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2011年12月12日 第7回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の議事録

障害保健福祉部障害福祉課

○日時

平成23年12月12日(月)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館)


○出席者

茨木教授 駒村教授 野沢論説委員 平野准教授
岡田障害保健福祉部長 中島企画課長 土生障害福祉課長 福田精神・障害保健課長
内山地域移行・障害児支援室長 道躰課長補佐 水谷課長補佐 蛭田自立支援給付専門官
三浦課長補佐 関口課長補佐 寺澤室長補佐 稲葉室長補佐
光真坊障害児支援専門官 工藤地域移行支援専門官 遅塚相談支援専門官 小倉就労支援専門官
高木障害福祉専門官

○議題

(1)障害福祉サービス等におけるたんの吸引等の実施の評価について
(2)障害者自立支援対策臨時特例交付金による特別対策事業等について
(3)これまでの議論に関する論点について
(第1回・第4回~第6回の意見の整理)
(4)その他

○議事

○土生障害福祉課長 おはようございます。皆さん大体おそろいでございます。少し定刻前でございますけれども、ただいまから第7回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」を開催させていただきます。
 アドバイザーの先生方におかれましては、毎回御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、全員の先生方に御出席いただいております。
 野沢先生におかれましては、11時45分ごろをめどに御退席予定と伺っております。
 また、厚労省側でございますが、津田政務官は、状況にもよりますが、他の公務がございまして、遅れて出席する予定でございます。
 中島企画課長は少し遅れておりますが、出席する予定でございます。
 それでは、資料の確認と若干の御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、資料の確認でございますが、議事次第、座席表がございます。
 資料1は、これまで御意見のありました件に関する追加資料でございます。
 本日の議題に関する資料でございますが、資料2、資料3ということで、いずれも横長でございます。
 これまでの各論の論点の整理ということで、資料4でございます。
 参考資料が2枚、縦長の参考資料1と横長の参考資料2でございます。
 以上でございます。
 最初に、参考資料1をご覧いただきたいと思います。
 この資料は、民主党政策調査会厚生労働部門会議の障がい者ワーキングチームがおまとめになった資料でございます。「当面の障害福祉施策の推進について」の御意見ということになっておりまして、簡単に御紹介させていただきます。
 前文のところは、ワーキングチームの活動状況等を書いてございますが、基本的には法案に向けて検討されているということでございますけれども、それと並行して取り組むべき事項ということでまとめられたものでございます。
 まず1.でございます。今日の議題とも関わるわけでございますが、障害者の自立支援対策臨時特例交付金による基金事業として、福祉・介護職員の1人当たり、いわゆる1.5万円の処遇改善に向けた取組みが行われているわけでございますけれども、介護保険の動向も踏まえ、引き続き処遇改善が図られる水準を担保すべきという御意見でございます。
 また、同じく基金事業の中には、通所サービス等の送迎に係る支援、あるいは重度訪問介護等の利用促進のための市町村財政支援といった継続的な取組みが必要なものがあるという御指摘でございまして、更に法改正の円滑な施行、あるいは新体系移行に伴う事業者支援・基盤整備への配慮も必要であるといった点について、しっかりとした財政措置を講じていかなければならないということでございます。
 また、裏面でございますが、この報酬改定検討チームで今、御議論をしていただいているところでございますけれども、その内容につきまして、改定を取り巻く経済状況、障害福祉サービス等、税金によって賄われていることも念頭に置きつつ、介護報酬改定の動向を踏まえ、必要な財源をしっかりと確保するという中で、優先的な政策課題として、3点にわたって整理した御意見をいただいております。
 1点目は、グループホーム、ケアホームの夜間支援の強化、あるいは介護者のレスパイトのための医療型ショートステイの拡充。
 2点目は、法改正の円滑な施行のための相談支援、障害児支援の適切な報酬改定。
 3点目は、医療、介護との同時改定ということも踏まえまして、地域区分の見直し、あるいは医療との連携も含めた介護職員等のたんの吸引等の評価。
 これも本日議論いただく予定になっております。
 その他、総合福祉部会の骨格提言で取り上げられた新法の諸課題について、予算面も含め、積極的に取り組むべきであるということでございまして、この提言といいますか、意見書は部門会議の長妻座長を始め、党の幹部の方に御提出されたと聞いております。
 なお、関連しまして、参考資料2をお配りさせていただいております。
 これは政府の方の閣議決定でございまして、今の意見書の中にも出てまいりますが、いわゆる仮称総合福祉法でございますが、来年の常会への法案提出等を目指して検討するということになっているということで、御紹介をさせていただきます。
 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思います。
 まずは、これまでの御意見に関する追加資料ということで、資料1によりまして、担当から御説明させていただきます。
○稲葉室長補佐 それでは、早速になりますが、資料1の相談支援につきまして、私、稲葉から説明させていただきます。
 2ページ、まず、第4回のときに茨木委員から御質問等がございました補助事業の実施状況等についてでございます。
 精神の地域移行・地域定着支援の実施状況につきまして、21年度の実施状況でございます。これは全都道府県で一応実施している状況でございます。
 その中の2つ目、利用者と退院者数を記載してございます。
 利用者の状況については、○1、○2と、利用者の年齢は概ね40代以上が9割、直近の入院歴は1年以上の方が9割という方が全体を占めております。
 3ページ、居住サポート事業の実施状況でございます。
 こちらも同じく21年度の実施状況でございますが、224市町村、全体の13%ということで、実施市町村数は非常に少なくなってございます。
 利用者数、利用者の状況は、2つ目、3つ目のくくりの中に示してございますので、説明は省略させていただきます。
 4ページ、現行の補助事業、前回の委員会のときに、補助の単価にばらつきがあるということで、少し補足して説明をさせていただきます。
 地域移行支援関係でございますが、前回の資料は、基本的にはご覧のとおり、各自治体によって単価設定が時間単位であったり、複数の時間帯、または日額等になっておりますので、そこの部分について詳細に記述をしてございます。
 以下、地域定着支援についても同様でございまして、地域定着支援についても単価の表示について詳細に表示をしてございます。
 5ページ以降、それぞれの単価を例示しました都道府県実施の自治体における実績を抜粋してございますので、御参考にしていただければと思います。
 私の方からは以上でございます。
○寺澤室長補佐 続きまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 7ページ、茨木先生の方から障害児支援の関係で御質問をいただいた件でございますが、児童デイサービスの夏場の需要が拡大するものに対してどのような対応をしているのかということでございます。
 ご覧いただきましたように、職員配置基準につきましては、指導員または保育士ということで、障害児数に対しまして、10人までは2人以上。それ以降については、そこにございますような規定になっております。1人以上は常勤ということでございます。
 参考までにということで、下の○にございますが、今回の障害福祉サービス等経営実態調査によりまして、職員の状況をとらえておりますが、常勤については2.95人、非常勤については1.86人、合計で4.81人というデータでございます。
 今回は夏休みということで、特定の時期をということでございましたが、全国的なデータはございませんでして、10市町村に聞き取りをさせていただいておりますので、それについて御報告させていただきたいと思います。
 下の表でございますけれども、ご覧いただきましたように、児童デイサービスによって対応しているものというのは1市町村でございますが、9割の9市町村が日中一時支援事業という事業の定員を増員したり、この時期に新しく開設したりして対応しているという状況でございます。
 日中一時支援事業は、※印にございますように、自立支援法の地域生活支援事業の中にメニュー事業として行われているものでございますが、比較的基準も弾力的な対応ができるということもございまして、こういう一時的な増加に対しては、こういった事業で対応しているという実態があるようでございます。
 ちなみに、児童デイサービスの職員を増員して対応しているという例を御紹介いたしますと、これは72名というかなり大きな児童デイサービスでございますけれども、基本的に定員は増やさずに、どちらかというと時間が例えば午前中からとか、そういう形で利用されているということもありますので、時間の伸びに対して、非常勤職員を2名増員して対応しているという実態でございました。
 8ページ、同じく障害児支援の関係で、開所時間の議論をいただいたときに駒村先生から御質問をいただいた件でございます。
 障害児の保護者の就労状況ということでまとめさせていただいております。
 障害ごとのいろいろな施設がございますが、その適当なデータというのはございませんでして、肢体不自由児通園施設の団体が調査したものがございましたので、御紹介させていただきたいと思います。
 上の円グラフでございますが、肢体不自由児通園施設連絡協議会で、その20施設に通う子どもの主たる養育者の状況ということで調査させていただいております。全体が415名のデータということで、母親が406名、父親が7名、祖母が2名ということでございます。
 就労の状況でございますが、円グラフをご覧いただきますと、「仕事をしていない」が82.4%ということで、圧倒的なデータになっておりまして、「フルタイム就労」が4.3%、「パートタイム就労」が6.3%というデータでございます。
 参考ということで下に付けさせていただいておりますが、これは障害児に限らず、一般の子育て中の母親の状況を調査したデータでございます。調査対象は1,683人ということで、その状況と比較いたしますと、一般の子育て中の母親の状況では「働いていない(専業主婦)」が61%、「正社員(フルタイム)」が13%、「パートタイム」が16%というデータでございますので、この辺りは家庭の事情でいろいろあるかと思いますが、働きたくても働けない状況がもしかしたらあるのであれば、そういうことは対応していく必要があるのではないかと思っています。
○三浦課長補佐 前回検討チームにおきまして、お二方のアドバイザー方々から御意見等が寄せられてございますけれども、それについて御説明する前に、前回検討チームの配付資料に一部訂正がございましたので、ここで御説明させていただきたいと思います。
 資料1の9ページになります。
 これは「生活介護の報酬に係る論点」の3つ目でございます「利用時間の適切な評価」に関する資料の一部内容になってございます。ご覧のとおり、1日の活動時間に対応した「割合」について修正がございまして、正誤表を提出させていただいております。
 この場をおかりして、お詫びの上、訂正させていただきます。
 引き続きまして、前回、12月6日開催の検討チームにおきまして、お二方のアドバイザーの方々から御意見、お尋ねがあった点について御説明させていただきたいと思います。
 本日は、特に資料を用意してございません。口頭により御説明させていただきたいと思いす。
 1つは、「生活介護の報酬に係る論点」の「利用時間の適切な評価」のところで御質問等がございました。
 「利用者がいない時間でも、準備等いろいろな仕事があるので、短時間しか開所していない場合の適正化には反発があるのではないか。また、健康上の理由のため、5~6時間利用になっているケースもあるのではないか。」といった旨の御意見等がございました。
 これに関しましては、特に広く調査・分析したデータ等がございませんでしたので、生活介護において短時間の利用となっている、開所時間5時間以下の事業所数か所に対して、短時間利用のケースについて聞き取りを行いました。
 その結果、利用時間が短いケースにつきましては、大きく、事業所としての開所時間が短い場合。利用者個人の事情による場合、それぞれの場合がございました。
 事業所の開所時間が短い場合としましては、聞き取りを行ったいずれの事業所も市内全域をサービス提供の対象地域としているなど、送迎に時間を要するため、開所時間が短くなっているということでございました。
 また、事業所の中には、居宅介護事業所を併設しておりまして、夕方以降は居宅介護業務を行っているために、開所時間を短くしているといった事業所もございました。
 一方、利用者個人の事情による場合につきましては、知的障害があって長時間集団でいることが難しいこと、身体障害があって長時間の外出は身体に負担になること、精神障害があって体調がすぐれない場合があることなどといったケースがございました。
 同じく2点目として、これも同じように「生活介護の報酬に係る論点」の「利用時間の適切な評価」のところで御質問等をいただいております。
 「生活介護において8時間を超えてサービスを利用しているケース」に関してでございますけれども、これに関しましても、同じように特に調査・分析したデータがございませんでしたので、開所時間が8時間を超えて生活介護を行っている事業所数か所に対して、聞き取りという形で実施させていただきました。
 その結果、8時間を超える開所時間の事業所の大多数が、例えば活動時間を原則午前10時~午後4時と設定しまして、保護者の仕事の都合とか、通院、冠婚葬祭等の個別のニーズ・事情に応じて8時間を超えて対応しているという状況でございました。
 以上、アドバイザーの方々から主な意見等として挙げられた点について御説明させていただきました。
○土生障害福祉課長 ありがとうございました。
 最後の点は、あくまでも数か所の聞き取りということでございますので、聞き取ったものをそのままお伝えしたということでございます。
 以上の説明につきまして、何かございましたらお願いいたします。
 よろしゅうございますか。
 それでは、議題の方に進ませていただきたいと思います。
 最初に、資料2「障害福祉サービス等におけるたんの吸引等の実施の評価について」、担当から御説明をさせていただきます。
○三浦課長補佐 それでは「障害福祉サービス等におけるたんの吸引等の実施の評価について」御説明させていただきたいと思います。資料は2ページをご覧いただきたいと思います。
 介護職員等によるたんの吸引等の実施に関しましては、資料の上段にもございますように、本年6月、介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部改正が行われておりまして、これにより「介護福祉士及び介護福祉士法の一部改正」が行われてございます。それによって、来年4月から介護福祉士、一定の研修を受けた介護職員等は一定の条件、すなわち医療や看護との連携による安全確保が図られていることといったことですが、その一定の条件の下で「たんの吸引等」の行為を実施ができることとされております。
 こうした状況の中で、資料の下欄にありますように、障害福祉サービス事業所等における介護職員等によるたんの吸引等の評価につきましては、各種サービスにおける看護職員の配置の有無やサービスの状況等を踏まえ、報酬上評価することとしてはどうかといったことを総論的な論点として掲げさせていただいております。
 同じく2ページ「参考」欄に、介護保険給付分科会の資料を付けさせていただいておりますけれども、介護保険においても一定の条件の下でたんの吸引等を実施できることになったことに伴い、報酬上所要の見直しを行うこととしてございます。
 資料3をご覧いただきたいと思います。
 これは、「障害福祉サービス事業所等における医療的ケアの実施体制」を簡単にまとめたものでございます。訪問系サービス、日中活動系サービス、居住系サービス等ごとに現行の看護職員の配置についてです。
○土生障害福祉課長 済みません。資料3ではなくて、資料2の3ページです。
○三浦課長補佐 失礼しました。資料2の3ページです。
 訪問系サービス、日中活動系サービス、居住系サービスごとに、現行の看護職員の配置や看護職員の配置に関する加算、重度者が一定割合以上いる場合の手厚い人員配置体制を評価する加算等々について整理したものになってございます。
 これに関しまして、看護職員の配置基準や医療連携体制加算については、参考資料と付けさせていただいた17、18ページをご覧いただきたいと思います。
 17ページの関係では、療養介護、生活介護、自立訓練(機能訓練)については、看護職員を配置することとされておりまして、一方、前回報酬改定によって看護職員の配置基準のない障害福祉サービス、例えば児童デイサービスや短期入所等でございますけれども、これらにおいても医療的ケアが必要な利用者の受入れを可能とするために、医療連携体制加算を創設するに至ってございます。
 医療連携体制加算につきましては、18ページをご覧いただきたいと思います。
 この加算につきましては、医療機関との連携により、看護職員を当該事業所に訪問させ、当該職員が利用者に対して看護の提供を行った場合等について、報酬上の評価を行うこととしてございます。
 戻っていただきまして、資料2の4ページをご覧いただきたいと思います。
 先ほど、総論的な論点として、障害福祉サービス事業所等における介護職員等によるたんの吸引等の実施の評価につきましては、各種サービスにおける看護職員の配置の有無やサービスの状況等を踏まえ、報酬上評価するとしてはどうかといったことを申し上げました。
具体的な評価方法につきましては、ご覧のとおり、大きく5つの論点を挙げさせていただいてございます。
 1つ目としては、看護職員の配置や重度の利用者に対する支援体制が報酬上評価されている施設入所支援及び生活介護に係る論点でございます。
 2つ目としては、看護職員を配置することとされていないサービスに係る論点でございます。
 3つ目としては、訪問系サービスに係る論点でございます。
 4つ目としては、看護職員の配置について報酬上評価されている自立訓練(機能訓練)に係る論点でございます。
 5つ目としては、障害サービスに係る論点を挙げさせていただいております。
 それでは、個々の論点について、順序に御説明させていただきたいと思います。
 最初に、「施設入所支援における評価に係る論点」についてでございます。
 資料2の6ページをご覧いただきたいと思います。
 施設入所者支援につきましては、資料にも記載されているとおり、たんの吸引等を実施する事業所の体制を評価することとして、重度の利用者に対する支援体制を評価する加算の要件に追加することとしてはどうかといったものを論点として挙げさせていただいております。
 具体的には、現行の加算でございます重度障害者支援加算(ローマ数字1)の算定要件中「特別な医療が必要であるとされる者」について、これに準ずるものとして「腸ろうによる経管栄養」及び「経鼻経管栄養」を必要とする者を含めることとするものでございます。
 次に、「生活介護における評価に係る論点」について御説明したいと思います。7ページをご覧いただきたいと思います。
 生活介護につきましては、看護職員が配置されていることから、後ほど御説明させていただきます他の日中系サービスとは異なる評価方法として、重度の利用者に対する支援体制を評価する加算の要件に追加することとしてはどうかといったことを論点として挙げさせていただいております。
 具体的には、現行の生活介護事業所に関する人員配置体制加算(ローマ数字1)と(ローマ数字2)といったものがございますが、この算定要件のうち、利用者に係る要件につきまして、たんの吸引等を必要とするものを追加することとするものでございます。
 続きまして、「日中活動系・居住系サービス等における評価に係る論点」について御説明させていただきたいと思います。資料は8ページをご覧いただきたいと思います。
 これにつきましては、ご覧のとおり、たんの吸引等を実施する事業所の体制を評価することとしまして、たんの吸引等を必要とする利用者を1人以上受け入れて、介護職員等によりたんの吸引等を実施した場合についても評価することとしてはどうかといったことを論点として掲げていただいております。
 具体的には、現行の医療連携体制加算の枠組みの中で対応することとしまして、今後、看護職員が介護職員等に対して指導のみを行った場合についても評価の対象としてはどうか。また、看護職員の指導の下でたんの吸引等を実施した場合についても、医療連携体制加算の枠組みの中で新たに報酬上で評価してはどうかといったことを論点として掲げさせていただいております。
 続きまして、「訪問系サービスにおける評価に係る論点」について御説明させていただきたいと思います。資料は9ページをご覧いただきたいと思います。
 これに関しては、在宅において介護職員等がたんの吸引等を行う場合の報酬上の評価として、2つの論点、方向性について掲げさせていただいております。
 1つ目としては、現行の特定事業所加算、これは良質な人材の確保とサービスの質の向上を図る観点から、条件に応じて加算されるものとなってございますが、この特定事業所加算の算定要件の追加に係るもの。
 2つ目としては、特定事業所加算(ローマ数字1)の取得が困難な事業所に係るものであります。
 それでは、今、申し上げた2つの論点について御説明させていただきたいと思います。
 資料は10ページをご覧いただきたいと思います。
 1つ目としては、介護保険における検討状況を踏まえ、たんの吸引等を実施する事業所の体制を評価し、現行の特定事業所加算の算定要件の1つとなっている「重度障害者の利用が一定程度であること」の中で、追加して評価してはどうかといったことを論点として挙げさせていただいております。
 介護保険における検討状況等については、資料2の23ページ以降に参考資料として付けさせていただいております。御説明については割愛させていただきますが、後ほど御参考にしていただきたいと思います。
 最初に、今、申し上げた特定事業所加算要件等について、若干説明させていただきたいと思います。資料2の10、11ページを合わせてご覧いただきたいと思います。
 特定事業所加算要件としましては、ご覧のとおり大きく「体制要件」、「人材要件」、重度者対応要件がございまして、特定事業所加算(ローマ数字1)につきましては、「体制要件」、「人材要件」、「重度者対応要件」の3要件。
 特定事業所加算(ローマ数字2)につきましては、「体制要件」、「人材要件」の一部、具体的には11ページにございますが、○7、○8、○9のいずれかに該当することが必要となってございます。
 特定事業所加算(ローマ数字3)につきましては、「体制要件」と「重度者対応要件」の一部をそれぞれ満たすことが加算要件となってございます。それぞれ所定単位の20%、10%、10%の加算ということになってございます。
 こうした中で、先ほど申し上げた1つ目の論点に戻りますが、介護保険と同じような考え方で、現行の特定事業所加算の「重度者対応要件」の中に「たんの吸引等が必要な者」を加えて、これについても算定できることとしてはどうかといったことを1つ目の論点として挙げさせていただいております。
 2つ目としては、特定事業所加算(ローマ数字1)に係る算定要件のハードルが高いために、その取得が困難な事業所に対しては、たんの吸引等が必要な者に対する支援体制について、加算により評価してはどうかといったことを2つ目の論点として挙げさせていただいております。
 具体的には、訪問系サービスで、特定事業所加算(ローマ数字2)及び(ローマ数字3)を取得している事業所や、特定事業所加算対象外の事業所を対象とするものでございます。
 続いて、「障害児支援における評価に係る論点」について御説明させていただきたいと思います。13ページをご覧いただきたいと思います。
 1つ目の論点としましては、来年4月に移行が想定される現行の重症心身障害児(者)通園事業においては、看護職員の配置を評価しているといったことから、たんの吸引等の実施については、既にこの中で評価されていると考えられるがどうかといった点。
 同じく、来年4月、福祉型障害児入所施設への移行が想定される知的障害児施設等において、たんの吸引等の対象者がいることが考えられることから、たんの吸引等を実施する施設の体制評価することとし、重度障害児に対する支援を評価する加算の要件に明記することといった点を、それぞれ論点として掲げさせていただいております。
 具体的な対応としては、資料2の13ページをご覧のように、算定要件中、日常生活動作の介助として、「たんの吸引等」を明記することとして考えてございます。
 次に、14ページをご覧いただきたいと思います。障害児支援における評価の2つ目の論点としまして、放課後等デイサービスなど、看護職員の配置を予定していない、来年4月に新設されるサービスについて、介護職員等によるたんの吸引等の枠組みの中で対応することとしてはどうかといったことを論点として挙げさせていただいております。
 具体的には、14ページをご覧のとおり、今後、看護職員が介護職員等に対して指導のみを行った場合についても評価してはどうか。また、介護職員等が看護職員の指導の下でたんの吸引等を実施した場合についても、医療連携体制加算の枠組みの中で新たに報酬上評価してはどうかといったことを論点として掲げさせていただいております。
 駆け足になりましたが、「障害福祉サービス等におけるたんの吸引等の実施の評価に係る論点」について、御説明させていただきました。
○土生障害福祉課長 ありがとうございました。
 もう一回繰り返しになりますが、まとめておきますと、同じ資料の4ページをご覧いただきたいと思います。これが総括的な論点ということになっているわけでございます。
 介護福祉法が改正になりまして、来年の4月から一定のトレーニングを受けた方であれば、一定の要件の下に福祉・介護職員でもたんの吸引と経管栄養の実施が可能になるということになっているわけでございますが、そういう場合の評価をどうするのかということでございます。
 勿論、当然ですけれども、これまでどおり看護職員の方がそういう医療的ケアをやるということもできるわけでございまして、そういったこれまでどおりの形でやるのか、一定の役割を介護職員に担わせるのかということは、個々の事業所の判断ということになるわけでございます。その場合にどういう評価をするのかというのが今日の論点ということでございます。
まず、4ページの一番上の○でございますけれども、入所施設系の報酬体系につきましては、既にそうした一定の医療ニーズがある方を一定程度受け入れた場合には、体制加算という形で加算が付いているということでございまして、要するに、それを基に看護職員の方を雇っていただいてケアをするというのが、これまでの前提になっているということでございます。今後は、その中で一定の役割を福祉・介護職員にやっていただくという場合も出てくるということでありますので、基本的には体制加算という形で評価をして、実施方法については、事業所の判断にお任せするということにしてはどうかということでございます。
 ただ、その場合に、若干医療の範囲が足りないところがあるものですから、一定の腸ろうですとか、そういったところを追加して、修正することによって対応するというのが施設入所施設、生活介護の場合の評価の仕方についての提案でございます。
 2つ目の○でございますけれども、そうした看護職員の方の配置が基本的にないような事業所でございますが、これまではそうした看護といいますか、医療ニーズのある方を受け入れた場合、通所の場合が多いわけでございますが、看護職員に外から来ていただく料金を評価するという形になっているということでございます。
 こうしたパターンの場合も、今後は看護職員との連携の下に福祉・介護職員が一定の医療的ケアを行うという場合が可能になるということでございますので、その医療連携体制加算を若干修正する形で、看護職員の方が指導を行った場合ですとか、あるいはそれと裏腹でございますが、実際の実技は介護職員がやった場合も評価できるようにしてはどうかということでございます。
 訪問系サービスについては、当然ですけれども、看護職員という方は、訪問看護という形で別途、医療保険で給付されるということでございます。そうした方と連携をして、ホームヘルパーの方がたんの吸引、あるいは経管栄養を実施することが可能になるということでございますけれども、介護保険では、特定事業所加算といいまして、一定の体制加算の中にそういう要件を入れていこうという形になっているわけでございます。
 ただ、障害分野につきましては、それだけでは必ずしも十分な評価にならないのではないかということで、そういう特定事業所加算の20%加算が取れないような場合には、1日当たりの定額の加算というのを創設してはどうかというのが事務局からの提案ということでございます。
 障害児サービスも同様の考え方でございます。
 訪問系のところは、障害児も共通のサービスとして利用できるということになっております。
 なお、重症心身障害児の通園の単価については、もう既に医療も込みで高い単価が設定されておりますので、基本的にはこれまでどおりの対応の中で、もし福祉・介護職員が医療的ケアの一部を行うという場合にも、それは評価として認めるということを継続してはどうかというのが事務局からの御提案でございます。
 それでは、恐縮ですが、先生方の方から御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 茨木先生、どうぞ。
○茨木教授 済みません、ちょっと理解不足の点もあるので、確認と意見です。
 医療的ケアの訪問系のところの説明ですが、たんの吸引をしている事業所に特定事業所加算という、事業所に加算するという仕組みが介護保険と並びで提案されていて、それになじまないところに関してはという、2つ目のところの説明なんですけれども、やはり事業所加算ということなんでしょうか。それが1点。
 もう一つは意見ですけれども、介護保険と特に重度訪問介護でこれまでやってきた医療的ケアの仕組みというのは、随分つくり方というか、成り立ちが違っていて、特定の者に対する医療的ケアの実施ということで、重度訪問の方では、研修の体制なども今回新たに別立てで立てられたような経過がありますし、事業所に加算して、不特定多数の人に医療的ケアを事業所としてしていくということよりも、ヘルパーがある特定の利用者さんにきちんと関係をつくって、医療的ケアを実施していくということに対しての評価ということで言うと、その人に着目するというか、ヘルパーが医療的ケアをやったことに対して、きちんと報酬に加算するという仕組みの方が理屈的には非常に今の障害者の医療的ケアの仕組みとしてはなじむのかなというのが、1点、強く思ったところです。
 先ほどの2回目の土生さんの説明だと、1日当たりで付くということもおっしゃっていたので、その辺り、もう少し具体的に説明をいただきたいと思います。
○土生障害福祉課長 それでは、先に御質問がありましたので、答えさせていただきます。
 今の先生の御質問に関しましては、9ページの論点に関わります。訪問系サービスにつきましては、2つの方法を組み合わせて評価をするということを提案しているわけでございます。
 ○1は、基本的に介護保険と同様の仕組みの部分でございまして、これは先ほども三浦から御説明しました人材、研修、体制の3つの要件を満たしていれば、すべての利用者さんに対する料金が20%加算になるということで、これは明らかに体制加算ということでございまして、それはそれで同様に導入してはどうかというのが1点目でございます。
 2点目は、今の先生の御意見と深く関わる部分でございますけれども、○1だけですと、既に取っておられるところというのは基本的に変わりませんし、そうした医療的ケアの必要な障害者の方というのは、基本的に重度の方が多いということですので、そういう意味では、余りプラスというのは想定できないわけでございまして、○1だけでは不十分ではないかということで、○2を提案させていただいているところでございます。
 ○2につきましては、どういう仕組みを考えているのかということでございますけれども、基本的には、まず先生からも御質問をいただいたとおり、ホームヘルパーさんがたんの吸引等を行うという場合には、登録事業所になるという介護福祉法上の手続というのが必要になりまして、その場合には、一定のトレーニングが必要になるということでございます。
特に重度障害者の方は、今日詳しい資料を配付していなくて恐縮ですが、その人に着目した実技重視のトレーニングを受けるということを想定されるということでございます。例えばAさんという障害者の方に対して、Bさんというヘルパーさんがケアをされるということが想定されるということでございます。
 この加算でございますけれども、Aさんという方に対して、Bさんが通常、一般のホームヘルパーの業務でございますが、その制度を活用して、医療的ケアを行ったという場合には、1日当たり何単位ということで算定をするということを事務局としては想定しているということでございます。
 ただ、重度障害者の方というのは、やはり長時間利用が多いということで、なかなか1人のヘルパーさんだけで1日対応するということではなくて、Bさんと同じ役割を担う方がCさん、Dさんと複数いらっしゃるという場合はあり得るわけでございますけれども、基本的にはその利用者さんに対して、1日何単位ということで、そういう意味で事業所側の都合でシフトで何人替わるかというところまでは評価できませんが、基本的に○1と違います部分については、全体の体制加算というよりは、個々のサービスに着目して評価をするというところが違っているということでございます。
 資料のつくりがほわっとしていて大変恐縮でございましたが、そういうことを考えているということでございます。
○茨木教授 ありがとうございました。
 2つ目がすごく大事かなと思います。実際、重要度訪問介護などでの事業所にとっては、それがすごく大事かなと思っているのですが、ヒアリングでもここの辺りはすごくいろんな御意見が出ていて、30%ぐらい上乗せしてくれないととても成り立たないという御意見もあったのですが、その辺りは今は事務局としてはどういうふうに。
○土生障害福祉課長 資料の中でも出てまいりましたけれども、12ページをご覧いただければと思います。
 御要望の中では、12ページの下の重度障害者加算対象者の割増といいますか、そういったところで何%という御意見があったと記憶しておりますけれども、この重度障害者加算の加算率というのは、重度訪問介護だけが対象となっているということでございまして、私どもからの提案としましては、一般の居宅介護ですとか、そういった他の訪問系サービス事業所でこの医療的ケアの制度を活用した場合にも、同様の評価の対象とすべきと考えたわけでございます。
 そういう意味で、この重度障害者加算による何%ということではなくて、すべての訪問系サービスにつきまして、先ほど申し上げましたとおり、制度を活用して、医療的ケアを実施した場合には、1日定額で加算をするという仕組みにしてはどうかということでございまして、具体的な体制につきましては、全体の予算の状況等を見まして、また年明けに御議論させていただきたいと考えております。
 それでは、ほかに先生方から何かございましたらお願いします。
 特になければ、少し先に進ませていただいて、また後でお気づきの点がありましたらお願いしたいと思います。
 議題の2番目でございますけれども、特例交付金による特別対策事業等ということで、資料3を三浦の方からお願いいたします。
○三浦課長補佐 それでは「障害者自立支援対策臨時特例交付金による特別対策事業等について」ということで、御説明をさせていただきたいと思います。
 資料3の2ページをご覧いただきたいと思います。
 ここに「処遇改善の報酬に係る論点」についての資料がございますが、この論点について御説明する前に、現在、臨時特例交付金により都道府県が基金を設置の上で実施している「福祉・介護人材の処遇改善事業」について、若干お時間をいただいて、御説明させていただきたいと思います。
 14ページをご覧いただきたいと思います。
 最初に、この特例交付金についてでございます。新体系での事業への円滑な移行を促進することなどを目的としまして、平成18年度に補正予算により創設されてございます。
 その後、平成20年度補正予算によりまして、一定の目的、観点から積み増しなどが行われまして、その後、21年度補正予算によりまして、福祉・介護人材の処遇改善等を図るために、新たに積み増しが行われてございます。
 15ページの「経緯」にもあるとおり、平成21年10月から、処遇改善事業を実施してございます。
 14ページにも記載のとおり、福祉・介護職員1人当たりの月額平均1.5万円の賃上げに相当する額を処遇改善に取り組む事業者に対して交付するものとしておりまして、平成21年10月~平成24年3月までの2.5か年分について予算計上されているものでございます。
 助成率等につきましては、国費10分の10となってございます。
 2ページに戻っていただきたいと思います。
 それでは、「処遇改善の報酬に係る論点」について、御説明させていただきたいと思います。
 介護保険におきましては、資料3の3ページにも参考として付けさせていただいておりますが、12月7日の介護給付費分科会において、「平成24年度介護報酬改定に関する審議報告」が行われてございます。この中では、「介護報酬において対応することが望ましい」等といった報告が行われてございますが、障害福祉においても報酬改定により対応することを検討してはどうかといったことをまずもって論点として掲げさせていただいております。
 併せて、仮に報酬で対応する場合でございますけれども、その実施する場合の考え方につきまして、介護保険における考え方も参考に検討することとしてはどうかということも論点として挙げさせていただいております。
 なお、介護保険における考え方につきましては、5~8ページを参考として付けさせていただいております。
 若干説明させていただきますけれども、この改善事業の算定式、算定要件、キャリアパス要件等に関しまして、現行の「介護職員処遇改善交付金」との比較内容についてまとめられたものとなってございます。
 介護報酬で実施する場合は、6ページにございますけれども、算定要件に関しましては、処遇改善加算、これは仮称でございますが、その処遇改善加算のうち、「本給で支給する割合を一定割合以上とする」こと。
 キャリアパス要件等に係る定量的要件、これは同じく8ページにございますが、その定量的要件に関しましては、「新たに採用した職員の処遇に関して、過去の介護職としての経験年数や実務能力を加味するということが給与規程等において明記されていること」といった点を新たに追加することとして検討されております。
 2ページにお戻りいただきたいと思います。
 現在行っている処遇改善事業の交付率の算定式、各種サービスごとの交付率につきましては、ご覧のような状況になってございます。今後、報酬に組み込む場合は、現在のデータについては、直近のデータに基づいて交付率の見直しを行う予定でおります。
 同じく2ページの下段にございますけれども、申請率の状況に関しましては、全国平均で73%となってございまして、介護保険83%に比べると低い状況になってございます。
 なお、申請しない理由等につきましては、さきに検討チームでも提出させていただきましたが、18ページを御参照いただきたいと思います。
 続きまして、「事業所による送迎の報酬に係る論点」について御説明させていただきたいと思います。9ページをご覧いただきたいと思います。
 事業所への送迎経費につきましては、9ページをご覧のとおり、支援費制度、自立支援法等々の中で、一定の経緯をたどってきてございまして、障害者自立支援法施行時におきましては、送迎を必要とする重度の者の利用が想定される事業につきまして、標準的な経費、具体的に自動車維持費等になりますけれども、その標準的な経費を本体報酬の中で評価し、送迎に着目した加算については廃止することとしております。
 なお、介護保険においても、平成18年度報酬改定におきまして、送迎加算を基本単価に包括化するに至ってございます。
 こういった中で、現在、自立支援法による通所サービスや短期入所におきまして、利用者がサービスを利用しやすくすることを目的としまして、臨時特例交付金による特別対策事業として、通所サービス等利用促進事業を行っているところでございます。対象事業所、助成額、補助割合等については、9ページのとおりになってございます。
 10ページをご覧いただきたいと思います。
 仮に報酬改定で対応する場合の「送迎加算の創設」に係る論点でございます。
 各団体の方からは、事業の継続または送迎加算の創設について御要望があることを踏まえまして、仮に報酬で対応する場合の考え方として、1つ目として、送迎の実施により利用者がサービスを利用しやすくすることを目的として、報酬において対応することとしてはどうかといった点。
 2つ目として、利用者ごとにニーズには差があることなどから、これを適切に評価するために加算による仕組みとしてはどうかといった点。
 加算単位につきましては、現行の事業の実績を参考としてはどうかといった点。
 重度障害者の送迎の場合など、付き添いが必要なケースについては、追加加算の創設等の評価を行ってはどうかといった点を各論点として掲げさせていただいております。
 続きまして、「食事提供体制加算に係る論点」について御説明させていただきたいと思います。11ページをご覧いただきたいと思います。
 資料に記載のとおり、日中活動系サービスにつきましては、食費を原則として全額自己負担としております。このような中で通所施設等を利用する低所得者等につきましては、利用者の食事負担額が食材料費のみの負担となるように、現在、減額措置が講じられてございます。
 この食事提供体制加算につきましては、来年の3月までの時限措置とされているところでございますが、取得率が比較的高く、対象が低所得者であることから、この経過措置を延長してはどうかといったことを論点として掲げさせていただいております。
 11ページの一番下の方に書きましたが、現在、宿泊型自立訓練施設につきましては、朝夕の食事を提供しているにもかかわらず、日中活動系サービスと同様の加算単価とされているところでございます。食事提供体制の回数が、短期入所者などと同水準に見直ししてはどうかといった点も論点として掲げさせていただいております。
 以上、駆け足になりましたが、「障害者自立支援対策臨時特例交付金による特別対策事業等について」御説明させていただきました。
○土生障害福祉課長 ありがとうございました。
 基金で今やっております事業に係るものが2点ですね。処遇改善と送迎。そのほか共通的な論点として、食事提供体制加算ということでございまして、この基金に関わるものは、少し中途半端な時期の議論で恐縮でございますけれども、これから年末にかけまして、予算編成の中で基金あるいは報酬のどちらでやるのかというのは決まっていくということでございます。
 まず、処遇改善の方でございますけれども、介護保険の検討状況が4ページないし5ページ等にありますが、基本的には処遇改善につなげるという趣旨から、今、基金でやっております要件を、若干修正を行いつつ、そのまま報酬の加算という形で取り込んではどうかという議論になっているということでございます。報酬の場合、使い道まで規定するというのは非常に異例のことでありますけれども、そういう形でやるかどうか、介護の方でも相当な議論があったと聞いておりますが、基本的には趣旨にかんがみて、経過的、特例的に処遇改善につなげるという趣旨をそのまま引き継いではどうかという議論になっておりますので、障害福祉サービスにおきましても、報酬で対応する場合にも、こうした要件は基本的に同様とする方向で検討したいということでございます。
 送迎につきましても、今度もし加算ということになれば、基本的には一定の額ということになるわけでございまして、その一定の額は基金事業の実績を勘案して設定してはどうかということ。それから、一定の場合に、上乗せができるようにしてはどうかということでございます。
 食事提供体制加算につきましては、基本的に食費は自己負担という制度的な原則から、経過措置ということになっているわけでございますけれども、基本的に延長してはどうかということと、実態として2食提供されているサービスについては、そうした水準の見直しをしてはどうかということを事務局から提示させていただいているわけでございます。
 以上、繰り返しになりましたが、少し補足させていただきました。
 それでは、先生方から御発言をお願いいたします。
 野沢先生、どうぞ。
○野沢論説委員 ちょっと理解が足りていないかもしれないのですけれども、処遇改善の方ですが、これは現行と同じように加算というか、申請した事業所が対象になっているということなんでしょうか。
○土生障害福祉課長 加算でございますので、申請した事業所が対象になるということでございまして、今、基金でやっておりますものの申請率が七十数%という状況になっているということでございますので、基本的には同じような仕組みで報酬でやれば、これは財源が変わるというだけですので、仕組み的には変わりませんので、状況としては、多分同じような状況になるのかなと推測しております。
○野沢論説委員 例えば18ページに申請しない理由のアンケートがあって、賃金改善の必要がないとか、公務員準拠のために不要というのは、全く対象にしなくていいと思うんですけれども、事業所の人員が少なくて、事務の作業がすごく煩雑で、あえて申請できなかったというところもあるんですね。そういうところは、今回新たにその対象になり得るんでしょうか。
○土生障害福祉課長 事務作業が煩雑というお答えはありますが、勿論できる限り簡素なものにしていくということは移行の過程であり得ると思いますけれども、基本的に要件が同じであるとすれば、それほど極端に簡単にするということは、逆に言うと難しいのかなとも思っております。
 もう一つ「対象の制約のため困難」というのが多いわけでございまして、これは福祉・介護職員の処遇改善ということですので、介護の方も同様でございますが、医療系の職員あるいは事務系の方は対象とならないというところが、ひとつ制約になっているわけでございます。
 その前の17ページをご覧いただきますと、助成金の対象となったところの処遇改善の状況です。前にも御説明した資料でございますが、この対象となっている方の給与が右上の1万5,000円程度上がっているというのは、趣旨から見て当然でございますけれども、実はその他の職種の方もほぼ同様、ないしそれを上回る処遇改善が行われているということでありますので、現実問題として、一部の職員だけの処遇改善というのは、事業所の労務管理上、なかなかバランスの問題というのが出てきますので、全体として上げられるところが取っているというところを逆に言うと伺えるわけでございまして、介護保険とのバランスの問題もありますし、また、趣旨から見て、一般的に対象職員をこの際拡大するというのは、議論としては難しいと思っておりますけれども、何らか事務面、要件面について、障害の実情から見て、少し配慮できないかということは、引き続き事務局の方でも検討してみたいと思っております。
○野沢論説委員 それと送迎加算のところで、基本的に継続でいいと思っているのですけれども、例えば送迎に都市部と地方の方だと時間がかなり違いますね。被災地でこちらの都市部から支援に入った人たちが、例えば児童デイが必要だという要望が強くて、事業を立ち上げたと。実際にやってみたら、1人の子の送迎に片道2時間かかって、往復で4時間もかかってしまうんです。そういう1人、2人のために付き添いというか、送迎の人員が1人丸々割かれてしまうわけです。送迎の時間に関する加算というのは何か考えられているのか。あるいは考えにくいのかというのはどうでしょうか。
○土生障害福祉課長 これはいろいろな考え方があると思っております。
 1つは、そうした山間地等については、地域的に別途加算をするという措置もありますので、そういうものとのバランスをどう考えるかということ。
 それから、先ほどの事業所の開設時間の資料を訂正させていただきましたけれども、それがいわゆる事業時間の中に入っているのか、入っていないのかということで、実はこれまでは、そこは全体の人件費の中でということもあって、18年に包括化されたという経過があるわけでございまして、そういう意味で、なかなか長時間のそこだけを取り出して評価をするという仕組みにはなっていないということでございます。
 ただ、今回の提案は、基金事業でやっている分というのは、ある意味、実費としてこれまでの評価を上回ってコストがかかっているということでございますので、その点に着目して、仮に基金事業から報酬に移すのであれば、その値を参考にした送迎加算というものを新たに創設してはどうかという点でございます。
 そういう意味で、加算という形になりますと、個々の送迎の長短をすべて評価するという仕組みにはなり得ないわけでございますが、資料の10ページにもございますとおり、重度の方の場合で付き添いが必要だということですと、明らかにかかり増し費用があるということでございますので、そういった場合に加算を手厚くするといったような配慮をしてはどうかというのが事務局からの提案でございます。
 平野先生、どうぞ。
○平野准教授 最初に、資料3の5ページです。
 処遇改善をそのまま本体に組み込むということについては賛成ですし、このまま継続していくという方向でいいと思っています。
 あと、現実問題として、特に訪問系のところは、介護保険と同じ事業者が多いので、混乱を避けるためには、ある程度介護保険に合わせるのはいたしかたないのかなという気がします。
 7ページのキャリアパスの部分は大事にしていただきたい。ただお金を乗っけるだけではなくて、先の展望が見えるとか、そういう方向で職員がしばらく働いていけるんだという方向性でやる。ただお金を厚くやっただけではなくて、質向上という部分も、それによって利用者のサービスがアップするんだというものであって、ただ職員の改善だけではなくて、サービスの向上という点を前面にしていっていただきたいというのが1つでございます。
 次に、送迎の部分についてですが、この部分も基本的に組み込んでいただくというのがいいと思っていまして、どうしても障害の場合、送迎というのはつきものだということがありまして、結局これが対象になる、ならないということで、現場の方ではばたばたしていますので、そもそも送迎というのはセットで考えなければいけないんだということを示すということが重要だと思っています。
 食事の部分についても、現実問題として、全部を負担する。食事の食材費そのものはしようがないと思うのですけれども、食事という部分は障害者にとっては重要なサービスを構成する部分でもありますので、その辺の手当もしてもらうというのも非常に重要だと思っております。
 最後にひとつ厄介なのは、今、言いました処遇改善そのものはいいと思うんですけれども、実際、配り方は難しいと現場は言っておりますね。まさか事務とか医療系に配らないわけにもいかないし、どういう形で配るのかというのは、みんな苦慮しているというのがありますので、その辺が今後の課題かなと思っています。
 以上です。
○土生障害福祉課長 ありがとうございました。
 駒村先生、お願いします。
○駒村教授 資料3の11ページのところで確認です。
 3つ目の○ですけれども、食事提供体制加算について、取得率が40.8%というのは比較的高いという評価なんですか。ここだけおやと思ったので、この解説をお願いできればと思います。
○三浦課長補佐 23年6月の国保連データで取得率が40.8%となっております。ほぼ半分弱という状況でございますので、比較的取得率では高いのかなと思っております。
○駒村教授 分母、分子は何なのかわからないですね。
○平野准教授 これは利用者全員が対象ということで、そういう利用者に対する。
○駒村教授 利用者の中の低所得者なんですよ。
○平野准教授 利用者に対する低所得者が40.8%ですか。だから、利用者の割合です。
○駒村教授 そう考えれば、低所得者から見れば、かなり高い率になっていますね。
○平野准教授 そういう意味なんですか。この40.8%の数字が。
○駒村教授 これは全体です。低所得者にしたら、実際はかなり高い率なんだと思います。
○土生障害福祉課長 今、確認します。
○三浦課長補佐 補足させていただきますが、全利用者を分母として、取得された方が40.8%といった状況になってございます。
○土生障害福祉課長 なので、比較的低所得者の方が多いということで、こういう表現をしたということです。
○平野准教授 ターゲットは全利用者で勘案して40%なんですけれども、低所得者に着目すればもっと高い比率です。
○土生障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。
 特になければ、先に進ませていただきたいと思います。
 続きまして、資料4「これまでの議論に関する論点について」ということでご覧いただければと思います。
 第1回、それから第4~6回、前回までの論点と先生方からいただきました主な御意見を事務局の責任において暫定的に要約をさせていただいたものでございます。
 少しめくっていただきますと、例えば最初の地域区分のところですが、赤い枠が事務局からお示しした論点。それから、青い枠の中に先生方からいただいた主な御意見ということで整理をしているという形式になっております。
 2ページ目、相談支援の関係がずっと続いております。
 5ページから障害児支援の報酬ということで、最初に通所の関係。それから、8ページから入所施設の関係でございます。
 9ページ、就労系サービスの報酬。
 11ページ、訪問系サービスの報酬。
 13ページ、グループホーム・ケアホーム、自立訓練。
 15ページ、施設入所、生活介護でございます。
 こういった構成で、あくまでも事務局の責任で整理をさせていただいたものでございます。これまで若干、御欠席等もございましたので、もしこの場で追加あるいは修正ということがありましたら、御発言いただきたいと思いますし、あるいはもう少し見てからということで後ほど、事務局に御連絡をいただいても結構でございますけれども、まず、もしこの場で追加の御発言等がございましたら、先生方からお願いしたいと思います。
 茨城先生、よろしくお願いいたします。
○茨城教授 訪問系のところにこだわるのですが、前回欠席だったので、ここで追加意見ということで述べさせていただきたいと思います。
 11ページで時間区分15分と訪問介護において20分未満の区分の創設ということなのですが、特に2つ目の○の20分未満。勿論、これを設けてこれに合わせるということではないと思うのですけれども、もともと介護保険において65歳以上の実績を基に15分という時間帯が出てきたということで、65歳前の障害者については実態調査に基づいて、これが出てきているわけではないところも十分にこれを障害者領域に応用するときには検討しなくてはいけないと思います。
 私などが見る限り、特に脳性麻痺とか重度訪問介護などを利用している方というのはすごくコミュニケーション障害があったりして、同じ家事援助でも確認しながらやると、15分を超えて必要な場合がほとんどだと思います。これができることでこれに押し込められていくような仕組みになっていくというのは、とても危険かなという気がしていますので、20分とか15分とかの創設をする場合は是非、実態をちゃんと明らかにしてから導入すべきかなと思っています。
 介護保険がそうだからということで簡単に合わせるというのは、例えば、若いひとり暮らしの精神や知的の障害のある人も同じようなコミュニケーションをしっかりとって見守りをしつつ、介護をするという仕組みが大変重要だと思っていますので、その辺りは慎重に導入していただきたいなというのが意見です。
○土生障害福祉課長 ありがとうございました。
 2つ御指摘いただいたと思います。まず、家事援助の方ですが、15分単位の区分を創設するということでございますけれども、前回席上でもほかの先生方に御説明させていただきましたが、これまでどおり当然30分、それ以上かかるということであれば、何も短い方に含める必要もないわけでございますので、そこはそういうことがないように、きちんと実際にかかる時間でこれまでどおりやっていただくということは徹底していく必要があると思っております。
 それから、身体介護の方の20分未満という短い単位を創設するかどうかにつきましては、これはその必要はないのではないかという形で御提案させていただいております。と申しますのは、介護保険の方はいわゆる24時間の随時、定時、あるいは随時訪問型のサービスへの移行も考慮して、そういう創設してはどうかという議論になっております。障害福祉サービスについては、そういう制度は設ける予定が法律上あるわけではございませんので、そこは必ずしも並びをとる必要はないのではないかという形で御意見を伺っているということでございます。
 いずれしましても御発言につきましては、追加して織り込ませていただきたいと思います。
 野沢先生、お願いいたします。
○野沢論説委員 今日、出してもらった資料の中で障害児の保護者の就労状況があります。これを見ると、これは肢体不自由児通園施設の保護者の状況ですけれども、やはり仕事をしていないという保護者が多い。
 今、すぐにどういう出典か明示できないのですけれども、何年か前に障害児を抱えた母親の心身の健康状態を研究の中で調査したものがあるのです。そうすると、やはりかなりの割合でいろいろな心身の健康に支障を感じているとか、支障が出ているという障害児の親が多いのです。
 この前も言いましたけれども、障害児支援のところでここをすごく手厚くすることによって、就労状況だけでなくて親の心身の状況の改善というか、そういうものができると思うのです。やはりここを手厚くしていただきたい。特に今の子どもの子ども・子育て新システム、あれが実施されると保育所だけではなくて、いろいろな保育機能、保育の受け皿が用意されるようになって、ここと例えば保育所訪問とうまく合致というか補うような形になっていくと、相当な機能をしていけるのではないかなというイメージを持ちますので、この辺りをかなり重点的にやっていただければと思います。
 それと心配なのは、児童デイの放課後デイサービスのところで時間単位だけでやられてしまうと、かなりの事業所が経営が難しくなっていくということがあるので、ここは少し慎重に考えていただければと思います。
 もう一つは、就労移行。この前も就労移行をやっている事業所と話したのですけれども、頑張ってやればやるほど赤字になっていく。利用者を一生懸命、就労先を開拓して送り出せば送り出すほど利用者がいなくて翌月から単価ががくんと下がってしまう。同じ地域でやっていて、全然頑張って就労させないところはずっと2年間高い単価で安定的な経営をしている。
 やはりモチベーションがそれだと湧かないというか、事業の経営自体にとって矛盾しているのではないかという感じがして、しっかり送り出して実績のあるところを単価面でも応援していけるような、なかなかどうすればいいのかというのは難しいと思うのですけれども、そういう仕組みを少し考えていただければなと思っております。
 以上です。
○土生障害福祉課長 駒村先生、お願いします。
○駒村教授 私も7ページのところで、今の御意見とほぼ同じなのですけれども、障害を持つ子どもの親に対しても両立支援をより強化してもらいたいなと思います。
 それから、この点はもうどこかに書いてあるのか、それとも書かなくても当然なのかということなのですけれども、短時間労働者に対しての社会保険の適用拡大の議論は一応合意は大枠ではとれて、あと、細かい条件になっているのだと理解しております。そういう社会保険の適用といった制度変更に伴う法的な人件費のアップ、こういったところは当然、全体で特に非正規を抱えている事業所にとってみれば負担になるわけですから、反映するというのがどこかに書いてあるのか、それともそれは当然のことなので、そのときに考慮するということなのか。その辺は教えてもらいたいと思います。
○土生障害福祉課長 まず、最後の点でございますけれども、人件費の変動というのは制度的なもの、あるいは社会、経済情勢によるもの、いろいろ当然あるわけでございまして、一応、今の政府の整理としては3年ごとに経営実態調査をやるという中でもろもろの人件費の変動ということは収支差ということで反映してくるということでございます。
 現時点でパートの拡大のみを取り出して、予測をする形で対応するということは恐らくこれまでの例でもやっていないと思いますし、介護保険、その他でもそういう議論にはなっていないのではないかと思います。
 その意味で全体の中で3年ごとに人件費、その他、物件費もそうですけれども、状況の中で反映していくというのが一般的な対応だと思いますが、先生方、どうでしょうか。
○駒村教授 民間の経営だとそういうのが普通だとは思うのですけれども、一方でこの分野はある種、公定価格でありますので、普通の分野の産業とは違って必ずしも価格に転嫁することもできませんので、もしそういう考え方であっても慎重に経営状態に対する影響を十分注意して見ておいて、場合によっては緊急対応をしていただくということも考慮していただきたいなとは思います。
○土生障害福祉課長 また全体の状況を踏まえて、そこは宿題とさせていただきたいと思います。
 そのほかにいろいろ御意見をいただいたわけでございまして、就労支援の問題、障害児支援等、既に入っている記述と重なる部分がございますが、もう一度精査をして織り込むようにさせていただきたいと思いますし、また、この後、もしお気付きの点があれば事務局にお知らせをいただければと思います。
 平野先生、よろしいですか。
 では、そのような扱いとさせていただきたいと思います。
 それでは、年内、今日が最後になりますが、このほかに何かございますか。
 本日、予定している議事は以上で終了となります。先ほど申し上げましたが、年内は最後ということで次回は年明けに日程調整をさせていただいた上で御連絡をさせていただきたいと思います。
 本当に年末の慌ただしい中、お忙しい中、毎回長時間にわたり熱心に御議論をいただきまして、ありがとうございました。本日はこれで閉会とさせていただきます。


(了)

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