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2011年7月12日 独立行政法人評価委員会(第28回)議事録

○日時

平成23年7月12日(火)10:00~11:30


○場所

厚生労働省専用第15、16会議室


○出席者

猿田委員長、山口委員長代理、五十嵐委員、今村委員、岩渕委員、内山委員、大島委員、加藤委員、金倉委員、清水委員、高瀬委員、高田委員、竹原委員、武見委員、田極委員、田宮委員、平井委員、松尾委員、真野委員


○議事

(以下、議事録)
 
○政策評価官
 定刻になりましたので、ただいまから第28回厚生労働省独立行政法人評価委員会総会を開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日は、新しい任期の下での1回目の会合となりますので、後ほど委員の皆様方に委員長をご選出いただきます。それまでの間、私、政策評価官の篠原が進行させていただきます。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様方をご紹介させていただきます。皆様方には、先に辞令を郵送させていただきましたが、厚生労働省独立行政法人評価委員会委員として、本年6月30日付で厚生労働大臣の任命が発令されております。資料1に基づき、五十音順にご紹介させていただきます。五十嵐委員は留任です。今村委員は留任です。岩渕委員は留任です。内山委員は留任です。大島委員は留任です。加藤委員は新任です。金倉委員は新任です。猿田委員は留任です。清水委員は留任です。?瀬委員は新任です。高田委員は新任です。竹原委員は留任です。武見委員は留任です。田極委員は留任です。田宮委員は留任です。平井委員は留任です。松尾委員は新任です。真野委員は留任です。茂庭委員は留任です。安浪委員は新任です。山口委員は留任です。和田委員は留任です。
 本日はご欠席ですが、新任で石渡委員です。留任で川北委員、祖父江委員、田村委員、永井委員、御園委員、宮本委員です。委員の紹介は以上です。
 事務局を紹介いたします。室長補佐の安里です。同じく室長補佐の田鍋です。引き続き、本委員会の開催に当たり、八田政策評価審議官からご挨拶申し上げます。

○政策評価審議官
 政策評価審議官の八田です。本日は、ご多忙のところご参集いただきまして本当にありがとうございます。新任の方は当然ですが、再任の方も、委員のご就任をご了解いただきましたことを、最初に心から感謝申し上げます。ご案内のとおり、独立行政法人評価委員会といいますのは、それぞれの独法が、その準備や事業をちゃんとやっているかということを、第三者機関としてチェックするという大変重要な役割を担っております。
 昨年12月の総会のときにも私から申し上げたような記憶があるのですが、私が以前財務省の課長としての経験からしても、皆さんのお仕事は専門性を要求されるという点で、内容的にも大変難しいお仕事ですし、また作業の分量として、他の多くの政府関係の審議会の委員と比べても、桁違いの実務的な負担を皆さんにおかけしながらやっていただいていると認識しておりますので、心から御礼申し上げます。
 やむを得ず夏の暑い季節に集中的に作業をしていただいておりますが、さらに加えて今年は節電の夏で、この部屋も例年と比べて暑いと思います。申し訳なさばかりが募るわけですが、どうか任務の重大性に免じ、引き続きよろしくお願いいたします。
 独法制度ができて10年が経過しております。この間、独法の行っている事務・事業の在り方などについていろいろな意見があります。中には大変厳しい指摘・意見もありました。一昨年に政権交代があり、昨年は独法も行政刷新・仕分けの対象になり、大変厳しい議論が行われました。それらを踏まえ、去年の12月には閣議決定で、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針を政府として決めております。今回の評価に当たりましては、そういった政府が決めた方針に、独法がちゃんと沿ってやっているかということも併せてチェックしていただければ幸いです。大変でございますけれども、なにとぞよろしくお願いいたします。

○政策評価官
 議事に入ります。議題1は委員長・委員長代理の選出です。まず、最初に本評価委員会の委員長のご選出をお願いいたします。選出の手続をご説明させていただきます。水色の資料集の48頁に、厚生労働省独立行政法人評価委員会令という政令があります。この中に、委員会に関するいろいろな規定があります。第4条第1項に「委員会に委員長を置き、委員の互選により選任する」ということになっております。委員の皆様方の互選により選任するということなのですが、いかがいたしましょうか。ご推薦などがあればお願いいたします。

○和田委員
 互選ということですので、ご推薦させていただきます。独立行政法人については、今後も課題が多いと推察されます。これまで委員長代理、国病部会長、高度専門医療研究部会長代理として、独立行政法人の見直し等の議論を取りまとめられたご経験と、ご見識から猿田委員が適任だと思いますので、僭越ですがご推薦申し上げます。

○政策評価官
 ありがとうございます。ただいま和田委員から、猿田委員を委員長にというご推薦がありましたが、いかがでしょうか。
(異議なし)

○政策評価官
 ありがとうございました。それでは、猿田委員に本委員会の委員長をお願いいたします。以後の議事進行については猿田委員長にお願いいたします。委員長席のほうにお移りください。
(猿田委員は委員長席へ移動)

○猿田委員長
 いま、委員長に選出いただきました猿田です。これまでは委員長代理をしておりましたが、私は医者ですのであまりいろいろなことがわかりませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 この会におきましては、評価委員会令の第4条第3項で、委員長にもし何かあったときには、あらかじめ決めた委員長代理にその職務を代行してやっていただかなければいけないということです。これは、私のほうから任命してくれということですので、誠に申し訳ありませんが、年金部会の部会長としてご経験のある山口先生にお願いいたしたいと思います。

○山口委員長代理
 ご指名ですので、委員長代理を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
(山口委員は委員長代理席へ移動)

○猿田委員長
 時間の関係もありますので、早速議事次第に従い、議題2の厚生労働省所管独立行政法人の概要及び課題について、事務局から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 資料2に、厚生労働省所管の独立行政法人が22法人ありますが、1法人ずつ簡潔にご説明させていただきます。1頁は、「国立健康・栄養研究所」です。当研究所は、国民の健康の保持及び増進に関する調査及び研究並びに国民の栄養その他国民の食生活に関する調査及び研究等を行うことにより、公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的として、平成13年4月に設立されております。
 5.「当面の課題とその取組」ですが、平成22年12月に閣議決定されております、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針に基づき、独立行政法人の制度・組織の見直しの一環として、効率的・効果的な研究実施や業務運営の確保という観点から、医薬基盤研究所と、労働安全衛生総合研究所の統合を含め、組織の在り方を検討することとされております。
 3頁の「労働安全衛生総合研究所」です。当研究所については、事業場における災害の予防並びに労働者の健康の保持増進及び職業性疾病の病因、診断、予防その他の職業性疾病に係る事項に関する総合的な調査及び研究を行うことにより、職場における労働者の安全及び健康の確保に資することを目的として、平成18年4月に、前身である産業安全研究所と、産業医学総合研究所の2法人が統合して設立されております。
 5.「当面の課題とその取組」ですが、こちらについては国立健康・栄養研究所と同様ですので省略させていただきます。
 4頁の「医薬基盤研究所」です。当研究所は、医薬品技術及び医療機器等技術に関し、医薬品及び医療機器等並びに薬用植物その他の生物資源の開発に資することとなる共通的な研究、民間等において行われる研究及び開発の振興等の業務を行うことにより、医薬品技術及び医療機器等技術の向上のための基盤の整備を図り、国民保健の向上に資することを目的として、平成17年4月に設立されております。
 5.「当面の課題とその取組」については、前述の健康・栄養研究所と同様ですので省略させていただきます。
 6頁の「国立がん研究センター」です。当センターは、がんその他の悪性新生物に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、がんその他の悪生新生物に関する高度かつ専門的な医療の向上を図り、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的として、平成22年4月に設立されております。この法人については、今年が初めての評価になります。
 8頁の「国立循環器病研究センター」です。当センターは、循環器病に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、循環器病に関する高度かつ専門的な医療の向上を図り、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的として、平成22年4月に設立されております。この法人についても、この夏が最初の評価になります。
 10頁の「国立国際医療研究センター」です。当センターは、感染症その他の疾患であって、その適切な医療の確保のために海外における症例の収集その他国際的な調査研究を特に必要とするものに係る医療並びに医療に係る国際協力に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、感染症その他の疾患に関する高度かつ専門的な医療、医療に係る国際協力等の向上を図り、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的として、平成22年4月に設立されております。こちらも、今年が初めての評価となります。
 13頁の「国立精神・神経医療研究センター」です。当センターは、精神疾患、神経疾患、筋疾患及び知的障害その他の発達の障害に係る医療並びに精神保健に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として精神・神経疾患等に関する、高度かつ専門的な医療及び精神保健の向上を図り、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的として、平成22年4月に設立されております。こちらも、今年が初めての評価です。
 15頁の「国立長寿医療研究センター」です。同センターは、加齢に伴って生ずる心身の変化及びそれに起因する疾患であって高齢者が自立した日常生活を営むために特に治療を必要とするものに係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、加齢に伴う疾患に関する高度かつ専門的な医療の向上を図り、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的として、平成22年4月に設立されております。当法人も、今年が最初の評価です。
 17頁の「国立成育医療研究センター」です。当センターは、母性及び父性並びに乳児及び幼児の難治疾患、生殖器疾患その他の疾患であって、児童が健やかに生まれ、かつ、成育するために特に治療を必要とするものに係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、成育に係る疾患に関する、高度かつ専門的な医療の向上を図り、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的として、平成22年4月に設立されております。こちらについても、今年が初めての評価になります。
 19頁の「国立病院機構」です。当機構については医療の提供、医療に関する調査及び研究並びに技術者の研修等の業務を行うことにより、国民の健康に重大な影響のある疾病に関する医療その他の医療であって、国の医療政策として機構が担うべきものの向上を図り、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的として、平成16年4月に設立されております。
 3.の※にもありますが、こちらは特定独立行政法人となっていて、厚生労働省所管の独立行政法人の中では、唯一の役職員の身分は国家公務員という法人です。
 6.「当面の課題とその取組」です。「独立行政法人の事務・事業の見直し基本方針」において、「病院単位での国立病院・労災病院との診療連携の構築や、国立病院・労災病院を含む地域の公的病院との再編等についても広く検討し、病院配置の再編等を含める総合的な検討について、厚生労働省として前倒しして早期に取りまとめる」とされております。また、「厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会」報告において、「国立病院機構と労働者健康福祉機構は、傘下の病院ネットワークの統合や個別病院の再編、整理のために『国立病院・労災病院等の在り方を考える検討会(仮称)』を設置して検討を始め、1年を目途に結論を得る」とされたところです。これを受けて、厚生労働省では、「国立病院・労災病院等の在り方を考える検討会」を、平成23年4月20日より開催し、今年末を目途に国立病院及び労災病院の今後の方向性の整理を行う予定です。
 21頁の「医薬品医療機器総合機構」です。当機構は、医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染症等による健康被害に対して、迅速な救済を図り、医薬品や医療機器などの品質、有効性及び安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行うことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的として、平成16年4月に設立されております。
 5.「当面の課題とその取組」ですが、同機構では医薬品・医療機器について、我が国において世界初上市から遅れて上市される、いわゆるドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの解消に向け、審査期間の短縮や相談体制の強化を図っております。また、医薬品・医療機器の安全性に係る情報の迅速かつタイムリーな収集・分析・提供等を行う安全対策業務についても、体制やデータベースの充実を図っているところです。
 22頁の「福祉医療機構」です。当機構は、社会福祉事業施設及び病院、診療所等の設置等に必要な資金の融通並びにこれら施設に関する経営指導、社会福祉事業に関する必要な助成、社会福祉施設職員等退職手当共済制度の運営、心身障害者扶養保険事業等を行い、もって福祉の増進並びに医療の普及及び向上を図ることを目的として、平成15年10月に設立されております。
 5.「当面の課題とその取組」ですが、同機構では「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」において、講ずべき措置とされた事項を着実に推進し、利用者サービスの向上に努めています。また福祉医療貸付事業における介護基盤の緊急整備、保育所等の整備及び耐震化整備事業等による増大する利用者ニーズに迅速かつ的確に対応する。また、東日本大震災により被災されたお客様の返済相談、設置整備資金・運転資金等の融資相談など、円滑、迅速かつきめ細かな対応を行うこと等により、福祉の増進並びに医療の普及・向上を目指す支援機関としての役割を果たしていきたいということです。
 25頁の「国立重度知的障害者総合施設のぞみの園」です。当法人は、重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、知的障害者の支援に関する調査及び研究等を行うことにより、知的障害者の福祉の向上を図ることを目的として、平成15年10月に設立されております。
 5.「当面の課題とその取組」ですが、施設利用者の地域への移行を積極的に推進すること、また社会的な課題となっている「行動障害等を有するなど、著しく支援が困難な者」に対するモデル的支援の実施、重度の知的障害者の自立に関する調査・研究等の充実等に取り組んでいるということです。
 26頁の「労働者健康福祉機構」です。当機構は、療養施設及び労働者の健康に関する業務を行う者に対して研修、情報の提供、相談その他の援助を行うための施設の設置及び運営等を行うことにより労働者の業務上の負傷又は疾病に関する療養の向上及び労働者の健康の保持増進に関する措置の適切かつ有効な実施を図るとともに、未払賃金の立替払事業等を行い、労働者の福祉増進に寄与することを目的として、平成16年4月に設置されております。
 27頁に「当面の課題とその取組」がありますが、こちらについては国立病院機構と同様の内容となっておりますので省略させていただきます。
 28頁の「勤労者退職金共済機構」です。同機構は、中小企業退職金共済法の規定による中小企業退職金共済制度の運営を行うことを目的とする法人として、平成15年10月に設立されております。
 5.「当面の課題とその取組」ですが、確実な退職金支給のための取組、加入促進対策の効果的実施に取り組んでおります。また、平成23年10月の雇用・能力開発機構の廃止に伴い、勤労者財産形成促進業務の移管が予定されております。
 29頁の「高齢・障害者雇用支援機構」です。当機構は、高年齢者等を雇用する事業主に対する給付金の支給、高年齢者等の雇用についての事業主等に対する相談その他の援助、障害者の職業生活における自立を促進するための障害者職業センターの設置及び運営、障害者雇用納付金関係業務その他高年齢者及び障害者の雇用を支援するための業務等を行うことにより、高年齢者等及び障害者の職業の安定その他の福祉の増進を図ることを目的として、平成15年10月に設立されております。
 5.「当面の課題とその取組」ですが、平成23年4月の雇用・能力開発機構を廃止する法律が成立したことにより、平成23年10月に職業能力開発業務が本機構に移管される予定です。また、同法律において、主たる事務所を千葉県に置くこととされておりますので、平成24年3月までに、東京本部を幕張に移転するための準備等をしているということです。また主な取組としては、地方において委託により実施していた業務を、機構が直接実施することにより、業務の迅速化、経理事務の集約化、物品の一括調達などによる、効果的・効率的な業務運営に取り組んでおります。また、障害者の雇用水準の低い中小企業の事業主に対する専門的・実践的な相談・援助、就職等の困難性の高い精神障害者、発達障害者等を重点的に、個々人の特性を踏まえた専門的な職業リハビリテーション、地域の関係機関に対する職業リハビリテーションに関する助言・援助等に取り組んでいます。
 31頁の「雇用・能力開発機構」です。当機構は、労働者の有する、能力の有効な発揮及び職業生活の充実を図るため、雇用管理の改善に対する援助、公共職業能力開発施設の設置及び運営等の業務を行うとともに、勤労者の計画的な財産形成の促進の業務を行うことにより、良好な雇用の機会の創出その他の雇用開発、職業能力の開発及び向上並びに勤労者の生活の安定を図り、もって労働者の雇用の安定その他福祉の増進と経済の発展に寄与することを目的として、平成16年3月に設立されております。
 こちらについては、雇用・能力開発機構法を廃止する法律が、平成23年4月に成立した関係で、平成23年10月1日に雇用・能力開発機構を廃止となっております。5.「当面の課題とその取組」ですが、職業訓練の実施等の職業能力開発業務等は、高齢・障害・求職者支援機構に移管、雇用管理助成金の支給等の雇用開発に関する業務は都道府県労働局に移管、勤労者財産形成持家融資等の財形業務は勤労者退職金共済機構に移管することとなっております。
 33頁の「労働政策研究・研修機構」です。当機構については、内外の労働問題や労働政策について、総合的な調査研究を行うとともに、その成果を活用した行政職員等に対する研修を実施することにより、労働政策の立案や労働政策の効果的で効率的な推進に寄与し、労働者福祉の増進と経済の発展に資することを目的として、平成15年に日本労働研究機構と労働研修所を整理・統合して設立されております。
 いちばん下の「当面の課題とその取組」ですが、平成24年度以降の第3期中期目標及び中期計画の策定。独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針により、平成23年度以降に事業規模を縮減した上で、国に移管することとされた労働大学校について、閣議決定に沿って所要の措置を講ずるべく、関係府省と協議の上、今後具体的な対応を講じていく必要があるということです。
 34頁の「水資源機構」です。当機構については、産業の発展及び人口の集中に伴い用水を必要とする地域に対する水の安定的な供給の確保を図ることを目的として、平成15年10月に設立されております。
 6.「当面の課題とその取組」ですが、「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」では、ダム・用水路等の管理における見直しや職員宿舎等の資産・運営等についての見直しが示されております。ダム・用水路等の維持管理等に係る業務については、安全性やコスト等について検証し、可能な部分について民間委託等の拡大を推進するとともに、所有する職員宿舎等の資産については、利用状況等を踏まえ集約化を進めるなど、管理コストの縮減に努めているということです。
 35頁の「農業者年金基金」です。当法人については、独立行政法人農業者年金基金法に基づき、農業者の老齢について必要な年金等の給付の業務を行うことにより、国民年金の給付と相まって、農業者の老後の生活の安全及び福祉の向上を図るとともに、農業者の確保に資することを目的として、平成15年10月に設立されております。
 5.「その他特記事項」ですが、農業者年金基金の業務に係る主務省については、役員及び職員並びに財務及び会計その他管理業務に関する事項と、新制度に係る業務及び農地等の借受け及び貸付け等の業務に関する事項については、農林水産省の所管となっております。厚生労働省は、旧制度の給付に係る業務に関する事項について、農林水産省と共管となっております。この事項について、農林水産省評価委員会に意見を文書として申し述べることとなっております。
 36頁の「年金積立金管理運用独立行政法人」です。同法人は、厚生労働大臣から寄託された年金積立金の管理及び運用を行うとともに、その収益を国庫納付することにより、厚生年金保険事業及び国民年金事業の運営の安定に資することを目的として、平成18年4月に設立されております。
 5.「当面の課題とその取組」ですが、年金財政の見通し及び収支状況を踏まえ、市場の価格形成等に配慮しつつ、円滑に資産の売却等を行い、年金給付等に必要な流動性を確保することが当面の大きな課題となっているということです。
 39頁の「年金・健康保険福祉施設整理機構」です。当機構は、国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律第7条の規定による、改正前の厚生年金保険法第79条、又は同法第3条の規定による改正前の国民年金法第74条の施設及び健康保険法第150条第1項又は第2項の事業の用に供していた施設であって厚生労働大臣が定めるものの譲渡又は廃止等の業務を行うことにより、年金福祉施設等の整理を図り、もって厚生年金保険事業、国民年金事業及び全国健康保険協会が管掌する健康保険事業の適切な財政運営に資することを目的として、平成17年10月に設立されております。
 5.「その他特記事項」ですが、この法人については、当初は平成22年10月1日に解散する有限の法人でした。しかし、平成22年8月に同法の一部を改正する法律が成立し、解散日が2年延びて平成24年10月1日に延長されております。さらに平成23年6月にまた一部を改正する法律が成立し、年金福祉施設等の整理合理化を目的とした現在の組織から、病院等の運営を目的とした「独立行政法人地域医療機能推進機構」に改組されることとなりました。ただ、改組日については公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日となっております。
 以上足早でしたが、厚生労働省所管法人の概要についての説明を終わらせていただきます。

○猿田委員長
 いま、22の独立行政法人の概略を説明していただきましたが、全体的に見てご質問がありましたらお願いいたします。

○清水委員
 確認させていただきます。いま説明していただいた「当面の課題とその取組」のところは、主に「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」に対応して法人が考えた課題、それから取組と理解してよろしいわけですね。私は調査研究部会に所属しているのですが、3法人すべてが、その3法人の統合を課題として挙げています。しかも、それは基本方針に基づく対応だと書いてあります。青い冊子のほうでは基本方針を287頁以降に付けていただいているのですが、その統合の方針というのは直接的には出てきていないのです。こちらの基本方針にはかなり細かいことが書いてあるのですけれども、それを受けて法人が統合するということを改めて決めたということになるのでしょうか。それが1点目です。

○政策評価官室長補佐
 こちらについては、それぞれの各法人が、それぞれ当面の課題と考えていることです。3法人の統合を含めということであり、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針の中では、組織の効率的・効果的な組織にするようにと言われていて、3法人の統合ということは確かに何も言われていないです。
 一方、内閣府等で、厚生労働省というだけではなくて、全省庁的に研究機関を統合し、何らか新しいものをつくったほうが効果的ではないかという話もあり、法人のほうとしてはそういうことも含め、こういうこともあるのではないかということでここに記載されていると考えております。

○清水委員
 確認ですが、それは3法人の意思決定として、こういうことを課題として挙げていると。それで検討を進めるということでよろしいわけですね。

○政策評価官室長補佐
 課題としては認識しております。ただ、3法人統合でいくのだという方針が決まっているわけではありません。これまでに先生がご存じの状況から変化は特にないといいますか、この3法人統合の話はまだ話題には残っていますので、それも視野に入れて組織・業務がどういう形で効率的に統合できるかという視点で検討を続けていく必要があると認識している状況です。

○清水委員
 もう1点は、資料の39頁の「独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構」の説明の課題のところで、改組の話がありました。従来の福祉施設等の整理合理化を目的とした組織から、病院等の運営等を目的とした組織への改組ということでした。これについてご説明があったのかもしれませんが、私の記憶にありませんので、できましたら背景を説明していただけますか。

○政策評価官室長補佐
 背景というか、もともと年金・健康保険福祉施設整理機構というのが、年金・健康保険福祉施設を売却することを目的として設置されていました。その中で、医療機関も当然施設としてあったのですが、その医療機関を売却することについては、地域住民から、地域医療の確保がきちんと担保されないとなかなか難しいという話が出ております。いま残っているのが、病院とかリハビリテーションの施設しか、RFOの中では残っておりませんのでそういう施設について、地域医療の確保という観点から、機構の業務の中身を変更して、その病院の設置及び運営並びにそれらに付帯する業務を行うという形で、これから3年を超えない範囲内で施行されることになっております。

○清水委員
 確認です。当初は、医療機関とかリハビリテーションも含めて売るつもりでそういう対象機関を定めていたのが売れないと。

○政策評価官室長補佐(田鍋)
 売れないというか、地域医療の確保のために。

○清水委員
 売らないということですね。

○政策評価官室長補佐(田鍋)
 むやみに売るだけということで本当にいいのかということが、国会等でも議論された中でです。

○清水委員
 残そうということになったのですね。

○政策評価官室長補佐(田鍋)
 はい。

○猿田委員長
 私の理解しているところでも、随分安く売ったり、いろいろなことで問題になったと。ただ、医療に関してはかなり大切だということで、いまお話があったように、どんどん状態が変わってきているということではないかと思います。そういうことですね。

○政策評価官室長補佐(田鍋)
 はい。

○真野委員
 いまの話にも関係しているのですけれども、社会保険病院とか、厚生年金病院は、今後我々に何か関係してくるのかということと、いまのこの機構との関係も含めて教えてください。

○政策評価官室長補佐(田鍋)
 いまの状況ですと、年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)の設立の目的というのは変わっていないです。ただ、今後これが政令で定められた日から推進機構となると、業務の中身も変わってきます。そうすると、「評価の視点」の中にも、医療機関の運営とか設置についての評価の視点が入ってくると思いますが、いまのところはまだそこが決まっていませんので、いま準備をしている状況です。

○真野委員
 この法律の手順にもよるのだけれども、社会保険病院とか厚生年金病院も、この機構に入るかどうかはわかりませんけれども、我々が何らかの評価をする対象になる可能性が高いということですか。

○政策評価官
 法律が変わり、現在のRFOは年金・健康保険福祉施設整理機構ですから、本当は整理をして全部売ってしまって、この団体も本当は昨年のうちに解散してしまおうという流れできました。厚生年金会館系は全部売ってしまったのですが、それで残ったのがいまおっしゃった社会保険とか年金の関係の病院です。その関係の病院は地域医療の確保ということで、単に廃止して売ってしまえばいいというものではないということで、とりあえず昨年の段階で法律が延長されました。ただ、それは延長されただけで、結局売ってしまえということは何も変わっていなかったのです。
 今回は売ってしまえではなくて病院を運営する法人にしようと変わりました。今後どのタイミングで変わるかわかりませんけれども、独立行政法人として運営をするということですから、当然厚生労働省の独立行政法人評価委員会の評価対象になります。法人の評価なのですけれども、一つひとつの病院についてということにはならないと思いますが、その全体を経営している独立行政法人についての評価をこの委員会で行っていただくことになります。

○真野委員
 その続きでもう1つ。ここの委員会でもだいぶ前に言ったのですけれども、労災病院と国立病院機構の病院、労災病院はRFO機構に入っていますけれども、そこの整理統合の云々という話が4、5年前にここで出て、そのときの私の意見というのはまさにいまの話なのですけれども、年金病院とか社会保険病院、ほかにも厚生労働省所管の所があって、そういう所との関係はどうなるのですかという質問をしたと思います。そういう意味合いでいくと、いまは労災病院と国立病院で「等」と書いてありますけれども、そうすると将来的にその検討委員会でも、もっと大きくほかの病院との関係性を議論するような場になるのでしょうか。

○政策評価官
 現状で議論しているのは、まさに国立病院と労災病院をどうするかというところです。この法律が変わればともかく、法律が変わらないうちは、社会保険病院は全部売ってしまえというのが法律の建前でしたので、そこには入ってきておりませんので、今後どうなるかというのは、いまの段階ではまだわからないということです。

○猿田委員長
 いまお話のありました、国立病院と労災病院は組織がかなり大きいです。それで運営方式も違うものですから、よほど検討しないと結論は出せないと思います。それで、いま検討しているところです。厚生年金病院とは少し違います。
 今年は先ほどお話がありましたように、高度専門医療研究部会のほうの6つ、がんセンター、循環器病センター、精神・神経センター、国際医療センター、成育センター、長寿の1回目の評価が加わるということで、評価がかなり忙しくなるということではないかと思います。ほかにご意見がないようでしたら、次の議題に移ります。
 議題3は「部会の構成及び委員の部会への分属について」です。まず部会の構成について説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 部会については、厚生労働省独立行政法人評価委員会令第5条第1項において、委員会はその定めるところにより、部会を置くことができることになっております。資料3に、厚生労働省独立行政法人評価委員会の構成(案)があります。部会の構成については、所管法人の事業内容を踏まえ、調査研究、高度専門医療研究、国立病院、医療・福祉、労働、水資源、年金の7部会とし、表に示す法人をそれぞれの部会に割り当てることとしたいと考えております。

○猿田委員長
 資料3にあるとおりですが、ご意見がありましたらお願いいたします。

○松尾委員
 先ほどの話の続きなのですが、国立病院と労災病院の連携・統合・再編というのでしょうかその話があって、ここでは部会が別になっています。その辺の情報交換はどのようにやらせていただくのでしょうか。私は、今回初めてやらせていただくので教えていただけますか。

○政策評価官
 この部会は、それぞれの法人について評価していただくための部会でこういう形になっております。労働者健康福祉機構も労災などの問題があるので、基本的に労働法制に位置づけられている病院ですからここにあります。別に労災病院だけではなくて、この法人についての評価ということです。それで労働施策との関係もあるので、労働部会ということで従来整理させていただいております。
 国立病院と労災病院を今後どうするのだという議論は、厚生労働省の中で検討会をつくっていま始めたばかりです。これは、先ほど委員長からもお話がありましたけれども、どちらも大きな組織なので、そう簡単に結論が出るような感じではないので、そちらのほうの検討に進捗等がありましたら、それぞれ国立病院部会、あるいは労働部会のほうに情報は必ず提供させていただきます。ただ、当面は法人がそれぞれ別でありますし、労働者健康福祉機構も、そういう労災関係の趣旨で出来上がっている病院なので、労働施策とのつながりで、こういう部会構成になっているということです。

○猿田委員長
 いま私が見える範囲で、委員の先生方の中で、両方の状況がわかる方が一応入っていま検討しています。ただ非常に大きな問題ですから、先ほどお話がありましたように、国立病院には5万人近くの人がいて、労災のほうは1万5,000人というように、本当に大変な問題です。ですから、これはよほど両方のことがしっかりわかった人が検討していくということですが、まだ始まったばかりですので、結論が出るまでにはまだ時間がかかるということで、ともかく今年は別々の評価という形になると思います。
 ほかによろしいようでしたら、今度は各先生方の部会への分属について事務局から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 資料4です。委員の方々に所属していただく部会については、先ほどの評価委員会令第5条第2項において、部会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は委員長が指名するとされています。したがって、猿田委員長が指名することとなりますが、事務局において各委員、臨時委員のご専門の分野を踏まえ、資料4にお示しする案を作成いたしました。

○猿田委員長
 いま説明のありましたことに関して資料4を見てください。事務局のほうで、先生方の専門を考えて、このように割り振られたということです。委員の先生方からご意見がありましたらお願いいたします。
(特に発言なし)

○猿田委員長
 特にご意見がないようでしたら、この形で先生方に評価をお願いしたいということですが、よろしいでしょうか。
(異議なし)

○猿田委員長
 ありがとうございました。それでは、これでお認めいただいたことにさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。議題4は「平成22年度業務実績評価」についてですが、これがこれからやっていただく先生方のお仕事です。この評価の流れと、評価基準等について事務局から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 資料集の55頁です。留任していただいている委員の先生方には、特に例年と変わるものではありませんが、新任の方もいらっしゃいますので丁寧に説明させていただきます。厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準を、平成13年に評価委員会として決定したものです。これから夏にやっていただきます評価の概要等について説明しているその基準等を定めている資料です。
 「評価の概要」ですが、これからしていただきます評価は、大別して2つに分かれています。1つが1の(1)の「事業年度に係る業務の実績に関する評価」です。毎事業年度が終わりましたら、それの評価をしていただく形になります。今年ですと、平成22年度の実績を評価していただく形になります。2つ目は「中期目標に係る業務の実績に関する評価」です。独立行政法人は単年度毎ではなくて、中期目標期間として大体3~5年になるのが通常ですが、5年のスパンで中期目標期間を定め、国がこれをしてくださいという中期目標を指示をし、それに基づいて法人が中期的な計画を立てますということで、中期計画を立て、その中期計画に従って毎年度事業を実施していく。それを年度毎に評価をしますが、中期目標期間が終わる際には、中期目標期間としてどうだったかの評価をしていただきます。この2つの評価が大きな柱になっております。
 各事業年度毎の評価の内容ですが、こちらもさらに2つに分かれています。「総合的な評価」と「個別的な評価」の2部構成になっています。「個別的な評価」を先に説明させていただきます。56頁の(2)ですが、中期目標、中期計画のほうは、先ほど法人の概要をご説明いたしましたが、法人毎に多種多様な業務をやっておりますので、それを項目毎にいくつかの項目に分け、個別的にこの項目についてはどのような水準であったかという評価をしていただきます。
 こちらについては「S、A、B、C、D」という評価の判定の基準を付けております。中期計画を基準にして、そこに概ね合致していれば、例えば大体合格という場合にはBと付けていただいて、それより上回っていればA、大幅に上回っていればS、また下回っていればC、大幅な改善が必要な状況であればDという評価をしていただきます。それから、どうしてS、A、B、C、Dという点数を付けたかを文章で書いていただくという評価をしていただきます。
 これから始まります各部会のほうで、まず最初にしていただくのは、各法人毎の個別的な評価です。この個別的な評価を皆様方にしていただいた結果を基に、総合的な評価として、55頁の(1)「総合的な評価」ということで、全体としてこの法人はこの事業年度の評価としてどうだったかという評価をまとめていただく作業になります。
 56頁で、事業年度の評価はいまお伝えしたような順番で行い、各部会において各事業年度の評価を決定したら、それが委員会としての決定となるという扱いにしております。評価の結果がまとまりましたら、各法人に通知をするとともに、総務省のほうに政策評価独立行政法人評価委員会という、通称「政・独委」と呼んでおりますが、そういう親委員会といいますか、各府省の評価委員会の並びを見たり、指摘をしたりする審議会がありますので、そちらのほうにも報告をする流れになっております。
 「中期目標期間に係る評価」についてですが、構成は全く同じような形になっていて、56頁、57頁に説明が書いてあります。中期目標期間を通して、個別的な業務毎にどのような評価をするか。それを基に総合的にはどういう評価をするかという流れになっております。
 ただ、その中期目標期間が終了する法人についてはさらに工夫をして、57頁の(3)で、法人は中期目標期間が終わりましたら、次の中期目標期間に、新しいどういう目標を立てるかなどの検討を進めることが必要になります。評価は、必ずその前年度の評価になりますので、最終年度においては、中期目標期間は終わりきってはいないけれども、これまでの評価の中でどういうことが言えるのかというのを暫定評価として取りまとめるという作業をしております。これは、厚生労働省独自の取組です。
 例えば今年度ですと、労働部会において、労働政策研究・研修機構(通称JILPT)の法人が対象になっております。このJILPTについては、平成23年度が最終年度なのですが、今年度暫定評価ということで平成22年度までの4年間の評価はどうだったかを1度取りまとめていただきます。
 最終年度にかかっている法人については、評価として暫定を行うだけではなくて、国の方で次期中期目標期間においては、組織や業務をどのように見直そうかという案の検討を進めておりますので、そちらの案の粗々の「当初案」と呼んでいる、組織・業務見直し当初案も、夏の部会の際にお示しをいたしますので、それについても、これまで評価をご覧になっていた先生方からご意見をいただく形になっております。その組織・業務見直し当初案は国として定めるものなのですが、皆様からのご意見をいただいた当初案を、また関係省庁といろいろやり取りをして、年末に「組織・業務見直し案」という形で一旦厚生労働大臣として決定いたしますが、その際にもまたご意見をいただくことがありますので、中期目標期間の最終年度に当たる法人については、いろいろと通常の評価とは違った流れがあるというのを頭に入れておいていたただければと思います。
 暫定評価を行っていた法人が、翌年度には実際の中期目標期間を終わりきっておりますので、最終的な評価を行うということで、最終評価を行う作業があります。今年度でいくと、昨年度暫定評価を行いましたのが、調査研究部会の2法人ありますので、国立健康・栄養研究所と、労働安全衛生総合研究所の2法人についての最終評価も今年度の評価委員会としてやっていただくということです。
 先ほど、事業年度の評価は各部会で確定するというお話をしましたが、中期目標期間にかかる暫定評価や、組織・業務の見直し当初案に対する意見、それから最終評価に対する意見は、各部会で一度議論していただいた後、総会のほうでご報告いただき、総会としての意思決定を行って決定という形になっております。決定いたしましたら、各法人への通知、それから総務省に置かれております政・独委への通知、公表を行うという流れになっております。以上です。

○猿田委員長
 いま流れをご説明いただきましたけれども、おわかりいただけましたでしょうか。中期目標の判定基準のところのSだ、Bだという辺りのところが各部会でもめるかもしれません。もう1つは暫定評価と最終評価です。特に最終評価のところの独立行政法人のほうはいろいろ大変なことになるということです。各部会の方でご議論があると思いますが、全体的にいまの流れに関してご質問がありましたらお願いいたします。
(特に発言なし)

○猿田委員長
 特にないようですので、細かくは各部会で議論があると思いますが、そういう形で評価をするということでお認めいただいたということにさせていただきます。議題5は「昨年度の政策評価・独立行政法人評価委員会(政・独委)からの二次意見及びそれについての政・独委の評価の視点等について」事務局から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 こちらは、先ほどの評価の流れの中で出てきた政・独委に関するものです。政・独委というのは、各省でちゃんとした評価の基準のレベルが揃っているか等を気にしますので、毎年度各事業年度の評価の報告を受けた後に、政・独委のほうで、各府省のものをいろいろ見比べたり、いろいろな観点から切り取って調査をしたりして、秋から年末にかけて「二次意見」又は「二次評価」という形で各委員会のほうに、あなた方の評価の内容は、今年度についてはこうでしたという結果が届くという取組を行っておりますので、そちらについてご説明させていただきます。
 資料集の110頁です。政・独委のほうが、あらかじめ評価の視点として、我々はこういう点を気にして見ますというのを定めたものです。平成21年3月30日に策定され、改定が平成22年5月31日に入っております。基本的に国民目線でどうかということを見ているのですが、共通する視点としては111頁以降です。政府の方針等に反していないか。財務状況について損失とか利益が出ている場合には発生要因が明らかになっているか。これは、法人説明を評価委員会として聴き取っているか。それを検証して、問題がある場合にはそれを改善するような策が講じられているか。そういう点を、評価委員会としてチェックしているということを見ていきますというものです。
 これがずっと続いていて、112頁には保有資産の管理・運用はどうなのか、113頁では人件費の管理は適切に行われているか、114頁では契約が適正に行われているか、内部統制はどうなっているか、関連法人がある場合に、それとの関係は適切なものになっているか等々の評価の視点が示されております。厚生労働省の評価委員会のほうでは、こうした視点の漏れがないように、各部会のほうで個別評価をしていただきます際に、評価シートとは別に別添資料、これは各部会によって呼び方が多少違ったりしますが、別添の資料として評価の視点、特に気をつけて見ましょうと言われているような点について、括り出して、切り出して評価をしていただけるような資料を作っておりますので、個別評価の際にご参照いただければと思います。
 この評価の視点に基づき、毎年度、政・独委のほうがどうだったかという評価を返してきます。87頁に、平成21年度の実績の評価について、どういうことを政・独委として言ってきたかということが資料として載せてあります。
 毎年度、政・独委のほうは何かしらのテーマを決めて、そうした観点で見ていくのですが、平成22年の年末に評価委員会から返ってきたもののトピックは2つでした。それは「保有資産」と「内部統制」の2点です。これは、保有資産の評価が適切かというよりは、保有資産については、各法人がどういう資産を持っているか、その運用状況、活用状況はどうかということを調査して明らかにしたというのが、どちらかというとメインになっております。内部統制についても、最近は独立行政法人のガバナンスが話題ですが、内部統制が適切に働いているかどうかを、各委員会がどのようなチェックをしているか。それは、この委員会はいいのではないかとか、この委員会はもうちょっとだというようなことがザッとまとまっております。特に、厚生労働省は大きくバツが付いているようなことはありません。
 そうした二次意見を踏まえ、平成23年度は政・独委のほうでどういう評価をしようと思っているかというのが116頁に、「平成22年度業務実績評価の具体的取組について」という形で、先ほどご紹介した評価の視点等を補足するような資料ですが、平成22年度については、特にこれを見ますよというようなものを出してきています。こちらは二次意見と対応していて、大きく分けて2つです。1つは「保有資産の管理・運用等」です。保有資産の管理や運用については、不要なものがあったら処分しましょうということに当然なっていくわけですが、これについては平成22年12月7日に閣議決定が1つなされております。これは行政刷新の流れの中で、独立行政法人の見直しを図ろうという流れの中で行われた閣議決定です。資料集287頁に載っていますが、「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」が定められております。各法人共通的に、こういう点で見直しを行いましょうというものが297頁以降に、各法人毎にこの事業についてはこういう観点で、この資産については売却を進めるべきだと言われたことが取りまとまっています。こちらが政府の方針として決定されておりますので、評価に当たっては、こうした政府の決定に沿った対応がきちんとなされているかを見ればよいという形になっております。
 もう1点の内部統制についても、二次意見のほうで、理事長がミッションを語っているとして、それがちゃんと周知徹底されているかとか、いままでより一層踏み込んだ内部統制の評価を行ってほしいということが言われていて、各部会の、先ほど言いました別添資料の中にも、内部統制の項目を例年より拡充する形で記載していただく取組を今年度は始めておりますので、これから始まる評価の際にはご参照いただければと思います。以上です。

○猿田委員長
 ちょっと難しい話になりましたが、要するに政・独委の評価の視点、それから二次意見なども踏まえて評価をしていただきたいということで、これから部会に戻りまして、そういうことで評価の実際をやられるときによろしくお願いいたします。いまお話のありました110頁、116頁、287~297頁辺りのところが、この評価上のポイントになると思います。今後ゆっくり読んでいただくことになるかと思いますが、実際には評価は大変ですけれども、全体的にご意見がないようでしたら、そういう形で評価をしていただきたいということをご理解いただければと思います。
 時間の関係もありますので、議題6の「雇用・能力開発機構の暫定評価の取扱いについて」、事務局から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 独立行政法人雇用・能力開発機構については、先ほど法人の概要の説明をさせていただいた際に、平成23年10月1日で廃止されるという説明を申し上げました。事業のほうは高齢・障害者雇用支援機構又は勤労者退職金共済機構、それから国のほうへ移管されることが決まっております。こちらを議題とさせていただきましたのは、先ほどの評価の基準、評価の流れの際に、暫定評価を行う取組を評価委員会の決定として行っておりますというご説明をいたしました。
 実は、雇用・能力開発機構は、通常どおりでいくと今年度が最終年度で、通常であれば本年度暫定評価をして、次の見直しに活かすことをするのですが、ご案内のとおり法律のほうで方向が決まっていて、廃止されると決まっておりますので、暫定評価を行う意味がなくなっていると考えますので、暫定評価を行わずに、最終評価のみを行うこととしてはいかがかと考えております。以上です。

○猿田委員長
 いまのような形で、本当は最終年度なのですが、廃止・統合の方向にあるということなので、今年は評価を行わないということですが、これもよろしいですね。これもお認めいただいたということで、議題7は「今後のスケジュールについて」、事務局から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 資料5です。主に8月までの総会、部会の開催スケジュールをお示ししております。これから8月末までの暑い最中ですが、部会、総会が続くことになります。次回の総会は8月31日を予定しています。昨年度で第一期中期目標期間が終了した2法人に対する最終評価と、今年度中期目標期間が終了する1法人の暫定評価及び組織・業務見直し当初案についてご審議いただく予定です。
 先ほどもご説明いたしましたけれども、組織・業務見直し当初案については、当初案を策定後、年末まで関係省庁と協議し、組織・業務見直し案として12月に策定することとなっておりますので、12月にはこの見直し案の審議を予定しております。過密なスケジュールですけれども、なにとぞご出席をよろしくお願いいたします。以上です。

○猿田委員長
 資料5にありますように、各部会の委員会が非常にたくさんあって実際に評価を始めると非常に大変ですけれども、よろしくお願いいたします。

○清水委員
 先ほどの評価の視点の1つとして、内部統制の話がありました。つい最近、内部統制に関しては、マネジメントレベルからの説明だけではなく、職員の方からの意見を反映させるためにアンケートという話をお伺いしたのですけれども、今週から始まるのですか。今年の評価に織り込めるような形になるのでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 いま清水委員からお話がありましたのは、調査研究部会を昨年度開催した際に、二次意見のご紹介をいたしましたところ、委員の方から内部統制の評価について、法人側の説明を聞くだけではなくて、調査研究部会として、例えば職員の方とフリートーキングをしたりというような、踏み込んだ調査ができないかというご提案がありましたので、調査研究部会としてはそれを受けて、事務局として今年度は職員アンケートを実施しようと思っております。
 調査研究部会の取組の案としては、15日の金曜日に調査研究部会で合意が取れましたら、委員の方から聞きたい事項を聴取して、また事務局としても内部統制として押さえるべきポイントの洗い出しをして、質問票を作り、それを個別評価と総合評価の間に実施し、事務局のほうで回収をして、総合評価の際にはお示しをするという形で今年度の評価に反映できる形で進めたいと思っております。
 非常にいい取組なのではないかとは思っているのですが、初めてやることですので、まずは調査研究部会でやってみて、これがいいものでありましたら、ほかの部会にもお勧めをしたり、ご紹介をしたりしたいと思っております。

○猿田委員長
 ほかにご意見はないでしょうか。本日議論するところはここまでということなので、全体的に委員の先生方から、ここで聞いておいたほうがいいということがありましたら、事務局のほうで説明していただけませんでしょうか。実際これから始まりますと非常に大変だと思うのですけれども、よろしくお願いいたします。もしご意見がないようでしたら、これからの総会の予定を事務局からお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 次回の総会の開催は、8月31日(水)の14時から、厚生労働省17階の専用第21会議室を予定しております。議題については、労働政策研究・研修機構の暫定評価及び組織・業務見直し当初案。国立健康・栄養研究所と労働安全衛生総合研究所の最終評価となります。資料の最後に開催通知を付けております。ご出欠については8月17日(水)までに事務局までご連絡いただければと思います。

○猿田委員長
 最終的に何かありますか。

○安浪委員
 資料集の112頁で、保有資産の管理・運用等の見直し、保有資産全般の見直しというのが入っています。私は財務担当しますが、決算書と勘定科目の内訳書はいただけるのでしょうか。決算書だけでは中身についてわからないです。

○政策評価官室長補佐
 ご入り用であれば、ご指示いただけましたら用意いたしますので、評価の際に必要だということであれば、お申し付けいただければ当然お出しいたします。

○猿田委員長
 他にないようでしたら、これで本日の会議は終わります。最後までご協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室 

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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