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2011年6月22日 第76回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成23年6月22日(水) 17:00~19:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)12階 職業安定局第1会議室


○議題

・求職者支援制度の施行について

○議事

○坂口雇用保険課長 それでは、ただいまから「第76回雇用保険部会」を開会します。皆様、お忙しいところご参集いただき、誠にありがとうございます。本日は委員改選後第1回目ですので冒頭につきましては事務局の雇用保険課長である私、坂口が進行を務めさせていただきます。よろしくお願いします。
 議事に移る前に去る4月27日に委員の交替がありましたので、交替された委員の方について私から紹介させていただきます。まず、公益委員として弁護士の田島委員にご就任いただきました。
○田島委員 田島でございます。よろしくお願いいたします。
○坂口雇用保険課長 続きまして労働側委員に新たに2名の委員の方にご就任いただきました。まず、日本食品関連産業労働組合総連合会副事務局長、山本委員です。
○山本委員 山本です。よろしくお願いします。
○坂口雇用保険課長 続きまして、国公関連労働組合連合会書記次長、井上委員です。
○井上委員 井上でございます。よろしくお願いいたします。
○坂口雇用保険課長 よろしくお願いいたします。委員の交替のご紹介は以上です。
 続きましては本日の出欠の状況ですが、岩村委員、塩野委員、坪田委員がご欠席です。
 続きまして、当部会の部会長を選出します。部会長の選出につきましては労働政策審議会令第7条第6項におきまして、当該部会に所属する労働政策審議会本審の公益委員の内から当該公益委員の方が選挙することとされています。当部会におきましては岩村委員と清家委員のお二方が該当されます。本日、岩村委員はご欠席されておりますが事務局で予めご意見を伺ってまいりましたところ、これまでに引き続きまして清家委員が適当ではないかとのご意見をいただいています。清家委員に部会長をお願いするということでよろしいでしょうか。
 それでは、清家委員が当部会の部会長として選任されました。清家部会長、以後の進行をよろしくお願いします。
○清家部会長 わかりました。それでは、まず始めに労働政策審議会令第7条第8項において部会長代理を公益委員から部会長が予め指名することとされておりますので、当該規定に基づきまして岩村委員を部会長代理に指名させていただきますので、よろしくお願いします。
 次に事務局に異動がありましたのでご紹介します。4月1日付けで職業安定局次長に着任された黒羽亮輔次長です。また、4月17日付けで企画課課長補佐に着任された荻野友祐子さんです。
 なお本日は資料の関係で、職業安定局総務課首席職業指導官室の中村補佐、職業能力開発局総務課の松本企画官、能力開発課の渡部補佐にご出席いただいています。
 それでは、議事に移ります。本日は求職者支援制度の施行についてです。それでは事務局より資料に沿ってご説明をいただき、その後、質疑に入りたいと思います。今日はお暑うございますのでできるだけ効率的に議事を進めたいと思いますので、よろしくお願いします。
○小園派遣・有期労働対策部企画課長補佐 事務局です。資料の確認からさせていただきますが本日、3種類お配りしています。資料No.1として「求職者支援法・雇用保険法審議経過等」、資料No.2は「求職者支援制度について」、それから参考資料として資料No.3は、本日午前中開催されました職業能力開発分科会に提出した資料をお配りしています。ございますでしょうか。
 それでは資料No.1から説明させていただきます。当部会でご議論いただきました求職者支援法、それから雇用保険法の改正案につきまして、審議経過等についてご報告させていただきます。2法案につきましてはまず、2月10日に閣議決定をされて2月14日に法案が提出されました。その後、4月20日に衆議院の厚生労働委員会で審議入りをしまして2回質疑を行っております。のちほどご説明をしますが、一部修正がございました。求職者支援法のほうにつきましては一部修正がありましたが両法案とも全会一致で可決をいただいています。その後、参議院に送付されまして、ゴールデンウィーク明けの5月10日に参議院のほうで審議入りをしています。参議院では質疑は1回で、こちらも全会一致で可決されました。13日に成立をしまして、20日に公布をされているところです。
 次頁ですが、求職者支援法の修正について簡単にご説明します。修正は2点ありまして、1点は雇用・能力開発機構の廃止が10月1日にずれたということを受けまして、それまでの間、訓練の事前認定などの準備行為を雇用・能力開発機構に行わせるというものが1点です。もう1点は検討規定に係るもので、元々、3年後に総合的に見直すという検討規定が法案の中に盛り込まれていたわけですが、この部会でもご議論があったように、そこには財源も対象に含まれているというわけですが、国会の議論の中でもそれがあまり明確ではないのではないかというご議論もありまして、その検討規定について、費用負担の在り方についてもその検討の対象になっているのだということを明確化する趣旨で修正が行われています。
 採決に当たりまして衆、参、いずれの委員会においても附帯決議が付されています。簡単に内容をご説明しますと、9頁で、こちらは衆議院の厚生労働委員会の附帯決議です。全部で項目が5つありまして、求職者支援法の関係では2つ、雇用保険、震災絡みを含めますと2つ、震災関係の附帯決議が1つになっています。
 求職者支援法につきましてはまず、その制度の運営について万全を期すと。それから訓練の対象者などについては、その必要性が認められる者に限定するということ。訓練の認定もきちんと適切に行いまして不正受給を防止すべしということ。それから二のところですが、先ほどの見直しの規定の修正とも絡みますが、制度の見直しを行うに当たっては雇用保険ですとか生活保護、こういったものの在り方をも見据えながら求職者全体についてその支援施策の在り方というものをきちんと検討すべきということで附帯決議をいただいています。
 それから、雇用保険の関係ですが、国庫負担の本則復帰について早期に安定財源を確保し、その実現を図ることといった決議がなされています。11頁以降、参議院の附帯決議が付いておりますが、ゴールデンウィークを挟んだことによる予算関係の時点修正がありますが、内容的にはいま、ご説明しました衆議院と同様の内容となっています。簡単ですが、以上が資料No.1で、審議経過の報告に代えさせていただきます。
 次に資料No.2です。成立しました求職者支援制度につきましては今後、施行に向けて省令等を定めていく必要があるわけですが、建議の段階で給付要件や額等につきまして一定の考え方を示していただいている状況です。今回の資料はそれを基にその考え方を改めて整理をしたというものです。併せて、今後この考え方に沿って省令を作っていくわけですが、法制的な整理等がある中ではありますが、その省令案も一部、お示しをしています。
 資料の1頁ですが、まず求職者支援制度の全体を眺めていただくということで支援の流れを示しています。建議の中では訓練の前、訓練期間中、訓練修了後と一貫して就職支援を行っていくべきであると。その際、ハローワークが中心となって訓練実施機関等と密接な連携を図りながら支援していくことが求められるといったことがご指摘をいただいています。下の図で、左からまず、求職者がハローワークに来られますと訓練開始前に一人ひとりにキャリアコンサルティングを実施しまして、ご本人の意欲、適性を見極め訓練に誘導していくということになります。このあと説明をしますが、今回の制度はなかなか厳しいものとなっていますので、こういった制度の趣旨とか内容について十分にご説明いたしまして、納得していただいた方に訓練の受講をしていただくということを考えています。その際、個々の求職者の方に就職支援計画を作って支援していくとしておりまして、この内容について求職者がきちんと確認をし、同意をしていただいた方にこの制度に乗っていただくということです。そして訓練を受けていただくことになるわけですが、訓練期間中はハローワークに定期的に来ていただいて、その訓練の状況ですとか就職活動の状況などの確認をしていくと。その際、訓練の出席状況を確認しまして、前月分の給付金の支給を行っていくということにしています。併せて、訓練機関のほうでもきちんと就職の支援をやっていただくことにしています。そして訓練が修了するわけですが、その後も3カ月を標準としまして引き続き毎月1回、ハローワークに来所していただきまして、必要に応じて担当者制なども導入しつつ、手厚く就職支援をしていくということです。就職支援が3か月終わったあとには、その就職決定状況について、きちんとハローワークに報告をしていただくということを考えています。
 次頁で給付の種類・額についてです。法律上は職業訓練受講給付金と書いてありますが、10万円をお支払いする職業訓練受講手当、それから通所手当の2種類を考えています。まず10万円の職業訓練受講手当ですが、建議の中では現行の基金との継続性なども考慮しまして、制度創設時においては月に10万円となっていたわけです。これを受けまして右の職業訓練受講手当につきましては支給単位期間、これにつきましては欄外に書いてありますけれども、訓練の期間を1月ごとに区切り、その期間に合わせて10万円を支払うようにしていくことを考えておりますが、その期間に応じましてまず原則10万円を支払うと。それから28日未満の月につきましては10万円を日割りしまして、28で割った金額が3,580円になるわけですが、その3,580円に日数を掛けた額をお支払いするということを予定しています。この額に加えて交通費も支給するということで、これにつきましては雇用保険の通所手当と同様の規定を考えています。同じような制度にするということで下に※が3つ並んでいますが、交通機関を使う場合には基本的には定期、定期がない場合には21回分の運賃ということで上限は42,500円と。それから自動車の場合には距離、地域に応じて定額と考えています。28日未満の端数の場合には同様に端数で処理をしていくことを考えています。
 次頁で、少し具体的にご説明させていただきますと、支給例を3つ並べておりまして、1番上がオーソドックスな3か月訓練のパターンです。4月15日から7月14日までの訓練ですが、支給単位期間はそこにありますように4月15日から5月14日というのを1つの単位として、これごとにお金を支払うことになります。この場合、3回支給単位期間が出てきますが、いずれも28日以上ですので10万円づつをお支払いするというものです。これが支給例[2]になりますと、いちばん最後のところが0.5カ月になり15日分になりますので3,580円に15を掛けた金額を支払うことになります。それからいちばん下の支給例[3]は、最初にもらえない期間があるようなケースを例として示していますが、雇用保険の受給者の方が所定給付日数を終わられたような場合は、最初のほうは雇用保険の給付が出ておりますので、その部分は10万円の給付は出ないということで、給付が出るのは15日ということで、この部分は同じように端数処理をするということです。
 次頁で4頁の給付要件ですが、建議の中では左に並んでいますが6点指摘がありました。まず、いちばん上から個人の収入要件で、「訓練期間中に一定の収入がないこと」ということで、ラインとしましては「雇用保険の被保険者にならない程度の働き方」ということでお示しをいただいておりました。具体的には右にありますが本人の収入が8万円以下であることを予定しています。それから次に世帯の収入要件ですが、「複数人員世帯における標準生計費を踏まえたもの」とありましたので、具体的には300万円ということでお示しをしていましたが、これについても12で割った額ということで本人、それから本人と同居をしている親、子、配偶者の収入の合計が25万円以下ということを要件とする予定です。この本人と同居しているというところについては下の「注」に書いてありますが、一時的に別居していても生計同一と判断し得るような場面については同居として扱うということも建議の中で触れられていますので、このようにしたいと思います。
 次に金融資産要件です。これにつきましても世帯の年間標準生計費程度、300万円程度ということで、かつその範囲については現行基金事業と同様ということでしたので同じように300万円にする予定です。
 その次、土地・建物要件ですが、これにつきましても現行の基金事業と同じように、いま住んでいる土地・建物以外に土地・建物を所有していないことを要件とします。
 次に訓練の出席要件ですが、これにつきましては100%、全て出席するということ、それから病気等の正当な理由がある場合には8割以上の出席ということでしたので、全ての訓練日に出席をしていること、それからやむを得ない理由により出席しなかった日がある場合は8割ということで要件にしたいと考えています。
 それから、世帯で受給できる人を1人に限るべきというのもございますので、これも本人と同居している親、子、配偶者が手当を受けた訓練を受けていないことを要件にすることを考えています。
 それから最後に、建議では特段ご指摘がありませんでしたけれども、他の助成金等々の並びもあります関係で、過去3年以内に不正受給をしたような、雇用保険とかそういったものについて不正受給した歴がないというものも要件化する予定です。
 続きまして5頁、出席要件について若干補足ですが、欠席することがやむを得ないと判断される範囲をお示ししています。実際には要領に規定することを想定はしていますが、部会の場でもご議論になった点ということもありましたのでお示しさせていただきます。基本的な考え方としましては、雇用保険の失業認定日の変更、あるいは出頭しないでの書面認定が可能となる場合の例、こういったものを参考にしながら設定をしています。左側の今回の制度でのやむを得ない事由ですが、天災の場合、それから本人の疾病又は負傷、それから法令の定めがある場合、裁判員などを想定しています。それからハローワークの紹介で求人者に面接をする場合、最後にその他社会生活上やむを得ない範囲ということで、子の看護ですとか親族の危篤、それから葬儀、こういったものがここに含まれると考えています。確認方法はそこに並べておりますが、例えば本人の疾病、負傷などにつきましては医師、それから担当医療機関の証明書のみならず医療機関の領収書とか処方箋、こういったものによっても確認していくことを考えています。
 6頁の受給できる日数についてです。給付できる日数につきましては建議の中で原則1年、それから例外的に2年とされています。受給例を3つ並べていますが、まずオーソドックスなのが1つ目で、連続受講しない場合ということで訓練1回ということです。これについては1年又は2年となります。右の受給例[2]で、連続受講する場合ということで訓練を2回受けるわけですが、その場合には合わせて1年、あるいは2年まで給付を行うことになります。下の受給例[3]で、受給できない部分がある場合で、例えば最初に6か月訓練、その後、2年訓練を受けるような場合というのは足して2年6か月になりますので、最後の6か月は飛び出てしまうことになります。この部分については受給できないことになるわけですが、実際の訓練の長さを考えますと[1][2]で収まる場合がほとんどかと思いますので、[3]は例外になるかと考えています。このことを省令に書こうとしますと若干、技術的ですが1つの訓練について12、あるいは24の支給単位期間分を限度として支給すると。それから連続受講[2]のようなケースについては合算した形で12、ないしは24の範囲で支給するということで規定を考えています。
 続きまして7頁の受給のサイクルです。建議の中では一定期間を1つの単位としてその期間に1回、連続受講の場合には2回ということで一定の期間を設定すべきであると、そしてその期間については6年とすべきであるということをご指摘いただいておりました。これにつきましては以前、部会のほうにもお示しをさせていただいた資料ですが、受給例として[1][2]の例を挙げさせていただいています。連続受講をしない場合の[1]はまず、その給付をもらった訓練、その給付を受け始めたところから6年ということで、6年をカウントすると。そして受給例[2]、連続受講の場合とありますが、2回訓練を受ける中の2回目が6年の中に入っていても、これは受給を認めるということにした上で、最初の給付をもらった訓練のところから6年とカウントするということです。これを規定にしますと、下に書いてありますけれども、いま受けている訓練の直前の10万円の支給を受けた訓練、その訓練の支給対象となった最初の支給単位期間の初日から6年という規定になろうかと思います。
 次頁の8頁のペナルティについてです。全体的に少し厳しめの設定を考えています。建議の中では、ハローワークでの就職支援を拒む場合については一定期間は給付を受けられないようにすべき、それから不正受給により給付を受けた場合には一定期間受給を受けられないということはもちろんですが、その不正により受けた金額の返還、それから一定の場合には3倍に相当する額を返還・納付させるようにするということが書かれています。更にその受講者が支援計画に従わないような場合についてはまた同じようなペナルティを科すべきとされています。返還命令、それから納付命令につきましては法律上で措置をされておりますので、それ以外の措置をしていくことになるわけですが、一番下の左のボックスですが、就職しているにも関わらず「常態として職に就いていない」というような虚偽申告をしたようなケース、こういったケースが典型的な不正受給として挙げられるわけですが、こういったものについては右のボックスですが、まずその月以降、その訓練期間中は給付は出さないと。それから返還命令、あるいは2倍に相当する額の納付命令は法律に規定してありますが、こういったペナルティをかけていくということです。それから元々、この制度自体、先ほどご説明したとおり6年は受けられないということになる制度なのですけれども、不正をした人についても同じというのはどうかというご議論もありましたので、そういった場合の要件ということで一番最初の給付要件のところで過去3年ということでご説明させていただきましたけれども、6年に3年を加えたような形で計9年、不正受給をした場合には給付を受けられないことにすることを考えています。
 それから、左の上から2つ目のボックスですが、ハローワークに来所しないなどの就職支援を拒否される場合、こういった場合には当然、ハローワーク、あるいは訓練実施機関においてきちんと指導していくわけですが、給付の面につきましてはその訓練期間中は一切、支給をしないということを考えています。そして、そういった就職支援拒否を繰り返すような場合については、元々制度に乗ってもらう人ではなかったのだということですので、不正受給として、お支払いした分は全部返してもらうということで右下のボックスのような扱いにすることを考えています。それから同様に、訓練を欠席する場合ですが、1つの支給単位期間について欠席をされた場合は、その月は不支給となりますが、やむを得ない理由がない訓練の欠席を繰り返すようなケースにつきましては先ほどの就職支援拒否と同様に、やはり元々制度に乗ってもらう人ではなかったということで、不正受給として扱うということを考えています。それから退校処分などの場合も同様ですが、こういった不支給の対象となる就職支援拒否等に該当するかどうかは、ハローワークにおいて判断をしながら厳しく対応していくことを考えています。
 次頁の9頁の融資ですが、現行の基金事業と同様に引き続き労働金庫にやっていただくということで考えていまして、下半分の右の求職者支援制度の融資のところですが、金額につきましては、同居している配偶者、子、又は父母を有する方については10万円に訓練期間の月数を掛けた金額を上限とした額、それ以外の方については5万円に訓練の月数を掛けた額を上限として融資を行うことを想定しています。給付を受ける方に機動的にその融資のお金を使っていただくということ、それから労働金庫の事務の効率面なども考慮しまして一括融資の形での融資を考えています。その他、担保・保証人が不要である点、それから融資の利率が3.0%である点、こういった点については現行の基金事業と同様ですが、返済免除については、就職した人こそ返済すべきではないかとのご議論もあったことも踏まえて今回は設けないことを考えています。
 最後に信用保証ですが、融資についての保証を行う法人に対しまして、国から補助を行うことになっていますが、この部分については省令に必要な規定を設ける必要があるのではないかと考えています。
 最後の10頁ですが、就職支援計画についてですが、個別にお作りをする就職支援計画のイメージをお示ししています。これは一番最初に就職者支援の流れの中でご説明しましたが、訓練の受講に先立って作成をしまして、そしてご本人にも内容を確認していただくものです。左にハローワークに来ていただく日を予め設定しまして、その1カ月の間にやっていただきたいことをハローワークによる計画というところに挙げさせていただくと。そしてご本人にその間、いろいろな活動をやっていただくわけですが、それをいちばん右の求職活動記録に書いていただきまして、また次回来ていただくことを考えています。
 このほか、訓練実施機関でも別途就職支援をしていただきますので、これについてもきちんと受けていただくということも書いています。そういうことを想定しています。以上が資料No.2です。
 参考資料の資料No.3ですが、本日の午前中の職業能力開発分科会で示された資料を参考として配付してあります。職業能力開発分科会では訓練の認定基準、あるいは訓練機関に対してお支払いをする奨励金等について議論をしていただいております。1点だけ、奨励金についてちょっと触れておきますが、資料2の4頁で、訓練実施機関に対して支払う奨励金ということで案が示されております。今回、訓練2種類、基礎的なもの、あるいは基礎から実践的な能力まで身に付けるものの2種類を設けるわけですが、基礎コースにつきましては定額制、受講生1人当たり月6万円で、お支払いする上で算定の対象とする際には出席率80%未満の受講生はカウントしないということを考えています。それから実践コースですが、これにつきましては就職実績に応じてインセンティブを設けていくということで、基本となる部分とそれから付加的な部分との2段構成になります。基礎的な部分につきましては受講生1人当たり5万円、これにつきましても先ほどの基礎コースと同様に出席率80%未満の受講者については算定の対象外とするということです。それからインセンティブの部分、付加的な部分ですが、ここにつきましては受講者数と訓練月数で1万円から、又は2万円ということになっています。就職されたことを理由として退校された方についても算定対象としまして、その場合の就職というのは雇用保険の一般被保険者、それから適用事業主となるということを基準として算定をしていくことを考えています。
 駆け足になりましたが、事務局からのご説明は以上です。
○清家部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からのご説明につきまして、何かご意見、ご質問がありましたらお願いします。
○新谷委員 5月13日に求職者支援法が成立いたしまして初めての部会ということもありますので、この点についてまず申し上げたいと思います。改正雇用保険法も含めて、想定以上にスムーズに成立をいたしました。立法府をはじめ政府の関係者の方々のご努力を評価したいと思っております。ありがとうございました。今回の求職者支援法の成立は、大変意義の大きいものだと思っております。一昨年以来の雇用情勢の中で、雇用保険に継ぐ第二のセーフティネットとして、恒久化する法律が成立することによって制度として裏打ちができたということですし、また先に発生いたしました東日本大震災においても、今後の復興の中で、訓練を通じて雇用確保をしていくということにおいても、大変大きな役割が期待されるのではないかと思います。本日は運用面を含めての省令案の内容についても審議をするということですが、10月1日からの円滑な施行に向けて、事務局の皆様方の準備についても前倒しで是非お願いをしたいと思っております。
 その上で3点申し上げたいと思います。1つは、国会で法案の修正があったわけですが、その中にも明記されていますように、費用負担の在り方を含めた検討のタイミングの問題であります。いま、「社会保障と税の一体改革」の論議が政府でも進められておりますが、そのタイミングと同期をとっておかないと、一般財源を恒久的に確保するという面では、後出しで突っ込むのはなかなか難しいと思いますので、「社会保障と税の一体改革」との連携を同期をとって検討をスタートさせてほしいと思います。
 もう1つは、今回の求職者支援制度は、これまで以上に都道府県労働局、ハローワークの皆様方に対して、いままで雇用保険の給付事務であるとか、無料職業紹介を中心にやってこられた業務に、さらに職業訓練という要素が加わってくると思います。そういった意味では、ハローワークの職員の皆様に対して、もちろん量の拡充も必要ですが、職業訓練に対する知見の向上を本省としてもご検討いただきたいと思います。
 3点目は、1月にまとめた建議の中にも入っておりましたが、財源問題の中で、いまある基金事業の基金の残高の取扱いについて、平成23年度については基金の残高を活用して、全額国庫で負担をする。平成24年度以降は、暫定措置の55%の扱いを含めて2分の1になるように残高を活用するということで確認をしております。そういった意味では、いまの基金事業は9月末で新規の受付けは閉じるということになりますが、基金の残高の見込みをできるだけ早い段階でお示しをいただければありがたいと思います。以上です。
○清家部会長 それでは事務局から、ただいまの3点についてお願いします。
○土屋派遣・有期労働対策部企画課長 まず、費用負担の関係ですが、1つは一体改革との連携を取ってというお話です。一体改革の原案の中にも求職者支援制度の財源の確保についての検討という項目が盛り込まれております。これを踏まえて政府の中で努力をしていくということではないかと思っております。また、今回の修正の中でも、「速やかに検討し」という形で条文の中に入っておりますし、引き続き検討していくということで建議をいただいております。そういったことを踏まえて、この場でご議論を続けていただくということになると思いますが、しかるべき時期からまたご検討をこの場でもしていただくということでお願いいたします。
 2点目の労働局やハローワークで訓練の部分を扱うようになる点については、私どもとしても、新しい部分としてきちんと対応していかなくてはいけないと思っております。具体的には労働局に求職者支援室という新しい室、あるいは大きな局では課になりますが、そういった組織を10月からスタートさせる予定にしております。この場において地方の訓練協議会、あるいは訓練に係る奨励金を扱うなど、具体的な業務も発生するところでございます。体制の整備としては、組織の面、増員の面等々確保しつつありますが、併せていまお話があったそういった方面での機能の強化について、能力開発局ともよく相談しながら取り組んでいきたいと思っております。
 残額の活用についてご指摘があった点については、これから基金の状況を見た上で、早い段階で残額の見込みについてご報告ができるようにしてまいりたいと思います。以上です。
○遠藤委員 ただいま、新谷委員からお話がありましたように、今般の求職者支援制度は重要な役割を担っている、これは論をまたないことであり、私どもも大きな第一歩を踏み出したと思っております。
 今後どういった状況が想定されるのかということですが、基金事業の中で訓練を受けたいという方がかなりの数に上っていると聞いております。ですから、新しい枠組みへの円滑な移行ができるように関係各位と連携を取り合ってまいりたいと思います。そういった中で、やはり視点として掲げなければいけないのは、この制度を利用する側の評価と、この制度は利用しないのだけれども、この制度を支えていく側の評価です。保険料を一部充当するわけですから、重要な視点として見ていかなければいけないと思っております。そういった意味で、附帯決議の中に、不正受給の防止を図ることが指摘されていますが、これはまさにそのとおりだと思いますので、これは是非当局の方には取り組んでいただきたいと思います。
 次にご質問させていただきたいのですが、説明がありましたように、「やむを得ない事由がある場合を除いて出席をする」という原則に立った場合、資料No.2の5頁の内容について確認させていただきたいと思います。「要領に規定する」ということですが、これは例示にとどまるのか、それとも限定列挙という形で運用されていくのかがまず1点目の質問です。
 また、細かいことで恐縮です。その頁の[2]の「本人の疾病又は負傷」の場合がやむを得ない事由として挙がっているのですが、確認方法ということで、「医師又は担当医療機関関係者の証明書、医療機関の領収書、処方箋」と書いてあります。となると、例えば薬剤師がいない薬屋さんで一般大衆薬を買ったような場合、その領収書は証明にはならないということになります。こういった扱いをどう考えていくのか。
 それから、もしかしたら解決できるのかもしれませんが、私の理解では、例えば当該受講者が途中で妊娠が発覚した場合、妊娠は疾病ではないという扱いになりますので、妊娠による本人の体調不良をこの項目の中でどう見ていくのか、といったようなことです。
 さらには、[5]の「等」の中に入ってくるかと思うのですが、受講途中で介護に携わらなければならない状況となったときに、介護というものを狭い範囲で捉えていくのか、広い範囲で捉えていくのか。例えば、広い範囲で捉えていくとなると、同居をしていない場合、扶養関係にない場合など、いろいろと対象が広がっていくことも想定され得るわけですが、それぞれの項目の取扱いについて、現段階でお話しいただけることがありましたら教えていただきたいと思います。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 私のほうからご質問の点についてお答えをさせていただきます。まず1点目の「要領に規定」の使い方ということですが、基本的にはこのような場合ということをお示しをするわけですが、現実にはいろいろな個別事情で、個別ケースで判断をするということはあると思います。また、施行してからの積み上げでこのようなものも例示という形で入れたほうがいいというようなことになれば、また随時追加をしていったり、逆に削っていったりするようなものだと思っております。
 それから、2点目のいわゆる一般の薬を買った場合の領収書を確認方法として用いることができるかどうかでございますが、そもそもの考え方としまして、やむを得ない理由の証明に当たって、受給されている方の過度の負担となるというようなことがあってはいけないという要請がある反面で、やはりやむを得ない欠席であれば、給付金の支給対象となるということですので、適正に証明ができて、不正を生じる余地が少ないものにするというような両面の要請があると思っております。こうしたことから、費用がかかるということで医師の診断書ということだけではなくて、ほかの証明の方法、医療機関の領収書、このようなものでありましたら、その方が負傷や疾病で治療を受けたということが明らかになるということで、そうしたことも可能とすべきではないかと考えているところです。一方で市販薬の購入のレシートということになると思いますが、誰でも簡単に入手をすることができるということで、受給者本人が負傷や疾病の状況にあったかどうかということを、必ずしも証明できるのかなというと、少し疑問があるということと、不正につながりやすいということもありますので、事務局としていまの段階ではこれを単独で証明手段とするというようなことには少し慎重であるほうがよろしいのではないかと考えています。
 それから、2点目の妊娠による体調不良ですが、おそらくそのような場合は、欠席することがやむを得ないというような事由に該当するものと考えております。そういったような場合は、本人の疾病又は負傷というような枠組みの中で取り扱うことができるのではないかと考えております。
 最後の[5]の「等」ですが、介護というようなご指摘がありましたが、ここには「同居の親族の危篤または死亡及び葬儀」と書いておりますが、そのほかのものとして、親族の介護によって、どうしても休まざるを得ない場合というのも、社会生活上やむを得ないと認められる範囲と考えておりますし、そのような場合の介護について、親族については同居かどうかということではなくて、通常の民法上の親族である6親等以内の血族、配偶者及び3親等以内の姻族という想定をして考えているところでございます。以上です。
○遠藤委員 要領について、今後積み上げの中で改善の余地があるものについては見直しも図られるということでご回答いただいたと理解します。いくつか事例を挙げた中で、大半のものはこなし得るということであったと思うのですが、これは、私自身もそうでなければいけないという自信を持って言うことではありません。確かに誰でも薬屋さんに行って薬は買えるのであり、だから不正の温床になり得るというのは、私はそこまで言い切っていいのかなという気持ちは正直あります。というのは、医療機関にかかることになれば、当然待ち時間を含めてかなりの時間が取られてしまうというようなことと、やはり証明にかかる費用が必要であり、かなりの負担になるのではないか。そうなってくると、仮に大衆薬によってその人の体調が戻るというようなことも往々に想定されるわけですので、自らのために使ったというものを、何か証明できるような仕組みをもう一段階加える形での次のステップに持っていくことは難しいでしょうか。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 いま、遠藤委員からご指摘がありましたように、そのレシートだけでというのは、単独でということになるとどうかなというような気もいたします。そうすると、逆に自ら使ったものを、具体的にどのようなものであればいいと考えることができるのかというと、間としてあると思うのですけれども、具体的になかなかイメージしにくいかなと思いますが、このようなものであれば認めてもいいというものがあれば、ご提案いただいて、ご議論いただければよろしいのではないかと思います。
○遠藤委員 薬剤師がいなければ出せない薬の中に、かなり効く薬があるのですが、そこまでいかなくても、熱を冷ますための効用も含む大衆薬が、薬剤師がいなくても買える状況がありますので、そういうものを利用することによって、本人が翌日からまた講義に臨むというようなことは想定し得るのではないかと思うのです。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 そういったような、実際その方が本当に具合が悪かったというようなことが証明ができればいいということですので、いまのご意見も含めまして、具体的にプラスして、どのようなことが証明の手段として使えるかということは考えてみたいと思います。
○新谷委員 関連してよろしいですか。いまのやり取りを聞いていて確認させてほしいと思います。例えばそれぞれ事案によって認定というか確認する者が誰なのかというところを確認しておきたいのですが、天災や本人の疾病辺りだと、これは教育機関が確認をするのですか。それともハローワークが確認するのですか。毎月1回ずつハローワークに出頭して、自分はこの薬を買ったからとか、病院に行ったからという認定をするのか、その辺の現実の運用はどのように考えておられるのでしょうか。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 基本的には出席を確認できるのは一義的には教育訓練機関になりますので、教育訓練機関のほうに欠席をした場合はこういう理由だということを出していただいて、訓練機関に確認していただくことになりますけれども、給付の申請をされるときには、このようなものでちゃんと確認をしているということを、ハローワークでも一定の範囲で確認することは必要だと思います。
○新谷委員 訓練機関は受講生を預かって、一人前というか、訓練を施していく役割を担っているわけなので、職場でもそうですが、上司が部下の顔色を見て咳をしているとか何かあれば、「お前、風邪じゃないのか」とかいう管理をするわけです。ですから現実的な運用のルールは、要領にどこまで書き込んで、それを教育機関にどこまでやっていただくのかというのがあるのですが、あまり細かなことを書き込むよりも、教育訓練機関にお任せする部分も結構あるのではないかと思うのです。一方で、遠藤委員もご指摘されているように、不正の温床にならないようにという懸念ももちろんありますが、その辺の兼ね合いも考えて是非ご検討いただきたいと思います。
○清家部会長 それでは、その辺をよく勘案してご検討いただくということでよろしいでしょうか。ほかにはございますか。
○亀崎委員 資料No.2の4頁の給付要件についての省令の規定案のところで1点確認したいと思います。附帯決議にも書いてありますが、震災地域についての対応ということで、土地や建物の所有要件などは弾力的な運用というのがなされるのかどうなのかということで、なされるということで良いのかどうかということを確認したいと思います。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 土地・建物の関係につきましては、現行の基金事業におきましても、被災している場合、今回の震災の関係で被災をされている土地については弾力的に扱うというような扱いにしております。基本的には求職者支援になりましても、今回の震災での被災ということに立っていれば、同じような取扱いをやっていこうと思っています。
○清家部会長 ほかにはいかがでしょうか。
○古川委員 給付の種類と額のところで、支給単位期間が28日未満の場合の計算方法が出ているのですが、例えばやむを得ない場合の欠席とか、その他の欠席をした場合の日数というのは、やはり支給単位期間から減らされて、この計算方法になるのでしょうか。
 もう1つですが、「ペナルティ」において職業訓練受講給付金が不支給になった場合でも、訓練の受講はできるのですか。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 まず1点目のご質問ですが、訓練をやむを得ない理由で欠席をされた場合につきましては、今回のこの給付は支給単位期間を1つの固まりとして支払いをするというものですので、仮に2割までの範囲でやむを得ない理由で欠席をされた日があるとしても、支給単位期間1つとして10万という形で支払いをするというような制度として構成しています。
○松本職業能力開発局総務課企画官 受講可能かという点に関してお答えします。ペナルティの対象となる理由はいろいろあって、退校処分の場合は当然訓練も受けられないわけですけれども、訓練を修了する見込みがない、これは日数が足りないとか、到達度が相当に低いという場合。またほかの訓練生に非常に迷惑をかける、それを注意しても改まらないといったような場合が、ペナルティの対象なのであれば、訓練のほうもおやめいただくということになるのが適当だと思っていますが、そうでない場合は、給付と訓練は基本的に別ものという理解です。
○新谷委員 資料No.2の8頁にペナルティについての記載があります。左の箱に事例が書いてあって、下から2つ目に「退校処分を受ける」という事例が書いてあります。この退校処分というのは、考えてみたらよくわからないと思っていて、教育機関で求職者が訓練を受けるというのはどういう契約関係にあるのかと思います。本人と教育機関との関係というのは、お金は当然やり取りはしていないので、どういう契約になるのか。そのときに退校処分というものが何に基づいて退校させるのかというのが法的によくわかりません。退校処分の基準などは、たぶん学校ごとに既存のルールがあって、学校ごとに退校処分の基準が決まっているということになるのですが、ある学校では退校処分の基準に該当するけれども、ある学校では該当しないというケースも想定されますし、さらに悪く考えれば、これは先ほどの職業能力開発分科会の資料にもありましたように、今後奨励金の受給に際しては、就職率がインセンティブになってくるということになると、就職の見込みのない人を退校処分にしてしまうというようなことも考えられなくもないということもあって、退校処分の位置づけというのはどのように考えたらいいのかというのを教えてほしいのが1点です。
 それと、8頁の下に※があって、「不支給等の対象となる就職支援拒否等に該当するか否かは、ハローワークにおいて判断する」ということなのですが、学校の処分権というのと、ハローワークの裁量権との関係はどうなっているのですか。要するに条件が成立すれば、直ちにペナルティが発生するのか、そこにはやはり退校処分という条件があったときに、ハローワークが改めて認定をして、ペナルティを発動するというロジックになると思うのですが、それはこの※のものにすべて表わされているのかどうかというのを確認したいと思います。
○松本職業能力開発局総務課企画官 まず、退校処分一般についてご説明申し上げます。職業能力開発局としては、訓練を適切に全うしていただくということが訓練機関の義務であると考えております。一方で受講者の側にとっては修めるように努力していただくのが、これもまた当然の義務でございます。例えば出席をしない、また他の受講生に迷惑をかけるといった、先ほど古川委員の際にお答え申し上げた対応があった場合には、本人のためにもならないし、また他の受講生の迷惑にもなるので、そういった場合は、一般的には、退校処分という表現をするのかは別として、こういった受講生は訓練をおやめいただくというのが適当だと考えております。能開局としては、そういった訓練を修了する見込みがない者、また他の訓練生に迷惑をかけ、それを是正するよう指導したけれども従わない場合には退校処分をすべしというように基準を設けるつもりでございます。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 退校処分についてですが、退校処分になったという場合につきましては、不正受給として返還命令、納付命令を行っていくということになりますが、これに該当するのかどうかという判断につきましては、この命令を最終的にはハローワークにおいて行うことになりますので、当然ハローワークが発動するべきものかどうかということを判断することになると考えております。また、いまも能開局からご説明がありましたが、そのような判断、適切なものとなるように訓練機関が一定の考え方をもって退校処分にするということをお示しするというような方向でやるということでございます。
○新谷委員 説明で大体わかったのですが、自分でお金を払って教育訓練機関で訓練を受けるというのは、契約関係になると思うのですが、そのときは学校との関係でいくと、こんな行為をしたら退校してもらいますよという契約関係になってくると思うのです。この受講者、求職者は訓練機関との契約関係は、お金のやり取りはないわけですから、国とこの訓練機関の契約の中で、この人を訓練して下さいということになるわけなので、その辺の法律関係はどのように整備されているのかというのをあとで分かれば教えてください。
○清家部会長 それはあとでまた調べてご回答ください。
○土屋派遣・有期労働対策部企画課長 基本的に訓練を受ける前提として、ハローワークが受講の指示をする。その受講の指示、あるいは就職支援計画も作るわけですが、その中身はこの制度のルールに乗って訓練を受けていただく、就職支援を受けていただくという前提があって指示をするということになりますので、先ほど能開局から説明があったように、その前提に乗れない方についての一定の退校処分などは、やはりもともとそういう制度に乗っていないという前提で訓練機関のほうで判断をして行うという意味で、特に契約関係に基づいているのではなくて、この制度のルールに乗っているか乗っていないかということでの判断を訓練機関が行う場合、退校処分という形になると思います。いずれにしてもよく整理をしてもう1回ご説明させていただきたいと思います。
○井上委員 資料No.2の9頁の融資について質問をさせてください。こちらは実施の主体は労働金庫ということですが、融資を受けたあとに、ペナルティを受けるなどして、給付金の支給が停止された場合ですが、融資の繰上げ返済を求めるということはないという理解でよろしいのかどうか教えていただければと思います。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 この融資ですが、給付が止まる場合もいろいろあると思いますが、仮にそれが不正受給というようなことで給付が止まるということであれば、そもそも最初から受けていただく予定の方ではなかったということになりますので、その場合については、繰り上げて返済をしていただくというような仕組みにしたいと思っております。
○遠藤委員 細かい内容で恐縮ですが、先ほどの退校処分との兼ね合いについてです。自らの意思で理由があって訓練途中でやめる場合、正当な理由としては、就職が決まったということがあると思います。次に考えられるのは、退校処分を受けるかもしれないといった状況下で自らやめていく。さらに、例えば大きな事故をしてしまって、この先ずっと通えないといった理由での退校を申し出ることです。この3つのケースでは、ペナルティという形で問われる状況はあり得るのかどうか。訓練を全うしないということだけで、網羅的にペナルティがかかるという考え方もなくはないと思いますが、その辺の整理がありましたらお願いします。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 いまの訓練を途中でやめられる場合に、正当な理由があっておやめになる場合というのは、それはそれで一旦はおやめいただいて、またやり直していただくというようなことだと思いますし、途中で退校処分になるようなケースであれば、それはペナルティの対象になると思いますし、正当な理由がない自己都合で辞められるような場合についても、対応によって、勝手にやめてしまったということになるような場合に該当する場合もあるかもしれませんが、基本的にはおやめになったということはおやめになったということで、途中で支援が必要ないということになったのだという整理をされるものと見ています。
○遠藤委員 途中でやめることについて正当な事由がある場合には、やめたということでそこからリスタートする。それに対して、正当な事由がない形で途中退校した場合については、概ねペナルティの対象になり得るという、そういう理解でよろしいですか。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 それが不正受給扱いとなるような、就職支援拒否に該当するようなものになるかどうかということの判断ではないかと思っております。正当な理由とは言えなくても、それが就職支援拒否といったような、そもそも放棄したといえるような中途退校なのかどうかということでして、正当な理由がないから一律不正受給扱いになる、ペナルティの対象にするというような、不正受給としてお返しいただくという意味でのペナルティの対象にするかどうかというようなことは、もうワンクッションあるのかなと思います。
○遠藤委員 十分に頭の整理ができていないままご質問してしまって申し訳ありません。今後詰めていかれると思うのですが、先ほどのやむを得ない事由に該当するかしないかということと、ペナルティの対象になるかならないかということについて、まずどこが判断して、仮にその判断された中身について疑義があるような場合、その救済策もおそらく講じられることになるかと思いますので、そういうものも含めて、トータルでその制度を維持していくことに対して評価できるような仕組作りが求められており、また制度全体の絵としてお示しいただければと思います。
○清家部会長 それはそのようにお願いします。ほかに何かご質問はございますか。
○小林委員 先ほど新谷委員から、財源の問題で基金の残高の見込みというお話があったのですが、いまやっている基金事業がいつ終わるのか伺いたいと思います。10月1日から恒久措置である新制度がスタートするのですけれども、一方、基金事業については9月30日から実際上は訓練が始まるものもある。また、先ほどの話の中では融資しているものの返済という業務もあります。基金を預かっているのは中央協会ですけれども、中央協会の事業の締めも含めて、訓練はいつまで最大あるか。介護の関係で2年ぐらいのものがあります。10月1日から求職者支援制度がスタートする中、従来の基金事業もずっと継続している部分があるのだと思います。どういう内容のものがいつ完結するのか、またお金がどれぐらいかかるのかがわかって初めて残高の見込みが出てくるのだと思うので、その辺のスケジュールのようなものを是非とも次回の部会にお示しいただければありがたいと思います。
○清家部会長 それは可能ですか。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 まだ基金自体が動いておりますので、これから始まる訓練等もありますので、どの程度いまの段階でお示しできるのかということも含めて、ご検討させていただきたいと思います。
○野川委員 恒常的な制度になることで、1つの大きなポイントは、やはり紛争解決の対応ということだと思うのです。いまご議論を伺っていて思ったのは、やはり若干いろいろなトラブルが起こりがちな内容かなと思います。始まってみないとわかりませんが。1つだけ挙げますと先ほどの欠席について、やむを得ない理由があった場合、あったかどうかということを判断して支給が止まりますね。お金の問題でしかも月10万円なので、それがもらえないために訓練も諦めざるを得ないという例も出てくる。それがために就職ができないということで、訴訟になることもあり得るのではないかと思います。その場合に、1つは先ほども出ていましたが、不支給処分を決定する権限をきちんと整理しておいて、そこが処分権を持っているとなると、例えば労災などの場合のように、処分の取消訴訟が起こりますね。その場合に懸念するのは、処分権限を明確にしておくということと、内容についてかなり対処の仕方を考えておかなければいけないのではないかと思います。
 先ほどの5頁の「欠席をすることが『やむを得ない』とされる範囲」で、[5]に「介護を含める」とおっしゃいましたが、[4]まではわりと事実としてそうであれば、あとは証明の問題ということが言えると思うのです。熱を出していて、これは無理だろうと。だけれども、それをうまく証明できなかったと。それは何とか対応できるのかなと。例えば介護の場合は、介護保険で想定するような介護とはまたちょっと違うと思いますので、こういう介護をしたということが正当な理由かどうかという実質的な判断を迫られ、それについて不支給決定すると。それに取消訴訟が起これば、裁判所が実質的な内容で立ち入って判断をするということになるわけです、労災についてのように。そういう迷路に入っていかないような十分な事前の対処が必要ではないか。要するに、介護のような普遍的で一般的な理由による欠席については、それを想定して細かな判断の基準をわかりやすく示しておくということが必要とされるのではないかと思うのです。これが1つの例で、いずれにせよさまざまなトラブルが起こり得ることを踏まえて、紛争ができるだけ起こらないように、あるいは起こった場合に迅速に処理できるような対応を、今後本格的に考えていただきたいと思います。
○田中派遣・有期労働対策部企画課企画官 今回の制度ですが、個人の給付金については、ハローワークの所長が決定するということになりますし、それについても就職支援という形でハローワワークに来ていただいて、そこでしっかり支援をするという枠組みです。できるだけトラブルがないような、先ほどの議論の中にもありましたが制度を利用される方と制度を支える方と透明性をもって、おかしなトラブルが起きるような制度にならないように、これから施行の間にまたさらに今日のご意見なども含めて、実行面で考えなければいけないと思いますので、引き続き検討してまいりたいと思います。
○清家部会長 ほかによろしゅうございますか。それでは、いろいろなご意見が出ましたので、本日の議論を踏まえて、具体的な省令制定作業を行っていただくということにして、次回は要綱をお示しいただいて、本日の議論を確認したいと思いますがよろしいでしょうか。その前に、また各委員の先生方にお知恵を拝借したいということもあるかと思いますので、そのような形で進めさせていただきたいと思います。
 それでは、以上をもちまして、本日は終了したいと思います。本日の署名委員は、雇用主代表は遠藤委員、労働者代表は新谷委員にお願いします。委員の皆様方には忙しい中どうもありがとうございました。次回の日程につきましては、事務局において改めて各委員にご連絡をさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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