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2012年6月7日 薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会議事録

医薬食品局

○日時

平成24年6月7日(木)16:00~


○場所

厚生労働省 専用第15・16会議室


○出席者

出席委員(10名):五十音順

 生 出 泉太郎、 川 原 信 夫、 鈴 木 邦 彦、  宗 林 さおり、

 廣 江 道 昭、  福 島 紀 子、 藤 原 英 憲、 村 島 温 子、

◎望 月 正 隆、 望 月 眞 弓

(注) ◎部会長

他参考人1名

欠席委員(6名):五十音順

 阿 曽 幸 男、  岩 月   進、 小 澤   明、 西 澤 良 記、

 橋 田   充、、  吉 山 友 二

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 赤 川 治 郎 (審査管理課長)

 俵 木 登美子 (安全対策課長)

 矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

 森    和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

 重 藤 和 弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、ただ今から「薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会」を開催いたします。委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中御出席いただき、誠にありがとうございます。現時点で委員16名のうち10名が御出席であり、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 欠席委員は、阿曽委員、岩月委員、小澤委員、西澤委員、橋田委員、吉山委員です。また、本日その他の議題1「一般用漢方処方に係る新規処方の追加について」の参考人として、国立医薬品食品衛生研究所生薬部長の合田幸広先生に御出席いただいています。
 また、当部会は本年度初めての開催となりますが、本年4月以降、医薬品医療機器総合機構において、幹部の人事異動がありましたので御紹介いたします。6月1日付けで内海審査センター長に変わり、矢守隆夫審査センター長が着任しております。審査センター長から一言お願いいたします。
○審査センター長 6月1日付けで審査センター長に着任しました矢守と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○審査管理課長 ありがとうございました。それでは望月部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○望月部会長 本日の議題に入る前に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。資料1~資料6については、事前にお送りしています。当日配付資料として、議事次第、座席表、委員名簿、競合品目・競合企業リストです。さらに、本日の参考資料として「新一般用漢方処方の手引き案(改訂版)」をお手元に御用意しています。なお、この手引きについては、議事終了後に回収させていただきますので、よろしくお願いいたします。以上が本日の資料です。不足等がありましたらお知らせください。よろしくお願いいたします。
○望月部会長 よろしいでしょうか。それでは議題に入ります。参考人として御出席いただいている先生の御都合上、その他の議題1「一般用漢方処方に係る新規処方の追加について」を先に議論します。事務局から説明をお願いします。
○事務局 資料5を御覧ください。事務局より概要を説明いたしまして、その後に合田先生から補足していただければと思います。
 これまでの経緯ですが、一般用漢方製剤の承認基準については、本日参考人として出席していただいている国立医薬品食品衛生研究所生薬部長の合田先生を班長とする「一般用漢方処方の見直しを図るための調査研究班」による見直しの結果を受け、平成20年9月に承認基準が定められました。また、この研究班において、新たに追加するのに相応しいと考えるものとして選定された85処方のうち、基準処方の加減方である23処方については平成22年4月に、また基準処方及び加減方の27処方については平成23年4月に、既に承認基準に追加されております。今回は残る処方についても、この部会における検討を経て基準に追加する予定としております。
 今回新たに追加予定である残りの処方については、平成23年12月に、臨床医を含む漢方専門家に適応症やしばりの表現などについて検討いただきまして、「一部の表現を修正した上で基準への追加が妥当である」と結論をいただいている31処方です。31処方については、次のページの別紙に付いていますので御覧ください。なお、追加予定の31処方については、平成24年4月9日~5月8日のパブリックコメントを既に実施しておりまして、本部会においてはそれを踏まえた追加処方を示しています。
 今後の対応として、当部会にて了承いただいた後に、基準への追加の手続きを進めることとしております。また、基準の収載順序については、これまで五十音順でしたが、漢方の考え方を取り入れた基準処方に基づく収載順序とすることが、検討会で妥当とされましたので、収載順序を変更することとしております。以上ですが、合田先生から補足いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○合田参考人 国立医薬品食品衛生研究所の合田でございます。経緯を説明させていただきます。一般用医薬品部会でのこの話は、もう4年間にわたって話をしておりますので、昔から本部会に参加されている方はよく御存じではないかと思いますが、これは多分最後の追加ですので、説明させていただきます。
 まず、この経緯としましては平成14年に「一般用医薬品承認審査合理化等検討会」の中間報告が出ました。そこで一般用医薬品のあり方について提言が出まして、それに対応して、従来から一般用として使われていた210処方の見直しをしようということになり、厚生労働省の厚生科学研究費の研究班が平成15年に立ち上がりました。平成15年から3年やりまして、その後も引き続き研究班は動いていたわけですが、今説明がありましたように、そこで検討した結果に基づいて、平成20年に、この部会で最初に従来の210処方の改正をしようということになりました。
 基本的にこの改訂をするということでは、いくつかの基本方針が研究班の段階から定められております。まず最初に中間報告にありましたように、疾病構造の変化に対応した新規処方を入れようということがありました。2番目に、漢方の考え方を積極的に取り入れようということで、基本処方と類法、漢方では加減方というものがありますが、そういうものを組み合わせた処方構成をしようということが挙げられました。3番目に、漢方では、「証」という概念が非常に重要ですが、「証」の概念に対応した「しばり」という考え方を導入しようということになりました。4番目に、現代に即した効能・効果の見直しです。いくつかもう少しありますが、今のところが基本方針で、それを含めて平成20年の最初の部会で説明させていただきました。
 そこの議論で、新たに増やそうとする処方、その当時85処方出しまして、それプラス、もとの処方全体についての考え方を研究班の考え方に合わせて組み直そうと。これは非常に大きな仕事ですので、その当時の審査課長も含めて、これは1回に全部行うことは無理だということから、何段階かに分けてこのような改訂をさせていただくことになりました。
 一番最初に行ったのが、従来あった210処方について、今の考え方に従った効能・効果の読替えというか、そういうものを現代の疾病構造に合わせたものに変えていくことをしました。それから、そのものの加減方を加えることが第2段階。その次に、新規処方が加減方を除くと50強ありましたので、そのものについて二段階に分けてやろうということで、前回が27処方を加え、今回は31処方を加えるという話です。ただ、加える際に、基本処方と加減方という組合せを、もともとこの検討班でやろうということになっていましたので、今回加わるものでも、いくつかの処方の中で基本処方があって、それに加減方が付いているというものもあります。
 基本的に、この検討課題の中で、部会で指摘をいただいたものは、いくつか効能・効果の表現等について、もう少し考え直した方がいいのではないかという意見がありましたので、その考えに従い、検討会を審査課長の下に新たに作りまして、そこの検討会で、もう一度各分野の専門の先生方、漢方の先生方に集まっていただきまして、そこで効能・効果の言い方をいくつか考えました。また、検討会では、議論の結果、最終的に、若干のものについて加減処方を増やすということと、基本処方をいくつか減らすという結論がでまして、それで今回最終的な31処方を増やそうという形になりました。
 今のものについてもう少し詳しく説明しますと、若干処方を減らすというのは、実は漢方処方そのものとしては、検討班の中でこれは非常にいい処方であるというのがあるのですが、実はこれは最終的に医薬品として出るものですので、医薬品としての安全性というのはある程度の生薬の基準がないといけないということがもう一つ先にありまして、生薬の基準がすでにあるものと、これから基準を作っていかなければいけないもの、そういうものが非常にたくさんあって、これは簡単には基準づくりはできないというものも含めて考慮して、実際に85処方あったものの中から出入りがあったという事情です。それで、今回資料に付いている31処方は増やして問題ないだろうという結論になりまして、ここに挙げています。
 「効能・効果」を見ていただきますと、「しばり」と「症状」というのが漢方の考え方を入れた形で表されておりまして、すでにこれまで改訂を行ったものも、すべてこのような形で改訂されております。基本的にしばりは、体力の表現が最初にきています。体力の表現というのは、別に実践していた使用実態調査で、一般的にどのような患者さんであったとしても、自分は体力をどの程度のものを持っているか、自分は体力的には非常にある方だ、どちらかというと虚弱な方だという判断は個人でできるだろうということが判明しております。このように、体力については漢方の考えの中では重要な考え方の一つですが、個人で判断できるということで、体力のしばりを一番最初に持ってきまして、それで漢方的な考え方を取り入れた一般用医薬品にしようということで、文章が作られています。
 それ以降を見ていただきますと、2「加玄涼膈散(回春)」ですが、「体力中等度で、胃腸の調子がすぐれないもの」と。ここで「胃腸の調子がすぐれない」というのは、漢方の考え方の中で、それを一般の人に分かりやすいような言葉に言い換えた形でここに書かれています。その次の「症状」を見ていただきますと、これも実際に医療で使っている場合には、もう少し一般用ではない使い方をする場合もたくさんある処方はありますが、ここで書かれている効能・効果というのは、これまでに一般用医薬品として認められている効能・効果を選んでここに書いている次第です。以上です。
○望月部会長 ただ今の説明に関して、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。
○廣江委員 漢方に関しては非常に有効であると言われていますが、先ほどの御説明の中に、疾病構造の変化に伴って効能・効果をいろいろ変えてきたという話がありましたが、例えば16、22、28には、症状にみんな「気管支ぜんそく」という名目があります。これに関して違和感を覚えたのですが、気管支喘息というのは疾病名ですね。それの混乱があるのではないかと認識しているのですが、その点の御説明を願いたいと思います。
○合田参考人 これも今まで何度か議論があったところではないかと思いますが、基本的に今までの一般用医薬品の効能・効果で気管支喘息というものを認めていまして、それでそのものに従わざるを得ないだろうという結論が出たと思います。
 本質的に、医療の中でMDの先生が「これはどういうような疾病である」という言い方をされる場合と、一般の人が考える疾病の考え方と、両方の兼ね合いの中で、この効能・効果が出てきたのだろうと私は理解をしています。この問題は、検討会でも同じような議論があったと思いますが、従来こういうもので認めているのだからという形で、ここは残っています。
○廣江委員 従来というのは分かるのですが、違和感は常にあるのです。ですから、西洋医学と東洋医学も、いろいろ善し悪しはあると思うのですが、今まで認められているということにもう少し踏み込んでいただいて、例えば喘鳴というように症状に変えてしまえば、すっきりと説明ができると思うのですが、ここでいきなり疾患名が出ると、気管支喘息も診断基準があって、条件があるわけですので、それをどう考えたらいいかに関して、納得しきれないところがありますが、御説明いただければ幸いです。
○望月部会長 合田先生の班としては、症状として従来のままでよいというお考えでしょうか。
○合田参考人 班というのは一番最初の研究班ですが、その後の検討会で何人かのMDの先生がいらっしゃるのですが、同じような議論をして、「一般用で、ほかのものでこういう形を認めているのだから、これでしようがないですね」という話が結論になったと記憶しています。
○望月部会長 一般人にとっては、細かく言うよりこの方が分かりやすいということですね。
○合田参考人 そうです。
○望月部会長 廣江先生、いかがですか。
○廣江委員 「ぜんそく」と平仮名で書いてありますし、何となく一般受けするような気はいたします。要するにぜいぜいするということですね。あるいは本当に西洋医学でいう喘息でなくて、息がぜいぜいするという感じで、これを説明するということですね。分かったような感じはしませんが。
○合田参考人 ここに出てくる処方は新規の処方なので、これからどういう処方が選ばれてメーカーが使うかということは、我々には想像できないのですが、今、別のプロジェクトで、このような漢方系のものについては、薬局、薬店で販売する際、具体的にどのような症状の方に販売すべきか、というフローチャートを作ろうという動きがありまして、そういうものとこういう表現を組み合わせて売っていくのかと私は考えております。
○望月部会長 メーカーが使うときにはこのままで出るということではないということです。ほかにはどなたか御意見、御質問等はございましょうか。5処方が抜けたということで、5処方は医薬品としての安全性に欠けるものという理解ですか。
○合田参考人 単純にそうではないのですが、一番大きいのは、これは生薬としての規格を全部作っていくという方向性でやると、到底簡単にはいかないだろうということです。実は多くの処方が、漢方というよりも、中医系の処方でして、中医系の処方というのは非常に生薬の数が多いのです。生薬の数といいましても、その中で、日本であまり使われていない生薬の数が非常に多うございまして、そのためにこのものについて一つひとつ対応していくと、簡単にはいかないだろうということがあります。
 もう一つは、これはあくまでも漢方処方の手引きでして、漢方処方ですので、どこまでが漢方処方かという議論もありましたので、それも含めて、現在中医系で入っているある部分については取り除きましょうという結論になりました。
○望月部会長 特に成分でということではないのですね。
○合田参考人 生薬という意味の成分という意味もあります。構成成分の中で、特殊な生薬がいくつか入っているという理由もあります。ただ、中医の処方を全部除いているということではなくて、見ていただくと分かりますが、例えば25の「補陽還五湯」は中医系の処方ですが、一般的に普通の生薬が使われていますので、こういうものは全く問題ないだろうということで、そういう形で残されています。
○望月部会長 一番最後に書いてある「これまでの五十音から、漢方の考え方を入れた基準処方-類方の並び順へと変更する」というのがよく分からないのですが、どのような順番になるのですか。
○合田参考人 もともと我々が研究班で作ったときは、処方の組合せに関して五十音順ではなくて、基本処方を210にして、それプラス加減方を加えて、新しい一般用漢方処方の手引きの案を作りました。それが一番最初に説明した漢方の考え方に適した作り方だろうという形になりましたが、これまで段階的に内容を変えたり処方を加え、実際に通知で出す場合には、五十音順でしか出しようがなかったのです。そのときには、ばらばらで出てしまっていますので、今回これで一段落付くということですから、もう1回取りまとめて、最初の考え方に戻って、基準処方と、その加方、減方という形に全部組み直して出しましょうということです。
○望月部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はございますか。よろしいですか。それではただ今いただいた御意見を踏まえて、今後、事務局で進めていただきたいと思います。
 合田先生におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
──合田参考人退室──
○望月部会長 事務局から、審議事項に関する「競合品目・競合企業リスト」についての報告をお願いします。
○事務局 本日の審議品目に係る「競合品目・競合企業リスト」を御覧ください。各品目について、競合品目・競合企業及びその選定理由について説明させていただきます。
 議題1の「ルミフェン、ミナルフェンS」は、非ステロイド性鎮痛消炎成分であるアルミノプロフェンを一般用医薬品の有効成分として初めて含有する経口製剤です。効能・効果は解熱鎮痛作用であり、類似の効能を示す競合品目として、ライオン株式会社の「バファリンA」、エスエス製薬株式会社の「イブA錠」、大正製薬株式会社の「ナロンエース」を競合品目として選定しました。
 議題2の「アレグラFX」を含む4品目は、抗ヒスタミン成分であるフェキソフェナジン塩酸塩を一般用医薬品の有効成分として初めて含有する経口製剤です。効能・効果はアレルギー性鼻炎用薬であり、類似の効能を示す競合品としては、ノバルティスファーマ株式会社の「ザジテンAL鼻炎カプセル」、エーザイ株式会社の「スカイナーAL錠」、エスエス製薬株式会社の「アレジオン10」を競合品目として選定しました。説明は以上です。
○望月部会長 ただ今の事務局からの説明について、御意見はございますか。特にないということですので、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆さんの了解を得たものといたします。
 それでは、各委員からの申出状況について報告をお願いします。
○事務局 議題1については、退室委員、議決に参加できない委員はいらっしゃいません。議題2についても、退室委員、議決に参加できない委員はいらっしゃいません。以上です。
○望月部会長 ありがとうございます。それでは議題に入ります。審議事項の議題1「医薬品ルミフェン、ミナルフェンSの製造販売承認の可否について」です。総合機構より説明をお願いいたします。
○機構 議題1「医薬品ルミフェン、ミナルフェンSの製造販売承認の可否について」医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。
販売名ルミフェンほか1名称、申請者は佐藤製薬株式会社です。資料1の審査報告書3ページを御覧ください。本剤は非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤(以下「NSAIDs」)であるアルミノプロフェンの医療用医薬品ミナルフェン錠と同一の製剤を一般用医薬品とするものです。医療用医薬品ミナルフェン錠は、1995年6月8日に薬事法第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しない旨の再審査結果が通知されておりますが、製造販売業者の経営的理由により、2009年3月31日に薬価基準削除の経過措置期間が満了したため、現在は販売されておりません。この点については後ほど御説明いたします。
 次に4ページです。本剤を一般用医薬品とすることの意義について、申請者は、NSAIDsは当該成分の作用機序より胃腸障害の発現を避けることが難しく、胃腸障害の少ない薬剤が望まれていること、本薬は動物実験において治療係数が他の解熱鎮痛成分よりも高く、胃腸障害の軽減が期待されること、医療現場で約20年にわたり使用された実績があり、すでに有効性及び安全性が確認されていることを述べております。
 品質について、本剤の規格及び試験方法は、日本薬局方アルミノプロフェンの規格及び試験方法によるほか、性状については実測値に基づいて設定されました。
 本剤の安定性については、6か月の加速試験が行われており、その結果、通常の保存条件下において、少なくとも3年間安定な製剤であることが示されております。
 5ページです。薬理、薬物動態及び毒性については、医療用医薬品申請時の試験成績がまとめられており、新たな試験は実施されておりません。
 同ページ中段のト項を御覧ください。本項については、医療用医薬品申請時の臨床試験成績及び市販後調査結果が、資料概要中にまとめられており、新たな試験は実施されておりません。
 (1)有効性について、医療用医薬品初回申請時及び急性上気道炎の効能・効果追加時の臨床試験における有効性解析対象例のうち、アルミノプロフェン1日投与量が600mgの症例では、中等度改善以上として、44.4~70.7%の改善率を示しています。また、イブプロフェン、インドメタシン、フルルビプロフェンを対照とした比較臨床試験の結果、対照薬と同程度の有効率を示しました。疾患別の改善率は、6ページの表1、表2にお示ししたとおりです。
 (2)安全性について、初回承認時の副作用発現症例率は7.6%、使用成績調査時の副作用発現症例率は2.6%、急性上気道炎の効能・効果追加時の副作用発現症例率は3.5%でした。いずれも主な副作用の症状は、他のNSAIDs同様、消化器系症状、精神神経系症状、皮膚症状等が報告されております。重篤な副作用は、初回承認時までの調査対象1,285例中4例、使用成績調査及び市販後安全性調査時において15例、医薬品副作用・感染症報告において30例報告されました。これらの転帰は審査報告書6ページから7ページにかけての記載のとおりです。
 機構は安全性の観点から「ミナルフェン錠」と既存のNSAIDsとの比較考察を求め、申請者よりイブプロフェン製剤及びロキソプロフェンナトリウム水和物製剤と比較した場合、眠気等の神経系障害以外の副作用発現率はほぼ同程度であることが説明されました。本剤の眠気等の神経系障害の発現率については、一般用医薬品として使用されているメキタジン等の抗ヒスタミン剤より低く、一般用医薬品として容認できるものであること、本剤の添付文書で眠気等に関する注意喚起を行うことで対応すると説明されております。
 重篤な副作用のうち「アナフィラキシーショック」が、1994年以降の医薬品副作用・感染症報告において、8例認められたことについて、他のNSAIDsに比べ高頻度に発現しているのではないかとの懸念が専門協議において示されたため、機構は申請者に対して、重篤な副作用の発現率について他のNSAIDsとの比較考察を求めました。
 審査報告書7ページの中段を御覧ください。申請者は、アナフィラキシーショックでは1,000万人に数人の割合で、いずれのNSAIDsにも起こる症状であり、副作用の発現頻度は「まれ」と表現される0.1%未満よりも低いものであること、さらにこれらの症例の背景調査結果を示し、この8例の患者はいずれも他剤を併用していたと説明しております。
 「鎮痛剤喘息症候群」「皮膚粘膜眼症候群」及び「中毒性表皮壊死融解症」についても、ミナルフェン錠の副作用発現件数率は、イブプロフェン製剤及びロキソプロフェンナトリウム水和物製剤における副作用発現率と同程度であることが説明されました。
 機構は、ミナルフェン錠の副作用はいずれも他のNSAIDsに共通に認められるものであり、それらの発現件数が少数であることから、使用上の注意及び薬剤師向けの情報提供資料等により十分な注意喚起を行うこととし、これらの回答を了承いたしました。
 続いて、ミナルフェン錠が2009年3月31日に薬価基準削除の経過措置期間を満了していることについて、この原因と背景について御説明いたします。
審査報告書8ページを御覧ください。申請者は他の解熱鎮痛薬との競争激化、シクロオキシゲナーゼ-2選択的阻害薬の登場に加え、原料価格の高騰や薬価の改定、企業合併等により営業的な投資ができていなかったことから、日本での売上げが減少したものであり、医薬品としての有用性が否定されたものではないと述べております。
 また、「ミナルフェン錠200」を一般用医薬品とする意義について、申請者は、本薬が一般用医薬品としても広く使用されているイブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム水和物と同系のプロピオン酸系薬物であること、他の酸性NSAIDsと比較した動物試験において、本薬は胃腸障害の発生用量と薬効用量の間に明確な差があり、治療領域がこれらの酸性NSAIDsの中で最も広いこと、本薬の有効性及び安全性がイブプロフェンやロキソプロフェンナトリウム水和物と同程度であること、さらにミナルフェン錠の診療科別処方実績から、整形外科領域や外科領域を主体として多岐にわたる診療科で使用されていることから、使用者にとってNSAIDsの選択肢を広げる利点があると述べています。
 機構は、一般用医薬品として広く使用されているイブプロフェン製剤やロキソプロフェンナトリウム水和物製剤と比較し、本剤の有効性及び安全性は同程度であることを否定するものではないと判断いたしました。なお、専門協議において、薬理試験結果から胃腸障害の軽減が期待されるものの、臨床試験成績及び市販後調査結果からは、本剤の優位性が特段見られないことから、本剤の新規性は乏しいと考えられ、販売時に新規性を強調することは慎むべきとの指摘がなされたことを踏まえ、機構は、販売時の対応について申請者に見解を求めました。申請者は、本剤が一般用医薬品の中でも慎重に使用することが求められるNSAIDsであることを踏まえ、新規性を強調する広告表現を慎むと述べ、機構はこれを了承いたしました。
 効能・効果及び用法・用量については、審査報告書9ページに記載のとおりです。本剤の効能・効果及び用法・用量は、既承認一般用NSAIDsのロキソニンSと同様に設定されました。
 「使用上の注意について」は、9~11ページを御覧ください。申請当初からの主な変更点は、「相談すること」の2に、一般的なNSAIDsに関する注意として、体温低下や四肢冷却などの症状に対する注意喚起が追記された点、「相談すること」の3に、2、3回服用しても症状がよくならない場合は、服用を中止し医師等に相談することが記載された点です。
 最後に、審査報告書11ページ及び12ページの3「総合評価」を御覧ください。以上のような検討を行った結果、機構は以下の効能・効果、用法・用量において、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。なお、承認条件として「承認後、少なくとも3年間の安全性に関する製造販売後調査を実施すること」との条件を付すことが適当であると判断しております。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○望月部会長 ありがとうございました。ただ今の内容に関しまして、御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。
○望月(眞)委員 類似のお薬として、プロピオン酸系のロキソプロフェンを中でも言及されています。これは村島先生が気になさるかと思ったのですが、ロキソプロフェンの方ですと、出産予定日12週以内の妊婦というのが入ってくるのです。同じプロピオン酸系なので、この薬剤にはどうして入れなかったのかというところを御説明いただけたらと思います。
○生出委員 関連してよろしいでしょうか。望月先生がおっしゃったことと同じようなことで、最近出たもので、イブプロフェンが胎児循環持続症で、妊娠後期には禁忌ということになっているので、同じようなものがこれに載っていないのは、私もどうしてなのだろうかと思っていました。
○機構 こちらにつきましては、御指摘を踏まえまして、検討して対応したいと思っています。現段階では、販売店向け情報提供資料に、妊婦に関する注意喚起が記載されてはいるのですが、今いただきました御指摘を踏まえて再度検討いたします。
○望月部会長 よろしいでしょうか。そのような方向で検討するということです。
○望月(眞)委員 もう1点よろしいでしょうか。類似の薬物がすべて同じ添付文書表現になる必要はないのかもしれませんが「5、6回服用しても云々」のところを「2、3回」に修正はしていただいているのですが、そこもロキソプロフェンの場合は1、2回と。それは作用が違うのかもしれないのですが、ほぼ同じような飲み方をしますので、製品によってそこの摺合せをもう少ししていただいて、添付文書の表現をきちんと御検討いただいた方がいいかもしれないと感じました。
○機構 その点に関しましても、申請者に伝えて、適切に対応させていただきます。
○藤原委員 ルミフェンの添付文書で、一般者向けで「本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品を服用しないでください」というところで、「解熱鎮痛剤、かぜ薬、鎮静薬」とあります。メーカーによって成分をしっかりと書いているところと、鎮静薬ということでこのようにやる方法と二つあるような感じがするのですが、後ろを見たら、確かに薬剤師向けの中にはブロバリンの成分とか書いているのですが、一般者が見たときに、例えば漢方薬の鎮静作用のある薬まで全部含まれてしまう気がするのではないかと思うのですが、これは統一しないでずっといっているのでしょうか。例えばロキソニンの場合はアリルイソプロピルアセチル尿素とか、ブロムワレリル尿素など成分を全部書いていたと思うのです。いかがでしょうか。
○機構 一般用医薬品の添付文書の記載に関しては医療用の記載を踏まえた上で、他のものも含めて整合を取って記載しているところです。それ以外のところについては、情報提供資料に記載をしておりますが、ほかの類薬の添付文書も確認して検討したいと思います。
○望月部会長 ほかにございますか。
○川原委員 細かいことになりますが、アルミノプロフェンの構造ですが、一部立体異性体、不斉炭素を有していまして、これは局方ではラセミ、S体、R体両方を混ぜた状態のものを使っています。これは、例えば同様のイブプロフェンなどでも同じような骨格を有していて、ある報告ですとS体の方がより活性が強い。ただ、体内でR体もS体に変換されるので、現状ではラセミのまま使っているということを聞いたことがあるのですが、このアルミノプロフェンに関しても同様のことがあるのか、その辺の知見があれば教えていただきたいと思います。
○機構 川原先生のおっしゃるとおりで、医療用の資料概要にR体とS体に関する考察がされておりまして、そちらによれば生態内でR体がヒト体内で徐々にS体に変換されるということで、本剤についてもラセミ体のままとしております。
○望月部会長 ほかにございますか。特にないということですので、委員の先生方からいただいた意見をもとにもう一度検討いただくことを前提としまして、審議品目について議決に入ります。ルミフェン、ミナルフェンSについては、退室委員、議決に参加できない委員はいらっしゃいません。議題1のルミフェン、ミナルフェンSについて、本剤は条件付きで承認して差し支えないとしてよろしいでしょうか。
ありがとうございました。これらについては、薬事分科会にその旨を報告させていただきます。続いて、審議事項の議題2「医薬品アレグラFX、アレグラα、アレグラフレッシュ、アレグラファインの製造販売承認の可否について」です。総合機構より説明をお願いいたします。
○機構 議題2「医薬品アレグラFX、アレグラα、アレグラフレッシュ、アレグラファインの製造販売承認の可否について」医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。
 本剤は、1錠中にフェキソフェナジン塩酸塩60mgを含有する錠剤であり、2000年に承認された医療用医薬品アレグラ錠60mgと同一の錠剤をスイッチOTCとして申請したものです。医療用医薬品のアレグラ錠の効能・効果は「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹、皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒」となっておりますが、このたびの一般用医薬品としての申請では、アレルギー性鼻炎に限定した効能・効果が設定されております。
 なお、フェキソフェナジン塩酸塩ですが、これは2011年4月時点で米国、欧州各国を含む世界122か国で承認されております。カナダ、オーストラリア及びニュージーランドでは、季節性鼻炎、通年性鼻炎及び慢性蕁麻疹に伴う諸症状の緩和という効能・効果で、1997年からダイレクトOTCとして使用されております。米国では、1996年に季節性鼻炎、慢性蕁麻疹に対する効能・効果で医療用医薬品として承認された後、昨年(2011年)1月にスイッチOTCとして承認されております。
 審査内容について、臨床データ及びそれを踏まえた使用上の注意を中心に説明いたします。「有効性について」ですが、審査報告書6ページを御覧ください。ガイドラインより抜粋した「アレルギー性鼻炎症状の重症度分類」をお示ししておりますが、医療用医薬品の開発では中等症から重症例を対象に有効性が評価されておりました。そこで、本剤を一般用医薬品として使用するにあたり、軽症の患者における有効性についても検討しました。その結果、表にお示しした使用成績調査の結果から、軽症例においても効果が期待できると判断しました。
 また、OTCの鼻炎用内服薬の効能・効果は、一般の方に分かりやすいアレルギー性鼻炎の症状ということで、総じて「くしゃみ、鼻みず、鼻づまりの緩和」という効能・効果が設定されておりますが、一般的に抗ヒスタミン薬は鼻づまり症状に対する効果が強いものではなく、本剤の臨床試験からも鼻づまりに対する明確な効果は確認できておりません。こちらは審査報告書7ページに記載しております。ただし、フェキソフェナジン塩酸塩について種々の文献を検索したところ、システマティックレビューにおいて鼻閉に対する効果は認められるといった報告もあり、こういった情報も踏まえ、「くしゃみ、鼻みず、鼻づまり」という他の鼻炎用内服薬と同じ効能・効果を設定することで差し支えないだろうと判断しました。
 「安全性について」です。こちらは医療用医薬品アレグラ錠の現時点での安全性情報について、特に重大な副作用、長期投与時の安全性、過量投与時の安全性といったものを中心に検討し、審査報告書にお示ししておりますが、基本的に本品を一般用医薬品とする上で特段の問題はないと判断しております。その中で、本品の眠気ですが、他の抗ヒスタミン薬と比べて眠気等の中枢神経系の抑制作用が起きにくいとされております。これまでに実施された臨床試験からは、本剤がプラセボに比較して一様に眠気の副作用の発現率が高いという傾向はみられておらず、用量依存的な眠気の発現頻度の上昇も認められておりません。専門協議でも本剤による眠気は議論になり、審査報告書15ページに引用文献を2報お示ししておりますが、本剤は眠気のみならず、いわゆるインペアード・パフォーマンスを起こしにくいことが示されており、CONGA(Consensus Group of New generation Antihistamines)という特定の営利団体に属さない組織の評価でも「非鎮静性」と分類されております。こういった情報も踏まえて、医療用医薬品と同様に眠気に関する注意喚起は、本剤をOTCとする場合でも必要ないであろうと判断しております。
 これらの本品の有効性・安全性プロファイルを踏まえて、本品をスイッチOTCとする意義ですが、アレルギー性鼻炎治療においてスタンダードな薬剤である内服用の第2世代抗ヒスタミン薬の選択肢を追加することは、非常に意義があることだろうと考えております。それに加えて、本剤は眠気を他の抗ヒスタミン薬と比べて惹起しないという特徴を持つので、利用価値は高いものと考えております。
 また、アレルギー性鼻炎に対する臨床での標準的な治療、いわゆる現在の一般用医薬品の現状を踏まえ、本品をOTCとした場合の位置付けについて審査報告書10ページ以降にまとめております。これまでの一般用医薬品を用いたアレルギー性鼻炎の治療では、第1世代抗ヒスタミン薬を含有する経口薬、あるいは点鼻薬、血管収縮薬を含有する点鼻薬といったものを、今ある症状を軽減しようという形で使用することが主でしたが、近年アレルギー性鼻炎治療薬のスイッチOTC化が進んでおり、本品を初めとした第2世代抗ヒスタミン薬を適切に使用することで、より効果的にアレルギー性鼻炎に対するセルフメディケーションを実行することが可能になってきていると考えております。それに伴い、薬局での販売時にも、より積極的で専門的な情報提供が望まれるのではないかと考えており、そういった状況を踏まえて本品の使用上の注意を整理しました。審査報告書13ページから使用上の注意をお示ししております。「相談すること」の項に「気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎等の他のアレルギー疾患の診断を受けたことがある人」と「鼻づまりの症状が強い人」を設定しておりますが、販売時にこれらに該当する方に対して具体的な状態を確認することで、少なくとも本剤の投与対象となり得るのかどうか、また医師の診察・診療を受けるべき対象者かどうか、を判断するための最低限の情報は得られるのではないかと考えております。「用法・用量に関連する注意」として、本剤の効果発現には、単回使用というわけではなく、ある程度継続的な服用が重要であるといったことを情報提供するとともに、一方で長期にわたり漫然と使用されることがないように、投与開始後1週間、2週間の時点で使用継続の判断を促すよう注意喚起しております。
 以上のような検討を行った結果、機構は審査報告書に示した効能・効果、用法・用量において本剤を承認して差し支えないと判断しました。なお、承認条件として「承認後、少なくとも3年間の安全性等に関する製造販売後調査を実施すること」との条件を付すことが適当であると判断しております。以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○望月部会長 ただ今の内容に関して御質問、御意見等がありましたらお願いします。
○宗林委員 お尋ねしたいのですが、スイッチOTCについては1箱量の目安が大体このぐらいというのがあるのでしょうか。アレグラなどの場合は、先ほどの使用説明書のところにもありますが、「1週間服用しても症状の改善がみられない場合には、医師又は薬剤師に」ということで、お医者に行きなさいということになるのかどうか分かりませんが、普通はもっと継続的に必要になる薬ではないかと思うのです。そういう場合も、例えばこれを2週間とか大用量のものは出さないというような、スイッチ化された場合の制限というか、一般的にはここまでということはありましたでしょうか。薬によって、先ほどの頓服のようなものNSAIDsとか、そういったものはいいと思うのですが、少し気になりました。
もっと消費者の立場で言えば、スイッチOTCが大変高いのです。もし、こういう薬がもう少し安ければ、非常に広がるのではないかと。安全性との兼ね合いもありますけれども。
○望月部会長 ただ今の件2点ありますが、お答えいただけますか。
○機構 平成14年の一般用医薬品のあり方の検討会のときに、そういう議論があったのではないかと思うのですが。あまり長期投与を前提にするものではないという話があったと思いますので、明確に何日までとか、そういうルールは決めていないと思いますが、薬剤師なりが関与した上で投薬をしていくという前提のものとして、日数等をある程度決めていると。あまり長くならないようにしている、ということだと認識しております。
○望月部会長 花粉症の薬だと、大体1週間では効き目が出ないというのがあります。1週間以上飲んで症状が改善できないというのはよくあることですが、それについてはいかがでしょうか。一般的に抗アレルギー薬はすべてこのような書き方になっているのでしょうか。
○宗林委員 そうすると、1週間経つと、医者へ行ってくださいと薬剤師が受診勧奨するということですか。
○望月部会長 という意味なのですか。
○機構 本剤につきましては、1週間飲み続けた時点で効果が全然感じられないという方は相談に行ってくださいと。その上で、これは効いているということで、患者としても2週間経ったところでもう一度、どちらにしても現時点では2週間が最大の包装とメーカーも考えており、2週間使った時点で、次の薬剤を購入する時点でもう一度販売時に薬剤師に話を聞くということを考えております。
○宗林委員 1週間だけではなく、2週間のパッケージもあるのですか。
○機構 はい、2週間のものもあります。
○望月部会長 パッケージで14錠7日分という、これだけではなく、28錠もあるのですね。
○機構 現在のところ、1週間用と2週間用の二つをラインナップすることを考えております。
○望月部会長 価格が高いというお話も出ましたが、それについては何か御意見はありますか。
○宗林委員 別に出してくれというわけではありませんが、ロキソニンもそうですが、例えば最初出てくるときは仕方がないかもしれないけれども、スイッチ化したもの、OTCを広げる意味では、ロキソニンSもすごく売れているだろうと思いますが、少し値段の調整があるのかと思ったものですから。また、長期にわたって飲むと非常に便利なものが出てきていますね。そういうものも調整があるのかということが聞きたかったものですから。
○望月部会長 国として何かお考えがあるのかどうかということですが。
○審査管理課長 一般用医薬品の価格の問題については、少なくとも私ども医薬食品局においては特にコメントする立場にはないと思いますが、医政局経済課において国内外の一般用医薬品の価格調査などを行って、その辺の情報提供をしているという例はあるかと思います。
○望月部会長 ありがとうございます。ほかに何か御意見はございますか。
○廣江委員 この薬は眠気がなくて、非常に効果があります。患者からも非常に評判がいいのですが、使用者への説明書にもありますように「使用者向け情報提供資料」の2ページに、過量服用時の対応とあります。確かに、これを過剰に飲むと眠気やめまいが出てくるのです。ですから、長期運転する場合には過量服用は必ず避けてくださいとか、そういう文章は要らないでしょうか。これで事故を起こしては何もならないと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○機構 添付文書(案)を御覧ください。「用法・用量に関連する注意」のところで、定められた用法・用量を厳守してくださいということは注意喚起されておりますが、特に過量投与に特出しをして注意喚起ということは現在では考えておりません。
○廣江委員 皆さん守ってくれればいいのですが、守らずにいつもこういう事故が起きているので、それを前もって防ぐ方法はないのかという提案なのですが、もう少し強く言うことはないかと。
○機構 そういった注意喚起をどこまで行うのかとなると、類薬とのバランスというところもありまして、どれぐらいの安全性の情報プロファイルであればそういった注意喚起をするかというところで考えると、他の薬剤に比べて過量投与した場合でもこういった副作用が起きにくいという情報が得られております。
 具体例を挙げると、第I相試験で通常の臨床使用の10倍程度の量まで反復投与した場合でも、特に用量依存的な眠気、あるいは精神障害といったものが起きていないというところがあります。また、医療用として使用された際の自発報告として、数千mgを投与した場合、これは自殺企図みたいな形で集中治療室に運ばれた例ですが、そういった場合に若干めまいというか、傾眠というか、そういうものが現れたという報告はありますが、通常使用されている範囲では特にそういったことは報告されておりませんので、他の医薬品での情報提供の状況も踏まえて、特出しするのは難しいのかと考えております。
○望月部会長 ほかにはどなたか御意見ございませんか。
○福島委員 一般用医薬品で長期に使うというのは、今まであまり出ていなかったものになると思うのです。少々の改善がみられて、2週間を超えて服用される場合に、医師の所には行かないで、また2週間とか続けることは可能になるということでよろしいのでしょうか。それが患者にとってすごく良ければ、大変便利な薬になるかと思うので、そのままでいいのかということをお聞きしたいと思います。
○望月部会長 この添付文書に書いてある意味についてどう理解するかということですが、機構からお答えください。
○生出委員 添付資料一覧表の一つ前の「設-8」の設定根拠(4)の中に、「また、症状の改善がみられても、気候など外的要因により症状が続いている場合、引き続き本剤を服用することもあると考えられる」と書いてあるので。
○望月部会長 そういうことを患者が理解して続けるか、あるいはそのように指導するかのどちらでしょうか。
○生出委員 いずれにしても、専門家の関与が必要だと思います。
○機構 やはり、薬剤師の先生方のアドバイスを伴って使っていただくことが重要ではないかと思っております。審査報告も、なるべく現場の薬剤師の役に立つような内容を盛り込むような形で書いておりますので、そういう気持も我々としてはあります。
○望月部会長 よろしいですか。宗林委員お願いします。
○宗林委員 大変素人的な発想で、改善があるかと思ってお話するのですが、添付文書に「この薬でアレルギー症状等の過敏な反応を起こしたことがある人」とあります。私はもちろん十分分かりますが、もともとアレルギーの人に飲んでもらって、アレルギー症状等の云々は服用することはできませんと書いてあるのです。もちろん違うものですが、例えば後ろの方にある副作用のいろいろなところの腫れとか、いわゆる重篤なアレルギー症状等のことを少し注で飛ばすとか、何かするということはいかがでしょうか。もともとアレルギーなので、言葉の違いはもちろん分かるのですが、もう少し分かりやすい方がいいかと思います。
○機構 それは、これがアレルギー用薬であるという意味と、「本剤によるアレルギーを起こしたことがある人は飲んではいけません」というところの表現が言葉として同じになってしまうので、消費者としては混乱するのではないかという御指摘かと思います。確かにおっしゃるところはあるのですが、他の鼻炎用内服薬についても同様な表現になっていて、この表現を変えるとなると、それらの薬効群を含めた表現をまた整理しなければいけないという、かなり大がかりな作業になっていきます。現時点でこれを修正するということは。
○宗林委員 これまで医療用医薬品はそれでいいのだろうと思いますが、OTCに出てきますね。そうすると、最初のところで薬剤師と書面確認はすると思いますが、一般の方が見るときには分かりやすい、何のことを指しているのかということが、少しフォローがあってもいいかなと思ったまでです。「副作用」という言葉でもいいかもしれませんし、すぐにかゆみ、蕁麻疹が出たり、ということを指すようなことなのか、少し「副作用」という言葉であることが分かるといいなと、スイッチ化してOTCに出てくるときにはいいかと思いました。
○機構 ただ、この文言は通知レベルで決まっている文言で、すべてこのフレーズを使っているということが実態としてあります。
○望月部会長 通知レベルで決まっているというのは、製造業者に対してですね。一般薬は一般の患者が飲むのですから、患者に対してという気持で作らないと何の意味もなさないのではないですか。
○機構 一般用医薬品の使用上の注意の書き方という通知が出ていて、そこである程度ルールが決まっております。その薬剤の特性によっては変える場合もあるとは思いますが、基本的な文章が決まっております。
○機構 冒頭の御説明でも申し上げましたが、添付文書に記載している事項を患者が読むだけではなく、販売時にしっかりと薬剤師が説明をするところが、今後スイッチOTCを出していく場合には重要になってくると思います。その中で、セルフメディケーションを推進するということであれば、患者教育ではないですが、販売時にそういった情報を適切に患者に提供していくと。そこで対応するべきなのかと考えております。
○望月部会長 患者が分からなくても、薬剤師が説明するからいいのだという御判断ですか。私にはそう聞こえたのですが。
○宗林委員 もちろん第一類なので、そういうことがあることも前提として、それがあればあるほどいいというのは承知していますし、また通知などもあるということもあると思いますが、その中でスイッチ化する第一類のアレルギー薬に関しては、ここの表現は多少アレンジとして「副作用が」という言葉できちんとと分かるように、これを持って帰って家庭内にあるときにも分かるようにという配慮があってもいいのかと思いましたので、意見として申し上げます。
○望月部会長 以上のような意見が部会で出ましたので、よろしく御検討ください。
○望月(眞)委員 別の意見があるのですが、今のことで少しだけ補足します。今、薬学部で6年制の薬剤師教育をしている中で、臨床の実務実習に出る前に客観的技能試験を行っているのですが、そこで患者さんに副作用等の説明を薬剤師がする際に、「アレルギー」という言葉は専門用語という整理をしていて、「薬を使って体にブツブツができたり、かゆくなったりしたことはありませんか」という噛み砕いた説明をすることで点数がもらえるみたいになっていることだけ御紹介しておきます。
 質問は別の件なのですが、今アレグラの箱を拝見していたのですが、この箱の「アレグラ」という商品名の下に、赤い枠で白抜きの字で「医療用と同成分・同用量」という表現がされています。私は今までスイッチでこういうのを見たのは初めてだったので、ほかにもこういう表現をわざわざしているスイッチOTCはあるのでしょうか。
○機構 近年承認されたものですと「医療用と同様」とか「同成分」といった表現をしているものはあるかと思います。
○望月(眞)委員 こういう形で箱にですか。
○機構 パッケージに記載している場合があるかと思います。
○望月(眞)委員 何となく宣伝のような感じがしてしまったので、少し違和感があったのですが、表にかなり目立つ活字で表現されていたので。悪いことではない気がするのですが、医療用の成分をスイッチしたのだということが伝わることはいいことだと思いますが、書く場所が、ここが適切なのかと思いました。
○川原委員 今の望月先生のお話と関連しているかどうか分かりませんが、同じようにパッケージの一番上に「アレルギー専用鼻炎薬」という記載があるのです。こういう書き方が一般的なのかどうか。一応これはアレルギー性鼻炎限定ということになっているので、自分の中では「アレルギー性鼻炎専用薬」という感じかというところがあるのですが、いかがでしょうか。
○機構 いただいた意見を検討して、メーカーにも伝えて検討させていただきます。
○望月部会長 ほかには、どなたか御意見はありますか。よろしいですか。それでは、ただ今各委員から出た意見は是非お伝え願いたいと思います。
 それを前提として、審議品目について議決に入ります。アレグラFXを含む4品目については、退室委員、議決に参加できない委員はいらっしゃいません。議決2のアレグラFX、アレグラα、アレグラフレッシュ、アレグラファインについて、本剤は条件付きで承認して差し支えないとしてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、これらについても薬事分科会にその旨を報告させていただきます。どうもありがとうございました。
 報告事項の議題1「ストナリニPガード、サトウリニPガード、ペミラストンAG鼻炎錠の製造販売について」を総合機構から御説明ください。
○機構 報告事項議題1「ストナリニPガード、サトウリニPガード、ペミラストンAG鼻炎錠の製造販売について」について医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。
資料3を御覧ください。販売名はストナリニPガードほか2品目で、佐藤製薬株式会社とアルフレッサファーマ株式会社の共同開発による申請となっております。「成分・分量」は、1日量2錠中ペミロラストカリウム10mgを有効成分として配合する抗アレルギー薬です。「用法・用量」は、成人(15歳以上)で1回1錠を1日2回朝食後及び夕食後に服用すると設定されております。「効能・効果」は、花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、となっております。
 本品は、医療用医薬品であるペミロラストカリウム製剤のスイッチOTCとして、昨年8月に開催された「一般用医薬品部会」において審議され、同年11月に承認された田辺三菱製薬株式会社より申請の「アレギサール鼻炎」ほか2品目と有効成分、分量、用法・用量、効能・効果等が同一性を有するものであり、当該品目の審査中に本品が申請されました。先に承認されたアレギサール鼻炎ほか2品目は、現在、製造販売後調査が実施されているため、本品には「承認後、少なくとも同一性を有する既承認品目に承認条件として課せられている製造販売後調査の残余期間において、安全性に関する製造販売後調査を行うこと」との承認条件を付することが適当であると判断し、報告させていただきました。以上です。
○望月部会長 ただ今の報告に関して御質問、御意見等はありますか。
○望月(眞)委員 別紙の「使用上の注意(案)」ですが、先ほどのアレグラとほぼ同じような使われ方をするお薬ということで、先ほど、私は今回すごく良い形に変わったと思った表現が、「1週間使っても改善がみられなかったときには云々」と、その後に「2週間以上使う場合には云々」と書かれていたと思うのです。それは用法・用量に関連する使用上の注意のところに書かれていたのです。前はこの使用上の注意の別紙の案のように、「相談すること」の最後に1行簡単に書かれていて分かりづらかったのです。それが今回アレグラで改善されて、私はとても良い改善のされ方をしたと思っていたのですが、この案では元に戻ってしまう気がするのです。これは、すでに承認されている同じペミロラストの成分で、同じだからという整理になるのですか。
○機構 そのように考えております。既存品ですでにこのような記載となっておりますので、本品も同様に対応する必要があると考えております。
○望月(眞)委員 これは、反映できないものなのでしょうか。
○機構 今、御指摘いただいた内容を、先発品も含めて検討させていただきます。
○望月部会長 よろしくお願いします。ほかには、どなたか御意見はありますか。特にないようですので、議題1「ストナリニPガード、サトウリニPガード、ペミラストンAG鼻炎錠の製造販売について」の報告については、ただ今の委員からの御指摘を連絡していただくことを前提として、了承を得たものとします。
 引き続き、報告事項の議題2「トランシーノの再審査結果について」、総合機構から説明をお願いします。
○機構 報告事項議題2「トランシーノの再審査結果について」医薬品医療機器総合機構から御説明いたします。資料4、再審査報告書の1ページを御覧ください。本剤は、トラネキサム酸、アスコルビン酸、L-システイン、パントテン酸カルシウム、ピリドキシン塩酸塩を含む製剤で、製造販売業者はダイト株式会社です。平成19年の承認時に4年間の再審査期間が付されました。効能・効果、用法・用量については、表に記載されているとおりです。本剤の再審査期間中には、特別調査としてモニター店による調査と製造販売後臨床試験が実施されております。モニター店による調査は、あらかじめ選定した薬局での使用者登録法式により3,000例を目標に行われ、3,186例が収集されております。製造販売後臨床試験は、目標症例数を100例として非盲検試験にて実施され、118例が収集されております。
 モニター店による調査結果について、1ページ中段を御覧ください。3,186例を安全性解析対象とした副作用発現症例率は2.4%で、重篤なものはなかったものの、承認時までの調査の発現症例率1.1%と比較し高い結果となりました。この理由について、承認時までの調査は医師が評価した結果ですが、本調査は薬局を介した使用者の情報に基づき薬剤師が評価した結果であること、また十分な情報が得られない場合にも、有害事象をそのまま副作用として扱ったことが影響したと説明されております。安全性に影響を及ぼす背景別要因として、年齢、服用期間及び併用薬の有無についても検討が行われ、これらに基づいた新たな注意喚起等は必要ないと考えられております。
 重点調査項目である血栓症の発現頻度については、報告書の2ページを御覧ください。使用者アンケート調査において「激しい頭痛・舌のもつれ、片方の足の急激な痛み・むくみ、持続的な胸の痛み、突然の呼吸困難・息切れ」の症状を呈したかどうか調査が行われ、これに10例の回答がありました。これらの症例を検討した結果、血栓症との関連がないと確認された例や、その後の訴えがなかった例であったことから、重大な内容ではないと判断されております。有効性については、肝斑を使用目的とする有効回答3,039例を解析対象とし、「やや効いた」以上の有効率が約86%でした。
 続きまして、「製造販売後臨床試験結果について」御説明します。副作用発現率は全クールを通じて5.9%であり、重篤なものはありませんでした。副作用発現率が承認時までの調査と比較して高かったことについて、製造販売後臨床試験における副作用判定は治験責任医師の判断によって行われ、1施設に「胃腸障害」が偏って報告されたことが影響したと考えられております。有効性については、報告書の3ページ及び4ページに記載のとおりです。再審査期間中に報告された副作用について、4ページ中段を御覧ください。重篤な有害事象については自発報告で3例3件が報告されておりますが、いずれの事象も本剤との因果関係が明確ではないことから、これに関して現段階で新たな追加措置は不要と判断しました。未知の有害事象については様々な症状が報告されており、医師、薬剤師から「関連あり・可能性大・確実」等の評価があった症例は43例62件ありました。これらについて注意喚起を行う必要性を検討した結果、申請者より動悸、頭痛、めまい、発赤を本剤による副作用として添付文書に追記し、注意喚起を行うと回答されております。機構は、以上の申請者の説明を了承し、本剤の安全性についてはこれらの注意喚起を行うことで、ほかに対応が必要な特段の問題はないと判断しました。本剤の再審査期間中に、安全性に関する重大な措置、研究報告に該当する報告、海外からの情報に該当する報告はありませんでした。これらの評価から、総合評価として、機構は薬事法第14条第2項の承認拒否事由のいずれにも該当しない「カテゴリー1」と判断しました。以上です。
○望月部会長 ただ今の説明に関して御質問、御意見等はありますか。
○村島委員 カテゴリー1というのはどういうものでしょうか。リスク分類という意味ですか。
○機構 カテゴリー1は、薬事法で規定されているものなのですが、薬事法第14条で次のものに該当する場合は医薬品として認めないというところがあって、申請にかかる効能・効果又は性能を有すると認められない場合とか、著しく有害な作用を有することにより使用価値がないと認められるときなど、そのようなものに該当しない場合をカテゴリー1として扱っております。
○村島委員 特に問題ないということは、販売形式はどれに該当するのですか。
○機構 販売は、先日の安全対策部会で、引き続き一類ということです。
○村島委員 カテゴリーと一類がよく分からなかったので、すみませんでした。
 これは報告なので、今ごろ気がついているのかもしれませんが、効能・効果の添付文書の最後から2ページ目の「してはいけないこと」「相談すること」と書いてあるところで、相談することの中に何で妊娠が入っていなかったのでしょうか。授乳中の人よりは、この内容から言うと、ほとんどビタミン製剤なので、と言いながらトラネキサム酸に関してはそういう意味でのエビデンスはなかったと思うので、相談することに妊婦が入っていないのはなぜだったか教えていただければと思います。
○機構 承認当時に、懸念のあるものについては検討して添付文書が作られたとは思いますが、承認時のものを調査して検討したいと思います。
○望月部会長 それを検討していただくということで、よろしいですか。
○村島委員 そうすると、これはもう1回検討して、報告という形で次の会に報告されるのでしょうか。
○機構 添付文書の改訂につきましては、今後も必要があり次第検討がされて改訂されるものと思われます。
○機構 その結果は、詳細についてはお調べしますが、個別に先生に御連絡ということでもよろしいでしょうか。
○望月部会長 調べた結果を村島先生に直接お知らせするということでよろしいですか。
○村島委員 はい。
○機構 今調べたところでは、医療用のトランサミンカプセル錠の添付文書を見ると、そういった記載がありませんので、そういった注意がそもそも必要なかったということから来ているものと考えております。
○村島委員 前にもお話したように、妊娠中と授乳中の赤ちゃんへの移行量を考えたらすごくナンセンスな議論になりますので、私はいつも授乳中の方だけ、今までも何度かお話して、難しいことはよく分かっているのですが、科学的に考えたときの矛盾をはらんでいることを承知の上で進めていただきたいと思います。どういうことかというと、トランサミンを妊娠中に飲んだらそれなりに赤ちゃんに行きますが、母乳経由で行くのは多分本当に微々たるもの、空気中を舞っているものを吸い込むぐらいの微々たるもののはずなのです。そういう科学的に矛盾したことを添付文書で表現しているということを、今後の課題にしていただきたいと思います。
○望月部会長 何かお答えできますか。
○機構 それでは、検討させていただきます。
○福島委員 確認ですが、トランシーノが再審査でOKになったということは、何か期間を持っていた薬でしたでしょうか。その辺りの記憶がないのですが、ある程度の期間をみたときに、一類から二類に行くことはあるのでしょうか。
○安全対策課長 御指摘のとおりで、市販後調査をやっていたものについては、それが終わったところで一類のままなのか二類にするのかの議論をすることになっております。トランシーノについては、医薬品等安全対策部会で御議論いただいて、一類のまま継続して市販後の状況を見ることになっております。
○望月部会長 ほかにはよろしいですか。
○藤原委員 先ほどの村島先生のお話に関連して、相談することの中に「血栓症を起こすおそれのある人」という部分があります。妊産婦は非常に血栓を起こしやすい状況にあるのではないかと推測されますが、もしそういう意味での慎重であれば、ここで相談してやっていく方がより安全という気がします。
○望月部会長 そういうコメントを頭に入れて対応していただきたいと思います。ほかには、どなたかありますか。
 それでは、ただ今の委員からの意見に対して、機構で適切にお答えを出すようにして、直接委員宛て、あるいは必要があれば次回の部会でも説明していただければと思います。ということで、議題2「トランシーノの再審査結果について」の報告については御了承を得たということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。続きまして、その他の議題2「医療用医薬品の有効成分の一般用医薬品への転用について」を事務局から御説明ください。
○事務局 その他議題2「医療用医薬品の有効成分の一般用医薬品への転用について」事務局より御説明いたします。資料6を御覧ください。スイッチOTC医薬品の候補成分の選定についてです。平成23年3月に、日本薬学会から10候補成分について報告がされました。その報告書の内容について、医学関係学会110団体に意見を伺い、12団体から意見をいただいております。その他団体からの意見の提出がないことは、別途確認しております。今回、10候補成分中1成分を平成23年度候補成分案として選定しました。別紙1を御覧ください。候補成分は「ヒアルロン酸ナトリウム」で、投与経路は点眼としております。ヒアルロン酸ナトリウムについては、平成20年度の候補成分として医学関係団体に意見聴取を行い、御意見があって、その年の候補成分には至りませんでした。今回、日本薬学会から平成20年度にいただいた意見に対する対策等を講じた報告書が提出され、その報告書に対する意見聴取を行ったところ、意見は日本眼科学会のみ提出されました。別紙2に御意見を示しております。「目の乾き」を対象としたヒアルロン酸ナトリウムのスイッチ化については、大きな問題はないとして回答をいただいております。また、日本薬学会より提出された報告書中の(1)「1週間程度使用しても改善が認められない場合は、眼科医を受診することを販売時に薬剤師が必ず勧奨する」、(2)「剤型として防腐剤を含まない一回使用型であるミニタイプを用いる」の対策遵守が望ましいとのことより、(2)の「防腐剤を含まない一回使用型であるミニタイプ」である必要性を条件として付することとしました。
 この候補成分案について御検討いただき、御了承いただいた場合には、各製薬団体に周知するとともに、スイッチOTC医薬品の承認申請を促し、開発状況について今後調査することとします。なお、残り9成分については、今後も引き続き検討を行うこととさせていただきます。また、来年度の候補成分の選定についても、これまでと同様に成分の選定を進めていくこととしております。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○望月部会長 ただ今の説明に関して御質問、御意見等はありますか。
○宗林委員 ヒアレインのときに、「防腐剤を含まない一回使用型であるミニタイプ」なのですが、1回切ったらもう蓋がないものという意味でしょうか。というのは、長期にわたって使うのは好ましくないと思いますが、ドライアイに対しては1日に何回か差したくなるような感じのイメージだと思うのですが、そのときに続けて1日の間でも差せないような感じなのですか。使い切りで、蓋がなくなってしまうのでしょう。1回きりですよね。それは、例えば1日の間は数回使えることにしたら、大変な大きな問題があるのですか。普通の使いたい使い方は、1日に何回か差すというのが普通かと思ったのでお聞きしているのですが。
○望月部会長 いかがでしょうか。量的には、1回差したらなくなるぐらいの量なのですか。
○事務局 少し多目には入っていますが、基本的な使い方は1回使い切りということになっておりますので、宗林委員が言われる1日分を1剤型とするようなタイプではありませんし、そのような形の剤型で認められた医薬品等は現状ありませんので、想定していないと考えております。
○福島委員 関連して、1回使い切りのタイプだと、容器がつながっているような感じで取るものだと思うのですが、費用的にかなり高くなるような気がするのです。ですから、OTCで買うよりも医療機関に行った方がよくなってしまう可能性もあるので、あまり利便性がよくないかと思いました。
○望月部会長 今のコメントに回答があればお願いします。
○宗林委員 重ねて質問ですが、医療用のヒアレインは防腐剤が入っているという意味ですか。
○機構 恐らく、防腐剤を入れないようにするために、少量ずつの剤型が必要とされていると。なぜかというと、何回も何回も差すと、かゆみの原因になるのが防腐剤そのものだとよく言われておりますので、こういう商品も必要だということではないでしょうか。
○宗林委員 それは承知していて、つながった1回型があるのは承知しているのですが、普通の医療用医薬品の眼科でもらってくる、少量だけれどもネジで何回か使えるものは、防腐剤が入っていたのでしょうかとお聞きしているのです。
○事務局 通常のボトルタイプであれば、膨腐剤は入っていると認識しております。
○村島委員 患者に処方している立場から申し上げますと、2種類とも利便性という意味では好みによるのかと思います。確かにヒアレインミニの方が医学的に考えたら絶対安全なわけなので、市販にするには防腐剤抜きでいいのかと思いますが、実際問題としてはデスクワークで目が乾くような人が使う場合には、立てかけておいて1日ぐらいということを考えて、製造される方には少し多目にぐらいは配慮していただいていいのかと思います。
○宗林委員 眼科に行ってヒアレインをもらってくるときに、1本ではなくてまとめて出してくださるのです。その方がよほど便利ということになってしまうのかと思ったのです。清潔という意味ではこの方がいいというのは科学的にも理解しているのですが、実際そうなったときは継続的にずっと、1か月ではなくてもっと先まで定期的に使う形になると、眼科に行くと5本まとめてとか処方してくださることになるので、そうするとそちらの方がずっと便利だという話になってしまうと思ったので、OTCで出てくるものであれば、もう少し利便性の観点も入れてした方が、実際には使っていただけるのかと思いました。
○鈴木委員 先ほどのアレグラのときも出ましたが、スイッチOTCは基本的に長期間投与しないということなので、皆さんはそんなに長期間使うことを前提にしていないのでしょうけれども、長期間使えるような形になっていると、特に高齢者などは、大事に長い期間使う人が出てきます。そういうことは避けなければいけないと思うし、日本の場合は医療機関に気軽に安く受診できますから、どうぞ受診していただきたいと思います。
○望月部会長 ありがとうございます。ほかに、どなたか御意見はありますか。それでは、ただ今いろいろ委員から出ましたが、企業に承認申請を促すときに、こういう意見があったということをお伝えいただければと思います。いただいた意見を踏まえて、事務局で今後進めていただきたいと思います。
 以上で、本日の審議事項、報告事項、その他事項を終了させていただきます。次回の当部会は、8月23日(木)14時からの予定となっております。改めて事務局から連絡をしていただきたいと思います。
 それでは、本日の一般用医薬品部会はこれにて終了し、閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 野村(内線2746)

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