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2012年8月30日 独立行政法人評価委員会労働部会(第79回)議事録

○日時

平成24年8月30日(木)14:58~15:51


○場所

経済産業省別館1111会議室


○出席者

今村部会長、宮本委員、伊丹委員、加藤委員、川端委員、本寺委員、松尾委員

○議事

(以下、議事録)

○今村部会長
ただいまから独立行政法人評価委員会労働部会(第79回)を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は高田委員、中野委員が欠席です。初めに事務局から、本日の議事について説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
本日の議事は、労働者健康福祉機構における財務諸表に関する意見について、平成23年度の業務実績に関する総合評価について、役員報酬規程の改定について、役員の退職に係る業績勘案率の算定について、長期借入金の実績の報告についてとなっております。議事については以上です。

○今村部会長
初めに労働者健康福祉機構について審議いたします。まず最初に財務諸表に関する意見についてです。加藤委員からご説明をお願いします。

○加藤委員
財務諸表の適正性等についての意見を申し述べます。お手元の財務諸表の資料をご覧ください。
同機構の平成23年度の法人全体の財務数値について、まず確認させていただきます。総資産は貸借対照表の1頁です。金額が4,789億円となっています。2頁にある負債合計は3,196億円です。その結果、純資産の合計がプラスで1,592億円です。
3頁の損益計算書です。経常費用の合計が3,054億円、経常収益が3,061億円、臨時損益などを加味しまして、当期純損失及び当期総損失は約26億5,000万円ほどという結果になっています。
この財務諸表全般について、私としては前年度比の増減の理由の確認など、質疑応答をさせていただいて、経済合理性があるかないかという分析、並びに特に私が必要と考える個別の会計処理についての質疑を行い、その妥当性を確認させていただきました。
また、会計監査人は有限責任あずさ監査法人が監査を行っていまして、その監査結果の概要に関して、同監査法人から提出を受けている監査実施報告書などの資料で、重要な指摘事項がないことも確認しております。
財務諸表のいちばん最後に監事の方々の意見書及び会計監査人からの監査結果の意見書が添付されていますが、その内容としては財務諸表の適正意見が表明されています。
以上から判断させていただきまして、労働者健康福祉機構の平成23年度の財務諸表は、適正に作成されており、申請どおり承認することは適当であると考えます。
併せて簡単なコメントを申し上げます。2点あります。1点は、平成23年度の決算で当期純損失26億円を計上しており、その結果、累積欠損金が約376億円ほど計上されています。数字としては、貸借対照表の2頁のいちばん下の「繰越欠損金」の金額が、376億円ほど計上されています。これについて、平成28年度までに、この累積された繰越欠損金の解消を目指すことが目標とされていますので、もちろん医療の推進に支障のない範囲でということですが、効率的な運営経費の削減にご努力いただきたいと希望します。
2点目は、開示の仕方の点です。例えば3頁の損益計算書をご覧ください。細かいことではありますが、今後ご検討なされて次回以降の決算に反映させていただければありがたいという趣旨で申し上げますと、経常収益の中に、例えば「雑益」というのがあります。金額は約30億です。この30億という数字の内容を国民目線で見ますと、内容をある程度開示してもらえないかということもあろうかと思います。開示しないより開示したほうがいいと思いますので、ここで区分経理をする意味ではなくて、後ろのほうにいろいろと注記が書かれていますので、注記の中で、例えば雑益についての主な内容はこうですという形で書くというのも、1つの方法かなと思います。
諸規則等もあるとは思いますので、監査法人、監事にも相談しながら、工夫されたらどうかなと思います。次回以降、そこは検討していただければと思います。以上です。

○今村部会長
ただいまご報告いただいた労働者健康福祉機構の財務諸表について、ご意見等がありましたらお願いします。よろしいですか。それでは、平成23年度の財務諸表に関する意見としては、資料1-1の案のとおりで修正意見はないようですので、これを取りまとめ、厚生労働大臣に提出したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○今村部会長
そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
次に、労働者健康福祉機構の総合評価について審議します。起草委員を代表し、松尾委員から、10分程度でご報告をお願いします。

○松尾委員
10分ということで駆け足になるかと思いますが、要点をご説明いたします。資料1-2は全体の案で、これを参照しながらお聞きください。
1頁の1の(1)は評価の視点ということで、どういう視点で評価したかということと、平成23年度業務実績全般の評価を全般的に書いています。労働者健康福祉機構の第2期中期目標期間の3年度目となる平成23年度の業務実績について、評価の視点はここに書いたとおりで、これに従って評価をさせていただいています。
(2)の第1段目のパラグラフですが、これは中期目標で定められている機構の目的と、業務の内容について書いています。これがどれぐらい達成されたかということで、その内容を書いています。
次の2頁の中段にかけて、全体的な評価を書いています。まず、平成23年度の業務運営に関して、労災病院事業において、急性期に対応した高度・専門的医療の提供、地域医療の一層の推進に取り組んでいること、労災疾病研究事業では、着実な開発と成果の普及に尽力をされておられること、産業保健推進センター事業及び未払賃金立替事業については過去最高の実績を達成していること、東日本大震災への対応として、被災地への全国の労災病院からの医療チーム派遣をしていることなどが評価されるという旨を記載しています。
また、業務運営の効率化に関する取組と、収支改善等に向けた取組に対する評価については、理事長のリーダーシップの下、医療機器の共同購入の実施、給与カーブのフラット化、後発医薬品の採用拡大等により事業費等の削減を行う一方で、新たな施設基準の取得、医師確保等により収入を確保するなど、組織が一丸となって効率的に取り組んでいる様子が伺えます。着実に成果を上げていると評価する旨、記載をさせていただいています。
全般評価の結論としては、これらの取組について、機構の設立目的に沿って適正に業務運営がなされており、これらの事業実績は平成23年度計画を着実に達成したものとして評価できると記載しています。一方で、今後においても更なる積極的な取組を期待するとともに、平成24年1月20日に閣議決定された「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」を踏まえた新法人制度への移行に向けた着実な取組と、これも平成22年12月7日に閣議決定された「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」を踏まえた適正な業務運営を期待する旨、記載をしています。
続いて、具体的な内容です。2頁の中段から7頁の中段にわたって記載をしています。まず、(1)業務運営の効率化に関する措置についてです。これは2頁の中段から記載しているとおり、本部のガバナンスを発揮して、中期計画に沿った着実な成果を上げているということを記載しています。
国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置については、3頁の冒頭から記載しています。その中の[1]労災疾病等に係る研究開発の推進等については、労災病院グループとして、産業保健関係者とのネットワークを活用しながら、蓄積された多数の労災疾病に係る臨床データ、あるいは疾病と職業の関連性に係る情報を基礎として、労災病院のミッションに基づいた特色ある
労災疾病等13分野において研究・開発、あるいはその成果の普及を進めているということを評価しています。中でもアスベスト関連疾患あるいは粉じん等、社会的に非常に問題になっている呼吸器疾患に対する診断、治療法等については、国内の労災指定医療機関に対する成果の普及に加えて、国外、特にアジア諸国への普及の取組も進めていて、特にモンゴルにおいては平成22年度に引き続き、ワークショップを開催するなど、研究成果の国内外における普及活動に積極的に力を注いでいます。また、疾病の治療と職業の両立支援の研究、あるいは勤労者のメンタルヘルスの研究についても、労災病院のミッションに沿った具体的な取組として評価する旨、記載をさせていただいています。
[2]勤労者医療の中核的役割の推進については、労災病院では、地域がん診療拠点病院、災害拠点病院、あるいは地域医療支援病院等の認定を受ける病院も着実に増加しており、地域における中核的医療機関としての体制を構築し、強化を着々と進めるとともに、7対1看護体制の充実と急性期医療に対する体制を強化して、一層努力をされていることが評価できると書いています。しかしながら、一方において、労災病院全体として非常に業績は評価されるのですが、個々の労災病院によっては、地域の医療事情によって医療提供体制等の差がありますので、地域の特性に応じた個々の労災病院ごとのミッションを再定義していただき、それに基づいた対応を行っていくことが、今後期待されるとしています。
5頁の下です。[4]産業保健活動の積極的な支援と充実したサービスの提供推進に関しては、産業保健推進センターの集約化に当たって、本部や近隣の産業保健推進センターによる支援等によって、産業医等の産業保健関係者に対して行う研修・相談の充実、情報の提供・普及の取組を行って、その結果、研修回数や相談件数、ホームページのアクセス件数について、前年度と同レベル、あるいはそれ以上のサービスの質と量を確保していくことを高く評価させていただいています。
7頁です。(3)ですが、ここには財務内容の改善等についての評価結果を書いています。労災病院の平成23年度損益は、厚生年金基金の資産減少に伴う退職給付費用の増加等の影響はあるものの、5億円の経常利益を確保していることを評価しつつ、先ほどもありましたが、繰越欠損金の解消に向けた計画的な取組を一層期待する旨書いています。
続いて7頁の中段です。総務省の政策評価独立行政法人評価委員会の評価の視点等への対応について書いています。まず、[2]のアで書いた実物資産についてです。昨年度の当委員会において、未だ売却に至っていない恵那荘等について、早期の売却を期待する旨を指摘したところですが、平成23年度に恵那荘については売却されて、一歩前進したものと評価されますが、売却に至っていない他の施設もあることから、この評価結果の案の中では、未だ売却に至っていない水上荘等についても、今後においても引き続き、関係自治体への買受勧奨あるいは不動産媒介業者のあっせん等、種々の工夫を凝らしながら早期の売却を期待すると書いています。
8頁の[3]組織体制・人件費関連についてです。平成23年度のラスパイレス指数は、事務・技術職員101.9、病院医師が105.1、病院看護師が109.7となっており、いずれも前年度のラスパイレス指数よりは下がっているものの、国と比べて給与水準が高くなっています。その理由としては、全般的に低年齢層の平均給与額は国を下回り、中高年齢層の平均給与額が国を上回っているということで、年功的傾向の強い給与体系となっていることが要因と考えています。
9頁のイの総人件費改革の進捗状況です。平成23年度の総人件費総額は1,075億円ということで、前年度の1,017億円から5.7%増となっていまして、行革推進法に基づいた削減率を達成できておりません。これは労災病院がアスベスト関連疾患への対応等、政策的な労災医療への取組を進めており、また中核的医療機関として、救急医療や地域医療を担っていることから、その役割を着実に果たしていくために医師や看護師等の必要な体制を確保した結果であると考えられます。医師あるいは看護師の確保が非常に難しい現状を鑑みると、今後も、より積極的な医療人材確保によって、労災病院のミッションの達成と経営の健全化の両立を達成していただくということが期待される旨を書いています。
最後に、10頁の[7]内部統制についてです。この点については、ここでもいろいろ議論がありましたが、ここで書いたことは、BSCによるPDCAサイクルマネジメントを実施しているほか、モニタリングについても各ステップの業務運営状況の把握やBSCの上半期、あるいは下半期の評価等を実施しており、また機構本部による経営改善推進会議や施設別病院協議において、経営トップである理事長自らが、積極的な助言指導等を行っているということが実行されている点も評価できると書いています。また、平成23年度から、BSCの「質の向上の視点」に、リスクマネジメントの視点を評価指標に追加されたことは評価できると書いています。要点は以上です。

○今村部会長
平成23年度の業績評価に関して、法人から補足説明があればお願いいたします。

○労働者健康福祉機構理事長
7月31日の本評価委員会におきまして、私どもの説明が必ずしも十分でなかった点がありました。具体的には、リスクマネジメントと職員のアンケートについてです。その点に絞って、改めて回答をいたします。
まず、リスクマネジメントに関しては、当機構の運営に当たりまして、私も最も重要なポイントだろうと認識しております。委員の皆様からの評価コメントにも記載がありますが、平成23年からすべての労災病院において、BSCにリスクマネジメントの視点を追加しています。これにより、院内暴力対策、個人情報の管理の徹底等についての現状を把握しまして、それに基づいた行動計画の作成等に取り組むことが可能になっています。
また、役職員の法令遵守、あるいは個人情報の保護といったリスクの管理については、職員就業規則や個人情報保護規程などの各種規程、あるいは公益通報制度などの整備、本部においてはコンプライアンス推進委員会を設けました。また、各労災病院においては、倫理委員会、個人情報保護委員会等を設置しまして、管理体制の充実を図っているところです。
平成23年における取組の1例としては、コンプライアンス推進委員会、個人情報保護委員会を通じ、各労災病院における情報機器の管理状況について、確認、調査を実施しております。そして、その結果を報告していただき、改めて各施設における情報機器の管理の徹底による個人情報の漏洩をはじめとした情報管理におけるリスクの回避、軽減についての指示を行うなど、然るべく対応を図ったところです。
第2点目は職員アンケートです。これは職員の意識の把握、あるいは仕事に対するモチベーションの向上等を目的としまして、毎年1回本部を含む全施設を対象に調査を実施しております。調査内容については、当機構の理念への理解共感、あるいは使命についての理解といった、職員と組織の関係、あるいは上司、同僚への相談のしやすさ、職場における自分らしさの発揮といった項目で、職員間の関係性及び職員個人の職場に対する認識等についての質問など、17項目を設定しています。
アンケートを通じ、得られた調査結果については、本部会議において報告するとともに、各施設へのフィードバックを行いまして、改善が必要と思われる項目については、詳細な分析に基づいて何らかの対応をする所存です。
また、アンケート調査以外でも、施設内に職員の意見箱等を設置しまして、随時職員の声が届くようにしているところです。補足説明は以上です。

○今村部会長
ただいまご報告いただいた総合評価書(案)について、ご意見等がありましたらお願いいたします。

○松尾委員
先ほどの追加説明の中で、リスクマネジメントの観点を入れて実行されているということで、これは大変素晴らしいことだと思います。各労災病院でリスクマネジメントの情報が集まり、いろいろ議論されると思うのですが、その経験を全労災病院の中で共有するというか、そういうことはすでにやっておられるかもしれませんし、これからやられる予定かもしれませんが、その辺りはどうでしょうか。情報の共有と、それを全般に伝えていくというような取組についてはどうですか。

○労働者健康福祉機構医療事業部長
各病院でのリスクマネジメントについては情報を本部に集めまして、それを各施設に情報提供という形で発信し、共有化をしています。

○今村部会長
むしろ政策評価官室への質問ですが、内部統制に関する報告で、たまたまあまり強調されて報告されなかったのは、来年度以降は各独法で標準化していくという方向で検討していただくということでよろしいですね。

○政策評価官室長補佐
総務省の政・独委からも、評価のポイントとして内部統制の話もありますので、事務局としても統一的に、載せるべき事項をもう少し徹底していきたいとは思っています。

○今村部会長
ほかにいかがでしょうか。特に修正意見はないようですので、平成23年度の業務実績の評価結果として、法人及び政・独委に通知するとともに、これを公表したいと思います。
なお、このあと誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応については、私にご一任いただけますでしょうか。
(各委員了承)

○今村部会長
ではそのようにさせていただきます。
最後に武谷理事長からコメントをいただけましたらお願いします。

○労働者健康福祉機構理事長
どうもありがとうございました。第2期中期目標の3年次に当たる平成23年の業務実績については、ご審議、ご評価をいただきまして、またこれからの事業運営に向けて、大変貴重なご意見を各委員の方から賜りまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございます。
私どものミッションの中で、主力な事業である労災病院の事業については、勤労者の職場における疾病、傷病の予防、あるいは仕事と両立した治療、職場復帰のための医療からの支援等、このような政策医療を今後さらに提供していくためにも、勤労者医療の推進を図りつつ、経営基盤の確立を同時に進めていかねばならないと思っております。
平成23年度の評価については、労災疾病等に係る研究開発、勤労者医療の地域支援、行政機関等への貢献等、5つの事業において、非常に高い評価をいただきましたことは、大変光栄に存じています。どうもありがとうございます。
なお、労災疾病等に係る研究開発の成果の普及をはじめ、いただいた各委員の方々からのご意見につきましては、真摯にそれを再検討いたし、早急に対応等を考えていきたいと存じています。
現在、平成26年4月に新しい体制に移行する予定ですが、今後業務の更なる充実、発展を図るなど、職員一同、全力を挙げて今後とも職務に精励していきたいと考えておりますので、何卒ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。今日はどうもありがとうございました。

○今村部会長
現在までの意見、報告等を踏まえまして、個別評定や評定理由の修正、確定を行いたいと思います。修正に当たりまして、事務局から補足説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
修正方法等について説明をいたします。修正は赤鉛筆でお願いします。なお、評定理由の修正、加筆も可能となっております。修正される場合については、修正箇所がわかるように、符箋を付していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
机上配付している個別項目に関する評価結果については、現時点でいただいている評定をS=5点、A=4点、B=3点、C=2点、D=1点ということで点数化しまして、平均したものとなっております。なお、委員名の欄については、委員のご自身の名前のみわかるようになっております。
修正に当たり、これまでの個別評価に係る資料をご覧になりたい場合については、事務局に用意がありますので、お申し付けいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○今村部会長
よろしくお願いします。
(評価シートの修正・確定)

○今村部会長
これをもちまして、労働者健康福祉機構の平成23年度業務実績評価に関する意見を取りまとめます。先ほどと同じく、評価の確定を行ったことによりSからDの評定が変更されたり、コメントの修正、追加等をされた場合は、これらを反映した評価シートとします。これら修正が必要となった場合の対応については、私にご一任いただき、場合によっては個別に各委員にご意見を承ることとさせていただきます。よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○今村部会長ありがとうございます。
次に、役員報酬規程の変更についてです。事務局から説明をお願いし、続いて法人から説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
労働者健康福祉機構理事長から厚生労働大臣に対し、役員報酬規程の変更について、届出がありました。独立行政法人通則法第53条第1項において、厚生労働大臣は届出に係る報酬等の支給基準を評価委員会に通知するとされており、同条第2項において、評価委員会は、その通知に係る報酬等の基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、意見を申し出ることができることとされております。
つきましては、この度の役員報酬規程の変更が、社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、ご意見をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○今村部会長
法人から変更の内容の説明をお願いいたします。

○労働者健康福祉機構理事長補佐
資料2-1の[1]に、今回の役員報酬規程の改正の新旧対照表を付けています。これは平成23年9月の人事院勧告において、国家公務員の指定職の俸給表の引下げ改定が行われたこと、及び平成24年2月に国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律が成立し、独立行政法人に対しても必要な措置を講ずるよう政府より要請されましたことを受けて、当機構においてもこれを反映した役員報酬規程に改正したものです。資料2-1の[2]は改正したあとの役員報酬規程の全文です。
もう1つ改定がありまして、資料2-2の[1]です。これについては、ただいま資料2-1の[1]で説明しました報酬の改定のうち、人事院勧告に相当する引下げの施行期日を、平成24年4月1日から、国と同様、平成23年4月に遡って引き下げるという改定をしたものです。説明は以上です。

○今村部会長
ただいまの内容について、ご質問等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、当部会としましては、この変更についてご意見なしということでよろしいでしょうか。
(各委員了承)

○今村部会長
そのようにさせていただきます。
次に、役員の退職に係る業績勘案率の審議に入ります。事務局から、試算結果について説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
資料3です。独立行政法人評価委員会委員長宛てに、役員の退職に係る業績勘案率の算定について依頼がありましたので、事務局で算出しました試算結果について、ご審議をいただきたいと思います。
独立行政法人の役員の退職金については、平成15年12月19日の閣議決定によりまして、在職期間に応じて算出した額に、0.0から2.0の範囲内で定める業績勘案率を乗じた金額とされております。まず法人からの依頼を受けまして、事務局で当評価委員会が定めている「独立行政法人の役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」に基づきまして、業績勘案率を試算しています。その結果の説明をさせていただきまして、次に皆様方に、この試算結果についてご審議いただくという流れで行いたいと思います。
なお、今回決定した数値については、その後総務省の政策評価独立行政法人評価委員会、政・独委に通知し、委員会から意見が出されれば、厚生労働省の評価委員会で改めてご審議いただくということになっております。なお、意見がない場合につきましては、部会長に報告の上、最終決定ということになっておりますので、よろしくお願いします。
業績勘案率の算定ですが、先ほどご説明しました評価委員会として定めた方法に従いまして、計算を進めていきます。まず最初に、役員の方が在職されていた期間の法人の年度評価などを基にしまして、数値化しております。今回は3名ということで、名川理事長、大橋理事、青木監事の3名が対象となっております。
3名の在職期間は平成22年度と平成23年度ですが、こちらの年度評価の評価結果について、委員の皆様に付けていただいているSからDの評定を数値化して、その平均を取っております。その平均をさらに置き換えまして、平成22年度の平均値が1.59となることから1.5、平成23年度についても平均値が1.53ということで、対応する率は1.5という率を出しています。
これに在任期間中に対応する率を掛けまして、これが(3)の計算式になりまして、1.5という数値を出しています。さらに、目的積立金の状況、職責事項ということで、こちらは特に機構からの申請はないということですので、最終的には1.0という数字を出させていただいております。事務局からは以上です。

○今村部会長
続いて、説明のありました退職役員について、在任期間中の理事の担当職務等について、法人から簡単に説明をお願いいたします。

○労働者健康福祉機構理事長補佐
資料3の[1]の名川弘一理事長です。先ほどご紹介がありましたように、在任期間は平成22年10月1日から平成24年3月31日までの1年6カ月です。理事長として、経営・運営改革を積極的に実施するとともに、医師、看護師等、約1万5,000人の職員を統率しつつ、労災病院等、各施設長を直接指導し、当法人に与えられているミッションを遂行したところです。
特に、在任期間中においては、東日本大震災発生直後に、機構本部に災害対策本部を立ち上げまして、国や自治体等からの医療救護派遣要請等を積極的に受けるとともに、機構独自にも、労災病院等の医療救護班を派遣するなど、迅速な対応を行ったところです。また、東京電力福島第一原子力発電所の事故収束のために、緊急作業に従事している労働者の健康管理等のために、継続的に労災病院の医師を派遣するなど、極めて重要な職務を果たしたところです。
次に資料3の[2]大橋哲郎理事です。大橋理事の在職期間は平成22年4月1日から平成24年3月31日までの2年間であります。理事としては、労働者健康福祉機構全体の経営管理、予算、決算及び資産管理の責任者として、労災病院のあり方の総合的検討等、経営戦略の立案、推進、予算の収入・支出の総括を行い、平成22年度においては、独立行政法人移行後、初めて13億円の当期利益を確保するなど、極めて重要な職務を果たしたところです。
資料3の[3]青木敏洋監事です。在職期間は大橋理事と同じく、平成22年4月1日から平成24年3月31日までの2年間です。監事としては、内部統制の確立に関する規定及びコンプライアンスの推進に関する規定等の制定に伴い、内部統制、ガバナンスの強化に向けた取組を監査の重点項目に加えて、監査を実施するとともに、機構の内部統制の確立、コンプライアンスの推進に大きく寄与し、極めて重要な職務を果たしたところです。説明は以上です。

○今村部会長
ご質問等がありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。それでは申請のありました業績勘案率につきましては、原案のとおり、3名とも1.0と決定することとしてよろしいでしょうか。
(各委員了承)

○今村部会長
なお、先ほど事務局から説明のあったとおり、決定した業績勘案率について政・独委に通知し、意見の有無の確認を行います。政・独委から意見がない旨当委員会に通知された後は、この1.0を当委員会の最終決定として、労働者健康福祉機構理事長に通知することとします。
次に長期借入金計画の実績の報告をいただきます。事務局から説明をお願いし、続いて法人から説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
資料集の141頁をご参照ください。本部会における労福機構、勤退機構の長期借入金の計画等に係る意見の取扱いについてまとめたものです。年度を通じた債権の発行及び長期借入金計画については、部会の了解事項としまして、当該計画に基づく債権の発行または長期借入金の個別の認可については、部会長一任事項としており、部会には事後報告することとなっております。
労働者健康福祉機構の平成23年度の長期借入金計画については昨年の3月に、平成24年度の長期借入金計画については今年3月に、それぞれ本部会のご了解をいただいておりまして、本日はこの計画に基づく平成24年3月及び平成24年5月の長期借入金実績のご報告をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○今村部会長
法人から実績の報告をお願いします。

○労働者健康福祉機構経理部長
経理部長の鮫島です。当機構の長期借入金の実績について、資料4でご説明します。平成23年度の第4四半期分、平成24年3月の借入実績です。当機構の長期借入金については、これまでもご説明申し上げているとおり、当機構が独法化する以前の労働福祉事業団が行っていた労働安全衛生融資制度、この制度は資金的な問題により労働災害の防止措置を十分に果たせない中小企業に対し、事業場が行う労働災害防止のための基盤、あるいは環境を整備するための資金を融通する制度でしたが、すでにこの制度自体については、平成15年度をもって廃止されておりまして、現在は残存するこれらの貸付債権の管理、回収業務及びこの融資の原資として財政融資資金から借り入れていた資金の償還のために、民間金融機関から借り入れた資金の償還事務を行っているものです。
なお、民間金融機関から長期借入する理由については、平成6年まで借り入れていた財政融資資金への償還の期間が15年、一方、この労働安全衛生融資を行った中小事業主からの償還の期間が最長20年となっていることから、財政融資資金への償還と中小事業主への貸付、債権回収との間にタイムラグが生じるということで、当該償還のために行った民間の借入金の償還に必要な資金について、民間金融機関から資金の借入を行うこととしているものです。
平成23年度の長期借入金計画に関しては、平成23年3月10日に開催された第65回労働部会において、すでにご説明申し上げ、償還計画をご了承いただいているところです。平成24年3月の借入実績については、資料の上段の項目1に記載しているとおりで、平成23年3月借入金の償還に伴う民間からの借換額5億7,263万3,000円となっています。この結果、項目2に記載しているとおり、平成23年度の長期借入金の実績については、表の右側の欄ですが、24億6,343万5,000円となっています。これはご承認をいただいた償還計画額の27億3,134万9,000円の範囲内で対応できましたことを、併せてご報告いたします。
次に、平成24年5月の借入実績についてご説明します。資料の2枚目です。平成24年5月の借入実績については、項目3に記載しているとおり、平成23年5月の借入金の償還に伴う民間からの借換額として、3億8,234万6,000円の借入を行っているところです。また、平成24年度の長期借入計画に関しては、資料下段の項目4に記載のとおりで、平成24年3月8日に開催された第72回労働部会において、年度計画の全体についてすでにご説明申し上げ、ご了承いただいているところです。長期借入金の借入については、民間借入金の償還時期に合わせ、5月、9月、10月及び3月の4回を計画しており、ご承認をいただいた償還計画額22億3,180万4,000円の範囲内で、借入を行うこととしております。私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○今村部会長
ご質問等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、平成24年3月末及び平成24年5月の長期借入金については、当部会として報告を承ったことにします。ありがとうございました。
本日の議事は以上です。なお、本日ご審議いただいた総合評価と財務諸表についての意見につきましては、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規定に基づき、当部会の決定が評価委員会の決定となります。また、政・独委への通知、公表の手続きが行われることとなります。事務局から今後の予定等、連絡事項についての説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
次回は8月31日(金)の9時30分から、厚生労働省専用第14会議室で総会が予定されています。正委員の方については出席をよろしくお願いいたします。
こちらの議題ですが、労働部会の能開機構、JILPT、高障求機構及び勤退機構の4法人のほか、医療福祉部会の2法人について、暫定評価、最終評価、組織業務の見直しについて、審議いただく予定になっております。なお、労働部会については、12月中旬が目途ですが、高障求機構、勤退機構の組織業務見直し案について、ご審議をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
なお、日程調整については、9月末辺りにご案内させていただくことを考えていますので、よろしくお願いいたします。

○今村部会長
明日の総会は4法人ということで、当労働部会は盛りだくさんですが、出席の方々はよろしくご協力をお願いいたします。
本日は長時間にわたりまして、ありがとうございました。これで第79回の独立行政法人評価委員会労働部会を閉会とします。お疲れさまでした。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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