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2012年7月25日 第9回 労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会

職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課

○日時

平成24年7月25日(水)10:00~11:30


○場所

中央合同庁舎第5号館専用第23会議室


○出席者

【委員】 岩村座長、大胡田委員、北野委員、駒村委員、杉山委員、武石委員、田中委員、野澤委員、森委員、山岡委員


【事務局】 中沖高齢・障害者雇用対策部長、山田障害者雇用対策課長、田窪主任障害者雇用専門官、吉田障害者雇用対策課長補佐、安達障害者雇用対策課長補佐、西川障害者雇用対策課長補佐


○議題

1.報告書(案)について
2.その他

○議事

○岩村座長
 定刻ですので、ただいまから、第9回「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会」を開催します。
 いつものことでございますけれども、会議の開催に当たり、進行について皆様にお願いをしたいと思います。視覚・聴覚障害をお持ちの方などへの情報を保障するという観点から、ご発言などをされるに当たりましては、まず発言される方が必ず挙手をしていただく。次に挙手をした発言者に対しまして、私のほうから指名をさせていただきます。そして最後、指名を受けて発言される方は、氏名を名乗っていただいてから発言をしてください。こうした運営を徹底して行ってまいりたいと思いますので、ご協力をお願い申し上げます。
 それでは早速、今日の議事に入りたいと思います。お手元の議事次第に沿って進めますが、今日の研究会は最終回ということで、議題1にありますようにこの研究会の報告書を議論し、取りまとめを行いたいと考えています。そこで、まず議題1について、事務局から資料を提出していただいていますので、その説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○障害者雇用対策課長補佐(西川)
 おはようございます。課長補佐の西川でございます。それでは報告書(案)をご覧ください。前回、お配りした報告書(素案)からの変更箇所については下線を付しています。大幅な変更点につきましては、1ページの目次をご覧いただきたいと思います。1の「はじめに」、2の「これまでの検討経緯等について」、4の「おわりに」という項目については、事実関係ということで、前回お示しをしていませんでしたが、今回記述を追加しています。前回までご議論いただいた「事業主の負担に対する助成の在り方」及び「過渡の負担」については、3の「労働・雇用分野における権利条約への対応の在り方について」の(3)のマル3マル4で追記しています。さらに報告書の参考資料として、この研究会で配付してきた資料を基に、21ページ以降になりますけれども資料を追加しています。
 それでは、修正または変更箇所について簡単にご説明させていただきます。2ページで1「はじめに」のところです。○の3つ目までは、権利条約の概要を記載しています。それ以降については、厚生労働省の中または政府内での検討状況を記載し、こうした検討を踏まえて3ページの○の1つ目ですが、更なる検討を深めていくために本研究会を開催したと記述しています。
 3ページで、2「これまでの検討経緯等について」です。ここでは(1)労働・雇用分野におけるこれまでの検討状況ということで、平成20年に厚生労働省で開催した研究会、平成21年の障害者雇用分科会について、それぞれ検討概要を記載しています。
 4ページで、(2)障害者制度改革推進会議における検討状況です。これは政府内での条約対応として障害者基本法の改正、差別禁止部会での検討状況を記載しています。
 5ページで、(3)欧米諸国における障害者権利条約への対応状況です。これについてはドイツ、フランス、イギリス、アメリカについて、この研究会で条約への対応状況をご説明しましたので、その概要を書いています。例えば(3)の○の3つ目、(障害を理由とする差別の禁止等に対応するための法制的な枠組みについて)という項目を見ていただくと、ドイツでは、一般法である差別禁止法と労働・雇用分野の個別法の双方で対応している。一方、フランスでは労働・雇用分野の個別法のみで対応して条約を批准しているということで、批准国でも法制的な枠組み、対応がまちまちです。そうしたことから6ページの○の3つ目、それぞれの差別禁止法制の項目についても、各国の立法政策、法体系などの違いによって、それぞれ異なった措置が講じられている状況を把握したかと思います。
 6ページで、3「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方について」。これについては、前回お示ししたものについてご意見を頂戴したものと、7月6日までに文書にて各委員からいただいた修正意見等を、下線部分で反映させています。3の(1)のマル1で、我が国における労働・雇用分野における条約への対応に係る法制的な枠組みについてです。前回の素案の段階では、差別禁止法を一般法として、障害者雇用促進法を特別法として位置づけるなどの文言がありました。差別禁止法の法的な位置づけや内容については、現在、差別禁止部会で検討中であり、現時点では不明であるということ。法制的な枠組みに関しては、本日、参考資料2としてお配りしている北野委員のご意見、それから大胡田委員、森委員からもご意見を頂戴しています。そうしたことを踏まえて前回の記述を削除し、下線部分のように修正しています。いただいたご意見については次の7ページの1つ目の○を項目として1つ追加しています。これについては、文書で提出いただいたご意見を記載しています。
 ここの部分について、内容的な面ですが、先ほど申し上げたように、差別禁止法の位置づけや内容が不明であることから、現時点では雇用促進法における職業リハビリテーション、助言・指導などの措置を活用していくのが効果的であることは、概ね合意が得られるのではないかと思います。また7ページで新たに追加した項目の最後に記載していますように、今後、検討がされる差別禁止法と整合がとれたものとなるよう十分調整を図るべきだということも、研究会の中でも異論がないものとして、総意として書いています。こういう形で修正をさせていただきました。
 7ページで、マル2差別禁止等の枠組みの対象範囲について。そのうち障害者の範囲については、前回、山岡委員から、発達障害などの手帳保持者以外でも対象であることを、報告書で明記すべきではないかというご意見を頂戴し、7ページの下から2つ目の○ですが、下線部分を追加しました。併せて8ページのいちばん上ですが、法律上の規定についても、障害者基本法などの規定を踏まえて、法制的な検討を行い必要な見直しを行うべきである、ということでご意見を記載しています。8ページの「また」書きのところですが、前回、石井委員からのご意見で、障害者の範囲については、現時点での障害の有無で判断すべきという趣旨のご意見を頂戴していますので、追加しています。
 次の(事業主の範囲について)は、○の2つ目の「一方」というところで、前回、武石委員から、採用・募集の関係も当然入ってくるということで、雇用している事業主のみが対象ではないということですので、前回「雇用する」という修飾語を削除しています。
 9ページで上から3つ目の○を追加しています。これは「間接差別」に関する項目です。前回、大胡田委員からいただいたご意見、それから石井委員からいただいたご意見を踏まえて追記しています。また9ページの最後の項目ですが、合理的配慮の不提供をどう捉えるかについても、大胡田委員、森委員からいただいたご意見を追加しています。
 10ページで(ハラスメントについて)の項目ですが、1つ目の○については大胡田委員、石井委員からいただいたご意見を下線部として追加しています。2つ目の○以降ですが、素案では「障害者虐待防止法」の施行または対応状況を見ていくという結論になっていましたが、前回、野澤委員からご意見を頂戴し、ハラスメントと障害者虐待とは明確に区分はできないものの、虐待防止法では、ののしる、嫌がらせなどの具体例をきっちり示し、ガイドラインで虐待と定義した上で禁止しているということ。それからガイドラインなどを発出して、行政機関の役割もきっちり対応を図れと書いてあること。まずはそうした虐待にきちんと対応するというのを書くべきではないかというご意見で、新たに○2つ分を追加し、そのような記述を追加しています。
 11ページで○の上から3つ目、差別禁止に関する私法上の効果については、前回、杉山委員からいただいたご意見を下線部で追加しています。
 飛んで13ページですが、ここは合理的配慮の内容に関するものです。上から1つ目の○については、野澤委員からいただいたご意見を追加しています。次の通勤時の移動に関する支援の部分ですが、前回、森委員からいただいたご意見、それから森委員から文書で提出いただいたご意見を下線部として追加しています。
 同じ13ページの下から2つ目の○ですが、マル3合理的配慮の提供のための仕組みと実効性の担保について。企業内での仕組みについて、前回、大胡田委員から、事業主が相談を受けない場合があっては駄目だし、事業主が相談に応じることを義務付けるべきとのご意見をいただきましたので、下線部として記載しています。
 14ページの後半以降は、先ほど申し上げたように、前回までご議論いただいた事業主の負担に対する助成の在り方を追加しています。○の1つ目ですが、事業主への負担に対する経済的な支援は、研究会でも必要であるというご意見でしたが、一方で、義務付けられる事項ですから、助成していくことで義務履行するのは困難ではないかと書いています。次の○では、現行は納付金制度が経済負担の調整で行っているということで、それを活用していくことが考えられるのではないかということ。次の○では、ただ、そうした合理的配慮の負担に対して調整をしていくときに、合理的配慮の特性として、ローマ数字1とローマ数字2に書いた合理的配慮の特性を踏まえていく必要があると記載しています。
 15ページで下から2つ目の○です。そうした合理的配慮の特性を考慮して、合理的配慮の提供に係る経済負担の調整を事業主間で行っていくとした場合には、合理的配慮の達成や未達成の基準を設定することが困難であるといった理由から、非常に難しい。また次の○で書いていますように、一律に全事業主からある一定額の納付を求め、それから障害者を雇用するすべての事業主に支給するということも、実現可能性は極めて低いのではないかということで、そうした検討経緯を記載しています。
 結論としては16ページのいちばん上です。「以上のことから」という形で、まず納付金制度の大枠は変えない範囲で、合理的配慮の導入に伴い対応可能な部分についての見直しを図るべきだとまとめています。ただ、その対応可能な部分についての見直しの際には、次の○にありますように、合理的配慮の特性も踏まえ、例えば経済負担の調整の仕組みの対象とならない、いわゆる200人未満の企業もできる限り軽減を図るとか、雇用義務の対象ではない障害者についても合理的配慮の対象になりますから、そちらも助成の仕組みが範疇として入るように考慮とするといった観点から、今後、合理的配慮の内容の検討とともに、そうした観点から、例えば報奨金の支給要件、助成金の位置づけ、支給期限、対象範囲などについて見直しを図るべきと記述しています。
 16ページのマル4過度の負担についてですが、こちらも前回までご議論いただいたものを記述として追加しています。
 17ページで、(4)権利擁護(紛争解決手続)についてです。これについては○の2つ目になりますが、大胡田委員からご意見をいただいた、苦情の申し出があった場合には、事業主が苦情処理機関などを通じて申し出を受けるということを、ご意見として頂戴しましたので記述しています。
 18ページのいちばん上で「なお」書きのところは、前回、石井委員からご意見をいただいたものです。2つ目の○の「また」書きのところは、北野委員からいただいたご意見を記載しています。
 18ページの(5)その他で、これは北野委員から前回ご意見をいただき、文書でもご意見をいただいたものを記述しています。
 4「おわりに」というのも新たに記述していますので、ご確認いただければと思います。
 なお本日、参考資料1としてお配りしているのは、これまで研究会で出た各委員のご意見で、前回までの分を反映したものを論点ごとに記載しています。北野委員から事務局宛に文書でご提出いただいたご意見については、配付するようにというご指示でしたので、いただいたものを配付しています。
 参考資料2にもありますが、1ページの2の労働基準法の関係については、前回、北野委員からもご発言がありました。担当課室にも確認したところ、ここに書いていますように、労働基準法3条で「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」という規定があります。当該規定に違反した場合には、刑事罰として6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金の対象になるというのが、労働基準法の規定です。
 この規定の内容は、特定の要素を理由として行われる労働条件の違い、その差が直ちに違法な異なる取扱いと言い得るものでなければ、刑事罰の対象とすることが構成要件の明確性という条件下で不可能であるという観点から、国籍、社会的身分といったものは、そういった特定の要素として言えるということで規定しています。ただ、一方で、障害を理由とした異なる取扱いをするといった場合には、障害の種類や障害の程度も考慮していかなければならない。当然、それらが労働能力にも関連してくるために、有利、不利はわかりませんが、単なる差が直ちに違法な異なる差であるというのは非常に困難であることから、基準法の改正での対応は困難であると回答を聞いています。これまでのこの研究会でのご意見も踏まえ、ご理解いただければと思います。報告書(案)と参考資料についての説明は、以上です。
○岩村座長
 ありがとうございました。なお、先ほどご紹介がありましたように、本日は石井委員がご欠席ということですが、事前に本日の資料をお送りした際に、事務局宛に改めてご意見として提出いただいたものがございます。それを机上配付していますので、こちらにつきましても簡単に事務局から説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○障害者雇用対策課長補佐(西川)
 各委員に事前に資料を送付した際に、本日ご欠席ということで、石井委員から事務局宛にいただいたご意見を当日配付としてお配りしています。項目としては大きく2つ項目があり、1つ目が「3(1)のマル1(法制的な枠組みについて)の部分」のご意見です。報告書(案)に記載されているように、現行の雇用促進法におけるハローワークなどでの職業リハビリテーションや、障害者雇用に関する指導・助言の仕組みが規定されていることから、実効性を担保して差別禁止、合理的配慮をしていくためには、それらを十分活用していくのが効果的であるとした上で、これに加えて、現在の障害者雇用というのが雇用者数が大幅に増加するなど、進展しているということで、それは現行の雇用促進法のあらゆる施策の効果・成果ではないかと書いています。
 3つ目のポツですが、研究会では、アメリカにおけるADA法の施行後、障害者の就業率が増加していないことが示されていますが、同様の状況とならないためにも、現在成果を上げている雇用促進法の仕組みを活用して、それとの連携の中で権利条約の対応に関する法制上の措置が講じられるべきである。それは労使双方にとってということですが、1つの法体系の中で、差別禁止及び合理的配慮の提供に関する措置と雇用促進の措置が、体系的に規定されるほうが労使双方にとってわかりやすく、もちろん対応しやすい。そうした観点からも権利条約への対応について、雇用・労働分野においては障害者雇用促進法の改正で対応を図るべきではないかというのが、1つ目です。
 2つ目は、「報告書(案)の全体を通じて」ということでご意見をいただいています。障害の有無にかかわらず、労使関係とは、事業主と労働者の信頼関係を基盤として、双方の合意に基づく労働契約により形成されるものであって、その関係が安定し、かつ継続することが望ましいというのは言うまでもない。今回の権利条約の対応について、新たに事業主に義務付けられることが想定される障害を理由とする差別の禁止、合理的配慮の提供などの法的な措置については、労使関係を安定させ継続させるといった観点から、実効性があるものでなければならない。
 また、実効性を担保する仕組みのない法的な措置は、事業主にとってその履行を困難にさせるだけでなく、障害者にとっても、本来、保護されるべき権利が守られないといった結果につながることが危惧される。
 したがって、石井委員が研究会でも再三申し上げてきた部分ですが、障害者の範囲に関する予見可能性の問題、間接差別やハラスメントに関する具体的な基準や要件の問題、合理的配慮の法的な位置づけに関する問題などについては、先ほど申し上げた労使関係の特性を十分踏まえて、その関係が安定・継続するための実効性を担保するという観点から整理されるべきだという形で、報告書全体を通じてご意見をいただいています。以上です。
○岩村座長
 ありがとうございました。ただいまご説明いただきました報告書(案)につきましては、先ほど事務局の説明にもありましたように、前回記載がなかった事実関係の部分を加えるとともに、前回の研究会でのご意見と、7月6日までに文書でご提出いただいた各委員のご意見を反映した形で、修正を加えたものということになっております。今回、新しく追記した事実関係の部分と、事業主への助成の部分、過渡の負担に関する部分以外の点につきましては、前回の研究会で一通りご意見を頂戴しておりますので、今回は全体をまとめて通してご議論いただきたいと考えています。
 どの部分からでも結構ですが、何かご意見、ご質問があればお願いしたいと思います。なお、ご意見あるいはご質問をされるに当たりましては、ページ数や項目番号などを示していただいて、ご発言が報告書(案)のどの部分に係るのかわかるように、できましたら配慮していただければと思います。そして本日、取りまとめということですので、できるだけ簡潔に、かつ具体的にどういう修正を希望されるかについて、ご意見をいただければと思います。どなたからでも結構です。いかがでしょうか。大胡田委員、どうぞ。
○大胡田委員
 大胡田でございます。先ほど課長補佐の補足説明の中にありました労基法3条との関係で意見を述べたいと思います。この担当部局の解釈によると、構成要件の明確性という観点から、障害を労基法3条の列挙の中に盛り込むのは困難だという解説があり、そういう考え方もわからないではないのです。もっとも、社会的身分という言葉自体、大変漠然としていて解釈の余地のある文言です。一方で障害というのは、議論の中でも出てきましたように、ある程度客観化することは可能な概念でないかと私は理解しています。
 ですから、これから日本は、労働・雇用分野において、障害を理由とする差別を一切禁止するのだという意思の明確化の意味も込めて、是非、労基法3条の改正も本研究会から提言していくことが望ましいのではないかと考えています。
○岩村座長
 ありがとうございます。北野委員、どうぞ。
○北野委員
 私も、いまの大胡田委員の意見と同じです。ご説明の中で、障害に対する異なる取扱いの中で、障害の種類、程度によって全体を捉えるのは難しいと言われましたが、労基法で書いてあるのは、障害に対する異なる取扱いではなく差別的な取扱いです。明確に労基法3条は差別的な取扱いをしてはならないと書いてあり、異なる取扱いではありません。差別的な取扱いに関しては、今回、障害者権利条約の批准ということがありますので、これについては障害のほうも入れていただきたいというのが私の考えです。もう1つは、カナダやドイツでは、障害に対しては明確に差別してはいけないということを憲法でも謳っていますので、できましたら、そういう方向も検討していただければと思います。以上です。
○岩村座長
 事務局、お願いします。
○障害者雇用対策課長補佐(西川)
 担当課室ではないのですが、ご意見としてお伝えすることは可能だと思います。労働基準法の解釈の中で、差別的取扱いという用語についてですが、これは有利、不利を問わない、いわゆる差のある取扱いをするという意味で使われています。例えば北野委員がおっしゃるような解釈での差別的取扱いになれば、おそらく「不当な差別的取扱い」というふうに、たぶん書かれるはずであって、ここでの基準法の解釈というのは、いわゆる有利、不利かは問いませんが、国籍などを要件にしたいわゆる差のある取扱いをした場合には、一律にそれが違法な取扱いだと明確に言えるのだろうと解しています。
 例えば今回、議論いただいている合理的配慮といったものは、当然、権利条約では提供することを義務付けていくということですが、その合理的配慮というところで配慮すること自体を、いわゆる差のある取扱いと捉えることも可能ではないかと思っています。そういう意味では非常にそこは難しいのかなと思っています。
 結論から申し上げれば、こういったご意見をいただいて、当然、担当課室にもお伝えしますし、この研究会の総意として、こうあるべきだというところまではなかなか言えないと思いますから、そういったご意見があったことでご了承いただければと思います。
○岩村座長
 ほかの方、いかがでしょうか。
○山岡委員
 日本発達障害ネットワークの山岡でございます。この前、意見を申し上げたところは8ページの上から4行ですが、障害者の範囲について「必要な見直しを行うべきであるとの意見もあった」と入れていただき、ありがとうございます。書きぶりをバーッと読んでいて、「必要な見直しを行うべきであるとの意見もあった」の「も」は「が」に変えていただきたいと要望しておきます。
 これは意見ですが、雇用者のほうで対応方法が確立されていないとか、発達障害については多様性があって整理が付いていないことから、こういう対応が難しいという書きぶりが別の研究会ではあるのです。実は13年前に、文部科学省の協力者会議で「学習障害児に対する指導について」という報告書が出たことがあり、いまで言うLDです。この報告書が、2年後の「21世紀の特種教育の在り方について」という報告につながり、現在の特別支援教育につながったのです。13年前のときは、「学習障害については指導法が確立されていないので、今後、研究すべきである」と書かれ、これは学習障害を持つ保護者や研究者からすると非常に悔しい思いをしたのです。これと同じような考え方が出ていて、実態や対応方法がまだ確立されていないので対応しませんというのは、ちょっと怠慢で、ここはきちっと研究いただきたい。この場ではないですが、今後、厚生労働省において研究をしていただいて確立していただきたいと思っています。
 実は教育分野での困難についても、よく訳がわからないというのは研究が足りないからなのです。ですから何が困難で、どういうものかということを体系立てて分類し、1個1個対応方法を考えて整理してみると、そう難しいことでないというのがわかってくるのですが、いまのところ研究とか対応方法がされていないので、そういう言い方になるのだと思います。
 幕張の障害者職業総合センターにおいて、既にいろいろな研究が進められていて、断片的ですけれどもいろいろな対応方法が示されてきています。そういう意味でいくと、そのような研究をきちっと積み重ねていただき、類型化、体系化することによって発達障害や難病の対応ができていくと思うのです。難病もいろいろ種類があるので難しいところがあるかもしれませんが、個々の対応ができて、積み重ねていくことにより全体が明らかになり、それらが土台となって、障害者の範囲に入れるとか、雇用主にどのような合理的配慮を求めるかというのが確立されていくと思うので、これらの研究は厚労省として責任を持って進めていただきたいということを、要望として申し上げておきます。
○岩村座長
 ありがとうございます。課長、お願いします。
○障害者雇用対策課長
 障害者雇用対策課長です。いまおっしゃったのは、昨日行った第1研究会の議論かと思います。おっしゃったように、なかなか対応が難しいという記述は確かにあるのですが、そこは、ここの規定の部分とは別のパートで出てきている部分です。ただ、一方で、そこについては困難だから仕方がないという話ではなく、検討を進めるという記述も別のパラグラフで書いていますので、我々としては、いまおっしゃった方向で議論を進めていくことになろうと思います。
 ただ、ちょっと厄介なのは、教育現場に比べて労働雇用の分野というのは多様性が大きいので、全く同じようにはいかないと思いますけれども、基本的に検討を深めて何とかキャッチアップしていく必要は当然ありますし、そこの掘り下げはしていくという方向付けに第1研究会もなっていますので、おそらく、今いただいたご意見というのは今後の方向性として受け止められるものかと思います。
○岩村座長
 山岡委員、ご意見ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。杉山委員、どうぞ。
○杉山委員
 連合の杉山でございます。ページで言うと11ページになります。これまでの議論の中で前回も申し上げたのですが、私法上の効果の関係について記述をしていただきました。ありがとうございました。上から3つ目の○で、前回も記載されていたかもしれませんが、頭の2行に確かに入れていただきましたけれども、その後ろの「一方、差別禁止に」からの8行が長くて上の2行の印象が薄いという感が拭えません。具体的に言うと、「さらに、例えば」以降の文言は要らないのではないかと思います。「一方、差別禁止に」からの3行は意見ですので十分理解できるのですが、「さらに、例えば」以降の高年齢者の関係で記述があるところは、削除しても構わないのではないかと私は感じます。それが1点です。
 2点目は、6ページの最後の○から7ページの最初の○にかかわるところで、6ページの最後の○のところに、新たに「差別禁止法の詳細については明らかではない」ということを追記していただきました。ただ、追記していただいたことによって、7ページの頭の結語が「対応を図るべきである」となり、次の○の「一方、労働・雇用分野」からの話とつながりがよくありません。明らかでないのに結論が出てしまうという読み方ができてしまうので、少し工夫が必要ではないかと思っています。明らかでないのであれば、7ページの1つ目の○の最後の2行にありますように、「今後、検討が行われる差別禁止法」と障害者雇用促進法の役割分担なり、その調整というところがメインになるような記述のほうが、ふさわしいのではないかと考えます。以上、2点です。
○岩村座長
 ありがとうございます。西川課長補佐、お願いします。
○障害者雇用対策課長補佐(西川)
 1点目の11ページのところですが、これは非常に難しい問題だと思っているのは、杉山委員がおっしゃるような形での私法上の効果を、明文上規定すべきという案が1つと、第何回目か忘れましたが石井委員からご意見をいただいたのは、一方、そういった明文の規定を置かなくても、いわゆる民法上の不法行為などでの蓋然性が高いから、規定を置かなくても同じ効果が持てるのでないかというのが、また別の案として出ました。それから座長からだったと思いますが、そういう二者択一でなく、もう一方のやり方として、いわゆる行政上の解釈を持たせることで、その規定を置かなくても私法上の効果を持つ例として、高年齢者の雇用安定法を挙げられました。
 その3つのいずれかの選択があるのかなと思って、3つを併記させていただいています。「さらに」の部分だけを落とすというのも分量としては、8条の規定の具体的な中身を書かずに、「8条の規定は」という形でスリム化は図りますけれども、そこは3論を併記する形でさせていただきたいと思います。
○岩村座長
 座長から一言だけご説明します。たぶん公法、私法の二分論というのは最近流行らなくて、要するに個々の規定の中身と趣旨によって行政指導の根拠になる、あるいは行政上の措置の根拠になる規定であるだけでなく、規定の中身によっては、私法上の効力も直接持つことはあり得ると考えられます。具体例としては、ここで挙げてある高年齢者の雇用安定法がその1つの例です。ですから条文上、別に障害者雇用促進法に書いてあるから、当然に私法的効力がないのだという議論には直結しなくて、高齢者雇用安定法の課している事業主に対する義務が一義的で明確であれば、私法上の効力というのも、そこから導き出すことは解釈上、十分可能であると考えられるし、現にそのような取扱いが、いわゆる雇用政策関係の法律の中でも実際に存在していると思っています。
 ですから、要は立法者がどういうふうに考えていたかということと、あと課している義務の中身が一義的で明確であるかどうか。例えば現行法の高齢者雇用安定法の中の例の定年延長の規定だと、中身が一義的で明確ではないので私法的効力は出てこないのですが、同法の8条のような条文だと私法的効力を持つと解釈することも可能です。そこは立法過程において法務省ないし裁判所との間の折衝において、ある程度はっきりさせておくことはあると思います。現に労働契約法などにおいても私法的効力はあるのかという問題を、条文上持ったことはありますが、それもあるという形で整理していますので、そういうことから、この「さらに」というのを入れているということです。では課長、お願いします。
○障害者雇用対策課長
 2つ目の差別禁止法、6ページから7ページにかけての記述ですが、6ページのいちばん下の○の2行目以降については、基本的に研究会でも概ねコンセンサスができている話だと思います。ただ、一方で差別禁止法と障害者雇用促進法の関係については、いろいろご議論があったことからすると、それほど矛盾しているわけではないと思います。これに関していろいろご意見をいただいた部分については、7ページの最初の○のところで意見として組み入れています。結論的には差別禁止法についても、障害者雇用促進法を最終的に労働政策審議会で改正することになった場合、両法は内閣の提出法案として国会に提出されますので、それが調整されるのは当然のことですけれども、研究会で改めて相互に補完し合うということについては強調されましたので、そこについては強調して書いている次第です。
○岩村座長
 杉山委員、いかがですか。よろしいですか。ありがとうございます。野澤委員、どうぞ。
○野澤委員
 13ページの通勤の問題ですが、事業主が通勤の配慮の便宜を図った場合に、財政の支援が受けられる仕組みが重要であるというのが私の意見です。これをやることによって、通勤は難しいけれども働く意欲はあるし、職場に来たときに働けるという障害者が、かなりの数働けるようになるということで、是非、これは実現していただきたいなと思いますし、書いていただいたことを感謝申し上げます。
 いろいろ反対の意見があるのはわかるのですが、ただ、福祉サービスで対応すると多大な財政負担が生じるというのは、むしろ逆ではないかと私は思うのです。いま就労移行支援事業を利用している障害者、あるいは就労継続Bでも生活介護でもいいですが、この方たちが一般企業に就労できるようになったとすると、現在そういう就労移行だとか生活介護で利用している福祉サービスが軽減されるわけです。その分、賃金として今度は企業が補填するわけです。
 仮に通勤にかかる費用を負担するとしても、まる1日分の福祉的なサービスと通勤の負担を差引きしたら、福祉の財政の中では相当な負担軽減になると思います。しかも彼らが働くようになって税金を納めるようになれば、財政全体から見てもプラスになっていくだろうと私は思うので、いろいろ理念とか、そういう問題で意見があるのはわかりますけれども、財政負担という点は単純な算数の問題から言えば、むしろ負担が軽くなるというのが正しい見方ではないかと思います。書きぶりどうこうということではないのですが、その点だけちょっと。
○岩村座長
 ここは、こういう意見があったので、こういう書き方になっているということだと思いますので。
○野澤委員
 全体をはっきり整理できずに、中途半端なことを言ったので、いまちょっと。
○岩村座長
 わかりました。ありがとうございます。西川課長補佐、どうぞ。
○障害者雇用対策課長補佐(西川)
 通勤時の移動に関する支援の部分については、結論的にこの研究会では、どこがどう負担していくのかというのはいろいろご意見があって、まとまっていないからこそ、森委員から文書でご意見をいただいたのは、まさに権利条約の対応の在り方を検討しているこの機会に、関係省庁を跨いで、森委員のご意見の中では通勤だけでなく通学も含まれていると思いますが、引き続き検討すべき課題であるという形で記載しています。
 それと多大な財政負担ということで、野澤委員がおっしゃることも一部はありますけれども、おそらく移動支援にかかる福祉的な部分まで含めて、波及効果があるということもあって記載されているところもありますので、記述はこのままで結構だということであれば、そのような意見があったということで議事録には残しておく形にしたいと思います。
○岩村座長
 野澤委員、よろしいですか。ありがとうございます。山岡委員、どうぞ。
○山岡委員
 私もこのままでよいと思います。実は今年、平成24年4月に児童福祉法が改正され、従来の児童デイサービスから放課後等デイサービスに名前が変わり、ちょっと支援の内容が良くなったのです。これは参考意見なので全然関係ないですけれども、特別支援学校から放課後デイサービスに移動するときに、通常はスクールバスが用意されていて、スクールバスの行程にない所については、事業所のほうで迎えに行くことができて、それについては助成措置ができるという規定が加わったのです。ですから、事業主が通勤についてすべてサービスを提供するとか、福祉でここを見るということではないと思いますが、何らかの助成措置みたいなことが考えられるのではないかと思います。
○岩村座長
 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。ほかに特段、ございませんか。北野委員、どうぞ。
○北野委員
 何といいますか、私も意見書を出しましたが、いろいろな意見を取り入れていただき感謝しております。かなりいいものになったなと思っています。ほとんど何も言うことがないのですが、前回、私のほうで言わせていただいた意見が1つだけありまして、これでいきますと11ページの最初の○です。
 前回話したのは、「中間整理」において「労働能力を評価した結果として賃金等に差が生じるといった労働能力に基づく差異については、合理的配慮が提供された上で、労働能力が適切に評価されたものであるならば、結果として差が生じても差別には該当しないのではないかという意見があり、それについては特段異論がなく、そのような取扱いをされるべきである」ということですが、基本的にそうだと思うのですが、私が前回申しましたのは、その次の文章の中で「間接差別」の部分で、我が国における雇用慣行であるとか、雇用契約の内容と諸外国における違いを十分に配慮して検討すべきであるというのが2つ目の○にありましたので、1つ目のほうも、労働能力なり、労働に対する理解とか捉え方は、我が国の、これまでの労働慣行であるとか、職場における労働の条件はいろいろありますので、私としては「結果として差が生じても差別に該当しないのではないかとされている。それについて特段異論はないが、それぞれの職場の労働慣行であるとか、あるいは我が国の雇用慣行等を踏まえて、適切な取扱いがされるべきである」といった表現にしていただければと思った次第です。それ以外のところではありません。以上です。
○岩村座長
 たぶん座長のほうで考えるに、11ページの1番目はどちらかというと、障害者の方について、障害の特性を考慮しつつ、ご承知のように、仕事を一部障害者の方のために切り出してお仕事をしていただくことが通常よくあるので、それを11ページの1番目の○のところで記述させていただいているという理解なのです。ですので、当然のことながら、その前提としては、もちろん職場における状況であるとか、当該職場において健常者が行っている仕事を考慮した上での話にはなるということです。
 他方で、2番目の○のところはなかなかそれとは違った話で、特に我が国の場合は諸外国と違って、いわば職務体系というか、そういうものがよくわからない部分がある。そういう意味で間接差別といっても、なかなか諸外国と同じようなレベルで話ができませんよねという話だというふうに私は理解しているものですから、1番目でおっしゃったことと2番目でおっしゃったことはレベルが違う話という気がするのです。そこはいかがですか。
○北野委員
 最初の○のところで、障害者の方が他の被雇用者と違う扱いをされないでということが明確で、おっしゃったように、それぞれの職場の労働慣行とか、いろいろな労働条件とか、日本ではかなりいろいろありますから、そのところで障害者の方だけが合理的配慮をしても、これできないからこうだという表現が気になりました。実際に働いている方の中にもいろいろな方がいらっしゃって、いろいろな条件を汲みながら日本の職場は労働慣行なりで動いておりますので、障害を持っている方だけが何か特別な、そういうことにならないようなご配慮をしていただきたいというだけの思いで申しました。
○障害者雇用対策課長補佐(西川)
 もともと、この部分については、項目としては論点を掲げておりましたが、特段ご意見がなかったというのはあると思うのです。検討しなければならない前提としては、賃金の差を設けるのは、障害をお持ちの方の場合には障害に基づくそれが差別に該当する賃金差なのか、それとも単純に能力差に基づく区別なのかというのが非常にわかりにくい、というのがたぶん議論の前提にあって、合理的配慮をきっちり提供がされた上で適正に評価されているのであれば、差別ではなく、それこそ能力差による区別なのだろうというのが、おそらく中間整理での議論の結果なのだろうと思います。いま、おっしゃったように、それぞれの職場の労働慣行を踏まえて適切な取扱いをなされるべきだ、という書き方にするかどうかについては、たぶん言っているご趣旨は同じではないかと思いますので、引き取らせていただき、座長ともご相談をさせていただきたいと思います。
○岩村座長
 ありがとうございました。ほかにいかがですか。大胡田委員、どうぞ。
○大胡田委員
 もしかすると記述があるのかもしれないのですが、合理的配慮義務について、私、前回合理的配慮義務は私法上の権利義務関係として位置づけるべきであるという意見を述べまして、もしかしたらそれが反映していないかなという気がしました。入れるとすると「合理的配慮の枠組みについて」といったところなのかと思いますが、強いて言うならば、個々の労働者の請求権に対応する合理的配慮義務と位置づけるべきである、という意見を述べたいと思います。
○岩村座長
 ありがとうございました。そのところは、たぶんさらっとした書き方になっているのであれなのですが。
○障害者雇用対策課長補佐(西川)
 課長補佐の西川です。いま、座長がおっしゃっている12ページの下から2つ目について、こういった意見があったということで書かれているところが私法上の関係なのかなと。まずは合理的配慮を求めることをしたときに、解雇などの不利益取扱いを受けないという規定を明確にしておくべきだということと、不利益取扱いを受けた場合の私法上の効果も明確にしておくことが望ましいのではないか、というご意見があったと書かれておりますので。
○岩村座長
 大胡田さんが言っていることはそれとは違うので、私も読んでいて12ページの下から2番目は違うなと思ったのです。そこは確かに大胡田委員のご意見は、明確な形では書き込まれてはいないと。いまパッと見つからないので、精査させていただいて、適切な形で大胡田委員のご意見、そういうご意見があったということは報告書の中に書き込むようにしたいと思います。
○大胡田委員
 お願いいたします。
○障害者雇用対策課長補佐(西川)
 いまの部分については、座長とも相談をさせていただきます。先ほど大胡田委員が言われた請求権とするかどうかは、非常に大きな論点かと思っております。私法上の効果についての記載ぶりとは別に、権利条約上の雇用労働分野における職場での合理的配慮については、合理的配慮が障害者に提供されることを確保することというのが条約の要請というか、規定になっております。事業主に対する提供義務、作為義務として位置づけていくべきではないかというような形でいま報告書がまとまっております。
 障害者の請求権とする場合に、非常に大きな問題になるのは、請求をしてから初めて義務が発生するのかどうかという点があります。例えば知的障害や発達障害をお持ちの方ですと、自分がどのような配慮をしてほしいのかを求めることがなかなか難しい場合があって、そのときには使用者に対して提供義務が発生しないとなると、使用者とすれば求めがないわけだから、請求されていないわけだから特に提供しなくていいのではないか、というふうになってはいけないのではないかと。
 この研究会での議論は、そことは別に、大胡田委員から言われましたように、それ以前に合理的配慮を提供する段階で、相互に当事者同士が十分な話合いをして、相互理解を得た上でやっていくというステップをきちんと義務付けして、相談窓口をきちんと整備した上で、そこでやっていきましょうという話になっているわけです。請求権と規定すると、求めに応じて提供しなければならないというような法律上の書き方になるのかもしれませんが、求めがない場合には義務が発生しないと解すると、そういった問題が出てくるのかなと思うのですが、その点はどう考えればよろしいですか。
○岩村座長
 大胡田委員、もしお答えいただければ。
○大胡田委員
 重要な問題だなと、私も改めて考えさせられる点ではあるのですが、確かに請求なしで義務がないのかというと、それもおかしいような気がいたします。ですので、知的障害、精神障害、発達障害を含めて、自分でそういう請求を行うことができない方々に対しては、適切に相談サポート体制をとって、そういった第三者が支援をして請求ができるような立て付けが必要なのだろうと思います。なぜ請求権として構成することが必要かと、そのように考えると、実際、合理的配慮が不提供になった場合に、救済を求めるに当たって、基本的に労働審判なり裁判なりは私法上の権利義務の有無の判断の機関なので、そういった手続きが使えない。即ち、お願いベースでの救済しか求められない点が限界だと感じているからです。ですので、非常に難しい問題であるのですが、私、弁護士の立場としては、私法上の救済をきちんと受けられる個別請求権が確立されなければならないと考えております。
○岩村座長
 ありがとうございました。そのところは、結局紛争解決の仕組みをどうするかというところと非常に密接に結び付いていて、私の理解では、少なくともいまの報告書の立て付けとしては、先ほど西川課長補佐の説明にもありましたが、第1に企業内での話合いの場を設けることと、少なくとも外部の紛争解決委員会での調停というか、そういう手続きを設けるという形で立て付けをすると。さらに、それでもどうしようもない場合にどうするかという話になると、最終的には労働審判なり、裁判手続きにいかざるを得ないのがはっきりしているだろうと私としては思っております。しかも少なくとも合理的配慮の義務付けそのものは事業主にあるので、そういう意味では、もし労働審判の段階にいけば、少なくとも義務の履行なり不履行を、例えば損害賠償なり何なりの形で求めつつ、その中で最終的にどういう合理的配慮が必要なのかを詰めるということなのかなと漠然として考えております。
 大胡田委員がおっしゃるように、難しい話になりますが、仮に請求権として構成するとすると、大胡田委員のご承知のように、いわゆる為す債務になるので、したがって請求する合理的配慮の内容を障害者の方の側で特定した上で請求しなければいけないことになり、そういうルートがあることは否定しませんが、なかなかハードルが高いのではないかなと今のところ私自身考えております。それよりは、前にも議論がありましたように、事業主サイドと障害者の方のサイド、プラスそれをサポートする方との間でのインタラクティブな関係でもって、合理的配慮の中身を具体化していくステップをなるべくうまく動かしていくと。とりわけ事業主サイドを、うまくそのステップの中に巻き込みつつ動かしていくことが重要なのだなと思っております。
 いずれにしろ、大胡田委員からご意見があったことは確かですので、検討させていただいて、然るべく報告書の中に入れ込むというふうにさせていただきたいと思います。事務局とご相談させていただければと思います。
○野澤委員
 野澤です。いま気がついたのですが、13ページ、14ページの辺りの「合理的配慮の提供のための仕組みと実効性の担保について」のところで、現在でもハローワーク、地域障害者職業センター、中ポツセンターがやるのだというようなことがあるのですが、現実には就労移行支援事業所もその後のアフターフォローだとか、定着についてやっているのです。ほかにも一般の事業をやっているNPOも、かかわったりしています。たぶん所管課が違ったり、根拠法が違ったりするのであれなのかもしれませんが、これからのことを考えると、結構難しい方たちが働くことを想定すると、こういう労働分野の機関だけではなくて、むしろ福祉の側が相乗りというか、コラボというか、そういう形で積極的に入っていったほうが実効性が担保できると思うのです。
 特に発達障害の方は難しいので、むしろ当事者団体とかがこういうものにかかわるような仕組み、みたいなものが必要ではないかなと思います。もしできたらここに、その辺りの団体等も載せていただけるといいのではないかと思います。
○岩村座長
 おっしゃることは非常によくわかるのですが、こういうことを言うと怒られるのですが、他の所管課のことを勝手に報告書に書くわけにはなかなかいかないので、貴重なご意見でありますが、今後検討させていただくということで、西川課長補佐、お願いします。
○障害者雇用対策課長補佐(西川)
 おそらく就労移行支援事業所とかで、定着はおっしゃるとおりやっていると思っています。たぶん、いま14ページのところのいちばん上の○にハローワークとか地域障害者職業センターというところが書いてある中で、具体的な事業名とか、当事者団体を書くのは難しい部分があると思いますが、例えば「福祉部門との連携の下」とか、「福祉部門とも連携をしながら」とかいうような書き方を入れて、その趣旨を取り込みたいと思います。ご意見はおっしゃるとおりだと私は思いますので、そういう形で溶け込ませたいと思います。
○岩村座長
 ありがとうございました。よろしいですか。そのほかにいかがですか。
○田中委員
 田中です。いま、大胡田委員からの意見も含めて、私自身の振り返りも重ねてですが、今回、この研究会に参加させていただいて、間接差別・直接差別と合理的配慮の関係ですが、特に知的や精神の分野でいうと、直接差別、間接差別をされている状態についての整理の問題と、そのような状況に陥っていることを合理的配慮で底上げしていくといいますか、カバーしていくことが大事だという理解が整ったところです。そのような意味でいうと、座長も言われたように、合理的配慮に欠ける状態が何かというのは、実はまだ十分に精査されていないと思います。
 紛争解決に向けての仕組みづくりは非常に重要だと思うのですが、ようやくそういった欠ける状態や、合理的配慮、直接差別、間接差別というふうに大きな括りの中で、具体的な項目が何なのかというのをこれから蓄積して、さまざまな状況に、たぶん裁判でいうと判例のようなことになっていくのだと思うのですが、そういうことが積み重なっていく状況の中で、紛争解決に向けての仕組みが整っていくのではないかというイメージを持っています。その意味でいうと、今回の報告書の段階はようやく土台の部分と枠組みが見えてきた状況かと思いますので、その上に解決機能をここで書き切るのは難しいのではないかという印象を持っていますので、作るべきであるというぐらいの方向性化になるのかなというのが印象です。以上です。
○岩村座長
 ありがとうございました。よろしいですか。大体、皆様のご意見は今日いただいたものを再度私と事務局で検討させていただいて、然るべく取り込まさせていただくという形で、最終案とさせていただくということで、このあとの進め方はよろしいですか。
                 (異議なし)
○岩村座長
 ありがとうございました。今日いただいたご意見の落とし込み方については、私にお任せいただくということでよろしいですか。
                 (異議なし)
○岩村座長
 ありがとうございました。
○障害者雇用対策課長補佐(西川)
 課長補佐の西川です。いま、いただいたご意見の中で、文章としてどの部分で反映しておくのかを、一度おさらいをさせていただきたいと思います。
 8ページで山岡委員からご意見をいただいて追記した部分ですが、いちばん上のところで「意見もあった」という言い方ではなくて「意見があった」という形で修正をすると。11ページのいちばん上の「労働能力に基づく差異について」は、北野委員からいただいた意見を踏まえて、文言については座長ともご相談をさせていただきながら、職場の労働慣行を踏まえて適切な評価というか、対応という形で記載させていただくと。12ページのところになるかわかりませんが、(3)での職場における合理的配慮のところで、大胡田委員からいただいた私法上の効果をどういった形で入れるかを、座長とも相談させていただきたいと。14ページのいちばん上ですが、野澤委員からいただいた福祉サービス、事業所とか、当事者団体との関係というか、連携ということも記述させていただくという5点か6点かでよろしいですか。
○岩村座長
 私の記憶でもそうだと思います。よろしいですか。
                  (了承)
○岩村座長
 ありがとうございました。いま申し上げたように、事務局と私のほうで相談させていただいて、いま確認した部分については、然るべく報告書の中に修正として取り込むことにさせていただきたいと思います。
 最後に、これで報告書(案)については座長に最後お任せいただくことにしまして、今日をもちまして取りまとめたとさせていただきたいと思います。これで研究会を終わることになりますので、高齢・障害者雇用対策部長からご挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○高齢・障害者雇用対策部長
 部長の中沖です。昨年11月から9回にわたり、大変ご多忙の中、ほぼ毎月1回という濃密な形でご議論いただきまして、本当にありがとうございました。平成21年の研究会の整理、あるいは平成22年の分科会の取りまとめがあったわけですが、当然その中には詰めていない部分があったわけでして、今回の研究会では、その辺りを十分ご検討いただきまして大変ありがとうございます。特に合理的配慮を行う事業主に対する助成措置ですが、この在り方についてはかなりご意見をいただきまして、現行の納付金制度を柔軟に活用するやり方がいいのではないかと。対応可能な部分については必要な見直しを行うという大変明確な意見をいただきまして、ありがとうございました。
 今後ですが、当然のことながら、この研究会の報告を土台として、労働政策審議会雇用分科会でご議論させていただくことになると思っております。本体といいますか、内閣府で検討している差別禁止法の検討もありますので、そちらのほうとも整合性を十分に図りながら議論を進める必要性があると考えております。本当に長い間ありがとうございました。
○岩村座長
 ありがとうございました。いま、部長からもご挨拶がありました。他方で委員の皆様のほうで今回の研究会について、この際、何か感想その他ありましたら、ご発言があればと思うのですが。野澤委員、どうぞ。
○野澤委員
 私はかなり言いたいことを言って、事務局をかなり困らせたというか、苛立たせたのではないかと思って。この際、最後の機会なので、特に16ページの書きぶりは私は見事だと思います。読めば読むほど実によく深い理解をされているなということで、私はこの辺りがこれからのいちばんの重要なポイントになるのではないかなと思っております。特に知的とか発達障害の方たちは、福祉の世界でも難しいのです。本当に、どういうふうに支援していったらいいのかまだわからないことだらけで、そういう方たちが2.0に雇用率がなったときに、かなりこういうところに入ってくると、会社だけにこういうのを任せていたのではとても無理だと思っています。ハローワークとか、そういうところが頑張っていただきたいのですが、もっともっと福祉の資源とか、福祉の制度とも相乗り、コラボが必要になってくるのではないかと思っております。
 これまでの検討会の中で、いろいろな過去の虐待とかのときに事業者が訴えられてしまったり、国や県が管理責任を問われて賠償命令を出されたということを言いましたが、これからたぶんそういうリスクが結構出てくる。可能性もたくさんあるのですが、そういうリスクも出てくるということで、その辺りは実際に実践を積みながら、合理的配慮とは何かということを研究していきながら、分厚く分厚くこの辺りを支えていくことが、こういう難しい障害者を雇用しようという事業所にとってはとても必要なことだし、むしろそれが事業所を守ることだと思っているのです。
 この辺りは世界中を見渡しても、私は日本はかなりトップクラスでいい実践を実現できていると思いますので、是非これからみんなで協力して、福祉も労働も総ぐるみで、この辺りを良くしていけたらと思っております。事務局の皆様、座長の取りまとめ大変感謝しております。どうもありがとうございました。
○岩村座長
 ありがとうございました。
○障害者雇用対策課長
 いまの野澤委員のご意見は全くごもっともで、昨日第1研究会の最終会を迎えて、今日第2研究会で、明日第3研究会の「地域の就労支援の在り方に関する研究会」も最終会を迎えます。第1と第2がどちらかというと制度論で、第3研究会は企業に対して障害者の雇用を求めているけれども、実際にはある意味、障害者雇用が拡大してきたということで、新たに労働市場に参入してくる障害者の人たちは重度の方とか、雇用管理がより難しい層の人たちが入ってくる。それを企業だけにすべて任せるという話ではなくて、行政機関や社会福祉法人、NPO法人等々の各種の支援団体がそれをバックアップしていくことで、より高みに登ろうということの議論をしております。
 そうした中でも、実際に企業の中での雇用管理の仕方も、今回も合理的配慮の提供ということが埋め込まれる形になる方向で見直しをされるとすれば、実際のところ合理的配慮というのは一体何なのかということについては学習しながら進めていくことが必要なことで、そこはしっかりと障害者と事業主が向き合って、それに対して専門的なサポートを一方で第三者的にする形で積み上げていくと。先ほど田中委員からあった合理的配慮の提供ということの、事例の蓄積をしていくことで、より高い水準のものにしていく流れかなと思っています。
○岩村座長
 ありがとうございました。ほかにありますか。では、山岡委員、北野委員ということで。
○山岡委員
 この研究会、本当にありがとうございました。障害者の権利条約の批准ということで、最初に私が意見で申し上げたような各国の状況を踏まえてということについても、お調べいただいて、それも踏まえて見ると、なかなかいいものができてきたのではないかと思っております。第1回目に私が申し上げたかもしれないのですが、結局極端な負担を雇用主に一方的に課すようなものができてしまうと、結果として障害者の雇用が拡大あるいは安定しなくなってしまう危険性もあります。最終的には障害者の雇用が安定的に拡大できるようなものにしていただきたいと考えております。そういう意味では良い案ができてきているのではないかと思っています。
 石井委員も同じように意見書の中に、障害者の雇用が安定、継続するために実効性を担保する観点から整理されるべきだとおっしゃっていて、ほぼ似た意見なのですが、さりとて、障害者の権利条約に批准するのですし、野澤委員も何回かおっしゃいましたが、現状は障害者の権利が守られていないところが非常に多いわけですから、これを機会に国あるいは地方公共団体、雇用主だけではなくて、国民みんなが少し分ち合いながら、障害者の権利を守っていくような制度にしなければいけない。従来の延長線でいいということではなく、雇用主についても一層の努力をしていただきたいと思っております。
 1点意見といいますか要望です。この研究会の直接のテーマではないのですが、発達障害については、いまのところ発達障害の手帳制度はなくて、精神障害に含まれるということになっており、発達障害のみの場合は、手帳制度の中で、手帳を取って雇用されるのがなかなか難しい状態にあります。この研究会の中で言うことではないかもしれませんが、個人的な意見として、例えば判定という方法が知的障害にはあるのですが、こういったものが発達障害があって、かつ手帳が取れないケースで、職業的な困難を持つ方について、判定という方法ができないかということをぜひ研究をしていただけないかと思っております。この際要望として申し上げておきます。以上です。
○岩村座長
 ありがとうございました。
○北野委員
 私もこの委員会でいろいろ勉強させていただきました。本当にありがとうございました。特に委員長には上手にまとめていただきまして、本当に感謝しております。野澤委員も田中委員も山岡委員もおっしゃってもらったと思うのですが、我々福祉の世界にいる人間は、ある意味で福祉の現場の中で、さまざまな障害を持っている方に対する支援、合理的配慮について、さまざまなノウハウを蓄積しております。
 一般就労の場での労働慣行であるとか、職場のさまざまな慣行を踏まえたマッチングといいますか、福祉の支援が持っているノウハウを、一般就労の職場の中での労働慣行なり職場慣行の中でそれをどう活かして、どういうふうに重い障害を持っている方も含めて、障害を持っている方が一般就労をされていかれるところの展開を、合理的配慮の中身を中心に、これから福祉のサイドと労働のサイドが密に連携して勉強し合って、重い障害を持っている方も働ける仕組みを着々と蓄積していただければと思っています。今後、そういう勉強、研究を一緒にやれていけたらいいなと思った次第ですので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
○岩村座長
 ありがとうございました。では、課長、お願いします。
○障害者雇用対策課長
 先ほど山岡委員から言われたご意見についてですが、いちばん最初にコメントされた、極端な負担を課すことによって障害者雇用がかえってマイナスになるというご意見。実際に、アメリカのADAができてからアメリカの障害者雇用が伸びていないという問題が、果たしてADAがあったからそうなったかどうかというところについては意見が分かれますが、現実問題として、アメリカはこの20年障害者雇用が伸びていないのは事実としてあります。たぶん、この辺りは法制度の見直しとして結実させることになるのかどうかは労働政策審議会のご判断になりますが、そうした場合に施行がいかにうまくできるかということを絶えず頭に置いて対応していくことで、同じ問題が起きないようにしていくと。
 一方で、合理的配慮の提供は重要なテーマでありますし、3研究で終わりの部分で共通に書いているのは、雇用の量と質の両方が大事だということ。特に質の面での担保については、第1、第2、第3に共通する新しい要素として入れております。両方大事なものをどうやって施行していくのか、ということが非常に重要かなと思っています。
 2番目に言われた点については、確かに障害者の権利を守ることについての大きな取っかかりに差別禁止・合理的配慮の提供がなるということです。残念ながら今回3つ研究会をやっておりますが、マスコミ等の関心はすべて第1研究会に集中しているという残念な状態になっておりまして、差別禁止・合理的配慮の提供というのは極めて重要な問題であるにもかかわらず、内容が複雑だということもあって、いま一歩マスコミの注目度が低いのは担当課長として残念です。逆にこういった議論があるということを、もう少し世の中の障害者の人たちだけではなくて、事業者とか健常者の方々に対しても広く知ってもらって、そこで初めて、障害者の人たちにこういう配慮をすれば力を出せると考えるきっかけにしてほしいということで、主に国民的な議論が必要だろうと思っております。
 3点目の発達判定の問題は、先ほどいただいたご意見と裏腹の問題かと思いますので、こちらについても検討をきっちり深めていかなければいけないかなと思っています。
 北野委員から言われた福祉の世界に結構ノウハウがあるということで、そういった蓄積もうまく労働に還元していければということです。ある意味、障害者雇用の拡大が進展しているのは、福祉の側から就労の側への移行が進んできていることと裏腹の問題ですが、福祉の関係者と企業の関係者の接点が、おそらく10年前に比べたらはるかに進んできた。実際、企業である程度障害者雇用を積極化するときに、福祉の世界にいた人をスカウトしてきたりするようなケースもあって、おそらく逆に福祉の人も労働の世界に入って、労働の世界での工夫の仕方ということの発見というのも逆にあったりすると思います。そこにある種のシナジー効果みたいな話を出していくことが、おそらく合理的配慮の提供をきっちりしたものにしていくためには極めて重要な点だと思っております。そこのところも施行段階でうまくいくかどうかは、その点が重要な問題だと思っています。
○岩村座長
 ありがとうございました。ほかにいかがですか。よろしいですか。本日の議事は以上になります。報告書ですが、できるだけ早いうちに他の2つの研究会と併せて記者発表を行うことを予定しております。正式な日程については、事務局から追ってご連絡がいくと思います。その際には、先ほども申し上げましたように、本日の議論をもとにして修正があるということですので、その点はご留意をいただきたいと思います。
 これをもちまして、本研究会を終了させていただきます。この研究会では、昨年の11月から労働・雇用分野における障害者権利条約への対応ということで、障害を理由とする差別の禁止や合理的配慮の提供といった、いままで我が国の労働法制では存在していなかった新しい論点について、各委員の皆様から貴重なご意見をいただき、また、かつ熱心なご議論をいただいてまいりました。今後は、この研究会の報告書を踏まえて、制度改正に是非ともつなげていただけますよう事務局にお願いをして、この研究会を終わります。
 座長、この間いろいろ不手際がありましてご迷惑をおかけしたと思いますが、皆様のご協力を得て何とか終えることができました。ありがとうございました。委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、毎回、精力的にご議論いただき本当にありがとうございました。それでは、これで終了させていただきます。


(了)

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