組立て作業にどれぐらい従事していたか、よくあるのか、時々あるのか、ほとんどないのか、そういったものがどれだけ答えとしてあったかということを記載しております。このような形で今回、取りまとめております。
また、併せて、参考までに、前回4月24日の検討会のときに一人親方の調査結果について報告をいたしましたが、その中で、事務局からの提出資料に一部誤りがございましたので、今回、資料4として訂正したものを配付しております。具体的には、1の(1)で、一般の建設業における死亡労働災害の数と、実際に働いている労働者の数を比較して、労働者の数で割った数を災害100万人率として記載しておりますが、前回、この労働者数の中に、役員の数が入っていました。約60万人の役員がいらっしゃいますが、これらの役員は使用者であり、労働者に当たらない方を含めて分母として割っていたということですので、役員の数6を除いた342万人を母数として計算し直しております。
また、一方で、(2)で一人親方等の死亡災害の発生状況がございますが、こちらにつきましては、逆に役員の数を除いた数になっておりましたので、役員の数を足しまして158万人が母数ということになります。その結果、災害100万人率は60.8ということで、一人親方等の死亡災害の発生割合のほうが若干低くなるという結果になっております。
また、併せて分析した結果として、2の(2)にございますように、一人親方等のうちの一人親方だけを見ますと、一人親方の数として、事業主のうちの雇無業主という数がわかっておりますので、それから計算すると、災害100万人率は91.2となるので、これは建設業の一般の死亡労働災害の発生割合とほぼ同じぐらいの割合になっていることがわかりました。
以上、私からの説明を終わります。よろしくお願いいたします。○小林座長 どうもありがとうございました。
御説明いただきましたけれども、これについて何かございますか。よろしいですか。
それでは、今回取りまとめる報告書の最後の部分、「まとめ」について御検討いただきたいと思っております。先ほど申し上げましたけれども、初めの1(ローマ数字)の1から議論を始めたいと思っております。よろしくお願いします。
まず初め、今、申し上げた1(ローマ数字)の1に関しまして御意見をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。○小野委員 座長、いいでしょうか。
○小林座長 どうぞ。
○小野委員 この1(ローマ数字)の1について、私から意見を述べさせていただきます。意見を述べさせていただく前に、私どもで収集したビデオ映像を皆さんにぜひごらんになっていただいて、非常にわかりやすいと思いますので、それでもっていろいろなことを判断していただければと思います。特にこれはいろいろな形で実験しておりますので、実験データとして私どもも扱っております。これは1(ローマ数字)の1だけに関係するものではありません。いずれにしてもハード的に、人が落ちないようにするためにはどうなるべきなのかということが映像でわかるようになっております。安全帯を使って墜落した場合、どういう形になっているのだということも、この中でぜひ見ていただきたいと思います。
○小林座長 御意見の一環としてのビデオ映像ということでございますけれども、皆さん、御異議ございませんね。実際にいろいろ編集して、小野委員の言われることが単純に映像化されているということかもしれませんけれども、よろしければ、5分ほどということですので、一緒に見ていきたいと思います。よろしいですか。(「異議なし」と声あり)
○小林座長 どうもありがとうございます。
では、始めてください。
(ビデオ放映)○小林座長 これに関して、何か御意見ありますでしょうか。
○小野委員 いいでしょうか。今、ごらんいただきましたが、安全帯は、安全帯という名前で、みんなかなり勘違いしている部分が多いと思います。私自身も自分のところの職人に聞いたら、えっ、こんなのだったのか、安全帯は安全だと思っていた、だけれども、実際にこういう映像を見せられてびっくりしたということが実態ですね。私は前から、自分で経験あるので、非常に危険だと思っていたのですが、実態的にはこういうことなのですね。安全帯の長さも、とにかく1.7メートルもあるわけだし、たわみもあるしということですね。たわみがあればあったで落下距離は大きい。あるいは、固定的な、かたいところへつければたわみがないかわりに衝撃は強くなるということで、総体的な損傷は大きくは変わらないということです。ですから、安全ブロック、リトラクター式の器具につけたところで、あのとおり、もう一緒なのです。あるいは梁とか親綱につけても、結果的には一緒なのですよ。ということで、安全帯万能主義はぜひやめてほしい。安全帯を優先させて、それから、つけられるところには手すりをつけるなんて、とんでもない。逆で、墜落そのものをまずなくすということが最初だと思います。そういうことがどうしてもできない足場にあっては、安全帯を主力で使用していく他ないということです。それをぜひ言いたいですね。とにかく、現場で働く職人を何とかして守ってほしい。私はそういう立場の代表で来ているので、ここのところは絶対譲れないところなのですよ。
○小林座長 ありがとうございました。
先ほど申し上げたように、具体的に1(ローマ数字)の1について御意見をいただきたいと思っております。いかがでしょうか。
どうぞ、宗像委員。○宗像委員 今の御発言、ごもっともだと思いますし、冒頭からずっとお話変わってなく伺っているのですけれども、それをここにいる委員の方、皆さん御認識いただいた上で、法制化については時期尚早であったり、また、それを限定して法制化することについて御異論があったというふうに私は理解をしておりますので、表現としては、この案に示されたようなことに落ち着くのではないかと思います。
○小林座長 ありがとうございます。
1(ローマ数字)の1について、具体的にこの部分をこういうふうにしたいという御意見ありましょうか。○小野委員 資料5で提出させてもらっている「第5 まとめ(案)」に対する指摘事項というところで指摘させてもらっています。1(ローマ数字)の1について、最上層の足場の組み立て、解体、変更時における墜落防止措置を定める安衛則第564条は以下のように改めるべきである。1つ、高さ2メートル以上の足場について、全面的に適用すべきだと。現在、564条は、5メートル以上に適用するとなっているのですね。それでは5メートル以下はどうなのだということで、これは歯抜けになっています。まず、1番はそういうことです。2メートル以上に適用させる。
それから、2つ目、わく組足場及びくさび緊結式足場などの定型的な自律型組み立て足場にあっては、親条文である安衛則第519条の基本に沿い、墜落防止措置として、まず手すり先行工法によって2段手すりと幅木を設置するべきである。
なお、万が一に備え、安全帯を使用させることとする。
これによりがたい足場にあっては、安衛則第521条に基づき、安全帯取りつけ設備を設け、安全帯を使用させることとすべきであると、ぜひ、こういう順序にまとめてほしい。安全帯が先ではない、まず墜落防止措置をしろと、その上で、万が一に備えて安全帯を使用しろという順番にしていただきたいということであります。○小林座長 どうもありがとうございます。
御意見伺いたいと思います。どうぞ。○鈴木(敏)委員 私もこの事務局の案で十分かなと思っています。安全帯の怖さも、先ほどのビデオのとおり、体に負担をかけるという内容もわかっています。亡くならないという最低限の措置として安全帯を使用する、これを必ず守った上で作業するというのが大事であり、欠かせてはならないようなことだと思うのですね、今のところ。ということで、この事務局案で私は良いのではないかと思っています。
○小林座長 どうぞ、お願いします。
○加藤委員 手すり先行工法、先ほどのビデオを見ても、やれるのは外側だけであって、躯体側については一緒であって、100%だと言っておられるけれども、現実的には足場の上で50%なのですね。だから、そのようなことを考えると、手すり先行工法をやったとしても安全帯は使わなければいけないし、そうやって考えてみると、当初の原案どおりでいいのではないかと思います。
あと、ここで出ている519条というのは、文面を見てみますと、ちょっと勘違いがあるのではないかと思うのですけれども、高さ2メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼす箇所には、囲い、手すり、覆いと。これはだから、言ってみれば、マンホールだとか、ちょっと開けて、そこに墜落するおそれがある、あるいは躯体、上がっていくときのエレベーターの開口部だとか、あるいは階段の周辺だとか、その辺の開口について、きちっと、例えば、マンホールだったら、人が落ちないように周りをきちっと囲って立入禁止措置をとりなさい、開口部についてもきちんと周りを手すり等で囲いなさい、あるいはふたをしなさいというあれであって、足場の関係で言うと、その前の518条のほうが、事業者は高さが2メートル以上の箇所の作業床の端、開口部等を除くとはっきりと書いてあるわけですよ。作業を行う場合においてというあれですから、519条と書いてあるのは518条の間違いではないかなという考えです。
以上です。○小林座長 ありがとうございます。
今、事務局がまとめていただいたような文面でいいのではないかという御意見を多くいただいていますが、いかがでしょうか。
どうぞ。○川越技術審査官 今、法令の適用関係について若干議論が出ているので、事務局から説明いたします。
564条は、おっしゃるとおり、高さが5メートル以上の構造の足場の組み立て作業に適用される条文でございます。そういう意味で、これ以外の足場の組み立て作業については、どの条文が適用されるのかということにつきましては、原則的な条文である518条での作業床の設置義務、困難な場合の安全帯の使用が、まずございまして、その上で、作業床を設置できた場合には、作業床の端という意味で足場も作業床の端に当たりますので、519条の適用があることになります。
ただし、この条文ができたときのことを想定しますと、手すり先行工法という技術がなかった時代でございますので、そういった足場において先に手すりをつけることは著しく困難な場合ということで、事実上、1項の手すりの設置義務が適用されず、それが著しく困難な場合の安全帯の使用義務ということになります。条文としては519条の第2項にある手すり、囲い等を設けることが著しく困難なときには防網を張り、労働者に安全帯を使用させるなどの墜落の危険を防止するための措置を講じなければならないという条文が適用されることになります。○加藤委員 わかりました。ありがとうございました。
○小林座長 他にいかがでしょうか。宗像委員。
○宗像委員 1ということではないのですけれども、この検討会、冒頭からずっと流れで、法律の強化ということではなくて、今ある現行法を守れていないところに対して、いかにアプローチするかということのほうが効果が高いという意見の多かった部分だと思っていますので、まとめる方向としては、それが基調になっていいのかなと考えております。
○小林座長 どうもありがとうございます。
いかがでしょうか。どうぞ。○高橋委員 私も事務局でまとめていただいた形は非常にわかりやすい形ではないかと思っています。1つは、手すり先行工法であっても、最終的には安全帯は使うことになりますので、中には使わなくていいものもあるかもしれませんけれども、ほとんどが使うことになりますので、安全帯のことは必ずこういうところに書いておくべきだというのが1点あります。
それから、もう一つは、「この場合」のところですけれども、優先するという言葉を使っていただいていますけれども、私どもといたしましては、事業者の方がいろいろな対応をできるように、そのときにどれを優先するかという形にしておくことが、一番現場の実態に合った、作業のしやすい、かつ安全な方法をその中で選んでいくと。いわゆるリスクアセスメントの考え方を取り入れやすくなるという観点からして、この事務局の案は非常にいい案だと思います。ビデオを見せていただいたのですが、その辺のところも確かにそのとおりでありまして、もちろんそうなのですが、ただ、安全帯はどうしても使わなければいけないという観点からすれば、安全帯の記述もこうやって残すべきだと考えております。○小林座長 どうもありがとうございました。
他に御意見、どうぞ、お願いします。○鈴木(敏)委員 この事案ではないですけれども、ビデオで片側が壁があるような画像になっていたと思うのですが、実際、足場を組む場合は、片側には何もないのですね。躯体側も、躯体があるわけではないのです。何もないところに足場というのは組むわけなのです。片方、外側も内側もない状況が普通なのですね。先行に足場を組むということになりますから。ということです。
○小林座長 いろいろ御意見いただきました。ありがとうございます。
小野委員、今、御意見いろいろいただきましたけれども、いかがですか。○小野委員 やはり皆さんの御意見と私の考え方は違いますね、どこまで行っても。518、519条で手すりなど墜落防止策をまずやれと。それが著しく困難な場合は安全帯であったり、防網であったりという順番で言っているわけですよ。なぜ先行手すり工法が著しく困難なのでしょうか。あるいは、どうせ安全帯を使用するのだからこれでいいのではないかということ。あるいは、亡くならなければいいのではないかと。亡くならないという意味はちょっとわからない。命が無くならなければいいという意味なのかどうか知りませんけれども、そういう考えでは、とてもではないけれども、私は絶対許すことはできないですね。とにかく人の命を粗末にしてもらいたくないですね。できることを、まずベストを尽くしてやるべきだと思いますよ。こんな表現を表へ出すなんて許せないですよ。ですから、どこまで行っても議論は平行ならば、これはこれで残しておいてください。
○小林座長 これをどういうふうにまとめていくかということは後でまたやることにしたいと思いますけれども、御意見だけは全て伺いたいと思っております。
どうぞ。○才賀委員 今、小野さんが言ったように、できないなら延ばしてもというのであるならば延ばしたほうがいいのですよ。今の調子だったら絶対決まりませんよ。現場では、いろいろな事情で足場を組んで、いろいろな事情があってやっているのであって、全部が手すり先行というのもまず無理だと思いますし、また、命綱を使っていない人もいるので、それもこれも合わせて、とりあえずはやっていこうよというのを皆さんの御意見にしておいたほうがいいと思う。小野さんみたいに、手すり先行で命綱はその次だ、それは譲れないと言われたのでは、この会は収まらないですよ。何回やっても。ねえ、小野さん。何回やっても収まらない。
○小野委員 だから、議論が平行ならば平行でしようがないということですよ。
○才賀委員 それだったら、それはもうあきらめて、次に。
○小野委員 何もこの検討委員会が最終結論ではありませんから。
○才賀委員 それだったら次に延ばしたほうがいい。
○小野委員 直接国民にかかわること、私たち20人程度のことで決められますか。私は何も長引かせろなんて言っていないですよ。年間6,000名以上も墜落して、そのうち220名以上も死んでいる現状を一日も早く止めるべきでしょう。だからベストを尽くしていきましょうということなのですよ。できるところからやりましょうと。それにしても人扱いをした文面にしてもらわないと私は引けないと言っているのはそこなのですよ。命が無くならなければいいとか、安全帯がまず先だとか、そんなことでは絶対私は引けないです。同じやり方でも文面を変えるとかいうことですよ。人を尊重した表現にしてもらわなければ困りますよ。
○小林座長 御意見の取り扱いについては、もう少し後にまたまとめてやりたいと思います。
どうぞ、室長。○野澤建設安全対策室長 今のような主張は当初からあった主張かなと。事務局のような形でいいという意見もあるのかなと。片方では小野委員の意見もずっとございましたし、今、小野委員も、そういった意見が平行であることはちゃんと残しておいてほしいということですから、事務局案に対する賛意を確認いただくとともに、小野委員の御意見について、要するに、どういった意見があったかということですから、事実を書くことですから、事務局と小野委員の間で、小野委員の意見はこういうことでいいですねという確認で最後は終わるのかもしれませんけれども、そこのところの大筋を確認いただければいいのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○小林座長 どうもありがとうございました。
小野委員、形はどうなるかはともかくとして、御意見いただいた部分については報告書の中に反映すると。それはもうちょっと後にまたやりたいと思います。○小野委員 いいですよ。
○小林座長 それでは、今、御意見いろいろ伺って、ある程度明らかになったと思いますので、先へ進めていきたいと思います。
どうぞ。○野澤建設安全対策室長 一応、その他の委員の事務局案に対する賛意は確認いただいたほうがいいかなと思うのですが。別に挙手とか、そういうことはないですが、これでよろしいですかということでいいかと思いますが。
○小林座長 他の委員の方々、いかがでしょうか。先ほど来、伺っていますと、事務局案に対する強い反対がなさそうですので、小野委員以外の方の総意としては、事務局でまとめていただいた文案でよろしいですね。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 どうもありがとうございます。
○小野委員 座長、これは多数決でどうのこうのすべきことではないと思いますよ。
○小林座長 いや、そういうことではないのです。これを採用しようとか、ダイレクトにそういうことを今、お諮りしたのではないのです。小野委員の言われていることも、後ほど処理はまた話しますけれども、他の委員の方は少なくともこれについて強い反対はないという、そういうことを確認しただけです。
○小野委員 結構です。
○小林座長 それでは、そういうことで、次の「2(ローマ数字) 足場における通常の作業時の墜落防止対策」の1について御審議いただきたいと思います。
○川越技術審査官 基本的には、前回まとめて一通り説明しておりますので、今日は皆さんに議論をいただくことを中心にお願いしたいと思っておりまして、この記載ぶりで、前回、語尾に「推奨」するという記述があったところを「推進」に変えた部分は、基本的には通達等で示していくものという考え方でまとめているところでございます。その他、変更点については下線が引いてある部分ですので、その点を中心に御議論いただければと思います。
○小林座長 2(ローマ数字)の1は語句を1つ訂正していただいたということだけですね。
2(ローマ数字)の2も、前回はほぼこれでよかろうというお話だったと記憶しておりますけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 では、これについては御確認いただけたということにしたいと思います。どうもありがとうございます。
それでは、次に、いきたいと思います。3の「足場を請負人の労働者に使用させる元方事業者等の注文者は」云々の部分でございます。これについて御意見を伺いたいと思います。○小野委員 いいでしょうか、座長。
○小林座長 どうぞ。
○小野委員 2(ローマ数字)の3のマル1マル2と下にありますね。マル1は、点検をやる人がいないのだと、十分な知識・経験を有する者がいない場合はこれでいいよという話では、何のための決め事になるかわからないですね。いなければしようがないのだという感じですね、これ。何のための決め事か、全くざるの決め事になってしまいますね、このままでは。
マル2はそういうことで結構です。マル2は事業者及び注文者の双方が点検を行う場合の事業者の点検ということで、注文者がやるわけですから、これは結構ですよ。事業者において、足場の組み立ての当事者がやっても結構です。その場合は注文者がやるわけですから。
ただ、マル1は、何のためにわざわざこれを書いたのかわかりません。しかも、5種類の専門家がいるにもかかわらず、全ていないのだと仮定してマル1を生かそうなどといったら、何のための決め事かわからないということですよ。○小林座長 どうもありがとうございます。
御意見伺いたいと思います。いかがでしょうか。
どうぞ、宗像委員。○宗像委員 確認と意見と両方なのですけれども、まず最初に確認のほうからですけれども、「元方事業者等の注文者は」で始まる文章で、中ほどを見ていきますと、「事業者又は注文者が行う点検」ということになってくるのですけれども、これは建設工事で考える元請は必ず点検をすることが前提になってくるという解釈でよろしいのでしょうか。
○小林座長 お願いします。
○川越技術審査官 現在、足場の組立てを行った事業者、大抵は関係請負人が請け負ってつくるわけですが、その場合の事業者については、足場の組立て後、次の作業を開始する前までに点検を行うことが義務づけられております。今回、3の最初の3行で書いておりますとおり、注文する者として注文者、これは労働安全衛生法で定めがございまして、足場を関係請負人の労働者に使用させる者ということです。そういう意味では、通常は元請が注文者に該当することが多いと考えておりまして、これについては、新たに足場の組立て等の後の、足場における作業開始前の点検を義務化する方向で、今、結論を書いていますので、宗像委員のおっしゃるとおりでございます。
○宗像委員 了解いたしました。ありがとうございます。
もう一つ申し上げたいことが、今、御発言のありましたマル1の規定に関してです。ある一定の規模の会社であれば、当然、その他の資格者というのが出てくると思うのですけれども、住宅建築工事の大半を担う町場の工務店は、自分のところで足場を持ちながら、自分のところの大工その他もろもろ全員出払って足場を組み立てて工事をというような事業場も数多くあります。住宅建築工事の半分以上はそういうところでやられているものだと思います。そこがみずから元請になっているというケースがまだまだ多くあると思いますので、そういうケースを想定して、前回、もしくは前々回の委員会の中で、他にそういう資格者がいなければ、資格者も含めて全員でやっているようなところの救済措置として、この一文を載せたほうがいいのではないかという御意見だったと思いますので、私はこの部分を残していただきたいと考えております。○小林座長 どうもありがとうございます。
他に御意見いかがでしょうか。○小野委員 いいでしょうか。
○小林座長 どうぞ。
○小野委員 足場の組立て等作業主任者の教育をしましょうとか、いろいろ前段であるわけですよ。能力向上教育を受けた人でももちろんいいわけですよ。この人たちは圧倒的に多いわけですよ。ましてや事業者が元請になるような場合は、必ずこういう人がいなければ元請の資格はないわけですから。ですから、いないなどというのではなくて、いるようにしなければいけないのではないでしょうかということです。
○宗像委員 ケースとして、もうちょっと補足いたしますけれども、5人しかいない事業場で、5人とも資格者だった。その5人が全員、足場の組み立てにかかわったとすると、該当者がいなくなることになる。そのケースを想定してのことだと思いますので、そういう意味合いからこれを残しておいていただくのがありがたいなと思います。
○小野委員 5人が全部が関わったから第三者が誰もいない、そういうことはなるべくないようにしていったほうがいいのではないでしょうか。みんなで決め事をつくるなら、それなりに、これに対して一生懸命集中しないといけないと思うのですね。
○宗像委員 資格を普及する、教育を促進するということはとても大事なことだと思いますので、異を唱えるつもりは全然ないのですけれども、規模が小さくなればなるほど、第三者というのが見つけにくくなる、当事者以外の者を見つけにくくなると感じます。
○小野委員 だからといって、この条項を入れてしまえば、全部もぬけの殻ですね。
○宗像委員 そんなことないと思いますけれども。関わった人以外にそういう資格者がいるというのがごくごく当たり前の状態だと思いますので。
○小林座長 いかがでしょうか。
○川越技術審査官 事務局がこの文を書いていますので、今、宗像委員と小野委員から意見が出ている部分で、事業者、または注文者が行う点検のマル1の話で言っている部分につきましては、その上の段で書いております足場の組立て等作業主任者であって、足場の組み立て等作業主任者能力向上教育を受講している者、その他ここで例示している十分な知識・経験を有する者による点検を推進するということを除外している文ではありません。また、当事者以外の者が行うことを推進するということをこの検討会で議論してきましたので、それも書いておりますが、先ほど宗像委員から話がありましたとおり、現場に十分な知識・経験を持っている方がいっぱいいるのに、ただ事業所が小さいために、現場に全部出払っていて、みんなが当事者になってしまうと、そういう場合に、第三者をどこから持ってくるのかということについてまで指導することは困難ではないかということで、こういったものを入れたという趣旨でございます。ここは、十分な知識・経験を有する者でなくてもいいということを表しているものではなく、当事者以外の者が行うことを除外するということで書いているものです。そういう意味で、第三者のほうがいいのか、十分な知識・経験を持った人が点検するほうがいいのかといった場合には、当然、十分な知識・経験を持った人が点検をすることを推進するべきでありますので、そこは除外していないと御理解いただければと思います。
○小林座長 小野委員、いかがですか。
○小野委員 いいですか、川越さん。川越さんの今の説明はちょっと矛盾がありますよ。私、何でも反対で言っているわけではない。せっかくこれだけの時間を割いて、これだけ熱心な討議をやっているにもかかわらず、こういう条文を1つ入れただけで全部抜けてしまいますよということを言っているのですよ。事務局のほうでもうちょっと書きぶりを研究したらどうですか。私は宗像委員の言っているところもわかるところはあるので、そういうところも尊重したいと思うので、あとは書きぶりの部分だと思いますよ。
○小島委員 よろしいですか。
○小林座長 どうぞ、お願いします。
○小島委員 マル1の条文だけを見ると、小野さんがおっしゃるのはまさにそうでして、宗像さんがおっしゃったようなことを、例とかで、こういうものは差し支えないとか、少し加えないと、このままだと、逃げができる可能性はあると思います。現場に5人いて、5人が実際、そこにいるのだけれども、間違いなく能力向上教育を受講した作業主任者が直接作業をしないで点検する、知識・経験が十分ある人の点検は、十分これに値すると思います。当事者という言い方で、杓子定規に考えてしまうと難しい状況が出てくる。だから、そこは運用上の話でも対応可能だと思うのです。小さな現場、あるいは小さな事業主の中で、何が何でも第三者を呼んできなさいというのは、無理があるというお話でしょうから、そこは文章でもう少しかみ砕いて、例えば、例文みたいなもので書き加えたらいかがでしょうか。
○小林座長 どうぞ、室長、お願いします。
○野澤建設安全対策室長 事務局としては、ここに書いてあるのは、宗像委員の言うようなことを限定してというか、そういうときに限ってというつもりではあるのですが、悪用するというか、使いようによっては、うちにはいないよと言って、やった人の中でやるということもあり得るという指摘かと思いますし、小野委員も、宗像委員のような場合については御理解いただけたというか、それはそれで一定わかるということなので、事務局としては原案でそれを表現したつもりなのですが、そうばかりではなくて、拡大解釈して使う人もいるということであれば、少し工夫というか、検討したいと思います。
○小林座長 どうもありがとうございました。
2(ローマ数字)の3で言わんとすることが御理解いただけたと思うので、これの中身については、今、言われたように、文章を考えていただくことにしたいと思います。○小野委員 はい、結構です。
○小林座長 その他の部分はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。その下の部分。
それでは、先に進めさせていただきたいと思います。今の部分は、2(ローマ数字)の3の部分でありますけれども、取りまとめの案の部分の3ページ目の上のほうまでは、今、言われたような、一部、事務局に考えていただくことにしたいと思います。よろしいですね。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 どうもありがとうございます。
それでは、2(ローマ数字)の4、「幅木については、墜落防止措置及び飛来落下防止措置」云々という部分でございます。それについて御意見いただきたいと思います。
どうぞ。○小野委員 2(ローマ数字)の4番の幅木についてですが、建地の中心間が60センチメートル以上だと。これについて、私、ちょっと理解できないのです。根拠になるのは、私はこれがあるのですね。安衛則の563条で、作業床の幅は40センチメートル以上なのだとはっきり言っているわけですよ。40センチメートル以上だということになれば、建地の中心間は、ぎりぎりでも450なら大丈夫なのですね。余裕を見て50センチメートルですね。50センチメートル以上の建地の幅の足場についてというなら私は理解できますけれども、何で40が一遍に60に飛ぶのかわからないのです。いずれにしても40センチメートル、ですから50センチメートルの足場の幅、このところに幅木を取りつけるなんて容易だし、幅木をつけたからぶつかるとかということもあり得ないしということですね。
幅の問題と、それから、もう一つですが、取りつけるのは足場の外側だけでいいのだよと、これも理解できないですね。基本的に両方だと思うのですよ。ただし、躯体側は、墜落の危険性がない場合はつける必要はないのですよ。ということで、足場の外側だけにつけるとかいうことに対しては理解できないです。躯体側にも危険性があるならばつけなさいよということです。○小林座長 どうもありがとうございます。
宗像委員。○宗像委員 ここの幅木のことに関しては、私も申し上げたいことがたくさんありますので、1個ずつ、一遍に言うと自分でよくわからなくなってしまうので、整理をしながらと思っていますが、建地の間隔が60センチメートルというのは、作業をする上で、人が歩く上で、もっと欲しいぐらいなのですね。肩幅を考えてみていただいて、そこを歩こうとしたときに、狭くなればなるほど斜めになってということになりますから、余計な動きをすることになります。真っ直ぐ歩こうと思ったら、少なくとも60センチメートルは必要だと思います。もっともっと広いと思うのです。日本人の体格が大きくなったから手すりの高さを上げましたというのが前回の規則改正の基本にあったかと思うのですけれども、ますます大きくなることを考えれば、ここの幅を狭く規定するというのは、作業性を損なう第一歩になるのではないかと思います。
○小林座長 どうもありがとうございます。
今、4番の1行目、2行目あたりの条件が話題になっております。
どうぞ。○鈴木(芳)委員 仮設工業会の鈴木です。
この60センチメートルという値なのですが、現在の仮設機材、通常、世の中に出ているものを建地間の間隔ということで言うと、600ミリメートルとか、610ミリメートルという製品がほとんどなのですね。狭い場合ですね。ですから、どこかで線引きをするということであれば、この60センチメートルという表現でもいいのかなと、個人的には思います。○小林座長 どうもありがとうございます。
どうぞ。○宗像委員 幅木の設置についてということで意見を少し申し上げておきたいと思います。幅木ありきではなくても人が落ちることを担保することはできるのではないかと思っております。
それと、もう一点は、わく組足場と、わく組足場以外のということで、マル1マル2で分けをしていただいてございますけれども、わく組足場以外ということで考えれば、幅木を設置することがかえってマイナスになることも多く出てくるかなと思います。建地の間隔が前後で60センチメートルでも、住宅の場合には、作業床を幅狭のものをつけざるを得ないような、例えば、バルコニーが出てくるとか、シャッターボックスがあるとか、建物が、雁行といったら大げさですが、出隅・入隅が出てくるとか、いろいろな形状がありますので、作業床を十分に確保しにくいところがたくさん出てまいりますので、そういったものについて、単純に幅木というふうになると、かえって作業性を損なうことが出てくるような状況ですので、この点については、もう少し考え方を整理したいなとは思ってございます。○小林座長 どうもありがとうございます。
どうぞ。○高橋委員 私も今の宗像委員に非常に賛成なのですけれども、世の中の規制というのは、仕様規制と性能規制がありまして、要するに、落ちないような状態であれば、別に幅木を使わなくても、さんが2本あればいいとか、いろいろな状況が考えられるわけでありまして、幅木というのはある意味では1つの仕様でありまして、確かに物の落下とか何かが、危険性があるような場所においては幅木というのは、物が下に落ちないようにというのは意味がありますので、そういう危険性があるときには幅木が有効かもしれませんが、墜落災害防止ということを考えた場合には、むしろすき間のほうが重要でありまして、すき間をなくすという観点からして、考えていけば、性能規定的なもののほうが、それでもってあらわすことができるならばという条件がつくのですが、そのほうが適切ではないか。そういう意味では、この事務局の案は、きれいに整理されていて、非常にわかりやすいのではないかと思いますので、私はこの案がいいのではないかと思います。
○小林座長 どうもありがとうございます。
その他、御意見いかがでしょうか。どうぞ。○小野委員 私は、安衛則の作業床の幅40センチメートル以上であることという法律、根拠に基づいて先ほど申し上げたのですよ。しかも、実際、取りつけることは容易なのですよ。ただ、今、宗像委員は、作業がやりにくくなるよと。それも少しはわかります。しかし、作業性を重視して、墜落の危険性がその次だという順番は、これも当てはまらないと思います。以前にも児玉委員がおっしゃられました。例えば、中さんに膝が当たる、あるいは幅木につま先が当たるから歩きにくくなる、だから安全なのではないですかと言っておられるわけですよ。そういうこともわかった上で、これは決めていただきたいと思います。
それから、先ほど鈴木委員が、今、60センチメートル以上が大半ですよとおっしゃられましたけれども、前は400幅に合わせた建地間のわく組足場をつくったのですよ。かなり昔は。そういうものなのです。だから、現在こうだからということで、今に決める必要はないのではないかとも思います。
それと、もう一つ、4のマル1ですけれども、「わく組み足場においては、下さんの代わりに、高さ15センチメートル以上の幅木を設置すること。」もちょっとわからないですね。15センチメートルの幅木を設置したら下さんは要らないという話なのですか。という具合に読めますけれども、こういう状態は、先ほどビデオ映像にもあったように、幅木はついています、あと、ブレスしかありませんよと。非常にあそこ、落ちやすくなっているでしょう。すき間が多くて。だから、幅木をやって、下さんは要らないという考え方はおかしいですよということです。下さんに加え幅木でしょうということです。もし何でしたら、先ほどの映像ありますから、もう一回見てもらえばいいです。○加藤委員 小野委員の言われるように、下さんプラス幅木となると、2つがダブってしまう場合もあるわけだね。高さ的に。
○小野委員 だから、ダブるような位置に下さんをつけるからいけないのですよ。今、下さんの規定を15センチメートルから40センチメートルという規定にしているからおかしいのです。
○加藤委員 だけれども、今、ものがそういうところにあるから、必然的に下さんをつけたら、それで幅木をつけろとなると、例えば、200の幅木をつけたら、その200の幅木のところと下さんが同じ位置にあるとか、そういう話になってしまうではないですか。
○小野委員 その辺の見直しも必要ですよと、私は今回出している資料の中に書いてあります。そういう場合は、下さんを40センチメートルから45センチメートルの間でやるべきだということなのです。
○加藤委員 2番目のわく組足場以外については、上さん、中さん、その間の足場との間の開口が結構空くから、これは幅木についても1つの有効な手段であるなとは思う。これについては。幅木を狭めるという意味において。
○小野委員 それについては私は何も言っていない。そこはね。
○加藤委員 だから、私は事務局の案が妥当なのではないかという感じです。
○小林座長 どうもありがとうございます。
他に御意見、どうぞ。○宗像委員 作業性のことをちょっと申し上げました。40センチメートルの作業床に、通常歩く部分に幅木があって不都合かというと、さほど不都合ではないのだと思うのですね。ただ、建物側を向いて作業するとなると、自分の足は小さいほうですけれども、26センチメートルあります。大きい方は27、28と、そこに靴をはくのですね。そうすると、30センチメートルを超えるようなものが作業床の上にある、足があるということです。その前後を考えると、5センチメートルしかない。そこでバランスをとろうと思って斜めに足を構えたら、当たりますね、当たり前に。それが当たることが安全だという考え方もありますけれども、人間がバランスとるのに、真っ直ぐ並行に足を置いていたのではバランスを保ちにくい。柔道の基本の姿勢でもそうですけれども、やはり前後に構えるということが出てくるのだと思うのですね。
ここの幅木をつけるか、つけないかということの安全な寸法というのは、最後のほうに出てくる、足場の幅が狭い場合には、つまずく等の危険性が高まることから、幅木を設置しても安全に使用できる足場板の幅等の研究というところへ委ねて結論を出すというふうに考えたいと思っておりますので、とりあえず、このままの表現でいきますと、現行の作業床に幅木をつけるという結果になってきますので、その点について、幅木以外の方法を併記していただく、幅木以外でも人が落ちないということを担保していく方法はあると思いますので、そんな方法をここにも書いていただくことを希望いたします。○小林座長 ただいまのところでは、建地の中心間の幅、寸法の話、それから、幅木の設置の話、あるいは中さんに加えて幅木を設置すること、幾つか出ております。その他に御意見伺いたいと思います。事務局でまとめていただいたところでよろしいという御意見もいただいておりますけれども、宗像委員の、幅木以外の方法についていかがでしょうか。
○宗像委員 マル2の最後の結びが「幅木を設置すること。」となってございますが、「幅木など」というわけにはいかないのかなということでございます。
○小林座長 具体的にありがとうございます。
どうぞ。○鈴木(敏)委員 単純な質問なのですが、マル2の幅木というのは15センチメートル以上というのですか。もともと10センチメートルではなくて。
○川越技術審査官 法令上の幅木を申し上げますと、法令上は、飛来落下防止措置として、563条に規定があり、10センチメートル以上の幅木、またはメッシュシートを張ることになっています。一方で、より安全な措置ということで、通達の中で示しているものの中には、明確に幅木の高さというものは、通達の中では明示しておりません。考え方としては、中さんの下のあいている空間が、幅木をつければさらに小さくなるということで、それをもってより安全な措置であると理解しております。
○小林座長 ということでございますが、よろしいですか。
○小野委員 座長、いいでしょうか。今の川越さんの説明は、中さんプラス幅木の話をしました。ここは、幅木をやれば下さんは要らないよと言っているのですよ。
○川越技術審査官 今のわく組足場のマル1のお話ですね。マル1のところの考え方ですけれども、現在、法令の中では、下さんの位置は、15センチメートル以上40センチメートル以下という箇所に下さんを設けるとなっております。実態としては、多くのわく組足場の場合、38センチメートルあたりに下さんがついているのが一般的でございます。そういった中で、もしくは幅木ということが法令の中に書いてございまして、下さんが15センチメートル以上から40センチメートル以下ということですので、15センチメートル以上の幅木であれば、今の下さんの規定と同等であるということで規定しているものでございます。そういった意味で、小野委員から出ている意見の中で、下さんの位置が40センチメートル以上45センチメートル以下となると、今、流通している多くのわく組足場の交さ筋かいピンの位置が38センチメートルのところにございますので、今ついている下さんが事実上使えなくなるという、非常に影響の大きな話が意見の中にあると理解しております。
○小林座長 どうぞ。
○小野委員 いずれにしても、これは理論的に正しいことを表現するようにしなければ、全て現状に流されたのではだめだと。現状は現状である程度重視はします。しかし、正しいことをきちっと表現していかなければだめだということを私は言いたいですね。
以上です。○小林座長 他に御意見いただきたいと思います。よろしいでしょうか。どうぞ。
○加藤委員 わく組足場の幅木の話は、作業床が、例えば、建地と開口があったときに、下さんとの間で間があき過ぎて、それで墜落する可能性が高いから、幅木をやったほうがより安全になるのではないかなという議論の中で出てきたと思うのですね。だから、1つとしては、いい方向ではないかなと考えるわけです。
○小野委員 それと、幅木は飛来落下防止の機能も有しているわけですね。メッシュシートを張るまでは何もない状態なのですよ。幅木をつければ、それ自身が飛来落下防止の措置にもなるし、墜落災害防止措置にもなるということで、幅木優先でここを書いたのだろうと思います。事務局はですね。しかしながら、その場合は、上ががらあきになりますよということを私は言いたいのですよ。幅木そのものは結構ですけれどもね。
○小林座長 いかがでしょうか。室長、どうぞ。
○野澤建設安全対策室長 先ほどの1(ローマ数字)の1と同じような状況かと思いますので、小野委員の意見は、わく組足場の場合、下さんに幅木と。それから、それ以外の場合、幅木ということで、それをつける。外側だけでなく、両側にということかなと思うのですが、つけることを推進するべきということかなと思っておりますし、それ以外の方は、若干いろいろあるようですが、大枠、先ほどと同じような確認をしていただければと思うのですが、いかがでしょうか。
○小林座長 今、室長から御発言あったように、小野委員以外の方は大枠でこの文章、どうぞ。
○宗像委員 大枠で考え方等いいのですけれども、マル2の4のところの3行のままマル2へ行くと、幅の狭い作業床を設置せざるを得ないところにも幅木ということになってしまいますので、そこのところは、幅木だけではない選択肢を用意していただくことを強く申し上げたいと思います。
○小林座長 今の御意見、どうぞ。
○野澤建設安全対策室長 では、それを含めて、報告書案として、多分、原案に、形的には、小野委員の提案というか、意見を加えていくような形になりますので、原案部分が若干、今の御意見を踏まえて、「等」が入ればいいのかもしれませんが、そういったことで、また提案というか、最終確認をしてもらうときにごらんいただけるようにしたらどうかと思います。いかがですか。
○小林座長 今の室長の御発言ですけれども、小野委員以外の方は、大筋でこれをお認めいただくということです。小野委員の御意見も、多分、併記という形で処理させていただくことになると思います。よろしいでしょうか、皆さん。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 どうもありがとうございます。
それでは、次に、2(ローマ数字)の5番、3ページ目の下のほうです。「上さんについては、わく組足場の外側」云々という項目でございます。それは3ページ目で完結している部分です。これについて御意見伺いたいと思います。どうぞ。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 特に御意見ないということで、事務局案を御承認いただくこととさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、4ページ目に入りたいと思います。先ほどの5番は4ページ目の一番上にも1項目入っていますね。失礼しました。
「3(ローマ数字) 足場からの墜落防止対策全般」という項目です。その1番、2番、3番は御了解いただいたものでよろしいのでしょうかね。この部分について、何かございますか。
どうぞ。○小野委員 3(ローマ数字)の2についてですが、これは既に足場の施工計画という名前で義務づけられているのではないでしょうか。ここへ出すのは結構ですけれども、もう既に安衛法30条で、元方事業者が作成すべきということで、足場の配置に関する計画は、足場の施工計画において示していれば足りるものとされているということで、足場の施工計画というのはあるのだよと。あれば、配置に関する計画は守っていることになるからということで、安衛法の逐条改正でもあるしということです。もう既にこれは義務化されていることですよと。施工計画についてはということです。だから、これなどはもちろん、もう推進ではないのですけれどもね。
○小林座長 宗像委員の御意見は。
○宗像委員 義務化のところの解説を先に伺ってから。今のは義務になっているという御指摘ですね。
○小野委員 そうです。
○小林座長 どうぞ。
○川越技術審査官 条文の解釈の関係もありますので、お答えします。労働安全衛生法第30条第1項第5号に、建設業が該当しますが、特定元方事業者としての義務がございまして、計画の作成に当たっては、作業用の仮設の建設物の配置に関する計画を作成しなければならないこととされております。この仮設の建設物の中には足場も含まれるという解釈が出ているところでございます。条文上は、今、紹介がありましたとおり、配置に関する計画を作成しなければならないという書きぶりでございますので、一般に足場の設置届、労働安全衛生法第88条第2項に基づく設置届の場合には、組立図なども添付することになっておりますので、当然、組立図などもつくることになりますが、法第30条の義務で書かれている仮設の建設物の話についても、配置に関する計画ということですので、必ずしも全ての足場について組立図まで必要になっているかどうかというところまでは解釈として示されていないものでございます。
○小野委員 いいですよ。それは解釈の問題です。だから、それを補強する意味であれば、それはそれで結構です。
○小林座長 宗像委員。
○宗像委員 2のところでございます。今、法の解釈のところで解説を伺っていて、改めて組立図ということになると、ものすごくハードルが高いなと感じています。自分たちはようやっとこのあたりに着手できて、あらかた実行できているレベルです。自分たちというのは、ハウスメーカーと言われるところがそういうレベルで、ようやく現場に組立図というのが掲示されたり、組立図に基づいて発注をしたり、内容を確認したりということをしております。これを全部に義務というふうに考えますと、ついてこられないところが多過ぎるので、新たな法律違反の種をつくるような感じがしておりますので、この部分については、組立図に関しては、ある一定の線引きをしていただいて、低層住宅でよく言われる言葉がありますけれども、そういったものの除外ということを意見として申し上げたいと思います。
○小林座長 「足場の組立図の作成を推進すること。」という文言になっておりますけれども。
○宗像委員 義務ではないですね。その方向でくくられたときに、住宅工事現場の足場についても全て含まれるというふうに解釈をすると、非常にハードルが高くなるのかなと。私たちの力の及ばないところで行われる工事が大半になりますので。実際に組立図を書けない。書ける足場屋を探すということになりますと、足場屋が淘汰されるという妙な話になってくるのかなと思いますので、できれば、小さな、面積規模でも構いませんし、高さの規定でも構いませんので、中小の低層の住宅に関しては除外をいただくということを意見として申し上げておきます。
○小林座長 どうぞ。
○小島委員 義務ではなく、推進ということで、あえてここに書かれてあるのは、組立図というのは、しっかり図面屋が書かなければならないという意味ではなくて、従来から小野さんもおっしゃっているように、低かろうが、高かろうが、足場を組む人がどう足場を組むのだということをわからないで組むこと自体が、足場から落ちる要因の1つだと思います。安全意識向上も含めて、計画という意味で、こういう文章を入れて、例えば、立面図に単管でこのように組みますという簡単な図も含めて組立図というふうに拡大解釈して、推進しましょうという意味だと理解しています。何もなしにいきなり、要するに無計画でやるのですかと。そういうことはないはずなので、言葉だけでなくて、エビデンスとして残すという意味で、推進するという文章だと思います。
なので、この部分については、変に高さを制限するとか、そういうことをやってしまうとおかしくなるのではないかと思います。義務化までは次のステップがあるのですけれども、少なくとも実態として、低いところからでも落ちて亡くなるケースもあるという状況を踏まえた上で、この部分はこれで結構かと思うのです。○宗像委員 足場屋が足場を現場に持っていくのに、当たり前に簡単な図面は書きます。積算を拾うのに、床何枚持っていくの、建地どれだけ要るのということは当たり前に立面図に落としていきますので、そういったものも含めて組立図という位置づけでスタートが切れれば、特にいいのかなと思います。
○小島委員 私はそう理解しましたけれどもね、ここは。
○小野委員 いいでしょうか。宗像委員の意見は全くそのとおりで、もともと足場には標準図という図面があるわけですね。この足場の種類、例えば、わく組足場を使う、くさび緊結式、どれを使うのか、それすらわからないですね、施工計画がなければ。それぞれの足場には標準図があるので、壁つなぎのとり方はこうですよという標準があるわけですよ。少なくとも標準図何番によるとか、そういうことでやらなければ、何も仕切りがなければ、どうしようもない話ですから、ここ、適当に足場組んでおけではだめなわけですよ。
○小島委員 低層の足場については、足場先行工法という形で本省でも推進している、私の記憶ではガイドラインがあります。手すり先行工法に加えて推進なさっている部分もありますから、そういうものを広く周知するためにも、ここではこういう表現でいいのではないかと思うのです。変に条件をつけるのは、かえって議論がややこしくなるような話だと思います。
○小林座長 どうぞ。
○宮本委員 組立図の話なのですけれども、今、どの程度のレベルを考えておられるかというのをお聞きしたいのです。
○小林座長 お願いします。
○川越技術審査官 先ほど小島委員からも話がありましたとおり、労働基準監督署に労働安全衛生法第88条の計画の届出で義務づけられているような精緻な組立図までを推進するということで、指導していくことはなかなか難しい面もあると考えておりますので、当然、足場の規模などに応じて、できるところから、少なくとも足場の倒壊防止措置、墜落防止措置が明らかになるような組立図を立てていただくことを指導していくことかと考えております。
○小林座長 どうもありがとうございました。
よろしいですか。どうぞ。
○小野委員 座長、もう一つ。今、川越さんから88申請の件が出ましたので、現行の88申請は、10メートルを超え、60日以上使う足場について届出をしなさいとなっているのですが、これは余りにも昔からの決め事をそのまま今、踏襲しているのですね。これをもうちょっと精緻なものにしたほうがいいのではないでしょうか。まして今、メンテナンスの時代に入っていますから。例えば、高さについては5メートル以上で、60日以上使うものについては届出をするとかいうことで。
○小林座長 それはこの部分ではないですね。
○小野委員 ここではないですけれども、これに絡んで新たに言っているのですよ。88のことですね。足場計画に絡んで。
○小林座長 3(ローマ数字)全般について、今まで御議論いただいた部分ですと、ほぼこのままお認めいただくということのようですけれども、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 それでは、ありがとうございます。
この部分はお認めいただいて、「4(ローマ数字) 関係府省と連携した墜落防止対策等」でございます。1からですが、いかがでしょうか。どうぞ。○小野委員 これに関しては、私どもと全建総連の宮本さんでいろいろ、強く発言している関係ですので、発言させてもらいます。
まず、4(ローマ数字)の1についてですが、「建設業に従事する者の災害を防止するためには、発注者における施工時の安全衛生の確保のための必要な経費(一人親方等の労災保険の特別加入のための費用を含む。)の積算」とある部分を、「(一人親方等の労災保険の費用を含む。)」ということで、「特別加入」という文字をなくしてもらいたいのですよ。「(一人親方等の労災保険の費用を含む。)」に改めて、「積算」とあるところを「別枠積算計上」に改めてほしいという要望であります。
それと、4(ローマ数字)の2についてですが、4(ローマ数字)の1の部分が重視されるためには、4(ローマ数字)の2が、今、現行を整理して強化しようということになっているのですね。まず4(ローマ数字)の1を重視して、4(ローマ数字)の2は空白にしておいたほうが私はいいと思います。なぜならば、私が言っているのは、一人親方の特別加入の促進、促進と、そんなことばかり言わないでほしい。特別加入の促進ということは今の続きではないですか。それがずっとされていないのですよ。したがって、労災保険の費用を含む安全経費全般、ハードの部分、あるいは手間賃の部分、あるいは今の保険料を含むものは、安全経費として積算別枠計上して発注者からもらいましょうよということなのですね。元請事業者はそれを数次の下請に分配していくということなのですよ。労災保険料については、一人親方、労働者に区別なく、労災補償が元方事業者からされるようにしてほしいというのが私たちの願いなのです。特別加入、特別加入と、またこれを追いかけていったら、現行の仕組みは全然変わっていかないのですよ。ということで、4(ローマ数字)の2については要りません。4(ローマ数字)の1について強力に推進してほしいという要望です。現状、特別加入の促進をしても、なかなか入りません。だから、入らなくてもいいように、労働者と同等扱いにしてほしいということです。○小林座長 どうぞ。
○才賀委員 我々のところは、今、標準見積書をつくって、ゼネコンに外枠で経費を出してくださいというお願いもしていますし、今度の新しい法律でもそういうことになっていますので、もう少し待てば、各労働者は保険に入っていなければ現場で働けないですよというふうになってくるので、大分変わってくるのではないかと思っています。
○小林座長 どうぞ、宮本委員。
○宮本委員 小野さんからもお話あったのですけれども、一人親方問題は、先ほどからも資料が出ていますように、まだまだ事故が多いという状況で、必要な経費ということで括弧つきになっているのですけれども、例えば、一人親方の労災保険というのは3,500円から2万5,000円まであるのですよ。3,500円の労災保険料というのは微々たるものですけれども、2万5,000円というのはそれなりの負担なのですね。ここで言う必要な経費は、一人親方等の労災保険、3,500円だけ用意したよということになりかねないという心配もあるわけです。
と申しますのは、ここの部署ではないのですけれども、今、ホームページ等で一人親方の労災保険に加入する特定の団体、2番に「特別加入団体等を通じた」と記載がございますけれども、今、いろいろな団体があります。社会保険労務士が一人親方団体をつくって、例えば、2人いればいいということも含めて、全員3,500円で一律加入、うちはどこかの団体みたいに高くないですよと。ここにはお客様の声、○○土建の労災保険に加入していたのですが、保険料が高かったのですと、だから私のほうに来てくださいと、ホームページでこういう特定の団体を誹謗中傷するような記載をいまだに書いているのですよ。これは労災補償のほうでも指摘をしておりますけれども、いまだにこういうホームページが出回っているという状況があって、特別加入の推進ということに関したときには、やはり適正な補償が得られると。3,500円では全くの補償になりません。そういう点で、ここに適正な労災保険料の負担ということになるのでしょうかね、そういう部分だとか、あるいは「特別加入団体等を通じた」と入れるのであれば、この辺の表現についても、特別加入団体であれば誰でもいいということではない表現が必要なのかなと思いますので、よろしくお願いします。○小林座長 どうぞ。
○川越技術審査官 こちらの記載ぶりにつきましては、これまでの検討会の中でも事務局から申し上げておりますとおり、私どもだけでできる施策ではございませんので、この検討会で出た話を労災補償部、厚生労働省の中の部局ですが、そういったところと話をしながら、書けるものについて書くということで整理をしているところでございます。そういった意味で、一人親方等の部分を元請の労災で全部見てはどうかという意見もありましたが、そういったことについては、死亡災害だけで見ても、元請で一人親方が直接請け負って事故に遭われている、半数がそういった状況で起きていることから、特別加入制度の加入者が減るような形で元請の中で一括加入していくという話になりますと、今、せっかく救済されている一人親方が救済されない事態になり得るということで、特別加入の促進のほうが今の制度の中ではベターなやり方であるということで、このような記載をしているところでございます。
今、出た意見につきましては、再度、労災補償部にかけ合うことももちろんいたしますけれども、書きぶりをどこまで変えることができるかについては、事務局としてちょっとお約束はできないということで引き取らせていただきたいと思います。○小林座長 どうもありがとうございます。
他に御意見はいかがですか。幾つかの要望、あるいは表現の工夫に対して御要望もあったと思われますが、大筋ではこれをお認めいただく。小野委員は、文言の訂正、あるいは2番に関しては、これを削除という御意見があったようですけれども、事務局では、これについて、先ほど御説明あったようなものを考えつつ、考えていただくことにしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。○宗像委員 大筋、こんな感じでよろしいと思います。
○小林座長 どうもありがとうございます。
では、そういう話でここの部分はお認めいただいたということにしたいと思います。
それでは、最後の部分に移らせていただきます。「5(ローマ数字) 今後、検討するべき課題」であります。この部分はいかがでしょうか。いろいろ御意見をいただいた部分、あるいは法制化、あるいは規制とか、そういうことに関して、一気にそのようなものに持っていくことは非常に難しいということから、もう少し具体的な研究の成果を待ちたいということで書かれている部分だと思われます。これについて、いかがでしょうか。○小野委員 5(ローマ数字)のマル1の最初のマルポツで「足場板の幅が狭い場合には、つまずく等の危険性が高まることから、幅木を設置しても安全に使用できる足場板の幅等の研究」、これはこれでもちろんやってもらって結構なのですけれども、もう既に、今、40センチメートルの作業床は確保しなければいけないと決まっていて、それを対象にした足場の幅は50センチメートルだと。それ以上については幅木をまずつけることによって、この課題はほとんどクリアできますよということを言っておきたい。
それから、2番目のマルポツですね。「移動時及び作業時における下さん・中さんの下のすき間や交さ筋かいのすき間からの墜落防止措置の研究」については、幅木や下さんを設置することによって問題はもう既に解決しているのですよということです。
それから、マルポツ3番ですね。「墜落するおそれのない躯体と足場板のすき間の基準の研究」は、何回やっても一緒だと思いますけれども、30センチメートル以上になったら落ちるのは明白ですから、いまさら研究の対象にならないと思います。
それから、5(ローマ数字)のマル2ですけれども、「一側足場の仕様に関する規制のあり方について」ですが、これは今後の課題ということではなくて、もう既に私は前回も申し上げました。一側足場の関係で20%が災害を起こしているのですね。ですから、これはもう放っておけないのですよ。この前も言いました。とにかく1メートル未満の狭隘な場所に限って一側足場を使ってもよろしいという具合にして、早く規制をかけるべきだと。2メートルあろうが、3メートルあろうが、一側足場で皆過ごしているという実態もあるわけですよ。ですから、1メートル未満について一側足場の使用を認めるよということで、今、一側足場については除外されていますから。しかしながら、今、20%の災害がここで起きているということはやはり重要なことですから、これは研究課題ではなく、直ちに実施すべきだと思います。○小林座長 御意見伺いたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○宗像委員 「一側足場の使用に関する規制のあり方」という表現ですけれども、規制ということは、なくす方向で考えるということですか。「規制」という言葉だと、そちら側にとられてしまうのかなと思います。一側も危ないとか、条件つけなければいけないとかという御議論あると思いますけれども、足場としては存在する足場ですので、それを規制というか、なくしていく方向みたいに読めるのは、表現としてよくないなと感じます。
○小林座長 いかがでしょうか。
○川越技術審査官 例えば、「一側足場の使用に関する基準のあり方」とか。
○宗像委員 そんな感じだと思います。
○川越技術審査官 どちらにとっても読めるような記載ぶりということですね。直ちに規制すべきという意見も出ておりましたが、宗像委員は、その点については引き続き検討という。
○宗像委員 一側を隠れみのにしているという御意見もありましたので、そういう考え方に立っているつもりは全然ないのですけれども、一側について、適正に使う、もしくはある一定の基準を設けて使うことを研究していくということが正しいのかなと感じます。
○小林座長 どうもありがとうございます。
どうぞ。○金森委員 一側足場は、今、我々も木造住宅で使っていますが、やはり非常に多いのですね。これを全部規制されるということになれば、それこそ大変困ることになりますし、また、これについての安全性というものをもう少し考えながらやっていけば、私は十分使って支障のない足場だと考えております。
○小林座長 どうもありがとうございました。
どうぞ。○宮本委員 聞きたいことは、一側足場は、大変狭小な、リフォームなどの場合によく使われる部分が多いわけですけれども、そういう場合の事故事例だとか、そういったものは一定集められているのか、ないのかをお聞きしたいのです。そういうところにおける事故事例とか、そういったものの研究なり、どのような現状になっているのかお聞きしたいのです。
○小林座長 いかがですか。
○大幢委員 一側足場ですか。その事例を調べることは可能だと思います。
○宮本委員 現状はやっていないということですか。
○大幢委員 現状は、前の検討会で少し出たことだとは思うのですが、例えば、2番の「一側足場の使用に関する規制のあり方」は、現状何もないからどうしましょうという話ではないかと思います。そういう理解でよろしいのでしょうか。何もないわけではないのですが、安衛則では「除く」というような表現があるので、それについて、安全に使うために、どこまで、どういうルールをつくっていこうかというような解釈で私はとらえているのですが、そういう考えでよろしいでしょうか。
○川越技術審査官 まず、宮本委員から話のありました一側足場からの墜落事例につきましては、細かい分析は行っておりませんが、データとしまして、平成21年度から平成23年度までの足場からの墜落災害を分析する中で、一側足場も足場の1つとして、総枠としては分析の中に含めております。ただ、現在のわく組足場等の基準がどうかという検証を中心に行ってきたために、一側足場での墜落状況については、詳細な分析は行ってきておりません。今後、今、マル2で書いてあるように、一側足場の使用に関する「基準」か「規制」という言葉のどちらかになろうと思いますが、そういったものを検討するに当たっては、事故事例なども分析した上で結論を出していくことになろうかと思います。一側足場については、労働安全衛生規則の563条で除外されておりますので、細かな手すり等の規定はないという状況でございます。
○小林座長 状況を説明いただきました。まだまだやることはあるかと思われます。
他に御意見、5(ローマ数字)ですが、いかがでしょうか。どうぞ。○才賀委員 最後のマル4のハーネス型の安全帯の使用についてということで、今、徐々にハーネス型を使おうということで、専門工事事業者、本当に危険なところは使うようにしていますので、もう少したてば全員使うようになると思いますので、余り強い規制をかけないように、ひとつよろしく。
○大幢委員 これは「規制」というよりは「推進」のほうがよいのではないでしょうか。推奨とか。
○半田安全衛生部長 これは12次防の中にも明記している方法ですので、これはこれでやらせていただきたいと思います。
○小林座長 よろしいでしょうか。その他の御意見。
○半田安全衛生部長 済みません、今、余りぶっきらぼうだったので、もうちょっと言葉を添えますと、そういう方向も検討することになっているということで、もちろん御意見を聞きながら、規制でやるのか、推奨措置を講じていくのか、そういうこともいろいろ講じながら検討していくということでございまして、いきなり、もう規制と決めていますから規制しますという意味ではございませんので、そういうことを念頭に置きながら、皆様の御協力を得ながら研究して、実現していきたいということでございます。済みません、ちょっと言葉が足りませんでした。
○児玉委員 今、このハーネス型のものはいろいろな方向から突っ込んでいったほうがいいと思うのですよ。うちなどは、安全体感施設の中にハーネス型と胴ベルトと両方やらせているのですけれども、余り抵抗ないのですね。最初はハーネス型が非常に抵抗あるのかと思ったら、やらせてみたら、こんな気持ちいいものか、普通の作業に使っていても余り支障ないねという意見があって、そういう方向から攻めていく、またはメーカーのほうからの使いやすさから攻めていく、そういういろいろなアプローチでやっていくと、もっと早く、規制かかる前にみんなが使い出すのではないかなという感じがするのですけれどもね。
○才賀委員 食わず嫌いというのがあるからね。
○高橋委員 その点、よろしいですか。建災防で統計というか、アンケートをとったのですけれども、職種によって随分進んでいるところもあるのですね。ですから、鉄骨組み立てとか、そういう職種の方は、ハーネス型は非常に使いやすいということで広まっていると思いますので、使いやすさも1つの要因ではないかと思いますので、そういうところからだんだんと普及させていけば、今後普及していくのではないかと、建災防も非常に期待しておりますのでということです。
○半田安全衛生部長 よろしいですか。もう少し余計なことをつけ加えさせていただきますけれども、今の御発言に何も御異論はございません。ハーネス型は私もよろしいと思っているのですが、それを普及するためにも、安全ブロックをどういうふうに設置するのかとか、いろいろ検討していくこともございますし、何と言いましても、今、たびたび出てございますが、建設業の死亡者300人、そのうち160人が墜落で亡くなっているわけですけれども、足場以外からの方が150人から160人いらっしゃるわけですね。圧倒的にこちらが多いわけです。ここを早く手をつけなくてはいけないと私どもは思ってございまして、そのために非常に有効な方法だと思っていますので、これを検討していきたいと思います。
ついでに申し上げますと、ハーネス型については、やはり値段の問題もございますので、これはあわせましてメーカーにも、ぜひ安くしていただくように、そういうお願いをしていきたいと思います。たくさん出ていけば、また安くなるのだと思うのですけれども、そこを働きかけていかないとなかなか進まないと思っています。そういうことを考えております。○小林座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。今後のことでありますので、いろいろ御意見あると思いますけれども、この部分については、これは要らんとか、そういう話ではなかったと思いますけれども、これでもってお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 どうもありがとうございます。
そうしましたら、第5に関するまとめを、ちょっと時間かかりましたが、終わらせていただいて、これを含む報告書本体ということになりますけれども、5が一応、御検討いただきましたので、1から4までの本体部分について、御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。○川越技術審査官 それでは、お手元の資料1をごらんください。こちらが今回の昨年9月から議論してきた内容を取りまとめるための報告書の案でございます。
1枚めくっていただくと目次がございます。まず、第1から「はじめに」ということで、第2にこれまでの墜落防止措置の実施状況と労働災害の発生状況について概観してまいります。また、第3として、今回、議論の中でアンケート調査を実施しましたので、アンケート調査結果についても抜粋したものを本文の中で触れていきたいと考えております。次に、個々の部分を第4で見ていきたいということで、現行の墜落防止措置自体の労働災害防止効果について、これまで3年間にわたって、この検討会の議論の前に実施してきた部分ですけれども、各年度に実施してきた検証・評価結果を3年分まとめまして記載をいたしました。そういったものと、今回、第5でまとめるに当たって議論になった部分で、最終的に結論に書かれた部分を随時抜粋しながら記述をしているところです。その後で最終的に「第5 まとめ」ということで、先ほど議論いただいたまとめを添付することにしたいと考えております。
本日、時間もなかなかない中で、この内容を全て説明することは難しい状況でございますので、まず、今、見て、お気づきの点があれば御意見をいただきまして、後で意見を言いたいという部分があれば、検討会終了後に意見をいただくことも含めて、御意見を賜ればと考えております。
あと、参考資料としましては、今回の検討会の開催要綱等をつけたりしていきたいと考えております。これまでの議論で出ていた資料を添付していくということも想定しております。
以上でございます。○小林座長 どうもありがとうございます。
今の御説明、中身について、全部読んでいただいたわけでもありませんから、ちょっとわかりにくいことはあると思いますけれども、詳細は読んでいただいて、さらに御意見をいただくことになろうかと思いますけれども、どうぞ。○小島委員 最初の1ページ目、2ページ目のくだりなのですけれども、よく読むと、パーセンテージの表現は、例えば、図1も図2も図3も、要するに、監督署の担当官が臨検といいますか、それに入られた現場に対して、どうなっていますかという表現をなされているのですけれども、できましたら、図の中に分母分子を表現していただくとか、できることなら件数を表現していただくとかお願いできないかなと思います。
それから、もう一つは、図2のところで、採用率とございます。わく組足場、あるいはくさび緊結足場においては、国のほうは仕様書に書かれてあるのでという表現もされていますが、民間の分母は何なのか、わく組足場を分母にしているのか、以前の報告書は非常に細かくデータとしてありましたので理解できるのですが、別で添付なさるのかもしれませんけれども、できれば、ここでさっとわかるようにしていただくほうがありがたいと思います。パーセンテージだけひとり歩きするというのはよくありますので、ここは分母分子をしっかり出していただくほうがいいのではないかと思いますので、よろしくお願いします。○小林座長 どうもありがとうございました。
図の表現、図のあらわす意味をより的確に示すような情報を中に入れていただくという御要望です。
他にございますか。全体を通じてでも結構だと思います。
これについて、いろいろ御意見をいただくことになろうかと思いますけれども、期限や何かはまた別途示していただくのですか。○川越技術審査官 1週間程度で、期限を切った上で皆様に御意見を伺うようにいたします。今、気づいたことがあれば、おっしゃっていただいても結構です。
○小林座長 いかがでしょう。ざっと見ていただくということになろうかと思いますけれども。
資料3も、そのままこれにくっつくという、同じ冊子になるということですね。○川越技術審査官 添付資料にはアンケート調査結果そのものを添付したいと考えております。
○小島委員 ちょっと細かい話ですけれども、最後に資料4があって、既に御説明があったのかもしれないのですけれども、一人親方の死亡災害の発生状況というところがちょっと気になったのです。いわゆる元請がいて、その現場に作業者と一緒に入ってきた一人親方の災害がこの数字なのか、自らが自営業として、まさに一人親方として、事業主として仕事をしていての災害なのかという区別はできているのですか。
○川越技術審査官 前回の検討会で、一人親方等の死亡災害の発生状況については、半年分の結果ですけれども、報告しております。その中で、元請として一人親方が被災したもの、下請として他元請の現場に行ったときに亡くなったもの、そういったものを含めて、労働基準監督署で、通常、死亡災害が起きたときには、まず一報が入りますので、それで把握することがほとんどでございますが、それ以外にも、特別加入者であることがほとんどですので、特別加入の労災保険の給付申請、そういった契機を捉えて把握したもの全てを今回、集計したものでございます。
○小島委員 正確にはわからないということですか。
○川越技術審査官 元請だったか、何次下請だったかということも含めて分析しておりまして、今日は訂正部分の資料だけ添付しておりますけれども、前回お示ししておりますので、後ほど送ることもできます。
○小林座長 それ以外、いかがでしょうか。検討会報告書です。特にございませんでしたら、事務局からの連絡に対する回答という形でもって御意見がいただけることと思いますので。
では、報告書の案に関しては、ほぼ御意見をいただいた、御検討いただいたということで御了解いただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 どうもありがとうございます。
先ほど来、御意見いろいろいただいて、うまく合意ができなかった部分がございます。その部分は、多分、両論併記のような形でもって事務局にお願いするということを話しておりましたが、それについて、どうぞ。○野澤建設安全対策室長 今、座長のおっしゃったようなことを先ほども申し上げましたので、その方向でと思っておりますが、まず、事項について確認したいと思うのですが、1(ローマ数字)の1の手すり先行工法についての記述について、小野委員からの、いわゆる墜落防止措置たる手すりを先につけることを明記するとか、そういったことについての別の意見があったということで、これは先ほども申し上げたように、どのような意見があったかということを整理することになろうかと思っております。
それから、2(ローマ数字)の3のマル1については、宗像委員からの意見については、全体として理解できるということでしたが、それの書き方はこちらのほうで工夫をしたいと思います。
それから、2(ローマ数字)の4の幅木につきましては、小野委員から、外側だけではなく両側、あるいは下さんの下に、あるいは足場の幅の扱いについて別の意見があったということ、また、加藤委員からは、幅木だけではなく、もう少し違う対策もと読めるような形でということについて、宗像委員のほうはある種の修文かもしれませんが、小野委員のほうは、そういった意見があったということを記す方向になったかと思っております。
それから、3(ローマ数字)の2につきまして、組立図でございますが、最終的には議論の中身も含めて御理解いただいたのかなと思っておりますが、1点だけ、途中で出た話がございまして、88の対象の拡大のことでございますが、そこについては、この場で結論を明確にしなかったと思うのですが、事務局としては、いきなりそういったことができるような状況ではないということで、この足場の組立図の作成の推進から入っていきたいと考えておりますので、そういった考えであることを説明させていただきます。
それから、4(ローマ数字)につきましては、省内の他部署、あるいは他省庁、具体的には国交省になろうかと思いますが、双方関係するところなので、どこまで書けるかについては、調整の上、また別途案をお示ししたいということになったかと思っております。
それから、5(ローマ数字)につきましても、一部の表現について見直すことになったかと思っております。
その意味で、両論併記部分は1(ローマ数字)の1と2(ローマ数字)の4となろうかと思いますが、正直申し上げますと、検討会の趣旨としては、できるだけそういった形は避けられれば避けたいとは思うので、小野委員のほうから、この中でも特にこれがというものがあれば、それに絞らせてもらえれば、委員会としてはいいなと思っておりますが、そうでなければ、その2点としたいと思いますが、そこのところを座長から確認をお願いします。○小林座長 どうもありがとうございました。
まとめていただきました。小野委員、小野委員だけではないのですけれども、特に小野委員の御意見で、これだけは何とも欠かせない意見であるから、ぜひとも書けというような部分はどの部分ですか。○小野委員 もちろん両方大事なのですけれども、1(ローマ数字)の1は、人命に直結していることなので、人命尊重の立場をとっているよという表現に是非していただかないと、私は引っ込みつきません。いきなり安全帯だということではだめですね。安全帯に全て帰結しているのではだめです。安全帯以前に防止策が、できるものがあれば徹底的にやりなさいよと、その上で安全帯だというならわかります。ビデオ映像でも、皆さん、ごらんになったと思いますので、とにかく安全帯万能とか、神話というのは、本当にそれだけはよしてほしいということですね。
○児玉委員 小野委員が言われたとおりなのだけれども、でないと519条との整合性がなくなるのですね。519条は、正直言って、安全帯などは装着しなくたって足場の上に乗って作業できる。どこか取り外すときだけは安全帯を使いなさい、これはわく組足場でも同じことであって、5メートル以上の枠組みは、安全帯などは装着しないで上っていって墜落するおそれのないものをつくらなければいけない。話題にも出てきましたけれども、躯体側で外さないと仕事ができない。そういうものを一部外したときには安全帯を使いなさい、それが法律の趣旨だと思うのですね。だから、そういう考え方を通さないといけない。今日、いい映像を見せてもらいましたけれども、あんな映像になることのないようなことを作業の方法として考えなければいけない。我々はいつもそうやって説明しているのですけれども、そういう趣旨に沿った形にまとめなければいけないのではないかなと思うのですけれどもね。
○川越技術審査官 1点だけ、法令の考え方を御説明いたします。足場につきましては、でき上がった状態の手すり等の規定については、既に563条で非常に細かく決まっておりまして、当然、手すりが原則でございます。外すときは、その場で安全帯を使用して作業することになっております。519条についても、基本的には、でき上がっている作業床に対して、手すりがなければいけないという通常の状態を想定した条文でございまして、先ほどの検討会の議論の中で、足場の組立時という特殊な状態のときに、条文上、「作業床」という言葉があるので、519条が適用される場合があるということでございます。考えていただくとわかるのですが、大きな台の上に乗ろうとしたときに、誰かが最初に手すりをつけなければいけないわけですけれども、その手すりをつけなければいけないときは、当然、安全帯を使いながら手すりをつけなければ落ちてしまう。そういうことを言っているのが519条の第2項の著しく困難なときということで、足場の組立時の最上層の場合も、そういった状況と同じことを想定して条文は適用されるというお話でございます。もちろん人命尊重ということは我々が一番に考えなくてはいけない部分でございますけれども、その中でどこまでを義務にしていくのかという議論だと思っております。
○小野委員 川越さん、いいでしょうか。5メートル問題が残っているのですね。564条は5メートル以上の適用としている。では、5メートル以下には適用させないという話ですか。それも指摘しているのですけれども、お答えはないのですけれども。
○川越技術審査官 私を名指しだったので、私から説明いたします。今、第5の「まとめ」のところの1(ローマ数字)の1の「足場の組立て、解体又は変更の作業において」というところで、これまで高さの話を一切してこなかったということでございます。当然ながら、足場の組み立て、解体、変更の作業全てについて議論してきたと認識しております。そういった意味で、5メートル以上の構造の足場だけについて、今、議論しているわけではなくて、通常、足場を組み立てる2メートル以上の状態を想定して議論がなされてきたと考えております。そこは、この検討会の皆様の共通認識であれば、事務局としてもそのように理解して、今後の提言を受けとめていきたいと考えております。
○小野委員 結構です。
○小林座長 その他に御意見、御指摘、よろしいでしょうか。
そうしましたら、小野委員から2点ほど強い御意見がありましたけれども、この御意見の部分に関しては、どういう書きぶりになるか、ちょっとわかりませんが、両論を併記させていただくという基本的な方針でよろしいでしょうか。実際の書き方に関しましては、事務局と小野委員で意見の交換をしていただいてまとめていただくのが一番よろしいかと思うのですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)○小林座長 どうぞ。
○野澤建設安全対策室長 これからお話が出ることかとも思いますが、もちろん、最終的に、今、言ったような形で、いろいろなパーツが少しふえますので、それについては各委員にもメール等で御相談しますし、最後は、座長のお言葉から出るかと思いますけれども、座長にも御相談してまとめをさせていただきたいと思っております。
○小林座長 通例のことでありますけれども、皆さんの御意見をいただいた上で、小野委員の御意見を尊重した上でもって最終案をまとめさせていただきます。いつもの言いぶりになるかと思いますけれども、最終的には座長に一任させていただくことになろうかと思います。そういうことで御了解をいただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○小野委員 座長、ちょっと待って。両論併記とか何か、とにかく座長一任という、こんな大事な部分でね、どういう意味ですか。
○小林座長 最終的な取りまとめ。先ほど申し上げたように、事務局と小野委員の間でもって十分な検討をしていただくことを前提にしております。
○小野委員 それで、両論併記なら両論併記ということで、座長もそのとおり言ってもらわないと困るのですけれども。
○小林座長 先ほど申し上げました、両論併記というのは。だけれども、法令にかかわることや何かに関しまして、両論併記といっても、小野委員の今まで言われたことの中にはやはり無理がある部分もあろうかと思いますので、全部について小野委員の言われた全てを書くわけには多分いかないのではないかとは思っております。
○小野委員 意見が合わない部分は最後まで意見が合わないということではっきりしておいていただきたいということです。
○小林座長 どうぞ。
○才賀委員 せっかく何回もこの委員会をやって、最終的に委員長と小野さんと事務局でまとめるというのは、我々は集まることなかったのではないですか。何時間もかけて一生懸命みんなで検討して。みんなの意見を集中して委員長と国でまとめますよというならわかりますけれども、そこに小野さんだけ入れて3人でやりますよというのは、我々はばかみたいなものではないですか。
○小林座長 そういうことではなくて、最終的なまとまりというよりも、小野委員からの強い御意見がありましたので、それをいかにこの中に書き込むかという話。
○才賀委員 それだったら、小野委員の意見だけを聞くようになってしまうのではないですかと聞いているのですよ。
○小林座長 どうぞ。
○野澤建設安全対策室長 両論併記ということですから、先ほど聞いたように、例えば、1(ローマ数字)の1であれば、小野委員以外の委員の先生方は事務局案に賛成であったと。表現はともかくですね。よく言われる言葉としては、少数意見とかいう言葉がありますが、どういう言葉を使うかは、また座長も含めて御相談させていただきますが、こういう意見も別にあったということを検討会報告書に書く話ですので、例えば、1(ローマ数字)の1のことで言えば、小野委員以外が事務局案でいいよと言ってくれたことは当然残ります。ということでよろしいでしょうか。
○才賀委員 そういうことならいいけれども、座長の言うような言い方だと、我々、今までやってきたのは何も用を足さないのではないですかと言っているのです。
○野澤建設安全対策室長 事務局も座長も、今、私が説明したとおりに考えていると思っております。
○小林座長 今、才賀委員からの御意見をいただきましたけれども、全体を通しての御意見もありましたら、いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。
○金森委員 よろしいですか。まず、整備の危険を守るということは、どっちの文章でも正しいことなのですね。ただ、手すりを最優先に持ってくるか、安全帯を最優先に持ってくるかという、ちょっとした食い違いで、思いはどっちも同じなのだね。なぜ言葉の問題だけで妥協できないかなと。事務局で書いた文章を見ても、必ずしも安全帯ありきでもないし、手すりをやった他にということで、足りない部分は安全帯だよという書き方になっているので、私はいいのかなと思って見ていたのですが、小野さんは、そこら辺の考え方というのは、文章を見ていれば、必ずしも安全帯ありきではないのですね、この文章の書き方も。そこら辺、妥協できるかと言えば言葉が悪くなるかもしれないのですが。
○小野委員 金森委員の言うとおりですよ。安全帯ありきではないのだと、まず、できること、手すりをやりなさいよと、それでできなければ安全帯でやりなさいよと、そういう順番で持っていきなさいということなのですよ。
○金森委員 だから、全体的には、その文章だとか、そういうものを見てきても、やはり安全帯ありきではないということが、私は書かれているような気がしているのですがね。
○小野委員 書きっぷりですよ。順番です。
○小林座長 どうもありがとうございました。
その他、御意見ございましたら。
もし全体を通じてありませんでしたら、本日の議事に関しましては、全部終了したということにさせていただきたいと思っております。
これからも課題もあるという話も伺っておりますので、検討会そのものが消えるという話ではなさそうですが、これまでの検討会は、これからつくっていくことになる報告書をもって最終ということでございますので、本検討会をつくっていただいた半田安全衛生部長に御挨拶をお願いしたいと思います。○半田安全衛生部長 昨年の9月から足かけ10カ月ということになりましょうか、先生方には、お忙しい中、本当に長期間にわたりまして、御検討ありがとうございました。
いろいろな御意見があったと思いますけれども、皆さん、墜落していいとか、それでいいと思っている人は一人もおられません。みんな、1人でも建設災害、墜落災害を減らしたいという思いで取り組んでくださったと感じております。この会の始まりにも申し上げたかもしれませんが、私事で恐縮なのですが、私自身が九州の田舎の小さな土建屋のせがれとして生まれ育ちまして、父が社長、母が専務というような小さい会社でございます。そういうところで生まれ育ちまして、私が子供の時分には、職人の親方にもかわいがってもらいました。そういった方の中には、残念ながら墜落事故に遭って、安全ベルトをつけておりましたけれども、脊椎損傷になって残りの人生を車椅子の生活でとなった方もおりました。今、現に、私の身内、娘婿にもそういう職人がおりますので、建設の安全の問題を願うのは人一倍強いものがあると自分では思っております。
そういう中でも、皆様に、締めくくりに当たって、いま一度ぜひ御理解をいただきたいと思っておりますのは、私どもがやっているのはルールをつくっているということなのですね。ルールというのは、完璧なものはございません。多くの方が合意できるようなものがルールとなっていくのだと思っております。また違った言葉で言えば、現状追認型、みんなができるからこれでいいやというのをルール化する、これも間違っておりますが、とてもとても届かないような理想論、正しいことかもしれませんけれども、それだけを振りかざしてもいけない。私が常々、部下、後輩に申し伝えておりますのは、みんなが頑張って6割、7割はできるね、頑張ればできるねというところ、あるいは別の言い方をすれば、背伸びして、もうちょっと頑張れば手が届くかな、そういうあたりにルールを設定して、みんなで努力していこう、それがクリアできたら、また次のルールに高めていこう、それがルールなのだと、私は先輩から教わりましたし、そのように後輩たちにも教えているところでございます。
そういう意味で、いろいろ御意見あったと思いますが、まだまとまっておりませんが、今回おまとめいただきつつある報告というのは、間違いなく一歩前進であると確信してございます。こういうことにおいて、足場からの墜落事故を少しでも減らしたい。そしてそのことが達成されましたら、またさらに次の段階に皆さんとともに進んでいきたいと考えてございます。
さらに申し上げますと、先ほどの第5の議論の中で申し上げましたけれども、建設災害の死亡事故は300人、墜落事故は160人で、足場からは30人、これが多いか少ないかは別として、30人だからいいというつもりはございませんが、残りの130人も決して忘れてはいけません。私どもは、ここにも早く着手をしていきたいと考えてございます。
足場の対策を一歩進めていただきましたので、今度はそれ以外の墜落災害、さらに申し上げますと、建設だと、墜落とか、そういう安全のところに目が行きがちなのですけれども、実は粉じん災害なども結構ございまして、皆さん、余り気がついておられないかもしれませんが、これは大変怖いことなのです。実は、このことに関しましても、労働衛生課というところで粉じん則の見直しをやってございまして、長年言っておりましたコンクリートはつり作業などに関しても規制を加えていくということが、もうじき成就しそうになってございます。
こういったことで、あらゆる方面から建設業の労働災害を少しでも減らしていって、日本の屋台骨を支える建設業が若い人にとっても魅力ある産業となっていって、国が発展していく支えとなるように、そういうふうに進めていきたいと思っておるところでございます。引き続き皆様方の御協力、御鞭撻をお願い申し上げまして、お礼の言葉とさせていただきます。本当にありがとうございました。○小林座長 これで終了でよろしいですね。それでは、これで検討会の終了とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
照会先
労働基準局安全衛生部安全課建設安全対策室
問い合わせ先: | 03(5253)1111(内線5486) |