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2011年11月14日 第3回 除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止に関する専門家検討会 議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課

○日時

平成23年11月14日 13:30~


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省省議室


○議事

○椎葉労働衛生課長 本日は大変お忙しい中、ご参集いただき誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより第3回除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止対策に関する専門家検討会を開催します。
 本日の出席者をご紹介させていただきます。前回ご参集いただいた方々に本日もお集まりいただいておりますが、杉浦委員と名古屋委員については、本日ご都合により、ご参集いただけないというご連絡を受けております。また、金子委員が遅れておりますが、後ほど出席されるものと考えております。また、本日オブザーバーとして、環境省から廃棄物・リサイクル対策部の廣木産業廃棄物課課長と水・大気環境局の水環境課の水原課長補佐にご出席いただいております。よろしくお願いします。
 大変恐縮ですが、カメラの撮影をここまでとさせていただきます。よろしくご協力をお願いします。
 金子委員が到着です。
 今後の議事進行について森座長によろしくお願いします。
○森座長 第3回専門家検討会を開きますが、今回はかなり細かい論点まで踏み込んで議論が進むと思いますので、是非円滑な進行にご協力いただきますようお願いします。
 議事に入る前に事務局から資料の確認をお願いします。
○安井中央労働衛生専門官 資料の確認をさせていただきます。1枚目は次第です。1頁に資料1「開催要綱」、3頁に資料2として前回の検討会の概要、7頁に資料3として課題とそれに対する対応、15頁に資料3-1、17頁に資料3-2、19頁に資料4としてこれまでの指摘及びそれを踏まえた対策の骨子案、35頁の資料4-1は前回使用した資料を再度使っています。45頁の資料4-2は提出していただいた資料です。51頁の資料4-3、53頁の資料4-4、55頁の資料4-5は前回の資料をそのまま流用しております。最後の57頁は資料4-6です。資料は以上です。
○森座長 ありがとうございました。資料の不足や落丁はありませんか。よろしいですか。本日の議題に入る前に、前回の検討会の概要について事務局からご説明ください。
○安井中央労働衛生専門官 3頁の資料2についてご説明させていただきます。前回についてはご案内どおり、質問事項とそれに対する回答、それぞれ論点について順番に行いました。議事録について、いまご確認を頂いているところですので、詳細については省略させていただきますが、何か修正点があれば後ほどお聞かせいただきたいと思います。
○古田委員 1点だけですが、5頁のちょうど中間ほどの意見等のポツのいちばん下ですが、粉じんのところで「内部被ばく線量は1mSv以下と低い」の箇所に、「簡単な計算で評価」という、そういう文言を追加していただけたらと思います。測定が重要ですので、この計算がいつでも使えるというのではなく、簡単な計算で評価してもこれぐらいだという注釈だけお願いしたいと思います。以上です。
○安井中央労働衛生専門官 わかりました。
○森座長 その他、概要についてはよろしいですか。早速、本日の検討の議題であります資料4に基づいて今日も議論をしていきたいと思います。前回まで、資料の論点の中で1番と2番、3番と4番とまとめてやってきましたが、本日も基本的には同じような進行方法を考えています。論点の1番の被ばく線量管理の対象及び被ばく測定線量管理の方法の部分がかなり分量が多いので、これをまず単独でやって、それ以降2番と3番、4番から6番という形で進めていきたいと思いますのでよろしくお願いします。1番の被ばく線量管理の対象及び被ばく線量測定管理の方法について事務局からご説明ください。
○安井中央労働衛生専門官 19頁です。被ばく線量管理の対象と被ばく測定線量管理の方法ということで、前回は2つに分かれていたものを1つに集約しています。
 前回被ばく線量管理の対象に関しては、いろいろご意見がありましたが、一定のエリアに一定の時間作業する者を対象とすべきということです。線量管理はできるだけ広く実施した上で、個人線量計で管理を行うエリアと計算による評価、または簡易な評価によることも可能であるというエリアと2段階に分けるのがあるのではないかというご意見もありました。2段階管理であれば、当然空間線量率で区分できないといけないというご意見。実際の数字としては、年間5mSv、これは1週間あたり40時間労働換算ですと2.5μSv/hが適切な数字としてあるのではないかというご意見がありました。
 原子力安全委員会は、廃棄物の処理に当たっては作業員も可能な限り、年1mSv以下とすべきであるということにして、それを超える場合は線量管理をすべきという議論をしておりましたので、年5mSvを下回る分についても、一定の線量管理が必要ではないかといったご意見がありました。
 2番目は、内部被ばく測定です。これについては、松村委員から試算をいただきまして、土壌が相当高濃度であって、かつ粉じん濃度が非常に高い場合に、それを100%吸入するという非常に保守的な仮定をした場合に限って考慮するレベルの内部被ばくが発生するということです。散水するなどの措置によって、被ばく低減措置、粉じんの低減措置が相当できるのではないかというご意見。データの収集が必要ではありますが簡便な管理でいいのではないかというご意見があります。
 別途事務局で放射線審議会の基本部会でこの案を説明したときにご指摘いただいた点としては、内部被ばくのスクリーニングとして、防じんマスクの表面線量を測る方法、鼻スメアなどの方法もあるということです。
 被ばく限度についてです。どの被ばく限度を適用するかについては、ICRPの職業被ばく限度である「年50mSv以下かつ5年100mSv以下」があります。
 金子委員からは、職業被ばく限度は、被ばく線量的にはかなり高いため、当然きちんとした労働者教育や線量管理が前提になる。一方、除染作業を特に主たる業務にしていない者に、ここまで被ばくさせる必要があるのかというご議論があり、これは分けて考えるべきではないかというご指摘もありました。
 杉浦委員からは放射線業務を主たる業務としていない労働者については、年1mSvを超える被ばくは望ましくないというご指摘がありました。
 被ばく線量の記録については、生涯被ばく線量の把握が必要ではないか。複数の事業者を渡り歩く者も出てくると考えられるため、きちんと管理できる一元管理が必要ではないかというご指摘もありました。
 これについては、どのように考えるかを15頁の資料3-1にポンチ絵でまとめておりますので、これでご説明させていただきます。
 この図は、縦軸が空間線量で、横軸が作業頻度を表している図です。空間線量2.5μSv/hを1週間当たり40時間労働で換算しますと年5mSvになるわけですが、こういった高い空間線量のエリアについては、従来の電離放射線障害防止規則と同様の個人線量管理をやるべきではないかということです。これは、個人線量計による外部被ばく測定です。内部被ばくについては、前回のご議論でもありましたように、必ずしも全員にやる必要はないという観点がありますので、粉じんの発生度合、土壌の放射性物質の濃度に応じて適切な方法を取るということです。
 一方、左下は、線量はそれほど高くない地域ですが、0.23μSv/h、年1mSvという環境省が定める除染を行う基準を超え、2.5μSv/hに達しないところです。ここで、例えば2.5μSv/hという最もこのエリアの中で高い空間線量を前提にして、1日8時間30日作業されたとしても年0.6mSvにしかならないため、年間数十日程度であれば、非常に保守的に計算しても、年1mSvを下回ります。こういった作業頻度の方々については、線量管理は特段必要ないのではないかという提案です。
 右下はその間です。線量は低いのですが、相当の作業頻度がある場合、理屈から言うと年2mSv、3mSv、4mSvと労働時間に応じて増えてくるというエリアについては、簡易な線量管理を提案しています。線量管理を義務付けるわけですが、方法は簡単なものでもよいということです。例えば代表者による測定、あるいは空間線量から労働時間等を使った評価を行うということです。個人の線量はもちろん把握するわけですが、ポケット線量計を全員につけていただく必要は必ずしもないという意図で書いています。
 左下の欄については、ボランティア、住民、農業従事者、自営業者、及び自らの事業所、例えば工場の敷地内、庭先などを自ら除染するような労働者を基本的に想定しています。常識的に考えて、農業従事者や自らの事業所の除染等を行う場合に、年間30日間以上作業することが考え難いということがあります。また、年間数十回以上除染をするということは、ボランティアや、住民の自主的な活動を超えているようなレベルに達するわけですので、そういった高い頻度で除染する必要がある場合ついては、基本的に事業者の方にお任せいただけないかと提案しています。
 資料の20頁にお戻りください。先ほどご説明したポンチ絵を文章に起こしたものです。(5)の骨子案として基本原則です。事業者は、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければいけない。これは、ICRPでも述べられています最適化の原則です。
 (6)の対策の骨子(案)、被ばく線量測定です。アは、土壌等の除染等及び廃棄物の処理等の業務(以下「除染処理業務」という)ですが、こういった業務を行う事業の事業者(以下「除染等事業者」という)と書いてあり、以下の1及び2の場合にそれぞれ定められた方法で労働者の被ばく実効線量を測定するということです。土壌等の除染等及び廃棄物の処理等の業務については、環境省の特措法で業務をある程度限定されています。
 (a)事故由来放射性物質により汚染された廃棄物処理に係る業務、(b)土壌等の除染等に係る業務、(c)除去された土壌の収集、運搬、保管及び処分に係る業務です。我々としては、この中に作業場所の平均空間線量率が0.23μSv/hを超える、いわゆる年間1mSv、国が責任を持って除染を行うエリアに被ばく線量管理を限定するということを考えています。廃棄物、土壌についても一定の濃度以上を扱うものに基本的には限定することを考えています。
 土壌等の除染等についても特措法上の定義があります。「事故由来放射性物質により汚染された土壌、草木、工作物等について講じる当該汚染に係る土壌、落葉及び落枝、水路等に堆積した汚泥等の除去、当該汚染の拡散の防止その他の業務をいう」と除染は定義されています。廃棄物の処理については、廃棄物の収集、運搬、保管、中間処理、埋め立て処理も含まれるという、一連のものを「処理」というということです。我々の対策は、基本的にこの3つのカテゴリーの作業を対象としていきたいと考えています。
 作業の業務の中の1です。作業場所の平均空間線量率が2.5μSv/hを超える、1週間当たり40時間労働の換算で年5mSvを超える高い線量の区域において、労働者を除染処理業務に就かせる場合については、先ほど申し上げたように、外部被ばく線量については個人線量計による測定、内部被ばく線量については作業内容及び取り扱う土壌等の放射性物質の濃度等に応じた測定ということを書いています。測定のやり方は後ほどご説明します。2がそれより低いエリアです。2.5μSv/h以下、なおかつ0.23μSv/hを超える場所については、個人線量計による外部被ばく測定が望ましいが、空間線量からの評価、代表者による測定等も認めるということです。
 イです。簡単に申しますと、アは除染等の業務を業として行う者を想定していますが、イはそれ以外の者です。例えば庭先、あるいは自分の工場を一時的に除染をするような方を想定しているわけですが、そういった方は基本的にまず2.5μSv/hを超えるところで作業をしてもらいたくないということです。2.5μSv/h以下、かつ年間数十回の範囲でのみ除染処理業務に労働者を就かせてくださいとしています。基本的には、年間1mSv、追加被ばく線量が1mSvを超えるような除染作業に労働者を就かせるのは望ましくないということです。
 自営業者、ボランティアなど、雇用されていない者についても同様としていただければと考えています。このガイドラインは、当然労働者、事業者を対象にしたガイドラインですが、同じように、自営業者、ボランティア等についても1mSvを超えることは望しくないということを述べるということになります。
 21頁のウです。内部被ばく測定の方法です。先ほど申し上げたように、作業の内容と土壌の濃度によるということですが、縦軸と横軸にして大きく4つに分類する。高濃度粉じん作業であって、かつ高濃度土壌を取り扱う、表の左上については、基本的にホールボディーカウンターによる内部被ばく測定を3カ月に1回行っていただく。それ以外の者については、例えば高濃度以外の土壌を扱う場合、あるいは粉じんが高濃度ではないような場合には、スクリーニングを実施していただくということです。スクリーニングと申しますのは、下の注に書いてありますように、防じんマスクの表面線量測定、鼻スメアテスト等で行って、スクリーニング基準を超えた場合に限って内部被ばく測定を行うという発想で考えています。ご議論いただきたいのは、高濃度粉じん作業はどのように特定するかということと、高濃度汚染土壌の数字です。
 7番の被ばく線量限度については、基本的にICRPが使っている職業被ばくの限度をそのまま使うということで、男性及び医学的に妊娠可能性のない女性に関する被ばく限度は5年間につき100mSvかつ1年間に50mSvです。医学的に妊娠可能な女性については3カ月につき5mSv、妊娠中の女性については内部被ばくが1mSv、腹部表面に受ける等価線量が2mSvです。皮膚の等価線量については1年につき500mSvとしています。皮膚の等価線量の必要性については後ほどご議論いただきたいと考えています。
 8番の線量の測定結果の記録等については、電離放射線障害防止規則と同様に記録をするわけですが、1、2、3、4に数字がありますのは、一定の頻度ごとに累積線量を算定するということです。電離則であれば、3カ月、6カ月、1年と決まっているわけですが、除染作業の場合、それほど長い間作業をするのかどうかというのは疑問に感じるところであります。例えば3カ月に1回と規定してしまいますと、累積線量をまったくもらえない作業者が続出する可能性がありますので、例えば1カ月といった形に引き下げる必要があると考えています。
 イは、今後数年間で除染の作業が終わってしまって事業を解散してしまうような事業者が多数見込まれますので、廃止になった場合に指定する機関に被ばくの情報を引き渡す規定を置いています。
 労働者が複数の事業者を渡り歩く場合も想定されますので、ある事業者を退職する場合には、そのときに定められた様式に基づいて、きちんとその事業者に属している間に被ばくした線量を労働者に交付するということを規定しています。
 22頁は、検討のポイントとして我々が挙げているものです。たくさんありまして、先ほど申し上げたように、土壌の濃度の数字をどうするのか、内部被ばく測定の方法の基準となる高濃度粉じん作業をどのように定義していくのか、同じように内部被ばく測定の方法の基準となる高濃度汚染土壌は何ベクレル以上とするのか、簡易な線量管理はどういう方法があるのか、内部被ばくのスクリーニングの方法とその基準、累積被ばく線量の算定頻度、複数の事業場で除染作業を行う労働者の累積被ばくの把握のための措置、等価線量の限度基準の必要性です。福島の住民が除染作業に従事する場合、住民としての公衆被ばくと作業者としての職業被ばくを別枠管理でよいのかということ、出張中の滞在線量の加算の必要性の有無、ボランティアの取扱いについてご議論いただきたいと思います。
 資料が多岐にわたっておりますが、全部説明する時間がないためコアになる資料のみご説明させていただきます。35頁に資料4-1があります。前回、松村委員から提出いただいた資料です。37頁から38頁にかけて試算があります。例えば38頁の表5です。縦軸が粉じんの吸引量で、作業の性質は、18mg/hが比較的常識的な吸入量です。54mg/hは相当高い吸入量でして、180mg/hは通常考えられないほど高い粉じん吸入量です。横軸が汚染対象物の放射線量のBq/kgです。10万Bqから500万Bqまで挙げていますが、これを週40時間52週、年間2,080時間すべて粉じんを吸引した場合にどれぐらいの内部被ばくになるのかを示しているものです。おそらく現実的に最も高いと見込まれる54mg/hの真ん中の行を見ていただきますと、100万Bqというような極めて高いものでなければ、1mSvはなかなか超えてこないという実態があります。半分で見るのであれば50万Bqといった数字があります。そういったところから具体的にどれぐらいの濃度ということがご参考になるのではないかと考えています。
 内部被ばくのスクリーニングの方法と基準がありまして、資料3のNo.8です。頁で申しますと12頁です。内部被ばくの簡便な測定方法としてスクリーニングがあるわけですが、使用後のマスクの表面線量の測定、鼻スメアがありまして、こういったものに対する基準があるかというところですが、古田委員から例として4時間の軽作業で使用後のマスクの表面汚染で1万cpmが検出されたとすれば、空気中濃度は約10分の1、マスクの保護計数を10として、4時間の被ばくは1~2μSvという試算ができる。同じように、鼻スメアで1万cpmが検出されたとすれば、被ばく線量は約0.3mSv。これも十分低いわけですが、1万cpmという数字を1つ古田委員からご提示をいただいています。
 福島県の住民が除染作業に従事する場合、住民としての公衆被ばくと作業者としての職業被ばくを別枠管理でいいのかということですが、同じ資料3の12番です。頁で申しますと12頁です。放射線審議会の基本部会でご審議いただく時間がありまして、そのときに事務局からどういった取り扱いになるのですかとお聞きしたところ、基本的にICRPは「正当化原則」と「最適化原則」に基づいてやっていると。正当化原則は、それぞれの被ばくのメリットがデメリットより大きい被ばくのみを認めるというスタンスから、基本的にそれぞれ別に管理をすると。最適化原則に基づいて、低減措置を実施する場合も別々に管理しないとできないということから別枠で考えるべきであるというご回答をいただいております。当省はこの省令を放射線審議会に答申する必要がありますので、答申の場合には、こういったスタンスで基本的に答申することを考えています。
 ボランティアにつきましては、資料3のNo.14です。先ほど、我々の考え方としては、基本的にボランティア、住民、あるいは自営業者、そういった線量管理をする人がいない者については、年間1mSvを超えるべきではないというご説明をしたところ、果たしてボランティアという志願者にそういったことをすべきなのかどうなのかというご指摘をいただいておりますので、それについても再度本日の検討会でご議論をいただきたいと考えています。私の説明は以上です。
○森座長 ありがとうございました。1番のところはかなり論点が多いのですが、少しずつ整理をしながらやっていきたいと思います。
 まず最初に、資料3-1にカラーの絵がございますが、このように2.5μSv/hのところで線を引いて、一方で作業頻度ということで数十日、ここでは30日ということが例示されてますが、おそらく1年間で1msVになるぐらいの日にちが上限というような考え方だと思いますけれども、そのように3つの区分に分けて基本的には考えて、必要な線量管理の対象者を決めていくという、この考え方について、何かご意見はございますか。基本的には、こういう考え方でよろしいでしょうか。では、基本的な枠組としては、この考え方でいきたいと思います。
 2番目に、この絵の中にもありますし、また資料4の1番の(6)アのところにもございますように、いちばん上の赤い枠、2.5μSv/h、年間に換算しますと5mSv/年以上になります対象者に対しては、基本的に外部被ばくの線量と内部被ばくの測定を行う。ただし、内部被ばくについては、あとで出てくるように、スクリーニングも含めて検討するということ。
 一方で、2.5μSv/h以下に関しては、外部被ばくの線量管理は行うけれども、その方法について、この後また具体的にご議論いただきますが、少し簡易的な方法で行っていくというこの枠組についてはいかがでしょうか。基本的にはよろしいでしょうか。
 そうしますと、もう少し具体的な中身に(6)のアで入っていくわけですが、「土壌等の汚染等及び廃棄物の処理等の業務」という定義の中で、そもそも土壌とは、それから廃棄物とはというところで、放射性物質の濃度をどこかで線を引かないといけないという1番目の課題があります。いまそこではBq/kgの単位として10,000になっていますが、これについてご意見をいただければと思います。
○安井中央労働衛生専門官 ちょっとご説明が足りませんでした。ここでいま事務局として考えておりますのは、電離則等の放射線物質の下限値であります1万Bq/kgというのが1つの案。それから、環境省で定めている指定廃棄物という概念である8,000Bq/kg。どちらかにはなろうと考えております。
○森座長 ありがとうございます。1回目のこの検討会でも1万なのか8,000なのかという議論があったと思います。基本的に労働者の健康を守るという話になると、いままで使っていたのはこの1万という数字であったという議論がたしか1回目にあったと思います。これについてご意見をいただければと思います。何かございますでしょうか。
○金子委員 ここに書いてあります土壌等という中には、森林の落葉層や落葉も含まれると考えてよろしいのでしょうか。
○森座長 事務局、お願いします。
○安井中央労働衛生専門官 はい。含まれます。(注)の2つ目に「土壌等の除染等とは」と縷々書いてございますけれども、汚染された土壌のほか、草木、工作物も含まれますので、具体的には土壌、落葉及び落枝、それから水路等に堆積した汚染土壌、そういったものを全部含む概念でございます。
○大迫委員 私の意見としては、1万Bq、労働者に関してはそういう線引きで、それしか根拠はないのかなというふうに思っております。それで、1つお聞きしたいのは、ちょっと戻るかもしれませんが、今回の区域という意味合いなのですが、2.5μSv/hを超えるところは、ある程度電離則の管理区域的な意味合いの思想を入れるということかと思いますが、例えば除染でいろいろな除去土壌が仮置き場に集積されてくるとか、あるいは廃棄物のいろいろな埋め立て処分場にも集積するとか、あるいは焼却施設においても、一時保管とかも含めて、灰とか高濃度のものが集積される場があって、その場に関して、ある程度離れたら2.5μSv/hを切るところまでは離れることができるのですが、そこの2.5μSv/hのエリアの辺りは、そこに立ち入らないように制限をかけるとか、あるいはその中でまた作業をする人に関して、この個人線量管理を義務付けると、こういう理解でよろしいでしょうか。
○森座長 それで、よろしいでしょうか。
○安井中央労働衛生専門官 線量管理につきましては、平均空間線量で考えるということでして、作業を行う場合に事前に平均空間線量を測定して、そこが2.5μSv/hを超えている場合には、線量管理をするということになります。作業に伴う措置、いろいろ集積したらどうかとか、そういうことにつきましては、27頁の汚染拡大のところで、例えば容器を使わなければいけないとか、持ち出しをどうこうするとか、そういった形で対処するということになろうと思います。2つございまして、1つは線量管理の概念は場の線量で決める。もう1つは、それぞれの実行すべき措置については物の濃度で決める部分もあり、一応ダブルトラックで、それぞれでそれぞれを適応していくという考えで整理しています。
○森座長 よろしいでしょうか。そうすると、対象とする放射線量の下限値については、その他の積極的な理由がなければ、1万Bq/kgという数字を使ってはどうかと思いますけれども、何かご意見ございますでしょうか。
○金子委員 先ほど落葉が含まれるかということでご質問しましたが、我々のところで調べたデータですと、空間線量率が0.33μSvという場所では、落葉の放射性セシウム量が、乾物あたり2万4,000Bqほどでした。先ほどから言っている基準と比べて、かなり空間線量率が低いところですが、落葉の場合には、かなり高いものが出てくることがわかっていますので、そこで落葉を含めると、かなり低いところでも1万Bqに相当するものが出てくる可能性が高いと思います。
○森座長 落葉の部分だと、少し対象が広目になるのではないかということですね、いまのお話は。
○金子委員 そういう気がいたします。
○森座長 事務局、お願いします。
○安井中央労働衛生専門官 ご指摘の点でございますけれども、まず、このアの部分については、適用については先ほど申し上げましたように、幅広く書いていますが、アで定めているのはあくまでこの12のように空間線量率に基づいて対応を決めますので、ここの1、2の世界の中では濃度の区分は出てきません。後ほど申し上げますように、例えば内部被ばく測定の測り方であるとか、マスクの選択であるとか、そういうところには影響が出てまいりますが、この線量の測定の区分については、空間線量率だけで判断をいたします。
○森座長 ありがとうございます。扱う物がそうでも、結果的にはそれより低いところは管理が必要なくなるということになるということで。古田委員は何かございますか。
○古田委員 例えば、クリアランスレベルが10μSvということで、それがセシウムの場合0.1Bq/g、10μですからそれの100倍と考えると、1mSv。0.1Bq/gを100倍すると、10Bq/g。これも1万Bq/kgということで、普通にクリアランスされても、被ばく線量は1mSvぐらいということですから、そういう意味では1万ぐらいで妥当かなと思います。例えば土壌ですと大体5cmぐらいのところでサンプリング、深さ5cmのところを取ってデータを分析しているわけです。
 一方、例えば農林水産省で耕作する土壌ですと、大体15cmぐらい耕されるということで、それの平均値として使っておられるわけです。ここで1万Bqというのは、どの部分になるかというのが、その測り方でころころ変わるようであってはまずいかなという気がします。例えば、表面を何センチ取るか、1cm取るか、2cm取るか、何かその基準があって、そこの濃度を言うのか、代表的にデータがたくさんあるのは深さが5cmなので、とりあえず5cmにしましょうかとか、そういう前提があってからこの数値を決めないと、どうかなという気がしたのです。1万という数字は、全然私は問題ないと思うのですけれども。
○森座長 そうすると、1万という数字を設定しても、サンプリングをどうするかという話を明確にしないと、ばらつきとか、サンプリングの際に意図が入ったりとかするということだと思うので、ちょっとここで議論すると先にいけないので、何かいまの時点でお考えがあれば示していただいて、検討課題にするということにしたいと思いますが、事務局いかがですか。
○安井中央労働衛生専門官 後ほどご議論いただこうと思っていたのですが、資料45頁に農業環境技術検究所の資料という形で、どのように農地のサンプリングをするのかというのをいただいております。ここで具体的にかなり詳しく土壌のサンプリングの方法が出ております。これが妥当なのかどうなのかという議論はあろうかと思うのですが、これを一応、叩き台に議論を進めさせていただきたいと思うのですが、これについてご説明いただけますか。
○森座長 お願いします。
○小林委員 中央農研の小林です。農地の場合はあくまでも先ほどお話にあった作物を作るということを対象としておりますので、例えば水田であれば15cm、畑であれば最大30cmの深さまで土壌のサンプルを取っております。除染ということになりますと、例えば作土層15cmの平均で1万Bqであった農地を除線のため、表土を4cmはぐ場合、平均濃度で5万Bqの排土を扱うということになりますので、作業の場合と、そこの場所に最初に立ったときの平均空間線量率というのは、ちょっと違ってくるような気がいたします。表土除去作業後に排土として扱う場合は、いま申しましたように、4ないし5cmの除去であれば、5万Bqのものを扱うことになります。また、表土をはぐ作業中にはごく表層部分にある10万Bqの濃度の土を扱うということになります。
○森座長 ありがとうございます。おそらく最終的に決めないといけないのが、除去土壌の運搬ということまで考えると、結局、取ったものが全部混じって平均値になるという考え方になりますと、除染の段階でも、取る範囲における平均値というのは基本的に必要で、落葉のように薄い場合は薄い範囲になるし、深い場合は深いところで平均をするしか、基本的にはないのかなという感想をお話を聞いて思ったのですが。
○安井中央労働衛生専門官 これにつきましては、今日中にご議論いただけなければ、次回という手もあるのですが、先ほどまさに座長にご示唆いただきましたように、作業によって削る深さが違うという実態がありまして、それに合わせるしかないのではないかというのが実際のところあります。ある程度目安なり、考え方なりを示すことは必要だと思いますが、何センチメートルと決め打ちをするのは難しいのかなというのが、現在の私の考えでございます。
○中山委員 いまのお話のところなのですけれども、例えば土壌みたいなものでも、汚泥だったら、非常にベクレル数が高くても粉じんを起こすことがないので、そういう意味では21頁のいちばん上にご提案いただいたような高濃度土壌かつ高濃度粉じんという条件を満たすものという分け方でよろしいかと思います。ここの表でも既に土壌等とは書いてあるけれども、おそらくこの時点で、既に濃度としては、土壌を対象にしているというように思えます。森座長がおっしゃったように、実際は土をはいで、それに落葉だとか落枝だとか混ざってしまってということになると、濃度を求めることは非常に難しくなるし、それでもやはり土の濃度で代表させるのですかというところは、最初に考えておかなければいけないと思います。そこに至ってようやく先ほど古田委員がおっしゃったように、5cmなのか15cmなのかという議論にもなると思うのですけれども。
○森座長 ありがとうございます。
○松村委員 作業する前に、作業する地域がどのぐらい汚染されているかという評価は空間線量で測定するよりほかに仕方がないと思うのですけれども、いまのお話ですと、作業中の、やはり発じんの量とか、埃に付いている放射能量を測る必要が出てきた場合に、作業中に埃を捕集しても、直ぐには数値がわからないので、少し時間差ができてしまうのですね。そのために、どうしても作業中にサンプリングをした値というのは、作業中に間に合わないという気がします。やはりそこはリスクファクターというか、5倍なり10倍なりを見て推定していく。
 それから、マスクがほぼ必須になると思うのですけれども、ばく露量をマスクに付いた量で測るというのは、ちょっと矛盾があります。マスクに付いた量というのは、吸わなかった量なのです。実際吸った量というのは、非常にラフなマスクの着け方をしても、たぶん5分の1ぐらいしか吸っていないと思うので、マスクに付いた量を測るというのは、あまり科学的ではなくて、やはり作業中の濃度をきちんと測るとしたら、わかった風量で、わかった面積に、きちんとサンプリングしたほうが私はいいと思います。
○森座長 いまのマスクの話は、次のウのところのお話ですね。いまは土壌の定義の話なのですけれども、この規則の考え方として、できるだけ幅広いところをまず決めて、それから空間線量で管理方法を決めて、さらに保護の方法を別の測定方法でやっていこうという枠組になっています。そのような3段重ねのいちばん最初のところなので、かなり幅広く取るということも前提に決めておかないといけない。この規則の適用の定義そのものにかかわるところですね。何を扱うものを今回の除染という定義にするかに近い話なので。
○大迫委員 もう1回確認したいのですが、最初に平均空間線量が先にあって、たとえそれが1万Bqを超えていたとしても、作業の平均した環境、空間線量率が2.5μSv/h以上なければ、それは管理対象にはならないという理解でよろしいでしょうか。
○安井中央労働衛生専門官 管理対象にはなりまして、ただ線量管理が簡易な方法でいいという、2の世界に入るということです。
○森座長 だから、0.23μSv/h以下だったら、管理対象にはならないという話。
○大迫委員 では、空間線量率が最初にあるという。そのときの平均空間線量率というイメージを教えていただきたいのですが。
○森座長 これは、また後で議論しないといけない、今日の重要なポイントだと思います。
○大迫委員 あとでですか。では、後ほど。
○安井中央労働衛生専門官 1点だけ、私の説明が悪かったのですが、20頁のアで言っております放射性物質は、言ってみればこの規則を適用するための下限値として考えております。それから、21頁にございます、高濃度粉じん作業と申しますのは、これは真の意味でより高い数字を使っておりますので、例えばですが、先ほどご説明いたしました50万とか100万というオーダーを想定しておりますので、両者の数字は異なるということは、一応ご理解いただきたいと思います。
○森座長 そういう意味では、1万Bq/kgよりも低いもので、逆に0.23μSv/hよりも高いような状態になってはいけないということですよね。矛盾が生じてしまうということですよね、基本的に。
○安井中央労働衛生専門官 いや、矛盾はないと思いますが。0.23μSv以上であれば、線量管理は行いますので。
○森座長 いや、そうではなくて、先に1万Bq/kg以上の土壌を対象とするというように定義をしているわけですよね、そうすると。そうすると、それよりも低いものは、もうこの規則の適用にならないということになると、空間線量の測定そのものもあまり意味がなくなるということになってしまうのではないですか。
○安井中央労働衛生専門官 私の説明が大変悪くて申し訳ございません。この20頁の(a)(b)(c)は全部「又は」表示になっているということですので、(a)と(c)につきましては濃度で切るわけですが、(b)は濃度で切りません。つまり、最初、例えば5,000Bq/kgぐらいのものであったとしても、線量管理の規制はかけます。大体集積していくうちに、濃度は上がっていきますので、いずれ廃棄物になって、1万Bq/kgになったものが後ろにくるということになります。
○森座長 わかりました。土壌等の除染等に係る業務というのは、ベクレル数にかかわらずやるけれども、廃棄物とか土壌の運搬等の業務、そのものを扱うものに関しては、それで管理しないと、どこまで範囲かわからなくなると、そのような意味ですね。そうすると、先ほどありましたように、最終的に取ったものがどうなのかということなのですねそういう意味で、1万Bq/kgでいくしかないという話でよろしいですか。
 そうでしたら、続いて、アの2の中に、個人線量計による外部被ばく測定が望ましいが、空間線量からの評価、代表者による測定等も認めるという、簡易測定の考え方が示されてますが、これについて何かご意見がありますでしょうか。
○古田委員 一応、こういうことでよろしいかと思うのですけれども、例えば作業の中でいちばん汚染されている物に近づいて作業する方、その人を代表者ということで、いちばん被ばくする可能性の高い方に付けていただいて、その人がきちんと管理されておれば、あとの方は、もう全て同じように防護されているというような考え方もできますので、それも認めてもよろしいと思います。それとか、計算でもエリアの空間線量で代表的なところ、先ほど言った実際に汚染作業をされる方のそこの空間線量と時間数で事前に評価して結果とするという評価もあり得ますので、これはよろしいかと思います。
○森座長 基本的には安全サイドに立つことを前提とするも、具体的に定義をはっきりさせて、代表者とは何ぞやとか、空間線量からの概算評価というのはどういう方法なのかということを示した上で、これを使うということですよね、当然のことながら。よろしいでしょうか。また意見、アイディアを次までにいただいて決めていくということにここはさせていただきたいと思います。
 それから、イのところにかかわることとしては、最後の論点にありました、ボランティアでも本人が希望する場合は、作業による実効線量が年1mSvを超えてもいいのかということに関わることなのですけれども、この規則では、事業者責任なのでボランティアまではカバーしないと思いますけれども、これについてはいかがですか。基本的には、もうその範囲までしか考えないと。つまり、事業者以外は年間数十回、高くても年間50回とかそういう数字までしか作業を基本的に想定しないということだと思います。これはいかがですか。実態に関わることなので、実態をよくご存じの方、お願いします。
○古田委員 やはり、放射線のリスクがある程度わかっていて、ボランティアで、私は5mSvぐらいまで被ばくしても、やはりこの仕事が大事だよとおっしゃる方がおられれば、がんじがらめに縛ってしまうのはどうかなという気がします。1mSvを絶対に超えてはいけないということでもなくて、例えば航空機の搭乗員の方は、一応5mSvというのがガイドラインでも出ていますので、そういう意味では、例えば自分の家とか自分の財産、そういうところを守るために、例えば放射線のリスクをきちんとわかっていた上でこういう作業をボランティアでされるということは、ある程度認めてもいいのではないかと思います。何が何でも1mSvで、がんじがらめにして、何もできないようにするというのもいかがなものかなというふうには思いました。
○森座長 おそらく、今回規則で事業者に責任を課すというやり方をしたときに、事業者がいないボランティアをこちらの立場からこれは大丈夫ですよというのは言いにくいので、先ほどの3つの区分のここのところに押し込めようというアイディアなのだろうと思います。実態としては、それを超えたことに対して、違反だと誰も言えないし、どうするかということについては、グレーな世界が残ってしまうという話なのだろうと思うのです。ほかにいかがですか、この点については。
○宮野安全衛生部長 いまの座長のお話を少し補足をさせていただきたいのですが、前回もご説明をしたとおり、今回ご議論いただいた対策については、私どもの省令として、これは事業者が守らなければ罰則が付いてくるという省令として縛る部分と、ガイドラインとの2本柱になります。そして、あくまでもいまのボランティアの方等々のところは、これは私ども厚生労働省の安全衛生部としては、直接省令の対象とはし得ない部分でありますので、そういう方々が、例えば年間1mSvを超える被ばくをしたからといって、基本的に私どものほうで規制ができるものではありません。ただ、やはり、同じような作業をするという中で、いまご指摘をいただいたようなこと、作業にあたっての危険性ですとか、必要な措置等については、全体ガイドラインの中でお示しをし、このガイドラインの中で、作業していただければと思っています。これは我々厚生労働省だけで実際上の作業について指導したりできる部分ではありませんので、また環境省等々とも連携しながら、そうしたガイドラインの内容については、十分PRをしていかなければならないと思っています。
○森座長 ありがとうございました。最終的には、ボランティアの責任が誰にあるのか難しいのですがいま言ったような線量と回数の範囲であれば先ほどの15頁の青の部分に当たるので、線量管理をやらないとしたら、この範囲までという話なのですよね。それを超えたら、一般の作業者と同じような管理を基本的にやらないといけないですよといったガイドラインにイメージ的にはなるということなのですね。どこまで積極的にこのことを書き込むかということなのだと思うのです。事務局、どのようなアイディアですか、この部分。
○安井中央労働衛生専門官 大変難しい問題でございますので、これはあくまで労働者と事業者という関係で捕らえたガイドラインにさせていただきますので、あくまで補足的な書き振りにしかならないと考えております。いま考えていますのは、まさに20頁のいちばん下にあるように、我々は事業者と労働者に対してはこのようにきちんとしていくので、自営業者、ボランティア等についても同じようにしてくださいとすることです。当然のことながら、線量管理をする人がいませんし、先ほど古田委員からもご指摘ありましたが、十分なリスクを理解して教育をする方も明示的にはおられないという中で、どういう判断をするのかということになろうかと思います。我々としては、職場被ばく限度というものを使うのであれば、十分な教育と、線量管理が必要だというスタンスで言わざるを得ません。ではそういった範囲内でボランティアの方が一体どこまでできるのかという議論になろうかと思います。
○森座長 ボランティアの場合は、そこまでやることはおそらく難しいだろうから、この範囲に留めるべきだというような意見を何となくガイドラインに盛り込むと。いまの話、そういう話に聞こえたのですが、どうですか。
○古田委員 線量測定とか管理はボランティアであってもできるのであれば、本当はやったほうがいいです。それで、例えば、1mSvを下回っている、あるいは1mSvを超えても5には達しないとか、やはりそういった自主的な管理はどんどんやっていただいていいと思います。そういう意味では、線量管理の対象という意味では幅広くやってもいいのですが、ただどこまで義務付けるかという話だと思うのです。そういう意味では、例えば線量管理不要と書くよりも、お任せしますとか、何かそういうのがいいかもしれないです。
○安井中央労働衛生専門官 我々としては、年間1mSvを下回るような世界であれば不要です。それ以外については、1mSv以上の世界では、我々は事業者に対しての規則とガイドラインで労働者に対してはここまできっちりとします。そのため、ボランティアをされるのであれば、そういったレベルまできちんと管理できるかどうか、あるいは教育も受けることができるかということを十分に考えて作業してくださいという示し方にしかならないと思います。
○森座長 そういうことですね。だから、それを禁止することもできないわけだから、基本的にはやるならそこまで考えた上で、しっかり管理してくださいというようなニュアンスですね。
○小林委員 農業者の場合、全体的な労働時間からすると、40時間52週というようなケースはないものですから、全く問題なく、5mSv以下になるのですが、私どもが取り組んだところですと、大体5ないし7μSvのような空間線量率の環境下で作業する場合があります。そのような場合、最初の15頁のところでみた場合に、左の2.5μSvは超えてしまうのですけれども、全体からすると5mSvにならないということで、(B)のところに位置づけられるということなのでしょうか。2.5μSvは超えるのだけれども、作業時間等の制限からして、5mSvは超えないという場合の線量管理はどう行うのでしょうか。個人農業者の場合ですから、当然ガイドラインという形にはなると思うのですけれども。
○森座長 いまのは、2.5μSvを超えるけれども、頻度が少ない場合。今回は、これは全部上で管理をするという考え方ですね。
○小林委員 はい、そうですね。
○安井中央労働衛生専門官 2.5μSv/hは、現時点では計画的避難区域であるとか、警戒区域内にいま該当するエリアしか該当がありませんので、一般の方が自ら除染をするということは、いまのところは想定しておりませんが、今後の避難区域などの縮小に伴って、そういった場面も存在するかもしれませんので、またそこは検討させていただきます。
○金子委員 いま、2.5μSv以上のところは計画的避難区域と警戒区域以外ではないという話だったのですが、実は我々が調べているところはその区域外でして、3μSvというのが森林の中で出てきております。例外もあるということを、知っていただきたいところです。
 もう一つは、先ほどの小林委員の質問とちょっと関連するのかもしれないのですが、作業なのですけれども、林内における作業という場合、除染作業以外の一般的な保育作業、活動作業が行われている実態がございます。そういう場合の被ばくというのは、どういう被ばくの分類で考えたらいいのか。また、除染を行う業者で通常の森林作業を行っている場合は、通常の森林作業でも被ばく管理をするべきか、というのを、もし厚労省のほうで整理されているのでしたら、教えていただきたいと思います。
○安井中央労働衛生専門官 その問題は確か論点の中にも入れてございまして、12頁のNo.10です。まさにご指摘のとおり、森林の除染作業というのは伐採でありますとか、枝打ちでありますとか、腐葉土の除去など、一般的な林業の作業との区別が外形的には付かないということでして、ここをどうするのかというご質問は私も林野庁から受けてございます。これにつきましては、古田委員のほうから、基本的に被ばく管理をすべきではないかというご意見をいただいてまして、私としても外形上区分が付かない作業をする上に、被ばくを一定程度するということであれば、職業被ばくとしての管理というのはせざるを得ない。そうなると、この除染等に当たるという解釈で被ばく管理をすべきではないかというのが、現時点で我々の考えでございます。
○松村委員 いま、小林委員からもおっしゃった、作業中の放射線量が作業前に測ったよりも高くなるということの実態なのですけれども、先ほどのお話ですと、作業中に高くなる濃度というのは、やはり空間線量として測っておられるというふうに受け取れるのですけれども、それでしたら即時データがわかるわけですから、測定もマスクの対応も簡単にできると思います。内部被ばくに関係する空気中の微粒子についている放射能がどのぐらい舞うかということについては、マスクを着けることを前提にすればある程度影響を抑えられますので、その測定がどのぐらい必須かというと、常時モニタリングするほどでもないかなという印象を受けます。
○森座長 ありがとうございます。
○大迫委員 20頁の(6)のアのところをもう1回確認させていただきたいのですが、土壌等の除染等及び廃棄物の処理等の業務というところの理解として、(a)(b)(c)というのがあります。0.23μSvを超える地域においてとなっていますが、この廃棄物と除去土壌はほぼ重なると思うのですが、廃棄物の場合は0.23以下であっても、1万を超える可能性があるかどうかというところが難しいところでもあるのですが、これは0.23の地域ということの中で全て行われ、それ以外の場所に関しては、そういった事象はないのではないかという理解でよろしいでしょうか。
○森座長 事務局、お願いします。
○安井中央労働衛生専門官 大変難しいご質問でございまして、廃棄物の収集まではよいと思うのですが、運搬の問題がございまして、この地域以外のところまで運んでいくというケースはあるのだろうと考えています。では、そこをどう考えるかということですが、環境省で車の表面線量率についての基準は定められるということです。それは従来の放射性廃棄物、原発由来の廃棄物に対する規制ですが、それと同じ形になるということです。一般的に考えれば、車の表面線量率の規制で十分ではないかと。ただし、0.23μSv/hを超えるような地域というのは、現存被ばく状況ですので、車を運転している間に外部被ばくとして被ばくをする可能性がありますので、そこは線量管理をするべきではないかということです。それ以外の地域は、言ってみれば現状の事故が起きる前と同じですので、そこについては特段の措置は要しないという整理で地域で切るというのが妥当ではないかと、いまのところ考えております。
○大迫委員 私が一瞬思ったのは、0.23μSvと(b)のケースだけをセットにして、(a)と(c)は濃度がかかっているのでそれで考えて、「又は」で全体をスコープとして見るという理解の仕方ではないかと思ったのですが。
○安井中央労働衛生専門官 この規則をそもそも作らなければいけない理由は、いわゆる現存被ばく状況ということです。計画被ばく状況であれば、現状の電離則は適用できるという実態がございますので、それが適用できない理由というのは、現存被ばく状況だということです。そういった状況が想定される地域の内部だけに規則を適用するということにしないと、現状の電離則との区分けも付きませんので、いまのところはそのように考えてございます。
○森座長 よろしいでしょうか。かなり細かい議論が続いていますが、それでは、ウの内部被ばくの測定にかかわる部分で、高濃度粉じん作業とはというところと、高濃度土壌とはという定義の部分なのですけれども、これについていかがでしょうか。高濃度土壌とはという部分に関しては、1つは先ほど事務局からもご説明がありました、松村委員から提出されている資料の37頁で、大体例えば50万とか100万とかそのあたりの数字が、いままでの議論の中で出てきた数字です。この点、松村委員、いかがでしょうか。
○松村委員 私もそのように思います。50万Bq/kg以下のところまででしたら、吸入粉じん量を計算しますと、内部被ばくもさほど大きくならないので、呼吸保護の程度はこのくらいでいいかなと思います。それから、50万Bq/kg以上のところというのは、かなり限定されてくるでしょうから、大多数のところは、それ以下になるのではないかと思います。
○森座長 ありがとうございます。何も保護措置をしなくて吸ったとしても、このあたりだったらこの程度だというのがそのような数字だったと思いますので、かなり安全サイドに立ったとしても妥当な数字ではないかということですけれども、いかがでしょうか。
 それでは、基本的に現段階では50万Bq/kgとさせていただきます。一方で高濃度粉じん作業とはということについては、今回の除染作業の実態をご存じの方に少しご意見をいただきたいのですが、いかがでしょうか。
○安井中央労働衛生専門官 高濃度粉じん作業としては、9頁の資料3、No.4に、それぞれの先生からこういったところは濃度が高くなるのではないかというご意見をいただいています。これをベースに考えたいとは思うものの、かなり抽象的でして、まとめるのに苦慮しているところでございますので、ご助言いただきたいと思います。
○森座長 定義なので、列挙していることから外れた作業で粉じんがある作業があると、逆にカバーできなくなってしまうという危険があるので、ある程度抽象的であることも仕方がないのだろうと思うのですが。
○大迫委員 私はこのコメントとして回答できなかったものですから、急遽資料4-4を昨晩提出したのですが、資料に入れていただいてありがとうございました。廃棄物処分の関係の、屋外での粉じんの濃度の実態なのですが、廃棄物処理にかかわる高濃度の粉じん作業の発生するような可能性があるかどうかということでしたので、少し過去の資料等を整理させていただきました。
 53頁をご覧ください。いくつかオープンな場で作業を行い、粉じんが舞う事象がございます。1番目、埋立処分作業でありますが、もう少し探せば資料が出てくると思うのですが、2つぐらい事例を挙げております。焼却灰の埋立作業中の粉じんのグラフが書いてありまして、結果的には0.1~0.2mg/m3程度であったということで、そこのいちばん左の総粉じん量を見ていただくと、昼と夜ということで、白抜きと黒塗りのところがありまして、24日、25日と違うところがありますが、要は夜は作業していない、昼間作業をしておりますので、やはり昼間の作業時に有意な上昇が見られるということ。ただ、その濃度も0.1~0.2mg程度であると。日によって違うデータになっております。これは、雨が24日の夜に降ったので、それで少し25日のデータが低くなっているという状況です。
 それから、真ん中あたりに廃棄物研究財団がダイオキシンの関係でいろいろ調査した結果がまとめられています。これは水分で湿潤させて灰の飛散防止を図るということなしに、乾燥した灰の投下時に0.3mg/m3であったということでした。
 そこの下に※で書いてありますが、これは後ほど環境省からもあるかもしれませんが、環境省令では、指定廃棄物、つまり高濃度の焼却灰等に関しては、飛散しないような措置ということでやりますので、セメント固化したものを容器等へ入れて処分という方向で議論されているということも合わせて申し上げます。
 それから、2番目で、建築物の解体作業、こういったことも除染と関連して行われる可能性があります。これに関しては、解体前に比較して、0.1~0.4mg/m3程度の増加が見られるということです。
 それを次頁の表で表わしていまして、その上の表が解体前で、下の表が解体をしている最中です。そうしますと風下、風上の状況がはっきりしないような状況ではあったのですが、下の表のいちばん下の段のところに粉じん濃度と書いてあって、8月17日の昼間あたりにいちばん濃度が上がっていて、その右側の欄の敷地境界南西側というところの総粉じん濃度が0.419ということで、その程度まで濃度が上昇したということです。
 3番目のその他ですが、それ以外にも4つの作業があるのですけれども、掘り起こししたものの廃棄物の選別、トロンメルといって、篩い選別ですが、こういったところの作業近辺で0.4~0.6mgでした。
 それから今後屋内にテントみたいなものを張って、いろいろと破砕選別等措置が行われることも考え得ると思うのですが、そういった場合ですと、屋内になりますが、数倍程度高くなる事例もあったということです。これは非公開資料でしたので数字が整理できませんでしたけれども、ある程度1桁弱ぐらいは濃度が上がるという状況でした。以上です。
○森座長 ありがとうございました。いまご説明いただきまして、少し実態はわかってきたわけですが、資料3-4の9~10頁にある生活圏、農地、林内の除染について、作業項目を一度並べてみて、それが妥当なのかどうかという議論です。この場合、あくまでも内部被ばくの測定を必ずやるところということにかかわってくるのですけれども、もしそこから漏れたとしても、スクリーニングという方法で、もし被ばくの可能性が高い場合には、最終的にWBCの測定に戻っていくという安全弁も働いているという形になっています。そういった理解で項目の列挙を基本的にやってくしかないのだろうと思いますけれども、それ以外に何かご意見ございますか。
○安井中央労働衛生専門官 データはまさに今日の大迫委員からご説明いただいたものと、前回の資料で小林委員からいただいた資料4-5です。数字がないため、いろいろな方が高い低いとおっしゃるのですが、作業圏、生活圏での除染における高さと、林業における高さは違うと思います。やはり、そこは数字で横並びを取らざるを得ないと思っておりまして、測定をしていただくなり何なりで数字のデータのご提供を何とか今月末までにいただいて、それを踏まえて決めないと、客観的な決め方は難しいのではないかと思います。もし、横並びの数字となるのであれば、非常に安全側に書かざるを得ないのかなという状態です。
○小林委員 前回、名古屋先生からPM4ではなくて総粉じんでやりなさいということで、いま、ようやく測定の体制が整いまして、17、18日に一連の表土除去作業を行う予定でいます。5aの移動屋根がかかるカラカラに乾いた畑を準備して当日雨が降っていなければ17、18日にデータが取れると思います。次回に追加データを出したいと思います。
 それから、もう1点、先ほど松村先生のほうで、50万Bq以下であればマスクをしなくて、万が一それを吸っても大丈夫だということになりますと、我々が扱った中で最も高濃度の材料が、前回も申しましたけれども、越年ワラというフォールアウトの前に圃場にあったワラの50万Bqということになります。土壌ですと、それよりずっと低い値になりますので、そういう中で先ほど言いましたこれから出ます粉じん量のデータと合わせて考えて行きたいと思います。
○森座長 マスクの話は、マスクをしないという結論に持っていくわけではなくて、マスクをしないとしても量が云々という話です。それ以下であればそれほどの高さにならないという話ですよね。ほかに、データを今月内までに示せそうな予定は、金子委員いかがですか。
○金子委員 森林はこの資料でも書いてありますが、これまで粉じん測定を行っていません。それは実際に発生しないということが前提になっています。JAEAのほうで、何かそういう測定をする計画とかありますか。
○中山委員 いま、モデル除染の実証実験をやろうとしていますので、そこで測定することはできると思いますが、時間的に今月末は難しいかと思います。
 先ほど、客観的に判断するのに数字で比較するしかないとおっしゃって、それができればいちばんいい方法だなと思いますが、限られたデータしかないということですが、その限られたデータの中で林業の作業のダストが高いのでしょうか。例えば、生活圏でかなり線量の低いところですが、いくつかの作業を見ていた範囲では皆さんご存じのように、土木作業関係は計画的にできる作業は全部予め散水しますから、対策を取ることができるわけです。怖いのは急に建物が崩れてきたとか、あとは少し気になったのは、大迫先生からご紹介のあった焼却灰は固めてしまって云々というお話ですが、固める前にドサッと動かすときに粉じんが立たないかとか、そういった隙間のところと不慮の何かが起こったときに粉じん濃度が高くなるかなと思います。そういうことはありますが、通常作業では林業のほうが一般に高いのかなと疑問を持ちました。
○森座長 高いか低いかということについては、林業だけが特に低いというわけでもないと。ほかの生活圏も管理をすれば、低くできるという話ですよね。
○金子委員 1点だけ説明しますと、森林内は比較的湿っています。通常、日本の森林はかなり湿っているので乾燥することがありません。前に説明した資料で土壌が乾くか湿っているかによって粉じんの発生が変わるというお話をしましたが、森林の場合は一般に湿っているので、それほど埃が出るというのは実際に作業をした感覚ではありません。私は筑波に住んでいますが、対照的に農地における埃の舞い上がり方を見ると、森林の中ではそのような埃の舞い上がり方はとても少ないと思います。
○森座長 ありがとうございました。そうしたら、月内にデータを測定したものはできるだけ事務局に集めていただいて、そこで1回原案を作っていただくことしか基本的にはないと思いますので、よろしくお願いします。次に行ってよろしいですか。
 続いては、スクリーニングの方法についてということで、「防塵マスクの表面線量測定、鼻スメアテスト等」とあります。松村委員からは防塵マスクの表面線量の測定は、そもそもおかしいのではないか。それは取ったものだから、ばく露したものと逆である。趣旨が違うというご意見がありました。鼻スメアテストでの測定は私も実態がよくわからないので何とも言えないですが、いかがですか。
○古田委員 まずマスクの表面を測定するというのは、我々は現場でよくやっている方法です。それを測ることによって、作業中の空気中濃度がどれぐらいあったかというのが間接的にわかるので、こういうのは普通です。そこで、ある程度出れば、空気中濃度がある程度あったのだなとわかります。それで防護係数を10とか5と設定すれば、間接的に内部被ばくがこれぐらいだというのが一応はわかるということなので、やってもいいかなとは思います。ただ測定は線量ではなくて、汚染計でフィルター自身が結構畳んであるので、そこから出てくるβ線を測定するということで、そこら辺の測定の効率が若干落ちますが、1万cpmで管理基準ということを考えると、大体セシウムですと4時間測定すると、被ばくが10分の1漏れてきて吸ってしまったと仮定すれば、ここに書いてあるように1μSvとか2μSvぐらいになるので、これぐらいできちんと管理すれば内部被ばくはどれぐらいのレベルだったかというのは管理できることになるかと思います。
 あと、鼻スメアというのは鼻の穴の周りを専用の濾紙で拭いて、それを測定するということです。例えば、現場でサーベイメーターを使って10,000cpmぐらいはすぐに測れますので、現場ですぐ取って、すぐ測るということはできます。これは、事故時によくやる方法です。
○森座長 ありがとうございます。鼻スメアも現実的な方法だということですね。松村委員、いかがですか。
○松村委員 そのデータをどう使うかだと思いますが、記録として残す場合には正確な作業環境濃度ではない。実際、個人によって何リッター空気を吸ったかわからないわけですから、環境濃度として測るのだったら毎分30Lとか、わかった濃度で1時間とか2時間とかサンプリングしたほうがデータとしてはしっかりすると思います。非常にダイレクトな方法ではありますよね。だから、そのデータの使い方次第だと思いますが、これは内部被ばくをしなかった量なので、それを法律の上で、どういう意味づけにするかです。
○森座長 おそらく、一定の漏れ率があることを前提に、捕捉されたもの以外も同じ濃度のものを漏れて吸っただろうという考え方ですよね。
○松村委員 そうですね。
○古田委員 使い方という意味では、空気の汚染がどれぐらいのレベルがあったかなというのを簡便的に知ろうという意味ではいいと思いますが、これが出たからといって1μSvとか2μSvぐらいを4時間で被ばくしました。それを100日続けても0.1mSvとか0.2mSvですから、まだ我々が言っているような記録レベルにも達しないということなので、そういう意味では日常管理的に、どれぐらいあったかを把握する程度としてしか使えないと思います。松村先生がおっしゃったように、きちんとした形でサンプリングして、空気中濃度を抑えるというのは別途必要かと思いますが。
○森座長 環境管理の目的においては、当然そのような方法になろうかと思います。ただここは、あくまでもこれはWBCの対象者を決めるという話です。
○古田委員 それであれば、鼻スメアで測定して1万cpmぐらいをアクションレベルにすることは考えられると思います。
○森座長 直接的に測っているということで。ということは、いまの中で一定のコンセンサスがあるのは、鼻スメアで1万cpm。それ以外の方法を示せるかどうかは、引き続き検討ということになろうかと思いますが、よろしいですか。進行について時間管理がうまくいっていませんで、先に行きます。
 (7)の被ばく線量限度で、おそらくいま議論としてあるのは、皮膚の等価線量の限度を1年につき500mSvとするという項目を入れることについての意見で、これは除染作業以外のところで濃度の濃いものを取り扱う可能性を想定して、皮膚だけは必要ではないかという趣旨だろうと思いますが、いかがでしょうか。これについては、古田委員から意見があった部分だと思いますが、お願いします。
○古田委員 γ線の被ばくに対して10倍以上のβ線、皮膚被ばくがある場所では特別に管理が要りますが、そうでなければγ線の外部被ばく管理で十分、皮膚のほうも安全側に担保されるということですので、今回扱っているようなセシウムだけという環境では、特に要らないと思います。
○森座長 線源の種類がそもそも違うから、皮膚のことだけをやってもあまり意味がないということですね。
○古田委員 はい。例えば、非常にエネルギーの低いγ線。プルトニウムだとアメリシウムが混在していて、60keVぐらいの低いγ線が出てきます。そういうところでは別途、皮膚の線量とか末端部の線量の管理をしますが、セシウムぐらいになってくると、まずそういう管理は普通は必要ないと思います。あと、ストロンチウムとかβ核種がかなり有意にある環境では別途β線の被ばくが要るかと思いますが、実際東電の作業環境でも、ストロンチウムがセシウムに比べて同程度のところでとか、セシウムが除去されたあと、ストロンチウムがリッチなところではβ線が管理されています。そうではないところはβ線の管理はされていますが低いので、その管理は不要だろうということもおっしゃっていますので、敷地外の土壌の除染とかそういうところでは要らないかと思います。
○森座長 ほかにご意見はいかがでしょうか。現状では状態を考えるとγ線が基本なので、不要ではないかということでよろしいですか。
 続いて、記録をどのぐらい保存するのか。これを記録して保管するそれぞれの期間をどうするかということです。現行の電離則では当該記録を5年間保存したあとにとか、比較的に長い期間が書いてありますが、今回除染作業は短期しか働かない人がいるので、1から4の集計はすべて1カ月とするとか、当該記録の保存期間を1年ぐらいにしてしまうとか、もっと短い期間で数字にしたほうがいいのではないかという考え方があります。それから、当該記録の保存したあとにおいて云々という話は、あくまでも引き渡すときにはこの限りではないというだけの例外措置なので、現実に合った形でも十分ではないかという話ですが、これについてはいかがですか。数字は決め事だと思うので、あまり科学的にこうあるべきだという話ではないと思います。事務局お願いします。
○安井中央労働衛生専門官 これは、事務局でまた検討させていただいて、次回の委員会で提出させていただきます。
○森座長 原案を出していただいて、それに対して問題があるとする根拠がなければ、それでいくといった取扱いがよろしいかなと思います。
 退職するときには渡すということは、問題ないだろうと思います。
 あと、論点の中で公衆被ばくと職業被ばくの区別、別枠管理、出張中の滞在線量の加算はしないでいいのかといういくつかのコメントが出ていますが、管理の立場が違うこともあって、原則別枠管理が基本ということが事務局から最初に示されましたので、その方向でと考えていますがよろしいですか。よろしければ、ほとんど1で時間を使ってしまいましたが、2、3を合わせて事務局からご説明ください。
○安井中央労働衛生専門官 ご説明します。時間がありませんので、ダイレクトに24頁の対策の骨子からご説明します。
 事前の調査です。除染等事業者は、土壌等の除染等の作業を行う前に、あらかじめ以下の項目を測定調査して記録するということですが、これは作業場所の状況、それからここで改めて出てくる平均空間線量率、作業場所における土壌等対象物の放射性物質の濃度です。これについては資料3のNo.1~3、特にNo.1でさまざまなご意見が出ていて、それぞれの方によって違います。例えば、名古屋委員は1,000平方メートルあたりに1ポイントでいいのではないかという考え方、松村委員は25mの縦横メッシュという考え方、農地の関係では四隅と対角線の1ポイントという方法もあるということで、面積等あるいは状況によって違うとは思いますが、さまざまなご意見が提示されていて、まとまっていないため事務局案を作っていない状況です。
 同じように、土壌の放射性物質を測るときは、おそらく最も高い濃度を測れば基本的にはよいと思いますので、これは空間線量が高いと見込まれるエリアが資料3のNo.2に提示されていますので、そういったところをピックアップしていくつかのサンプリングをし、最も高いものを把握するということでよろしいのではないかと考えています。
 (4)は作業計画の策定とそれに基づく作業で、(3)の調査結果に基づいて、それに適応する作業計画を作る。作業計画の内容は、労働者の被ばく管理の方法や作業の場所、使用する機械・器具、作業の方法、被ばく低減措置、労働災害が発生した場合の応急の措置を定めることを考えています。作業の場所は、前回もご議論いただきましたが飲食・喫煙が可能な休憩場所をどう書くか。それからスクリーニングポイントをどう書くかという議論があります。
 被ばく低減措置については、被ばく線量を推定して被ばく線量目標値を定めるという行為が必要になりますので、その推定のあり方をある程度示す必要があるかもしれません。
 (5)は作業指揮者を置いて、土壌等の除染等の作業を行う場合に指揮をさせる。具体的には、作業計画に適応した作業手順の決定、作業前に打合せをして、使用する機械・器具の点検、除染作業を行う際には、関係者以外の方を立ち入らせるべきではありませんので、その管理をすることです。それから、特に重要となるのは放射線測定機器をきちんと労働者が使っているかどうかの監視を考えています。作業手順としては、作業時間管理の方法や作業手順ごとの作業方法、作業場所、待機場所を定める。
 (6)は、作業着手届の提出です。これは事務局からの提案で、生活圏除染はそうでもないですが、森林や農地の場合、どこで除染作業が行われているかを監督署が把握できないということです。その結果、十分な労働基準監督をし得ない可能性が高いということで、簡便な着手した届出を出す。内容を審査するということではなく、いつ、どこで作業しているのかだけを知らせるものを2.5μSv/hを超える高い地域のみに義務付けられないかということを考えています。
 27頁は、汚染拡大防止と内部被ばく防止のための措置です。(6)で汚染拡大防止としては、土壌のはぎ取り等高濃度の粉じんが発生するおそれの場合には湿潤な状態にするなどの措置を講じること。それから除去された土壌又は廃棄物を運搬するときには、容器を基本的に用いるということです。容器の基準は環境省令でかなり詳しいものがありますので、それとの整合性を取らせていただきたい。それから、除去土壌等を一時的に保管する一時保管の概念が環境省の基準の中にあるわけですが、その中にどういう措置を取るのかを明記しています。これも環境省の省令との整合性を取りたいと考えています。
 作業者による汚染拡大防止ですが、スクリーニングポイントを設置して、そこでスクリーニングをして汚染限度を超えていないもの以外は外に出さないということです。この汚染限度は杉浦委員から1万3,000cpmではどうかという提案がなされていて、人体あるいは物品について共通のスクリーニング基準でいけるのではないかと考えています。イがその物品です。ウが体の関係ですが、汚染限度を超えた場合には服を着替えるなり体を洗うなりをしていただくということです。ウは予防措置で、靴の交換、衣服の交換、または破棄をしていただく、使用する機器に事前養生を行う、高レベルの土壌を運ぶときには、まず養生して、改めて汚染を撒き散らさないようにする、清潔を保つなどの内容を規定することにしています。
 身体・内部汚染の防止で、アは防じんマスクです。ここも先ほどと同じ表がありますが、高濃度粉じん作業と高濃度土壌において保護係数を分けたいと考えています。一義的には、いちばん左上の高濃度粉じん作業かつ高濃度土壌というのが、名古屋委員からのご提案では95%のマスクです。それ以外のものは、もっと低くていいのではないかといただいています。イは服装の関係で、同じ表ですが高濃度土壌を扱う場合にはゴム手袋である必要があるわけですが、高濃度土壌以外であれば軍手でよく、高濃度粉じんであって高濃度の場合だけタイベックスーツを着用するなど、一定のランク分けをすることを考えています。エは、飲食、喫煙の禁止事項で、放射性物質に汚染された土壌等を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれがある場所で飲食、喫煙を禁じるということです。これについては前回のご議論でもありましたが、今回10頁の資料3のNo.5で、飲食、喫煙に関してどれぐらいで粒子が落下するのかといったことを名古屋委員にいろいろ試算をしていただいております。端的に申し上げると風上に若干移動するのであれば、10分間ぐらいで十分ではないかという考え方を示されています。私からの説明は以上です。
○森座長 まず、2の被ばく低減のための措置にいきますが、事前調査、作業計画の策定とそれに基づく作業、作業指揮者という(3)(4)(5)は、かなり管理的な内容で一般的なことが書いてありますが、これについて追加等のご意見はありますか。そうすると、基本としてどうしても論点として議論しておかないといけないのが、アに平均空間線量率という言葉があって、どういう測定点で測ったものを平均するかというようなことが、非常に大きな課題になってくるわけです。これについて、何かご意見があればお願いします。
○松村委員 意見ではなくて質問ですが、テレビなどで汚染を測っているところを見ると、汚染している土壌に直近の所で測っているように見えます。けれども、物の本を見ると平面が汚染されているときには、γ線はそこからの距離によらず、高さが変わっても変わらないと書いてありますが、実際にはどうなのでしょうか。高さは、ここでは古田委員から1mと書いてありますが、高さによって測定値が変わらないのかどうか。
○古田委員 測定の目的が作業者の被ばくのためのデータということであれば、高さ1mで、測定場所は高そうなところを測っておいて、その値を使って事前の計画を作る。大体こういうことを普通はやっています。だから、特に平均的な値を使うとか、そういうところまでは本当は要らないわけです。高めに設定して、それをどれだけ下回って実際管理できるかということを普通はやりますが、ここでおっしゃっている平均空間線量率は何を目的にするとか、除染効果を見るためなのか。そういうところを明確にしないと、測り方も変わってくると思います。
 例えば、高い所で測れば広い空間からγ線が入ってきますから、広範囲の代表的な点の測定ができると思います。そうすると、スポット的な細かい高い所は見えなくなってしまいます。それの良い例が、航空機サーベイです。航空機サーベイは、100とか300mのところでヘリコプターを飛ばしますから、今回も大体300mぐらいだと言われています。そういうデータがほしいのか、それともピンポイントで除染をするのであれば、本当は地表面のデータを測定したほうがいいのですが、そういう意味では目的に応じて高さも変わってくるし、取るデータの意味合いも変わってくると思います。
○森座長 今回の検討会は、あくまでもすべて基本は労働者の保護が基本的な目的なので。
○古田委員 それであれば、高さ1mで体幹部が被ばくするような所を重点的に測って、高そうなところをきちんとデータに入れておいて、作業エリアで高い所で何時間、低い所で何時間と大体作業の動線がわかると思いますので、それに応じて被ばく評価をするということに使えば十分だと思いますが、どうでしょうか。
○森座長 ほかにいかがでしょうか。確かに、一般の作業環境測定というのは作業環境を測定して、それを改善すること自体が目的で基本的にやっているので、いまおっしゃったのは高い所を測って、そのレベルが全面にあることを前提に管理をしていけば十分ではないかというご意見。
○古田委員 極端なことを言えばそうですが、ある程度時間配分がわかっていれば、もう少し細かいデータも取れるかと思います。
○森座長 例えば広い面積があって、代表的な場所を決めておいて、ここのいちばん高いところはどのぐらいで、その高さはどのぐらいでと、どこで何時間作業したかということを加重平均していくみたいなイメージですか。
○古田委員 それと、もしはぎ取った土をどこかに置いておくとか、そういうときにどれぐらいのものが蓄積されているかを作業の途中でも測って、場合によってはそこでまた見直すとか、PDCAを回して被ばくの線量を見直すことも別途要るかと思います。
○森座長 そうすると、イメージとして単位作業場というより、単位作業場における単位作業を決めて、その範囲におけるいちばん高いところを数字で代表しておいて、あとは時間ごとにそれを考えていくとか、そんなイメージですか。
○古田委員 いちばんラフなやり方というか、高いところを1mの高さで測っておいて、それであとは時間をかければいちばん簡単な評価ができます。
○森座長 ほかにいかがですか。
○大迫委員 私は明確な考えを持っているわけではないですが、いま出ておられるような意見には、まず時間加重的な意味合いで捉えるのが労働者被ばく防止という観点からは合理性があると思います。そういう中で、雨樋の下のホットスポットは別にして、比較的同じような濃度あるいは線量の除染活動を行う場合に比較して、廃棄物処理の場合は濃度の高い所とそうでない所が極端に違ったりするわけですね。焼却施設でも飛灰が溜まっているホッパのところとか、それを吐き出してフレキシブルコンテナバッグに詰め込む場所といったところが高くなるわけです。ある1人の作業者がいろいろな作業をするので、その中では低線量の全く問題がない所にもいるし、もちろん高度な所にもたまには行くかもしれないしということでいった場合に、その平均的な空間線量率のの評価によって、事業者の責任とか義務付けとか、あるいは簡易でいいのか厳重にやるべきなのかというところのいろいろなやっかいさも変わってくるわけです。もちろん責任があるので、きちんとやらなければいけないのですが、あまりにもそういう平均の取り方によって過重な負担がかかっていくと、除染活動なり廃棄物処理自身がなかなか進まなくなったりもするので、そういったところのバランスを考えるべきではないかなと思います。
○森座長 いまおっしゃったように、最初のところで議論したように、これ自体が個人の線量管理をどういうレベルでやるかにすべて影響してしまう、いちばん根幹的な測定でもあるので、そうすると確実な数字でないといけないということになるわけですよね。最初のときに、平均空間線量率が2.5μSv/hを超える場合には、個人線量管理を義務付ける。それ以下の場合においては、別の方法でもいいというふうに議論したわけです。これ自体は、その基になる数字になるわけです。
○安井中央労働衛生専門官 参考資料として、51頁の資料4-3に森林内における空間線量率の変動幅がありまして、この左側にあるようなメッシュで測ってみたところ、さほど変動はなかったというのが森林では言えるというデータをいただいています。
○金子委員 資料4-3の右側にある図の中で、上が地上1mのところの空間線量率の変動、下が地上10?の空間線量率です。両者を見ていただくと地上10?のほうが若干高くなっていますが、それほど10?でも1mでも森林の場合は変わっていないというデータになっています。
 それから、初回のこの会議のときにお示しした別の場所で測った場合では、1mのところで0.77だったのが0.5mで86、0.1mで0.90という値で、森林の場合それほど測る位置によるブレの差はないということがわかっていますので、1mとかで決めていただければ、それほど問題ないかと思います。
○森座長 高さは1mが基本で、いまおっしゃっていただいた形でいいと思いますが、今度は測定点のデザインということで、1つの方法は線量が高い所だけで測る。もう1つは高い所は基本的にどうしても必要だが、そのあとの管理を決めるために基本的に何らかの間隔を決めて、メッシュか、両側と真ん中交点とするか対角線にするか、そういうような測定点は一応測定して、平均がどうかというのが、もともとの案だったと思いますが、どうでしょうか。
○松村委員 1つの作業として、除染の対象とする地域というのは数日で処理ができる面積とすれば、そうやたらに広くなるわけはないような気がします。それは水の流れとか、そういうようなもので、傾斜地でも傾斜の上と下とで違うのかどうかはわかりませんが、ある程度高濃度になっていそうなところがきちんと検知できるような間隔になっている必要があるだろうという気がします。
 私は普通の田畑の大きさを考えて、小さい所だったら9点。これは、小林委員が考えられた四隅と中央とそう違わないですが、四隅の間の境界線の中間をもう一つ入れると9点になります。しかし、それはそれほど大きい差ではないと思います。ただ、もっと大きい区画になった場合、田んぼ1枚を考えた場合に25mぐらいに区切ると、ある程度わかるのかなという気がして。大雑把ですが。田んぼ1枚の除染が、どのぐらいの時間でできるのかはわかりませんが、1日でできてしまうのか、それをどのぐらいの単位で1つの作業と考えるのかによると思います。1,000平方メートルが1つの除染の区域になるならば、それを単位にして考えればいいし、もう少し狭いところが1つの区域になるのだったら、そこで何点と考えるべきだと思います。それが、あまり幅があると考えにくいと思います。山1つ全体とかは、1つの除染作業の単位としては広すぎるのではないかという気がします。
○森座長 基本的に単位面積とそれぞれ何点測定が必要だということを決めておいて、それよりも狭い範囲には測定点を減らすことができるが、それより広いときにはもう1つ単位作業みたいなものを想定して、点数を増やしていくというご意見ですね。
○松村委員 はい。1つの作業として請け負うというか、その作業の単位。
○森座長 それが25mとか30m。1,000平方メートルというのは一辺が31~32mぐらいになるわけで、いままで出てきているメッシュをすると大体その辺に値がありそうですが、それをやるか、やらないかという話もまだ議論があると思います。
○古田委員 環境省のほうで、たしか航空機サーベイの結果を基にして除染すべきエリアというのを出されていたと思いますが、ということは一義的にはまず航空機サーベイのデータが大本になっていて、それでエリアが決まって、そこを詳細に測るときにどうしようかという議論でよろしいですか。
○森座長 そうです。そこを除染をするときに、この作業者の個人線量管理をするかしないかとか、保護対象をどうするかということを決める上で、そこの環境を測りましょうという話です。
○古田委員 それであれば、何らかの形で代表性を持たせるということであれば、皆さんおっしゃっているように複数の点を取り、そのときの決め事ですが、家が建ったりとかいろいろあったりすると測る範囲も限られると思うので、そういう場合には10点とか、なるべく等間隔にそれぐらい測ってください、高い所もその中には1点以上を入れてください、それぐらいのことしか決められないような気がします。
○森座長 一般のA測定、B測定と同じような感覚で、交点のところで何か建造物があったりすると、そこは飛ばして別の所で測るみたいな話になるわけですが。
○古田委員 だから、ある程度複数点を測ってくださいぐらいのことしか言えないような気がします。
○森座長 基本としてはそのような形で、あとはどう測定点をデザインするかだけの話になってくるということなので、それは次回までに案を具体的に示していただいて、先ほどの記録の話と同じように意見をいただくことにしましょうか。
○中山委員 除染計画を立てるために事前にモニタリングに入りますので、そのときに測りますよね。どれだけの間隔で測るかは、それこそ松村先生がおっしゃったように除染範囲によりますし、狭ければ2mおきに測るかもしれないし、やたら広ければ何十m間隔だとか場合によっては無人ヘリで測るとかがあると思います。それによって何点も測るのですから、必然的に平均という意味では正確ではないかもしれませんが、このあたりはどのくらいの線量というのがわかります。ただ難しいのは、除染という行為によって放射能量は空間的にも時間的にも変わって行くことです。大迫先生もおっしゃったかもしれませんが、除染した場所で放射能が薄くなれば、集めたところでは非常に濃縮される。だから、薄い所で何時間過ごして濃い所で何時間過ごすというのは、ある程度ルーチン化された作業であれば計画性を持たせることができるかもしれませんが、そういうこともなかなか難しいと思います。だからといって、難しいから何も数字を示さないわけにもいかないので、私としては、時間的にも空間的にも変動するかもしれませんが、5mSv/年に基づくこの数字がある程度保守的であるということであれば、単純に時間で割った2.5の数字でもって基準とするのは、現実的かなという気はします。
○森座長 変化をすることも前提に、基本は個人線量管理もさらにやるという話なので。よろしいですか。あとは、ここではスクリーニングポイントの選定の基準という、前回もかなり議論になったポイントが残っています。今回も申し訳ありませんが、時間が少しオーバーしますので、ご了承ください。それから、「土壌の運搬を行う者の線量管理のあり方」というのは、トラックの運転手の線量管理をこの中に含めて、どうやるのかみたいな話が残っているということですが、これについて事務局から、特に絞って議論してほしい点をもう1回示していただけますか。
○安井中央労働衛生専門官 運搬については、先ほど大迫委員にご説明したのが我々の考えですので、それでよいかどうかの確認です。あとは、スクリーニングポイントと休憩場所の考え方です。名古屋委員のお示しになった風上に移動すれば10分ぐらいでよいのではないかとか、20分ぐらい待てばよいとかが示されていますので、それでよいのかどうか。それから、28頁の保護係数のところは、松村委員から具体的な数字をいただきたいと思います。
○森座長 ありがとうございます。いまのスクリーニングポイントについては、どこかで決めないといけません。今日は名古屋先生がいらっしゃっていないので、それも案として、次回に数字を示していただけますか。
 それと、いま最後にありました(8)について、高濃度粉じん作業と先ほど議論がありましたが高濃度土壌に分けて、それぞれの管理対策を議論しているところ、すなわち27、28頁についてです。28頁の中で1つ数字として考えないといけないのが、(8)のアにあるそれぞれの防塵マスクの保護係数、捕集効率で示すという部分があります。これについて松村委員、ご意見をいただければと思います。
○松村委員 以前に私が計算したものが資料の43頁にあります。これは捕集効率95%のフィルターを半面形面体に付けた場合です。フィルターだけから5%漏れ、そのほかに半面形ですと10%漏れることが加算されるわけなので、計算によって小数点以下になっていますが、漏れが15%ということは吸入される粉じん量が6.7分の1になるということです。名古屋先生は80%捕集効率のでも十分だろうとも言っていらっしゃいますが、実際に産業界では捕集効率80%の使い捨て防じんマスクというのは、例えば工場の作業のあとの掃除とかには使っていますが、有害物を対象とする作業ではほとんど使われていませんので、相手が放射性物質ですから95%のものを使ってほしいなと思います。99.9%のは通気抵抗が高くなるので苦しくなります。けれども、その場合にはフィルターからの漏れはほとんど考えなくていいので、半面形面体できちんと顔にフィットすれば、10%の漏れでいい。だから防護率も、ほとんど10%でいいということです。
○森座長 主に高濃度粉じん作業で高濃度土壌等というときが、すべて管理レベルを上げているわけですが、ここに関しては松村先生のご意見では、99.9%が良いということでしょうか。
○松村委員 それでも95%で。6.7分の1になれば、粉じん作業の発じんがせいぜい100mg/m3が先ほどの例でも最大ぐらいなので、大丈夫です。
○森座長 今回の作業で防じんマスクを着用させるという何らかの指導をするのであれば、N95のようなマスクを指定して、分類しなくてもいいのではないかという趣旨になりますか。
○松村委員 私の感じではそうです。ただし日本の規格品ではDS2です。
○安井中央労働衛生専門官 1点だけすみません。高濃度土壌以外で、しかも粉じん濃度が非常に低いときは工場の清掃と変わらないと思いますが、そういう所は80%というのはいかがでしょうか。
○松村委員 80%だと計算をすると、面からの漏れとフィルターからの漏れが20%あるわけですから、そうすると大体3分の1ぐらい漏れる感じですね。3分の2ぐらいはカットできる。それでも大丈夫だと思います。実際には、マスクが必要あるか、ないかぐらいのところですから。
○森座長 そうすると、いちばん高い所でも95%でいいだろう。それ以外のところで95%が一般的に使われることが最近は多いけれども、それ以下のものでも十分管理し得る。
○松村委員 プリーツマスクよりは、ずっといいです。
○森座長 そういう趣旨ですね。
○松村委員 はい。
○安井中央労働衛生専門官 念のための確認ですが、左上の角は高濃度土壌については95%で、右下は80%でいいと。その間は95%ということですか。
○松村委員 95%を使ってほしいです。
○安井中央労働衛生専門官 右下以外は95%と。
○松村委員 はい。
○森座長 別の意見が名古屋先生からあるかもしれませんので、いずれにしてもそのような原案で次回に臨み、もう1回検討いただくということでよろしいですか。
○古田委員 実際の発電所の構内は装備もだいぶ変わってくると思いますが、その辺の情報を仕入れられて、発電所の構内でどれぐらいのときにどれぐらいの装備をしているかを参考にされてはどうでしょうか。
○安井中央労働衛生専門官 発電所はまだ99.9%を使っていますし、チャコールフィルター付き全面マスクという、日本ではこれ以上ないという装備をまだ使っています。
○古田委員 ただ、それが作業環境に、実際どれだけ空気中濃度が測定されていて、それで使っているのか、あるいは予期しない放出なり舞い上がりがあるということでされているのかも併せて確認されたほうがいいと思います。というのは、散水をやっていて作業をしていると、そんなに舞わないだろうということと、高濃度粉じん作業をこれだけで定義されてしまうと、かなり装備が過重になってしまって、かえって作業がしにくいとかいろいろな弊害が出るかと思いますので、この辺をリーズナブルに適切な装備ということで対応されたほうがいいかと思います。
○森座長 古田先生がおっしゃっている趣旨は、おそらく次のマスクだけではなくて、ほかの装備も同じだと思いますので、もう一度次回そういったことも考えて、原案をということですね。よろしくお願いします。それ以外は、基本的な議論というよりも基本的な考え方が示してありますので、よろしいかと思います。
 最後はあと10分ぐらいをかけて4、5、6について議論したいと思います。事務局から説明をお願いします。
○安井中央労働衛生専門官 29頁の4です。教育については、レベル別かつ分野別を考えています。(2)が作業指揮者に対する教育で、これについてはいちばん重めの教育を考えています。作業者の作業の方法の決定あるいは労働者の配置、労働者の指揮、異常時の措置と、全体的な作業の管理を行う者を想定していますので、イにあるように測定のあり方、事前調査のあり方、作業計画の策定のあり方まできちんと教育をすることになります。
 (3)が労働者に対する特別な教育ですが、いわゆる作業員のための教育で、当然作業の内容に応じるということです。アは土壌等の除染等の作業の方に対する教育、イは除去土壌の収集、運搬又は処分、ウは廃棄物の処理の3つに分けて、それぞれの方が自分が作業をする内容についてのみ、限定された教育を受ければよいという考え方にしています。エは除染等作業者、事業者以外の事業者、要するに除染などを業として行うつもりのない事業者が臨時的に、例えば自分の工場の庭先を除染させるような場合にどうするのかということです。これは、必要な項目だけをピックアップしてやっていただければ、それで結構ですということです。特別教育の時間は、おそらく5時間程度にはなろうかと思いますので、そのような長い時間の教育をする必要はありません。それから先ほど来議論にありました自営業、ボランティア等も必要な程度やることが望ましい。これは、厚生労働省の労働部局として実行する権限は何もありませんが、そういった勧めを書きたいと考えています。オは事業発注官庁と協議をする必要がありますが、発注条件としてきちんとした教育を受けた作業指揮者及び労働者がいるような方を、1つの条件として発注していただくことが非常に大事だろうと考えており、これについては、発注官庁と十分に協議をしたいと考えています。
 31頁の5の健康管理の措置です。こちらは、前回のご議論で合意を得られたのは、雇い入れ時に特殊健康診断の項目をするのはよいでしょうということで、そのあと定期にどれを行うのかはまだ議論が分かれていて、両論並記的になっています。イは現状の取扱いで、実効線量が5mSvを超えるおそれのない者は、全科目省略可というのが現状のやり方で、それをやるのがイのアイディア。ウは、思い切ってイによる省略を行う場合とは書いてありますが、6カ月に1回、一般健康診断だけをやればよいのではないかという考え方もあろうかと思います。ここは意見が分かれているところですので、今回ご議論いただければと思います。
 33頁は、安全衛生管理体制等です。これについては、既に労働安全衛生法あるいは関係の省令において、安全衛生管理体制というのがかなり決まっていますので、それを例示として出すわけですが、ただ1点、重層請負によって作業が実施される場合は、労働安全衛生法上、詳しい規定がありますが、除染作業という業種に適用がありませんので、この部分についてはガイドラインだけに書き込む形で、統括管理についてもガイドライン上、言及したいと考えています。以上です。
○森座長 ありがとうございます。6に関しては、いまあったように重層請負の部分について管理をする。それ以外は一般的な管理体制を示すということなので、これについてはあまり議論はないと考えて、4、5を中心にということでよろしいですか。4の教育について、指揮者の教育と作業者の教育の両方の規定をいただいていますが、これについてご意見がありましたらお願いします。指揮者も、基本的な放射線に関する生体に与える影響とか被ばく管理の方法というのは、どこかで教育を受けるのですか。
○安井中央労働衛生専門官 現在は、作業指揮者と特別な教育の重なりを整理していませんが、実態的には労働者の教育に作業指揮者教育を上乗せするというイメージです。
○森座長 これまでいくつか議論があった、作業の実態に合った内容で、という話はかなり盛り込まれているように思います。一方で先ほども保護具の話がありましたが、実地的な教育をしたほうがいいというご議論がこれまでにあったわけですが、これについてはこの中でどう読み取ったらいいでしょうか。
○安井中央労働衛生専門官 例えば(3)のアで、除染等の作業を行う者の項目が30頁に出ていますが、3除染等の作業で「使用する機械・機器の構造及び取扱方法」で実技を入れようと思います。当然、個人線量計を使うのであれば、その取扱い方法の実技も入れることで考えています。
○森座長 そうすると、そこにも保護具も出てくるしというイメージだということですね。それが、いままでの教育の部分のご議論だったと思いますが、ほかに何か追加でありますか。
○金子委員 森林の除染の場合、刈払機を使ったりチェーンソーを使ったりということがありますが、そういう作業の安全性についてはどう管理していくおつもりですか。
○安井中央労働衛生専門官 特別教育と申しますのは、基本的にここに定められる項目に当てはまる必要な項目を事業者が自分で選んでやることになっていますので、おっしゃるように森林における特別教育と生活圏除染における特別教育というのは、内容も項目も使用する機械も当然に異なると考えています。しかしながら、何らかの標準テキストは示さなければいけないと思っていますので、それはある程度作業を分類した上で、この作業はこういう教育というようなものを示せればと考えています。
○森座長 項目ごととなると、かなり具体的なところまで踏み込んだ内容が出てくるということですね。よろしいですか。
 よろしければ、次に健康管理のための措置についてです。何か先に問題が起こったときのことを考えると、その段階で職業性の影響と非職業性の影響を分離するために、事前にどういう状態だったのかが必要になります。その意味で特殊健診に相当するものの雇い入れ時健診はあったほうがいいということが、前回の議論であったと思っています。さらに定期に行っていく電離放射線に関わる健診、又は一般健診を特定従事者健診として年2回行うかなど、何かご意見はありますか。今日は杉浦先生がいらっしゃらないので、議論が非常にしづらいですが。
 1点だけ、検討のポイントの最後に「メンタルヘルスケアについて」という項目が付いていて、おそらくメンタルヘルスケアだけを放射線被ばくの問題と関連づけて議論するのは難しいだろうと思います。一方で一般健康診断の中での問診というのは、ただ単に体の状態を聞くだけではないようなものが問診票としては入るので、そういった意味では私としては、この作業も特定従事者という扱いで一般健診を6カ月に1回ぐらい対象としてはどうかと思います。つまり、一般健診は通常では年に1回のものを、年に2回面接を受ける機会があれば、メンタル面の問診ができるのではないかなというのが私の意見です。何かご意見はありますか。
○金子委員 1つだけ。また森林のことですが、実際にこれでできることになると請け負うのは大きい会社になると思いますが、実際そこで雇われる人は日々雇用になる可能性があります。そういう方を雇うときに、健康管理ができる仕組みを作っていただけたらと思います。1回雇って、正社員としてずっと働くということではなく、今日の作業ではこの人を雇い、次は別の人を雇うということになると思うので、個人の健康管理を行うことが必要となります。この健康診断を受けていたら、どこの会社でも働くことができるようにしていただけたら、現実的によいかと思います。
○森座長 いかがですか。
○安井中央労働衛生専門官 現状でも、林業の方の雇用問題は難しいところですが、現時点では労働安全衛生法上は、定期の健康診断というのは常時雇用されている方になっていますので、日々雇用の方については雇い入れ時の健診をきちんとすることで管理をしている実態があると思いますので、そのあたりを参考にしながら横並びを取っていきたいと考えています。
○森座長 健康管理のデータがあって、本人に帰属していて、それを次の事業者に持っていってその結果が一定期間の中、例えば3カ月以内の結果であれば、それを次の雇い入れのときも参考にできるみたいな基本的な方法を取ることになるので、本人が持っていかないとつなげないですよね。
○金子委員 実際にそういう形にしていただかないと、うまく回らないのではないかと思います。
○森座長 その辺も義務化をするのは事業者に対してですが、事業者の義務とともに具体的にそれを例外的にしなくてもいい、又は前のデータを参考にできるような方法論も少し何か書いておいたほうがいいということですよね。この点についても、今日の段階ではそれ以上議論ができないと思いますので、次回議論したいと思います。これで一応6まで終わりました。
 次回はおそらく報告書原案のような形で出てきて、まだ論点になっているようなところが少しハイライトされていて、最後はそこを詰めていくというイメージだと理解していますが、よろしいですか。そこで、今日議論をし足りなかった又は特にたくさんの分野の先生が集まっていますので、残念ながらある分野についてはこの先生がいないとさらに議論が進まないということも今日はありました。そこを中心に次回詰めていって、報告書を取りまとめる方向に進みたいと思います。事務局から、次回以降の説明等をお願いします。
○安井中央労働衛生専門官 次回は11月21日の15時30分からです。資料は先ほど座長からご説明がありましたように、報告書の原案を考えています。
○森座長 今回も時間を大変オーバーしてご迷惑をおかけしましたが、これで今日の議論はなんとか最後までいったと座長としては理解しています。
○古田委員 今日の議論でもあまりなかったのですが、ホールボディーカウンターについてです。いま日本に何台あって、例えば今回ホールボディーカウンターを測ることを決めた場合に、どれだけそれでカバーできるか。設置されている箇所も限られています。それは内部被ばくということで、どこまで取り入れるかは慎重に考えられたほうがよろしいかと思います。それが1点です。
 あと、今回の福島事故では、住民や防災業務従事者は過去被ばくされています。その方の被ばくの集計結果が、どちらかというと全然されていないように思います。かつ、そういう方々が今回この除染業務のほうに入ってこられることがありますので、東電で働いておられる従事者は法律に基づいて管理されていますが、住民と防災業務従事者の被ばくの線量が、どちらかというとかなり曖昧になっていると感じています。という意味では、その辺をきちんと本当は整理した上で、日本としてどれだけの方がどれぐらいのレベルで被ばくされているかを評価した上で、今回の除染の作業者の被ばくがそれに上乗せされるというようなステップを本当は踏まないといけないと思いますが、この辺で厚生労働省では何か考えておられますか。もしよろしければ、何か計画されておられれば意見を聞きたいです。
○安井中央労働衛生専門官 大変難しい問合せですが、住民についてはいま住民健康調査を福島県でされています。
○古田委員 それは福島県だけですよね。例えば近隣の県では、その辺が一切動いていないように見えますが。
○安井中央労働衛生専門官 現時点で福島県以外の動き、住民に関しては私どもは把握していません。防災関係者は警察、消防、自衛官だと思いますが、こちらはそれぞれの所管官庁で現在どのような被ばく管理をするのかの検討をいま進めていると聞いています。
○古田委員 そういった結果を厚生労働省で集めて、それでレベルとしてはこれぐらいだというような取りまとめみたいなことはされないのですか。これから国際的にも、福島事故に対して日本がいろいろ情報を発信しなければいけないと思いますが、そういうときに住民、防災業務従事者、これから除染も入ると思いますが、それと発電所作業者の被ばくはこの程度でできたという情報を発信していかないと、日本にとってはみっともないというか恥ずかしいことになってしまうかと思いますが、併せて検討をお願いしたいと思います。
○宮野安全衛生部長 いまのご指摘ですが、大変重要かつ難しい問題だと思っています。私ども安全衛生部自体は、原発の作業員の方を中心に労働者の被ばく管理のみを担当していますから、我々がいまのご質問に対して100%お答えするのは難しいですが、いまのご指摘の問題はいずれにしても厚生労働省、それから政府全体として検討していかなければならない問題だと思っていますので、そこは十分受け止めて検討したいと思います。
○森座長 最後に、事務局から何か追加はありますか。それでは、これで「第3回除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止対策に関する専門家検討会」を閉会します。どうもお疲れさまでした。


(了)

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