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2012年4月17日 第18回ILO懇談会議事要旨

大臣官房国際課

○日時

平成24年4月17日(火) 15:30~17:30


○場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)


○出席者

(1)労働者側

桜田 高明 (日本労働組合総連合会国際顧問)
新谷 信幸 (日本労働組合総連合会総合労働局長)

(2)使用者側

松井 博志 (日本経済団体連合会国際協力本部副本部長)

(3)政府側

妹尾 吉洋 (厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当))
井内 雅明 (厚生労働省大臣官房国際課統括調整官)

○議題

(1)第313回ILO理事会の報告
(2)未批准条約について
   ・第94号条約について
   ・第149号条約について
(3)その他

○議事

(1)議題1 第313回ILO理事会の報告

 妹尾総括審議官からの挨拶、井内国際課統括調整官からの出席者紹介に引き続き、政府側より資料1に基づき第313回ILO理事会の概要説明がなされた。

○ミャンマー案件について
(労働者側)
 事態が好転していることは好感しているが、その好転が地に足がついたものになるかどうか、引き続き厳しい目を持って見極めたい。また、やむなく国外での活動を余儀なくされている労働組合メンバーが、安心して国内で新たな国作りに積極的に参加できるようになるまでしっかり見届けていきたい。

(使用者側)
 次期総会で、今までの様々な措置についての見直しをすることが決まったことについては好感が持てる。現状をきちんと把握して適切な対応をすることが重要。ILOだけ最後まで制裁措置を行うなど他の流れに遅れるようなことがないように対応して欲しい。 

○リオ+20について
(使用者側)
 今後、国連がポストMDGを作成する作業になると考えるが、国連本体だけでどれだけ行うのか、他の関連機関との連携をどのように行っていくのか、よく見えてこない。環境がメインテーマだが、持続可能な開発(sustainable development)も含まれており、非常に幅広い内容を扱うと理解している。各国政府は、ILOでの議論をしっかりフィードバックしていくべき。

(2)議題2 未批准条約について

 政府側より、資料2-1及び2-2に基づき、第94号条約、149号条約について説明がなされた後、意見交換が行われた。

○第94号条約について
(労働者側)
 震災で公共事業が増えている中、重要性を増している条約である。人件費が競争の源泉になっている中、ますます労働条件が下がってしまうことを懸念している。公契約における支出費用の源泉は税金であり、税金を使う公的事業で利益を得ている企業は、その雇用する労働者に対して人間らしい生活・労働条件を保障するべきであること、また、発注者である公的機関はそれを担保するための責任を負うこと、という考え方に基づき、第94号条約において公契約に関する規定が設けられていると我々は考えている。国内の法整備を行い、第94号条約の批准を経て、政府としてもそのような取組を加速するべきである。

(使用者側)
 趣旨は理解できるが、日本で本当にできるのか疑問を感じる。条約批准の問題ではなく、国の予算制約の問題が根本にあるのではないかと思われ、今後の展開は現実的に難しいと考える。

(政府側)
 最近の公共事業その他の公契約の賃金所得は、職種に関わらず、限りなく最低ラインに近い状況であり、公契約の在り方に問題意識を持っている。現在、公契約条例等を制定した地方自治体の取組に関する情報収集を行っており、今後、さらに研究を進め、具体的なスケジュール感が出せるよう努力したい。

○第149号条約について
(労働者側)
 看護職員の離職に歯止めをかけ、医療の質を高めるためには、看護職員の教育、研修とともに労働時間と仕事との調和、両立支援が必要で、第149号条約の批准に向けた国内法の整備が重要である。看護師等の「雇用の質」の向上に関する厚生労働省内プロジェクトチームが報告書を取りまとめたが、実効性ある取り組みを行ってほしい。労基法にある常時10人未満の労働者を使用する事業場に関する特例はいつまで残すのか。また、長時間労働が問題視されている自動車運転者の改善基準告示のようなガイドラインの作成を進めるべき。

(使用者側)
 そのようなガイドラインの作成は逆に規制のレベルを下げることにならないか危惧する。

(政府側)
 看護分野においては、労使のコミュニケーションが十分とれていない可能性があること、公的保険制度で支えられているという点で通常の労働条件設定と違う部分があることなど、非常に難しい問題はあるが、今後、労働行政としても継続的に取り組む体制作りを進めている。

(3)その他

(労働者側)
 ILO懇談会はこれまで非公開で開催されてきたが、未批准条約の批准を前進させるため、懇談会を公開して、条約に対する政府の姿勢を公に示すべきである。

(使用者側)
 審議会が、非公開であった時期と公開された以降の時期における自身の経験からすると、公開すると委員同士の実質的な議論にならないので、非公開を維持すべきである。

以上


<照会先>

大臣官房国際課

国際労働機関第二係: 03-5253-1111(内線7310)

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