ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(労働条件分科会)> 第101回労働政策審議会労働条件分科会議事録




2012年9月19日 第101回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成24年9月19日(水)17:00~19:00


○場所

中央合同庁舎5号館19階 専用第23会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

【公益代表委員】

荒木委員、岩村委員、権丈委員、村中委員、守島委員、山川委員

【労働者代表委員】

工藤委員、新谷委員、?松委員、冨田委員代理、春木委員、宮本委員

【使用者代表委員】

池田委員、伊藤委員、小林委員、田中秀明委員、田中恭代委員、宮地委員

【事務局】

中野労働基準局長、山越審議官、土田総務課長、村山労働条件政策課長、岡労働条件政策課調査官

○議題

1 労働契約法の一部を改正する法律について
2 「労働契約法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令案要綱」、「労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令案要綱」等について(諮問)
3 その他

○議事

○岩村分科会長 それでは、きょう御出席予定の委員の皆様はおそろいでございますので、ただいまから第101回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催することにいたします。
 本日は、公益代表の田島優子委員、労働者代表の島田尚信委員と中島裕子委員、使用者代表の山中一馬委員が御欠席ということでございます。
 また、中島委員の代理で、全日本自動車産業労働組合総連合会常任執行委員の冨田さんが出席されております。
 なお、池田委員は所用によりまして、途中で退席される予定と伺っております。
 議事に入ります前に、委員の異動がございましたので、また、事務局にも人事異動があったということでございますので、定足数と併せまして、事務局のほうから御報告をいただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○岡調査官 それでは、前回分科会以降、新たに就任された委員の方を御紹介させていただきます。なお、資料No.1として委員名簿をお配りしておりますので、御参照願います。
 使用者代表の委員が新たに3名就任されました。三浦委員にかわりまして、全国中小企業団体中央会労働政策部長の小林信委員です。
○小林委員 小林です。よろしくお願いいたします。
○岡調査官 輪島委員にかわりまして、日本経済団体連合会労働法制本部本部長の田中秀明委員です。
○田中秀明委員 田中でございます。よろしくお願いいたします。
○岡調査官 また、伊丹委員にかわりまして、本日は御欠席ですが、新日本製鐵株式会社人事・労務部長の山中一馬委員が就任されました。
 次に、定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
 引き続きまして、事務局に異動がございましたので紹介させていただきます。
 労働基準局長の中野です。
○中野局長 中野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○岡調査官 審議官の山越です。
○山越審議官 よろしくお願いいたします。
○岡調査官 総務課長の土田です。
○土田総務課長 よろしくお願いいたします。
○岡調査官 労働条件政策課長の村山です。
○村山労働条件政策課長 よろしくお願いいたします。
○岡調査官 申し遅れましたが、最後に労働条件政策課調査官の岡でございます。よろしくお願いします。
 ここで中野労働基準局長より御挨拶申し上げます。
○中野局長 中野でございます。本日はお忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。労働基準行政はさまざまな課題を抱えておりますが、本審議会を始めといたしまして、皆様方の御意見をよくお伺いしながら取り組んでいきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、本分科会で昨年末に建議をいただきました「有期労働契約の在り方」を踏まえまして、先の通常国会で成立いたしました改正労働契約法に関する政省令案につきまして、大臣から諮問があった事項について御審議いただくことになっております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと存じます。お手元の議事次第に沿って進めてまいります。
 1番目の議題は「労働契約法の一部を改正する法律について」ということでございます。まず、内容につきまして、事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○村山労働条件政策課長 それでは、お手元の資料No.2をお開きください。ただいま分科会長からお話のございました「労働契約法の一部を改正する法律」の経過でございます。
 先ほど局長からも申し上げましたとおり、昨年12月に本分科会でおとりまとめいただいた報告内容をそのまま審議会から御建議いただき、それに基づき、本年の2月29日には労働契約法の一部を改正する法律案要綱を諮問させていただき、3月16日におおむね妥当と考える旨の御答申をいただきました。
 その後の経過につきまして、資料にありますとおり、平成24年3月23日に法案を第180回通常国会に提出いたしました。その後、衆議院厚生労働委員会に付託されまして、7月25日に質疑されて採決。7月26日には衆議院本会議で原案どおり可決され、同日参議院へ送付されました。
 その後、参議院でございますが、7月30日に参議院厚生労働委員会に付託され、31日に質疑され、原案どおり可決されまして、8月3日の本会議でも可決され、原案どおり成立したところでございます。8月10日に法律は公布されております。法律番号はそこにあるとおりでございます。
 下の※の「改正法は、公布の日から施行する」の後に「ただし」とございますが、いわゆる無期転換ルール、それから「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止規定」の新設につきましては、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において、政令で定める日から施行することとされております。
 法律の経過は以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 ただいま御説明いただきました、この法律の成立過程につきまして、御意見あるいは御質問などございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。ありがとうございます。
 それでは、議題の2番目でございます。「『労働契約法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令案要綱』、『労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令案要綱』等について(諮問)」ということになっております。
 本件は、本日、厚生労働大臣から諮問を受けた案件でございます。そこで、まず今回の諮問案件の内容について、事務局の方から御説明をいただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○岡調査官 まず始めに、要綱を読み上げさせていただきます。分量もありますので長くなりますけれども、御容赦願いたいと思います。
 資料No.4を1枚めくっていただきまして、別紙1でございます。まず、施行日を定める政令案でございます。読み上げます。
 労働契約法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令案要綱
 労働契約法の一部を改正する法律附則第一項ただし書に規定する規定の施行期日は、平成二十五年四月一日とすること。
 続きまして別紙2でございます。いわゆるクーリング期間の基準を定める省令案でございます。
 労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令案要綱
 第一 法第十八条第二項の厚生労働省令で定める基準
 一 労働契約法(以下「法」という。)第十八条第二項の厚生労働省令で定める基準は、次の(一)から(四)までに掲げる無契約期間(一の有期労働契約の契約期間が満了した日とその次の有期労働契約の契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない期間がある場合の当該期間をいう。以下第一において同じ。)に応じ、それぞれ当該(一)から(四)までに定めるものであることとすること。
 (一)最初の雇入れの日後最初に到来する無契約期間(以下一において「第一無契約期間」という。)
 第一無契約期間の期間が、第一無契約期間の前にある有期労働契約の契約期間(二以上の有期労働契約がある場合は、その全ての契約期間を通算した期間)に二分の一を乗じて得た期間(六月を超えるときは六月とし、一月に満たない端数を生じたときはこれを一月として計算した期間とする。)未満であること。
 (二)第一無契約期間の次に到来する無契約期間(以下一において「第二無契約期間」という。) 次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に定めるものであること。
 イ 第一無契約期間が(一)に定めるものである場合 第二無契約期間の期間が、第二無契約期間の前にある全ての有期労働契約の契約期間を通算した期間に二分の一を乗じて得た期間(六月を超えるときは六月とし、一月に満たない端数を生じたときはこれを一月として計算した期間とする。)未満であること。
 ロ イに掲げる場合以外の場合 第二無契約期間の期間が、第一無契約期間と第二無契約期間の間にある有期労働契約の契約期間(二以上の有期労働契約がある場合は、その全ての契約期間を通算した期間)に二分の一を乗じて得た期間(六月を超えるときは六月とし、一月に満たない端数を生じたときはこれを一月として計算した期間とする。)未満であること。
 (三)第二無契約期間の次に到来する無契約期間(以下一において「第三無契約期間」という。) 次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に定めるものであること。
 イ 第二無契約期間が(二)イに定めるものである場合 第三無契約期間の期間が、第三無契約期間の前にある全ての有期労働契約の契約期間を通算した期間に二分の一を乗じて得た期間(六月を超えるときは六月とし、一月に満たない端数を生じたときはこれを一月として計算した期間とする。)未満であること。
 ロ 第二無契約期間が(二)ロに定めるものである場合 第三無契約期間の期間が、第一無契約期間と第三無契約期間の間にある全ての有期労働契約の契約期間を通算した期間に二分の一を乗じて得た期間(六月を超えるときは六月とし、一月に満たない端数を生じたときはこれを一月として計算した期間とする。)未満であること。
 ハ イ又はロに掲げる場合以外の場合 第三無契約期間の期間が、第二無契約期間と第三無契約期間の間にある有期労働契約の契約期間(二以上の有期労働契約がある場合は、その全ての契約期間を通算した期間)に二分の一を乗じて得た期間(六月を超えるときは六月とし、一月に満たない端数を生じたときはこれを一月として計算した期間とする。)未満であること。
 (四)第三無契約期間後に到来する無契約期間 当該無契約期間が、(一)、(二)及び(三)の例により計算して得た期間未満であること。
 二 一により通算の対象となるそれぞれの有期労働契約の契約期間に一月に満たない端数がある場合は、これらの端数の合算については、三十日をもって一月とするものとすること。
 第二 法第十八条第二項の厚生労働省令で定める期間
 法第十八条第二項の厚生労働省令で定める期間は、同項の当該一の有期労働契約の契約期間に二分の一を乗じて得た期間(一月に満たない端数を生じたときは、これを一月として計算した期間とする。)とするものとすること。
 第三 附則
 一 施行期日
 この省令は、労働契約法の一部を改正する法律(平成二十四年法律第五十六号)附則第一項ただし書に規定する規定の施行の日(平成二十五年四月一日)から施行するものとすること。
 二 経過措置
 第一の一の規定は、この省令の施行の日以後の日を契約期間の初日とする期間の定めのある労働契約について適用するものとすること。
 続きまして、別紙3でございます。
 労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱
 一 労働条件の明示
 労働基準法第十五条第一項後段の規定に基づき、書面の交付の方法により明示しなければならない労働条件として、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合においては「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項」を加えるものとすること。
 二 その他
 その他所要の規定の整備を行うものとすること。
 三 附則
 この省令は、平成二十五年四月一日から施行するものとすること。
 最後は別紙4でございます。
 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準の一部を改正する告示案要綱
 一 契約締結時の明示事項等に係る規定を削除するものとすること。
 二 その他所要の規定の整備を行うものとすること。
 三 この告示は、平成二十五年四月一日から適用するものとすること。
 以上でございます。
○村山労働条件政策課長 続きまして別紙1から順次、何点か補足させていただきます。
 別紙1の施行日政令の関係でございます。この趣旨でございますが、今回の改正法の附則第1項のただし書で、無期転換ルール等につきましては、先ほども申しました公布の日、具体的には今年の8月10日から起算して1年を超えない範囲内において、政令で定める日から施行する旨を規定しております。
 この施行日につきましては、我が国の雇用慣行等に照らしまして、平成25年4月1日としたいというのがこの政令案要綱の趣旨でございます。
 続きまして別紙2でございます。この省令案に関しましてはややテクニカルな点もありますので、お手元の資料No.5をお開きいただきたいと思います。省令案要綱の参考資料とさせていただいております。
 まず、省令の題名でございますが、通常省令は何々法施行規則という題名のものも多くございますが、ここでは「労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令案要綱」ということで、限定的な題名にしております。この分科会でもしばしば御議論をいただきましたように、労働契約法は労働契約の民事的な効力を規律する基本的な法律なので、できる限り法律で要件と効果を書き切るべきであるという、先生方からいただいた御指摘はその通りであると私どもも考えております。
 しかしながら今回の改正で、特に無期労働契約への転換ルールを設けるに当たりましては、クーリングですとか端数処理ですとか、非常に技術的な部分で、図にもございますが、短い有期の労働契約期間と契約がない期間が多数存在する場合に、なかなかこれを法律で書き切ることが難しいということがございます。
 そうしたことも踏まえまして、その場合に限って省令に委任するということを明確化するために、施行規則とはせずに限定的な委任の省令とさせていただきたいというのが、このタイトルのところでございます。
 先ほど読み上げました、省令の最初の第一のところで定めている中身でございます。具体的には「契約期間が連続すると認められるものとして厚生労働省令で定める基準」というのが法律にある文言でございまして、要すれば、契約がない期間が間に挟まっているけれどもそれは短いので、つながっている扱いにするかということについて定めている基準というふうに見ていただければと思います。
 この条文の構造でございますが、順次時間が経つにつれて場合分けが増えていくという構造になっております。
 資料5の第一の一のところで、労働契約法第18条第2項の厚生労働省令で定める基準、連続するものと認められる基準は、次の(一)から(四)までに掲げる無契約期間です。
 無契約期間というのは括弧の中にございますように、「一の有期労働契約の契約期間が満了した日とその次の有期労働契約の契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない期間がある場合の期間」として、この省令で定義を置いています。
 法律で既に「空白期間」という語は別の定義で使っておりますので、それと紛れがないように無契約期間という新しい定義を置いています。それに応じて「それぞれ(一)から(四)までに定めるものであることとすること」としております。
 具体的には、最初のところは(一)でございます。最初の雇入れの日、具体的には図の中で下から上に突き上げている太い矢印がございます。それ以降、最初に到来する無契約期間、以下?でございます。?の前にある有期労働契約の契約期間が、複数の有期労働契約が間を置かずに続いている場合もございますので、その場合にはその全ての契約期間を通算した期間、これは1です。1は仮に3つ続いているように書いていますが、?の期間がそれに2分の1を乗じて得た期間未満であれば、1と2はくっついているものと扱いますよ、反対の言い方をすれば、2分の1以上であればクーリングの対象になりますよということを書いております。1に2分の1を掛けたものと、?を比較するということを書いております。
 次に2ページ目の(二)でございますが、次の無契約期間の?のところでございます。ここまで話が進みますと、今度は?のところがそもそも連続していると認められるか、それともクーリングされるかによって場合分けが生じてまいります。
 具体的にはイで、?が(一)に定めるものである場合、つまり?のところは連続していると認められる短い無契約期間だったという場合でございます。その場合には?の期間が、?の前にある全ての有期労働契約【1,2】の契約期間を通算した期間に2分の1を乗じて得た期間未満であることとしております。
 下に書いていますように「(1+2)×1/2」と?を比較して、2分の1を掛けたものが?未満であれば、連続している扱いになるし、そうでなければ離れている、クーリングする扱いになるということでございます。
 ロは、今度は?のところが離れていた場合でございます。その場合には?の期間が、?と?の間にある有期労働契約【2】の契約期間だけに2分の1を乗じて得た期間未満であればつながっているし、以上であれば次も離れているということになるということを規定しているものでございます。
 1枚おめくりをいただきまして、?の次に到来する無契約期間の?についてでございます。今度は?のところがつながっているかどうか、?のところがつながっているかどうかで、さらに場合分けが増えてまいります。
 イのところで、?が(二)のイ、つまり?も?もつながっていますよという場合はどうなるかということでございます。この場合には?の期間が、?の前にある全ての有期労働契約【1,2,3】の契約期間を通算した期間に2分の1を乗じて得た期間未満であれば、つながっていますということですし、離れていればクーリングということでございます。
 ロのところでございます。?が(二)のロに定めるものである場合ということで、?のところが離れていてクーリングされていて、?のところはつながっている場合でございます。その場合には2と3の契約期間を通算した期間に2分の1を乗じて得た期間と、?とを比べるということでございます。それ未満であれば連続しているものとして扱うということでございます。
 4ページ目のハは、イ又はロに掲げる場合以外の場合ということで、そもそも?のところで離れている場合でございます。その場合には、?の期間が3の契約期間に2分の1を乗じて得た期間未満であればつながっているし、そうでなければクーリングということでございます。
 ここまで見ていただきますと、(四)でございますが、?以降のところは、さかのぼっていって、クーリングされていない限りは契約期間を足していって、2分の1を掛けたものと比較して、それ未満であればつながっている扱いになるという構造がわかっていただけるのではないかということで、当該無契約期間が(一)、(二)、(三)の例により計算して得た期間未満であるとしております。
 今、(一)から(三)までを説明する過程で飛ばしましたけれども、それぞれの2分の1を乗じて得た期間の後に括弧が付いておりまして、もちろん法律上の一般的なルールで六月を超えていれば、それは離れている、クーリングということでございますし、あとは分科会での御議論の中でも、一月に満たない端数を生じたときには、これを切り上げて一月として計算ということにしたいと申し上げてまいりましたが、そこのところで計算上の2分の1を乗じて得た期間に関する端数処理のところは、逐一必要なところに規定しているところでございます。
 4ページの真ん中から下のところでございますが、一により通算の対象となるそれぞれの有期労働契約の契約期間に一月に満たない端数がある場合の端数処理について、ここで規定しております。これらの端数の合算については他の法令なども参考にして、30日をもって一月とするものということにしております。
 具体例は下にございますように、3カ月11日と1カ月29日を足す必要がある場合に、なるべく月寄せしたほうが計算が簡便になるという観点も含めまして、4カ月40日となりますが、5カ月10日という処理にするということを規定しているところでございます。
 以上、ただいま御説明しましたのが、もとの資料の要綱のNo.4のほうに戻っていただきますと、別紙2の3~5ページ目のところでございます。
 6ページ目のところにもう一つの端数処理で、2分の1を乗じて得た期間について「一月に満たない端数を生じたときは、これを一月として計算した期間とする」としております。これは法案をおまとめいただく過程の中でも御議論があり、あるいは御説明をさしあげている部分もあったかと思いますが、たとえ1日であっても3日であっても、それの2分の1というときに、最後のところは切り上げで一月ということにしていくということで「これを一月として計算した期間とする」とさせていただいているところでございます。
 附則のところは、施行日はもちろん法律及び政令と揃えておりますし、必要な経過措置についても入念的に規定しているところでございます。
 別紙3と別紙4は一体のものでございます。これに関しましては、資料No.6が以前この分科会でおとりまとめいただきました報告内容を審議会から御建議いただいた内容です。資料No.6の4ページ目をお開き願いたいと思います。「5 契約更新の判断基準」というところです。この4番のところまでが、もう既に契約法の改正で法律化されている内容でございますが、5番のところは「有期労働契約の継続・終了に係る予測可能性と納得性を高め、もって紛争の防止に資するため」の後でございますが、現在、いわゆる雇止め告示に規定されております契約更新の判断基準については「労働基準法第15条第1項後段の規定による明示をすることとすることが適当である」ということで、その当時の審議会での御議論の表現をそのままお借りすれば、省令への格上げということについて、建議いただいたという経緯がございます。
 それを踏まえまして、別紙3のところでございますが「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱」ということで、明示事項が具体的に書かれている中に、労働基準法第15条第1項後段の規定に基づき、書面の交付の方法により明示しなければならない労働条件として、建議にもございます期間の定めのある労働契約であって、その満了後に契約を更新する場合があるものの締結の場合においては「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項」を加えさせていただきたいということでございます。
 これによって更新の有無と判断基準について、基準ということで読み込む整理にしたということでございます。それに伴って、同じ法律の下位法令に違うレベルの規定があるのが、国民にとってわかりにくいという面があるかと思いますので、別紙4のほうで、いわゆる雇止め告示の関係部分の規定は削除するものとさせていただきたいということでございます。
 以上、補足の説明でございます。御審議のほうをよろしくお願い申し上げます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局のほうから諮問案件について御説明をいただいたところでございますが、これについて御意見あるいは御質問がありましたら、お願いをしたいと思います。
 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 1点要望を申し上げたいと思います。
 今、『労働契約法第十八条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令案要綱』の説明をいただきましたが、縦書きの資料No.4の別紙2をずっと読んでいっても、なかなか頭に入ってこなくて、資料No.5の絵を見ながら追いかけていくと何とか内容がつかめる感じがいたしました。
 これは、国民・市民の権利・義務を定め労働契約法にかかわる重要な省令です。今回この提案をいただいた省令の中身について、絵で説明しないと多分一般国民には理解しにくいと思いますので、この省令案の要綱が固まった段階では、わかりやすいパンフレットを作成していただくとともに、全国で改正労働契約法のセミナーを開催する等々、周知の努力を是非お願いしたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 今の御要望につきまして、事務局のほうは何かございますでしょうか。
○村山労働条件政策課長 御意見は大変ごもっともな点だと思います。しっかりと受け止めて対応してまいりたいと考えております。
 パンフレットに関しましては今、御指摘をいただきましたように、まだ一次施行分までのところの仮のものを作成、配布しているのみでございまして、政省令の内容も固まりましたらそれも踏まえて、よりわかりやすいいろいろな事例ですとか、図や矢印もさらに使ったわかりやすいものの作成に努めてまいりたいと思っています。
 また、都道府県労働局等におきます説明会にも、わかりやすい資料ともども意を尽くしてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○岩村分科会長 新谷委員、よろしいでしょうか。
○新谷委員 はい、結構です。
○岩村分科会長 ほかにいかがでございましょうか。
 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 先ほど5番目にありました契約更新の判断基準の建議内容に併せまして、労働基準法の施行規則と、それに伴って雇止め告示の一部を改正する案の要綱の内容を説明していただきました。
 私たちとしては、今回の措置は、雇止め告示の内容を罰則を伴う労働基準法第15条にもとづく省令事項に格上げするものと理解しております。その上で、厚労省の方で平成23年に実施をされた有期労働契約に関する実態調査のうち、個人調査の「更新の判断基準の明示の有無と明示手段」を改めて見ると、書面で明示されたケースが8割で、残りが口頭やその他の手段で明示されたケースとなっています。
 今回の改正で、更新の判断基準が書面以外の方法で明示されたときの法的な効果はどのように変わるか、教えていただきたいと思います。
○岩村分科会長 では、課長、お願いいたします。
○村山労働条件政策課長 お答え申し上げます。
 労働基準法施行規則の中で、具体的に今回新しく定める基準に関する事項に関しましては、書面の交付が必要な事項として明確に位置づけるものでありますので、書面の交付がなされないという場合には、もちろん私ども第一線機関を通じて、是正等に向けて指導・勧告、どうしてもただされない場合には罰則が適用され得る強行規定で、きちんと位置づけるということを、建議を踏まえてさせていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 格上げの法的な効果については、分かりました。次に、指導の基準となる要件が「期間の定めのある労働契約を更新する場合」とありますが、もともと「更新可能性なし」としておきながら、契約の満了日に近づいてきたら、使用者の側から更新をしたいということが繰り返されるという実態もあると聞いております。その場合に、更新の判断基準明示の対象にならないとすれば、やはり労働者としては予測可能性が非常に低く、突然雇止めにあう、ということにもなりかねません。今回の措置は建議にも書かれているように、有期労働契約の継続・終了に係る予測可能性と納得性を高め、紛争の防止に資するために行うわけです。使用者が更新可能性なしと言いながら、更新を続けているようなケースについても、先ほど御説明いただいたような指導の対象になるのかどうか、その辺の取扱いも含めて考え方を聞かせいただきたいと思います。
○岩村分科会長 では、課長、お願いします。
○村山労働条件政策課長 更新はいつ既遂となるのかを含めての点であります。更新について、事前に、更新がありますか、ありませんかということを、まず最初の時点で押さえていただくという趣旨の規定ですので、そこのところの構造はなかなか変わらないのではないかと思いますが、具体的には契約の更新の有無である場合の判断基準を有無自体と同時に書いていただくものであり、具体的な指導等の場面においては、それをきちんとやっていただくということをベースに対応していくということではないかと考えております。
○岩村分科会長 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 一つのルールをつくれば、残念ながら、回避しようという動きが必ず出てくる実態がありますので、悪質なケースについては、実態を見て、今回の規則の改正に合わせて、指導を是非していただきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。特段きょうのところは御質問・御意見がないということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 そうしますと、本件は諮問事項でございますのでもう一回、次回議論させていただくということになろうと思います。
 そこで、次回の日程につきまして、事務局の方から説明をいただきたいと思います。
○岡調査官 次回の日程につきましては、また調整の上、委員の皆様にはお知らせしたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○岩村分科会長 では、後ほど調整の上、日程の御連絡がいくということでございますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、これをもちまして本日の分科会は終了とさせていただきたいと思います。議事録の署名でございますけれども、労働者代表につきましては宮本委員に、使用者代表につきましては伊藤委員にそれぞれをお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日はお忙しい中、大変ありがとうございました。


(了)

労働条件政策課
企画係(内線5353)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(労働条件分科会)> 第101回労働政策審議会労働条件分科会議事録

ページの先頭へ戻る