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2011年8月4日 第1回労働政策審議会安全衛生分科会指定・登録制度改革検討専門委員会(議事録)

○日時

平成23年8月4日(木)16:00~18:00


○場所

経済産業省別館 825号会議室(8階)


○出席者

〈委員:五十音順、敬称略〉

市川佳子、今村肇、瀬戸実、高橋孝行、土橋律、三浦武男、和田義博

事務局

宮野甚一 (安全衛生部長)
田中正晴 (安全課長)
亀澤典子 (環境改善室長)
中山理 (石綿対策室長)
小沼宏治 (計画課課長補佐)
安達栄 (副主任中央労働衛生専門官)
高橋洋 (副主任中央安全専門官)

○議題

1指定・登録制度改革検討委員会の設置について
2整理合理委員会における指摘事項について
3指定制度、登録制度の現況について
4その他

○議事

○中山石綿対策室長 それでは、定刻より早いのですが、事前に欠席のご連絡をいただいている内藤委員以外全員お揃いですので、早速始めさせていただきたいと思います。
 ただいまから、「第1回指定・登録制度改革専門委員会」を開催いたします。私は、安全衛生部関係の仕分け関連業務を特命事項として担当しております石綿対策室長の中山と申します。以後、よろしくお願いいたします。本日は、初めての専門委員会になりますので、座長選出までの間、私が議事進行を努めさせていただきます。
 では、議事に入ります前に、新しく専門委員会の委員に就任されました皆様をご紹介させていただきたいと思います。参考資料1に委員名簿を付けさせていただいておりますので、ご参照いただければと思います。順にご紹介させていただきます。まず、公益代表の土橋律委員、内藤恵委員、内藤委員は本日ご欠席です。今村肇委員、和田義博委員。続いて、労働者代表の市川佳子委員、高橋孝行委員。使用者代表の瀬戸実委員、三浦武男委員。 それでは、当専門委員会の座長ですが、参考資料3の「指定・登録制度改革検討専門委員会の設置について」の2の3にございますように、分科会長が公益委員の中から指名することとなっております。相澤分科会長にご相談した結果、本専門委員会につきましては、土橋委員に座長にご就任いただくことになりましたので、よろしくお願い申し上げます。以降の議事進行につきましては土橋委員にお願いしたいと思います。
○土橋座長 ただいまご指名いただきました土橋でございます。ご協力よろしくお願いいたします。それでは、これより私が議事進行を努めさせていただきます。
 まず、座長代理の選任についてですが、規定上、代理を選任しなければいけないということにはなっておりませんが、座長が出席できない場合に備えるという意味合いで指名しておきたいと思います。分科会の例にならいまして、公益を代表する委員のうちから、座長が指名するということにさせていただきたいと思います。座長としては、公益代表の内藤委員に座長代理をお願いしたいと考えております。今日ご欠席ですが、一応内諾はいただいておりますがいかがでしょうか。
                  (了承)
○土橋座長 はい、よろしいでしょうか。それではそのようにさせていただきます。議事に入ります前に、安全衛生部長が発言を求めておりますので、よろしくお願いいたします。
○宮野安全衛生部長 ただいまご紹介をいただきました安全衛生部長の宮野でございます。先週7月29日付で安全衛生部長を拝命いたしたばかりでございます。私が申し上げるまでもなく、労働安全衛生行政につきましては、メンタルヘルス対策ですとか、あるいは、受動喫煙対策をはじめとして、さまざまな課題が山積をしております。それに加えまして、これもご案内のとおり3月の東日本大震災につきまして、復興・復旧工事における労働災害の防止の問題、あるいは東京電力福島第1原子力発電所の問題、作業員の方の被曝、健康問題等々、国民の皆さんの関心を呼ぶ問題を多々抱えております。こうした中で、お集まりの先生方にも引き続き、さまざまな形でご指導をいただきたいと考えております。
 本日からは、指定・登録制度の改革ということで先生方にご議論をいただくことになりましたけれども、この労働安全衛生法に基づきます指定・登録制度を含めまして、国が行っております例えば独立行政法人ですとか、あるいは、特別民間法人ですとか、さまざまな公的団体へいろいろな形で事業をお願いし、また、それについての補助金等々の財政措置もあり、さらには、そういった団体へ公務員OBの再就職の問題、そういったものが全体合わさって、ご案内のとおりの国の厳しい財政事情の中で、いろいろな観点から現在見直し、国民の皆さんの非常に厳しい視線の中で見直しが進められているというところであります。
 ご案内のとおり、政府全体としても行政刷新会議における事業仕分け、後でこれも説明の中でもあるかもしれませんが、既にそういった中でもご指摘をいただき、さらには、省内の事業仕分けですとか、前大臣のお声掛かりでできました委員会、これが今回の専門委員会のお願いをする直接の端緒になるわけですが、そういう中でさまざまなご指摘をいただいております。
 さては然り乍ら、その一方で、この指定・登録制度につきましては、例えば職場における機械等による労働災害を防止するために、機械等の危険性に応じて構造規格の具備、あるいは検査の受検を行うというような義務を課しているわけですが、こうした一定の危険性または有害性の高い業務については、免許等の資格を有する者しか就くことができないと、こういったような仕組みというのは、やはり何らかの形で維持していかなければならないものであると思っています。かつて、いわばこれは国自身が実施していたわけですが、需要の高まりですとか、あるいはこれまでの行政事務の効率化、簡素化という観点から、さまざまな形で関係団体にお願いをしてきていると。ただ、そういったものについてもまた、いま申しましたとおり、いろいろな形で見直しを求められているところだと思います。特に、先ほど申しましたように、昨年の秋に、これは前大臣のお声掛かりで、「独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会」というのが設けられまして、その場でさまざまなご議論をいただきまして、昨年末に報告書が取りまとめられております。
 その中で、具体的にはこれからご議論いただく法人につきまして、指定公益法人については「指定根拠法令の検討を通して、その在り方を全面的に見直す。」登録公益法人については「民間参入を促進するための登録要件の緩和・見直し等を行い、登録法人数の拡大を図る。」というようなご指摘をいただいているところであります。制度そのものの重要性と併せて、こうした観点からのご指摘をいただいていると、その双方の観点を含めてご検討をいただかなければならないと考えておりますが、いずれにいたしましても、お集まりの先生方には、この問題、指定制度あるいは登録制度の問題につきまして、厳しくご審議・ご指摘をいただきますようにお願い申し上げたいと考えております。
 本日は、大変ご多忙の中、ご出席いただきましてありがとうございます。いずれにしても、先生方の忌憚のないご意見を賜りますよう再度お願いを申し上げまして、冒頭の私の挨拶とさせていただきます。どうぞ、これからよろしくお願いいたします。
○土橋座長 それでは、議事のほうに入っていきたいと思います。まず、議題の(1)「指定・登録制度改革検討専門委員会の設置について」ということですが、この中で、まずは、当委員会の設置趣旨等について事務局のほうからご説明をお願いします。
○小沼補佐 計画課の課長補佐をしております小沼です。よろしくお願いいたします。まず、本専門委員会の設置の趣旨ということです。資料につきましては2頁目をご覧ください。先ほど部長のご挨拶でもありましたように、「厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会 報告書への対応について」という標題になっております。こちらのほうの整理合理化委員会ですが、元を辿ってご説明をいたします。昨年、厚生労働省内の事業仕分けを行っておりまして、その中で個々の公益法人でありますとか、制度につきまして仕分けが行われております。そのときに今回取り上げていただくような指定制度の、例えば試験機関でありますとか、あるいは登録機関といったものについて仕分けがなされているわけです。それは言ってみれば、制度とか個別の法人を捉まえた仕分けであったと。それに対しまして、その整理合理化委員会というのは、そういう個々のものを取り上げるのではなくて、同じような指定制度でありますとか、同じような登録制度をやっている法人というものに横串を挿して、きちんとチェックをいたしましょうという趣旨で、前大臣のご趣旨で始まったものでして、その報告書が先ほど部長が申しましたように昨年の12月に取りまとまったと。その報告書の中でのご指摘を踏まえて、きちんと審議会の中で議論をしなさいということを言われておりまして、その趣旨で本日の会議につながっていったということです。因みにこの会議は審議会ということになりますので、前回の労働政策審議会安全衛生分科会のほうでこの専門委員会の設置につきましてご了承をいただいた上で、本日会議を設置してやらせていただいているという形になっております。
 その整理合理化委員会報告書の中では、2頁にありますように、特別民間法人と公益法人という2つの括りについて議論をしなさいというご指摘がありまして、特別民間法人のほうにつきましては、先週、7月29日ですが、労働災害防止団体を対象として第1回目を開催しております。下のほうの公益法人につきまして、本日開催をさせていただくということです。
 ご検討いただくテーマは、先ほど部長が申しましたように、指定事務の関係、いわゆる免許試験とかそういったものです。それからあと、試験料・登録料ですが、そういう免許試験などをやる際の試験料でありますとか、あるいは、労働安全コンサルタントとか労働衛生コンサルタント、それから、作業環境測定士といった国家試験に受かった後に登録をするということで、その登録料などの手数料が適正であるかということをチェックしなさいと。それから、後は、検査・検定ということで機械などの安全性の検査などにつきましてチェックをしなさいと、こういう3つくらいのテーマにつきましてチェックをしなさいということで、この委員会を設置するということになったものです。
 3頁目はスケジュールですので、また後ほどご説明をさせていただきます。以上です。
○土橋座長 それでは、ここまでの説明に対して何かご質問、ご意見等ありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。ただいまのは趣旨ということですので、続きまして、今後の進め方についてご説明のほうお願いします。
○小沼補佐 4頁目です。4頁目のほうに進め方(案)ということで資料を付けております。まず検討スケジュールですが、こちらのほうは、年内、昨年の整理合理化委員会の報告書が出て1年を目処に結論を得るということになっていますので、今年の12月までに結論を得なければいけないと。逆算しますと、当然、その安全衛生分科会のほうに諮りまして、この検討会の結果をお諮りして議論をしていただく必要がありますので、それは12月ぐらいにセットするということになりますので、11月くらいまでの間に結論を得ていただく必要があるということです。そういう中で、4頁にありますような形で4回ほど会議をもたしていただいて、先生方のご意見を頂戴したり、該当の法人の方からもヒアリングをして、議論を深めていただければと思っております。
 第1回は本日ですので、制度の概要ですとか、指定とか登録の基準ですとか、情報公開、それから、手数料収入の現状などにつきまして、ご説明をさせていただきたい。併せて実際に、第2回目と第3回目で法人のヒアリングを行いますので、そのときにどういうことを論点として聞いていくのかということにつきましても、少しご議論をいただければと思っています。
 第2、3回につきましては、第2回は指定法人のほうからのヒアリングを予定しています。第3回につきましては登録法人からのヒアリングを予定しています。このヒアリングの結果など、先生方のご議論を踏まえまして報告書の案をとりまとめまして、第4回で報告書案につきまして最終的なご確認をいただいて、報告書としてとりまとめをさせていただきたいと思っています。その結果、先ほど申しましたように、12月くらいに安全衛生分科会のほうに報告書をお諮りして、再度、先生方にご審議いただくという形で進めたいと思っています。以上です。
○土橋座長 はい、以上のような進め方ということですが、何かご質問、ご意見等ありますか。それでは、ただいまの案に従って、今後進めるということにさせていただきたいと思います。それでは、議題の2番のほうになります。(2)「整理合理化委員会における指摘事項について」ということで説明をお願いします。
○小沼補佐 少し頁が逆転しまして申し訳ございませんが、資料1をお願いできますでしょうか。1頁の資料1というものです。報告書の中で、この指定登録制度の関係でご指摘を受けているのは、その上のほうに長マルの箱と言いますか、指定制度、手数料、登録制度と3つありまして、その3点についてご説明を受けています。下の箱の部分は報告書の全文を記載させていただいていますが、全くこのとおり報告書に書いてあります。
 薄い四角で囲んでありますように、まず指定制度からいきますと、「全指定法人は、指定根拠法令の検討を通して、その在り方を全面的に見直す。その検討は、関係する審議会等で行うこととする。指定根拠法令を存置する場合には、その指定先選定理由の情報公開、プロポーザル方式を含む参入要件、新たな指定基準など「新ルール」を制定する。」というご指摘を受けています。その下にこの部分の解説のような形で報告書のほうに書かれていまして、「各指定法人を取り巻く時代の要請にも変化があるため、業務内容の見直しもさることながら、指定法人として当該業務を実施するという制度自体も検証が必要と思われる。ただし、当該制度の採否は個々の政策と密接に関わるため、個別の検証が必要であり、この作業は関係審議会等で行うべきと考えられる。また、特定の法人が既得権として長期間にわたり指定による業務を実施するのではなく、より適切な法人が選定されるための環境整備も必要ではないかと考えられる。」というご指摘を受けています。
 続きまして手数料です。こちらのほうは、先ほど申しましたように、免許試験の手数料と、コンサルタント試験とか、作業環境測定士の試験の登録料が該当してきます。「国家試験、国家資格等の試験料、登録料等については、指定を受けた法人が効率的に事業を行うのに必要な費用を賄うのに足りる適正な料金となるよう見直す。」過度な収支、不均衡と言いましょうか、そういう収益が上がっているような形にならないようにというご指摘です。指定を受けて国家試験業務を実施している公益法人の例として、これは、厚生部局の方の例ですが、「柔道整復研修試験財団及び社会福祉振興・試験センターからヒアリングを行ったが、そこから、試験料を主たる財源として実施される当該業務において、年度別に見て収支差益があることが明らかになった。このような公益法人は、試験料等を独占的に得られる特別な地位を付与されているものであるため、まずは、試験料等を試験業務のコストを適正に反映したものにすべきであるが、それにとどまらず、現在のコスト自体が適正かという観点からも、その水準を見直す必要がある。」というご指摘をいただいています。
 登録制度です。こちらの方は、機械の検査等の登録制度ですので、基本的には一定の要件さえ満たしていれば誰でも参入できまして、行政がどこの法人を指定してそこだけにやらせるとか、そういうことが一切できない、言ってみれば公正な制度になっているというものです。こういうものにつきましては、「機械等の検査・検定等の登録制度の運用については、民間参入を促進するための登録要件の緩和・見直し等を行い、登録法人数の拡大を図る。」「この業務については、平成15年度末に指定制度から登録制度に移行しており、現行法で既に複数法人の参入が認められているが、その例として行った日本ボイラ協会からのヒアリング等からは、その参入がまだ少なく、既存法人のシェアが圧倒的であることが明らかになった。例えば、第二種圧力容器の個別検定の分野では、登録制度移行後に株式会社が2社参入しており、そのシェアが6.3%程度である一方、日本ボイラ協会のシェアは85.3%程度となっている。そこで、上記のとおり、競争を促進する必要があると考える。」というご指摘をいただいています。
○土橋座長 以上ですか。
○小沼補佐 はい。
○土橋座長 以上(2)の議題について説明をいただきましたが、ご質問、ご意見等ございますでしょうか。
○今村委員 わからないところに関してだけですが、1頁目の真ん中の手数料のところに、柔道整復等々の名前が書いてあって、「収支差益があることが明らかになった」と書いてあって、1段下がって、「独占的に得られる特別な地位を付与されているものであるため」ということは、この文章を読むと、独占的な地位があるので収支が黒字になっているという表現でよろしいですね。
○小沼補佐 基本的に、指定機関の場合には1社だけの場合が大半ですので、今回ご議論をいただく、この安全衛生法の免許試験などの指定機関も1社指定です。そういう中で、特にこの柔道整復の場合には、独占的に事業をやっていながら、まさに黒字があるということで、たぶん過度な黒字があるというご指摘を受けたのではないかと思われます。
○土橋座長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。
○市川委員 この指定制度のところで、全指定法人は云々とあるということは、指定法人というのがほかにもたくさんあるということですか。安全衛生分科会のこの指定・登録制度改革検討専門委員会で議論するのは後ほど出てくる1カ所だと思うのですが、ほかにもこの厚労省の中に議論する場はあるのでしょうか。
○小沼補佐 ございます。
○市川委員 そのときに、この報告書には、「指定法人として当該業務を実施する制度自体も検証が必要」とか、「より適切な法人が選定されるための環境整備」とありますが、たぶんものによって違うという可能性もありますよね。指定法人によって、業務の内容の性質上、こう変えた方がいい、そこはいままでの方がいいなど、結論はそれぞれ違う可能性もあるということでよろしいのでしょうか。
○小沼補佐 そういうことです。
○市川委員 それに対して、この報告書は包括的に全指定法人ということで言っているのですが、それはそれぞれの審議会の結果を出せば、それでいいという考えですか。
○小沼補佐 そういうことです。
○土橋座長 この専門委員会は対象が限定されていて、ここではそれに対して議論をすると。ほかにいかがでしょうか。よろしければ議題の(3)ということで、少し現状の詳細な説明ということで、「指定制度、登録制度の現状について」というところの説明をお願いします。
○小沼補佐 それでは資料3を使い、まず指定制度について説明させていただきます。5頁の最初に、安衛法及び作業環境測定法に基づく試験制度についてで、3つ書いてあります。この3つが、いわゆる指定試験機関である財団法人安全衛生技術試験協会で行っているもので、概要だけ説明させていただきます。労働安全衛生法に基づく免許ですが、現在安全衛生技術試験協会では18種類の免許をやっていまして、衛生管理者などから始まりまして、クレーンの運転士さんや潜水士さんや発破技士など、いろいろなものをやっています。特にクレーンの運転やボイラーの取扱い、あるいは潜水士や発破技士といったものについては、やはり適正に操作をしないと危険を伴う業務ですので、事業者は、都道府県労働局長の免許を受けた者でなければ、こういう業務に就かせてはいけないという就業制限がかかっています。こういう免許について、いま安全衛生技術試験協会を指定法人として、試験をさせているということです。これが免許の概要です。
 コンサルタントは、後ほど少し詳しく説明しますが、基本的には行政だけで安全衛生の指導も限界がありますので、民間の安全衛生の専門家の方々を活用しましょうという、そもそもの理念で、民間の方々に安全コンサルタントや衛生コンサルタントの資格を取っていただいて、事業場に入って指導をしていただくという制度を、安衛法ができた当時に作ったということです。いまも、こういう方々に活躍していただいていまして、国家資格、これは別に就業を制限するものではありませんが、こういう資格を作ってやっているというものです。
 作業環境測定士ですが、基本的には職場の中で職業病を防いだり、労働者の方々の健康を守るという意味においては、安全、快適な職場で仕事をしていただく必要があると。安全快適な職場が本当に保たれているかどうかをチェックするのが、作業環境測定士です。この方が、例えば有害なガスが職場の中にないか、粉塵が飛んでいないか、化学物質はどうかといったようなことについて測定をして評価をして、その結果に基づいて、事業場でより一層そういったものの濃度を避けるような工夫をするといった改善につなげていくと。そういうことをやるための資格として、作業環境測定士が位置付けられて、国家資格としてあるということです。この3つについて試験協会でやっていまして、1つずつ説明をさせていただきたいと思います。
 6頁は、免許試験の概要です。1.受験申請者数及びのべ実施回数が、過去4年分ほど出ています。年間、大体18から19万人ぐらいの方に、この18種類の免許試験を受けていただいています。実施回数としては、年間1,300回から1,400回程度の試験を実施しています。(出張試験)とありますが、この試験実施には基本的に試験協会のほうの安全衛生技術センターが、ブロック単位で全国7カ所にありまして、そちらでやっています。そこだけでは、やはりそういうものがない県の方の不便もありますので、そういう県については毎年1回程度出張しまして、試験を実施しているものです。
 実技試験については、あるものとないものがあります。2.にありますように、特別ボイラーから移動式クレーンまでの5つのものについてだけ実技試験がありまして、あとのものは学科試験だけです。この5つの実技試験について、大体6,000~7,000人ぐらいの方が受けているということです。ちなみに実技試験については、自動車学校のような所で実技教習を受ければ実技試験の免除が受けられるということもありまして、学科試験の受験者数とは少し乖離があるということです。それが、一応受験申請の実施状況です。
 試験手数料ですが、学科試験については現在6,800円になっています。この辺りの変遷については、19頁に付けてあります。定期的なというほどではないのですが、一定の期間を区切って、試験手数料の見直しを実施してきています。実技試験についてはここ10年程度あまり変わっていませんが、学科試験については、実際の受験者数やかかった経費などを試験協会にもお伺いをして、国で改訂をするということです。これは全部国家試験ですので、この手数料については国が政令で定める形になっております。その辺りは、登録機関とは全く違います。登録機関の場合は参入が自由なだけに、料金については、それぞれの法人の経営努力で自由に設定ができることになっていますが、こちらの免許試験は全部国が定める形になっております。
 免許を指定試験制度にしている趣旨ですが、もともとは、この免許試験については都道府県労働基準局、現在の労働局のようなもので免許試験を実施していましたが、こちらにありますように10万人単位の受験者がおられると、正直いって免許試験をやるだけで公務員の数も必要になってくるというような事情もありまして、そういったものについて、なるべく民間に下ろしていこうという考え方の下に、こうして試験制度ができて、試験協会を指定して実施していただくことになりました。指定の時期ですが、いまのような指定制度が昭和52年の労働安全衛生法の改正で入りました。基本的には、指定を行ったのは昭和53年6月に、財団法人安全衛生技術試験協会を免許試験の指定機関として指定しております。この法人を指定機関として指定する理由ですが、もともとこの法人については、その前に作業環境測定士の試験を行う財団法人として設立された経緯がありまして、国家試験などをやる基盤をある程度持っていたことがあります。免許試験については、一定の危険や有害な業務に従事する者の能力をきちんと担保するものですし、そういった災害の防止という非常に重要な役目を持っていますので、公正、中立性という意味で、ある程度公益的な団体がいいと。それから、全国斉一的にやらないといけないということもありまして、全国的にきちんと試験を実施できる体制を持っていることが必要であることから、現在、財団法人安全衛生技術試験協会を指定していることになっております。
 ちなみに、安全衛生法上でも指定の基準はありまして、92頁をご覧ください。関係法令の抜粋のようなものを付けていますが、(指定の基準)ということで第75条の三があります。この第1項の一と二が法律上の指定基準となっています。「職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が、試験事務の適正かつ確実な実施に適合したものであること」。「経理的及び技術的な基礎が、前号の試験事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に足るものであること」の2つだけです。このように、法律上は規定をしています。ある意味、当初の指定の段階ではこのような要件を満たしている方であれば良いということです。例えば、特定の何かがなければいけないということには、なってはいないわけです。ただし全国に1つだけですので、2つ目の指定は法律上あり得ない仕組みになっています。これは、ほかの指定制度などでも、ほとんどの場合同じです。
 続いて、7頁です。実際の試験業務ですが、試験問題の作成から実施までの過程ということで、どのようなことをやっているかです。試験の実施計画を作ったり、試験問題を作ったり、試験問題について誤植はもちろん、内容的に間違いがあると大変なことになりますので、そういったものの点検・確認をしたうえで、受験申請書の受付・審査、それからいわゆる受験資格がきちんとあるのかどうかを確認していただいて、さらに試験問題の中から同じ問題を毎年出すわけにはいきませんので、適当な問題を膨大な数の問題の中から選んでもらう、あるいは新しい問題を入れてもらって試験問題を作り、その問題を全国各地の試験センターに送って、試験を実施していく形になっています。そういうことで、かなり手間のかかる仕事であることは間違いありません。
 試験の実施体制ですが、冒頭で申し上げましたように、学科試験については全国7カ所の安全衛生技術センターで実施しています。出張試験は40数県の中でセンターがない所、一部あっても広い場所がありますので、そういった所については実施をしていまして、43の都道府県において実施しています。実技試験についても、基本的にクレーンなどについては、実際にクレーンを動かしていただかないといけないものですから、安全衛生技術センターに天井クレーンやトラックに搭載したような移動式クレーンなどの現物を用意しまして、それを用いて実技試験をしています。ボイラーの溶接などについては、溶接機を使って実際に溶接をしていただくというようなことを実施しています。学校や特定の所、刑務所などについては、必要に応じて出向いて行って実施している状況です。
 試験事務の収支状況です。収入ですが、平成21年以降は少しずつ手数料を下げてきていますので、平成20年度と平成21年度の間でだいぶ収入が変っています。平成19、平成20年度辺りは大体17億円程度の収入があり、支出が12億円ですので、5億円程度の収益が出ている状況です。一方平成21年度については、学科試験の手数料を8,300円から7,000円に下げていますので、20万人近い受験生の方がおられますので、かなり収入が減になっています。その関係で、収入が約14億円に対して支出が11億円ということで、約3億円の収支という状況になっています。平成22年度については、経済情勢等もありましてさらに受験生が減っていますので、そういった中で約13億円の収入に対して11億円の支出ということで、収支でいきますと2億円の黒字という状況になっています。
 試験手数料の積算根拠ですが、こちらは国が政令で定めていまして、あまり細々とした積算はなかなか難しいのが実態です。基本的には、免許試験18種類について一つひとつやるという考え方もあるのですが、例えば年間数十人単位の受験者しかいない、ただし、どうしても止められない発破技士のような試験については、それを数十人で計算してしまいますと、そこだけ試験料が異常に高くなってしまいますので、一応18種類全部まとめて、そこにかかった実際の人件費や物件費を試験協会からいただいたり、あるいはこちらの報告で私が確認しまして、大体このぐらいだろうということで収支差が合うような形で計算をして、積算をしています。これについては少しわかりにくいのですが、厚生労働省のホームページでも公開させていただいております。
 続いて、労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタント試験です。先ほどいいましたように、コンサルタントの民間の専門家の方々に活躍をしていただくということで、報酬をいただいて事業場などの安全衛生診断や改善指導などをしていただく方々です。区分は安全と衛生がありまして、さらに安全の中に機械、電気、化学、土木など、それぞれ民間企業で活躍されていたときの専門がありますので、そのような区分があります。衛生についても、保健衛生と衛生工学がありまして、保健衛生は医師や歯科医師がほとんどです。登録者数については、現在両方合わせて約8,000人の方が全国で登録をしています。
 主な業務については、事業場における安全衛生改善計画書などの作成の指導、助言や、安全衛生水準の向上のための診断、事業場の自主的な活動、リスクアセスメントをやるときの指導、事業場内で安全衛生教育をするときのカリキュラムを作るなどのことを実際にやっています。コンサルタントが指導した事業場数ということで、実際にどれぐらいの方が指導を行っているかですが、登録されているコンサルタントの方が全員、自分で事務所を開いて活動しているとは必ずしも限りませんので、社団法人労働衛生コンサルタント会の調査などをベースに確認しますと、年間大体1万8,000事業場程度の所については、コンサルタントの方が実際出向いて指導をしている状況かと推計しています。
 9頁は、1.受験申請者数です。そもそも受験者数がそう多いものではありませんで、安全と衛生併せても1,200人程度です。試験手数料についても、学科試験に加えて二次試験として口頭試問なども実施していまして、少し高くなっていますが2万4,700円です。これも、実際にかかった経費をベースに政令で決めています。指定試験制度ですが、平成12年度の途中までは、この試験自身国が直接試験事務をやっていましたが、やはり行政改革の中で、そういうものについては外に出すようにとのご指摘を受けまして、平成9年の改革ですが、そういった中で指定機関に移していった経緯があります。
 そのときにも、やはり免許試験や測定士試験をやっていた試験協会に、言ってみれば試験事務を一本化して寄せたほうが効率的だろうという判断もあって、寄せている実態があります。試験問題の作成から実施は、基本的には免許試験と似たような形になっています。収支状況ですが、もともと1,200人ほどの方で2万5,000円ぐらいですので、3,000万円程度の収入です。支出は先ほど言いましたように、口頭試問をやったり試験問題がわりとレベルの高い問題を作ったりするものですから、実はかなり経費がかかっています。収支としては、1億円ぐらいの赤字になっている状況です。
 続いて、10頁の作業環境測定士です。役割等は先ほど説明しましたので割愛して、11頁にまいります。受験者数については、第一種と第二種がありますが、併せて大体3,000人弱ぐらいの方が受けています。手数料は1万数千円となっています。こちらは、そもそも安全衛生技術試験協会が作業環境測定士の試験事務を行うためにできた経緯がありますので、そちらで最初からやっていただいていました。昭和51年4月に指定をしています。
 試験事務の収支状況は、コンサルタントほどではありませんが、年間大体3,500~3,600万円の収入に対して8,000万円ぐらいの支出がありまして、4,000万円ぐらいの赤字になっています。昨年の仕分けでも指摘をされているのですが、実態問題としては免許試験で黒字になった部分で、こういった赤字になっているコンサルタント試験や測定士試験の赤字を補填して、いままで運営をしてきています。
 登録事務の関係ですが、コンサルタントの試験に合格したあとに登録をする弁護士や社会保険労務士などはみんな一緒ですが、試験に合格したあとにそれぞれ登録をして、初めて開業して仕事ができるという制度になっています。この登録事務はもともと国がやっていたのですが、平成12年12月に行革の関係で外に出しなさいということで、コンサルタント試験と同時に外に出すことになりまして、コンサルタント業団体の社団法人日本安全衛生コンサルタント会を指定して、そちらに仕事を出した経緯があります。
 13頁は、コンサルタントの登録事務ですが、収支状況をご覧ください。もともと1,200人ぐらいの方が受けられて、合格してさらに登録される方は非常に限られています。登録料は大体3万円ですが、年間300人ぐらいしか登録されないこともありますので、平成22年度では700万円ぐらいの収入に対して支出は900万円と、200万円ほどの赤字です。過去5年ぐらいを見ましても、若干赤字になっていますが、ほぼ収支均衡のような形で登録事務を行っています。
 続いて、作業環境測定士の登録事務です。14頁ですが、こちらもコンサルタントと同じような構図になっています。基本的には、もともとは国で登録事務をしていたのですが、昭和50年代後半の独行臨調の関係で、やはりこれも民間に出しなさいというご指摘を受けまして、昭和61年12月に作業環境測定士の業の団体の作業環境測定協会を指定して、そちらにやっていただくことになった経緯があります。登録者数は年間500人ぐらいで、登録料は2万5,800円となっています。
 15頁は、収支状況です。こちらも、もともと登録者数が少ないこともありまして、同じように平成21年度は1,800万円ぐらいの収入がありまして、支出は1,700万円で100万円ほどの黒字になっています。過去5年ぐらいを見ますと、大体収支均衡のような形で推移してきています。以上が、指定制度の状況です。
 16頁は、現在の免許試験の一つひとつの中身が書いてありますが、また時間のあるときにご覧いただければと思います。17頁は、それぞれ18種類の免許試験の平成22年度の実績です。それぞれ何人ぐらい受けているのかが書いてあります。こちらも、時間があるときにご覧いただければと思います。18頁は、コンサルタントや作業環境測定士の試験の状況です。19頁は、手数料の推移です。20から22頁は、それぞれの法人の概要、沿革などが書いてあります。以上です。続いて、登録事業についてお願いします。
○土橋座長 ここまでは指定制度の説明ですが、何かご質問、ご意見等はありますか。
○高橋委員 6頁の受験申請者数及び実施回数ですが、これはたぶん18種類のもので、合格率を聞きたかったのですが、それは17頁のこれですよね。
○小沼補佐 そうです。
○高橋委員 1人が何回ぐらい受けるものなのでしょうか。優秀な方は1回で受かるのでしょうが。
○小沼補佐 受験申請者数が多いのは、例えばいちばん上の第一種衛生管理者です。平成22年度ですと、大体5万6,000人ぐらいの方が受けています。その中で、合格者数が2万7,000人ですので約半数ぐらいだと思いますので、単純に考えれば2回ぐらいで合格という感じではないかと思われます。
○高橋委員 もう1点は、6頁に実技がありますが、実技試験を受けるためには練習しなければならないと思うのですが、車の免許でいえば学校に行くことがあるのですが、この種のものは最低何日間訓練しなさいというのはないのですか。1発で、受験される方は、それだけどこかで練習してくるということですね。
○小沼補佐 例えばクレーンなどは、基本的に免許が必要なのは5トン以上ですので、それより小さいクレーンなどを使って技能講習を受けて、5トン未満のクレーンを運転できるようにしておいて、そこで練習しておいて、受験されるといったことは十分考えられます。
○土橋座長 ほかにいかがでしょうか。
○瀬戸委員 6頁の学科、実技というのは、学科試験を受けて合格された方が実技に進むのですか。
○小沼補佐 進みません、ここもわかりにくくて恐縮なのですが、実は18種類ある免許職種のうち、学科と実技が両方あるのは5つだけなのです。残りの13種類は、学科試験だけです。5つ実技があるのは、特別ボイラーとか普通ボイラーとか6頁の試験手数料の所に、実技の手数料が入っているものが5つありますが、この5つだけが実技試験と学科試験があります。学科試験を受けた18万の方がみんな実技試験を受けるという話ではありません。
 それから、学科と実技は全く別物ですので、学科に合格しなければ実技を受けられないということはありません。最初に実技に受かって学科を受験されることもあります。先ほど申しましたように、実技についてはクレーンなどは、自動車学校のような教習機関がありますので、そういった所で一定の訓練をされれば実技試験が免除になります。
○瀬戸委員 そういう機関があるのですか。
○小沼補佐 全国で90機関ほどあります。クレーンのメーカーさんやディーラーさんのような所が、例えばコマツさんとか教習所をたくさんやっています。そういった所で受けられている方が多くいます。
○瀬戸委員 例えば、学科試験に受かって何年間有効ということもあるのですか。
○小沼補佐 基本的には1年間です。
○瀬戸委員 1年間の中で、学科と実技の試験と免除かでないと、また再度受け直すのですか。
○小沼補佐 それはそうですね。たぶん自動車学校なども一定の期間があると思いますので、同じではないかと思います。
○土橋座長 確認しておきたいのですが、18種類の試験とコンサルタントの試験、それから作業環境測定士の試験が別々の説明でしたが、指定試験制度としては3つあるということですか。
○小沼補佐 そうです。要するに、それぞれ指定しています。
○土橋座長 いまのところ、3つとも1つの団体が指定されているということですね。
○小沼補佐 そうです。
○土橋座長 それから、試験に受かったあとの登録事務についても指定がありますが、それはコンサルタントと環境測定士は、一つひとつの団体がやっているのですか。
○小沼補佐 それぞれの業界団体で指定してやっている状況です。
○土橋座長 指定は1つしかできないというのは、どこかの法律に書いてあるのですか。
○小沼補佐 書いてあります。
○土橋座長 ほかにいかがでしょうか。
○高橋委員 収支報告なのですが、7頁の試験事務の収支状況で2億1,000万円ほどプラスになっているのですが、先ほどの話ですと座長が言われるように、8頁の衛生コンサルタントの収支と環境測定士の試験の概要の収支で、何とかチャラになっているという話ですよね。我々民間の考えしかないのですが、ホールディングのような話が出たので、3つの収支報告はないのですか。1事業ですよね。
○小沼補佐 いま、それぞれに区分経理をするようにしていまして、後ろに資料を付けています。45頁に収支計算書の総括表がありますが、平成22年度の収支計算書が付いています。これを見ていただきますと、左のほうに国家試験事業という括りがありまして、免許試験、コンサルタント試験、測定士試験ということで、それぞれ3つに区分経理をしている状況です。
○今村委員 資料の2頁以降の試験手数料等毎年の収支に関する質問なのですが、いずれも政令に規定されていると書いてありますが、あとで説明されるかもしれませんが、どのような資料を基にどのようなプロセスで、どこで決定されるのでしょうか。それから、試験によって収支が赤字だったり黒字だったりというのがあるのですが、それは何らか翌年に反映されるのか、そういうプロセスが用意されているのでしょうか。先ほど区分経理とおっしゃいましたが、いま疑問に思ったのでお聞きしようと思います。
○小沼補佐 政令改正のときの細かな資料は、持ち合わせていませんが、次回のときに指定機関のヒアリングの際に説明させていただきたいと思います。
○今村委員 経理として検定試験の収支がはっきりしているわけですよね。試験ごとに赤字だったり黒字だったりするということは、基本的に収入が試験料だとすると、それを改訂しようとインセンティブがあるかどうかですよね。
○小沼補佐 もちろん改訂はしたいとは思っているのですが、現実問題としてコンサルタント試験や測定士試験の手数料は、国家試験としてはわりと高額な部類にあたると思います。さらにこの赤字額を考えて、単純に収支をやっていってしまうと、かなり高額な試験になってしまいます。なおかつ先ほど申しましたように、合格者数がわりと限られていますので、非常に難しいところはあります。ただ昨年の仕分けでは、その辺りは受益者はそれぞれの試験の受験者なのだから、免許試験の受験者の手数料で、ほかを埋めるのはおかしいというご指摘もいただいていますので、その辺りはやはり直していかなければいけないのかなと思っています。
○土橋座長 ほかにいかがでしょうか。
○市川委員 いまのことに関連するのですが、コンサルタントと作業測定士の所には、手数料の積算根拠が付いていないというのは、そういう理由なのですか。
○小沼補佐 こちらも、全部一応手数料なので積算根拠はありますので、次回お示しするようにいたします。すみません。
○市川委員 免許試験の所は積算根拠がありますが、コンサルタントのところは付いていません。
○小沼補佐 全部あります。
○市川委員 積算根拠にしても収支は赤字というのは、よくわかりません。
○土橋座長 それは、次回お示しいただければと思います。ほかにいかがでしょうか。
○高橋副主任 安全課の高橋と申します。登録制度について説明をさせていただきます。
 23頁、資料16をご覧ください。登録機関制度につきましては、平成14年3月29日に閣議決定された公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画により、「法令等に明示された一定の要件を備え、かつ、行政の裁量の余地のない形で国により登録された公正・中立な第三者機関による検査・検定等の実施とする。」とされ、それを踏まえ、平成15年度末より、それまで指定制度であったものを登録制度に移行したところです。
 検査・検定の種類としては、ここにありますように「製造時等検査」「性能検査」「個別検定」「型式検定」という4つのカテゴリーがあります。順番に概要を説明します。「製造時等検査」ですが、これは主に製造時に行う検査で、現時点では、登録機関が行うものとしては特定廃熱ボイラーという非常に特殊なボイラーのみが対象になっており、現在ほとんど検査実績はありません。なお、ほかのボイラーの製造時の検査については都道府県労働局で検査をしております。この特定廃熱ボイラーに対する検査ができる機関としては、現在2機関が登録をされております。なぜこういう制度ができたかといいますと、平成5年9月に策定された緊急経済対策で規制緩和事項として決定されたもので、このボイラーについては労働安全衛生法と高圧ガス保安法といった2つの法規が重複して適用されますので、それを同一の機関が実施できるようにということで措置をされたということです。
 続きまして、「性能検査」以下ですが、こちらはほとんど登録機関で実施をされており、その数もかなり多くなっております。「性能検査」ですが、ボイラー、クレーン等の特定機械に該当する機械は、構造上の要件を欠くと破裂や倒壊、崩壊等、大規模な災害を招くおそれがありますので、定期的に安全性を確認する必要があります。そういうことで、登録性能検査機関においては、ボイラー、第一種圧力容器、クレーン、移動式クレーン、デリック、エレベーター、ゴンドラの7種類について性能検査が実施されております。この検査ができる機関としては、ボイラー関係は3機関、クレーン等の機械については4機関が登録されております。対象機械につきましては、28頁に簡単な写真で紹介しております。ボイラーについては炉筒煙管ボイラーというものを掲載しておりますが、これ以外にもさまざまな種類のものがあります。また、クレーンについては天井クレーンを例に挙げておりますが、これ以外にもタワークレーンや移動式クレーンなどいろいろな種類のものがあります。
 次に、「個別検定」の制度です。これは特定機械よりも若干小規模な機械に対する規制で、いま4種類のものが指定されております。第二種圧力容器、小型ボイラー、小型圧力容器、ゴムを練るロール機の急停止装置のうちで電気的制御方式のものという4種類があります。これらについては、構造上の要件を確認するということで、すべてについて製造時に検定を実施しております。この検定ができる機関として、第二種圧力容器、後ほどご説明しますが、この系統では5機関、ロール機の関係では1機関が現在は登録されております。
 最後に「型式検定」というカテゴリーの機械があります。全数検定をするわけではなく、型式の検定ということでサンプルの検定をして、その機械は一定の有効期間を持っており、その有効期間が切れたら、またその機械を検定するという制度になっております。この対象機械は、ゴム練りロール機の急停止装置の電気的制御方式以外のもの、プレス機械又はシャーの安全装置、防爆構造電気機械器具等12種類の機械があります。誤植があって大変失礼しました。13とありますが、12です。12種類の機械を対象に、型式検定という制度があります。機械以外にも、防じんマスク、防毒マスクといった衛生関係のものも検定対象です。登録機関としては、その中の1つの機械であるクレーン過負荷防止装置が1機関登録されております。その他11種類ですが、これについてもいま登録されているのは1機関となっております。
 続きまして、登録基準の詳細をご説明します。24頁、資料17-1をご覧ください。製造時等検査であまり実績はないというお話をしましたが、これ以降も大体同じような基準で登録基準ができておりますので、ご説明します。最初に欠格事項ですが、登録を受けることができない者ということで、労働安全衛生法違反をして罰金の刑を科されたとか、登録を取り消されて2年を経過しない者、法人でその業務を行う役員のうちにそういうことに該当する者があるものなどといった欠格事項があります。
 登録基準については4点あります。1点目が機械設備の要件で、登録機関が備えておかなければいけない機械ということで、特定廃熱ボイラーの場合は超音波厚さ計以下、ここに掲げられているような機械があります。
 2点目は検査員の要件で、条件として大学や高等専門学校で工学に関する学科を修めて卒業した者で、学科研修、検査実習を修了した者となっており、学科研修においての科目と登録製造時等検査機関がその研修を行うものと規定されております。また、高等学校や中等教育学校において工学に関する学科を修めて卒業した者で、同じような研修で学科研修と検査実習で、時間数や実習の件数が多くなっております。1又は2に掲げる者と同等以上の知識経験を有する者ということで、本日はこの資料はお付けしておりませんが、具体的にはかつて行政が検査をしておりましたので、行政として検査をしていた経験のある者や、特級ボイラー技士という非常に難しい資格を持っている方について、研修の時間数等を軽減した基準があります。検査員の数ですが、年間の製造時等検査の件数を800で除した数以上ということなので、1人当たり800件以内ということです。1人の人がたくさんの検査をやろうとすると手抜き検査につながるということから、こういう規定ができております。
 3点目はこういった検査員を指揮したり、業務を管理する者の要件です。そういった者を置かなければいけないということで、工学部の大学卒業者で10年以上の実務経験、高等学校なら15年以上の実務経験、これと同等の知識経験を有する者というのは、いま具体的にはありません。
 4点目はその他の要件です。これが第三者制の要件ということで、公正・中立に検査をするという要件があります。製造者や輸入者に支配されていないということで、申請者が株式会社の場合、製造者が親会社であることは駄目、役員に占める製造者等の役員又は職員の割合が2分の1を超えていること、職員の場合は過去2年間です。登録申請者が製造者等の役員又は職員(過去2年間も含む)は駄目だということになっております。
 登録基準ではありませんが、登録については更新制度が有り、5年ごとに更新することになっております。登録状況は以下の法人です。
 検査料については、それぞれの登録機関が自由に設定できるようになっております。具体的には業務規定で規定をして、それに沿って検査料を徴収することになっております。例としましては、日本ボイラ協会ですが、構造検査についてはボイラーの伝熱面積に応じて検査料が幅を持って設定されております。溶接検査についても、溶接する部分の長さに応じて検査料が異なっております。
 続きまして、性能検査です。25頁、資料17-2をご覧ください。これはクレーンの例ということでお付けしておりますが、後ろの参考資料にすべての機械の登録基準を掲載しておりまして、大体似ていると思います。登録を受けることができない者は、先ほどと同じです。登録基準の機械設備の要件は、機械によって異なっております。検査員の要件も、それぞれ時間数や検査機数等が先ほどとは少し異なっておりますが、基本的には同じような基準が設定されております。検査員の数も同様です。3番目の検査員を指揮し、業務を管理する者の要件ですが、これも同じような作りで、同じ基準になっております。その他の要件ですが、これも第三者制の要件ということで、製造したり、輸入したりする者、機械の整備を業とする者に支配されていないということで、同じような要件が定められております。更新制度もあります。登録状況は3機関です。検査料の例として、日本クレーン協会の場合、ジブクレーンはつり上げ荷重に応じて5トン未満の2万3,800円から、1,000トン以上のものなら14万9,100円となっております。天井クレーンも、つり上げ荷重に応じて検査料が異なっております。
 26頁、資料17-3をご覧ください。個別検定です。これは第二種圧力容器の例を挙げております。これも登録基準関係の作りは同じです。欠格事項も同じです。登録基準の機械設備の要件ですが、これは機械に応じた検査の設備になっております。検査員の要件ですが、時間数や検査の実習の件数等が異なっているほかは、同じような構造で検査員の要件が定められております。検査員の数ですが、これは大量生産ができるようなものですので、1人が検査する数が多く設定されておりますが、2,400と設定されています。検査員を指揮し、業務を管理する者の要件も同じです。その他の要件、第三者制の要件も同じです。更新制度も5年です。登録状況としましては、ここに掲げられているように4機関が登録されております。検定料の例として、日本ボイラ協会ですと内容積に応じて0.1m3未満の4,900円から、1,000m3以上が11万1,300円となっております。
 続きまして、型式検定です。27頁、資料17-4をご覧ください。例として、プレス機械等の安全装置を挙げております。欠格事項の1は同じです。2の登録基準はプレス関係の機械です。検査員の要件ですが、実務経験を課しているということで、これまで説明した検査員、検定員の要件に比べると非常に簡素な要件となっております。検査員の数は事業場ごとに2人以上です。検査員を指揮し、業務を管理する者の要件は、これまでと同じ基準です。第三者制の要件という、その他の要件についても、これまでと同じです。更新制度も5年で、登録法人は1法人になっております。検定手数料としては、プレス機械等の安全装置のうち両手操作式、手払い式、手引き式又はガード式と言われるものが12万4,000円、それ以外のもの、またはその中で制御機能を有するものは23万2,000円と定められております。
 続きまして、30頁、資料18「登録機関の検査検定の実施状況」をご覧ください。これは平成22年度の状況ですが、特定廃熱ボイラーの製造時検査の実績はありませんでした。性能検査ですが、ボイラー、第一種圧力容器については、ここに掲げた3機関が登録されており、それぞれの検査台数及び割合のシェアは表に掲げられているとおりです。クレーン(デリックを含む。)、移動式クレーンについては、日本クレーン協会以下ここに掲げられている3機関が登録されており、検査の実績もここに掲げられているとおりです。エレベーター、ゴンドラですが、4機関が登録されており、そのシェアもここに掲げられているとおりです。
 31頁です。個別検定ですが、ロール機の関係は非常に少ないということで、1機関です。第二種圧力容器は4機関が登録されております。小型ボイラー、小型圧力容器については3機関が登録されております。型式検定ですが、クレーン等の過負荷防止装置が日本クレーン協会である以外はすべて産業安全技術協会で検定をしており、その台数は掲げられているとおりです。
 32頁、資料19-1をご覧ください。検査数・検定数の推移ですが、上のグラフは性能検査実施件数の推移です。いちばん多いのが第一種圧力容器ですが、総じて減少傾向あるいは横ばい、2番目のクレーンが若干の増加傾向です。その他の機械についても、横ばいか減少傾向かと思われます。その下は個別検定ですが、近年、かつて多かった小型ボイラー、第二種圧力容器が減少傾向にあります。それ以前はかなり増加していた時期もあるということですが、近年に限って言うと減少しているということです。
 33頁ですが、たくさん機械がありますので、色分けしている資料です。型式検定については、防爆構造電気機械器具の数が非常に多くなっております。その次が保護帽です。この2種類については横ばい傾向かなと思います。その他はたくさんの種類の機械等がありますが、傾向は機械によって違う感じです。
 34頁ですが、民間企業の登録機関の最近の検査数の推移です。例として挙げておりますが、シマブンエンジニアリング(株)において、検査件数はかなり増加傾向です。セイフティエンジニアリング(株)におけるゴンドラ性能検査においては、横ばい傾向ながらも若干増加しております。
 35頁、資料20をご覧ください。「登録機関等に対する監査指導」という資料をお付けしております。行政としては、一定の基準に従って登録するということですが、登録したあと適正に業務がなされているかどうかということで、現在、労働安全衛生法第96条第3項に基づいて監査指導を実施しております。その中で登録機関、指定試験機関も含めて1年以内ごとに1回監査指導を実施しております。監査事項として、登録機関については検査員の条件、数が適切か、検査長と言っておりますが、検査員を指揮したり業務管理したりする者の管理が適切になされているか、検査等が公正な実施基準でやられているか等々について、監査をしております。また、指定試験機関についても、免許試験や試験監督員等の充足、職務履行状況、受験資格の審査、合否の通知等の事務処理が適切になされているか、学科試験問題の作成、印刷、保管等の方法とか秘密保持が適切になされているか等々、こういったものを監査しております。監査結果について、不適切な事案を把握した場合は、必要に応じて業務停止なり行政指導等の処分を行うこととしております。
 こういった登録機関の中でも公益法人に該当するものについて、37頁以降に日本ボイラ協会、日本クレーン協会、ボイラ・クレーン安全協会、産業安全技術協会の4法人の概要を添付しておりますので、のちほどご参照いただければと思います。検査検定事業における収支状況もこの中に挙げております。登録制度については以上ですが、先ほどの較正についてお願いします。
○安達副主任 29頁をご覧ください。登録事業の追加として、資料17-5「登録事業の概要 (粉じん計の較正)」の登録事業についてご説明します。小ぶりな登録事業ですが、左上の四角が較正事業の概要ということで、有害な作業環境については、一定のものについては労働安全衛生法の中で作業環境測定の実施が義務づけられております。そのうちの1つに粉じん作業があるということですが、このうち一定の管理が良好な作業場所について、労働基準監督署長による特例許可を受けた場合には、定期に精度を較正された測定機器(デジタル粉じん計)と書いてありますが、少し簡易な測定による作業環境測定の実施が認められるということです。デジタル粉じん計、簡易な測定機器とありますが、簡易であるだけに相対的に濃度を換算することですので、年に1回の較正が必要ということで、この較正を法令に基づく要件を満たした「登録較正機関」によって実施しているというのが粉じん計の較正事業です。下に写真がありますが、こういった簡易なデジタル粉じん計を用いて、粉じん濃度を測定できるというものです。
 登録機関制度については、いま説明のあった登録制度と同じですが、この事業については署長許可制度ができた当時は指定制度としてやっており、日本作業環境測定協会が指定法人としておりましたが、先の登録制度の移行と同じように、事務事業の見直しの中で平成21年に登録機関制度に移管しております。仕組みとしては同じで、こちらの登録制度については少し長いのですが、「労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令」の中に登録基準等々を定めており、行政の裁量がない形で、登録基準を満たす所は再認が可能となっております。現在は、日本作業環境測定機関、1機関のみが登録されている状況です。
 右上の較正事業の実施状況ということで、事業規模ですが、較正事業は年間大体2,500台程度の較正をしております。較正の手数料は、これは登録事業ですので、登録機関が自由に設定できるのですが、2万円となっております。こちらの料金については、昨年度、実施機関の日本作業環境測定機関が事業仕分けの結果を踏まえ、今年度から若干値下げして、2万円という料金で実施しているということです。
 登録較正機関の登録基準は、先ほど申し上げた登録省令の中に書いております。登録の基準は3点だけです。1つは較正に必要な機械器具を有していること、2つ目は実施管理者、この事業全体を管理できる者、一定の資格を有する者を置くこと、3つ目は実際に較正を行う較正員の資格要件を定めているということです。こういった所で登録事業が実施されているということです。以上です。
○土橋座長 ただいまの説明についてご質問、ご意見がありましたらお願いします。
○瀬戸委員 確認ですが、先ほど23頁のご説明のときに、製造時等検査のところで、労働局が自ら行っているものがあるとおっしゃいましたか。
○高橋副主任 はい。
○瀬戸委員 それは何ですか。要するに、国が自ら検査を行うというのは何ですか。
○高橋副主任 ボイラー、クレーン等ですが、特定機械等について現在国が自ら検査をしております。その中のほんの一部の特定廃熱ボイラーに対して、登録機関が検査できるような枠組みとなっております。
○瀬戸委員 そうしますと、基本的に大部分が国の検査なのですが、それ以外のところで登録機関が検査するものがあるということですか。
○高橋副主任 そういうことです。
○瀬戸委員 行政の裁量の余地のない形でということですから、この要件を満たしていれば、その登録申請があれば、すべて登録されるということでよろしいですか。
○高橋副主任 はい。
○瀬戸委員 23頁の表のいちばん下の受検希望者というのは、例えばボイラーを製造している社、ボイラー製造業者がどこかの機関を選んで検査をしてもらうということですね。
○高橋副主任 そういうことになります。
○土橋座長 ほかにいかがですか。
○瀬戸委員 「指定制度」と「登録制度」ということで、23頁で指定制度から登録制度に移行したということですが、指定制度のときにはこの4検査・検定はどこか1機関がやっていたということですか。
○高橋副主任 こちらの検査・検定は、指定制度は法令上1つとは限られてありませんで、従来から複数指定をしておりました。ただ、指定制度ということなので、国の裁量も過去はあったということです。
○瀬戸委員 指定制度よりも登録制度のほうが、受検希望者にとってはメリットのあることなのですか。
○高橋副主任 登録制度が増えて、検査料金が下がったりすればメリットはあろうかと思いますが、反面、検査の質が低下したりすると、安全上問題といったジレンマもあろうかと思います。
○土橋座長 指定制度では国が決めるときの裁量の余地があるけれど、23頁にありますように、行政の裁量の余地がないということで、登録制度であれば要件を満たしていれば、必ず登録されるという違いがあるということですね。
○高橋副主任 そういうことです。
○瀬戸委員 検査料は自由裁量というか、登録機関が独自に決められるものということですが、例えば個別検定の第二種圧力容器5機関とありますが、この5機関で言えば金額にはかなりの違いがあるのですか。
○高橋副主任 それぞれの法人が決めておりますが、そんなに大きな差異はないのかなと。当然差異はありますが、実際問題として必要経費があると思いますので、それが実態かと思います。
○土橋座長 ほかにいかがでしょうか。整理・合理化委員会では、民間産業を促進するようなことを検討しているということですが、24頁の登録基準の2に検査員の要件がありますが、割と学歴もあって実務経験も長いということで、第3項に同等以上の知識経験を有する者とあります。実際、この項を使って認められるケースは多々あるのでしょうか。
○高橋副主任 今日は資料をお付けしていませんが、行政の経験者は過去こういった検査をしてきておりますので、同等以上の知識経験を有する者となっております。また、過去、指定制度時代に、いろいろな検査代行機関で検査をした人たちも認められております。ボイラーに関しては、特級ボイラー技士という試験制度で非常に程度の高い資格をお持ちの方は、研修の時間や機数をかなり減少しているということがあり、そういったところで検査員になられている方も結構いらっしゃいます。
○和田委員 この登録機関制度の法人を登録機関として認める手続は、どのように公正に行われるのでしょうか。どこが登録を許可するのですか。
○高橋副主任 検査・検定事業に関しては、厚生労働省安全課で登録をしております。申請者から登録基準に適合しているという書類を提出していただいて、審査をして登録ということです。
○和田委員 審査の基準みたいなものはこの文書にありますが、これは外部の人は入って審査をしているのですか。
○高橋副主任 この基準に適合しているかどうかは、私ども行政の職員でチェックをして登録をしております。
○和田委員 そうすると、例えば30頁の資料18にいろいろな会社がありますが、これは登録機関ですね。ここで認められたのは、全部厚労省の中だけで、基準に合っているかどうかを判断基準として決めたということですか。
○高橋副主任 そこはですね、これが適合しているかどうかで、行政職員でチェックをしてすべて登録しております。
○和田委員 それは、おおむね5年に1度ぐらいで更新をするのですか。
○高橋副主任 5年に1回、更新制度があります。
○和田委員 これも厚労省で検査をしているということですかね。
○高橋副主任 はい。
○瀬戸委員 28頁に検査・検定対象機械の例がありますが、例えば第二種圧力容器で、個別検定を1回受ければ、あとはもういいのですか。1回だけ受ければいいと。
○高橋副主任 第三者の検査・検定という意味では、最初の1回だけということになっております。事業者はそのほか定期自主検査ということで、自主的、定期的に、事業者自らやるという制度になっております。
○瀬戸委員 それは法律上義務づけられているものではなくて、あくまでも1回は。
○高橋副主任 第三者検査では、製造時の1回だけということです。
○土橋座長 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、今後第2回及び第3回の専門委員会、先ほど資料2で予定を出しましたが、そこでは指定団体及び登録機関の方に実際に来ていただいて、ヒアリングをすることになっております。指定機関は全部で3団体あります。登録機関は多々ありますが、この中では民間2社、公益法人5団体程度を対象にしようと考えております。次回、ヒアリングになりますので、どういった項目をヒアリングするかについては今日の資料、あるいはいくつかのご意見を含めて考えていかなければいけないのですが、第2回、第3回と2回ありますが、ヒアリング項目として特にこういうところは聞いておく必要があるということがあれば、是非ここでご意見をいただいて盛り込んでいきたいと思います。いかがでしょうか。
○瀬戸委員 どこを対象にヒアリングするのですか。
○土橋座長 第2回は指定制度のほうですので、3つの団体で、これは3つすべてについて行います。具体的には。
○小沼補佐 第2回は、安全衛生技術試験協会、先ほどの免許試験やコンサルタント、測定士の試験をしている団体です。
○瀬戸委員 2頁ですね。
○小沼補佐 そうです。2頁の公益法人の指定事務の安全衛生技術試験協会。それから、ここでは抜けてしまっていますが、先ほどの合格者の登録も全部指定事務になりますので、コンサルタント会と作業環境測定協会の3つです。
○土橋座長 第3回は登録のほうで、これはいくつかありますが、民間が2社、公益法人5団体程度をそこから抜き出していきたいと考えております。こんなことは聞いておくべきだということがあれば、是非ご意見をお願いします。
○市川委員 次回は9月ですが、のちほどでは駄目ですか。
○土橋座長 少し時間があると思いますので。事務局はどのぐらいの期間で。
○小沼補佐 いまお話がありましたように、次回は9月の後半ぐらいを考えておりますので、すぐにどういうことを聞いたらいいか難しいようでしたら、例えば8月中ぐらいに先生方から事務局にいただければ、事前にそれを全部そのとおりまとめて、事前に先生方にお配りして、第2回の前にご確認いただくようにしますので、そのようにもさせていただきます。
○土橋座長 そうしましたら、8月中に聞くべき項目についてご意見がありましたら出していただくと。それをまとめた上で、次回の委員会をやる前に、メール等になると思いますが、もう1回皆さんにこんなものがあるということをお諮りする形にしたいと思います。
○和田委員 的外れな疑問ですが、なぜ労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタントの試験事務を続けているのでしょうね。
○小沼補佐 登録事務を指定しているので。
○和田委員 どこかから要請があって、これをやっているのでしょうか。収支状況があまりにも悪すぎるし、この意味合いは、何かをやっている法人から直接お聞きするのも何ですから。
○小沼補佐 基本的には指定事務ですので、コンサルタントという国家資格を作ることについてはまさに国の判断ですので、それについては国で必要性を認めて、そのための試験をお願いしていると。先ほど冒頭でご説明しましたが、基本的には事業所などで安全性体制を作っていく、あるいはより安全なように改善していくときに、私ども取締機関的な所の指導だけでは限界もありますので、せっかく民間の中に非常にご経験のある、現場をよく知られた専門家がたくさんおられますので、そういった方々に現場の経験を活かして、行政とは違う立場で、丁寧に事業所にご指導いただければという考え方でできた制度です。
 実際、いまもそういう形で活動していただいておりますので、そういう意味では非常に意義のある制度ではないかと思っております。事業仕分けの場合でも、仕分け人にも事前にいろいろと現場の視察をしていただいているのですが、そのときのご意見でも、むしろこういうものをもってやっていくべきだというお話は随分いただいておりまして、私どもとしても、この制度自体は必要かなと思っております。
○和田委員 労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタント試験の話ですね。コンサルタントが必要だということについては、たぶん必要なのであろうと思いますが、この試験事務を請け負って、こんなに赤字になって、もし国がこういうものが必要だと、そのためにはこれだけの試験をやらねばならないとすれば、これは補助金とか何かが出ないと、この事業を独自にはやれません。そうすると、この事業はほかの事業と抱き合わせではないかという疑問が生じるのです。そういうことが少し見えにくくなっているのではないかと思って、ここだけでお尋ねしたのです。
○小沼補佐 和田先生のご指摘のとおりで、先ほどの私の説明が舌足らずだったのかもしれませんが、まさに非常に赤字になっているということがあり、それをもう少し改善していかなければいけないというところが1つあります。また、いまの赤字はほかの免許試験の黒字で補填する形には、受験者が全然違うわけなので、やはりおかしい。受益者とお金を出している人が違うではないかというお話がありますので、その辺りもどういう形で、おそらく計画的に、いきなりは変えられないと思いますが、そういったものを何かやっていくとか、今後どうしたらいいかも含めて先生方にご意見をいただければ、その方向で法人のほうとも調整、指導をしていくのかなと思っております。また、実際に次回、法人がお見えになりますので、その辺りのご苦労などもお聞きいただければと思います。
○今村委員 こういう質問の仕方が通るかどうかわかりませんが、私は専門が労働や人のことでこの指定・登録制度とは直接関係がありませんが、指定管理者制度などで、官と民との会計制度の違いにも興味を持ってやっています。積算根拠で、7頁の資料5に試験手数料5,896円、厚労省のホームページにありと書いてあるのですが、人件費の各検定にかかるかかり方、つまり専門に専従でやっているわけではないわけですから、月曜日はこの仕事、火曜日はこの仕事という形でシェアしてやっているわけで、そこの計算の仕方をどの程度把握しておられるのかということが1つです。
 また、指定制度の中でプロポーザル方式を含む参入要件とか新たな指定基準・新ルールと書いてありますが、何かこれまでの会計の仕方、特に人件費等の一様にかかる費用の計算の仕方について、参入障壁となるような民間等の違った会計制度を持つ人件費等について、もしそういう資料があればということですが、何かプロトコールの違い、会計の積算の違いなど、特に人件費にかかる部分、コスト面で何か事実上の参入障壁になっているのではないかというものがあれば、あくまでもこれは仮説ですが、そこを取り払えるともっとオープンになるのかなという仮説のもとに考えるのですが、とりわけ人件費について資料があれば教えていただければと思います。
○小沼補佐 次回、手数料のことも含めてご説明させていただきます。
○土橋座長 ほかに何かございますか。
○小沼補佐 次回は指定機関ですので、もちろん指定制度についてもヒアリングをしていただきますし、手数料の話と両方ありますので、そういう形で8月末までにヒアリング項目があればお出しいただければと思います。
○土橋座長 まずは、8月中に聞くべきことのご意見がありましたらお願いします。その後、集めてもう1回お返ししますが、もし最後に最終調整が必要になった場合は、事務局と座長でやらせていただきますので、よろしくお願いします。ほかに全体を通して何かございますか。よろしいでしょうか、
 それでは、本日の会議は以上をもちまして終了といたします。議事録の署名につきましては、市川委員と瀬戸委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。事務局にお返しします。
○小沼補佐 先ほども申しましたが、次回の日程は9月下旬ぐらいを予定しております。先生方からヒアリング項目等をいただきながら日程調整をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○土橋座長 それでは、終了いたします。お忙しいところどうもありがとうございました。


(了)

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