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2011年7月29日 第6回厚生科学審議会感染症分科会感染症部会エイズ・性感染症ワーキンググループ議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成23年7月29日(金)10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館19階 専用第23会議室


○出席者

【出席委員(五十音順)】

味澤委員 池上委員 小野寺委員
北村委員 木村委員(座長) 白井委員
南委員

【事務局】

中嶋感染症情報管理室長 林結核感染症課長補佐 中橋結核感染症課長補佐

○議題

(1)性感染症に関する特定感染症予防指針の改正について
(2)その他

○議事

○林課長補佐 定刻となりましたので「厚生科学審議会 感染症分科会 感染症部会 エイズ・性感染症ワーキンググループ」を開会いたします。
 まず、本日付で事務局の交代がございました。結核感染症課長が亀井課長から、本日付で正林課長に変わりますけれども、本来課長がまず御出席してごあいさつ申し上げるところですが、まだ辞令交付が済んでいないといったこともございまして、今回出席できないことを最初にお詫び申し上げます。
 また、今回廣田委員から御欠席との御連絡をいただいております。
 続きまして、お手元にお配りいたしました資料の確認をさせていただきます。
 資料1、「第5回エイズ・性感染症ワーキンググループにおける主な意見等」
 資料2、「性感染症に関する特定感染症予防指針の改正について(素案)」
 資料3、パワーポイントのものですが「性感染症定点の設定について」
 資料4、研究報告書の抜粋でございますけれども「性感染症サーベイランスに関する提言」
 資料5、「STIサーベイランスの評価と改善」
 参考資料1、「性感染症に関する特定感染症予防指針の推進に関する研究」
 これは、第4回の資料でお配りしたものと同じものでございます。
 それでは、これからの議事進行につきましては、木村座長にお願い申し上げます。
○木村座長 それでは、しばらく座長をさせていただきます。蒸し暑い中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
 今日はお手元の議事次第にありますように「性感染症に関する特定感染症予防指針の改正について」ということでございますが、これまでの議論を踏まえて、その御意見を予防指針の素案の中に落とし込んでいただいておりますので、その辺りについて議論いたしたいと思います。
 前回までずっと議論になっていた定点については、まだ議論が尽くせていないところもあろうかと思いますので、素案の方を見た後、素案の段階ではそこは軽く飛ばしていただいて、後ほど定点についての議論を深めたいと思います。
 その議論の結果を次回に素案の中に落とし込んでいくということでいきたいと思いますので、まず全体をこういう形でよろしいかというところを御審議いただきたいと思っております。
 それでは、事務局の方から説明をお願いします。
○中橋課長補佐 お願いします。
 まず、資料1をごらんください。これは前回御議論いただいた御意見を列挙した上で、指針の改正にどのように反映させるのかを事務局案として整理したものです。
 1ページ、前文についてですが「性感染症について、最近の変化をとらえた記載になっているか」「指針の対象疾患として連携して対策をとるべき性感染症として、特に言及すべきものがあるか」というところを指針として提示させていただきまして、そこのところで若年層への対策、咽頭感染、B型肝炎の取扱いについて等の御意見をいただきました。
 それらを踏まえて、事務局案としましては、若年層への対策は重点的に推進していくとの方針を維持して、現状の記載を維持することとし、あと、現状として、咽頭炎の増加についての記載、または性的接触を介して感染することがある感染症の例示としてB型肝炎を加えてはどうかと考えております。
 次に、2ページ「第1 原因の究明」のところでございます。
 ここでは「性感染症の発生動向を的確に把握し、情報をわかりやすく公開・提供し、活用するために、更にどのような取組みを進めるべきか」という視点を提示させていただきまして、定点の設定方法や結果の公開及び提供についての御意見をいただきました。
 この性感染症定点のところについては、先ほど木村座長からもお話があったように、後ほど時間を取って御議論をいただきたいと思っております。
 3ページ「第2 発生の予防及びまん延の防止」です。
 ここでは「コンドームによる予防など、指針に掲げられた対策のほかにとるべき対策はあるか」「保健所における検査体制について、更にどのように推進していくか」「若年層に対する予防対策として、若年者の性意識や性行動の実情を踏まえて、どのようにして効果的に行動変容へつなげていくか、教育関係機関との連携をどのように進めていくか」という見直しの視点として提示しました。
 性感染症の予防方法として、ワクチンの取扱いについて、また、コンドームの効果と限界について、検査方法について、パートナー検査についての御意見をいただきました。
 それらを踏まえて事務局案としましては、ワクチンで予防が可能であることを情報提供することが重要であるという記載を加えること。コンドームだけでは防ぐことができない性感染症もあることも含め、その効果と限界について普及啓発に努めるべきこと。また、病原体検査を基本とすることについて「地域の実情に応じて」という言葉を削除して、より強く明示すること。そして、病原体検査には、尿を検体とするものを含むことを明示してはどうかと考えております。
 パートナー検査については、性的接触の相手方への情報提供を受診者を通じて行うこととしてはどうかということを考えております。
 5ページ「第3 医療の提供」です。
 ここでは「医療の提供に関して、更にとるべき対策はあるか」という視点を提示させていただきまして、性感染症の専門家育成や最新の知見に関する情報提供が必要、また、学会等との連携、医療にアクセスしやすい環境づくりが必要だという意見をいただきました。
 事務局案としましては、医療の質の向上とアクセスの向上という2つのポイントにして整理してみてはどうかと考えております。
 6ページ「第4 研究開発の推進」です。
 「研究を普及啓発や感染の防止など有効な対策に結び付けるため、更にどのような研究を行うべきか」という視点を提示させていただきまして、発生動向の解析の充実、世界の中での日本の実態、性交の行動様式の研究を更に深めていくことが必要ではないか等の意見をいただきました。
 事務局案としましては、若者の性の行動科学を性感染症の視点から調査することについての記載を追加してはどうかと考えております。
 同じく6ページ「第5 国際的な連携」のところです。
 「国際的な連携について更にとるべき対策はあるか」との視点を提示させていただきまして、ここでは特に御意見はなかったのですが、アメリカやヨーロッパの先進国の中でも、性感染症の発生動向としましては、若い世代の淋菌感染症や性器クラミジア感染症が多いといった同じような傾向がありますので、情報交換に努めることは重要であり、それについては現行の指針の中でも盛り込ませていただいているので、現行の記載を維持してはどうかと考えております。
 7ページ「第6 関係機関等との連携の強化等」については「関係機関等との連携で更に言及すべき点はあるか」という視点を提示させていただきまして、学校保健の柔軟な対応、学校教育と社会教育との連携、若者へ予防方法を学ぶ機会の提供の工夫等の御意見をいただきました。
 事務局案としましては、これらの点について、現行の指針に既におおむね記載されていることから、現行の記載を維持することとして、また、保健所の情報発信機能の強化について記載を追加してはどうかと考えております。
 続いて、資料2をごらんください。今、説明させていただいた内容を実際に指針に落とし込んでみたものです。今回の改正案で新たに追加した部分を赤字下線の部分としておりまして、削除する部分を青字の二重取り消し線という形にさせていただいております。
 1ページ、ここでは咽頭感染の増加ということで「咽頭炎」という例示を付け加えさせていただきました。
 2ページ、発生動向から見る「罹患率は全体的に減少している傾向が見られるものの、引き続き十代半ばから二十代にかけての年齢層における発生の割合が高いことや、性行動の多様化により咽頭炎等の増加が指摘されていること」という表現を加えさせていただいております。
 また「性感染症は、早期発見及び早期治療により治癒、重症化の防止又は感染の拡大防止が可能な疾患であり、性感染症には、正しい知識とそれに基づく注意深い行動が重要である」。ここは文章の入替えをさせていただいて、意味が通りやすい形に変えております。
 3ページ、施策を推進する必要がある性感染症について、連携すべき機関として「教育関係者」を入れさせていただいております。
 性的接触を介して感染することがある感染症として「後天性免疫不全症候群、B型肝炎」というところを例示として加えさせていただいております。
 5ページ目は定点のことなので、後ほど、ここは御議論いただきたいと思います。
 6ページ「第2 発生の予防及びまん延の防止」、「一 基本的考え方」のところで、性感染症の予防方法として「コンドームの使用」の後ろに「予防接種」という言葉を加えさせていだたいております。
 7ページ、「二 コンドームの予防効果に関する普及啓発」のところで「性感染症の予防に対する確実かつ基本的な効果を有するものであるが、その効果とともに、コンドームだけでは防ぐことができない性感染症があることについても普及啓発に努めるべき」と「コンドームの特性と性感染症の予防効果に係る情報提供をしていくことが重要であり」という形に記載を変えております。
 8ページ、検査のところなんですけれども「性器クラミジア感染症及び淋菌感染症にあっては病原体検査(尿を検体とするものを含む。)を、梅毒及び性器ヘルペスウイルス感染症にあっては抗体検査を基本として」という形に表現を変えております。
 その後がパートナー検査のところなんですけれども「受診者の感染が判明した場合は、当該受診者に当該性感染症のまん延防止に必要な事項について十分説明し支援するとともに、当該受診者を通じるなどして性的接触の相手方にも必要な情報や支援を提供」という形に表現を変えております。
 9ページ「四 対象者の実情に応じた対策」の正確な情報提供のところに「適切な媒体を用いて」という言葉を追加しております。
 あと「保健所等は、教育関係機関及び保護者等」という形で教育機関の並びに保護者を追加させていただきました。
 「性感染症及びその妊娠や母胎・胎児への影響を性と生殖に関する健康問題としてとらえる配慮が重要」という形で、今までは「妊婦への影響」という言葉だったんですけれども、そこを「妊娠や母胎・胎児」という形に変えさせていただいております。
 ワクチン接種のところの記載として「また、尖圭コンジローマについては、子宮頸がんとともに、女性においては、ワクチンによっても予防が可能であることから、ワクチンの効果等についての情報提供を行うことが重要である」という文章を入れさせていただいております。
 また、まん延防止のためには「より一層の」啓発が必要だということで、言葉を入れさせていただいております。
 10ページ「第3 医療の提供」のところですけれども、基本的考え方のところに「また、若年者が受診しやすい環境づくりへの配慮も必要である」ということを足しております。
 「二 医療の質の向上」。今までは「医療機関者への情報提供の強化」だったところを「医療の質の向上」とさせていただきまして「国及び都道府県等は、医師会等の関係団体との連携を図りながら、診断や治療に関する最新の方法に関する情報を迅速に提供し、普及させるよう努めることが重要である。特に学会等の関係団体は、標準的な診断や治療の指針等について積極的に情報提供し、普及を図ることが重要である。また、国及び都道府県等は学会等との連携により、性感染症の専門家養成のための教育及び研修機会の確保を図ることが重要である」という形に変えております。
 「三 医療アクセスの向上」、今までの「学会等の関係団体との連携」を「医療アクセスの向上」という言葉に変えておりまして、「特に若年者等が性感染症に関して受診しやすい医療体制の整備などの環境づくりとともに、保健所等における検査から、受診及び治療に結びつけられる体制づくりを推進することが重要である」という形にさせていただいて「また、検査や治療についてわかりやすい資料等を作成し、民間団体等の協力により普及啓発を行うことが重要であり、国及び都道府県等は、その普及啓発を支援していくことが重要である」と変えております。
 13ページ、ここは研究開発の推進の項目になるんですけれども「四 社会面と医学面における性の行動様式等に関する研究の推進」というところで「若年者の感染リスクや感染の防止に関する意識・行動などを含む社会面と医学面における性の行動様式等に関する研究を」という形で、若年者への研究をポイントとすることを盛り込んであります。
 14~15ページにかかる「五 研究評価等の充実」のところは、今の記載をそのまま維持させていただきたいと思います。
 15ページ「第6 関係機関等との連携の強化等」では、先ほどお話ししたように「保健所の普及啓発の拠点としての情報発信機能の強化を図るとともに」というところを追加させていただいております。
 以上が改正案の説明になります。よろしくお願いいたします。
○木村座長 どうもありがとうございました。
 資料1において、前回(第5回)のワーキンググループにおける意見をまとめていただいて、それを基に資料2の改正案の素案をつくっていただいております。
 資料2の方に、資料1で議論があったようなことがうまく反映されているかどうかというところをポイントとしながら、御意見を伺いたいと思います。
 順番にいこうと思います。まず、前文ですけれども、いかがでしょうか。咽頭炎を加えたということと、前回の現行のものの記載は、若者の性感染症が増えているという背景を書いてありましたが、状況が少し変わっているということで、2ページ目の表現が変更されております。この辺りにつきましていかがでしょうか。
 その他としては、教育関係のこと、B型肝炎のことを入れたということですね。
 どうぞ、小野寺委員。
○小野寺委員 咽頭炎という表現なんですけども、実際に炎症所見を呈する者が少ないものですから、咽頭感染の方がいいのではないかと思います。炎症で余り痛がったり、赤くなったりする症例は少ないんです。ですから、感染の方がより的確な表現ではないかと思います。
○木村座長 いかがでしょうか。感染の方が適切ではないかということですが、御異論がなければ、ここは「咽頭感染」と変えさせていただきます。
 ほかにはいかがでしょうか。
○北村委員 素人的ですけれども、咽頭はないのですか。私たちはフェラチオ事例があると、咽頭擦過でとどまるのですが、間違いなく自他覚症状はありません。そういう中で咽喉頭感染とかという言葉を使う状況ではないのですか。喉頭から擦過したというのはないですか。
○小野寺委員 耳鼻科の先生に聞くと、上咽頭と下咽頭に分けて、上咽頭より下咽頭の方がスワブが取れると言うんですけれども、我々素人からすれば、はっきり咽頭、喉頭が区別できませんね。ですから、Pharyngeal infectionという意味であれば、咽頭感染でいいかと思います。表現としては、Pharyngeal infectionだと思いますけれども、Pharyngealというのは咽喉頭ですから、咽頭でいいでしょうか。
○木村座長 咽頭はLaryngealですね。
○小野寺委員 ですから、普通表現としてはCDCのガイドラインなどでもPharyngeal infectionと書いてありますので、そうであれば咽頭でいいかなと思います。
 ただ、余り意味的にはなかなか明確に区別できるものではないと思います。
○林課長補佐 今の点で確認をさせていただきたいんですけれども、2ページの4行目の「咽頭炎」は「咽頭感染」に変えるということでよろしいかと思うんですが、1ページの方の「咽頭炎」は、無症状なので「咽頭感染」と置き換えようとすると、ここの文章自体が成り立たなくなってしまいます。
○小野寺委員 軽い症状と書いてありますから。
○林課長補佐 軽い症状はあるという理解でよろしいんでしょうか。
○小野寺委員 いや、ないことが多いんです。ですから、ここは迷ったんですが「尿道炎、帯下の増量、皮膚粘膜症状、咽頭炎等の比較的軽い症状」とすると、咽頭炎と言ってしまった方がいいのかな。でも、余り症状があるものが少ないものですから、むしろ感染で統一してしまった方がいいかなと思います。
 2ページ目は感染でいいんですね。
○林課長補佐 はい。
○小野寺委員 これは自分も迷うところなんですけれども、どうでしょうか。
 症状を呈さない方が多くて、むしろ呈する方が珍しいというのが事実ですので、明らかな炎症症状よりも感染の方がいいかなと思います。
○林課長補佐 もしそうであるとすると、感染しても無症状であることが多くの方に含まれる形になるかと思いますので、ここに咽頭と書くのかどうか。「感染しても」の前に「性器や咽頭に感染しても」という書き方をするのか、後で御相談させていただければと思います。
○木村座長 今の件は事務局で検討するということですか。
○林課長補佐 どうしましょうか、細かな文言までここでやっていただいてもいいですし、もしそれが難しければ、また、検討させていただきます。
○小野寺委員 では、耳鼻科の専門家に私の方で聞いてみて、お答えするみたいな形でもいいですか。その表現として、専門家に聞いた方がいいかもしれないと思うので、私の方で聞いてみます。後で御連絡するということでよろしいでしょうか。
○北村委員 フェラチオなどの場合、オーラル、すなわち口腔という言葉を使いますね。咽頭あるいは喉頭という局所的なものなのか、あるいは口腔内感染なのか。ここら辺はいつも悩むのですけれども、このあたりはいかがですか。Oral infectionとかOral sexという言葉を使うわけですから。
○小野寺委員 ですから、Pharyngeal infectionという表現の方が多いと思いますけれども、口腔感染と言うと、何か口の中全体という印象ですが、そこまでではないと思います。
○北村委員 ただ、先生、粘膜の存在するところにはすべて性感染症が起こり得るという、これは大原則であるとすると、我々が具体的に検査をしないが、しかし、口腔内粘膜を擦過したときにクラミジア、淋菌などを検出することはあるのではないですか。
 私は咽頭のみにとどまるものではないのではないかと思います。
○小野寺委員 確かに咽頭のスワブだけを取ると、意外に検体の採取が難しいらしくて、今、うがい液を使ってやっています。うがいだと全体を洗っていきますから、そこで明確に全体なのか、上咽頭か下咽頭かというのは難しい。
○北村委員 であれば、口腔内感染とかこういう表現は使わないんでしょうか。
○白井委員 ここには性的接触によるということで前文に書いてあるんですけれども、イメージでいくと、口腔を介した性的接触という感染経路もちゃんと含むんだということを明記した方がいいと思います。感染経路が口腔にもあるということが、この性的接触というところにも付加することで、口腔内感染なのか、咽頭なのか、喉頭なのかということは包括できるような気がします。
○木村座長 尿道炎とか帯下の増量とかいうところには入れないで、別のところに。
○白井委員 性的接触によりというところを「介して」とか「より」と書いてあるんですけれども、ここには口腔を介しての性的接触もあるという表現を追加するのがいいかなと思います。文章の流れとしては、今、思いつきません。
○林課長補佐 今の御指摘を入れるとしますと、例えば性的接触の前に「性器、口腔等を通じた性的接触により」とかそういう、「等」が入るかどうかは確認する必要がありますが、そんなイメージでしょうか。
○白井委員 それで後ろの方につながればいいなと思います。
○木村座長 それでは、今の性器・口腔等、「等」が入った方がいいでしょうね。「性器、口腔等を介する性的接触により」というのが1つの案。その場合には「咽頭炎」というのは除いてしまうことにしたらどうかという御意見ですか。
○白井委員 いや、除くというより、咽頭炎とか喉頭炎とか口腔内のとか、固有名詞ではなくて。
○木村座長 わかりました。では、そこの表現を事務局、小野寺先生から耳鼻科の方の御意見も聞いて、事務局で少し検討をしていただく。
 2ページ目の方の「性行動の多様化により咽頭炎等の」というところは「咽頭感染等の」ということですね。
 どうぞ、北村委員。
○北村委員 前回、私、実は欠席をしなければいけない状況の中で、別紙でいろいろ意見を述べさせていただきました。私としては、提出した意見がかなり反映されているので、大変感謝をしております。
 すごく細かいところでずっと私が悩んでいるのは、医療機関を受診するのは「を」なのか「に」なのか「で」なのかという、余りにも細かい話ですけれども、私自身が論文を書いたりするときに、どうしても「で」を使うのです。受診というのは医療機関で診察を受けるという、これで「で」を使うんです。
 細かい話ですよ。「に」を「を」に変えるのだったら「で」なのかなという悩みをいつも持つのですけれども、これはどういう議論になったんですか。
○木村座長 普通、医療機関を受診するとか言ってしまいますね。患者さん中心で表現するか、客観的に述べるかの違いでしょうか。
○小野寺委員 私の恩師の名誉教授からしばしば言われたのは、受診なんだから「で」だと、ずっと言われました。日本語として「を」受診という表現はおかしいのではないか。
 ですから、まだ「に」の方が。「で」か「に」はどちらかわからない。でも「を」というのは、受診ですので、受け身の方ですから。ただ、慣用語としては「を」受診という言葉が結構使われているんです。確かにこだわっている人はいます。
○北村委員 それほどこだわっておりません。どうぞ。
○南委員 受診だから受けるという意味で、診療を受けるという意味だととるわけですね。
○小野寺委員 もし「を」を使うのだったら、医療機関を訪れるとか、そういう表現が普通だと思うんです。ですから、受診という言葉を使うのであれば「に」か「で」。医療機関を訪れるのであれば「を」でいいと思います。
○木村座長 では、そこも確認してください。
○林課長補佐 持ち帰って検討したいと思います。
○北村委員 いいです、いいです。
○木村座長 あと、2~3ページ目はいかがでしょうか。罹患率は全体的には減少の傾向が見られるものの、引き続き10~20代に多い。比率が高いということですね。
○白井委員 「罹患率」と言ってしまっていいのかなと思うんですけれども、「罹患率」というのが言えるのかなと思います。今は定点とか、いろいろ全数調査の結果もありますから、想定はできると思うんですが、罹患率とまでは言いにくいかなという印象があります。
○小野寺委員 余り明確に罹患率を出しているデータは確かにないんです。トレンドとしては、減っているとかありますけれども、罹患率として、前が何%、こちらが何%というデータは確かにないことはないです。
 出したいんですけれども、それは残念ながら出せていないんです。
○白井委員 逆にこういうことで、疫学的にいろいろクレームがついたりとかすることが懸念されるので、「発生動向から」というような形になるのが表現としてはいい。
○木村座長 新規報告例が全体的に減少している、そういう意味合い。
○小野寺委員 報告例であれば正しいです。
○北村委員 私も国の定点のデータを使って、減少しているという発言をすると、「うちのクリニックでは」とか、必ず反論されます。ですから、何のデータを基に減少と言っているのかということを明確にしたらよろしいのではないでしょうか。
 国の定点報告というのか、発生動向調査報告によるととか、こういう形であれば異論は出ないのではないかなと思います。
○木村座長 では、そういう表現に改めるということでお願いいたします。
 ほかに2~3ページ目は、よろしいでしょうか。B型肝炎も含めるということで、追加になっております。
 それでは、4ページ目の「第1 原因の究明」に移らせていただきますが、ここにも最初に医療機関「を」というのがありますので、これは先ほどと同様に「てにをは」の表現で、何が一番適切なのか事務局で検討をお願いします。
 5ページ目の赤につきましては、発生動向の調査は定点に関するところなので、後ほど議論をしたいと思いますが、一応今のところでは「指定届出機関の指定の基準をより具体的に示すとともに」という表現にしております。ここは後ほど議論して、必要に応じてここの表現に盛り込むということにしたいと思います。
 6ページ目の「第2 発生の予防及びまん延の防止」、ここのところの基本的考え方につきましては、ワクチンが可能になったということで「予防接種」という言葉が入りました。
 それから、コンドームについては先ほど説明がありましたように、コンドームの有効性とその限界、特性というところを認識しつつという意味合いのことを盛り込んでおりますが、ここはよろしいでしょうか。
 どうぞ、北村委員。
○北村委員 コンドームの部分で冒頭から咽頭炎、口腔内感染のことが話題になっているならば、もう少しコンドームの予防効果の中で、口腔性交が行われる際にということも含めて、わかりやすい文言を加えることが大事なのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○木村座長 できれば具体的にどんな表現にすればいいかを。
○北村委員 ですから、口腔性交が行われる際にもコンドームが必要なんだという文言をどこかに入れる必要があるのではないかと思います。
 私も最近、非常にこれにこだわっていまして、ほとんど口腔性交というのはキスに近い頻度で行われています。その際にコンドームを使わないという例が余りにも多い。ですから、きちんと口腔性交に際してもコンドームが必要なんだと。
 HIVエイズの予防にコンドーム、すなわち性器結合にコンドームというのは浸透していても、先般、課にもスイーツコンドームというのをお送りしましたが、商品名を使う必要はありませんが、口腔性交に際してもコンドームというのをきちんと明記する必要はないんでしょうか。
○木村座長 ほかの委員、いかがでしょうか。特に異論はないと思います。では、それを盛り込んでいただく方向で検討してもらいましょうか。
○林課長補佐 例えばですけれども、1行目の「性感染症の原因となる直接接触を」というところに「性感染症の原因となる性器や口腔等の直接接触を」という形にすることで、コンドームということの意味が性器だけではないということを明示する形でいかがでしょうか。
○北村委員 わかりました。
 それとこれは前回の、前回のというのは5年ほど前のときに、私が話題にさせていただいたのですが、緊急避妊薬が5月24日に発売されまして、5年ほど前には池上委員が「これは性感染症予防指針だから、避妊は関係ないのよ」と却下されたんですが、冒頭に「コンドームは、避妊の効果のみならず」と、あえてここに「避妊の効果」という言葉があるならば、コンドームの使用に際して、破損や脱落などが起こった場合には、例えば性感染症の予防効果がないだけではなくて、意図しない妊娠が起こる可能性がある、危険性がある。
 その際には緊急避妊薬の使用を考慮することとか、性感染症予防指針であることを十分承知しているんですけれども、私側からしますと、公に承認された薬剤がある以上、そういう文言をどこかに入れるというのは、今回の改定でとても大事ではないかなという気がします。
○木村座長 どういう方向性を考えましょうか。
 1つは「避妊の効果のみならず」というところを削ってしまって「コンドームは性感染症の原因となる直接接触を妨げる物理的障壁」とした上で、破損とか脱落ということもあるので、そのコンドームだけに頼ることは問題があるんだという表現にするか。
 池上委員、どうぞ。
○池上委員 やはり避妊のことに触れ出すと、薬剤だけには済まない。避妊に対する誤解が多々あり、そういうこともあるので、私も今、委員長がおっしゃったように「避妊の効果のみならず」というところは取ってもいいのではないかということと、脱落云々ですけれども、正しい使い方の情報が提供されていないということが非常に大きな原因の1つでもあります。
 勿論、破損ということも製造物の方の問題もあり得るけれども、使用者側の問題というのも大きいので、コンドームだけでは防ぐことができない感染症もあるし、正しく使わなければ効果が損なわれるということもあるので、具体的な情報の普及啓発に努めるべきであるとか、そんなようなことでどうでしょうか。
○木村座長 いかがでしょうか。
○北村委員 コンドームを長い間扱ってくると、物としての限界というか、これはもう間違いなくあるのです。誰一人として、誤った使い方をしてコンドーム性交をしようとする人たちはいないのであって、そういう意味では余り過信してはいけないというのが私の立場としてずっとあります。
 勿論、これは性感染症予防指針ですから、緊急避妊薬という言葉を入れる、入れないというのは当然議論されることなのかもしれませんけれども、アジアで緊急避妊薬が承認されていなかった国は、北朝鮮と日本だけでございます。そういう意味では、ついに日本でも日の目を見た緊急避妊という言葉が、女性の性と生殖に関する健康という視点をこの性感染症予防指針でもし強調するのであるならば、入れることに余り障害がない感じもするんですけれども、いかがでしょうか。
○木村座長 味澤委員、どうぞ。
○味澤委員 ここの文章としては、コンドームの予防効果が一番なので、避妊について触れるならここではなく、項立てを別にするとかした方がよいと思います。そうでないと、ここに予防がどうの、破れたときの避妊がどうのと言われると、インパクト、口腔性交とかいろいろなところでコンドームを使ってほしいというのが一番大事なことですから、がうすれてしまう。やはり性感染症の予防効果を強調するというのが大事ではないかなと思います。
 北村先生の言うこともよくわかりますけれども。
○木村座長 当時はコンドームといえば、避妊の道具というイメージが強かったので、こういう言葉が入ったんだと思うんです。
 白井委員、どうぞ。
○白井委員 ここに「避妊の効果のみならず」というのは、入れない方がいいというのは変ですけれども、やはり性感染症予防ということを強調した方がいいと思います。
 ただ、北村先生のおっしゃっている内容を別のところでも必要だなと思ったのは、性感染症なんですけれども、母子保健とかがん対策、子宮頸がんのワクチンも入ったんですが、そことタイアップというか、ある程度総合的にやっていかないと、性感染症だけでは対策の限界があるので、そういう意味では必要かなと思います。
 ただ、ここに文言は少し難しいかなとは思います。
○北村委員 だから、避妊の効果を取りましょうか。取ればね。
○池上委員 9ページの最後の方に女性に関して、妊娠、出産も含めて記述があります。だから、ここでは女性に焦点を当てた書き方というのはあり得ると思います。場所として。7ページは、性感染症予防に限定した方がすっきりしますね。
 それと北村委員のおっしゃったように、だれも間違った使い方をしようとはしていないので、ただ、使い勝手がわからないという苦情ではないんですけれども、不満がすごく男性に多いというのが実はわかって、聞くまでわからなかったというか、そんなの知っているのではないのという前提できていたのが、実は使い勝手がわからないから、使いにくくなる、あるいは最初に失敗して嫌になってしまうということがあるというのは、結構盲点かなと思うので、具体的な使い方の普及啓発はとても重要だと思います。
○木村座長 では、ここの部分では「避妊の効果のみならず」というところは削除で、北村先生の御意見は後ほどのところで、できるだけ反映させていただくということにしたいと思います。
 それでは、8~9ページ。8ページの上の方で問題になっているのは、特にクラミジア、淋菌、病原体の検査をしないと余り意味がないのではないかという御意見が前回もありました。一方において、その人の性行動を知る上で、抗体も知っておくことは意味があるのではないかという御意見もありましたが、この辺りの表現はどういたしましょうか。
 以前の指針でも、抗原検査が必要だということは言ってはいたんだけれども、現場では検体の採取の簡便性などから、どうしても血液で抗体検査になっていたわけですが、ここでは抗原検査には「尿を検体とするものを含む」ということで、尿で調べてもいいんですよということを明確にしようという案でございますけれども、これでよろしいでしょうか。
 特に御意見がないようでしたら、ここはこのような形でいかせていただきたいと思います。
 それから、パートナーへのノティフィケーション。2つ目の赤のところですけれども、当該受診者を通じるなどして、相手方にも必要な情報や支援を提供しという表現になっております。
 そのほか、情報の提供、適切な媒体を用いてとか、教育機関及び保護者等と十分に連携しということで「保護者」という言葉が入っています。
 その次の「性感染症及びその妊娠や母胎・胎児」、この「母胎」は「母体」なのではないかなと思いますが、これでよろしいんでしょうか。
○南委員 体ですね。
○木村座長 妊婦や胎児、妊娠への影響もあるし、母体と胎児への影響もあるということで、それでよろしいですね。
○北村委員 これはどうでしょうか。「妊娠や母体・胎児」というのが何となくなじまないというか、すっきりしないで、「その妊婦や胎児」という併記をした方がわかりやすい感じがします。その妊婦や胎児への影響。併記するのかどうかあれですけれども。
○木村座長 多分流産とかいうことで「その妊娠」という表現になったと思うんですけれども、妊婦及び胎児に含めてしまってもいいですか。
 では、ここの表現だと「妊婦や胎児への影響」という形になりますか。
○白井委員 そのとき、多分、妊容性とかそういうことも含めてだと思うんですけれども、妊婦になるかならないかということも含めて「妊娠」という表現になってしまったのかなと思うんですが、その辺の配慮はどうしたらいいのかなと思います。
○北村委員 それと併せてですけれども、尖圭コンジローマに感染した妊婦が出産した際に、再発性呼吸器乳頭腫症という、いわゆる呼吸器にイボができてしまう。これになりますと、何度も繰り返し手術をしないといけないんですけれども、出生時そのものに症状が出てくるわけではなくて、2歳とか、どうも産婦人科、産科レベルではなくて、小児科レベルで再発性呼吸器乳頭腫症が診断され、その後、手術を繰り返されているということがあるんです。
 間違いなく垂直感染であるのでしょうが、胎児にとどまらないというか、具体的に尖圭コンジローマが咽頭などに症状を及ぼすのが2~3歳だというんです。
○白井委員 そういう意味では、クラミジアの肺炎であっても胎児ではわかりませんし、出産後、1か月過ぎてからの発症の方でわかるということです。
○木村座長 そうすると、乳幼児。
○白井委員 に、かかります。
○木村座長 そうしますと「妊娠」は残した方がいいという御意見がありますので「妊娠や母体・胎児・乳幼児への影響」。
○林課長補佐 そこまで含めますと、例えば「その妊娠や母子への影響」といった広い言葉の方がなじむのかなと思います。
○北村委員 しっくりいかないのは「及び」ではないですか。「及び」という言葉がしっくりいかないで「性感染症が」とか「妊娠や母子への影響」というところに結び付けて「及び」というのがどうですか。「性感染症が妊娠や母子への影響を及ぼす」という表記が。
 「性感染症及び」はどういう意味のです。
○林課長補佐 そこはこちらからお答えした方がいいと思うんですけれども、これは並列になっていまして「性感染症」と「影響」というのが並列になっています。「性感染症を健康問題としてとらえる配慮」と「性感染症の妊娠や母子への影響を健康問題としてとらえる配慮」、その2つを並列する言葉として「及び」となっております。
○木村座長 それでは、先ほど事務局からあった案を中心に、表現を修正していただく。
 「尖圭コンジローマについては」というくだりは、これでよろしいでしょうか。「ワクチンの効果等についての情報提供を行うことが重要である」。
○北村委員 先ほどの緊急避妊はここにも入れない、ここに入れましょうか。
○木村座長 女性の話があったので、そこでという池上委員の御意見がございましたが、ここへ盛り込むとしたらどういう表現をどこに入れたらいいですか。
○北村委員 緊急避妊を必要とする症例で一番多いのは、コンドームの破損なのです。コンドームの破損、コンドームの脱落。脱落の中には膣内に残留してしまう場合もあります。現在、レイプ被害に遭った女性に対しては、「性犯罪被害者に対する医療支援」が行われておりましてこの事業の中では緊急避妊は47都道府県が無料です。性感染症検査については、実は2万円を限度におおむね検査ができるという形になっています。そこまで掘り下げる必要はないかもしれませんが。
 性感染症予防ということを想定してコンドームを使ったにもかかわらず、そこで起こった出来事に対して対処する方法までもきちんと明記することが、女性の性と生殖に関する健康問題の中ではとても大事なのではないかと思っております。
○木村座長 どうぞ、池上委員。
○池上委員 真ん中辺りですけれども「女性に対する普及啓発は、対象者の意向を踏まえるとともに、対象者の実情や年齢に応じた特別な配慮」、ここの中の具体的な項目の1つに入ってくるんだろうと思うんです。
 それは緊急避妊だけではない。それこそ性感染に対する検査の受けやすさ、若者フレンドリーな検査環境というのはあったけれども。だから、ここの書き方をもう少し、これだと理屈はそうでしょうけれども、具体的に何というのがほとんど浮かび上がってこないんです。女性に提供される具体的なサービスとか。
 「女性に対する普及啓発は、対象者の意向を踏まえるとともに、対象者の実情や年齢に応じた特別な配慮や特定の特別なサービス」、サービスと言うと、また言葉が。配慮だけではなくて、例えばそういう医薬品があるとか検査があるとか、そういったことがここに追記されたら、配慮だけではなくて、具体的に女性のために向けられたものがあるんだということがあればいいかなと思います。
 それで全体として、性と生殖に関する健康問題としてとらえたい。それで、強調されたらいいなと思うんです。
○白井委員 例えばそこが「実情や年齢に応じた特別な配慮をした対応が必要がある」と文章を区切って、例えばコンドーム破損の際の緊急避妊法であるとか、レイプという言葉を使うかどうかですけれども、その際の性感染症の検査であるとかということを入れるのはいかがでしょうか。
○池上委員 何かそうすると、何で女性だけ特別に配慮が必要なのよというところが、この文章だけだと全然わかってこない、理解されないと思うんです。そういう具体的なことが1つだけではなくて、2つかあれば、そういうことがあるのかと、なるほど、これは特別な配慮と対応が必要だという説得力が出てくるかなと思います。
○木村座長 では、そこに今、御意見のあったコンドームの破損だとか緊急避妊のことなどを盛り込むという感じでよろしいですか。
○白井委員 具体的な事例として入れていただいた方がわかりやすいと思います。
○林課長補佐 御議論を踏まえてまとめさせていただきますと、例えば犯罪被害後の診療であるとか緊急避妊のための診療の場等において、性感染症の予防のための支援とその他の女性の健康問題への支援が総合的に提供されることが望ましいという趣旨でとらえてよろしゅうございますか。
○北村委員 緊急避妊という言葉は入るのですか、入らないのですか。
○林課長補佐 今は、犯罪被害の受診や緊急避妊のための受診という場においてという形に入れてはどうかということでございます。
○木村座長 ありがとうございました。
 どうぞ、白井委員。
○白井委員 今、エビデンスはないと思うんですけれども、尖圭コンジローマにおいては「女性においては、ワクチンによって」と書いてあるんですが、男性にワクチンをどうするかというのも諸外国ではトライしていると思うんですけれども「女性においては」は書き切っていいのかなと。
○小野寺委員 現状、日本では女性しか通っていないです。保険上は男性には使えないんです。
○白井委員 そこは保険を適用しなくても、そういうことを認めるかどうか。
○木村座長 味澤委員、どうぞ。
○味澤委員 もう男性でもエビデンスはあります。実際に日本でも保険ではなくて自費で男性に打っているところもありますから。ただ、ここの項は女性なので、この書き方になってしまうのかなと思います。そうすると、最初の予防接種の方でとりあえず包括しているのかなという感じを受けたのですけれども、日本では医療上はそういう適用が通っていないから、書きづらいというところがあります。
○白井委員 そうしたら、ここに「尖圭コンジローマについては」と書いてあるので、女性のくくりですね。「女性においては」が改めてここに入ってくるので、何か尖圭コンジローマが女性だけのものみたいな書き方にとられてしまう。
○林課長補佐 そこは「女性においては」を削除するということで、よろしゅうございますか。
○木村座長 なくてもいいですね。ぼかしてしまう。
 ありがとうございます。
 では、次に10~11ページ「医療の提供」でございますが、何か御意見ございますか。
 若者が受診しやすい環境づくりが大切、その配慮が必要であるということ、あとは学会等の関係団体の役割。情報提供とかきちんとやるべきであるという趣旨のことが書かれていること。
 それから、性感染症の専門家の育成が必要である。研修機会の確保などのこと。
 医療アクセスの向上。学会等の関係団体との連携というのを医療アクセスの向上という表現にして、このような修正を行うという原案というか、修正案であります。
 いかがでしょうか。
○小野寺委員 今までこういう文言はなかったものですから、大変ありがたいと思います。特に若者がなかなか受診しやすい環境というのは今までなかった。
 それから、ある程度専門家を養成するということが非常に求められていると思いますので、これは大変いいのではないかなと思っております。
○木村座長 ありがとうございます。
○北村委員 ここに明記する必要はないかもしれませんけれども「具体的に若者が受診しやすい環境づくりとは」と問われたときに、事務局なり国はどういう回答を用意しているんでしょうか。
○林課長補佐 国が用意するというか、その辺りも含めて特に両先生方を始め、先生方の御示唆をいただければありがたいなと、より自信を持って記載できると思います。
○木村座長 多分若い女性、女の子が多分いろいろ受診しづらいことが多いのかなと思います。保険証の問題とか。
○小野寺委員 具体的なことを言い始めると、いっぱいあるんです。ですから、なかなかここの中で書き込むのは難しいので、私はこういう表現でいいのかなと思いました。
○北村委員 画期的なというか、今までになかった文言であるがために注目をされて、それでは、具体的にはどうなのですかと。例えば「学会等との連携により専門家養成」と書くならば、国はそれ相応の予算化を図った上で、性感染症予防指針の改定を出すのでしょうねと、こういう期待は生まれるのではないでしょうか。そういう準備はあるのですか、専門家養成のための予算化。
○林課長補佐 今の時点でそういった予算を、時期でもありませんけれども、用意をしているということではございません。こういった指針の改正をしていくことで、向こう5年間にわたって、この方向に向かって関係者が一致して取り組んでいく。そのときには「学会等の連携により」と書いてございますので、学会にお願いするところも多々あると思っておりますけれども、この方向に向かって関係者が取り組むための礎になればという記載でございます。
○木村座長 どうぞ、小野寺委員。
○小野寺委員 それで私はよろしいかと思います。
○木村座長 では、よろしいでしょうか。
 どうぞ、南委員。
○南委員 この性感染症の専門家のイメージは、この間、小野寺先生が言われたと思うんですけれども、日本ではその都度、その都度、産婦人科であったり、横断的に診るということをしていないという御指摘が前回ありましたね。これは、それを意味しているんですか。
○小野寺委員 どうでしょう。これは味澤先生が言われた専門家の養成ということに関わって、たしか先生がそう言われた。
○味澤委員 これは今のところ、日本だと非常に難しいと思います。いろいろな学会で協力していく必要があると思います。感染症学会も実は内科、小児科、あるいはいろいろな科が集まって、感染症の専門医という試験でやっているように、性感染症にしても産婦人科とか泌尿器科とか内科とか、そういったところで知識を共用できる感じに持っていければ、とりあえず第1ステップかなと思います。急に米国式のというのは難しいと思います。
○南委員 もしそうだとすると、これではそこまで読めないというか。これは、かなり大きな構想ですね。おっしゃっていることは本当にそのとおりだと思うので、従来の診療科にとらわれないとか、具体的なイメージがある方がいいと思います。
 これだけ読むと、従来型の診療の中での専門家を増やすのねとしか読めないかなと思うんですけれども、それは意見として聞いていただいて、今回はこれでとどめるということでも別にいいんですが、この意味するところは意外と大きい構想のことだなと思うんです。
 性感染症だけではなくて、従来型の診療科別ではできないことがすごくたくさんあるように思うので、総合診療がいいかどうかは別としても、そういう意味で先駆け的に触れておくというのは、すごく意味があると思います。
○木村座長 いわゆる感染症の専門家は、広くいろいろな感染症が診られるというイメージの1つとして、性感染症を広く診られる、そういう専門家があった方がいいということですね。
 どうぞ、白井委員。
○白井委員 医療者というか、医師とか診療の場の専門家だけではなくて、教育の場であるとか、行政の方も保健師がいますけれども、そういうところの専門家というか、専門知識の養成ということも今、既存でというか、北村先生のところでいろいろ研修会をやっていただいたりということもあると思うんですが、それに参加できる助成を国から出していただくとか、そういうことをすると、今、既存のものも専門家の養成につながっていくのではないかなと思います。
○小野寺委員 性感染症学会では、一応認定医と認定士制度というのがちょうど3年前から始まって、医者だけではなくて今、白井先生が言われたように、認定士も制度として発足させていますので、それは1つの学会としての対応となると思います。
○木村座長 そういうものを多く発展させていくことが重要であるという趣旨ということで、表現としてはもう少し具体性があった方がいいという御意見がありましたので、その辺をもし可能でしたら、事務局の方で考えていただければと思います。
 では、12ページ「第4 研究開発の推進」、ここについては13ページの下の方に「若年者の感染リスクや感染の防止に関する意識・行動などを含む社会面と医学面における性の行動様式等に関する研究」等々を進めることが重要であると。
 「第4 研究開発の推進」では、そこのみ修正となっておりますが、よろしいでしょうか。特になければ、14ページ。
○北村委員 木村先生、若年者にこだわっていますけれども、いきなりエイズという言葉もある。それは特に中高年の人たちにときに見られるということが話題になっていますけれども、これは若年者にとどめるものなのですか。
○木村座長 感染リスクは、もう少し上の年代の人にもあるだろうということですね。
○味澤委員 エイズに関しては確かに北村先生がおっしゃるように、高齢者でも多い、最近増えているのは確かですけれども、それはエイズの予防指針の方でもやっておりますので、こちらの表現としては若年者がターゲットでもいいのかなという気はします。
○北村委員 私が母子保健課の研究班でやっている性意識・性交の調査などを見ると、若い人たちよりも30~40代ぐらいの男性の方が性風俗の経験率が高いとか、若い人たちは本当にそういう割合が少なくなっている。これは経済の問題がかなり影響しているかもしれませんけれども、危険因子はひょっとしたら若い人たちにとどまらないのではないかなと思っております。
○小野寺委員 確かにおっしゃるとおりで、去年、2010年は男性の性感染症は再増加の傾向があるんですが、むしろ若年者は横ばいで、30歳以降で少し増えている傾向があるんです。
 すべての性感染症が若年者だけではなくて、例えば性器ヘルペスは結構中高年で患者さんが多いですから、確かにここで若年者だけにすることは少し問題かなという気がします。
○木村座長 味澤委員、どうぞ。
○味澤委員 実際、女性の場合だと閉経しますとコンドームを使わなくなりますので、生理が終わった途端に、HIVに感染してしまうとか、そういう事例は確かにあります。そういったことも入れられれば一番いいと思います。
○木村座長 若年というと、大体どれぐらい。10代の後半から20代前半ぐらいですか。
○北村委員 国際機関にとってユースとは25歳ぐらいまでなのです。
○池上委員 四は「若年者の」と2か所出てきますが、単にこれを取ってしまえばいいのではないですか。本当に若年者というと、どこまでをというのも含めて混乱するし、年齢は関係ないといえば、関係ないので。
○林課長補佐 事務局としては差し支えありません。
○木村座長 ここは取っても大丈夫そうですね。
○北村委員 先般、徳島の性感染症、先生方も関わっておられる悉皆調査の結果を見る機会があって、徳島大学の泌尿器科の金山先生ともお話したんですけれども、50代女性の性器ヘルペスの初感染が増えているということが議論されておりました。なぜ初感染なのかというのは疑問でありますけれども、今後、いろいろ問題が起こってくるのではないだろうかと思います。
○木村座長 では、ここの2か所の「若年者」は削除ということでよろしいですか。
 次に、14ページの「第5 国際的な連携」、ここについては現行どおりでよろしいのではないかということでございます。よろしいでしょうか。
 前回も少し議論になりましたけれども、ほかの国の状況をそのまま日本に当てはめるのも難しい面があって、なかなか国際的な情報を日本でどう提供するかというところの難しさがありますねという話がありました。結果的には、余り表現は変わらないということになりますが、よろしいでしょうか。
 「第6 関係機関等との連携の強化等」については、若干の修正にとどまっております。ここもこれでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、定点のことを除きまして、一通り、この予防指針の改正案について御議論をいただきました。
 冒頭にもお話いたしましたけれども、定点についてはこれまで随分議論があって、なかなかこうしようという1つの方向性がまだまとまっておりませんので、これからあと30分ぐらい御議論いただいて、それを次回のときに改正案の中に盛り込んでいただくということにしたいと思いますが、時間が余りたくさんはございませんので、資料3以下につきまして、事務局からの分と白井委員からの部分とあります。資料3は事務局ですか。
○林課長補佐 事務局から後で御説明したいと思いますが、白井委員からも資料をいただいていますので、まず、お話しいただいてもよろしゅうございますか。
○木村座長 では、白井委員、よろしくお願いします。
○白井委員 資料4と資料5を提供させていただきましたが、資料4については、性感染症だけではない「国際的な感染症情報の収集、分析、提供機能及びわが国の感染症サーベイランスシステムの改善・強化に関する研究」の中で、性感染症についてサーベイランスの部分を分担して研究した報告書の抜粋です。
 ここに、全般の1~3の3のところに、定点医療機関の設定についてとありますので、この研究班でも定点医療機関の設定についてということを検討して、その中でやはり診療数の多い医療機関の選定をすべきだということが挙げられております。
 下のところで、分担研究報告書の概要の1ですけれども、地方感染症情報センターなど実務担当者を対象とした全国アンケートということがこの研究班の中であったんですが、今、予防指針の改定の中でいろいろ保健所の役割の期待がかなり大きい文言にもなってきましたので、実際にどういうことが具体的にできるかということで、地方感染症情報センターというのは保健所に設置しているところとか、市役所とか県庁にあるところもあるんですけれど、あとは県の衛生研究所などに設置しているところもあります。そういうところがもう少し機能的にという意味でアンケートを取りながら、サーベイランス情報についてどういう表現方法をしたらいいかということが挙げられました。
 その具体的なイメージとして、前回も少しガイドライン的なものがあったらいいかということでの補足を差し上げたんですが、そのイメージとして、資料5でスライドをたくさん出させていただいています。
 前段としては、資料5の一番上の方ですけれども、定点調査の動向把握が不十分ということが臨床医の意見から多いということとか、担当者からも地域の動向把握精度が低く、対策に生かせないということなんですが、単に生かせないということではなくて、実際どのように使ったらいいかということを見てみました。
 例としては、岡山市でも診断数の分布を見ると、これは全数の報告でアンケートを取ったらしいんですが、多いところに受診しているということとか、めくっていただきますと、兵庫県でも受診数が多いところで患者把握をしているということ。
 あとは、管内の医療機関で泌尿器科がないというところもありますので、そういうところになると、隣の管内に行ってしまうということもありますし、これはHIVの方でも御存じだと思いますけれども、診断地と居住地との関係では違いがあるということをグラフで示しております。
 かいつまんでいますが、スライド8の「性感染症発生動向結果活用ガイドライン(仮)の作成について」、これについてイメージを持っていただければと思います。いろいろ性感染症の届出が集まってくる情報をどう解析し、還元していくかについてのガイドラインを考えてみたということです。自治体アンケートとして、感染症情報センターを中心にアンケートを取りました。
 できるだけ使いやすいということで「初心者向け」ということを書いてあるんですが、アンケートの結果、127回答がありまして、施策への反映することとか、グラフをどう使ったらいいかとか、どういう情報を選択したらいいかということで多い順から項目を挙げています。
 スライド10、施策へ反映するには、業務に活用したいとか、やはり予算を取っていくために優先順位を上げるためには、サーベイランスを生かしたいということなんですが、情報提供ということでもグラフをどう解釈するか、また、新しいグラフをつくるかも含めてなんですけれども、そういう注意点を担当者が知りたいとか。
 報告のときには、これは性感染症に限らないんですけれども、いろいろ基準によって、報告の基準に合わないとか、いろいろ梅毒のこともヘルペスなどの最新データもあるんですが、そういうことの基準をきちんと知りたいということもありました。
 どこから入手したらいいのか、また、相談先はどこかということも、いろいろそういうことに応えたガイドラインにしています。
 次のスライドは、こういうものが内容のガイドラインにしたいということで眺めていただいたらと思います。
 一番最後のスライド18、こういうものを活用して「地域へのサーベイランス体制の改善のために」ということで「感染症サーベイランス委員会」を立ち上げているところであれば、こういうものを議題にするとか、エイズ対策、少子化対策、不妊治療、母子保健、学校保健、がん対策等、性感染症サーベイランスを総合的に生かして、性感染症対策単独ではない対応をしていく必要があるということです。
 あとは、全数調査とかいろいろやっている自治体については、先見事例に学ぶとか、そういう情報交換もしながら定点医療機関の設定を実際に検討するということで、これから検討していただく定点医療機関の具体的な設定方法を反映する形の自治体での活用をしたいということで資料を説明させていただきました。
○木村座長 ありがとうございました。そうすると、各自治体で一番最後におっしゃられたように、定点の設定について検討してもらう。班の大きな方向性としては、どういうことになりましょうか。研究班としては、冒頭におっしゃられた医療受診者の多いところを中心に、ゼロのところは省いていくという方向性ですか。
○白井委員 はい。それでいいと思います。
 ゼロといっても年間ゼロということ、月にゼロとかもあると思いますので、長期間報告がないという意味です。
○木村座長 あるいは何年間かゼロだという施設とかですね。
 資料4と5を御説明いただきました。その上で、資料3に戻ります。
○林課長補佐 ありがとうございます。
 資料3に基づいて、国の方の立場も含めて性感染症定点の設定について若干御説明をさせていただきたいと思います。
 発生動向調査というのは、性感染症のみならず、さまざまな分野の疾患について行っているものでございまして、国全体としての発生動向を把握して、解析、情報還元することで、ひいては感染症の発生拡大を防止するという目的で行っております。
 自治体における動向、自治体のみならず国全体としての感染症の患者さんの実態、経時的推移をつかむということが目的になっておりまして、このサンプリングをどうしていくかということは、この性感染症のみならず、さまざまな分野で問題になっております。
 これが過小評価にならない、そして、同様に過大評価にならない。どういうふうに代表性のある全国の実態と同じデータを取ることができるかということが課題でございます。
 現行の選定基準といたしましては、スライド2~3にございますけれども、都道府県は関係医師会等の協力を得て、医療機関の中から可能な限り無作為に患者定点を選定するということになっております。
 それ以外に決まっていることとしては、定点の数。これを保健所管内の人口規模に応じて、おおむね13万人に1か所選定をするということが決まっています。
 また、診療科としては、産婦人科、産科、婦人科。そして、性病科のような診療科、あるいは泌尿器科、皮膚科。こういったものから選定をするということが取り決められております。
 以前に御紹介いたしましたとおり、約2割が自治体主導で決めているということでございますが、約7割の自治体では医師会に選定を依頼しているということでございます。
 これまでの御議論を踏まえますと、論点の所在として、現在、定点の患者数から全体を推計できるように、無作為に抽出するというルールにはなってございます。ただ、それがどの程度実行されているかというところについても、若干の懸念があるということでございます。
 そして、性感染症定点医療機関の設定方法に関する研究、これは小野寺先生に一度御発表いただきましたけれども、一部の医療の機関に患者が集中する傾向がある。性感染症の診療においては、一部たくさんの患者さんを診ていらっしゃる医療機関と、ほとんど患者さんを診ていらっしゃらないという医療機関のばらつきが非常にあるということから、どの医療機関が定点に選ばれるかということによって、定期的に見ると、定点医療機関への受診が少ないという地域が出てくるということが問題になっております。
 一方で、7県で全数調査を行った研究によると、7県の合計では、定点による把握と全数による把握との間で実態に大きな差はなかったということで、大数の法則だと思うんですけれども、全国規模で見る動向把握という意味でいうと、恐らくは定点による把握と全数による把握、そんなに傾向の乖離が出てくるわけではないということが言えるのではないかと考えております。
 こういったことを踏まえて、どういった見直しが考えられるか網羅的に案を書いております。案1~5ということで、案1は現行どおりということでありますが、案2~5を引き続き、6~7ページに記載をいたしております。
 1つは、現行の定点の条件に更に層化をする条件を明確化するということで、診療所だけに偏ったり、病院に偏ったり、あるいは診療科がどこかに偏ったりということがないように、現実の診療科ごとの医療機関数あるいは病院、診療所ごとの医療機関数を踏まえて、バランスをとって選定をすることを明示するという案でございます。
 メリットとしては、そういう意味でのバランスを考慮できるということ。
 そして、実際それを受診することもできるということだと思いますけれども、小規模な保健所管内ではそもそも定点数が2~3つということもございますので、そこまで精緻にバランスを考慮できるかということはございます。
 案3、これが今、白井委員からも御意見としてあったところでございますが、患者の診療の実績が多い診療所、病院を選定するということでございます。患者さんをたくさん調査の中に組み込むことができますので、経時的な患者さんの増減が把握しやすくなるといったメリットがあるのではないかと思います。
 一方で、全国の平均的な姿を把握するという観点からは、どうしてもバイアスがかかって、過大評価になるということがございますし、また、そもそも多くの都道府県では患者さんの診療実績がわからないということでございます。
 患者さんの診療実績が多い医療機関に定点を変えていくとなると、これから例えば数年間にわたって、患者さんが増えていくというデータになってしまうんだと思うんですけれども、そうだとすると、何を見ているのかわからなくなってしまうということを、私どもとしては大変懸念をいたしております。
 ここは、また、ほかの分野ともどうしても関連するんですけれども、なかなかこういうことで踏み切るというのは難しいのではないかなという印象を持っております。
 案4としては、診療科として今の診療科でよいのかどうか。内科でも診療する場合があるということでございますけれども、これは定点の数を増やしていけば、こういった方法もあるのかもわかりませんが、定点の数が同じであるとすると、患者の少ない医療機関に分散させることによりつながってしまいますので、これでよいかどうかということは慎重に考える必要があると思います。
 案5は、本来在るべき姿なのかもわかりませんけれども、定点を増加させるということです。定点のバランスがとれていないという御指摘に対する本来在るべき解決策は、定点数を増加させるということで、より患者さんの多い医療機関、少ない医療機関も含めて、正確なデータを取っていくということになるんだろうと思います。
 デメリットとして、予算の増加ということもさることながら、医療機関の協力を得ることがより困難になる。よりたくさんの医療機関の協力を得ることがなかなか自治体によっては難しいということもございまして、これも性感染症の分野のみならず、インフルエンザ等のほかの分野でも問題になっていることではございますけれども、直ちに実施することはなかなか難しいのかなという印象を持ってございます。
 事務局として、さまざまな案と印象を述べさせていただきました。以上です。
○木村座長 どうもありがとうございました。
 具体的に案1~5という考え方ができるということで、主としてこの中でどの案を中心に考えていったらいいかという議論をしたいと思います。
 これまでの問題点として、小野寺先生に前回お話しいただきましたけれども、自治体の実態を個々に見ていくと、大分でこぼこがあるんだが、7県、幾つかまとめて見ると、ほぼ実態に沿ったような数字になるということです。
 理想的には、個々をなるべく標準的なものにしていった方がいいということですね。でこぼこをなくそうと。
○小野寺委員 要するに、定点の設定のばらつきが非常に大きいということが問題だというのと、白井先生の研究班と共通するのは、報告数が年間ゼロというところが何年も続けて、そこが定点に入れられているということ自体が問題。少なくとも、それだけはちゃんと見直すというか、方向で見てほしいかなと思うんです。
 案2にある全体的な定点のバランス、診療科のバランス。これは、トータルで見てみると、一番多いのは産婦人科なんですけれども、産婦人科、泌尿器科、約2つを合わせて9割近く。あとの10%が皮膚科というバランスになっていて、それ自体はそんなに悪くないかなと思います。
○木村座長 各自治体ごとに、そういうバランスに差がかなりあるんですか。余りないんですか。
○小野寺委員 ですから、定点設定の基準が決まっていませんので、これは白井先生の御意見があるかもしれませんが、要するに、自治体ごとに決めているというか、医師会に丸投げしているような印象が非常に強い感じがあるんですけれども、いかがでしょうか。
○白井委員 丸投げというか、基準がないのでどうしていいかわからないというところで、結局は前例踏襲みたいな形になってしまっているんです。
 医療機関を選ぶのであれば、できるだけ自治体から個別にというよりは、医師会として組織として選んでいただいた方が交渉もしやすいという部分があったりするので、そういう結果、医師会の方でも基準がなかなかわからないということになり、協力して手を挙げてくれる先生というと、余り診療に負担がかからないという意味があったり、逆に積極的にやりたいというところが手を挙げてくださったりというところのバランスというか、本当に基準がないゆえに医師会の方も困っているのではないかなと思います。
○木村座長 そうすると、案2にありますような現行の設定に層化条件を明確にしていく方向性がいいのではないかという御意見かと思います。
 谷口班の方では第3案に近い御意見なんですけれども、これは先ほど事務局からも指摘がありましたが、バイアスがかかって過大評価になっていく。患者の多いところを中心に、そして、ゼロを外していくとなると少し偏ってしまうのではないか。平均的なところから偏るのではないか。今までのデータとの連続性が失われてしまう心配もあるということが言われましたが、その点はいかがでしょうか。
○白井委員 確かに一斉にその辺がうまく切り替わっていくのであれば、ここからの年代はそうですということが言えると思いますが、これも自治体に任されると、ばらばらということはあると思いますので、ここでは、最低限ずっと報告数がゼロというところは外してほしいという意味で、全部上から多い医療機関を必ずしも選ばないといけないという意見ではないですが、選んだらこういう形で補足ができるという検討をして出させていただきました。
○木村座長 小野寺先生と共通しているのは、少なくともゼロ更新しているところは除いていただきましょうということですか。
○小野寺委員 割と論文も出ていると思います。三重県ですとか富山県でしょうか、見てみると、患者数の多い医療機関をずっと把握する方が全体としての動向はつかめるのではないかという結論にはなっていると思います。
 バイアスがかかるということは、その辺は検証してみないとわからないと思うんですが、ただ、多い医療機関を選んだ方が全体的な動向としては把握できるのではないか、自治体ごとのばらつきが余りなくなってくるのではないかと思います。
○木村座長 診療科のバランスとか病院、診療所のバランスというものを考慮することで、多少なりともばらつきを減らすということができれば、案2辺りが一番現実味のある選択肢かなと思います。いかがでしょうか。
○北村委員 大変卑近な話題で恐縮ですけれども、定点として選ばれた施設に対して、どういう謝礼、謝金とか報酬とか報告謝礼とか、どういう形で出ているんですか。
○林課長補佐 これは発生動向調査事業で謝金の予算措置もございます。ただ、現場の先生方から見て、謝金が魅力になるというものではございません。気持ちばかりの感謝をお示しするととらえていただいた方が実態に近いのかなと思います。
○木村座長 どうぞ、小野寺委員。
○小野寺委員 私が考えているのは、指針の中にはとても書き込めないことだと思いますけれども、要するに、定点医療機関の質に関する問題をある程度どこかで表現する必要があるのではないかと思っています。
 ある程度性感染症診療を積極的に行う、あるいは専門性が高くて、学会の認定医ですとか、学会と非常に連携を保てるところを選んでいけば、ただ、数の把握だけではなくて、先ほどの若者に対する予防啓発等のことも含めてやっていけるのではないかなと思っています。
 勿論、それはここには書きませんけれども、何らかの形で先ほどおっしゃった要綱ですとか、そういったところの質の基準というか、質に関する提案的なものは入れておきたいなと思っております。
○木村座長 バランスも含めて、そういう条件を付けるとしたら、これは何か通達みたいな格好で各自治体に行くんですか。そういう細かいところまで、なかなか指針には盛り込むのは適切ではないだろうという前提で言うと。
○林課長補佐 そうですね。指針にそこまで書き込むということではなくて、別途になると思いますが、もともと発生動向調査の実施要領のような通知がございますし、それに加えて、新たな通知を出すという方法もあると思います。
○木村座長 資料2の5ページに戻っていただいて、発生動向調査の活用の枠ですけれども「届出機関の指定の基準(定点選定法)をより具体的に示すとともに」という表現になっているわけですが、ここを改める方がいいのかどうかということも考えつつ、御議論いただきたいと思います。
 この案が5つ出されておりますけれども、いかがでしょうか。案5の定点数を増加させる、これができればいいんでしょうけれども、大分予算もかかるということと、なかなか徹底ができないだろうと。
 たしか5年前のとき、感染症法ができるときに定点の数も大分増やしたんです。それで、以前よりは大分改善されたということだったと思います。
○小野寺委員 ちなみに今、全国で定点数960~970の間ぐらいです。
○木村座長 では、数としてはほぼいいのではないかと。
○小野寺委員 一時、10年ぐらい前に比べると増えています。トータルで60件ぐらい増えていますか。
○林課長補佐 基準を新たに設置したという意味では、座長がおっしゃるように、感染症法ができたときということになります。その後は、運用で多少の増減があって、当初よりも先生がおっしゃるように、現在では少し増えている状況になっています。
○木村座長 倍増という状況ではなくて、数十増えたという程度。1割程度。
○北村委員 その960~970の中の日本性感染症学会の会員の割合はどれぐらいなんですか。
○小野寺委員 そこまでは調べていません。
○木村座長 性感染症学会の会員自体が余り多くないので、余り入っていないかもしれません。
 あと、案4も内科を追加するというのは、内科を受診するということはないわけではないけれども、余り効率的なサーベイランスにはならないような気がします。どうですか。
○小野寺委員 先ほど申し上げたんですが、ある程度専門性が高い医療機関、しかも内科ということになりますと、別に診断力の高低を評価するつもりはない。ただ、ある程度正確な診断ができるという施設を選んでいく方が、正しい方向だと思います。
○木村座長 案1は現行どおりということで、これを幾らかでも改善したいとなると、残るのは案2か案3かということになりますが、何か御意見がございましたら。
○白井委員 自治体がどうやって現状を把握するかというところも悩んでいる状況で、そういう意味では、案3に「そもそも患者診療実態が不明」と書いてありますけれども、例えば今の定点の医療機関がどれだけ年間に患者さんがいてとか、どういう年齢層かということを調査して、その上で案3を検討する段階が必要なのかなと思うんです。
 そういうときには、フォーマットは同じにして、自治体ごとの調査をしていただくというか、そういうものを国からやっていただいた方が研究班というよりは回収率はいいのかなと思いますけれども、そのときに医療機関の質、つまり診療内容とか診断内容の質というよりは、定点の質ということでやっていただくのであれば、客観的な評価になるのではないかなと思います。
○小野寺委員 定点の質とは具体的には、例えば。
○白井委員 やはりゼロというところがないとか、あとは男女比であるとか、泌尿器科とか産婦人科といっても感染症を余り扱っていない医療機関もあると思うんです。ですから、どこまで詳しくという調査になると難しいかもしれませんけれども、患者層であるとか、そういうものは調べる内容になるのではないかなと思います。
○木村座長 少なくとも案3にするとしたら、どこでどれぐらい性感染症の患者を診ているかという基礎となるデータが必要ですが、そもそも今、それがない自治体が多いから、案3では無理があるという受け取り方でいいですか。
○白井委員 あとは研究班レベルとか全数調査をしているところでは、実態把握はあると思うんですけれども、全国一斉にそれをするとなると難しいかなと思いますし、数を増やすにしても、基準がないまま増やすということでは方向がどうなっていくかわからないということがありますので、実態把握ができたらいいかなと思います。
○木村座長 どうぞ、小野寺委員。
○小野寺委員 これは指針というよりは、研究班レベルの調査になると思うんですが、私は7つのモデル県で5年間ほど調査をしたんですけれども、そこだと当然その県の各医療機関の実績が全部出ていますから、各県ごとに医療機関の実績を把握した中で、定点を1つのモデルとして設定してもらって、それで調査するというのが1つの方法かなと今は考えています。
 ただ、それはあくまでも研究班レベルの話かもしれません。
○北村委員 他の診療科がどういう形で検査を進めているかということは存じ上げませんが、産婦人科では例えば妊娠をすると、性感染症の検査をおおむね全例にするとか。ピルなどを処方している施設で、性感染症予防に熱心な医師達であれば、パートナーが変わると検査をするとか、検査に対するスタンスは恐らく診療科によってかなり違うのではないですか。泌尿器科などでしたら、恐らくある程度の症状が出てきた事例について検査を進めるということにとどまるのか、産婦人科レベルでは全然そうではありません。
 ですから、そういう意味で診療科の割合をひとまずは、例えば産婦人科系統は全体の5割だとか、泌尿器科は3割だとか、そういう形で統一することで、かなりばらつきを減らせるのではないかなという印象があります。
○小野寺委員 それは例えば今度、全数調査をやったときに、各県ごとにバランスなどを見てみますと、それほど変わっていないです。それほどばらつきはない。今、言われたみたいに産婦人科が40%台、泌尿器科がそれより少なくて、皮膚科が10%ぐらい、その比は余り変わっていないと思います。
○木村座長 ただ、そういう条件が明確にはされてきていなかったので、ここにある病院、診療所のバランスを考慮した上で、無作為に選んでいただくということがよろしいでしょうか。
 それと同時に、全数調査みたいな研究班でやられたようなことは、定点の選び方が適正であったかどうかというのを検証する意味で、ある一部の自治体について継続することは必要なのではないかと思います。
 谷口班の方では、定点をどうするかというガイドラインみたいなものをつくる予定になっているんですか。
○白井委員 いや、むしろそれはこういう(ワーキンググループで検討する)ところ。
○木村座長 各自治体で考えてくださいという。
○白井委員 そうなんですけれども、そのための何かアドバイスをこういうところで求めたりとか、小野寺班との情報交換の中でやっていきたい。
 だから、定点を谷口班で決定するというよりは、定点をどう活用していくかというところに今、視点があるんです。
 結局、実態がわかってくると定点を変えないといけないという結論にいく自治体もあるんだろうなということで、堂々巡りにはなるんですけれども、そこでアドバイスがほしい。今、ないものねだりではなくて、ある段階での解析はしていこうという考えです。
○木村座長 どうぞ、南委員。
○南委員 サーベイランスについて基本的なことで申し訳ないんですが、感染症の動向ですね。だから、先ほどから問題になっている症例数が比較的あるところをとっていくと、逆のバイアスがかかってしまうということが、そのときに過大評価になるということがあって、そうすると、先生がおっしゃっている基礎的な全数調査みたいなことの方が、性感染症に関しては逆に優先的に必要ということなんでしょうか。
 サーベイランスと一般的に言った場合は、ゼロにも当然意味があるわけですね。そのゼロをあえて排除していってしまうと、その定点の質というのはわかるような気はするんですけれども、定点の質も含めて実態を見るというイメージが本当のサーベイランスかなと何となく思いました。
○木村座長 客観的には確かにおっしゃるように、ゼロも実態なんです。
○南委員 でも、多分それはインフルエンザなどと性感染症は少し違うのかなという印象を、今の議論を聞いていて思ったものですから、全数調査の方が本当はもしかしたら正確に必要なのかなという印象を持つんですが、やはりゼロは排した方が質はよくなるんでしょうか。そこがよくわからなくなってしまいました。
○木村座長 南委員のおっしゃっている全数調査というのは、定点を決めないで、すべての医療機関から全部報告をもらうということですね。
○南委員 そうです。性感染症がどのくらいという。それは現実的ではないかもしれません。
○木村座長 これはなかなか恐らく大変だと思います。
○南委員 だから、ここで言う性感染症のサーベイランスという場合、それに近いものを期待してやっているということですね。
○木村座長 代表的なところで、代表というか全体を反映する、そういう意味で代表となる数値を得ようというランダムサンプリングです。
○南委員 どのぐらい実態がとれるのかというのが、サーベイランスというやり方がいいのかどうかに根本的な疑問を感じてしまいます。
○白井委員 ゼロを排除するというのは、できるだけ性感染症をたくさん取ろうというよりは、私も先入観があって申し訳なかったんですけれども、本来ならばその地域はゼロではないだろうというところが、ゼロの医療機関をあえて選んでいるのではないですが、そこになってしまっているのではないかなという部分があって、そういうところを地域を見て、ゼロではなさそうだということを反映してほしいという意味なんです。
○南委員 それはよくわかります。恐らく行政とかの方は、そういう勘がすごくあるので、多分そういう調整は確かに必要だとは思います。わかりました。
○木村座長 ゼロの扱いはどうしましょうか。何年間か連続してずっとゼロという、例えば3年間ゼロが続いたら変わってもらうとか、どの辺が妥当なのかもお構いなしに、ゼロもゼロという実態だということで継続するか、非常に悩ましいところであります。
○北村委員 先生、ゼロなどということは常識的にあり得ません。結局、報告に対する不熱心さの表れ、あるいは行政に対する協力度の低さ、こういうものが間違いなく出ているのではないでしょうか。
 ですから、もしゼロにこだわるならば、今後、数か月、数年にわたってゼロのところに、その実態を調査してみる。現状はどうなのかという調査をして、排除する、しないを決めると、やってみたらいいのではないかなと思います。
○木村座長 中嶋室長、どうぞ。
○中嶋室長 このサーベイランスの適格性の一番のポイントは、届出をいただく医療機関の質の問題というのでしょうか。医療機関が受診をされた患者さんを基準に従って、届けていただくというのが、あまねくどの定点もやっていただければ、日本のサーベイランスの質は非常に維持できるというところなんですが、今のゼロの問題は本当にゼロを選んでいる定点の設定もあるのかもしれませんけれども、仮にないとして、やはり届出をいただけないというところがもしあるとすれば、それは感染症法第14条のところでいただくものが満たされていないということなので、そこは見直しをその定点を設定したところにはやっていただかなくてはいけないところなのではないかなと思います。
 同じような問題は、先ほど出ましたインフルエンザのところでも出て、定点の数の充足率の問題、少ない自治体、多い自治体、いろいろとあったんですけれども、そこのところを新型インフルエンザをてこに少し改善を図れた部分も自治体の中ではあるように聞いています。
 なかなかドラスティックに変わる部分はないのかもしれないんですが、小野寺先生がおっしゃるように、定点の質をどう図るかというのが性感染症のところでも大事なのかなと思います。
 案2ですが、案1の現行のところですら改善が相当図れなくてはいけないのかなとお話を伺っていて、感じたところです。
○木村座長 大体時間になってきましたけれども、本日の検討としては、案2を中心と考えていくということでよろしいでしょうか。
 ゼロの医療機関については、本当に協力いただけているのかどうかということを含めて検討が必要であるということで、余り長くゼロが続くようであれば、何年かで交代していただく。3年ですか、5年ですか。
 そのようなことで、大体のコンセンサスをいただいたということで、今日のワーキンググループの会議を終了にしたいと思います。
 事務局から今後の予定などにつきまして、何かありますか。
○林課長補佐 ありがとうございました。
 特にこちらからはございませんので、今日、いただいた御意見を踏まえて、内容を整理させていただいて、できれば次に開く前に少し書面で調整をさせていただいた上で、次の会にはできるだけ仕上がりに近いものを御提示して、更に御確認いただくという場にできればと思っております。
 なお、ここでの検討は、専門的な観点からの検討ということで、ここでいただく御意見だけではなくて、省内あるいは関係省庁等とも含めた調整をしないといけないので、文言すべてがそのとおりになるということではないかもわかりませんけれども、ここで次回までに御意見をいただいたものをできるだけ反映する方向で見直していきたいと考えてございます。
 日程については、また調整をさせていただきたいと思います。
○木村座長 HIVエイズの方が少し案文をつくるのが遅れておりまして、ですから、次回は9月以降。8月中は難しいですね。
○林課長補佐 そうですね。エイズの方は今、別の検討会で原案をつくっておりますので、それを御報告して、御意見いただくためにできるだけ時間を取って、性感染症の方は確認ということで、状況が整った時点で開催をしたいと思っております。
○木村座長 では、今日の御議論を踏まえて修正したものを皆様にお送りして、御意見をいただいた上で、次回の開催という段取りということでございますので、またよろしくお願いします。
 本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局結核感染症課 03-5253-1111(2386)

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