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2012年7月26日 独立行政法人評価委員会年金部会(第36回)議事録

○日時

平成24年7月26日(木)13:00~15:00


○場所

共用第8会議室


○出席者

山口部会長、川北部会長代理、竹原委員、安浪委員、安達委員、大野委員、光多委員

○議事

(以下、議事録)

○山口部会長
 ただいまから独立行政法人評価委員会年金部会(第36回)を開催します。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の議事について、事務局からご説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 本日は、まず年金部会における平成23年度業務実績の評価について、事務局より説明いたします。続いて、年金・健康保険福祉施設整理機構の個別評価についてご審議いただきまして、その次に役員給与規定の改正についてご意見をいただきます。最後に、最近の独立行政法人を取り巻く状況について、事務局よりご報告いたします。以上です。

○山口部会長
 議事に入ります。議事次第の議題(1)です。独立行政法人の実績評価を行っていただくわけですが、今年度実施する各法人の評価の流れ、評価基準について、事務局から説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 個別評価の進め方について説明いたします。資料1-1-[1]です。進め方については昨年と変わりませんので、簡単にご説明します。まず初めに、理事長から法人全体の業務実績を説明していただきます。その後、各個別項目を4つのパートに分け、法人から実績と自己評価を説明していただきます。その次に、各パートごとに質疑応答を行い、委員の方にはSからDの評定と、評定理由を評定記入用紙に記入していただきます。それを各パートごとに繰り返して進めていきます。
 評価については、総務省に設置されている政策評価・独立行政法人評価委員会、いわゆる政・独委と言われているところが作成している「評価の視点」等を踏まえて評価していただく必要がございます。年金部会では、これらに関する法人の実績を、資料2-3「業務実績評価別添資料」にとりまとめており、この別添資料に記載された事項を評価するチェックポイントを資料1-1-[2]としてとりまとめていますので、評価に当たって参考としていただければと思います。
 また、委員の皆様のお手元に配付している紺色の資料集の126頁に、今年5月21日に政・独委より二次評価に当たって特に留意すべき事項が示されています。これまでに追加して対応すべき事項がいくつかありますので、ご説明いたします。126頁のいちばん下の「公益法人等に対する会費の支出について」と、127頁の保有資産の管理の1つ目と2つ目の●で、「独法の職員宿舎の見直し」関係です。いずれも行革本部決定となっていますが、これが平成24年3月に決まったものですので、平成23年度実績評価で手当てすることが困難ということで、総務省の政・独委の事務局にも確認しまして、資料2-3「業務実績評価別添資料」に現状を記載することで対応すると考えています。
 また、金融資産に記載されている溜まり金の精査については、財務担当員にヒアリングの際に確認していただき、法人の総合評価の際にコメントいただくことを考えています。
 内部統制については、監事の監査結果を踏まえた評価を行っているかについて留意することとあります。これについては、昨年の総会等で複数の委員からもご指摘がありまして、資料2-3の別添資料に一部追加しておりますが、資料の記載内容を確認いただきながら評価をしていただければと考えています。
 法人の個別評価が終わりましたら、各委員の評価を踏まえまして、評価書案を作成していただきます。各法人の起草担当の委員は資料1-2のとおりとなっています。農業者年金基金については安達委員と山口委員、年金積立金管理運用独立行政法人については大野委員と竹原委員、年金・健康保険福祉施設整理機構については川北委員と光多委員、財務に関する意見等については安浪委員ということで、よろしくお願いいたします。
 評価書案の作成については、各法人の所管課室と起草委員で調整しながら、案文の作成を行っていただきます。起草委員において作成していただきました評価書案については、8月21日(火)に予定している総合評価の部会で、各委員にご審議いただくことになります。
 続いて、資料1-3、資料1-4について説明いたします。資料1-3ですが、年金部会で評価する2法人について、あらかじめ法人の大体の実績を踏まえた上で評価いただいたほうが、評価のばらつきが少なくなると考えて、自己評定の一覧を付けています。
 また、資料1-4については、他部会を含めた過去3年の評価結果をグラフ化したものです。各法人の自己評価の状況や他部会の評価結果なども参考に、ご評価いただければと思います。事務局からは以上です。

○山口部会長
 ご質問等はございますか。よろしいですか。
 いま事務局よりご説明のあった手順に従いまして、法人の実績の評価を行っていきます。年金・健康保険福祉施設整理機構の個別評価に入ります。最初に理事長からのご挨拶と、平成23年度における業務実績概要の説明をお願いします。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 4月1日付で理事長を拝命した尾身でございます、よろしくお願いいたします。本日は委員の先生方には、当機構の業務実績を評価していただけるということで、誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 昨年の業務実績の概要については、後ほど企画部長の山路が、詳細な説明をいたしますが、私が昨年を振り返ってみますと、重要だったことは3点あったと思います。
 1点目は、東日本の大震災により被災した病院に対する緊急整備をしたことです。2点目はフェーズ2の財務調査を実施することにより、全病院の3期分の財務諸表が作成できまして、それによって病院の経営状態を把握できたことです。3点目は、厚生労働省の指示を受けまして、健康保険鳴門病院の譲渡が完成しまして、それから川崎社会保険病院の譲渡に向けての準備も順調に進んでおります。
 さて、委員の皆様ご承知のように、RFOは平成26年4月に独立行政法人地域医療機能推進機構に改組することになっています。3月の当部会ですでにお諮りしましたが、当機構の中期目標は4月に改正され、改組の準備作業が新たな目標に加わりました。この目標の実現のために、機構内には準備室が設立され、本格的な準備作業が始まっております。
 このように当機構を取り巻く環境は大きく変化しており、機構の運営体制も大きく変わりました。委員の皆様には、我々を取り巻く環境の変化や、組織が過渡的な状況にあることをご理解いただいて評価をしていただければ幸いと思います。簡単ではありますが、就任の挨拶と、業務実績の概要報告とさせていただきます。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 山路と申します。私から業務実績の概要についてご説明させていただきます。A3横の資料2-2をご覧ください。3頁「効率的な業務運営体制の確立」です。私どもRFOは、最終年度までに4%の人員を削減するという数値目標を与えられていますが、平成21年度末にすでに5.6%減となっていて、数値目標は達成しているところです。この平成23年度におきましては、社会保険病院等の譲渡指示に備えて引き続き民間の専門的知見を最大限活用できる体制を確保するとともに、昨年6月の法改正により、当機構が地域医療機能推進機構へ改組されることが決まり、改正中期目標において、新機構への改組に向けた準備作業を適切に行うこととされたことから、平成24年度以降に本格化する改組準備に必要となる人材の受入れに備えた人員の削減を行いました。平成23年度末の常勤役職員数は25名となっています。
 資料の中段の「職員数の推移」の欄をご覧ください。平成22年3月末は33名でしたが、平成23年3月には30名に削減し、この平成24年3月には24名まで削減しています。平成22年3月までで、ほぼ施設の譲渡が終わったことから、平成23年3月には、入札執行を主に担当していた業務推進部を廃止し、その人員を病院の経営状況の調査を行う調査部及び病院の施設整備等を実施する管理部にシフトしたところです。平成24年3月末では、まだ施設部というセクションに4名残っておりますが、この4月1日の新体制においては、この施設部も廃止し、施設譲渡に関する人員は企画部に一本化する体制としています。
 私どもとしましては、機構の役割が刻々と変わり、過渡的な状況の中で、職員のモラールの維持にも配慮しつつ、弾力的に組織のスクラップ・アンド・ビルドを実施することにより、効率的な体制を確保できたと考えています。
 4頁「効率的な業務運営のための外部委託の活用」です。昨年度は大きく4業務について実施しています。「1「社会保険病院等の譲渡指示に備えた体制整備」です。社会保険病院等の譲渡に効率的かつ弾力的に対応するために、病院の譲渡に係るアドバイザーを企画競争により選定しています。当該アドバイザーには、医療機器等の査定業務、病院の事業概要にかかわる資料の作成業務、マーケティングの補助業務、病院事業の引継ぎ支援業務を委託することとして、業者を選定しました。
 2番目として、不動産の売却に係る詳細開示資料の作成及び入札補助業務の委託をしています。川崎社会保険病院について、譲渡指示が出されましたので、不動産として譲渡するための詳細開示資料の作成業務と、入札補助業務を委託しました。従前、私どもが売却業務を委託する際には、媒介契約を締結しておりまして、より高い価格で施設が売却されれば、業者に対してより高い手数料を払うという契約形態が主でしたが、病院譲渡のマーケティングを不動産仲介業者にお願いすることは、私どもは一切想定しておりませんでしたので、この業務については、1件いくらで作っていただけますかという、定額方式での入札を実施しています。
 次に、病院の運営管理体制に資する外部委託です。先ほど尾身の言葉にもありましたが、平成22年度に実施した財務調査、これは平成22年3月期1期分の財務諸表の作成を行ったものですが、この契約を延長いたしまして、平成23年度においては平成21年3月及び平成23年3月、3期比較ができる財務諸表を作成しました。また、これらを使った指標分析、比較分析等による個別病院等の詳細分析も実施しております。
 次に、病院の不動産価格に係る鑑定評価業務です。私どもは、毎年棚卸資産の再評価のため不動産鑑定評価が必要となることから、既に不動産鑑定評価業務については外部委託しておりましたが、財務調査の結果が出ましたことから、この結果を不動産鑑定評価に的確に反映させるため、仕様書の内容を一部変更した上で、再度一般競争入札を実施いたしまして、鑑定評価業者を再選定し、鑑定評価業務を委託しております。(2)「施設の運営委託」については、資料に記載のとおりです。
 (3)として、「地域医療機能推進機構の発足に向けた検討・準備作業」を記載しています。平成23年度の年度計画、中期目標、中期計画においても、改組準備への取組という項目がありませんので、こちらに若干記載いたしました。昨年8月から、厚生労働省、委託先公益法人等と連携し、新機構の使命、組織運営の在り方、退職金の取扱い等について、必要な検討、準備作業を平成23年度に実施しておりまして、これらの作業の中で明らかになった課題について、平成24年度に入ってから、新機構準備室を中心に一つひとつ解決している状況です。
 以上、私どもとしましては、組織のミッションが変わっていく中で、効率的な人員、運営体制を確立し得たこと、また必要な外部委託等を実施したこと等から、資料5頁に記載のとおり、自己評価をSとさせていただきました。
 内部統制等について少し触れさせていただきますが、資料5頁の一番下の欄です。内部統制については、監事及び会計監査人による監査に加えまして、私ども独自の評価として、監事による理事長決裁文書の確認、内部統制担当顧問による指導・助言、監事及び内部統制担当顧問の役員会・幹部会への出席といった日常的モニタリングの仕組みを整備しております。
 6頁の2行目の「評価の視点」、国民のニーズとずれている事務・事業についてですが、平成23年度について申し上げますと、東日本大震災による節電要請がありましたことから、執務室における照明や空調の抑制等の節電に努めた結果、対前年度比で、2割強の電気料金の削減を成し遂げています。
 資料7頁です。2番目の評価項目である「業務管理の充実」です。業務管理については、まず財務調査、また、私どもの所有している資産が不動産としてどうかという2つの視点から、主に実施しています。財務調査については、先ほど3期分の財務諸表を作成し、詳細分析を実施したと申し上げましたが、さらにそこから得られたデータを厚生労働省や委託先公益法人本部、各病院等と共有しまして、新機構への改組の進め方や改組後の組織運営等についての議論にも活用しております。また、不動産データについて整理した結果、不動産支障についても優先順位を付した対応が可能となったことから、安全性や法令適合性等の観点から優先順位付けをして、優先度の高いものから順次支障解消を実施しています。業務の進捗管理につきましては、従来同様、会議による管理、システムによる管理を実施しています。
 当該頁、(3)の[1]、当機構保有資産に関する運営委託先費用負担による整備の実施等に関しまして、経営委託契約に基づく当機構の承認案件について、より適切な対応を図っていただくために、厚生労働省と連携し、公益法人の業務運営の改善につき、必要な措置を求めました。委託先公益法人は、「施設整備等に係るフローチャート」の作成により手続を明確化するとともに、「コンプライアンス推進規程」を制定するなど、必要な体制整備を図っております。また、前年同様偽情報についても、[2]のとおり適切に対応させていただいております。資料8頁になりますが、これらのことを併せまして、私どもは自己評価をSとさせていただきました。
 資料9頁「業務運営の効率化に伴う経費節減」です。昨年3月末に東日本大震災が発生し、私どもは仙台市内の病院がかなり大きな被害を受けていることを3月末時点で認識しておりました。そのため、平成23年度予算の策定に当たりましては、施設整備費について、平成24年9月までの中期計画予算に掲げられておりました全額を平成23年度の施設整備費に計上するとともに、病院を建て替えることも想定し、中期計画予算の見直しも視野に入れた上で、国庫納付予定額85億円を留保し、震災の復旧整備ができる体制を3月末の予算編成時までに作り上げました。
 そうした中、一般管理費については、最終年度で、初年度費10%以上削減するという数値目標を課せられておりますが、昨年度の実績は2,000万円でして、対平成17年度比では5割以下、対平成21年度比でも約3割の削減となっています。
 (2)業務経費です。先ほど申し上げましたように、施設整備費全額を予算計上したこともありまして、予算と実績の差異が110億円と非常に大きな数字となっています。震災復旧については、どの位の費用がかかるのかを認識するために、まだ公共交通機関が動き出していない状態でしたが、4月始めに機構職員を現地に派遣して、状況の確認をさせております。そのときの状況がどうであったかについては、資料2-1に写真入りで震災整備についてご説明している資料がありますので、後ほどお時間のあるときにご覧いただければと思いますが、病院の構造を維持している耐力壁に亀裂が入っていたり、柱の鉄筋が表に出て、いわゆる露筋状態になっている状況でした。
 そのような状態であったのですが、これを整備しましたところ、4億円強の整備費で復旧させることができました。復旧工事が概ね完了した9月以降、従来計画をしていた一般整備に本格的に着手いたしましたが、約87億円の整備工事の発注または発注見込みという段階に留まりまして、平成24年度以降に繰り越されたことから、大幅な予算実績差異となったものです。
 私どもとしましては、一般管理費を節減、また、業務経費についても無駄なことは一切しておりません。予算と実績乖離が生じ、翌期以降に持ち越すことになりましたが、従来計画していた整備に着手したということで、自己評価をSとさせていただいております。
 資料11頁、下から5番目、まず給与についてですが、俸給月額の引下げは人事院勧告どおり実施しています。次に、ラスパイレス指数については、対国家公務員比で99.8です。また、国と異なる諸手当はありません。法定外福利費は健康診断費用のみです。以上、1から3までの項目についてご説明させていただきました。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

○山口部会長
 最初に申し上げることを失念していたのですが、グループに分けて評価を進めていきたいと考えています。今ご説明いただいたのが、個別項目ナンバー1から3と、組織運営関係についてです。ご説明いただいた後に、委員の皆様から質問をしていただく、併せて評定もしていただくということで、説明していただいたあと15分ぐらいで、質疑応答並びに評定をお願いしていくといった段取りで、これは例年どおりです。
 今の機構からのご説明について質問等がありましたらお願いいたします。併せて評価シートへの評定等の記入を行っていただきたいと思います。

○川北部会長代理
 9頁の業務運営の効率化に伴う経費の節減ですが、(1)で平成22年度決算額との対比で、過去最高の29%の削減となっているという説明があります。少し気になるのが、業務の内容を平成22年度と平成23年度を比べて、かなり変わってきていると思います。業務内容の変更に伴って、自然に経費が節減できるようなものが入っているような気もするのですが、その辺りの説明をいただければと思います。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 一般管理費には、人件費は入っていませんので人員削減の影響はないのですが、施設譲渡が終わっておりますので、出張旅費等が発生していないのが大きいと思います。

○川北部会長代理
 その要素も入ってはいるということですね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 そういうことになります。

○光多委員
 大変よくやっておられると思いますが、7頁と9頁の辺りになるのですが、例えば財務諸表をお作りになった、震災対応できちんとした形で修繕されたということですが、我々評価するサイドからすると、非常によくやったというところの表現が今ひとつよくわからなくて、中期目標よりは財務諸表はきちんとやった、修繕についてもちゃんと震災対応もやったということですが、他の機関がやるよりはRFOがやったので、ここがすごくよかったのだ、この辺は難しかったのだとか、7頁と9頁について、そういうところがあったらお話いただきたいのですが。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 まず財務調査について申し上げますと、委託先公益法人、全社連、厚生団2団体が運営している病院ですので、当然経理の計上基準とか、仕訳も違っている状況です。また、私どもRFOが持っている資産をどのように評価して、その償却をどのようにひも付けしていくのかという問題がありました。
 平成22年度に財務調査を実施した際に、その辺を特に業務委託先の監査法人とも議論をしまして、最初の年は全病院の実査を行いました。
 今回の第2フェーズの特徴は、第1フェーズのときに大きな残高修正のあった一部の病院の実査は実施しましたが、40以上の病院に対し、実査を行わずにアンケートを実施し、そのアンケート結果から解きほぐす作業をすることによって、経費の節減を図ったということがあります。
 また、例えば全国社会保険協会連合会の場合、連結決算というものは行われておりませんでしたが、全体を連結させて、3期を眺めることによって、その財務状況がどうかを正確に把握できたといったことがありました。
 次に、震災対応です。これについては、4月7日、8日に、最初に職員を出張させているのですが、私どもは現地に職員がいませんので、東京から行かせるしかありませんでした。余震が起こって、時々刻々と病院が劣化していく中で、一般競争入札をやること自体が、さらに事態を悪化させかねないという判断の下、元設計業者、元施工業者を使って、緊急随意契約をし、11月末までに修繕を完了させたものです。他の機関等でも同じようにやっているのではないかと思いますが、私どもはそうやったというご説明に留めさせてください。

○光多委員
 緊急随契はうまくやらないと難しい問題がありますが、緊急随契のところで、何かうまい工夫があったのですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 私ども何よりも病院をきちんとした状態に直さなければいけない。直すに当たっては、元設計業者でなければ構造まで把握していない。また、元施工業者であるなら、最初の施工がどうなっているか知っているからということで、元設計と元施工業者を契約の相手方とした次第です。

○山口部会長
 ほかにございますか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 先ほど約80数億の整備を実施しているというご説明をしましたが、具体的な整備内容等について補足させていただきます。
 まず、耐震補強工事としては、登別厚生年金病院で約7億円、玉造厚生年金病院で約9億円の整備があります。厚生年金高知リハビリテーション病院でも3億円、一般整備で大きなところは、社会保険中央総合病院で約7億円、高岡病院で約6億円、神戸中央病院で約8億円、栗林病院で3億円、二本松病院で1億6,000万円、大宮総合病院で2,000万円とか、細かなものも入れますと、かなりの件数になります。詳細については、後ほど別の項目でご説明させていただきます。

○山口部会長
 私から質問です。5頁にある真ん中の文章ですが、同じ文章が4回出てくるのですが、前回もこういう書きぶりでしたか。全く同じ表現が、最初のいちばん上の項目の評価項目1効率的な業務運営体制の確立、次に数値目標、評価の視点、その次の業務の外部委託を含めた云々の前半で、全く同じ文章が4回出てくるのですが、普通の書きぶりと違うように思うのですが、これは毎回このようにされているのですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 はい、前回もほぼ同じ内容です。

○山口部会長
 では私が前回あまり見ていなかったということですね。すみません、今頃になってですが、変えたほうが一般的にはよろしいのではないですかね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 次回以降、そのようにいたします。

○山口部会長
 ほかにご質問等はございますか。

○安達委員
 10頁の報酬の引下げを勧告どおりに行ったと記載されておりますが、勧告どおりに一律に減額をしたということですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 はい。後ほどご説明いたしますが、震災対応に伴う国家公務員の給与引下げは、管理職で9.77%です。それについても、役員については平成23年度、職員については平成24年度に入って引下げの対応を行っています。

○安浪委員
 7頁の下の3番目に、改善につき必要な措置を求めているとありまして、お聞きしたところ土地を購入されていたという話だったと思います。これについて、RFOとして管理財産、病院等の監督義務があったという建前から言いますと、監督の漏れがあったということなのでしょうか、それとも向こうが内緒でやってしまったという位置付けなのでしょうか。当社との管理責任との関係で考えると、どのように解釈すればいいのかというところについて教えていただきたいと思います。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 私どもに病院が出資される前に一般会計で買っていたものを、私どもと協議なしで、特別会計の資産に振り替えているという事例もありましたので、私どもとしては、それがいつどういう経緯かということを把握するところからスタートしたということで、土地に関してはそういうことになります。
 それから、私どもが承認をしていないのに、看護師宿舎の建設工事を実施してしまったという事例もありました。また、私どもが承認していないのに取り壊して売却をしたという例もありまして、正直申し上げて、これを私どものほうで事前に把握するのは極めて困難でありました。1つわかったことから、ほかにそういうものはないでしょうかという悉皆の調査をお願いして、いくつか明らかになったものがあって、その明らかになったことに対して、必要な体制整備を平成22年度にお願いしたところ、平成23年度になって、こういった形で体制整備が行われたということです。

○安浪委員
 その点については、評価のSを下げるところまではいかないものであるという認識だということでしょうか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 平成22年度にわかったことについて、平成23年度に是正が完了したということです。平成23年度だけでいうと、是正が完了しただけですということになりますが、そこは委員のご評価に対する問題なので。

○山口部会長
 まだ書いていただいているかと思いますが、後でまた追加して書いていただければと思いますので、先に進ませていただきます。次に第2グループ、項目番号4から8、施設売却関係についての評価を行います。所要時間は30分ぐらいを考えていまして、15分でご説明いただいて、残りの15分で質問と評定の記入といったことで進めていきます。法人から説明をお願いします。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 資料の13頁、評価シート4「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置」です。まず、「1各施設の経営状況等の把握」ですが、先ほどご説明申し上げましたとおり、財務調査を通じて経営状況を把握するとともに不動産調査を実施することにより、資産の状況について確認をしております。
 次に、2機構の業務内容に関する地方公共団体への説明です。昨年12月21日付けで、健康保険鳴門戸病院等については、徳島県と協議をした上で同県への譲渡指示が出されておりますが、買受者である徳島県との協議はもちろん、鳴戸病院の所在自治体である鳴戸市へも連絡を密に行い、平成24年3月までに売買契約を締結しております。
 また、同日付けで譲渡指示が出された川崎社会保険病院等について、神奈川県と川崎市の意見を徴した上で、譲渡条件を決めるとともに、入札スケジュール等についても調整の上、入札を実施することとしております。今後も譲渡指示が出された場合には、病院所在の地方公共団体と譲渡条件等について協議を行って参ります。本評価項目については、14頁に記載のとおり、私どもとしてはS評価とさせていただいております。
 資料15頁、「年金福祉施設等の譲渡又は廃止」です。既にご報告しておりますとおり、私どもRFOは、いわゆる福祉施設の譲渡を平成22年度までにすべて完了していますことから、厚生労働省から譲渡指示があった病院の譲渡についてということになります。昨年度は2病院の譲渡指示を受けておりまして、徳島県への譲渡を指示された健康保険鳴戸病院等につきましては、徳島県から意見を求めた上で譲渡条件を設定し、平成24年3月28日付けで譲渡契約を締結しています。一方、譲渡指示を受けた川崎社会保険病院等については、自治体から意見を求めまして、当機構において、譲渡条件、自治体からの要望、自治体の意見として整理を行いまして、地元有識者で構成される川崎社会保険病院譲渡検討委員会に同案を諮問し、同委員会の意見を徴した上で、譲渡条件を設定しております。既に5月18日付けで入札を執行し、落札者が決まっておりますが、3月末時点では、まだ入札公告に至っておりませんので、ここでの記載は一般競争入札を実施する準備が完了したとさせていただいております。また、社会保険小倉記念病院については、予定どおり3月31日付けで、平成紫川会との委託契約を解除しています。特別会計清算金の約45億円は今月末までに受領予定となっています。
 次に、譲渡実績です。鳴門病院の譲渡までが含まれた実績ですが、譲渡施設数が303施設、売却額は2,235億円、売却原価比で1,048億円、出資価格比でも192億円のプラスとなっています。
 同じパラグラフの一番下になお書きを記載しています。昨年度までに、譲渡を完了した年金福祉施設等の全物件について、譲渡後の用途等を確認するための履行状況調査を実施し、完了していますが、全物件について、公序良俗に反する使用等は見られなかったことを確認しています。?については記載したとおりで、(2)契約方法についても記載のとおりです。(3)譲渡条件についても、それぞれ記載したとおりです。譲渡価格も不動産鑑定手法に基づき設定しております。対価の支払方法は、鳴門病院等の譲渡先は自治体ですので弾力化も可能でしたが、引渡し日までの支払いとしています。
 (6)従業員の雇用への配慮です。鳴門病院等については、私どもから譲渡先である徳島県に対して、職員の雇用の依頼をしておりましたところ、徳島県からは、原則として現職員全員を再雇用する方針である旨回答がありました。また、川崎社会保険病院等については、地元自治体である神奈川県から、職員の継続雇用に配慮することを求められましたので、県の要望として整理をし、全入札参加検討者に対し、この要望への対応方針を求めることにより、雇用への配慮を求めることとし、実際にその通り実施いたしましたが、3月末時点の評価ですので、「する予定」と表現いたしました。
17頁です。これらの評価項目について私どもの自己評価はSとさせていただいております。
 20頁、評価シート6「年金福祉施設等の運営及び資産価値の保全」です。まず、震災で大きな被害のあった病院については、4月7日、8日に現地調査をして、発注を行いました。震災整備費用があまり大きな金額にならないことが判明したことから、従前から計画していた一般整備、耐震補強整備等に9月以降本格的に着手しています。また、譲渡対象となった病院については、地域医療に十分な配慮を行い、譲渡手続きを進めています。
 下段の[資産価値の保全]です。震災整備を緊急随契で実施した病院は、11月末までに工事が完了しています。それ以外にも、埼玉県内の病院等で、外壁の亀裂などの震災被害があったという報告がありましたので、一般整備の中で、併せて修繕し対応しています。これまで15病院を対象にした整備計画を策定し、順次入札により施工業者を選定の上、整備工事を実施中です。また、建物の耐震性に問題のある6病院について、厚生労働省の方針に基づき、耐震診断と補強設計を実施し、5病院について、耐震補強工事に着手しています。資産の管理状況については、資料に記載のとおりです。また、21頁は財務調査と不動産支障についてですので、割愛させていただきます。
 こちらの評価項目についても、私どもとしては、時期は遅れたものの計画どおりの整備を進めておりますので、S評価とさせていただいております。
 資料の23頁、「買受需要の把握及び開拓」です。平成23年度の一般競争入札による譲渡指示は、結果的に川崎社会保険病院だけでしたが、私どもとしては、いつ病院の譲渡指示があっても対応できるように、まず社会保険病院等の譲渡に係るアドバイザリー業務を外部委託し、機動的に対応できる体制を整えました。実際に譲渡指示が出たあとは、私どもの職員が神奈川県や川崎市、アドバイザー等から情報を入手して、マーケティング対象先リストを作成し、同リストに基づいて、入札公告までに予め買受需要を把握しています。また、不動産に係る情報だけではなく、病院や老健において行われている事業の内容等を広く買受者に情報提供することが、公平かつ公正な一般競争入札を実施する上で大変重要なファクターだと考え、事業概要等を纏めた資料を作成いたしました。こういったことを行った結果、5月18日の一般競争入札に際しましては、5社から入札参加申込みがありまして、うち4社に対し入札参加資格を付与したところ、3社が入札に参加し、医療法人社団葵会が落札をしております。3月末時点では、準備が終わったという段階に留まりますが、私どもとしては、川崎社会保険病院の入札の結果は、これまで培ってきた民間のノウハウを最大限に活用したマーケティングを実施した結果と考えておりまして、S評価とさせていただいております。
 資料の25頁、評価シート8「情報の提供」です。機構の運営状況に関する情報提供の取組みについては、これまでも継続的にホームページ上で実施をして参りました。また、今回は譲渡の対象となる施設が2つありました。(2)の[1][2]で、まず鳴門病院については、ホームページに売買契約締結について掲載することは当然として、徳島県庁において理事長が記者レクを実施し、より周知を図っております。また、川崎社会保険病院にかかわる公告は官報に掲載し、ホームページに掲載します。また、さらに川崎市と調整をしまして、川崎市役所の記者クラブへ情報提供を実施すべく、準備を整えております。実際に私どもは入札公告をした際に記者クラブへも情報提供をいたしました。
 (2)の[3]です。私どもは、これまで公的資産の売却に係るノウハウを積み重ねてきましたが、これらのものを整理して、国や地方独立行政法人等から施設の譲渡方法等に関し、照会があった際に、配布が可能な体制を整備しております。昨年度については、計7件の照会があり、原則面談によりきめ細かな情報提供を行っています。私どもとしましては、情報の開示については、開示可能な情報は可能な限り開示し、透明性の確保に努めていると考えております。また、可能な限りのことをやっていると思っていますので、本項目についても自己評価をSとさせていただきました。よろしくご審議のほど、お願いいたします。

○山口部会長
 委員の皆様からご質問等がありましたら、よろしくお願いします。

○安浪委員
 15頁の小倉記念病院の特別清算金が44億8,200万円なのですが、契約解除が平成24年の3月31日付けで契約がなされているということで、今期の決算には清算金収入は計上されていないのですが、3月31日で契約解除が決まって、その時点で清算金の権利が確定したというところから考えますと、平成24年3月31日の収入になるのかどうかと、財務ヒアリングのところでご質問もしたのですが、清算金の精査をした段階で金額が確定するので、それまでは計上できないというお話だったと思うのですが。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 特別会計清算金の決算上の処理については、まず公益法人での清算完了の報告がきますと、資金を保全することを最優先し、その時点で確定している金額で私どもの口座に清算金をお支払いくださいと申し上げます。私どもは、一旦それを預り金として計上し、清算に関する資料を公益法人から受領いたしまして、内容を精査し、例えば払っていなければいけないものを払っていないとか、逆に、払ってはいけないものを誤って払っているということがあった場合には、追加で振込みを依頼する、あるいは逆に預り金を返却する等の処理をしまして、金額が確定した段階で清算が結了、そこで初めて預り金から雑収入に収入計上するという処理をしておりまして、平成紫川会の場合にも特別会計清算金ですので、3月31日に決算確定しないと本来的には固まらない。つまり、その時点ではいくらか確定していないという状況なので、決算上反映させておりません。

○光多委員
 小倉記念病院の決算書の内容を過去に見られてきていれば、ある程度の清算金収入はつかまれているのではないかと思います。細かいところまでの確定は、たしかに3月31日時点では無理であったかとは思いますけれども、44億円というのは、今期のRFOの利益が4億6,000万円ですので、44億というのは結構大きな金額ではあるのです。実際に金額が確定したのはいつかという質問もしたのですが、決算に織り込める状況ではなかったかどうか、決算に織り込めなかったのかどうか。基本的には、会計の方は発生主義会計でやるということだから、現金の受払で決まるものではなくて、契約を解除したという事実に基づいて、会計もそれで認識すべきではないかという考え方も一部ありますので、そういったご質問をさせていただいたのですが、清算金が最終的に確定したのがいつかというのはわかっているのでしょうか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 入金後に精査を行います。まだ入金が行われておりませんので、確定しておりません。

○光多委員
 44億8,200万円というのは概算だということですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 はい。

○川北部会長代理
 13頁に、「各施設の経営状況等の把握」ということで財務調査をされて、過去3期分の合算財務諸表を作成された。不動産調査時に把握した不動産の情報、不動産支障の解消の可否等の検討とあります。
 特に財務調査に関して、病院かつ国の施設なので、財務状況が揃っているのではないかという気もするのですが、その辺りは実態としてはどのような状況になっていたのでしょうか。かつ、現状どこまで、今後を考えたときに経営状況の把握が容易化するというか、仕組みみたいなものがどの程度なされたのか、その辺りをお聞かせいただければと思います。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 各公益法人の財務状況ということになるのですが、厚生年金病院7病院を運営している、厚生年金事業振興団(以下、「厚生団」という。)においては、7病院の元帳が全て厚生団本部で見られる状態、つまりオンライン化されている状態でして、経理処理等について、統一的な運用がなされています。
 また、新病院会計準則準拠に移行していますので、各施設においては退職給与債務までの認識でしかありませんが、厚生団本部において、基金の積立不足を認識して、引当計上しており、厚生団全体としては退職給付債務を認識しているという決算状況です。

 一方、全国社会保険協会連合会(以下、「全社連」という。)については、各病院、各施設が個別に会計処理を行っており、まず内部取引の相殺が行われていません。それから、各病院ごとの経理基準に若干ばらつきがある状況です。また、決算書の内容も、旧病院会計準則準拠に留まっていましたので、私どもの方で新病院会計準則に読み替えています。さらに本部会計も連結させ、厚生年金基金の積立不足は数百億円あったと思いますが、こちらもオンバランスさせ、全体としての連結財務諸表を作成したというのが現状です。
 各個別病院ごとではどうなのかということになるのですが、都心部で、競合が厳しいけれども頑張っている病院というのは、非常に体力的に強いでしょうし、一方で、人口が増えていないところですと、医師が集まりにくく、赤字が固定化している病院があるのが実情です。そういう意味では、赤字病院の顔ぶれと、黒字病院の顔ぶれが、ある程度固定化してしまっているようなことになっています。地域医療機能推進機構で今後直営していく中にあっては、これらの公益法人時代のデータに基づき、様々な経営改善の方策を採っていけるのではないかと考えております。

○川北部会長代理
 同じ基準で、各病院の経営内容が比較できるようになったということなのですね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 はい。全社連と厚生団という団体毎の違い、また、全社連については、施設によって少し違いがあるものを統一し、全体を連結させることを可能な状況にしたということです。

○川北部会長代理
 一番大きな基準の差としてあったのが、退職給付の認識でしょうか、その辺りは厚生団と全社連でかなり違いがあったということですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 厚生団の方は、毎年企業年金基金の積立不足を本部で引当計上することによって、実質オンバランスさせています。一方、全社連のほうは、厚生年金基金なのですが、積立不足について全社連として認識していません。今回の地域医療機能推進機構への改組に当たり、特別会計の清算が視野に入ってきますので、そこまで包括して考えていかないと、お金が本当に足りるのかどうかわからない。我々はそこまで調査をしましたので、今回の改組に向けた議論の中でも、そういったデータが活きているということです。

○山口部会長
 ありがとうございました。

○光多委員
 いまのとオーバーラップしますが、この13、14頁あたりですけれども、23年度計画だと今後の経営見通しの状況を把握するという形で、実際に実績としてこれを把握したと。評価のところでも実際の状況を把握したという形で、ある面でいくと静態的に書いておられるわけです。いまお話を伺うと、もうちょっとアクティブにやっておられるのではないかと思うのです。例えば今までの数字をそのまま写して把握したのだという形だと、「そうですか」ということですが、それより積立不足をもっと修正したとか、その上で例えば経営見通しの状況を把握したというのは、ここの病院が、いまどういう経営見通しでやっているかということを機構として把握したのか、機構として経営見通しをある程度つかんだのか、いま、お話を伺うとアクティブ性を多少やっておられると思うのです。ただ、この表現だと、今ある数字をそのまま見て整理したという表現になっているので、もうちょっと実際におやりになったところを表現しないと、このままだと、ただ資料を束ねたのかなという印象を受けたのです。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 ご指摘、ありがとうございます。来年度以降の参考にさせていただきます。財務調査を実施し、連結後の全体像がわかって、また機構資産も合算していますので病院全体になります。また、減価償却などの負担を加算することにより、改組後の地域医療機能推進機構の開始B/Sまで見通すことができる状態になっています。当初、私どもは個別病院の経営改善を考えながら、この作業に着手したのですが、新機構への改組ということが前面に出てきたことから、新機構における経営見通しの把握に役立てている部分もございます。

○光多委員
 そこまでやっておられるのであれば、ちょっとこれは表現不足です。新機構のスターティングのレベルを、一応、見通しを付けたということでいくと大変な実績だと私は思いますが、ただ既存の資料を束ねて把握したという形だと、かなり静態的です。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 23年度の中期目標において新機構への改組準備についての記載がないため、書いていないのですが、24年度については、そこは前面に出して書かせていただこうと思います。

○光多委員
 ちょっと謙遜されたのかもしれません。もう1つ、16頁の鳴門病院ですが、従業員の雇用の話です。大体、「原則として」というのは通常使うわけです。原則としてと言うときは、いろいろな例外があるときに原則としてと使うので、100%、そのまま受け入れるという形でなく、原則としてというのは、実態はどういう形で雇用の継続を図ったのですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 鳴門病院についてですか。

○光多委員
 そうです。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 鳴門病院については、まだ引渡しにまで至っておりませんので、最終雇用がどうなったかをご報告できる状況ではありません。売買契約は今年の3月末に締結していますけれども、徳島県は、地方独法を新たに設立して病院の運営を継続するということを聞いておりまして、引渡日は25年4月1日の予定です。したがって同県からは、希望者は全員受け入れるというか、現在の鳴門病院をそのまま地方独法に移行すると聞いていますけれども、結果がまだわからないという状況です。

○光多委員
 年金とか、どうなります。引き継いだ場合の年金は、今度は公務員になるわけですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 地方独法ですから、非公務員型だと思いますけれども、そこまでまだ私どもは把握していません。

○安浪委員
 鳴門病院に関してですが、引渡しが25年の4月1日ですか。契約が24年の3月28日で1年以上経っていて、通常、契約してから引渡しまで1年間以上空くと、リスクが出るということもあると思うのですが、1年以上遅れた理由というのは何か特殊な背景があったのでしょうか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 25年4月1日以降の引渡しを求めたのは、徳島県です。可能であれば26年の4月との要望があったのですが、それでは長すぎるのではないかということで、同県と協議した上で25年4月とさせていただきました。徳島県が極力遅くと要望されたのは、病院の運営主体として徳島県が地方独立行政法人を新たに設立する。そこが病院の運営主体となる。その地方独立行政法人の設立準備作業に少なくとも1年はかかるためということでした。私どもとしては、病院の開設許可申請や買受者の方の定款変更の時間などが必要ですから、最低でも6カ月以上の引継ぎ期間が必要だと考えていますけれども、来年の4月1日となったというのは、徳島県さんのご事情と私どもとの協議の結果によるものでございます。

○安浪委員
 わかりました。

○竹原委員
 先ほどの光多委員のご意見とも関係してくるのですが、13頁の経営状況の把握のところで、詳細分析が行われたというのはわかりますけれども、これを経営改善ですね、例えば人件費をどのくらい目標として削減して、病床数の変更が必要ではないかとか、そういう具体的な提言にはまだつながっていないのでしょうか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 私どもとして、そういう計数を把握していますけれども、残念ながら具体的な提言には至っておりません。

○竹原委員
 13頁の平成23年度計画において、当初は譲渡又は廃止施設の選定に資するため、こういう財務分析を行ったわけですよね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 はい。

○竹原委員
 ただ、それは機構の役割が今後、改組によって変わっていくことにより、事実上は継続を前提として、こういう調査の結果を活かしていくということですね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 そういうことになります。今は委託契約が清算され、新機構に移行した後は、全ての病院が新機構の直営となるのですが、そのときの財務状況がどうなるのかといったシミュレーションに結果として使っています。

○竹原委員
 だとすると、やはり財務分析をやることが目的ではなく、その財務分析の結果を用いて病院経営について何らかの提言を行っていくことが、機構として求められている役割だと思いますので、その点については今後のことになるかと思いますけれども、何らかの対応をお願いしたいと思います。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 はい。

○大野委員
 いまの竹原委員の意見に少し関係する点ですが、今後、業務が譲渡・売却から継続的な病院の経営ということにシフトしていった場合に、情報のディスクローズということに関しても、何をディスクローズするのかという中身も、これから変わっていくのではないかと思うわけです。そして、いま平成23年度の評価ということで情報の提供のところで出されているものは、譲渡される予定の病院について、どのような手続でその譲渡が行われたかに関する情報で、これに関しては十分にディスクローズがされていると評価できると思いますが、業務が譲渡から病院の経営にシフトしていくことになっていくと、そちらのほうについての情報開示をどのように考えているのか。あるいは、どのように準備をする予定なのか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 部会長、よろしいですか。竹原委員のご指摘は大変重要だと思います。つまり経営分析をして、それがどう、これからの新機構のあり方に資するかという大変重要なご質問で、それが今のご質問のディスクロージャーのことにも少し関係しますから、私から申し上げます。実は詳細はともかく、このフェーズ2の経営分析の結果、大体、大まかに言いますと、こういうことがわかったと思います。新しい機構へ移るのに資産は一応あるけれども、例えば建物の整備をこれから自立的にやらなければいけないわけです。そういう部分では、いまの現状の純利益だけでは大変難しいということがわかっています。そういうことが今回わかっていますので、今、地域医療機能推進機構の準備というのを進めて、それで例えば新しい機構の給与体系をどうするかも既に議論が始まっているわけです。そういうときに、今の経営分析の結果が大体出ていますので、我々の財務体力がどういうことか大まかですけれども、わかっていますから、これからの給与体系をどうするかを、その資料を参考にしつつ、今決めつつあるということです。そういう意味では経営分析のことは活用しているということです。

○光多委員
 繰り返しになりますが、今、理事長がおっしゃった話だとすると、この表現は少し実態からすると、やや遠慮しておられる表現です。今おっしゃったように、今後の新機構のスタートに向けての収支分析としては、最大限のことを行ったという話でないと、繰り返しになりますが、これだと本当に既存の資料を束ねて整理したという印象を受けたものですから、今の理事長の話だと、そこのところは実際にかなりやっておられるわけですね。わかりました。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 大野委員からのディスクロージャーの件ですけれども、現在のところ、まだ委託先が病院の運営を行っていますので、それぞれの委託先が、それぞれの基準に基づいた決算の内容をホームページ等で公表しています。今のところまだ私どものほうから、そういった数字を発信するということはありません。ただし新機構移行後、どうしていくのかということについては、当然、情報開示の透明性を高めていく上で、そういった対応を検討していくことになると思います。今、この時点ではまだ何も決まっていませんので、お答えのしようがないのです。

○山口部会長
 あと資産価値の保全の関係で、先ほど写真等をご用意いただいたのを今見ていたのですが、この東北厚生年金病院の梁の柱の状態なんかを見たら、すごい状態です。先ほどのお話だと70数億円用意したけれども、4億円ぐらいだったというお話ですが、この工事というのは当座の復旧をされたということで、建物全体の耐震補強ということは全然していないと理解すればいいのでしょうか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 東北厚生年金病院につきましては、被災する以前に耐震診断をやっていまして、若干の耐力壁等の増設をすれば、耐震基準をクリアすることがわかっていました。東北厚生年金病院については、2次工事として、約1億円の耐震補強工事をやっています。先ほどの写真を見ていただいた上で申し上げたいのは、壁が割れていたり柱が崩れ落ちていたりしますので、その時点では、何がどこまで壊れているかわからないのです。工事を進め、やっとここの柱が直ったので、この中は安全に入れるようになった、では設備の状況を点険しましょうといった具合に、ステップ・バイ・ステップでしか動けなかったものですから、当初から4億円程度で直ってしまうということは全くわからなかったのです。やってみないとわからない。

○山口部会長
 ほかにご質問等、よろしいですか。それでは先に進みたいと思います。次に第3グループ、項目9から14まで、決算の関係ですけれども、これについての評価を行いたいと思います。これまでと同様に所要時間は法人のほうから説明を15分、委員の質疑と評定15分、合計30分といった予定で進めていきたいと思います。それでは法人から説明をお願いします。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 資料27頁をご覧ください。「財務内容の改善に関する事項」です。自己評価欄をご覧いただきたいのですが、平成23年度につきましては初めて譲渡収入がありませんでした。鳴戸病院を譲渡しましたけれども、この24年度に決済される予定ですので、23年度の譲渡収入はありません。ただし特別会計清算金の増加により、収入予算は実績が10.2億円で、予算対比+1.4億円です。また支出に関しては、先ほども申し上げましたように震災復旧に備えて最大限の予算を配置しましたが、震災復旧費用が予想を下回り、その後着手した機能維持整備についても、23年末までにすべて完了できたわけではありませんので、かなりの部分が翌期にずれ込んだということです。
 予算そのものをどう考えるかにもよるのですが、私どもとしては、震災復旧という未曾有の事態に対して、我々として備え得ることはすべて備えました。震災の影響により実施がずれ込みましたが、一般整備についても実施しました。また、無駄な予算は一切使っていないということから、S評価とさせていただいています。
 資料29頁、「人事に関する計画」ですが、譲渡専門職員の処遇に成果主義を徹底しています。譲渡専門職員は民間人を中心に成果主義に基づく実績評価、一般職員については実績評価と能力評価を行っているところです。譲渡機能を残しながら、一方で改組、病院の直営化に向けた準備、並びにその準備作業を本格化させた際に、人員を受け入れられるよう人員削減のオペレーションを行いましたので、この人事に関することの中で23年度に我々がいちばん苦労したのは、職員のモチベーションの維持に非常に意を用たところです。
 結果として、譲渡準備への礎も作り得ましたし、譲渡についても一定の成果がありましたし、職員たちのモラール、モチベーションも維持できたということで、私どもとしては自己評価をSとさせていただいています。
 資料31頁、評価項目11、「国庫納付に関する事項」です。平成23年度国庫納付予定の85億円については、平成23年3月末までの予算編成時点で、私どもとして国庫納付を留保することを決め、厚生労働省とも協議をした上で23年度の年度計画予算を組んでいます。その後、決算確定後の厚生労働省と財務省との協議の中で、85億円について少なくとも23年度中に納める必要はないとの結論が出て、結果、23年度についての国庫納付は全額留保した状況です。
 資料32頁、評価シート12です。当機構には外部有識者で構成される譲渡業務諮問委員会という外部委員会があります。売却結果の評価、譲渡方法の諮問等のために、四半期1回の開催を原則として昨年度は5月、9月、12月、3月の計4回開催しています。大変活発な議論が行われ、私どもとしては極めて有効に機能していると考えています。これについて自己評価はAとさせていただいています。
 資料33頁、「保有する個人情報の保護に関する事項」です。私どもは平成19年度に個人情報の保護に適切に対応するため、総務部に法務文書課を設置し、それ以後、適切な管理に努めています。また新規採用の職員に対しても、保有する個人情報の保護に関する規程等の研修を行うとともに、当該規程に基づき、より一層の適切な管理を行っています。現状、対処すべき問題は起きていないということもありまして、自己評価をAとさせていただきました。
 資料34頁をご覧ください。評価シート14です。これは終身利用型老人ホームの譲渡に関する事項です。終身利用型老人ホーム(厚生年金サンテール千葉)が1施設だけあり、当該施設については22年度に譲渡を完了しています。今年度についても、買受者が承継した入居一時金等の管理状況等のモニタリングを実施していますけれども、再度、譲渡について評価いただく必要はないであろうということで、私どもとしては自己評価をしないという結論としています。
 以上、評価シート14までご説明させていただきました。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

○山口部会長
 ありがとうございました。それでは委員の皆様からご質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。

○大野委員
 国庫納付金に関する質問ですが、数値目標が予算額比100%以上の国庫納付金を納付すると、極めてはっきりとした数値目標がある一方で、今回はこういった事態ということで、国庫納付は留保するという対応をしていますが、これはどのように評価したらいいのか。そもそも対応について途中で変更があったという措置が取られたわけです。これは評価できないのではないかと思う次第ですが、これまでは最大限の売却収入を達成させるという明確な目標があり、それに対して国庫納付金がいくらであったかということで、極めて明快に評価できたかと思いますが、今回は評価できないのではないかと思います。これはどなたに質問すればよろしいのかわかりませんけれども。

○山口部会長
 事務局、何かご意見はありますか。

○政策評価官
 基本的には、先ほどの資料1-1-[1]にあるとおり、計画に合致していればBということで評価していただく。ただ、やむにやまれない事情があるという場合は、それも加味して評価していただければいいということだと思います。

○山口部会長
 どうでしょうか。

○政策評価官
 ですから、委員の皆さんのほうで今回、国庫納付しなかったということについて合理的かつ評価できるということであれば、それを加味していただいてもいいですが、基準から言うと、やっていないということで基準以下なので、評価基準から言えば基本的にC、Dになると思います。ただ、理由があるので、それを加味して評定していただければと思います。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 今年度は予算上も国庫納付ゼロです。ゼロに対してゼロなので、100%と言えば100%ですけれども。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長
 1点、先ほどの85億円につきましては財務省とも協議の上、震災対応ということで戻すべきところを留保しているという部分について、逆にこういう財を持っている法人に一般財源を回すということは、財務省はしませんから。もちろん、もともと国庫納付で戻ってくる財源を別の用途、これは緊急財政出動ですから、被災地の病院の修繕とか病院の機能維持のために使えということで、国庫に戻すことを止めたということは、逆にもともとそれがなければ、85億円の財政出動を財務省がしたという事とイコールです。計画についての回答は、先ほど山路企画部長が言ったようにゼロに対してはゼロということで、その評価はいただけるのかなということと、国庫に戻していないというのは協議の上の話であって、東日本大震災ということからすると、きっちり85億円の内訳のご報告をこれからもさせていただきますので、財務省、国民が求めた用途に使っていくという部分では、そのチェックで評価いただけるのではないかと思います。

○山口部会長
 ちょっと難しい面もあると思います。もともと施設を売却して、特別会計にできるだけたくさんのお金を返していただくというのが大目的だったわけで、そういう意味では80数億というお金も、当然、国庫納付していただくということではありましたが、ただ、途中で法人の目的が変わってきている。それは変わることがわかっていて、病院が地域医療の中核としてやっていく中で震災が起こっているということなので、そういう意味では、この法人の次の課題をベースに考えた場合には、こういうことも当然、やっていくべきこととして必要となると思います。その両方の目的があることを各委員にも念頭に置いていただき、それぞれのご判断の中で、これがどうだったか考えていただくということではないかと思います。
 ですから、とにかくお金を返すことを優先すべきだと考えるならば、よろしくないという話になるし、次のステップを踏まえた状況の中で、先ほど写真で見たような状況は放置できないから、それは結果ですけれども、そういうことに対処するためにやってきたと。両方あるので事務局も説明が非常に難しく、すんなり割り切れないのです。普通のときのような一般の法人の評価とは、ちょっと違う難しさがあるように私は思いました。

○大野委員
 その場合に、先を見越してこういう対応を取ったということで、そういうことを評価すればAではなくSという評価もあり得ると思いますが、SなのかAなのか、あるいはB、Cなのか。評価できると一言で言っても、それはどの程度評価できるものなのか。

○山口部会長
 これは我々の中で少し議論したほうがいいかもしれないです。安達委員、お願いします。

○安達委員
 私もこれ、説明を受けたときに評価の仕方が困ったなと思ったのです。これ、正直申し上げると民間では目的外使用ですよね。そういう意味で、違う目的のRFOと新機構という2つの組織があって、こちらで返すべき金の80いくらというやつを、こちらの新機構で震災の復旧という名目で使ったということなので、この辺の評価の仕方をどうやるべきなのか。例えば国のほうも、戻す金は全部戻してもらう。その代わり必要なものは100億でもいくらでも出しましょうとなるべきだったのではないか。お金があるからそちらに流用しなさいというのは、ちょっと最初のRFOのあれから言うと、例えばもっと点数を上げられるわけです。目的よりも高く、きちんと私たちは売却しました、国庫に納付しましたと言えるわけです。震災復旧については当然必要なお金ですから、それは財政出動なり何なりでやれば、すっきりしたのかなと感じたところです。勝手な感覚ですけれどもね。だからAなのかBなのかSなのかとなると、評価するのに非常に困った。

○年金局上席管理官
 今のご質問と、いろいろご議論いただいている中で関連する話として、私も所管の役所の立場でいくつか申し上げたいと思います。1つは、いま安達委員がおっしゃったように、これは用途がどうなのかというところです。役所の立場としては、もともとRFOというのは施設を持っている立場で、しっかり維持管理をするというミッションを負っていますので、一定の整備費というのは毎年積んでいるわけです。そういう中で今回震災があって、緊急的に維持管理しなければいけないということで、この85億円については先ほど話がありましたように厚生労働省や財務省と協議し、RFOともお話をして、ここはちゃんと資金を留保して、これを震災対応に充てるということで、ここは用途は明確に特定されています。その方針に沿ってRFOで対応していただいたという話です。
 それから、先ほど維持管理のことで未曾有の大震災ですから、震災復旧のために国からいろいろな支援をするというのが、他のところでもいろいろ行われているわけです。このRFOについては、もともと国からお金を入れずにいろいろな事業をやっていくということで、先ほどの維持管理も含めて譲渡収入でやっていますので支出しないということです。したがって、これは議論になったところですが、RFOは国から出せないけれども、もしこういうのがなければ国から支援せざるを得なかった状況もあったかと思いますが、そこはむしろ自前で、まさにこれまでの国庫納付を留保して自らやったということで、結果として先ほど話がありましたように、今回納付はされませんでしたけれども、震災対応として特別支出すべき公費の支出が、その分節減されているところも結果としてあることを含めて、ご審議、ご評価いただければありがたいと思います。補足ですが以上です。

○安浪委員
 今のお話で、大震災による影響のために幾らかかるかわからないから、国庫納付を留保したというお話ですけれども、まず事実関係がはっきりしないのは、先ほど大震災による工事分は4.3億円で済んだと、東北地方の大震災を被った病院の補修工事に関しては4.3億円で済んだというお話がありました。そうすると85億円を留保するということは、80億円近くの工事代が出るかもしれないけれども、4.3億円で済んだということであれば、思っていたほど工事は大震災の影響がなかったということは、納付する余裕があったのではないかという見方も私はしました。
 この話は、一部、RFOの目的が変わってきたと。2年後には病院の運営のほうに重点が移っていくということで、そこで資金が要るということであれば、その資金の留保も考えての判断だということであれば、目的外使用みたいな面も若干出てくるということです。ここの書き方が、大震災の災害復旧経費も考慮して留保したという書き方をしているので、それは4.3億円で済んでいるのであれば、大震災の影響だけではないのではないか。この書き方が、災害復旧経費を考慮して留保したということではないのかなという気がしています。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 3月11日に震災が起きましたが、3月末までに予算策定をしなければならないので、わからない状態の中で私どもは判断をせざるを得なかったのです。東北厚生年金病院は500床以上ある病院です。鉄筋が折れている写真があったと思いますが、建て直すための費用を1床当たり2,000万円としても500床あると100億円の建替費用が必要になります。私どもは施設譲渡以外に収入がありません。したがって85億円の国庫納付をすると、結果として新たな病院の譲渡指示がありましたけれども、去年の3月末時点では、100億円の施設整備に対応したくても、キャッシュがなくなってしまうということで留保しました。一方、中期計画の中で認められている施設整備費については、予算ぎりぎりまで確保して、4月1日をスタートした次第です。もうこれ以上の費用は必要なさそうだ、4.3億円程度で済みそうだという目処が立ってきたのが、かなり後なのです。少なくとも6月とか7月ではなくて、夏過ぎぐらいに最終確定が見えてきて、そこから私どもは一般整備に着手しました。少なくとも計画策定時点ではわからなかった。それから、先ほど厚生労働省からお話がありましたけれども、財務省と協議をしていただいているときにもまだわからなかった。したがって、その状態のまま現在に至っているということです。4.3億円だとわかっていて85億円を留保したものではありません。そこはご理解ください。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長
 1点、地域医療機能推進機構の準備というのは、今進めているところですが、震災復旧に受け皿法人のミッションも加わったという要素よりも、純粋に厚生労働省自体が被災3県の医療機関に、小さい診療所であっても、去年の大震災の場合はすべてエントリーいただいて、県庁や市役所を通じて建物を再構築できるような財政支援を財務省と協議してやっていますので、普通、我々の所属病院でなければ、医療機関ですから厚生労働省からの助成をいただいて復旧すべきものであると思います。ですから純粋に、先ほど言った85億円がどこまで使われたかというのは、どう見積もるかというか、緊急時の時点の判断ですから、そこはご説明どおりでご理解いただき、先ほど私が申したとおり、その85億円という色はみんなわかっているわけなので、いま4億円使ってまだ残っていますけれども、まだ機械とか何か出てくる可能性が被災3県の中でないわけでもない。自分の所で潰れたということでなく、もともと地震の影響での部分で瑕疵が出てくるかもしれませんし、なければ役目が終わった段階で、所定の手続でどういう返し方をするか。そのときにはお諮りした上で次の目的になっていくのかもしれません。だから先ほどの評価の点でいくと、先のところまでというのは、地震のときの判断としてそこまで考えていたのかと言われると、そこまではないのではないかということです。

○山口部会長
 だから、さっき管理官がおっしゃったように、メンテナンスが必要だという判断でやっているということですから、例えば項目6の資産価値の保全といったところでは適切にやったと、だけど国庫納付はしなかったということだと思います。ですから、それぞれの項目で、それぞれで判断するという要素も結果トータルで、これはすごくよくやっていると思いますけれども、国庫納付という面では、例えばこれでSが付くということではないと、私個人としてはそのように思います。そういったことで判断していくということではないかと思いますが、ほかの委員の方、どうでしょうか。

○竹原委員
 先ほどから出ている話は、予算や資金計画のところで我々が評価項目として入れればいい話で、大野委員が最初におっしゃったように、国庫納付金に関する事柄だけで評価するとすれば、これは当初の厚生労働省も認めた計画どおりに達成したということなので、B評価にするのが私は妥当ではないかと思います。

○山口部会長
 ほかの委員の皆さんは、よろしいでしょうか。そういう考え方の委員もいらっしゃるので、それも参考にして付けていただくということで、いかがでしょうか。事務局、よろしいですか。

○年金局上席管理官
 1点だけ、補足させていただきます。これ以上議論ということではないですが、先ほどの85億円の話で、今回、震災で非常に広範囲の被害が出ている所もありますし、当時、震災の規模や範囲、そもそも耐震化の必要性の見直しなど全体を考慮し、直接、目に見えている病院の被害だけでなく、広い意味での耐震化みたいなことも含めて、総合的に85億円とさせていただいているところは、補足させていただければと思います。

○山口部会長
 ほかに、よろしいですか。

○安達委員
 その85億円に関しては一旦納付をして、それを交付するという形で取れば非常にわかりやすいというか、我々も評価しやすかったのではないかと思います。納付をするという義務があるわけですから、それをしないでこちらに使うということよりも、一旦納付して、それを即交付するという形を取ってもらえれば、非常に評価しやすかった。私としてはそう思います。

○光多委員
 今のとは別ですが、譲渡業務諮問委員会は従来、福祉施設を処分しているときには、そこからずっと続いているわけですね。そのときには非常に難しい案件だったので、かなりこれは機能したと思います。先ほど活発な議論が行われたということですが、もう業務が変わっているし、この委員会の役割自体を変えるという話であれば私は評価できると思いますが、役割が変わっているときに、前の処分の機能の委員会が活発な議論をしているというのは、ちょっと違和感があるのです。そこはどうですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 病院の出資に伴い、譲渡業務諮問委員会の委員のメンバーの中に医療関係に詳しい先生に加わっていただきました。一方、22年9月末で一旦、当初の5年が終わったということもあり、機構設立当初からの委員の先生方が何人か入れ替わっており、機構の業務内容の変化に合わせて委員のメンバーの方は少しずつ入れ替わっていただいています。主な諮問事項でお示していますように、例えば被災病院の整備状況の報告、財務調査の進捗状況の報告、地方公共団体に対して病院を譲渡する場合のプロセスをどうするかなど、多くの病院の譲渡に関わる事項について、ご意見をいただいているということです。

○光多委員
 これからも、まだこの委員会は続くわけですね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 中期目標にそのように書かれておりますので。

○光多委員
 名前と実態が少し乖離しているわけです。名前は譲渡業務という形になっていますけど。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 現在は病院の譲渡業務について諮問しております。

○光多委員
 2病院だけですか。それとも、例えば新しい機構がスタートすることについて、そこについても議論して。

○年金・健康保険福祉施設整理機構企画部長
 病院の譲渡指示が出た場合に、病院をどのように譲渡していくべきなのかという議論をしていただいております。また、厚生労働省からの病院の譲渡に関する指示の内容が変わり、地方公共団体に病院を譲渡する場合の取扱手続が変わっていますので、そこについて、どのように機構として取り組んでいくかということをお諮りしております。

○光多委員
 そうですが、だから病院を譲渡する指示があったときに限って、そこについて議論する委員会なのか、ここにありますように、病院の経営に関する知見を有するというところまであるとすれば、新しい機構がスタートするときに、そこに例えば経営諮問委員会的な役割があるのかもしれない。ちょっとその辺が。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 今日、ご審議いただいているのは23年の業務の評価ということですが、ご指摘の譲渡業務委員会というのは、今、ちょうど過渡期にある組織を、将来どうするかというご質問だと思います。今の報告の期間には入っていませんが、地域医療機能推進機構の立上げの準備を任せる者としては、当然、なるべく早くに、いわゆる地域医療機能推進機構を立ち上げるに際して、いろいろな外部からのアドバイスが必要ですので、その委員会をこれとは別に立ち上げるということを、今、頭の中で考えていることは申し上げておきます。
 あと、このことは、今、山路のほうから申し上げましたように、これは釈迦に説法で申し訳ありませんけれども、譲渡については我々が厚労省からの指示を待ってやることになっています。これからまだ新機構改組までに時間があって、その間、譲渡をせよという指示があった場合には、これからもアドバイスが必要だということで、これは置くけれども、実態的に外部の意見、アドバイスが必要な領域は、圧倒的に新しい地域医療機能推進機構に向けてのアドバイスが欲しいというところに、重点が変わることは間違いないと思います。

○光多委員
 今の国庫納付の問題と同じで、中期計画など譲渡一本槍なのです。だからこの委員会も譲渡に関する委員会なのですが、今のお話を聞くと外部の委員会について、要するに適切に、状況に応じて外部の委員会を弾力的にお使いになっていると、そういうことですよね。だから中期目標のところが、実態が譲渡一本槍の機構の性格なので前段のところが全部そこになっていて、実績のところが、それとちょっと変わった形をやっておられるわけです。どうも今の国庫納付と同じで、ここもギャップがあるのです。

○山口部会長
 ほかに、ご意見、ご質問等ございますか。よろしいでしょうか。それでは、以上ですべての項目の評価が終わりました。事務局からこの後の取扱いについて、ご説明いただけますか。

○政策評価官室長補佐
 お配りしている資料の送付を希望される場合は、部会終了後に事務局までお申し付けください。また評価の記入が終わっていない委員の方がいらっしゃいましたら、評定シートと評定記入用紙をお持ち帰りになって記入していただくか、本日、電子媒体の評定記入用紙を送付しますので、そちらに記入していただくかでお願いいたします。お持ち帰りになる場合は、8月2日(木)までに事務局まで評定記入用紙をご提出いただくよう、お願いいたします。以上です。

○山口部会長
 次に、年金・健康保険福祉施設整理機構の役員給与規程の改正についてです。まず法人のほうからご説明をお願いし、その上で委員の皆様のご意見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長
 資料3でございます。1頁に書いてありますとおり国家公務員の給与が、ご承知のように2年間、復興財源に充てる名目で減額が実施されています。当機構に対しても、公務員給与減額に準じた取扱いという形で厚生労働大臣から要請があり、当機構の役員給与規程については、ここに書いていますとおり、これは全く国とイコールという形です。人勧部分、給与減額部分、期間もすべてイコールということです。ちなみに、これは役員給与規程の承認の協議ですけれども、先ほど企画部長の山路からの説明の際にありましたように、役員以外の職員についても国家公務員と同様の措置を6月に取らせていただき、4月からの給与については6月のボーナスで調整させていただいている現状です。資料的には規程の新旧という形で2頁に、どこが変わるか示しています。最終的には当機構の役員給与規程そのものを付けていますが、内容的には、現在行われている国家公務員の2年間の減額の形を、そのまま踏襲しているという状況です。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○山口部会長
 2年間というのは附則のほうですね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長
 はい。

○山口部会長
 以上ですが、ご質問等ございますか。国立大学法人なども同じような状況になっていますが、何かご質問はよろしいですか。それでは役員給与規程の改正について、当部会として了承ということで、よろしいですか。
(了承)

○山口部会長
 それでは、そのようにしたいと思います。次に、最近の独立行政法人を取り巻く状況について、事務局よりご報告をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 委員の皆様方は、紫色の資料集の54頁をご覧いただければと思います。今年3月の部会でご報告したところからの動きで申し上げると、今年の5月に独法の通則法の一部を改正する法律案が国会に提出されました。その中身ですが、「独立行政法人」制度を廃止して「行政法人」制度を創設する。行政法人制度を法人の事務・事業の特性、国の関与の在り方等に着目して、「中期目標行政法人」と「行政執行法人」に分類するということです。またその中身については、組織の規律として、主務大臣に法人の違法行為の是正命令等を付与する。監事・会計監査人の調査権限を付与する。また財政規律として、運営費交付金の適切な使用に係る責務を明記する。一貫性・実効性のある目標・評価の仕組みとして、政策責任者たる主務大臣が、法人の目標設定から評価まで一貫して実施する。国民目線での第三者機関のチェックとして、総務省に行政法人評価制度委員会を設置し、その中で、中期目標・評価、中期目標期間終了時の見直しの内容等の点検を行う。
 こういった内容になっています。また詳細等がわかりましたら、部会等でご報告いたします。以上です。

○山口部会長
 ありがとうございました。それでは、本日の議事は以上となります。次回の開催等について、事務局のほうからご案内をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 次回の開催につきましては、8月3日(金)13時から、場所は省内の19階専用23会議室となっています。議題につきましては、農業者年金基金の平成23年度の業務実績に係る意見についてと、年金積立金管理運用独立行政法人の個別評価等になっています。以上です。

○山口部会長
 それでは、本日は以上とさせていただきます。長時間にわたり熱心なご審議をいただきまして、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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