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2012年7月5日 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第56回)議事録

○日時

平成24年7月5日(木)14:57~17:23


○場所

厚生労働省省議室


○出席者

真野部会長、大島部会長代理、浅野委員、松原委員、橋田委員、五十嵐委員、關委員

○議事

(以下、議事録)

○真野部会長
定刻より若干早いですが、ただいまから第56回「厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会」を開催いたします。本日は平井委員と石渡委員が欠席です。
本日の議事について事務局から説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
本日の議事について説明いたします。本日の議事につきましては、議事次第にありますように、まず平成23年度の業務実績評価につきまして、事務局よりご説明いたします。その後、のぞみの園の個別評価についてご審議いただきまして、そのあと業務方法書の改正と役員給与規程の改定についてのご意見をいただきます。最後に、最近の独立行政法人を取り巻く状況について事務局より説明をさせていただきます。以上でございます。

○真野部会長
ありがとうございました。それでは早速ですが、医療・福祉部会における業務実績の評価ということで、議題1に入ります。いまから独立行政法人の実績評価を行っていただくわけですが、今年度実施する各法人の評価の流れや評価基準について事務局から説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
個別評価の進め方についてご説明いたします。資料1-1-[1]をご覧ください。進め方につきましては昨年と変わりませんが、改めてご説明いたしますと、まず初めに理事長から法人全体の業務実績を説明します。その後、各個別項目を4つ程度のパートに分け、法人の担当部長等から実績と自己評価をご説明いたします。各パートごとに質疑応答を行いまして、委員の方にSからDの評定と、その評定理由を評定記入用紙に記入していただくという形で、それぞれのパートごとに繰り返す形で進めてまいります。また、評価につきましては、総務省に設置されております政策評価・独立行政法人評価委員会、いわゆる政・独委と言われておりますが、政・独委が作成している「評価の視点」等を踏まえて、評価をしていただく必要があります。
資料集の126頁をご覧ください。今年の5月21日に政・独委より、二次評価に当たりまして、特に留意すべき事項が示されております。いくつかこれまでの対応に追加して、対応すべき事項がありますので、説明させていただきます。126頁のいちばん下の●の「公益法人等に対する会費の支出について」と、127頁の保有資産の管理のところの1つ目と2つ目の●の「独法の職員宿舎の見直し」関係です。こちらにつきましては、いずれも行革本部決定となっておりますが、この決定自体が平成24年の3、4月に決まったものですので、平成23年度実績評価において手当てすることが難しいので、総務省の政・独委事務局にも確認しまして、「業務実績評価別添資料」に現状を記載するとともに、総合評価書に、次年度以降につき基本方針に沿って着実に実行するということを記載することでの対応を考えております。
金融資産に記載されております溜まり金の精査につきましては、財務担当委員にヒアリングの際に確認していただき、法人の総合評価の際にコメントをいただきまして、総合評価書に記載していただくことで対応を考えております。
次に内部統制については、監事の監査結果を踏まえた評価を行っているかについて留意することとあります。昨年の総会等で複数の委員からもご指摘がございまして、「業務実績評価別添資料」に一部追加させていただいておりますが、資料の記載内容を確認いただきつつ評価をしていただければと考えております。
医療・福祉部会では、法人の実績を「業務実績評価別添資料」、こちらは資料2-4になりますが、それにまとめております。この別添資料に記載された事項を評価するチェックポイントを資料1-1-[2]にまとめておりますので、評価に当たっての参考にしてください。
これに対する評価につきましては、今回ののぞみの園に当てはめますと、資料2-5の評定記入用紙の評価項目で見ますと、1、2、3、5といったところに評価をご記入いただくことになります。法人の個別評価が終わりましたら、各委員の評価を踏まえた評価書案を起草委員に作成していただきます。各委員の起草担当の法人につきましては、資料1-2のとおりとなつております。起草委員につきましては、PMDAが浅野委員、橋田委員、平井委員、福祉医療機構が真野委員、石渡委員、松原委員、のぞみの園が大島委員、關委員、財務諸表等会計につきましては五十嵐委員になっております。よろしくお願いいたします。
評価書案の作成につきましては、各法人の所管課室と起草委員とで調整していただきながら、案文の作成を行っていただきます。起草委員に作成していただいた評価書案につきましては、8月16日(木)に予定しております総合評価の部会で各委員にご審議いただきます。また、今回、福祉医療機構、のぞみの園の2法人につきましては、中期期間の最終年度に当たりますので、「暫定評価」及び「組織業務の見直し当初案」についても併せて総合評価の部会でご審議いただきます。「暫定評価」「組織業務の見直し当初案」につきましては総会議決事項となっておりますので、審議した内容を8月31日に予定しております総会に部会長からご報告後、総会の委員によりご審議いただき、評価委員としての決定をしていただくという流れになっています。
最後に、個別評価をご欠席された場合の取扱いについてです。資料1-1-[1]の3のとおり、起草担当の法人の評価をご欠席された場合には、個別にレクを行いまして、評価をしていただきます。起草担当以外の法人の評価をご欠席された場合には、評価は不要としております。評価の進め方につきましては以上です。
続きまして資料1-3及び1-4についての説明をさせていただきます。資料1-3は、医療・福祉部会で評価する3法人につきまして、あらかじめ法人の大体の実績を踏まえた上で評価をしていただいたほうが、評価のばらつきが少なくなるのではないかと考えまして、平成22年度の評価結果と合わせて、自己評定の一覧を付けております。
また、資料1-4として、他部会を含め過去3年間の評価結果をグラフ化したものを付けておりますので、各法人の自己評価の状況や、他の部会の評価結果等も参考にご評価いただければと思います。事務局からは以上です。

○真野部会長
ありがとうございました。いまの件に関して、委員のほうから何かご質問などございますか。
それでは、いまの手順で各法人の、今日はのぞみの園ですが、実績の評価を行っていきたいと思います。国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の個別評価に入ります。最初に、遠藤理事長からご挨拶と平成23年度における取組みの説明をお願いいたします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
理事長の遠藤です。どうぞよろしくお願いいたします。まず資料2-1に基づいてご説明させていただきます。委員の先生方には日頃から大変ご指導いただいております。心より御礼を申し上げます。
資料2-1の最後の頁をご覧ください。これはのぞみの園の事業体系図です。上から3分の2に当法人の事業を色分けしまして、また下の3分の1のスペースでは、当法人の運営上の効率化、適正化に関する事項をまとめています。のぞみの園の事業につきましては、色分けして、それぞれ上に向かって矢印をつけていますように、5つの柱からなっています。左端の総合施設の関係では、40年前に開設された旧国立コロニー時代に全国から受け入れた重度の知的障害者の地域移行事業に重点的に取り組んでおります。また、新しい政策課題として、例えば矯正施設を退所した知的障害者などが、円滑に地域に定着できるように、モデル的な支援を行うなど、新しい政策課題に対応した事業にも取り組んでいるところでございます。
調査・研究事業では、障害福祉行政の政策課題の解決に資するテーマを中心に選定しております。総合施設をフィールドとして活用したり、また、外部の研究者のご協力を得ながら取り組んでいます。
養成・研修事業では、総合施設におけるモデル的な実践の成果、あるいは調査・研究の成果などを全国の関係施設、事業所などに提供すべく、全国から参加者を募りまして、セミナーあるいは研修会の方式で取り組んでいるところです。このように、総合施設、調査・研究、養成・研修の3つの事業を相互に密接な関連性を持たせながら、一体的に推進しているところに当法人の特色があると考えています。
1頁に戻っていただきまして、のぞみの園の福祉サービスの関係業務の概況からご説明させていただきます。1頁目に入所利用者の推移などを掲げています。入所利用者は、地域移行事業の推進などにより、着実に減少しております。独立行政法人に移行したときから3分の1以上が減少しております。入所利用者の平均年齢も60歳を越えるに至っております。また、矯正施設退所者の年度別の受入れと退所の人数の表を掲載しています。平成23年度に新たに受け入れた人は1名でしたが、本年度は既に3名を受け入れて、さらに近々2名を受入れの予定ということになっております。
次に2頁をご覧ください。これはのぞみの園で実施している福祉サービスの種類とその利用者数の現況です。このようにいろいろなサービスを提供するということで、時間の関係上、個別の説明は省略させていただきます。
次に3頁からは平成23年度の業務実績の要点をまとめています。1として「業務運営の効率化」について要点をまとめています。施設利用者へのサービス水準の確保に十分に留意しつつ、運営の効率化、適正化にできる限り努力をしているところです。常勤職員数の削減につきましては、独立行政法人横並びの目標を課されているということで、削減せざるを得ないわけですが、一方で、サービス水準確保のために必要な専門職員は採用しつつ、職員配置を工夫するなどして何とか削減に努力しているということです。人件費総額につきましては、対前年度で1億5,000万円削減しておりますし、運営費交付金も対前年度で9,900万円削減しております。
次に4頁をご覧ください。「内部統制・ガバナンス強化への取組等」ですが、当部会でご指摘いただいたこともありまして、のぞみの園の業務の特殊性を考慮して、リスク一覧を作成しまして、これを基に取り組んでいるところです。また、インフルエンザ、ノロウィルスなどの感染症の予防対策につきましても、徹底に努めております。
次に5頁をご覧ください。まず「地域移行事業」の実績を掲げています。移行者数、また同意を得た保護者の数、いずれも年度の目標を達成しております。ただ、現在の入所利用者は高齢化しまして、機能低下も進んでおります。また家族も移行を拒否するという事例がほとんどで、そのように悪条件が重なっている中で、1人の地域移行を達成するということは、かつてに比べて相当難しくなっているという状況を是非ご理解いただけたらと思います。
4として「行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者に対する支援」ということでまとめています。この中で、矯正施設を退所した知的障害者の関係について書いていますが、法人の中にプロジェクトチームを設けまして、その専門性を高めるために種々取り組んでいるところです。平成23年度は空いている生活寮を活用しまして、矯正施設退所者を受け入れる専用の「自活訓練ホーム」というのも開設しております。
次に6頁ですけれども、このような矯正施設退所者に関する支援につきまして、全国の関係事業所、あるいは施設が積極的に取り組んでいただけるように、研究会やセミナーを開催しております。
次に「行動障害等を有する者への支援」ということでまとめていますが、行動障害を有する人、あるいは精神科病院に入退院を繰り返す知的障害者などの支援、これはかなり困難性が伴うわけですが、そのような事例にモデル的に取り組んでおります。また、行動援護のサービスというのもありますが、その普及と質の向上を図るべく、サービス提供責任者を対象とする研修会なども開催するということで、このサービスの普及と向上に努めています。
次に7頁です。先ほども表でご覧いただきましたように、入所利用者の高齢化が着実に進行しております。認知症に罹患する人も次第に増えてきております。専門家を招聘いたしまして、日常的な支援の現場での指導、あるいは職員研修会などを開催しまして、職員の専門性の向上に努めてまいりました。また、5として「発達障害児(者)の医療的支援」ということでまとめています。発達障害児の医療支援につきましては、直営の診療所で児童精神科の専門医と臨床心理士がチームを組みまして、専門的な医療とその家族の支援に取り組んできております。外来の患者数は年々増加しておりまして、地域における発達障害の医療の拠点として重要な役割を担うようになってきております。
次に8頁です。8頁には東日本大震災の関係でのぞみの園が被災施設の支援に積極的に取り組んできたということをまとめています。昨年4月に福島第1原発から10km圏内に所在する社会福祉法人の友愛会の集団避難を一括して受け入れました。こちらに書いていますように、のぞみの園から生活寮を3つと日中活動の場となる施設、またグループホーム用の宿泊施設などを提供しまして、友愛会は高崎市において独立した施設として従来の事業を継続して実施しているという現況にございます。また、被災施設への支援職員の派遣にも取り組みまして、半年以上にわたりまして、合計32名の職員を派遣したということになっております。以上が、非常に簡単でしたが、平成23年度ののぞみの園の取組の概要です。
最後に、のぞみの園が今後、どう事業を展開していくのかということについて、口頭で若干説明させていただきます。先ほど入所利用者の推移をご覧いただきましたように、入所利用者はどんどん減少しております。このまま入所利用者が減少していって、のぞみの園はどうなるかという質問をしばしば受けるわけです。これに対しまして、以前にもこの場でご説明したこともあろうかと思いますが、のぞみの園としては2つの使命というか役割を担っていると考えております。第1に、旧法人から引き継いだ入所利用者の人たちについて、できる限り地域移行に取り組みまして、地域で生活できるようにと、そういった事業をさらに推進していくということでございます。そうはいっても、地域移行を望まず、あるいは種々の条件のために地域移行できない方については、のぞみの園において最後まで責任をもってお世話をするということでございます。
第2の使命、役割としては、国の障害者福祉行政をめぐるいろいろな政策課題について取り組んでいくということです。例えばということで申し上げますと、高齢で機能低下した、あるいは認知症を発症した知的障害者、行動障害や発達障害のある知的障害者、また矯正施設を退所した知的障害者など、障害福祉行政の政策課題となっているような人たちを対象といたしまして、のぞみの園としては、総合施設というフィールドを活用してモデル的な支援を行い、また調査・研究、さらに人材の養成・研修、このような3つの事業を一体的に取組んでいく。そういう方向にシフトすべく、いま全力を挙げているということです。入所利用者の減少に合わせて、のぞみの園の有する人材、施設・設備を、新しい政策課題に対応した事業に投入していくということで、名実ともに知的障害者福祉のナショナルセンターとなれるように、法人一体となって全力で取り組んでいるところであるとご理解いただけたら幸いかと存じます。以上でございます。どうぞ、ご審議のほどをよろしくお願いいたします。

○真野部会長
ありがとうございました。以降ですが、個別評価に関してシートを4つのグループに分けて、グループごとに評価をしていきたいと考えております。では、最初に「業務運営の効率化」についての評価を行いたいと思います。法人からの説明時間は25分ということですので、よろしくお願いいたします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
法人からご説明申し上げます。私は事業企画局長の真野です。総務部長を兼務しております。どうぞ、よろしくお願いをいたします。
説明資料は、資料2-2のパワーポイントの資料を中心に説明させていただきます。本体の評価シートについても対応する頁を申し上げますので、ご覧いただければと思います。なお、この説明資料は主に「評価の視点」「数値目標」に対応した実績等で作成しておりますが、時間に限りがありますので評価の視点や数値目標は読み上げを省略させていただきます。
資料2-2の2頁をお開きください。業務運営の効率化の(1)「効率的な業務運営体制の確立」です。評価シートの1~3頁です。私どもは法人運営に当たりまして、施設利用者へのサービスの推進維持に十分留意しながら、運営の効率化・適正化に努力をいたしております。23年度においても柔軟な組織編成を行う目的で、下の3つの○に取り組みました。1つ目は、平成23年4月より大規模な組織改正を行いました。利用者の支援サービス部門、利用者を直接支援する部門、管理部門を明確に区分をし、新たに「監査室」を設けました。利用者への支援サービスの充実の強化と効果的な業務運営を推進するため、ここにあるような組織改正を行いました。
2つ目は、矯正施設等を退所した知的障害者の地域生活支援の充実です。先ほど理事長から申し上げましたが、23年1月より試行的に開設した「自活訓練ホーム」を本格実施し、この事業を担当する「社会生活支援課」を新設しました。
3つ目は、寮の再編をしております。利用者の減少や高齢化による機能の低下、また新たに医療ケアが必要な利用者が増えていることから、平成23年4月に第4次寮再編を実施をし、利用者を適正な支援が可能な寮に転寮していただき、17か寮から16か寮にしております。さらに、平成24年4月に第5次の寮再編に向けて準備を行ったところで、現在さらに1か寮減りまして15か寮となっております。その頁の中ほどにありますが、常勤職員数は定年退職者のあと補充は原則行わないという取組みで、20年度期首からの第2期削減目標は52名ですが、24年度期首で既に49名を削減して226名となっております。
3頁です。ただいまご説明したとおりですが、常勤職員数については24年度期首で既に全体計画の94%を達成する削減を行っております。そういう中で、提供するサービスの質を確保するという観点から、23年度において生活支援員4名、看護師1名、言語聴覚士1名の計6名を採用しております。人件費総額は22年度と比較して、1億5,000万円の縮減を図りました。また、24年度に「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」に準拠した取扱いを行うための準備を行いました。なお、本年度から国に準じた取扱いを行っております。
4頁です。22年度の欄のラスパイレス指数です。対国家公務員比で96.0、対他法人比90.9です。数値目標98.1をクリアしておりますが、23年度はさらに95.7となっています。
5頁です。平成20年度から法人業務に必要な各分野の専門家を招聘しておりまして、職員の質の確保、人材の確保のための取組みを実施しておりますが、23年度も引き続き左側に書いてあるピンクの部分の専門家を招聘をし、実際の利用者の支援の場や会議、職員研修において指導・助言を受けまして、より質の高いサービスの提供を行うことができる体制を整えております。
6、7頁です。ピンク色の枠に書いてありますが、該当しないものがあります。また、法定外福利費については労働基準法及び労働安全衛生法に則りまして、適切に対応しております。以上ご説明しましたとおり、評価項目1については評価シートの3頁にありますが、自己評価について私どもはいずれも計画以上の成果を上げているという評価でAとしております。
次に8、9頁になります。評価項目2「内部統制・ガバナンス強化への取組」です。評価シートの4~7頁です。23年3月の基本方針に基づいて内部統制・ガバナンス強化に取り組み、23年度は内部統制検討委員会を3回開催いたしました。また、会計監査人の専門的知見を有する第三者の指導を受けつつ、適正管理に努めました。また、20年度の実績評価の折りのこの部会における委員の先生方からのご指摘を踏まえて21年度に改訂した阻害要因一覧を基に、9頁に流れ図を載せていますが、フェーズ2のリスクの評価、リスクマップの作成を行い、8頁の下にある重点とした3つのリスク、利用者の骨折、誤与薬の発生、当事者意識の欠如について、フェーズ3からフェーズ5まで継続して取り組んでまいりました。また、総務省の内部統制の概念等の整理を受けて、改めて内部統制に係る職員研修会を2日間、3回に分けて開催をし、職員の質の向上を図りました。各部の長をメンバーとする内部統制向上検討委員会における協議等を通じて、その実施を推進する体制を取っており、推進している状況です。
10頁をお願いします。モニタリング評価会議を4回開催しております。モニタリングの結果については、幹部会議や職員向けの園内報等を通じて周知、反映させるように徹底を図っております。11頁をお願いします。業務の情報開示は、組織、業務及び財務情報等、そこに4点ほど挙げているものについてはホームページで公表をいたしております。監査機能の強化ということで、「内部監査」についても23年4月から監査室を独立させ、下段に流れを書きましたが、この流れで最終的に監査結果について理事長に報告をし、その結果をホームページに公表する取組みを行っております。
12、13頁です。健康維持対策、感染症防止対策ですが、日頃からここにまとめてありますように徹底して取り組んでおります。定期的な健康診断の実施やインフルエンザワクチンの接種など、対策を講じております。万一、インフルエンザが職員や職員の家族等に発生した場合には、速やかに利用者の二次感染防止のために感染症対策委員会を開催し、迅速な対応を図っております。13頁に流れが書いてありますが、新型インフルエンザ対策として23年度においてもタミフルの予防投与、手洗い、うがい、マスク着用の励行などを徹底し、職員や職員の家族等が罹患した場合には、すぐに出勤停止等の措置を取り、その予防に努めた結果、残念ですが利用者についてはインフルエンザ発症者が4名、ノロウイルス発症者が7名でしたが、この防止策を徹底したため蔓延には至らなかったところです。12頁の右の事故の再発防止ですが、事故防止対策委員会を毎月開催しており、発生原因の分析及び事故防止策を検討し、その内容を職員に周知し、同じ事故が起きないように取り組んでおります。事故件数は昨年よりやや増加しておりますが、利用者の高齢化による機能低下による転倒などの事故を減らすことはなかなか難しい状況になっておりますが、細心の注意を払い、取り組んでいます。
14頁をお願いします。広く国民からの要望を取り入れる仕組みを作るために、前年度に規則を整備したほか、業務改善を目的として職員が理事長に直接、業務改善につながる提案や、無駄削減に関する提案等ができる仕組みとして、「業務改善提案箱」を設置しております。以上が評価項目2の実績です。ご説明したとおり、計画どおり、また計画以上の取組みもありまして、評価シート7頁の自己評価は全体としてAとしております。
15、16頁です。評価項目3「業務運営の効率化に伴う経費節減」です。評価シートは8~11頁です。下の棒グラフで、第1期においては運営費交付金(予算額)の節減の目標が13%以上で、13.08%という実績を上げております。第2期においても、23%以上の削減目標を課せられておりますが、右の表にあるように24年度に28.7%の削減。16頁の23年度予算額は19年度に対して28.7%の減、16億6,500万円になっております。24年度予算額も同様の額となっておりまして、23%削減の目標を既に上回っています。
17頁は、経費の節減です。下のこれまでの取組みをご覧いただくと、常勤職員数の削減とともに、給与を16年度から19年度に14%削減をしております。以前から給与水準の引き下げに取り組んできたわけです。引き続き、23年度も経費の節減に努めました。契約の適正化は、22年度の「随意契約見直し計画」に基づきまして、一般競争入札等の契約方式を実施いたしております。
18頁です。事業収入の増の取組みも求められておりまして、介護給付費、訓練等給付費は利用者の減によりまして若干落ちておりますが、そのほかに下段の枠の中に収入の確保に向けた取組みの主なものを挙げております。このような取組みをした結果、自己収入は割合として52.5%になります。目標値が40%以上です。また、診療収入の確保についても発達障害児の一般外来による新患が341名増加し、診療所の収入増にも努めております。また、国の補助事業である調査・研究事業が採択をされ、群馬県の委託事業を受託し、経費の確保にも努めました。
19、20頁です。いずれもピンクの枠に書いてありますが、各部所で点検した結果、冗費は発生しておりません。事務・事業は、利用者のニーズに対応したものです。なお、20頁の薄い黄色の枠に書きましたように、費用対効果を考えた場合に非常に厳しい面もありますが、高崎市から受託事業として相談支援事業を年間700万円で受けております。これについては職員数3名の人件費、町の中の相談所の家賃の経費が持ち出しになりますが、この相談業務のニーズが高く、地域の障害者にとってはなくてはならないものということで、私どもとしては収支を考えず実施すべき事業と認識しております。平成23年度も、引き続いて取り組んでいます。以上が評価項目3の実績です。ご説明しましたように、いずれも計画を相当上回っているということから、評価シートの11頁の自己評価はAとしております。
21頁です。評価項目4「効率的かつ効果的な施設・設備の利用」です。評価シートは12~14頁です。地域の方や高崎市の保護者の代表の方にもメンバーとして参加をしていただいております資産利用検討委員会を開催し、資産の状況の再確認を行いまして、土地の有効利用を検討いたしました。地域の方々からはグランド、テニスコート、体育館など、資産について一層の地域開放を行うようにということでした。ご覧いただきますように、この写真と地図を見ていただければわかりますが、敷地が232万平方メートル、約70万坪あります。約8割が山林で、かつ起伏の激しい所です。正直、買っていただけるのであれば是非にとは思いますが、なかなか買い手がない現状です。
22頁です。平成23年4月より東日本大震災による被災施設である社会福祉法人友愛会を受け入れ、空き寮3寮を提供し、居住の場また独自の施設運営を行っております。右にある活動支援棟ですが、平成21年1月より、日中活動のサテライトとして空き寮を活用した多様なメニューの日中活動を展開をしております。
23頁です。先ほど説明した資産の活用のチェックですが、平成23年度監事監査においては特別の指摘事項はありませんでした。24頁です。この図にありますように、県、市より委託等によって福祉関係者等への研修などの活動の場として、法人所有の施設である文化センターや資料センターを、また地域住民の交流の場として体育館やテニスコート、グランド等を広く開放しております。23年度においては、9年間続いている「のぞみふれあいフェスティバル」には約1,800人の参加をいただいております。体育館、グランド等の開放については、約1,300人の利用がありました。診療所の機能の活用ということでは、21年度から常勤の小児精神科医を採用し、養育支援や心理・機能訓練相談、発達障害・リハビリ外来など、地域へ多大な貢献をさせていただいております。
25頁です。施設利用者に対する適切な医療の提供については、健康管理、医療ケアの必要な寮への訪問看護などを実施し、内科健診、子宮がん、乳がん検診等をしております。また、行動障害等の著しく支援が困難な者に対しては、精神科医と臨床心理士が連携をして対応しております。地域医療については、心理相談、発達障害に対する相談等が増加しておりまして、下に書いてあるように発達障害児の保護者を対象に、家族心理教育を月2回実施をし、特に発達障害児の外来診療については現在半年先まで予約が取れないような状況になっておりまして、この児童・思春期外来については教育委員会等と連携を取って実施をし、地域において大きな役割を果たしております。また、群馬県、高崎市からは大変喜ばれております。
26頁です。「独立行政法人整理合理化計画」において処分することとされた資産ですが、当法人については処分等に関する指摘はありませんでした。以上が評価項目4の実績です。いずれも計画はクリアしておりますし、かつ地域医療への貢献や地域住民への資産等の開放と交流については積極的に実施をしていることから、評価シートの14頁の自己評価はAとしております。
27頁です。評価項目5「合理化の推進」です。評価シートは15頁になります。「競争性のある契約」の青で塗ったところで、23年度の括弧書きの率ですが、下段に※で1、2に書いてありますが、競争性のない契約34件中24件については、毎月支払っている電気料金や下水道料金の公共料金です。いま51.5%になっておりますが、この24件を合計から除くとこれが78%になりますので目標の60%以上は確保しております。本来の競争性のある契約の件数だけを見れば、私どもの数値目標を大きく上回っていると考えております。また契約の状況については、のぞみの園のホームページでも公表をいたしております。
28頁です。入札案件については、すべて一般競争等の競争性の高い契約を実施しておりますし、前年度から「一者応札・一者応募」の改善方策を検討し、透明性、競争性にも留意しております。監事監査においても会計規程に基づく入札・契約の実施状況のチェックを受けましたが、問題となる指摘はありませんでした。会計監査人による往査においても関係書類等のチェックを受けましたが、問題となる指摘は受けておりません。
29頁です。監事監査において入札・契約が適正に実施されているかを関係書類等の内容のチェックを受けたあとに、契約監視委員会の点検を受けておりますが、結果として問題となる指摘はありませんでした。
30頁です。当法人の特定業務を独占的に受託している関係法人はありません。
31頁です。23年度において、23年8月と12月に当法人の契約監視委員会を開催し、見直し・点検を行っていただきました。特に問題はありませんでした。また、契約は随意契約見直し計画に基づきまして、随意契約によることが真にやむを得ない、先ほど申し上げました公共料金、診療所で使っているMRIの保守等を除きまして、すべて一般競争入札等で競争性の高い契約方式で実施をいたしております。私どもは、計画以上に実施していると考えております。以上が評価項目5の実施状況です。評価シートの15頁になりますが、自己評価はいずれも計画を上回っていると考えておりますのでAとさせていただいております。以上です。

○真野部会長
委員の皆様、評定記入用紙に記入をお願いいたします。並行して、質問等がありましたらお願いいたします。
最初に、私から2点。1つ目は説明資料の14頁です。聞き逃したのかもしれませんが、国民の声募集や提案箱をされたといいますが、具体的に何件上がってきて、それについてどういう対応をされたかです。
2つ目は19頁です。冗費はないということですが、一般的に考えますと、厳しくされたのだと思いますが、冗費がないというのはよくわからないというか不思議な感じもしますが、どんなふうに点検されたのかを一応お教えいただけますか。2点です。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
「国民の声募集」は、実績がありませんでした。「業務改善提案箱」は2件ありました。

○真野部会長
提案は2件ということでしたら、どんな内容でそれをどのように反映されたのかをお教えいただけますか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
申し訳ございません。今日は、その資料を持ってきておりません。

○真野部会長
では内容はさることながら2件で、それについて議論はされて少し改善しようとか、そういう取組みはされたのですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
そういう仕組みにしております。

○真野部会長
もう1つのほうはどうでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
毎年の会計監査人、監事監査において財務内容を見ていただいておりますので、またこの独法の中期期間の会計方式によりまして、23年度末においての冗費はないということです。

○真野部会長
私は会計士ではないのでよくわからないのですが、会計の役割というのはそういうことなのでしょうか。

○五十嵐委員
冗費の点検とか、そういうことはいたしません。

○真野部会長
ということは、冗費の点検はどのようにされたのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
私ども財政的に余裕のある法人でもありませんので、日頃からいろいろな支出は必要最小限でという方向で取り組んでいます。人件費についても、ラスパイレスも他の独法並びで言うと90%程度ですし、そのような日頃の支出に対する節制というのでしょうか、そういうことで取り組んでいることはあります。また、それぞれの支出についてもその必要性については十分検討しておりますし、事後的にそれについても振り返ってみて、これは支出しないほうがよかったとか、これは無駄だったといったものがなかったという意味で、私どもとしては冗費はないという判断をしたわけです。ただ、第三者から見てそういうものについて何か指摘があるということはあり得るかもしれませんが、少なくとも会計監査人などと収入・支出の関係についていろいろやり取りする中では、特に指摘するようなこともありませんでした。以上、答えになっておりませんが、そういうことです。

○真野部会長
ほかはどうでしょうか。

○大島委員
質問させていただきます。今後の方向性ということで先ほど理事長からも説明がありましたが、例えば児童精神科医が1名いた所では予約がずっと先まで初診が受けられない。そこのニーズは非常に高いということだと思います。一方では、かなり高齢になられた方を最後までお送りするまで見ましょうということだったと思いますが、毎回思いますが、高齢になられると、逆に高齢施設のほうが慣れているというか居心地というか、ケアの質が良くなったりすることもあると思うので、本当にニーズの高い所を重点的に早めに脱皮していくというか、早めに役割を必要な所に、独立行政法人であるだけに、そういう所を1人の精神科医ではなくて、総合的にそこの部分を厚くしていく計画は立てながらやっているのか。総額が非常に大きいので、それからこれだけ古い建物ですと修繕しなければとか、追いかけ追いかけの額が大きいと思います。何億というお金をどんどん注ぎ込むような形になってくることが、国民の納得がいくかどうかというところもありますが、消費税が上がったりいろいろなことで、それぞれ苦労して日々生活されているので、その辺の切り替えというのが先ほどの説明の中で、あまり明確に伝わってこなかったものですから、そのこともいまの自己評定の前段として教えていただけますか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
まず入所利用者で、高齢化している人たちの関係です。これは地域移行ということで取り組んでおりますが、なかなか条件が合わなくて、またご家族の反対が強くて実現に至らない。その間に、着実に年齢を重ねていく状況にあります。その中で、私どもとして地域移行に取り組むといっても限界があるわけですから、ご希望する限りは私どもとして最後までお世話するというのが、かつて国がした約束を履行することだと考えております。ご指摘のように、介護保険の施設のサービス体系の中で、専門的なサービスを受けたほうがよろしいということも当然考えられるわけです。ただ、この障害の入所施設で生活している人たちは、介護保険の被保険者となっていないわけです。そういうことと、現に地域では障害のサービスも介護保険のサービスも必ずしも十分でないという中で、障害のサービスを受けている人たちはまずそこでサービスを受けてくれと。介護保険のほうは、障害のサービスを受けている人を切り替えて介護保険で受ける余裕はないという地域が少なからずあります。したがいまして、私どもが地域移行に取り組んでいる事例の中に、介護保険の施設に移行したという事例もいくつかありますが、それを実現するためには、まず地元の市町村といろいろ協議して、なんとか介護保険の利用を認めていただく。そのために、要介護認定をどういうスケジュールで受けるかとか、大変事務的にも調整が難しいような状況にあります。そういうことで、現在の入所利用者についてもちろん可能性として、介護保険のサービス体系のほうに移っていただくことは取り組んでいますが、現状としてはなかなか容易でないということがあります。
発達障害の関係ですが、確かに新患の予約が半年以上先まで埋まっていることになっております。これは県内に児童精神科医の数が非常に少なくて、そういう専門のドクターの診察を求めてのぞみの園のほうに問い合わせてくるケースが大変増えてきております。この点については、1つは児童相談所や児童デイサービスの事業というものを利用しながら、あるいは小児科の診療を受けながら、最後、どうしても専門医に診てほしいという問合せが少なからずあります。したがいまして、半年先だからそれまで何もサービスを受けていないのかというと、そうではなくて、それなりに児童相談所を通じて、あるいは児童関係のサービス事業を利用してということで、日常的にはなんとかサービスを受けている状況にあるわけですが、どうしても専門のドクターの診察、診断を受けたいという方たちが増えているということで、私どもとしても、そういうニーズが高いわけですから、それに応えるためにはどうしたらいいかということで取り組んでおります。そういう意味では、臨床心理士なども大いに活用してということで取り組んでおります。また、後ほど業務方法書の改正ということで議題になっておりますが、私どもとして知的障害者ということではありますが、発達障害のそういうニーズを考えますと、必ずしも年齢にこだわることなく、対象年齢を下げて、就学前から継続して大人になるまでサービス提供できるような事業に取り組んでいく必要があると考えております。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、現在の人材、施設・設備を新しい政策課題のほうになんとかシフトさせていくようにということで取り組んでいます。

○真野部会長
よろしいですか。ほかはいかがですか。

○五十嵐委員
先ほどご説明いただいた施設のところで、友愛会の受入れというお話がありましたが、これを受け入れるに至った経緯はどういうことだったのかというのをご説明いただくとありがたいです。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
これは大震災で、なおかつ原発の事故がありまして、近隣にある福祉関係の施設に限りませんが、集団で避難していくというような状況がありました。そういう中で、被災した障害のある人たち、被災した施設・事業所を受け入れることができないかということで、国のほうからのぞみの園のほうにどの程度の受入能力があるかといったような問合せがありました。それに対して私どもとして、こういった空いた寮もありますしということで、何十人程度といったような登録をしたわけです。そういう中で、国のほうから、この友愛会というのが利用者の数でいうと70人程度ということですが、どうしても集団で一緒に避難したい、その受入先はないかということが国のほうにも上がってきたようで、のぞみの園のほうにも受入れできるかどうかという確認の問合せもありました。それを受けて、のぞみの園としてはそういった規模であれば集団で一括して受入可能ということでお答えして、このような集団避難ということになったわけです。

○真野部会長
よろしいですか。ほかはいかがですか。

○浅野委員
内部統制・ガバナンスの強化ということですが、現在、リスクマネジャーか、それに類するような責任者の方は置いていらっしゃるのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
私どもは、内部統制向上検討委員会というのを設けておりまして、これは各部所の長がメンバーで、私が委員長ということで全体を取りまとめており、そのために、先ほど説明にもありましたように、専門家の会計監査法人のその道でかなり業績がある方と契約しまして、いろいろと助言を受けて取り組んでいます。

○浅野委員
そうすると、そのガバナンスの中でやっているということですが、特段リスクマネジメントだけを専門にするような専門家の方、例えば、サービスを提供している寮舎で起きるいろいろなリスクがあると思いますが、病院や介護福祉施設だと最近はリスクマネジャーさんを置かれて、ヒヤリ・ハットのデータを集めたり解析したりしながら、それを専門的に分析し予防していますが、そういうことは特段にまだ実施されていないということですね。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
それは、また別に事故防止対策委員会を毎月定期的に開催していますが、ここでは各部所等でヒヤリ・ハットのケースや事故のケース等を登録させるような仕組みを従前から取り組んでおりまして、それのケースを毎月定期的にその検討委員会の場で検討し、結果を先ほどご説明したように再発防止ということで、また職員向けの園内報等にそれを掲載して周知しているとか、重要な案件、事故があったときには幹部会議等を召集して、また職員研修等も実施するなりして、そういう防止に努めているということです。

○浅野委員
専門家というか、専門職として、そういう方を置いているわけではないということですね。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
特段そういう専門職を置いているわけではないです。

○浅野委員
わかりました。

○關委員
いまご説明いただいた資料の22頁に活動支援棟という新しい基軸が出されていて、何というか私たちが知っている施設の種別というのは非常にタイトな種別になっていますが、何か新しい基軸というか可能性のようなものが広がったのかどうなのか。そこの方々の活動事例などがここには載っていますが、そのほかにも何か事業経営や事業運営の新しい芽が出たぞといった、良い事例があれば教えていただきたいと思います。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
22頁の図は、現在のぞみの園で日中活動として取り組んでいる状況について、特にこういった空いた生活寮を活用して取り組んでいるということを説明したものです。日中活動として特に私どもが考えているのは、1つはここで生活する人たちが高齢化していって、なかなか遠い所まで出掛けて行って活動するというのは難しいということで、比較的近い所でそれぞれの人の趣味や希望に応じてプログラムが選べるようにということで、メニューを多様化するような取組みをしております。他方で、地域から通所ということで受入れもしております。この通所の人たちというのは比較的若くて、日中も活動的なものですから、そういった人たちの活動の場としてどうするべきかを考えたときに、できれば就労に結び付くような方向で取り組んでいくべきだろうということで就労移行支援、就労継続のB型という事業も22年度から始めておりますが、そのような就労関係を特に力を入れてやっております。そして、ここは空いた生活寮の有効活用という資料ですのであまり触れていませんが、のぞみの園の敷地の中だけで日中活動をするのではなくて、若い活動的な利用者たちは町の中に就労なり活動の拠点を設けて、そこで一般就労に結び付くような活動を展開していけたらいいなということを考えて、これは来年度以降ですが、いろいろと検討している最中です。

○松原委員
運営費交付金が前年度と比較して約9,900万円も節減とありますが、これの内訳はほとんど人件費と考えてよろしいですか。それは、定年退職する方の人数分を補充しないことによる節減という理解でよろしいですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
事業費自体は前年同額になっていて、人件費の節減です。

○松原委員
節減したというのは、どんなことで節減をなさっているのですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
節減は、人件費の職員の削減がいちばん大きなものです。

○真野部会長
削減が、退職した人かどうかということを聞きたいわけですか。

○松原委員
そうです。

○真野部会長
それは、どうでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
毎年、退職数がかなり違っておりまして、23年度が非常に多かったということがあります。

○松原委員
23年度に退職する方が非常に多くて、22年度は少なかった。23年度は約1億円ぐらい22年度よりも節減できたということでよろしいですか。非常に大きな経費節減をなさっているので、その理由は人件費だということですが、それはほぼ退職の方が多くて、その方の補充をしないから非常に節減できたという理解でよろしいのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
そのとおりです。

○真野部会長
よろしいですか。時間も押してしまいましたので、時間をかけましたので記入も済んだと思いますので、グループ2の地域移行についての評価をお願いいたします。法人からは15分ということでお願いいたします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
それでは、評価項目の6~9までをご説明します。資料33頁です。評価項目6「地域移行に向けた取組」の地域移行のスピードアップです。評価シートは17~18頁です。地域移行の実績については資料の中段にありますが、第1期で44人、第2期は平成23年度が21名、昨年度末で計88名となっています。なお、括弧書きの数については、移行が決定した後亡くなったり、あるいは病気になったということで、断念せざるを得なかった数をプラスしたものです。地域移行の数は年度目標の15人~20人を十分に達成しています。平成15年度から累計で132名になりました。下の表にありますが利用者数の3割縮減という目標値についても、平成23年度末で314名で、死亡者を含めて185名の減ですので3割7分の縮減となっています。平成24年度も積極的に地域移行を進めていますので、地域移行による減のみで目標の3割縮減が達成できる予定です。
34頁です。移行が困難な要因・理由の説明です。1点目が、保護者・家族の同意が得られにくいということです。平成23年1月の保護者アンケート調査結果での困難な理由として「現在の生活の変化を求めない」「のぞみの園の生活がいちばん安心できる」などがあります。このような困難な方に対して、右の表に挙げていますが、面会時の個別の説明、来園の少ない家族への家庭訪問等による説明、地域移行をして5年を経過した方の生活を紹介するDVDを作成し、その意義を説明しています。また、移行先の社会資源の情報提供を行って見学や体験利用に繋げる対応をとっています。2点目は、入所者本人の体験不足です。3点目は、移行先の確保が困難ということです。これは私どもには42都道府県出身の利用者がいますが、その多くは関東圏の都市部で、東京、埼玉、神奈川で約100名の方がいます。そのような大都市にはもともと施設、ケアホームなどの数が少なくて、地元でも待機者が多いという状況があり受入れは非常に難しい状況にあります。したがって、私どもはそれに対して、厚労省からの都導府県への協力要請、障害程度区分認定調査時に各担当者がのぞみの園に来られますけれども、その際に情報の提供や移行の依頼などを行って繋がりを持っています。受入れ先の確保に繋げているということです。このような対応を進めた結果、累計で132名の移行者に繋がっていると考えています。このような実績がありますので、18頁の評価シートの自己評価はSとさせていただいています。
35頁です。評価項目7「地域移行の段階的支援の実践」のア、本人及び保護者の同意を得るための取組みです。評価シートは19~21頁です。平成23年度中に25人の保護者の同意が得られました。目標では25人程度ですので、目標を達成したということです。
36頁です。同意が得られた方の推移になりますが、第1期は66名の方の同意を得て44名の方が地域移行をしました。平成23年度については同意25名で21名の方が移行されており、同意を得るための努力の結果です。
37頁、自立に向けた効果的な支援の提供ということで、どのような取組みを行っているかの流れとなっています。30数年間のぞみの園におられたわけですので、地域の生活を体験することが非常に大事です。のぞみの園の生活寮から地域生活体験ホーム、これは私どもの独自の事業ですが、資産の活用ということもありまして、法人施設内にある世帯宿舎、施設外にある古い役員宿舎をバリアフリーに改装した建物、それと借家1件を地域生活体験ホームとして利用者にサービス提供しています。そして施設外の体験ホーム「くるん」では短期の宿泊体験、次に施設内外での長期の体験を経て、地域移行に繋げていくということにしています。宿泊体験の状況については、くるんにおける1泊から1カ月の宿泊体験を行っていまして、右の表の実人数53人、延べ人数77人、延べ日数497日となっています。以上でございますが、これも年々保護者の同意を得ることが困難な状況の中で目標を達成していますので、評価シート21頁の自己評価はSとさせていただいています。
次に38頁です。評価項目8のイ、移行先の確保、移行者に対する地域生活の定着支援です。評価シートは22~23頁です。先ほど34頁でもご説明しましたが、出身自治体に対する協力依頼ですが、これは平成23年2月全国障害保健福祉関係主管課長会議で、障害保健福祉部からのぞみの園の地域移行の取組みへの理解と協力要請を行いました。その後、当方で重点と定めた1都4県1市に対し個別に直接、移行先確保の協力を要請しました。この重点自治体の対象利用者は142人ですが、このうち移行が決定したのはケアホームへ4名、施設へ4名、待機が1名という結果でした。平成24年度へ向けた取組みとして1都3県に対し重点的に協力要請を行い、また地域のキーパーソンとなる福祉関係者からの紹介で、9都道府県24事業所が新たな協力事業所として確保できています。また、本人や家族の移行予定施設のケアホーム見学の機会も拡大し、23年度は延べ41回ほど行っています。
39頁。移行後の生活も見守っていくということで、移行者に対する地域生活の定着支援ですが、移行した後もフォローアップが非常に大切だと思っています。移行された方々が安定して地域生活を送っているかを事業所に直接出向いて面談をしたり、電話等によりその状況を確認させていただいています。平成23年度に実施したフォローアップの状況はこの表にありますが、対象者が108人、延べ回数で827回を行い、直接訪問やアンケート調査を31人に実施しました。地域移行のため退所する利用者の支援内容の情報提供、移行直前の健康診断の実施、診療情報の提供などを行って、地域移行後に安定した生活が続けられるようフォローアップに努めています。以上が評価項目8の実績です。これも新たに24カ所の協力事業所が得られるなど、着実に計画を実行していることから、評価シートの23頁ですが自己評価はAとしています。
40頁です。評価項目9「行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者に対する支援」です。評価シートは24~27頁です。平成17年に第1次寮の再編をスタートし、平成23年4月に第4次寮の再編を実施しました。高齢化や機能低下を踏まえ、効果的な入所支援を目指し医療的配慮グループの寮、高齢者支援グループの寮の増設を行い、利用者の状況に応じた転寮を実施し専門的な支援の充実を図ってきています。加えて、先ほど申し上げました高齢者事例検討プロジェクトチームを設置し、事例検討会を毎月開催し、事例の検証に努めたところです。また、県内外の特別養護老人ホームでの実務研修も実施し、職員の育成に努めています。また、認知症と疑われる高齢知的障害者への適切な支援に対して、認知症ケア研究チームを作りまして5事例を精査し、効果的な支援を行うことにも取り組みました。外部の有識者を招聘して「高齢知的障害者支援の在り方検討会」を設置し、のぞみの園の支援の点検と今後の支援の方向性について検討を行い、本年の3月27日に厚生労働省に報告を行ったところです。
41頁です。自閉症や行動障害等を有する者に対する支援の寮として、特別支援グループの寮を平成17年に設置し、現在2か寮で専門的な支援を行っています。平成20年4月からは自閉症支援の専門家の有識者を参事として招聘しまして、特別支援グループを中心に支援技術の指導や助言を受けました。また、これまでの特別支援グループにおける取組みをまとめ『あきらめない支援』として実践的な事例集を刊行し、23年度は行動障害等を有する著しく支援が困難な者及び精神科病院に入退院を繰り返す知的障害を2名受け入れました。精神科医や臨床心理士等とも連携し、特別支援グループでの支援を行いました。21年度に受け入れた精神科病院に社会的入院をしていた方に、福祉と医療の連携による支援を継続した結果、行動等の著しい改善が認められ、この方は地域移行を目指して段階的に地域生活体験も実施した後、今年の5月末に地域移行をしたところです。
42頁です。福祉の支援を必要とする矯正施設を退所した知的障害者へのモデル支援です。この矯正施設を退所した知的障害者の中には、福祉サービスを受けていないケースが多々ありまして、このことが再犯を繰り返す一因だと考えられることから、福祉の支援を必要とする知的障害者が地域社会での生活が円滑に行える支援手法の確立を目指しています。20年度から全国の福祉施設等において、この支援事業の取組みの普及・拡大に資するということから、先駆的に取り組んでいる事業です。この支援の全体の流れ図ですが、受入れ実績は平成20年度より計10名を受け入れています。ここには受入れの実績者の一覧は載せていませんが、評価シートの25頁をご覧ください。これらの方々は性犯罪、窃盗、傷害を犯した中程度の知的障害者でして、なかなか人間関係が作れずに、出身地に戻れないような、いずれも支援が難しい事例です。これらの方々の8人が、うち平成23年度は3人ですが、地域生活に移行しました。
43頁です。支援が著しく困難な取組みの実践について説明してきましたが、これらをどう知的障害者関係施設に情報提供しているかです。先ほどご説明した『あきらめない支援』については、実践事例集として全国の障害福祉施設で応用できるよう編集し頒布しました。福祉の支援を必要とする矯正施設を退所した知的障害者等の地域生活支援について、福祉施設で受け入れる際の流れや留意点、支援の在り方、地域移行に向けての取組事例のテキストを作成して頒布しています。認知症がある知的障害者のスクリーニングスケール、いわゆる認知度の測定のチェックの作成については、22年度から翻訳作業と実用性検証の研究を行ってきました。十分に実用的なツールであるということが証明され、最終版を完成させて必要な施設に配付しました。
44頁です。矯正施設等を退所した知的障害者等の地域生活移行の実態調査等について、国からの補助事業として9施設9人の事例を調査、また、先駆的支援をしている9施設の調査について効果的な研修プログラムを開発し、その啓発活動として報告書の作成・配布とともに施設の指導的立場にある職員の研修会を平成23年12月7日~9日に前橋市で、また、福祉セミナーとして今年の2月9日~10日に高崎市で開催しています。これには司法関係者44名ほどにご参加いただいています。以上が評価項目9の実績です。いずれも積極的な実施、また計画を上回っているということで、評価シート27頁の自己評価はSとしています。Part2は以上です。

○真野部会長
ありがとうございました。それでは質問と記入ですが、質問はどうでしょうか。

○大島委員
2つあります。1つは、精神科の病院に社会的に入院している数というのは日本では突出して多いと言われていて、その中で受け入れられたことは非常に前向きにされたのだと思うのですが、希望者も10万人単位でいると思うのです。そうしますと、そのわりには数が非常に少ない。要するに、ここでも待機者がいっぱいいることになると思うのです。もう1つは、犯罪を犯した知的障害の方は、ここも出られなくて、福祉サービスが利用できず、地域で暮らせない方はものすごい数いるという報道がありますよね。その人たちも先ほどと同じように待機者なわけですよね。そのわりには、1人とか2人とかでもそこでプログラムについて研究をされるというのであれば、もっと実践数を増やすことができないのか。
要するに、ニーズがあるところの対応がもっとできないのか。これだけの10何億という予算規模を使っているだけに、本当に必要としている国民の要望にもっと応えてもいいのではないかと思ったのです。1名とか2名とか、移行が何とかというと、あまりに少ないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
まず精神科病院に入院している人の件ですが、おそらく精神科病院に社会的入院している知的障害者というのは、沿革的に受入先がなくて、やむを得ず精神科病院に入院したという人たちと、もう1つは、知的障害の施設にいてもなかなか適切な支援を受けられなくて、ストレスがたまって自傷他害の行為に及んで、その結果として精神科病院のほうで治療を受けるといったようなケースかと思います。そういったケースで、私どもが受け入れたのは後者のほうでして、知的の施設で適切な支援ができなくて、その結果として自傷他害行為が著しくて精神科病院に入院せざるを得なかった事例で、精神科病院の個室で大変落ち着いた日々を送っているという事例でございました。こういった事例について、どうやったら地域で生活できるようになれるのかというか、どのような支援を行ったら地域で生活できるような道が開けるのかということで、私どもは問題意識を持っていまして、実際に受入れをして2年以上の年月をかけて、ようやく施設の中で落ち着いた日々を送り、地元の施設をいわば階段の踊り場として地域生活に移れるようにという道が開けたわけです。そのようなことで、単に精神科病院に入院している人を知的障害の施設で受け入れればいいということではなくて、その人たちをいかにして地域生活まで実現させるのかということで考えますと、その支援の方法について、それなりの大まかな方法論のようなものを私どもは示さなければいけませんし、その成果を全国の関係施設に示して、全国の関係施設、事業所が1人でも受け入れていただけたら、かなりの数が対応できるということになるわけです。したがって、のぞみの園としては、そういったニーズがあることはわかるのですが、ニーズのある人をできるだけ多く受け入れるということではなくて、そういった問題事例についてモデル的な支援を行って、その成果をまとめて全国に情報提供して、全国の関係施設、事業所がこういった問題に取り組んでいただくと、そういう方向で力を入れているということをご理解いただきたいと思います。
このことは矯正施設退所者についても同じです。私どもは先ほど、受入れの人数と実際に地域移行した人数をご紹介しましたが、一人ひとりいろいろな成育歴があって、家族との関係もほとんど壊れている。そのような人をいかに地域で定着できるように支援していくのかということについては、それぞれいろいろな事例を積み重ねて、方法論のようなものをある程度まとめて全国に提供していく必要があるのだということが、まずいちばん大事なことと考えております。したがって、調査研究としていろいろ取り組み、その支援プログラムのようなものを作成しましたし、また、実際に受け入れる施設で中心的な役割を担っていただくような職員を研修するためのプログラムも作成しております。そのようなことで、私どもはできるだけ多く、能力が許す限り受入れはしますが、のぞみの園だけではなくて全国の関係施設が1人でもとにかく取り組んでほしいという、そういう方向でやっているということも、ご理解いただけたらと思います。

○大島委員
関連して、全国にはそういう研究をされている精神科の病院のドクターや、チーム医療をやっている方など、いろいろな方がいると思うのです。その辺のネットワークといいますか、のぞみの園で蓄積して2年経って1人とか2人とかで研究成果というのではなくて、地域で研究している人たちとのネットワークとか、より効率的な研究の進め方というのは模索されているのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
おそらく大島先生のお話というのは、精神障害者一般にも通じるような社会的入院と、その入院している人たちの地域移行ということにかかわってくるのだと思います。私どもは精神科医療の担当者といろいろ相談させていただくという場面もあるわけなのですが、やはり精神科医療の分野では統合失調症に罹患した人たちの地域移行ということが主になっていて、知的障害という視点からの取組みというのはほとんどないのです。私どもがここで提案している、あるいは取り組んでいるというのは、知的障害でなおかつ精神疾患も合わせ持つような人について安易に精神科病院のほうで社会的入院させてしまっている事例が見受けられるものですから、私どもとしては、やはり知的障害者ということで捉えて、どうやって適切な支援をしていったらいいのかということで取り組んでいるわけです。したがって、精神科医療のほうの担当者、専門家の関心の所在と、私どもの取組みというのがなかなかうまく噛み合わないようなところもありまして、私どもは、精神科医療の現場とか、専門家のご意見、ご助言もいただきながら、どう取り組んでいったらいいのかというのは、これから検討してまいりたいと思います。

○真野部会長
ほかは、どうでしょうか。

○松原委員
評価シートの21頁の「施設利用者の地域移行に向けて」なのですが、移行後ものぞみの園が関わっているという記述があります。具体的にどのように移行後関わっていらっしゃるのか、教えていただけるとありがたいです。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
私どもは、地域移行ということで、事前に移行先とも十分協議、調整して退所していただくということですが、退所したあとも、どういった生活をしているのかというのはずっとフォローすることにしております。具体的には、移行した先の事業所に定期的に電話連絡したり、あるいは、移行後1年とか5年経ったときに、のぞみの園の職員が実際に出向いていって生活ぶりを確認するということもしております。そのようなことで、のぞみの園を退所して移行先でどのような暮らしをしているのかというのは、全ケースについて私どもは把握しております。

○真野部会長
ほかは、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、時間も押していますので、休憩は省かせていただいて、次にグループ3、調査・研究等についての評価項目をお願いします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
資料46頁になります。評価項目10~15までをご説明いたします。46頁の評価項目10「調査・研究のテーマ、実施体制等」でございます。評価シートの29~31頁でございます。まず研究会議ですが、外部有識者委員4名、内部委員2名、厚労省オブザーバーで構成をしていまして、平成23年6月に第1回を開催し、23年度の調査・研究のテーマ、内容等について審議・評価が行われ、適切な助言・指導を受けました。第2回は24年の3月に開催をし、23年度研究結果に関する助言・講評をいただき、その結果、高評価をいただくことができました。
47頁です。23年度は、下にある[1][2]の研究について、外部委員を含めた研究検討委員会で議論をし、障害福祉に従事する中堅職員向けの研修プログラムの開発を行いました。そのほか、入所施設からの地域生活移行の実態、高齢知的障害者の認知症判定尺度の作成に関する研究など、合計12の研究を実施いたしました。なお、[2]の研究については国の補助事業でございます。いずれも全国の障害福祉の現場の支援に関係する12の研究テーマを取り上げて、目標の6テーマ以上を大きく上回る調査・研究に取り組みました。
48頁です。実施体制については、年4回開催の調査・研究調整会議において、12の研究テーマごとに主任研究担当者が研究内容を説明し、会議メンバーで各部所との連携方法や研究の進行チェックを行いまして、同時に研究の妥当性や成果について意見交換を行うやり方で取り組んでおります。
次の調査・研究プロジェクトですが、先ほどご説明した[1][2]の研究において、外部の有識者、福祉関係者を交えた研究検討委員会を設置し、合計18人の外部委員と、指導助言者として厚労省、法務省から8人の参加をいただきまして、外部研究者等との連携を図り、研究の質を高めるよう努力をいたしました。23年度は、新たに外部有識者3名を含めた倫理審査委員会を設置いたしました。調査研究方法に関して、個人情報保護や倫理面の配慮について審議をいたしました。23年度は1回開催をしたところでございます。以上が評価項目10の実績でございます。ご説明したとおり、計画を上回って取り組んでいるということですので、評価シート31頁の自己評価はAとしております。
次に、49頁です。評価項目11「成果の積極的な普及・活用」です。評価シートの32~34頁まででございます。23年度の調査研究成果については、「研究紀要」第5号を発行し、ほかにも、下に書きましたが、「厚生の指標」「さぽーと」などに掲載され、また、日本社会福祉学会等の関係学会や関係団体の場を活用して研究成果を発表・講演し、広く普及に努めました。
50頁です。当園の機関誌である「ニュースレター」ですが、年4回、調査研究の概要版を掲載しました。また、ホームページでは、「研究紀要」の全文を記載し報告をいたしております。研究会議の外部の有識者委員からは高い評価を得ている研究もございました。また、当法人が主催する研修会等で発表していますが、アンケート結果においてはおおむね9割以上の方から、満足度が高かったという評価を得ております。以上が評価項目11の実績でございます。積極的に普及に努めたことから、評価シート34頁の自己評価はAとしております。
51頁になります。評価項目12「養成・研修、ボランティアの養成」でございます。評価シート35頁から37頁です。この養成・研修事業に関しましては、障害者福祉や保健医療に従事する者の資質の向上を図るため、福祉セミナー等積極的に実施をいたしております。23年度におきましても、国の政策課題をテーマに、国から補助金を受けて行っている福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者の支援等の福祉セミナーや、指導的立場の施設職員の研修会を行い、受講希望者が倍近くありましたが、参加者の調整なども行って実施をいたしました。また、多くの司法関係者の参加をいただいております。
52頁です。52頁に記載していますように、いま申し上げた福祉セミナーを2回実施し、東京で、行動援護サービス提供責任者等を対象に、行動援護スーパーバイザー研修を行いました。また、摂食・嚥下関係の障害医療セミナーを、地域関係者の参加も得て実施いたしております。
53頁です。のぞみの園では、保育士、社会福祉士の各種養成機関等の実習施設として多くの実習生を受け入れております。受入数はそこに書いてあるとおりです。若干落ちておりますが、この数字の中に、課外授業1日実習の受入数が含まれております。この課外授業分につきましては、東日本大震災の影響で一部取りやめたこともあり、減少しておりまして、実習生はほぼ例年と同じ受入数となっております。受入学校数は11校増加している状況です。実習の充実にも取り組んでいまして、21年度に大学との共同研究により開発した相談援助実習プログラムについては、22年度検証を行って、23年度に実習プログラムに取り入れ実施をいたしました。右側のボランティアですが、インフルエンザの流行の関係もあり受入れを絞った関係から、人数的には落ちていますが、例年1,000名前後の受入れを行っております。評価項目12の実績です。積極的に養成・研修を実施したことから、評価シート37頁の自己評価はAとしております。
54頁です。評価項目13「援助・助言」です。評価シートの39頁になります。障害者支援施設の求めに応じまして、その要請に応える援助・助言の取組みについては、件数は昨年の175件から200件となっております。
55頁です。援助・助言の提供に当たっては、援助・助言の要請者の希望に沿った効果的な方法を選択して実施をいたしております。利用促進への取組みとしては、「ニュースレター」に広報記事を掲載すると同時に、PR用のリーフレットを作成して、これを「ニュースレター」に同封をし、また研修会等の場で広く配付するなど、援助・助言の利用促進に取り組んでおります。以上が評価項目13の実績でございます。積極的に実施していることから、評価シート39頁の自己評価はAとしております。
56頁です。評価項目14「その他の業務」です。評価シートの40~42頁です。56頁は、附帯業務としての診療所の取組みの図です。施設利用者の健康管理については、健康診断やインフルエンザ予防接種、高齢化に対応した摂食・嚥下障害への対応のほかに、蓐瘡予防やシーティング指導等を実施いたしております。さらに、医療的ケアが必要な施設利用者に対しては、入院や外来診療で約2万8,000件の提供を行ったほか、必要に応じて寮への往診等も行っております。地域医療への貢献については、外来診療の提供に加えて、21年度より先ほど申し上げた児童精神科専門医が常勤として着任以来、知的障害・発達障害児の専門外来診療を実施し、特に思春期児童の診療が大幅に増加してきております。地域では欠かせない診療所となっているという状況でございます。
57~60頁です。診療所の外来患者や入院患者の推移等、診療収入の状況を示したものですが、入所者の減により歯科が落ちていますが、そのほかは増加傾向になっております。収支も好転してきております。診療所の収支の説明は60頁になりますが、決算額を見ていただきますと、事業収入の計が1億3,500万円、1,400万円の増でございます。事業経費は、決算額が2億8,800万円、3,100万円の増になっております。運営交付金の充当金としては、22年度よりも約1,683万円増えていますが、その要因は、退職手当が3,360万円増えていまして、退職手当を除きますと、昨年より約1,678万円少なく済んだという結果になっております。
61頁は、診療所の沿革と運営の参考資料でございます。
62頁です。診療所以外の附帯業務です。高崎市からの委託を受けて、相談支援センターとして地域の障害者や家族に対して障害福祉サービスの全般に関する相談支援を実施しております。実績が5,133件でございます。さらに、地域障害者の利用規模に応じて、短期入所や日中一時支援を提供していまして、ご家族の負担の軽減にも努めております。
63頁に支援の図がありますが、地域の中に生活介護事業所「さんぽみち」を21年度に開所して、日中活動のメニューの拡大にも取り組んだところです。利用者数も22年度に比べて16.7人と、メニュー等の拡大が反映されている結果になっております。以上が評価項目14の取組みですが、いずれも昨年以上に実施しているので、評価シートの42頁ですが、自己評価はAとさせていただいております。
64頁の評価項目15「サービス提供等に関する第三者から意見等を聴取する機会の確保」でございます。評価シートの43頁になります。第三者の意見を聴取する機会として、「国立のぞみの園運営懇談会」を、23年度は2回開催いたしました。1回は9月で、22年度の業務実績評価に関する結果等についてのご議論をいただき、東日本大震災への取組みとして、福島県からの被災施設の受入れと、ボランティア派遣の積極的な取組みについて評価をいただいたところでございます。2回目を3月に開催し、独法の見直し、高齢知的障害者支援の在り方検討会報告についても評価をいただいたところでございます。また、24年度予算、24年4月の組織改正について議論されました。この懇談会の議事要旨はホームページに掲載し、公表いたしております。
65頁になりますが、第三者評価機関による評価については21年度に実施していまして、3年に1回ですので、23年度は実施をいたしておりません。評価シートの44頁の自己評価についてはBとしております。以上でございます。

○真野部会長
ありがとうございました。それでは質問と記入ですが、いかがでしょうか。

○大島委員
基本的なことになるかと思うのですが、56頁からの「診療所の役割」のところです。少し違和感を感じるのは、いま医療費の抑制ということがあって、入院期間もどれぐらいかで、症状が落ち着いたときには自宅に帰るようにとか、いろいろなことで方針が変わっているようなのですが、ここで、医療費からの医療収入が上がっていて評価があるというところと、いまの、できるだけ抑制しなさいという国の方針とを両方考えると、どう判断していいのかなと思うのです。入院患者も着実に増えていますし、そこでの診療収入も増えていますというところが、どのように説明がつくのかというのがちょっとわからなかったので、教えてほしいと思います。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
1つは、収入増に努めろというような1つの宿題があるわけですから、そのような意味で、現在診療所の持っている人的あるいは物的資源を大いに活用して収入を上げるというのは必要だと考えています。もう1つは、実際こういう障害のある人たちの医療というのは、一般の医療機関に通院して、あるいは入院して医療を受けるということが、必ずしも円滑にできていないような状況もございます。私どもの入所利用者が、手術が必要だということで、専門の病院に行って手術を受けた場合でも、入院期間はできるだけ短くと。それは、医療費抑制云々という話よりも、むしろ、こういう障害のある人たちの入院というのはなかなか難しいので、私どものほうで対応できるのであればできるだけ引き取ってほしい、という要請もあるわけです。私どもとしては、一般の医療機関で十分な医療が受けられないのなら、むしろ私どもの診療所で必要な医療を十分に行うという方向で考えていますし、幸い、常勤の医師として内科外科両方に通じているベテランの医師もいますので、最近の状況としては、私どもの診療所で治療できる限りは、入院、通院も含めてできるだけ私どもの診療所で治療しようという方針でやっております。そういうこともあって、診療所の収入は増加しているということです。

○真野部会長
よろしいですか。

○浅野委員
その点なのですが、診療所は当初、経済的な負担を軽減化していく方向でいろいろなサービスを増やしていったという経緯だったと思うのです。そうなってくると、収入というより収支というところに目が行かなければいけないのかなとおもいます。収入は増えるけれども経費が増えていったのでは、赤字の拡大につながってしまいます。もし今回の新しい診療のサービスが社会的ニーズがあるということであって、それをどんどん増やして収入が増えてくるということであれば、それは、非営利法人の場合はわからないのですが、会社で言えば、定款という形で新しい事業理念として入れるべきものと思います。、ここは逆に、収入が増えていて、ニーズが世の中にもある。けれども、経費的には非常に難しいところがあるので、場合によっては運営費交付金の増加になってしまう。これについては、納得づくで、診療所を動かしていくというようなことが必要なのかなと思います。現状だと、やはり経済的な負担を低くするということですので、収入というよりは収支というところにも目を向けて、収支がとんとんか、あるいは黒字になる方向で見ていくということが必要なのかなと思いますが、いかがでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
収支ということでご指摘いただくと、私どもとしては、現在の診療所の果たしている役割、そこのスタッフ、施設・設備を考えますと、大変難しい課題だと考えております。こののぞみの園の診療所というのは、いま申し上げたように、障害のある人たち、特に長年のぞみの園で生活をしているような人たちの適切な医療を確保するという意味で入院、通院をやっておりますし、また、地域の障害のある人たちについては、主として発達障害を中心に対応しているということですので、ニーズは非常に高いのですが、診療報酬という点で見ると、実はなかなか収入につながらないような事業をやっているということなのです。さらに、もう1つ付け加えれば、人件費ということで、先ほどもご説明しましたが、退職手当も1人定年退職すると2,000万円を超えるような経費がかかりますし、スタッフの平均年齢も高いというようなこともございます。したがって、私どもも当然、収支の改善には努力はしているわけですが、採算というところまで考えると、果たしてのぞみの園の診療所の果たす役割として可能かどうかというのは、考えると大変難しいのではないかと思っております。

○浅野委員
わかりました。非常に難しい問題で、時間にも限りがあるので、これで終わります。

○真野部会長
ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、最後ですが、グループ4ということで、いまも少し議論が出ましたが、全体の収支のほうでお話いただければと思います。法人からは5分ということですので、よろしくお願いします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
それでは67頁の評価項目16「予算、収支計画及び資金計画等」です。評価シートの45頁になります。67頁の右下にございますが、平成23年度の総事業費は退職手当を除きますと35億円で、自己収入の額が18億4,300万円ですが、その割合が52.5%となっておりまして、目標の40%を大きく上回っている状況です。68頁に自己収入の割合の推移を載せておりますけれども、18年度から20年度までは41%台でしたが、21年度からが45.7%と計画を大きく上回り22、23年度と増加傾向になっています。
また、平成23年度の予算は、中期目標に定める目標、平成19年度と比べて23%以上削減する、あるいは総事業費に占める自己収入の比率40%以上を達成することを目標に予算を作成し、収支計画にしたがって予算を作成し、収支計画にしたがって予算の範囲内で執行を行いました。
その際の運営費交付金の債務の収益化については、費用進行基準を採用しておりますので、平成23年度においては収益化を予定していた運営費交付金22億6,100万円、これは退職手当を含んでおりますけれども、そのうち3億8,000万円を収益化する必要がなくなったことから、シートの46頁にも書いてありますが、3億8000万円については平成24年度への運営費交付金債務として繰越をしております。
これは常勤職員数の削減等による人件費の総額の縮減とか、業務物件費の節約に努めた結果によるものでありまして、評価項目16の実績ですが、計画を上回っていることから評価シート45頁の自己評価はAとしております。
69頁の評価項目17「人事に関する計画」です。評価シートの47頁になります。この69頁のいちばん下にありますが、23年度末の常勤職員数の見込みを235名としていたわけですが、22年度から19名削減をし、215名という実績でしたので削減目標を大幅に上回っています。したがいまして、評価シート47頁の自己評価はAとしております。
最後の頁ですが、評価項目18「施設・設備に関する計画は実施されているか」です。評価シートの48~49頁になります。平成22年度から繰り越した、診療所の自家発電工事と寮舎等空調給湯設備改修工事につきましては、設計変更によりまして、明許繰越をいたしましたが、平成23年度に工事を完了いたしました。
この診療所棟の自家発電工事につきましては、災害時の非常時に医療機器等を確実に稼動させ、利用者の安全を守る、また、電力使用のピーク時に、自家発電を行って電力会社からの供給を抑制することが可能になるよう設計変更いたしまして整備したものです。また、寮舎等空調給湯設備改修等工事は、省エネの推進を目的に旧来型の一極集中型からソーラー等の給湯システム、個別空調方式に変
更したもので、効率的な設備を整備したものであります。この2本の工事につきましては、いずれも大震災の前に設計変更して省エネ対策の推進と災害対策に貢献する設備工事といたしました。平成22年度に対する平成23年度の総エネルギーの量は大幅な削減となっております。
また、平成23年度第3次補正予算で耐震補強工事6,200万円、第4次補正予算で法面復旧工事、これは台風12号の大雨によりまして土砂崩れが12カ所発生をいたしましたが、その復旧工事ですが、この2本の補正予算で付いた工事につきましては、年度内に完了することが困難であることから明許繰越の手続を行いました。評価シートの49頁の自己評価はAとしています。以上です。

○真野部会長
はい、ありがとうございました。それでは私から、69頁の人事ですが、平成23年度が実績を満たしたのはわかるのですが、平成24年度の期首がまた増えてまして、もちろん235人よりは少ないのですが、これはどういうことなのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
平成24年度期首に職員を採用しております。先ほどご説明しましたが、生活支援員4名と看護師1名、言語聴覚士1名を平成24年度期首に採用をしております。

○真野部会長
先ほど松原委員からのお話で、経費削減は退職者の部分だと言っておられたのですが、そうすると、退職者もいるけれどもかなりの数もお雇いになっているということですね。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
かなりの数の退職の方がいらっしゃったのですが、すべて補充せずに、先ほど申し上げた方の新規採用のみを行ったということです。

○真野部会長
書き方の問題かもしれませんが、こういう場合、削減自体は19名という表現になるのでしょうね。実際に234名から226名に減ったということですね。期末の目標だからいいということなのですかね。人件費で考えると、ただ次の年にある程度増えているから結局一緒といいますか、もちろん減ってはいるんですけども。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
1つは職員の削減についての目標は、期末時点での数字で何人減らせという目標になっているということです。人件費ということで考えますと、年度末にかなり多くの人が定年退職をして、新規で若い職員を採用するとなると、1人の職員の年収で考えると、半分ぐらいになるわけです。定年退職した人の年収と、新規で採用する職員の年収は半分、もう少し少ないでしょうか。そういう意味で、職員の人数が減ることによる人件費削減の効果と、仮に新規に採用してもその人の給料が低いために、そこで発生してくる人件費削減の効果の両方があるということです。

○真野部会長
はい、わかりました。目標は年度末だということが、いま改めてわかったのですが、目標が人を減らすためではなくて、恐らく収支というところで考えると、ちょっと年度末減らしていきなり年初に増やすというのは、今回は別に最終的にも減っているからいいのですが、理屈上ですと40人採用しても目標が達成できるということになってしまうので、目標の立て方がまずかったのかなという感じがしないでもありません。
ほかいかがでしょうか。よろしいですか。ちょっとこちらの不手際もありまして時間が少し延びてしまいましたが、委員の先生方、取りあえず記入は終わりましたでしょうか。では事務局からこのあとの取り扱いについてよろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
本日お配りしております資料の送付をご希望される場合は、部会終了後に事務局までお申し付けください。また、評価の記入が終わっていない委員の方がいらっしゃいましたら、お持ち帰りになってご記入いただいて結構でございます。また、先般送らせていただいております電子媒体でのご記入でのご回答でも結構でございます。その場合につきましては、7月11日水曜日までに事務局までご提出いただくようお願いいたします。以上でございます。

○真野部部会長
次は業務方法書の改正であります。これは事務局から、業務方法書の改正に関して当部会の審議が必要となる根拠法令について説明していただきまして、それで変更の内容について説明いただくということでよろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
独立行政法人の業務運営に当たりましては、独立行政法人通則法第28条において「業務開始の際、業務方法書を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする」とされております。また、「主務大臣は、第1項の認可をしようとするときは、あらかじめ、評価委員会の意見を聴かなければならない」とされています。
それでは、変更の内容につきまして、法人から報告をお願いします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
資料3-1をご覧ください。業務方法書の新旧対照表と改正後全文を付けています。今回の改正ですが、業務方法書第6条、施設の利用対象者の改正です。平成24年4月1日に施行の障害者自立支援法及び児童福祉法の改正がありまして、いままで障害者自立支援法に含まれていた児童デイサービスが、改正後は児童福祉法で障害児通園支援として整理をされたものです。この改正に合わせまして、業務方法書の改正が必要になったものであります。以上です。

○真野部会長
いまの件について質問等はありますか。よろしいですか。それでは本会としては、この件については異存がないと厚生労働大臣にお伝えしたいと思います。所管課で手続きをよろしくお願いします。また、今後修正が入った場合は、私、部会長のほうで事務局と調整をさせていただきたいと思います。調整した結果、ご報告するか、改めてご意見を伺うかということは、ご一任していただけますでしょうか。ありがとうございます。では、この件は意見なしで了承ということでお願いします。
次に、法人の役員給与の規程の改定であります。事務局からお願いします。

○政策評価官室長補佐
のぞみの園から、厚生労働大臣に対しまして、役員給与規程の改定について届出がありました。独立行政法人通則法第53条第1項で、厚生労働大臣は、「届出に係る報酬等の支給の基準を評価委員会に通知するものとする」とされ、同条第2項で、評価委員会は、「通知に係る報酬等の支給の基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、主務大臣に対し、意見を申し出ることができる」とされています。
この度の役員給与規程の改定が、社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、委員の皆様方にご意見を伺うということです。それでは法人から説明をお願いします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
資料4-1は新旧対照表、4-2は改正後全文です。役員給与規程改正ですが、今回の改正については最終頁に附則があります。附則をご覧いただくと、国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律の趣旨に準じて、役員の給与を減額するものです。また、本則第3条の次に、第3条の2として地域手当を新設する改正です。
この地域手当につきましては、平成21年度を国並びで支給するかどうか検討した結果、人件費総額の削減目標もありまして、役員については支給しないこととしたものです。先ほどご説明したラスパイレスを見ても、国または他法人よりかなり低い給与となっています。どの程度低いかと言いますと、平成22年度の独法理事長の給与をホームページで調べますと、全体の103位ということで下から3番目という低い給与になっていることもあります。この度、国及び他法人並びの地域手当を新設するということです。以上です。

○真野部会長
ありがとうございました。そうしますと、これは地域手当が新たに加わるということでよろしいですね。それでその根拠が附則で出てきたのですか。そういうことですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
はい。

○真野部会長
委員の方のご意見がありますか。よろしいでしょうか。これは具体的に言うと金額的にはどれぐらいになるのでしょうか。ここが役員の給与ですから、理事が70万円の3%。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
国並びでいきますと、100分の3です。

○真野部会長
そうすると70万円だと、そんなに多い金額かどうか、よくわかりませんが。よろしいでしょうか。ではこれは意見なしということでお願いします。
最後に、最近の独立行政法人を取り巻く状況について、事務局より報告をお願いします。

○政策評価官室長補佐
報告いたします。紺色の資料集の54頁をご覧ください。こちらに独立行政法人制度改革関連法案のポイントが出ています。独法通則法の一部を改正する法案が今年の5月11日に国会に提出されています。こちらの改正案が出された背景と、基本的な考え方というのを簡単にご説明申し上げます。
そもそも独法制度の創設から10年以上経過して、組織、業務運営のほころびが露呈している。さまざまな分野でさまざまな対応の業務を行っている法人を、すべて一律の制度にはめこんでおり、法人の政策実施機能の発揮が不十分である。また厳しい財政状況や東日本大震災からの復興への取組みの中で、独立行政法人制度をこのような問題に対応した新たな法人制度に再構築することにより、政策実施機能を最大限に発揮させ、経済成長や国民生活の向上につなげていくことが不可欠である。このような認識の下に制度組織の在り方を抜本的かつ一体的に見直す必要があるということで、今回、独法通則法の一部を改正する法律案が提出されております。
ただ、まだ国会で審議されていない状況でして、具体的に中身については、明確になっていません。54頁にありますように、たとえば組織規律として主務大臣に法人の違法行為の是正命令権を付与するとか、監事・会計監査人の調査権限を付与する、また財政規律として運営費交付金の適切な使用に係る責務を明記する。また、一貫性、実効性のある目標・評価の仕組みとして、政策責任者たる主務大臣が、法人の目標設定から評価まで一貫して実施する。また国民目線での第三者機関のチェックとして、総務省に行政法人評価制度委員会を設置して、評価委員会は中期目標期間終了時の見直し内容等を点検する、こういうようなことがこの一部改正案に盛り込まれています。
具体的な中身として、厚生労働省の評価委員会だけではなくて、他のそれぞれの省庁の評価委員会自体が、この法案が成立するとどうなるかというのは、ちょっとまだ具体的にわからない状況ですが、直接的に関わってくる話なので、我々としても総務省から積極的に情報を取りながら、取った情報は委員の皆さまに情報提供をしたいと考えています。以上です。

○真野部会長
はい、ありがとうございます。確認ですが、54頁の4に、「委員会は」と書いてあります。総務省の行政評価制度委員会を設置して、その委員会が各省庁がいままでやっていたようなことをやる可能性があるのですか。

○政策評価官室長補佐
その辺も具体的に、はっきり言えません。基本的に中期目標期間が終わった後の評価というのは、それぞれの個別の年度ごとの評価とか中期期間が終了したときの評価というのは、基本的に直接主務大臣がまず評価して、それをいまの政・独委的なものより少し体制を強化した総務省に置かれる行政法人評価制度委員会に報告する。いまと違って、その委員会自体が権限が強くなって、主務大臣に対して命令をできるとか、勧告できるという機能を持たせようとしています。そのような制度になっています。

○真野部会長
この委員会がどうなるかは現状ですと全くわからないのですね。

○政策評価官室長補佐
そうですね。

○真野部会長
よろしいでしょうか。では、以上で議事は終わります。次回の開催は連続となるのですが、事務局からよろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
それでは7月の個別評価の開催日程についてご案内いたします。まず7月12日木曜日、9時30分から省内専用第14会議室でPMDAの個別評価を行います。続きまして、7月19日木曜日、9時30分から省内専用第22会議室でWAMの個別評価を行うこととなっています。以上です。

○真野部会長
ありがとうございました。それでは本日は以上とさせていただきます。長時間にわたりご熱心な討議をいただきありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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