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2011年12月20日 第83回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成23年12月20日(火) 10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)12階 職業安定局第1会議室


○議題

・雇用保険制度について

○議事

○岩村部会長代理 ただいまから第83回雇用保険部会を開催いたします。今日は、清家部会長がご欠席ですので、部会長代理の私が議事を進行させていただきます。よろしくお願いいたします。本日の出席状況は、清家部会長、野川委員、坪田委員、塩野委員、井上委員がご欠席です。
 早速、議事に移ります。お手元の議事次第にありますように、議題は「雇用保険制度について」です。今回は、前回までの議論を踏まえて、修正した報告(案)を事務局でご用意いただいています。事務局から、この修正した報告(案)についてご説明いただいて、そのあと質疑に入りたいと存じます。事務局、お願いいたします。
○吉村雇用保険課長補佐 前回の雇用保険部会でお示しさせていただきました「雇用保険部会報告書の素案」から、本日再度ご提出させていただいています「雇用保険部会報告(案)」について、前回の素案からの修正点についてご説明させていただきます。
 基本的には、先週14日に部会に提出させていただいた「報告書素案」と構成は変わっていません。「報告書素案」から修正した部分については、「報告(案)」で下線を引かせていただいていますので、その部分についてご説明させていただきます。
 1頁目の第1、「雇用保険制度の現状等」の1つ目の○の部分ですが、下のほうに1箇所だけ修正させていただいています。これについては、素案の段階では、「失業等給付の積立金から雇用安定資金への借入れ」という書きぶりにしていましたが、雇用安定資金というのは、雇用保険二事業の積立金のようなもので、借入れの表現としては適正ではなかったものですから、失業等給付の積立金から「雇用調整助成金の支出のために必要な額」の借入れという形で修正させていただいています。
 資料の2頁目2の「高年齢雇用継続給付について」の2つ目の○です。「高年齢雇用継続給付が実態として重要な役割を果たしている」と記載させていただいていましたが、その前に、当部会の議論のご意見として、「制度の存在意義を問う意見がある一方で、制度の拡充等を図るべき」というご意見がありましたので、そういった両方のご意見を追加させていただいています。
 2の「高年齢雇用継続給付について」の3つ目の○ですが、少し文言を修正させていただいています。「今後の高齢者雇用の動向に注視し」となっていたものを、「動向を注視し」という形で修正させていただいています。
 3の「財政運営」のところで、4頁目の上から2つ目の○ですが、「雇用保険二事業の安定的な運営」のところで、借入れに関する暫定措置の期間については、予算上の措置ですので、その時期を明確にするために、カッコ書きで(平成24年度及び25年度)という形で修正させていただいています。前回の素案からの修正点は以上です。
○岩村部会長代理 ありがとうございました。この「報告(案)」に関して、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。
○新谷委員 質問を1点させていただきたいと思います。4頁の4の(1)の「基本手当の給付水準について」の部分です。ここの最後のまとめが、「引き続き、今後の在り方について検討すべきである」というまとめにしていただいています。これは前回もお聞きしましたが、改めて教えていただきたいのは、この「引き続きの検討」というのは、いつまでに、どのような検討をされるのかを教えていただきたいと思います。
○土田雇用保険課長 前回、検討に当たりまして、ここ10年ほど行われました制度改正の内容とか、雇用保険財政等への影響などについて事務的に把握させていただいて、そのうえで必要であれば学職経験者等からのご意見も伺いながら、今後の在り方について検討させていただきたいと申し上げたところです。そのスケジュールは、今後、法改正作業がありますが、そういったことも踏まえて、事務的には大体1年ぐらいかけて、遅くとも平成24年度中には一定の状況把握とか、それに伴いそこから浮き上がってくる論点になるべき事項とか、そういった整理のための作業を行っていきたいと考えています。
○新谷委員 非常に重要な中身ですし、残高の推移状況等々も関連してくると思いますので、検証状況については、タイムリーに情報の共有をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○岩村部会長代理 はい、ありがとうございました。
○新谷委員 今回まとめていただいています部会の「報告書(案)」についてその中身については基本的にこれまでの審議状況を既ね反映していただいていると思いますので異論はありませんが、取りまとめに当たって、要望と意見を3点申し上げます。
 1つは、「高年齢雇用継続給付について」です。今回、一部修文していただいていますが、これは今回の論議の中で、労使が一致して現行制度の堅持とともに拡充についてもお願いをしたところですし、また平成19年度に廃止された国庫負担(8分の1)の再投入も明確に主張してきたところですが、今回まとめていただいた「報告書(案)」では、その在り方について当面存置をすることになったわけで、今後「その在り方について改めて再検証すべき」というまとめに止まっています。これについては、率直に申し上げて、残念な内容であると申し上げておきたいと思います。
 2点目は、「国庫負担の負担割合について」です。これは失業等給付と就職支援法事業(求職者支援法)に係る国庫負担については、一日も早く原則に戻していただきたいということです。改めて厚生労働省にはご努力をお願いしたいと思っています。中でも、この求職者支援制度については、現行の枠組みはあくまでも暫定的かつ一時的なものですので、求職者支援法の附則第15条の規定に基づく、施行後3年後の見直しの際には、労働保険特別会計の雇用保険制度から分離・独立した一般会計で全額を負担する制度に移行していただくように、然るべき時期にこの部会での検討を始めることを重ねて要請しておきたいと思います。
 3点目は、「基本手当の給付水準について」です。私たちは今回のこの審議の中で、雇用保険の財政が回復している現状を踏まえて、積立金残高を適正水準に近付けること、保険財政からその剰余を還元する観点から、保険料の引下げとともに、基本手当の給付水準についても、平成15年の改正による引下げ前の水準に戻す方向で見直しをすべきと主張してきました。先ほども申し上げましたように、この「報告書(案)」については引き続き「今後の在り方について検討する」ということで、課題が先送りされたことも、率直に申し上げて残念です。
 今後、厚生労働省で、「基本手当の水準」の在り方について引き続き検討するということで、先ほどもお伺いしましたので、早期に現状を検証していただいて、早期に検討を開始されることを要請しておきたいと思います。
 以上、私どもとしての要望、意見を申し上げて、労働側としては、この「報告書(案)」について了承申し上げたいと思っています。公益の先生方におまとめいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。使側はいかがでしょうか。
○遠藤委員 本日このような形で、これまでの議論を的確にまとめていただきましたことに対して、公益の先生、事務局の皆様方に御礼申し上げます。
 そのうえで、何点か意見を申し上げます。1頁目からですが、今回、暫定措置については一部が見直し、また暫定措置の終了といった対応がとられています。しかし、主なものについては、2年間の延長となりました。この暫定措置の部分については、やはりその政策効果を引き続き私どもとしては注視したいと思っていますので、その政策効果の検証ができる状況になれば、その辺のデータ等をお示しいただきたく思っています。それが1点目です。
 2頁目です。「高年齢雇用継続給付について」は、先ほど労側からご意見がありましたが、使用者側としても、この制度を今後最大限活用しながら高齢者雇用の更なる活用を考えたいと思っていますので、在り方の再検証ということですが、労働側、使側いずれも拡充の方向での再検証を求めたいと思っています。
 2頁から3頁にかけて「財政運営について」です。財政運営については、安定的な運営が、数年来引き続き求められる方向性かと思っています。
 そういった中で、今回、保険料率について、弾力条項を十分活用した形での引下げが行われたことは、これはタイムリーな対応だと思っています。
 一方で、雇用保険二事業に関しては、更なる借入れを可能とする措置を講じるということです。その内容を見たところ、雇用調整助成金の緊急な対応に向けてのやむを得ない場合にということで用途を限定する、その点については理解を示すところです。
 しかしながら、前回も申し上げましたが、いま行われている二事業の抜本的な見直しが更なる借入れを行えるということによって、十分機能し得ないのではないだろうかということが危惧されるところですので、引き続き二事業の抜本見直しに向けて取り組んでいただきたく思っています。
 「国庫負担の原則復帰」については、労働側からご指摘がありましたように、安定的な財源を確保したうえで、原則復帰に向けての取組みをこれまで以上に、事務当局にはお願いしたいと思っています。
 4頁目、「基本手当の水準について」です。「引き続き今後の在り方について検討する」ということで、そのスケジュールあるいはどういった対応を行っていくのかについては、事務局からお話がありました。使用者側としては、繰り返しになりますが、在り方の検討については慎重に考えていくべきだということを重ねて表明させていただきたく思っています。あくまで雇用保険の機能は、所得保障というものがあるものの、やはり再就職にどうつなげていくのかということですから、現行1年以上失業状態にある方は、足元で4割程度いるといった状況下の中で、基本手当の水準等を引き上げていくということが、果たしていいのかどうかについては大いに疑問を持っています。その辺の危惧を十分踏まえる形で対応を行っていただきたくお願い申し上げる次第です。以上です。
○岩村部会長代理 ありがとうございました。そのほかにご意見はありますか。よろしいでしょうか。
 いまいくつか労使双方からご意見、ご要望等がありました。これらについては、今回の取りまとめのあと、然るべく事務局でご検討等をいただきたいと思います。
 特段、この今日の「報告(案)」について、修正のご意見等はなかったと思います。したがって、今日のこの「報告(案)」で、この部会としては取りまとめることにしまして、後日開催される職業安定分科会へ報告させていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○岩村部会長代理 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。そこで、後日開催される職業安定分科会への報告ですが、事務局は、職業安定分科会への報告文案の配布をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(報告案配布)
○岩村部会長代理 いま報告文案をお配りいただきましたが、この文案で職業安定分科会へ報告することにしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○岩村部会長代理 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。 ここで森山局長よりご挨拶があります。よろしくお願いいたします。
○森山局長 一言ご挨拶させていただきます。委員の皆様方には9月以降この雇用保険制度のご審議を賜り誠にありがとうございます。ただいま部会長代理からありましたように、本日、この報告を取りまとめていただきました。改めて感謝を申し上げます。
 今後事務局としては、この報告(案)をもとに法案の作成をさせていただきたいと思っています。この法案の要綱については、後日、当部会にお諮りさせていただきたいと思います。いま、労使双方の方々からご意見、ご要望がありました。これをしっかりと受け止めて、また、ご検討、対応をいただきたいと思います。皆さん、ありがとうございました。
○岩村部会長代理 以上をもちまして、今日は終了したいと存じます。本日の署名委員は、雇用主代表は遠藤委員にお願いします。労働者代表委員は古川委員にお願いいたします。次回の日程は、事務局で改めて各委員にご連絡いただきます。よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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