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第19回ILO懇談会議事要旨
大臣官房国際課
日時
平成24年9月4日(火) 15:30~17:30
場所
厚生労働省共用第14会議室(22階)
出席者
(1)労働者側
桜田 高明 (日本労働組合総連合会国際顧問)
市川 佳子 (日本労働組合総連合会総合国際局長)
(2)使用者側
横尾 賢一郎 (一般社団法人日本経済団体連合会国際協力本部長)
松井 博志 (一般社団法人日本経済団体連合会国際協力本部副本部長)
高澤 滝夫 (一般社団法人日本経済団体連合会国際協力本部主幹)
(3)政府側
妹尾 吉洋 (厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当))
藤井 康弘 (厚生労働省大臣官房国際課長)
井内 雅明 (厚生労働省大臣官房国際課統括調整官)
桜田 高明 (日本労働組合総連合会国際顧問)
市川 佳子 (日本労働組合総連合会総合国際局長)
(2)使用者側
横尾 賢一郎 (一般社団法人日本経済団体連合会国際協力本部長)
松井 博志 (一般社団法人日本経済団体連合会国際協力本部副本部長)
高澤 滝夫 (一般社団法人日本経済団体連合会国際協力本部主幹)
(3)政府側
妹尾 吉洋 (厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当))
藤井 康弘 (厚生労働省大臣官房国際課長)
井内 雅明 (厚生労働省大臣官房国際課統括調整官)
議題
○ 報告案件
議題1 第101回ILO総会について
1)政府からの報告
2) 意見交換
○ 協議案件
議題2 2012年 年次報告について
1)政府からの説明
2)意見交換
議題1 第101回ILO総会について
1)政府からの報告
2) 意見交換
○ 協議案件
議題2 2012年 年次報告について
1)政府からの説明
2)意見交換
議事
議題1:第101回ILO総会について
妹尾総括審議官(国際担当)からの挨拶、藤井国際課長からの出席者紹介に引き続き、政府側より資料1に基づき第101回ILO総会の概要報告がなされた。
○ ミャンマーの強制労働問題について
(使用者側)
強制労働についての改善があったということではなくて、それに対する政策に変更があったことを評価しているということか。
(政府側)
ミャンマー国内での強制労働については、実態としても改善されてきている。理事会の代表が現地に赴いて、国内での強制労働の状況について調査実施をした上で今回見直しをしている。一方で、強制労働問題について完全に改善されたわけではないので、毎年の総会の特別会合で引き続き改善状況をみて、ミャンマーに対する措置の見直しについて議論することとなっている。
○ 基準適用委員会について
(労働者側)
基準適用委員会については、87号条約の解釈をめぐり、使用者側から条約勧告適用専門家委員会の権限、ストライキ権、個別審査リストの問題が提起され、再び論争になった。個別審査リストが採択されなかったのは残念だが、これを契機として、ILOのもつ監視機能の一層の強化につなげる必要がある。9月中旬に行われる非公式協議をはじめ、政労使で新事務局長のもと、11月の理事会でも活発な議論をしていきたい。来年の総会では同様のことが繰り返されないよう、リストの作成問題についてはわれわれも力を尽くしたいので、ぜひ皆で力を合わせて乗り切っていきたい。
(政府側)
労働者側のおっしゃった点については、非公式協議や次の理事会に向けて、ぜひ三者で成果につながるような議論をした上で、来年の総会時には個別審査をできるようにしたい。
今は労側・使側のなかで検討中であると思うが、政府側でもどの点について優先順位を付けて議論をしていくか、といったやりとりがされており、必要であれば意見交換をさせていただきたい。
(使用者側)
基準適用委員会の問題は、使用者側としても非常に残念だと思っている者がいるということを理解していただきたい。事の発端は、条約解釈権限が専門家委員会にないのに、あたかも解釈権限があるように思われるような「一般調査報告書」が公表され、それも8つの中核的条約すべてに対する解説が1つの報告書で出されたことにある。使用者側としては、『これはILOの三者の公式見解ではない』といった説明書きがもう少し丁寧になされるべきであったと考える。したがって、いわゆるスト権について否定している訳ではない。スト権の具体的な内容については、その手続論を含めてそれぞれ国内法に則って決められるべきだということが今回使用者側として主張したい点であることをご理解賜りたい。
議題2:2012年 年次報告について
資料2-1から10に基づき、第19号条約、第27号条約、第29号条約、第102号条約、第121号条約、第131号条約、第138号条約、第144号条約、第181号条約及び第182号条約について説明がなされた後、意見交換が行われた。
○ 第19号条約
(労働者側)
2010年7月の出入国管理及び難民認定法の改正・施行について、技能実習制度の実施状況を把握し、問題があれば見直しを行ってもらいたい。
(政府側)
出入国管理及び難民認定法の改正により、外国人技能実習生も、原則労働関係法令が適用されることとなり、外国人技能実習生・受入企業側への周知を行っている。入国管理局、労働基準監督署が連携し対応しているところである。
(使用者側)
ここでの議論の目的は、批准している条約についての履行状況を政府が正確に年次報告に記述しているどうかを確認することにある。他の条約に対する政府意見も含め、適切に行われていると判断した場合、使用者側としては意見を付することはしなかった。従って、この懇談会でも問題がないと判断している条約については、コメントをする必要はないと考えている。
○ 第27号条約
(労働者側)
コンテナ貨物への重量標示記載を義務付けることや、海上コンテナ貨物の安全輸送確保に向けた、条約など国際基準の強化と拘束性ある国内法整備を早期に実現してもらいたい。
(政府側)
労働安全衛生法第35条において、コンテナの最大積載重量の表示が義務付けられており、これは条約基準に適合したものと理解している。また、コンテナ情報の伝達やトラック事業者の遵守事項を定めた「国際海陸一貫運送コンテナの自動車運送の安全確保に関する法律案」が3月6日に閣議決定され、今国会に提出されている。
○ 第29号条約
(労働者側)
偽装結婚対策について、引き続きこの問題に対する政府の取組、監視の強化をお願いしたい。また、人身取引被害者の保護についても、人権に配慮した被害者の保護を含めた対策を講じてもらいたい。
(政府側)
偽装結婚対策については、近年増加傾向であることもあり、入国管理局が対応を強化し、関係機関との連携、被害者の保護を含め取り組んでいる。
○ 第102号条約
(労働者側)
傷病給付の被用者総数に対する保護対象被用者数の比率が68.6%、老齢給付の被用者総数に対する保護対象被用者数の比率が59.8%と政府報告にて示されているが、通常の労働者の3/4以上の労働時間であることが社会保険制度の加入要件とされており、非正規労働者が増加している昨今の状況を踏まえると、社会保険制度でカバーされない対象者が増えていくものと考えられる。条約第29条については、老齢給付の受給資格が25年で非常に長い。家族給付についても、児童手当について、子供、家族に対する社会保障給付の割合を現状から今少し増やしてもらいたい。条約第71条の健康保険についても、健康保険制度のあり方について高齢者医療制度の問題を含めトータルの改革が必要である。
(政府側)
「短時間労働者への社会保険の適用拡大に関する法律」が8月10日に成立し、同月22日に公布された。賃金要件が定められ、適用対象拡大に向けた第一歩であったと思う。政府としては、短時間労働者の割合が多い業種など関係者の理解を求め、法律の円滑な施行に取り組むことにしている。また、法律附則に基づき施行後3年までの間に、適用範囲について検討を行い、必要な措置を講じることとされている。年金の受給要件については、従来の25年という受給資格を10年に短縮する法律が成立し、2015年から受給資格期間が10年になる。
○ 第121号条約
(労働者側)
平成22年6月に閣議決定された新成長戦略の中で「2020年度までに労働災害発生件数を3割削減する。」と掲げているが、2年連続で労働災害の死傷者数が増加している。職場における労働者の労働安全衛生の確保に向け、取り組んでもらいたい。外国人技能実習制度について、実態把握に努めるとともに制度のあり方を検討する必要がある。
(政府側)
2年連続で労働災害による死傷者数が増加していることは事実であり、労働安全衛生行政においてもこの問題を重視している。このため、労働災害が増加している業種(建設業、陸上貨物運送事業、小売業・社会福祉施設などの第三次産業)を対象として労働災害防止に向けた集中的な取組を進めている。労働災害の防止は、労働安全衛生行政の最大の使命であり、今後も重点的に労働災害防止に向けた取組を行っていくこととしている。また、平成23年4月に取りまとめられた「安全から元気を起こす戦略」に基づき、安全活動に意識のある企業が評価される仕組みづくりを進めている。
○ 第131号条約
(労働者側)
漁船員に適用される特定最低賃金は、遠洋まぐろ、大型イカ釣り、大中型まき網漁業、沖合底曳き網漁業の4業種に設定されており、約46%の漁船員が最低賃金の保護を受けていない。
賃金改定状況調査は依然として常用労働者30人未満の企業を対象としている。この規模の事業所は労働組合の組織率が低く、この規模の事業所に対する賃金改定状況調査をもって賃金を含む労働条件を労使が自主的かつ対応の立場で決定しているとは言い難く、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮しているとするのは適切ではない。
労働基準監督官数については、引き続き労働基準監督官の増員、充実を求める。
生活保護と最低賃金の整合性の問題について、先般発表されたとおり、未だ11都道府県の最低賃金水準が生活保護水準を下回っていることは遺憾である。生活保護水準と最低賃金水準の比較方法について、その整合性を含め更に政労使三者の協議が必要である。
(政府側)
漁船員の最低賃金適用関係について、国土交通省の交通政策審議会では労使の合意がなければ最低賃金の決定がなされないため漁業最低賃金の設定が4業種となっている。賃金改定状況調査は、賃金の低廉な労働者について賃金の最低額を保障する、という最低賃金法の目的等を踏まえ、賃金の低廉な労働者の賃金改定の状況等を把握する調査であることから、常用労働者が30人未満の中小零細企業の事業所を調査対象としている。「目安制度のあり方に関する全員協議会」における検討の際には、「調査対象事業所を含め引き続き検討することが必要である。」とされていることから、厚生労働省としても引き続き取組を進めていきたい。
○ 第138号条約
(労働者側)
特段の意見はない。
○ 第144号条約
(労働者側)
このILO懇談会の充実強化によって、批准に向けた取り組みを進めるよう政労使で努力していかなければならない。
(政府側)
ILO懇談会の公開できる情報を増やすなど議事要旨の内容を充実することでILO懇談会の強化を図っていきたい。
○ 第181号条約
(労働者側)
労働者派遣法については、引き続きの検討事項とされている?登録型派遣の在り方、?製造業務派遣の在り方、?特定労働者派遣事業の在り方、?専門26業務の見直し等の早期の検討に向け、労働力需給制度部会を速やかに開始してもらいたい。
(政府側)
成立した労働者派遣法改正法は、派遣労働者の保護と雇用の安定のために非常に重要なものと考えている。今後は、同改正法の10月1日の施行がスムーズに実施されるよう更なる周知指導等に努めてまいりたい。登録型派遣の在り方を検討事項とするとの国会審議の過程で行われた修正に則り、政府としても真摯に検討を進めていきたい。
○ 第182号条約
(労働者側)
特段の意見はない。
(使用者側)
冒頭申し上げたように、2012年 年次報告について特段の意見はない。
(了)
妹尾総括審議官(国際担当)からの挨拶、藤井国際課長からの出席者紹介に引き続き、政府側より資料1に基づき第101回ILO総会の概要報告がなされた。
○ ミャンマーの強制労働問題について
(使用者側)
強制労働についての改善があったということではなくて、それに対する政策に変更があったことを評価しているということか。
(政府側)
ミャンマー国内での強制労働については、実態としても改善されてきている。理事会の代表が現地に赴いて、国内での強制労働の状況について調査実施をした上で今回見直しをしている。一方で、強制労働問題について完全に改善されたわけではないので、毎年の総会の特別会合で引き続き改善状況をみて、ミャンマーに対する措置の見直しについて議論することとなっている。
○ 基準適用委員会について
(労働者側)
基準適用委員会については、87号条約の解釈をめぐり、使用者側から条約勧告適用専門家委員会の権限、ストライキ権、個別審査リストの問題が提起され、再び論争になった。個別審査リストが採択されなかったのは残念だが、これを契機として、ILOのもつ監視機能の一層の強化につなげる必要がある。9月中旬に行われる非公式協議をはじめ、政労使で新事務局長のもと、11月の理事会でも活発な議論をしていきたい。来年の総会では同様のことが繰り返されないよう、リストの作成問題についてはわれわれも力を尽くしたいので、ぜひ皆で力を合わせて乗り切っていきたい。
(政府側)
労働者側のおっしゃった点については、非公式協議や次の理事会に向けて、ぜひ三者で成果につながるような議論をした上で、来年の総会時には個別審査をできるようにしたい。
今は労側・使側のなかで検討中であると思うが、政府側でもどの点について優先順位を付けて議論をしていくか、といったやりとりがされており、必要であれば意見交換をさせていただきたい。
(使用者側)
基準適用委員会の問題は、使用者側としても非常に残念だと思っている者がいるということを理解していただきたい。事の発端は、条約解釈権限が専門家委員会にないのに、あたかも解釈権限があるように思われるような「一般調査報告書」が公表され、それも8つの中核的条約すべてに対する解説が1つの報告書で出されたことにある。使用者側としては、『これはILOの三者の公式見解ではない』といった説明書きがもう少し丁寧になされるべきであったと考える。したがって、いわゆるスト権について否定している訳ではない。スト権の具体的な内容については、その手続論を含めてそれぞれ国内法に則って決められるべきだということが今回使用者側として主張したい点であることをご理解賜りたい。
議題2:2012年 年次報告について
資料2-1から10に基づき、第19号条約、第27号条約、第29号条約、第102号条約、第121号条約、第131号条約、第138号条約、第144号条約、第181号条約及び第182号条約について説明がなされた後、意見交換が行われた。
○ 第19号条約
(労働者側)
2010年7月の出入国管理及び難民認定法の改正・施行について、技能実習制度の実施状況を把握し、問題があれば見直しを行ってもらいたい。
(政府側)
出入国管理及び難民認定法の改正により、外国人技能実習生も、原則労働関係法令が適用されることとなり、外国人技能実習生・受入企業側への周知を行っている。入国管理局、労働基準監督署が連携し対応しているところである。
(使用者側)
ここでの議論の目的は、批准している条約についての履行状況を政府が正確に年次報告に記述しているどうかを確認することにある。他の条約に対する政府意見も含め、適切に行われていると判断した場合、使用者側としては意見を付することはしなかった。従って、この懇談会でも問題がないと判断している条約については、コメントをする必要はないと考えている。
○ 第27号条約
(労働者側)
コンテナ貨物への重量標示記載を義務付けることや、海上コンテナ貨物の安全輸送確保に向けた、条約など国際基準の強化と拘束性ある国内法整備を早期に実現してもらいたい。
(政府側)
労働安全衛生法第35条において、コンテナの最大積載重量の表示が義務付けられており、これは条約基準に適合したものと理解している。また、コンテナ情報の伝達やトラック事業者の遵守事項を定めた「国際海陸一貫運送コンテナの自動車運送の安全確保に関する法律案」が3月6日に閣議決定され、今国会に提出されている。
○ 第29号条約
(労働者側)
偽装結婚対策について、引き続きこの問題に対する政府の取組、監視の強化をお願いしたい。また、人身取引被害者の保護についても、人権に配慮した被害者の保護を含めた対策を講じてもらいたい。
(政府側)
偽装結婚対策については、近年増加傾向であることもあり、入国管理局が対応を強化し、関係機関との連携、被害者の保護を含め取り組んでいる。
○ 第102号条約
(労働者側)
傷病給付の被用者総数に対する保護対象被用者数の比率が68.6%、老齢給付の被用者総数に対する保護対象被用者数の比率が59.8%と政府報告にて示されているが、通常の労働者の3/4以上の労働時間であることが社会保険制度の加入要件とされており、非正規労働者が増加している昨今の状況を踏まえると、社会保険制度でカバーされない対象者が増えていくものと考えられる。条約第29条については、老齢給付の受給資格が25年で非常に長い。家族給付についても、児童手当について、子供、家族に対する社会保障給付の割合を現状から今少し増やしてもらいたい。条約第71条の健康保険についても、健康保険制度のあり方について高齢者医療制度の問題を含めトータルの改革が必要である。
(政府側)
「短時間労働者への社会保険の適用拡大に関する法律」が8月10日に成立し、同月22日に公布された。賃金要件が定められ、適用対象拡大に向けた第一歩であったと思う。政府としては、短時間労働者の割合が多い業種など関係者の理解を求め、法律の円滑な施行に取り組むことにしている。また、法律附則に基づき施行後3年までの間に、適用範囲について検討を行い、必要な措置を講じることとされている。年金の受給要件については、従来の25年という受給資格を10年に短縮する法律が成立し、2015年から受給資格期間が10年になる。
○ 第121号条約
(労働者側)
平成22年6月に閣議決定された新成長戦略の中で「2020年度までに労働災害発生件数を3割削減する。」と掲げているが、2年連続で労働災害の死傷者数が増加している。職場における労働者の労働安全衛生の確保に向け、取り組んでもらいたい。外国人技能実習制度について、実態把握に努めるとともに制度のあり方を検討する必要がある。
(政府側)
2年連続で労働災害による死傷者数が増加していることは事実であり、労働安全衛生行政においてもこの問題を重視している。このため、労働災害が増加している業種(建設業、陸上貨物運送事業、小売業・社会福祉施設などの第三次産業)を対象として労働災害防止に向けた集中的な取組を進めている。労働災害の防止は、労働安全衛生行政の最大の使命であり、今後も重点的に労働災害防止に向けた取組を行っていくこととしている。また、平成23年4月に取りまとめられた「安全から元気を起こす戦略」に基づき、安全活動に意識のある企業が評価される仕組みづくりを進めている。
○ 第131号条約
(労働者側)
漁船員に適用される特定最低賃金は、遠洋まぐろ、大型イカ釣り、大中型まき網漁業、沖合底曳き網漁業の4業種に設定されており、約46%の漁船員が最低賃金の保護を受けていない。
賃金改定状況調査は依然として常用労働者30人未満の企業を対象としている。この規模の事業所は労働組合の組織率が低く、この規模の事業所に対する賃金改定状況調査をもって賃金を含む労働条件を労使が自主的かつ対応の立場で決定しているとは言い難く、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮しているとするのは適切ではない。
労働基準監督官数については、引き続き労働基準監督官の増員、充実を求める。
生活保護と最低賃金の整合性の問題について、先般発表されたとおり、未だ11都道府県の最低賃金水準が生活保護水準を下回っていることは遺憾である。生活保護水準と最低賃金水準の比較方法について、その整合性を含め更に政労使三者の協議が必要である。
(政府側)
漁船員の最低賃金適用関係について、国土交通省の交通政策審議会では労使の合意がなければ最低賃金の決定がなされないため漁業最低賃金の設定が4業種となっている。賃金改定状況調査は、賃金の低廉な労働者について賃金の最低額を保障する、という最低賃金法の目的等を踏まえ、賃金の低廉な労働者の賃金改定の状況等を把握する調査であることから、常用労働者が30人未満の中小零細企業の事業所を調査対象としている。「目安制度のあり方に関する全員協議会」における検討の際には、「調査対象事業所を含め引き続き検討することが必要である。」とされていることから、厚生労働省としても引き続き取組を進めていきたい。
○ 第138号条約
(労働者側)
特段の意見はない。
○ 第144号条約
(労働者側)
このILO懇談会の充実強化によって、批准に向けた取り組みを進めるよう政労使で努力していかなければならない。
(政府側)
ILO懇談会の公開できる情報を増やすなど議事要旨の内容を充実することでILO懇談会の強化を図っていきたい。
○ 第181号条約
(労働者側)
労働者派遣法については、引き続きの検討事項とされている?登録型派遣の在り方、?製造業務派遣の在り方、?特定労働者派遣事業の在り方、?専門26業務の見直し等の早期の検討に向け、労働力需給制度部会を速やかに開始してもらいたい。
(政府側)
成立した労働者派遣法改正法は、派遣労働者の保護と雇用の安定のために非常に重要なものと考えている。今後は、同改正法の10月1日の施行がスムーズに実施されるよう更なる周知指導等に努めてまいりたい。登録型派遣の在り方を検討事項とするとの国会審議の過程で行われた修正に則り、政府としても真摯に検討を進めていきたい。
○ 第182号条約
(労働者側)
特段の意見はない。
(使用者側)
冒頭申し上げたように、2012年 年次報告について特段の意見はない。
(了)