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2012年8月23日 独立行政法人評価委員会国立病院部会(第38回)議事録

○日時

平成24年8月23日(木)10:59~11:48


○場所

厚生労働省専用第14会議室


○出席者

猿田部会長、田極部会長代理、富田委員、高瀬委員、和田委員、海辺委員

○議事

(以下、議事録)

○猿田部会長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第38回独立行政法人評価委員会国立病院部会を開催させていただきます。委員の先生方、それから、国立病院機構の皆様方、大変暑い中、お忙しいところをお出でいただきまして、どうもありがとうございました。それでは、事務局から本日の議事に関しての説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 本日は、議事次第にありますとおり、国立病院機構の総合評価、財務諸表に関する意見、役員退職金業績勘案率の算定、役員報酬規程の改正について、ご審議を進めていただきます。審議の進め方について説明します。
 総合評価につきましては、前回の個別評価の結果に基づき、起草委員において起草していただいた総合評価の案、および評価シートの「委員会としての評定理由案」などについて、ご審議いただきます。また、皆様方にご記入いただいた評定記入用紙につきましては、ご参照いただけるようお手元に置かせていただいております。後ほど、本日の審議などを踏まえて、評定記入用紙の確定をしていただく時間を設けていますので、よろしくお願いします。
 続きまして、財務諸表に関する意見については、担当委員である和田委員からヒアリングの結果についてご報告いただき、それを踏まえてご審議いただきます。役員退職金業績勘案率及び役員報酬規程の改正については後ほど説明します。
 最後に、本日、参考資料として添付している「独立行政法人の自然災害等に関係するリスクへの対応に関するアンケート調査」についてです。今年の5月に、総務省の政・独委より、「平成23年度業務実績評価の具体的取組について」が示されております。「自然災害等に関係するリスクへの対応について、法令や国等からの指示・要請に基づくものの他、法人独自の取組に注視する」ということが言われていまして、それを受けて政・独委よりアンケート調査がなされています。今後、政・独委において、2次評価と併せて各省の取組をとりまとめて公表するとのことですので、ご参考として当省分をとりまとめていますので、後ほどご覧ください。以上でございます。

○猿田部会長
 よろしいですか。さっそく議事次第に従い、第1番目が「国立病院機構の平成23年度総合評価について」です。この点に関しては、大変お忙しいところを起草委員である田極委員にまとめていただきました。まず田極委員から、10分程度で全体的なご説明をお願いします。

○田極部会長代理
 それでは、国立病院機構の平成23年度の評価結果について講評を述べさせていただきます。資料につきましては、資料1-1が評価結果(案)で、資料1-1別紙を付けております。まず、評価にあたりましては、評定の結果、各委員の評定コメント、また、前回7月17日の議論の内容などを踏まえまして、平成23年度の業務実績について、中期計画の達成度等に照らして総合評価書をとりまとめております。
 全体の評価としましては、理事長の卓越したリーダーシップの下、積極的な業務運営の効率化と収支改善に向けた取組により、経常収支率105.4%、経常利益458億円と、機構発足以来8年連続の経常収支プラスであるとともに、平成23年度計画の目標である経常収支率105%を上回ったこと。診療事業においては、地域医療への取組を一層強化し地域医療に大きく貢献したほか、診療情報データバンクを用いて全病院を対象としたレセプトデータ等の計測と分析を行い、プロセス指標を中心とした70指標を作成・公表し、また結核や精神科医療などの政策医療分野についてもセイフティネットとしての重要な役割を果たし、特に医療観察法に係る病床数が全国の約6割を占めるなど、国の政策に関して大きく貢献したこと。臨床研究事業においては、昨年度に引き続き新型インフルエンザワクチンに関する研究を行い、国のワクチン備蓄方針決定等に不可欠な情報収集を実施するなど、機構のネットワークを活かした大規模臨床研究が順調に進展しているほか、難易度の高い治験を積極的に実施し、平成21年度から23年度の3年間にかけて承認医薬品の5割の治験に関わるなど、質の高い治験の推進に向けた取組も大いに実績を上げ、また、独立行政法人理化学研究所と先端医科学・医療分野に関する包括的な連携協定を締結し、機構のネットワークを活かした臨床研究を実施することとしたこと。教育研修事業においては、東京医療保健大学大学院において、クリティカル領域における「診療看護師(JNP)」の育成に取り組んでいるほか、積極的な医師確保や看護師の教育体制の充実などに取り組むとともに、地域の医療従事者を対象とした研究会や、地域住民を対象とした公開講座などを積極的に実施したこと。このほか、昨年度に引き続き、東日本大震災への対応として、切れ目のない医療班派遣により避難所で巡回診療などを実施し、平成23年度末にかけて心のケアチーム106班を継続的に派遣し、被災者に対するメンタルヘルスケアなどにも取り組み、また、復興支援の取組として、福島第一原発事故に伴う警戒区域内への住民の一時立入りの際に47班の医療班を派遣し中継基地での医療ニーズに対応したことなど、被災地の医療確保に重要な役割を果たし、国の危機管理対応に大きく貢献したこと。これらを評価して、全体として、国立病院機構の設立目的に沿って適正に業務を実施したことを評価する内容としております。以上でございます。

○猿田部会長
 いまご説明いただきましたとおりで、どうもありがとうございます。皆様方のご意見を伺う前に、もう1つ、総合評価書(案)の中に、国民からの意見募集について、意見が寄せられたという記載がありますので、それについて法人からご説明いただけますか。

○国立病院機構医療部長
 お手元に、参考、机上配付として資料が配られていると思います。7月17日付けの「機構の業務、マネジメント等に関する意見募集」ということで、評価委員会から出されている資料です。その最後の頁の別表に、いただいたご意見があります。動物愛護法の理念に基づき、動物実験の代替法開発を進めてほしい、動物実験の代替、使用数の削減、苦痛の軽減、環境マネジメント等についてどの程度取り組んでいたのかを公表してほしいということで、同様のご意見を13件いただいたと聞いております。
 これに関して、私どもの取組ですが、国立病院機構の動物実験を行う施設においては、厚生労働省が定めた「動物実験等の実施に関する基本指針」を踏まえて適切な対応が行われるように、これは平成20年3月のことですが、機構本部から各施設に対して、改めて法令や厚労省の指針等の周知徹底を行っております。そして、機構として統一的な動物実験規程、動物実験計画書、動物実験結果報告書等を提示していまして、動物実験を行うすべての施設で、統一的な動物実験規程に基づく院内規程の制定や、動物実験委員会が設置され、対応されている状況です。また、「動物実験等の実施に関する基本指針」では、代替法の考慮とか、実験動物の使用数削減、苦痛の軽減等が定められていますので、機構の動物実験を行う施設においては、これらを踏まえて実験を行うとともに、各施設においては自己点検及び評価を年1回以上行っていまして、その結果についても各施設のホームページや院内掲示板などで公表を行っている状況です。説明は以上です。

○猿田部会長
 ということは、この頃はあまりトラブルはないということですね。ありがとうございました。それでは、いま田極委員から総括的にご説明いただきましたが、各委員の先生方からご質問をいただきたいと思います。
 先ほどのお話にありましたように、独立行政法人に移行してから8年経って、平成23年度になりますが、ともかく非常に業績を伸ばされた、それから経常収支率が105%を超えたこと。いままで見ていても、常に着実に改善してきたことは非常に高く評価されると思います。その他、細かいことは田極委員がいまご説明したとおりですが、どうでしょうか。

○富田委員
 富田でございます。業績を見させていただきました。特に過去5年から7年の経常収支をずうっと見させていただき、私は92の赤十字病院を預かっていますが、赤字の病院の数が毎年減っているのは驚きです。過去、非常に厳しい医療費の改正が行われて、平成22年より前は、私たちのグループは赤字の病院が増えていったのですね。そのような状況にもかかわらず、赤字の病院を減らしていく経営努力には本当に敬服いたします。それぞれの大変な努力をされたと思います。
 ただ、心配なのは、やはり医療は非常な勢いで進歩していまして、建物の建替えとか、新しい医療機械の購入、更新は、どこの病院グループもものすごく速いスピードで行っています。計画を見させていただきましたが、そのスピード感を失うとまたこれが後戻りしていくので、そこのところをしっかり取り組んでいただいたほうがいいかと思います。以上です。

○猿田部会長
 ありがとうございました。他にご意見はございますか。特にありませんか。非常に業績をよくしていただいていますので、特に大きなご意見はないかと思いますが。
 修正意見がないようですので、平成23年度業務実績の評価結果として、法人及び政・独委に通知するとともに、これを公表したいと思います。私も注意していますが、この後、もし書類上で誤字脱字、その他があった場合には、私にご一任いただきたいと思います。よろしいですか。
(各委員了承)

○猿田部会長
 それでは、そのようにさせていただきます。すみませんが、理事長の桐野先生から一言コメントをいただけますでしょうか。

○国立病院機構理事長
 理事長の桐野でございます。本日は、第二期中期目標期間の第3年度になります平成23年度の評価につきまして、新たに富田委員にも加わっていただいて、各委員の先生方には、限られた時間の中で好意的なご評価をいただき、御礼を申し上げます。また、猿田部会長を始め、起草委員の田極委員、和田委員にはお手数をおかけしまして誠にありがとうございました。各委員の皆様にも高い評価をしていただき、心から感謝いたします。私どもは、質の高い医療の提供、政策医療の実施、地域医療への貢献、ネットワークを活かした臨床研究や治験の推進、人材育成というようなことを行ってきましたが、各委員の先生方から評価していただいた事項については、今後もご期待に沿うように、着実に成果を出すように努力していきたいと思います。
 当機構は平成26年度には新たな法人に移行することになっており、大きな転換期を迎えることになっております。これまでの8年間の実績を踏まえ、我が国の医療の向上を図るために当機構の使命を果たしていきたいと思います。本日は、評価に関して、それぞれの面について高い評価をいただき、改めて感謝を申し上げます。誠にありがとうございます。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。これからもますます頑張っていただきたいと思います。
 それでは、先生方から提出していただいた評定の記入用紙がお手元にあるかと思いますが、それに関して、もし修正、その他あれば、直してください。そのことに関して、事務局からご説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 修正にあたっての留意事項をご説明します。修正がある場合は、個別評価時にご記入していただいている評定記入用紙に赤鉛筆で修正をし、修正のある頁に付箋を貼ってください。机上配付している「個別項目に関する評価結果(未定稿)」につきましては、現時点でいただいている評定を点数化し平均化したものですので、修正する際の参考にしてください。なお、委員名欄はご自分の名前しかわからないようになっていまして、そのほかの委員の委員名欄は空欄となっております。以上でございます。

○猿田部会長
 それでは、4、5分いただきまして、委員の先生方には、もし修正があれば赤鉛筆で直してください。よろしくお願いします。
(評定記入用紙の修正・確認中)

○猿田部会長
 よろしいでしょうか。それでは、修正したものがもしあれば、お手元に置いておいていただきたいと思います。これをもって、国立病院機構の平成23年度の業務実績評価に関する意見を取りまとめさせていただいたことになります。
 各評価書には、評価結果の別添として、評価シートの集約版が添付されておりますが、本日、いま皆さん方は意見がほとんど一致していますのであまり大きな変更はないと思いますが、当部会として一応、S~Dの評定及び評定理由に変更があった場合、また、各委員の先生方のコメントに修正があった場合には、これらを反映して評価書の集約版の変更をさせていただくことにします。評価シートの集約版について、S~Dの評定が変更になる際には、委員会全体としての評定理由も併せて変更する必要が生じてくることも考えられますが、その際の文章とか、その他に関しては、すべて私に一任させていただければと思いますが、よろしいでしょうか。そういうことにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 続いて、2番目の財務諸表に関する意見について、審議に入りたいと思います。これに関しては、財務諸表について、独立行政法人通則法第38条に基づいて、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、厚生労働大臣が承認することとされております。そこで、財務諸表について、お骨折りをいただいた和田委員からご説明をいただきたいと思います。和田委員、よろしくお願いします。

○和田委員
 国立病院機構の財務諸表等の適正性についての意見を申し上げます。国立病院機構の財務諸表等について、私がヒアリング等によって判断した事項について申し上げます。国立病院機構に対して、平成23年度の財務諸表の全般について質疑を行い、運営費交付金の会計処理を含め、その妥当性について確認しました。また、会計監査人である新日本有限責任監査法人より、実施した監査の方法及び概要に関して監査結果説明書を提出いただき、ヒアリングを行った結果、延べ約8,914時間の執務時間をもって監査を実施しており、平成23年度の監査を十分に実施していること、また、監査報告書において財務諸表が適正に表示されている旨の記載がなされていることなどから、財務担当委員である私も、平成23年度の財務諸表等は適正に作成されていると判断しました。
 続いて、財務の内容についてですが、お手元に「財務諸表等」という冊子が配付されていることと思いますが、これの3頁をお開けください。ここに損益計算書がございます。これを見ますと、3頁のいちばん下に経常収益が8,916億円です。6頁に、経常費用合計が8,458億円です。差引経常利益は458億円。経常収支比率は105.4%になります。国立病院機構発足以来8年連続の経常収支プラスを達成しており、引き続き高成績を維持していると言えます。
 なお、さらにセグメント別の事業損益を拝見します。33頁の17番に、開示すべきセグメント情報がございます。各セグメント別に、そして事業収益から事業費用を差し引いて事業損益という欄がございます。これを見ますと、教育研修事業で14億円のマイナス、臨床研究セグメントで26億円のマイナス、法人共通というところで119億円のマイナスとなっていますが、いちばん左の診療事業で617億円という利益を上げましたので、これらのセグメント別の事業の赤字を埋めて、全体として458億円の経常利益を計上したということです。
 なお、もう一度損益計算書のほうに戻っていただき、6頁をお開けください。先ほど経常収益から経常費用を差し引いて経常利益として458億円の利益を上げたと申し上げましたが、その下に実は臨時利益・臨時損失がございます。この中で下から3行目に、「その他臨時損失」がございます。これは、従来、国の運営費交付金で措置されていた整理資源が、平成24年度以降は国立病院機構の収入で負担する方針となったことから、整理資源に係る退職給付引当金として1,404億円の臨時損失を計上したということです。そのため、経常利益から臨時利益・臨時損失をプラス・マイナスし、当期総損失は1,008億円のマイナスになっております。その結果、繰越欠損金としては421億円が生じております。ただし、これは国の政策の影響によるもので、国立病院機構の業務運営上の問題が要因となっているわけではございません。その結果、貸借対照表の財政状態を見ますと、1頁に国立病院機構の資産の部、流動資産が3,352億円、固定資産が9,740億円、合わせて資産合計は1兆3,093億円になっています。
 次の頁に負債の部がございまして、流動負債1,873億円、固定負債が先ほどの退職給付引当金を含めて7,449億円になります。負債合計が9,322億円ですので、前の頁の資産合計1兆3,093億円から負債9,322億円を引いて、純資産としては3,770億円となっております。資産合計に占める自己資本比率は29%となっております。整理資源に係る臨時損失の影響もあって、昨年度より自己資本比率は下がってはおりますが、特に問題のない財務状況と言えます。また、長期借入金については、平成23年度末残高は4,770億円で、前年度と比較して361億円減少しております。借入金比率も平成16年度は60%を越えていましたが、平成23年度末では33%まで下がっており、着実に経営の安定化を進めていると理解しました。以上です。

○猿田部会長
 いま和田委員から財務諸表に関してのご説明をいただきましたが、委員の先生方、どなたかご質問はございますか。国の政策の影響が少しあったけれども、それにもかかわらず着実に改善を示してきたということだと思います。よろしいですね。特にご意見はありますか。ございませんか。もし特にご意見がないようでしたら、平成23年度の財務諸表に関する意見としては、資料1-2の案のとおりで、修正意見がないということですので、これをとりまとめて厚生労働大臣に提出したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○猿田部会長
 ありがとうございました。それでは、そういう形で進めさせていただきます。和田委員、どうもありがとうございました。
 続いて、議事次第の3番目になります。役員の退職に係る業績勘案率の算定について、事務局からよろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 国立病院機構理事長より独立行政法人評価委員会委員長あてに役員の退職に係る業績勘案率の算定につきまして、ご依頼がございました。独立行政法人の役員退職金については、平成15年12月19日の閣議決定により、在職期間に応じて算出した額に0.0~2.0の範囲内で定める業績勘案率を乗じた金額とされております。評価委員会では、この業績勘案率を決定していただきます。今回、算定した数値については、部会の決定を評価委員会の決定とし、総務省行政評価・独立行政法人評価委員会に通知いたします。同委員会から意見があれば、改めてこの部会でご審議いただくことになります。また、意見がない場合は、部会長にご報告し最終決定となります。
 資料1-3に沿って説明をさせていただきます。退職役員は矢崎義雄氏、国立病院機構の前理事長です。在職期間は、平成16年4月1日から平成24年3月31日までの8年間です。業績勘案率の算定ですが、当該役員の在職期間中であります平成16年度から平成23年度までの年度評価の評価結果について、Sを5点、Aを4点、Bを3点、Cを2点、Dを1点で評定を数値化し、その平均を取っております。これが年度業績勘案率ですが、平成16年度から平成20年度の第一期中期計画期間が1.68、平成21年度が1.71、平成22年度と平成23年度が1.75となっております。
 年度業績勘案率をさらに、率が1.5以上の場合は1.5、0.51から1.49までは1.0、0.5以下は0.5と置き換えまして、各分類に対応する率を出します。それぞれの年度業績勘案率が1.5以上ですので、各年度とも各分類に対応する率は1.5となっております。在任期間中の率がすべて1.5ですので、(3)についても1.5となっております。
 (4)役員の在職期間における目的積立金等の状況です。平成20年度及び平成19年度の積立金のうち507億2,300万円の余剰について、次年度中期計画期間への繰越積立金としております。また、平成21年度決算における347億5,600万円の余剰のうち255億9,900万円を目的積立金としております。なお、平成23年度は、1,007億9,800万円の損失が生じておりますが、これは整理資源に係る退職給付引当金1,403億7,800万円を臨時損失で計上したためでして、経常収益は457億6,400万円となっております。
 (5)退職役員に係る職責事項の申出は、法人からは特段ございません。(1)から(5)までによる業積勘案率の試算結果は、1.5となっております。
 1枚おめくりいただきまして、(7)業績勘案率の事務局案についてです。厚生労働省の評価委員会の試算結果では1.5となっておりますが、総務省の政・独委の役員退職金に係る業績勘案率に関する方針では、業績勘案率は1.0を基本とするということでして、1.0は、中期目標の順調な達成など、良好かつ適切な業績が上げられた期間中に対象となる役員が適切に職責を果たした場合ということでして、1.0を越える場合は厳しく検討を行うとされているところです。
 そこで、業績勘案率が1.0を越えることについてですが、法人の業績は高く、委員会決定方法によると試算結果では1.5となる、平成21年度に目的積立金255億9,900万円を計上している、理事長として法人全体の業務を主導し、その使命である診療、臨床研究、教育研修に加え、経営面においても中期計画を大きく上回る成果を上げている、また、法人発足以来8期連続で経常収支プラスとなっており、経営は良好であることから、1.0を越えることは妥当であると考えます。
 具体的な率についてですが、理事長として卓越したリーダーシップを発揮し、国の医療政策として法人が担うべき医療の積極的な実施を主導するとともに、法人の業績に大きく貢献し、中期計画を大きく上回る成果を上げたこと、特に、東日本大震災への対応、国立病院機構総合研究センターの設置、診療看護師の養成などにおいて中心的な役割を果たすとともに、業務運営の見直しや効率化による収支改善、法人発足時に承継した国時代の膨大な負債の償還などを進め、健全な経営を行ったこと、また、在任期間は8年間であり、過去の退職役員と比較して最も長期であること。また、同法人の実績として、過去に副理事長と理事について、総務省政・独委より業績勘案率1.2で同意を得ていることなどを比較考量しまして、審議の目安としての業績勘案率の事務局案は1.3としております。

○猿田部会長
 いま事務局からご説明がありましたが、古い委員の方々はよくご存じかと思いますが、これまでの8年間を振り返りましても、理事長には本当によくやっていただいたと。その間、辞めていかれた理事の方々、副理事長の方にも、非常に努力してここまで改善していただいたということで、この委員会としては、いつも高い評価でできるだけのことはしていただこうということで、国のほうにお願い申し上げていたのが私どもの意見でございます。

○政策評価官室長補佐
 若干、法人からのご説明があります。

○猿田部会長
 その前にこの委員会としては、高い評価をしていこうということで、前の副理事長はたしか1.2にさせていただいた、そういうことです。矢崎先生の場合には理事長としてさらに活躍していただいたということで、その活躍に関しては、これから法人からお話をしていただきたいということで、どうぞよろしくお願いします。

○国立病院機構総務部長
 矢崎前理事長の業績等について、説明申し上げます。在職期間は、先ほどご説明がありましたとおり、独法発足時の平成16年4月から平成24年3月の8年間、96月間です。
 次に業績ですが、資料1-3の2枚目以降に挙げさせていただいております。簡単に説明申し上げます。平成16年に発足をして以来、第一期、第二期について、診療、臨床研究、教育研修面に加え、経営面においても大変大きな成果を上げてこられました。診療面については、結核、重症心身障害等をはじめとする政策医療、いわゆるセイフティネット系の医療で重要な役割を果たすとともに、特に新型インフルエンザの発生時や東日本大震災においても大きく貢献をされております。
 臨床研究面においては、平成22年4月に総合研究センター診療情報分析部を設置し、我が国の医療の質の向上と均てん化に大きく貢献をされました。教育研修面においても、チーム医療の推進のために質の高い医療従事者の育成に取り組んでこられております。特にクリティカル領域における「診療看護師(JNP)」の養成にも取り組まれました。経営面においては、経常収支の目標を8期連続で達成し、74の赤字病院がございましたが、これが平成23年度末には25病院という形で、経営面が非常に大きく改善されております。
 矢崎前理事長におかれましては、法人発足以来8年間にわたり、国の医療政策として国立病院機構が担うべき医療の積極的な実施を、卓越したリーダーシップに基づき主導されております。
 時間の都合もございますので、このように、以下、2頁以降に具体的な実績等については個別詳細に記載をさせていただいております。何卒よろしくお願いいたします。

○猿田部会長
 いまご説明いただきましたが、私はこの評価をやって4年ぐらいになりますかね、いままで拝見してきて、本当に着実に努力されてここまで持ってこられたということかと思います。何かご意見ございますか。

○富田委員
 実はこのようなことを言っては申し訳ないのですが、私は国立病院機構ができる前に国立病院を見たり、働いたこともありましたので、その体質をよく知っていましたので、このようなことができるのは実は驚きなのです。私はびっくりしております。

○田極委員
 事務局に確認なのですが、業績勘案率の範囲は0.0~2.0の範囲内で考えること、ただし、政・独委からは、1.0を基礎としつつ、1.5までの範囲内で業績勘案率を検討することという縛りになっているという理解でよろしいでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 0.5を下回る場合と1.5を上回る場合はまた別の手続が必要になってくるということで、基本的に0.5~1.5の範囲内で定めるということになっておりまして、基本は1.0ということです。

○猿田部会長
 これは各省庁はたしか大体同じですよね。

○政策評価官室長補佐
 そうです、決定の方法はそれぞれ違いますが。

○猿田部会長
 そういうことから、いまお話いただいた業績も考え、これまでのことも考えますと、1.3が妥当ではないかということで、最低でも1.3ということが私どもの希望ですが、よろしいでしょうか。

○田極委員
 計算すると1.5になると。ただ、いままでのいろいろな過去の実績など、ほかの役員の方の業績勘案率を見ると、いままで1.5はいらっしゃらないということで、現実的にどこまで上限ができるかというところだと思うのですが、私自身、評価にかかわっていまして、これだけ8期連続の経常収支プラスと大幅な債務の改善などを果たしましたし、いまの国立病院機構の独法としての礎を築かれたということで、かなり高い業績を上げてこられた前理事長に対して、1.3というは私自身は最低ラインではないかと思っております。ここについてはこれ以下になることがないように、独法でトップがどう経営されていくかは非常に大事なことですので、ここまで業績を上げられた方の評価が1.3を切ることがないようにしていただきたいというのが私からの意見です。

○猿田部会長
 いまの意見が全体としての意見かと思いますが、要するに私どもとしてはいままでの業績に本当に感謝しているということで、桐野先生は大変かと思いますが、どうか頑張っていただきたいと思います。そういうことで、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○猿田部会長 
 では、この形でこの委員会としてはお認めいただくということで、どうもありがとうございました。
 続きまして、この形で決めさせていただきましたので、第4番目の議事に移らせていただきたいと思います。第4番目は、役員の報酬規程の改正について、説明をお願いしたいと思います。

○国立病院機構総務部長
 それでは、資料1-4「役員報酬規程の改正」についてご説明いたします。まず、改正の考え方ですが、平成24年2月に国家公務員の給与の改定が行われております。国の指定職職員の給与等につきましては、人事院勧告に伴う俸給月額の約0.5%の引き下げ、臨時特例法による俸給月額等の9.77%の減額が実施されております。当法人におきましても、この減額に伴い、役員の月例年俸等について所要の改正を行いました。
 改正内容ですが、1点目、月例年俸及び業績年俸の改定ということで、国の指定職職員に準じ、月例年俸の額について約0.5%の引き下げを行うとともに、業績年俸の額も引き下げを行っております。これについては5月1日に実施しております。
 続きまして、特例措置に対する対応ですが、国の指定職職員に準じて、月例給、地域手当及び業績年俸を9.77%減額して支給することとしました。これの実施時期は、平成24年6月1日から平成26年3月31日までで、実施対象としたのは、平成24年4月に遡って特例措置に対する対応をしております。説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。いまご説明いただきましたが、委員の先生方、どなたかご質問ございますでしょうか。和田先生、何かございますか。よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○猿田部会長
 もし特にご意見がなければ、役員報酬規程の改正につきましては当部会として認させていただきます。ありがとうございました。
 今日いただいたご意見などをまとめまして、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規定に基づきまして、当部会の決定が評価委員会の決定となります。また、政・独委への通知、公表の手続きが行われることになりますので、ご了承いただきたいと思います。事務局から今後の予定についてご説明ください。

○政策評価官室長補佐
 本日ご審議いただきました法人の総合評価書につきましては、事務手続を進めさせていただき、後日、委員の皆様方に確定版を郵送いたします。また、正委員の皆様方におかれましては、8月31日金曜日の9時30分より、省内の22階専用第14会議室において評価委員会の総会が予定されておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。これで、本日の部会のすべての審議を終わります。本日はお忙しいところをどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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