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2011年7月13日 第7回労働安全衛生法における特殊健康診断等に関する検討会

○日時

平成23年5月27日(金)
10:00~


○場所

厚生労働省共用第6会議室


○議事

○古田職業性疾病分析官 それでは定刻に少し早いのですが皆様お集まりですので、ただいまより「第7回労働安全衛生法における特殊健康診断等に関する検討会」を開催させていただきます。
 本日はお忙しい中、ご参集いただきまして大変ありがとうございます。私は、厚生労働省労働衛生課の古田と申します。よろしくお願いいたします。最初に鈴木労働衛生課長から、一言ご挨拶申し上げます。
○鈴木労働衛生課長 おはようございます。労働衛生課長の鈴木でございます。本日は皆様、大変お忙しい中、ご参集いただきましてありがとうございます。この検討会で、特殊健康診断に関しましては、私が労働衛生課長としてまいりました平成20年ころには相当ご議論いただいて、早く規則改正等に結び付けたかったわけでございますが、細かい点でいろいろと修正が生じ、その作業をやっている間に、今度は昨年度メンタルヘルスと受動喫煙のテーマでいろいろな業務の関係上、ちょっと押し出されるような形になりまして、折角ほぼ完成近い形でご議論いただいておりましたのが延び延びになっておりまして、大変申し訳ございませんでした。地震などもあり、また延びたりしていましたが、本日ようやく開催できますので、結論を取りまとめて、できるだけ早い時期に改正に結び付けたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。簡単ですがご挨拶とさせていただきます。
○古田職業性疾病分析官 本日は委員全員にご出席いただいております。配付資料はホチキスで綴じておりますが、「議事次第」に綴じてある2枚目からが「資料1」です。その資料のいちばん最後に開催要綱と、最後の頁に参集者名簿が付いております。それから、委員の先生方には、参考として、中央労働災害防止協会が作成しました平成19年度の、「特殊健診の健診項目に関する調査研究報告書」をお配りしております。
 それでは今後の議事進行につきまして、座長の櫻井先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○櫻井座長 それでは議事進行を務めます。どうぞよろしくお願いします。
 最初に議題(1)の「労働安全衛生法における特殊健康診断等の健診項目について」、事務局から説明をお願いいたします。
○古田職業性疾病分析官 資料1は、平成19年度の中央労働災害防止協会に委託しました調査研究委員会の報告書の見直し案を元に、20年度に4回この検討会を行い、見直しをしたものです。一昨年の21年9月4日に開催しました第5回検討会で、この資料1と同じ資料を提出させていただきました。しかし、そのときは他の議題を議論したため、この資料1についてはご議論いただかずに、ご意見があれば事務局までご連絡いただきたいということだけ説明して終了しています。
 これまでの4回の議論を踏まえ、中央労働災害防止協会の調査研究報告書から追加になったもの、もしくは削除になったものなどがこの資料1に示されております。表の左側が現在の項目で、右側が最終の見直し案です。中身の個々の説明は省略させていただきます。以上です。
○櫻井座長 ただいま説明がありましたとおり、資料1は平成21年9月の第5回検討会で配付されましたが、議論はしておりませんでした。その後、和田委員から事務局に、この資料1の見直し案についてコメントをいただいたということです。初めに和田先生からコメントをいただければと存じます。お願いいたします。
○和田委員 2年前に提出させていただいて、忘れてしまったのですが、特に重大な問題でもないと思うので、無視していただいてもかまいませんが、折角時間をいただきましたので、ちょっとコメントを簡単に述べさせていただきます。これはあくまでも個人的な意見で、是非は本委員会の総意で決めていただければということです。
 まず第1に、全体を見て前々から奇異に感じていましたのは、特化物で「一次健診」「二次健診」という項目、有機溶剤で、「必ず実施すべき項目」「医師が必要と判断した場合に実施する検査」というように分けてありますけれど、これは何か区別があるのか、一次・二次というと、一次でスクリーニングをやって、二次で調べるというのが普通ですけれど、有機溶剤とかでは対象者が多く本当はそのほうがいいと思うのですが、逆になっているという感じ。それから一次・二次という、一次で異常があった場合二次ということで、医師が必要と判断した場合というのは、これは一緒に判断したらその場で一緒にやっていいという意味なのか、それともあとで医師がちゃんと判断して、そして二次検査みたいにしてやるのかという、そこら辺がちょっとよくわからないです。しかも、分かれているということが混乱を与えるのではないかと思いますので、統一できたら統一したほうがいいのではないかという感じをしていました。
 もう1つは自他覚症状についてということです。簡単に自他覚症状の有無を調べろと書いてあるところと、2、3の症状を挙げて「等」としてあるところと、10いくつも挙げて、聞きなさいというところがあって、非常にアンバランスな感じがするわけです。非常に多いところは不定愁訴みたいなものも全部含めて書いてあるわけで、本当にそれでいいのかどうか。ある程度統一したほうがいいのかということです。必ずしもそうする必要はないかもしれませんが。
 それと有機溶剤のはじめの2、3頁の有機溶剤による見直し案をみますと、「自他覚症状の有無の検査」と書いてあるだけです。これはやはり「有機溶剤による自他覚症状」ときちんとしたほうがいいのではないかということです。
 それから6、7頁の見直し案のところでは、二硫化炭素とかメタノールの項目ですが、ここにも既往歴の調査で「有機溶剤による健康障害の既往の有無」と書いてあります。これは「二硫化炭素による」とか、あるいは「メタノールによる」とかしたほうがはっきりします。この辺のところが、ちょっと何となくバランスが崩れているという感じがします。これはこのままでいいというのなら、別にそのままでも通用すると思います。
 もう1つは「作業要件の簡易な調査」というのは、立前として今回の目玉ということで、入れるのはもちろん問題ないと思いますけれども、例えばニッケルとか砒素で、すでに各々について「健康診断の実施に当たって留意すべき事項について」という指針が付けてあります。今後、すべての物質について個々に付けるのかということです。統一したようなものをひとまとめにして1つ付けるのか。もうニッケルと砒素については個々に付いていますがその辺のところを、どのようにしたらいいか。あるいは、医師の判断に任せるというようにするのか。
 もう1つ、過剰のばく露の判断をしろと言っているのですが、実際、現場の産業医等が何をもって過剰のばく露の判断をするかということが、非常に困ることが多いのではないかということです。いちばんいいのは、作業環境測定値で判断していくというのがいいのではないかと思います。その辺のところ、現場の産業医等にあまり負担をかけないように、いちばん適したもので判断するようにしてあげたほうがいいのではないかということです。
 現実の問題としては、一次健診検査で異常があれば当然二次で必ず作業条件と詳しい調査を行うことになると思います。したがって、一次で何か異常があった場合には、もう簡単な作業条件の調査をする必要もないかなという感じもするわけです。あとで考えてみればということで、一次健診がマイナスの場合、異常なばく露がないとなれば、そのままでいいわけですね。最も問題となるのは異常なばく露の可能性が、簡単な作業条件の調査であって、一次健診で異常がなかった場合どう判断するかということです。この場合、簡単なばく露、異常なばく露というのは、一次検査にも引っかからないほど無視していいぐらいのばく露だよということと判断するのか、あるいは見落としがあって、もう1回ちゃんとやるべきだというようなことでやるのか。前者であれば、作業条件だけの調査をやる必要はないのではないかという感じになってくるわけです。
 作業環境測定で、管理区分を決めて、第3になれば、当然ちゃんとした検査をやりなさいと書いてあるわけです。問題のあるのは第2管理区分になったときに、管理区分を超えてもっと厳しく第2管理区分でもちゃんと検査をやりなさいと、より厳しくするという意味なのか、その辺のところが統一されていないかなという感じがしました。全体的なコメントはそれだけです。
○櫻井座長 ありがとうございました。個別の問題に入る前に、ただいまいただいたコメントの中でかなり一般的な話が出ておりますので、意見交換をしていただきたいと思います。いまの順番でいきます。
 最初、一次・二次というのと、必須項目と医師判断項目の区別の問題。特化則と有機則で違っている部分ですが、これはいかがでしょうか。
○和田委員 いままでこれでやってきたからこれでいいよということであれば、それでかまわないと思いますけれども、折角何か変えるのであれば、統一してすっきりしたほうがいいかと、それだけのことです。
○櫻井座長 一次・二次と明確に分けてあると、一次のときに二次に該当するところをやる自由度が失われているような感じもします。
○和田委員 どちらかというと、一次が異常なければ二次をやる必要がない、というような意味ですね。
○櫻井座長 最初から二次に挙げてあるのを、一次でやっている産業医もおられると。
○和田委員 だったら、医師がやる必要があると初めから認めたということで、一次で両方一緒にやってもいいのではないですか。
○櫻井座長 そうですね。山田先生、例えば望ましい方向性としては一次・二次というよりは必須項目と判断項目と。
○山田委員 うちも一次・二次もできるだけ一緒にやると決めております。これは一次は最低の条件だから、事業者がOKと言えば一次・二次を一緒にやりたいということで、多くの場合は一緒にやっています。
○櫻井座長 名前まで統一するような方向もあり得るだろうと思いますけれども、ちょっと改正が少し大きくなりますね。
○山田委員 一次の場合には、必ず最低これだけでやっておけばまあいいかなという感じで、捉えています。
○和田委員 そうすると、これの「必ず実施すべき項目」というのに大体該当することになりますよね。
○山田委員 そうです。健診もお金がかかることですから、最低はそれでいいのではないですかと思います。ただ、もう少し深くやりたいときにどうかという話がありますけれど、できる所は一次・二次一緒にやられたらいかがですかと。ただ、一次は最低はやってくださいね、ということの考え方かと思います。
○櫻井座長 先生もそう思いますか。
○和田委員 はい。
○圓藤委員 15頁の特化則のベンジジンのところに、前に議論になったのですが、一次の中に「6)医師が必要と認める場合は」というのが入っていて、それと二次健診の整合性といいますか、理解しづらい記載です。特化則をいらわないとすればこのようになってしまったけれども、特化則も鉛も、有機も同じようにするならば、こういう書き方をしなくてもよくなるということですよね。
○鈴木労働衛生課長 よろしいですか。現実的に今後の手続きを考えますと、二次健診も医師が必要と判断した場合というと、何か若干義務づけられたみたいなニュアンスで、特に事業者側には捉えられると思いますので、相当議論を呼ぶのではないかなと。山田委員が先ほど言われていましたように、例えば運用上で何か通達でそういったものもやることが望ましいというか、そういったような何かマニュアルというか、それこそ通達を出すという対応ですと抵抗は少ないかもしれないです。
 あと、これを統一したときにどのような法令の審査的な、また、エビデンスというか、そういうものが求められるかというのも、ちょっと予想がつかないですね、いまの時点では。そうするとまた全体について、いろいろ議論しなければいけないという可能性はあります。
○櫻井座長 また見直して時間がかかってしまうという、そのデメリットが起こってくる可能性があります。
○鈴木労働衛生課長 これはあくまでも事務的な話です。
○櫻井座長 はい、わかります。和田先生も、いまの段階でこれを統一すべきであるとまでは。
○和田委員 いままでこれでやってきたのだから、別に支障を来たすことはないだろうと思いますけれども。ただし、今後の問題としておいて頂ければせればよいとも思います。
○山田委員 やはり実際にやるときに同じような書き方で、必ずやる項目と医師が必要というように、全部が揃っていたほうが楽です。それが一次健診・二次健診という言葉になってくると、またこれは何だという話になってきますから。この際やはり変えるなら、同じように揃えていただいたほうがいいです。
○櫻井座長 それはまた手続き上の問題で。
○鈴木労働衛生課長 可能性があればそういうことも取らせていただいて、難しければこういうことですがということで、ご了承いただくということでいかがでしょうか。
○櫻井座長 そうですね。
○鈴木労働衛生課長 大きな壁が立ちはだかるようでしたら、むしろ迅速性を優先して。これもずっと見直しをしてこなかったわけですが、今後は適切な間隔でやるということですから。今回やらなければ、また10、20年やらないというそういう話ではありませんので。
○圓藤委員 山田先生がおっしゃるような事業所は、むしろ少ないと思います。
○山田委員 だから最低の条件として、必要なことはきちんと書いているほうがいいと思います。
○圓藤委員 有機溶剤で「医師が必要と判断した場合」というこの記載の仕方で、ほとんどの事業者は二次的に取り扱っていると思います。二次的なものと理解して、実施していない事業者のほうが多いと思います。だから有機則に合わせて特化則を変えるというのはそれほど、事務的にはあるかもしれませんが、大きな影響があるとは思えないですけれども。
○櫻井座長 はい、ありがとうございました。その問題は労働衛生課長からのコメントがありましたように、若干の検討課題としてご検討いただくという方向で進めさせていただきます。
 次に「自他覚症状」で症状を挙げているものもあるし、ないものもあると。アンバランスというのも全くそのとおりですが、ただ細かい記載は法令の中ではどこに出てくるものですか。
○古田職業性疾病分析官 例示がしてあるものと何もないものと、非常に細かく例示してあるものがあるということで、アンバランスです。
○櫻井座長 例えば鉛はそれの健診項目として指定してある中に、自覚症状も全部列記してあります。
○古田職業性疾病分析官 はい。
○櫻井座長 たしかに。
○山田委員 自覚症状は全部聞きなさいということになっていますから、自覚症状のところに一覧表で挙げています。
○櫻井座長 有機溶剤についてはいろいろと決めてあるけれども、それは有機則の健診項目のところには出てきてないですよね。ガイドラインみたいなもので世上に流通している。ですから、いろいろ不整合があります。
○圓藤委員 和田先生がおっしゃるように、有機溶剤の物質ごとにあるわけではなくて、有機溶剤全体としてあるような。
○櫻井座長 そうですよね。それで事実上、自覚症状については、この中災防委員会でも問題としては十分意識していたけれども、そこまで議論する時間はなかったということですね。
○山田委員 前に1度自他覚症状という用語について議論をしたことがありました。特化則の場合に「自他覚」と書いてないです。他覚的所見が先で、ついで自覚的所見が続く「他自覚」になっているのです。
○櫻井座長 そうです。それも整合性のないところです。
○山田委員 言葉の書き替えだけで「自他覚」も「他自覚」も同じではないかといいましたら、それは違うと言われたのを覚えています。
○櫻井座長 これをもし合理的な方向に改善しようとしますと、個別の物質の自他覚症状として何を挙げるのが最善かということを議論するのに時間がかかるのです。やるのが望ましいとは思うのですが。
○山田委員 それぞれの項目について全部ありますが。それは医者によってかなり重要度が違いますから。
○櫻井座長 ええ、ばく露の状況によっても違いますし、いろいろなばく露の状況を考えて推奨するリストを作るというのは、かなり至難の技になってきます。
○和田委員 ということは、いま現在ほとんど聞いてないということですか。何も書いてないところは。
○山田委員 いや、それはそれなりの、医師本人の裁量で効いています。
○櫻井座長 当面、手を付けるのがちょっと難しいので、今後の課題ということにしていただいて。
○和田委員 「自他覚症状」と書いてあるところだけを、「有機溶剤による」と付けるかどうかです。
○櫻井座長 そうでしたね、それがございます。
○和田委員 それと「有機溶剤による自他覚症状」となると、自信を持ってこれは有機溶剤によるものと考えていいかどうか、考えることがあるわけですが、その辺のところをどうするか。
○山田委員 作業者によって自他覚症状というのはものすごく違うのです。自分たちが訴えることが、ひょっとしたら有機溶剤とからんでいると考える一方で、本人たちはそうは思っていない場合も結構あります。全般的に有機溶剤によるということになってくると、作業者のほうはどう考えるかなと思います。
○柳澤委員 おそらく医師の立場から考えてみますと、ただ漠然と自・他覚症状というように言われたら、その被検者のもっている訴えをそのまま記載する、それから他覚的なものは診察の所見を記載するということですけれども、前に例えば、二硫化炭素によるとかというようなことを決めると、医師の側が、個々の症状についてそういうものであるかどうかという判断しなければいけないとなると、非常に恣意的なものが入ってきてしまいます。
 それからもう1つは、いずれにしてもいろいろな点で表裏があるわけですから、例えば11頁のにあるような、鉛といったら非常にはっきりと鉛中毒による症状というようなものが確立されているわけですから、それについては列挙しておくということはいいと思います。そういう場合の問題点は2つあって、1つは、積極的にこういう症状がありますかと聞いたときに、被検者によって基準がなしに、非常に気にする人はそういうことはありますと答えるということで、逆に自覚症状の訴え自体の頻度などを取ったときに、あまり客観性がないという結果になってしまうというリスク。それから、列挙されている以外の症状もひょっとしたら先々の問題として原因物質に関係することがあり得るかもしれないと。特に新しく問題となるような物質については、そういうことがあるので、いままで問題になってなくて、これから問題になり得る可能性のある症状が最初からその場面で除外されてしまうというリスクがある。
 そういう2つの面があるので、実際の、かなり大雑把ですが私は臨床家として、産業医と違うと思いますけれども、こういう自他覚症状を聞く場合には、例えば二硫化炭素についての中毒についての健診ですよということを、被検者がわかっていれば、その範囲であまり制限をつけないで聞くことでもいいのかというような考え方でよいか、そういう印象なのです。
○和田委員 被検者は、二硫化炭素でどういう症状が出るなどということは、わからないと思いますが。
○柳澤委員 ですね、わからないですね。だから逆に被検者がどのような症状が出るのですかと聞かれたときに、ちゃんと答えられるような、そういうものを手元に、医師のほうがすぐわかるような形で用意される。そういう形でこちらのほうは用意しておくということは、必要だと思います。
○清水委員 もう1つは、単一物質にばく露だけならいいのですが、混合の場合に物質ごとによっていろいろな症状が出てきますから、その場合になかなか列挙するのは難しいですね。
○櫻井座長 作業員に十分能力の高い方である場合には、現実に起こっている自覚症状と、そのときのばく露レベルと両方考えて、現在のばく露でそれが起こっているかどうか判断してくださいみたいな。いちばんそれは望ましいですが、それはなかなかできないことです。「二硫化炭素による」ともし書いた場合、そこまで求めたいという気持ちがあっても非常に難しいと。それから二硫化炭素によって起こる可能性のあるものだけ全部列挙しておいて、それを聞くというのももう1つあると。けれどいまは、それもややすべての物質について、そういう対応が難しそうなので、総合判断で現状のようなことに。
○和田委員 今後の課題でいいのではないですか。ただ、二硫化炭素とかメタノールのところに、「有機溶剤による健康障害の既往の有無」と書いてあるのは、ちょっとこれは、二硫化炭素は二硫化炭素によるとかしておいていただいたほうが。そこで有機溶剤の全体について聞くのかと、そう考える人はいないと思うけれど。
○櫻井座長 そうですね。
○土屋委員 基本的なことを確かめたいのですが、この必ず実施すべき項目とか、一次健診のときに医師による面談とは必須なのですか。
○山田委員 自覚症状票だけで、それを見て医師が判断している所もあります。
○土屋委員 これは検査となっていますから、これでもいいわけですね。
○山田委員 そういう所もあります。うちは全部やっています。
○土屋委員 必ずしも面談で引き出すというチャンスがない方もいますね。
○和田委員 前もって、衛生管理者などが聞いて、あとで医師がパッと見ているという。
○山田委員 看護職が聞いています。
○土屋委員 それを考えると、やはりそのばく露の物質が何であるかというのが複数にわたるとすれば、かなりの項目を問診票というか、そこに羅列しておいたほうがピックアップできるのではないかという気がします。ですから、必ずしも鉛だから鉛に予想される自他覚症状だけではなくて、ほかの物質によるものがあっても、かえって新しいものに気づくという点ではいいかなという気がします。
○櫻井座長 それでは、和田先生ご指摘の問題点は多々検討すべき課題を含んでおりまして、今後最善の方向を求めて、なお長期的には改善の方向を探りたいということで、ただ1つ明確なのは、二硫化炭素のようなところで、二次健診のところですか、「二硫化炭素による」と書かないで、「有機溶剤による」と書いてあるのは、やはり修正へ。
○山田委員 それは一次ですよね。必ず実施するという……。
○櫻井座長 一次ですね。そうすると有機溶剤の場合、全部「有機溶剤による」と書いてありますね、二硫化炭素だけではなくて。
○和田委員 それはおそらく、いちばん初めの2頁のところのあれが有機溶剤として、「有機溶剤による」と書いたものを全部そのまま持ってきたのだと思いますけど。
○櫻井座長 法令上はね。もし個別に書くとしたら、その物質名を挙げるということですね。
○山田委員 ウとして「個別物質」と書いて(ア)二硫化炭素というように限定されていますから、見直し案の4)としては二硫化炭素による自他覚症状の有無の検査と書くといいかもしれません。ウとして「個別物質」としてわざわざ二硫化炭素と、メタノールと酢酸メチル、スチレンと挙げてある、それ以下スチレンと挙げてあることが、二硫化炭素による自他覚症状が要るかという話になってきているのではないですか。
○櫻井座長 この表は事実上はあまり出ない表なのですね。でも今回は出るのですよね。
○古田職業性疾病分析官 法令上はこのとおりの書き方にはならず、従来の規則での書き方と同じ書き方になります。おおむねこういう形ですが。
○櫻井座長 もし、個別の物質として状況に応じて物質名に変えるということですね。
○古田職業性疾病分析官 そうですね、個別のものはたしか別表で出ていたかと思いますので、そちらのほうで。
○櫻井座長 別表にいちいち。
○古田職業性疾病分析官 そうですね。
○山田委員 別表でいっている二硫化炭素だったら、「必ず実施すべき項目」の3)も有機溶剤によるではなくて、「二硫化炭素による」という言葉を入れるということですよね。わざわざここで項目を挙げているから、それぞれの物質についての既往歴の調査といったらいいということですね。
○櫻井座長 では、その問題はあまり時間を取らないで、先に進んでよろしいでしょうか。
○山田委員 あとは2)の「作業条件の簡易な調査」というのを、話をされていました。
○櫻井座長 これはまず、指針がいま2つのご指摘についてそれぞれ出ているけれども、今後すべての物質を個別にそういうのを付けるのか、あるいは統合して出すかという、あるいは医師判断に任せるかという3つの選択肢と先ほどおっしゃいました。これはどうなのでしょうか。
○山田委員 2頁の有機則でも、見直し案では「作業条件の簡易な調査」を入れようという話になったわけです。作業者が作業をどのように行っているかを知らずに、診察や判定を下すことを避けようではないかという意図があって、一応はどんな作業をどんな条件でやっているのかということを必ず聞いて判断すべきだという意味でこれが入ったのだと思っています。
○櫻井座長 ですから、これの説明は簡単なものを作ろうと思えば、いまのような説明でもあり得るし、ごく丁寧に作ると、最大限丁寧に作ったのが個別物質のものなのですね。ですから全体、個別の物質で変わるところは全然ないと思いますので。
○和田委員 ないですよね。
○櫻井座長 まとめて出せばいいのではないか。
○和田委員 もうニッケルが個別で出てしまっていますから、バランスになるかなという感じがいたしますけど。
○櫻井座長 そうですね、それと同じ全体として。
○圓藤委員 あれは新しく入れた物質だから丁寧に書いたので、今度のは全体ですので、全体として書かれたらいいのではないかと思います。
○櫻井座長 個別に出した2つは、だから一応廃止するというわけですね。
○和田委員 あまり詳しくすると、第二次の作業条件と全く同じで。
○山田委員 有機溶剤の健診をやっている先生が、作業条件のことをほとんど何もそのことを考慮せずに診察をやっているということが多いので、どんな有機溶剤をどれくらいの量、どのような条件で作業をしているかは聞こうではないかという話ですね。
○櫻井座長 そうなんです。
○和田委員 一次健診は、医師が必ずでやらなければいけないという。
○山田委員 しかし、医師が一次健診を必ず行なうという条件を決めても、問診票を見た段階で医師が大丈夫だろうと決定してしまうこともある。
○櫻井座長 もう1つ、先ほど先生がそこまではおっしゃらなかったけれども、それを問診する医師があとで責任を問われる事態が生じるという懸念もあるだろうと思いますが、それを考えたら、問診する医師は懸念があったら作業条件の調査をして、指示しておけばいいのですよね、そうだと思いますね。それをどこまで今度は事業所がやるかは、そちらの責任になってしまいます。
○圓藤委員 いままでも作業条件の調査というのはあったわけで、それについて詳しい説明をそんなにしていなかったと思うのです。だから、そんなに詳しく説明しなくてもいいのではないかという気がします。
○清水委員 あえて「簡易な」と断わっていますので、簡易というのがどこまでをいうのか。
○和田委員 それによって必要な検査を、医師も指示しなければいけないわけですね。だから、それができるかどうかですよ。一次健診の結果が全く何でもなかったと。ただ、ばく露されている可能性があるのですから、医師が必要と認める検査をしなさいということを医師が言えるかどうかです。
○櫻井座長 最少限言えるのは作業条件の調査をやれという、それでもう十分だと。
○山田委員 使っている物質を見てみて、何も健康障害はないけれども、やはりもう1回作業条件を調べたほうがいいよと指示することですね。それは医師にとってはそれで免罪符になりますから。
○櫻井座長 あと、過剰ばく露の判断がなかなか難しいだろうという指摘がございましたが、どうですか。懸念があったら作業条件を聞こうと、こういう方法でいかがでしょうか。これで約30分経ちましたので、個別の項目のご検討をいただいて、また、同じようなことが議論になることもあろうかと思いますが、できれば今日中に32頁まで個別にご検討いただきたいと思います。
 まず、最初に2頁です。まず6頁までが有機則関係の全体に関する部分で、2頁が必ず実施すべき項目で、ここに「作業条件の簡易な調査」を入れるということと、尿中蛋白の有無の検査を添付省略するのが変更点ですが、いかがでしょうか。
 3頁は医師が必要と判断した場合に実施する検査で、「貧血検査」を全体にかけて書いてあったのは、現状ではすべての有機溶剤のうち比較的限定されたものしか、こういった結果にはならないという判断で、貧血検査を削除。腎機能検査も全く同じですね。一定のものに限定しています。これは右側の3)になっています。5)の「神経内科学的検査」というのは、「神経学的検査」というように名称の変更。右側の肝機能検査については、従来はやはりすべてにかかっていたのを限定しています。つまり、肝機能と腎機能については、たとえ医師が必要と判断した場合ということであっても、従来よりは限定的にしたということと、5)は二硫化炭素だけに係る部分で、動脈硬化性変化の検査。6)は酢酸メチルとメタノールについては視力検査、中心暗点、視野狭窄、眼底検査。スチレンについては色覚と限定したということです。
○和田委員 いま臨床で、負荷心電図はどういう取扱いになっていますか。
○柳澤委員 どういう取り扱い?
○和田委員 負荷心電図の是非をめぐって、特に、一時危ないからやらないほうがいいというようなことになっていたような気がしたので。
○柳澤委員 そうですね、医師が必ず近くにいるという条件では、そんなに制限はしていないです。
○和田委員 制限はないのですね。
○柳澤委員 一応近くにいなければいけないということは、条件付けられてはいます。
○和田委員 医師の責任ということになるわけですかね。救急をやるという感じですかね。
○山田委員 肝機能検査では、いままでGOT、GPT、γ-GTPという用語表現が、現実的なALT,AST,γGTに変わっています。これは画期的なことだと思っています。いままで項目名を変えることが難しいのだと言われ続けていましたから。
○櫻井座長 名称変更も含まれています。あと二硫化の動脈硬化性変化というのは最初、「冠血管・脳血管」というように書いておりましたが、それを変更して医師の判断で幅広く。
○山田委員 これは4頁の注4は、酢酸メチル、メタノール、スチレンと変えることはできないのですか。というのは、3頁の6)眼科的検査で、酢酸メチル、メタノールについての検査が最初に取り上げられ、ついでスチレンについては色覚となっていますので、酢酸メチルとメタノールとは続いているほうがいいのではないかと思うのですが。
○櫻井座長 これは、注4の書き方は五十音順なのですね。大体いつもそうです。
○山田委員 五十音別と決まっているのですか。
○櫻井座長 一切考えないで五十音順にする傾向がありまして。
○山田委員 わかりました。しかし、メタノールと酢酸メチルは同じような障害が出て、スチレンは色覚に障害がでるという方がわかりやすいのではないですか。
○櫻井座長 そのほうがいいと思います。
○山田委員 そうですか。
○櫻井座長 酢酸メチル、メタノール、スチレンの順番です。事務局のほうでそれでよければそうしてください。
○和田委員 そういう意味ではどういう方向性をとるか、下の検査内容としてはというところで、順番をまず血圧測定検査が初めに来たほうがいいのではないかと思いますが、それから負荷心電図、それから頸動脈エコー…。
○櫻井座長 何頁ですか。
○和田委員 CTAngioとかMRIというのは、その後に持っていったほうが。検査の負担と守備範囲とお金のかからないほうから。
○櫻井座長 7頁ですね。二硫化炭素、いま個別の部分に入りましたが、検査内容としてはというところですね、それで負荷心電図のことを最初に和田先生はおっしゃったのですね。
○和田委員 そうです。もう個別に入っているかと思ったものですから、すみません。
○櫻井座長 この二硫化についてだけちょっと個別にここまで飛んでご検討いただいたとして、少し修正すべき点はありますでしょうか。どうですか。
○圓藤委員 CTAngioというのは学語ですか。こういうときは、名称をきちんと書かないといけないと思います。
○和田委員 きちんと書いたほうがいいし。
○__ CTAngioというのは、規則にするときはちゃんと書きます。
○和田委員 AngioCTかな。
○柳澤委員 いまは実際はMRIAngioのほうをやることにしているし、CT一般、もうAngioということでやらないですよね。
○和田委員 MRIAngioですね。
○柳澤委員 検査内容、しかし、これ簡単でコストがかからないものから順番に書いてありますね。
○山田委員 そうそう、血圧、負荷心電図の次に頸動脈エコーですね。
○柳澤委員 いきなり負荷心電図の次にCTやMRIが出てきて、それから血圧。
○櫻井座長 そうですね、血圧がいちばん最初ですね。それから。
○山田委員 1番が血圧、2番が負荷心電図で、3番が頸動脈エコーで、4番目がMRIで5番目がいわゆるMRTAngio。
○櫻井座長 では、そのようにします。
○柳澤委員 いまは、でも頸動脈エコーよりは、動脈壁の圧の伝搬速度を測って、それで動脈硬化を全身的に見るという方法がかなり確立していて、そちらのほうが有用だと言われています。
○山田委員 健診の世界では労災二次健診で、頸動脈エコーというのが使われているのです。
○和田委員 二次健診で、これを実施すると金がもらえるというので、使われています。
○櫻井座長 はい、それでは3頁、4頁は済んで、5頁は要するに「肝機能検査」を医師が必ずやる項目として、左側にあるような9種類が挙げてあったのを、今回は改正案では5種類に限定するということと、GOT、GPTという名称をAST、ALTに、γ-GTPをγ-GTに変更するということです。よろしゅうございますか。6頁が医師判断項目、別表(六)、肝機能検査を除いた、この2つは除いていいだろうという判断ですが、よろしいでしょうか。
 7頁は終わりましたので、8頁です。メタノールですが、これは必ず実施すべき項目の作業条件の簡易な調査。それから必要医師判断項目で、腎、肝、貧血は除いて、眼科的検査を入れる。よろしいでしょうか。
 9番目が酢酸メチルで、これも同じです。エタノールと酢酸メチルは全く同様です。
○圓藤委員 そうすると、この注は大丈夫ですか。ここに入れるのは全然問題ないですが、法律上のところではこういう注を入れていいのですか。
○古田職業性疾病分析官 規則にはあまり入ってないですね。
○櫻井座長 通達か何かで。
○古田職業性疾病分析官 はい、入るものと入らないものが出てくると思うのですが、いまは具体的に申せないのですが。ガイドラインに記載するいうことは、規則には入ってこないということです。
○櫻井座長 ガイドラインで適宜示すこととすると。よろしいですか
 では10頁、スチレンはいかがでしょうか。これも同じですね。これは検査内容として色覚検査を入れるということで、これもガイドラインで示す。11頁、鉛則関係はいかがでしょうか。これはもう作業条件の簡易な調査を入れただけで、当面その他のものには一切、手を付けておりません。よろしゅうございますか。12頁もその連続です。「神経内科学的検査」を「神経学的検査」に変えただけです。最少限の変更です。
○圓藤委員 13頁の既往歴の調査と、11頁の鉛による自他覚症状の既往歴の調査。前のときには、できるだけ鉛も四アルキル鉛も同じようにしていこうという議論があったのですが、ここの既往歴の調査の項目は違うように思うのですが、それはこれでいいのですか。若干違うものがありますね。
○和田委員 四アルキル鉛は急性の脳症状がくるから、これはきちんと聞きなさいと。四アルキル鉛によって無機の鉛中毒を起こしたというのはあまり聞いたことがないですから。
○圓藤委員 では、これはこれでいいということですか。
○和田委員 ええ、これでいいのではないですか。
○山田委員 四アルキル鉛則では、作業主任者研修などは特化則の作業主任者教育を一緒にやっていますね。だから、将来的には四アルキル鉛則を独立させずに、特化則の中に入れていこうという方向は、全くないと考えていいのですか。
○櫻井座長 歴史上の経緯でこうなっていますね。
○古田職業性疾病分析官 規則はそのままということです、いまは。
○櫻井座長 それで、それぞれ独自性がありますね。鉛などですと、自他覚症状のところで、「鉛による自他覚症状と通常認められる症状」などと書いてありますね。ほかとの整合性という点から、これは長年これでやってきたので、問題なく行われてきているわけですからね。
 では、13頁まではよろしいでしょうか。では14頁は、いままではもしかすると1年で1回でよかったのですかね。
○古田職業性疾病分析官 デルタアミノレブリン酸です。
○櫻井座長 たぶん、14頁はわざわざこれを6カ月に1回、原則6カ月に1回実施してを書いた意味は、たぶん四アルキル則では、1年に1回でいいような書き方だった可能性があるのです。
○古田職業性疾病分析官 ああ、そうですか。
○櫻井座長 ええ。
○古田職業性疾病分析官 では、どうしてそうなったのか、確認をしたいと思います。
○櫻井座長 そうですね。
○和田委員 鉛則では6カ月に1回。だから、それに準じて鉛関係は6カ月に1回としたのではなかったでしたかね。
○櫻井座長 四アルキル鉛のほうが急性のあれも多いから、それの回数がもしかするともっと多く書いてあったのかな。
○山田委員 3カ月ですね。
○櫻井座長 3カ月に1回とか。
○山田委員 四アルキル鉛は、3カ月に1回健診しなさいですね。
○櫻井座長 だけどもある程度安定的にコントロールされていることを前提として、原則6カ月に1回という書き方に改めたはずです。そして状況に応じて当然急性のあれを考えれば。
○山田委員 いま四アルキル鉛に関する健診はどれくらいしているのですか。かなり少ないですよね。
○古田職業性疾病分析官 ゼロではないですが、かなり少ないです。いま統計表を持っていないのでわかりません。
○山田委員 特殊な世界でしか、いま四アルキル鉛は使っていませんね。衛生のしおりに書いてありましたが、かなり少ないですよ。
○古田職業性疾病分析官 ほんの少し、少人数ですね。
○櫻井座長 では14頁、確認はいたしますが、たぶんこれでいいということで、よろしいでしょうか。
○清水委員 19年度の報告ですと、3カ月以内ごとに1回やっていたのを6カ月にしたのですね。
○古田職業性疾病分析官 そうですね、そこに書いてありますね。どうもありがとうございます。
○櫻井座長 それでいいかということですが、よろしいですか。では15頁以降、今度は「特化則関係」で、まず最初、(ア)ベンジジン及びその塩で、これはかなり大きな変更です。要するに尿路系の腫瘍を起こす関連の物質がまとめて変更になっていまして、その1つです。まず、作業条件の簡易な調査を入れたこと。血尿・頻尿・排尿痛等と従来書いてあったものを、頻尿・排尿痛はやめて血尿だけと。これは理由があったのですよね。炎症。
○圓藤委員 こちらは膀胱炎の症状をとっているようなものがありますので、血尿でいいだろうと。「等」があれば広くとれるだろうと。
○櫻井座長 「等」があればね。重要性の程度からいって、血尿に限定したと。それから自他覚症状の有無の検査は、これも皆ここのところは同じですね。尿の潜血検査をまず入れたのですね。それとあと6)の医師が必要と認める場合は、尿中腫瘍マーカー2つを挙げて、または超音波診断の検査と。これが大きな変更ですが、いかがでしょうか。
○圓藤委員 超音波検査は事業場ではやりにくい検査なのですが、ベンジジンなどは退職した方が医療機関を受診して検査を受けるという、管理手帳を持っている方がおられますので、そういう場合だったら超音波検査というのも結構有効であるということで、選択できるようにしてある。
○櫻井座長 尿中腫瘍マーカー2種類挙げると。
○和田委員 超音波検査は畜尿して、膀胱におしっこを溜めないといけないですよね。だから、尿の検査をして、そこで尿を出しちゃったら。
○柳澤委員 だから、それは手続き上は順番を決めればいいことですから。
○和田委員 手続き上はうまく考えないと。
○柳澤委員 超音波はスクリーンニングとしては非常に簡便でいい検査ですよね。それから腎盂造影というふうに具体的に言ってしまうよりは、これはもうCTとかそういうもので撮ったほうが。あまり造影剤を入れたりするような侵襲的な検査法というのは、しなくなってきていますから。この辺の文言というのは、実際にはどの程度変えられるのですか。一旦入れたものというのは、なかなか変えたくない?
○鈴木労働衛生課長 最近の傾向とか、エビデンスがあれば別です。
○柳澤委員 膀胱鏡検査はいいと思うのです。または。
○山田委員 もしあるとしたらMRIAngioですね。
○柳澤委員 あるいはCTはかなり使われますよね。だからCT検査を例えば腹部CTとか、そういうのを付け加えるなら付け加えてもいいですね。
○大前委員 これは……いるところは尿路系のがんなので、尿路系のがんの検査だけではまずいですか。その中にも。
○柳澤委員 それならそれでもいいかもしれないですね。二次検査ですからね。
○土屋委員 この分野は進歩が激しいので、あまり細かく規定しておかないほうがいいのではないかと思います。1年もすると検査方法が変わってしまう可能性がありますから。
○柳澤委員 先生はご専門だから。あまり項目を具体的に入れないで、いま大前先生がおっしゃったように、尿路系の例えばがんの検査ということだけを付記しておいたほうがいいかもしれません。
○__ 通達か何かで例示するぐらい。
○和田委員 そうですね、ピエログラフィーを残しておくか、削るかですよね。
○山田委員 もう要らないのではないですか。
○和田委員 要らないような気がしますけどね。腫瘍マーカーの点で、土屋先生どうですか。いまはもうBTAというのはがんの手術をして、再発があるかどうかを見る時に使う、そうしないと保険点数が付かないですよね。NMP22というのは少量の出血があって、がんが強く疑われる場合は、保険点数が付くのですよね。いまはここ1、2年はサイトケラチン8とかサイトケラチン18というのが取り上げられて、保険点数が付いているので、そっちのほうはより特異度や感度がいいということになっているのですね。
○土屋委員 この辺も急速にこれからいろいろなものが出てくるのですね。
○和田委員 出てくる可能性がありますからね。ただし、勝手に新しい腫瘍マーカーをどんどん検査されても困りますが。
○土屋委員 腫瘍マーカーで止めておいたほうが無難かなという気がします。書いてしまうと、かえってあとで足枷になる恐れがあります。
○鈴木労働衛生課長 その後、フォローアップするのに使えないのでは意味がないですから。
○櫻井座長 そうですね。では、大変重要なご指摘でありました。この括弧内はもう削除して、尿中腫瘍マーカー又は超音波診断の検査。それから二次検査のほうは医師が必要と認める場合は尿路系腫瘍に関するその他の。
○大前委員 悪性腫瘍というか、悪性は。
○土屋委員 腫瘍でいいです。悪性かどうか、わかっていない。
○櫻井座長 その他の検査。その他のは要らないか。
○土屋委員 ええ、関する検査で。
○櫻井座長 関する検査でいいですか。はい、ありがとうございました。そうすると、注のところの書き方も、尿中腫瘍マーカー、括弧内はこれを除くのですね。それから腎盂撮影検査は書いてあります。
○柳澤委員 ではもう全部なしで。
○櫻井座長 なしにしてしまうのですね。それでは次は16頁、塩素化ビフェニル。これは尿中ウロビリノーゲンの検査を削除して、作業条件の簡易な調査を入れて、あと二次検査のほうは全血比重を削除。
○圓藤委員 15頁、腎盂撮影検査はなしというのではなくて、そこを「尿路系腫瘍に関する検査」というように変えるということですね。
○櫻井座長 「尿路系腫瘍に関する検査」は変えるということですね。そうすると、16頁はよろしいでしょうか。17頁、「全血比重の検査は、すべての一次・二次で削除する必要があるが、この1項目のみの改正の物質の新旧対照表は」、ああ、そうですね。この1項目だけの変更というのはほかにたくさんあるけれども、それは全部一括してよろしいでしょうか。
 では18頁、アルキル水銀化合物。これは作業条件の簡易な調査を入れる、一次では入れるのだけ。二次のほうでは神経学的検査に変える。それだけですね。他の物質についても同様に取り扱います。それともう1つ、「血液中及び尿中の水銀の定量」というのを「血液中の水銀の量の測定」に変更しています。よろしいでしょうか。これはいろいろと検討した結果、こうなったのですね。ご異存がないようですので先に進みます。
 19頁、オーラミン。ウロビリノーゲンを削除。それから肝機能検査も必要ないという判断になっています。あとは先ほどのベンジジンと同様でありまして、腫瘍マーカーの括弧内を削除することと、二次健診のところの書き方をベンジジンと同様に合わせるということになりますが、よろしいでしょうか。
 20頁がオルト-フタロジニトリル。これは作業条件の簡易な調査を入れるのと、ウロビリノーゲンを削除する。全血比重を削除する。いちばん下、「胃腸症状がある場合で」というのを削除して、「医師が必要と認めるときは云々」というのは前と同様という変更です。これもはっきり覚えていませんが、検討したのですね。胃腸症状がある場合という指定が不要だと。よろしいでしょうか。
 21頁、カドミウム及びその化合物。作業条件の簡易な調査を入れることと、門歯又は犬歯のカドミウム黄色環の有無の検査は削除し、尿中蛋白の有無の検査も削除して、右側の見直し案として血液中のカドミウムの量の測定を入れた。二次検査では尿中のカドミウムはそのまま残し、肺がんを念頭に置いて、胸部エックス線直接撮影検査又はヘリカルCT検査、喀痰の細胞診が入っております。さらに、6)に尿中の低分子蛋白尿の検査として、β2-ミクログロブリン、α1-ミクログロブリン、又はNAGの量の検査をうめてあります。いかがでしょうか。二次健診のこの尿の低分子蛋白尿も、現在のところ有用性が高いと考えられる順番で挙げてあると思います。ご異存ないでしょうか。
 では先に進ませていただきます。22頁、シアン化カリウム、シアン化水素、シアン化ナトリウム。これは尿のウロビリノーゲンを除くだけであります。この注の7)は、これらについては二次健診を行わないので、一次健診において作業条件の調査を実施する。これでいいのですか。これは初めて意識に上がってきたのですが、そもそも現行で作業条件の調査は入っていたのですね。だから、それは変えることにはならないわけです。なぜ、これだけそんな。
○和田委員 この一次検査で作業条件の調査。
○櫻井座長 22頁の。
○和田委員 入れるということですね。
○櫻井座長 ええ。
○和田委員 それでいいのではないですか。
○櫻井座長 これでいいのですね。
○和田委員 ええ。
○圓藤委員 二次健診のないのは、皆こういう形になっています。これはシアン化化合物だけですか。
○櫻井座長 これだけでしょう、二次健診がないのは。
○山田委員 二次がないのはやはり急性ばく露だけだからですか。慢性ばく露というのはあまり考えていないのですよね。
○櫻井座長 最初から作業条件を使う所は、丁寧に最初から作業条件の調査をするという考え方。
○櫻井座長 ではいいですね。特殊なケース。では、22頁を経行いたしまして23頁。これはエムボカというものでしたっけ。
○圓藤委員 はい。
○櫻井座長 これは尿路系の腫瘍を起こす物質と同様の変更、プラス、一次健診の見直し案7)のところで尿中のエムボカの量の測定、生物学的モニタリングを一次健診で義務づけようというものです。あと、二次健診で肝機能検査を付け加えてやります。これは現在も使われているし、このエムボカの生物学的モニタリングは、その判断基準も日本産業衛生学会で公表されているし、生物学的モニタリングの有用性を評価してこのように案として出されております。よろしいでしょうか。
○土屋委員 一次健診の6)の腫瘍マーカーと、二次健診の2)の腎盂検査は前と同様の。
○櫻井座長 はい、前と同様に。医師が必要と認める膀胱鏡検査又は腎盂検査、コントロールですね。両方、ベンジジンと同様。その他。課長、いま、何かおっしゃいましたか。
○鈴木労働衛生課長 同じことです。
○櫻井座長 では次に進みます。24頁、水銀及びその無機化合物。これは、作業条件の簡易な調査を入れることと、二次健診で神経医学的検査を神経学的検査に変更することと、4)として尿中NAGの定量を新しく付け加えております。これ、水銀。
○和田委員 尿中のNAGは、カドミウムの場合は3つ挙げてあるのだけれども、ここが1つかというのは、アンバランスな感じがするけど。これはNAGのデータしかないという意味なのですか、水銀の場合は。
○櫻井座長 そうなのですね。水銀の場合はあまりあれですね、β2とかα1はやっていませんね。再吸収機能障害と言うよりも、むしろ尿細管の上皮細胞の障害のマーカーとしてNAGが出てくるという考え方のようです。そのように私は理解して、あまり変だとは思わなかったのです。
○和田委員 それならいいですけど。
○櫻井座長 何か。
○圓藤委員 ちょっと気になったのは、水銀のほうが尿中の水銀で、アルキル水銀のほうが血中の水銀。私の根拠の記憶があやふやなので、これでよかったのかなという気がしています。
○櫻井座長 これでよかったのだと思いますよ。
○圓藤委員 よかったのですね。
○櫻井座長 ええ。
○圓藤委員 たしかこのようになったのですよね。
○櫻井座長 アルキル水銀の場合、血液中の水銀。
○圓藤委員 にしましたね。
○櫻井座長 ええ、のほうが有用だという判断があったと思います。やはり独特なのですね。では、24頁はよろしいでしょうか。
 25頁はトリレンジイソシアネートです。これは、作業条件の簡易な調査を入れることと、それ以外は、6)としてスパイロメトリーによる検査を一次健診で入れたことが大きな変更点です。それで二次健診のほうは、肝腎は除いてしまって、それ以外のところをまとめて、医師が必要と認める場合は胸部理学的検査、胸部エックス線直接撮影による検査、その他の肺機能検査、またはTDIに特異的な免疫学的検査(TDI特異的免疫グロブリン)となっております。いかがでしょうか。
○山田委員 この胸部理学的検査というのは、具体的にどんなことを想定しているのですか。
○和田委員 診察しろということですよね。
○山田委員 そうですよね。わざわざ書いてあるので、何なのかなと思ったもので。
○和田委員 ぜんそく性のラッセルが聞こえるかどうか。
○土屋委員 これによる……はちょっとわからないですね。カンセイとか、そういうのをすれば聴診は、慣れた方にとっては随分有益だと思うのです、聴診自体は。
○大前委員 たぶん、旧案にというか、現行案に書いてあれば、それはそのまま写すだけではないかと思うのです。あまり大きな意味はなかったと思うのです。消してもいいのではないかと思いますが。
○山田委員 ええ。
○櫻井座長 当然ながら。消しますか。
○山田委員 消してもいいのではないかな。
○和田委員 取ってしまう?
○山田委員 ええ。
○櫻井座長 消してもいいですか。
○和田委員 要するに、ラッセルのを聞きなさいということでしょう、ぜんそくの。
○__ そうですね、……。
○柳澤委員 ただ、一次健診で細かく調べていますからね、他覚所見の項目はありますからね。
○山田委員 他覚所見で出ていますね。
○柳澤委員 ありますからね。当然、聞いているのでしょうから。
○和田委員 そうですよね。
○柳澤委員 ええ、入れなくても、削除。
○和田委員 でも、一次検査では医者が診察しないからという立前ではないですか。
○山田委員 だって、医者が必要とする場合は診て、やはり聞いていますよ。聞いてから出てくるから。これをわざわざやるというのは、ほかはしなくていいのかという話になりますよね。
○__ そうですね。
○櫻井座長 ではこれ、取るという方向でよろしいですか。
○山田委員 ええ、取ったほうがいいのではないかなと思います、わざわざ書く必要はないのではないかと。
○櫻井座長 はい。ではそれを取ると。
○和田委員 TDIに特異的な免疫学的検査(TDI特異的免疫グロブリン)というのは、これはばく露の指標ですか、それとも発症の指標なのですか。これが出てくるとぜんそくを起こしますよ、という意味なのですか。
○大前委員 これは発症の指標だと思います。
○和田委員 発症の指標ですか。
○大前委員 はい。
○和田委員 その辺のところはよくわからなかったので。ばく露をしているということであれば、TDI作業者の大抵の人が出てきてしまうのだろうと思うのです。これが出てくると発症しますよ、という意味であればいいと思うのですが。
○山田委員 ぜんそくのアレルギー症状がTDIで起こったでしょう、という証明ではないですか。
○櫻井座長 それから、上の6)の努力性肺活量検査はスパイロメトリーによる検査に修正しましたね。前に一度ここで議論したことがあるような。よろしいでしょうか。それでは、今のところは胸部理学的検査を削除するということで。
○圓藤委員 これはスパイロメトリー検査をしていない時代の話だと言ったのでしょうね。現行ではスパイロメトリー検査を入れていなかったですからね。だからあったのでしょうね。
○柳澤委員 これはやはり、スパイロメトリーというのは一次健診に入るべき項目なのですか、かなり詳しい検査になってしまいますので。
○和田委員 そんなに強くない閉塞性の肺機能の異常が出てきたときに、一応これでチェックできますよということです。明らかにぜんそくを起こしている場合は、これは無意味かもしれませんね。
○櫻井座長 それと、何か持続的に落ちてくるというのがありますね、あまり明確な症状を呈しないで。疫学的な情報で見ると、わりあい早く落ちてくるのですね、数年オーダーでね。
○柳澤委員 むしろこれは、現行の二次健診のところの2)の項目に入るものが、一次健診の6)に入っていったという形ですね。
○櫻井座長 それは議論したと思いますけどね。
○柳澤委員 議論済みだったらいいと思いますけれども。
○山田委員 この検査などは、絶対に医師が関わっていないと駄目ですよね。この一次健診も、医師が関わっていないとできませんよね。
○櫻井座長 再現性がないかもしれないから、結構難しいと思いますけれども。
○柳澤委員 そうですね。
○櫻井座長 ええ、集団で。
○大前委員 慣れると結構。
○櫻井座長 慣れると。
○大前委員 ええ。これは断面で見たりしなくて、当然、継続的に見ていますので、最初のころは不安定かもしれませんが。
○櫻井座長 では26頁です。先へ進めたいと思います。26番がニトログリコールです。作業条件の簡易な調査を入れることと全血比重を削除すること。それから、二次健診のほうも「全血比重の検査の結果」というところを削除する。それから、ウロビリノーゲンを削除する。マイナーな変化ですね。よろしいでしょうか。
○和田委員 自律神経機能検査というのは何をやるのですか。今はあまり自律神経系の検査などはやらないですよね。
○大前委員 やるとしたら心電図のR-R間隔みたいな話ですかね。
○和田委員 そういうのを見ろということですか。
○櫻井座長 R-R間隔の変動。
○柳澤委員 私、よく知らないのですが、ニトログリコールというのは体にはどういう変化を起こすのですか。自律神経機能検査といっても簡単なものもあるし、難しいものもあるし。例えば、心電図のR-R間隔の変動を見るような検査は、かなり特殊な検査になりますよね。そういうものが特異的に意味がある病態なのか。
○和田委員 比較しないと駄目。前のと比較したり。わずかな変化ですから、あまり意味がないなという感じもしたのですが。
○和田委員 昔はピロカルビンテストとか、別なのをいろいろやって調べたのですが、今はやらないですよね。
○櫻井座長 血管拡張。
○櫻井座長 何だかよくわからない。基本的には血管拡張のあれを見て。頭痛などもそうですよね。
○柳澤委員 血管拡張ですか。
○櫻井座長 ええ。
○柳澤委員 そうすると例えば。
○和田委員 そのあと、収縮を起こすのですよ。
○櫻井座長 そうですか。
○和田委員 ええ。
○柳澤委員 起立試験などは自律神経系の血管収縮、拡張の検査ですよね。
○和田委員 一応、自律神経系です。
○柳澤委員 起立試験などは簡単にできますね。
○和田委員 ええ、簡単にできますよね。
○柳澤委員 そうすると、自律神経機能検査の中に「薬物によるものを除く」と書かないで、「(起立試験等)」などと書いておいたほうがわかりやすい。
○山田委員 これこそ、ガイドラインでどういうものが含まれているというのが要るのではないですか。
○柳澤委員 血管拡張だったならば。
○櫻井座長 血管拡張してそれが続くから、今度はニトログリコールのばく露から離れると収縮してしまって、狭心症なのですよ。そうすると例えば。
○和田委員 ニトログリコールのほうの内科書を見て、自律神経系の異常が起きるかどうかをチェックしておいたほうがいいですよね。それと、いま自律神経系の検査をやっているかどうか。
○柳澤委員 今のお話だったら、例えば起立試験とか指尖容積脈波とか、そういうものが指標になりますね。
○圓藤委員 この括弧の中の「薬物によるものを除く」というのは、どういう意味なのですか。
○和田委員 自律神経系検査は、薬物検査というのが昔は中心だったのです。ピロカルピンを打って、どうなるとかね。
○柳澤委員 おそらく、血管を収縮させたり拡張させたりするような薬物を使って、血管の反応性を見るのですね。たぶんこれは、もしこういった中毒性の状態があると、そういう薬物反応が敏感に出てくる可能性があってやらない、ということではないかと推測しますけれど。
○和田委員 だから、そういうのはやらないよという意味でしょう。
○柳澤委員 やれば、それはかなりリスクになる。
○和田委員 あれは大変です、時間がかかって。
○柳澤委員 検査で病気になったりする可能性が。
○柳澤委員 ということがあるのではないですかね。
○櫻井座長 自律。では、これは確認したほうがいいでしょうか。
○和田委員 ちょっと確認して。
○櫻井座長 それでは、次へ進んでよろしいでしょうか。27頁、パラ-ニトロクロルベンゼン。これは、作業条件の簡易な調査を入れることとウロビリノーゲンを削除すること、全血比重を削除すること、神経医学的検査を神経学的検査に変更すること。それから、赤血球系の血液検査の中で全血比重を除くのと、もう1つ、網状赤血球数を網赤血球数に名称変更ですね。これでよろしいでしょうか。特段ないようですか。
○和田委員 ハインツ小体なんて調べるのですか、昔はよく調べたけれども。
○山田委員 うちはほとんど自動で血液検査をやりますから、ハインツ小体は調べているでしょうか。でも、メトヘモグロビンで溶血を見ていますから。
○和田委員 溶血はやっていますよね。
○山田委員 ええ。だから、溶血のあれだから、ハインツも調べようと思ったら調べられるのではないですかね。
○和田委員 染色でやらなければいけないから。
○山田委員 そうですね。
○櫻井座長 今の。溶血。
○和田委員 ハインツ小体とか、やっているかどうか。
○櫻井座長 ハインツ小体か。
○和田委員 ええ。
○櫻井座長 なるほどね、溶血。古いですよね。
○山田委員 メトヘモグロビンは溶血で見ていますから、ハインツ小体も同じように引いているのかな。
○和田委員 昔はよく調べましたが、今はあまり意味がないというようなことになってきて。
○櫻井座長 いま、あまり聞かないですね。
○和田委員 特別、それを染めて。
○櫻井座長 要らないか。削除と。
○和田委員 「等」としておいて、「等」の中でやりたい人はやってくださいということで。
○櫻井座長 「等」ということで。
○和田委員 ええ、その「等」がありますから。
○櫻井座長 では、ヘモグロビン量等ですか。
○和田委員 「等の」。
○櫻井座長 等の検査。
○和田委員 ええ。
○櫻井座長 「等」でいいのですね、「等」だけで。
○和田委員 ええ。
○山田委員 「ハインツ小体の有無」を消すのですね。
○和田委員 ええ、その方がよいと思いますが。
○櫻井座長 「ハインツ小体の有無」。
○和田委員 「等」。
○櫻井座長 「有無」まで。
○和田委員 「等」とちゃんと書いてあるから。
○櫻井座長 そうか。では「等」は活かして「有無」まで削除。
○和田委員 そうですね。
○櫻井座長 はい、「等」と。「ヘモグロビン量等」。
 それでは次に28頁、弗化水素。これは、作業条件の簡易な調査を入れることとウロビリノーゲンを削除すること。それから、全血比重、赤血球数等の赤血球系の血液検査を省略、削除。これも文献調査等の判断でこのように上がってきているものですので、いいのだろうと思いますが、いかがでしょうか。ではよろしいでしょうか。先へ進みます。
 29頁、ベンゼン。作業条件の簡易な調査を入れること。それから、4)の全血比重を削除する。それから、白血球系の検査のところで、白血球数の検査及び白血球の末梢血液像の検査と、7)として血小板数の検査を入れる。二次検査で「血液像その他の」というのを削除して「血液に関する精密検査」にするということと、「神経医学的検査」は「神経学的検査」に修正するという変更です。これはやはり白血病が最大のリスク、ハザードですので、丁寧に白血球系の検査と、血小板も入れたのですね。これは骨髄抑制ですか。
○和田委員 再生不良性貧血のチェックです。
○櫻井座長 そうか、そうですね。
○和田委員 ええ、血液検査で再生不良性貧血を。
○櫻井座長 はい、両方。これは、種々検討の結果こうなっております。これでよろしいでしょうか。
 30頁が、ペンタクロルフェノール及びそのナトリウム塩です。作業条件の簡易な調査を入れることと、6)ウロビリノーゲンは削除するということだけです。よろしいでしょうか。では31頁に。
○和田委員 尿中の糖の有無の検査をやって、何か意義があるのですか。
○櫻井座長 尿中の糖の有無の検査。ペンタクロルフェノールで。これ、文献があったからこうなっているのですが。
○和田委員 糖が出るということですか。
○櫻井座長 糖が出るという。
○和田委員 出たらどういう解釈をするのですか。
○山田委員 あともう1つ指摘点として、二次健診の2)で胸部理学的検査というのがやはり入っています。
○櫻井座長 これ、やはり止めましょうか。
○山田委員 ええ、要らないのではないですか。
○櫻井座長 はい。これを除いてですね、当然なので。糖はいいですか。
○和田委員 前から入っているから入れておいてということにしますか。
○柳澤委員 細かいことで恐縮ですが、今のところの2)、「呼吸器に係る他覚症状」というのですが、他覚症状という言葉はないのですよね、他覚というのは所見ですから。
○櫻井座長 他覚所見。
○柳澤委員 他覚所見。
○櫻井座長 そうですね。
○柳澤委員 あるいは、もしあるようなものについて症状に対応する言葉で使おうとすれば、「徴候」という言葉を使います。
○櫻井座長 「徴候」ですね。
○柳澤委員 「他覚徴候」または「他覚所見」。
○櫻井座長 所見のほうがいいですね。
○柳澤委員 「他覚所見」のほうがわかりやすいですね。
○櫻井座長 所見にしますか。呼吸器に係る他覚兆候。
○山田委員 しかし、いままでは自他覚症状で通しています。
○柳澤委員 自他覚症状。
○和田委員 他覚症状とも言うから、いいではないですか。
○柳澤委員 ええ、自他覚症状という言葉はありますけれども。
○山田委員 だけど、他覚所見と言いますよね、確かに。
○櫻井座長 自他覚症状というのはあるから、それは認めると。
○柳澤委員 それはいいでしょう。
○櫻井座長 ただ、このように独立させた場合に問題であると。
○柳澤委員 ええ、独立した場合にはやはり、ええ。
○櫻井座長 あるいは、だから、呼吸器に係る自他覚症状がある。
○山田委員 19頁のオーラミンによる他覚症状というのは他覚所見にしたほうがいいと思います。
○柳澤委員 はい、それはそうですね。本当は、だけども、普通の臨床医学的なものからいくと自覚症状が先になるのですが。
○山田委員 そうなのですけれども、この順序は、もうずっと以前から使用されています。
○柳澤委員 これはずっとあるわけですね。だったら。
○柳澤委員 まずその所見を取って、それから自覚症状を聞くと。
○山田委員 特化物の場合に、まずは医者のほうが見つけることが多いのだからということで、所見が先に出ているという解釈があり、他自覚所見となっています。
○柳澤委員 ということですね。わかりました。要するに、患者さんが何か症状を伝えてくるわけではないのだからということですね。
○山田委員 ええ。特化物の健診だけが違うのです。その他の健診では、全部、自他覚なのです。
○柳澤委員 なるほど、そういうことはちゃんと意識して順番を決めているわけですね。
○山田委員 調べたのですが、他の健診での表記を同一にして自他覚症状としてもいいのではないですかという話はしたのですが。
○櫻井座長 そうしますと、どうしますか。
○和田委員 手が震えるなどというのは自覚症状ですか、他覚症状ですか。
○柳澤委員 いや、自覚症状でもあるし、他覚所見でもある。
○和田委員 外から見れば震えていただけで。
○山田委員 「震えていますね」って、知らない人はいっぱいいますよね。こういうふうに紙を乗せると、「おっ、震えてるよ」などというのは他覚所見です。
○柳澤委員 自分で意識していれば自覚症状ですし、医者から指摘されたり、あるいは記載されれば他覚所見と。
○和田委員 外から見てはっきりしたものが、他覚症状というように思っていたものですから。
○柳澤委員 なるほどなるほど、そうか。
○和田委員 他人が見つける症状だということで。
○柳澤委員 はい。
○櫻井座長 では、30頁のこれは「呼吸器に係る他覚所見」。
○山田委員 所見ですね。
○櫻井座長 他覚所見又は自覚症状がある場合は、胸部のエックス線直接撮影による検査。
○山田委員 他覚所見又は自覚症状と書き直す箇所は、いままでもあったかもわかりませんね、チェックし直さないといけないですが。
○櫻井座長 どこかある。
○__ 二次健診。
○柳澤委員 あまり細かくこだわることでもありませんが、ざっと見直してみて。
○和田委員 大体、いままであったものがそのまま残っているので、いままで問題にならなかったでしょう。
○山田委員 21頁がそうですね。21の右の端、カドミウムの5)で、呼吸器に係る他覚症状又は自覚症状がある場合は、胸部理学的所見。ここも胸部理学的となっています。
○櫻井座長 本当だ。
○山田委員 統一的にチェックしましょう。
○櫻井座長 ちょっと統一して。
○山田委員 ええ、お願いします。
○柳澤委員 事務局で整理していただいて。
○櫻井座長 事務局のほうで統一して見ていただく。報告書の段階で、また皆でさっとチェックもするように努力するといたしましょう。
○__ 31ですか。
○櫻井座長 はい。それでは31頁、硫酸ジメチル。これは、作業条件の簡易な調査が入ったこと、ウロビリノーゲンを削除することだけですね。よろしいでしょうか。
○山田委員 二次健診の2)で胸部理学的検査というのが。
○櫻井座長 ありますね。これを、では、削除ですね。胸部エックス線直接撮影による検査。
 それでは最後ですね、32番。これは、指導勧奨による健康診断に入っているもののうちメチレンジフェニルイソシアネートについては、トリレンジイソシアネートと全く同様に取り扱うということで、トリレンジイソシアネートと同じ項目が挙げられております。
○和田委員 理学的検査は削るのですか。
○櫻井座長 これもそうですね。
○山田委員 二次のね。そこだけですかね。
○櫻井座長 5)の皮膚炎等の皮膚所見の有無の検査、これはTDIでもありましたね。では同じですね。
○__ すみません、あったと思います。
○櫻井座長 TDIの何頁ですか。
○和田委員 25頁。
○山田委員 あります、あります。
○櫻井座長 まるっきり同じですね。
○山田委員 25頁です。
○櫻井座長 はい。
○山田委員 変わっていたんだ。
○櫻井座長 これも胸部理学的検査を除く。以上で個別にご検討をいただきまして一通り。どうぞ。
○大前委員 これ、確認だけなのですが、メチレンジフェニルジイソシアネートではなかったでしたっけ。
○櫻井座長 そうですね。
○大前委員 たしか、「ジ」が抜けていました。
○櫻井座長 「ジ」が抜けているようですね。
○大前委員 メチレンジフェニルジイソシアネート。
○櫻井座長 だったですよね。
○大前委員 たしか「ジ」があったことに。確認をしてください。
○櫻井座長 確認事項ですね。この見直し案の内容のほうでもジフェニルイソシアネートとなっております。ではこれは確認事項です。
○土屋委員 7頁の例の循環器の動脈硬化性変化の検査ですが、注のところで、検査内容としては先ほどの検査項目があるのですが、ここはむしろ尿路の仕様と同じで、検査項目をむしろ除いて「検査内容としては医師の判断にて実施」のほうがよろしいのではないでしょうか。先ほど問題になったCTAngioをほとんどやらずに今MRIAngioですが、これもまたかなり変わってくる可能性はあると思いますね。
○櫻井座長 医師の判断で適切な検査を、適切な循環器検査を。
○柳澤委員 ただ、どのくらいの内容かというところの大まかな見当付けを、やはり検査をする側が持っていたほうがいいという面もありますよね。
○櫻井座長 そうですね、ガイドラインに書くとしたら内容は。
○土屋委員 ただ、この検査自体、産業医というより専門医へ回してからですね。
○山田委員 そうです。検査内容は専門医に任せるというように書いたほうがいいかもわかりません。
○土屋委員 ええ。ですから、ここであまり規定してしまうと進歩がついていけなくなる可能性がある。
○櫻井座長 なるほど。検査内容は専門医の。
○山田委員 循環器専門医ですね。
○櫻井座長 そういう書き方がいいのかもしれませんね。
○山田委員 循環器専門医のほうがいい。
○櫻井座長 循環器専門医。
○山田委員 ええ。
○土屋委員 あと、先ほどの胸部理学的検査。これはもう当たり前だというのは私もそう思うのですが、法文の解釈上、例えば二次健診で32頁のところで作業条件の調査、それと、医師が必要と認める場合はエックス線の直接検査、肺機能検査、あるいは、いろいろ検査ですね、このときに医師の直接の診察がなくてもいいという解釈がされないかどうかなのですね。ずるいことをやろうとすると、医師はタッチしないで検査技師と看護師だけで済んでしまうと。帳簿上だけ医師が判断をして……ことが通用してしまうのかという、ちょっと心配をしております。
○山田委員 この医師というのは非常に難しくて、胸部理学的検査をする医師というのは診察した医師ですよね。他の検査を指示した医師が帳簿上だけの判断をする医師かもわかりませんよね。
○土屋委員 ええ。ただ、これですと、実際に診察するかしないかという縛りになるかどうかですね。胸部理学的検査をやるところは理学的診察ですよね、検査というより、ところは医師以外できないと。
○櫻井座長 なるほど。
○土屋委員 その縛りが法律上どうなのかなと、ちょっと心配になったのです。
○山田委員 そのためにずっとこの言葉を置いていたのかも分かりませんね。
○土屋委員 医師抜きで検査をずっとやっておいて、帳簿上だけ医師がチェックするような、その辺、法的なのがわからないのでちょっと心配かなという気がします。現実に私どもの診療の現場ではCTが盛んになったのです。聴診器を当てない若い医者が横行しているのですね。院長としては後ろから見張っていないとならない。
○櫻井座長 では入れておきますか。
○土屋委員 その辺、法文上、これを除いてしまってもよければあれなのですが。
○柳澤委員 もともとの法律で二次健診も医師が行うというようなことがあるなら、今のような問題はあまり考えなくてもいい。ただ、二次健診がごく一般的にどういう検査をしなさい云々ということだったならば、それは。まだまだ医師が。
○山田委員 いま、分化していますからね。
○土屋委員 そうですね、ええ。
○山田委員 医師よりも技師さんのほうが、技量が上の人がいっぱいいますからね。
○土屋委員 先ほど大前さんがおっしゃったスパイロメトリーも、医者がやったらかえって当てにならない。検査技師がやるデータなら当てになるのです。
○山田委員 本当にそうですね。
○土屋委員 ええ。ただ、その解釈は医師がしないと。
○古田職業性疾病分析官 法律の条文上は「医師による特別の項目についての健康診断を行わなければならない」となっています。それがいちばん元です。
○山田委員 ということは、入れなくてもいいということですね。医師が関わっているということです。
○土屋委員 それは二次健診ですか。
○古田職業性疾病分析官 要するに健康診断自体です。
○土屋委員 健康診断自体。
○柳澤委員 特殊健診が。
○鈴木労働衛生課長 通達で徹底します。
○櫻井座長 では、そういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございました。一応、議題(1)につきましては終了いたしましたので、今日の議論を踏まえて、事務局のほうで最終の取りまとめをお願いいたします。報告書の件も含め、今後の予定を事務局から説明してください。
○古田職業性疾病分析官 今日のご議論に基づきまして、事務局のほうで整理させていただきます。各委員に一度ご確認いただいて、報告書として取りまとめていきたいと思います。
○櫻井座長 では、そのようにお願いいたします。なお、取りまとめに当たりまして、場合によっては個々の委員にご相談もあるかもしれませんが、全体として座長にご一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
○和田委員 最終的に報告書の提出はいつごろになるのですか。
○古田職業性疾病分析官 まだ具体的には決まっていません。なるべく早くしたいと思っています。ただ、今日、いろいろご意見をいただいて、少し時間がかかるかと思います。
○和田委員 いずれにしても来年の4月に施行なのですか、そうでもないのですか。
○古田職業性疾病分析官 決まっているわけではないのですが、通常はそういうスケジュールです。
○鈴木労働衛生課長 地震の影響がどのぐらいあるかですが、いろいろな法律が出てくれば、また。
○和田委員 ええ、次から次へ出てきますよね。
○鈴木労働衛生課長 とにかくできるだけ早い、もうこれ以外にないというか。
○清水委員 少し戻って、さっきの医師が必要と認めるという場合に、「医師が診察し、必要と認める場合」と断ってしまえばもう問題ない。
○山田委員 理学的検査を診察という言葉に替えるということですか。
○清水委員 胸部理学を入れない場合でも「医師が診察し、必要と認める場合には胸部のエックス線云々」。
○山田委員 前にですね。
○清水委員 ええ。
○鈴木労働衛生課長 ですから、そこを全部統一的なガイドラインで示すか、個々に書くかは検討です。検討というか、要するにどちらが、ガイドラインとはいえどちらが馴染むかというような。ここに書かないとということはないと思います。さっきのは全体にかかっている部分がありますから、ガイドラインでいいのかなと。いずれにしても、きちんと患者を診るということは、その上で判断するということは伝わるようにします。
○柳澤委員 それは、一次健診も二次健診も医師が行うとフォローしてあるのでしたら、わざわざ医師が診察しているかどうかを入れなくてもいいでしょうし。
○和田委員 実際はやっていないことが多いのではないですか。
○柳澤委員 そうですか。
○櫻井座長 そういうことのないように、できるだけ通達か何かで。そうしますと、この報告書がまとまったとして、そのあと、ガイドラインだの通達だのをどうするのという話が少し出てまいりますね。
○鈴木労働衛生課長 はい。まずはこの規則の書きぶりが相当細かくチェックされますので、それが固まらないとやはりガイドラインも、折角早めに決めても変更するおそれがあります。変更というか、また修正をお願いするおそれがありますので、最初に規則上の条文を固めたいと思います。
○櫻井座長 それでは、そういう方向で事務局のほうのご努力も是非お願いいたしたいと思います。次に議題(2)「その他」ですが、事務局から何かありますか。
○古田職業性疾病分析官 次回は、平成22年度の化学物質の詳細リスク評価結果に基づきまして、健康障害防止措置等の検討が必要とされた物質について検討を行うことを予定しております。日時についてはまだ決まっていませんので、追って連絡をさせていただきたいと思います。
○櫻井座長 では、今日はこれで終了といたします。どうもありがとうございました。


(了)

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