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2013年2月28日 独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会(第19回)議事録

○日時

平成25年2月28日(木)16:57~18:17


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○出席者

永井部会長、猿田部会長代理、内山委員、祖父江委員、花井委員、三好委員、和田委員

○議事

(以下、議事録)

○永井部会長
 それでは皆さまおそろいですので、ただいまから第19回独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会を始めさせていただきます。委員の皆さま方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。では本日の議事につきまして事務局から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 それでは議事の御説明に入ります前に、昨年9月10日付けで政策評価官及び国立病院課長の異動がありましたので、紹介させていただきます。初めに峯村政策評価官です。

○政策評価官
 峯村です。昨年の9月10日付けで政策評価官を拝命いたしました。前職は医務課長、その前は臓器移植対策室長をしておりました。よろしくお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 続きまして土生国立病院課長です。

○医政局国立病院課長
 同じく9月10日付けで国立病院課長を拝命いたしました土生と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○政策評価官室長補佐
 議事次第につきましては国立高度専門医療研究センターの役員退職手当規程の変更について、総務省政・独委が行った平成23年度の業務実績を踏まえた今後の対応について、国立成育医療研究センターの役員退職に係る業績勘案率の算定について審議を進めていただきたいと思います。また、その他報告事項について事務局及び所管課から報告があります。以上です。

○永井部会長
 では議事に入りますが、その前に各法人の理事長がお見えですので御挨拶を一言お願いいたします。最初に国立がん研究センターからお願いいたします。

○国立がん研究センター理事長
 がん研究センターの堀田でございます。最初に一昨日センターの職員による公的研究費の預けとそれの私的流用があり、懲戒解雇処分を出し、それを公表しました。大変御迷惑をかけて申し訳ありません。これは平成19年から20年にかけてのもので、平成20年7月以降は第三者による検収をやって現物を確認しておりますので、そのような事態はもう起こりえない状況になっていますが、その時期のものとはいえ、情報提供等がありまして、内部調査等を進めて確認ができたところで、このような形にさせていただきました。本当に申し訳ありません。この業績評価につきまして御指摘をいただき、目標自体の設定がどうかということが後で出てきますけれども、独法以降、いろいろな意味で環境が変わりましたので、そういった意味で当初の予測とは違うことが起こっていることは事実ですが、全般としては活性化に向けての実績を積んでいるところだと思っています。どうかよろしくお願いいたします。

○永井部会長
 ありがとうございました。続いて国立循環器病研究センターからお願いいたします。

○国立循環器病研究センター企画戦略局長
 国立循環器病研究センターの企画戦略局長をしております三石と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、所用のため理事長の橋本が参加できませんで誠に申し訳ございません。私ども国立循環器病研究センターとしても目標を設定して取り組ませていただいて、平成23年度の実績につきましては高い評価をいただいたところです。今後につきましても、さらに努力をしてまいりたいと思います。また私どもも、実際にセンターができてから35年経って、かなり老朽化が進んでいるということで、建替整備などの課題にも併せて取り組んでいるところです。今後とも目標の実現に向けて邁進したいと考えておりますので、よろしく御指導いただければと思います。

○永井部会長
 ありがとうございます。続いて国立精神・神経医療研究センターからお願いいたします。

○国立精神・神経医療研究センター理事長
 国立精神・神経医療研究センターの樋口です。よろしくお願いいたします。私どもは昨年、平成23年度の評価の中で幾つか御指摘をいただき、御指導をいただいた点につきまして、この1年弱ですが鋭意努力をしてきたところです。十分な結果が出ているかどうかはまた8月に評価いただくわけですが、職員が結束してかなり努力をしたところです。よろしくお願いいたします。

○永井部会長
 ありがとうございます。次に国立国際医療研究センターからお願いいたします。

○国立国際医療研究センター財務経理部長
 国際医療研究センターの財務経理部長の長谷川です。今日は所用につきまして理事長、春日が欠席です。よろしくお願いしたいと思います。国際医療研究センターにおきましても、中期計画期間中の年度計画を着実に実施するということで、委員各位の御指導等を仰ぎながら進めてまいりたいと思っております。よろしくお願いします。

○永井部会長
 ありがとうございます。次に国立成育医療研究センターからお願いいたします

○国立成育医療研究センター理事長
 成育医療研究センターの五十嵐です。どうぞよろしくお願いいたします。私どもも昨年、先ほどがん研究センターの総長がお話になりましたような似たような問題があり、お騒がせしましたけれども、平成24年度からはしっかりとした会計システムにしておりますので、そのようなことがないという状況になっておりますが、引き続き御指導いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○永井部会長
 ありがとうございます。最後に国立長寿医療研究センターからお願いいたします。

○国立長寿医療研究センター理事長
 長寿医療研究センターの大島です。評価委員の先生方におかれましては、いつも本当に厳しく評価をしていただきまして心から感謝申し上げたいと思います。独法化後ほぼ3年経ちまして、考えてみると評価・評価の連続ではなかったかというような感じがいたします。そのこと自体、センターがどう向かっていくかを考えると、制度の在り方としては極めていい在り方であろうと私も思っております。
 評価委員の先生方の前でこんなことを言っていいのかどうか迷いながら言ってしまうのですが、国がナショナルセンターに求めることと、そしてナショナルセンターがそれにどう答えていくかということで、目標を立ててそれを評価していただくということについては、これは極めていいのですが、ときに国が何を求めているのかよく分からなくなるような感じに、これはこちらが勝手に思っているだけかも分かりませんけれども、そんな感じになってみたり、あるいは、きちんとした評価を受けているにも関わらず、まるでやる気をそぐようなやり方ではないかと言いたくなるようなことが起こってみたりします。これも全体として考えればいろいろな状況があるので分からないわけではありませんけれども、職員全体にいかにやる気を出してもらって目標を達成する方向にもっていくかと、常に考えている立場からしますと、時々本当に布団でもかぶってふて寝でもしたくなるような気持ちになることがあるということを、半分愚痴のような話ですけれども、ほかに言う場がありませんので、この場で言わせていただきまして、今後ともよろしくお願い申し上げます。

○永井部会長
 ありがとうございました。よく先生方の御意見をくみ取って評価を進めたいと思います。
 では議事に入りますが、最初に国立高度専門医療研究センターの役員退職手当規程の変更について、事務局より説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 独立行政法人の役員退職手当規定について説明します。委員の皆さま方、お手元にあります関係資料集の32ページを開いてください。役員退職手当規程は独立行政法人通則法第52条第2項の規定に基づき、法人が退職手当の支給基準を定め、厚生労働大臣へ届け出るとともに公表することとなっております。独立行政法人通則法第53条第1項及び第2項の規定に基づき、評価委員会へ通知し、評価委員会はその通知に係る退職手当の支給基準が社会一般の情勢に適しているかどうかを厚生労働大臣に対し、意見を申し出ることができることになっておりますため、今回お諮りすることとしているところです。なお国立高度専門医療研究センターは、非特定独立行政法人でありますので、ただいま申し上げました規定につきましては独立行政法人通則法第62条の規定により準用しておりますことを申し添えます。
 また、今回の国立高度専門医療研究センターの役員退職手当規程の変更についてですが、昨年国会で成立した「国家公務員の退職給付の給付水準の見直し等のための国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律」に関連する「国家公務員の退職手当の支給基準引き下げ等について」において、特定独立行政法人の職員を除く独立行政法人の役職員の退職手当について、「国家公務員の退職手当の見直しの動向に応じて独法の通則法等の趣旨を踏まえつつ、必要な措置を講ずるよう要請を行う」とされており、これを受けて医政局長から各法人理事長に対して要請を行っているところです。以上です。

○永井部会長
 ただいまの件につきまして質問、意見等ある方は発言をお願いいたします。

○医政局国立病院課長
 座長、すみません。その前に資料1-1の説明をさせていただきます。ただいま評価官室長補佐から説明がありましたような仕組み、経緯があるわけで、それに基づいて各ナショナルセンターで講じました措置について、便宜上私から一括して説明します。資料1-1です。先ほど説明にありましたような閣議決定に基づき、国の退職手当支給水準に準ずるといった形で平成25年1月1日より約13.65%ですが、段階的に引き下げを実施するということになりました。各センターとも、それぞれの退職手当規程を踏まえて改正したということで、資料1-1、2ページ以降に論点として6センターの分を付けております。そうした形で、先ほどの要請を踏まえて規程を改正されたということが、各センターから大臣あてに届け出られたということです。以上報告させていただきました。

○永井部会長
 ただいまの件につきまして御質問、御意見等ありましたら発言をお願いいたします。いかがでしょうか。先ほどの大島先生の発言を反映するような状況がありますけれど、どうしたらよろしいのでしょうか。

○花井委員
 正にいま永井座長から話があったとおりですけども、ここでこれを出されて私たちも当惑しています。なぜなら政府としては結局民間と国家公務員を勘案して、あと独法なのだから公務員と一緒ではないという実情があるからそれに即して決めてくださいとなっていて、それを基に各独法は、ではこうしますといったのをこちらが一応見ているという制度設計になっているわけですよね。まあ、それとは別の実態がたぶんあるのかなと思うのですけど、各独法からこういうことでやりますということであれば、それはここで否定する理由はなかなか難しいと思うのです。したがって、ここで本当にこれでいいのですかと聞くのも制度上変な話になる。だから、このことだけではないと思うのですけども、やはり私どもが心配するのは、独立行政法人という形にしたことが、いわゆる国家公務員よりもかなり柔軟に人の配置やお金を決められる。かつ政府としては非常にイノベーション、医療については非常にイノベーションというのをやっていこうと旗を振っているわけだから、その政府の方針を実現するために、ナショナルセンターが最大のパフォーマンスを発揮することを皆さん考えておられて、それに足かせになるような形にならなければよいと考えます。それしか言いようがないですね。

○祖父江委員
 私も同じような印象を持ちました。おそらく各法人から自発的に言われたものとは考えにくいと思いますね。独立行政法人の在り方を検討する委員会でもしばしば議論になる点だと思いますが、余剰金をどうするか、それから総定員法の定員を毎年下げていきますね。あれが本来的な行政機関であればそれはいいのでしょうけども、研究をプロモートしていく機関にふさわしい法律体系になっているかどうかということが、いつも議論になるところで、それと同じことがいまの給与の問題についてあるのではないかという気がします。これを、いまどう変えろということはなかなか難しいのだと思いますが、非常に根幹に関わるところの一つの出店的な要素が出ているのではないかなという気はします。

○永井部会長
 ほかに御意見いかがでしょうか。やはり、これを補うような、やる気の出る方策をお願いするしかないですね。これはこれとしてもう少し何かコンペンセートとするような励ましを与えていただくことをお願いして、これはこれとして受け止めるということしかできないような感じですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、この部会としてこの件につきましては異存なしということで厚生労働大臣にお伝えすることにしますが、是非国としても現場のやる気が出るような方策を引き続きお願いするということを申し添えたいと思います。それでは今後の手続の過程で、ただいまの役員退職手当規程の内容に修正があった場合の取扱いにつきましては、私と事務局のほうで調整させていただきますので御一任いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○永井部会長
 ありがとうございます。続きまして政・独委から届きました二次評価の内容について事務局から報告をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 各省庁が行いました実績の評価について、政・独委から1月21日付けで、当省評価委員会あてに意見が出されました。資料2-1を御覧ください。構成は、内部統制など全独立行政法人に共通する意見と、それ以外の個別法人ごとの意見となっております。共通事項についてです。内部統制に関する法人の長の取組については、今後の評価に当たり監事との連携に留意し、監事から直接意見聴取等を行い評価をすることが望ましいとされております。また、保有資産の見直しについては、政府方針に基づき削減等が求められていますが、会計検査院から指摘を受けるなど、必要性が疑われる事例があり、一層厳格な評価を行うことが求められております。
 また、評価指標の妥当性については、中期目標及び中期計画の内容が年度計画の個々の指標に反映されていない等の事例があり、今後の評価に当たっては中期目標及び中期計画の内容などが反映されているかをチェックした上で、一層厳格な評価を行うことが求められております。これらの共通事項については、総務省や他省庁の対応について情報収集をしながら、対応を検討していきたいと考えております。
 続いて、個別法人ごとの指摘です。厚生労働省所管の法人については、12法人に対する指摘がありました。資料2-2を御覧ください。こちらは、本部会に所属しております法人についての意見です。これらの対応についての事務局(案)をまとめたものです。「臨床を志向した研究・開発の推進」及び「担当領域の特性を踏まえた戦略的かつ重点的な研究・開発の推進」に関する評価項目においては、独立行政法人移行前の実績を勘案して数値目標が設定されているが、当該数値目標を大幅に上回る実績を上げている状況がみられ、現時点では必ずしも妥当な水準ではなくなっているため、今後の評価に当たっては数値目標が法人の業績を測る上で妥当な水準となっているかどうかについて評価することが求められております。
 これへの対応案としては、政・独委から中期計画の数値目標を大幅に上回った場合は、次年度以降年度計画策定時に、適切な数値目標を設定する。また、設定困難な場合には、その旨を説明するように法人に要請するということで、対応を考えております。事務局からは、以上です。

○永井部会長
 いかがでしょうか。?の循環器疾患の解明と医療推進に関する論文について、インパクトファクターが4.5以上の学術雑誌に年5件以上掲載されることを数値目標と。これは、何か間違いではないかと思いますが、実際それが目標になっていたのでしょうか。

○国立循環器病研究センター企画戦略局長
 これ自身が目標ではなくて、あくまでも毎年毎年こちらの委員会に提出しております評価シートの評価の指標ということで、このような記載をしているところです。そういう意味では、年度計画の目標ではないのですが、評価の1つの指標となっておりますので、6月の評価シートを作る際には引き上げる方向で考えたいと思います。

○永井部会長
 いや、その定義ですね。循環器疾患の解明と医療推進に関する論文というのは、具体的にどのような論文を考えていたのでしょうか。つまり、例えば動物実験のいろいろな論文を含めれば、循環器病研究センターが年5本ということはあり得ないと思います。何か、行き違いがあったということはないのですか。例えば、医療推進や医療システムに関する論文だったとか。何か腑に落ちないところがあるのですが。

○国立循環器病研究センター企画戦略局長
 評価シートで設定した際には、いわゆる『サーキュレーション』や『ストローク』といった学術雑誌を想定しました。そもそも、そういった指標が果して適切かどうかもありますので、今回の御指摘も踏まえて、次回は見直しをする方向で考えたいと思っております。

○永井部会長
 もともと循環器病センターは、年間100本以上の論文を出されているわけですから、論文数に関しては折れ線グラフがありますね。むしろ、これを御覧いただきたいと思います。これは、試行的な評価ですので、これでどうということはありませんが、今情報化が進んできて、それぞれの論文が世界中で何件引用されているかが分かるようになりました。法人化が始まったときに、ウエブ オブ サイエンスでそれを調べていただくと。論文数だけではなくて、各センターがどのぐらい引用されているかを、1つの評価指標の研究として続けさせていただいています。棒グラフと折れ線グラフが書いてあるカラーのページを御覧ください。大事なのは、波線でつながっている線が少しでも右斜めに上がるような成果を上げていただきたいということです。棒グラフは、論文数、折れ線グラフが引用回数です。赤い折れ線グラフがコントロールというか、スタート地点で法人化前の成果です。ですから、法人化後少しでも右斜めに、1年目は1年目、2年目なり3年目なりでこの引用回数が上がっていくことが、私は非常に大事ではないかと思います。そういう意味で、まだ体制が変わったばかりでいろいろな負荷が増えた状態ですので、現時点では何とも申し上げられませんが、是非これが右上に上がるように御努力いただければと思います。
 今の点を含めて、御質問、御意見等はいかがでしょうか。

○猿田部会長代理
 これからの評価ということで大島先生に伺いたいのですが、個別評価の最後の所で63.1%増加と書かれ方をされていますが、どう思われますか。

○国立長寿医療研究センター理事長
 職員には、頑張れば頑張っただけきちんと報われるのだと。その代わりいい加減なことをやっていれば、厳しくやらせていただきますということを基本に据えて言っています。したがって、数値に表れるところで、特に思っていたのは、現業部門である病院の具体的な経営の指標などです。それが、明らかに改善してきているときに、当然のことながらそれに報われるということは、少なくとも一生懸命頑張って収益を上げてそれで給料が下がるなどということは、あり得ないことです。いろいろな事情があるから、今までどおりで我慢してくれと。これなら、まだ国中がそうなっているからしょうがないでしょうということで説明がつきますが、下げるということになるととてもではないですが、納得してもらうのは厳しい話になります。そのような類のことが現実には、私の感覚からいけば非常に無神経な形で押し付けられてくるようなことがあります。当然ながら、職員にどうやって説明したらいいのかと悩まざるを得ないのです。少し生々しい話になってしまいましたが、せめて国中が本当に悩んでいて苦しんでいるのだという姿をいろいろな形で見せていただけるとかしていただければまだしも、紙1枚でやれと言われると、本当に辛いです。

○猿田部会長代理
 なぜ伺ったかといいますと、私どもは評価をすることにおいて、どのように考えて先生方から出されたのかをよく見て評価をしてきました。それで、意見がポーンと来て、かなり強いことを言われますと、私どもも評価をどのようにするかを考えさせられるものですから、伺いました。

○永井部会長
 ほかにいかがでしょうか。

○三好委員
 資料2-2の考え方なのですが、一般論としてお聞きします。目標が高過ぎるというのは、これは誰が誰に対して出されているものなのかが1点です。普通、目標を決めるときは、される側とする側がやり取りをして最終的に握るというプロセスがあります。例えば、次の年度にはそのようなプロセスは入っているのでしょうか、入っていないのでしょうか。それを疑問に思いました。

○政策評価官室長補佐
 政・独委からの二次意見は、政・独委から当該評価委員会あてに送られてきている意見です。それで、この数値目標については、基本的に各中期期間中の目標を評価委員会でも議論をしていただいて、中期目標や中期計画を作っています。その中期計画があり、更にその下にそれぞれの年度ごとの年度計画を作る際には、基本的には評価委員会には諮ってはいないです。その中期の期間の範囲内で、それぞれ法人が目標設定をしております。
 ただ、そうはいいましても、今回政・独委から中期目標自体を余りにも大幅に、既に1年目、2年目で超えているのはどうなのかという話がきた際に、ただそれだけを受けてさすがに中期目標自体を変更するのは、余りにも強引ではないかというような話もありました。それならば、各法人で設定できる各年度の目標を検討した上で、見直しができるのであれば見直しをしていただこうというような形で、政・独委とも話をした上で、こういった意見が出てきています。

○三好委員
 評価する側からいきますと、設定の段階でそこに関与する、しないは別にして、その妥当性などはいろいろあります。数字を出されたら、それに対して達成しているかしていないかを評価せざるを得ない状況です。中期が生きていて、なおかつ前年度の実績を踏まえて次につくる評価がそれを勘案してつくってくださいねというぐらいの紙に見えますが、そのような理解でよろしいですか。少し片手落ちかなという気もしなくもないです。

○政策評価官室長補佐
 今回、NCが今まで国だったのが独立行政法人になり、やはりこれまでの実績よりも頑張っているわけで、非常に実績が高くなっていることもあります。その辺りは、もし第2期の中期計画等を策定する場合には、今の実績等を反映した形で、次期中期計画はまたレベルアップしたものになっていくのではないかと考えております。

○永井部会長
 ほかに御意見はありますか。

○花井委員
 評価する側からしますと、中期目標があり、中期計画があり、それを踏まえた年度計画があり、それである程度目標などを見ざるを得ないわけですよね。実態の成行きを知っていますから、余り形式的なことを言ってはいけないのかもしれませんが、そもそも大臣が目標を決めたところで、その目標を達成できるように、各独法が計画を立てておられて、それに基づいて年度をこうやろうと決めているにもかかわらず、結構それが実態に合わないからというのは、とても変な話だと思います。それから、目標を定めて多くクリアしたから、例えば財政面でほかの独法でもあるのですが、これは難しいかなと思ったら結構稼げると。だったら、このお金は持っていくよというような話をされる可能性が、事実そういう所があるわけです。そうなると、どうもそこにポリティックスが発生してしまうというか、独法側も真面目に正直にやったら損をするのではないかというような話になると、政府との信頼関係自体がおかしなことになるのではないかという気がして、それを心配するわけです。
 今回、このような事務局案は結構なのですが、本来は中期目標を大臣が、このような実情で政府もこうなったから、各独法にはこういう目標でやってほしいとお願いし直すのが筋なのです。それをいじらずに、しかも中期計画も触らずにとなると、やはり中期計画との関係ですね。今、どのように評価が変わっているかや、中期計画との関係がなければ、中期計画から離れて数値目標だけが変わっていくことになると、何か相当おかしなことになりますし、評価する側もそれでいいのかなということになります。どうやったらいいかという具体的なことは、全体を変えるのは難しいということであれば、中期計画との関係を、ここは中期計画でこういうことであったと。今回は、こういう実情の変化もあり、またこういうことが変わったから、今年度はこうするというようなものがあったほうが、こちらとしてはそこも勘案して中期目標、中期計画との関係や達成を比較して評価できると思うのですよ。それがないと、単純に単年度でこう言われたから、政・独委が言ったからそれだけで、次は話し合って評価しやすい数値目標にしましょうねという話は、極めて形式的かつ言い方は悪いですが、御都合主義的に感じるわけです。ですから、そこは事務局でもう少し中期目標、中期計画との関係で、では今年はこういうことというように十分調整されて、各独法の本音の意見を聞いた上で、本当に次の1年間を一同頑張れるような、そしてそれが頑張ることに価値があると思えるような形の設定をしていただきたいと思います。

○和田委員
 資料2-2を拝見しまして、これは本当に中期目標で掲げた数値と、実績で上げた数値とは、同じつかまえ方をしているのだろうかとすら思うぐらいです。ですから、政・独委がおかしいというのは、何か分かるような気もします。この辺りのことを、もう一度中期目標の数値を、評価のためにはどうしても数値目標を上げてくださいと。そのほうが評価がしやすいと、客観的な評価ができるということで、数値目標をいろいろな所に入れるようにしています。その数値目標の計算の仕方と、実際の実績の計算の仕方とが、果たして合っているのかどうか、ちょっとこの数値を見ますともう一度検討しなければいけないのではないかというのが1点です。
 それから、もう1つは今御意見がありましたように、この目標を達成した。だから、この次はもっと高くして、この数値目標はおかしいから直したほうがいいということを安易にしますと、独法はやればやるほど苦しくなってしまうと。その目標を達成しなければ、達成できなかったから評価は低いというようになってしまうので、最初の頃の別の省庁の独法の例なのですが、これは駄目だと。前年よりも下回ると、次の年度で厳しい評価になってしまうから、余り今年度は頑張るなというような、もちろん半分冗談なのですが、そのような御意見が出たぐらいでした。評価そのものが、実質的に独法の財政面などについても、ある程度影響するものですから、その辺りは十分注意されて、今回の場合は少し考え直さなければいけないことがあると思うのですが、上回った場合には、次年度以降簡単に変えましょうというのは、必ずしもいい方法ではないのではないかという感じもします。

○祖父江委員
 私も皆さんがおっしゃっているのと同じ意見なのですが、国立大学法人も第1期が終わって今第2期目に入っています。今おっしゃったことと同じことが第1期に起こりました。目標を低く設定しており、無理な議論になっています。そうなってしまうということで、自己矛盾といいますか、本当はここまで行きたいのだが、むしろ低く設定してクリアしていい点を稼ごうという論理の矛盾が、至る所で出たのですよ。ですから、この評価のシステム自体が非常に限界なのかなとは思っているのですが、途中で設定を変えることになると、これは在り方検討会でも今議論されていますが、ナショナルセンターの本来のミッションというか、本当はどういうことをやるのがナショナルセンターかというところの根幹の議論が、まだ少し煮詰まっていないようなところがあります。総務省の先生方も確固たるものは持っておられるかとは思うのですが、先ほど大島先生もおっしゃったのですが、国自体もナショナルセンターをどういう位置づけにして、5年後10年後どうやっていくのだということがふらふらしている中で、数値目標という非常に細かい目標に行ったか行かないかというような評価の仕方が、果たして長い目で見たときにできるのかどうか、そういうところが見えてしまうなと。特に、この資料2-2を見ますと、そういう感じが強くあります。それは、感想です。

○永井部会長
 センターからは、いかがでしょうか。

○国立がん研究センター理事長
 私どもは、[1]と[2]で、基礎研究と臨床研究の年間の共同研究が6倍になりました。実は、独法前は研究所と病院との研究上の交流が少なかった時期がありました。そこから、大きく舵を切り替えたことにより、非常に小さい数字が6倍になったと認識しています。では、今後これが右肩上がりにどんどん増えていくかというとそうではなくて、ある程度のところでプラトーが来るだろうと思っています。したがって、5年経たないと、この数字が6倍だから、さらに、2年後に6倍になるとは思えないわけですね。これは、ちょうど2番目の臨床研究や治験も同様で、最近治験の環境が整いました。早期探索臨床試験拠点として整備が進んだことにより、治験を受ける受け皿が非常に効率がよくなりました。それによって、治験や臨床研究が進んでいますが、これも右肩上がりでどんどんいくわけではありません。全体のパイが増えない限りは増えないという制限があります。そういった意味では、これは現時点だけの数値とお考えいただきたいと思います。

○永井部会長
 それだけ揺れも大きいから、いつも単調に増加するわけではないのではないかということだと思うのですね。最後の10%と言っているのが60%増えたというのも、例えば50%が55%になるところが80%までいったら、10%が60%ということになるわけですね。これは、年によって随分変わるでしょうし、10%が60%という表現に比べて、何かもう少し実態は別のような気がするのですが。いずれにしても、目標をもう一度見直していただいて、第三者が納得できるような表現にしておくことは大事だと思いますので、よろしくお願いします。
 そうしますと、この部会としては、二次意見の対応として、資料2-2の事務局案のとおり法人にお願いしたいということでよろしいでしょうか。では、続いてその他の報告事項について、事務局からお願いします。

○政策評価官室長補佐
 資料3-1を御覧ください。この夏に各部会で評価いただきました平成23年度の業務実績評価を、各法人がどのように業務等に反映したかを各委員にお示しするとともに、公表を行うことを目的として作成しています。各法人の反映状況については、恐れ入りますが各自で後ほど御覧いただければと思います。
 続いて、資料3-2については、所管課より説明をお願いします。

○医政局国立病院課長
 続いて、資料3-2です。国立高度専門医療研究センターの在り方に関する検討会の経緯及び現状について、報告いたします。先程来、今後のNCの在り方といったような御意見も出ていますが、医政局としては当検討会でそういったことも含めて御議論いただくということで、開催させていただいています。具体的に申し上げますと、1.検討会の目的です。もともと、独法化した際の附則において検討することになっていたこと。それから昨年の1月20日に独法制度全体の見直しの基本方針が出されました。こうしたことも踏まえて、センターの役割、使命、今後の在り方等について御議論をいただいているところです。一番裏に、検討会の委員名簿を付けておりますが、座長は猿田先生にお願いしています。祖父江先生、永井先生、花井先生にも御参画いただいているところです。
 表に戻ります。これまで論点の整理等を行ってきたところですが、1枚目の裏の一番下です。昨年末に政権が交代をしまして、1月に予算編成の基本方針が閣議決定されたわけです。先ほど申し上げました昨年1月の閣議決定については、それ以前より決定していた事項を除いて当面凍結し、今年度、来年度の予算については、現行制度、組織等を前提に編成をすると。併せて、特別会計及び独立行性法人の見直しについては、引き続き検討し、改革に取り組むとされたところです。
 その後政府全体としては、既に行政改革推進本部が立ち上がっていまして、関係の有識者会議等も順次開催されている状況です。こうした状況を踏まえまして、この検討会については座長とも相談をしながら、少し開催を見送らせていただいていますが、今後の政府の動きを踏まえて、検討会の再開も含めて対応していきたいと考えております。そうした中で、今後将来も含めて、NCの在り方、役割等についても整理をしていき、独立行政法人改革に反映してまいりたいと考えているところです。当課からの報告は、以上です。

○永井部会長
 ただいまの報告に、御質問はありますか。

○猿田部会長代理
 皆さんに大分苦労して検討していただいていますので、引き続き再開できますことをお願いしたいと思います。

○永井部会長 よろしいでしょうか。それでは、ナショナルセンター全法人の議事は以上です。次は、国立成育医療研究センターの議題となりますので、成育医療研究センター以外の法人の皆様には、ここで御退席をいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
(5法人退席)

○永井部会長
 続きまして、国立成育医療研究センターの役員の退職に係る業績勘案率についての審議です。事務局から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 資料4-1を御覧ください。独立行政法人国立成育医療研究センターを平成24年3月末で退職した前理事長の退職金に係る業績勘案率につきましては、昨年8月22日の第17回独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会で、業績勘案率(案)を1.0として、総務省の政・独委委員長あて通知しております。本案件につきまして、今年の1月21日付けで政・独委委員長より、平成23年11月に研究用物品の架空発注等により、取引業者に公的研究費をプールする、いわゆる「預け金」の疑いがあるとの報道に関連しまして、会計検査院の検査結果によれば、少なくとも平成22年6月期及び平成23年6月期の取引業者の会計帳簿に、センターの仮受金が計上されている。また、公的研究費の経営事務に係る内部規程違反や、内部監査が不十分だったと指摘されていることから、事実関係如何によっては減算要因になり得るものと考えられる。これらの事案について、考慮されずに業績勘案率(案)の決定に至っているので、事実関係を確認した上で改めて審議するよう通知されました。このため今回、業績勘案率の再算定の御審議をいただくものです。この件につきまして、法人から御説明をお願いいたします。

○国立成育医療研究センター企画戦略室長
 お手元の資料4-1の3枚目を御覧ください。「メド城取事件に係る対応について」とあります。先ほど事務局から少し説明がありましたが、11月13日の新聞等の報道により、先ほど申しました株式会社メド城取、医療機器・研究機器等の販売会社が、民事再生法の手続を開始いたしました。その手続申立の書類の中に、当センターが債権者として挙がっていたということで、報道がなされたものでありまして、それがいわゆる研究費の「預け金」に当たるのではないかという疑いがあると報道されたものです。会計検査院の検査結果の報告におきましても、先ほどありましたように、22年の6月期及び23年の6月期の会計帳簿、実際には決算報告書の仮受金の内訳書に、当センターの名前が載っていたということで、詳しい情報等については、我々のもとに提示が今もなされていません。後で御説明しますが、センターで内部調査等を行った限りでは、預け金の存在も含め確認はできておりません。それから、関係書類につきましては、これも報道がなされましたが、京都大学元教授の贈収賄事件の捜査の関係で、東京地検特捜部の下に現在あるため、詳細な情報が引き続き得られない状況でございます。今後この関係書類が返却されたあかつきには、我々にも詳しい情報提供がなされるのではないかと期待いたしておりますが、その時期については、現在明らかになっておりません。
 当センターが行った内部調査は(1)に記載していますが、合計133名、[1]から[4]までの方々について、聴き取りまたは書面の調査を行いましたが、預け金に関与しているといった回答は得られておりません。それから、18年度から23年度までメド城取に関する取引書類を全部確認いたしましたが、預け金の存在につながるようなものは確認できておりません。同じく購入した高額医療機器についても、現物の実査を行い、全て現物が存在しているということを確認をいたしております。また、メド城取以外の主要取引先30社を対象に、債権または債務残高の確認状を送付いたしましたが、当センターに対する債務、つまり預け金の疑いは確認はされておりません。会計監査人による特別調査ということで、平成22年度のものに限りますが、メド城取との全取引きについて調査をいただいておりまして、調査対象範囲におきましては預け金は存在しないと考える旨、報告があったところでございます。
 以上のことから、仮受金について記載がございましたけれども、我々はその存在も含め、またどのような計上のされ方をしているのかも明らかでないところでありまして、前理事長の在任期間中の案件であるかということも含めまして、明らかになっていないところでございます。
会計検査院の指摘事項に対する対応についてということで、その次から表になっておりますが、物品の発注、予定価格調書の作成、契約方式、検収、内部監査につきまして、指摘を受けているところでございますが、ここに記載させていただいているとおり、物品の発注、予定価格調書の作成、契約方式、検収につきましては、平成23年度から、つまり前理事長の時代に指示をいただき、それに基づきまして、平成24年度に全て改善を図ったところでございます。公的研究費の内部監査につきまして、これも23年度から準備を進め、24年度中には内部監査の改善を図っておりますし、現に24年度、公的研究費の経理を重点事項として、内部監査計画の中で取り組んでおります。ですから、指摘された事項につきましては、前理事長の時代から準備を進め、現在改善を図ったものでございます。簡単ですが以上です。

○政策評価官室長補佐
 ただ今、法人から説明がございましたが、御審議していただく際の参考としまして、事務局としましては、過去の業績勘案率1.0を下回った事例がいくつかあるのですが、その中で会計検査院からの指摘につきましては、基本的に法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項、いわゆる不当事項であったケースがほとんどでありました。今回の法人への指摘は、不適切、不合理な事態について意見を表示し、または処置を要求した事項ということでございまして、これまでの事例を見ると、減算要因とまではいかないのではないかと考えております。また、預け金の事案につきましては、法人からも詳細に説明がありましたが、未だ調査中でございまして、結論がいつ出るかはっきりしていない状況ですので、現時点までの法人サイドからの調査等をもって、まずは業績勘案率(案)を再決定させていただきまして、今後明確な結果等が出ましたら、その内容を部会長に御報告するとともに、改めて審議が必要かどうかということも御相談させていただきたいと考えております。以上でございます。

○永井部会長
 それでは、御質問をお願いいたします。いかがでしょうか。

○花井委員
 まだよく分からないので、ここでの話ではないのかもしれませんが、結局これ、債権金額は分かっているのですか。どこかに書いてあるのですか。私が見落としているのか。

○国立成育医療研究センター企画戦略室長
 すみません。報道されている、また我々が知り得ている数字とすると、約3.8億円、3億8,000万円余りという数字でございます。

○花井委員
 そうですか。そうすると、領収書が揃っていて、その物があれば全くそれは問題ないと思うのですが、113品目と書いてあるのですが、それ以外、細々というのもある可能性はあるということなのですかね。もしそうでなければ、これによって完全に潔白だということになると思いますが。購入した高額研究機器等、113品目に関しては、完全に物が実在しているのだから、全く問題ない取引きだし、それ以外にもあるかどうかということについては、可能性としては、現実的にあるのですか。それともこれで全てだということは、こちらで確認できるのですか。

○国立成育医療研究センター企画戦略室長
 高額な機器ではない消耗品類も、この業者からは購入していますので、それはもう既に使われているという前提であれば、それは調査するという対象にならないわけなので、そこは高額なもの、つまり現物が確認できるものというのは調査をしたということでございます。

○花井委員
 分かりました。ということであれば、資料がまだ手元にないということですし、現実にどうだったかというのは、この時点では分からないわけなので、それを前提としてここで特に見直す必要はないという結果になるのではないでしょうか。

○永井部会長
 その3億8,000万円の債権というのは、1研究者が預け金で作れる額なのですか。それは不自然ではないのですか。

○成育医療研究センター企画戦略室長
 先ほど言いましたように、3億8,000万円という非常に巨額な数字でしたので、我々も最初は信じられないところがあると思いましたけれども、今、永井先生がおっしゃられたように、1人ということでなければ、複数ということなのかも分かりません。その可能性は否定はしませんが、まず先ほども申しあげたとおり、決算報告書のところに数字として挙がっていて、内訳は全く示されておりませんので、我々はそれ以上の調査のしようがなかったというのが実態でございます。

○永井部会長
 いかがでしょうか。

○花井委員
 この件は調べる場ではないので、やむを得ないのですが、これは国も協力するとしたら、例えばこういうときに問題になるのは、いわゆる税金が使われている研究費だと思うのですが、厚生科学研究費等々でも、領収書が全部国に提出されるわけですよね。そちらの領収書は国としてはさらっているのですか。その機関にいた研究者が競争的資金をもらって、その研究報告を1年単位でやって、3年契約とか研究があって、多分、毎年その結果を会計報告をする形になっていると思うのです。そうすると、いわゆる領収書類は、全部国に提出済みだから、その期間に行われた研究費の交付のものを全部さらえば、その領収書が全部あるかどうか国のほうで分かりますよね。そういうことは可能なのですか。可能というかやったのですか。

○国立成育医療研究センター企画戦略室長
 研究費につきましては、証拠書類等は、基本的には研究機関に保管をされているということになります。その件についてはこちらで確認をしているということです。

○花井委員
 領収書は提出していないものでしたっけ。ちょっと勘違いしたかもしれません。なら、物は研究機関に残っているということですね。分かりました。すみません。ちょっと勘違いしていました。

○和田委員
 この公的資金の不正の問題は、いろいろな法人でいまだにこうして出てくる大変困った問題で、たしか平成19年の2月に、文部科学省や厚労省などがガイドラインを出して、公的資金については、内部統制をきちんとしなさいと。こういうことでやられて、私も別件で私的に調査などをした限りにおいては、平成19年度以降は、そういうことがなくなったのですけれども、それ以前のものが、どうも業者のほうの帳面をそのまま信じていいのかどうか分かりませんが、残高として残ってしまったというような問題がある。私もこの報告を拝見して、最終的にはこの期間内に不正があったのかどうか。それから、残高がどの程度業者の仮受金として実在しているのか、これは将来帳簿を返してもらったりして、もっと調査が明らかになってから出てくるのかもしれません。
 ただここで私はこの報告で少し気になるのは、会計検査院の指摘事項に対する対応について、平成24年度から内部統制、一口で言えば自治統制の問題です、アもイもウもエも。こういったようなことがきちんと、平成19年11月以降、基準ができているのに、それをやってなかったじゃないかというような指摘が付いてしまっている。それが公表されていますね、検査院のほうから。それを平成24年度以降は直しましたというようなことを書かれているのですが、平成23年度までに相当なところは、もう少し内部統制をしっかりしていたのだという御主張があるのでしょうか。それとも、ここに書かれたとおり、内部統制は会計検査院が言うように、ずるずるだったのだというように考えるべきなのか。
 もう1つ、調査を始めると同時に、普通は調査結果が出てからが多いのですが、調査を始めると同時に、すぐに直すべきところ、正すべきところは正さなくてはいけなかった。それを以前からやっていたけれども、一層きちんとしたのが、平成24年度からですというようなところが、評価するときに少しひっかかるところがあるのですが、その辺は実態としてはどうであったのか、お教えいただけますでしょうか。

○国立成育医療研究センター企画戦略室長
 研究者による発注という面から言えば、正しく平成24年度からという形になりますが、例えば検収ということにつきましては、先ほど御指摘いただいたように、平成19年の11月以降は研究者による検収という形ではなくて、第三者による検収という形で対応をしてきたところであります。その中の一部分が、予定価格調書というか、仕様書、設計書等が作成されていないというので、一部不十分な部分は指摘を受けているところでありますが、第三者による検収ということについては、既に対応をしてきているところでございます。
 発注につきましては、研究者からそれを第三者というか、事務に移管をするということからいいますと、相当の人数の職員というか人員の増を図るということが求められますので、すぐに対応をするというわけにはいかない部分がありましたので、それを平成23年度中に準備をいたしましたので、平成24年度から改めたということでございます。

○永井部会長
 いかがでしょうか。

○和田委員
 不正の事実があったかどうかということは、明確ではない。しかし、もう少し内部統制を改善するようにという指摘を受けた。それは、成育さんのほうとしても、どうなんでしょう、十分とは言えないが、やってきたのだけれども、なお一層しっかり平成24年度からは、平成23年度中に、加藤前理事長の御指示もあって、平成24年度から完全にきちんとしましたと。こういうような報告と理解してよろしいのでしょうか。

○国立成育医療研究センター企画戦略室長
 はい。

○永井部会長
 御意見いかがでしょうか。この検査院の指摘事項は、どのくらい重いことなのでしょうか。つまり、メド城取との問題はあったとしても、この加藤先生が理事長時代の会計管理についての指摘ですね。これがどのぐらい重い話か、和田先生、御意見いただけますか。これは、各法人は当然していないといけないことだったということでしょうか。

○和田委員
 ガイドラインが平成19年に出たときを境にして、各法人は整備を始めて、大体今ここに検査院から指摘をされたようなことを指摘されないような形に直すと。本当にきちんとしている所はきちんとやりましたけれども、先ほどちらっとお話もありましたけれども、あそこに書かれているようなことを全部やるというのは、組織も全部変えなくてはいけませんし、正直いって大変なので、それを代替するような形で進めてきた。やはりこういうことがあって、法人が本気になって整備をすると、平成24年度からこのようにすることにしましたという形になるのだと思うのです。それがその前の平成23年度までが、本当に管理が不十分だったと言い切るところまではいかないのかなというように思いますが。

○永井部会長
 いかがでしょうか。事務局の提案としては、取りあえず最初の評価どおりにしておいて、問題が、その実態が更に明らかになったときには、もう一度考えるという、場合によっては勘案率を引き下げることもあるという、そういう提案でしょうか。そのときは場合によっては退職金の返還を求めるということですか。

○政策評価官室長補佐
 そういうことになります。その結果がどういった結果が出るか分からないのですけれども、例えば就任期間中に預け金等が発生しているという話になれば、当然また再審議をする案件になってきますので。

○永井部会長
 いかがでしょうか。そういう提案で。

○和田委員
 それで、もう1つお尋ねしますと、法人のほうで内部的に設置した調査委員会というのは、今現在では中間報告くらいで止まっているのでしょうか。そしてまだ、今後きちんと調査をしてというようなことになっているのでしょうか。

○国立成育医療研究センター企画戦略室長
 資料に付けさせていただいているとおり、先方から先ほどの総額程度の資料しか示されておりませんので、我々でできることは、研究者又はOBに対しての聴き取り調査、書面調査以上のものはできておりません。ですから、そこまでと、あとは少なくとも当センターに残っておりました証拠書類等は全て確認済みでございますので、現時点では存在も含めて、明らかになっていないというところでございます。ですから、然るべき時期に、関係書類が提出されたあかつきには、また調査委員会でしっかり調査をしてまいりたいと考えております。

○永井部会長
 いかがでしょうか。

○和田委員
 結局その調査報告書で、きちんとした段階で、また不正があったというのであれば、また考え直す、検討し直すということになるのではないかと。本当にあったのかどうか、そのこと自体が分からない状況ですから、それでよろしいのではないかと思いますが。

○永井部会長
 他の委員の方々はそれでよろしいでしょうか。そういたしますと、その旨を政・独委にもお伝えして、評価は従前どおりということにしたいと思います。また新しい情報がありましたら、部会にお知らせいただければと思います。どうもありがとうございました。
 本日の議事は以上でございます。事務局から連絡事項等をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 本日は遅い時間に御審議いただきましてありがとうございます。本日御審議いただきました事項につきましては、法人及び所管課において手続を進めてまいります。なお、御審議いただきました内容に変更が生じた場合には、部会長に御相談し、必要に応じて委員の皆様に書面なりでお諮りさせていただきます。
 今後の予定ですが、平成24年度の長期借入金及び債権発行の実績報告、平成25年度長期借入金計画及び債権発行計画につきましては、3月末以降に、持ち回りで委員の皆様方にお諮りすることを予定しておりますので、御承知おきください。お配りしました資料の送付等を御希望される場合には、封筒に入れていただければ郵送いたします。最後になりましたが、今年度も部会長はじめ、委員の皆様方にはお忙しい中、高度専門医療研究部会で御審議いただき、誠にありがとうございました。事務局からは以上でございます。

○永井部会長
 それでは、これで今日の部会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
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