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2013年1月24日 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第60回)議事録

○日時

平成25年1月24日(木)10:00~11:45


○場所

中央労働委員会会館612会議室


○出席者

真野部会長、大島部会長代理、浅野委員、五十嵐委員、橋田委員、平井委員、松原委員

○議事

(以下、議事録)

○真野部会長
 皆さんおはようございます。新年初めての委員会ということで、また今年もよろしくお願いします。
 大島先生が少し遅れられるということですが、定足数も達しておりますので始めさせていただきます。今回は、第60回「独立行政法人評価委員会医療・福祉部会」です。本日は石渡先生が欠席となっております。
 最初に、審議に入る前に事務局のほうで異動があったと聞いておりますので、御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○政策評価官
 9月10日付で政策評価官を拝命いたしました峯村と申します。前職は社会・援護局の援護課長でございました。今後ともよろしくお願いいたします。

○真野部会長
 ありがとうございました。それでは、事務局から本日の議事について説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 本日は省内の会議室が取れず、御迷惑をおかけしております。
 議事説明の前に、1つ御報告があります。当部会の臨時委員を務めていただいておりました關委員ですが、一身上の都合によりまして、御退任されておりますのでこの場を借りて御報告いたします。
 それでは、本日の議事について御説明いたします。本日はまず、福祉医療機構の、「組織・業務全般の見直し案」について御審議いただきます。そのあと、法人を入れ替えて、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の「組織・業務全般の見直し案」の御審議をいただきます。法人退出後、総務省の政・独委より、二次評価の結果がきておりますので、その御報告と、平成23年度の業務実績の評価結果の主な反映について事務局より御報告いたします。以上です。

○真野部会長
 今、御紹介がありましたように、福祉医療機構の「組織・業務全般の見直し案」に入るのですが、はじめに、事務局から今回の審議の位置付けについて説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 8月16日の第59回医療・福祉部会と、8月31日の第31回総会において、「組織・業務全般の見直し当初案」を御審議いただいております。この「見直し当初案」につきましては、総務省政・独委が「独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」を策定し、1月21日に厚生労働大臣宛に通知され、併せて、当評価委員会にも参考に送付されております。
 厚生労働大臣はこれを踏まえ「組織・業務全般の見直し案」を作成することとなりますが、作成に当たっては、評価委員会の意見を聴かなければならないと独法通則法に定められておりますので、この「見直し案」を本日の部会で御審議いただき、続いて1月30日に予定しております総会で御審議いただくことになっております。以上です。

○真野部会長
 それでは、福祉医療機構の「組織・業務全般の見直し案」について審議をいたします。所管課から説明をお願いします。

○社会・援護局福祉基盤課長
 おはようございます。厚生労働省で社会・援護局の福祉基盤課長をしております友藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私のほうから簡単に見直し案について、資料1-1~1-5を使いまして御説明いたします。まず最初に、今回の総務省の政策評価独立行政法人評価委員会から示されました「勧告の方向性」についてです。それほど長くないものですから、資料1-5に勧告の方向性そのものが入っておりますので、こちらで御説明いたします。
 資料1-5をご覧ください。事務及び事業の見直しとして大きく分けて2つあります。1つが、民間金融機関と協調した融資の推進です。福祉・医療分野については、今後新たな成長が期待される分野ということで、機構においてはその当該分野に対する政策融資金融機関として大きな役割を担うことが求められているという形になっております。機構については以下のとおり、民業補完を徹底し、融資対象の重点化を図るものとするという形にされております。また、これまでの融資や経営診断を通じて得てきたノウハウ等を民間金融機関に積極的に提供するとともに、併せ貸しの一層の拡大を図ることが謳われております。その際、併せ貸しの利用が進んでいない児童福祉事業、障害者福祉事業については要因を分析し、当該分析結果を踏まえて利用の向上に資する取組を行うものとすると勧告されているということです。
 2つ目は、融資事業におけるモニタリングの推進です。機構は、その融資先の効率的な施設経営を図る観点から、経営基盤が脆弱とされる福祉・医療分野の事業者に対して、融資後の事業の状況、あるいはその財務の状況等を把握するためのフォローアップ調査を引き続き実施するものとすると勧告されています。
 第2として、業務全般に関する見直しです。こちらは全ての独法の共通事項という形で掲げられているものです。1つは、内部統制については、更に充実・強化を図るものとするということです。2点目は、毎年の運営費交付金額の算定に当たっては、運営費交付金債務残高の発生状況にも留意した上で厳格に行うものとする。要は、交付金の余剰金についてはその分を見て、翌年度の交付金の算定に当たって厳格に算定を行っていくということ。3点目として、そのほか、既往の閣議決定等に示された政府方針に基づく取組について、着実に実施するということです。
 それを基に私ども夏の時点で先生方に御審議をいただいておりますが、「勧告の方向性」を踏まえて、当初案の見直しをしております。資料1-1に簡単な全体の概要を入れております。具体的なものは資料1-3に、今回の「勧告の方向性」と、私どもの「見直し案」を入れております。資料1-4が全体版となっています。時間の関係もありますので、資料1-1のポンチ絵で御説明させていただきます。
 勧告の方向性を受けて、福祉医療貸付事業の(1)民間金融機関と協調した融資の推進として、[1]民間金融機関へのノウハウ等の積極的な提供。[2]併せ貸しの一層の拡大及び併せ貸しの利用が進んでいない児童福祉事業、障害者福祉事業についての要因分析に基づく利用向上に資する取組の実施です。
 次に、(2)融資事業におけるモニタリングの推進ということで、こちらも勧告の方向性を取り入れて、融資後の事業の状況や財務の状況等を把握するためのフォローアップ調査の実施ということを盛り込んでおります。
 (3)東日本大震災への対応と、(4)の融資相談の強化というのは、夏に行われた医療・福祉部会の際に出しました見直し当初案に盛り込んだものです。それから、右側の福祉医療経営指導事業など、全部で7つの事業を掲げていますが、こちらについても夏の見直し当初案に盛り込んだものです。
 次の業務全般に関する見直しということで、1.内部統制の更なる充実・強化。2.運営費交付金額の算定について、運営費交付金債務残高の発生状況にも留意した上で厳格に実施。3.既往の閣議決定等に示された政府方針に基づく取組について着実に実施。こちらは今回の勧告の方向性に基づいて新たに盛り込んだ内容です。こうした形で私ども独立行政法人福祉医療機構の「組織・業務全般の見直し案」を作成いたしました。以上で説明を終わります。

○真野部会長
 今の説明について、御意見や御質問はありますでしょうか。
 前年度からいろいろと議論をしてきた部分ですので、それほど大きな質問はないかもしれませんが、よろしいでしょうか。震災への対応といったところは、去年の話でも評価が非常に高かったというように理解しておりますが、よろしいですか。

○浅野委員
 福祉医療貸付事業について、細かい手順をあまり理解していなかったものですから、基本的な質問かもしれないですけれども、今回、民間金融機関との協調融資ということが重点になっていると思いますが、具体的に、この協調融資をやる場合に福祉医療機構から、こういう協調融資をやりたいとか、こういう案件があるという話を民間にお話されて協調融資がいくのか、それとも逆に、民間の金融機関から持ち込まれる形で一緒に協調していくのかというような点では、どういう手順がメインになると考えたらよろしいのでしょうか。もう1点はリードバンカーというか、どちらが主役になっていくようなケースが多いと考えられるのか、そういう点はいかがでしょうか。あるいは、そういうところまではまだ具体化していないということでしょうか。過去にはそういう事例があると思いますが、私は過去のことは理解してなかったので教えていただけたらと思います。

○社会・援護局福祉基盤課長
 細かい話はまた福祉医療機構の方からあるかと思いますが、とにかく融資対象を、協調融資をしていただける金融機関の掘り起こしというのがありまして、これは積極的に展開をして、福祉医療機構のほうでPRをして、その併せ貸しをしていただける金融機関を増やしております。現在295機関ですが、さらに金融機関を広げているということです。当然、福祉関係ですと、施設を担保に拠出するといった場合に、所轄庁の許可が必要になってまいりますが、福祉医療機構の融資が入りますと、そこが必要でなくなるということがあります。福祉医療機構に基本的にお話があると、そこでいろいろ協調融資の話もされながら審査をされているというのが実態かと思っております。詳しいお話はまた福祉医療機構の方からしていただきたいと思います。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
 機構の岐部です。今お話がありましたように、医療貸付と福祉貸付では一緒に銀行さんと協調するときのスタイルが少し異なっていまして、医療貸付の場合は、お客様のほうで計画を立てるときに、当然メイン銀行がありますので、そちらにもお話がいきますし、メイン銀行でも機構と一緒に資金計画を進めたほうがいいということがありますので、そちらからの助言があったり、機構のほうに直接お客様からお話があって、それで一緒に話を進めていくというスタイルが多いです。今、課長がおっしゃいましたように、福祉のほうはどちらかというと、都道府県とか市町村で計画を立てられて、基本的には補助金が先にありきですので、機構に御相談がきて、そのときに、まだ資金が足りないとか、他に融資相談等が可能な金融機関がないかというときに、機構のほうで、こういう銀行と協調融資の覚書を締結していますよ、こちらのほうの御利用もどうですか、というような形で話を進めていくということです。どちらがメインかというと、やはり福祉の方は機構メインで、そこに銀行が協調する。福祉施設に関し、財務の状況とか仕組み等がまだ分からないという金融機関もまだまだ多く、一緒に情報交換をして融資を進めていくというのが今の状況です。

○浅野委員
 どうもありがとうございました。非常に公的な財源が限られるという点で、民間の財源をうまく入れて、確かに事業採算制というのは非常に問題になると思いますけれども、いいところにはそのような方式で、公的な支援の力と民間の力も借りてよりパワーアップするというのは、海外でもそういう事例が結構盛んになりつつあると聞いておりますので、是非うまく円滑にやっていただいて、成功例を挙げていただければと思います。

○真野部会長
 ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
 質問がないようですので、ちょっと雑談的な質問ですけれども、今の浅野先生の質問にも関係するのですが、最近、地方自治体も含めて行政等が結構補助したり、かなり低利で貸し出しをするケースが増えているというように聞くのですが、そういったものが福祉医療機構の貸し出しに影響を与えているというような事例とか、状況でもよいのですが、そのようなのはありますか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
 多分、補助金に代わって低利で融資するということだと思います。そういうことで、今言われたような行政というのは制度的にあるのは別にして、機構の融資等に大きな影響があるということは、今のところあまり感じてはいません。

○真野部会長
 ほかによろしいでしょうか。修正意見等はないようですので、1月30日、来週の総会で、私から委員会に報告させていただこうと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○真野部会長
ありがとうございました。それでは、少し早いですが、最後に、所管課及び法人の理事長からコメントをいただければ幸いです。。

○社会・援護局福祉基盤課長
 所管課から一言申し上げたいと存じます。本日、大変貴重な御意見をいただきました。次期中期目標の作成に向けて、今後更に準備を進めまして、独立行政法人福祉医療機構が更に福祉医療の専門機関として、国民の皆様方の役に立つ組織として、役割を果たせるよう引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
 引き続き委員の皆様方にいろいろと御指導を賜りながらやっていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げまして、簡単でございますが挨拶に代えさせていただきます。

○真野部会長
 ありがとうございました。

○福祉医療機構理事長
 理事長の長野でございます。本日はお忙しい中、私ども福祉医療機構の見直し案につきまして、御審議いただき、誠にありがとうございます。今回の見直し案、並びにこれまで御審議いただきましたことを踏まえまして、これから第三期中期計画、そして年度計画を策定し、今後も私ども、引き続き小回りのきく福祉医療支援の専門店ということでこれを標榜しまして、当機構に与えられた使命を果たしてまいりたいと考えております。
 委員の先生方におかれましては、今後とも引き続き私どもの業務運営につきまして、御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日はどうもありがとうございました。

○真野部会長
 どうもありがとうございました。言うまでもないことですけれども、今後、高齢社会ということで、福祉医療機構の役割はより一層拡大していくと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。福祉医療の案件は以上ですので、入替えを行います。
(法人及び所管課入替)

○真野部会長
 それでは次の議題に入ります。国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の組織・業務全般の見直し案についての議論です。最初に事務局から今回の審議の位置付け等の説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 先ほどの福祉医療機構と同様ですが、8月16日の第59回医療・福祉部会、8月31日の第31回総会において「組織・業務全般の見直し当初案」を御審議いただき、総務省に提出しました。この見直し当初案について総務省政・独委より「独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」が1月21日に厚生労働大臣、当評価委員会に送付されております。
 厚生労働大臣はこれを踏まえ「組織・業務全般の見直し案」を作成し、評価委員会の意見を聴かなければならないとされておりますので、本日の部会で御審議いただき、続いて1月30日に予定しております総会で御審議いただくこととなります。以上です。

○真野部会長
 それでは、のぞみの園の組織・業務全般の見直し案について所管課から御説明をお願いします。

○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長
 所管課の障害保健福祉部施設管理室の黒澤です。お手元の資料に沿って御説明いたします。先ほど評価官室から説明があったとおり、夏に御審議いただいたものを政・独委に御説明し、その結果が出てまいりました。資料2-3を御覧ください。対照表の左手の「勧告の方向性」、これが今回21日に政・独委から出た「勧告の方向性」です。それに対する「見直し案」が右に入っております。当然この「勧告の方向性」の前に当初案があり、これを御審議いただきましたが、今回の「勧告の方向性」については、ほぼ当初案について認めていただいている内容になっております。それを受けて今回の見直し案ですが、資料2-1の概要版を御覧ください。概要版の事業の見直しについては[1]にあります。今回の方向性については特に触れていないのですが、当方としてはこの中で「発達障害児・者支援のニーズに的確に対応するため、就学前から成人まで切れ目ない支援」について、今後新たにこういう取組みを行うことを考えております。
 また、この4月に施行される障害者総合支援法、内容についてまだまだ今後議論がされるものと考えておりますが、この議論の過程において重度知的障害者に対するのぞみの園において、フィールドを持っているのぞみの園でできる事業があれば、それを具体化していくことを考えております。
 [2]の調査研究、養成・研修についても「勧告の方向性」ではさらに一歩進めて、例えば大学等との連携の下に調査研究を進める。あるいは新しい技術開発をしたものをどんどん全国に展開していく、ということを進めていくようにという方向でお示しいただいています。内部組織の見直しは昨年来地域移行を進めてきましたが、今約300名残っておりますが、なかなか地域移行が進まないグループが残っているので、引き続き強力に地域移行を進めると考えておりますが、今までのような、1期、2期のようなペースではなかなか進まないことについては御理解をいただいております。その上で地域移行を進めて体制の縮小を図っていくとともに、全体としてコストの削減を図ることになっており、人件費以外の事業費等については効率的な運営に努めていきたいと考えております。以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○真野部会長
 ただいまの説明について御意見、御質問等はございますか。質問ではないのですが、セミナー、調査研究の情報提供などは常々資料をお送りいただいていますが、これは定量的な話でなくても結構ですが、やはりかなりこういう活動が増えていますね。どのくらい増えたか、数値は正確に出されなくても結構ですが。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 調査研究などの成果については、まずはニュースレターでその要点を皆さんに情報発信することをやっておりますが、このニュースレターは既に3,000部以上毎回発行しており、年間4回でやっております。このニュースレターも当初は8ページものでやっておりましたが、現在は毎回20ページを超えるようなボリュームになっております。そのほかに研究紀要も既に5回発行しており、5年度になります。毎回1,000部近い部数を印刷して、関係のところには無償で配布し、希望者には有償で頒布しております。その他の自主的な刊行物で研究の成果を分かりやすい冊子あるいは図書で発行することもやっており、これも既にのぞみの園としてのものが10冊近くになっております。
 そのようなことで研究の成果などはニュースレター、紀要という刊行物で、部数も回数もボリュームもかなり増えております。

○真野部会長
 私もそういう意味ではこの仕事をしているからかもしれませんが、非常に関心を持って読ませていただいて、目に触れる機会が増えたのかなと感じております。ほかに御意見などはいかがでしょうか。

○大島部会長代理
 今の資料2-1の[1]見直しについてお伺いしたいと思います。1つは、今後の受入れについては、行動障害ということで退所された知的障害者に特化してということは、新規受入れの場合は特に矯正施設からということで、もう限定しますという認識でいいのかどうか。
 次の「共に」の後で、発達障害児・者、「児」が入ったのは初めてなのでしょうか。児・者のモデル的なというと、今度は発達障害児も受けるような方向になるのか。あるいはモデル的な支援というのはどの程度まで入るのか。ほかに書いてあったかもしれませんが、もう少し御説明いただけるとありがたいと思います。
 そして、切れ目のないモデル的支援というのは、どの辺のところまで、今はまだですが。そういう見直しということですが、具体化、これからの方向性がもし少しずつでも考えられているのでしたら教えていただきたいと思います。
 それから「障害者総合支援法に基づき」というところですが、モデル的支援事業というのが、どういう形でモデル的な支援事業になることを考えられているのか、あるいは全くまだこれからということなのか。まず?を教えていただければと思います。

○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長
 まず入所の関係ですが、もともと特殊法人であったころからの利用者、重度の知的障害者の受入れについては、今後は行わないという考えです。先ほど言いましたが、矯正施設からの退所者やあるいは行動障害を抱えた方の入所については、新たな、従来の考え方とは違いますので、これらについては受入体制の中で受け入れていくと考えています。

○大島部会長代理
 入所人数は今までの場合は1、2などと非常に少ないですが、要望があれば。

○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長
 それは先ほど申し上げましたように、人員体制については、今残っている利用者、旧来の利用者の地域移行がどのくらい進むかによって、進めば人員的に余力が出てまいりますので、その範囲内でしか受け入れられないということは、新たに職員を雇い入れて、増員してということは考えておりません。いずれにしても今までのパイの中で、人員のパイの中で取り行っていくということです。
 それから発達障害児・者、ここで言っているのは就学前から成人までということで、今までは発達障害と親御さんが認識するところから支援はスタートするわけですが、なかなか就学前に親御さんが認めないなどいろいろあり、だいぶ環境は変わってきましたが、その過程で一度小学校に入ってしまう、就学してしまうとそれまでの支援が切れてしまうことがあります。こういうことが切れることによりなかなか継続的な支援が続かない部分があるので、今考えていることはもちろん地域の中での御利用との話し合いの中で、そういう支援を継続的に続けることにより、そういうことがなかなか。実際には全国の地域では、学校が古いというわけではないのです。就学は必要なのですが、そのときに支援が切れてしまうことが若干問題があるのではないか。福祉とのつながりが切れてしまう。今後継続してやっていくようなモデル事業としてやっていこうという意味です。

○大島部会長代理
 群馬県の地域の中でモデル事業をやってみようということですね。

○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長
 はい、今発達の外来を受けておりますので、その方たちの中から、御希望する方について継続して入学されても、例えば土曜日などそういう時間を作って、こちらから出張っていくところも含めて、支援をしていこうということです。

○大島部会長代理
 発達障害者支援法では限られた障害の枠がありますが、知的障害の方もここの中には入るのか。そうではなくても発達障害に特化して。

○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長
 いずれにしても利用ですので、地域の中で発達障害の方、知的障害の方も通所利用として、入所利用ではなくて、通所利用としては今でもやっております。

○大島部会長代理 
これは入るわけですね。

○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長
 はい。それから自立支援法の関係ですが、おっしゃるとおり、まだ自立支援法、総合支援法が施行されておりませんので、一昨年8月に出された骨格提言の内容、新聞等で皆様御覧になっていると思いますが、すべてを盛り込んであるわけではないというのが正直なところです。今後骨格提言をどのように実現、法的にきちんと事業としていくかについては、いろいろな手法の下でモデル事業であったり、調査研究であったりしていかなければいけないと思っておりますが、その議論はまだこれからですので、今ここでのぞみの園がこういうことというのは現在ございません。今後の審議等の中で役割を担っていこうという考え方です。

○大島部会長代理
 わかりました。ありがとうございます。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 最初に新規の入所利用の関係ですが、ただいま室長から御説明があったように、単に知的障害が重いだけでは新規の受入れはしない。ただ、例えばということで、非常に強い行動障害があり、なかなか一般の施設では受けられない、あるいはその地域の生活が困難、そういう方、また矯正施設を退所した方、更に精神科病院に社会的入院しているような知的障害のある人、こういう方たちについて、のぞみの園で受入れをして1年、2年、長くて3年ぐらいだと思いますが、期間を区切って地域生活ができるように、そういう計画で入所支援をやっていくことを考えております。
 次に発達障害の関係ですが、これも御説明があったとおりですが、私どもの診療所に児童精神科の専門医がおりますので、現在そこに200人ぐらいの子どもさんたちが通院しております。その中に虐待、不登校などの家庭的な問題を抱えているような方、あるいはその他いろいろ生育環境に問題があるような方をどのようにして支援していくかを考えたときに、現在通院されている就学前、あるいは就学中のお子さんたち、単に通院だけでなく自動でサービス事業のような、そういう事業を行って実際に毎日あるいは週何回かのぞみの園に来ていただき、いわゆる日常的な支援を行っていく。それと併せて医療的な支援も行っていく。そういうことで継続的に成人に達するまで支援して、最後就労に結びつけていこう。そういう考え方でやりたいと思っております。
 したがって、単なる発達障害のある人たちの支援の事業というよりは、その中で特に、なかなか支援が困難な人たち、それは御本人というよりは環境的な問題もかなり大きいと思います。そういう方を対象としたモデル事業をして、全国的にそういう方を就学前から成人に達するまで切れ目なく支援できるような、そういうモデル的な事業をやっていけたらなと考えております。
 障害者総合支援法に基づくものについては、これからいろいろ御検討されるし、また厚生労働省からこういった事業をという指示もあろうかと思います。ただ私どもが今考えておりますのは、この総合支援法の一番の理念というのは地域生活ですので、障害の重い方たちも地域で継続して生活できるようにと。それを支えるための支援のあり様としてどういうものが必要かを考えたときに、福祉的な支援プラス医療的な支援、そういうものを総合的に提供していく必要があると思っております。そういう意味で私どもは、福祉の専門スタッフのみならず、直営の診療所に医師、看護師、PT、OT、ST、臨床心理士、そういう専門スタッフを抱えていますので、それらの専門スタッフをフルに活用して総合的なサービスを提供する、そういう事業を地域で展開していく必要があるかなと考えております。以上でございます。

○真野部会長
 確認ですが、モデル事業の予算は、のぞみの園の予算でやっているのでしたか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 私どもは今でいう障害者自立支援法に基づく報酬ということで、事業収入があるほかに運営交付金ということで、国から直接お金は頂いております。その運営交付金の中でいろいろな事業をやっていこうということです。

○真野部会長
 そうすると、もちろん厚生労働省なりの事業、厚生労働科学研究費的なものなど、そういうものをもらってやっているわけではないということですね。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 厚生労働科学研究費などは調査研究で、それは個別にテーマを応募して、お認めいただいたものはそれはそれでやっておりますが、実際の事業としては、障害者自立支援法に基づく報酬ということでの事業収入プラス運営交付金、合わせたものでやっております。

○真野部会長
 わかりました。

○大島部会長代理
 こういうようにさまざまなモデル事業を始められるとなると、2とも関連がありますが、調査研究ということで研究スタッフというか、現場でいろいろ支援をされる方以外に、いろいろなモデルを作り上げていくスタッフも必要なのではないかとも思うのですが、それはほとんど補充をせずに外の大学の先生などとの連携の中でされるという予定でしょうか。医療の部分もあるし現場の部分もある。今までは研究の部分も非常に大きかったので、その部分もだんだん薄れていくと、予算的にもこういうものに挑戦するのに少し不便ではないかなという感じがしました。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 のぞみの園の組織の中に研究部がございます。そこに部長以下専任のスタッフが6名おります。その6名だけでなく、いわゆる大学の先生方にもいろいろな形で御協力いただいております。例えば研究会議のような会議を設けて、そこでいろいろ研究のテーマや進め方について御指導、御助言を頂くような場合、また、実際に研究を進めるに当たって研究・検討委員会を設けてそこに大学の先生に入っていただく、あるいは分担研究者ということで実際に参加していただいております。今年度は12の大学から10人の先生方に御参加いただいております。そのようなことで私どもの調査研究を進めるに当たっては研究部という専門の組織のスタッフプラスそういった部外の大学の先生方、あるいは有識者、そういう方にできるだけ御協力いただき、連携、協力を進めてやっていけたらと思っております。その費用については、先ほどの科研費のような補助金をテーマごとにもらうこともありますし、そのほかに、当然運営交付金の中で調査研究についてもある程度考慮されて積算されておりますので、その中でのやりくりでできるだけ研究部門をこれから厚くしていきたいと思っております。

○大島部会長代理
 ありがとうございます。

○真野部会長
 よろしいでしょうか。ほかの先生方はいかがでしょうか。

○浅野委員
 一番目のモデル的支援に取り組むというお話ですが、この中では施設利用者の自立支援のための新しい取組みになると思いますが、こういったモデル的支援の取組みの中には、全国の障害支援施設、事業所で活用できるようなということがありますとおもいます。、そのように活用できるようなものになるには、やはりソフトの移転が必要だと思います。そういう意味で人材養成などの点についても取り組んでいくというようなことも何か盛り込まれているのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 当然人材養成も、行政研修事業という1つの柱を作って取り組んでいるところです。私どもの調査研究はあまり理論的なものというよりは、全国の関係施設、事業所の支援の現場で実践的に活用できるような、そういう成果を求めての研究が主になっております。そういう意味で調査研究で得られた成果は、先ほど申し上げたようなことで、紀要、ニュースレターなどで情報提供していくということのほかに、実際にセミナー、養成研修会を開催して、それを伝えていくということで取り組んでおります。
 例えばということで言えば、罪を犯した知的障害者、刑務所などを退所された人を受け入れてというのは、調査研究でその支援のプログラムを作って、そのプログラムにプラス実際に施設などで受け入れる場合に、中心的な役割を担う、そういう職員を養成するための研修会を設けて、支援のプログラムで得られた成果を実際に皆さんに何とか修得していただくことで取り組んでおります。今年度は3日間のプログラムで研修会を3回開くことにしております。既に2回終わりまして、3月に3回目を行います。1回の開催で大体60人前後を対象としており、その中で特に事例演習のようなものを取り入れて、ロールプレイのようなものも幾つかやっており、そういうものを通じて実践的な力をつけていただくことで取り組んでおります。

○浅野委員
 先ほど言っていた矯正施設から退所した知的障害者の方の支援は、ニュースなどでもいろいろ報道されることになり、昨年来そういうものを見て、のぞみの園さんの取組みが先駆的な流れになって、社会にいろいろ啓蒙する役割を果たしていると評価できるのではないかなと思って見ていたところです。是非、今後もモデル的な支援をやられるときには、そういう人材養成、あるいは今まで多分群馬県などという地域で活動しているので、これをこれから全国に広げるとなると距離の問題などが出ますので、例えば情報技術を利用して遠隔での教育、ネットでの発信などで新しい技術も取り入れながら、継続的に研修できるようなシステムを作っていただければよろしいかと思います。是非、御検討いただければと思っています。

○真野部会長
 やはり最後に指摘がありましたように、なるべくローカルではなくて、全国区というところがたぶん今後の1つの視点になると思います。もちろんローカルにもやらなければいけないのですが、両方というところが視点になるのかなという感じを受けます。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 私どももちろん地元群馬県の中でやっておりますが、そのほかに全国的にブロック別のような考え方で、今年度は大阪に出て行ったり、別の研修会ですが、東京で2回開催いたします。これまでも全国の10を超える都道府県で私どものセミナー、研修会をやり、できるだけ全国的にそういう成果を提供できるようにということで取り組んでおります。

○真野部会長
 こういう施設、組織は東京にあるとそれだけで全国区のようなイメージになってしまい、たまたま所在地が群馬ということで何かローカル的なイメージが出てしまいますが、東京にあるものであったとしても、当然東京のこともある程度やりながら全国に展開しているわけですから、それと同じだと考えれば今のような形でされれば、非常に両方、ローカルな部分とグローバルというと大袈裟ですが、全国の部分と、両面を兼ね備えるということで新しい展開になっていくのかなという感じもいたします。
 ほかの先生はよろしいでしょうか。それでは活発に御議論もいただきましたが、特に修正意見という感じのものはないと思いますので、1月30日の総会で私から委員会に御報告させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは最後に所管課と法人の理事長からコメントをいただければと思います。

○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長
 今後とも運営交付金の節減には努めつつ、皆さんからいただいた御意見をもとに、新しい事業にも展開し、全国的な事業としてやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 本日御審議いただきましたのぞみの園の組織、業務全般の見直しの案は、私どもがこれまで取り組んできました事業をさらに前進、発展させる方向でおまとめいただいたものと受け止めております。ありがとうございました。御質問にお答えする形で幾つか触れましたが、私ども既に第3期に向けて新しい事業を考えております。発達障害児関係については、もう新しい年度に入ったら速やかに事業を開始できるようにということで、着々と準備を進めております。また、地域で重い障害のある人たちを支えていく、そういう事業についても現在法人の中にプロジェクトチームを作り、鋭意検討している最中です。そのようなことで新しい事業も加えて、第3期の中期目標期間については、さらに私ども事業を発展させていきたいと考えております。御指導、御鞭撻を引き続きよろしくお願いいたします。

○真野部会長
 これで国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の審議を終わりたいと思います。
(法人及び所管課退出)

○真野部会長
 引き続き、政・独委が行った我々厚生労働省の所管の独立行政法人の平成23年度の業績評価の内容について、いわゆる二次評価について、事務局から報告をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 夏の部会で、委員の皆様方に御審議いただきました年度評価結果にかかる政・独委の二次評価について御報告いたします。資料3-1を御覧ください。政・独委が作成した報道発表資料となっております。こちらについては政・独委が横断的評価、いわゆる二次評価を行いまして、1月21日付で当省評価委員会宛通知されたものです。
 全独法に共通する意見として、内部統制の充実・強化ということで、ここでは特に監事の活用ということを言われております。あと、保有資産の見直しとして、保有の妥当性等についてより厳格な評価が必要である。評価指標の妥当性として、年度計画及び同年度計画の評価指標への中期目標等の反映状況をチェックした上で、厳格な評価を実施ということが言われておりますので、夏の評価のときに強化していただけるよう、事務局として資料づくり等について検討していきたいと考えております。
 個別の法人に対する指摘として、医療福祉部会の関係でいうと4ページになります。医薬品医療機器総合機構が指摘を受けていて、こちらは最近ずっと言われている承認審査業務の中で、トータルでは達成できているが、申請がきちんと目標を達成できていないのではないかということで、これまでは医薬品のところについて指摘を受けておったのですが、今回は医療機器の承認審査のところで受けております。こちらについても、法人が作成する資料等で、要因の分析や改善方策等を盛り込むようにきちんと資料づくりの指導をして、夏の審議のときに御評価いただけるようにしていきたいと考えております。二次評価については以上です。
 資料3-2は、平成23年度の業務実績の評価結果の主要な反映状況についてです。こちらは、夏に各部会で御評価いただきました、平成23年度の業務実績評価を各法人がどのように業務に反映させたかを各委員にお示しするとともに、公表を行うことを目的として作成をしております。各法人の反映状況については、大変恐れ入りますが、後ほど各自でお目を通していただければと思います。御報告の2点については以上です。

○真野部会長
 これは二次評価ですから、厚労省の全ての独法について行って、その結果、我々に関してはPMDAだけに指摘があったという理解でよろしいですか。

○政策評価官室長補佐
 共通の意見というのは前半です。特に医療・福祉部会の中でということですと、PMDAの件だけです。これも前から審査業務のところで増員をしていて、それで期間を短くするという話になっていたにもかかわらず、申請側と審査側の両方で指標があって、審査側は極端に短縮されていますが、申請側はされていないのに、なぜ「S」なのだというそこがはっきりしていないということは、以前から薬のほうはすごく言われていまして、この夏は特に委員の皆様方からその点も御審議いただいていろいろ評価もしてもらいまして、総合評価書にも対応はこういうことをして、申請側も短縮をさせるべきであるというようなのをいただいております。それはそれでよかったのですが、確かに中を見ていくと医療機器のほうも同様のことが起こっていて、政・独委としては目標を申請側と審査側で立てているのだから、S評価に限らずにA評価でもきちんと見るべきだろうということで、この御指摘をいただいております。

○真野部会長
 そうすると、医薬品と医療機器と、どちらも審査側は良くなってきていて、申請側が余り良くなっていない。その両方が問題で、薬のほうはいろいろ書いてあるけれども、医療機器のほうは余り書いてないので。

○政策評価官室長補佐
 書いてないので、何も指摘がない。

○真野部会長
 指摘もそうだし、そもそも申請側に対しても何かアクションを起こしたほうがいいのではないかと。

○政策評価官室長補佐
 今回、総合評価書の中の医薬品の関係を読みますと、「承認申請前の段階での治験相談等の実施を要請し、申請資料のまとめ方及びデータの評価を十分に行うこと等を助言・指導していくことや、日・米・欧の規制当局と迅速に対応できるよう、十分なリソースの確保等を本社サイドに要請するといった取組みにより、行政側の審査期間の一層の短縮とともに、申請者側の期間が短縮されることを期待する」というようなものを書いていたのです。ただ、これは医薬品の部分だけということで、医療機器のほうも申請者側が目標を達成していないではないかということで、今回またいただいております。

○平井委員
 私はそのお話は、医薬品と医療機器とメーカーが違って、医療機器のほうがまだまだそのあたりが遅れているというようなお話もあったと思います。だから多分、医薬品のほうが良い評価になっていたと思います。そもそも、そのときの議論でも申し上げておりましたが、ただ短縮することがいいのかどうかということをもう一度検討してほしいということの議論になっていたと思いますし、目標を立てたらそれを達成しなければいけないのかもしれないので、そうすると目標というもののあり方をもう一度PMDAで考え直していただくとか、そういうことをされたほうがいいのではないかということはお願いしていたと思います。そういった議論があったということを上の委員会でも理解して。なかなか理解しにくいと思いますが。

○政策評価官室長補佐
 政・独委も議事録等は確認しておりますので、そういう中で議論しているというのは認識はしていると思います。

○平井委員
 こういうふうに書かれてしまったらその文書しかないので、我々としては非常に残念だなという感じがします。次の評価のときに、それをどう持っていくかというのはこちらの発表の仕方も少し考えるべきかなと思いました。

○真野部会長
 今、平井先生が言われたように、この委員会の立場と実際の話と両方があって、まず委員会の立場という意味でいくと、議論したけれども書きぶりが弱かったという感じですか。

○平井委員
 議論で尽くしたことは反映されていなかったということだと思います。でも、その内容はパッと見たら分かりにくいことになるので、書き方も難しいから、その辺は少し難しいなというのと、私が思うのは、PMDAはどんどん進めていかなければいけないというミッションがあるということで、できるだけ早く国際的なものに合わせてというのがあると思いますが、実際に現場の立場からすると、それほど急がなくてもいいのではないかと最近特に感じます。そうした所をどう反映させていくかは、現場の人間は医薬品に関係する人は共通した意見がありますので、そのあたりを。

○真野部会長
 先生、もう少し詳しくお聞きしたいのですが、そんなに急がなくてよいのではないかというのは、いわゆるドラッグラグとか。

○平井委員
 そうです。ドラッグラグというのは駄目だ、駄目だというような論調でずっと走っていますが、それは必ずしも駄目なものではなくて、いろいろな事情を見ると抗がん剤は特にそういう傾向が強いですが、ASCO(米国臨床腫瘍学会)で新しい薬、こんな良い成績が出てる。

○真野部会長
 アメリカのがん学会ですね。

○平井委員
 アメリカの臨床腫瘍学会で臨床試験をやって、こんなに良い成績が出た。だから、これを早く日本に入れなければという圧力は内的にも外的にもすごく強いです。そしたら日本でも試験。国際共同治験をやると、日本の実情に合わないようなことを要求されてきたりすることもあります。なぜ、そんなことをするのかと聞いたら、「もう既にPMDAと話をして、PMDAのほうはこれはOKしましたから、これで」みたいな感じで、非常に疑問を感じるようなことに最近接したことがあります。だから、何が何でも早く入れるというのは、確かにそういう病気の方で治療を急いでいる方もいらっしゃいますが、それによって拙速になるのは問題があるから、目標を設定するのもいいけれども、その目標をどんどん短くしていくのが果たしていいのかというのを最近非常に疑問に感じています。

○真野部会長
 確かに、安全の話とバーターだからという議論は、PMDA側からも出ていたりしたと思います。

○平井委員
 あのときは、そういう話になっていたと思います。ただ、目標値を設定したらそれをクリアしていないではないかということになってしまうので、政・独委の意見は確かによく分かりますが、内容的にはいろいろな問題があるのだということを政・独委の委員の先生方にも理解していただきたいなというのが私の個人的な意見です。

○真野部会長
 ここは重要な話ですから、他の委員の先生方も何か御意見はないですか。お願いします。

○浅野委員
 平井先生のおっしゃるとおり、日本は安全性と有効性のバランスを慎重に取っておくべきだと考えます。多分、先進国から比べるとそれが逆に功を奏して、最近では大きな副作用事例が起きていないのではないでしょうか。アメリカについて見ると、事件がいろいろ発生したり、ファーストトラックだが、かえって有害事象が顕著に出てしまったりという事例もあるようにおもいます。日本はイレッサの事件のときに、日本人においては副作用が結構出たということですが、そのためにそのメカニズムの遺伝子的な解明が世界的にトップの研究となりました。そういう点では安全性がいろいろ担保されているところもあるので、必ずしもドラッグラグが早く解消されればよいとというわけでもないような気がします。新聞、テレビ等では患者団体も一緒になって、すぐ薬を入れなければいけないという意見があります。確かに、患者さんの気持ちは十分に理解します。最後は、患者の選択として、患者が安全性が完全には担保されていないが、それでもいいという法的なコンセンサスを得ればそういうものも使うことができるというシステムは必要だと思います。うまくそのバランスを取っていくことが求められると考えます。それを社会にこういうことだよと情報発信するのも、もしかするとPMDAの役割なのかなという気もします。
 それから、医薬品と医療機器は、今の法的な状況とか、申請に対する習熟度というか成熟度というのは大きく差があるような気がします。医薬品は、ある程度長い歴史の中で薬ですから、生物学的にも生体のものとも近いし、教育の内容も薬剤師や医学の方は当然ですが、医療に近いような教育を受けていますが、工学になるとそういう部分がなくて、例えば臨床工学士は歴史的にはそんなに長くないわけです。ですから、医療機器に関しての臨床上の安全性や生体影響という問題は、まだまだ日本にとっては歴史が新しいと言っていいと思います。
 それから、最近はそういう安全性の基準の制度というのは、医療機器については改正がおこなわたのではないでしょうか。それで安全性に関する市販後調査を実施するとか、薬に近いような、臨床研究に近いようなことをこれから始めているようなところなので、申請側というのは相当当惑しているし、人材養成もまだ決して成熟しているとは言えないので、そういう点で果たす役割があることとおもいます。また、そういう影響があって申請側の遅れが顕著に出ているという問題ものではないでしょうか。。
 それから、なぜ医療機器が急に問題になったか。これは私見ですが、先般の医療イノベーションのところで、医療イノベーション推進室から中村先生が退任されたあとに医療機器をクローズアップしたところもあったので、もしかするとそんな背景も影響しているのかなと思います。結論としては、今後PMDAの中でも医療機器も結構重点的に対応しなければいけないと思いますし、医療機器も単純な機械ではなくて治療器に近いものであったり、個別化医療になると検査機器と薬が一緒になって製品化するようなものも出てくるので、状況が変わるし、再生医療も用具なのか医薬なのか未知の分野もあるので、その辺は注意して、これから私たちも見なければいけないし、PMDA側でも力を入れていかなければいけないところと思います。こういったことも背景としてあるのかなと、今回の評価を受け止めようかというのが個人的な意見です。

○真野部会長
 橋田先生も、御意見はいかがでしょうか。

○橋田委員
 平井委員あるいは浅野委員がおっしゃったとおりで、正に医薬品あるいは医療機器の開発承認ということは、一方では早く速やかにできるだけそういうものを医療に提供するという部分がありますが、同時に安全をいかに担保するかということがある。そういうことについて、この委員会でもわりと具体的に、医薬品と医療機器それぞれについて現状を伺い、我々としては単に数値というか期間だけではなくて、その中身とそのときの安全性の担保については十分な配慮をお願いしたいという議論をさせていただいたと思う。ただ、ここへ出てくるのが、結局数値目標があって、業務実績報告書において未達成要因の分析と改善方策を明らかにしないといけない。それから、この委員会が言及しないといけないということで、そこについての委員会からの意見の出し方とか、そういうところには考慮すべき点があるのかなと思いました。内容については今議論されているとおりで、我々としてはそういう姿勢は大事にすべきだと思っております。

○真野部会長
 PMDAはどうしても評価される側ですから、どうですか。先ほど浅野先生も言われたけれども、PMDA側からそういうことを強く世の中にアピールするというのは、弁明しているみたいな感じもあるので、現実的には難しいと考えたほうがいいですか。

○政策評価官室長補佐
 もちろん現実的には政・独委としては、そこまでのエキスパートはいないのです。あくまでも横串的な形で見るためには、一番分かりやすいのは本当に数値目標になっていて、明らかにその目標に行っていなければなぜだと。そもそも目標どおりで、本来Bの評定のところがそれより上に行っているではないかという見方で来ています。ですから、例えば総合評価書において、頂いた御意見等を所管課で総合評価書に落とし込むときに、そもそもの目標はあるけれども、安全性等を考慮した場合には、どこまで絶対と見るのかどうかということを盛り込むことができたら、こういった指摘というのはなくなるのかもしれないと考えます。

○真野部会長
 ここは、かなり大きな問題ですよね。確かに余りにドラッグラグ、デバイスラグが大きすぎれば当然問題になるわけですが、それが徐々にではあるけれども改善してきていて、特に審査側のほうはほぼ改善してきたと。申請側に対して何かアクションを起こすことは当然必要だけれども、テクニカルな話、オペレーションとは離れて、もっと大きな意味で格好いい言い方をすると、日本が医薬品あるいは医療機器の申請審査に関して、どのように考えているかみたいな話ですよね。

○平井委員
 おっしゃるとおりで、ものすごい極端な言い方をすると、アメリカが作って日本が買って、お金をアメリカに出しているみたいな構図が伺えないこともないような面があります。そういう状況をPMDAがどんどん加速するのかといったら、日本人としてはそれはNOと言いたいなと思います。もちろん、必要な患者がいらっしゃって使いたいというのは、浅野先生がおっしゃったように、患者の要望を入れるというシステムは当然作っておくべきだと思いますが、国として全部やるのかというのが果たして本当にいいのかなと。そういう構図があって、実際に外資系の会社の人たちが国際共同治験だからといって非常に急がすといったような事例もありますし、それは若干ゆゆしき問題ではないかなと感じます。

○真野部会長
 どうしましょうか。議事録も取っているかもしれません。ジャストアイディアですが、オフィシャルな委員会ですと、評価する側と評価される側という立場ですが、そういう評価する、しないの立場ではなくて、意見交換会というのは可能でしょうか。これはかなり大きな問題ですから、ある程度コンセンサスをいろいろな所で取っていったほうがいいような気もしますが、どうでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 この評価をするためのということですか。

○真野部会長
 もちろん最終的には評価につながるけれども、評価委員会というと時間の制約もありますので、そうではなくて、PMDAが学問的に、あるいはエキスパートとしてどんなことをお考えなのかというのを、こちら側の委員会にも当然エキスパートがいるわけですから、エキスパート同士の意見交換みたいなのを1回別個に時間を長くして取れないかという意味です。

○平井委員
 評価委員会という意味では違うかと思います。先ほど真野先生がおっしゃっていたように、日本の医療施策として非常に重要な点ではあると思うので、また全然別個に何か勉強会みたいなものを作るというのは悪くないと思います。

○真野部会長
 そういう意味ですよね。継続的にとなると、またいろいろややこしいかもしれませんが。

○五十嵐委員
 1つ確認させてもらっていいですか。一番最初にこの数値目標を見たときに、要は審査期間という長さがあって、更に申請者側等という。逆に、総審査期間がたとえ短くなったとしても、申請者側のほうが短くなって審査側のほうが長くなっているのでは、きちんと努力したことにならないのではないかというような、そのために2つに分かれていると理解していたのです。だから、申請者側が延びたにもかかわらず、全体が短くなるような努力をして、更に審査側が短くしたというのは、より評価としては高いのかなという認識をしていたのですが、申請者側についても短くするということですか。トータルを短くすればいいのだったら、何も2つに分ける必要は全くないと思います。

○真野部会長
 それは大きな議論とは別個に、この批判に対してあるべき議論で、ただ、この政・独委は申請者側にもPMDAが働きかけるべきだということを言っているわけですよね。

○政策評価官室長補佐
 そもそも中期目標自体に、個別に分けて目標値が設定されています。

○五十嵐委員
 プラスとマイナスの目標という意味が、必ず申請者側についても短くするというほうが絶対的に正しいという目標の設定だったのですか。そこが非常に疑問だったのです。そもそも論ね。

○平井委員
 以前はPMDA側の期間が非常に長くかかっていたから、申請者側よりも圧倒的に長くかかっていたという時期が長かったのではないかなと思います。だから人を増やして、それをどんどん短くしたということだなと思います。恐らく最初の目標設定は、そういう意味で分けていたのかなと推測します。今、五十嵐委員がおっしゃることは正にそのとおりで。

○真野部会長
 そうだと思います。結局、全くとんでもないというか余り良くない時期から、今かなり良くなってきているので、そこで同じように更にギリギリ時間を短くすることが是か否かという時期に恐らく来ているのでしょうね。そこにまた話がややこしいのは、申請者側という別個のファクターが来てしまったから、申請者側に果たしてPMDAなり我々評価する立場も、本来PMDAのどこまで責任かがよく分からないところがあるので、それをどこまでやるべきかという話が多分出ていると思います。

○平井委員
 極端な話をしたら、PMDA側が申請者側に「何でもいいから早く出せ、早く出せ」というのは、むしろよくないと思います。何か滞りがあって指導して時間を短縮するというのはいいと思いますが、何が何でも早くしろと。数値だけというのは逆だと思います。

○浅野委員
 多分いろいろな経緯があって、この評価だけではなくて、患者が海外で進んだ薬や良い薬を、日本で保険適用で利用できないという発端があって、見たら非常に申請期間も長くなっているし、患者に不利益だということも分かってきて、それを新聞、テレビ、マスコミも含めて情報発信してくれたのでしょう。だから、逆に言うと、副作用よりも患者が利用できないということが、もしかすると過去10年ぐらいのことかもしれませんが、その間にそういうことがあって、急速に患者の側でも「とにかく薬を利用できないんだ」という意見が強くなってきた。私も一般の書籍を読んだり新書を読んだことがありますが、その中に医薬品の審査の評価に関しては明確に書かれいるものがあります
 副作用をどう捉えるのかとか審査期間をどう捉えるのかは正しく伝えていくことが必要であって、どちらの味方でもなくそうしていかないといけないと思います。患者はとにかく新しい薬が欲しいとなってくると、そればかりにとらわれてしまします。副作用や安全性にはめがいかないかもしれません。今回もネット販売も出ましたから、ああなるとネットで海外から手に入れることができる。そうすると、健康被害も起きることが実際は想定されるので、1つはこの評価委員会の話だけではなくて、安全性の問題をを正しく伝えてあげるというのが世間に一番必要で、ドラッグラグという問題は早くしなければいけないというのは確かにありますが、それだけではなくてそういう諸々の背景として、こういうリスクについてもバランスの取れた形で、何か世間に情報が発信できると理想なのかなと思います。ただ、どこがそれを主体的にやれるのかなと思います。

○真野部会長
 最終的な落とし所までは、当然ここの委員会の責務ではないけれども、我々も評価する立場で本意でない評価をするのも変な話ですよね。何が言いたいかというと、目標設定とかは所管課とPMDAがメインでしょう。そういう意味でも、本来評価委員会が入るべきなのかどうなのかは難しいけれども、今どんなふうに世の中が思っているかというのを勉強会でもできるといいのでは、もう少し。やはりみんなが同じようなことを考えているのだったら、PMDA側もそういう目標設定ができるかもしれないではないですか。そういう意味で申し上げました。公式に評価する側とされる側は対峙する関係だから、委員会では無理ですよね。だから、勉強会か何かはどうですか。

○平井委員
 恐らくこれは、全然違うところで話をするほうがいいのでしょうね。

○政策評価官
 どちらかというと日本の薬事行政全体に関わる話で、様々な御意見もありますから、確かに安全性の評価という点も大事ですし、一方では患者の利益もきちんと配慮しないといけない。そのバランスをどう取っていくのかという目標設定については所管課と法人側で議論して、最終的に目標のあり方、実績に対してどう考えているかという点については、法人側できちんとした説明をするというのが基本的な考え方だと思います。PMDAについては、来年度が、中期目標期間の最終年度でもあり、組織・業務全体の見直しも行いますので、

そのときにやればよいのではないかと。

○真野部会長
 我々としては、今年度とか短期的な話ではなくて、世の中の変化に一番対応しなければいけないけれども、そこが一定限できつつあるという認識を持っています。そこで一方、異様に厳しい、100点を取れみたいな。けれども、その100点が本当に正しい100点かどうかと。受験勉強的に100点は正しくても、世の中的にはおかしいということは当然あるわけです。そこら辺はそれで評価を甘くするという意味ではなくて、どんなふうに今後見ていくかという話ですよね。

○政策評価官
 少し担当課も含めて相談をさせていただいて、透明性というのもこういった問題については大事ですので、そういった点を含めてどういった形がいいかということも考えさせていただきます。

○真野部会長
 急に話が盛り上がってしまって、確かに少しこういう形になると2点ですよね。申請者側というものに対して、どこまでPMDAというのは働きかけるべきかどうかという議論と、べきだということになった場合にどうやって評価するのか。逆にいうと、評価者側がそこまでやるべきと思っていなければ、そこで齟齬も生じますよね。そこの議論が1つと、もっと大きな意味でいくと、申請者とかそういうレベルではなくて、副作用とのバーターでやるという意味合いを踏まえて、どこまで短くしていくのかという話もアカデミックな議論にはなると思いますが、意見交換というか勉強といったことができればなという希望と考えてよろしいでしょうか。委員の先生方、そんなところでよろしいですか。叶うかどうかは別として。

○松原委員
 勉強会をするかどうかは別にして、短くすることで具体的にどのような問題が起きているのか。安全性の問題のもう少し具体的な内容について教えていただけるとありがたいです。

○真野部会長
 もし具体的にそういう議論をすることになれば、先ほど平井先生が言われたような実例とか、当然そういうのを基に議論していくことになると思います。抽象的に安全性がどうだとかいっても何を言っているのかがよく分からないので、橋田先生や平井先生は正に現場のお立場ですので、そういう意味では政策的な大きな話に敷衍できるかどうかは別として、とりあえずこんなこともあるのだというようなところを。評価委員というのも、現場から選ばれたり、いろいろなフィールドから選ばれているような、自分たちの経験なり知識から評価するのだという話だと思うので、そこら辺の話ができればということだと思います。

○橋田委員
 原則論で言えば先ほど申しましたし、そういうことだと思います。それから実際のデータで、これがどのぐらいしっかりしたものかどうかは、私もチラッと聞いただけの話ですが、例えば東大の薬学部の医薬品評価学のお仕事の中に、何か審査期間と副作用との関係が逆相関というか、あるということを発表されていたことがありますから、そういうのは資料になるかもしれません。ただ、原則論の話と、ここの場合は、もう1つはここにありますが、「21年度にこの委員会に対して、目標未達成の場合における要因分析と改善方策を明らかにさせた上で取組みを厳格に評価すべきである」というのを平成21年に出していて、それが平成24年度に対して、それにもかかわらず、こうなっているのではないかという御意見だと思いますので、その辺は別の問題かとは思います。

○真野部会長
 先生が言われるのは、この意見をもらったものに対しての返答をするためにも、我々がコンセンサスがあったほうがいいという意味ですか。

○橋田委員
 そういう意味ではありません。一般論で一度勉強会というか議論するのであれば、恐らくそういう資料もそれなりにはあると思います。原則論というか基本的な考え方ということで、実際には短くするほうが患者の利益になるのは方向としてはそうだと思いますし、それをできるだけ妥当なというか、数値目標を作るというのもそのとおりだと思います。ただ、ここの場合に問題になっているのは、平成21年度来そういうことを指摘しているのに、今回のデータの中で、特に我々も申請者側ですから、それに対してそれほど強く意識しなかったということはあると思いますが、実際にはそれを問題にされているということですから、そのことの是非とはまた違うかなと思います。

○真野部会長
 分かりました。繰り返しになりますが、この政・独委の指摘に対して我々が真っ向から反論するとか、もちろんそういうお話ではないということの再確認はさせていただいたほうがいいかもしれません。ですから別に喧嘩をしようとか、我々の意見がましだということを言うという意味でも全くないということですね。何か我々から宿題みたいになってしまいましたが、よろしいでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 分かりました。

○真野部会長
 先ほどの話は結構、我々は評価はずっとさせていただいていますが、時間が短いので議論を尽くせない、そんな1つの例かなという感じはします。ありがとうございました。ほかはよろしいですか。

○五十嵐委員
 今、資料3-1で、総務省の意見についての全体のというところで、内部統制の中で監事という話があって、ますます監事がいろいろきつくなりそうな流れですが、これは全ての法人に常勤の監事がいましたか。いない法人もあったかと。

○政策評価官
 いないところもあります。

○五十嵐委員
 そうすると、非常勤の監事に対してもこのような要求をするということをどんどんしていくのは、ちょっと無理があるような気がします。これは評価委員会の仕事ではなくて、多分、人事をどうするかという話は別だと思いますが、その辺の動きというか、全て常勤の監事を置こうという動きは現実にありますか。

○政策評価官室長補佐
 それについては、まだ特に聞いていないです。二次評価自体が21日に来ているものですので、こういった指摘を受けて今後対応について検討していくということになっております。

○五十嵐委員
 多分、どんどん評価委員会の表現みたいな話になると、これはどうなるのか。

○真野部会長
 結局先ほどの話と一緒で、評価する立場から見れば、我々もそうですが、もっと上から見ればどんどん厳しく細かくという話になるし、それがどこかで本来、現場との乖離を生んでしまう。これも、そういう意味では1つの例かもしれません。実際にできるのかという話ですよね。先生が言われるのは、本当に実務的な意味ですよね。

○五十嵐委員
 どんどんそんな話が出てきている。私も監事の選考委員をやらせていただいたけれども、もちろん万能ではないし、特に非常勤の場合は現実的には専門的な立場から、そういったものだけをという形にならざるを得ないと思うので、常勤がいらっしゃる所は別にそんな問題はないかもしれないけれども、もしそういうことを進めるのなら、逆に、必ず全部の法人に常勤を置けみたいな話にならないと、悪い方向へ行ってしまうのかなと非常に気になっていたものですから、何か機会があれば、別のこちらのほうにあれば是非お願いしたいと思います。

○真野部会長
 一応これで議題は終わったと思いますので、今後の予定について事務局から御説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 今後の予定について御説明いたします。総会メンバーの委員の皆様方には、1月30日10時より専用第15・16会議室で独法評価委員会の総会を開催いたしますので、よろしくお願いいたします。議題は「勤労者退職金共済機構、高齢・障害・求職雇用支援機構、福祉医療機構、国立重度知的障害者総合支援施設のぞみの園の見直し案について」御審議いただく予定です。年度末の部会は、3月1日17時30分から予定しております。議題は、福祉医療機構、国立重度知的障害者総合支援施設のぞみの園の中期目標、中期計画について、その他として、長期借入金計画等について御審議いただく予定です。
 本日の会議は以上です。

○真野部会長
 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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