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2011年2月10日 第9回目安制度のあり方に関する全員協議会 議事録

労働基準局

○日時

平成23年2月10日(木)
10:00~11:05


○場所

於:厚生労働省専用第14会議室


○出席者

【公益委員】

今野会長、勝委員、武石委員、中窪委員、野寺委員、藤村委員

【労働者委員】

石黒委員、木住野委員、北田委員、田村委員、團野委員、萩原委員

【使用者委員】

池田委員、小林委員、高橋委員

【事務局】

森岡大臣官房審議官、本多大臣官房参事官(併)賃金時間室長、藤永主任中央賃金指導官
伊津野副主任中央賃金指導官、亀井賃金時間室長補佐

○議事

○今野会長
  それでは、ただ今から第9回目安制度のあり方に関する全員協議会を開催いたします。
  本日は、山崎委員、横山委員、吉岡委員が御欠席でございます。
  前回お示しした報告(案)に対して、各委員の御意見を踏まえた修正を盛り込みまして、本日、お手元に取りまとめ案をお示ししております。そこで、まず、事務局から前回お示ししたものからの修正点について説明をしていただいてから議論をしたいと思います。よろしくお願いします。
 
○亀井室長補佐
  亀井でございます。おはようございます。
  それでは、私の方から、お手元にお出ししております目安制度のあり方に関する全員協議会報告(案)につきまして、前回お出ししたものとの変更点を御説明させていただきます。必要に応じ、第8回の資料と見比べつつ、御確認いただければと思います。それでは、御説明させていただきます。
  まず、冒頭の柱書きの4の部分でございます。前回お出しした資料においては、「改定審議のあり方」という表現を用いておりましたけれども、当方のミスで恐縮でございますが、今回、地方最低賃金審議会の審議のあり方には議論が及ばず、中央最低賃金審議会の目安審議のあり方に話が絞られておりますので「改定審議のあり方」としていた部分はすべて「目安審議のあり方」に改めさせていただきました。
  続きまして、1枚おめくりいただきまして3頁目を御覧ください。頁の真ん中、(ロ)の末尾、なお書きの部分でございます。なお書きを新たに3行追加しております。ここの箇所につきましては、まず、前回、池田委員からいただきました御意見、それに対する会長の御意見、更に、労使双方の委員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、総合指数については、ランク区分の見直しのための基礎データとして中央最低賃金審議会は用いたものであるということを補足するものでございます。
  続きまして、同じ頁の2(1)、上から2行目の部分でございますが、「一般的な労働者の賃金改定状況を反映するよう」の次でございます。前回お出ししたものについては、企業規模の範囲を、30人以上を100人未満にも拡大すべきとなっておりましたけれども、ここの箇所について、労働者側は平成16年当時から主張の内容は変更はないということで、平成16年の目安制度のあり方に関する全員協議会報告の表現と同じ、「少なくとも企業規模100人未満まで」と改めております。
  続きまして、1枚おめくりください。4頁目でございます。「(3)その他参考資料のあり方について」として、パラグラフ全体を追加しております。まず、このパラグラフは、前回の参考資料のあり方に係る御意見を踏まえまして追加したものでございます。第1段落でございますけれども、結論といたしましては、「今般の検討を踏まえ、中小企業の生産性に係る資料を加えることが適当である」としております。頭の4行は経過でございます。中小企業の生産性に係る資料につきましては、あくまで、前回、第8回にお出しした資料を目安の審議の参考資料に追加するということを明らかにするために、「今般の検討を踏まえ」という修飾をかけております。
  続きまして、第2段落、なお書きの部分でございますけれども、こちらについては、引き続き検討すべきことを明らかにした様々な資料でございます。
  まず、今般の検討で議論が尽くされなかったということを明らかにいたしまして、その上で、次回の目安制度のあり方に関する見直しの際には、そうした点も踏まえ、地域における労働者の生計費及び賃金の水準、中小企業の生産性の資料につきましても、前回、例えば業種別でありますとか、規模別でありますとか、優越的地位の濫用を考慮して評価する必要があるとか、売上高の推移と併せて見る必要があるといった様々な御意見をいただきましたので、中小企業の生産性につきましても、「様々な観点からの検討及び評価を行うための資料など参考資料のあり方について引き続き検討することが必要である」と締めくくっております。
  続きまして、5頁目にお進みください。「(1)近年の目安審議のあり方について」でございますけれども、修正箇所を御説明申し上げます。まず、2の目出しの部分は、前回、「目安制度等」という表現にしておりました。この考え方は、最低賃金と生活保護の乖離解消でありますとか、比較の方法の考え方といったものは、目安制度のあり方に関する全員協議会において合意を得たものではないことから、「目安制度」と言い切ることができるかという問題意識で、前回はそこの部分を「等」という形で、「目安制度等」としておりましたが、前回、中窪委員からいただきました御意見、また皆様の御意見を踏まえまして、生活保護に係る考え方の部分は、既に目安制度に含めてよいと言えるのではないかという御意見を多くいただきましたので、今回、生活保護の考え方につきましては、2の中に残しつつ、目出しは「目安制度」としております。
  その他の修正といたしまして、2目安制度の括弧の中の部分でございますけれども、第8回にお出ししておりました資料では、平成16年の全員協議会報告として取りまとめた目安制度とか、あと、地方最低賃金審議会において合理的な実勢把握を確保できるよう整備充実に努めてきた資料といった答申の文言をそのまま引用し、非常に分かりにくい文言になっておりましたので、中身を分かりやすく修正いたしました。
  その結果として、「平成16年の全員協議会報告等、全員協議会において合意を得た目安制度のあり方」となりました。この「等」の部分ですが、全員協議会報告は平成16年以外にも、平成12年、平成7年と出されておりますので、あと参考資料の部分につきましても、代表的な資料である「賃金改定状況調査等参考資料」と改めております。
  2の修正については以上でございます。
  続きまして、3の部分の直前に、「それらの趣旨や経緯を踏まえ」といった文言を追加しておりますが、こちらについては後ほど御説明申し上げます。
  3の「時々の事情」でございますが、まず、大きな修正といたしまして、前回お出ししたものでは、この段落の最後のところに、「時々の事情」の後に、「時々の事情も踏まえた上で諸般の事情を総合的に勘案」となっておりましたけれども、「時々」と「諸般」の違いが分かりにくいですとか、同じ意味ではないのかといった御意見をいただきました。
  改めて整理いたしまして、3につきましては、法の原則等、目安制度以外の様々な事情はすべて3で受けるという形で、「時々の事情」のみに統一し、諸般の事情については、記載を落としております。
  「時々の事情」について、括弧で中身を御説明しておりますが、例示であることをはっきりするために「例えば」を入れております。「例えば平成19年度及び平成20年度の成長力底上げ戦略推進円卓会議における賃金の底上げに関する議論、雇用戦略対話における合意など」、ここまでが例示でございまして、この後の「時々の目安の審議で中央最低賃金審議会目安に関する小委員会が踏まえた事情を総称して時々の事情という」、と説明を加えております。
  続きまして、3の前に追加しております「それらの趣旨や経緯を踏まえ」という箇所の御説明でございますが、前回いただきました御意見の中で、3の諸般の事情、様々な事情については、法の原則でありますとか目安制度の基にするのはもちろんですが、それらの趣旨や経緯を踏まえて3を勘案するのが正確ではないかという御意見をいただいたと受けとめておりまして、1、2の趣旨や経緯を踏まえて3を勘案するということをより明確にするために、この文言を加えております。
  第1段落箇所の修正箇所は以上でございます。
  続きまして、第2段落目、使用者側の御意見でございますが、何点か形式的な修正をさせていただいております。まず、前回お出しした資料では、「これに対し」という言い方で始まったのですが、ある程度分量が長く、意見であることが分かりにくいことから、一見して意見であることを明らかにするために、「これに対する意見として」と言葉を補足させていただきました。
  その他、細かい修正でございますが、この段落の上から5行目でございますが、前回お出しした資料では、「これらの部分を十分に踏まえることなく、数値目標の部分」という言い方をしておりましたが、言い回しがくどいので、今回は「部分」を落としております。
  続きまして、真ん中の「できる限り早期に全国最低800円を確保し…1,000円を目指すこと」の後でございますが、前回、「のみが重視された結果」と記載しておりましたが、会長の御意見と皆様の御意見を踏まえまして、「とりわけ全国最低800円の目標達成が重視された」ということをより明確にしております。
  第2段落の修正箇所は以上でございます。
  それでは、1枚おめくりください。6頁目でございますが、まず、(2)「今後の目安審議のあり方についての合意」でございます。前回お出しした資料では、「改定審議」は軒並み「目安審議」に改めておりますけれども、その他の修正といたしまして、このパラグラフの上から4行目に、(1)と合わせる形で、「それらの趣旨や経緯を踏まえ」ということを追加させていただいております。
  続きまして、「5.次期のランク区分の見直しについて」でございますが、こちらについては、前回の資料4に基づく御議論を踏まえ、新たに書き下ろしております。第1段落については、ランク区分の見直しにつきましては、平成7年の目安制度のあり方に関する全員協議会報告において、今後5年ごとに見直しを行うと定められて以来、きっちり5年ごとに見直しが行われ、5年後の目安の改定審議では新たなランクで御審議をいただいたところであります。そのことを明確にいたしました。
  第2段落でございますけれども、まず、最低賃金を取り巻く状況の変化によりまして、この5年ごとの見直しを行うに至らずということを明確にした上で、真ん中の部分でございますけれども、次回の目安制度のあり方に関する見直しの際には、ランク区分については、平成7年の報告に示された考え方に復しまして、しっかり5年ごとに見直しを行い、次回、平成28年度以降の目安の審議においては見直し後のランク区分を用いて審議を行うことを明確にいたしました。
  修正点は以上でございます。
 
○今野会長
  ありがとうございました。それでは、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。

○池田委員
  それでは、今回示された報告書(案)につきまして、2点ほど申し上げたいと思います。初めに確認をお願いしたいということで、各商工会議所からは地方最低賃金審議会の審議が事実上目安額に拘束されているという指摘があるようであります。平成12年の全員協議会報告において明記されているとおり、今後においても目安は参考であり、地方最低賃金審議会の審議決定を拘束するものではないということを確認させていただきたいと思います。
  続きまして、今回の報告(案)では、目安審議における参考資料として、「中小企業の生産性に係る資料を加えることが適当」と明記されました。企業の支払い能力を高めるためには、生産性の向上のための有効な支援策が実施されることと、その進捗状況の検証が必要であります。ついては、前回配付された生産性向上に係る資料のみではなく、中小企業支援策の効果を測る資料を含め、目安審議における貴重な要素として可能な限り速やかに位置づけるべきと考えております。

○今野会長
  2点目は御意見として伺っておけばいいと思いますが、1点目についてはそのとおりだと思います。

○亀井室長補佐
  池田委員の御指摘に関しましては、中央最低賃金審議会の示す目安が地方最低賃金審議会の参考であることは毎年度の答申におきましても明記されておりますことから、今回の全員協議会報告において改めて書く必要があるかどうか。皆様に御検討いただければと思っております。

○今野会長
  池田委員は、そういう文章に書けということよりも、その原則をここでもう一度確認したいということですね。

○池田委員
  はい。議事録にも書いていただきたい。

○今野会長
  では、それはそういうことで、他に御意見はございますか。

○田村委員
  今のところ、私どもとしては非常に居心地が悪いというか、前回の議論の中で、委員長が引き取っていただいて、目安の審議のときの議論としてはあり得ると思いますが、全員協議会としてはどうだろうかというところがあったので居心地は悪いと申し上げましたのですけれども、様々な調整の結果ということであれば、そのまま認めていきたいと思っています。
  気になるところは、前回申し上げた方がよかったのかもしれませんけれども、いただいた報告書(案)の5頁の4の目安のところで、2つ目の段落の下から3行目、使用者側の御意見のところに「法の原則及び目安制度を必ずしも十分に基にすることなく」というのがあるのですけれども、法改正において、新しく記載された生活保護との整合性の関係、これが当然入っているという認識ということの確認をしていきたいと思っています。
  あとは要望的なことですが、4頁の3の上に記載があるなお書きの1行目の後半、「今般の検討で議論が尽くされなかった点も踏まえ」というのは、これまでもいくつか意見が出て、全部の結論が出てきたわけではありませんので、当然、議題として残すものはあると思っておりますけれども、この間には法改正もありましたし、政労使合意等々もありましたので、できるだけこの議題の審議が、次回というか、要は5年後ということになると思いますけれども、その間で議論が尽くされることを是非お願いしておきたいと思っています。
  もう一点。6頁の最後の下2行目のところ、「平成28年度以降の目安の審議において新しいランク区分を用いることが適当である」という書き方、これも前回も記載があり、そのとおりなのですけれども、平成28年度以降の目安の審議において新しいランク区分の新しいというのは、A、B、C、Dランクの各県の振り分けということにとっていいのか、ランク区分そのものを全体的に見直すということも入っているのか、ちょっとこの辺が不明なので、確認だけしておきたいと思っております。以上です。

○今野会長
  今、3点おっしゃいましたので、2点目は御要望としてお聞きしておきたいと思います。1点目ですけれども、私、ちょっと分からなかったのでもう一回言っていただけますか。3点目は分かったのですけれども。

○田村委員
  1点目は、3頁の2のすぐ上のなお書きのところで、様々な議論があったところで、先ほど池田委員が言われた中身のところでございますけれども、前回の座長の引き取り方を我々が了としたので、ちょっと居心地悪いですねということを申し上げました。

○今野会長
  では、6頁目の一番最後のところにあります「新しい区分を用いるのが適当」の新しい区分って何というところをですが、事務局はどうですか。

○本多賃金時間室長
  ここに書いておりますのは、これは今回行ったのと同じような、A、B、C、Dランクを前提にした上での県の振り分けの見直しですけれども、それ以外に、ランク区分制度、例えば4ランクでいいのかどうかとか、そういったことの議論は、ここはあくまでもランク区分の見直しの話だけをしておりまして、他にランク制度の見直しについてはここでは特に言及しておりませんので、やるともやらないとも言っておりません。皆さんの中央最低賃金審議会の方で議論の必要があるということになれば議論をスタートいたしますし、そういう意味でございます。

○今野会長
  よろしいですか。

○高橋委員
  5頁目の4の「目安審議のあり方について」の(1)の最初の段落のところですね。1、2、3という形で、時々の事情と諸般の事情を整理していただいてまとめていただいたところですけれども、とりわけ3の「時々の事情」の後に長い括弧書きがあって、「例えば」というところで、成長力底上げ戦略推進円卓会議における賃金の底上げに関する議論と雇用戦略対話の合意というのを例示として挙げていて、その後に「など」という2文字がついているのですが、時々の事情のうち、これらの合意等以外の時々の事情が何なのかというのが分かりにくいと思いますので、この「など」にはどういうものが含まれるのか確認させていただきたいと思います。

○亀井室長補佐
  お答え申し上げます。
  「など」には具体的にどのようなものが含まれているのかということでございますが、まず、集合といたしましては、毎年度の目安の審議において、目安に関する小委員会が踏まえたことを明確にしている諸要素でございます。
  例を申し上げますと、前回の目安制度のあり方に関する全員協議会報告はまとめられたのが平成16年度ですので、平成17年度以降で例を申し上げますと、平成17年度であれば、例えば「労使の小規模企業の経営実態等の配慮及びそこに働く労働者の労働条件の改善の必要性に関する意見等にも表れた諸般の事情」といった要素が入っております。
  その他、平成18年度であれば、ランクごとの経済実態に大きな相違があるといった特殊事情といった要素が入っております。その他、年度によって様々な要素が勘案されておるということでございまして、それらを総称する適切な表現が困難なために、このようなまとめ方をさせていただいております。

○高橋委員
  今、説明を聞きますと、「など」の内容が分かりますけれども、このままの報告書では内容が分かりにくいのではないかと思います。全員協議会報告として後世まで残る文書でございますし、できれば、今、御説明いただいたようなものの中から、例示を1つ加える、ないし2つ加えるような形で是非修正していただいた方がよろしいのではないかと思います。

○本多賃金時間室長
  今、室長補佐から平成17年度の例を申し上げましたけれども、お手元、第6回の目安制度のあり方に関する全員協議会の資料の中で、平成20年度から平成22年度の目安の答申をお配りしております。この中にも「など」に何が該当するかが分かる部分がございます。第6回の資料の110頁を御覧いただけますでしょうか。
  この110頁は、昨年度の答申の小委員会報告の部分でございます。その中で、「5.公益委員見解及びこれに対する労使の意見」として書かれているところですが、この「公益委員としては」のところに諸々書かれているものがこの時々の事情に相当するものが入ってきているわけですけれども、例えば先ほど室長補佐から申し上げたのは、5の「公益委員見解」の1番目のパラグラフの真ん中辺りの「上記の労使の小規模企業の経営実態等への配慮及びそこに働く労働者の労働条件の改善の必要性に関する意見等」というのが先ほど御説明したところでございます。
  過去の平成17年度以降の答申を見ますと、その時々、様々な事情がこの部分に掲げられているのですけれども、毎年挙げられている項目としては、今読み上げた労使の小規模企業の経営実態等への配慮云々のところ、これについては毎年書かれているところでございまして、もし例示をするということであれば、そういった頻度が高く出ている部分を示すのがいいかなと思っているのですが、ただ、ちょっと表現が長いので、もう少し短縮するとか、報告書に記載するのにふさわしい形に直して例示するということは1つあるのかなと思います。もし例示をするということに御同意いただけるのであれば、案文としてはそういったものがあるのではないかと思います。

○今野会長
  今、例示で事務局から出ていましたけれども、実際に目安をやっていくときに、労使の御意見を聞いて、言っている内容は年々違いますし、同じことを言っている強調度が違うとかいうのはあるわけですね。そういうことも踏まえてやっているわけですから、労使の意見に表れていた諸般の事情のように少し広目の例示にしておく方がいいかなと思うのですが、いずれにしても、そういう形で今ここで修正をして、文面を作って、できれば今日ここで皆さんの合意を得たいので、ちょっと待っていただきたいと思います。

○本多賃金時間室長
  お時間をいただければ。

○藤村委員
  ちょっとよろしいですか。確かに、この文章だけではよく分からないという高橋さんの御意見はよく分かるのですけれども、毎年、目安に関する報告を出していて、それらを踏まえてこの全員協議会があるわけですね。ということは、これだけ独立して存在するわけではなく、毎年のここの目安小委員会報告、これとともに、後の人たちもこれを読むはずですから、何かそこまで書かなくてもいいのではないかなと私は思うのですけれども。

○勝委員
  私もその点につきましては、すべてを網羅するということになると、網羅してない部分があった場合にはどうなるかという問題も出てくるので、「など」というところにすべて含まれていると考えるならこれでよろしいのではないかと思います。

○今野会長
  御意見のようにすべてくくって「など」と記載してしまうと、何で円卓会議と雇用戦略対話が入っているのかということになってしまうので、代表的な例示をここに入れるという趣旨だと思うのですね。過去の経緯は全部「など」でいいのだったら、この例示は全部要らないということになってしまうので、そこは、具体的な例示をしたい、重要な項目について例示をしたいという趣旨だと理解しています。そこはどっちかだと思うのですね。
  もし重要な点について例示をしたいということであれば、事務局の作成した報告書(案)は、ここでは円卓会議と雇用戦略対話ですが、今までの経緯を見れば、我々、実際にやっているときに、毎年、労使双方の、その時々の事情に関する強い御意見を踏まえてやっているので、それは時々の事情には入るかなと、例示としてはいいかなと思います。ですから、例示を入れるか、全体的に報告書から切るかどっちかしかないと思うのですが、どうですか。

○中窪委員
  議論が混乱して申し訳ないですけれども、前回の報告書(案)で、最初に「最低賃金を取り巻く状況、」というのがあったわけですね。ですから、これを例えば入れて、過去の中に、時々の資料(最低賃金を取り巻く状況、)などと目安の審議の小委員会報告で示されているのはこの2つだけではない、様々なものが入っているというニュアンスが出るのではないかという気がしたのですけれども、いかがですか。

○勝委員
  今、先生が言われたように、取り巻く状況というのはその時々で出された意見が入るかと思うのですけれども、今回の報告書(案)では、例えば成長力戦略円卓会議であるとか、あるいは雇用戦略対話、これはもう非常に政策的な部分が含まれているので、今、先生が言われたように、取り巻く状況というのを入れれば、その違いが少し分かるのかなと思います。その辺は、すべて一緒になってしまっているので分かりにくいというのがあったと思うので、その辺の文章の修正で対応できるのかなと。すべてを入れるというのは、文章も長くなってしまって、ここで何が言いたいのかよく分からないのかなと思いますので、その辺は事務局の方で整理していただければと思いますが、いかがでしょうか。

○今野会長
  今の趣旨は、このままだと政策的な変数しか「時々の事情」に入らないのではないかという誤解を招くという趣旨ですね。

○勝委員
  この2つをピックアップしているというのは、多分、政策的な部分が強調されているのかなと。それは非常に大きなファクターではあると思います。先ほど高橋委員が言われたのは、過去のものをすべて入れるというのは、その時々のすべての会議での議論を入れるということになるとまた大変なことになるので、もっとシンプルな記載にした方が読みやすいのではないかという意味で申し上げたのですが。

○今野会長
  そうすると、私が先ほど言った「労使の意見にあらわれた諸般の事情」みたいな形のファクトを入れておけばいいということでいいですかね。
  そうすると、そこについてはよさそうなので、あとは、「最低賃金を取り巻く状況、例えば」とするか。でも、考えてみれば、「時々の事情」というのは、最低賃金を取り巻く事情ではないのでしょうか。それ以外の事情は考えられないので、そこまで記載しなくてもいいかな。

○木住野委員
  「など」という表現をめぐってのことですので、ちょっと関連して意見を申し上げたいと思うのですけれども、同じ頁の下から2番目のパラグラフの下から4行目辺りのところに、「例えば賃金改定状況調査がマイナスとなる中で、各ランクごとの目安が一律10円となるなど」と書いてございます。これは使側の御意見としてまとめられている表現だと思いますが、この「など」の後に続いて、「従来の審議のあり方が揺るがされたのではないか」という表現になっています。これも使側の御意見ですので、この文言について特に御意見申し上げたいわけではないのですが、ただ、この「など」にくくられている中身ということに立ち入っていきますと、これは何なのかというと、多分、解釈がいくつか出てきてしまう文章なのかなとも思うわけです。ですから、そこはあまり突っ込んでいきますと、この全員協議会の一致という原則から考えて、「など」という表現についていけばある程度のところでとどめていくというのが知恵のような気がしているというのが私の意見でございます。

○今野会長
  私もそのように思うのですが、先ほどから問題になっているところの括弧は、この例示だけだと政策的な状況しか考えないのかという誤解を招かれるといけないので、あれもある、これもあるというので労使の意見に挙がった諸般の事情のような、ちょっとふわっとしたものも入れておけば、政策的な変数以外もやはり諸般の事情に入っていますよということで分かるのでいいかなと思って、先ほどそういう修正案ではどうですかというお話をしたのです。それ以上具体的に書く気はないのですけれども、どうですか。

○森岡審議官
  事務局の方で、ただ今の御議論を踏まえまして案文を考えてみました。この「時々の事情」の後に例示を増やすということでございますが、「例えば、毎年度の労使の意見等に表れた事情、」といったぐらいでいかがかと思います。

○今野会長
  高橋さん、いいですか。

○高橋委員
  私が言ったのは、過去の経緯を全部書いてくれということを求めているわけでなく、こうした2つの議論以外のも色々と踏まえて議論してきていますから、その趣旨が入れば結構でございまして、事務局から提案のあった案文でよろしいと思います。

○今野会長
  よろしいですかね、そのぐらいだったら。
  中窪さんが言った「最低賃金を取り巻く状況」は。いかがですか。


○中窪委員
  いいです。具体的な案文をもう一回確認して。

○今野会長
  では、それで修正をしていただいた事務局(案)、ありますか。
  その前に、それ以外のところはいいですか。ここで配って、また他にもあるぞというのだったらちょっと効率が悪いので、この部分以外については御了解いただいているということを前提でよろしいでしょうか。

(異議なし)

○今野会長
  それでは、配ってください。

(該当箇所修正案を各委員に配付)

○今野会長
  いかがでしょうか。

○田村委員
  この案文に、また手書きで「等」というのが入っていますが、要らないような気がするのですが。

○今野会長
  そうですね、確かに、「等」はいいかな。全体に「など」もあるし。

○本多賃金時間室長
  答申を単に引用したものですから残してしまいましたが、では、「等」をとるということでよろしいでしょうか。

○今野会長
  それでは、ここの部分についてはそうさせていただきます。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○今野会長
  それでは、また改めて、他にも修正点がないようでしたら、今の修正を加えた修正文で御了解をいただいたということにさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○今野会長
  それでは、どうしましょうか。読み上げたりしますか。

○本多賃金時間室長
  読み上げは本審で行いたいと思います。

○今野会長
  分かりました。本審の文章も手書きの文章ですか。

○亀井室長補佐
  本審までには、反映させたものを作成いたします。

○今野会長
  分かりました。それでは、御了解をいただいたということにさせていただきます。
  それでは、これで第9回目安制度のあり方に関する全員協議会を終了いたしたいのですが、何か他にございますか。

○團野委員
  特段、問題提起をするつもりは全くございません。今ほど取りまとめていただいた文章整理で受けとめをさせていただきたいと思っております。こういう形で整理をさせていただきましたけれども、この文章にあらわれない様々な労使の意見、思いというのはやはりそれぞれあったと受けとめをしております。
  そういう事情の中で、長年、中央最低賃金審議会審議の委員として御苦労されました池田委員に対して、改めて敬意を表したいと思っております。立場の違いはございましたけれども、本当に御苦労さまでございました。

○今野会長
  それでは、これで終了いたしますが。

○池田委員
  1点よろしいですか。

○今野会長
  これから中央最低賃金審議会がありますので。

○池田委員
  ちょっと関係ないことで。

○今野会長
  どうぞ。

○池田委員
  1点申し上げたいということで、各地の商工会議所がランクの趣旨に沿った目安が示されることを求めておりますが、今後の中央最低賃金審議会の目安審議においては、今回定めた新しい区分が都道府県の経済実態の違いを反映したものであることを十分に踏まえ論議を行うべきであるということを申し上げたい。昨年の目安は全ランク10円となっていました。本来であれば違うのではないかという意見もありますので、今後、目安については御考慮いただきたいということであります。

○今野会長
  よろしいですか。
  それでは、終了させていただきます。議事録の署名ですが、石黒委員と小林委員にお願いします。この後、中央最低賃金審議会を開催いたしますので、準備の時間があります。どのくらいかかりますか。

○本多賃金時間室長
  それでは、10分程度で用意いたします。

○今野会長
  それでは、11時15分から開催としたいと思います。
  それでは、終わります。ありがとうございました。


(了)

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