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2013年3月27日 第4回 職場における腰痛予防対策指針の改訂及びその普及に関する検討会議事録

○日時

平成25年3月27日
16:00~18:00


○場所

厚生労働省19階共用第9会議室
(千代田区霞ヶ関1-2-2)


○議題

(1)報告書案について
(2)その他

○議事

○毛利調査官
 それでは、定刻前でございますけれども、皆さんお揃いでございますので、始めたいと思います。
 本日は、大変お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。ただいまから第4回「職場における腰痛予防対策指針の改訂及びその普及に関する検討会」を開催いたします。
 本日は、中心会の浦野委員がご欠席でございます。
 まず、資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の1点の資料をご確認いただきたいと思います。
 1ページから、資料1が指針改訂案でございます。第3回までの検討会やその後においてもいろいろご意見をいただきましたので、作業チームの甲田委員、岩切委員、北原委員のお三方に改訂案を作成していただきました。ありがとうございました。平成6年の指針からの修正部分が一重の線で引いてあります。今回修正した部分を二重の線で引いております。資料1には、厚生労働省としての意見も反映させていただいておるところでございます。
 63ページから、資料2が各委員からの意見と対応でございます。第3回までのご意見とその後メールでいただいた各委員のご意見とその対応状況をまとめた表でございます。
 69ページから最後88ページまで、議題2に係ります本検討会の報告書(案)でございます。こちらもあわせてご議論をいただきたいと思っております。
 資料の不足、落丁等はございませんでしょうか。
 よろしければ、座長に進行をお願いいたします。
○甲田座長
 それでは、前回に引き続き、腰痛予防対策指針の具体的改訂内容の検討をまず行い、報告書(案)まで議論して、この検討会を一旦まとめたいと思いますので、円滑な進行にご協力をお願いいたします。
 前回までで指針を一通り確認いたしましたが、前回の検討会でいただいた意見、そして、その後にいただいた意見等もありまして、追加記述しておりますので、変更点等を説明してから議論をお願いしたいと思っております。
 本日は、報告書(案)も議論するために、指針等の改訂案は説明等をして、掻い摘んだところを話しながら意見をいただいて、迅速に審査していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、岩切委員のほうから、1~3の部分についてご説明をお願いしたいと思います。
(報道関係者退室)
○岩切委員
 それでは、資料1の1ページをお願いいたします。
 二重線の部分が今回新たに加えた部分です。指針本文の方
でいきますと、真ん中から上ぐらいにあります「労働衛生管理体制を整備し」という部分を入れさせていただきました。これは産業医等を選任したり、衛生委員会等を開いたりということをまとめた話です。
 次に、下の方に行きまして二重線部分「事業者は労働者の健康を守る責務を有しており、各事業場において、事業者、安全衛生担当者が中心となり、本指針に掲げた腰痛の基本的な予防対策を踏まえ、各事業場の作業の実態に即した対策を講ずる必要がある。」という言葉を入れております。
 その3行下に別紙の部分が5つあるのですが、これを「(1)から(3)の三つの作業と(4)と(5)の二つの業務について別紙に示した。」と記載しました。
 別紙の(1)から(5)までは、基本的に前回の検討会と同じ表記としました。しかし、(5)車両運転の部分を、既存のものは「長時間」と入っているのですが、その「長時間」という言葉を省きまして、「車両運転等の作業」と単純化しております。
 次、2ページをお願いいたします。
 こちらで大きく変更している部分は、(2)腰痛の発生要因の「イ 動作要因」の「(ロ)人力による人の抱え上げ作業」という部分を具体的に加えております。
「重量物の取扱い」を(イ)、「人の取扱い」を(ロ)で記載することで、物と人は違うということをここで明記しました。「(ロ)人力による人の抱え上げ作業」については「人の抱え上げ作業は重量物取扱い作業には含まれず、介護・看護作業において腰部に大きな負荷を受けること。」と書いております。
 「はじめに」は以上です。
 続いて4ページ「2 作業管理」です。
 こちらは本文で書き加えた部分は、一番上の部分です。「(1)自動化、省力化」の部分において、既存の「重量物の取扱い、不自然な姿勢」と書かれていたものを「人の抱え上げ」という言葉も明記しました。
 その後、幾つか二重線部分はあるのですが、特に加えている部分は、下のほうに行きまして「(3)組織体制」のところです。ここで「ハ」を設けまして「職場では、労働者が精神的ストレスを蓄積しないよう、上司や同僚のサポートや相談窓口をつくる等の組織的な対策を整えること。」を加えております。
 今回の指針の改訂の1つの大きな改変部分に、腰痛の発生要因に心理・社会的要因を加えた点があります。その心理・社会的要因の対策については、作業管理の組織体制と、労働衛生教育に加えさせていただいております。
 次に大きく変更している点は、6ページをお願いいたします。
 今、お話しした指針本文に対応する解説の部分でして、6ページの真ん中より下ぐらいです。「(3)組織体制」の「ハ」です。先程の精神的ストレスの話なのですが「職場では、心理・社会的要因等による精神的ストレスの蓄積を防ぐために、上司や同僚と相談して助言をもらえる雰囲気の職場作りや相談窓口を設置して相談があった場合の対応策を整えること。また、腰痛で休業することを受け入れる環境作りや腰痛による休業からの職場復帰支援等も組織として取組むこと」というのを加えました。
 7ページをお願いします。
 こちらは「(6)靴、服装等」の一番下の「ニ」です。これは「ニ」を「ハ」に変えていただき、「また」が二重になっているので1つ削って下さい。「女性労働者が使用すると骨盤底への負担を増し、子宮脱や尿失禁が生じやすくなる場合があるとされている。」という言葉が入っております。これについてはご意見をいただければと思っております。
 次は8ページの「3 作業環境管理」に移らせていただきます。
 指針本文の方では、今回特に加えたものはありません。
 9ページの「(4)作業空間や設備の配置等」の一番下の2行部分に、「倉庫等での荷の配置については、戸口に近い所や目線の高さに取扱いが頻繁なものを、腰を曲げたり伸ばしたりする上や下の高さに余り出ないものを置くなど考慮すること。」と明記しております。
 以上です。
○甲田座長
 ありがとうございます。
 それでは、一括して「はじめに」から「3 作業環境管理」まで、ご意見をいただければと思います。いかがでしょうか。
○岩切委員
 細かなことなのですが、2ページの解説の部分です。「(ロ)人力による人の抱え上げ作業」のところでは「人の抱え上げ作業は重量物取扱い作業に含まれず、介護・看護作業等」と「等」を入れさせていただければと思います。
○北原委員
 それに関連することで「人の抱え上げ作業は重量物取扱い作業に含まれず」と書いてありますが、(イ)と(ロ)と分けることで分かるのではないかと思います。「人力による人の抱え上げ作業というのは介護・看護等において腰部に大きな負荷を受けること。」だけでも十分ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○甲田座長
 ここは今まで幾つか議論してきたところですけれども、今まで「重量物の取扱い」という形で区切られてきた作業なのですが、あえてここで分けた箇所です。強調という意味合いで「含まれず」ということを言ったとも取れるので、文章の流れとしてどうなるかというのは後で検討が必要かもしれないですね。
 私の方では、先程ちょっと紹介していただきました7ページの服装の腰部保護ベルトの記述で加えられた記述なのですけれども、私も長い間、腰部保護ベルトの研究というか、そういうのに立ち会ってきたこともありまして、開発するプロセスも見てきたのですが、最近の腰部保護ベルトというのは非常にコンパクトで、小さくて、薄くなってきて、それで効果を出すような工夫がなされております。
 以前、かなり前ですけれども、腰痛の治療のために「コルセット」と言われた時代というのは非常に幅が広くて、腹部をきっちり締めるというタイプで、そのときは確かにここに書いてあるようなトラブルといいますか、そんなことがあったと伺っているのですが、最近は大分改良されているとも聞いておりますので、こういう記述がどういうふうに影響するのかわからないので、この辺ももうちょっと情報を得て、この記述をどうするかということを検討した方がいいような気もいたします。
○北原委員
 私の知る限りは、ここに書かれているような明確な根拠があるとは思えないので、是非ご検討いただきたいです。
○神代委員
 私もこれに関する表現は外す方向で検討をしたほうがよいと思います。
○毛利調査官
 事務局からですけれども、この部分は厚生労働省の各部局に一応この内容を協議した際に、基準法の女性労働基準規則を扱っている部署の方から、3年程前に検討したときにこういう知見があるということをそのときの報告書に書いてあるので入れて欲しいということがあったということでございますので、今、皆様方からいただいたものが最新の知見ということであれば、それをもちまして、その担当部署と協議をしたいと考えております。
○甲田座長
 それでは、そういうことで、これも後日の検討課題になってしまうかもしれませんけれども、そういう形で検討させていただくことにさせていただければと思います。
 他はいかがでしょうか。
○北原委員
 「3 作業環境管理」のところですが、8ページの本文の「(5)振動」のところで、最後に「振動ばく露の軽減に配慮すること。」とあるのですが、配慮というのは弱いように思います。振動と腰痛の関係は明らかなので「軽減対策をとること」と書いてはどうでしょうか。
 解説のところもそうですが「振動ばく露の軽減の対策をとること」のほうがいいのではないかと思います。
○甲田座長
 わかりました。
○神代委員
 同じく作業環境管理の9ページの「(4)作業空間や設備の配置等」で、最後の2行「倉庫等での荷の配置については、戸口に近い所や目線の高さに取扱いが頻繁なものを、腰を曲げたり伸ばしたりする上や下の高さに余り出ないものを置くなど考慮すること。」は、非常に理解しにくい表現なので、ここは表現を変えたほうがよいと思います。
○甲田座長
 わかりました。
 ざっともう一度読んでみて、わかりやすいような表現にさせていただければと思います。
 よろしいでしょうか。この3つに関しては、今まで議論してきた内容をかなり踏まえておりますので、そんなに大きな変更というのはないので、多分よろしいのかもしれないと思っております。
 それでは、次に「4 健康管理」から「労働安全衛生マネジメントシステム」まで、北原委員からご説明をお願いいたします。
○北原委員
 10ページからです。
 指針本文で大の主な変更は、前回、話がありました画像診断のところです。(1)の(ロ)の「レントゲン検査」だったものを「画像診断」に変えています。
 あとは「(3)職場復帰支援」というところは、言葉を「復職支援」ではなくて「職場復帰支援」に統一するということで、二重線のところが追加されています。
 解説の特に「(2)腰痛予防体操」のところでストレッチングの説明がありますが、これはイラストの前に入れた方がいいのではないかということでした。今はこの場所に入っていますが、実際にはイラストの前に入れることも検討されるのではないかと思います。
 「(3)職場復帰支援」も、二重線のところが追加されています。
 「健康管理」は、以上です。
 次は、21ページからの「5 労働衛生教育等」です。
 ここでは、特に「(2)心理・社会的要因に関する留意点」として、本文も解説も書かれています。
 解説では、個人レベルで対処するコーピングのことと、組織として対処すべきことなどが留意点として書かれています。
その後に、日常生活の留意点を最後に持ってくるという形になっております。
 次に、23ページからの「6 リスクアセスメント及び労働安全衛生マネジメントシステム」のところです。「リスクアセスメント」という言葉をタイトルに追加しております。リスクアセスメントは努力義務になっているということもあるので、追加をしております。
 労働安全衛生法の28条の2に基づく「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」のことも解説で追加しております。
 24ページで、アセスメントの手順、チェックリストを使用するときの手順についてフローチャートが追加されています。
 腰痛に関する具体的なリスクアセスメント表というのは今後の課題で、今回例示してはおりません。アクション・チェックリストについて詳しく説明をしております。
 以上です。
○甲田座長
 ありがとうございます。
 この部分はいかがでしょうか。ストレッチングのイラストをどこに入れていくのかという最終的な編集段階での作業は、もうちょっと全体的なものができてからという形に多分なると思うのですけれども、一応イメージとしては、使用したいストレッチングは事務作業でも使えるようなことを想定して、こういう絵を選ばせていただいております。
 ですから、後々出てくる介護の作業、運転作業等は、その仕事をイメージしたものというか、それらしき絵にしてあるのですけれども、一応今回ではこういう形の絵を採用させていただいて、それを活用してくださいという形にしてございます。
○北原委員
 労働安全衛生教育のところでが、本文の「(3)日常生活に関する留意点」で「禁煙」と書いているのですが、解説のところでは「喫煙習慣の改善を図る」という言葉になっています。「喫煙習慣の改善」というと、少し柔らかいニュアンスになると思いましたので、解説のほうも「禁煙の指導」とした方がいいのではないかと思うのですが、いかがですか。きついですか。
○岩切委員
 どういたしましょうか。悩んだ末にこういう形にしました。
 目指すのは禁煙なのですが、表現が難しいところです。確かに矛盾はしております。
○甲田座長
 本文のほうで一応「禁煙」と書いてあるので、解説で一歩下がることはないですね。
○北原委員
 そうですね。
○岩切委員
 禁煙を指導するという言葉のほうがいいかもしれませんので、もう一度ご相談等をさせて下さい。
○甲田座長
 検討させてください。
 リスクアセスメントのところを補足させていただきますと、神代委員からいろいろと指導をいただきまして、ありがとうございました。それを参考に、少し書き加えたつもりなのですけれども、なかなかうまくいかなかった部分もありまして、ちょっと悩んでいるのですが、基本的にはアクション・チェックリストを使っていくということを目標としてリスクアセスメントを進めていってください。そういう意味では、リスクの見積と従来言われているような、例えば一番典型的なのは機械安全等ですけれども、そういうようなアプローチの仕方もある訳ですが、やはり腰痛の特殊性といいますか、労働衛生の課題の特殊性といいますか、そういうものを配慮して、アクション・チェックリストというものを職場で定着させていく。それを職場の安全性の活動の一助とするという意味合いで、チェックリストに関して記述を詳細させていただいたということでございます。
 ですから、そのチェックリストの使い方みたいなもの、使用する手順みたいなものを一応図にしたりとか、そういう形でやっております。
 ここでアクション・チェックリストのひな形みたいなものもお示しできればよかったのですけれども、これは総論的な話ですので、アクション・チェックリストというのは非常に職場、オリエンティドなツールですので、職場のイメージがないとなかなかできなかったので、ここでは付記しておりません。
 その代わりといっては何ですけれども、作業のIVのところ、Vのところ、要するに介護の作業だとか、車両運転のところでそういう作業を想定したアクション・チェックリスト例というものを載せてございますので、最終的にはそういう具体的な事業所でつくっていくというイメージでまとめさせていただいております。
○岩切委員
 OSHMSのマネジメントシステムのところで、ISO/TR12296を引用しているのですが、ISO206461やその他のISOも可能であれば引用してはどうかと思いました。
○甲田座長
 要は、この話でISOの12296というのが介護作業に特化したものということですね。ですから、新しく出たのですね。
○岩切委員
 もう少し前に出されたものです。
○甲田座長
 そうすると、そちらの一般的な話のテクニカルレポートが出ているので、そちらのほうが適切だろうということですね。
○岩切委員
 はい。
 そうしましたら、多分両方引用してもいいのかもしれません。
○甲田座長
 わかりました。
 その辺は両方吟味させていただいて、あくまでも紹介ということになりますので、そういう形で記載しておきます。
○神代委員
 そうですね。紹介事項であることを明記することですね。
○岩切委員
 24ページの1~8までの項目があるのですが、もしかしたら、もう少しまとめて数を減らしたらどうかと思いました。書いてある内容はこれでいいと思うのですが、分かり易さを考慮してもう少しまとめることができないでしょうか。例えば1~3までを1とし、職場巡視とするのもよいかもしれません。
○甲田座長
 これはオリジナルがあったので、それを参考にさせていただいて、基本的にはオリジナルの研究成果を尊重した訳です。そういう形で載せさせていただいたので、後でもう一度神代にご相談なのですけれども、福岡産保でやられている研究ですので、それを引用させていただいて、紹介という形でどこかに記載した方がいいのかとも思っているのです。
○岩切委員
 あと、労働衛生教育等の本文の方に、今回(2)で「心理・社会的要因に関する留意点」というのを加えさせていただいています。これに関しては、このままでよろしいでしょうか。
 先程も言いましたように、作業管理のところと労働衛生教育のところに精神的ストレス対策を加えております。労働衛生教育の部分では、労働者に対する教育をどうしたらいいのかという話をしております。
 ただ、解説の部分では、それに加えて、職場でのサポートについても取り組むことが有用となることを周知徹底することという表現を加えさせていただいております。こういう表現でよろしいでしょうか。こちらに関して意見をいただければと思います。
○甲田座長
 難しいところだと思うのですけれども、ここではあくまでもタイトルとして「労働者教育等」ということですので、労働衛生教育プラスαというイメージですね。
やはり腰痛の発症自身が、そういう職場の中で問題になっている要因プラス、例えば日常生活の過ごし方だとか、他の要因が影響するわけですから、やはりこういうところで一応分けて、労働衛生が1番目で、2番目が心理・社会的要因に対する留意点、3番目が日常生活ということなので、いいのではないかと思いますけれどもね。
○岩切委員
 わかりました。
○甲田座長
 逆に、ここから外すとどこに持っていくという話になりますね。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、一応これからは5つの作業ということで話を進めたいと思いますが、比較的I、II、IIIの方は限界まで議論して踏まえてありますので、後半の業種の方がかなり新しいこと等がありますので、時間的には最後の4と5を議論したいと思います。
 まず、I、II、IIIの重量物取扱い作業等からご説明をお願いしたいと思います。岩切委員、よろしくお願いいたします。
○岩切委員
 26ページを見て下さい。重量物の取扱い作業です。
 こちらで新しく加えている部分について、二重線は引かれていないのですが「I 重量物取扱い作業」のところで4行目と5行目「なお」のところが新しく加わった文章です。「なお、重量物とは製品、材料、荷物等のことを差し、人を対象とした抱え上げ等の作業は含まない。」と加筆しております。
 前回提案した内容では「1 自動化、省力化」の(3)で人力によるということが書かれていたのですが、その部分は全て「IV 福祉・医療等における介護・看護作業」で示すとして、ここの部分からは全て削除させていただきました。
 次に「2 重量物の取扱い重量」です。
 (2)で二重線が引いてある「身長差の少ない労働者」というものを加えさせていただきました。
 指針本文はそちらでして、28ページをお願いいたします。
 こちらに新しく「好ましい姿勢」「好ましくない姿勢」というものをとりあえず加えております。ただ、どういうイラストにするかというのは、事務局と相談させていただき、最終的には決めさせていただければと思います。
 28ページの「6 腰部保護ベルト」のところに、先ほど議論になりました「また、女性労働者が使用すると」という言葉が入っていますが、これは先ほどと同じような議論で、また検討させていただくという形にさせていただければと思います。
 以上です。
 29ページを見てください。「II 立ち作業」になります。
 立ち作業は、基本的には前回の内容から変えておりません。基本的には同じ内容で進めております。
 31ページ「III 座り作業」になります。
 座り作業の部分も大きくは変えておりませんで、「OA機器」というところを「VDT作業」と明確に記載しました。
 あと、32ページの「1 背もたれは後方に傾斜し、腰パットを備えていること。腰パットの位置は頂点が第3腰椎と第4腰椎の中間にあることが望ましい。」。元々1と2と分かれていたものを1つにしまして、1という形で掲載させていただいております。
 以上です。
○甲田座長
 この重量物の取扱い、立ち作業、座り作業等についてということですけれども、余り大きな変更はないのですが、幾つか変更点があるということのご報告です。
 この3つに関して、いかがでしょうか。
○北原委員
 重量物取扱いのところですが、26ページに重量制限として体重に対する割合が書いてあります。介護のところで、案として、荷物を取り扱うときのキロ数の上限を37ページに書いています。37ページの中程に「※要検討」と書いてあって、この上限として20kgもしくは30kgを加えてはどうかと書いてあるのですが、重量物は荷物の話なので、やはり前の「重量物取扱い作業」のところで20kgあるいは30kgということを加えてはどうかと思いました。
 女性労働基準規則で20kg、30kgという制限がありますが、体格の大きい女性の場合に、体重の40%、女性はその60%という基準を用いると20kgを超える場合もあります。上限をここに書いてはどうかと思います。その辺は議論があるところだと思うのですが、いかがでしょうか。
○甲田座長
 先ほどの男性で言うと、例えば体重の40%、女性だとさらに60%という話になってくると、当然20を切りますね。だから、そういう意味合いから言うと、ひょっとしたら矛盾するのではないかという話で指摘されるかもしれないということですね。
 ただ、事実としては、女性労働基準規則という基準があるのだよということを示すのはいいのかもしれないですね。ただ、その辺は解説の中の方がいいのですかね。
○北原委員
 解説でもいいと思うのですが、委員の方々はいかがでしょうか。
 前もこの議論の中で上限をという話をもありましたので、指針本体に書くか、解説のところでこういう規則があると触れるか、ということになってくると思うのです。
○毛利調査官
 補足ですけれども、この後に議論になりますのは、報告書の83ページのほうに女性労働基準規則の規制というものが出ております。満18歳以上の女性で、断続作業を30kg、継続作業は20kg以上の重量物を取り扱うというのは法令で禁止されているということで、今、その話をしているということでございます。
○安藤委員
 おっしゃるように、解説のところに入れられたらいいのではないでしょうか。
○岩切委員
 どういう形で入れましょうか。
○神代委員
 例えば女性労働基準規則を目安としてという書き方でよいのではないですかね。
○甲田座長
 「なお」とか、事実を淡々と。
○岩切委員
 女性労働基準規則を紹介するような形でしょうか。
 1つ懸念されることは「男性は」という話になるのですね。これは基本的に女性なので。
○甲田座長
 だから、男性はないですよ。男性はないということを言うしかないのではないですか。
 基本的に重量等に関しては、この検討会が始まって以降、あったらよいのですけれども、実際に問題無いというのが実情であるというところで、新たにこの検討会で何件ということは言えるのかという話になってくると、それは多分無理だろうというのがこの検討会の中での大方の委員の方々のご意見なので、ここでは淡々とこういう規則があって、それで定められております。20kgと30kgという基準が定められていますという形の記載をさせていただくということに留まるのではないかと思っているのです。
○北原委員
 今後そういう重量物の基準に関しては、次年度の宿題になっていく予定ですか。
○甲田座長
 宿題となるでしょうね。
○岩切委員
 わかりました。
 解説の部分で、女性労働基準規則の断続作業では30kg、継続作業では20kgという形を紹介させていただく形で記述させていただきます。
○甲田座長
 よろしいでしょうか。
 それでは、これからの2つのところは新しい内容の課題でありますので、これからは1つずつということで進めたいと思います。
 4番目の「福祉・医療等における介護・看護作業」について北原委員からよろしくお願いします。
○北原委員
 本文の33ページです。
 「福祉・医療等における」というタイトルになっています。前回とかなり変わったところが幾つかありますが、まず全体の構成は、IVとVは大体同じ様な構成にする予定です。まだ若干違うところがあるので、また説明をさせていただきます。
 一番初めの指針の「1 腰痛の発生に関与する要因」について、前は要因を挙げて、どんな姿勢かということを細かく書いていたのですが、指針本体はシンプルにということで、こういう書き方にしまして、解説のところで少し詳しく書く形にしています。
 「要介護・看護者」については「対象者」に戻しました。最初、「介護・看護者」と「要介護・看護者」という言葉を使ったのですが、やはり読みにくいので「対象者」、介護・看護をする側は「労働者」という言葉でシンプルに統一をしました。ここで言う「労働者」は、介護・看護等にかかわる労働者であるということが自明ですので、「労働者」という言葉にしています。
 リスクの評価のところは、二重線で示した書き方にしています。
 (2)福祉用具の利用については、後で事務局から説明があると思いますけれども、下線部が修正されているところです。
 34ページ「(5)作業標準の策定」のところでは、前回はもう少し後ろにあったのですが、「作業環境の整備」の次に挙げるべきだというご意見でしたので、「作業標準の策定」は(5)に入っています。
 「組織体制」が(7)になっています。
 あと、用語を「福祉用具」に統一をするなど二重線に書いてあるとおりに修正しています。
 解説ですけれども、腰痛の発生に関与する要因のところで、前回指針本文に入っていた「対象者の要因」と「労働者の要因」のところは、36ページにかけて説明をしております。
 次に、修正させていただきたいのですけれども、36ページに「(6)心理・社会的要因」について説明があって「以上のような腰痛を発生する要因を明らかにするためには、チェックリストの使用が有効である」から「イラストの挿入」のところまでを、次の「2 リスク評価(見積もり)」のところに入れ込んで、「2リスクの評価(見積もり)」で、アクション・チェックリストなどをここで示すことにします。
 37ページの「イ 抱え上げ」の中ほど、「人力による荷物の取扱い作業は」と書いていますが、ここは人の取扱いの項目であり、重量物取扱いの話である「人力による荷物の取扱い作業は」から5行は、削除していく方向になると思います。
 「ロ 不自然な姿勢」のところでは、まだイラストを提示できていませんけれども、これまでのテキストとかマニュアルなどを参考に、不自然な姿勢に関するイラストを入れていきたいと思います。
 次の「(4)作業環境の整備」の38ページで、追加したのが、上から4行目「訪問介護・看護で労働者が副流煙・・・」の部分です。訪問先のご自宅で煙草の煙がモウモウとしている中で作業するというのも結構問題にはなっているのですが、そういうことにも事業者は配慮すべきであるということを加えています。
 「(5)作業標準の策定」ですが、ケアプランの中に作業標準を入れることも考えられるとしています。作業標準の例を参考6に示すということで、施設介護と訪問介護の参考例を示しています。
 (6)休憩時間のときにはストレッチングをしましょうとか、(7)組織体制ではマネジメントシステムの考え方に沿った実践を粘り強く行うということが重要であるということを書いています。
 参考4としてアクション・チェックリスト。このアクション・チェックリストは、正直困ったのですけれども、本来なら、誰々さんの移乗介助のアクション・チェックリストというように個別的にやっていくべきものだろうと思うのですが、ここでは車両のチェックリストと大体合わせまして、全体的なものも含めています。こういうものを参考に、各職場で場面別のアクション・チェックリストを作成されてはどうかと思います。
 それから、42ページに厚労省のチェックリストの資料が挙がっています。これはリスクの見積りについて参考になるのではないかということです。
 参考6が作業標準の作成例。これはあくまでも例で、いろいろな標準例があると思います。
 最後、参考7として、ストレッチングの例ということで、2010年に作成されたテキストに載っているイラストをここに挙げています。
 以上です。
○毛利調査官
 事務局から補足させていただきます。
 33ページの3の(3)の抱え上げの部分でございますが、これは前回までの案文では「原則として人力による人の抱え上げは禁止とすること」という記述になっていたものでございます。今回は3行目に「できるだけ人力による人の抱え上げは行わないようにすること」と修正しておりますが、これは厚生労働省の中で介護の担当部署のほうから、抱え上げを禁止されたら、誰がどうやってやるのかというご意見がございまして、確かに「禁止」という言葉は厳しいかということで、このように修正したものでございます。
ご意見等をいただければと思います。
○甲田座長
 本村委員、どうぞ。
○本村委員
 確かに前回の案では「禁止」ということで、非常にきつい表現だったのですが、ここではそれが積極的に使用するということで少しトーンダウンしているので、言いたいことは、まずリフト等の福祉用具を使って、利用者の安全・安心な介護を行うということで、その後に、出来るところは人力でやったらどうか、という介護のシステムを今後変えていくようなことが必要ではないかという意味で、ここのところは、本文の方はこれでいいかもしれませんが、解説あたりでそこら辺の意味合いを少し出していただいた方がいいかという感じがしております。
○北原委員
 関連することですけれども、私も「原則として何々を禁止する」という言葉と、今、改訂案で出ている「できるだけ行わないようにする」というのでは、全く違うと思うのです。「原則として禁止する」とは書いているものの、実際に使えないことを想定して、複数で抱え上げるということも書いている訳です。原則論をガイドラインに示すことは大変重要なのではないかと私自身は考えています。
 やはり抱え上げる以上、腰痛のリスクは高いのです。人力で抱え上げることのリスクは、国際的にも指摘されていることですし、医学的には自明のことですので、ガイドラインとして「原則として人は人を抱え上げないのだよ」ということをしっかり述べて、後は解説のところで、ダメなときはどうするのかを書く。人力で抱え上げざるを得ないケースというのは、実際には確かにあると思うのです。
 ですので、そういったときはどうするかということを考えてもらう。その上で、業者には使いやすいリフトを作っていただくというようなことが非常に重要なのではないかと思います。ガイドラインとしては、原則論をしっかり書くということでないと、改善につながらないのではないかと私自身は思います。
○甲田座長
 ここのところは、前回の提案自身がかなり行政の方でもいろいろ検討されて、こういう形になってきたということもあります。
 実際、ガイドラインの意味合いといいますか、そんなものも当然あるでしょうし、実際問題、逆に全くそんなものは無理だよという話で、見向きをされないのも逆に行って困るということも、反面正しいだろうと思います。
 ですから、それらを考慮してご意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○萩尾委員
 禁止するという表現にするかどうかは別として、原則はやはり持ち上げないとした方がいいと思います。腰痛指針は今回約20年後の改訂であり、今後20年後はどういう姿にするのかということを考えると、20年後は既に人の抱え上げは基本的には機器を使うとか、そういうことで介護職員の腰痛は職業病という時代を終わらせたいなといと思います。そういう意味では、やはり原則を書いて、現在実際にリフト等導入しているところは非常に少ないので、そういった場合の今後の進むべく方向等も書ければいいのかなと思います。そうでないと、機器の開発もまだ十分ではないので、いい機器が開発されないし、それから現場で抱え上げない努力をどうしていくかということがなかなかできないので、進むべき方向の原則論は、私もしっかり書かないと変わっていかないとは思います。
○甲田座長
 ありがとうございます。
 他にいかがでしょうか。
多分、そんなに外れていないのですけれども、先ほど言った「原則禁止とする」という表現を入れるのか入れないのか。特にガイドラインの中でどの部分に入れるのか。または、その表現をどういうふうに工夫するのかということに尽きるのかもしれないですが、多分、委員の方々の考えはそんなに違っていないと理解しております。
 本村委員、どうぞ。
○本村委員
 北欧等は規則で。重量物の抱え上げの重量規制をしているのですね。例えば25kg以上抱え上げて腰痛になったら、もう労災の対象にしないという、そういうことまで厳しくやって、労災を減らしている訳ですね。これは指針ですので、強制力がないわけですので、なるべく将来そういう介護の仕方を変えていくような方向性を出していただいた方がよろしいかと思っています。
○甲田座長
 そうですね。
 確かに行く先として、事業者はどういうふうにすればいいのか。そういう目標みたいなものを立てて誘導していくようにしていかないといけない。ただ単に禁止というのがあったりすると、なかなか見向きもされないようなものになってしまうかもしれない。その辺は少し皆さんのご意見というのは、今、伺ったような形でいろいろと理解できますので、ご意見を反映するような形で最終的に落ち着くのかもしれないと思っています。
○毛利調査官
 1つ確認したいのですけれども、「原則としてしないようにする」という言葉でしょうか。
○北原委員
 指針ですので「原則として行わないこと」でいいと思うのです。「禁止」という言葉がきつければ。「行わないようにする」というのは非常に曖昧な表現で、「原則」だったら「行わないこと」でいいと思います。その上で解説のところで、できるだけ水平方向に展開するとか、福祉用具を使うとか、それでもダメな場合は複数で無理のないような抱え方をするということで示していけば、何ら齟齬はないのではないかと。これでたちまち介護ができなくなるということはないのではないかと考えます。
○毛利調査官
 それでは、そういうことでご意見をいただきましたので、関係部署とまた協議をさせていただきまして、そのようにしたいと思います。
○甲田座長
 それで調製していただくということでお願いします。その他いかがですか。
 一番大きな変更点は、今の人の抱え上げのところという話になると思うのですが、今回はそれ以外でもかなりいろいろな内容が付け加わっております。
 前回もちょっと話が出ましたが、作業標準というのは非常に重要だという話なのですが、それがなかなか見えなかったものに関しては例示を出していただいて、こんなものが作業標準なのですよということ。その作業標準を見ていただければ、これだったら自分のところでも作れると。
 それから、健康管理のところで、問診票の話が今まであって、それを使うのではないかという話がありましたけれども、基本的には同じで、これを参考にしていただいて、自分の事業所で発生する仕事に合った作業標準をつくることが比較的重要だと。だから、そういう意味合いで参考になるものという形に、位置付けはそういうふうになると思うので、その参考事例が載っていたりだとか、チェックリストの方も、次の車両のものと同じなのですが、今までは言葉としては普通に「チェックリスト」というのはあったのですが、今回こういう形で、こういうものがアクション・チェックリストの例なのですとお示しさせていただいております。これはリスクアセスメントのツールとして非常に重要なものであるというのは、我々の認識でしたので、こういうものを使って下さいということですね。
 ただ、それも単に使うものではなくて、先ほど北原委員からもご説明がありましたように、全体の作業、全体の仕事を見てアクション・チェックリストというのは無理な話ですので、場面を切って、例えばベッドから車いすへの移乗作業というものを見ていただいて、それのアクション・チェックリストをつけようという形で使っていただくというか、それが一番現実的ですので、それほど仕事を朝から晩まで全部見てアクション・チェックリストを作るというものではないので、その辺は誤解のないようにしていただければと思います。
 指導的には、その辺を今回新しく付け加えているものになります。
 いかがでしょうか。
 ちょっと見ていただいている間に、先程の訪問介護の副流煙の話なのですけれども、事業者は配慮すべきというのは、例えばどんなことですか?
○北原委員
 例えば、たばこを吸っている利用者さん宅に訪問介護・看護に行ったときに、ヘルパーや訪問看護師から利用者さんに、「吸わないで下さいね」とはなかなか言えないのです。「せめて介助している間は吸わないで下さいね」というようなことは事業主から言ってもらわないと。ヘルパーや訪問看護師にとってはご自宅が労働の場なので、事業者が配慮するという書き方をしました。
 実際には、なかなか難しい面があるのではないかと思いますが、事業主の方針として、ヘルパーとか訪問看護師を副流煙から守るために、そういうことを言うべきではないかと。言える家庭と言えない家庭があるのはそのとおりだと思います。
 ここまで書くかどうかということもあるのですが、大事な問題かと思い提案させていただきました。
○甲田座長
 例えばたばこの問題だけではなくて、訪問介護などの場合に、やはりご自宅に行って介助とかの作業をするわけではないですか、そういう意味で言うと、施設のところで問題になっているような、整理整頓と言ってしまうとちょっと言い過ぎなのかもしれないですが、非常に乱雑だったりすると、介助するときに危険ですよということで、そんなものは書いていないのですね。
○北原委員
 本来は、それもそうですね。
○甲田座長
 そういう意味で言うと、アドバイスとしてもうちょっと片付けたりだとか、そういうことをすると非常に気持ちいいですよというアドバイスも重要ですね。
○北原委員
 訪問の場合には、誰がそういうことを言うか。海外とかでは、デンマークなどは行政が言っているようですが、日本ではそういうことがあまりないので、少しでも事業主が言えればいいのでは、という思いで提案させてもらいました。
○甲田座長
 岩切委員、どうぞ。
○岩切委員
 49ページと50ページの作業標準の作成例なのですが、利用者に対する作業標準が主に書かれていて、介護者の作業標準の記述がかなり少ない気がします。
 作業標準では、介護士や、看護師の作業時の姿勢や動作等を具体的に記載する必要があるのですが、この作成例には、その部分が不足しているというか、殆ど記載されていません。
○北原委員
 ご指摘のとおりだと思います。
 基本的にどうしてこういう形にしたかというと、ある人の介助において、施設の中で複数の介護職員が関わると思うのですけれども、ある労働者にとってはこのケースはとても腰痛が起こり易くて辛いという。でも、別の労働者はそうではない。よく見ると、全く違う方法でやっていた。一人はうまく対象者の力を利用して介助していたけれども、もう一人は丸ごと抱え上げていたということがある。そういったところから作業標準を作らなくてはいけないのではないかというのが出発なのです。要するにマニュアル的な状況になっています。
 不良姿勢を回避するとかいったことについては、基本的には共通事項ですね。やり方としては、共通して注意すべきことであるので、個々それぞれ違い得るところを整理した。だから、そういう視点が欠けているというご指摘になったのだと思います。
○甲田座長
 多分49ページなどで言うと、作業標準例として1、2、3、4というのでいろいろな作業が取り上げられておりますが、どれか1つでもいいような気がするのです。そのほうが分かりやすいのかなと。
 だから、こうやって作るのだよということが示せるような、逆に言うと、50ページの方がそうなっているのですね。ベッドから車いすに移乗介助のときの作業標準例という形で、ステップ・バイ・ステップになっているので、同じような形で全部なくても逆にいいのかもしれないと思っているのです。その2つを見比べると、統一した方がいいのかもしれないと思います。
○北原委員
 移乗介助とかに絞ったほうがいいかもしれないですね。もう少し詳しく姿勢のことなども書く。
○岩切委員
 少なくとも49ページは、介護者の作業標準になっていないので、別な記述が必要だと思います。50ページは、比較的記載されていると思います。
○北原委員
 同じような書き方に統一するということで、考えてみます。
○岩切委員
 作業場所を限定した作業標準の方が分かり易いかもしれませんね。
○甲田座長
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員
 例えば中央労働災害防止協会あたりで、作業標準のひな形みたいなものがあります。ポイントとか急所とか、ここを大事にやりましょうとかという、介護の作業では余り見たことはないですけれども、普通の一般の作業の中ではそういうものも必ず作るのです。必ず作って、1つの作業をやるときは転落しないように、ここを注意しましょうとか、そういったひな形に入れていかれるといいのではないかと思います。
○北原委員
 介護、看護の現場でこれまで作業標準という概念がないもので、どうやってここに応用しようかというのが一つ検討のしどころだと思うのです。
○安藤委員
 ここにつけられるのはいいと思うのです。
○神代委員
 私は専門でないので分からないのですけれども、そもそも論で、この世界での作業標準というのは、どういうことを意味しているのですか。例えば、生産管理の一般論で考えると、一単位当たりの作業があって、その下位に要素作業があります。要素作業に分類した段階で今、議論されたような、注意しなければいけない点、作業遂行上しなければならない事項を明記するのが作業標準の基本と考えます。
○北原委員
 介護・看護のところでは、殆どそういう視点がないので、新たに作っていかなくてはいけないと思います。今、言われたような既存の作業標準の視点に沿った形で作っていくというのも重要だと思うのですが、なかなかうまく考えつかなかったものですから。
○神代委員
 一般的に言われている標準作業の考え方に基づいてこの75歳の男性の方を例とすると、移乗介助作業のみを例として取り上げるのが良いと思われます。そして、この移乗介助作業にはどういう要素があって、その要素作業ごとに何をすべきか、何に注意すべきかを記述したらいかがでしょうか。例えばこういう姿勢に陥りやすいから気を付けなさいとか、こういう作業時には2人での組作業をするとか、あるいは何々の設備を積極的に使いなさいという指示書を目指すのが良いと思われます。
○北原委員
 全くゼロからの出発だったので、そのようなやり方で可能であれば、そのようにしたいと思います。
○萩尾委員
 難しいですね。いわゆる介護技術というテキストとか、仕事に就くに当たってとか、介護技術を向上するとかという意味では、35ページに「(7)組織体制」の「ニ 指針・マニュアル等」とありますね。これはこういったことを意味して書いているのかと思ったのです。マニュアルは、例えば体重が何kg以上の人は、どこにどういうやり方でどういうふうにするとかということは、これかなと。
○岩切委員
 マニュアルはおっしゃるとおりで、どういう作業方法を取り入れたらいいかというときの基準となるものをある程度まとめたものです。実際には、利用者の方の状態は個別に異なりますので、マニュアルをもとにして個々に対応策を考えていくということになります。
 ある程度、こういう状態の利用者にはこういうふうな介助をしたほうがいいとかを提案出来るものを作っている施設があります。指針までは難しいかもしれませんが、マニュアルの作成は可能と思います。
 ただ、実際マニュアル作成を全ての施設に課せるのは難しいと思っており、ここまで書いた方がいいのかどうかというのは検討事項と個人的には思っております。
○神代委員
 マニュアルは先程私が申し上げた単位当たりの作業があって、その下位の要素作業はありません。マニュアルには単位作業の上位にあたる工程を書かなければいけないですね。工程から要素作業に至るまでの一つ一つの作業要素に対して、あるべき理想的な作業方法を示すのが作業標準の姿だと考えられます。
○甲田座長
 普通はそうなのです。
○神代委員
 先ずこの基本的なアプローチ解説を簡単に示して、ここで議論されている75歳の人のケースで事例解説をしたらよりわかりやすいのではと思います。
○甲田座長
 これは組織体制の中にマニュアルがあるのですね。
○岩切委員
 ちょっとピンと来ないですね。作業標準の策定のところは。
○甲田座長
 だから、作業標準のためには、神代委員が言われるように、単位作業の手順、プロセスというもの。それを非常に意識しながらステップ・バイ・ステップで解説していくということ。そういうものまで作ることが、腰痛予防で有効なのだよというのは、多分そうなのですね。だから、そういうものを想定すれば、先ほど言ったように、全部一緒に入れなくても、移乗介助だと、非常にシチュエーションを限ったベッドから車いすだとか、そんなときの作業標準の事例はこんなものですよというのを示した方が分り易いですね。そのときに留意することというのは、こういうことなのですということもあった方が、では他の入浴介助のときはこうやって作ろうということが、読んだ方が分り易いということ。
○甲田座長
 本村委員、どうぞ。
○本村委員
 私もそう思います。
 49ページは入浴介助とか、食事介助とか、ばらばらの介助の例があるので、まさに腰痛予防の観点から行くと、ベッドから車いすが一番腰痛発症が多い訳でして、50ページの標準の方が分り易い。
 ただ、ここはリフトを書いていないのです。リフトを活用することが書いていなくて、スライディングボードとかの例しか書いていないので、これは両方要るのではないかと思います。
○北原委員
 訪問介護なので、リフトが入っていないことが多いと思われたのですが、リフトを使うという想定もあると思います。いろいろな例があるので、在宅でリフトを使ってもらうのはもちろんオーケーなので、そういうケースもあると思います。
○本村委員
 だから、施設介護もリフトとスライディングボードと両方使う案で、ベッドから車いすへの移動に焦点を絞ってやった方がいいかと思います。
○北原委員
 元々の作業標準の書き方のところは、もうちょっと勉強して、それに沿った形と絞った形で、介護の分野での作業標準がちょっと書けるように検討したいと思います。
○甲田座長
 わかりました。
 今のところは、もうちょっと宿題という形になるかもしれませんけれども、もう少し整備した形でもう一回まとめ直していただいて、もう一回見ていただく機会があるかもしれないので、そこで最終的にこれでよろしいかどうかご意見をいただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、一応ガイドラインの最後ということになりますが「V 車両運転等の作業」ということに行きたいと思います。
 では、北原委員、お願いします。
○北原委員
 車両運転の作業、53ページです。
 「長時間の」という言葉が前に入っていたのをなくすということで、最初のタイトルは「車両運転等の作業」になっています。
 書き方は、介護と同じような書き方で1、2、3と書いてありますが、アクション・チェックリストのことはリスク評価のところに書いてあります。
 大きな変更は二重線が書いてある部分です。解説のところで、長時間の車両運転の作業になっているのと、あとは55ページの「2 リスクの評価(見積り)」のところで、リスクの見積手法については、中央労働災害防止協会等が具体的な提案をしており、それらを参考にすること、と引用しています。
 アクション・チェックリストを参考として示しています。
 解説の56ページでは「(2)車両運転等の時間管理」のところで「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」について追加されています。
 56ページから57ページにかけて運転のときのストレッチングについては参考8ということで、これも2010年に出されたテキストから引用しています。
 58ページがアクション・チェックリストの案です。
 60ページ、61ページがストレッチングのイラストです。
 以上です。
○岩切委員
 追加させていただきますと、車両運転の部分は介護・看護と異なる部分がありまして、54ページは(5)その他で終わってしまっているのですが、実際はその下に介護・看護と同じように、「4 リスクの再評価、対策の見直し及び実施継続」といった内容を加えさせていただければと考えております。
 さらに、加えることではないのですが、作業標準を車両運転等のほうでは入れておりません。車両運転の作業標準を作成出来なくはないのですが、あまり意味はないため、敢えて作成していません。これらが大きく違う点です。
 以上です。
○甲田座長
 もう一つということで、前回お示しした中で言うと、労働安全性マネジメントシステムというところであったのですが、それはもう総論で言ってしまいましたので、今回は全文削除しております。
 それと、57ページの2行目は、参考8ではなくて参考9だと思います。ストレッチは資料9だと思います。
○安藤委員
 57ページですか。
○甲田座長
 そうです。
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員
 指針と解説のところはいいと思うのですが、58ページの参考8のアクション・チェックリストなのですけれども、まず1つは、まずチェックを行うという前文の解説文のところですが、これは39ページの介護・看護作業のアクション・チェックリストの前文というか、解説文をそのまま使ったほうがいいのではないかと思うのです。チェックの書き方がよくわからないのです。
○甲田座長
 これは四角ではなくてチェックなのです。これは多分間違いです。
○安藤委員 それと、1と2なのですけれども、1の運転座席の座面・背もたれの角度云々というのは、座面というのは前後上下動く、トラックなどは上下にも動くのですが、位置ですね。
○甲田座長
 角度のほうがよろしいですかね。
○安藤委員
 位置と角度がいいと思います。
 2なのですけれども、これは私も考えたのですが、運転の席を取り替えたり改善するというのはなかなか難しいのです。ですから、せいぜい座布団を持ってくるとか、腰にクッションを当てるとか、そういうことをする訳ですが、表現をちょっと考えた方がいいのではないかと思います。
 その他についてはいいと思います。ストレッチングの図も非常に適切だと思います。
○甲田座長
 今、安藤委員が言われたように、非常に悩んだところなのですけれども、そもそも論からいいますと、アクション・チェックリストというのは、これを見てチェックしていたものだと。
やはりみんな多分改善した方がいいといって、例えば座席を取り替えるなんていうのは非常に高価な改善策になるのですけれども、最終的な優先と書いてあって、その優先を付けるときに職場でやはり変えた方がいいのだけれども、それよりもっと簡単に出来ること。優先度の高いことがあるだろうというグループディスカッション、職場の中での討議を踏まえるという前提であるので、それに優先がつくかどうかというのは非常に職場に任せられていると言ったらいいのですかね。
職場の中で優先を付けるというのは、非常に責任を持って取り組んでいただくということですので、逆に言うと、コストがかかりすぎる改善は落ちるかもしれないというので、そのような背景というか、そういう気持ちも実はあるのです。
 ただ、確かに言われるように、その辺で言うと、例えばクッションを使うなどというのは非常に簡単に出来ることですので、その表現を変えるとか、それは考えたいと思います。
○安藤委員
 もう一つ言うと、2の座位姿勢というのがありますけれども、運転席に乗ったら、まず座席をきちんと調節して、適切な位置にするというのは乗車したときのスタートの1つなのです。
ご存じだと思いますけれども、ペダルを踏み込んだときにも、膝が伸びきらないようにするとか、ハンドルを持ったときに肩が背もたれから離れないようにするとか、そういった普段の安全性の問題も含まれるわけですが、ここのところを強調されたらいいのではないですか。
○甲田座長
 きちんとした座位姿勢にするということですね。
○安藤委員
 いすを調節する。
○甲田座長
 それは「安全に運転でき」という表現も付け加えた方がよろしいということですね。
○安藤委員
 付け加えた方がいいと思います。
 1と2は、私が一案作ってお送りします。
○甲田座長
 ありがとうございます。
○神代委員
 今のやり取りに関連して、前半に「原則として~は禁止とすること」という記述にするとか、「できるだけ~は行わないようにすること」という議論がありました。議論されている内容は違うかもしれないですが、指針、解説等にはどちらの方針で行くかについての統一したポリシーを持っておいたほうがよいですね。
 「禁止」の表現で統一するのだったら、この場面では最終目標として運転座席の改善を掲げて、教育・研修、次いで方法改善、最終として座席の改修または新規開発というステップを示すのも一案かと思います。いずれにしても全編にわたる思想の統一は必要かと思います。
○甲田座長
 そうすると、指針の方では、やはり減衰機能の効果のある座席に改善していくという形で、その辺で言うと、解説の方で改造、改善が難しければ、このような対策もありますよという形で。
○神代委員
 前にも申し上げましたように方法改善で進まない場合にはこういう支援の道具とかを取り入れることも必要だとかですね。
○甲田座長
 ありがとうございます。
 では、今のご意見で、指針の本文と解説の表現というか、その辺を統一させていただければと思います。
 北原委員、どうぞ。
○北原委員
 言葉のことですが、本文の54ページ「(4)構内作業場の環境の改善」の上から3行目「荷物の運転」とありますが、これは「運搬」ですね。もうひとつ、解説の方にもあるのですが「車による荷物の運搬」ではないかと思います。
○甲田座長
 そうですね。失礼しました。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 幾つか宿題をいただきながら、ご意見を踏まえて、もうちょっと手直しする必要が多分出てくるだろうと思っておりますけれども、指針についての検討というか、討議というのは、一応以上ということで、これ以降もまた何かご意見があったら、その辺に対しては事務局の方にいただければと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 指針については以上となります。
 次は、報告書(案)のご説明をいただいて討議したいと思います。事務局の方から、ご説明をよろしくお願いいたします。
○毛利調査官
 資料3、69ページに報告書(案)を作成してございます。
 まず、70ページに「I 検討会開催要綱及び参集者」、検討の経緯につきまして記述してあります。
 72ページ以降に、第1回検討会でお示しをしました腰痛の発生状況を載せております。時間の関係で、説明は省略させていただきます。
 83ページをごらんいただきたいのですが、これも現状で「2 腰痛予防対策の現状」として、(1)は先ほども少し見ていただきましたが「法令の基準」ということで、女性労働基準規則の基準を入れてあります。
 (2)行政指導の基準としまして、「ア」が今回改訂に係る腰痛予防対策指針についてのものでございます。
 そのほか、チェックリストなども出ていて、ポイントとエクササイズという話も第1回でご紹介をさせていただいたところでございます。
 86ページに「III 腰痛予防対策指針及び解説の改訂案」がございます。ここからが今回検討の内容についてまとめた部分でございまして、このIIIは、今ほど検討していただきました資料1がそのまま入るというイメージでございますけれども、その前文といたしまして、今回の改訂のポイントを少し記述しております。
 今回改訂の検討に当たっては、従来の指針を一般的な総論部分があって、その後に作業対応別の対策でございましたので、その構成は残すことにしまして、まず大きく変更した点としては、アとしまして、リスクアセスメント、マネジメントシステムについて総論部分に項目立てして記述したこと。
 作業態様別の対策については、より具体的な福祉・医療等における介護・看護作業、長時間の運転作業についてはリスクアセスメントの手法により記述をしたということを書いております。
 イとしまして、このうち介護作業の対策につきましては、適用の範囲及び内容を充実したことということで、旧指針は肢体不自由児施設ですとか、老人ホームなどによる介護でございましたけれども、今回は福祉・医療等における介護・看護作業として、社会福祉施設をはじめ、医療機関、訪問介護なども含めて対象としているということを書いております。
 2としましては、ご覧いただいたとおり、リスクアセスメントなどを取り入れまして、大幅に内容を充実したということでございます。作業標準など具体的なものも入れているということでございます。
 87ページに「IV 腰痛予防対策指針の普及について」ということで、これは前回、最後のほうに少しフリーディスカッションをしていただいた内容も含め、また検討会の後にいただいたご意見を踏まえて記述をしているということでございます。
 1が労働局、予算事業。これは前回ご説明したとおりでございます。アとイの後ろで今回足しています。こうした指導の実施に当たっては、3管理、労働衛生教育が柱になるのですけれども、施設長など管理者が責務を負っているということを自覚していただく。それから、責任者を明確にして、具体的な対策を行うことがまず重要である。
 対策としては、リフト等の福祉用具を施設に導入する。作業標準・マニュアルなどを整備し、機器の操作、腰痛を起こさない介護技術を労働者教育、研修によって徹底していくということで、管理者、労働者の両方研修する必要がありますよということです。
 この設備の導入につきましては、安定局の助成金がありますということで、これはこれまであるものが少し模様替えをするようですけれども、内容は変わらないと聞いております。介護福祉機器助成というものを活用して、この設備の整備をしていただきたいということでございます。
 以上が大きな1です。
 2としまして、関係機関との連携ということで、都道府県の方ではかなりきっちりした指導をしているというご示唆をいただきましたので、88ページに参りまして、一部の労働局では、そうした都道府県が開催する社会福祉法人向けの説明会に労働局の説明時間を確保しておりますけれども、そうしたものを全国的にやればいいのではないかということでございます。
 (2)は労働災害防止団体による出版・研修を図ってはどうかということで、まずはこの指針についての解説をするような出版をされて、イラストや例がたくさん入っていれば、かなり普及するのではないかということ。それから、管理者、労働者を対象とした研修を実施してもらえばいいのではないかというご提案がございまして、
 (3)としまして、産業保健スタッフ、社会保険労務士等との連携としまして、医師、看護師への浸透が重要であるということで、医師会ですとか、看護協会ですとか、そうした専門職団体、あるいは産業衛生学会などと連携をして周知に取り組んだり、あるいは産業保健推進センターの研修ですとか、社会保険労務士に対する周知というのも図るというご提案でございます。
 それから、これも前回ございましたが、過去には全国的なゼロ作戦というものがあったわけですので、腰痛ゼロ作戦を展開してやろうということも書き込んでおります。
 以上でございます。
○甲田座長
 ありがとうございます。
 それでは、何かご意見のある方、ご発言をお願いいたします。
 岩切委員、どうぞ。
○岩切委員
 86ページに書かれてあります改訂案のところですが、基本的にはよいと思いますが、不足している点があります。今回の改訂においての変更点は大きく3つあります。1つ目は、リスクアセスメントとマネジメントシステムを加えた点です。作業管理、作業環境管理、健康管理、労働衛生教育を推進するために、リスクアセスメントとマネジメントの導入が必要であることを明記しました。
 2つ目は、腰痛の発生要因として、これまで動作要因、環境要因、個人的要因が挙げられていますが、それらに心理・社会的要因を加えた点です。86ページには、この心理・社会的要因の部分が記載されていません。
 3つ目は、第3次産業の中でも特に介護・看護作業、車両運転に特化した具体的な対策を記載した点です。この3つが基本的に今回の腰痛指針の改訂の大きな柱ですので、心理・社会的要因に関する変更部分を86ページに加えていただければと思います。
○甲田座長
 そのほかどうぞ。
○本村委員
 その中に含まれるのかもしれませんけれども、施設の介護作業でリフトを優先して使うということで、それで極力人力で持ち上げないということが明確にされると思うので、そこら辺を書いていただくほうがいいかと思います。
○甲田座長
 ほかにいかがでしょうか。
 今、指針のポイントというか、こういうところが今回は非常に変わったのだよという話での強調する点として、こんなものをつけ加えてくれという話でございますけれども、それでも構いません。いかがでしょうか。
 本村委員、どうぞ。
○本村委員
 87ページの真ん中の段落で「施設長等管理者自らまたは腰痛予防の取組責任者を明確にし」とありますが、これは選んで任命する「選任し」のほうが責任をちゃんと持ってやれるという意味合いが出てくるので、明確にするだけではなくて「選任する」とした方がよろしいかと思います。
 「2 関係機関との連携」の1もそうです。
○甲田座長
 これはいかがでしょうか。
 ちょっとわからないのですが、現状では選任されていないのですか。
○本村委員
 それは余りできていないのではないでしょうか。どうですか。
○甲田座長
 「選任」は選ぶほうの「選任」ですね。
 だから、例えば衛生管理者の選任だとかいうときに使う「選任」ですね。あれは選任した上で届出がなければいけないという話になっていますね。そういうのはないということなのですか。
○萩尾委員
 腰痛に関して責任者という位置付けはありません。
○甲田座長
 これでいうと「責任者」となっているので、ちょっと意味合いが違うのかなと思って、その辺がわからないのでお伺いしたのです。
○萩尾委員
 施設では、基本的には衛生委員会の中の取り組みとして、腰痛を扱っているという認識ですけれども、その中では事業所の長が衛生管理責任者という位置付けにしています。
○甲田座長
 衛生責任者ということになるのですか。
○萩尾委員
 はい。衛生管理責任者が衛生管理全般について責任を持っています。
○本村委員
 前段のほうの腰痛予防の取り組み責任者という部分ですけれども、テクノエイド協会では、リフトリーダー養成事業というものを介護実習・普及センターでやっているのですが、要するに施設の中でそういう腰痛予防に取り組むリーダーがいないのです。リフト操作のできる人もいないので、そういうリフト操作も指導するようなリーダーを選任して、施設の中で活躍してもらった方がいいのかなという意味です。
○北原委員
 現時点では「選任」の前に「養成」がいるのですね。腰痛に特化した形の責任者を選ぶというのは、これからなのですね。養成をして、そういう人を任命するとか、この人が腰痛予防の責任者ですよということは大事だと思うのです。
○本村委員
 今、養成施設はあるのですけれども、全国で8カ所ぐらいしかまだやっていなくて、年間200人ぐらいしか養成できていないのです。
○甲田座長
 指針の議論の中でも、ざっと読んで、具体的にリスクアセスメントを進めていくだとか、作業標準をつくっていくだとか、いろいろな作業があると思うのですけれども、そういった場合には、少なからずトレーニングというか、養成する必要は出てくるのかもしれないという気がするのです。
 ですから、そういう意味で言うと、選んで、そういうスキルもつけていただいて、そういう責任者の目で明確にするというか、そういう作業も必要なので、幾つかやらなければいけないことがあるのかなという感じはいたしております。
○神代委員
 いわゆる、それが最後の普及事業のところで議論することかと思います。たとえば、インストラクターコースとかいった研修事業をつくって、まずはそうした腰痛予防に関するパイロット的な役割を果たす人達が選任されるというステップを作っていけばよいと思います。
○甲田座長
 現実的には、そういうものがあっても、なかなか人がいないだとか、いろいろなこともあったりするのですけれども、今回はそういう事業を是非進めていただきたいということになりますね。
 その他いかがでしょうか。
○本村委員
 25年度から、介護労働懇談会というものを職業安定局と職業能力開発局でやられるということで、それは各県単位に労働部局が中心になって、介護人材の確保とか、定着とか、そういう関係機関が集まって議論をする、情報交換をするという場が設けられるということなので、ここにもそういった地方レベルでの関係機関との情報交換の場を活用して、腰痛予防のための情報交換ができるような、そういったものを書いていただいたほうがいいと思います。
○甲田座長
 それは労働局の方からということですか。
○本村委員
 労働局の方から老健局に協力依頼が来て、それを私の方に来ているのですよ。2月下旬でしたかね。
○甲田座長
 これは都道府県レベルでそういうことをやるということですね。
 いかがですか。他はよろしいですか。
 それでは、大分指針案と報告書(案)で、最後の方は普及等に当たって、いろいろと委員の方々から大変貴重なご意見をいただきまして、意見も出尽くしたのではないかと思っております。
 検討は、一応これにて終了したいと思っておりますけれども、先程少し言いましたように、幾つかご指摘がありましたように、宿題、調整等が若干残っております。
最終的に報告書の成案等については、今後、各委員から事務局のほうにコメントなり、いろいろなものをいただきながら成案をつくって、それをもう一度見ていただきながら、そういうやりとりをしながら完成させていくということになるのだろうと思いますが、最終的には、検討会としては、座長として私の方に一任させていただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○甲田座長
 ありがとうございます。
 それでは、若干早く終わったのでございますけれども、最後に安全衛生部長からご挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○宮野安全衛生部長
 それでは、一言ご挨拶を申し上げます。
 この報告書、指針の案が取れるまでには、まだもう少し委員の皆様のお手数を煩わすことになりますけれども、委員の皆様がお集まりいただく検討会としては、今回が最終回の予定ということでありますので、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 この検討会は、今年の1月9日に第1回を開催させていただきまして、大体2カ月半の間で4回開催をさせていただきました。非常にタイトなスケジュールの中で、忌憚のない意見交換をしていただきまして、今、申しましたとおり、ほぼ新しい改訂された指針案が見えてきたという状態になったと考えております。
 活発なご議論をいただいて、非常に具体性のある、利用する労働者、事業者にとっても使い易いものが出来てくるのではないかと思っております。
 後、私共としては、この改訂された指針をどういうふうにそれぞれの事業所、施設で活用していくか。それがこれから一番大きなポイントであろうと思っております。
 また、委員の皆様方にも、それぞれのお立場で新しい指針の周知についても、またご協力を是非いただきたいと思っております。
 いずれにしても、繰り返しになりますけれども、委員の皆様には、この2カ月半、大変なご尽力をいただいたことについて、改めていま一度厚くお礼を申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。
 本当にありがとうございました。
○甲田座長
 ありがとうございました。
 それでは、私の方からも一言。
 私個人的には、労働衛生の研究で腰痛というものを取り上げて、ずっと今までやってきております。記憶を起こせば、19年前の指針等に関しても、私共の先輩が関与した経緯がございます。うちの研究所の方からも委員が出ております。
 今回、こういう形で携わらせていただいたことは非常に光栄でございますし、ぜひ皆様方からいただいた意見は反映させなければいけないという意気込みといいますか、そういうつもりで取り組んできたつもりでございます。
 ただ、非常に力不足のところもあり、委員の方々から助言をいただき、作業チームとして岩切委員、北原委員からかなりいろいろとご尽力いただいたことで、何とかここまで来たのではないかと思っております。
 最後に、安全衛生部長もおっしゃられていたように、今後この「案」が取れて、有用な指針となって現場に定着していくことが我々委員の願いでもありますので、是非そのときにまたいろいろとお知恵を拝借いただければと思います。
 どうもありがとうございました。
 それでは、事務局にお返しいたします。
○毛利調査官
 それでは、今後につきましてでございますが、残された課題がございますので、整理をいたしました上で、出来た段階で各委員にご確認をお願いするということになります。
 その前に、先ほど座長からありましたように、何かご意見等でまだ述べ足りなかったということがあればいただきたいと思いますが、大体1週間ほどでよろしいでしょうか。4月3日が水曜日でございますので、その日までにいただきたいと思っております。
 それでは、これにて「職場における腰痛予防対策指針の改訂及びその普及に関する検討会」を閉会いたします。
 本当にどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局安全衛生部労働衛生課

調査官: 松下 高志
業務第4係長: 吉岡 生博
(代表)03(5253)1111(内線5498)

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