ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(安全衛生分科会指定・登録制度改革検討専門委員会)> 第2回労働政策審議会安全衛生分科会指定・登録制度改革検討専門委員会(議事録)




2011年10月3日 第2回労働政策審議会安全衛生分科会指定・登録制度改革検討専門委員会(議事録)

○日時

平成23年10月3日(月)18:00~20:00


○場所

経済産業省別館 1014号会議室


○出席者

〈委員:五十音順、敬称略〉

市川佳子(代理藤冨健一)、今村肇、小畑明、瀬戸実、土橋律、内藤恵、三浦武男

事務局

宮野甚一 (安全衛生部長)
田中正晴 (安全課長)
亀澤典子 (環境改善室長)
中山理 (石綿対策室長)
小沼宏治 (計画課課長補佐)

○議題

1指定機関制度の見直しについて
2指定機関からのヒアリング
(1)財団法人安全衛生技術試験協会
(2)社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会
(3)社団法人日本作業環境測定協会
3その他

○議事

○土橋座長 少し時間が早いですが、関係者が全員おそろいですので、第2回指定・登録制度改革検討専門委員会を開催させていただきます。少し遅い時間からですがよろしくお願いします。
 最初に資料の確認を事務局からお願いします。
○中山石綿対策室長 今回第2回ということで、こちらの資料を配付させていただいています。資料1が座席表、資料2が委員会名簿、資料3-1が本日のヒアリング事項、資料3-2が「指定制度について」という制度概要、資料3-3が「指定制度に係るヒアリング事項について」ということで制度面の説明です。資料4-1は法人概要で、パンフレットとA4横のものがセットになっています。資料4-2がコンサルタント会の法人概要、資料4-3が日本作業環境測定協会の法人概要。以下参考資料1、2、3ということで、補足させていただいています。その下に、次回26日の登録ヒアリング項目シートがあります。一番下に第1回の資料をご参考までに配付させていただいています。以上です。
○土橋座長 資料のほうはよろしいですか。
 最初に申し遅れましたが、本日は和田委員、市川委員がご欠席ですけれども、定足数を満たしていますので、会議が成立していることになります。なお、市川委員においては、連合の藤冨様が代理でご出席されていますので、よろしくお願いします。
 議事に入ります。本日の会議では、指定制度、登録制度の2つを委員会では対象としていますが、1つ目の指定制度について検討することにいたします。
 まず、見直しについて資料の説明があり、次に、行政及び指定法人の方々に今日来ていただいていますので、説明をしていただき、その内容について不明な点等のヒアリングをさせていただくことになります。その後、指定法人の皆様にはご退席いただいて、説明内容やヒアリング結果を踏まえて、この会議としての改革の方向について議論していただくことにいたします。
 行政及び指定法人から説明を受ける内容やヒアリングを行う際の論点について、第1回の会議で委員の皆様に8月末までにご提出いただくということでお願いしまして、三浦委員から意見をいただきました。そういったことを参考にして、ヒアリング事項を整備してまいりました。その後、今村委員からも追加のご意見等をいただいて、そういったものを盛り込んだことになっていますが、それ以外にもご不明点が出てくれば、今日この場でヒアリングの中でご質問いただければと思います。
 資料3-1のヒアリング事項に沿って、論点となる事項ごとに議論を行っていく形で進めさせていただきます。資料について事務局、続いて指定法人の方からご説明をという形にお願いします。時間の都合もありますので、最初に事務局から10分程度、指定試験機関のほうで15分程度、指定登録機関の方で各5分ということでお願いします。
 事務局から説明をお願いします。
○中山石綿対策室長 資料3-2でご説明申し上げます。1頁は第1回の資料と同じですが、簡単にご説明申し上げます。それぞれ安衛法等に基づいて、クレーンの運転等については、試験に合格した者でなければできないとなっています。また、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタントについても安衛法に規定があります。作業環境測定士についても安衛法の第65条に規定がありますが、さらに測定法の第3条で、特定の作業については測定士に実施させなければならない、というものが根拠規定となっています。それぞれ法律に根拠がある各資格については、現在、法律に基づいて、厚生労働大臣が財団法人の安全衛生技術試験協会に指定しているところです。
 2頁から各資格の概要について説明がありますが、前回詳しく説明していますので、省かせていただきます。
 続いて資料3-3に移ります。ここでヒアリング事項についてこういったものということで、簡単ではありますが表形式でまとめているところです。まず、(1)はそれぞれの資格を指定法人に行わせている理由ですが、安衛法に基づく免許試験、クレーン等の関係については、従来は都道府県労働基準局で実施していたのですが、基準局の業務に支障が生じるということ、試験場の確保が困難なことから受験回数が制限されていたということで、昭和52年の安衛法の改正において、指定機関が試験を行うことになった経緯があります。
 また、労働安全・労働衛生コンサルタント試験についても、試験の受験者数が増加していることを背景として、行革の最終報告ということで、平成9年の要請もあり、行政事務の簡素化等の観点から、平成11年に法改正を行い、指定機関が行う形になっています。
 また、作業環境測定士試験についても、ここに書いていますように、行政側の事務能力の観点等から、昭和50年に制定された作業環境測定法で、指定機関が実施する形になっています。
 さらに、労働安全・労働衛生コンサルタントの登録についても、昭和58年の臨時行政調査会の最終答申、平成9年の行政改革会議の最終報告といったものに基づいて、行政事務の簡素合理化の観点から、定型的な事務ということで、極力民間に移譲する要請に基づいて法改正を行い、登録事務を労働大臣が指定する者に行わせることができるとした経緯があります。
 作業環境測定士の登録に関しても、昭和58年の臨時行政調査会の最終答申における行政事務の簡素合理化の観点から、民間に移譲する法改正が行われた経緯があります。
 (2)指定基準については、労働安全衛生法第75条の3に規定がありまして、そこに細かくありますが、経理的、技術的に試験が実施できるものの中から、かつ、一般社団法人、一般財団法人のものから、厚生労働大臣が指定をするという内容での規定となっています。
 3頁には、作業環境測定士試験の規定があります。こちらは、作業環境測定法の第21条が根拠になっていますが、こちらも先ほどの試験と同様に、第21条の第1項第1号、第2号で具体的な基準が定められているのですが、経理的、技術的等体制的に対応できる団体であって、かつ、一般社団法人又は一般財団法人の中から指定するというような基準が定められているところです。
 4頁に指定理由をまとめています。指定試験機関については、現在、(財)安全衛生技術試験協会を指定しているのですが、これについては3行目にありますように、高度の公正、中立性、斉一性が要求されるといった理由から、また、作業環境測定士試験を実施していた経緯もありまして、そこに関係したノウハウの蓄積がある当該法人に実施させることが効率的であるといった理由で選定が行われています。
 また、労働安全・労働衛生コンサルタント試験に関しては、同じような理由ですが、既に労働安全衛生関係の試験事務についてノウハウの蓄積があるということで、協会に実施させることが効率的であると整理をしています。
 その下の作業環境測定士試験については、作業環境測定法の制定後に大量の受験者が想定されることで、行政のキャパシティーの懸念があったことから、当該事務を行う法人として設立された経緯があります。
 指定登録機関の関係ですが、コンサルタントの関係については、コンサルタントの品位の保持及びその業務の進歩改善に資する事務を行うコンサルタント会に行わせることが、事務の適性の確保の観点からということで選ばれています。
 5頁のいちばん上です。作業環境測定協会はほぼコンサルタントの場合と同様の理由で指定が行われています。
 情報公開については、それぞれの法に指定基準等が規定されていまして、これについては公知のものとなっていますし、また、指定理由については、厚生労働省のホームページ等で公開が行われているところです。
 (3)指定機関を1法人に限定している理由ですが、指定試験機関については、全国斉一に試験を実施するため、指定機関を1法人に限定している。ほかの国家資格の試験についても、例外なく1試験当たり1法人という形になっています。指定登録機関については、登録事務の業務量から勘案すると、複数法人にさせるほどのものがないということで、1法人に限定しているところです。
 (4)コンサルタント及び作業環境測定士について、試験合格後に登録が必要としている理由ですが、労働安全・労働衛生コンサルタントについては、事業場の診断を行うために、企業秘密に触れる可能性があるということで、秘密保持の観点から、コンサルタントがそういった企業秘密を漏洩するといった場合については、登録の取消ということで、ペナルティーを科すといったことが登録制度であれば可能だという観点で置いているものです。
 作業環境測定士の関係も、高い倫理観を持って測定の依頼主である事業者と接し、公正な測定結果を提示することが必要ということで、こういった基準に満たない測定士については取消もあり得るということで、登録制度を設けているところです。
 6頁の(5)です。コンサルタント及び作業環境測定士について、試験実施者と登録事務者を別の指定法人に行わせている理由については、現在、一緒に実施させる方向で調整を行っているところです。現在、こういった委員会の場でご議論もいただいている状況です。
 (6)試験手数料の額に関しては、以下、各試験の試験ごとに具体的な積算根拠を列挙しているところです。いずれについても、人件費、物件費等を勘案して定めているところでして、これについては厚生労働省の政令で定めているところです。
 以上、時間の制約もありますので、簡単ではありますが、事務局からの説明とさせていただきます。
○土橋座長 ということで、資料3-1に項目がある中の、1の制度面について事務局方から説明をいただきました。審議については、このあとのヒアリングが終わった後にさせていただきます。特に資料の記載等で質問があればお受けします。よろしいですか。
 続いて、指定機関である(財)安全衛生技術試験協会から、まず15分程度を目処に説明をお願いします。
○(財)安全衛生技術試験協会飯田常務理事 事務局長の飯田です。よろしくお願いします。資料が2つに分かれていまして、縦方の「LICENSE」というマニュアルのコピーと、もう1つ、今回の質問に対してヒアリングの内容について大体盛り込んだ資料を別に作らせてもらっています。LICENSEの資料は古いものですので、大まかなところのみをこれで説明させてもらって、詳しくは横長の資料でもって説明させていただきます。
 LICENSEの2頁を開けてください。先ほど厚生労働省から説明がありましたが、設立は昭和51年で、3頁の上にありますように、作業環境測定士試験協会として設立されました。2年後に、例の免許試験を一緒にやるということがありましたので、(財)安全衛生技術試験協会と改組して、現在に至っています。昭和53年に改組して、実際には10月から、近畿安全衛生技術センターを皮切りに、翌年関東、九州、中部、中国四国、東北、昭和62年に北海道安全衛生技術センターということで、7つのセンターができまして、そこですべてやるようになっています。
 さらに、労働安全・労働衛生コンサルタントの関係については、平成12年から試験協会にその事務がきましたということで、平成12年から、労働安全・労働衛生コンサルタント試験も一緒にやるようになっています。組織図は別の資料で説明させていただきます。
 5頁を開けてください。免許試験等の種類一覧ということで、大きな幹がありまして、もともとは下の第一種作業環境測定士と第二種作業環境測定士から出発して、上の幹がずっと出てきたのが免許試験の18種類です。左にあるのが安全関係の12種類、右に衛生関係の6種類です。平成12年からは幹の真ん中辺りに労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタントの2つの試験が入って、いま現在このすべての試験を実施しています。
 6頁以降は、データが平成20年度の古いデータですので、資料4-1のもう1つの資料でもって具体的に説明させていただきます。
 資料4-1の横長の部分を開けてください。1頁目の「法人概要」。「基礎データ」と書かせてもらっています。組織は右のほうの下にありますが、理事長、監事、理事がいます。本部がありまして、北海道センターから九州センターまでの7つのセンター、本部の中には総務部、試験管理部、試験企画部、試験業務部と4つの部があります。
 左のほうの役員は、平成23年度については常勤2名、非常勤6名で、うち国家公務員出身者の常勤は0、非常勤は1名です。参考に平成21年度の分を挙げていますが、常勤3名、非常勤1名ということでした。職員はトータル87名。そのほかに非常勤の職員が11名います。87名のうち、OBの方がいまでは常勤30名、非常勤1名ということで、同じく平成21年度は常勤37名に比べて7名減っています。予算については、15.1億円で、国からの財政支出はありません。
 「主な事務・事業」ということで、先ほど来説明していますが、3つありまして、いちばん上にメインの免許試験の実施事務ということで、予算が13.2億円。国からの財政支出は0。コンサルタント関係については1.2億円。国からは同じく0。作業環境測定士試験が0.7億円で、国からは0という予算編成になっています。
 「組織体制」のところで右の上のところを申し上げましたが、管理部門の比率をわかるように出していまして、本部では30%、地方7つのセンターでは10%で、トータル15%という割合になっています。
 2頁は手数料の推移ということで、前の資料にもずっとあったと思いますが、説明としては、平成12年まで上がり続けてきましたが、免許については平成21年に7,000円に、平成23年に6,800円となっています。
 3頁に全体の収支状況が書かれています。右上に収支状況とありますが、先ほどの計算根拠に基づいてやっています。手数料は政令に規定されていまして、いまは6,800円です。平成19年度から平成22年度までの実績がここにありますが、収入、支出、収支になっています。平成20年度まではかなり受験申請者数が増えていまして、手数料のみの収入ですが、伸びていました。平成21年度、平成22年度ということで申請者の数が減っていまして、受験料との掛け算ですので収入が減ってきている状況です。
 左に主なフローということで作成から実施までの過程がありますが、大体試験をやる13週前から試験問題の作成に取りかかって、以下、このような形で試験をやることになっています。担当人員数は*のところにありますが、本部で11名。これは兼務も含んでいます。センターで69名。合計80名でやっています。
 実施体制ということで、下に試験の実施箇所・場所は全国の7つのセンターでやっています。数字については、あとでまた数字が出てきますので、地方全体の状況としては以上です。
 免許試験の概要が4頁にあります。右は割愛しますが、左に試験概要ということで、4年間の受験申請者の数、学科試験と実技試験についてあります。数字でここに書かれていますが、5頁以降にグラフにしていますので、その流れを見ていただければと思います。
 5頁には、学科試験の平成13年から長いレンジで平成22年までありますが、平成16年、平成17年、平成18年、平成20年がピークで、平成21年、平成22年ということで落ちています。
 ずっと飛びまして12頁に、実技試験の10年間の推移があります。やはり平成19年ぐらいまで上がってきましたが、平成20年、平成21年と下がって、特に平成22年は激減している状況です。
 いま、5頁から12頁に飛びましたが、6頁以降については、学科試験は18種類ありますので、それぞれについて10年間の推移を折れ線グラフにしてありますので、あとで見ていただければと思います。見るときに注意していただきたいのは、縦軸は受験申請者の数ですが、種類によって違いますので、10,000人の目盛のところもありますし、100人単位のところもあったりしますので、トータルとして見ていくのがいちばん正しいということで、5頁に全体のものを挙げています。ただ、1つひとつについてどういう動きかを見るときには、6頁から11頁のグラフを見ながら議論をさせていただければと思います。12頁が実技のトータルで、そのあと13頁から15頁にかけて、それぞれの実技の種類ごとの申請者の数ということでグラフにしてあります。
 いちばん多い14頁の右上を見てください。実技試験ではいちばん多いのがクレーン・デリック運転士。クレーン限定というものです。これを見ていただくと、平成21年から平成22年にかけて激減していることがわかると思います。これが先ほどのトータルのところに反映して、平成22年はかなり下がったと分析しています。
 16頁は、各センターで試験もやっていますが、都道府県で年に1回出張試験をやっていまして、それの申請者数の実績です。いちばん上の菱形が全申請者数です。それに対して四角が出張試験申請者数で、大体全体の中の3割ぐらいです。
 17頁はコンサルタント試験の概要です。受験申請者数の数は、平成19年度から平成22年度にかけて筆記試験と口述試験、安全と衛生に分けて記載されています。これをグラフにしたのが18頁以降にあります。
 18頁は、安全と衛生と両方合わせたものです。平成12年に試験協会に事務を受けまして、それからの動きです。ずっと減り続けていまして、今も減る傾向は変わっていない状況です。菱形の申請者が収入の基になるもので、実際の受験者は四角の折れ線です。三角が合格者となっています。
 19頁は、先ほどの安全と衛生に分けた安全の動きです。大体、数字的には安全のほうが多いものですから、このグラフの流れがトータルの、先ほどの18頁の流れになっています。20頁は衛生の動きです。絶対値が少ないのですが、平成20年、平成21年、平成22年と若干横這いぐらいできています。
 口述試験についても21頁にトータルの数値。これも全体的には右下がりという状況です。22頁が口述の安全の部分、23頁が衛生の部分です。安全と衛生の22頁と23頁でご説明しますが、四角が受験者で三角が合格者です。安全の場合はかなり高い合格率を持っています。それに対して、衛生は半分ぐらいの形になっています。四角のところが受験者なのですが、平成22年を見てください。受験者が301名ですが、そのうちの筆記の免除できている方が218名ということで、実際に受けている方の3分の2ぐらいのところが筆記免除で受けていまして、こちらのほうの合格率が下がっていると感じています。
 先ほどの17頁に戻っていただいて、いまの申請者の推移を見させてもらいました。右に試験問題の作成から実施までということでフローを書かせてもらっています。これも筆記試験と口述試験に分けていますが、この試験については、試験員ということで委嘱してお願いしています。実際には、このとき56人で、現在は51名に下げてやっています。4月から7月にかけて試験問題の作成から始まりまして、10月に実際の試験が行われます。12月までに発表をしまして、次の口述試験に臨んでいくと。口述試験は、大体1月から2月にかけて、大阪と東京で行われるということで、これについても試験員は平成22年度は46名でやっていますが、少なくする方向でいまやろうとしています。担当人員は4名ということですが、今年度から3名に減じて、本策の事業改善に貢献するということで努力しています。
 収支状況はその下にあるとおり、平成19年度から平成22年度まで若干よくなっていると言いましても、約1億円の収支マイナスという状況で、収入が受験申請者数×24,700円ですので、申請者数が下がってきますと収入が減っていまして、支出は努力をしていても、なかなかそこまで削減できなくて、1億4,300万円ぐらいの状況で、マイナス1億円強という状況になっています。
 24頁は作業環境測定士試験の概要です。受験申請者数は、大体一種、二種合わせて2,700人ぐらいで推移しています。流れについてもここに書いてあるとおりなので、時間の問題もありますので割愛させていただきますが、試験は第1回が8月、第2回が2月ということで、年2回やっています。
 収支状況は、右下にありますように、収入が、受験申請者数が減っていますので、だんだん減ってきていまして、支出も努力していますが、約4,000万円のマイナスということで、上のところで担当人員ということで、1年前は3人でやっていましたが、収支をよくするために、いまは1.5人ということで実際にやっています。
 25頁、26頁がその推移で、ほとんど横這いという状況がこの10年来続いているというふうに思っていただければと思います。
 収支状況については、27頁から平成21年度、平成22年度、平成23年度の予算について、特にどういう形で事業ごとにやっているのかというご質問もありましたので、それに対する資料としてここに付けさせてもらっています。
 総括表ということで、27頁に平成21年度の部分があります。国家試験事業ということで、大きく3つ、免許試験、コンサルタント試験、測定士試験と分けて管理しています。それ以外の「事業」と書いてありますが、いろいろとやらなければならないということで、たまたま平成21年度については受験者管理システムを自分のところで開発してやっていかなければならないというところで「事業」と書いていますが、基本的には支出が発生する状況です。そして法人、内部消去、合計という形です。これで見ていただくように、事業収入があります。法人のところについては、運用収入ということで、特定資産とか基本財産とか、何10億かの利子がここに入ってきています。右のほうに事業活動収入のトータル15億2,400万円ということです。事業支出が事業費の支出と管理費支出ということでして、ここまでを引いた形で先ほどのそれぞれ免許とコンサルタント、測定士の収支の数字が出ているものです。
 28頁が平成22年度の数字です。これも先ほどのように免許試験が落ちてきていますので、トータルでは、合計のところ14億2,500万円強の事業活動収入で、事業費支出と管理費支出を引いて8,600万円ということで、この段階では実力的には平成22年度は単年度マイナスの状況になっています。
 平成23年度の予算は、さらに落ち込むことが予想されますので、予算的には若干申請者数を落として、さらに6,800円という形で掛け算をしていますので、事業収入トータルは13億5,400万円強。支出については、努力はしていますが13億、管理費が1億9,900万円ということで、トータル15億円ぐらいで、マイナス1億5,700万円ということで、下の投資活動とかいろいろありますが、事業活動が実際の試験協会の実力というか、姿を表しているものだと思いますので、そこを見ていただければと思います。それぞれ免許試験、コンサルタント試験、測定士試験ということで管理しています。
 1枚飛ばして31頁をご覧ください。いまの数字のみだとわかりにくいところがあったかと思うのですが、平成11年からグラフにしました。基本的には、棒グラフが事業収支差額ということで、試験手数料の収入から事業費及び管理費トータルを引いたものが、先ほど言った実力のところの数字で、平成17年から平成18年、平成19年、平成20年と増えています。上の四角の折れ線グラフが申請者数です。ですから、この受験料×申請者数ということで、それがこういう形で出てきて、平成21年、平成22年と下がってきていますが、受験料との関係、申請者数との関係で上がるかと思います。平成12年に8,000円から8,300円に上げられています。ここでコンサル事業も一緒にやるようになりました。そのあと平成20年までがずっと8,300円できていまして、平成21年で7,000円に下がりまして、申請者数も下がったことから、ガクッと下がっています。こういう推移です。
 30頁の中の「免許」と「コンサル」と「測定士」を細かく、事業費というのはどういう支出の内容があるかということで、わかるようにさせてもらったものです。平成21年度から平成23年度の先ほどの総括表の事業費の項目を細かく出させてもらいました。いちばん上が受験手数料、受験申請者数、収入合計があり、職員給与からはじまり、事業費の合計がどうなっているかということで3年の推移です。
 コンサルのところも真ん中にありまして、いちばん右に測定士があります。いちばん下の事業費計を見ていただくとおわかりいただけるとは思いますが、コンサルは9,800万円から9,300万円、8,100万円ということでかなり努力して、いま経費削減に努めているところです。測定士試験についても5,600万円から5,100万円、4,600万円ということで、いま予算の段階ではこういうことで努力してやっているところです。
 具体的にどのような経費削減の努力かということがありましたので、口頭で申し訳ないのですが、いくつか申し上げますと、先ほど申し上げましたように、コンサルタントや測定士については人件費の削減、試験実施に関しては、いろいろな委員会があり、開催回数がかなりありましたので、その辺の全体会議を削減したり、コンサルタントの科目別の会議については50回だったのを33回に減らしたりということで努力をさせてもらっています。試験員の数も、クオリティを保たなければいけない試験ですので最低限必要ですが、56名から51名ということで縮減しています。会議の諸経費という意味では、資料の節約、午後からの開催ということで、昼食費をできるだけ節減しようということも含めてやらせてもらっています。問題を作ることによってお金がだいぶかかりますので、過去問を活用するとか、できれば協会の中で内製化することも含めて、いろいろな観点から努力しています。会議室についてもスペースが広い分については、今度返却することも含めて経費の節減をやっている最中です。オーバーしてしまったかもしれませんが以上です。
○土橋座長 引き続きまして、今度は指定登録機関、日本労働安全衛生コンサルタント会及び日本作業環境測定協会の2つのところから、各々5分程度で説明をお願いしたいと思います。資料3-1の2番に沿って、先ほど試験協会さんが説明しました。これからの部分は3番の指定登録機関について、いくつかありますが、こういった点を投げておりますので、こういった内容の回答も含めてご説明いただくことになっています。まず、コンサルタント会さんからお願いいたします。
○(社)日本労働安全衛生コンサルタント会藤田専務理事 コンサルタント会から、登録事務に関係したことを中心にお話を申し上げたいと思います。私はコンサルタント会の専務理事をしております藤田と申します。
 本会は、昭和58年に労働大臣の許可を得て設立されたものです。資料4-2が本日の資料ですが、コンサルタントの品位の保持と業務の進歩改善が、私どもの主たる目的でございます。また、それをさらに進めまして、労働災害の防止に関する専門的事項と技術の向上等に努力いたしまして、全国の事業場の安全衛生の水準の向上を図ることを活動目的としております。
 主な事業といたしましては、そこに書いてございますように7つほどあります。1番目の専門的技術の向上に関する調査・研究、2番目の労働災害の防止に関する人材育成及び技術水準の向上のための教育・研修などが主な事業です。さらには、国の施策への協力や国際協力に関する事業等も、併せて行っています。
 組織はごく小規模で、本部には5つの課がありますが、職員は6名です。支部は各都道府県に一応全部ありますが、大きな所と小さな所のばらつきが大きく、支部には専属の職員を置くことはなかなか難しい状況ではあります。組織図としてはそこに書いてあるとおりです。
 2頁は、今日の本題の登録事務のことです。登録事務の目的は、コンサルタントの信用や名誉を傷つけたり、業務に関して事業場などから知り得た情報を外部に漏らすなどしたコンサルタントに対しては、登録を取り消したり、その名称を用いて活動してはいけないということができるように、名簿として管理することです。試験に合格された方が、申請書等の書類を揃えて私どものところに直接いらっしゃるか、あるいは郵送で登録の申請をされて、私どものところで審査・確認をし、台帳に載せるということをしています。
 最近の登録者数の推移に関しては(2)のとおりです。この登録は平成12年から行っており、最初の頃はかなりの数の登録者がありました。それは合格者が多かったから、したがって登録者も多かったということです。最近はやや減り気味で、平成22年度については労働安全、労働衛生それぞれ113人、合計226人の方が登録されています。
 登録手数料は既に法律で決められていまして、3万円です。事務所の住所や名前の変更等があった場合には、書換をすることになりますので、それは2,450円ということです。
 6の登録事務の収支状況ですが、この数年、全体としては赤字基調です。それは偏に登録される方が少ない、さらには合格する方が以前よりは少なくなったということで、赤字基調であることが問題です。
 7番は、登録されて、さらに私どもの会に入られた方たちに対する資質の向上に向けたいろいろな実施していることです。主には、業務の進歩改善に資するための研修がかなり精力的に行われています。ここにある9つが主な研修事業です。
 それ以外に、ホームページは当然作っています。機関誌を発行し、安全衛生に関する情報や資質の向上に関する記事をタイムリーな形で出しています。当然、行政の動向や技術の情報、新しい技術ということがありますので、そういう情報の提供もしています。
 もう1つは、単にコンサルタント試験に合格したからすべてのことができるということではありませんので、生涯研修制度を作っています。いろいろな研修を受けたときには何ポイントというような形で、5年間で250ポイントを得ると、それを証明するような称号、名称を使うことをしています。例えば、労働安全コンサルタントで、5年間に250CPDをクリアしますと、「CSP労働安全衛生コンサルタント」というような称号を与えています。保健衛生の労働衛生コンサルタントですと、COH(Certified Occupational Health Consultant)、そういう名称を一応与えて、皆様の励みにしていただくことと、コンサルタントを使う企業の方たちにも信用が得られるような活動というものをしています。
 以上、簡単ですが、登録事務に関係した部分のみをご説明申し上げました。
○土橋座長 続きまして、作業環境測定協会さんのほう、お願いいたします。
○(社)日本作業環境測定協会飛鳥事務局長 資料番号4-3で説明いたします。
 まず、作業環境測定士とは何ぞやということで、ご説明しますと、昭和47年に労働安全衛生法ができ、その中で初めて、作業環境測定という概念が法条文に入ったわけです。それは数え方によっては11種類になりますが、いま石綿と特化物を一緒にしますと10種類になります。ここでは10種類と言わせていただきます。10種類の作業場所について、労働者の健康を確保するために作業環境測定を事業主に義務づけた条文です。その中には、温度を測る、湿度を測る、騒音を測るといった誰でもできる簡単なものもあります。しかし、鉱物性粉じん、有機溶剤、鉛など、特定のいろいろな化学物質の気中の濃度を測ることになりますと、化学的な知識と技術が必要です。これは先ほど国から説明がありましたように非常に重要な任務ですので、測定が正しいものであることが担保されなくてはいけないため、新しい資格が必要だということで、昭和50年、3年遅れて、「作業環境測定法」という法律ができ、作業環境測定士制度が導入されたわけです。事業場の中で測定士を養成して、自分のところの作業環境測定を行わせるというのが基本ですが、なかなかそうもいかない事業場もありますので、そのために、業として測定を行う測定機関というものも併せて導入したわけです。そういうことですので、作業環境測定士の資格は、一度取れば更新制度というのがありません。しかし、いろいろ技術も進歩しますので、自己研鑽、それをまた助けるというようなサポートシステムも非常に重要になってまいります。そういうこともあり、測定法そのものに法人の設立根拠が最初から入っており、昭和54年12月1日に設立をいたしました。
 法人の目的は、測定士の品位の保持並びに測定士・測定機関の業務の進歩改善に資するということです。
 3番目の主な事業としては、要するに測定を正確に行うことを担保するために、測定士・測定機関に対していろいろな技術的なサービス、研修等を行うことで、講習会、情報の収集・提供、精度管理事業、関係の書物の出版など、(1)から(6)までは技術的な会員等へのサービスです。(7)から(9)は国の指定を受けるもの。ただいまご審議いただいているのは(7)です。(8)と(9)は、作業環境測定士になるためには、試験協会さんの試験を受けた後に実技についての講習を受けなければいけないことになっており、それを私ども登録機関の1つとして登録を受けてやっております。(9)は、同じく厚生労働大臣の登録を受けて、紛じん計の較正を行っています。(7)から(9)はそういう意味で、公的な国との関連のある事業です。そのほかに、いろいろな関連学会等の連携や、作業環境測定を促進することは非常に行政上の意味もありますので、毎年9月を推進運動月間として、行政の後援をいただいたりしてやっています。適宜いろいろ行政等に協力をさせていただいています。
 組織は2部2センター6課で、職員は16人です。支部が13支部、ブロック別にあります。どちらかというと、会員の中からボランティアといいますか、支部長と事務局を選んでいただいて、本来は、本部が会員に対していろいろサービスを提供するのですが、東京に本部がありますので、地理的な関係でやはり近いところでもこうした基地があればいいわけですので、支部の単位でもいろいろ技術的な研修みたいなものを行うようにしています。組織は、会長、副会長、常務理事、事務局長、以下事務局です。会員は976会員。ちょっと減り気味ですが、正会員と賛助会員です。先ほど申しましたが、本来、自分の所の労働者が資格を取って行うことがいちばん良いということで、それを自社測定事業場と申していますが、それと測定機関が正会員です。賛助会員は法人と個人とあります。これらを合わせて976です。
 5番目の指定登録事務の概要です。従来は国のほうで行っていたものを、昭和62年4月1日より、前年度に指定を受け、私どもが行っています。測定士の試験に合格し実技講習を修了しても、その時点では測定士となる資格を有する者ではありますが、測定士となるためには名簿に登録を受けなければならない。登録事項は氏名、生年月日、測定の種別、どういう事業場の種類か、粉じんとか有機溶剤とかありますが、その種別、そういうものを登録するのですが、その事務を行っているわけです。
 (2)は最近の実績ですが、最近5年間で見ますと、平成17年度は試験協会さんの試験の合格者も多かった年ですが、これをピークに緩やかに下降気味です。1種、2種、書換等とありますが、1種の測定士、2種の測定士というように測定士に種別があり、1種のほうができる範囲が広いのですが、別々に登録しています。2種で合格した人が、自分のできる領域を広げるために1種になる場合があります。それは書換ということです。それから1種で、例えば粉じんだけの測定を許されていた人が、有機溶剤の試験も受けて合格したということになると、粉じんプラス有機溶剤ということで、これは従来の登録書の書換になります。いままで累計で、測定士の数とまた一致するわけですが、私どもが引き受けてから1種5,582名、2種7,603名で、1万3,185名になります。この前に国が行っていた部分も合わせますと、約2万7,000を超す測定士がいままで生まれています。ただ、全部アクティブかというと、そうではなくて、確かな数字はありませんが、たぶん6,000名弱ぐらいではないかと聞いております。
 登録手数料はそこにありますように、作業環境測定法施行令で規定されている料金です。
 登録事務の収支状況ですが、過去6年で見ると、収支にありますように、結構不安定です。平成17年度から平成20年度の収支差はマイナスで推移していましたが、ここ2年はプラスに転換しています。内容については書類の審査のところが大部分で、あまりその他の費用はありません。私どもはいままで特別会計で区分経理し、管理諸経費について全体の事業費支出の一定率を一般会計に組み入れていましたが、国の指導等もあり、それをとりやめ、特別会計の中ですべて処理するという、会計上の処理の仕方を変えたことが1つ原因になっています。そのほか、当然節約には努めています。
 作業環境測定士の資質向上に向けた取組状況ということで、冒頭申しましたように、測定士についてその資質を伸ばしていくことがいちばん重要なことですので、そこにあるようないろいろな精度管理事業やアスベスト問題について未知資料を配り、どのぐらいの分析力があるかをクロスチェックし、それに合格していないところについては指導するとか、いろいろな講習をしております。
 (2)ですが、特に行政のこの分野でのいろいろな動きも頻繁ですので、ホームページ、メールマガジン等により、タイムリーな行政情報の提供も含め、技術情報など、そうしたものの情報提供をしています。再教育ということも、支部でもいろいろしておりますが、当然、本部が計画的にやっています。
 (3)は、測定士は折角難しい資格を受けた人たちですが、法令上は作業環境測定だけしか明確に書いておりません。それではちょっともったいないので、欧米の「オキュペイショナルハイジニスト」という資格を意識して、自主資格として、もっと広くリスク管理ができる人材を育てるということで、自主資格の「オキュペイショナルハイジニスト」制度を運用しています。
 ここに書いていませんが、事業仕分けとの関連について触れさせていただきます。先ほども出ていましたが、この事業は来年度からは他機関、試験協会さんということを聞いていますが、移管する方向と理解しています。その場合、指定事業に関係する特定資産として、この登録事業についてはコンピュータに入力して、登録証を出したり、いろいろコンピュータ使っておりますので、従来からその基金ということで、特定資産として剰余金を積んできました。最近は積んでいませんが、平成18年度まで積んできた分が2,000万を超しています。この処理について1つ問題になりますが、これは最終的には指定事業ですので、国のご指示に従うこととしています。非常に公益的な区分会計をしている事業ですので、ほかの私どもの公益事業に使うこともなかなか難しいでしょう。国に返還することとか、いろいろ考えられますが、1つは、次に引き受けてくださる機関に寄付というような形も選択肢としてあるのかなということも考えています。私ども内部の規定も、寄付というようなことをいままでやったことがありませんので、少し調整が必要かもしれません。ちょっと長くなりましたが、以上です。
○土橋座長 ここまでのご説明に対しまして、質問等ございましたらお願いしたいと思います。
○市川委員代理(藤冨氏) ご説明ありがとうございました。本日、市川の代理で参加させていただいております藤冨と申します。よろしくお願いします。
 いまご説明をお伺いして、1点、ガバナンスという観点でお伺いできればと思います。第1回の資料を今回お付けいただいていますが、具体的には資料の1頁に整理合理化委員会の報告書の抜粋があって、いちばん左に指定制度、そのいちばん下の段の「また」以下に記載の通り、特定の法人が既得権として長期間にわたり指定による業務を実施するのではなく、より適切な法人が選定されるための環境整備も必要ではないか、といったことが書かれています。これを読みますと、指定法人は、一度指定を受けたからといって安心することなく、例えばクオリティが落ちる、サービスが落ちる、高いコストで仕事をするといったことがあれば、別の法人に指定を移すといったことが必要ではないかと言っているように見えます。
 私からは2点お伺いしたいと思います。1点目がガバナンスという観点で、第三者、国民の目にさらされる機会があるのかどうか。もう1点は、指定法人は一度指定を受けたあと、指定を取り消されることがあるのかどうか。これはもしかすると制度面の話かもしれませんが、皆さんの組織の中で、どのような運用をされているのかをお伺いできればと思います。
○土橋座長 最初に試験協会さんからお願いします。
○飯田常務理事 30年くらいやっていると思うのですが、いままでは指定を取り消されてはいません。
○(財)安全衛生技術試験協会大竹理事長 取り消される要件はあります。ですが、それに該当することはありませんでした。国民の目に直接触れることはないのですが、受験生、申請者、試験を受ける人の目にはさらされております。いろいろアンケート等を取って、受験生の意見、要望等をできるだけ取り入れるように、試験の業務の中に反映するような努力はしております。
○飯田常務理事 少し付け加えますと、公の目に触れるかどうかについては、ホームページに財務諸表はすべて掲載しておりますので、見る気になれば全部オープンで見られます。
○大竹理事長 ホームページは、本部と各センターでそれぞれあります。
○土橋座長 それでは、コンサルタント会さんはいかがでしょうか。
○藤田専務理事 私どもも財務諸表等はすべてホームページに掲載しておりますので、それをチェックすればある程度のことはわかるのではないかと思います。登録事務そのものについてのガバナンスというのは難しいのですが、公認会計士も付いておりまして、すべてのチェックはやられております。
○飛鳥事務局長 日本作業環境測定協会も一定事項、財務諸表をはじめとする事業計画、収支予算といったものをホームページで公開しております。いつでも電話等を通じていろいろ聞いてもらうということは常にオープンになっておりますので、そういう意味ではあまり不十分な点はないかなと思っております。
 ガバナンスという意味では、理事会、常任理事会で、常任理事会は年4回開いておりますが、そこでかなり細かい事柄について、経営上の問題も含めて議論をしております。当然、監事の監査を通じてガバナンスを図っております。
○土橋座長 よろしいでしょうか。ほかにいかがですか。
○小畑委員 試験料、登録料の手数料のレベルについてお伺いします。このレベルが妥当なのかという部分で、1つは諸外国の同じような機関と比べたときの金額レベルがどういう水準なのかを、もしわかればお聞かせ願いたいと思います。また、人件費・物件費を算出する積算根拠ですが、そもそもこの金額は財政が均衡するためにこの数字を出してきているのか、あるいは収支均衡型なのかということ、内訳を見ればわかるのですが、積上げ方の考え方の基の部分がどこにあるのかをお聞かせいただければと思います。
○飯田常務理事 外国についてはそこまで研究していないし、数字は持っていません。
 いまデータをいただきましたが、アメリカの「認定安全士」という民間のものがあるらしいのですが、これでいくと約2万円。ただし、2段階あって、2万円+2万円という手数料でやっているという情報をいただきました。
○土橋座長 日本の場合、それは何に対応するのですか。
○飯田常務理事 「認定安全士」というのはないのですが、コンサルタント試験に当たるのかもしれませんね。
○土橋座長 少し日本のほうが高い感じですかね。
○飯田常務理事 人数がどれだけいるかはわかりませんが、どのぐらいいるのですか。
○大竹理事長 受験者を含めると1,000……。
○飯田常務理事 1,000名ぐらいだそうです。
○土橋座長 コンサルタント試験はいくらですか。
○飯田常務理事 2万4,700円になっております。口述まで入れて2段階です。2段階いくと、こちらも4万になってしまいますので。我々の場合は2万4,700円で筆記と口述までやるという形になっております。ただ、受験料の積算となると、ちょっと難しいところがあるのですが、一応政令ということなので。基本的には、流れを見ながらそれに合わせるような形で決めていただいているのではないかと思うのですが、試験協会としてはどのように答えていいかわかりません。
○藤田専務理事 いまのご質問は、登録料も含めてのお尋ねでしょうか。
○小畑委員 そうです。
○藤田専務理事 登録料は、政令で決まって3万円ということになっておりまして、それ掛ける登録者数が収入ということになりますので、当会としては如何ともしがたいところがあります。それに携わる職員の給料が支出の大部分で、あとは電話料とか登録用紙の紙代がそれに加わる程度です。
○飛鳥事務局長 作業環境測定士の登録ですが、当初出したものは、人件費とそれに付帯するいろいろ物件費を積み上げて、国に提出してご判断いただいたということだと思います。その後、数年前に国でもう一度チェックをいただいたと思いますが、収支均衡というか、もちろんこれで儲けるという前提でやっていないことは確かだと思います。確かに、先ほど申し上げたように、これに必要なコンピュータの基金を現実に2,000万ほど積み上げてしまったという状況がありますが、あとから考えるとそうなのですが、これは随分長いことやっている事務でしたので、ともかくコンピュータが故障したらパーになるということもあって、また、従来コンピュータは高いものでしたので、そういった判断もあって積んできたのだと思いますので、一概に非常に不合理であったと言えない点もあるとお考えいただければありがたいのですが。
 収支の状況は、先ほど申し上げたようなことで、これは国にいつも認可申請をしておりますので、このように収支トントンという形で来ているのではないかと考えております。
○土橋座長 ほかにご質問はありますか。
○今村委員 いままで出ていない論点で、指摘としては競争的な考え方は非常に必要なのだと、つまり長期的に何か受託をしていることは、既得権として非効率を生むと言われていますが、私は必ずしもそうではないと思うのです。
 2つお伺いしたいのですが、市場ということがきちんと徹底されているかという視点と、もう1つもっと重要なのは、人という視点についてお伺いします。順番は逆になりますが、人について各指定試験・登録機関はそれぞれ、例えば安全衛生技術試験協会さんは常勤で30人の方を職員で抱えておられると。この人たちの持っているノウハウ、つまり適性かつ効率的とかいろいろなことがあると思いますが、クオリティの高い試験を維持するために持っておられる継続的に蓄積されたノウハウ、つまり、それぞれの協会で持っておられる特殊のノウハウ、逆に言うと市場メカニズム、つまり既得権を廃除して新しい参入者がどんどん入ってくるのが良いということであれば、参入するときにこれだけのことが必要だということ、逆に、これだけは一朝一夕には無理ですよというノウハウ、例えば試験をする方のいろいろな方々とのネットワークとか、きちんとした試験をすることができるような人材を集める力とか、いろいろなものがあると思うのです。そういう長期的な関係で、これは経済学では「取引コストを下げる」と言うのですが、そういう要素、ノウハウはどのぐらい持っていらっしゃるかをお伺いしたいと思います。
 もう1つは、簡単に言うと既に市場が誰か1人に占拠されていて、よそから入ってくるとそれが競争だということではなくて、仮に入ってこなくても、それぞれの組織の方々が1つひとつのところでコスト削減というか、細かなところで競争を意識してしっかりやっておられればいいだけの話なのですが、具体的に言うと、先ほどコスト削減に努力しているとおっしゃいましたが、入札とかそういうときに、きちんとした市場コストに見合った調達をしているかどうか。そういうことを1つひとつ各組織が、どの組織が入ってきてもこの程度のコストになるという客観的な努力のあり方みたいなものを、もしあれば教えていただきたいと思います。
○飯田常務理事 そういう意味では、試験委員がいないと試験問題も作れませんし、合否の判定もできませんので、試験委員が87名のうち40名います。その40名の内訳は、OBが23名、民間及びプロパーが17名という形になっています。もともと国の職員が直接行っていた国家試験を代行するということで設立された組織でして、最初は公務員の経験者を即戦力ということで活用してきたと聞いております。各分野の専門知識や安全衛生に関する幅広い知識、安全衛生に関する法律の知識を有していることは必須条件ということもあって、総合的に見て、安全衛生分野の公務員経験者がこれらの要件を満たすと考えて置いてきたと思います。
 先ほど、民間及びプロパーから17名と申し上げましたが、実際には民間の方は全部の試験委員にはなれなくて、まずクレーン・デリックを中心にやってもらっています。いま、17名のうち11名がそちらで、あと6名が10年や15年こういう仕事をやってきましたので、安全全般について見られるようになってきていると。ですから、一朝一夕では試験委員は難しいのかなと。ただ、事務の問題についてはプロパーの方でも十分やっておりますので、そういう意味ではコストを含めて考えているところです。特に今年辺りは、いま作っていますが、長期で人材育成をやらなければいけませんので、10年、15年のキャリアプランを、各プロパーの若手の5年や10年の選手を見ながらやっていこうということで、単なる事務だけではなく、試験委員に育てていこうと考えております。そういう意味で、かなり難しい要件資格があると考えております。
○今村委員 2点目ですが、コスト的に、どの組織が入ってきてもこのコスト以下ではできないという客観的な努力というか、事実というか、証明みたいなものは何かやっていらっしゃるのでしょうか。
○飯田常務理事 どの組織が入ってきてもということですか。
○今村委員 つまり、この試験にはこのぐらいのコストは最低かかるというようなことです。
○飯田常務理事 そういう意味では、私も去年民間から来た者ですが、計算してみると、かなり努力して余分なところは削減しながら動いているとは感じています。
○今村委員 客観的に、評価委員会とか外部評価みたいなことはやっていらっしゃるのですか。監査はもちろん入るのですが、それ以外にコスト削減の努力とか外部の評価みたいなことはやっていらっしゃるのですか。
○飯田常務理事 外部からはないですね。厚生労働省の総務課からは来て見ていただいていると思っています。
 いま総務部長から伺ったのですが、公認会計士の監査はきちんと受けていますし、いろいろな費用については相見積りを取りながらやっておりますので、客観的にそういうところは何とかクリアしているのではないかと思っています。
○藤田専務理事 コンサルタント会の登録事務に関しては、事務的なことを確実に行うこと以外にありませんので、職員のノウハウと言ってもなかなか難しい。コストについても、先ほど申し上げましたように、ほとんどが人件費及びコンピュータ類のもので、申請されたものを間違いなく登録して、それを長く保存していくのが基本的な職務ですので、それを粛々とやっていくということで、コスト削減の余地は非常に少ないということだろうと思います。現在でも、先ほどお示ししたように赤字基調ですので、いままでの繰越金を食っている形で何とかやっていくというところで、もしほかに競争者がいても、これ以下のコストでできるということは到底考えられないと思っています。
○飛鳥事務局長 登録事務だけに限りますと、コスト削減とかノウハウとか、そういう余地はそれほど大きいとは言えないと思います。全体として、協会としてはいま先生がご指摘のように、いままでの長年のノウハウ、人間的なネットワークもありますので、例えば測定士に対する講習について、非常に優れた講師陣だとか、測定のための技術的な書籍を作らなくてはいけませんが、そういうものの執筆者、石綿等の問題が生じればすぐに対応しなければいけませんが、石綿の分析技術等について検討して国に上げるとか、そういった意味でのネットワークは有しております。ただ、職員自体が一級の専門家かというと、残念ながらそういったネットワークの中に入って同格でやれる者は何とかそれを保持していきたいし、一応いるという状況です。全体として16人しかおりませんが、ドクターを取ったものが4人ぐらいおりますし、そういう中でのいろいろな勉強は十分させるつもりです。
 節約という意味では、3年前に法人自体の決算で4,000万も赤字を出したということがありまして、それがいままでの形でただやってきたという感じがありましたので、私が先頭に立って、人件費も1年前からは3人ぐらい減らしておりますし、いままで随意契約的なものも多かったのですが、全くそういう時代ではないということで、普通の組織に近づけたということかもしれませんが、全部競争的な雰囲気にして、講師の謝金等もだいぶ切らせていただき、経費全体について相当見直しております。
○飯田常務理事 1つだけ言い漏らしたのですが、試験をやるときに試験監督員が必要なのです。これはうちの事務員が中心にやるのですが、例えば、この間東京の出張試験ということで、約4,000人が早稲田大学に集められてやったのですが、ここでは4人や5人の試験監督員ではなくて、80人ぐらい必要になります。その80人ぐらいをどう集めるかというと、基準協会さんやボイラ協会さん、クレーン協会さんのそれぞれの協会の人たちにお手伝いしてもらっているということで、これはおそらくネットワークとかそういうノウハウになるのではないかと思っています。
○大竹理事長 試験協会からですが、7つのセンターがあるのですが、それぞれのセンターでコスト意識を持ってもらおうということで、各出張試験でいろいろ経費がかかるわけですが、その経費が受験者、申請者1人当たりどれぐらいなのかが見える形で、このセンターは1人当たりこのぐらいの経費でやっている、なんでできるのか、うちはできないのかといった形で、よそのセンターと比較して、各センターの所長はそこのセンターの経営者ですから、そこでいかに収支を良くするか、支出を減らして効率的に運営できるかということをやってくださいとお願いして、そういうことを始めるようにしています。
 もう1つ、出張試験も各都道府県でやっています。そうすると、どこの出身者、どこの県の人が来るとか、出身者の内容もわかります。それによって、本当にその場所でやるのがいいのかどうなのか、あとあと受験生の便利になるような、また、試験を受ける人が増えるような、便利になれば結果として増えるのではないかと、そういうデータをよく見て解析して、受験場所、出張試験をやるなら出張試験をやる場所が本当にそこでいいのかどうか、いろいろな検討も今後していきたいということです。いろいろデータがある中で活用して、検討していきたいと思っています。
○瀬戸委員 ご説明ありがとうございました。大変参考になりました。確認ですが、日本作業環境測定協会さんの2頁の登録事務収支状況、日本労働安全衛生コンサルタント会さんもそうですが、これは、この登録事務に関わる特別会計ということでよろしいのですね。
○飛鳥事務局長 はい。
○瀬戸委員 日本作業環境測定協会さんの2頁の6ですが、単位は千円ということですね。単位が記載されていませんが。
○飛鳥事務局長 1,800万ぐらいの総額ですが、どこをご覧になっているのか。
○瀬戸委員 2頁の「6 登録事務収支状況」ですが、この数字の単位は千円でよろしいのですか。
○(社)日本作業環境測定協会斎藤総務部長 そうです、失礼しました。
○瀬戸委員 先ほどのご説明で、平成20年度まで収支の差額を一般会計に繰り入れていたというお話があったかと思いますが、それを厚労省のご指導によって、平成21年度から一般会計への繰入れは行わなくなったということでよろしいですね。ですから、平成17~20年度は一般会計に繰り入れていたということですね。
○飛鳥事務局長 はい、事務費として。
○瀬戸委員 一般会計へ繰り入れないとすると、この収支はどんな感じなのですか。やはりマイナスみたいな形にはなるのですか。
○飛鳥事務局長 その分を繰り入れないことで計算しますと、各年度若干のプラスになります。
○瀬戸委員 日本労働安全衛生コンサルタント会さんの2頁の5の(1)で、1に設置目的が書いてあって、「コンサルタントの信用や名誉を傷つけたり、業務に関して事業場などから知り得た・・・に対し、登録を取消し」ということがあります。これは本旨とは違うのかもしれませんが、実際に登録を取り消された例はあるのでしょうか。
○藤田専務理事 1例あります。これは試験資格を偽証したというか、事実でないことを書いた人が1人いまして、その方は最終的に抹消しました。
○瀬戸委員 それは登録された方の取消しということですね。
○藤田専務理事 そういうことです。
○瀬戸委員 もう1つ、安全衛生技術試験協会さんの28頁の収支計算書総括表ですが、御協会の国家試験業務とそれ以外の業務を含めたすべてということでよろしいですか。
○飯田常務理事 はい。
○瀬戸委員 ここに「法人」と書いてあるのは、どういう種類の費用ですか。
○飯田常務理事 これは直接の事業に関係ないところで、例えば法人の基本財産運用収入は、基本財産を持っていますので、それが積んであると利子がついてくるとか、特定資産もそうです。利子収入というのは、ほとんどそういう形で考えていただければと思います。
○瀬戸委員 その隣に「内部取引消去」とありますが。
○飯田常務理事 これはちょうど±0になるようにするために「内部取引消去」という項目を設けて、トータルで合うように、計算のために置いているだけで、事業でも何でもなくてそういう項目を置いているだけです。
○瀬戸委員 国家試験事業で言うと、免許試験がプラス、コンサルタント・測定士試験はマイナスと。これは3、4を相殺すると若干のプラスということかもしれませんが、31頁で御協会の事業性の推移というか、平成22年度でマイナスになる。平成23年度の予算についてもマイナスと。これは御協会の事業全体ですから、試験料等は別なのかもしれませんが。
○飯田常務理事 一緒です。28頁に「事業活動収支差額」があると思いますが、管理費の支出も含めてですが、これが実際の事業の収入と事業活動の支出で、これで見ますと、免許試験が実際には2億1,198万2,000円のプラスになっております。コンサルタント試験が1億885万2,000円のマイナスです。測定士試験がマイナス4,136万になっております。受験者管理システム開発とは何かというと、システムを開発するためのものですので、支出がほとんどかかっていて、事業支出のマイナス1億7,200万、法人のところでは利子収入で2,382万のプラスですから、これをずっと足していくと、マイナス8,694万3,000円という協会の実録の数字が出てきております。下の投資活動などは差し引いた形です。それで、この一連のグラフを作っております。
○瀬戸委員 そうすると、受験者管理システム等開発事業というのは、この国家試験事業を受けていなければ当然発生しない費用ということですね。
○飯田常務理事 この国家試験をやる受験者のためのシステム開発をしなければならなかったわけですので、これを別の形でやっていますが、本来は割り振っていかなければいけない費用にはなると思います。今後については、いままでは国がやってくれていたものを協会が独立でやらなければいけないということがありましたので、開発ですから平成22年度で終わりまして、今年度はそれは入っていません。ただ、今年度からそれを動かすための運用費がかかってきますので、それは事業費としてそこに割り振っていく形を考えていかなければいけないと思います。
○瀬戸委員 平成23年度の予算の収支状況を見ますと、マイナスが平成22年度よりも大幅に生じる可能性があると。その中で、7,000円から6,800円と手数料が下がっているということで、これは厚労省の政令で定めるということですから、そちらのほうで、いや、このぐらいの金額ではとてもできませんよみたいな話はないのですか。
○飯田常務理事 人数×受験料ですので、それはあるとは思いますが、これを見ていただければ国家試験の中で3つに分けていますが、免許試験も事業活動収支ではマイナスになってしまっているのは事実です。
○瀬戸委員 受験者を増やすとかそういう努力は、御協会では自ずと限界みたいなものがあって。
○飯田常務理事 少しは自分たちの努力でやらなければいけない部分もあると思いますし、先ほど理事長が申し上げたように、出張試験のやり方とか利便性を図りながらどこまで増やしていけるかということはありますが、トータル的には厚生労働省の力も借りなければいけない部分だと思います。
○瀬戸委員 ある程度の努力をすれば増える可能性はあると。
○飯田常務理事 それはわかりませんが、少しはそういう努力をしていかなければいけないかなと思います。必要に応じて資格を取る方も多いのですが、いま、いろいろな市場の情報を捉えようとしているのですが、あるセンターでやったデータで、会社で資格を取りなさいと言うだけではなくて、この2、3年は転職等に有利だから資格を取ろうとか、自己啓発のために資格を取っておこうというのが若干増えてきております。特にボイラーなどは、転職のために有利だからということでそういったことが増えてきていますので、時代の背景も含めて変わってくるだろうと思います。
○三浦委員 コンサルタントのことでお聞きしたいのですが、平成19年度、平成20年度、平成21年度、平成22年度の試験代が1億800万の赤字となっています。今後、労働者が非常に減っていく中で、受験者も減ってくるのではないかということが想定されるのですが、この辺りの検証と改善というか、4年間もこのままマイナスだったという、この辺りの改善したものは何かあるのですか。中途半端な改善では全然足りないですよね。大幅な改善をやっていかなければいけないというような。
○藤田専務理事 平成12年からこの登録事務を私どもはやっているのですが、最初のころに非常に多くて、先ほど申し上げたように繰越金があったわけですが、それを食っていく形になってきたわけです。労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタント、それぞれ受験者を増やそうという努力は学会等いろいろな場面でしておりまして、それがどの程度効果があるかというのは難しいところです。今後極端に増えることはないとは思うのですが、現在程度、あるいはもう少し多いぐらいの合格者はいけるのではないかと思っております。と言いますのは、各企業が安全に関して非常に重要なことだという認識で、企業自身が労働安全コンサルタントを養成する所もありますし、保健衛生コンサルタントでは、産業医をやっているような方たちが労働衛生コンサルタントの資格を同時に取得することもありますので、今後どんどん減っていくことはないと。いまよりは受験者も合格者も少しは増えていくのではないかと予測しております。いずれにしても、登録手数料が固定されておりますので、それ掛ける登録者の分しか収入がないわけです。ですので、年によってはかなりの赤字になることはあります。それが現実的なところです。
○三浦委員 試験の開催方法なども見直すことはないのですか。コンサルタントなどは年間800人とか、そんな受験生ですよね。そうすると、1回開催当たりの受験者数が非常に限られたようなところもあるわけです。そういう形の中で、労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタントを抱合せでやるとか、試験の回数を調整するとか、そういう改善の中でできないのかなと。
○飯田常務理事 いまの質問ですと試験協会の内容ですので、私からお答えします。いま、コンサルタント試験は安全と衛生と一緒にやっております。しかも、筆記試験は年1回だけです。ただ、口述試験については、場所的なこともあって大阪と東京の2カ所でやっておりますが、これから東京だけにしていくとか、いくつか考えていかなければいけないところがありますし、会場等の経費もできるだけ安い所を探すということもあります。人件費については、先ほど説明しましたように、我々の所は4人から3人に減らしてやろうとしていますし、委員の先生方の数も少しずつ減らして、謝金を減らしていく努力はしております。これから、さらにそれを進めていかなければいけないと思っています。
○大竹理事長 ただ、経費節減でも限度があるのです。
○三浦委員 そうですね。そうすると、何かを見直さないといけないことになりますね。
○大竹理事長 コンサルタントを受けたいという人を増やさない限り、いまの収支を改善するのは、経費を節減する努力はしますが、資格を取りたい人が増えない限り難しいかなと思います。
○三浦委員 逆に言えば、30頁を見ると、免許試験とコンサルタントと測定士の3つ合わせて、試験関係がようやくプラス2,400万ぐらいですね。2つの項目が約5,400万のマイナスで、1つがプラス8,000万という抱合せの中で何とかプラスになっている感じですので。
○飯田常務理事 結果的にはそういう形です。
○土橋座長 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、質問も十分出たと思います。ヒアリングはここまでとさせていただきます。指定法人の方にはご退席をお願いします。ご対応ありがとうございました。
(指定法人退席)
○土橋座長 それでは、ここまでの行政側からの説明、指定法人からの説明、ヒアリングを踏まえて、この会議としての改革の方向性を議論してまとめていくことになります。今日は8時までの予定であまり時間がありません。十分な議論は難しいと思いますので、今日のヒアリング等を受けてのご意見、あるいは問題提起がありましたら、各委員から時間まで伺いたいと思います。いかがでしょうか。小畑委員から順番に、ご意見等がありましたらお願いします。
○小畑委員 特にありません。
○市川委員代理(藤冨氏) 私から1点、ガバナンスの観点でお伺いしたのですが、法律上は取消の要件はあるということでしたが、一方で国民の目にさらされるという意味では、例えばホームページの財務諸表の掲示といったお話が多かったとお見受けしました。もう少しガバナンスというか、国民の目にさらされるような会議体なのか、また別の場なのかということがあったほうがより良いのかなと思いました。
○宮野安全衛生部長 若干補足しますと、取消があるのかどうかについては、法律上こういう場合については指定を取り消すことができるという規定は、今日お呼びした法人に限らず、こういった指定法人については基本的にすべての法人にあります。ただ、先ほどありましたように、現実の問題として、指定が取り消されるような事態というのはよほど大きな、運用としては、例えば不祥事が発生するようなものでなければ、おそらく起こり得ないだろうと思います。したがって、1つの指定法人がかなり長期的に一定の業務を担っていくというのが現状実態になっている。それが、先般の整理合理化委員会でご指摘をいただいたように、既得権という形になっているのではないかというご指摘を一方でいただいているという実態があると思います。
 さらに、民間のガバナンスという点では、これもそうした指定法人については国の業務を国に代わってやっていただいている形なので、事業計画や収支予算、決算については国が一応チェックをすると、法律の規定ではそうなっています。一方で、今日もご議論にあった手数料の関係にありますように、国のチェックの仕方も、実態上これまでを見れば不正経理がないだろうかとか、専らそういう観点のチェックが中心になったと思っています。したがって、効率的に事業が行われているかどうかまで、我々としてきっちりチェックできていたのかどうか。手数料についても、先ほどの資料にありましたように、人件費やそれ以外の経費についてそれぞれの団体から出していただいて、行政としてもそれをチェックした上で、手数料は国が政令で決めているわけですが、団体の側のコスト削減の努力がどうだったのかということと併せて、行政側がこれまでコスト削減の観点からどこまでチェックができていたのかどうかについても、ご議論いただく必要があるだろうと思っています。
 いま、まさにこういうご議論をしていただかなければならないような背景の中で、そういった点についてどのような改善が必要なのかということが重要だと思います。もちろん、そういった点を考えて、国としてもきっちりやらなければいけませんが、また、ガバナンスという観点で民間の方のご意見を入れるべきなのか、そこも論点になるのかなと考えております。
○今村委員 私は簡単に3つほど申し上げます。1つは、先ほど質問したように、その組織が持っているその組織ならではのスキル、ノウハウ、ネットワークといったものは、そう簡単には代替できないものだと思います。特に安全衛生技術試験協会は、お話を聞いていると、もともと当時の労働省の職員の方が入って設立されたと。そういう意味では、法律も含めてかなり深い政策的ノウハウを持っていないとできない組織であるということは、代替不可能な組織だと。ただ、安全衛生コンサルタント会等は、質問に対しても特に自分たちのノウハウはないとおっしゃっているので、もしかしたら代替可能性があるのかなと。我々も組織ごとに、制度ごとに切り分けて考えていかなければいけないのではないかというのが1つです。
 ただ、これはほかの厚労省の委員会でもよく議論になっているのですが、競争入札がすべてOKということではなくて、いろいろな弊害が出てきていて、先ほど言いましたように、長期的に安定的な信頼関係を築くことが、いかに全体的な行政コストというか、いろいろな意味で政策コストを下げるかが非常に重要だと思うのです。だから、随契すべてが悪いということではなくて、信頼関係でいろいろなノウハウや人材を持っていることがむしろコスト面ではプラスになるのだと、つまりクオリティとコストを比較すれば、コストパフォーマンスが非常に高いのだという視点が必要ではないかと思うのです。だから、先ほど衛生部長がおっしゃったように、行政側としてどのようにコストの削減に介入していったかというポイントで議論をしていくべきだと思います。
 そのときに重要なのは、賃金体系や給与体系の問題だと思うのです。ラスパイレスとかそういう比較の仕方もあるでしょうし、年功賃金の形で継続して雇用されていれば給与が自然に上がっていくというのは、完全にコストの上昇要因になる可能性がある。そういう意味で、組織の中に関して、もう少し客観的にコスト削減の余地があるのではないかという観点から議論することが必要なのではないかと思います。
○内藤委員 私は8月の最初の会議を欠席したので、的外れなことを申し上げるかもしれません。最後に三浦委員からご質問が出た点などを考え合わせたときに、試験をするのは試験協会のご担当であると理解しても、それと登録制度を分けている意味はどこにあるのでしょうか。いまのお話を拝聴しますと、登録に関してあえてこういった協会を作る意味はどこにあったのかという点を、いま一度お教えいただければ幸いです。私は知識が十分ではないので、単純にそれをカットしてしまえと申し上げるつもりはありません。ただ、わざわざ2つ、あるいは3つの協会に分離する意義が果たしてあるのだろうかという疑問を感じました。その点のみご質問させていただきます。
○中山石綿対策室長 いままで分けていたのは、各業界団体が登録をやっているのですが、先ほど説明がありましたように、それぞれ自分たちの業界をレベルアップする努力をやっていますので、そういった所にやらせることが全体のレベルアップの観点から良いのではないかという判断があったかと思います。確かに、一方でコストの面や登録する側の利便性からすると分けなくてもいいのかなと。一緒にやってしまったほうが効率的な面もありますので、いまの議論においては一緒にする方向で、こういった場で議論をいただこうかと考えております。
○瀬戸委員 先ほどのお話の中で、政令で定めている手数料等の金額について、協会なりが提示してきた金額を基に政令で定めているというお話だったかと思いますが、それは厚労省としてきちんと精査しているというか、協会の言い値ではなくて、そこは検証されて政令の中で反映されているのでしょうか。
○宮野安全衛生部長 そこは資料3-3の7頁以下にありますように、それぞれの試験について1人当たりの人件費がこれだけ、物件費がこれだけといった積算で、試験の費用がいくらということで、この人件費や物件費についてはそれぞれの団体から出していただいているわけです。それを、当然私どもとしても精査した上で試験料を決めている形になるわけですが、一方で、精査をしている程度がどこまでだったのか。現実の話をすれば、いま説明がありましたとおり、こうした形で人件費・物件費を出していただいて、免許試験の試験料なりを決めているわけですが、先ほどの資料にもありましたとおり、免許試験、コンサルタント試験、測定士試験でのそれぞれの収支が大きく異なっているという現状になっています。その辺りをどう評価すべきなのか。
 一方で、これは非常に難しい問題だろうと思いますが、全体としてそれぞれの試験を合わせた形で収支の均衡が図られている形になっておりますが、それぞれの収支がバラバラですから、これは免許試験の黒字でコンサルタント試験や測定士試験の赤字を埋めている形ですから、免許試験だけに限れば、本来もう少し安い費用でできたのではないかということになるわけです。コンサルタントや測定士については、本来もう少し高い費用が必要なのではないかという論点になろうかと思います。一方で、資料3-2の最初にありましたように、免許試験についても作業環境測定士の試験についても、一定の作業についてはこうした免許なり資格を持っていなければできない試験であると。コンサルタントについても、免許試験や測定士の試験とは若干異なりますが、法律に基づいた資格であると。こういったものについて、資格を取得するにあたっての費用負担のあり方をどう考えるのかも含めて、考えなければならない問題だろうと思います。
 そもそもこういった免許、あるいは資格そのものの必要性は、行政そのものとして考えなければならない問題ではありますが、いずれにしても法律のあり方、資格・免許制度のあり方は別としても、いま申し上げたようなことで、まさにこの専門委員会でご検討いただきたいのは、こうした免許制度、資格制度はいずれも公的な性格を持つものですが、その運用を国が直接やるのは難しいということで民間にお願いしているわけですが、そのやり方としてより効率的な仕組みが図れるかどうかだろうと思っています。
○三浦委員 先ほど言いましたが、免許制度の中でも実技試験関係でも420回試験をやられていて、受験者数が6,635人、15人と。1項目で実技があるのが5種目しかないという中でいえば、1種目で84回の試験を年間やっている形になっていますが、これが本当に妥当な試験回数なのかどうか。この辺りも腑に落ちない感じがするのです。
○宮野安全衛生部長 おそらく、先ほどのコストの問題というのはやり方と密接に関わってくる問題なのだろうと思っています。
○今村委員 先ほど聞き忘れたのですが、これは政策担当の方にお伺いしたいのですが、例えばクレーンやボイラーはちゃんと勉強して資格がないと動かせないから、明らかに資格は必要だと思いますが、安全衛生コンサルタントのようなものはどの程度の安全衛生に貢献したかという客観的な指標、それはコストパフォーマンス、コストベネフィットの問題だと思いますが、そういう把握の仕方はしていらっしゃるのかなと、先ほどの話を聞いていて思いました。安全衛生コンサルタントにお金をかければ、これだけ職場の安全衛生が向上するのだという客観的な指標があるのかどうか。
○事務局 大変難しい問題だと思いますが、省内事業仕分けのときにもそういうお話がありまして、そのとき使った資料が今日の資料3-2の2頁の部分です。コンサルタントというのがあって、下から2番目の箱で、具体的にどれぐらい労働災害が減ったかという指標はないのですが、どのぐらいの事業場に行って実際指導をされたかという指標で、これぐらい活動されているというのが実態です。8,000名余の方が登録をされているわけですが、その中で本当に活動されている方がどのぐらいいるかはなかなか把握し切れない部分がありまして、この数字も、コンサルタントとして登録しているわけではなくて、コンサルタントとして登録した上に会の活動に賛同されて、自ら会費を払って会員となっている方の活動状況ということで、実際は8,000人の4分の1ぐらいの方のようですが、そういった方でこれぐらい活動しておられるというところまでしか掴めていないという実態です。
○土橋座長 ほかにいかがですか。よろしいですか。
 それでは、いろいろご議論をいただいて、予定以上に時間がかかってしまいましたが、既得権益的な部分についてはもう少し緊張感を持ったシステムにしていくほうがいいのかなということ、あるいはコスト面ではもう少し制度の改革等も必要ではないかということが少し見えてきたような気がします。もう少し細かい議論をしてまとめていくことになりますが、今日そこまでやるかということも考えていたのですが、時間切れになりましたので、次回以降に調整したいと思います。その辺りは、今日の意見も踏まえて資料を用意してやりたいと思います。
 本日は以上といたしますが、本日の議事録の署名につきましては、小畑委員と三浦委員にお願いします。
 今後のことについて、事務局からよろしくお願いします。
○中山石綿対策室長 次回は10月26日(水)18時から予定していたのですが、今日の議論が時間切れになってしまった部分もありますので、26日の前にもう1回やるかということも含めて、座長とご相談の上、皆さんにご相談申し上げたいと思います。ただし、26日(水)18時からという日程自体は予定どおり行いたいと思っておりまして、それに関してはヒアリング項目シートを配付していると思います。これについては11日までに、追加のご意見、あるいは修正のご意見等がありましたらお寄せいただければと思います。
 それでは、以上をもちまして、第2回の会議を終わりにしたいと思います。皆様、遅い時間までありがとうございました。
○土橋座長 次回のヒアリングについては、最後の「登録機関のヒアリング項目シート」ということで、一応このようなことを考えていますが、さらに追加したほうがいいとか、修正したほうがいいというご意見があれば、10月11日までにお寄せいただきたい。次回以降については、少なくとも10月26日はやりますが、それ以外に追加でやるかどうかはご検討いただくことにいたします。以上で終了いたします。どうもお疲れさまでした。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(安全衛生分科会指定・登録制度改革検討専門委員会)> 第2回労働政策審議会安全衛生分科会指定・登録制度改革検討専門委員会(議事録)

ページの先頭へ戻る