ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ第23回議事録
2012年6月27日 チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第23回議事録
医政局看護課看護サービス推進室
○日時
平成24年6月27日(金)10:00~12:00
○場所
厚生労働省19階専用第23会議室
○出席者
秋山 正子 (ケアーズ白十字訪問看護ステーション 統括所長) |
有賀 徹 (昭和大学医学部救急医学講座 教授) |
井上 智子 (東京医科歯科大学大学院 教授) |
大滝 純司 (北海道大学大学院医学研究科・医学部医学教育推進センター 教授) |
川上 純一 (浜松医科大学附属病院 教授・薬剤部長) |
神野 正博 (社会医療法人財団董仙会 理事長) |
小松 浩子 (慶應義塾大学看護医療学部 教授) |
真田 弘美 (東京大学大学院医学系研究科 教授) |
竹股喜代子 (前 医療法人鉄蕉会 医療管理本部 看護管理部長) |
英 裕雄 (医療法人社団 三育会 理事長) |
星 北斗 (財団法人星総合病院 理事長) |
前原 正明 (防衛医科大学校外科学講座 教授) |
山本 隆司 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授) |
○議題
1)特定行為について
2)カリキュラムについて
3)その他
○議事
○島田看護サービス推進官 それでは、定刻より少し早いですが、先生方、お集まりでございますので、ただいまより、第23回「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」を開催させていただきます。
先生方におかれましては、御多用のところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の委員の出席状況でございますけれども、全員に御出席をいただいております。ありがとうございます。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第の下に座席表を付けさせていただいております。
そして、資料1、平成23年度特定看護師(仮称)養成 調査試行事業 実施状況最終報告概要でございます。1枚の資料でございます。
資料2、同じく業務試行事業 実施状況最終報告概要。
資料3、医行為分類案に対する委員からの主なご意見と考え方の整理(議論のたたき台)。
資料4、医行為分類(案)203行為(たたき台)一覧。
資料5、医行為分類の検討(203行為以外)(たたき台)。
資料6、医療関係職種の業務における行為の類型について(案)、1枚の資料でございます。
資料7、看護師が実施する診療の補助における医師の指示について。
資料8、カリキュラムについて(案)。
そして、資料の別添といたしまして、別のクリップでとめておりますけれども、資料1の関係で別添1-1、そして、別添1-2、資料2の関係で、別添2-1、2-2というものを付けさせていただいております。
そして、参考資料でございますが、参考資料1、医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について。
参考資料2、医行為分類について(素案)。
参考資料3、医行為分類における看護師が行う医行為の範囲について(イメージ)(修正版)。
参考資料4、医行為分類における留意点(たたき台)。
参考資料5、看護師が実施する薬剤に関する行為の分類の考え方について(案)(修正版)。
参考資料6、看護師が実施する検査に関する行為の分類の考え方について(案)。
参考資料7、第11回チーム医療推進会議における委員の主な御意見。
そして、この別添としまして、推進会議委員、藤川委員からの提出資料をお付けしております。
資料は、少し多うございますけれども、不足のものはございませんでしょうか。
もし、ございましたら、途中でも結構ですので、事務局までお申し付けください。
それでは、有賀座長、以降の議事の進行をよろしくお願いいたします。
○有賀座長 先生方、おはようございます。本日もまた活発な御議論をどうぞよろしくお願い申し上げます。資料もたくさんありますので、あちらこちらへと飛ぶかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
では、議事の次第があります。報告と議題というのがありますので、この報告の(1)と(2)と、それぞれまずは御報告を事務局からお願い申し上げます。
○島田看護サービス推進官 それでは、資料1でございます。
平成23年度の養成調査試行事業の実施状況の最終報告をさせていただきます。
資料1は、概要でございまして、別添1-1と1-2が、それぞれの実施課程からの報告書等になっております。
概要の方をごらんいただきたいと思いますが、課程数は、全課程から御報告いただいておりますけれども、修士課程のAで実施いただいているところが、7大学院の11課程。
Bの研修課程で御参加いただいたところが、1研修機関3課程ということで報告をいただいております。
各施設からの最終報告ということで、別添1-1に添付してございます。
報告の概要でございますが、23年度の途中でも経過報告をいただいておりますので、概要としましては、年度末という部分での報告を概要としてまとめさせていただいております。
課程修了時の評価方法について報告いただいておりますけれども、A課程では5課程、そして、B課程ではすべての課程で技術の評価が実施されていたというところでございました。
そして、それぞれの学生の修得状況につきましては、個人別に別添1-1にまとめてございますので、後ほどごらんいただければと思っております。
そして、課程修了時とは別に、修了後に筆記試験、それから、口頭試問を実施している課程もあったというところであります。
それから、修了生がすべての課程で出ているわけではないんですけれども、修了生がいるほとんどの課程でフォローアップが実施されておりまして、実技演習も含めた研修といったものが行われていたというところであります。
それから、5課程におきましては、平成23年度の医療現場での試行事業、業務試行事業に参加していただいている修了生がいる課程もございまして、それらについては、現場からのフィードバックというものを受けております。
その内容としましては、例えば、臨床推論の強化が必要という現場からのフィードバックを受けて、養成課程では、来年度から診断学入門を新規で開講あるいはシミュレーション演習を追加というようなフィードバックを受けた変更を行っているというところであります。
それから、生活習慣病に限らず、臨床で遭遇する患者の一般状態を把握できるフィジカルアセスメント能力が必要ということで、臨床薬理学、疾病管理学にそういった部分を強化するということですとか、医療現場での実践を通じて必要性を認識した医行為の教育を追加してほしいということで、末梢動脈血採血でありますとか、気管挿管といったものを治療学の中で強化するといったような報告をいただいております。
そして、臨地実習時のインシデント、アクシデントにつきましては、12月以降の発生の報告はなかったということで、概要をまとめております。
資料2をごらんください。こちらの方は、業務試行事業、医療現場でのトライアルの報告の概要でございます。
対象施設としましては、御参加いただいているすべてから御報告をいただいておりまして、25施設になっております。
各施設からの最終報告は、別添2-1にそれぞれお付けしてございます。
報告の概要でございますけれども、年度末ということで、プログラム実施体制がどうであったかと、全体の評価を出していただいております。
その中では、段階的なプログラムを組んでやっていただいたということで、実施施設内での体制を整えつつ、医行為の修得が進められていたということですとか、マニュアルの見直し、関連部署との調整等に予想以上に時間がかかったということで、プログラムの見直しを行った。
それから、対象看護師の修得状況を確認しながらプログラムを進めたということで、計画どおりにいかなかったものは、時間をかけて指導を行うといったようなスケジュールの見直しをしていただくというところであります。
23年度に到達できなかった部分については、24年度の計画に反映するといったようなことも評価として出されておりました。
それから、事業対象看護師の活動状況に対しまして、他職種から評価を出していただいているところであります。
担当医から診療活動における変化というのを出していただいておりますけれども、外来や病棟で処置等をタイムリーに実施できるようになったという評価ですとか、患者の待ち時間の短縮、老人保健施設において入所者を見る方向が1方向から2、3方向に増えたというような評価をいただいております。
患者さんの反応を、これは担当医から聞いていただいているところなんですけれども、対象看護師が訪問看護するということで、自宅で褥瘡処置を受けることができ、通院の時間や費用が軽減したということ。
それから、医師には言いにくい問題点、例えば、実は注射をスキップしていたといったことを率直に看護師に話せるということで、満足度や薬剤の服薬コンプライアンスの向上があったと。
そして、退院後の家庭環境等も勘案した創傷処置を実施するため、患者の不安解消となったというような評価でありました。
そして、他職種からでございますけれども、事業対象看護師からの情報提供によって、タイムリーな栄養サポートが可能になった。
それから、抗菌薬の選択や投与設計の際に、この対象看護師からの情報提供によって患者さんの状態に即した薬剤選択が可能となった。
それから、事業対象看護師の介入により注意すべき点等が明確となって、リハビリテーション計画が立てやすくなったといったような評価でありました。
(3)ですけれども、この1年間、23年度に業務試行事業をやっていただいた中で、それぞれ目指す役割を踏まえて、更に実施する必要があると考える業務行為について、それぞれ挙げていただいております。
行為としては、さまざまなものが挙げられているところでありますけれども、そのように考える理由というのを出していただいております。
それをまとめてみますと、老年期患者の慢性疾患の急性増悪に対応するために必要ということですとか、早期治癒、悪化予防につながるため、臨床推論を進める上で必要な検査である、あるいは在宅療養患者に必要な行為といったような理由で、更にさまざまな業務行為が必要ということで挙げられていたところであります。
そして、事業対象看護師が実施していた行為、業務の実施状況については、それぞれ別添2-2にまとめておりますので、後ほどごらんいただければと思っております。
(5)ですけれども、今回、事業対象看護師が当事者となるインシデントの報告が1施設よりございました。
具体的には、その次の資料、別紙と書いておりますものが、施設から提出をいただいております報告でございます。
別紙をごらんいただきまして、この事案は、インシデントでございますけれども、糖尿病の患者さんへの外来での対応の際に起きたというところでございまして、別紙の8のところをごらんいただきますと、どういった内容かというのが記載されておりますが、患者さんへの診察後、医師から指示を受け、オーダリング選択した際に、ディスポのインスリン製品と中身のみを入れ替えるインスリン製品との選択を間違えたと。プリントアウト後、医師にその場で指摘され修正して患者さんに渡したという出来事でありました。
裏をごらんいただきまして、この施設の中で、それぞれ報告をして、対応策というのを考えていただいているところでありますが、12番に発生後の改善策というのが記載されております。インスリン製剤の名称を声に出して確認、クリックする。そして、処方箋のプリントアウト後、患者名と薬剤の指差し確認後に、指導医に再確認してもらうというようなことで改善していくという御報告でございました。
資料2の先ほどの(5)にお戻りいただきまして、この御報告いただいた施設では、2つ目のポツに書いてございますが、医療安全管理委員会において、インシデント発生状況、そして、対応策の報告が行われていたところでございますが、その下に書いてございますように、この事業といたしましては、募集要項におきまして、インシデント発生後に、速やかに報告様式の提出を行っていただくということになっていますけれども、今回のケースでは、12月末に起きた事案を年度末に御報告いただいたということで、御報告が少し遅れたということでございました。
今後、速やかな報告様式を提出いただくように、平成24年度の業務試行事業実施をされる全施設に対しまして、こうしたことがないよう、注意喚起を行っていきたいと考えているところでございます。
業務試行事業、養成調査試行事業の御報告は、以上でございます。
○有賀座長 ありがとうございました。報告事項についてのことでございます。委員の先生方で確認したいことなどいかがでしょうか。
どうぞ。
○神野委員 報告事項ですのであれですけれども、まず、資料1の方の養成調査試行事業の方で、ちょっと確認ですけれども、修士課程はちゃんと修士論文を書いているんですね、当たり前ですが、今、大学院の先生もいらっしゃるけれども、大学院ですので、きちんと研究をして、論文を書くというのが大学院の使命だと思うんですけれども、修了時に、筆記試験、口頭試問を実施している課程があったというのが、上から3つ目の○にもありますけれども、まさか、これで終わっているんじゃないですねというのが確認事項であります。やはり、大学教育の在り方というか、4大の後の大学院でありますので、しかも、修士課程でありますので、そこは研究というもの、そして、研究に関しての論文というものを書くのが教育の在り方だと、こことはちょっとそぐわないかもしれませんけれども、教育の在り方として、それをきちんとやった上で、こういうことをやっていらっしゃるんですねということを確認させてください。
もう一点だけ、資料2でありますけれども、今度は現場の話でありますけれども、(2)で、例えば老健施設において、医師のみの1方向から2方向とか、患者の反応の服薬コンプライアンスが向上したとか、あるいは次のページの上の方にあります、リハビリテーション計画が立てやすくなった、これは、非常に主観的な話なんですけれども、これは、別にこの事業ではなくても、チーム医療の現場として当たり前にやる話だし、それから、老人保健施設は、ケアの現場ですので、看護師さんではなくても、これはケアワーカー、介護の方とか、ソーシャルワーカーがきちんとやるべき話であって、これをやったからよくなりましたと言われるのは、ちょっと違和感を覚えてしまうんです。それから、服薬コンプライアンスの話も、これも今までの普通の看護師さんがやっていらっしゃって、ごくごく普通の現場の世界だと思うんだけれども、これを今、ここでこのお考えだと言われると、ここもちょっと違和感を覚えてしまいます。
以上です。
○有賀座長 2つ質問があると思うんです。後半は現場の違和感で、前半は大学院教育という話になりますが、これは、事務局で把握されているんでしょうか。
○島田看護サービス推進官 それぞれAは2年間の大学院修士課程で御参加いただいているんですけれども、今回、御報告いただいておりますのは、この事業としてという部分で御報告をいただいているので、大学院の修了要件としてどういったことをされているのかということは、厚生労働省には御報告をいただいていないところなので、もしかしますと、ここは文部科学省の専門官の方がよく御存じかもわかりませんけれども、報告の中には、大学院修了要件という形の評価がどうだったかということはお聞きをしておりません。
もう一つの御質問の方ですけれども、確かに看護師が関わることで、こういったような患者さんからの反応など、あるいはチームとしての反応といったものが、通常あるものとそんなに変わりがないのかもわからないんですが、別添2-1で、それぞれ参加していらっしゃる病院からお出しいただいている資料の中で、84ページをごらんいただけますでしょうか。細かい字で恐縮でございますけれども、ある病院からの御報告をいただいているところで、84の上の方から3つ目の(2)のところに、担当医から患者さんからどのような反応があったということで幾つか書いてございますけれども、これは、医師が回答されている部分ですが、これらの反応は、看護師の指導に対する一般な感想でもあるが、その程度が強く事業対象看護師に対する信頼度の強さが伺われるといったような御報告もいただいているところではございます。
以上でございます。
○有賀座長 2つの質問の前者は、今日のこの場での議論に直接的に関わるかどうかはわかりませんけれども、一般的な話としては、全体の景色を鑑みその中で定着させて話を展開していくには大事な話だと思うので、大学院のことが真正面からおわかりになる方が何人もおられると思います。ちょっとお答えいただけますか、お願いします。だれでもいいです。
○石橋専門官 文部科学省の石橋でございます。大学院教育の在り方につきましては、現状の制度の上では、専攻分離をいたしましてから、修士課程ですと、あと2年間を後追いして、その教育内容を確認するという制度になっております。
ですので、今回、申請いただいている大学院を見ますと、かなり歴史もあるところが多いのと、あと、少し新しいところがございますが、現状のところでは、大学院の主体性に、今、お任せしているというのが現状でして、こちらの事業を基に、ここに確認していくという手段しか、今のところはないのではというふうに感じております。
○有賀座長 修士論文は、いつごろ書くことになるんですか。
○石橋専門官 通常は、2年間のコースですと、初年度から修士論文のテーマを決め、そして、こういった事業に参加しながら、多くのところでは、こういった場合、課題研究というような研究のタイプをされると思うんですけれども、こういった患者さんに向かう中で、何を学んできたかというところを課題として取り上げ、それを研究していくという課程が多いように、印象を持っております。
○有賀座長 論文そのものは、一般的には、どのようなところで発表されていくことになるんですか。
○石橋専門官 通常ですと、通常の後に学会発表というところがございます。
あとは、修士論文の発表会を、今は公表するというようなことを推進しておりますので、そういった各大学ごとに発表会などを設けて公開しているところもございます。
○有賀座長 どうぞ。
○神野委員 あとのカリキュラムと関係してくると思うんですけれども、余りカリキュラムががちがちになったら、本来の大学院の、調べて研究して論文を書くという、そして、それを公にするという大学院の役割というのは、何か職業訓練大学院になってしまうんではないかという、ちょっと危惧をしてしまったので、質問させていただきました。
○有賀座長 あとは、よろしゅうございますか。
どうぞ。
○川上委員 資料2の別紙のインシデントの件ですけれども、資料を拝見して、すごく違和感があります。例えば別紙の1ページ目の下。これは処方箋ですね、「プリントアウト後、医師にその場で指摘され修正し患者に渡した。」でも、本来、処方するのは医師であるので、医師が指摘して、看護師が修正して、ただ、患者に渡しているのか。あるいは、裏の2ページ目を見ていただいても、例えば、発生後の改善策でも、「処方箋のプリントアウト後に指導医に再確認してもらう」と。本来、処方箋を責任持って発行するのは医師なので、何か、医師でない人が処方を発行することが常態化しているような感じが、この書きぶりからは見えるんです。これが果たして正しい処方の在り方なのか疑問に思うんですが、事務局は、いかがでしょうか。
○島田看護サービス推進官 これは、御報告いただいているままを掲載しておりますので、少し言葉が足りない部分があるのかもわかりませんが、少し先になりますけれども、参考資料の5で、前回、薬剤に関する行為の分類の考え方というのをフローでお示しをしておりますけれども、前回も行為分類のところでありましたように、処方提案なり、あるいはここの場合は、医師が指示をした内容をオーダリングで選択するという部分を看護師が担っているという流れのようですので、処方提案というよりも、医師が処方をした指示に基づいて、処方箋を発行するというプロセスにおけるものであったのかなとも考えておりますけれども。
○有賀座長 これは、本当に困ることがありそうなら、現場に行って見てくるのが一番いいと、私は思います。医師から指示を受けて、オーダリングで選択したという6番のところで、全体としての調和の取れた医療プロセスが存在しているんだろうなと、私は思いますけれども。
○川上委員 原則として、処方医本人の記名と押印、または署名が必要なので、そのプロセスの中で、本当にこんなやり方でいいのかなと疑問を感じた次第です。
○有賀座長 多分、最終的には、主治医なりが、有賀の「有」の字を書くのか、有賀と書くのか、または有賀という判こをつくるのか知りませんけれども、そういうようなプロセスが、多分、介在しているとは思いますが・・・。
どうぞ。
○島田看護サービス推進官 座長、おっしゃるように、後ろに、その8の上のところに、指導医の状況というのが書いてありますけれども、すぐ後ろにいてということで、まさに指示に従って、プリントアウトしたものを主治医が確認をした上で、患者さんに渡しているというプロセスになっているという御報告でありました。
○有賀座長 大学によってというか、医療機関によっては、薬剤師さんそのものが医師の代行をしているかのような、そういうふうなトライアルもあると聞いていますので、金科玉条的に医師とか薬剤師がというふうなこととは、少し違うような形での現場の、言わばアメーバ的な局面は起こっているんだろうなと思います。
私が、むしろ違和感があるのは、これは、もともとの厚労省のルールがそうだと言えば、それでいいんですけれども、各医療施設においては、インシデントであれ、アクシデントであれ、それが起こったときに、それを自分らの組織として情報を集積するなり、情報を分析するなりして、自分らの施設として、医療安全を全うしていこうという、そういうふうなプロセスがあるわけで、そのプロセスがある。どのくらい十分かどうかは別にしても、そのプロセスがこの医療機関にはあって、それが、一定の水準で作動しているというようなことが、これでわかるわけですね。
そのことの報告が年度末に来てしまったというようなことについて言うと、医療機関側にすれば、そういうような、作動するようなプロセスそのものは、日常の業務の一環として起こっているので、いついつまでに報告するというふうなことに、無理に忠実にならなくても、現場としては困っていなかったんだろうなと思う次第なんです。
ですから、ルールをすぐに教えて、なのですぐだというのは、いいんですけれども、すぐだ、すぐだと言っても、恐らく医療安全の会議は、月に1回くらいのペースでやられていると思うので、その医療安全の会議を経た後に教えてねというのでも、すぐにということで理解してもいいんじゃないかなと思います。そこら辺は、すぐにと言ったときに、結果の重大性にかんがみて、次の日に教えろという言い方は、私はあってもいいとは思うんですけれども、病院そのものの医療安全に関するメカニズムがきちんと作動しているということが確認できれば、そんなにすぐじゃなくてもいいんではないかという気も少ししました。
○星委員 今のところにちょっと関連したものが1つと、それ以外のものに2つあるんですが、1つ目は、本当にこの一例だけなのかなという思いを持っています。このくらいのことが、これだけの反省をもって提出してくる病院がある一方で、似たようなことがあるのに出してきていないところもあるんではないかなと、これは疑いの目を向ければきりがないのですけれども、このくらいのことというのは、1年間何かやれば、普通の看護師さんが、1年間仕事をすれば、2つや3つ経験すること、この試行事業にしている看護師さんたちが、1回もこの手の経験をせずに1年間過ごしたとは到底思えないので、だとすれば、やはり今、有賀座長がおっしゃったように、そのフィードバックする仕組みがあるんだということを確認するためにも、やはり前広に出してもらう、つまり、このくらいのものも出してもらうんだというメッセージをもっと施設側に伝えて出してもらうようなことをした方が、むしろ、つまり、何かが起きたから大変じゃないかというようなことではなくて、むしろ、その安全装置が働いているということをみんなが確認できるという意味でも、私は意味があることだろうと思うので、ゼロレベルを出すかどうかは別として、それは、強く試行事業をしているところには話をしてほしいと思います。
それから、資料1、資料2全体を見て、自分たちが評価しているから、手前みそに当然なるんだろうと思うんです。しかし、自分たちがやったことについていいことしか書いてこないというのは、どうも何だか信用できないなというような思いがあります。勿論、いいことをやろうと思ってやられているんでしょう。
一部、唯一あるのは、こういう技術については、こういうフィードバックをかけないとだめだったら、もうちょっとやろうねという意味での反省が教育の課程にあるのは、唯一の救いのような気がしますけれども、それにしても、全体の書きぶり、先ほどの1方向が2方向になった、3方向になったという、何だかよくわからない情緒的表現を含めて、彼らの思いなんでしょうけれども、それを、このまとめの中に情緒的なまま書いてあるという、この厚生労働省の何となく恣意的なまとめにも違和感があります。
ですから、もっとネガティブなことを含めて、しっかりと書いた報告書を見た上で、この事業の評価に対しては、やはりもう少し冷静にするべきだろうと、私は思います。
更に、別添1-2というところに技術評価をした、それで、だれが何をやったかということが書いてあるんですね。ここら辺の細かなところが、私どもにはわからないんです。つまり、どんなふうに準備をして、どんなシミュレーションでやったのか何だかよくわかりませんが、それが、どういうふうにチェックして、この4つの分類にされているのかというのは、定量的に、かつそれぞれの施設が共通の軸でやっているのかどうかというのが1点です。
もう一つは、これは、結局、20人とか12人とか7人とかいて、実際に評価を受けた人間は、1人とか7人とか、いろいろばらばらですね。つまり、すべての人に、すべての行為の評価が行われているわけではないわけですが、これは、だれがどうやって選んで、どういうふうに、実際にはやったけれども、評価をしなかったのか、あるいはそもそもそういう行為の修得のためのプロセスを経なかったのか、その辺はどうなっているんですかね、今後、その行為を羅列していくかどうかということを含めてやるとすれば、2年間でここに書いてある行為を全部できるようになるとは、私は到底思えないので、実際に2年間でどんなふうに割り付けがされて、どんなふうに人、例えば、Aさんという人には、こういう行為というのをだれが割り付けて、どうやって教育をして、だれがどういうふうに評価しているのかというのを、多分、分厚い報告書を見ればわかるのかもしれませんが、わかっていたら、教えてください。
○島田看護サービス推進官 別添1-2のそれぞれの課程での修了者への評価の部分ですけれども、この到達度については、かなり定性的なものではありますけれども、こちらでお示ししたこのレベルを、それぞれの養成課程で、それぞれ解釈をしていただいて評価をしたというところでありまして、それぞれの実習、演習での指導者、多くは医師だと思いますけれども、そこでの指導者が評価をした結果となっています。
養成課程で、いずれもそこでどういう人を養成したいのかというようなところが、それぞれ定めてカリキュラムを組んでいただいていますので、この行為を選択したのは、養成課程の方で、それに基づいて教育目標を立てる中で、こういった行為を学ぶという形で選択をされた行為が実習、演習されているという結果となっております。
○星委員 そうじゃなくて、この20人なら20人が全員このチェックを受けていないわけですね。例えば、19ページでも20ページでもいいんだけれども、そこに全員がやっていれば、項目として選んでいるのはいいんですけれども、多分、20人の人のうち1人しかやっていないというのもあるわけですね。これは、どういうふうにして選んでいるのかというのを、だれがどうやって選んでいるのかというのを教えてほしいという意味です。
○島田看護サービス推進官 その実施した行為が、どの場面で実施されたかによって、だれが実施するかというのは異なっているところがあって、というのは、実習先で、それを指導されたということで実施できたという学生もいれば、そういう実習場面がなくて実施できていないという学生もいたという結果と承知しております。
○星委員 今後の議論の中でもとても重要だと思うので、一応、こういう養成試行事業をやりますよといったときに、それぞれの課程が、それぞれの目的に合った医行為を選んで、こういうものを修得させたいと思いますといって挙げてきていますが、そのうち、必修としているものと、そうではないものとに分けているんですか、そして、ミニマムリクァイアメントについては、何らかの形でチェックをするようなことに、それぞれの課程は、構造上なっているんですか、その行った先でたまたま経験できたから評価を受けましたと、行った先で、これはたまたまできなかったから評価しませんでしたという話の積み上げがこれだとすると、何だ、大丈夫かなという気になるんですけれども、そうではないのなら、そうではないというふうにわかるように説明してください。
○島田看護サービス推進官 今回の報告では、どれを学生すべてがやる項目としているかという、その区別を報告いただいていないので、今、星委員から御質問があった内容については、今の時点で事務局では把握をしておりません。
○星委員 このことは、今後、例えば、カリキュラムを考えていきましょうとか、どういう行為を、どれをBにするとか、Aとするということとは別に、カリキュラムの構造を考えていくときに、医行為、例えば内容として列挙するんだとすれば、それは、それなりの覚悟と証拠が必要だと思うんです。その覚悟と証拠がないままに、今、試行事業をしているとすると、次のプログラムに移行するときに、もう一回やり直さなければいけなくなる可能性があって、私は、時間がかかれば、かかる方がいいと思っていますので、それはそれで何年やっていただいても結構ですが、そうではなくて、本当にこの議論を前に進めることに意義があるんだとすれば、やはり、この人たちが今回やってみたことのうちで、これはミニマム、最低限やれるようになっておくべき基本事項だというようなものに、少なくともこの課程に関わった人たちが気づいたのか、あるいは場当たり的に、とりあえず、やれることからやって、それを評価してもらったということなのかでは、大きく意味が違うんだと思います。これから、どういうふうに組み立てをしていくのかというときの、とても大事な入口だと思うので、もし、大学院側なり、教育施設側がそういうことに気づいていないんだとすれば、それは是非とも考えてもらって、そのことに対する考え方を各施設なり各学校から聞いていただく必要があると思いますが、いかがですか。
○島田看護サービス推進官 今の時点で、先ほど申し上げたように、把握をしておりませんので、大学院なり、それぞれ参加していただいている課程から聞くということは、今後、可能かと思っております。
○有賀座長 星先生、臨床研修医のリクァイアメントと、その評価というふうなことは、一定のルールで行われているということになりますので、それを真似すれば、真似すればといっても、そのまま真似するとは思いませんが、仕組みそのものを真似していくということは、このトライアルの次の段階としては、十分に考えないといけないだろうというふうなことになりそうだという発言ですね。
ということで、御報告に関する、そういう意味での積極的な御意見も含めて、どうぞ。
○大滝委員 1つだけ確認させていただきたいのですが、養成調査試行事業の別添1-1、1-2を拝見すると、報告書の項目の中には、学習した人からの評価、つまりプログラムに対する評価とか、指導者に対する評価というのは、正式な項目としては入っていなかったということでよろしいですか。
○島田看護サービス推進官 今回は、お聞きしていません。
○大滝委員 わかりました。以上です。
○有賀座長 大滝先生がおっしゃったのは、やはり仕組みとしてきちんとつくっていく、そのプロセスについては、やはりそういうふうな多面的な意味での評価の軸がないと、よい仕組みへ向かって進化するのは難しいだろうと、そういう話ですね。
○大滝委員 医師の臨床研修と全く同じではないとは思いますが医師の臨床研修では、例えば、全国の大体6割くらいが参加している、エポックというオンラインの評価システムがあります。そこでは、研修医からプログラムに対する評価、指導医に対する評価、それほど細かいものではないですが、評価がありまして、それが、プログラムの問題点を指摘するのに徐々に役立つようになってきています。今後、そういった仕組みを考えていくことは大事だろうと思います。
以上です。
○有賀座長 エポックを使っていない臨床研修病院についても、第三者的な評価というふうな仕組みで病院に伺うと、今、先生がおっしゃったようなことを、エポックを使うなら使うなりに、使っていないなら使っていないなりにさまざまやっていますので、そういう意味では、そのまま真似るかどうかは別にしても、社会的な仕組みを構築していく上では、十分に参考になるんだろうなと、そういうふうな御意見だと思います。
御報告については、そのようなことで、先に進みたいと思います。もう既に御報告を受けた中から問題点の指摘などがありますので、全体としては関係してくることは、どうやら当たり前と。
では、本格的な議題の、まず、1番が特定行為についてということです。こちらも、まず、事務局から説明してください。
○島田看護サービス推進官 それでは、説明させていただきます。少し関係する資料が多うございますけれども、説明させていただきます。
まず、資料3でございます。
こちらの方は、前回、医行為分類の案を事務局から示させていただきまして、その後、委員の先生方から御意見をいただいたものをおまとめしております。
個別にいただいた御意見につきましては、資料4の医行為分類の検討のたたき台一覧の右側の欄に委員からいただいた御意見をお示ししております。
いただいた御意見の中で、類型化できるものを資料3の方におまとめしておりまして、それに対しまして、現在、分類する際には、どういった考え方で整理を行ったかということを整理させていただいております。
まず、資料3をごらんいただく際に、参考資料の5と参考資料の6、先ほどごらんいただきました薬剤に関する行為の分類の考え方の案、それから、検査に関する行為の分類の考え方についての案も併せてごらんいただければと思っております。
資料3でございますけれども、まず、1つ目の御意見の類型化したものでございますが、判断、選択、実施の決定は医師が行うべきという御意見をいただきました。
それにつきましては、例えば、該当しますものが、行為の例として、62、人工呼吸器モードの設定・変更の判断・実施というものが判断というところに該当しますけれども、この場合、どういうふうに考え方で使ったかということでございますが、医師から患者の病態の変化を予測した指示があった場合に、その変化の範囲内で指示を実施する最良のタイミングや必要性を判断して実施につなげるという意味で使っているというところであります。
その下の選択あるいは実施の決定というところですけれども、ここに該当する行為としては、8番、手術前の検査の実施の決定というものがありますが、この場合、プロトコール等に基づいて医師から指示があった場合に、患者情報に基づいて、標準的な内容から必要な項目を選択、そして、患者ごとに実施する内容を具体的に決定するという意味で使っているというところであります。
そして、実施の決定につきましては、例えば、TDMの実施の決定というふうに使われておりますけれども、治療効果についての評価をするために、患者情報等から医師の指示内容を実施する最良のタイミングを判断、実施することを決定というふうに使っていると、こういうようなことで使っております。
次の意見として、一次的評価の意味がわからない。結果を評価しというのは、まさに診断ではないかという御意見をいただいていますが、それに関しましては、一次的評価という場合には、この検査結果から医師が診断するための検査項目の追加、処置の緊急性といったものを把握して医師に報告するという意味で評価と使っていましたり、あるいは簡易検査の場合には、その結果を定性的に評価できる、例えば、インフルエンザの感染症検査の結果の評価といった場合には、その判断に際しての裁量性はほとんどないというようなことで、評価というものを、ここでは使っているというところであります。
3番目が中止の判断を医師がすべきとございますけれども、これもあらかじめ指示として示された上で判断するということで、酸素投与量の中止の判断というようなことを使っている。
4つ目でございますけれども、こちらは、行為例としては、抜糸・抜鉤に対する御意見ですが、縫合部位、縫合方法で難易度が変わるのではないかという御意見でございますが、これに関しましては、そういった難易度が変わるという部分がありましたら、そういったものを除いて対象部位、それから、創部を限定するといったことで考えられるのではないかということで整理をしています。
5番ですけれども、危険な行為であり、医師が行うべきという御意見も幾つかの行為についていただいています。
例えば、96、大動脈バルーンパンピングチューブの抜去というものを御指摘いただいておりますけれども、難易度につきましては、この先、ワーキンググループで案をお示しいただきました後に、先日も御説明いたしましたように、関係学会等に意見募集をして、御意見をいただくことにしておりますので、そういった御意見を踏まえて、更に検討していってはどうかと考えております。
6番ですが、例えば、経口・経鼻挿管の実施などの行為については、絶対医行為のAに分類される行為ではないかと御指摘いただいている行為がございますが、この60の経口・経鼻挿管の実施につきましては、救急救命士の業務として診療の補助ということで位置づけられているところでございますし、それから、137につきましては、臨床工学技士の業ということで、法令上、診療の補助ということで位置づけられているものがございます。
7でございます。Eと分類された行為について、まさに看護師の業務なのでCに分類されるのではないかというところで、例としては129、術前サマリーの作成といったものを御指摘いただいておりますが、これに関しましては、資料6で考え方を整理させていただいておりますので、資料6をごらんいただければと思います。
前回のワーキングでも、E、医行為ではないというふうに分類された行為についての考え方について御意見をいただいたところでございますが、そのEも含めて、医師も含めた医療関係職種が実施する業務についての、行為についての類型をした資料が6でございます。
医療関係職種の業務には、3つの行為類型が含まれているのではないかとまとめておりまして、まず、1つ目が、行為自体が身体に危害を及ぼすおそれがあるということで、法令上、医行為、診療の補助として業務独占の対象とされているということで、無資格者が実施した場合には、資格法上、刑事責任を問われる可能性がある行為であると。
表の方をごらんいただきまして、行為の特性といたしましては、医師の医学的判断をもってするのでなければ、人体に危害を及ぼし、または、危害を及ぼすおそれのある行為ということで、医行為が該当します。
それから、医師が自ら行うか、医師の指示の下に看護師等が実施するということで、診療の補助というものが該当するということで、今回の分類としては、AからC、一部はDというふうに分類されておりますけれども、そういったものが該当するというところかと考えています。
2ですけれども、2からがEになりますが、法令上、医行為、診療の補助としての業務独占はないが、専門的な教育を受けた者でなければ実施が困難な行為、行為の特性としては、患者に対する医行為の実施等につなぐ行為ということで、例えば、下の例にありますように、薬の提案というようなものがこれに該当するかと思いますが、それと、患者に対する医行為と、患者の療養生活の間に位置づけられる行為、例えば、病状等の経過補足説明ですとか、患者教育といったようなものが、これに該当するのではないかと考えられますが、これについては、専門的な知識が必要ということで、これを実施する際には、専門的教育が必要ということで、カリキュラムには盛り込む必要がある内容ではないかというふうに整理をしています。
3でございますけれども、こちらの方は、法令上の業務独占はないと、更には、専門的な教育を受けていなくても実施可能な行為というのが該当するのではないかということで、例としては、書類の代行作成といったようなものがあるのではないかと考えておりますが、今回、分類の対象としております203行為につきましては、そもそも調査をする際に、看護師が実施しているであろうという想定で項目を抽出していただいて調査していただいていますので、そういう意味では、3は、今回の分類上は出てこないのではないかと考えているところでございます。
この1から3についての行為実施者の責任について、一番下にまとめております。まず、1の医行為あるいは診療の補助についてでございますけれども、無資格者が実施した場合には、資格法上、刑事責任を問われる可能性がある。
それから、医療関係職種でありましても、この法令の範囲内で実施した場合、何か過去があれば、刑事、民事、一般法に基づいて責任を問われる可能性があるというものでございます。
2、3につきましては、これは、実施者は資格の有無に関わらず、刑事、民事、一般法に基づいて責任を問われる可能性があるということと、2につきましては、この2に該当する一部として、療養上の世話という看護師の独占業務というのが、ここに位置づけられるということになりますので、看護師または準看護師の資格を有しない者が実施した場合には、資格法上、刑事責任を問われる可能性があるだろうというような形で整理をしているところでございます。
先ほどの資料3の方で、7の御意見でございました、まさに看護師の業務なのでCに分類されるのではないかという御指摘でございますけれども、ただいま資料6でお示ししました分類の考え方で申しますと、2の医行為ではないEというふうに分類されますけれども、専門的な教育を実施する上では必要だというようなものとして位置づけられるものではないかと整理をしております。
続きまして、資料4をごらんいただきたいと思います。
資料4は、行為の一覧に委員からの御意見を右側にお付けしたものでございまして、多くの御意見は、今、申し上げた類型化されているところでございますけれども、幾つか、それぞれの項目についての御意見がございましたので、前回のワーキング以降にいただいた御意見をごらんいただきたいと思います。
まず、3ページの行為番号の14でございます。IVR時の動脈穿刺、カテーテル挿入・抜去の一部実施でございますけれども、ここで、委員からの御意見として、一部実施の範囲を決めた方がいいのではないかという御意見をいただいております。
9ページの55、ACT(活性化凝固時間)測定実施の決定でございますけれども、新たにいただいた御意見としては、標準的場面の患者の病態特定が難しい。在宅など慢性期であれば分かりやすいが、限りなくB2に近づくのではないかという御意見をいただいております。
それから、33ページの186番でございます。がんの転移、浸潤に伴う苦痛症状のための薬剤の選択と評価の項目でございますが、こちらに関しまして御意見をいただいております。項目自体の見直し(分割)が必要ではないかということと、下から4行目の辺りですけれども、麻薬や向精神薬の取扱いについては、薬事的な手順を考慮する必要があるといった御意見をいただいております。
そして、35ページでございます。194番、在宅で終末期ケアを実施してきた患者の死亡確認でありますけれども、新たにいただいている御意見としては、一番下にあります、死亡の確認は非常に重い責任を持って行うべきことであるが、死亡を診断するものではないことからCで良いという御意見をいただいております。
更に、資料4につきましては、前回御議論いただきました点を踏まえまして、一部項目の修正案をお示ししております。
8ページをごらんください。8ページの45の血流評価検査でございますが、これら3つ、ABI以下示されておりますけれども、御意見として、分けないと、難易度が違うのではないかという御意見でございましたので、2つの項目に分けております。修正案をお示ししております。
12ページでございます。69、70に壊死組織のデブリードマンと電気凝固メスによる止血というのがございましたが、そのデブリードマンの実施方法によっても難易度が違うということと、この場合の止血は、デブリードマンに伴うものなので、この項目を統合、更には一部意味を明確化してはどうかという御意見で、今、2つに再編成しております。
69のところに書いてございます修正案が、褥瘡の壊死組織の外科的デブリードマンおよび電気凝固メスによる止血、そして、褥瘡の壊死組織のシャープデブリードマンおよび電気凝固メスによる止血という形で、行為の修正案をお示ししております。
その下の71でございますけれども、これも方法によって難易度が異なるという御意見をいただきましたので、ニッパーを用いた処置、ワイヤーを用いた処置、この2つに分割しております。
18ページの109、110、それから112についてでございますけれども、胃ろう、腸ろうのチューブ抜去と、そして、チューブボタンの交換の部分でございますが、これらについては、再編成した方がいいのではないかということで、御意見をいただいておりまして、この修正案では、少しわかりにくいかもしれませんので、資料4の別添4-1というのをお配りしておりますけれども、縦の資料でございますが、1枚目をごらんいただきたいと思います。
今、申し上げました3つの項目について再編成いたしまして、下の方でございますけれども、胃ろう・腸ろうの管理という項目と、胃ろう・腸ろうチューブ、胃ろうボタンの交換という形で行為名を修正してはどうかという案を示しております。
更には、別添4-1の後ろの方には、それぞれ、今、再編成をして提案いたしました行為ごとの検討シートをお付けしているところでございます。
続きまして、行為につきましては、一続きでございますので、更に説明をさせていただきます。
資料5をごらんください。資料5は、203行為以外の行為について分類をさせていただいた案となっております。203行為以外につきましては、今回、参考資料の2で示しております行為分類の案の素案のところで、検討の対象とする行為というところで203項目と、それから、養成調査試行事業、業務試行事業で実施する行為について検討するというような形になっておりましたので、今回、養成調査試行事業で実施された行為のうち、修了生が業務試行事業に参加している過程で実施された行為について、203項目以外を抽出して分類案をお示ししました。
5項目ございまして、1つ目が、熱傷の壊死組織のデブリードマン、2つ目、腐骨除去、3つ目、エスマルヒ、タニケットによる止血処置の実施、4つ目、血管結紮による止血、5つ目、薬剤の選択・使用、臨時薬ということで、抗けいれん剤(成人)という項目について追加して分類案をお示ししております。
更に、もう一点御説明させていただきます。資料7でございます。今回、分類しております行為のうち、Bの行為に該当する行為を一般看護師、認証を受けない看護師が実施していただく際には、具体的指示の下に実施していただくというのが、制度の骨子案として示されていたところでございます。
そういう関係から指示についての整理をさせていただいているのが、資料7でございます。
まず、上の方に、なぜ、この指示というものが必要になるのかという根拠が示されておりますけれども、まず、上の方にありますように、医行為は、医師の医学的判断、技術をもってするのでなければ、人体に危害を及ぼし、また、危害を及ぼすおそれのある行為とされておりますけれども、それを自身の判断により実施することができるのは、医師に限定されていると。
しかしながら、看護師も教育を受けているということから、診療の補助という形で、医師の医学的判断を前提として実施することができるとされております。
その下にございます、指示が成立する前提条件ということで、平成22年の3月に出されました、チーム医療の推進に関する検討会の報告の中で、こういった4つの条件があることが指示として成立するという条件が示されております。
これを踏まえまして、指示の中に、具体的指示との包括的指示、どういうふうな関係であるかと関係性を示したのが、その下の図になっておりますけれども、まず、医師の指示という大きな枠がありまして、その中に、具体的指示というものが位置づいているということで、どういうものかといいますと、医行為を実施する際に伴うさまざまな判断(実施の適否や実施方法等)について、看護師が裁量的に行う必要がないよう、できるだけ詳細な内容をもって行われる指示というのが、具体的指示。
それ以外のものが包括的指示というふうに位置づけられるのではないかということで、看護師が患者の状態に応じて柔軟に対応できるよう、医師が患者の病態の変化を予測し、その範囲内で看護師が実施すべき行為について一括して示したものが、包括的指示であると整理できるのではないかと考えております。
その下に、1から4の条件ごとに、どのような条件の例があるのかというのをお示ししておりますけれども、裏に具体的には、どのような具体的指示というものがあるのかというイメージをそれぞれお付けしておりますので、ごらんいただきたいと思いますけれども、上の方に、発熱時の指示の例というのがございますが、その上に書いてございますように、先ほど見ていただきました指示の要件というものを前提としまして、看護師が診療の補助を行う場合に、患者の状態等を把握して指示された行為を実施する適否と実施の時期、そして、指示された行為から、どの行為を選択して実施するかについての判断の裁量性の程度によって、包括的指示と具体的指示に分類されるのではないかということで提案をさせていただいております。
では、どのようなものかという例を下にお示ししておりますけれども、具体的指示としましては、発熱時の場合を考えますと、下の方の囲みに書いてございますが、Aさんという患者さんに発熱を認めた場合、看護師が主治医へ患者さんの体温、それから、その他のバイタルサイン等を報告すると。
そして、その報告を受けた医師が自ら判断して、A氏に対して、直ちにボルタレン座薬25mgを挿肛というふうに指示を受け、そして、直ちにという指示ですので、看護師は、この内容を実施するというのが、具体的指示ではないかと整理しております。
一方、包括的指示の例を幾つか挙げてございますけれども、例えば、一番上にありますように、38℃以上の発熱時、ボルタレン座薬25mg挿肛ということで、このAさんに対する指示ということで出ておりました場合には、こうした症状を看護師が認めた場合には、このボルタレン座薬25mg挿肛というのを実施して、その上で医師に報告をするということで、包括的指示を受けて実施するというようなことになるのではないかという整理をしております。
下には、褥瘡の例がございますので、そこは、御参考までにごらんいただければと思っております。
医行為の分類に関しての議論に関連する資料といたしまして、参考資料につきましても、若干触れさせていただきたいと思っております。
参考資料1でございます。「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」という資料でございまして、これは、前回、平成22年に出されたチーム医療の推進の通知で示された内容が、今回の医行為の分類とのそごがないのかというような御質問をいただきまして、それを受けまして、この通知の内容について整理した資料が参考資料1となっております。
この通知の中では、幾つかの職種についての、さらなるこういった業務をしていただくとよいのではないかというようなことが示されておりますが、例えば、薬剤師につきましては、現行の制度下において実施できるということから、積極的な活用が望まれる業務ということで幾つか示されておりまして、1つ目が、薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダーについて、医師と協働して実施するということですとか、2つ目にありますように、積極的に処方を提案するということ。それから、3つ目にあります薬学的管理、副作用の状態の把握、服薬指導といったことを行うこと。4つ目にあります調剤という部分について、積極的な活用が望まれるということで示されております。
上に書いてございます、3つの点につきましては、今回の医行為分類では、Eということで、先ほどの資料6の分類で見ますと、Eの2の真ん中に当たる部分かと思いますけれども、そういった部分に該当しますので、薬剤師であっても実施していただけるということで整理できるかと考えております。
そして、管理栄養士につきましても、ここには4つほど○がございますが、食事内容の形態の決定変更ですとか、それから、食事内容の提案、それから、栄養指導、経腸栄養剤の種類の選択や変更等の提案というものがございますが、これらもEに位置づくのではないかと。
更には、右下にございます、診療放射線技師につきましては、こちらも現行制度下において積極的な活用が望まれるという業務といたしまして、読影の補助ですとか、検査に関する説明・相談を行うということで、これらについてもEに位置づいているというものであります。
今回、この分類に関しては、直接の関係はないかもわかりませんが、リハビリテーション関係職種、そして、臨床工学技士に関しましても、通知の中で触れられておりまして、それぞれ理学療法、それから生命維持管理装置の操作という、診療の補助に位置づけられる業務につきまして、追加的にこういったものが含まれるという形で解釈を出したというのが、この通知で示した内容になっております。
ほかに参考資料は、今回、御議論いただく際にごらんいただければと思っておりますが、少し変更があった参考資料がございますので、それについて少し触れさせていただきます。
参考資料3の「医行為分類における看護師が行う医行為の範囲について」のイメージでございますけれども、これに関しましては、何回か御議論いただいているところでありますが、前回の会議、ワーキングの際に、縦の軸の技術的な難易度の上から2つ目のレベルについて、臨床研修医が実施可能なレベルというふうにしておりましたけれども、そうしますと、B1に含まれる行為も該当するのではないかということで御指摘がございましたので、現時点の案としましては、医師のみが実施可能なレベルということで、B1とAの境目を表現してはどうかという案を修正案ということでお示しをしております。
先ほど、ごらんいただいております、参考資料5の薬剤に関する医行為の分類の考え方についてでございますけれども、こちらについても修正をしております。
処方には、分量、用法、用量というのも含まれているという御指摘がございましたので、それらを変更する際には、処方提案という流れになるということが明確になりますように、真ん中のところに記載しております部分に、分量、用法、用量の変更が必要ということで、文言を追加しているところでございます。
更に、参考資料7でございますけれども、こちらの方は、チーム医療推進会議というのが6月13日に開催されまして、その際に、この特定行為についても御議論いただきましたので、御意見を参考までにお付けしてございます。御議論の際に、御参照いただければと思っております。
説明が長くなりましたが、以上でございます。
○有賀座長 どうもありがとうございました。たくさんの紙がありますので、大変だと思いますけれども、とりあえずのテーマは、特定行為についてということになります。
委員の先生方、どうぞ。
○英委員 この資料7で、医師の指示の在り方というのが、かなり明確に示されたお陰で、包括的な指示、それから具体的な指示というのは、どういう位置づけなのかというのが、私は初めて明確に理解できたのかなと思って、今まで褥瘡全般をお願いしますねというのが包括的な指示で、もう少し薬の具体的なとか、処置の具体的な方法を言うのが、具体的な指示だと、私は勘違いしていたんですけれども、そうではなくて、既に指示全体がこれだけの対応患者の範囲が明確にされて、病態の変化が明確にされて、また、それぞれの処置内容等々あるいは実施するタイミング等々が明確にされているのが包括的な指示で、更に、その事象が起こったときに、例えば看護師さんから連絡を受けて、医師がやってくださいというのが、これが具体的な指示というふうな理解でよろしいのかというのが、まず、第1点。
この場合、例えば、電話での連絡であったりとか、あるいは本当に対面的な連絡でないとまずいのかというのは、法的に何か明記されているかどうかを確認したいということが1点。
あと、現実的に、我々の現場で、卑近な話で大変恐縮なんですけれども、例えば、患者さんがずっと在宅でケアを受けていて、ターミナルケアに近いようなケアを受けていて、それで長いこと関わっている看護師さんさがいろいろ言ってくれて、患者さんの死亡を判断する、要するにお亡くなりになっていると、多分、御家族の方も十分納得されているといった場合に、例えば、今までだったら、ほとんどの場合は、一応、医師に電話があって、主治医に電話があって、そういうことだったら、今まで継続している点滴を抜いてください。あるいは、尿道カテーテルを抜いてください。それで、実際に死後の処置をしていただいた上で、ちょっと遅ればせながらという形になってしまいますけれども、私が、数時間後、等々に行って、死亡診断すると。
こういった場合、例えば、実際に電話を受けているわけですから、そうした場合には、具体的な指示、つまり、こういう事象が起こった場合に、包括的な指示が出ていたときに、今、患者さんにこういう状態が起こっていますということを連絡受けて、私が、それに基づいて処置を開始してくださいというんだから、ある意味、具体的な指示において行われている行為というふうに理解すればよろしいわけでしょうか。その辺り、この指示の、包括的な指示、具体的な指示というのは、すごく今回明確に出たので、これによって、随分行為分類というのは変わってきてしまうような、今まであいまいもことして、私も行為分類に参加させていただいていたんですけれども、その辺りをもう一回確認したくてお話しさせていただきました。
○有賀座長 では、事務局に聞いておられるようですので。
○島田看護サービス推進官 その指示が、電話でもOKかというところなんですけれども、今、具体的指示というのが、法律上明記されて、保助看法上は、今、具体的指示というふうにはなっていないんですけれども、具体的指示というのが、法令上記載されておりますのが、救急救命士になっております。法令上、無線やそういったものでいいのかどうかということが明示的になっているかどうか、ちょっと調べてみますけれども、ただ、救急救命士が実施するのは、救急車の中の場面を考えますと、遠隔地にいる医師と無線という手段で具体的な指示を受けて実施をするということが、当然想定されているものだと思いますので、そういう観点からしますと、今、英委員から御質問のありました、患者さんの状態を医師に報告し、そこで医師が指示を出す場合に、電話でもいいのかどうかというところにつきましては、そこは、指示としては、どういう形態でなければならないというところはありませんので、今、申し上げた、指示が成立する条件として、患者さんの対応可能な範囲ですとか、病態の変化の範囲とか、それから、内容が明確になっているといったような要件を満たすことで、指示としては成立するということで整理できると考えております。
○有賀座長 今、事務局、ごちゃごちゃ言っていますけれども、救急救命士に関していいますと、かつては無線、今は携帯電話などということで、面と向かっての口頭指示や、面と向かっての紙に書いたものというわけではなくて、無線とか電話でOKということで現場は指示を受けたり、出したりしているという話になります。
ですから、今回も、それを考えると、ナーシングスタッフに対して当直室から電話で指示という話は指示だということがほとんどだと思います。
包括的な指示に関しての質問があったんですけれども、事務局は、余り具体的に答えていなかったようなので、私が、少なくとも座長の立場でずっとやってきたことからいいますと、今、たまたま救急救命士が現場に行って、心臓が止まっているようだという話を、指示を出すドクター、東京だと東京消防庁にいますが、田舎の、星先生の方だと、救急隊がこれから運ぶ病院のドクターになる可能性が高いんですが、止まっているようだと。では心電図を取れ、はい、取りました。所見はこうです。かつては電話電送で送ったりなんかしていましたけれども、今、例えば、心室細動になっていますというふうなことを言って、だったら、こういうふうなエネルギーで除細動をしろと、はい、除細動しました、今、こうなっていますというふうなことは、それぞれ具体的な指示が、一つひとつの行為について、つまり、心電図を取るとか、それから、心電図の結果を受けて除細動をやれといって、除細動をするとか、そういうふうなことが、具体的な指示として行ったり来たりするわけですね。
それを救急救命士への包括的な指示というのは、星先生、後で追加してくださいね。それは、今、言った心肺停止であるという状況で、心電図を取って、そして、その心電図の波形に合わせて、適用があるものに関しては除細動をすると、それで、除細動のためのエネルギーも1回目はこれくらい、2回目はこれくらいということで、それで、その結果を全体として報告するというふうな形で、包括的な指示とその結果の報告いう形で、全体がひとまとめになっている。そういう理解でございます。
○英委員 有賀先生に伺いたいんですけれども、そうすると、救急救命士の場合は、具体的な指示ですべて動いていると、つまり、包括的な指示で動いているのではなくて、具体的な指示で動いていると。
○有賀座長 除細動に関しては包括的な指示で動くというルールに変えたということです。
○英委員 除細動は包括的な指示、だけれども、そのほかの行為に関しては、かなり具体的な指示。
○有賀座長 そのほかの行為に関しては、気管挿管をしろとか、気管挿管が終わりました、では、次はというふうな形での具体的な指示の連鎖になります。だから、連鎖のスキップが包括的な指示として除細動に関しては行われているということになります。
ただ、特定行為に関しては、そのとおりなんですけれども、特定行為というか、いわゆる難しい行為についてはそのようですが、相ではない、例えば、お口の中に入っている餅を取るとか、血圧をはかるとか、そういうようなことに関しては、もともと具体的に、これから血圧をはかっていいですかという話ではなく、状況に応じて血圧をはかるとか、お口の中の餅を道具を使って出すというようなことについては、彼らの判断で、ここでの言葉を使うなら、包括的な指示の下に一連のプロセスが行われるということになります。
○星委員 現場によって、若干違っているとは思いますし、メディカルコントロール協議会などの話を聞いても、症例それぞれによってかなり違っているので、それから、あの救命士さんなら、というようなところも、実際運んでもらった病院の医師と救命士さんとの関係というのは、個別的な関係もあって、その意味で、本当に杓子定規にすべてが行われているかというと、必ずしもそうではないと思います。
ただし、具体的な医行為についての個別的な指示というのは、やはりお互いが最低限守るべきものとして守ってきているというのが、MC協議会での話だと思いますので、そんなことで行われていると理解をしていただければいいかと思います。
○有賀座長 どうぞ。
○神野委員 指示の話で、資料7の最初のものですけれども、具体的な指示というのは、看護師が裁量的に行う必要がないということになっているんだけれども、今、看護師さんも3年ないしは4年勉強していて、裁量を全面的に否定しているわけですね。
その次のページの、別に細かいことを言うあれではないですけれども、熱発の話も、実際に今、例えば、Aさんが38℃以上の熱だったら座薬を入れろという指示は、それは包括的指示になってしまうわけですね、これをやっていたら、今の日本の医療はもたないですよ。私は、今まで、実際この議論をやって、そういう特定能力を持つ看護師さんは必要だと思っていたけれども、この具体的指示しか一般の看護師さんができなくなってしまったら、在宅も含めて、病院も含めて、全く医療が成り立たなくなってしまう。だから、この包括的指示は、私は、例えば熱発ならば、あなたが患者さんの病態を判断して、それは大学院で勉強しているんだから、病態を判断して、高い熱があったら座薬を使うかどうか判断しなさいと、それは、包括的指示として認めるよというのが包括的指示だと思っていたんです。
だけど、今の具体例でいったら、Aさんの38℃以上の熱が出たときに、座薬を入れるかどうかというのは、包括的指示になっているんです。それで、具体的指示は、いちいちドクターに連絡して在宅の場でも、夜中でも38℃以上あるんですけれども、座薬を入れてよろしいでしょうかと、裁量権がないんだから、38℃以上あるんですけれども、どうしましょうかと連絡して、座薬を入れておいてと言われるまで具体的指示としてできないとしたら、これは申し訳ないけれども、もう一回ちゃぶ台をひっくり返さざるを得ないというか、もし、この議論が行くならね、そういうふうに思います。
○島田看護サービス推進官 補足で説明をさせていただきます。御指摘のありました、発熱時の指示の例でございますけれども、発熱時の例だけでなくても、今、保助看法の中では、看護師は医師の指示を受けて、診療の補助を実施するということだけが定められていますので、どの行為も、いわゆる、今は一般の看護師しかいませんので、どの診療の補助も看護師は指示を受ければできる、その中には、具体的な指示もあれば、当然、包括的指示もあると、どちらの指示で実施されるかというのは、現場で判断されてやっている、場によってやっておられるという実態かと思っております。
ですので、今後、A、B、Cというふうに分類された行為で申しますと、Cの行為に関しましては、看護師は今までどおりのやり方でやっていただけるという枠組みは変わりはないと思います。
○有賀座長 今の話は、包括的指示を受けるものは、特定行為は包括的指示を受けるというふうになってしまっているので、多分、そういう質問があるんだと思います。要は、熱が出たときに、ボルタレンを入れましょうと、入れてもだめなときは、こうしましょう、ああしましょうという話が、あらかじめ医療者間で合意が行われているというふうな状況があれば、それは、特定行為とか、そういう難しいことはやめにして、基本的には、包括的指示の下に行われていると。だから、今でも包括的な指示の下に、病棟の看護師さんたちは、みんな動いているわけですね。
ですから、そういうふうな包括的な指示と、それから、具体的な指示を例示しようと思うと、例えば、こういうものがあると。だから、現在、包括的な指示の下に、熱発時に関しては、多くの医療施設で、あらかじめ決められた、医療者間で合意のなされたコンセンサスのある方法にしたがってやられている。それは、私らの病院でも、救急救命センターはまた別かもしれませんけれども、一般病棟については、大体そんなようなことで全体が動いている。だから、包括的な指示という言葉と、具体的な指示という言葉についての理解の方法と、特定行為のどういうふうなものが、B1、B2だという話とは、また、別個の話になります。ですから、この際、そこのところを、ときどき混同することがあるので、しゃきっとした説明をした方がいいと思うんです。島田さんも、Cは全部具体的な指示だというわけではなくて、包括的な指示の範疇でがんがん動いているという話になるんではないかと思います。
では、星先生、お願いします。
○星委員 そこでとても大事なのが、資料7の一番上の2つ目の○の一定の医行為(診療の補助)については、その能力の範囲内で実施できるか否かに関する医師の医学的判断を前提として、看護師も実施することができることとされていると、これは、一般論としてそうなのか、具体論としてそうなのかということをみんな理解をしておく必要があると思います。
つまり、その能力というのは、多分、看護師さんの能力と読むんですかね、その特定の看護師さんの能力の範囲内でできるかどうかに関して、特定のAさんというお医者さんが、その患者さんを前提に医学的判断をして指示をすると、そうすると、看護師さんができるというふうに理解するのか、その能力というのは、看護師というのが一般論として定義されていて、それに対して、医師というのも一般的な医師であってという一般論で縛っていって特定できる行為なのかというと、おのずと結果が明らかになって、やはり特定の看護師さんの能力と、その特定のお医者さんと患者さんという三者の特定性があって、初めて前提になるんだろうと、私は思うんです。
だとすると、この看護師さんができる一定の医行為というものの範囲というのは、かなり一般化できないというと変だけれども、特定すべき範囲というか、要素の多い事柄だというふうに、私は理解をするんですが、そのように読んでいいんですか、それとも全く一般論として、看護師さんといえば、これだけの能力を持っているということが前提になっていて、具体的に医者は患者を判断するわけでから、患者の状況に応じて、一般論として認められている能力に応じて指示を出してやってもらうということをカウントしている文章なんですか、そこを説明してください。そうすると、ちょっと話が見えてくるような気がします。
○有賀座長 どうぞ、お願いします。
○島田看護サービス推進官 資料7の上から2つ目の○の能力につきましては、指示の一般的な考え方を記載しているものですので、その能力とここに記載しておりますものは、看護師全般について言っているところです。ですので、考え方としては、今後、能力認証を受けた人が出てきたとして、その人も、この考え方が適用されますし、一般の看護師も同じ考え方で、その能力の範囲内で実施できるか否かということを医師が判断をするという枠組みは変わらないというところです。
○有賀座長 これは、その下に書いてある保助看法の基本的な考え方をほぐすと、上の2つですよということでいいんでしょう、そういう意味では。私が座長の場で、ときどき昔から言っていますけれども、あるXさんが病棟にいるときには、手術に入る前に、ちょっと悪いけれどもウィニングしておいてくれというし、XさんではないY君がいたときには、しようがないから、手術が終わってから頑張って自分でやるかという話になる。そういうようなことをここで説明しているんではないかと。
○星委員 その説明をしてないから、そうではないということでしょう、つまり、看護師さんの一般論として持っている能力を前提に行うことができると言っているんですか、それとも、その看護師さんが持っている能力に応じてできると言っているんですか、法律上の話と実際上の話なので、非常に理解がうまく進まないと思うんですけれども、わかるように説明してもらえますかね。
○有賀座長 医師の医学的判断を前提にというのは、医師有賀の判断を前提として、X君はどうだこうだという話ではないかと、私は、保助看法の説明でいけば、そうなるかなと思ったんですがね。
○島田看護サービス推進官 この能力の範囲内といった場合の能力としては、ここでは看護師について言っていますので、看護師の免許を持っているという能力と、それから、当然個別性として、更にこの人は、こういうことができるだろうということを医師が知っていれば、その判断というのが、そこに加わってくるということで、その能力というふうに書かれているもの。
○星委員 ですね、先ほどは、一般論の看護師さんとして、とおっしゃったんですが、そうではないと、今、全く反対と、これは、非常に重要なところで、要は看護師さんというものを、例えば、資格を持っている、卒業目ゼロから3年、5年という一般的な問題に加えて、Aさん、Bさん、Xさんという個人があって、かつ、そのお医者さんが、Aさん、Bさん、Xさんの能力を知っていて、患者さんの状況を把握した上で安全に行わせることができるという医学的な判断をした行為に限って看護師さんができるという枠組みなんです。逆にいうと、限ってといっていますが、その範囲においては、医師が、その医学的な判断をすれば、実施可能だと理解すればいいんですね。それでいいですね。
○有賀座長 今までもそうですし、現状がそうですね。ですから、それを社会の仕組みとしてどう構築するかが問題だということをここで言ってきたわけです。
どうぞ。
○前原委員 ちょっと混乱していますけれども、そういうことだと思います。ここは、私の理解としては、点線と現在の状況で、一般の看護師さんが行われる診療の補助というものの医行為はこのように考えられますということですね、ですから、C行為をするには、こういうことが考えられると、ところがそれはグレーなんですね。どの行為がCなのか、どの行為が今の一般看護師さんができる診療の補助なのかということを、やはりここで決めていかなければいけないということだと思うんです。
だから、今、島田さんがおっしゃったことと、ちょっと星先生の意見の答えにはなっていないんだと思いますけれども、先ほど神野先生がおっしゃったとおり、私もこれを見て、いちいち電話して許可をもらって、ボルタレンを入れたら、今の医療は確かに崩壊しますね。そう思いますので、ここで2つ言いたいんですが、1つとしては、包括的指示というのと具体的指示というのは、ここで割かし文言では明確になったと、それを説明するために、具体的な事例として出てきたときに、その具体的事例がちょっとまずかったと、ですから、そこでやるんであれば、B行為をここで選べば納得できるんだろうということなので、余りそこで突っ込まないで、議論を先に進めていただきたいと思います。
○有賀座長 別に議論をやめようと思ったわけではなくて、こんがらかってしまうのをほぐしたということになりますから、問題としてはいいと思います。何かありますか、どうぞ。
○川上委員 今までの話にも関連するのですけれども、資料7のボルタレンの話が出てきていますが、指示が成立する前提条件の?番、指示内容として、例えば、薬剤の使用の内容が示されているとあります。○の1つ目、ボルタレン座薬25mg、これはいいと思うんですけれども、その下ですね、NSAIDS(経口又は座剤)とか、更には経口セフェム系抗生剤とか、こういった薬効群をカテゴリー名で言って「この中のどれかを看護師さんが選んで使いなさい」というのが、薬剤の使用の内容が指示されていることになるんですかね。もし、そうなると余りにも指示の範疇が広すぎると思いますし、やはり、どの薬剤を使うのかは事前の包括的な指示の中でも具体的に示すべきであって、○の2つ目と3つ目は、いかがなものかなと思うのですけれども、皆さん、どうお考えですかね。
○有賀座長 余り深く考えずに見ているんだとは思いますけれども。なぜかというと、包括的指示と具体的な指示を示そうとした図なので、この例に関していうと、包括的指示が成り立つのは、さっき言ったように、医療者があらかじめというキーワードが入りますので、これをそのままあらかじめ決めるかというと、多分決めないんじゃないかというのが先生の意見ですね。私もぱっと見たときに、これをあらかじめ決めることは多分ないだろうと。ただ、そんなことをいちいちここでがたがた言ってもしようがないので、包括的指示と具体的指示のエッセンスについての議論をしましょうと、そういう話だと思います。
したがって、包括的指示は、丸投げではございませんと、私は思っていますから、川上先生が言うみたいに、あらかじめの取り決めというか、手順を決めるプロセスの中で、こんなことは多分決めないだろうという話になるんではないかなと思います。むしろ、ボルタレン座薬を挿入する前に、場合によっては血液培養を取れとか、そういう話が、多分、包括的指示の中に入ってくるんだろうと思います。
今言った特定行為についてのさまざまな資料の言わんとする話と、そのカリキュラムのことについて・・・。どうぞ。
○川上委員 先に行く前に、資料6ですけれども、一応、指摘だけさせていただきたいんですが、この資料6は、医行為に関して、医療関係職種の業務の行為の類型を示しているので、医行為以外の独占業務については、この行為類型の表から漏れているんですね。具体的には、薬剤師の調剤のような業務です。薬剤師も医療関係職種なので、タイトルの表記を工夫するか、下にただし書きを付けるなどして、この資料6を医行為以外の業務独占のものもあるということが分かるように工夫をしていただきたいと思います。これは、事務局へのお願いです。よろしくお願いします。
○有賀座長 大丈夫。
○島田看護サービス推進官 検討いたします。
○有賀座長 やってくれるというのなら、入ってしまえば、それでいいと思うんだけれども、どうぞ。
○小松委員 島田さんにもう一辺確認したいんですが、私は、保健師助産師看護師法の解釈のところは、すごく重要だと思うので、その能力の範囲内で実施できるか否かに関する医師の医学的判断を前提としというのは、やはりその能力というのは、看護師という免許を持っている人の能力の範囲でできるかどうかという、法的な解釈だと、そこで、おっしゃったように、個別の能力を医師が判断してなんていう解釈も含んでいるんですか、後で付け加えられましたけれども、そこは、すごく、ちょっと確認だけしたいんですけれども、現場ではそうだと思うんですけれども、法的な解釈上のところで、そうなんですか。
○島田看護サービス推進官 資料7の御指摘かと思うんですけれども、資料7の。
○玉川看護職員確保対策官 保健師助産師看護師法で規定する指示に関しては、資格法の話として、一般的なところは、勿論ベースにあるのです。では、その指示が具体的に適切であったかどうだったかについては、例えば、民事とか刑事とかの個別の事案が起きたときに、過失に当たるかを認定する際に、当然、当該者の能力を勘案して、過失について判断されることになります。したがって、資格法違反に該当するか否かというところではなくて、指示によって、どういう結果の責任を取るかを考えるところでは、そういう能力についても踏まえて指示は、当然出さなければならない訳です。そういう状況も踏まえて、判断者、つまり指示を出す者は判断を下すということになります。
○有賀座長 山本委員、お願いします。
○山本委員 今、おっしゃったことで、まさに尽きているかと思いますけれども、二段階の話があって、診療の補助の範囲内であるかどうか、要するに、医師法及び保助看法上の範囲内に含まれているかどうかという話があって、それに違反をすると、その行為を行ったというだけで、両法律上、処罰の対象になり得るという話が1つあって、それでは、診療の補助の範囲内にあるから、何でも個別の看護師さんを見ないで、医師がどんどん指示をしていって、法的に何も問題が起きないかというと、それはそうではなくて、個別の場面において、この人であれば、大丈夫であろうという判断をしておかないと、今、お話がありましたけれども、何か起きたときに、医師が注意を怠ったでしょうという話が法的に出てくる可能性があるということで、二段階ある話なんだろうと思います。
この文章の中で、その二段階の部分がどこで切れているのかわからないところがあるので、少し議論が錯綜したかと思いますけれども、要はそういうことではないかと思います。
○有賀座長 どうもありがとうございます。どうぞ。
○竹股委員 ちょっと関連して、山本先生に御質問したいんですけれども、今の個別のナースといったときに、個別のナースというか、一人の人ではなくて、個別のチームでもよろしいんでしょうか。
○山本委員 個別のチームというのは。
○竹股委員 つまり、このチームであれば、適切な教育が、看護的な教育がされていて、言葉的に申し上げれば、信頼に値するというような意味においてですけれども。
○山本委員 その個別のチームという特定のチームですね、それは、あり得るだろうと思います。勿論、責任を最終的に負うのは個々の人ということになりますけれども、判断をするときには、こういうチームの体制で、こういう人たちが集まっているのであれば大丈夫だろうという判断でよろしいかと思います。
○竹股委員 わかりました。
○有賀座長 もともと私たちの仕事ぶりから発した話になりますので、仕事ぶりに返るといろんな景色がありますから、どんどん議論が展開するのはよく理解できます。といいながら、やはり議題として存在しますので、次のカリキュラム、これもまた、今の特定行為の勉強のプロセスを問うわけなので、さまざまな御意見が、たくさんあると思います。これも、事務局から、まずは、資料などの説明をお願いします。
○島田看護サービス推進官 それでは、資料8をごらんいただきたいと思います。カリキュラムについての資料でございます。
カリキュラムについての論点は、資料8の最後のページに、前回のワーキングでもお示ししましたカリキュラムについての論点を示しております。
今回は、論点の1から4までを御議論いただきたいと思っておりまして、1枚目の上の方に、2つ目を追加しているところでございます。
前回、分野、修業期間、到達目標について御議論いただくということをお示しをしましたけれども、必要な能力を獲得するために必須とすべき科目、実習の在り方、単位数、そして、指導者の要件といったものについてどう考えるかということで御議論をいただきたいと思っております。
その下に、これまでいただいております御意見をおまとめしておりますけれども、前回までの御意見も併せて掲載しておりますので、ごらんいただきますと、2ページに前回いただいた御意見、追加した部分がございます。上3つの○が前回いただいた御意見として追加しております。2年だけでなく、8かける3という形式も柔軟な議論をしたらどうかということですとか、各分野の共通分野こそ重要ということで、分野ごとに切れ目をつくることは現場のニーズとは合わないといった御意見。
それから、試行事業の慢性期、クリティカルの領域のみを参考にして議論するのは拙速という御意見もいただいております。
それから、到達目標について御意見を新たに付け加えておりますが、3つ目でございまして、2年のみですべての行為を修得できるレベルに達することは不可能、養成課程ではベーシックな知識・技術の教育を行い、OJTで継続して養成していくことが前提。
その下でございますが、その他としまして、教育カリキュラムを規定するだけでなく、実際にシミュレーション教育等の必要な教育が行われているかを確認するシステムについても同時に検討する必要があるといった御意見を前回までにいただいております。
3ページでございますが、前回もお示ししましたように、2年間のカリキュラムの修了者が、現場でどういった行為をしているかというのを整理した場合に、共通する行為があるということでお示しした資料でございまして、その次の4ページをごらんいただきますと、そこで必要とされる能力を整理してみますと、下の方に書いてございますけれども、必要とされる能力は、おおむね共通と考えることができれば、2年間のカリキュラムにおける必要な知識、技術の枠組みは共通といたしまして、カリキュラムを共通のものとつくることができないかという提案でございます。
5ページが8か月程度のカリキュラムに関するところでございますが、実際に8か月程度のカリキュラムを修了された方が現場で活動されているところを見ますと、それぞれ行為としては、独自のものが存在しているというところでございまして、おめくりいただきまして、能力について整理をしてみますと、必要とされる能力には、共通部分と領域独自のものがあるということで、カリキュラムにつきまして、上の右側の図でごらんいただくとおわかりいただけるかと思うんですが、共通したものとしては基盤となる理論、それから、総合的知識・統合力といったものは、その必要とされる能力に応じて共通したものということで、教育できる部分があるということかもわかりませんが、基礎となる知識、それから、技術、能力といったものについては、それぞれ領域に特化したものが必要ということでは、独自のカリキュラムをつくっていってはどうかという提案でございます。
次のページには、2年間のカリキュラムの内容を、先ほどの枠組みに基づいて、それぞれ到達目標と、それからカリキュラムとして、具体的にどのようなものを学ぶべきか、ということをイメージとしてお示しをしております。
次のページでは、8か月のカリキュラムの救急領域を例に取りまして、到達目標、それからカリキュラムの具体的な内容というものをイメージとしてお示しをしております。
9ページの縦の表でございますけれども、こちらは、前回の資料を少し修正しているものでございますが、養成課程におきまして、特定行為等がどのように実施されているかというのを整理したものでございますが、上の方に2年間の課程と8か月の課程の、養成調査試行事業の実績ベースではございますが、何単位、何時間トータルでやっておられたかということと、そのうち、実習については、何単位、何時間やっておられたかという実績、それから、教員のどういった職種の方が、教員として関わっておられたかということをおまとめしております。
それから、行為として、下の方に○を付けてございますけれども、11ページ以降、今まで9ページ、10ページのところに示しましたように、Bの行為についての実施状況をおまとめしておりましたけれども、10ページ、11ページ以降にお示ししましたように、先ほどの資料6で示しましたように、Eにつきましても、カリキュラムに含めるべきという御議論になるかと思いますので、これらの養成課程で、Eについてどのくらい修得されていたかということを示しております。
12ページ、最後のところをごらんいただきますと、この表の終わりのところに、注書きを幾つか示しております。注の1につきましては、Eの行為については、22、23年度のいずれかに実施したものを抽出しているということと、2年間の課程で参加していただいております、慢性期の?という課程については、専門看護師も併せて養成する課程であったということと、それから、8か月の課程で3つ参加していただいておりますところは、認定看護師を養成する課程といたしまして、630時間、32単位程度というのを含んだものとなっております。そういうことを注書きでお示ししました。
それから、先ほど少しごらんいただきました参考資料7で、第11回チーム医療推進会議におきましても、カリキュラムについて御議論いただいておりまして、御意見を示しておりますので、御参照いただければと思います。
説明は、以上でございます。
○有賀座長 参考資料7の真ん中のカリキュラムについてというところは、特定行為をすべて行えるオールマイティーの人の養成を目指すというのは、専門領域に基づく看護学の大学院教育にはなじまないなどの意見が出たということでございます。ちょっとだけ追加しました。
ということで、カリキュラムについては、私は、もともと医学部の出身で、医師としてずっとやってきましたので、多分、細かなところというか、コアの部分といったらいいんでしょうか、やはり、私とか星先生とか、MDよりもナーシングスタッフの方たちの方が、多分なじんでいるテーマだと思います。そこで、どういうふうに考えていくか、8か月課程と2年課程とか。それから、2年課程が共通的にという、まだ、領域が少ないので、ざっくりいうのは、少し無理があるんではないかと、前に、星先生が御指摘になったと思いますけれども、そのようなことも含めて、少し議論を深めないといけないんではないかと思います。
どなたでも結構ですが、御意見はいかがですか。
○星委員 これを見させていただいて、それから、先ほどの資料7の話と一緒に考えると、どのレベルの人になってほしいのかという話が、今一つよくわからないというところがあって、卒業した途端にできますということを求めて、そして、個別の医師等の関係を無視して指示をもってお願いねというようなことが、卒業時点で、これだけの行為を一応、○になっていますけれども、やっているか、実際できるかというようなこと、一括してやるという、先ほど座長が最後に指摘した部分のことを踏まえても、かなり厳しい話なんだろうなと。これは、いやいやそんなことはない、2年間あれば、あらゆる行為ができるようになるという人がいるかもしれないけれども、ここに出されている、これだけのことを、2年間ほかのことを何もしないでしこしこやったところで、できるようにはきっとならないだろうし、実際にあの評価を見ると、先ほど申し上げたように、何十人かいるうちで、実際に体験できたという、あるいは評価を受けるところに至ったというのは必ずしも全部ではない、かなり間引かれているというか、実際、経験できたことが非常に少ないということがあるとすれば、この課程を卒業した後に、OJTの中で、まさに本当にできるかどうかということを、やや個別性だけではなくて、もう少し一般論としてできるかどうかということをチェックしていくような仕組みと相まって、初めて、このカリキュラムというのは機能するんだろうと感じます。
ですから、どの時点で、どういうチェックをかけて、どういうことにまでできる仕組みにするのかという議論なくして、この試行事業が始まってしまっているので、どうも、そういう意味でいうと、やっている側と、受けとめている側と実際に教える側と教わる側との間でも、何らかのギャップがあるんではないかと感じていますので、この辺りを整理する必要があると思います。
私は、個人的に申し上げると、ある程度の基本的な領域について、基本的な理解をしているということをチェックしていただくというのが、2年コースであれ、8か月コースであれ、基本だとして、卒業してから丸々、技術のチェックは、卒業してから丸々受けるんだという考え方と、もう一つは、その2年間なら2年間の中で、かなりの時間を、そういう具体的な行為のチェックに、それもそれぞれの働いている病院の中で個別的にチェックをするという仕組みを入れることによってできるようになるまでの期間を短くするという2つの考え方があると思うんですが、私は、後者の方がいいのではないかと個人的には思っています。ただし、これは、議論の前提がいろいろありますので、それは、議論していただいて結構なんですが、ですから、出口のところで、どういうふうな人の姿を想像するかというのが一番大事で、そのことについて、実際に教えている先生方とか、あるいは経験を積んだ皆さん方から、どんなふうに意識を持っていらっしゃるのか、是非とも私は聞いてみたいと思うので、是非、御発言をお願いします。
○井上委員 まさにおっしゃるところの大部分には賛成します。といいますのは、今の、いわゆる大学院教育は、分野別で教えていますが、本当に専門性が高まれば高まるほど、とても全部は教え切れないし、技術は今の専門看護師教育の中で技術チェックというのは、実習は勿論やっていますし、プリセプターもついています。
ただ、そういうものは、かなり卒業してから、その人がフロンティアとして開発していったり、そこで役割を獲得していったり、そういうところが非常に大きいので、今も完成系で2年間と考えるのは、とても無理がある。
おっしゃるように、基盤となるところは何かというのを押さえるのがとても大事かと思うんです。
今日の資料8で、前回の資料から新たに加わったのが、6ページの8か月課程の右側のピンクの四角のつくり方に、3領域を貫く部分が出てきたわけですね。これは、ちょっと聞きたかったんですが、それから、右側の独自のカリキュラムという青囲み、これも前回はなかったことだったんです。
4ページのところは、ほとんど前回と同じで、逆に共通のカリキュラムというのがここに加わっているんですね。そうすると、まず、共通のカリキュラム、独自のカリキュラムというのは、恐らくグレーの点線にかかると解釈しました。
そうすると、とにかく全部一緒という提案になっているので、それだったら、この4ページの2年間のところも、やはり何は基盤となる、何は実習のレベルまでやるべきだとか、これは領域で、あるいは領域であっても修了後にOJTでプリセプターや医師の下でやる必要があると、何段階かに分けて考えていく必要があります。これを全部丸めて、そして、特に2年間共通のカリキュラムというのは、相当無理があるんではないかなという気がします。
○神野委員 私も、先ほどのOJTの話は大賛成だし、それから、最初に申し上げました大学院の在り方という話なんですけれども、例えば、今の資料の実際の実施状況、課程の縦の○がいっぱい付いているのがありますけれども、9ページですか、大学院の時間数を見ると、150時間とか、クリティカルでしたね、実習の630となったら、ほとんどこれで大学院は終わりじゃないですか、私はHow toをやるなら専門学校で、技術学校でいいので、物の考え方を大学院の先生に是非教えていただきたいと思うし、そうなると、やはり問題意識を持って、それをどういう手法を使って、どういう資料を集めて、そして、どういうふうに物を考えるかというのが、やはり大学院教育の本筋だというふうに思うんです。
この2年課程は、2年の専門学校みたいな感じがしてならないです。
○有賀座長 どうぞ。
○前原委員 私もこれを見ていて、神野先生、最初におっしゃったとおりですね、だから、修士課程で、論文を多分書いていないだろうと、これだけの授業をこなすのであれば、だから、議論を先に進めるに当たって、2年コース、8か月コースというのがありますけれども、先ほど島田さんが説明されたように、慢性期?というところが専門看護師養成課程ということになっている、2年課程ですね、というところで、このカリキュラムのことに関していうと、2年課程の老年慢性期?クリティカルの1,500時間というようなところの技術的な実施状況からすると、やはり技術ということ、医行為ということに関して勉強するのが主体だろうと思っています。
大学院であれば、看護系大学協議会でも専門看護師さんを養成しているところでは、やはりそういう大学院教育のスペシャリストというか、修士を出て、論文を書いて、研究、リサーチ、それからそのほかのことをやる、ここでやはり無理がある。それと、8か月課程と2年課程でどこでどう線を引くのかというところが、今の井上委員とか、小松委員がやっている専門看護師養成課程と、ここでいう、特定看護師といってはいけないのかもしれませんけれども、特定看護師養成課程の2年の医学教育というか、医行為をするための、神野先生は専門学校だとおっしゃるけれども、そういうものとは、ちょっと相容れないところがあるわけですね。そこで議論をしていかないと、前に進まないんだろうと思っております。
もう一点は、2年課程の中で、共通部分というのが確かにあります。それは、フィジカルアセスメントとか、解剖学、生理学、薬理学ということに関しては、そのベースはあるけれども、慢性とクリティカルということは、やはりそれが両方一緒になるというのは、ちょっと無理があるのかなと、そこは2年コースも2つくらいに分けるのがいいんではないかというのが、私の意見です。
以上です。
○真田委員 先ほどから大学院のお話が出ておりますので、ちょっと説明を加えさせていただきたいんですけれども、神野先生や前原先生いろいろ言われる、専門学校になってしまうんではないかというお話がでておりました。実は今、関係大学の大学院には、大きくは2つ養成の目的があります。
1つは、まさに前期の博士課程として研究をする人を養成する。もう一つは、高度看護実践者を養成するという目的があります。
そのときに、では、論理的な思考や批判的な吟味ができない専門職を育てるのかということに対しては、全くノーでありまして、そのための大学院であり、そのための思考力を付けていくための研究であると思うんです。
そういう意味では、今、先生方がおっしゃっている大学院における、やはり高度実践者教育というのも、あくまで、やはり思考力を、それから看護の専門性を極めていくというところでは、研究は必須です。でも、その研究に対する重みづけが違うということは、今、申し上げたいと思います。単位数も違えば、例えば、研究者養成ならば、研究に丸々30単位使わなければいけないかもしれません。
しかし、看護の課題研究ならば10単位、15単位かもしれません。そういう意味では重みづけが違う、でも、育てる目的は専門性と論理的な思考展開というのは変わりません。それは、押さえておいていただいて、ですから、専門学校でいいという考えはありません。
一方、今、おっしゃっていた、是非、私は井上先生ともディスカッションしたいと思っていたんですけれども、2年課程においては専門性をどうするかということなんだと思うんです。
それで、今、フィジカルアセスメント、専門性はやはりナースが今まで、特に修士課程においてCNSを養成してきて、やはり皆さん立派に育って、私は臨床には役に立っていると思います。
そのときに、その領域に、もしも3Pが入ったとして、医行為ができるようになったとします。その専門性のある人たちが、ある一定の医行為ができて、その臨床で、かつ専門性が発揮できるというのが理想形ではないかと思っています。
そう考えると、ある一定の専門性はあっても医行為に共通があって、そして、切れ目のないケアが一定限度できるという必要だと私は考えております。専門性があり、やはり共通性があると思いますが、今、専門看護の養成課程では、いろいろ専門分野に分かれていますが、ただ、小児分野に関しては、もしかしたら、医行為も違うのかなと思うこともあるんですけれども、井上先生、どのようにお考えですか、先生の御意見をお聞きしたいと思うんですけれども。
○井上委員 名指しなので、これに余り限定されるのもよくないかと思うんですが、専門看護師は、今、11分野、新たに、今度、遺伝と災害が加わって13になっているんですね。ちょっとこれは多いし、専門分野のあり方としては、自然発生的に出てきたところもあるので、再編成は必要かなと思うんですが、真田先生が前回からおっしゃっている切れ目のないケアというのが、私はどうもわからない。切れ目のないケアという、どんなところでどうするかの、切れ目のないようなシステムを考えることは大事だけれども、一人の人がすべてのオールマイティーをやるということが、今の医療現場であり得るのか、これだけ厳選して二百何項目、それをやはり左から右までというのは、無理だろうと。
その中で、先生がおっしゃったフィジカルアセスメント、いわゆる3P、これはとっても大事だと思うんですが、それこそ、すべての領域を貫くもので、更に専門領域の中でも、例えば、クリティカルの中でも手術療法とがんでは全然違うというところで、どこを次のサブスペシャリティーとするか、そういう細かなものを認証までやるというならば、そのくらい専門性を高めないと、何でも、それこそ専門学校のような教育、そういう形になるんではないかという危惧を排除するためにも、やはり専門性というのは不可欠、不可避だと思うんです。ですから、何段階かに分けて、丁寧にやっていって、教育課程ではどこまで、卒後何年目はどこまで、OJTをどこまで、相当のスパンで考えないと、やはり、一たび事故やら何かが起きた場合、とんでもないことになるんではないかと思います。
○真田委員 私もそのとおりだと思います。先ほど言い忘れたんですけれども、2年間の課程の中で、これすべてできるなんていうことは、まず無理だと。特に、たかだかといったらおかしいですけれども、60単位くらいになってくると思うんですけれども、それは難しいと思います。独立実践をするなんていうことはまず無理だと私も思っていますし、そのための包括指示であって、その中で研修を1年、2年かけてOJTをやっていくということで、このシステムは成り立っていくんだろうなと思っています。
今、井上先生が、切れ目のないのはどういう意味かとおっしゃったときに、私は、全部をすべてオールマイティーにするということはあり得ないと思いますが、その方々の働く場所によって違うかもしれませんが、それには重きは置くが、重点はあるけれども、でも、全くできないことがあっていいのだろうか。それは、実習の重みづけでも変わるかもしれませんけれども、これはできないと、その臨床の場で、プライマリーのところで、本当に患者さんの命を救う、あるいは慢性のところでケアをするというときに、知っておかなければいけない技術はあるという考えで申し上げました。決して、それがすべて同程度にできるという意味で申し上げたわけではないということは付け加えておきたいと思います。
ですので、段階的にトレーニングを受けていくと、それで、もともと持つCNSの専門性を発揮しながら、そのCNSだからこそできる医行為の範囲を、ある一定レベル持つということは、非常に大事なんではないかと、私は考えておりましたけれども。
○有賀座長 どうぞ。
○竹股委員 そもそものこの話し合いというのは、看護職の役割拡大ということで、その役割拡大の具体的な部分が、従来、ナースが通常やらない、やれないとされていた医行為をするというふうに具体化しているんですね。それが、たまたま203項目というふうに設定されて、それに向けてどのような養成事業をし、どのような試行事業をすれば、ナースが役割拡大を具体的にできるかというようなことで進めていると、私は理解しているんです。ですから、今、まだ試行中なんですね。
それで、現実的に言っても、前回も申し上げたけれども、203項目の医行為というのは、これを当然、どのレベルというのはありますけれども、それを全部やるなんて不可能なんです。それは、もう常識的にわかっていることなんですね。しかしこの試行養成の中で善戦しているなと思ったのは、多分、その対象者が5年以上、もっといえば、10年くらいのキャリアを積んでいるということがあるのかもしれませんけれども、実際の養成の中で、自己評価と指導員の評価が結構いいところまでいっていて、よくこんなふうにできるなと、私はそういう印象を持っているんですね。ただ、それは、今、現行の中で、そういう対象者がやっているということがあるので、将来的にそこまでではないナースも入るとき、一般化したときには、やはり非常に難しいと思うんです。
ですから、その辺は、今後の中で、いわゆる技術の部分だけに特化した仕上がり具合、これは決めていっていいと思うんです。
だけれども、大事なことというのは、非常に人体に侵襲性のある非常に危ない行為を、ちゃんときちんと前、後が判断できる、なぜこのことが必要なのか、これを行うことによってどういうようなリスクがあるのか、そして、それを行った後に何を見ていかなければいけないのかと、そういうようなきちんとした知識を得るということを今やっているんですね。
だけれども、最後、行き着くところは行為なので、そこにすごく話が行くことはわかるんですけれども、その辺は、今後の常識的なレベルでの、いわゆるどこまで到達するのかというのはあっていいんじゃないかと思います。
○有賀座長 どうぞ。
○英委員 さっき星委員がおっしゃったことも、すごくよくわかるし、それから神野委員がおっしゃっていることも、すごくよくわかるんです。
というのは、これだけ行為を並べて、これを大学院教育でやるということ自体に、何か、私らのイメージと大学院のイメージと、随分大きく懸け離れているわけです。
先ほど真田委員が、実は大学院でもこういうことをやっているとおっしゃっていただいて、少し安心したわけですが、ただ、実際に、特に慢性期の現場では、その行為性だけがとりざたされるわけではなくて、星委員もおっしゃっているように、そのナースがどれだけ信頼感があって、その現場に溶け込んでいるのかということにおいて、行為がようやく初めて任されるということから考えると、大学院教育でのこういう行為というのは、私は余りなじまないと思うんです。むしろ、大学院は行為の概念、必要性は教育する必要はありますけれども、やはり現場での認証をもう少し強めないと、だから、臨床推論とか、そういうのは勿論大学院だと思います。だけれども、どういう段階で中心静脈のカテーテルが必要なんでと、これも大学院かもしれません。でも実際に入れたりとか、あるいはその前後の説明であったり、これはまさに現場性なので、大学院で2年間を過ごしていただくよりは、もうちょっと短い期間大学院で、それで、現場でもうちょっと長い期間やっていただいた方が、星委員は、多分、そういう御提案だったと思いますけれども、私もそれに大変賛成しております。
○有賀座長 どうぞ。
○小松委員 2年間のものについては、各学会も公表されたので、論議されているんですけれども、やはりちょっと乱暴だねという意見を聞いていて、全く共通のものを、活動分野というのを無視したような形でやるのは、どうかというような、それぞれ現場にいる専門の領域の人たちからは聞かれているということが1つあるのと。
もう一つ、養成課程から見ると、小児とか精神とかも出ているんですけれども、それがどうなのかという危惧する意見も聞いていますので、ほかの領域のことも含めた、今、2年間でどんなことを目指すかということを根本的に考えなければいけませんけれども、今、進んでいるものも含めて、責任を持って考えていくことをする必要があるかなと思っています。
○竹股委員 私は、これは両方大事で、さっきのお話でいくと、医学的な知識、先生方が、最高学府出られて、本当に研鑽を積んで、人の命を業とするお仕事をされているくらいの学問を積んでいるわけですから、看護職は看護学を積んでいて、医学を積んでいるわけではないので、必然的にあるレベルまでの医行為に到達する役割拡大をするには、それなりの年月をかけた、特に知識と、それに伴うあるレベルの演習等が必要になるというのは、これはやはり多分2年、かなりがっちりかけなければできないんではないかと、私は、ちょっと感覚的な言い方になってしまうんですが、そう思っています。
ただ、そのことと、実際に常に、看護もそうですが、常に最後は行為なわけですね。それは、必ず何らかの行為が連なってくるわけで、その行為の部分を除外するわけにはいかないんですね。それをどこまで伸ばすかというのは、先ほど申し上げたように、次の話なのであって、そこの部分も、今、現行の試行の中で、どこまでチャレンジできるかというところを、今、やっているんではないんでしょうか。そう思いますけれども。
○有賀座長 では、そろそろまとめに入りましょう。
○星委員 まとめに入りましょう。資料4とか3とか、全然議論できなかったので、次回よろしくというのが1点。
それから、今の話を聞いていると、認定とか専門で今まで積み上げてきたいろんなものがあって、その先に、もしかしたら技術的なものを学ぶための、3Pというんですかね、そういうものをきちんとやった上でやるという話は、話とすると、すごく見えやすいんですが、2年間の大学院教育の中でこの行為ができるような人をつくろうというような短絡的な話は、非常に危険だなというのは、改めて認識したのと、特に精神の領域なんかでいうと、ここには何も出てこないですね、この203項目の中の1つか2つかですかね、わかりませんけれども、しかし精神の領域こそ、私は専門性というのがあって、何も薬を選ぶとか何とかということではなくて、看護における非常に高い専門性と、それからチームでケアをしていって、そのレベルを上げていくということはとても大事だし、実際にCNSはすばらしい活動をしていると思うんです。
そういうことを、きちんと認めてやって、行為に引っ張られて、勿論、我々は行為から入ってきたわけですから、その行為を無視して、看護の専門性はここですねということで、終わりにするつもりはありませんけれども、しかし、やはり行為を積み上げてきて考えてきた先にあるのは、看護の専門性とは何なんだ、そして、それを実践していくために必要なことは何なんだ、その上に、行為をするとすれば、やはりこういうことと、こういうトレーニングと、こういうチェックが必要だという順番だろうと思うんです。
ですから、私は、今の認定とか、専門とかの人たちのことを繰り返し何度も言っていますし、厚生労働省も木で鼻をくくったような資料を出してくれていますけれども、もう少しその辺のところの整理をしていくと、今の認定や専門の人たちの領域と、それから、今、我々がやろうとしていることが、少し整合性が取れてきて、やはりこんなところまでさせるべきではないというようなことも議論として、フィードバックされて、行為の方にも戻っていくんだろうと感じましたので、その辺り、もうちょっと時間をかけて、今日、盛りだくさん過ぎるわけで、大体具体的指示のところで30分使うわけだから、これはよけいなことをしているような気もしなくはないけれども、この議論をきちんとすることが、私は早道だと思います。
○前原委員 私一人が急いでいるんではないと思いますけれども、2年課程と8か月課程というところに関していうと、私の意見ですけれども、CNS、それから認定看護師さんの努力、それから、今の医療に大変な貢献をしているということは、間違いないことで、それは看護の専門性というのも非常に大事だということはわかっているんですけれども、この2年課程で、クリティカルと慢性ということをやっている、この203の項目というのは、医行為、医行為じゃないというのも法律上はありますけれども、その医行為から入ってきたというところですね。それで、そのための教育課程はどうなんだろうと、教育プランはどうなんだといったときには、どうしても医学教育ということを中心に置かなければいけないと思っています。
とすると、看護系大学院の教育というのは、やはり看護、勿論、医学のこともおやりになっているでしょうけれども、そこで分化されている専門分野というのは、それはそれなりに立派な仕事をして、非常に貢献していますけれども、そのことは、私の感覚とすると、8か月コースの専門分野で分かれればいいんではないかと、そして、2年課程のことに関していうと、それとは別に、医行為としての医学、前の親会議でもどなたか委員の方がおっしゃっていましたけれども、これは、医学でやればいいんじゃないのという意見が出るくらいで、そのことに関しては、看護プラス医学を中心とした2年間の実技まで、全部203項目はとてもできないというのは、皆さんわかっているとおりですので、それに対する解剖なり理論なり、そこに対する考え方というものをしっかり2年で教育していただいてということで、そこで分かれるのではないかと、そこをあいまいのままにしていると、私がいつも言っているツーレートというのは、10年、20年、30年かかってくるんではないかと思っています。
以上です。
○有賀座長 盛りだくさんといえば、盛りだくさんなんですね。もともとこのテーマは盛りだくさんなんですね。ここで議論が集約できるかと思う程度に盛りだくさんです。いずれにしても、まだ、議論が先へ続くことになりますので、特に看護系の方々におかれましては、私ども看護を専門としない人たちがわかるようなやさしい言葉で説明することが、多分、求められていると思います。
これは、一くくりに、例えば大学院とかに行ったって、学部だって、例えば、昭和大の薬学部と東京大学の薬学部では、全然パフォーマンスが違いますね、先生、おわかりだと思いますけれども。だから、社会で求められている、どの部分をどういうふうにしようとしているのかという話は、例えば東京大学の卒業生が昭和医大をつくったときを考えればわかるわけです。ですから、余り固定的な観念でとらわれることなしに、自由に発言していく必要が、私はあると思います。
いずれにしても、このカリキュラムの話は、究極に大事なテーマだと思いますので、引き続き丁寧にやっていかなければいけないと思っております。電気が2回くらい消えましたね、だれかが、どこかで消すんでしょう。
○島田看護サービス推進官 全体です。
○有賀座長 全体ですか、ここだけではないのですね。というわけで、事務局、お願いします。
○島田看護サービス推進官 御議論ありがとうございました。また、次回御議論いただけるような資料をつくってまいりたいと思いますけれども、それに際しまして、事前に先生方に御意見をいただくといったようなこともあろうかと思いますが、御協力をよろしくお願いいたします。
次回の日程につきましては、また、別途御案内させていただきます。
以上でございます。
○有賀座長 どうもありがとうございました。
<照会先>
厚生労働省医政局看護課看護サービス推進室
看護サービス推進専門官 高橋: | 03-5253-1111(代表)(内線4174) 03-3595-2206(直通) |
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ第23回議事録