ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(感染症分科会感染症部会エイズ・性感染症ワーキンググループ)> 第7回厚生科学審議会感染症分科会感染症部会エイズ・性感染症ワーキンググループ議事録




2011年9月16日 第7回厚生科学審議会感染症分科会感染症部会エイズ・性感染症ワーキンググループ議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成24年1月12日(木)17:00~19:30


○場所

中央合同庁舎第5号館17階 専用第18~20会議室


○出席者

【出席委員(五十音順)】

味澤委員 池上委員 小野寺委員
北村委員 白井委員 廣田委員
木村委員

【事務局】

正林結核感染症課長 山本疾病対策課長 中嶋感染症情報管理室長
林結核感染症課長補佐 平賀疾病対策課長補佐 中橋結核感染症課長補佐

○議題

(1)後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針の改正について
(2)性感染症に関する特定感染症予防指針の改正について
(3)その他

○議事

○林課長補佐 それでは、定刻でございます。「厚生科学審議会感染症分科会感染症部会エイズ・性感染症ワーキンググループ」を開会いたします。
 まず最初に、事務局の交代がございましたので御紹介させていただきます。
結核感染症課長の正林でございます。
○正林課長 正林でございます。よろしくお願いします。

○林課長補佐 疾病対策課長の山本でございます。
○山本課長 山本です。どうぞよろしくお願いします。
○林課長補佐 それでは、結核感染症課長の正林からごあいさつをさせていただきます。
○正林課長 改めまして、この8月に課長を拝命いたしました正林でございます。
 実は平成18年からずっと結核感染症課にはいたんですけれども、その間は新型インフルエンザとか肝炎とかそちらの方を担当しておりましたので、性感染症はこの8月からとなります。よろしくお願いいたします。
 まず、先生方におかれましては大変お忙しい中、本日お集まりいただきまして誠にありがとうございます。このエイズ及び性感染症の、特に予防指針の改正のためのワーキンググループは今日で4回目になります。委員の皆様方には毎回熱心に御討議いただきまして、このワーキンググループは昨年12月からスタートしておりますけれども、エイズについては作業班も設けて、その作業班で御議論いただき、性感染症については当ワーキンググループでずっと御議論をいただいてまいりました。
 指針について、これまでの検討を踏まえて、今回ワーキンググループとしての報告の案として提示をさせていただけたらと思っています。
 内容について、もう何度も何度も御確認いただいていると思いますが再度御確認いただいて、さらなる御意見がありましたらお寄せいただいて、最終的にワーキンググループとして感染症部会に報告していただけたらと、本日とりまとめていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
○林課長補佐 では、まず出欠状況の御報告を申し上げますけれども、本日は南委員から御欠席の連絡をいただいております。
 続きまして、お手元の資料の確認でございます。座席表、議事次第、委員名簿に続きまして資料1「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針の改正(概要)(案)」。
 資料2がその改正についての目次というもの。
 資料3が予防指針の一部を改正する件となっております。
 資料4からが性感染症の方でございまして「性感染症に関する特定感染症予防指針の改正(概要)(案)」。
 資料5が目次の案。
 資料6が本文の案でございます。
 参考資料1が「エイズ予防指針作業班報告書」となってございます。
 不足等がございましたらお申し付けいただければと思います。
 それでは、これからの議事進行につきましては木村座長によろしくお願いいたします。
○木村座長 木村でございます。残暑厳しい中お集まりいただき、どうもありがとうございます。今日は後天性免疫不全症候群と性感染症の予防指針の最終確認ということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事次第にありますように、後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針と性感染症に関する特定感染症予防指針の改正についてという2つの議題がございますが、まず最初に1番のエイズの予防指針につきまして、事務局の方から説明をいただいて議論に入りたいと思います。
 では、事務局、よろしくお願いします。
○平賀課長補佐 疾病対策課でございます。
 では、エイズ予防指針の見直しに係る議論に関しまして、資料1~3並びに参考資料1をごらんいただきたいと思います。
 説明に際しましては参考資料1に関して説明をさせていただきながら、随時資料1~3といった形で説明をさせていただきたいと思います。
 まず、参考資料1をごらんいただきたいと思います。今年度の1月から9月9日のところまででエイズ予防指針作業班を9回開催させていただきました。その議論の中で多くの問題点を抽出させていただいた上で、その後見直しの視点を提示し、かつ、その後各論について議論をさせていただきました。
 参考資料の2ページでございます。まず「現状の問題点」といったところで、発生動向並びに現状の問題点といったところを提示させていただきました。
 発生動向に関しましては、やはり多くの患者数が増えていること、地域・年齢層に広がりがあること、依然として若い世代が中心であるといったところ、感染層の主体が男性の同性間の性的接触が大部分を占めているといったところに関しまして、発生動向の中でこういった特徴があるといったことを再確認できました。
 次に、現状の問題点といたしましては5つの視点を提示させていただきました。これはすべて大きく説明させていただこうと思いますが、まず1つ目の視点としましては、HIVの抗体検査件数の減少と患者報告数の増加が第1点です。
 次に、個別施策層に対します施策が重点的、計画的に実施されてこなかったといったところが第2点です。
 次に、各ブロックの現状に応じた医療提供体制の構築が依然としてなされていなかったといったところが第3点です。
 第4点といたしましては、各種施策の効果についての分析・評価・検討が不十分であったといった点です。
 最後に薬害被害者に対します恒久対策の推進です。
 こちらの5つを課題といった形で提示させていただきました。
 それを踏まえまして、第2回から第6回までのところでずっと各論を議論させていただいた上で、7~9回と総括討議をさせていただき、指針をまとめさせていただいたんですが、その中で見直しの要点といたしまして、こちらに関しましては資料1をごらんいただきたいと思います。このような形で4つの視点を提示させていただきたいと思います。
 議論の主体として非常に重要性の高い視点の1つといたしましては「検査・相談体制の充実」の位置づけを強化するべきではないか。
 2つ目の視点といたしましては、個別施策層に対します検査について、目標設定の必要性を明記するべきではないか。
 3つ目の視点といたしましては、地域における総合的な医療提供体制の充実に努めるべきではないか。
 4つ目の視点といたしましては、各種施策に関してですがNGO等との連携が非常に重要であるということで、その重要性を明記するべきではないか。その4つの視点を提示させていただきました。
 その4つの視点すべてに共通することでありますが、やはり施策の実施状況等に関しまして継続的なモニタリングや評価を行い、必要な改善を当然ながら行っていきましょうという1つの共通認識が前提となっているところでございます。
 こちらが言わば議論の中の総論的なところでございます。
これから各論の方の議論を簡単に説明させていただきたいと思います。
 各論に移りたいと思います。まず参考資料1の7ページからごらんいただきたいんですけれども、それに応じて資料3を説明させていただきたいと思います。
 参考資料1の7ページでございます。前文に関してでございます。この中で指摘を受けましたものとしましては、個別施策層の定義です。これは資料3の1ページの左から10行目ぐらいのところなんですが「個別施策層(感染の可能性が疫学的に懸念されながらも、感染に関する正しい知識の入手が困難であったり、偏見や差別が存在している社会的背景等から、適切な保健医療サービスを受けていないと考えられるために施策の実施において特別な配慮を必要とする人々をいう。)」と定義しております。
 その中で、従前では、MSMに対します男性同性間で性的接触、性行為を行うものです。次に性風俗産業の従事者、CSWと言われるところです。あと、青少年もひとつの個別施策層として定義させていただいております。また、滞日外国人。この4つの層を個別施策層と今まで定義しておりましたが、多くの海外の文献、発生動向における指摘等から、薬物乱用者に関しましても個別施策層として検討すべきではないかと作業班の中で多くの意見があり、薬物乱用者に関しましても追加をするという形で、5つの個別施策は必要であると認識しております。
 前文に関しましては以上でございます。
 一通り各論を全て通させていただきたいと思います。
次に原因の究明でございます。こちらもまた参考資料1の8ページをごらんいただきながら、資料3をごらんいただきたいと思います。
 参考資料1の8ページでございます。「(2)原因の究明(指針第一)」でございますけれども、こちらに関しましては2つのポイントを提示させていただきました。
 エイズの発生動向調査・個別施策層に対します発生動向調査の分析及び海外の発生動向把握につきましては、研究班やNGO等との協力は重要である旨を明記していること。
 次の視点としましては、新たに発生動向調査等の結果の公開及び提供の重要性についても明記しているところでございます。
 最初の指摘につきましては「第一 原因の究明」の一の部分でございます。その次に関しましては資料3の3ページの「四 発生動向調査等の結果の公開及び提供」といった形で記載をさせていただいております。
 次に「(3)発生の予防及びまん延の防止(指針第二)」でございます。こちらはまたポイントを提示させていただいております。参考資料1の9ページですが、性感染症対策との連携について、予防及び医療の両面における具体的対策を明記するべきではないか。また、その他の感染経路対策について、研究班、NGO等との連携による調査・研究の必要性を明記するべきではないか。また、個別施策層に対する施策の実施について、NGO等との連携の重要性も明記するべきではないかといったことで、こちらも具体的には第二のところで最初の指摘です。
 次の、その他の感染経路対策といったところは、資料3の3ページ、第二の三のところに明記をさせていただいております。
 また、個別施策層に対する施策の実施に対しましても、これは資料3の4ページになりますけれども、第二の「四 個別施策層に対する施策の実施」といったところでNGOと連携していく必要性について明記させていただいております。
 そのまま通させていただきます。次に参考資料の10ページの「(4)普及啓発及び教育(指針第三)」でございます。資料3では5ページになります。
 こちらはポイントが2つでございます。個別施策層に対しまして地方公共団体とNGO等が連携し、普及啓発及び教育を行い、行動変容を促していくことの重要性を明記するべきではないか。また、個別施策層、特にMSM及び青少年に対します普及啓発及び教育の重要性に関しましても、やはり指摘をするべきではないか。
 普及啓発に関しましては、多くのNGOとの連携といいますものが常に重要でございまして、こちらは特に普及啓発に限らず、多くの面でNGO等との連携は指摘をしているところでございますが、具体的にはここは指針でいいますところの第三の一、少しページをめくって6ページになりますが、NGOとの連携について非常に重要ではないかといった形で記載をさせていただいております。
 また、MSM及び青少年に対します普及啓発及び教育の重要性に関しましては、6ページの横の方でございます。二になりますが、下線の引いてある部分です。「エイズ発生の予防において、MSMに対する普及啓発及び教育は特に重要である」等々。また、その横の方です。「性に関する意思決定や行動選択に係る能力について形成過程にある青少年に対する普及啓発及び教育は特に重要である」といった記載を加えさせていただいております。
 次に参考資料1の12ページをごらんいただきたいと思います。「(5)検査・相談体制の充実(指針第四)」についてです。こちらは指針で言いますところの、資料3の8ページに当たります。
こちらは4つのポイントを提示させていただいております。「普及啓発及び教育」、「検査・相談体制の充実」、「医療の提供」の3分野に関しては予防の総合的な推進を図るための重要な取組みであるために「検査・相談体制の充実」につきましては、新たに第四章として位置づけるべきではないか。これは以前までの指針におきましては発生の予防、及び蔓延の防止の中の一部分として記載がございましたが、検査・相談に関しまして重要な施策であるという観点の下、新たな章として提示をさせていただいたところでございます。
 次の視点でございます。検査の結果が陽性であった者に対しまして適切な相談及び医療機関への確実な受診を促し、陽性であった者に対しては行動変容を促す機会として積極的に対応することが重要ではないかという視点です。
 次に、個別施策層に対します効率的検査実施の観点から、施策の実施においては定量的・定性的目標等の設定が必要ではないか。
 また、地域の患者やNGO等と連携し、メンタルヘルスケアを重視した保健医療相談の質的向上を図る必要性を明記するべきではないかといった観点で、こちらの第四に関しましても下線を中心とした形で記載を入れさせていただいております。
 次に、参考資料で言いますところの14ページです。「(6)医療の提供(指針第五)」の部分でございます。資料3の指針でいいますと9ページの部分に当たります。
 こちらに関しましては8つの視点を提示させていただいております。最初から簡単に説明させていただきます。
ポイントの1番目といたしましては、都道府県等が設置する推進協議会等におきまして、医療体制整備の進捗状況を評価できる仕組みを検討することが重要ではないか。
 次に、都道府県等は中核拠点病院の設置する連絡協議会と連携し、各種拠点病院と地域診療所等との診療連携の充実を図ることが重要ではないか。
 3つ目の視点といたしまして、中核拠点病院を中心とした地域における診療連携を強化するべきではないか。
 4番目といたしましては、コーディネーションを担う、コーディネーションとは文中の中で提示しているところでございますが、これは資料3でいいますところの10ページです。下線が多く引いてある部分の真ん中ぐらいでございます。「さらに今後は、専門的医療と地域医療での保健医療サービス及び福祉サービスとの連携等が必要であり、これらの『各種保健医療サービス及び福祉サービスとの連携を確保するための機能』」、このかぎ括弧の部分をコーディネーションと定義しているところでございます。そのコーディネーションを担う看護師等の育成を推進し、中核拠点病院への配置を推進するべきではないか。
 次の視点といたしましては、肝炎ウィルスとの重複感染を含む合併症・併発症に対します研究や医療における取組み強化の重要性について明記をするべきではないか。
また、精神科担当の医療従事者の方々に対して、患者等に対する精神医学的介入に関する研修等を実施し、精神疾患の早期発見によりHIV感染者全体の治療効果を高めることの重要性を明記するべきではないか。
 また、長期療養・在宅療養の患者等を積極的に支える体制整備を推進していくことが重要ではないか。
 また、個別施策層、特に外国人に対し、NGO等と連携し早期に医療へのアクセス等を実現させる取組みの必要性を明記するべきではないかといった視点で、こちらもまた資料3で言いますところの9ページから、医療に関しては非常に長うございますけれども、下線を引いた部分を中心とした形で、ポイントとして提示させていただきました。
 次に参考資料1の18ページでございます。「(7)研究開発の推進(指針第六)」でございます。こちらに関しましては資料3で申し上げますが、資料3で言いますところの13ページに当たります。「第六 研究開発の推進」でございます。ポイントは3つ提示させていただいております。
まず第1点としましては、個別施策層に対する研究につきまして、人権及び個人情報の保護に配慮した上で、NGO等との協力により効果的に行うことが必要ではないか。
 2番目の視点といたしましては、長期的展望に立ち、継続的な研究を行うために、若手研究者育成の重要性について明記するべきではないか。
 3番目の視点といたしましては、調査・研究結果は、学識者による客観的かつ的確な評価を受け、こちらを公開した上で患者等からの意見を参考とするべきではないかという3つの視点です。
 そういったところに関しまして、下線を引いた部分を中心として記載を加えさせていただいております。
 次に参考資料1で言いますところの19ページです。「(8)人権の尊重(指針第八)」でございます。こちらは資料3で言いますところの15ページに当たります。こちらは2つの視点を提示させていただいております。
 就労斡旋・相談窓口、企業の採用担当窓口及び企業内におきましても、人権の尊重及び個人情報の保護を徹底することが重要ではないかという視点です。
 次に、保健医療サービスの提供においては、希望者が容易に安心して相談の機会が得られるように、保健所や医療機関における研修等を推進するとともに、これらを含む関係機関とNGO等との連携が重要ではないかという視点といったところです。これもやはり同様に下線部を中心としたような形で指針の中に趣旨を盛り込むようにしております。
 参考資料1の20ページでございます。指針といたしましては最後の「第九 施策の評価及び関係機関との連携」の部分でございます。こちらに関しては資料3の16ページに当たります。こちらも3つのポイントを提示させていただいております。
 1つ目といたしましては、国は施策の実施状況等の継続的なモニタリングと評価を行い、必要に応じて改善に取り組むべきではないか。
また、国及び都道府県等が総合的なエイズ対策を実施する際には研究班、NGO等との連携が重要ではないか。特に個別施策層に対してはよりその重要性が増すのではないか。
 最後の視点でございますが、国及び都道府県等は、各種施策におけるNGO等との連携が有効なものとなるよう、施策内容の評価体制を整備することが重要ではないか。
 そのような視点で資料3の下線等を始めとしますところの追加記載を行っているところでございます。
 最初から最後の方まで一気に説明させていただきました。御質問等ございましたら、議論の途中でも構いません。お聞きいただければと思います。
 疾病対策課からの説明は以上でございます。
○木村座長 全体にわたりまして大変広範な内容を、変更のポイントも要領よく説明していただきました。
 議論に入る前に、何か個別の質問は事務局の方にございますか。もしなければ、議論の中で思いついたところがありましたら御意見、御質問を述べていただきたいと思います。
 資料3の予防指針、全体を一気に議論するのはちょっと範囲が広過ぎるかと思いますので、この資料3の1ページから第四の「検査・相談体制の充実」の終わりの部分、9ページまでの範囲について、まず御議論とか御質問をいただきたいと思います。
○北村委員 ありがとうございました。
 個人的な経験を申し上げれば、性教育などを頼まれる機会の多い私でも、エイズをテーマにとか、エイズ予防教育を中心になどということは、学校等々からも全くかかってこないんです。そういう現状がまずあるということを認識しなければいけないことと、今、話を私もざっとこうやって聞かせていただきましたけれども、学校教育の役割みたいなものがきちんと明記されていない。この辺りはどういう議論がなされたのか。
 NGOだとか医療機関と文言がいろいろ出てきますけれども、文科省等、関係省庁に対する云々とあるんですけれども、とりわけ学校教育の中でこの普及啓発、教育というものをどう取り上げていってもらうのか。この辺りの記述が非常に薄いような感じがするんですけれども、どういう議論がなされたんでしょうか。
○平賀課長補佐 学校教育といった議論に関しましては作業班の中でもいろいろと議論になりました。具体的には、学習指導要領についてどうこうといったところではなく、学習指導要領というよりはむしろ教職員だとか、そういった先生方に対しまして、例えば保健所等といったところからいかに啓発に対してアプローチをできるのかといった議論も1つの視点でございます。
 あと、その個別施策層として青少年といったところを定義しておりますので、我々といたしましてもそういった青少年にいかにアプローチをするかといったところで、各研究班からの御意見を多くいただいたところです。
 その中で当然ながら、我々は特に学習指導要領についてどうこうといったところではございませんが、そういったところをいかに補完するかといった観点に関しましては、関係省庁と情報交換をしながら、我々としてこういったことは必要ではないかといった情報をお互いに交換していくことが必要ではないかということで、関係省庁に関します1つの記載といったところは、そういった趣旨で書き加えているところです。
 また、普及啓発に関しましては、青少年に関しましてそのような教育といいますか、そういった教職員、青少年を取り巻く環境の方々へのアプローチが重要であるという観点で、普及啓発の中で青少年に対します記述を増やしているといったところです。これが、我々としましては、先生の御指摘いただいた趣旨を踏まえた形で挿入させていただいたと考えております。
○木村座長 文科省に関する連携についても議論がありましたら。
 池上委員、どうぞ。
○池上委員 今の補足をさせていただきます。
 勿論、教育が重要であることは論を待たず、学校教育というのがメインになります。しかし、現状の学校教育では青少年が対象になりますね。しかも、その学校教育における青少年の中には、個別施策層は入っていないんです。ところが、日本の疫学の現状を見る限り、HIV感染症は圧倒的にMSMに集中していて、これが10年以上続いている。この人たちは学校教育では触れられないんですね。異性間というものが前提の教育になりますから、HIVの感染予防と言っても男性同性間の感染のリスクについては全く触れられないし、そういう存在も触れられない。
 あとは外国籍の方もそうです。セックスワークということに関係している人たちも大抵排除されるので、学校教育では一般青少年をとにかくお任せして、それはそれでちゃんとやっていただく。しかし、足りないところは個別施策層のほかの部分で、薬物も入れましたけれども、薬物も全く学校では「だめ、絶対」しか扱えないと思うんです。しかし、それではHIV感染予防という意味では、予防啓発は多分うまくいかないだろうということで、NGOとか研究班とか、当事者を含めた現場からの対策が特に重要であるということなので、印象としては学校教育は薄れているような印象かもしれませんが、そうではない。強調しているのが、そういう学校教育ではなかなか触れられないところをいかにするかということを強調しているんだと理解しています。議論は随分やりました。
○木村座長 関係省庁との連携は指針の16ページにありますが、そのほか文科省との関連においては6ページの真ん中よりちょっと右寄りの辺りに「学校教育及び社会教育との連携を強化して」云々ということと、その後に傍線が引いてありますけれども、「普及啓発に携わる者に対する教育を行う」ということで、言葉としては短いんですが、議論の結果を一応盛り込んだつもりではございますが、いかがでございましょうか。
 今度施策の評価というかモニタリングもきちんとやりましょうということにしておりますので、そういうモニタリング評価の過程で文科省との連携がどの程度進んでいるかとかということも見ていくのは大事なポイントになるかと思います。
 ちょっと順番が前後しましたけれども、資料2をごらんいただきたいと思います。今回の予防指針は、途中でちょっと説明もございましたけれども、構成を少し変えております。【第三】に「普及啓発及び教育」というのがありましたが、これは後ろの方にあったものを前の方に上げたということと、【第四】に「検査・相談体制の充実」という新しい章をたて、検査の重要性を明確にしようということとなっております。
 構成が少し変わっている点について御説明が遅れましたので、ここで途中ですけれども御報告いたします。
 前半の前文から9ページ中ごろまでの範囲で、ほかに御意見はございますでしょうか。
 もしなければ後半に移ります。後半が第五の「医療の提供」、9ページから17ページまでということでございますが、その範囲には「研究開発の推進」、「国際的な連携」、「人権の尊重」、「施策の評価及び関係機関との連携」という項目がございます。
○廣田委員 よろしゅうございますか。
○木村座長 廣田委員、どうぞ。
○廣田委員 網羅して抜かりなく書いていただいて、内容には何も言うことはないんですけれども、ちょっと最近気づいたことで伺います。
 ここで「研究開発」、それから、第一の「原因の究明」のところでも研究班というのが出てきます。もう10年以上続いているある研究班から、ずっと全国調査を10年以上続けていらっしゃるんですけれども、にっちもさっちもいかなくなって、つい1年前ぐらいに御相談を受けたんです。最初は解析方法かと思っていたんですけれども、基本的にもうボロボロといいますか、最初のフォームの作成から、あるいは研究デザインから、これはちょっと無理だというものです。それでも集めたデータというのは今、解析できるようにコード化するようなことを続けて、まだ解析には至りません。そういうことがありますので、研究班というのを強調すると、むしろ逆に研究者の特定化にもつながる面があるんですね。
 評価というのが出てきますけれども、こういった例では研究者が常にどこに行っても同じ顔ということです。評価者も似たような仲間という感じで、一旦ドツボにはまるとなかなか開かれていかないということもございます。
 それから、ここは若手研究者の育成というのにも触れていますので、そういった点で裾野を広げるとか目を開くとか、そういった方向を考えていただければありがたいと思います。
 以上です。
○木村座長 それはよく言われていることで、研究者は10年前20年前からずっとそのまま持ち上がっていて、高齢化しているということもあって、やはり世代交代を徐々に進めていかないといけないため、若手の育成、人材の育成ということも議論されました。何か特定の、ここにこういう言葉を補うべきだということがございましたら。
○廣田委員 全部が完璧に網羅して書いてあるんですけれども、要は運用する際にちょっと目を開いて前向きに取り組んでいただければと思います。
○木村座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見はございますでしょうか。
 では、全体を通じまして、何かお気づきの点がございましたら。よろしいでしょうか。
○小野寺委員 済みません、よろしいでしょうか。
○木村座長 小野寺委員、どうぞ。
○小野寺委員 根本的なことかもしれないんですけれども、ずっと見ていて、私も木原班なんかにも入って議論を聞いていたんですけれども、個別施策、特にMSMへの対策というのは本当に開けてこない感じがしているんです。正直申しまして、文言を少し変えたところで何が変わるんだろう。私も大学でHIVやあるいはMSMの患者さんも見ていましたけれども、相変わらずエイズが多いし、彼らは自分の身を守るとか他人の感染を防ぐとかという視点は全く、こういう言い方はちょっと適切ではないかもしれないけれども、要するに非常にそういう認識が希薄です。ですから、市川誠一先生なんか大変よくされているのはわかるんですが、廣田委員がおっしゃったみたいに、結果が出てこないというのは、この10年で何が変わったのか。あえて言いますが、私は正直言って何も変わっていないと思うんです。
 ですから、非常に当事者とすればむなしい感じがしているんだと思うんですが、このままで文言を変えて、どこのNGO等のという話をしていく中で果たして、特にMSMによるHIV感染者の増加という中で難しいですよ、何ができるのかということを一度根本的に考えてみないと、おっしゃったみたいに、継続している限りは少なくとも今の研究体制は何も変わらない気がする。それが正直な感想です。
 以上です。
○木村座長 大変重要な御指摘かと思います。
 今回、エイズ予防のための戦略研究という少し大型の研究班が5年間ありましたけれども、その活動を通じて少しNGOとの連携などが強まってきて、そういう個別施策層の中に大分入り込んでいくことができるようになってきたというのが一つの成果かと思うんですけれども、今後そういう活動を更に活発にして、個々人にもう少し自覚が持てるような方向に進められるといいと思います。
 ほかに御意見はございますでしょうか。
 白井委員、どうぞ。
○白井委員 研究班のところでもちょっと、資料3の13ページの方に、研究の充実のところの線を引いていらっしゃるところで、「各研究班からの研究成果を定期的に確認するということが重要である」と書かれていますので、これが「定期的に確認」と、更に「研究班の評価」ということも意味していると思います。また、16ページの方の「施策の評価及び関係機関との連携」というところには、施策の評価ということで厚生労働省がきちんと評価をしなさいみたいなことになっているので、ここにも改めて、「研究班の評価」という文言でも入れてもらった方が、10年来変わっていないということではなく、やはりちゃんとその研究班も評価して、実際に厚労省で、厚労科学研究の評価ということを毎年されて、いろいろ予算もつけていらっしゃると思うんですけれども、効果の中身の評価というか、そういう意味が必要なのではないかと思います。「確認」ということだけではなく、「評価」ということとか、どちらに含めるかですけれども、その意味がわかるようにした方がいいかと思います。
○木村座長 文言を改める必要があるか。
○白井委員 研究班と連携してということが強調されているというところで、私も少し強調し過ぎかなという印象を持ったんですけれども、16ページの方にも併せて「研究班も評価する」ということを書かれていた方が、私はいいかと思っています。
○木村座長 研究班の評価ですね。13ページでしたでしょうか。
○白井委員 13ページに「確認」というふうに書いていただいているんですが、確認というのは評価の意味も含めるのかとは思うんですが、そういうことで書かれているのかどうかということも御説明があればと思っております。
○木村座長 事務局から何かありますか。
○平賀課長補佐 白井先生が御指摘の部分は資料3の13ページです。この真ん中の部分で「研究成果を定期的に確認することが重要である」といったところです。そのまた後ろの方でございますが、「研究結果の評価及び公開」といった部分がございます。「国は、研究の充実を図るため、各種指針等を含む調査研究の結果については、学識者により客観的かつ的確に評価するとともに、研究の性質に応じ、公開等を行い、幅広く患者等からの意見も参考とするべきである。」そういった形での評価というふうに、こちらの方で「学識者により客観的かつ的確に評価する」といったところで評価を考えているといったところではございました。
○白井委員 わかりました。研究班もこの中に含めて「研究」ということで解釈します。
○木村座長 研究の評価についてももう少し厳密にやるということですかね。そういう方向性を、この指針の運用の過程においてきちんとやっていくということにいたしたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、次の議題に移らせていただきます。
議題2の性感染症に関する特定感染症予防指針の改正についてです。まず事務局の方から御説明いただいた後、議論に入りたいと思います。よろしくお願いします。
○中橋課長補佐 お願いします。
 それでは、まず資料5をごらんください。今回の指針の改正での目次案です。
 項立てとしましては【第3】の「医療の提供」の部分で、今までは医療関係者への情報の提供の強化、学会等の関係団体との連携であったものを、医療の質の向上、医療アクセスの向上という形で項立てを変えています。その部分が前回の指針と変更のあった部分になります。
 続きまして、資料6をごらんください。これは前回御議論いただいた御意見及びその後メール等でいただきました御意見を反映させたものとなっております。前回御提示させていただいたものから変わった部分を黄色の網掛けとしてあります。主に内容的に変更があった部分だけ説明させていただきます。
 まず、1ページですが、前文のところで、感染経路に関する記載として、咽頭感染が増えてきている現状などを踏まえて口腔性交についても明記した方がいいという御意見をいただきましたことから、2段目になりますけれども「性器、口腔等を介した性的接触」という表記にしてあります。
 性感染症の軽い症状の羅列として、前回咽頭炎という表記をしておりましたが、咽頭炎までの症状が出ないことが多いという御意見をいただきまして、その後小野寺委員の方から耳鼻科の先生に御確認いただきまして、咽頭の違和感という表現が適切ではないかというお話をいただきましたので、今回は「咽頭の違和感」という形で表記をさせていただいております。
 続きまして2ページです。発生動向の報告を述べる部分で、何に基づいた動向なのかを明記した方がよいという御意見をいただいたことから「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号。以下『法』という。)第十四条に基づく発生動向の調査により把握される報告数は全体的には減少の傾向が見られるものの」という記載に変えております。
 性感染症に対する予防対策として「感染の可能性がある」という表現をしておりましたところを、廣田先生からの御意見をいただきまして「感染を受ける又は広げる」可能性があるという記載に変えております。
 次の第1の「原因の究明」のところでは、前回以降の内容的な変更箇所はございません。
 続いて7ページになります。「発生の予防及びまん延の防止」で、口腔性交の場合もコンドームは必要であるということを明記した方がいいという御意見をいただきましたので、「性器及び口腔粘膜等の直接接触」という表現に変えております。
 また、コンドームに関する記載部分では、「正しい使い方等の具体的な情報の普及啓発」という部分を追記しております。
 次に8ページです。パートナー検診のところで「性的接触の相手方にも必要な情報や支援を提供し」として前回は提示させていただきましたが、情報提供も支援の1つであることから「情報提供等の支援を行い」という表現に変えております。
 次に9ページです。対象者に応じた対策のところで、緊急避妊薬が承認されたことや、対象者の実情や年齢に応じた特別な配慮として、犯罪被害者の支援を含めた総合的支援が必要だという御意見をいただきまして、そこの部分を「対象者の実情や年齢に応じた特別な配慮が必要である」としたところで、「性感染症及び妊娠や母子への影響を性と生殖に関する健康問題としてとらえる配慮が重要であるほか、犯罪被害者支援や緊急避妊のための診療の場においては、性感染症予防を含めた総合的支援が求められる。」という表現に変えております。
 次が10ページと11ページに関わる医療の提供の部分ですが、ここが前回のときの表現で若年者といったことと若年層という文言がばらついておりましたので、ここを若年層という言葉に統一しております。
 次に13ページですけれども、第4の「研究開発の推進」では、発生動向等に関する疫学研究の推進のところに、白井先生から、多剤耐性淋菌等々のことも踏まえて感染拡大防止の面からも分子疫学的研究が必要であるという意見をいただきましたので、そこのところに「病原体の分子疫学的研究」を追加しております。
 また「社会面と医学面における性の行動様式等に関する研究の推進」のところでは、性の行動様式に関する研究は若年者に限ったものではないという御意見を前回いただきましたところから、若年者という言葉を削除しております。
 第5の「国際的な連携」のところでは変更はありません。
 最後に15ページ、第6の「関係機関との連携の強化等」では、前回は保健所の普及啓発の拠点という表現にしておりましたが「保健所の」というところを「保健所は普及啓発の拠点として」ということに、白井先生からいただいた意見で変えてあります。
 以上、今まで説明させていただいた改正について、概要としてまとめたものがお手元にある資料4になります。改正のポイントを大きく、発生の予防、蔓延の防止、医療の提供、情報収集・調査・研究という3項目にしてまとめさせていただきました。
 以上です。よろしくお願いいたします。
○木村座長 御説明どうもありがとうございました。
 この資料6といいますか、性感染症の予防指針につきましては、前回この会で一度議論していることでもあり、先ほどのエイズに比べると比較的コンパクトでございますので、全体を通じての議論でよろしいかと思います。
 何か御意見ございましたら、よろしくお願いします。
 北村委員、どうぞ。
○北村委員 既にメールでやりとりをさせてはいただいておりますが、その後、9ページのワクチンのところなんですけれども「また、尖圭コンジローマについては、子宮頸がんとともに、ワクチンによっても予防が可能である」と、今、HPV4価のワクチンの資料が出てきまして、尖圭コンジローマについては6型、11型がおおむね9割をカバーすると言われています。
 子宮頸がんについては16、18が約6~7割なんです。そういうことを踏まえますと予防が可能であるという表現を、「ワクチンによる予防も有効である」という程度の、つまりワクチンを接種しても100%ではないんですね、その辺りの微妙な表現をつくっておいた方がよろしいのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。「可能である」と言うと、あたかも100%尖圭コンジローマや子宮頸がんを予防できるかのような印象を与えるのはどうしたものかということです。
 子宮頸がんの方に「ワクチンによる予防も有効であることから、ワクチンの効果等についての情報提供を行うことが重要である」と。可能というのと有効というのはどのぐらいの違いがあるのかあれですけれども、どうでしょうか。100%ではないんだということは知っておいた方がよろしいのではないでしょうか。
○林課長補佐 事務局としてはごもっともな御意見だと思います。
 1点だけ。「ワクチンによる予防も」か「ワクチンによる予防が」とするかで「予防も」とするとほかのものがなくてはいけなくなるので、「ワクチンによる予防が有効である」ということでいかがでしょうか。
○木村座長 では、可能というところは有効というふうに言い換えるということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○木村座長 反論、御異論がないようですので、ここはそのように改めさせていただきます。
 ほかに御意見はございますか。
○北村委員 あとはですね、ちょっとまたあれなんですけれども、15ページで国際的な感染拡大抑制の貢献というところで「国は、世界保健機関、国連合同エイズ計画(UNAIDS)等の活動への協力を強化することは重要である」ということです。大きな国際機関との関わりにとどめていますけれども、ある仲間たちの意見によれば、耐性菌なんかの問題では近隣のアジア諸国との関係などがいろいろ話題になっているので、更に加えてアジア近隣諸国、あるいはアジアの機関とか、アジアとの関係を強調しておくことも必要ではないだろうかという意見が私のところに寄せられておりまして、御検討いただけたらと思います。
耐性菌の話では特にアジアとの接点が重視されている。したがって、WHO、国連合同エイズ計画にとどまらず、近隣アジア諸外国専門機関という言葉も入れてみてはどうだろうかという提案でございます。
○木村座長 今の御意見についてはいかがでしょうか。確かに耐性菌の動向などは重要な情報ですので、その辺りの連携も大事な点ではあると思います。
 小野寺委員、どうぞ。
○小野寺委員 いえ、別に耐性菌に関してはアジアだけではなくて、欧米諸国も増えているわけですから、耐性菌ということに関していえばアジアだけではないですね。もっと広い意味で、この予防という視点に立ってであれば、近隣諸国ということは意味があると思いますけれども、耐性菌ということに関して言うのであればアメリカなんかでも日本と同じような傾向が見られるということは事実です。
○北村委員 耐性菌についてはアジアとの接点というところが重視されていると。
○小野寺委員 そういった意味ではありますね。
○木村座長 人の交流があるのでという趣旨だろうと思うんです。
 どのような表現にいたしましょうか。
○北村委員 「等」にすべてが入っていると言えばそれまでかもしれませんけれども、あえてここにアジアと入れる理由があるかというのは、いろいろ議論があるかもしれませんけれども、あえて書くということもまた大事なことかもしれません。
○木村座長 もし可能であれば事務局の方で、何か文案を例示していただけますか。
○林課長補佐 まず、趣旨としては、国際協力という意味では何らかの組織を介したマルチの強力、そして2国間の協力ということに大別されまして、これは世界保健機関等を通じた協力ということが書いてありますけれども、そこにはアジア諸国との協力というところも、そういう仕組みを通じたものは当然含まれておりますので、まず、趣旨としては含まれている部分も相当あると思います。
 更に、2国間協力のようなものを書くべしということでありますれば、そこはそういう書き方もあるかとは思いますが、ちょっとそういうものをどのように表現するかという専門的な知見が私どもにはちょっとありませんので、もしそういう御意見があるということであるとすれば、追って調整をさせていただきたいと思います。
○廣田委員 ちょっとよろしいですか。
 この3番は「国際的な感染拡大抑制への貢献」となっておりますので、今、北村先生がおっしゃったようなことは、この1の「基本的な考え方」と2の「諸外国との情報交換の推進」の方にむしろ読み取れる内容みたいに思います。
○木村座長 2の情報交換の辺りが、私個人としてはふさわしいかと思いつつ今、廣田委員の意見を聞いておりましたけれども、いかがでしょうか。2の方が今の耐性菌のことを念頭に置くのであればふさわしいかと思います。
○北村委員 どこにどういう形で。等という言葉があるので、あえてアジアと入れなくてもあれでしょうが、話題にはなっているんだという情報をこうやって。
 先生、このままでよろしいでしょうかね。特に入れなくても。
○廣田委員 2番の「諸外国との情報交換の推進」が「国は政府間、研究者間等における性感染症に関する予防方法や治療法方の開発、疫学研究や社会面と医学面における研究の成果等についての国際的な情報交換を推進し」ということですから、まさに今、北村先生がおっしゃったことがこの中にずばり含まれるような気がするんです。
○北村委員 そうですね。先生、そうであれば特にこだわりません。
○木村座長 ここの表現の中に含まれているということで御理解いただけますでしょうか。
○北村委員 はい、結構です。
○木村座長 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 もしないようでしたら、性感染症に関する特定感染症予防指針の改正についての議論を終了したいと思います。
 あと、その他として何かございますでしょうか。今後のスケジュールについては後ほどまたお話しいただくとして。よろしいでしょうか。
 では、事務局の方で、このエイズの予防指針と性感染症の予防指針の読み合わせで何か整合性がとれていないようなところがないか再確認していただいて、この後は法務的な文言の審査もあるわけですね。
○林課長補佐 今後の予定等について先に御説明させていただきたいと思います。
 今日はこれでとりまとめていただくことになると思うんですけれども、とりまとめていただく内容につきましては指針の改正案として次の感染症部会に御報告をさせていただきたいと思います。
 そのほかにある手続としては、まずパブリックコメントとして、広く国民の皆様の御意見を募るという手続がございます。その中で必要なものについては修正をするという手続がございます。
 それから、他省庁との調整。内閣府であるとか文部科学省であるとか、関係省庁との調整というプロセス。それから、大臣名で告示するに当たっては、省内でそういう文言の観点からの吟味、審査というものもございます。
 そういったことで、表現等が今後変更になる可能性もございますけれども、事務局としては本ワーキンググループでの御議論を踏まえて、その内容の意図するところ、その魂をできるだけ生かすように進めていきたいと思っておりますので、御理解いただければと思います。順調にいけば新たな指針として年内に告示できるのではないかと思っております。
○木村座長 どうもありがとうございました。
 今後、省内及び省庁間での検討があって、多少てにをは的なところの修正が加わる可能性はあると思いますが、今、お話があったように、この指針の趣旨は変わらないようにしていただくということで、去年の12月から始まりまして、途中3月の東日本大震災などもあったりしてスケジュールが少しずれ込んだりいたしましたけれども、おかげさまでこのワーキンググループで両指針の案をとりまとめることができました。長い間にわたって御協力をどうもありがとうございました。
○白井委員 済みません。文言のところで気になったというか、ちょうどエイズの方と性感染症の方を見て、エイズの方には「NGO」という言葉がたくさん出てきて、性感染症の方もそれを意図したことの話は出たと思うんですが、そちらの方は「民間団体等」ということが書いてあったので、例えば事務局としてはどういう方向に統一されるのかということがもし、どちらかになるのかと思ったんですけれども、意味としては性感染症の方でもNGOという意味で使ったようなところもあると思うんですけれども。
○林課長補佐 実態を見ますと、エイズに関しましてはさまざまな支援のNGOが国内・国際ともに多数あるということだと思いますけれども、それ以外の性感染症に関してはなかなかそれを専門とした、NGOと言えるような団体というのはなかなか多くはないかと思います。
 もう少し学会とか、あるいは財団というところもNGOといえばNGOでございますけれども、一般にNGO、特定非営利活動法人のようなものは性感染症は少ないのかというところで、こういった書き分けになっているのではないかと思います。
○白井委員 では、これは多分別々のままいってもおかしくないということですか。
○木村座長 実態がそうなのでという説明だったと思います。
○林課長補佐 加えて追加させていただきますと、資料3の1ページでございますけれども、エイズの方は資料3の上の真ん中辺りを見ていただきますと、NGOが定義をされておりまして、患者団体を含む非営利組織または非政府組織をNGO等というと書いてございまして、何度もこの言葉が出てくるためにNGOという言葉を使うんだということを先に定義をした上で使っている。
 一方で、性感染症の方は何度も出てこないので、こういった形でNGOという略称を使うという定義はしていないというテクニカルな違いもあるということでございます。
○木村座長 そういう説明ですが、いかがでしょうか。統一した方がいいかどうか。
○白井委員 性感染症の方はNGOがないとおっしゃったんですけれども、逆にHIVのNGOの方々の活動の中には性感染症予防は必ず入っていますので、NGOの活動がないわけではないと思いましたので、そういう意味では性感染症の予防指針の方に「NGO」の表現が何も出ていなかったというのは、少し並べてみたら少し違和感を感じたという印象はあります。
○木村座長 その目で、事務局の方でまた御検討をいただくことでよろしいでしょうか。
○林課長補佐 わかりました。
 そうしますと、ただ、文言のところですのでテクニカルなこともありますので、検討させていただいて、白井先生と座長に御報告した上で最終的なとりまとめとさせていただければと思います。
○木村座長 主にてにをは的なところだと思いますが今後、今のような点で少し文言の修正が加わると思いますが、そういう修正につきましては座長と事務局との間で協議させて決めさせていただきたいと思いますので、御了承お願いいたします。
 それでは、今日の議事は一通り終わりましたので、終わりとしたいと思いますが、ほかに事務局の方から何か連絡事項等はよろしいですか。先ほどの説明でよろしいですか。
(「はい」と声あり)
○木村座長 では、どうもありがとうございました。これで終わりといたします。


(了)
<照会先>

健康局結核感染症課
03-5253-1111(2386)

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