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2012年4月20日  第10回 除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止に関する専門家検討会議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課

○日時

平成24年4月20日 13:30~


○場所

厚生労働省 労働基準局 第1・2会議室(16階) (東京都千代田区霞が関 1-2-2)


○議題

1 検討会報告書案について
2 その他

○議事

○椎葉労働衛生課長 本日はご多忙の中、委員の皆様方にご参集いただきまして誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただ今より「第10回除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止に関する専門家検討会」を開催します。
 出席者をご紹介させていただきます。本日、大迫委員からは欠席とのご連絡をいただいています。その他の委員の方にはご参集いただいています。本日、オブザーバーとして6名の方にご出席いただく予定です。復興庁の尾澤参事官は少し遅れています。原子力災害対策本部から茶山班長です。須藤参事官は遅れてご出席とのご連絡をいただいています。農林水産省からは技術政策課の田雑課長補佐です。林野庁の井口課長補佐です。国土交通省からは技術調査課の石川工事監視官です。
 本日、事務局からお約束のとおり、第二次検討会報告書(案)を提示させていただいていますので、是非、活発なご議論をお願いしたいと思います。恐縮ですが、カメラの撮影につきましてはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。本日の議事進行ですが、森座長によろしくお願いいたします。
○森座長 それでは、本日も円滑な議事進行をよろしくお願いいたします。ただいまご説明がありましたように、本日は検討会の報告書(案)について、ご議論いただくことになっています。議論に必要な資料として、農業・林業についての資料やマスクに関する追加資料もいただいていますので、それらについても、それぞれ該当する箇所でご説明いただき議論の対象にさせていただきたいと思っています。まず事務局から資料の確認をお願いいたします。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 資料の確認をさせていただきます。表紙が次第です。1頁は資料1で開催要綱です。3頁から資料2で前回の議事録です。29頁が資料3です。31頁から資料4の報告書(案)です。63頁から資料5-1、77頁から資料5-2、81頁から資料6、83頁から資料7-1、87頁が資料7-2、89頁から資料7-3、91頁から資料8です。以上です。
○森座長 ただいま資料を確認いただきましたが、足りないところとかございませんか。よろしければ早速、報告書(案)の議論に入りたいと思います。資料3の一覧表と資料4の報告書(案)の第1及び第2について、事務局からご説明をお願いいたします。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 29頁、資料3についてご説明させていただきます。基本的なコンセプトは、前回お配りしたものから変更されていません。変更された点は基本原則の2です。建山委員からのご指摘を踏まえ、業務従事者の被ばく低減を優先する旨を基本原則の中に盛り込んでいます。
 左下の線量管理等不要の箇所ですが、2つ目の※を入れています。これは前回の議論を反映し、製造業、商業または営農を行うような事業者は、あらかじめ、作業場所周辺の除染作業を実施し、可能な限り線量低減を図った上で、原則として、線量管理を行う必要がない空間線量率のもとで作業に就かせることが求められる。こういった原則論をここで入れています。その他については前回お配りしたものから変更はありません。
 資料4の説明をさせていただきます。資料4は第二次報告書(案)です。第一次報告書は既にいただいていますので、新たなものということで第二次報告書を取りまとめています。32頁は検討会開催要綱及び参集者で、従来からお配りしているものと変更はありません。35頁は検討の経緯です。これも客観的に日付を書いているだけです。36頁の?以降が対策に盛り込むべき内容で、いわゆる本文部分です。飛んで53頁に現在は付けていませんが、参考資料として一覧表を付ける予定にしています。55頁から別紙が付いています。このような構成を取る予定です。
○森座長 ただいま資料3の一覧表で2カ所、主な点で変更があったということと、報告書全体の構成についてご説明いただきましたが、何かご意見がございましたらお願いします。前回、委員の皆さんからいくつかの重要な考え方をお示しいただき、それを反映いただいたという形になっていますが、よろしいでしょうか。それでは資料4の報告書の中身に入っていきたいと思います。まず第1、第2についてご説明をお願いします。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 36頁からご説明いたします。第1の趣旨ですが、これは開催要綱に書いてある点と基本的に同様です。今回の原発事故を踏まえ除染電離則を制定しましたが、今後、避難区域の変更に伴い、除染特別地域等において公的インフラの復旧、製造業などが順次開始されることになり、それらの業務に従事する労働者の放射線障害防止対策を定めるということです。この対策は、一定濃度以上の汚染土壌等を取り扱う業務、一定の空間線量下で作業を行う業務に労働者を従事させる場合の対策を定めているものです。法令に定める事項のみならず、ガイドラインとして促進的に取り組むべき事項も、この報告書の中には含まれています。労働法上の労働者ではない自営業、個人事業主、ボランティアに対しても、こういった対策が活用されることも意図しています。なお、この対策は限られた情報に基づき、限られた時間で検討を行ったものですので、今後、引き続き情報収集して必要な見直しを行うことを述べています。
 第2が適用等です。これも前回の検討会でお配りした骨子の変更になった部分だけご説明させていただきます。36頁の下に「なお」書きで、いわゆる海域といった部分についてどうするのかという指摘が水産庁からあり、その検討を行っています。結論から申し上げると、法令で強制的な規定を設ける必要は現時点でないということですが、外部被ばく線量はガイドラインで測定を求めることを想定しています。
 37頁ですが、その前に資料5-1、5-2について若干の説明をさせていただきます。63頁です。資料5-1は海水中の濃度を測っているもので、いろいろな機関が行っていますけれども、文部科学省が取りまとめを行って公表しているデータです。63頁が原子力発電所周辺で主に半径30km圏内のデータです。見ていただくとわかりますが、0.1Bq/L、1L当たりのベクレル数で0.1を下回っていて極めて低濃度です。64頁に経時的な変化があります。基本的に当初は高かった状態もありましたが、最近は低位に安定している状況です。65頁が宮城県・福島県・茨城県沖における海域モニタリング結果で先ほどより広域です。これについても見ていただくとわかりますように、0.01Bq/Lにも届かないような極めて低いレベルになっています。66頁以降は経時のものがまとめられていますが、基本的に低位安定しているか低下している状況です。
 77頁が資料5-2で、これは海底の土の分析結果です。77頁にあるのが原発から30km圏内における土の結果で、これはBq/kg、1kg当たりのベクレル数ですが、高くて100Bq/kg程度です。78頁は(試料採取日:平成23年6月2日)で、事故から概ね3カ月後のデータです。このときはセシウム137で1,000Bq/kg程度ありましたが、77頁の(試料採取日:平成24年3月26日)のデータで、110Bq/kg程度まで下がっていて低下傾向が見られます。79頁が、公表日が平成24年2月27日のデータで、広域の調査を行った結果です。いちばん高いのはセシウム137で380Bq/kgという値が出ていますが、いずれにせよそれほど高いレベルではない状況です。
 37頁に戻ります。以上のモニタリング結果を踏まえると、放射性物質の濃度下限値である1万Bq/kgとか、表面汚染限度である40Bq/cm2を超えることはなかなか考えられないということ。それに加えて潜水作業が短時間かつ断続的に行われることを考えると、現時点で入手可能な情報からは、潜水作業において被ばく線量管理が求められる値である年5mSvを大きく下回る状況が推定されます。このため当面、法令の対象とはしないということですが、引き続き情報の収集には努めて、当面の間はガイドラインで被ばく線量管理の実施を求めるということです。
 37頁のいちばん下に運輸業について記載があります。前回の骨子案で、荷の搬出又は搬入先が2.5μSv/hを超える場所にあった場合は、すべての運輸業者について特定線量作業に適合するということでしたが、滞在線量は時間に比例するのでもう少しきちんと精査してほしいという要望がありました。38頁で居住制限区域の上限値である9.5μSv/hの場所にずっと居続けると仮定し、年間5mSvを超えるためには、月間で約43時間そこにいなければならない。もちろん区域は2.5μSv/hからありますから、こういった所にずっといるわけはないという前提に立ち、月間40時間という基準を設ければ、年間5mSvというレベルは大きく下回ると十分言えますので、1カ月当たり40時間以上滞在することが見込まれる作業に従事する場合に、特定線量作業という規制の対象にするとしてまとめています。
 もう1つ、38頁の2に書いている業態として「生活基盤の復旧作業に付髄する荷の運搬」というのは、例えば砂利の運搬や残土の運搬です。そういった工事に伴う荷の運搬に関しては帰宅困難地域を含めて工事が行われると、非常に高い線量の所に入る可能性がありますので、こういった業態については月間の滞在時間に関わらず、押し並べて特定線量作業とすると整理しています。以上です。
○森座長 ありがとうございました。ただいま第1の趣旨、第2の適用等についてご説明いただきました。特に海底の潜水作業及び運輸業についてのところが新たに具体的に追加になっているところです。いまの範囲でご質問、ご意見がございましたらお願いします。
○古田委員 周辺海域というのが36頁の下にあり、確かに、いま文科省が測っているデータではそうですが、例えばどこまでが周辺海域で、作業が予定されているのはこの辺だという目安か何かはないでしょうか。というのは、例えば発電所の取水口のデータはたしかもっと高いと思いますが、そういう所での作業は今回は考えていないという理解でよろしいですか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 水産庁から伺った話では港としての機能を回復させるために、港の公有水面の下を浚渫する必要があると述べられていて、それは原発に極めて近い所は今のところ想定されていません。
○森座長 ほかにいかがでしょうか。1つ確認です。特定線量業務になった場合、基本的には空間線量率をそれぞれの事業者が測定する形になりますが、先ほど出てきた運輸業に関して、荷下ろしをする場所がどのぐらいだというのは自分たちで測定するのか、既存の測定値を活用するのか、どちらを想定されているのでしょうか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 適用があるかどうかの判断については、大まかなデータとしては、文部科学省が公表している航空モニタリングのデータを使っていただくことを想定しています。ただし、詳細に本当に適用されるかどうか。例えば航空モニタリングでは2.5μSv/hを超えているかどうか、ぎりぎりという所については配達先の空間線量を測っていただく必要がある場合もあるかもしれません。
○森座長 わかりました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○古田委員 37頁の中段に「汚染土壌等を取り扱う業務」とあり、いろいろ例が書いてあります。考えられるのは例えば配管の埋設や電柱の埋設など、掘る行為がある作業があると思いますが、そういうのはすべてこの中に含まれるのでしょうか。「取り扱う」というところが今一、よくわからないところがあるものですから、そういう作業をすればすべて「取り扱う」と考えるのでしょうか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 1行目から2行目にかけて一般的な定義をしています。「汚染土壌等を対象物として手で直接、又は機械・機具・工具」、例えばスコップとかバックホウなども含めて、「介して行う作業であって、汚染土壌等を含む粉じん等にばく露されるおそれがある」としていますので、掘削などは含まれるという解釈です。後ろに付いているのは例示で、必ずしもこれに当たらなくても、先ほど申しました定義に当たるような行為については対象になるということです。
○森座長 よろしいでしょうか。第1、第2について特になければ続いて第3です。被ばく線量管理の対象及び方法についての部分に限定して、事務局からお願いいたします。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 38頁をご説明させていただきます。1の基本原則で(1)に述べているのは、事業者は、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めるという大原則です。これはICRPの最適化の原則に基づく記載で、従来から電離則で謳われているものです。
 (2)が今回新しく作っているもので、特定汚染土壌等取扱業務又は特定線量業務を実施する際には、業務従事者の被ばく低減を優先し、あらかじめ、作業場所における除染等の措置が実施されるように努めるとしています。従来の除染電離則は除染するための規則ですので、当然、やむを得ない事情があると思いますが、今回は一般のインフラ整備もしくは一般の事業の再開ということですので、あらかじめ除染をやるべきだということを述べています。
 この説明として注書きを入れています。2つ目の注でICRPの最適化原則というのがあり、一定以上の被ばくが見込まれる作業については、被ばくによるデメリットを上回る公益性や必要性が求められるという一般原則ですので、基本的には業務従事者の被ばく低減を優先して除染等の措置をあらかじめ実施するということです。ただし、例えばそもそも除染するために必要な水道や道路の復旧といったものについては、こういった基本原則の例外とする。また、覆土、舗装、農地における反転耕等、いわゆる汚染物質を除去しなくても同様の空間線量率の低減が見込める工事をする場合については、同時に除染を行っていると解釈できるという例外規定を入れています。
 39頁ですが、先ほど申し上げた作業以外の作業、例えば製造業、商業、営農といった事業については復旧工事と比較して労働時間が長いので、どうしても線量が高くなる傾向がある反面、復旧工事と比較して必ずしも公益性が高いとは言えないことを踏まえ、あらかじめ除染をしっかりやっていただき、可能な限り線量の低減を図った上で、原則として被ばく管理を行う必要がないレベルに下げていただいてから、製造業等を再開することを求めるというのを入れています。これについては原則論ですので、強行規定の法令に入れるものではありませんが、ガイドライン上でこういった原則論を明記したいと考えています。
 あと括弧書きにあるのは試算を行った結果です。居住制限区域の上限である9.5μSv/hの場合であっても、通常は除染を行うと、今までのデータから3~4割の空間線量率の低減が見込まれる。少なくとも6μSv/hくらいにはなることと、屋内線量率は屋外線量率の約4割という試算がありますので、その意味では適切な除染を実施して例えば6μSv/hといった数字に下がってくれば、屋内線量率が2.5μSv/hを超えることは考え難いということですから、決して無理なことを要求しているわけではなく、きちんと除染をすれば、無理なく規制対象外のレベルで製造業等を再開できることを述べています。
 2の線量の測定ですが、これは前回、杉浦委員から労働者だけを線量管理をしているのではないか、労働者は優遇されているのではないかといった声がありましたので、これについて考え方を入れています。ご案内のとおり、2.5μSv/hは被ばく限度ではなく個人線量管理の措置を開始する値です。特に労働者と住民の違いですが、労働者は雇用関係に基づく使用従属の関係により、指揮命令で被ばくを伴う作業を行うことになります。特に屋外作業産業について、例えば復興作業については50μSv/hあるような場所での作業も行う必要があり、一般住民の方と異なり、立入禁止措置といった形で線量管理ができないので、個人線量計を付ける形で、被ばく限度を超えないように管理する必要があるという原則を述べています。
 空間線量率の測定・評価の方法で、別紙2を付けています。これについては後ほど議論させていただくわけですが、資料の59頁です。前回の議論の積み残しが若干あり、測定の頻度としては杉浦委員から前回、2週間に一度というご提言をいただき、そのまま取り入れています。ただ、例えば空間線量率2.5μSv/hを若干下回っているからといって直ちに測定を中止してしまうと、次の測定でまた上がってしまう場合もありますから、何回か測って、連続して一定程度以下になった場合に、測定を要さないという免除規定を設ける必要があるとなっています。これについてご意見をいただければと考えているところです。
 41頁に戻って線量の測定結果の記録等です。これについては30年間の保存が義務づけられていて、そのうち5年間保持した後において、厚生労働大臣が指定する保存機関である放射線影響協会に記録を引き渡した場合は、保存義務は免除される規定になっています。ただ、今回の事業については、例えば復旧作業などは5年間実施することはなかなか想定されないという実態があるのと、労働者の入れ替りも激しいので新たに規定を設け、労働者が退職した場合で、当該労働者の記録を指定機関に引き渡した場合については、5年間を待たずして保存義務を免除する規定を入れたいと考えているところです。説明は以上です。
○森座長 第3についてご説明いただきました。基本原則のところは補足的にかなり詳しく考え方の解説をいただいたという内容が中心ですが、別紙2の何回測定して低ければどうだという話は置いておき、本文の38頁、39頁、41頁の内容について何かご意見がありましたらお願いします。
○原災本部須藤参事官 補足で、よろしいでしょうか。
○森座長 お願いします。
○原災本部須藤参事官 原災本部の須藤でございます。いまのご説明の中にもありました区域設定は原災本部も絡みますので、その絡みで若干の補足とご紹介をさせていただければと思います。
 何回かご紹介させていただきました計画的避難区域、区域設定前ですが、3.8μSv/hを上回る区域の中で、特例的に事業継続が認められて行っている事業者は、現在、9社ございます。この方々は計画的避難区域内にありますので、9社のうち何社かは居住制限区域内に入って行くことになるかと思います。この基準ですが、現行の避難指示区域の見直しの後、居住制限区域に所在する事業者が例外的に事業を再開する場合には、原災本部でいま作っている事業継続基準を引き続き適用させていく形で、線量管理を行っていきたいと思っています。
 私どもが行っている線量管理ですが、これも避難の一環ということで行っていますので、職業被ばくだけでなく生活上の被ばくも併せて、年間20mSvを下回るというルールで設定してきました。ただし現在、まさに今、ご審議いただいています新たな除染電離則が策定された場合には、事業者に対して二重の規制になってしまう可能性があること。それから働く方々は被ばく線量を持ち歩いていくことになると思います。そういう放射線管理の観点から不備が生じかねないことがありますので、新たな除染電離則がここで策定された場合には、私どもで行っている居住制限区域での特例的な事業再開の線量管理は、新たな除染電離則の線量管理のルールに沿って行わせていただければと思っています。この辺も併せてコメントを頂戴できればと思います。
 なお、当然ですが、平均空間線量9.5μSv/hを超える帰宅困難区域での事業再開は、原災本部として引き続き認めないことにしています。また居住制限区域において事業を再開する、あるいは継続する事業者に対しては、まずは除染を行ってから再開するように指導を徹底することは、私どもでさせていただきたいと思います。ちなみに実績値ですが、計画的避難区域で作業を行っている事業者の働く場所での空間線量率は、2.5μSv/hを大きく下回っています。それは除染を皆さんに行っていただいていますので、1時間当たりで見ると1を切るような水準まで持って行っています。したがって、いまご紹介があったように、居住制限区域の中でどうしても必要があってやるという場合には、線量を下げて除染をして規制の対象外になるような形を想定していきたいと思います。
 もちろん、例外的に2.5μSv/hを超えてやらなければいけない場合が出てくるかと思います。これは具体的な例があるわけではありませんが、例えば廃棄物の処理施設とか、インフラ復旧の方々の最前線基地でガソリンを給油しなければいけないとか、地域全体の放射線量を下げるために、必要性があって2.5μSv/hを超える所で行わなければいけない、そういう例外的な場合は出てくるかと思います。これは引き続き原災本部のほうでその必要性を判断し、線量管理はこちらの除染電離則の形に則ってやっていくことを考えていきたいと思っています。このあたりについてもご指導いただけるコメント等がありましたら頂戴できればと思います。以上です。
○森座長 ありがとうございました。ただいま原災本部からご説明いただいた考え方を含めて、全体的にご意見があればお願いします。
○古田委員 基本原則のところで、ICRPの最適化の原則に基づき、被ばくをできるだけ少なくするように努力する必要があると書いてありますが、これは正確に言うと間違っていて、39頁の2の線量の測定で、(1)の注に「合理的に達成可能な限り低減する」とあります。これが正しい言い回しですので、本来であれば38頁のほうもそういう表現にしないとまずいかなと思います。それが1点です。
 39頁の上から3行目ですが、例えば製造業、商業、営農というのが「必ずしも公益性が高いとはいえない」というのは、いま聞いたお話とは違うのかなと思います。例えばガソリンの補給というのはかなり公共性も高いし、そういうことを考えるともうちょっと言葉を選んだほうがいいかと思います。緊急性とか何か別な言い回しがよろしいかと思います。
○森座長 ありがとうございます。最初のほうは言葉の統一ということで、よろしいですか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 これは注書きですので、ICRPの正確な記述に合わせたいと思います。2つ目のご指摘ですが、これは一般論を書いていて、おっしゃるように例外というか公益性の高い作業もあると思います。見ていただくとわかりますように「原則」と書いていますので、原則としてはそういうことでないかということです。
○森座長 私の理解でも、今はむしろ道路の復旧とか、そのような公益性の高い業務に付髄した給油といった範囲を、おっしゃっているのだと思います。むしろそれらも道路の復旧の範囲に入ってくると理解したほうがいいのではないかと思いました。
○古田委員 実際にやられている方が気分を害しないかなと、気になりました。
○森座長 他の業務は公益性がないといったような印象をもたれるということですか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 必ずしも公益性が高いとは言えないということです。ないということではございません。
○森座長 書きぶりですので、事務局で検討をよろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。
○小林委員 文部科学省が11月5日に公表した線量マップの中には、計画的避難区域以外の所でも2.5μSv/hを超える所が、第7回検討会の資料にもありましたようにスポット的にあり、そういった所ではこの間も営農してきた人たちがいます。その方々がこれから第2次案に該当するような条件下で作業を行う場合に、過去の累積線量のデータというのを、どのように求めたらいいのでしょうか、おそらく被ばく線量率の記録が避難区域以外だったものですから、ないと思います。今後そのような人たちが第2次案に該当するような所に入る場合に、累積線量の基となる過去のデータをどういうふうにして算出したらいいのか、教えていただければと思います。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 私の理解では、それは法律の適用がない、規制の適用外というエリアの状態だと思います。その場合、もちろんガイドラインでこれに準ずる形でやっていただきたいという整理になると思いますが、それを前提とした上で一般論として申し上げれば、空間線量率から算定するソフトウェアということで、住民のために放医研で開発されたソフトがございますから、そういったものをご活用いただくことになるのではないかと思います。
○小林委員 それに例えばこれまでの作業の時間がわかったら、それを当てはめていけば求められるということでしょうか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 場所と行動がわかれば出るようになっていると聞いていますが、何かご存じであれば、杉浦先生お願いします。
○杉浦委員 必ずしもそれが使えるのか、すごく答えにくいのですが、システムとしてはありますけれども、それをこの他の目的に使えるかどうかというと、開発のお金の根拠とかあるので、いま即答は無理です。仕組みとしてはありますので、そういう考え方で評価することは可能であるということだとは思います。
○森座長 よろしいですか。それ以外、いかがでしょうか。
○建山委員 最後の記録のところで、例えばある事業が終わったときに厚労省が指定する機関にデータを引き渡す。そうすると、その事業者はそのデータを持たなくなるわけですね。建設の場合、労働者がいろいろな所を回りますので、次に事業が始まるときに事業主は労働者のデータを、その機関から受け取ることができるのかどうか、お聞きしたいのです。
○森座長 通算ですね。
○建山委員 通算です。そういう管理ができるようになっているのかどうか、そこだけ確認したいのですが、いかがでしょうか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 説明を飛ばしてしまって申し訳ありません。41頁の4の(4)に、業務に従事した労働者が離職するときには、記録の写しを渡さなければいけないというルールがありますので、本人は必ず持っているという大前提です。それから飛びますが、健康診断を雇入れ時にすることになっています。49頁の第7の1の(1)のアに被ばく歴の有無の調査及びその評価を行うとなっています。新規に雇い入れるときに過去の被ばく線量のデータの提出を求めて把握し、過去からの累積を合算していくシステムを取っています。
○建山委員 つまり、自己申告という形になるわけですね。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 義務はかかっていますが、自己申告という形です。
○建山委員 現実的には、それしかしようがないというふうに理解して、よろしいですか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 現時点では、この方式でやるしかないということです。
○森座長 「あなたが自分で線量の記録を管理するしかないんですよ」ということは、労働者の教育の中の項目としてあったほうがいいということですね。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 それは教育の項目の中に入っています。
○古田委員 それに関してですが、いま原子炉等規制法のほうではこういうシステムを使っていて、従事者として指名する前に、中央登録センターからデータをいただいてということもやっていますが、それには事業者がかなりお金を払っているのです。その辺の仕組みについて国としていい機会ですので、データをきちっと評価するために、お金を出すなりしてこの辺をしっかり作っておかないと、うまく働かないのではないかという気がします。この辺も併せて考えていただければと思います。
○森座長 今後の課題として、ということですね。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 これも前回の放射線審議会でご議論がありました。これにつきましては、医療従事者も含めて全体的に全部を把握できるシステムが必要になってきますので、他省庁とも連携しながら検討させていただきます。
○古田委員 原子炉等規制法関係では、皆さん、放射線管理手帳というのを持っていて、それにすべて記入されて過去の累積がわかる仕組みができているのですが、それはあくまでも自主的な手帳ということで、法的な位置づけは今は一切ない状態で管理されていますから、検討のほうをよろしくお願いします。
○森座長 ほかにいかがでしょうか。
○金子委員 39頁に、屋外線量率が2.5μSv/hを超える場所という基準がありますが、個人事業主が作業する場合、2.5μSv/hであるかどうかの判断を、どのように行うのが良いと思われますか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 これも先ほどの運輸業と同じだと思いますが、一義的には航空モニタリングの数字を見ていただくことになろうと思います。ただし、微妙なレベルですね、2.5μSv/hを上回るか下回るか、はっきりわからない所は実測していただく必要があるのではないかと思います。明らかに1とか下回っていれば大丈夫だと思います。
○金子委員 実測というのは、具体的にどういう形でやることになるのですか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 そこにつきましては先ほどの別紙2です。
○森座長 方法論でなく、誰が測定機器を持っているか、そういう話ですね。
○金子委員 個人事業主は、サーベイメーターなどを持っていないと思います。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 いわゆる個人事業主と自営業の方につきましては、労働法上の労働者ではないので義務はかかっていないという大前提ですが、さはさりながら、広い意味では労働者ということで保護すべき対象だとは考えています。そういった個人事業主に対する支援策について、どういうものができるかについての検討はしています。ただ、一義的には、個人事業主であれば事業者たる本人が測らなければいけない原則になるということです。
○原災本部須藤参事官 原災本部のほうでも、お戻りになる個人の方々には安心のために線量計、ガラスバッジといったものの配布を、県の基金を通じて考えていますので、実態的にはそういったものもお使いいただきながら、線量管理をしていただければと思っています。
○森座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。先ほど原災本部のほうから、これまで特例で居住制限区域の中で行っていた作業が、今後、除染電離則が改正になれば、それに合わせてやっていくというご説明がありました。基本的に私のわかる範囲でも確認すると十分カバーできていると思いますが、そのような考え方でよろしいですか。
                  (了承)
○森座長 ありがとうございます。続いて先ほど別に検討ということで59頁の別紙2、平均空間線量率の測定・評価の方法です。2の基本的考え方の(2)で、実際にはこの空間線量率を2週間に一度、測定することに前回なりましたが、その後、どのようにしていくかという検討中で、何回測定を連続して、いくつ以下だったら、その後省略できるといった要件を付けて、少し簡素化しようという案が出ています。現在、どのような数字を入れるかについては空欄になっていますが、これについて何かご意見とかデータがありましたらお願いします。もともとこの考え方が単なる測定誤差の話なのか、例えば前回もありました、雨が降って状況が変わるということまで考えての話なのかによって、ずいぶん変わってくるように思います。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 経時的な空間線量率の変動のデータは探してもなかなか見つからなくて、何か委員の先生で経時的に定点測定をしているデータがありましたら、ご提供いただければと考えています。
○森座長 いかがでしょうか。根拠になるものが。
○古田委員 これの意味ですが、2.5μSv/hを超える場所での話ということですか。
○森座長 いや、2.5μSv/hを下回っている場合。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 下回ってというよりも直下です。例えば2.2μSv/h出ましたので基本的に規制は外れます。でも1週間後には2.8μSv/hぐらいになったりすることがありますから、一定期間は測っていただこうと思っています。もちろん未来永劫に測る必要はないわけです。
○森座長 2.5μSv/hを超えるときが何回か測っていたら、2.5μSv/hを切ったときに、いつまで線量管理をやり続けるか、そのようなことですね。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 そうです。明らかに5μSv/hとか10μSv/hだったら何の議論もありませんし、たぶん1μSv/hとかになっても全然議論の余地はないと思いますが、その間をどうするか。
○名古屋委員 作業は継続されている、作業は変わらない、全く同じ作業がずっと続いているということで考えていく。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 そうです。空間線量率ですので基本的にはやや継続するような事業を想定しています。ですから、いわゆる復旧工事みたいに工事が2~3日で終わってしまうようなものは、事前に測ったらそれまでという認識です。
○名古屋委員 一応、濃度測定と言う場合、継続されたときというのはその作業が続いているから、そのままの状態が続くだろうと考える。いわゆる発生源が違わなければそのままの状態が続くだろうと考える。もし直近で違ったものがあったときには、その作業によって飛散するから、その状況を測りましょうとなっていますよね。だから継続されているときというのは、比較的新しい発生源が出てきてそこで上がることがなかったら、作業が変わらなければそれほど変わらないのではないかと思います。違う作業をしたときに、たぶんその作業に伴って発生源が違うので、そこは確認したほうがいい。何か変化が起こったときには直近で測ったほうがいいという形にしておいて、普通の濃度測定のときと同じ考え方でいいと私は思います。
○森座長 作業とか状況が変わらなければ省略できるという規定と、何らかの変化があった時には再度測定しなさいということの組合せといったような提案ですね。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 例えば屋内であればおっしゃるとおりだと思いますが、もともと現存被ばくということで、発生源があるわけではありませんので、雨とかで動く事態をどう捉えるかということだと思っています。
○古田委員 どれぐらい変動するかだと思いますが、雨で動いて例えば土砂崩れとかない限りは、そんなに大きくは変動しないと思います。だからこの辺、こだわらないと駄目なのでしょうか。
○森座長 ですからどこかで切って、いまおっしゃったような土砂崩れも含めて大きな状況の変化と捉えて、そのとき測りなさいという整理だったらできるのはないかと思いますが。
○原災本部茶山班長 経時的な変化であれば、屋外の所で主として学校の校庭が多いですが、文部科学省のWEBサイトでは、最近、それをリアルタイムで取っていてグラフ化できるはずですから、できる期間について少し制約はあるかもしれませんけれども、そんなに大きく変わらないというのは確かめることができるかと思います。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 わかりました。いただいた文科省のデータも見させていただいて、事務局で何らかの方策があるかどうか検討したいと思います。今回、報告書の中に必ずしもこの数字をガチッと書く必要はないと考えていますが、ガイドラインには書かないといけないと思います。報告書では測定の打切りのための一定の基準を設けることにさせていただき、5月の検討会でガイドライン上で明確に書けるようにさせていただければと考えます。
○森座長 いま、大体コンセンサスがあるのは、低い状態が続いたらどこかで測定は打ち切ろうということと、大きな変化があったらそれは測ろうという2つの点ぐらいですので、それらは書いていただき、ガイドラインの中で少しデータを集めて揉んでいただくことにしたいと思います。第3について、ほかにいかがでしょうか。よろしければ続いて、第4の被ばく低減のための措置と第5の汚染拡大防止、内部被ばく防止のための措置について、事務局から説明いただきたいと思います。その途中で関連する資料として資料6、7があります。これは事務局から、資料7-1、7-2の農地土壌の簡易測定については、事務局の説明が終わった後に農水省の田雑補佐より、7-3の森林のセシウム濃度の推定は金子委員より、資料8のマスクに関しては松村委員より順番に説明いただき、まとめて審議したいと思います。それと、いま別紙2について出てきましたが、関連する資料として報告書の別紙1、2がありますので、必要なところで併せて説明いただいて、まとめて議論することにしたいと思います。それでは事務局からまずお願いします。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 41頁からご説明させていただきます。第4の被ばく低減のための措置の1の事前調査等です。これにつきましては先ほどの議論の繰り返しですけれども、継続する事業については2週間に1回測定する。測定の項目については平均空間線量率と、汚染物質を扱う作業については汚染物質の濃度です。ただ、これにつきましては先ほど申し上げましたように、どういった基準で打ち切るかという議論が残っています。
 (注2)の放射性物質の濃度測定の試料採取ですが、これについては別紙1ということで先にこちらを説明させていただきます。農地土壌で地表から1mの位置の空間線量率から、土壌の放射性物質の濃度を算定できるということです。これは後ほど農水省の田雑補佐からご説明いただきます。ただ、これは地表15cmまでのものを平均して、要するに攪拌した状態で平均濃度を出すことになっていますが、実情は必ずしもそうでもないということで、81頁の資料6です。81頁の下半分にあるのはJAEAからのデータで、学校・運動場、農地に分けていますが、1cmピッチで取ると、1cmまでの所の存在比率が6割とか5割で、ほとんどの放射性物質は極めて表層に近い所に集中しています。82頁の左上の図は一般的な田畑のセシウム濃度で、これを見ていただくとわかりますように、地表表面に60,000Bqのうち40,000あるということです。上の右ですが、耕すと下のほうにもセシウムが下がってきます。これは事故前に田起しした状態ですので事故後の田起しの状態とは違いますけれども、いずれにせよ、耕作するという行為で攪拌されて濃度が均一化される傾向があります。下はより細かくいろいろな地点で測ったものですが、基本的に地表から2cmの下までに、ほとんどの放射性物質があることは変わらないことは、ご理解いただきたいと思います。
 それを前提にした上で42頁に戻ります。こういったデータがありますので、実際の作業でどういう土壌を触わるのかに、被ばくは依存します。特に表面汚染の汚染限度を超えるかどうかというレベルが関わってきます。例えば農地であれば先ほど申し上げたように反転耕をするような場合、あるいは表土の除去が行われた場合は、いわゆる平均の濃度と近い形になると思いますので、農水省にご提案いただく算定方式で測定に替えることは可能になると思います。
 森林の落葉層についても同様の推定が可能で、いわゆる落葉の層や地表近くの土壌を取り扱う特別な作業を除いては、基本的に簡易な測定は可能ではないかということです。後ほどご説明いただいた後、ご議論いただきたいのは、簡易な測定方法として、精度上、どこまで信頼性があるのかご検証いただきたいのと、いまのところ農地土壌と森林の落葉層に限っていますが、同様な簡易測定法というのはほかにできるのかについても、併せてご意見をいただければと考えています。私の説明は以上です。
○森座長 続いて農水省からお願いいたします。
○農林水産省田雑課長補佐 農水省の技術政策課の田雑です。資料7-1ですが、これは本年3月23日付で公表した「農地土壌の放射性物質濃度分布図」の作成についてのプレスリリースの文書部分です。この中で、農地上の1mの高さの空間線量率と農地土壌中の放射性セシウム濃度の間に相関関係があることを示しております。
 その部分が推計のところにございますが、85頁の「結果の概要」の1ポツの3)です。この相関関係を踏まえまして、空間線量率から農地土壌中の深さ15cmまでの放射性セシウム濃度を簡易に算定する方法を提示しておりまして、これが資料2の87頁です。この農地土壌の放射性セシウム濃度の簡易算定法というのは、農地の種類ごとに10種類の推定式が示されておりまして、それぞれ空間線量率に一定の数を掛けて、ものによっては一定の数を引いたりする場合もありますが、これらの式のうち、同じ空間線量率に対して最も大きな農地土壌の放射性セシウム濃度が推計される式は、推定式のAです。この条件は、警戒区域等耕作をしないで現在に至っている区域ですが、その中の、田・普通畑の中の黒ボク土の地域が該当します。
 この黒ボク土というのは火山灰性の土で、比較的比重が軽くて有機物に富む土です。この土は、同じ空間線量率のもとで他の土と比較すると、相対的に高い農地土壌の放射性セシウム濃度になります。
  この10種類の推定式なのですが、AからDに該当しますのは、すべて未耕起のケースになりまして、未耕起の場合は先ほどの説明にもありましたとおり、農地土壌の表面の濃度はここで算定される推定値より高くなる一方で、表面より深い位置の土壌における濃度はより低くなります。濃度は均一になってはおりません。
 一方で、EからJについては、樹園地と牧草地は通常は耕しませんが、これを除き耕起が行われますので、おおむね土壌中の濃度は均一になっています。
 この推定式を用いますと、空間線量率が2.5μSv/h以下の場合は、推定式Aを用いますと、農地土壌中の放射性セシウム濃度は8,025Bq/kg以下となります。この推定には一定の誤差を含みますが、1万Bq/kgを超えることは稀であると考えられます。その他の推計式を用いた場合も、いずれも空間線量率が2.5μSv/h以下であれば、農地土壌中の放射性セシウム濃度は1万Bq/kg以下となると考えられます。
 資料を戻っていただいて、関連部分を補足させていただきます。42頁です。ここの部分で、注2の第2パラグラフの下のほうに、「地表面近くの土壌は試算値を大きく上回る可能性があるが、反転耕や表土の除去等が行われた場合には地表近くの濃度が低下することから、試算どおりの濃度となる可能性が高い」と書いています。ここの部分ですが、反転耕や表土の除去が行われた場合に、地表近くの濃度が低下するのはそのとおりではありますが、この試算に用いた調査地点で、反転耕や表土の除去等が行われた所はほとんどございませんので、必ずしもこの試算どおりの濃度となるとは言えないかと思います。もう少し正確に言えば、通常の耕起などが行われた場合に、この試算の濃度になる可能性が高いと考えられますので、ここの部分については適宜修正をいただくのがいいかと思います。以上です。
○森座長 続いて資料7-3「森林のセシウム濃度の推定について」です。金子委員からお願いいたします。
○金子委員 89頁です。まず、森林のセシウムの量で農林水産省のプレスリリース、12月23日に行ったデータに基づきまして計算しております。そのデータにある結果を図1に示していますが、これは福島県内の3カ所、計5林分での調査結果となります。
 見ていただくとわかりますが、対数軸で表していますので変化が小さく見えておりますが、いちばん上の落葉層の部分が非常に高くて、土壌0-5cm、10cm、15cm、20cmと、急激に濃度が下がっていることがわかるかと思います。
 90頁を見ていただきますと、単位面積当たりの落葉層と土壌0-5cmで重さを示しています。左側の落葉層を見ていただきますと、ばらつきはかなりあることがわかります。バーは標準偏差を示しています。この図から落葉層は、概ね一平米当たり1kgから2kgの範囲の中にあります。それに対して土壌のほうは、一平米当たり15kgぐらいあり、落葉層が量的に少ないことがわかるかと思います。
 この落葉層と土壌を混ぜた場合の加重平均濃度を求めました。0-5cmまで混ぜた場合と、深さ10cmまでの土壌を混ぜた場合、15cmまでのものを混ぜた場合、20cmまでを混ぜた場合ということで、90頁にある図3にしましました。落葉層と0-5cmの土壌を混ぜた場合と、それをさらに深くまで混ぜた場合を比較していきますと、このような対数軸で近似されます。
 これを林野庁の福島県下391点の土壌の落葉層と土壌0-5cmの調査データに対して、図3の近似式を用いてセシウム量の加重平均を求め、さらにその場所の空間線量率との比較をしたのが図4となります。
 いまのお話で問題になっている2.5μSv/hの所は、下のほうでわかりにくいのですが、この近似式で求めていきますと、それが89頁で、セシウム濃度と空間線量率を掛けて、図1の式になります。2.5μSv/hにおけるセシウム濃度は8.26k Bq/kgというに相当します。
 ここで私が想定したのは、林業で土付きの苗木を移動させるときに、表面の土だけではなくて、ある程度の深さの土を移動します。そこで農地と同じように15cmまでのセシウム濃度が、どのくらいになるかというのを求めるために、この式を使いました。
○森座長 先ほど私から、第4と第5をまとめてという話をしましたが、まず第4を片付けて第5の議論というほうがよさそうなので、松村委員のご説明は少しあとでということにさせていただきます。
 第4に関して気がついたところなのですが、本文中は別添になっていて、後ろは別紙になっているのは、統一をいただきたいと思います。
 あと、先ほど農水省から反転耕に係る文言が、農水省の立場からみると正確ではないというご意見がございましたが、それについてはよろしいですか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 ご指摘の内容は理解いたしました。どういう表現がいいかは検討させていただきます。趣旨としては、私の理解では反転耕というのは物質が除去されるわけではありませんので、濃度は変わらないと思います。ただ、表土を除去してしまえば濃度は確実に変わりますので、そこは加味したような表現に変更したいと思います。
○農林水産省田雑課長補佐 いまの件を補足しますと、反転耕は表面の農地土壌を、15cmよりさらに深い所まで放射性セシウムごと押し込むという技術ですので、反転耕を行うと、15cmまでの農地土壌の濃度は薄くなります。高濃度の部分がさらに下に行くということをご理解いただきたいと思います。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 わかりました。なお一層理解が深まりました。要は濃度が下がるという安全側の変動ですので、そういったところで記載したいと思います。
○森座長 あと41頁から42頁に関して、先ほどは空間線量率について、何回連続して測定するのかという件は、ガイドラインなどでもう一度議論ということになっていますが、放射性物質の濃度についても同じ取扱いという理解ですが、それでよろしいでしょうか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 報告書では詳細な方法は検討中という形で置いていただきます。これは省令に書き込む事項ではありませんので、先送りにできるということです。ガイドラインの5月11、22日の議論の中で、いま別紙1-1、57頁に数字が入っていますが、放射性濃度の簡易測定方法ということで、これはどちらかというと廃棄物などを扱うときに、簡易に容器の中に入れて測るような濃度測定の方法ですが、こういったようなフォーマットにして、誰でも使えるような形にまとめてガイドラインに入れたいと考えています。
○森座長 そうしますと、第4について、大きな点で議論をしなければいけないのは、本文中の56頁にもありますが、放射性物質の濃度の測定を、空間線量率を測って換算式に入れてという簡易測定に関するところですが、これについてご意見がありましたらお願いいたします。
○古田委員 濃度の測定を義務づけるというのが、まだ私もよく理解できていません。最終的にはそれだけ集まったセシウムの量からγ線が出ていて、それで被ばくをする。土壌を扱うということで、そこでさっき言ったような配管を埋めるとか、そういった土木工事をするというときには、やはり外部被ばくがメインだと思います。そういったときに、濃度の測定を常に義務づけるというのが、本当に表面だけを集めて、それを取り扱うということであれば濃度の測定義務というのは理解できるのですが、今回はたまたまそういうフィールドで別な作業をするということが目的ですので、土壌中の濃度を測定しなければいけないことを事業者に全部押し付けるというのは、その趣旨からして意味がよくわからないのですが。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 汚染検査のところは46頁にありますので、そちらとまとめて説明させていただきます。表面汚染の限度値を超えるかどうかが問題だと思います。ここに書いていますのは、先ほど申し上げましたように、反転耕、表土の除去が行われたような場合、あるいは落葉層もしくは地表近くの土壌を基本的には触らないということが担保される場合であれば、先ほどの試算値によれば、1万Bq/kgという限度基準を下回っていますので、基本的には汚染検査は要しないということを規定したいとは考えています。ですので、そういった結論に至る道筋たる、先ほどの推定が正しいのかどうかというところだと思います。
○古田委員 例えば汚染検査では、いま40Bq/cm2という基準でやっていると思うのですが、例えば50万Bq/kgの汚染ですと、1グラム当たり500Bqになると思います。検出機の面積が大体60cm2ですから、そういうことを考えると、例えば5グラムぐらいベタッと検出機の表面にあれば、それが大体40Bq/cm2ぐらいにになってしまうのです。
 そうすると、いま議論している1万Bq/kgで、本当に汚染検査と結び付くような管理が必要かどうかということです。むしろ1万Bq/kgぐらいであれば、この2.5μSV/hとか、外部放射線の管理をすべきようなレベルだと思うのです。汚染検査をするレベルであれば、先ほど言った50万Bq/kgを超えるようなとき、例えば5グラム以上の土が付いているようなときに汚染検査をするとか、もうちょっと数値をうまく使ってなるべく作業者の負担を減らしてあげないと、規制ばかり多くて復旧作業がなかなか進まないような気がするのです。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 そういったことは理解しておりまして、できるだけ我々も負担の軽減を図るということです。82頁のグラフを見ていただくとわかるのですが、例えば先ほどの農水省さんなどがおっしゃったように、15cmまでの平均濃度が8,000Bq/kgだとしても、表層近くというのはそれの何十倍になる可能性がありますので、先ほど古田先生のおっしゃいました50万Bq/kgを超える可能性が出てきますので、一般的に表面汚染検査を除外することはできないと。ただそういう意味では表面を触らないとか、そういった限定は要るのかなと考えています。
○古田委員 表面だけを除去するような除染作業だったら私は理解できます。今度は、そういう表面だけを除去する作業が一般の土木作業でどれだけあるのか。例えば先ほど言ったように、配管を埋設するとか、電柱を立てるとか、そういった公共作業で、どれだけ表面だけを触る作業があるのかというのがよくわからないのです。もしそういう作業があるのであればまさにおっしゃるとおりなのですが。例えば配管を埋めるときには、ある一定の深さを掘ります。出てきた土というのは、一緒になってしまいます。そういった作業を想定すると、いまおっしゃったようなことが適用できるのかなというところが非常に疑問です。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 それは実態に合わせてということですので、そういう作業が一切ないということがここの委員会で断言できれば、除外できますが、正直なところ、除染作業と復興作業を同時に請け負う作業も予想されますので、まず表面を除染してから掘るという作業もございますので、ここではそういった限定は付けた前提で除外したいと思います。
○古田委員 それであれば、その作業のうちの除染作業をする場合には適用するとか、そのような限定付きにしてあげないと、すべて土壌を測定するとか、かなり労力が多くなると思うのです。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 例えば46頁の表現ですと、森林であれば「落葉層または地表のみを取り扱う作業を除き」というような表現をして、こういった作業を行わない場合は汚染検査を除外する。そういった表現ぶりになろうかとは考えております。
○古田委員 その他の作業についても、こういった表現ができるか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 その他の作業についても、こういう表現がどこまでできるかというところですが、我々がいまエビデンスとしてデータを持っているのは、農地土壌と森林しかないので、それ以外にどこまで書けるかはわかりませんが、方針はそういうことです。
○古田委員 是非とも検討していただきたいと思います。
○森座長 先ほどありました簡易測定に関しては、基本的にはこのような考え方でよろしいでしょうか。
○杉浦委員 資料7、87頁ですが、田んぼがあって、土の種類が黒ボク土があって、推定式のAとEで係数がかなり変わってきているのは、地域によって違うということで、これはその他のそこの状況が一緒でも周りが汚染率が高いので、周りが高くてパッと測ると違うのだと解釈すればよろしいのでしょうか。
○農林水産省田雑課長補佐 AとEの係数が違う理由はいろいろありますが、大きな違いはAが土が耕されていなくて、土の表面に多くの放射性物質が分布しているということです。Eは、すでに耕されておりますので、作土中に大体均等に放射性物質が分布しているというのが大きいのですが、またほかにAは田んぼと普通畑を両方含んでいて、Eは田んぼだけということもございます。
 地域に関しては、Eが該当する「その他の地域」は、北は岩手県から南は静岡県までの地域を含んでおりますが、ABCDはすべて福島県内の警戒区域や計画的避難区域等狭い地域のサンプルで式を算出しています。サンプルの範囲がかなり違っているわけです。
○杉浦委員 わかりました。
○森座長 先ほど森林に関しても2.5μSv/hを入れると、大体8,000数百Bq/kgという数字が出ていましたので、大体同じような換算式になっているのですね。これについても、できるだけ簡便に対応がしようという趣旨からいきますと、これだけデータを示していただいたので、これを取り上げるということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○森座長 ありがとうございます。それでは、先ほどの古田委員の件も検討するということにしまして。
○原災本部茶山班長 ご参考までにですが、航空機モニタリングで出しているBq/m2のデータをBq/kgに換算するときに、IAEAですと土の比重を1.3と決めて計算をして、そうするとその65倍ぐらいになります。仮にそれで割り切ってしまえば、ある程度測らなくても地域を特定できるという方法も考えられます。ここに農水省さんがお出しになられたように、非常に細かく見ていくと数字がいろいろ出てくるところはあると思いますが、例えばそういう形で換算して割り切ってしまえば、1万Bq/kgイコール○○市、△△市という具合で特定というのが、割り切り方としては簡単にやろうと思えば可能かなと思います。
○森座長 実測値のある環境ではなくても、適用できるような式だということですか。
○原災本部茶山班長 比重1.3をすべての土地に使うという乱暴なやり方にはなりますが、例えばそういった方法もあります。
○森座長 データが示されておりますが、それぞれここにある方法で推計していくことを基本にしたいと思います。
 それでは第5です。議論はすでに第5に入っておりますが、事務局から追加の説明はよろしいですか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 若干ございます。45頁です。(2)に注意書きを1つ入れています。従来の除染電離則の中に「除去土壌の収集、運搬又は保管」というのがありまして、今回も新しく「汚染土壌等の収集、運搬、保管」というのが出てくるということで、その違いは何かということです。これは大迫委員からのご質問です。
 これは一般論として、建設業者が一時的または臨時的に、作業の近辺に掘削などによって発生した汚染土壌を、除去することを必ずしも目的としていない土壌を仮置きするような場合を想定しております。こういった行為はいまのところ規制されておりませんので、そういった規制の穴を埋めるべく定めたということです。これを荷姿にしてどこかに運び出すということになれば、除染電離則でいう廃棄物等の運搬に当たるという形で考えているところです。
 それから46頁については、先ほど少しご説明してしまいましたが、一定の、例えば反転耕、表土の除去を行う、あるいはそもそも表土のみを取り扱うようなことをしないというような場合については、2.5μSv/hを下回っている地域においては、汚染検査を免除したいという記載を入れております。ただ、いまのところ書いているのは、農地土壌と森林だけということで、データがないのでそのような記載になっています。
 47頁が松村委員からご指摘のありましたサージカルマスクの定義です。これは松村委員に限らず、いろいろな人からサージカルマスクとは何だと聞かれていますので、定義しようと思ったのですが、JISも何もありませんので、「国家検定による防じんマスク以外のマスクであって、一般的に使用されるマスク」ということで、裏側から捉えております。これにつきましては、後ほど松村委員から詳しくご説明いただきたいと思います。
 それから、前回松村委員からご指摘がございましたが、いわゆるマスクの選択は最適なものとすべきだと。要するに、過剰なものはよくないという記載についても、付け加えたということです。以上です。
○森座長 続きまして、資料8について松村委員からご説明をお願いします。
○松村委員 いま安井補佐からご指摘のあったマスクのことですが、防じんマスクを使うほど復旧作業での発じんが多くない場合に、サージカルマスクを使いなさいという言葉があったのですが、サージカルマスクというのがどのようなものかということに私自身が引っ掛かりまして、情報を集めました。
 日本では「サージカルマスク」という名前での政府の登録制度、試験制度というのは何もありません。アメリカでは医療用品としての位置づけですので、FDAが登録制度を実施しています。そのためにサージカルマスクが満たすべき要件として、試験法と性能基準がASTMで決まっています。それは感染性の細菌を含む飛沫が透過しないとか、人工血液が透過しないとか、通気抵抗が低いなど、いろいろ試験が決まっていまして、そういう試験の結果が規定に合格しているものをFDAが登録をして、登録番号を与えているものがサージカルマスクなのです。
 産業用の防じんマスクも微粒子に対しては有効です。これはもっと厳しい微粒子での試験をしておりますが、それでも、例えばNIOSHが検定しているN95防じんマスクをサージカルマスク用に使うためには、改めてFDAの登録を受けて、N95サージカルマスクという呼ばれ方で病院で使われています。これは非常に感染力の強い感染性の病原体を扱うときに使われているわけです。
 形状については、かつてはアメリカでは規格がありました。非常に大きいマスクです。これは外科医が手術をするようなときに使うようなものでして、看護師が頭の後ろで紐を結んであげるようなイメージのものだったのですが、いまはサイズに対する規格は外れておりますが、FDAが過去のものに対して遜色のない性能が保たれているものを認めるという、ちょっと曖昧な規定になっております。サージカルマスクの例としてインターネットから取ってきた広告を載せていますが、非常に大きなものです。
 日本のホームセンターやドラッグストアで売っているようなものは、ちょっとイメージが違うものがたくさんあるわけです。立体マスクとか、プリーツマスクは最近はかなり大きなものもありますが、小さなものもあります。それで、サージカルマスクとして買うという方法が、日本ではあまりないのです。病院は別のルートで、そういう指定で買っているかもしれません。
 日本で、例えばインフルエンザが流行したときに、どのようなマスクの使い方を指示しているかを調べますと、本当に明らかに感染性のウイルスを持っている患者に接する職員で医療施設で働く職員は、サージカルマスクをしなさいと書いてあります。ただし、これも日本ではサージカルマスクが何かということが曖昧なのですが、サージカルマスクと言っております。
 それから、明らかに感染力の強い患者は陰圧管理された病室に入っているわけですが、これはその菌が部屋以外に飛び散らないように、そういう管理をした部屋に入れるわけですが、その中に入る職員にはN95マスクを使用しなさいといっています。N95マスクのほうが、防護率が高いという位置づけになっています。それから、患者自身はサージカルマスクをしなさいということになっています。
 これに対して、一般の個人、家庭あるいは地域において、普通の市民がインフルエンザ対策として、他人のくしゃみや咳から自分を守るため、自分のくしゃみや咳が他人に飛ばないために使うものについては、不織布製のマスクを使いなさいという指示をしています。この不織布製のマスクというのが、私たちがドラッグストアやホームセンターで入手できるような一般的なものであると思います。
 そのように考えますと、復興、復旧作業で、防じんマスクを使うほどではないけれども、使ったほうがよいというマスクというのは、たぶん入手経路としても、そういうドラッグストア、ホームセンターでも買えるようなものであって、防じんマスクほどの性能はなくてもよいものということであるかと思うと、不織布製マスクという言葉が適当ではないかと思いました。
 こういうマスクを作っているメーカーの団体が、全国マスク工業会というのですが、そのホームページを見ますと、家庭用マスクというのは、ガーゼタイプと不織布タイプと分けています。医療用のマスクはサージカルマスクと呼んでいると書いてありますが、これがどのように実際には販売ルートが分かれているかはわかりません。病院はサージカルマスクという指定で、ほかの医療用具、ガウンとかいろいろなものがありますので、一緒に発注をすれば、もう少し防護のいい、大きなタイプのマスクが入手できるのかと思うのですが、一般市民にこれを使わせるというのは、ルートが違うような気がいたします。以上が私の報告です。
○森座長 第5の中身についてご議論いただきたいと思います。大きなポイントとしては、45頁に、除染電離則ではカバーできていない「汚染土壌等の収集、運搬又は保管」の定義をしていただいたことが1点と、46頁で、先ほど議論はすでにありましたが、これはどこまで省略することができるかを少し検討いただくという汚染検査の部分が1つ、マスクについては、いま松村委員からありましたが、事務局ではかなり細かい書きぶりながら、案を何とか出していただいたところですが、松村委員より不織布製マスクでいいのではないかというご意見をいただいた部分があります。それらの点が主な点ですが、何かご意見などはございますでしょうか。
○門馬委員 容器の収納のところなのですが、45頁の(2)で、もともと電離則でもこのような書き方をされているのですが、いわゆる収集、運搬又は保管のときは基本的には容器に入れなさいと。容器に入れられない場合については特例の措置という構成になっているのですが、いわゆる外部被ばくという観点で、一連の作業の中で、どういう作業がいちばん外部被ばくに効いてくるかを考えたときに、細かく、例えばフレキシブルコンテナのようなものに物を入れる作業、その入れたフレコンを運搬のためのトラックに積むための玉掛けの作業、あとはそれを仮置場に定置するときの補助作業とか、結構容器に入れるがために線源に近付いて作業するというケースが多いのですが、ここのもともとの趣旨が、いわゆる運搬とかそういった作業の際に、汚染の拡大を防止するためにきちんと措置をしなさいということであれば、必ずしも小分けの容器に入れないことも、手段として、オプションとしてあってもいいのではないかと思います。
 それで、例えばここの文章の中で、「容器に入れることが著しく困難なものについて」というのがなければ、「場合によって拡大防止の措置をした場合はこの限りではない」として、ある程度の融通が利くのかなとも思えるので、そのような変更はできないのかを聞いてみたいと思います。
○森座長 いまの点はいかがでしょうか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 おっしゃるのは非常によくわかります。容器に入れるときの被ばくというのは、すごいものがございますので、まさにおっしゃるとおりだと思います。
 ただ、汚染拡大防止という観点から、いまのところ容器に入れるということをやっておりまして、これは環境省の除染ガイドラインも同じスタンスを取っております。古くはもともと労基法であるとか、電離則もそうです。要は、ただし書きと言いましょうか、例外規定を柔軟に適用できるかどうかだと思いますので、そちらの書きぶりを検討させていただきますが、容器を原則とするというところについては、かなり定着した制度ですので、この委員会でガラッと変えるのは難しいというところはありますので、その方向で検討させていただきたいと思います。
○金子委員 いまのお話ですが、先ほどの放射性物質をどのようなもので評価するかということにかかわるのですが、例えば復旧で林道を造らなければいけないときに、土砂をどこかに移動させることを想定しますと、かなり濃度の高いものと低いものが混ざった状態で移動するわけです。それが1万Bq/kgにならないということであれば問題はないと思います。実際、表土部分にある1万Bq/kgを超えるものがあるときに、その部分だけを評価するのはかなり大変です。
 それから、前回も言いましたが、拡散防止の観点から考えますと、高濃度の汚染地から低濃度の汚染地に移動させるときには、そういう処置が必要だと思いますが、高濃度の汚染地の中における移動の場合には監視をする必要があるのかという気がいたします。あまりそこに手間を掛けていますと、実際の復旧の足枷になるのではないかという気がしますが、いかがでしょうか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 ご指摘の点は汚染物の濃度をどう測るか、どのぐらいの深さまで測るかという議論に戻ってくる内容だと思いますので、これについては別紙の55頁から56頁にかけてです。まず55頁で「生活圏」と書いてありますが、作業によって取り扱う土壌のうち、ホットスポットを測れということになるのですが、次の頁にありますように、深さは作業で掘削する深さに応じて定めるという形にしています。森林は15cmと決め打ちをしておりますが、いわゆる建設工事をするような場合にどこまで掘るかは全くわかりませんので、それが例えば1m掘るなら1mでいいのではないかと。そういった対応になろうと思います。
 そのため、先ほどおっしゃったような例で、例えば掘削して林道を造る場合は、相当な深さを掘ると思いますが、その場合はそれぐらいの深さの平均濃度でいいという考え方になりますので、先ほどの推定の15cmで1万Bq/kgを下回っていれば問題はないということになってきます。そこの推定をどうするかという議論はまたあるのですが。
 どうしても、例えば高線量地域で1万Bq/kgを超えているかどうかよくわからないということになってくると、57頁にあるように簡易な容器に入れて測っていただくことが必要になりますが、実態論としてはあまりないのではないかと思います。
○古田委員 そういう場所では線量管理をやられているから、被ばくという観点ではすでに管理をされている場所です。そこで土だけ、掘った土をまたそこに戻すとか、均すとか、その程度で、その場所から遠くへ持っていかないような作業で、土をいちいち測らなければいけないという理由がよくわからないのです。その土の濃度というのはすべて放射線の線量に効いているわけですよね。ということは、その線量をきちんと管理して、どれだけ被ばくするか、作業者が被ばくしないようにするというのがポイントですから、そこをきちんと管理することで十分ではないかと思います。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 被ばく管理ということはおっしゃるとおりで、汚染拡大の観点からどこまで求めるかということだと思います。
 例えば正直なところ、都市型土木になると住宅の隣で掘ったりします。そういうときに放射性物質が入っている、それを容器にも入れずに野積みしているということが、社会的に許されるかというと、必ずしもそうでもないので、容器を一応原則にしたいとは考えています。
○古田委員 例えば表面だけ集めるような場合は線量は高くなるのですが、例えば30cmとか40cm掘って配管を埋めるとか、一般的な土木作業だと、どちらかというと線量低減のほうに働きます。だから、その場で使うということであれば、私は土の濃度まで測らなくても、線量管理をきちんとすれば十分だと思います。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 そこはどこまでの深さの濃度を測るかという議論だと思いますので、2.5μSv/hを下回っているようなエリアであれば、50cm掘って1万Bq/kgを超えることは考えられませんので、そういったところで容器という議論は出てこないと思います。
○金子委員 移動に関してはいかがでしょうか。本当に少し隣で動かすということもありますし、大幅に市町村を跨って移動することもあるかと思うのですが。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 一応飛散流出するおそれのないものであることとなっておりまして、容器というのは小分けにしなくてはいけないとは書いていないのです。ですから、トラックに積んで、飛散流出のおそれがないようにする形も十分に含まれるとは思います。
○名古屋委員 先ほどのマスクのところなのですが、サージカルマスクの括弧の中で、「風邪予防、花粉等の一般的に使用されているマスク」とあります。ガーゼマスクはもともとが飛沫の防止と喉のいがらっぽさをなくすということで、防じん効果はないので、不織布を付けたほうが一般的にいいと思います。
○森座長 ガーゼマスクの場合、使い捨てをする人も少ないですしね。
○名古屋委員 不織布のほうがいいですね。
○森座長 ほかにいかがでしょうか。原則は決まっているのだけれども、具体的にどう適用するかについては引き続き検討いただかないといけないところがございましたが、全体的にはよろしいでしょうか。
○松村委員 マスクのことですが、47頁に、性能の過剰なマスクはかえって不適当な装着になりやすいということなのですが、きちんと装着すれば性能のいいものほどいいわけなのです。
 マスクというものは、装着すれば苦しいものなのです。ただし、日本の労働者はそういう状況に慣れていないので、これは装着するとどのぐらい、苦しければ逆に密着しているかということは実感させる以外にないのです。だから、その辺については、装着訓練を伴う教育をしていただけると、本当はいいと思うのです。
○森座長 基本的には、教育項目にそれが入っていると考えていいのですよね。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 実技に装着訓練は入っております。ただ、やると書いてあるだけですので、松村先生のおっしゃる形で厳密に行われているかどうかは確認し難いのです。項目としては入れてありまして、そういった密着性についてフィッティングテストをやることとテキストには書いてございます。
○古田委員 内部被ばくの防止ということでマスクをするわけなのですが、例えば1mSvの被ばくというのは、大体オーダーでいうと10万Bqぐらい吸うことに相当するのです。そうすると、例えば50万Bq/kgの土壌があったとすると、グラム当たり500Bq、10万Bqでやっと1mSvですから、それを1グラム吸っても線量というのは知れているのです。
 だから、どちらがリスクとして大きいか、例えば息苦しくなって死んでしまう、熱中症で死んでしまうとか、そちらのほうがリスクとしては高いと思いますので、そういうところはきちんと勘案して、マスクに対する効果というものを求めるべきだと思います。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 これにつきまして、47頁にマスクの捕集効率を定めておりまして、ご指摘のとおり50万Bq/kgを下回って、なおかつ粉じん作業がなければ、ここは捕集効率を80%と書いていますが、法令上は義務を課しておりませんので、遵法と言いましょうか、まさに最適なマスクの選択というところでやっていただく必要があるとは思います。
○森座長 よろしいでしょうか。よろしければ、あと残りの第6の「労働者教育の内容」、第7の「健康管理のための措置」、第8の「安全衛生管理体制等について」、まとめて事務局からご説明ください。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 48頁からご説明させていただきます。これについては、大きなご指摘は前回もなかったわけですが、まず特定汚染土壌取扱業務、つまり汚染土壌を取り扱う業務については、従来の除染と同じような教育を実技を含めて行う。それから49頁にありますように、汚染物質を扱わないけれども、空間線量の高い所で作業をする方につきましては、放射線の影響等について学科のみで十分ではないかということでまとめています。「その他必要な者に対する教育」ということで、例えば農業従事者であるように、自営業者、個人事業主についても、同様の知識を有することが望ましいということを入れています。
 第7の「健康管理のための措置」についても、2.5μSv/hを超える場所において土壌を扱う作業に従事する労働者に対しては、除染電離則と同様の健康診断、あるいは電離則とそもそも同じ健康診断を義務づけるということです。当然、次の一般健診については、2.5μSv/hを超える場所において汚染土壌を扱う、除染と同じぐらいの被ばくが予定されるような者については一般健診も6カ月に1回です。その他事後措置等については、一般的な電離則の規定と同様です。
 第8が「安全衛生管理体制」です。従来は除染電離則については、建設業に準ずるような業態であろうということから、元方事業者により安全衛生管理体制の確立ということで一律に定めていたわけですが、これについて今回は製造業あるいは商業、そういった元下関係とは無縁のような業種もありますので、ここは書き分けをしております。安全衛生統括者の選任をそもそも求める業態として、汚染土壌を扱うような事業に限定しています。これは、おそらく公的インフラの復旧作業のような、建設業が主になるということですので、ここは重層下請は十分に考えられるということですので、安全衛生統括者の選任を入れております。また、もともとガイドライン上で書かなくても、建設業の場合は労働安全衛生法でそもそも全く同じような規定が義務としてかかってきますので、2度書きになっているかもしれませんが、規定をしています。
 2の「元方事業者による被ばく状況の一元管理」については、下請をもし使うような製造業であっても、そこは元方が一元管理をする必要があるということで定めをしています。それに加えて、特定汚染土壌取扱業務に関する元方については、汚染検査の関係が出てきますので、それをきっちりやるということと、関係請負人の放射線管理担当者の指導といったことも出てきますので、それについて規定をしているということです。
 3「事業者における安全衛生管理体制」については、特定汚染土壌取扱業務、特定線量業務の両方について、衛生管理者または安全衛生推進者を選任して、線量の測定管理等を行わせるということについては変わらないということです。一方、4で書いているのは、放射線管理担当者についても選任していただいて、元方で選任する放射線管理者と連携をして、放射線管理をする業務について実施していただきたいということを書いています。こういった措置については、ガイドライン上の措置ということで、従来の除染電離則と同じ取扱いということで規定しています。こういった点については、前回から特にご意見がございませんでしたので、変更はしてございません。以上です。
○森座長 第6から第8について、前回からの変更はないということですが、何かございましたらお願いいたします。
○杉浦委員 49頁の健康診断の省略のところです。まず1つ目は、(2)のところは、「2から5」ではなくて「イからオ」ですよね。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 はい。
○杉浦委員 それはそれでいいのですが、除染電離則のときも、2.5μSv/h以下で年間5mSv以下の方は、健康診断を省略できるということを強調して言ってきたのですが、ここの中の書きぶりだけだと、年間5mSvを超える人は省略が全くできない、例外規定がないのがいまの除染電離則でしょうか。電離則は、年間5mSv以下になったら、医師が認めなければやらなくていいという書き方になっていて、その上のところは、必要がないと言えば省略できる規定がありますよね。ですから、電離則以上に厳しいことで、年間5mSv以上の方の省略規定がないのだとすると、そこは是非とも入れておいてほしいと思うのですが。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 現行の除染電離則ですね。
○杉浦委員 それも含めてです。電離則自体が年間5mSv以上、以下で、どちらも省略規定はありますので、医師の判断の基準が違いますが。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 現状の除染電離則では、年間5mSvを超えた場合の省略規定は設けておりませんので、そこについては再度検討させていただきます。
○杉浦委員 元の電離則の趣旨を踏まえて、もし直せるのであれば、この機会にお願いできればと思います。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 検討させていただきます。
○森座長 ほかにいかがでしょうか。
○古田委員 被ばく管理をする人を放射線管理者として決めるということなのですが、現在も工場に立ち入られて、そこで線量計を持っておられるという話を先ほどされていたのですが、現在の管理は、やはりそういう人を決めて、会社単位で管理されているのでしょうか。
○原災本部茶山班長 放射線取扱主任者のような人がいるかどうかという意味ではなくてということでしょうか。
○古田委員 現在でも、立ち入りの規制のされている所に工場があって。
○原災本部茶山班長 操業継続している所では、個人の方にそれぞれ持っていただいたり、あるいは全員ではない場合もありますが、代表者が持っていたりしてと。
○古田委員 データはその会社に集約されるのですか。
○原災本部茶山班長 国に一旦もらって、そして町村を介して会社にお渡ししています。
○古田委員 では、いまは国が管理されているということなのでしょうか。
○原災本部茶山班長 非常に特例なケースなので。
○古田委員 わかりました。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 それは特例許可を受けているところだけですよね。
○原災本部茶山班長 はい、9社だけ。
○古田委員 こちらの電離則が制定されると、会社がやらなくてはいけなくなるということなのですね。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 そうです。いまの茶山班長のお話ですと、そういった特例的な取扱いはやめる方向でしょうか。
○原災本部茶山班長 新しいルールが決まると、それはやらなくてはいけなくなるわけです。そうすると、そこで二重にデータを取ることは避けるべきかと考えます。
○古田委員 経費をどうするかとか、本当に会社がそこまで出して被ばく管理する、そういう経費を支払うことになるということですよね。それで登録するとなると、また登録センターにお金を払わなければいけないとか、いろいろな経費が出てくるのですが、この辺が気になるところですね。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 これにつきましては、経費以前の問題として、線量管理をしなければいけないような状態で、そもそも製造業を再開すべきかという先ほどの原則論に戻っていく議論だとは思いますけれども、できるだけそのようにならないように、そもそも除染をして線量を下げてから、要するに線量管理の不要な状態で再開するのが望ましいと考えています。
○古田委員 いまのところは、立入制限されている所は国が除染するのですよね。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 国がというか、国が実施計画を定めます。
○古田委員 そうすると、例えば優先順位とか、例えば自分のところはもう商売やりたいからとか、そういうところでかなり混乱するような気もしているのですが、その辺は国のほうで計画を立てて、除染が終わらないと、場合によっては営業とか、インフラ整備もできないというところも出てくることになってしまうのでしょうか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 まさにそこは優先順位の問題だと思いますので、正直なところそこは環境省のご判断だと思うのですが、優先すべきところからやっていくことになりますので、その優先順位の中で、製造業というのがどの位置づけになるのかということもかかわってくると思います。もっと重要なところもあると思います。
○森座長 いまの話ですが、特例で現在は国が線量管理をしてあげているという事業所が、今回改正する除染電離則の規定に合わせてみたら、実は線量管理をしなくてもいいというところが結構出てくるということですね。
○原災本部茶山班長 すみません、むしろいまはそうなっています。新しいルールができることによって、そういう意味で新しい義務が課されるのではなくて、実際に線量管理しなくていい人たち、屋内作業ですから、屋内作業では2.5μSv/hを下回っていると思いますので、しなくていいということになって、あとは業者と相談で、いまのまま続けるかどうか。
○森座長 先ほどあったように、その不安に対してどのようにサービスを続けるかですね。
○原災本部茶山班長 たまたまこの9社の人たちは、義務としては要らないほうになると思います。
○森座長 ほかにいかがでしょうか。今日意見が出て、事務局に検討いただく部分はありますが、報告書案については皆さんの基本的な合意ができたと理解してよろしいでしょうか。
(異議なし)
○森座長 今日言い忘れたということがある方は、日にちが少ないのですが、一両日中にご意見をいただきたいと思いますそれが出た上で、事務局から報告書(案)の修正案が作られて、前回もそうでしたが、各委員に送られて、各委員のコメントに基づいて再修正を行うことになります。しかし、その後に意見調整をすることが難しいので、最終的には座長一任という形になると思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○森座長 そのことを前提に、今後のスケジュールについて事務局からお願いします。
○椎葉労働衛生課長 本日いただきましたご意見につきましては、検討いたしまして、修正案を早急に作成して、先生方に配信したいと思います。
 それから報告書の承認ですが、先ほど森座長からご発言いただきましたように、ご一任いただきたいと考えておりますが、よろしゅうございますでしょうか。
○森座長 いまございましたように、皆さんのご意見をもう一回いただいた上で、最終報告書については座長一任とさせていただきます。今日はとりあえず報告書の取りまとめというところまでは終わったということになります。次はガイドラインということになりますので、ここで1度安全衛生部長からご挨拶をいただければと思います。
○宮野安全衛生部長 とりあえずの一区切りということで、一言ご挨拶をさせていただきたいと思います。去る3月8日に再開の第1回目、第7回の検討会を開催いたしまして、1カ月と10日で4回の会合を開催いたしまして、報告書の取りまとめということに至りました。この間、相変わらず非常にタイトなスケジュールの中で、委員の先生方、関係省庁の皆さんも含めて、大変精力的にご議論いただきまして、何とかこうした形で報告書の取りまとめに至りましたことについて、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 今日も大変ご議論がありましたように、復旧、復興作業をいかに円滑、迅速に進めていくかという問題、それからそれに携わる作業員の健康問題、この両立をいかに図っていくかという、非常に重要な問題であろうと考えております。いまありましたように、また引き続きご意見をいただいて、この報告書を確定させた上で、それに基づきまして私どもとして、除染電離則の改定あるいはガイドラインの策定等を進めてまいりたいと思っております。できれば新しい施行規則の施行については、7月1日という形でできればと考えております。
 また、前半、昨年と同じ状況なのですが、昨年も報告書作成までで取りあえずお願いできればと申し上げていたのですが、結果として、そのあとまたガイドライン等のご議論をいただきましたけれども、また今回につきましても、やはり報告書だけではなくて、この報告書を踏まえて、さらに詳細な内容についてガイドラインですとか、教育テキストについてもきちんと作成をしなければならないと思っています。それにつきましても、委員の先生方のご意見を十分にいただいて策定をする必要があるだろうと考えております。
 したがいまして、この検討会は今日で一区切りではありますけれども、引き続きガイドライン、あるいは教育用テキストの策定につきまして、またご意見をいただきたいと考えております。また、除染作業の視察等も、大変お忙しい中ですけれども、できれば行っていきたいと考えております。いずれにしても、引き続きご協力よろしくお願いします。
 改めまして、本日まで大変ご協力、ご尽力いただきましたことにつきまして、御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
○森座長 事務局、さらに詳細なスケジュール等、追加はございますでしょうか。
○安井電離放射線労働者健康対策室長補佐 本検討会の報告書は来週中に取りまとめて公表する予定です。その後は、除染電離則の改正に向けてパブリックコメントを開始したいと考えていまして、そのパブリックコメントを踏まえた改正案について、労働政策審議会安全衛生分科会に諮問し、答申をいただいた後に、改正規則の公布を行いたいと考えています。
 このプロセスと平行して、復旧作業等のガイドラインの作成、特別教育のテキスト作成ということで、議論をさせていただきたいと思いますので、次回5月11日(金)に、18時から9階の省議室にお集まりいただきまして、ご議論いただきたいと考えております。
○森座長 次回は5月11日(金)ということで、再度ご参集いただくことになりますが、よろしくお願いします。
○椎葉労働衛生課長 以上で第10回除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止に関する専門家検討会を閉会させていただきます。本当にありがとうございました。


(了)

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