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2013年4月16日 第20回ILO懇談会議事要旨
大臣官房国際課
○日時
平成25年4月16日(火) 10:00~12:00
○場所
厚生労働省専用第21会議室(17階)
○出席者
(1)労働者側
桜田 高明 (日本労働組合総連合会国際顧問) |
新谷 信幸 (日本労働組合総連合会総合労働局長) |
市川 佳子 (日本労働組合総連合会総合国際局長) |
(2)使用者側
松井 博志 (日本経済団体連合会国際協力本部副本部長) |
(3)政府側
妹尾 吉洋 (厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当)) |
高崎 真一 (厚生労働省大臣官房国際課長) |
堀江 裕 (厚生労働省大臣官房国際課統括調整官) |
○議題
(1)第317回ILO理事会について
(2)未批准条約について
・第158号条約について
・第175号条約について
(3)その他
○議事
(1)議題1:第317回ILO理事会について
妹尾総括審議官からの挨拶、高崎国際課長からの出席者紹介に引き続き、政府側より資料1に基づき第317回ILO理事会の概要説明がなされた。
(労働者側)
1)次期計画予算について
ILO分担金の第2位拠出国としての日本の存在意義は大きく、日本政府に対して、国際貢献をさらに高めていくといった努力が求められている。日本政府は若年雇用対策、ILO国際研修センターへの職員派遣に関する拠出を決定されたと伺っている。資金拠出だけではなく、実際の政策、運営へも関与していくことで、意義のある活動が行われるようにお願いしたい。
2)ILOの基本的原則と権利に関する98年宣言のフォローアップについて
まさにこの懇談会のテーマである未批准条約が課題となっており、理事会の報告書は、ILO第105号、第111号条約について日本が未批准であることに触れていた。今後はこの報告書に日本の国名が書かれないで済むように、政労使で一層努力して批准に向けて取り組むことをお願いしたい。
3)結社の自由委員会について
日本の公務員の労働基本権問題について取り上げており、公務員制度改革関連法案が廃案となった情勢を踏まえ、全ての関係者団体との協議等、日本政府に対し必要な措置をとるよう求める勧告が出されている。今回で通算8回目となる勧告の重みをしっかりと受け止め、この問題に対する取組を進めてほしい。
4)グアテマラのILO第87号条約違反問題について
グアテマラ国内の労働組合活動家に対する殺人、脅迫など、深刻な労働組合権の侵害が続いている。今回の理事会では、審査委員会の設置について第319回理事会(2013年10月)に決定を先延ばし、また第318回理事会(2013年6月)に進捗状況について情報提供を行うという決定がなされたが、政労使がこの深刻な問題についての認識を共有し、今後しかるべき対応をとる必要があると考える。
(使用者側)
1)次期計画予算について
たしかにインフレ調整のゼロ成長予算ということになっているが、もっと削減することができたのではないか。ILO本部の改革との関連で、3人の事務局次長がそれぞれのフィールド(責任範囲)における役割を明確化し、しっかりと運営してほしい。
2)ILOの基本的原則と権利に関する98年宣言のフォローアップについて
そもそも98年宣言は8つの基本条約の批准を推進し、批准できない場合はその考え方を実現するという内容であったと理解しているが、今回の理事会のフォローアップでは、ただ批准すべしとしか述べられておらず、昨年の総会でILOの基本的原則と権利について議論した際の結論が反映されていないのは残念である。
3)ISO(国際標準化機構)における安全衛生マネジメントシステム標準化の動きについて
ISO(国際標準化機構)が安全衛生マネジメントシステムについて標準化する作業に入っていることに強い懸念を持っている。この作業過程に政労使は関与していない中で、とりわけ、中小企業にとっては対応が困難なものをつくることが想定される。ILOはもっと幅広い層に手が届くようなものについて力を割くべきであり、この問題について日本の政労使として一致した考え方での対応をお願いしたい。
(政府側)
若年者雇用問題、ILO国際研修センターへの拠出金については、実施面にも関与するようにしたい。未批准条約、結社の自由委員会に関する指摘についても、それぞれ内容を受け止めながら取り組んでいきたい。
次期計画予算に関して、日本政府は従来通り名目ゼロ成長を要求しており、理事会でも日本政府のスタンスは従来から変わっていないことを申し上げた上で、今回の予算については受け入れるが一層の削減を事務局に求めたいという表明をした。今後も引き続き、今回の予算の適正な執行はもちろんのこと、次の予算についても同じような姿勢で臨んでいきたいと考えている。
(2)議題2:未批准条約について
政府側より、資料2-1及び2-2に基づき、第158号条約及び第175号条約について説明がなされた後、意見交換が行われた。
○第158号条約について
(労働者側)
労働者にとって、解雇は単に経済的損失を与えるだけでなく、労働者の尊厳を奪うものであり、第158号条約は重要な条約だと考えている。一方で、三者構成ではない政府の会議で企業経営者が解雇規制の緩和を主張するなど条約の趣旨に逆行する議論が行われており、三者構成主義の観点からも問題である。労働者を正当な理由のない解雇から保護することの必要性は高まっており、批准して労働者保護の姿勢を示すべき。本条約の批准に向けて、これまでの労働契約法の制定や労働基準法の改正の過程を通じて、批准のための要件を満たしているか、前向きに検討する必要がある。
(使用者側)
本条約に規定される解雇時の挙証責任の転換など日本の法制上、批准に向けては非常に高いハードルがあると認識している。また、ILO条約は、その条約ができた社会的背景がある。その当時の社会的背景と現在の状況に違いを認識することが必要であり、本条約についても、本条約ができた背景を考え、批准を進めるべきかどうかを慎重に判断すべきと考える。
(政府側)
本条約は非常にセンシティブな問題でもあるので、労使それぞれ御意見があると思う。
本条約の批准のための要件が国内法制度上満たされているかについては、引き続き慎重に検討していく必要がある。
○第175号条約について
(労働者側)
現在、日本のパートタイム労働者の7割が女性である点や少子高齢化の中で、女性がきちんとした待遇のもとに社会の中で活躍することが可能となる取組の推進が重要な課題となっている。国内法の整備をはじめ、様々な環境整備を図っていくことと同時に、条約の批准が非常に重要であると考えている。
条約の批准を前向きに検討するため、批准の障害となる点についてすべてを精査し、課題の洗い出しを行うべき。
(使用者側)
本条約については、適用除外の規定なども批准の問題になると思う。
(政府側)
我が国では、企業及び事業場単位で労働条件を決定していくという雇用慣行がある等、本条約と国内法制等の整合性を検討する必要があると考えている。
いただいた御指摘を踏まえ、引き続き批准の障害等について、極力網羅的に洗い出しを行っていきたい。
以上
<照会先>
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国際労働機関第二係: | 03-5253-1111(内線7310) |
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