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2011年10月11日 平成23年度 第1回化学物質の健康障害防止措置に係る検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成23年10月11日(火)13:30~15:15


○場所

経済産業省別館 10階 1020号会議室


○議事

○寺島化学物質情報管理官 本日は大変お忙しい中をご参集いただきまして誠にありがとうございます。定刻より少し早いですが、皆様お揃いになりましたので平成23年度第1回となります、健康障害防止措置に係る検討会を開催いたします。本日は平成23年度の初回ですので、まず初めに開催要綱と参集者のご紹介をさせていただきます。まず、資料1をご確認ください。開催要綱を添付しています。この開催要綱は、これまで開催してきた要綱と基本的に同じでございますので、趣旨、目的等については省略させていただきます。4のその他で、これまでは単年度ごとの開催として、報告書をまとめた時点で終了とするという一文を置いておりましたが、それを削除しまして、今回から継続した検討会とさせていただきたいと考えております。
 裏側に、別紙として、参集者名簿一覧をお付けしています。ご紹介させていただきます。慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室教授、大前先生です。
○大前委員 大前です。よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 旭硝子株式会社CSR室環境安全保安統括グループ主幹、岡部正明様。
○岡部委員 岡部でございます。よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 独立行政法人労働安全衛生総合研究所環境計測管理研究グループ上席研究員、小野先生です。
○小野委員 小野でございます。よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 労働衛生コンサルタント、唐沢先生です。
○唐沢委員 唐沢でございます。よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 独立行政法人労働安全衛生総合研究所環境計測管理研究グループ部長、菅野先生です。
○菅野委員 菅野です。よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 十文字学園女子大学人間生活科学部食物栄養学科教授、田中先生です。
○田中委員 田中です。よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 早稲田大学理工学術院教授、名古屋先生です。
○名古屋委員 名古屋です。よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 産業医科大学産業保健学部教授、保利先生です。
○保利委員 保利でございます。よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 そして、従来からリスク評価の企画検討会座長でおられまして、本検討会にもご参集いただいております、中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センター技術顧問の櫻井先生です。
○櫻井委員 櫻井でございます。どうぞよろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 次いで、事務局もご紹介させていただきます。まず、中央労働災害防止協会化学物質管理支援センターの課長補佐、棗田様。
○棗田中央労働災害防止協会化学物質管理支援センター課長補佐 棗田でございます。よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 行政のほうですが、化学物質対策課長、半田です。
○半田化学物質調査対策課長 よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 化学物質評価室長、松井です。
○松井化合物評価室長 よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 化学物質評価室長補佐、瀧ヶ平です。
○瀧ヶ平化合物評価室長補佐 よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 最後に、化学物質情報管理官をしております寺島です。よろしくお願いいたします。
 続きまして、座長の選出をお願いしたいと存じます。どなたかご推薦はございますでしょうか。特にないようでしたら、事務局としては、昨年から引き続き、菅野先生にお願いしたいと存じますが、いかがでしょうか。
                 (異議なし)
○寺島化学物質情報管理官 では、菅野先生に座長をお願いしたいと存じます。以下の議事進行につきましては、菅野先生にお願いいたします。
○菅野座長 今年度も引き続きよろしくお願いいたします。今年は、インジウムという非常に毒性が高い物質が入っていますので、ご検討をよろしくお願いいたします。
 まず始めに、事務局から資料のご確認をお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 では、資料の確認をさせていただきます。1枚目に配付資料一覧がついていますが、1つずつご確認をお願いします。
 資料1「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会開催要綱」。資料2「健康障害防止対策の検討手順」、昨年の検討会で修正を入れた後のバージョンです。資料3-1から3-3まで、「詳細リスク評価書」となっていまして、資料3-1がインジウム及びその化合物、資料3-2がエチルベンゼン、資料3-3がコバルト及びその化合物となっています。資料4-1から4-3までは、「健康障害防止措置の検討シート」です。資料4-1がインジウム、資料4-2がエチルベンゼン、資料4-3がコバルトです。資料5「関係事業者・団体からのヒアリングの状況」。資料6「今後の予定」。参考1「インジウム・スズ酸化物等取扱い作業による健康障害防止対策の徹底について」と題します技術指針の通達をお付けしています。以上です。
○菅野座長 ありがとうございます。不足のものはないでしょうか。それでは早速、平成22年度リスク評価対象物質の健康障害防止措置の検討についてご議論をお願いいたします。まず、事務局から資料のご説明をお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 初回ですので資料2の検討手順をご確認を合わせてご検討いただければと思います。まず、この健康障害防止対策の検討手順ですが、資料2の2、検討内容及び手順にありますように、(1)としてリスク評価結果のレビューを行います。(2)のリスク作業実態の調査と事業者団体等からヒアリングを実施し確認する。ただし、ヒアリングが難しい場合は、事務局が調査対象事業者等に聞き取り調査を行った上で、その内容を検討会に報告することしております。その内容としては、作業の実態や、事業者が自主的に講じている対策、それから次の頁のエにありますように、対策を講ずる際に留意すべき事項などを調査するとしています。実際にはヒアリングという形ではなくて、関係事業場団体の皆様方に調査をお願いいたしまして、ヒアリングということでこの検討会に出席されたい場合はお申し出くださいという形でやっております。
 (3)、対策の検討で具体的な対策の検討手順です。アにありますのは、どういった方式でやるかについて、○1_個々の規制措置の要否を1つずつ検討するもの。○2_現行の規制による健康障害防止措置のセットを前提として検討する方法。このように大きく2つに分けられますが、それぞれ、デメリット、メリットがありました。その下、(イ)に最適な規制措置のラインアップとして、これらにとらわれず、例えば作業時間の短縮措置や、○2_のように技術指針の発出とそのフォローアップなどの形で対応する方法もあるのではないかということが示されています。
 2頁のイは、技術的課題の検討についてです。措置を導入する上での技術的課題についての検討が必要であるということで、発散抑制装置や保護具等について、必要に応じて検討するとしています。
 次の頁のウは、規制化の必要性の検討です。要否にかかる整理として、中ほど少し上にありますが、規制化の要否の検討に当たっては、対象となる業態において指導的な業界団体が存在する場合とそうでない場合がある。例えば、規制をかけるだけではなくて、その進捗の報告やモニタリング結果の提出等を義務付けることによっても同等の施策効果があるのではないかなどのことが議論に上がっています。そういった点からの検討も行うとしています。
 (4)最適な健康障害防止対策の検討では、対策のオプションの提案として、1から3を掲げて、それに対してそれぞれ検討を行うとしています。オプション1は、すべての規制措置の導入を前提とする。オプション2は、行政指導による。オプション3は、事業者団体が自主的な活動の範囲内において対策を維持する。基本的にはこの3つのオプションごとに検討するとしています。その対策オプションについて、それぞれ次の頁のイ、(ア)から(オ)にあるような項目について検討するとなっています。
 いちばん下のエ、留意事項です。その検討の過程でいろいろな措置が出てくるわけですが、(ア)にありますように、リスクが低いとされた作業に係る規制の緩和や免除に関する事項。あるいは、効率的な実施を支援する施策に関する補助や、そういったところの議論。それらも検討の俎上としています。
 (5)に、まとめた形ものを掲げておりますが、今回の健康障害防止措置対策の検討に当たり基本的にはこの検討手順に則って行うことになろうかと思います。特段、こういったところを変更したほうがよいとか、あるいは追加的な視点がございましたら、ご指摘いただければと思います。以上です。
○菅野座長 ありがとうございました。ただいまの検討手順につきましてご意見等がございましたら、よろしくお願いします。よろしいですか。それでは、この手順に従って検討していくということでお願いします。
 続きまして、今回の健康障害防止措置の検討を行う物質について、リスク評価結果を中心に、3物質ありますが、1物質ずつご説明をお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 資料3-1、資料4-1、資料5を使用して、インジウム、エチルベンゼン、コバルトの順に説明したいと思います。リスク評価検討会にご参集の先生方におかれましては、もうご存知かと思いますが、健康障害防止措置検討会として初回ということですので少し詳しくご説明したいと思います。
 まず、詳細リスク評価書の1頁、物性です。「インジウム及びその化合物」とあります、(1)の基本情報です。インジウム、金属です。このような分類でいくつかの化合物を例示していますが、たくさんございます。(2)の物性、物理学的化学的性状の部分にありますように、インジウムの金属のところをご覧いただきますと、銀白色のやわらかい金属で、融点が156.6℃、かなり低い金属です。それから、2つ隣のITOです。インジウム・スズ酸化物を指していますが、これは黄白色、単黄色の固体で融点は1500℃、水への溶解性は不溶です。これが最もよく使われている物質になろうかと思います。その隣にあります、酸化インジウム、三塩化インジウム、水酸化インジウム等は、いろいろなITO製造の過程やその他の過程で使われている化合物です。なお、ITOとインジウムの間にあるリン化インジウムというのは、化合物半導体として使われています。
 右の2頁(3)、生産・輸入量をご覧ください。インジウムが、生産量が70トン、リサイクルが543トンで、ほとんどが製造工程で出るリサイクルとなっています。ここに掲げてあるような製造業者の皆様により製造がなされています。
 2の有害性評価の結果です。インジウム及びその化合物については、平成21年に初期リスク評価を実施しておりまして、今年、詳細リスク評価が終わっているわけですが、その途中の過程でいろいろと新しい情報がありましたので、有害性の情報の見直しを行っております。その見直した結果がここに掲げてあるとおりです。インジウム及び化合物ですが、ほとんど気化しないため粉末が問題になります。(2)の「重視すべき有害性」にありますように、発がん性が指摘されています。発がん性は「ヒトに対して恐らく発がん性がある」という分類で、IARCでリン化インジウムとしての発がん性がグループ2A。IARCで発がん性が指摘されているのが、いまのところこのリン化インジウムのみとなっています。次の行にありますように、日本バイオアッセイ研究センターで行われたインジウム・スズ酸化物ITOの長期吸入ばく露試験によりラットに発がんが確認されています。そのほかのインジウム化合物の発がん性に関しては現在まで明らかな証拠はないとしています。その下に2つパラグラフがありますが、これはリン化インジウムとITOの発がん性試験の結果を掲げているもので、上のほうがリン化インジウムのNTPにおける実験で、LOAELが0.03となっています。日本バイオアッセイ研究センターにおけるラットとマウスを用いたITOの実験では、最少毒性量が0.01mgとなっており、かなり低いところで発がんが認められたとありました。こういったことを踏まえて、発がんに対して対応していく必要が指摘されています。
 閾値の有無についてです。閾値については、ここに掲げてあるとおり、閾値ありと判断して、LOAELから算出しまして、4頁の上のパラグラフのいちばん下、3.0×10-5、これが閾値、一次評価値となります。
 ○2_として、発がん性以外の有害性です。急性毒性は比較的穏やかと言っていいのでしょうか。吸入はデータなしです。反復投与毒性のところにありますように、吸入で、肺水腫、肺胞蛋白症、肺の慢性炎症がラットやマウスに顕著な割合で見られるということです。その下のパラグラフは重要で、これまでの文献調査の結果、酸化インジウム、ITO、塩化インジウム、インジウムを含有する化合物半導体(リン化インジウム、砒化インジウム、CIGS銅-インジウム-ガリウム-セレン等)、これは太陽電池の材料ですが、このようなもののインジウム化合物については、有害性を示す研究調査結果が報告されています。一方、金属インジウムの有害性の評価については有害性に関する情報が不足しているとまとめています。
 (3)の許容濃度はACGIHで0.1mg。1969年というかなり古いデータですが、これがあるのみです。評価値として、ここにいろいろと書いていますが、バイオアッセイ研究センターでのITOの発がん試験を根拠にしまして、5頁の真ん中にありますように、二次評価値を3×10-4mg/m3。これは、LOAELに適切な不確実性係数を計算の上算出したものです。
 次に、ばく露評価です。インジウムのばく露作業報告が合計38事業場から出されてきておりまして、こういったところに対して、コントロールバンディング等の絞り込みをしまして、ばく露実態調査をしています。6頁の(2)にばく露実態調査の概要があります。平成21年度は8事業場59名、平成22年度は3事業場27名の方々にご協力をいただき調査を行っております。
 次の頁です。測定結果のところにありますように、2年間のばく露調査で86人の調査結果を得たわけですけれども、1年度目には総粉じんを測って、ITOの発がん性試験が吸入性粉じんであったことから、2年度目の平成22年度は吸入性粉じんとしましてリスク評価を行っています。その最大値が0.817、二次評価値に比べますとかなり高い値となっています。グラフ等を見ていただきますと、右側のグラフはレスピラブル、吸入性粉じんのばく露調査結果ですが、二次評価値が非常に低いこともあって、すべての事業場でその値を超えている。また、LOAEL、動物実験で最少毒性量であったものを取ってみても、結構いろいろな事業場でその値を超えてしまっていることがわかります。
 10頁の判定結果をご覧ください。平成22年度の調査結果のレスピラブル粒子の部分です。ITOターゲットの製造、あるいは、ITOターゲットの使用済みのところからインジウムの金属、インゴットを製造するリサイクルの事業。それから、インジウム金属を用いたボンディングやインジウムリンの取扱い、いずれの作業におきましても二次評価値を超えているということで、判定結果としては「要」としています。具体的には、ITOの焼結体を研削したり、あるいは使い終わったITOのターゲット剤を粉砕して、そこからインゴットを取り出すなどの作業でインジウムの粉じんにばく露していることが認められています。こういった場所には局所排気装置がある所もございますし、それから、マスクもしているということでもありますが、何ぶん 評価値が低く、非常に高いリスクが認められたということです。
 12頁、6の結論です。ばく露要因の解析の結果、インジウム化合物を取扱うすべての作業場、また金属インジウムの溶融を伴う作業について高いばく露が認められたことで、特にITOのリサイクル用屑の粉砕作業においてばく露が高かったということです。したがいまして、すべての取扱い作業についてばく露防止の措置が必要になろうかと思います。
 説明が飛んでしまったのですが、11頁の下の「また」とある所ですが、金属インジウムを用いたボンディング、金属インジウムの鋳造、金属インジウムを溶融させる作業、こういった金属インジウムが含まれる物を溶かすような作業については、酸化インジウムの粉じんが発生する恐れがあることから、こういった所にも措置の導入が考慮されるべきであるとの指摘を受けています。また、インジウム化合物を原料とした液晶、製品の中にもインジウム、ITOの薄膜が含まれているわけですけれども、こういった物には、明らかに粉体の飛散の恐れのない場合は措置が必要ないこととなっております。
 12頁の下、二次評価値が非常に低いこともあって、ばく露低減措置については中小規模事業場も含め実現可能性のある取組みを行うことができるよう配慮すること。それから、取扱い作業における保護具の着用を合わせて検討する必要があること。その下には、先ほど申し上げた、製品の取扱いについての風評被害防止の点についても触れられています。リスク評価書については以上です。
○菅野座長 ありがとうございました。
○寺島化学物質情報管理官 続いて、よろしいでしょうか。
○菅野座長 はい。
○寺島化学物質情報管理官 これらのリスク評価書を踏まえまして、資料4-1「健康障害防止の検討シート」です。これは主要な部分をまとめた形になっていますので、1枚目は説明を省略いたします。
 リスク評価の結果を踏まえまして、2頁の上にありますように、業界団体からのヒアリングを現在、実施したところでありますけれども、主な業界団体としまして、ここに掲げるような業界団体の皆様方にご協力をいただいています。これらにつきましてはこの後説明いたしますが、そういったことを踏まえまして、ヒアリングによって得られた情報と論点をこちらのシートに落とし込んで、本日ももちろんですが、次回の検討の際にご議論いただきたいと思います。
 3頁の上に、「必要な健康障害防止措置」として、事務局原案は何も特に書いておりませんが、「対象物質と作業」で少し論点になる所が見えるかと思います。対象物質としてはインジウム化合物。作業としては全般。適用除外作業は現在のところなし。金属インジウムについては溶融を伴う作業で、それ以外の物については適用除外となるかという、リスク評価書を踏まえた形で置き直しておりますので、ご議論いただければと思います。それから、その下にありますように、文書の交付や製造工程の密閉化、あるいは、特定第2類物質と第3類物質の漏洩防止の措置である特定化学設備などがありますが、こういう所は対象になるのかならないのか。あるいはもう少し下のほうの具体的なところで、有効な保護具の備え付けの部分。現行では保護具の使用の義務はないことについてどう考えるかなど、これにとらわれるものではありませんが、このような措置が現行の特化則では掲げられておりますので、ご参考です。
 それから、作業環境測定では、結果の評価を行う場合には管理濃度を定める必要がありますし、それに基づく措置としては、管理濃度に依存して速やかに措置しなければならないなどの規定が現在置かれています。健康診断については、別途の検討会で検討されています。
 次の頁からは、特段いま埋めておりません。4頁の中ほどは設備投資の必要性や行政指導についての辺りは従来と同様に埋めていますが、そこから後は今後のご議論によって埋めていきたいと思っています。
 続きまして資料5関係事業者・団体からのヒアリングの内容をご説明いたします。インジウムにつきましては、1頁から7頁までとなっています。こちらからの調査項目にも原因がありますが、同様の意見が重複して何回も出てまいりますが順を追って一通りご説明したいと思います。
 まず、1の業界としての取組みです。ここは、今日の参考1に付けております、昨年出しました技術指針の内容に取り組んでいるということで、ICP-MSによる分析方法、あるいは呼吸用保護具の選定、喚気装置の強化、健康診断の実施提案や教育の実施、そういったところに業界としても取り組んでいること。○2_にありますように、経産省や厚労省と意見交換をしていることが触れられています。
 2の考慮が必要な事項です。ここからが業界としての要望・意見です。○1_化学物質の状態でポジティブリストを作成すべきということで、具体的には、例えば、半田やインジウムリンや有機インジウム化合物などの物を含める必要性を検討する必要がある。○2_として、ここは同様に適用の範囲ですけれども、特定の業種、工程に限られると思うので、狭い範囲に限定していただきたいということ。○3_と○4_は環境基準が厳しくて設備のコスト負担が非常に大きくて経営上厳しいこと。次の頁の○5_は、非常に高価な機械ですけれども、ICP-MSが必要である。○6_は、下請業者に対しては、やはり措置が厳しいので保護具の使用で緩和できるように考慮して欲しい。○7_が、多くの費用を要するなど補助金等の導入検討を望むこと。○8_は、健診機関が非常に少ない。知見がある医師の認定が必要。ITOの胸部検診については読影できるお医者さんが必要だという趣旨かと思いますが、そのようなご意見をいただいています。○9_は、健康診断の実施対象者の範囲ですが、これは特定化学物質のみならず、いろいろな物に共通ですけれども、『常時従事する』という文言の判断が事業所に委ねられているので取扱いに差が生じてしまうのではないか。○10_は、記録の保存が30年となっている。非常に管理が大変なので、よく議論して欲しい。○11_は、日本だけ突出して厳しい規制を行うことは競争力の急激な低下に繋がる。メーカーのみならずユーザーについても海外への移転を加速してしまって、国内産業の空洞化を促進してしまうという意見。○12_と○13_は、インジウムという理由で特段、特別な措置は講じていないというご意見です。こういう事業所もあるということです。
 3、技術的課題です。装置の密閉化が不可能であるというようなことです。
 それから、3頁の○3_から○5_までは、ターゲットが非常に大型なので局所排気装置の設置が難しいこと。それから、プッシュプルであるとか、下の○10_では、会話の声が聞こえにくい、保護マスクをしてしまうと声が聞こえにくくなる。○11_は、掃除機の排気口から粉じんが飛散してしまう。ハンディで安価な掃除機の開発が必要というご意見があります。○13_は、健診の機関が不足しているということ。
 4頁、4の特殊な作業です。ここは、少量特殊な取扱いの適用除外についてのご要望になります。基本的には、例えば、常時性のない作業、少量取扱いの作業、研究開発の作業などは除外して欲しいということがよく出てまいります。いちばん上は、「常時性のない作業について基準を設けて欲しい」、これは測定の結果だと思いますが、ボンディング作業については非常にばく露濃度が低いのでそこを外して欲しい。○3_と○4_は似ていますが、固体のインジウム、メタルインジウム等を取扱う場合、ヒューム等が出ないので措置は必要ないのではないか。それから、○5_から○9_までが基本的に似ているのですが、これはユーザーの意見だと思いますが、ITOターゲットをスパッタリング装置の中に付けて蒸着させるわけですが、その後それを取り外したり、あるいは洗浄したりなどの作業については、頻度の関係、あるいは時間、呼吸用保護具で代替できるのではないかという意見が出てきています。それから、レーザー素子、○11_などはインジウムリンの取扱い。○13_、○14_は少量低頻度の作業ということで要望が出ています。○15_はITO作業服の洗濯作業。ばく露は低いと思われるということです。
 5の産業活動への影響です。ここは、先ほど触れられた、競争力が弱ってしまうということで、上からずっとほとんど同様の話がされています。例えば、海外現地法人であっても、指針に基づくような、あるいは法令に基づく措置をするのだけれども、外資系企業については現地法に基づく対応をする。ですので、例えば中国や韓国等で作っていたとしても日本の法人は競争力が削がれてしまうことなどを指摘しているご意見があります。あとは似た意見も大変多数ございますので省略いたします。
 6頁の上、健診の費用について触れられています。6カ月ごとに一人当たり約17,000円かかってしまう。これは技術指針の内容かと思いますが、これが特殊健診に規定されると17,000円かかります。その下に、「現実的かつ適正な基準の設定を要望する」、これは設備の部分ですが、そういう記入があります。
 7の措置の方針についての意見です。全体的な意見ですが、1カラム、2カラム目にありますように、「いま規制にかけるのではなくて、当面の間、技術指針による管理を継続することを希望する」というものが事業場団体から出てきています。「もし規制するとしても、個別の材料の特性や物性を厳密に見極めて納得性を示しながら設定すべき」あるいは「限定して設定すべき」というご意見が出されています。
 7頁の8、その他の意見には○3_にありますような、風評被害の発生防止。○6_にありますように、作業環境管理に防じんマスクを評価すべきではないというご意見、生物学的モニタリングには血液だけでなく尿も採用すべきであるというご意見。○7_は、過去に常事従事させたことのある、配置転換後の就業者の健診について、ちょっと負担が大きいというようなご意見も含まれてきています。
 重複したご意見をかなり端折ったのですけれども、以上のようなところです。ご検討いただければと思います。
○菅野座長 ただいまのご説明につきましてご意見、ご質問のある方はお願いいたします。
○大前委員 詳細リスク評価書の3頁、重視すべき有害性のNTPの実験のところ、NTPのラットとマウスを用いたリン化インジウムの吸入ばく露によるの下から3行目、3mg/m3のところですね、これは間違っている記述なので、どこかとごちゃまぜになってしまったのではないかと思う。これは整理をしてください。
 5頁の一次評価値と二次評価値のところですが、下から2行目のインジウム含有量が約0.01というのは何の数字でしたか。
○松井化学物質評価室長 これはLOAELですね。
○大前委員 0.01がITOの濃度ですよね。
○寺島化学物質情報管理官 そうです。ITOの濃度なのですが、そこを置き換えている。ITOのインジウム含有量が少し変動することもあり得る。あと計算上、丸めた数字のほうがわかりやすいということもあって。
○菅野座長 すみません、意味がよくわからなかったのですが、これは、ばく露した粉じん中のインジウムの含有率ということですか。
○寺島化学物質情報管理官 ITOは酸化インジウムと酸化スズの混合物で、酸化スズの割合がおおむね重量比で1対9ということのようなのですが、とはいいながらもバチッと決まっているものではないということ。それから計算をしていくと非常にわかりにくい数字になってしまうということもあって、例えば0.0088とか。ということがあって、技術指針を作るときにそこのところを丸めたのです。
○菅野座長 というのは濃度が0.01mg/m3と、インジウムにすると。
○寺島化学物質情報管理官 はい。ここで濃度が0.01mgかと言われると、丸めてしまっているので、少し増えているというのがありますが、そこで置いているということです。
○名古屋委員 これは測定法を作った中災防の棗田さんに聞けばいいのではないかな。サイクロンを使わなくても慣性衝突型タイプの吸入性粉じんのほうはいいよとなっているのだけれども、やはりナイロンサイクロンを使っている何か理由はあるのですか。
○棗田氏 最初のほうですか。
○名古屋委員 22年の。
○棗田氏 22年のは個人サンプラーでやる際に、トータル粉じんと吸入性粉じん、両方を測定したいという話をもらいまして。慣性衝突型だとちょっとグリスを塗って、こちらにグリスがついててですね。それがちょっとインジウム分析する際に悪さをICPにしてしまうということで、なるだけないもののほうがいいだろうということで、私どもはサイクロンを一応使ったという形です。ですから、普通の測定には吸入性しか使わないのであれば、慣性衝突で何ら問題はないと思います。逆に、使いやすいと。
○名古屋委員 これ、たぶんナイロン使おうが、NW慣性衝突使おうが、ウォール効果で壁に付きますよね。それというのは吸入粉じんのほうに押し込んじゃう形でいいのですか、データとしては。
○棗田氏 サイクロンの場合ですと、壁に付くのはトータル粉じんのほうになります。吸入のほうは、全部ろ紙のほうに付くというのが、理論上そうなっているので、こちらは問題ないと思うのです。慣性衝突だとそんなにあれはないので、おそらくほとんど付かなくて、やはりろ紙のほうに付くのではないかと思うのですが。ただ、粉じん量が多い所だと再飛散して、グリス油で取り切れなかったものがレスピラブルのほうとしてなってしまう可能性があると思います。
○菅野座長 よろしいですか。いただいたご意見の中に、リスクが低いと考えられる作業というのが上がってきていると思うのですが、これは実際に測定した結果もそうなるのでしょうか。それとも、そうでない場合もあるのでしょうか。
○寺島化学物質情報管理官 例えば、この中に○2_のボンディング作業のところですが3×10-4というのが示されていますので、これは事業者の方が測っていただいた上での話だと思います。他方、当方で行ったばく露実態調査のときに、ボンディング作業を測っておりますが、この3×10-4をクリアはしていなかったと思います。ですので、同じ作業であってもばく露が低いものもあれば、そうでないものもあり、また、ここで言われて、要望が出てきている作業が、みんな測った上での話かというと、そうではないのではないかと思います。
○菅野座長 ほかにはいかがでしょうか。
○名古屋委員 ICP-MSだと、その二次評価値のもう1つ一桁、3×10-5まではインジウムの分析、そんなに苦労なく分析できるのですか。
○棗田氏 流速というか採気量によるとは思うのですが、多段は最近のだと、9リッターになったんだったか、多段だと、10分だとぎりぎり1/2ぐらいですかね。普通の慣性衝突のグリス型のほうですと、10、20リッターですか、いま。それなので十分、1/100とか1/1000ぐらいまでいけるのです。あとサイクロンでも、やはり10分だといまのこの最低のところだと1/2ぐらいまでは測れるという形。ただし、当然のことですがA測定の場合、別に10分に限らなくても、20分でも構わないわけですので、そうすれば十分1/10ぐらいまでは出せると思います。
○菅野座長 ただ、もう1つ、ICP-MSをお持ちの測定機関がどのくらいあるかという問題がありますが。
○棗田氏 それがちょっと私どもは把握していないので。ただ、いま環境計量の世界では、一般的にICP-MSが用いられていますので、環境計量ができる所であれば、ほとんどお持ちではないかと思います。
○菅野座長 現実的には、濃度が結構高いみたいですので、それ以外の方法でも測定可能なレンジにあるかもしれません。
○棗田氏 そうですね、濃度が高ければ黒鉛炉というか、フレームレスの原子吸光とかでもいけるのではないかと思います。あとは濃縮するとか、やり方次第だとは思うのですけれども。
○田中委員 資料4-1検討シートですか、これから事業場等確認をしていこうということだと思うのですが、有効な保護具の使用、備え付けということで、ほとんどが呼吸用保護具について確認をするということでありますが、保護衣のほうの問題、二次発じん等での確認ということで、保護衣あるいは作業着について、どういうふうな管理状態、使用状況であるかを少し確認していただけたらと思うのですけれども。
○寺島化学物質情報管理官 可能な限り調べたいと思います。
○菅野座長 よろしくお願いします。
○唐沢委員 資料の5の2頁の表のところ、上の表の○11_に、国際競争力を維持しながら労働者の健康を守ること、とあるのです。そしてコメントとして、日本だけが突出して厳しい規制を行うことは云々とあります。EUとかイギリスとか、ITOについてどういう対応をしているかということについては、事務局のほうで情報をお持ちですか。あるいは整理されていらっしゃるか。もし、可能なものは準備していただいたほうがいいかなという感じがしているのです。
○寺島化学物質情報管理官 手持ちでは思い当たりませんので、調べます。
○菅野座長 その件に関してもよろしくお願いします。次のエチルベンゼンの説明をお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 資料3-2、エチルベンゼンをご覧ください。エチルベンゼンは1頁(1)にありますように、分子量がキシレンと一緒の物質です。(2)物理的化学的性状にありますように、沸点が136℃蒸気圧が0.9KPaということで、中程度に蒸気圧をもつものです。(3)生産量、用途にありますのは、スチレン単量体の中間原料であったり、あるいはうしろあります溶剤、希釈剤として使われています。
 2の有害性評価の結果ですが、(1)重視すべき物質性状としては、蒸気圧が比較的高いこと、滞留しやすいこと、そして脂溶性が高いことが触れられています。(2)重視すべきばく露ルートですが、吸入ばく露が最も問題です。それ以外にも、蒸気が刺激性を示すことです。
 (3)重視すべき有害性にありますように、ヒトに対する発がん性ということで、IARCの区分で2B、ヒトに対する発がん性が疑われるに区分されています。ACGIHではA3に分類されています。日本産衛学会でも2Bということです。その後ろには、閾値がありと記載されています。○2_発がん性以外の有害性ですが、吸入毒性等、刺激性等があり、生殖毒性あり、特定臓器の全身ばく露ですが反復投与毒性の部分には、実験動物の吸入ばく露試験で肝臓、腎臓の重量増加、白血球数の増加等があります。いちばん下の聴力の低下があり、ラットの吸入ばく露試験で400ppmで5日間及び13週間、呼吸性ばく露の後、聴力の低下が見られているというのが、新しいACGIHの報告等に触れられています。
 許容濃度ですが、ACGIHが20ppm、2011年に出されて50から20に下がっています。日本産業衛生学会は2001年の値で、50ppmとなっています。これを踏まえて評価値としては、一次評価値が1.9ppm、二次評価値が20ppm、ACGIHの評価値を採用しています。
 ばく露評価ですが、有害物ばく露作業報告は9800事業場からあり、そのうち92%がガソリンスタンドでした。それ以外の部分についても製造であったり、塗料としての使用であったり、いろいろな用途で使われているということですが、そういった所にばく露実態調査を行った結果が、4頁の上の(2)から記載しています。ばく露レベルが高いと推定される16事業場を選定し、2年間合計で131人に調査を行っています。
 調査結果の概要の○2_にありますように、ばく露最大値が226ppm、区間推定上限値が187ppmとなっており、20ppmに比べてかなり高い値、大幅に上回っている状況です。
 4頁の下のほうにありますが、エチルベンゼンの用途に着目すると、8時間TWAの最大値はエチルベンゼンを塗料の溶剤として使用する事業場で測定されています。塗料の溶剤として使用する事業場では測定対象が5事業場あったわけですが、そのうちの3事業場で最大値が二次評価値を上回っています。この3事業場はスプレー塗装または刷毛による塗装を行っており、局排やプッシュプルが設置されていない。一方、同じくエチルベンゼンを塗料として使用する事業場であっても、自動塗装を行っている事業場あるいはプッシュプル換気装置を設置している事業場では、個人ばく露測定値はいずれも二次評価値を下回ったという状況にあります。エチルベンゼンを原料とした製品の製造を行っている事業場、あるいはガソリンスタンドの事業場においては評価値を下回るなどして、リスクが低いという形になっています。まとめた表とグラフがあります。
 6頁(3)に、ばく露の高い作業の詳細があります。最大値が二次評価値上回った3つの事業場は、いずれも造船の事業を行っており、大型の塗装ブースまたは屋外で、船体ブロック等の塗装を行っている。こういった塗料におけるエチルベンゼンの含有比はそれぞれ16~40%、5%以下、あるいは19%までということでした。こうした所では、いずれも局排、プッシュプルがなく、全体換気を設置、そしてマスク、保護帽を使用していたということです。
 7頁リスク評価の結果です。7頁下の表にありますように、エチルベンゼンの製造またはエチルベンゼンを原料とした製品の製造としては二次評価値を超えた所はなかったということで、判定結果は「不要」です。真ん中の欄の塗料の溶剤としての使用の部分は、二次評価値を超えた方が30%近くおられて、判定結果として「要」です。ガソリンスタンドは最大値が非常に低いことから、「不要」となっています。
 8頁上の5、ばく露要因の解析です。3パラグラフ目にあるように、エチルベンゼンを塗料の溶剤として使用する場合は、適切なばく露低減措置が不可欠であるということです。局排やプッシュプルがあれば、ばく露が低かったという文言があり、そうしたところが不可欠であるということです。その3行ほど下にありますが、塗装の対象が大きいことから局排の設置が困難な場合も見られるということで、ここについては慎重な検討が必要であるということでまとめています。以上です。
 続いて、詳細リスク評価書を踏まえ、シートは基本的に同じように埋めています。今後の措置のいろいろな要望を踏まえて記載していきたいと思います。2頁目に業界団体の概要ということで、造船関係の団体、あるいは塗料関係の団体等にご協力をいただいて、いま調査を行ったところです。3頁は「対象物質と作業」ということで、基本的には、エチルベンゼンの作業を限定した形で措置の対象としていく必要があるのではないかということで記載しています。
 資料5意見照会の状況について、説明いたします。9頁と10頁がエチルベンゼンに関して寄せられたご意見です。これは事業場団体一部のみで、もうちょっと寄せられてくる予定にはなっています。
 業界としての取組みのところにたくさんいただいているように、エチルベンゼン含有の溶剤に対するいろいろなばく露防止措置であるとか、安全に配慮したマニュアル類をいろいろ作っていただいていること。VOC揮発性有機化合物の低減ということで、一丸となって取り組んでいますというようなことをいただいています。
 2番目、健康障害防止措置の導入に当たって考慮が必要な事項です。2つとも同じようなことが書いてありますが、特別則はどれに該当するのかということです。特化則で規制するのでなく、有機溶剤中毒予防規則で管理すべきということです。エチルベンゼンは工業用キシレンに含有されている。工業用キシレンは既に労働安全衛生法、有機溶剤中毒予防規則等で規制されており、また、それに応じて遵守をしているし、管理もしているということで、これで管理すべきであるというご意見です。
 3の下の特化則の適用による影響ですが、工業用キシレンに関する法令を遵守すれば、健康障害の防止は可能であると。万一エチルベンゼンに特化則が適用されるような事態になれば、非常に多大な影響がある。これは塗料業界だけではなく、塗料を使用している日本の全産業にとって影響が非常に大きい、ということが記載されています。工業用キシレンの中のエチルベンゼンの含有率はここにありますように、約20~40%ということで、かなり高い割合になっています。
 4は特殊な取扱いに対するものです。ここには、試験研究や非定常の作業とありますが、有機溶剤中毒予防規則の第2条には許容消費量という定義があり、非常に少ない量を使う場合には、局所排気装置であるとか、一部の規定が適用除外になるという規定がありますが、それと同様に、少量取扱いの場合はこれを除外すべきであるというご意見です。その下は、少し使用量が少ないことが記載されています。
 5は、先ほどからのご意見と同様ですが、工業用キシレン、エチルベンゼンを除去する必要が生じた場合は価格が非常に高騰してしまって、国際的な競争力が低下するということ。そうしたことから昔は世界3位だったのだが、いまは世界5位であって、国際競争力を非常に失ってしまい、特化則の適用は影響は甚大であるという同様のご意見をいただいています。
 7の上の欄ですが、特殊健診としては実施していないが、代謝産物がマンデル酸、フェニルグルオキシ酸として検査可能というご意見をいただいています。エチルベンゼンのご意見はこのようなところが出ています。以上です。
○菅野座長 エチルベンゼンについてご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。
○保利委員 エチルベンゼンは工業用塗料の中で使われているのが、大部分なのですかね、工業用キシレンとして。
○寺島化学物質情報管理官 塗装の作業としては工業用キシレンを溶剤として使っていると。ただし、エチルベンゼンを何らかの化成品の原料にしているとか、スチレンを作るとか、そういうような場合は純粋なものを合成して、それを原料にしていると。そこではばく露が低かったので。
○岡部委員 リスク評価表の6頁で、(3)ばく露の高い作業の詳細というのがあるのですが、全部で5事業所あったと思うのです。このうち3つの事業所では造船ということで、中段ぐらいですか、「作業者いずれもマスクを使用して、一部エアラインも少し使用して」というのがあるのですが、残り2つのほうの情報は何かございますか。
○寺島化学物質情報管理官 残りの2つは同じように塗装をしている事業場なのですが、たしか自動車とかそういう機械、フローコーターであるとかそういうラインでの塗装作業だったと思います。ここには記載がありますように、6頁目ですか。
○松井化学物質評価室長 4頁のいちばん下の行から5頁にかけて書いてあるように、この自動塗装を行っているところと、プッシュプル型換気装置を設置しているということです。ちょっと呼吸用保護具の使用についてはあれですが、造船をしている事業場に比べると、呼吸用保護具による部分は小さいというところです。
○岡部委員 そうすると、残りの2つの方では、一応この表記、6頁の上のほうの2行ですが、二次評価値は下回っているということですね。
○松井化学物質評価室長 そうです。
○岡部委員 わかりました。
○松井化学物質評価室長 ですので、問題になるのは非常に塗装面が広くて、換気などの措置が難しいところで高いばく露が見られているので、ここの部分を何とかしないといけないというところですね。
○菅野座長 確認ですが、二次評価値の20ppmというのは、発がん性は考慮されてない値なのですよね。
○松井化学物質評価室長 これは、発がん性というのはACGIHの根拠の、直接の部分には登場しないですね。
○小野委員 先ほどの岡部委員のご質問とも関連するのですが、検討シートの(3)規制の必要性のところで、呼吸用保護具には、設備投資について何も書いてないということは、現状で、要するに濃度の高いところでは既に呼吸用保護具を使っているので、設備投資等は必要ないけれども、行政指導の効果はあるだろうという解釈でよろしいですか。
○松井化学物質評価室長 そこはこの検討会で検討していただくところで、現状で呼吸用保護具を使用しているのですが、この200ppmを超える濃度を勘案したときに、その呼吸用保護具で十分かどうかというところも、検討をお願いしたいと思っています。
○小野委員 わかりました。
○菅野座長 ほかにいかがですか。
○小野委員 いまのに続けてもう1ついいですか。いまのに関連するのですが、資料3-2の6頁の真ん中の段落で、有機ガス用の防毒マスク、一部ではエアラインマスクという形になっているのですが、この辺もかなり濃度が高いのですけれども、マスクの交換の頻度ですとか、あとはエアラインマスクを使っているというのはブロックの大きさとか作業場のことで決まっているのか。それとも、会社によってもうエアラインマスクにしているとか、そういう何か分け方をしているということなので、その辺については特に情報はないのですか。
○棗田氏 基本的には、単純に会社のほうでやはりばく露が高そうなブロックというのがありまして、その作業場の設置のやり方みたいので、例えば内側を塗ったりとか。そういうところは明らかにばく露が高いと、向こうも思っているみたいで、そういった所はほとんど、ここの調査した所は全部エアラインを使っています。ただ、交換頻度はたぶんこのもう1つ、ある程度の濃度が出ている所で、うちの測定士の意見ですと、おそらく1回で交換しないとたぶん駄目なので、それほどの交換頻度はやはり1カ月に1回とかいう形でやっていますので、おそらく破過していると。
○小野委員 ありがとうございます。
○菅野座長 エアラインマスクについてですか。
○棗田氏 エアラインは違います。エアラインは別に交換する必要性ありませんので。頻繁に換えている所でも、1週間に1回とかいうふうに言っていましたので、やはり超えているのではないかと。
○寺島化学物質情報管理官 業界の方に聞いたときは、使用の都度ごとというか、使用回数ごと、午前と午後とか1日ごととか、あるいは吸収缶は1000ppm対応ではなくて、5000ppmのものを開発してもらって、それを業界として取り組んでいるというような話も聞いていますので、やっている所はやっているのだろうと思います。それに、全く破過していたら、バタバタ倒れてしまっているのではないかと思うところもあるので。ここは、交換頻度は調べてないですよね。
○棗田氏 そうですね。いや、聞いてある所もあるのですけれども、ただ、保持容量とか、たぶん5000ミリというと、倍のを使われてたりとかあると思うのですが、この辺りのところまでうちも調査をしてないのです。実際に作業者なんかに聞くと、そういう頻度だというような形をお答えしていたみたいなので。ですから、かなり濃度が高い所はもうエアラインをしてしまっているので、全く意識せずに使えて、逆にこんなに高い所ではなくて、もうちょっと超えているけれどもギリギリぐらいの所ですか、20ppmとかそれぐらいの所だと、それぐらいの頻度で取り換えてという形。たぶん匂いがしたら交換するとか言ってらっしゃいましたので、一応完全に破過してないとは思うのですけれども。
○小野委員 ありがとうございます。ちょっとそれでいいのかどうか心配な感じはするのですけれども。
○保利委員 濃度が高い所のデータというのは、ほとんど塗装作業ですか、造船の。
○棗田氏 はい。
○保利委員 ここに挙がっているのは大体造船業ですか。
○寺島化学物質情報管理官 上から20何番目まで、全部造船でした。
○櫻井委員 1つ質問させていただいていいですか。混合溶剤で、相手はキシレンということですよね。キシレンの濃度は測られていないようですが、たぶん同じくらいの蒸気圧ですか。
○棗田氏 そうですね。
○櫻井委員 としたら同じぐらいの濃度、この比率でやはり相当な濃度になっていることになりますよね。
○菅野座長 はい。ただ、組成としても20%、30%とかいう割合ですので、同じぐらいの濃度だと考えてよろしいのではないかと思いますけれども。
○櫻井委員 そうですよね。そうすると、この場合はエチルベンゼンだけで評価していますが、混合溶剤として、もし評価したら、もっと低い所でもやはり問題になっているわけですよね。
○菅野座長 有機溶剤の中に入れるとしますと、平均値というか、加算になりますので。
○櫻井委員 資料の50ppmですか、いま管理濃度は、ばく露限界値。
○菅野座長 50です。
○櫻井委員 ですから、それも効いちゃっていますよね、当然。
○菅野座長 そうですね。作業現場では、本当はキシレンのほうを適切に防護すれば、エチルベンゼンもある程度いけるのではないかと。
○櫻井委員 結果としては同じことになる。
○菅野座長 そうだと思いますけれども。
○保利委員 作業環境測定でキシレンの測定はやられているのですよね。
○松井化学物質評価室長 一部は屋内ではなくて、屋外で塗装されているので、そういうところのは測ってないかと思いますが。
○棗田氏 屋内作業場所のところは測定しているようです。私も実はデータ見せていただいてないのでわからないですけれども。アンケートというか、聞取り上では測定しているとおっしゃいましたので、このキシレンと造船のところはトルエンも入っていたと思いますけれども。
○菅野座長 そうしますと、船の塗装というのは屋外でやった場合は、対象になっていないということですか。
○棗田氏 はい。
○岡部委員 先ほど造船の方だと思うのですが、個人ばく露濃度測定で、最大226という形で、平均が10.3という形なのですが。これ、エアラインをしている所と、していない所というのは、たぶん切り分けて考えたほうがいいかなと思うのですが。この辺のデータを、もう少し検討するときに分けたものがあればかなと思います。
○菅野座長 エアラインを使用しているところは別扱いで集計する。
○岡部委員 最終的にどうなるかわからないのですが、たぶん作業としてはエアラインをしている所と、してない所というのを分けて考えたほうがわかりやすいかなと思います。
○菅野座長 あとはエアラインマスクというのは全面型だったでしょうか、半面型だったでしょうか、ご存じないですか。
○棗田氏 そうですね、全面を使われていたみたいです。
○田中委員 ということは、やはり防毒マスクという表現の中にも半面と全面、おそらく使い分けていますよね。その辺もちょっと整理していただけると、ありがたいと、評価すると思うのですけれどね。直結小型、直結式の小型だけではない、直結式のマスクを使っている事業場もあるかもしれないということですよね。
○菅野座長 可能な範囲でよろしくお願いします。次のコバルトのリスク評価に移ります。
○寺島化学物質情報管理官 資料3-3コバルトのリスク評価書についてご説明します。コバルトは、都合3か年にかけて評価をまとめていますが、最初に塩化コバルトと硫酸コバルトのみを対象として着手し、その後評価対象を金属コバルト、コバルト化合物全体に広げてリスク評価を行っています。
 1頁の(2)物理的化学的性状には、コバルトの例示がありますが、このような固体ということです。
 (3)生産量、用途にありますが、コバルトの金属については、磁性材料や特殊鋼、超硬工具、触媒等に使われています。塩化コバルト、硫酸コバルトについては、メッキ、触媒、吸着剤、着色剤、顔料等に使われています。
 2、有害性評価の結果ですが、重視すべき物質性状としては、粉末の状態で、吸入ばく露が懸念されるということ。高温工程では、有害なヒュームが発生する場合がある。塩化コバルト、硫酸コバルトは、皮膚・経皮吸収、刺激にも留意が必要であるとされています。(3)重視すべき有害性ですが「ヒトに対する発がん性が疑われる」に区分されています。
 IARCでは、金属コバルト及びコバルト化合物について2Bとされていますが、そのうち、炭化タングステンとの合金を含むについては、コバルトと炭化タングステンとの合金については2A「ヒトに対しておそらく発がん性がある」に区分されています。その次に「発がん性に閾値がないと推測される」としています。
 発がん性以外の有害性は、急性毒性はここに書いてあるとおり、皮膚感作性、呼吸器感作性があり、アレルギー性の接触皮膚炎や気管支喘息等がヒトに対する調査等で多数報告されています。反復投与毒性として、吸入によるヒトの肺への影響として変性、間質性肺炎、X線像異常、肺機能異常等が認められています。
 許容濃度としては、ACGIHが0.02mg、日本産衛学会が0.05mg/m3。それぞれコバルトとしてという値があります。これらを踏まえて、評価値としては一次評価値は閾値がないとして設定せず、二次評価値は0.02mgを採用しています。
 ばく露評価の結果は、作業報告が296事業場から報告がありまして、主な用途としては、他の製剤等の製造原料、あるいは触媒添加剤。作業の内容としては、計量、配合等による充填、袋詰め等でした。こういったところを対象にして、コントロールバンディングによる事業場の絞り込みをし、ばく露実態調査を行っています。ばく露実態調査としては、4頁の(2)にあるように、23の事業場の96人に対して調査を行っています。測定結果としては、○2_の測定結果にあるように、対象とする物質及びその用途が多岐にわたることから金属コバルトとそれ以外のコバルト化合物を2つに分類して評価を行っています。
 5、6頁がアとして、主に金属コバルトの取扱いを行う事業場の調査結果です。事業場数は6。ばく露最大値の推定として、最大値が0.875mg。これは実測値です。区間推定上側上限値が0.271ということで、0.02を10倍、ないし40倍上回っているということです。金属コバルトの用途に着目すると、コバルトを原料とした合金の製造を行う事業場では、いずれも二次評価値を上回る労働者が見られたということです。その他の調査対象事業場、合金の製造を行う事業場以外の事業場では、合金を使ってはいるのですが、個人ばく露測定結果は二次評価値を下回った結果になっています。
 次の頁にいきまして、7頁、イ、主にコバルト化合物の製造又は取扱いを行う事業場、コバルト化合物ですが、事業場数は17。最大値が0.144。区間推定上限値が0.034となっています。これも二次評価値を上回っています。コバルト化合物の用途等に着目すると、コバルト化合物の製造を行う事業場では対象13人のうち4人、メッキ作業を行うところでは11人のうち3人、コバルト化合物を原料とした製品の製造を行うところでは14人のうち1人ということで、いずれも二次評価値を上回っています。
 一方で、コバルト化合物を触媒として使用している事業場及び湿度検知のために、この湿度検知のためにというのは、たしか塩化コバルトだったと思いますが、湿度を吸湿すると色が変わる性質を利用して、それをカードのようなところに塗布しておいて、それを湿度検知のカードとして、ほかの製品と一緒にしておく。吸湿するとわかるというものとして使っているわけですが、これを使用している事業場においては、二次評価値を下回ったということです。
 9頁ばく露実態調査対象作業の詳細ですが、ア高いばく露のみられた作業です。○1_コバルトを原料とした合金の製造。これは、コバルトを含む原料を溶解炉で溶解する作業。電気炉でガラガラ回しながら融解していく作業において、高い個人ばく露濃度が測定されています。その出来上がったものの鋳込み、合金の切断、研磨等の作業においても高いばく露が見られたということ。
 2、コバルト化合物の製造においても、袋詰め等の作業で高いばく露が見られています。3、コバルト化合物を原料とした製品の製造は、コバルト化合物、粉体等を投入する作業において高いばく露が見られている。4、コバルト化合物を使用したメッキ作業、コバルト化合物が溶けたメッキ液の近くで、電極を取扱う作業において高いばく露が見られています。ということで、こういった金属コバルト、コバルト化合物で高いばく露が見られた作業は、1から4に整理されているというところです。
 イ、高いばく露が見られなかった作業。1、金属コバルトを取扱う作業のうち、盛金溶接等を行っているようなところ。あるいは溶接機への合金の補給作業といったところではばく露は観測されていないと。コバルト合金を粉砕して板状にしたというような加工の作業のところも高いばく露は見られていない。
 2、コバルト化合物の触媒としての使用。この触媒として使用する事業場については高いばく露は見られていないということですが、これらは作業時間が非常に短いことなどが原因であろうということです。
 コバルトの形状としては、微粉状や粒状、結晶というようにいろいろありますが、そういったところでは、ばく露が低かったということ。○3_の湿度検知のところも、紙製のカードということもあって、非常にばく露濃度が低かったということがわかっています。
 11頁の4リスク評価の結果ですが、これらを踏まえて整理した結果、ア、金属コバルトを取扱う作業とコバルト化合物の製造を取扱う作業が、ここにあるように整理されていますが、12頁の(2)判定結果をご覧いただくと、金属コバルトを取扱う作業については、基本的には粉じんやヒュームの発散が見られるので、ここについては措置が必要。ただし、金属コバルトを物理的な変化を加えずに取扱うような場合については措置不要としています。コバルト化合物を製造する作業についても措置必要。取扱う作業についても措置が必要としていますが、そのうち、コバルト化合物を触媒として使用する作業とコバルト化合物を物理的な変化を加えずに取扱うような作業の場合は不要というふうに整理されています。ということで、まとめにありますように、コバルトについては、基本的には措置が必要とするものの、一部、物理的な変化を加えずに取扱うような場合、触媒として使用する場合においては一律的な措置は必要ないとしています。
 「なお」というところに、空気中の飛散によるばく露が中心となっていますが、皮膚感作性があることから経皮ばく露にも十分注意が必要ということで、自主的なリスク管理が必要ということが触れられています。リスク評価については以上です。
 これを踏まえて、検討シート資料4-3ですが、リスク評価の結果を埋めたところは省略して、3頁にリスク作業の実態ということで、ヒアリング結果ですが、超硬合金、鉄鋼連盟、石油化学工業協会に調査をお願いしています。4頁に対象物質を少し整理して書いています。
 コバルトについて寄せられたご意見は資料5の11頁をご覧ください。たくさんご意見をいただいていますが、重複する話が多いので、まとめてご説明します。業界としての取り組みはこういったところでやっていただいています。
 2、健康障害防止措置の導入に当たって考慮が必要な事項、○2_にあるのは、複合酸化物顔料は使用される量が少ないほうであり、急性毒性も大きくて変異原性も陰性、毒性が低いと。特殊な部類なので独自のばく露評価を実施する必要があるということ。○3_は、コバルト化合物を担持した触媒、有害性が低いということ。○4_から○7_まで少量取扱う作業、あるいは非常に頻度の少ない作業については適用除外。あるいは別途の基準を設けてほしいということが要望として出てきています。○10_にある管理濃度の値ですが、取り扱う粒径、化学種はいろいろ、製造現場では一定であると。けれども、リスク評価書では吸入性/非吸入性、水溶性/非水溶性が区別されていない。一律の二次評価値で評価されているので、ほかのカドミウムや鉛と比べても非常に厳しい値でもあるので、過剰な値にならないように、そういったところを考慮のうえ、管理濃度を設定してほしいということ。○11_は過去使用者。特別管理物質になった場合に、配置転換後の健診についても負担が大きいので、国としてフォローが必要であるというご意見をいただいています。○12_は尿中などの濃度を測定できる機関が必要であるということ。○13_は特別管理物質に指定された場合、30年の管理期間が過大な負担である。○15_は、一定の時間的猶予、施行までの猶予期間が必要であるということをいただいています。
 3の技術的な課題ですが、密閉化が非常に困難であるとか、5、6にあるのは、局排を設置すると秤量が不安定になってしまってできないということ。プッシュプルについては、ホコリ等の異物混入が懸念される。9、10については防爆措置をしないといけないということ。13については事業場で作業服の洗濯が必要だということが触れられています。
 13頁の4ですが、少量取扱い等リスクが低いと考えられる作業。ここにはいろいろ書いていますが、少量の取扱いやあるいは分析検査、研究等の業務において少量、低頻度の取扱いについては何らかの別の取扱い、あるいは適用除外が必要であるというご意見かと思います。
 ○12_から次の頁の○17_ぐらいまでがすべて触媒です。いろいろな形状のものがありますが、大体○13_、○14_辺りは20日に1回程度、それ以外のものは数年に1回程度の交換頻度、作業頻度であるといったところを考慮いただきたいということが掲げられています。22や23は電池の試験においてこういう可能性があるので、そこも考慮してほしいということが言われています。
 産業活動への影響の部分ですが、15頁の5です。インジウム等、エチルベンゼン等と同様で、国際競争力の観点から問題であるということ。○1_は、複合酸化物は、ほかのものと有害性が違うと。ニッケルのときのような拙速は避けるべきというご指摘がありました。7措置の方針についてというのが、ここまで触れられたようなご意見が出てきています。
 16頁の8に作業環境測定や健診の具体的な方法が不明であるということや説明会の充実をしてほしい、経過措置を十分おいてほしい、法規制までのスケジュールがわかれば示してほしいというようなことが触れられています。以上です。
○菅野座長 ありがとうございました。コバルトのご説明に関してご質問、ご意見などありましたらお願いします。コバルトについての国際競争力がありましたが、他の国で規制されているわけですね。少なくともアメリカでは規制されているわけですよね。されていないのですか。
○寺島化学物質情報管理官 ACGIHで0.02というのがありますし、複合酸化物顔料というようなものは、FDAで安全だと言われていると協会の方がおっしゃっていまして、そういうところで、取扱いについての国際競争力がこちらだけで制約を受けるというご意見かと思います。
○唐沢委員 すみません。要望ですが、資料の5のようなものは、できれば事前に送っていただけると事前に読んでおけますので、資料1から資料4までは既に厚生労働省のホームページで公開されておられるので、見ることは可能なので、私もできる範囲で見てきましたが、資料5は大変興味深い資料なので、まとまった時期がいつかということがあるかもしれませんが、できれば事前にメールで送っていただければと思います。
○菅野座長 今日は引き続き会議があるそうですので、時間がとれないのですが、資料5を含めてご意見があったらこの会が終わったあとでもメールでお寄せいただくということでよろしいですか。
○大前委員 1つよろしいですか。発がん性があったというコバルトの炭化タングステンの合金は日本でも作られているのですか。
○寺島化学物質情報管理官 超硬工具として作られているところでお話を伺いましたところ、炭化タングステンとコバルトを粉体で混ぜ合わせて、焼結して、それを超硬工具として製造販売しているということでした。
○大前委員 測定の対象には入らなかった。
○寺島化学物質情報管理官 測定には入っていませんでした。
○岡部委員 コバルトの個人用保護具の使用の情報は特にないですか。
○寺島化学物質情報管理官 コバルトですか。
○岡部委員 ええ、先ほど造船の関係やエチルベンゼンのところはエアラインマスクという記述があったのですが、詳細なリスク評価書にはあまりそういう記述がなかったので。
○松井化学物質評価室長 そうですね。次回整理して、確かに保護具の関係はリスク評価書にはあまり書いていないのですね。
○名古屋委員 1点聞きたいのですが、エチルベンゼンのときは、極限られているから要因分析として、管理濃度までもっていく措置をするのかどうかを1点と、コバルトの場合は、はっきり分かれていますよね。このときは、どういう措置が必要と考えられているのか教えてほしいのですが。
○松井化学物質評価室長 措置については、この検討会で検討していただくのですが、エチルベンゼンの場合は、非常に作業が限られていて、かつ非常にピンポイントになっていますので、比べる濃度もはっきりしています。コバルトについては、いろいろご意見があるかと思うのですが、リスク評価検討会の中でも物質ごとに分けられたら分けたほうがいいのではないかというご議論もあったのですが、その中で分けるほどの材料はなく、やはり0.02がベースにあるという議論であったかと記憶しています。コバルトについては、かなり広範囲にわたって、措置もおそらくかなりフルセットに近いような措置が必要ではないかと。これからご検討いただくのですが、そうすると非常に網の目が物質の種類なり、作業のカバーする範囲が広いので、先ほどご意見のご紹介をしましたが、この物質や作業はリスクが低いのではないですかというご意見がいろいろ細かくある状況です。
○保利委員 作業環境測定を自主的にやられているというところが結構あるようですが、測定の結果はわかるのでしょうか。記録は保存されているのですよね。例えば資料5の13頁の特殊な作業の中の7や8とか。これらの測定データがあれば参考になると思うのですが。
○寺島化学物質情報管理官 測定の結果があればそれに基づいて検討、議論できるとは思いますが、先方があることですので聞いてみます。
○保利委員 可能であれば聞いていただくといいですね。
○大前委員 複合酸化物顔料に対してのご意見が、健康障害防止措置に当たっての考慮が必要という事項の2番にあるのですが、複合酸化物顔料というのがよくわかっていないのですが、この記載の中に、化学的に安定でありLD50が大きいという。したがって大丈夫だろうという記載がありますが、LD50が大きくても別に吸入で毒性が少ないという保証はないので、本当にこの物質を何らかの形で外すとしたら、それなりの証拠がないと外せないと思うのですね。単に化学的な安定であることとLD50が大きいことは毒性が少ないことの保証にならない。
○松井化学物質評価室長 おっしゃるとおりで、リスク評価書で議論しているような、あるいはACGIHの数値の根拠になったような有害性に対して、十分データがあるかどうかが問題かと思いますので、関係の業界の方からはいろいろご要望をいただいているところですが、その辺を含めて議論していく必要があるのかと思います。
○菅野座長 ほかにいかがですか。確かにこの複合酸化物のところで比重が大きいから飛散しにくいと書いてありますが、理解困難なところで、難しいところがありますね。ほかにいかがでしょうか。非常に資料が多いので、お持ち帰りいただいて、お気づきの点があればご連絡ください。最後に今後の検討予定の説明をお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 今回、業界の皆様方からのご議論、ご意見等を踏まえて、次回にはシートに落とし込んだ形で、論点を少し整理した形で先生方にお示しして、検討をいただきたいと思っています。次回は資料6にありますように、10月25日、その次が11月8日と予定しています。よろしくお願いします。
○菅野座長 だいぶ駆け足ですが、これで1回目の健康障害防止措置検討会をお開きにします。ありがとうございました。


(了)

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