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2011年8月24日 独立行政法人評価委員会国立病院部会(第35回)議事録

○日時

平成23年8月24日(水)13:00~14:00


○場所

専用第23会議室


○出席者

   猿田部会長、田極部会長代理、高瀬委員、和田委員、海辺委員、夏目委員、山田委員


○議事

(以下、議事録)
 
○猿田部会長
 ただいまから、第35回独立行政法人評価委員会国立病院部会を開催します。委員の先生方におかれましては、大変暑いところ、また、お忙しいところをご出席いただきまして、どうもありがとうございました。なお、山田委員と海辺委員は少し遅れるということで、会を始めさせていただきます。
 それでは、初めに事務局から、本日の議事についての概要をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 事務局ですが、議事の説明に入る前に、7月29日付で政策評価官及び国立病院課長の異動がありましたので、ご紹介させていただきます。初めに田原政策評価官です。

○政策評価官
 田原と申します。よろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 続きまして、片岡国立病院課長です。

○国立病院課長
 片岡です。どうぞよろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 それでは、議事について説明いたします。本日は議事次第のとおり、財務諸表に関する意見、総合評価、重要な財産の処分について、審議を進めていただきます。
 審議の進め方について説明いたします。(1)財務諸表に関する意見については、担当委員である和田委員からヒアリングの結果をご報告いただき、それを踏まえてご審議いただきます。
 (2)総合評価については、7月27日の個別評価の結果に基づき、起草委員において起草していただいた総合評価の案及び評価シートの「委員会としての評定理由」案等について、ご審議いただきます。
 なお、皆様にご記入いただいた評定記入用紙については、ご参照いただけますよう、お手元に置かせていただいております。後ほど、本日の審議等を踏まえ、評定記入用紙の確定をしていただく時間を設けさせていただきますので、よろしくお願いします。
 (3)重要な財産の処分については、後ほど説明させていただきます。議事については以上でございます。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。それでは、さっそく議事次第に従いまして、第1番目の「国立病院機構の財務諸表に関する意見について」です。この審議に入る前に、総合評価、財務諸表に関して、起草委員の先生方に大変お忙しいところをご尽力いただきまして、どうもありがとうございました。
 まず 最初に、財務諸表に関する意見についての審議に入ります。財務諸表については、独立行政法人通則法第38条に基づき、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、厚生労働大臣が承認するとされております。
 それでは、さっそくですが財務諸表に関して、和田委員からご説明をお願いします。

○和田委員
 それでは、国立病院機構の財務について、私がヒアリング等によって判断した事項について申し上げます。国立病院機構の平成22年度の財務諸表については、外部監査人である新日本有限責任監査法人、及び監事2名からの監査報告書が提出されており、そして外部監査人の監査については、さらに監査結果説明書を提出いただきました。また、直接、お話を聞きながら、監査が十分に行われたこと、外部監査人の意見も、それから監事さんの監査についても、それぞれ適正であるという意見をいただいております。適切な監査が行われた結果、財務諸表等については正しいものと私も判断しました。
 財務の内容ですが、全体としては平成22年度事業費用が8,212億6,500万円です。事業収益が8,795億7,400万円。差引き、事業損益は583億900万円。事業収支比率は107.1%でして、過去5年間の中でも最高の事業収支率を確保しました。
 そして対前年度の増減で申し上げますと、事業費用は330億増加しましたが、事業収益がこれを上回り、525億7,200万円増加しましたので、事業損益全体としては195億4,900万円増加したわけです。
 さらにセグメント別の事業損益を拝見しますと、教育研修事業では14億4,200万円のマイナス。それから臨床研究事業では3億1,800万円のマイナス。そして、法人共通として132億2,300万円のマイナスとなっていますが、診療事業で732億9,300万円という過去最高の事業利益を上げましたので、これら他のセグメント別の事業の赤字を埋めて、全体として583億の事業損益を計上したということです。
 その結果、今年度、平成23年3月31日現在の貸借対照表を見ますと、資産合計が1兆2,770億円、純資産は4,810億円ということでして、純資産比率が昨年の33.85%からさらに上がりまして、37.69%に上がりました。
 長期借入金について見ますと、期首残高が5,419億円。そして当期の減少額は479億8,400万円。そして当期増加額が172億円に抑えましたので、差引き、期末残高は5,111億1,800万円と減らしました。そして借入金比率も、つまり資産全体に占める借入金の割合も、当初は60%を超えていましたが、この第7期、平成22年度末では40.18%の借入金比率になったということで、経営的には大変頑張ったといいますか、経営の安定化に努められたと理解しました。以上です。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。いまお話がありましたように、これまでの最高の事業利益を上げられているということ。それから、最高の収支率を獲得されたということで、非常に努力された効果が出ているということですが、委員の方でどなたかご意見はありますか。
 もし、特にご意見がないようでしたら、いまご報告いただきましたように、これを国立病院機構の財務諸表ということで、資料1-1の案のとおり、修正意見はないということで、お認めいただきたいと思います。そして、これを厚生労働大臣に提出したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○猿田部会長
 それでは、お認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 続きまして、平成22年度の業務実績に関する総合評価について、まず 最初に国立病院機構の総合評価のほうは、事務局から「平成22年度の業務実績全般の評価」という結論部分を中心にご紹介いただきまして、その上で起草委員をしてくださった田極委員からご講評いただくという形で進めさせていただきたいと思います。
 それでは、事務局よろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 それでは、資料1-2の「独立行政法人国立病院機構 平成22年度業務実績の評価結果(案)」の部分について、説明させていただきます。1頁目の1.平成22年度業務実績について、(1)評価の視点では、同法人の設立経緯、第2期中期目標の第2年度の評価であること、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」、「政・独委の評価の視点」等を踏まえて、評価を実施したこと等が記載されています。
 (2)平成22年度業務実績全般の評価の所については、読み上げさせていただきます。国立病院機構は、安全で良質な医療を効率的に提供していくことが求められている。具体的には、国の医療政策を踏まえつつ患者の目線に立った適切な医療を提供する「診療事業」、国立病院機構のネットワークを活用した「臨床研究事業」、質の高い医療従事者を育成する「教育研修事業」等を安定的な経営基盤を確立しつつ効率的・効果的に運営していくことを目指している。
 独立行政法人への移行後7年目にあたる平成22年度においても、業務進行状況の迅速な把握と業務改善に努めており、特に積極的な業務運営の効率化と収支改善に向けた取組は、中期目標に掲げる経営収支に係る目標を7期連続して達成したことに加え、純利益495億円を計上するなど、特段の実績を上げている。こうした全体としての大きな成果は、理事長の卓越したリーダーシップの下に、各病院長をはじめ職員が懸命な経営努力をした結果であり、QC活動などに代表される職員の意識改革がもたらしたものと高く評価する。また、内部統制強化やコンプライアンスの推進等に適切に取り組むとともに、国立病院機構の契約に関しても「契約監視委員会」の設置など独立行政法人としてより透明性と競争性の高い契約の実施に取り組んでいる。
 診療事業においては、引き続き、地域連携クリティカルパスの実施や紹介率・逆紹介率の着実な向上、地域医療支援病院の増加など、地域医療への取組を一層強化し、地域医療に大きく貢献しているほか、質の高い医療を提供するため、医療の標準化の推進や臨床評価指標の改善及び公表に取り組み、また、重症心身障害や筋ジストロフィー、結核などの政策医療にも着実に取り組んでおり、我が国におけるセーフティネットとしての重要な役割を果たしていることを高く評価する。
 臨床研究事業においては、国立病院機構のネットワークを活かした臨床研究活動やEBMの推進に向けた取組が順調に進捗しているほか、質の高い治験の推進に向けた取組も大いに実績を上げており、これを高く評価する。平成22年度には、総合研究センター診療情報分析部を設置し、各病院のレセプトデータ等を収集・分析するための「診療情報データバンク」の構築に至ったところであり、今後の我が国における医療政策への一層の貢献に期待したい。
 教育研修事業においては、高度な看護実践能力を持ちスキルミックスによりチーム医療を提供していくことのできる看護師を養成する看護学部と、全国に先駆けて特定看護師を養成する大学院を開設し、国立病院機構勤務の医師が参加してのカリキュラムの作成をはじめ、医師が臨床教授として学部や大学院の臨床実習等を指導するとともに、東京医療センターを主たる実習施設とするなど国立病院機構が主体となった体制を構築したことを高く評価する。また、各領域の専門性に秀でた指導医による実地研修として「良質な医師を育てる研修」を開始するなど、医師のキャリア形成を支援する体制整備も着実に進めており、今後の積極的な取組を期待する。
 このほか、東日本大震災発生時においては、直後に現地対策本部を設置し医療班等延べ約8,000人日の職員を被災地に派遣するなど、国の危機管理対応にも大きく貢献したことは高く評価できるものである。
 これらのことを踏まえると、第2期中期目標期間の第2年度に当たる平成22年度の業務実績については、全体として国立病院機構の設立目的に沿って適正に業務を実施したこと、中期目標の達成に向けて着実な進展がみられたことを高く評価する。今後とも、患者の目線に立った良質な医療と健全な経営とのバランスがとれた一層の取組と、国立病院機構の役割等を踏まえ、全国144病院のネットワークを活用して積極的に国の医療政策として機構が担うべきものの向上を図る姿勢を、期待したい。
 なお、中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については2のとおりである。また、個別項目に関する評価資料については、別紙として添付した。
 以下の具体的な評価内容については、割愛させていただきます。以上です。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。それでは、田極委員から講評をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○田極部会長代理
 それでは、私から国立病院機構の平成22年度の評価結果について、講評を述べさせていただきます。まず、評価に当たりましては評定の結果、それから各委員の評定コメント、また、前回7月27日の議論の内容などを踏まえ、平成22年度の業務実績について、中期目標の達成度に照らして、総合評価書をとりまとめております。
 全体の評価としては、理事長の卓越したリーダーシップの下、積極的な業務運営の効率化と収支改善に向けた取組により、中期目標に掲げる経常収支に係る目標を達成したことに加え、純利益495億円を計上するなど特段の実績を上げたこと、
診療事業におきましては、地域医療への取組を一層強化し、地域医療に大きく貢献したほか、質の高い医療を提供するため、厚生労働省の新規事業である「医療の質の評価・公表等推進事業」や臨床評価指標の充実に取り組み、また、結核や精神科医療などの政策医療分野についても、セーフティネットとしての重要な役割を果たし、特に医療監察制度にかかる病床数が全国の約7割を占めるなど、国の政策に関して大きく貢献したこと、臨床研究事業においては、新型インフルエンザワクチンに関する研究を行い、国のワクチン備蓄方針決定等に不可欠な情報収集を実施するなど、機構のネットワークを活かした大規模臨床研究が順調に進展しているほか、難易度の高い治験を積極的に実施し平成21年度、平成22年度の両年度の承認医薬品の約5割の治験に関わるなど、質の高い治験の推進に向けた取組も大いに実績を上げ、また、総合研究センター診療情報分析部を設置し、各病院のレセプトデータ等を収集・分析するための「診療情報データバンク」を構築したこと、教育研修事業におきましては、東京医療保健大学に高度な看護実践能力を持ち、スキルミックスによりチーム医療を提供していくことのできる看護師を養成する看護学部と、全国に先駆けて特定看護師を養成する大学院を開設したほか、積極的な医師確保や、看護師の教育体制の充実などに取り組むとともに、地域の医療従事者を対象とした研究会等や、地域住民を対象とした公開講座を積極的に実施したこと。特に平成22年度におきましては、東日本大震災発生時において、災害医療センターがDMAT事務局として厚生労働省と連携し、全国のDMAT約340班を指揮し、機構からも33班のDMATを出動させるとともに、医療班を77班派遣し、避難所で約1万1,000人に対し、巡回診療等を実施。それから原子力発電所事故発生直後に他団体に先駆けて、迅速に放射線スクリーニング班を11班派遣し、スクリーニング検査を約1万1,000人に実施したこと。さらに心のケアチームを39班派遣し、被災者に対するメンタルヘルスケア等も実施したこと。こういった被災地の医療確保に重要な役割を果たし、国の危機管理対応に大きく貢献したことなどを評価し、全体として国立病院機構の設立目的に沿って、適正に業務を実施したことを評価する内容としております。
 なお、10項目めの「医療資源の有効活用」につきましては、機構の自己評定がAであったところですが、昨年度に引き続き、高額医療機器の共同利用数や医事会計システムの標準化等が大幅に拡大・進展したことなどから、各委員の評定を集計した結果、S評定となっております。
 また、目的積立金に係る経営努力認定についてですが、こちらは総合評価書(案)の9頁に具体的に記載しておりますが、まず病院事業の収入は、公定価格である診療報酬であり、また、継続的な経営努力の度合が高いなどの特性があり、総務省が一律に定める「新規性」に主眼を置いた認定基準には馴染まないことから、事業の特性を踏まえた個別の認定基準を適用すべきであること。病院事業につきましては、利益を患者に還元するという基本的な考え方があることから、利益剰余金については医療の使途に充て、患者に還元できる仕組みとなるべきであり、総務省通知の改正を強く望むものであること。こういったことを国立病院部会の意見として、総合評価書に盛り込んでおります。以上です。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。各委員のご意見をさらにいただく前に、この総合評価書の中に「国民からの意見募集について意見が寄せられた」という記載がありますが、それに関して法人からコメントをお願いしたいと思います。

○国立病院機構医療部長
 意見募集で寄せられた意見については、お手元の資料、束の下に参考資料1、参考資料2とありますが、参考資料2のほうの裏側に表として、寄せられたご意見が記載されています。2つあります。
 1つ目は結核に関する意見ですが、結核患者については従来より法制度上、一般病床ではなく、結核病床に入院させるということになっています。結核患者数は昨今減少していることから、きちんとした感染管理ができることを条件に、医療提供体制のあり方を見直していく必要性はあると思いますが、国立病院機構の病院については、ほとんどの都道府県で結核の入院医療機関として指定され、多剤耐性結核など、比較的難易度の高い結核に対応しているなど、地域から期待や要望が引き続き多いことから、地域において結核医療の拠点としての役割を果たしてまいりたいと考えているところです。
 それから2つ目、動物実験に関してのご意見です。国立病院機構の動物実験を行う施設におきましては、厚生労働省が定めた動物実験等の実施に関する基本指針を踏まえた適切な対応が行われるよう、平成20年3月に機構本部から各施設に対し、改めて法令や指針等の周知徹底を行い、また、統一的な動物実験規程、動物実験計画書、結果報告書等を提示することで、動物実験を行う全施設で統一的な動物実験規程に基づく院内規程の制定や、動物実験委員会の設置がされているところです。
 この結果、国立病院機構の動物実験を行う施設においては、動物実験計画の立案に当たり、代替法を考慮、実験動物の使用数削減、苦痛の軽減等を踏まえることとなっています。具体的な削減目標等の設定は困難ですが、動物愛護に配慮して、引き続き適切な対応を行ってまいりたいと考えています。以上です。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。総合的な評価に関して、事務局からお話をいただき、それから田極委員にまとめていただきましたが、特に最後のところ、田極委員からご説明をいただいた8頁の所で、CT、MRIの高額医療機器については、稼働数向上に向けた分析や人材の有効活用で、ともかく稼働総数が増加したということ。それから共同利用数も大幅に増加し中期計画に掲げた目標を大きく上回ったということで、高く評価するということで、この部分は委員の先生方の採点が自己評価よりも上になりSにさせていただいたということが、1つ大きなところです。
 それからもう1つ、私どもがいつも気になっておりましたのが、先ほど田極委員からご説明いただいた9頁目ですが、特に目的積立金に係る経営努力認定について、病院事業の収入は公定価格である診療報酬であり、継続的な経営努力の度合が高いなどの特性があり、総務省が一律に定める「新規性」に主眼を置いた認定基準には馴染まないことから、事業の特性を踏まえた個別の認定基準を適用すべきである。病院事業は利益を患者に還元するという基本的な考え方があることから、利益剰余金については医療の使途に充て、患者に還元できる仕組みとなるべきであるという、ここのところは非常に重要ですので、私どもとしてはここのところを、やはり挙げさせていただきたいという、この2つが非常に重要な点なので、こちらとしてはそのように加えさせていただいたということですが、まず委員の先生方はどうですか。ご意見は何かありますか。

○夏目委員
 非常によくまとまっていると思います。

○猿田部会長
 ほかにどうでしょうか。そういったことで皆様方、一致して、いままで非常に努力なされたことが、一層充実したという形で、評価をまとめさせていただいたということですが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○猿田部会長
 それでは委員の先生方に、この形で了承していただいたということで、矢崎理事長から一言、何かコメントはありませんか。

○国立病院機構理事長
 発言の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。本日は平成22年度の総合評価について、新たに選任されたお2人の委員をはじめ、各委員の皆様方には限られた期間の中、また酷暑の中を、このような総合評価書をまとめていただきまして、誠にありがとうございました。
 特に猿田部会長をはじめ、起草委員の田極委員、和田委員には、お手数をおかけして誠に申し訳ありませんでした。また、各委員の皆様にも極めて高い総合評価結果をいただき、改めて御礼申し上げます。特に自己評価を上回った評価をいただきまして、これは職員全体が大変士気が上がるところでして、代表しまして御礼申し上げたいと思います。
 質の高い医療の提供や、政策医療の実施、あるいは先ほどお触れいただいた地域医療への貢献など、各委員の先生方からご指摘いただいた、評価いただいた事項については、今後もご期待に応えて、着実に成果を出すように努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
 また、いただいた数々の有意義なご意見、あるいはご助言についても、今後の当機構の運営に役立つように、実施できるように、努力してまいりたいと思います。
 さらに先ほど部会長から、特にご指摘いただきました当機構の経営努力の結果である495億円の利益余剰金を、目的積立金とすることについて、妥当であるという評価をいただき、経営努力認定についても病院事業の特殊性を考慮して、利益余剰金は医療の使途に充て、患者に還元すべきである、そのような仕組みとすべきであるというご意見をいただきました。私ども、老朽化した建物、及び医療機器の整備が急務である病院におきましては、大変心強いご意見であり、心から感謝しております。
 私どもの医療、臨床研究、教育研修の事業面と、経営面の両輪で取り組んできた結果について、それぞれに高いご評価をいただきまして、最後に改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。それでは現在までの意見、報告等を踏まえて、先ほどからの個別評価、個別評定を修正したい方は、ここで評定記入用紙の修正、それから確定の時間を設けさせていただいておりますので、もし修正される方はよろしくお願いします。
 なお、修正に当たりましては、事務局から留意点があるということです。よろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 修正につきましては、赤鉛筆でお願いします。また、修正のある頁に付箋を貼っていただきたいと思います。また、机上配付しております個別項目に関する評価結果につきましては、現時点でいただいております評定を、Sを5点、Aを4点、Bを3点、Cを2点、Dを1点と点数化したものです。こちらについては、委員各自にはご自身のお名前しかわからないようになっておりますので、修正をされる場合にはご参考にしてください。以上です。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。それでは4、5分いただきますから、どうか記入を変更されたり、あるいは確認する方、よろしくお願いします。
(評定用紙記入中)

○猿田部会長
 それではよろしいですか。よろしければこれをもって国立病院機構の平成22年度業務実績評価及び財務諸表に関する意見を。それでは、どうぞ。

○夏目委員
 ひと言だけお願いを申し上げておきたいのですが、私は別の高度専門医療研究部会もさせていただいているのですが、国民の立場と言いますか、一患者の立場からしてみて、結構大きな問題として、やはり患者満足度調査はどこの病院でも同じように実施されていて、中には、国立病院機構の調査を非常に参考にしているということで、それぞれ、どこも取り組み始めているようですが、私がいつも問題にしているのが、共通してやはり問題になっているのが、いわゆる待ち時間対策です。それで今日、まとめていただいたこの評価書にも、2頁目の課題である待ち時間対策について様々な対策に取り組んでいると、これは私もそのとおりだということで、この表現は全く間違っていないし、これでいいと思うのですが、ただ、結果はご案内のとおり3.5前後ということで、他の調査項目に比べると、ある面では著しく悪いと言わざるを得ないところのレベルにずっとなっているのですね。
 ほかのナショナルセンターの専門医療部会の調査結果も全く同じで、ここがネックになっているようです。病院の性格からしてみて、いろんな医療、いろんな患者が来られるので、予定通り診療がなかなかできないのが当たり前なので、そこで、どうしても待ち時間の問題が発生するのだろうと思いますが、やむを得ない部分があるのですが、その中で、やはり少しでも数値がよくなるように、是非、私は国立病院機構にやはり先輩格としてのひとつの指導的な取組をお願いしたいのです。難しいことはわかっています。患者によって全然、この人は10分かかる、この人は3分かかるなんて初めからわからない部分もあるだろうし、そこは非常に難しいのはわかるのですが、何か有効な手をお考えいただいて、他の6つの高度専門医療研究部会の病院のお手本を示していただけるといいのではないかと思います。言っていることが非常に難しいことは、本人が重々わかっているのですが、是非そこをお願いします。
 他の項目についても、私は高度専門医療研究部会の病院が国立病院機構の取り組んでいる内容をよく勉強されて、同じように頑張ろうとしているところが大分あるのです。これは非常にいいことだと私は個人的に思っていまして、日本全体の医療レベルと言うか、そういう患者の立場から見た診療レベルを、サービスを上げていくという意味で非常にお手本になっていることはいいことだと思いますので、是非そういう意味で難しいとは思いますが待ち時間対策について、私は 最後はソフトじゃないかと、少し遅れ気味だと思ったら、看護師さんが待っている患者さんに「いま、こういう状況です。何々さん、大分お待たせしてますが、いま、こういうことで、あなたのことを決して無視しているわけではありませんよ」と、「もうちょっと」という、最後はソフトかなと、人間的な暖かみかなという感じがするのですが、是非そこをご検討というか、頑張っていただければということだけ、ひと言申し上げておきたいと思います。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。何かご意見、ございませんでしょうか。
 実は私も一緒に高度専門医療研究部会の評価のほうもやっていまして皆さんと同じで、皆、国立病院機構のほうのことを参考にさせていただいているのですが、やはりどこの病院も待ち時間がかなり長く、今日、山田先生がまだお見えになりませんけれども、日赤、済生会などの病院に比し国立病院機構の病院の時間がほかの病院に比べても短いのですね。少しでも患者さんが満足しながら待てる状況にできればということなのですが、何かご意見ございますでしょうか。

○国立病院機構理事長
 ご指摘、全く、尤もでありまして、私どももやはり情報ですね、いまの夏目委員のお話は、医療が行われているプロセスを患者さんによくわかるように、あと、どのぐらいで自分の番が回るかとか、そういう情報を的確に患者さんに伝えるような工夫とか、今後、是非、実現に向けて頑張って行きたいと思います。
 ただ、私どもの病院は予約制を取っているのですが、やはり飛び込みの患者さんが多くて、なかなか予約通りにいかないところもあり、そういう情報もこれから待っている患者さんの目線に立って、適切な対処を取っていきたいと思いますので、また、今後も厳しいご指摘をいただいて、現場を叱咤激励をしていくつもりですので、今後ともご指導の程、よろしくお願いします。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。ちょうど山田先生がお見えになりました。まとめさせていただきました。特に委員の先生方は大体、山田先生がここに掲げたとおりということで、あと何かご意見ございますか。よろしいですか。
 それでは、これをもって国立病院機構の平成22年度業務実績評価及び財務諸表に関する意見を取りまとめさせていただきます。各評価書には評価結果の別添として評価シートの集約版が添付されています。本日はその評定記入用紙の確認・修正を行っていただくことで、当部会全体としてのS~Dの評点及び評定理由が変更になった場合には、また、各委員のコメントが修正、あるいは追加等された場合には、これらを反映して評価シート集約版を変更し、添付することとします。評価シート集約版について、S~Dの評定が変更になる場合は、委員会全体として評定理由も併せて変更する必要が生じてくると考えられますが、その文章につきましては、私にご一任いただきたいと思います。場合によっては、個別の各委員にご意見を承ることもあるかもしれませんが、その際はよろしくお願いします。よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○猿田部会長 ありがとうございました。
 それではこれで評価に関しましては終わりまして、議事の3番目の「国立病院機構の重要な財産の処分について」です。それでは説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 それでは説明します。独立行政法人通則法第48条第1項により、独立行政法人が重要な財産を処分する際は、主務大臣の認可を受けなければならないこととされております。同条第2項で、認可に当たっては、あらかじめ評価委員会のご意見を伺うこととされております。この度、法人から重要な財産の処分の認可申請が行われたことから、ご審議をお願いする所存です。それでは法人から説明をお願いします。

○国立病院機構財務部長
 財務部長の土肥です。よろしくお願いします。重要財産(北海道がんセンター宿舎敷地)の処分についてご説明します。1.処分に係る財産の内容及び評価額ですが、土地でして、札幌市豊平区月寒西1条9丁目740番1の宅地ですが、5,687.06?です。評価額につきましては5億600万円で、これは独法に移行した平成16年4月1日時点の鑑定評価額です。2.処分の条件は、学校法人希望学園が運営する札幌第一高等学校の用に供するということです。3.処分の方法は同法人に時価譲渡するものです。4.独立行政法人国立病院機構の業務運営上支障がない旨及びその理由ですが、ロケーションについては後ほどご説明しますが、北海道がんセンターの建物についてはかなり古くなっていて、患者の安全性、療養環境の観点から建替えをしたい希望を持っていますが、病院本体地がかなり狭いことで、いろいろ悩んでいたところでした。それで数年に渡って違う地点に引っ越すことも考えていたのですが、札幌市議会の方とかの協力によりまして、周辺地の購入の目途が立ってきたところです。ただ、がんセンターの財政状況からは建替資金もかなりかかりますし、更に土地購入費を捻出するのも難しいことから、宿舎の敷地を売却し、その売却収入を隣接地の取得財源としたいということです。
 次頁の別紙1に位置図がありますが、札幌駅が左上にありまして、札幌駅から2~3?で北海道がんセンターが真ん中辺りにあります。北海道がんセンターの月寒宿舎が病院から5?ぐらい離れた市内にあります。別紙2が宿舎の配置図なのですが、北海道がんセンター月寒宿舎の横に学校法人希望学園札幌第一高校がありまして、うしろのほうに要望書が付いていますが、ここの高校も非常に老朽化していまして、ある意味、病院と同じなのですが、老朽化していて建替えをしたいのですが建替用地がないということで我々のほうに要望がありまして、ちょうどタイミングが合ったことで、この法人に売却したいと考えています。別紙3が北海道がんセンターの病院本体の土地の関係なのですが、病院の本体が1万5,000?で機構病院の中でもトップクラスの狭さでして、地図を見ていただければかなりの建物で埋まっている感じがすると思うのですが、この状態ではちょっと現地建替えが難しいということで横の土地、不動産会社の所有の土地、個人所有地、その間に市道があるのですが、市道まで含めて、いま購入することを検討しているところで、このスペースが得られれば建替えもできますし、現在、駐車場が三十数台しかない状況ですので、駐車場の用地も最終的にある程度は確保できると考えています。何卒、よろしくお願いします。以上です。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。いまのご説明にどなたかご質問はありますでしょうか。札幌の駅から5?ぐらいのところですね。特にご意見はどうですか。

○夏目委員
 ここに書いてある評価額は、平成16年の独法に移管のときの評価ですか。今回は時価評価だから、もう1回、評価を取ってということになるのですか。
 
○国立病院機構財務部長
 おっしゃるとおりです。

○夏目委員
 そうすると、5億円は札幌だからよくわからないのですが、おそらく、その後の状況からしてみて、若干下がっている可能性はあると。

○国立病院機構財務部長
 そういうことです。

○夏目委員
 相手のほうの評価額はいま、大体、ほぼ同じぐらいの金額になりそうなのですか。

○国立病院機構財務部長
 我々のほうで取った評価額と相手が取った評価額を見比べて、その間ぐらいに決まっていくのではないかと思います。

○夏目委員
 そうですか。だから今回は5億円で売却になるかどうかは、また新たに鑑定評価を取った上での現在の時価で売却すると、そういう手続きになるわけですね。

○国立病院機構財務部長
 おっしゃるとおりです。

○夏目委員
 わかりました。

○猿田部会長
 よろしいですか。もしほかにご意見がないようでしたらこの件は了承したということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、この北海道がんセンターの敷地の処分については了承していただいたということで、もし今後、いまお話しましたが、今後の手続きの過程で内容に変更があった場合などの取扱いについては、私と事務局のほうとで調整させていただいて決めさせていただくということで、ご一任いただきたいと思います。よろしいですか。ありがとうございました。それでは、そういう形にさせていただきます。
 ちょっと時間が早いのですが、これで本日の議事は全てでして、本日ご審議いただきました総合評価と財務諸表についての意見については、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規定に基づき、当部会の決定が評価委員会の決定となります。また、政・独委への通知、公表の手続きが行われることになります。事務局から今後の予定についてお話していただきます。

○政策評価官室長補佐
 今後の予定につきましてご連絡いたします。本日ご審議いただきました法人の総合評価書につきましては、事務手続きを進めさせていただき、後日、委員の皆さま方に確定版を郵送させていただきます。また、総会のメンバーの委員の方におかれましては、8月31日の水曜日、14時から省内17階の専用第21会議室で評価委員会の総会が予定されておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

○猿田部会長
 どうもありがとうございました。それでは、少し時間が早いですけども熱心にご討議いただきまして、これでこの部会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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