2011年4月27日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録
日時
平成23年4月27日(水)15:00~
場所
厚生労働省専用第15・16会議室
出席者
出席委員(14名):五十音順 敬省略
佐藤 田鶴子、 佐藤 雄一郎、 清水秀行、 宗林 さおり、
千葉勉、 手島玲子、 ○永井良三、 成冨博章、
野田光彦、 増井徹、 ◎松井陽、 松木則夫、
本橋伸高、 山田清文
(注) ◎部会長 ○部会長代理
他参考人1名
欠席委員(7名):五十音順 敬省略
加藤総夫、 鈴木邦彦、 西澤理、 林邦彦、
檜山行雄、 古川漸、 村田美穂
行政機関出席者
平山佳伸 (大臣官房審議官)
成田昌稔 (審査管理課長)
俵木 登美子 (安全対策課長)
内海英雄 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
森和彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
赤川治郎 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)
佐藤 田鶴子、 佐藤 雄一郎、 清水秀行、 宗林 さおり、
千葉勉、 手島玲子、 ○永井良三、 成冨博章、
野田光彦、 増井徹、 ◎松井陽、 松木則夫、
本橋伸高、 山田清文
(注) ◎部会長 ○部会長代理
他参考人1名
欠席委員(7名):五十音順 敬省略
加藤総夫、 鈴木邦彦、 西澤理、 林邦彦、
檜山行雄、 古川漸、 村田美穂
行政機関出席者
平山佳伸 (大臣官房審議官)
成田昌稔 (審査管理課長)
俵木 登美子 (安全対策課長)
内海英雄 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
森和彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
赤川治郎 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)
議事
○審査管理課長 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会を開催させていただきます。
本日は、お忙しい中御参集いただきありがとうございます。
まず、先月3月25日に開催されました薬事分科会において、薬事分科会における確認事項の改訂が了承されましたので、その内容につきまして御報告申し上げます。
お手元の当日配付資料21を御覧ください。本日、配付させていただいた資料、「薬事分科会・部会手続きの見直しについて」です。こちらの内容に関しては以前に本部会で検討内容について御報告を行い、御意見等をいただいているところですが、薬事分科会・部会手続きの見直しについて、3月25日に最終的に御了解いただいたところです。
「2.改正(案)の内容」ですが、この内容にて分科会で御了解いただいたところです。具体的には、従来の分科会審議品目のうち、今後、新規性の高い新有効成分含有医薬品、新構造医療機器及び新有効成分含有動物用医薬品については部会審議品目とし、適用・毒性・副作用等の観点から、慎重な審議が必要なものについては、引き続き、分科会審議品目とする等の改正を行う、ということです。
二つ目の○ですが、今回の見直しに伴い、新たに、分科会における委員と同様の専門分野の委員を部会委員として委嘱し、部会における審議を充実させるものとする。
また、審議会の透明性を図る観点から、分科会審議の対象となる医薬品・医療機器のうち、社会的関心の極めて高いものについては、原則として、パブリック・コメントを実施するものとする、ということです。
具体的な内容は、別添2を御覧いただきたいと思いますが、新旧の改正案と現行があります。11.ですが、分科会審議の案件のうち、社会的関心の極めて高いものについては、主要な資料の概要を公表し、広く一般の意見を求め、これを添えて分科会における審議の参考にするということです。
分科会の確認事項の改正部分ですが、4ページの1、「医療用医薬品(体外診断薬を除く)」です。【旧】を御覧いただくと分科会審議品目について、新有効成分含有医薬品で構造が新しいものは分科会審議ということでしたが、新有効成分含有医薬品については基本的に部会審議品目にします。分科会審議品目については【新】にあるとおり、申請医薬品の適用、毒性、副作用等からみて慎重に審議する必要があるとの部会の意見に基づき、分科会長が決定するものということで、【旧】の2のようにある形から改正するものです。
1ページに戻っていただき、「3.施行時期について(予定)」ですが、3月25日に薬事分科会における確認事項の改正を了承いただいておりますので、新たにこのような取扱いにさせていただくのは、4月以降の部会からであり、この医薬品第一部会の4月の部会からになります。
続いて、当部会委員の異動につきまして御報告いたします。3名の先生方に新たに当部会の委員に御就任いただいております。
東京学芸大学教育学部准教授の佐藤先生です。
独立行政法人国民生活センター商品テスト部長の宗林先生です。
独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部部長の増井先生です。
どうぞよろしくお願いいたします。
本日の委員の出席についてですが、加藤委員、鈴木委員、西澤委員、林委員、檜山委員、古川委員、村田委員より御欠席との御連絡をいただいております。
また、永井委員より所用により遅れる旨の御連絡をいただいております。
現在のところ、当部会委員数21名のうち13名の委員の御出席をいただいていますので、定足数に達しておりますことを報告いたします。
本日その他事項に関しましては、千葉大学医学部附属病院臨床試験部 部長・診療教授の花岡先生を参考人としてお呼びしています。
それでは、松井部会長、以後の進行をお願いいたします。
○松井部会長 それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から配付資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告を行ってください。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日、席上に、議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配付しています。議事次第に記載されている資料1~17をあらかじめお送りしています。このほか、資料18「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料19「専門委員リスト」、資料20「競合品目・競合企業リスト」を配付しています。
続きまして、本日の審議事項に関する資料20「競合品目・競合企業リスト」について御報告します。各品目の競合品目選定理由については次のとおりです。
資料20の1ページを御覧ください。リオベルですが、本品目は「2型糖尿病」を効能・効果とするDPP-4阻害剤とチアゾリジン系薬剤の配合剤です。本剤に含まれる各有効成分と同じ作用機序を有する薬剤を組み合わせた配合剤はありませんが、単剤として同様の臨床的位置付けにある薬剤について、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
2ページを御覧ください。ネキシウムです。本品目は「ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助等」を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
3ページを御覧ください。べラグルセラーゼアルファです。本品目は「ゴーシェ病の諸症状」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。
○松井部会長 今の事務局からの説明に特段の御意見等はございますか。よろしいですか。それでは本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆さんの了解を得たものとします。それでは、委員からの申出状況について報告してください。
○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。
議題1「リオベル」ですが、退出委員は永井委員、議決に参加しない委員は千葉委員、成冨委員、野田委員です。
議題2「ネキシウム」ですが、退出委員は千葉委員、議決に参加しない委員は永井委員、成冨委員です。
議題3「ベラグルセラーゼ」ですが、退出委員、議決に参加しない委員は共にいらっしゃいません。以上です。
○松井部会長 本日は、審議事項は3議題、報告事項が13議題、その他事項が1議題となっています。本日は参考人の花岡先生に来ていただいている、その他事項から行います。
それでは、その他事項についてですが、新しい委員もいらっしゃいますので、検討会議の概要と検討の進捗状況について、事務局より御説明ください。
○事務局 その他事項議題1、資料17「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請を行うことが適当と判断された適応外薬の事前評価について」、事務局から簡単に経緯等を説明いたします。
資料17の155ページを御覧ください。「未承認薬・適応外薬に係る開発の要望の公募について」です。欧米では使用が認められていますが、日本では承認されていない未承認薬・適応外薬について、2行目に期間の間違いがありますが、正確には、一昨年6~8月に未承認薬等の開発要望について公募を行いました。
公募の条件ですが、真ん中の囲みにありますように、我が国で承認されていないものの、欧米4か国のいずれかの国で承認されているものなどを条件としています。さらに医療上の必要性が高いものの条件を付けて公募しました。結果として資料の左側の下にありますが、374件の要望が提出された結果となりました。
156ページを御覧ください。昨年の2月に医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を立ち上げております。真ん中の検討会議の囲みを御覧ください。提出された374件について、白抜きの四角で囲んでいるところですが、この検討会議において医療上の必要性の評価、承認申請に必要な試験の妥当性、又は、公知申請への該当性の評価などを行っていただき、こちらの囲みの左下に審議会の事前評価という囲みがありますが、公知申請に該当する品目については審議会の評価、本日も3件事前評価を行っていただきますが、この部会で評価を行っていただいております。事前評価が終わりましたら、左側の各企業の囲みに移りますが、公知申請の準備等を企業が行い、承認申請を行っていただくというスキームになっております。
157ページの表を御覧ください。今月の18日に第7回検討会議が開催され、374件の医療上の必要性に関する評価については終了しております。結果としては、表の一番上の「検討済み」の「必要性高い」という欄の一番右にございますが、合計186件が医療上の必要性が高いという評価がなされております。医療上の必要性が高いと評価されたものについては、製薬企業に医薬品の承認に向けて開発要請を行うこととなりますが、今月18日に開催された第7回検討会議で、医療上の必要性が高いと評価された4件を除き、既に開発要請を行う、あるいは開発企業の公募を行っております。
158ページを御覧ください。これまでに2回の開発要請を行っており、各欄の3番目に「公知申請が妥当であるもの」が第1回で22件、第2回に要請したものが9件となっております。これまでに、31件について公知申請が妥当であるものと評価をいただいております。本日は第2回に開発要請をした9件のうち、3件について事前評価を行っていただくこととなっております。公知申請で差し支えなければ、企業からの承認申請後、迅速に審査を行うこととしております。以上です。
○松井部会長 ありがとうございます。委員の先生方から何か御質問がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、個別品目の公申申請の事前評価に移ります。参考人の花岡先生、説明をお願いします。
○花岡参考人 資料17を御覧ください。「シクロホスファミド水和物」の「ネフローゼ症候群」に対する公知申請の該当性に関して、検討会議での検討結果について御説明します。
3ページを御覧ください。日本小児腎臓病学会から要望が提出されています。3ページの下に、医療上の必要性についてが記載されております。ネフローゼ症候群は、ステロイドなどを用いた薬物治療による病勢コントロールが不可能な場合、腎不全に進行する疾患であり、透析導入が必要となる日常生活に著しい影響を及ぼす疾患であり、また、国内外のガイドラインにおいてシクロホスファミドのネフローゼ症候群に対する使用が奨励されており、標準的療法に位置付けられていることから、本要望について医療上の必要性が高いと判断されました。
49ページの日本人における本剤の有効性及び安全性について御説明します。11~47ページにかけてお示しした臨床試験成績及び成書の内容を踏まえ、小児及び成人において、海外と同様、有効性が期待でき、安全性についても国内外で大きく異ならないと考えられることから、ステロイドによる治療で効果が不十分なネフローゼ症候群に対し、本剤を使用することは妥当と判断いたしました。
効能・効果は、52ページの下の方に記載されていますが、「ネフローゼ症候群(副腎皮質ホルモン剤による適切な治療を行っても十分な効果がみられない場合に限る。)」とし、用法・用量は53ページの下の方に記載したような用法・用量とすることが適切と判断いたしました。
なお、本剤の治療効果は、主に組織学的所見とステロイドへの反応性の分類により評価されていることが多いことから、本剤の投与対象の選択においては診療ガイドライン等を参照し、投与スケジュールについても、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考にすることが適切と判断いたしました。
以上のような検討の結果、本要望の内容について、本邦において医学薬学上公知に該当すると検討会議で判断されました。
続きまして、「ミコフェノール酸モフェチル」の「腎移植における拒絶反応の抑制の小児用法・用量の追加」に対する公知申請への該当性に関して、検討会議での検討結果について御説明します。
59ページを御覧ください。日本小児腎臓病学会から要望が提出されています。60ページの要望内容における医療上の必要性について御説明します。拒絶反応の抑制は移植腎の廃絶を回避するため重要で、欧米の臨床試験成績及び使用状況の報告を踏まえると、標準的治療に位置付けられていると考えられることから、検討会議では、本要望について医療上の必要性が高いと判断されました。
88ページの上から2段落目の4行目に記載されておりますが、日本人小児を対象とした厚生労働科学研究により実施された多施設共同臨床試験や、65~87ページにかけて記載されている臨床使用実態、成書の内容等も踏まえ、外国人小児又は日本人成人と同様、有効性が期待でき、安全性についても国内外で大きく異ならないと考えられることから、小児の腎移植における拒絶反応の抑制に対し、本剤を使用することは妥当と判断いたしました。
用法・用量については、92ページの四角いカラムの上の下線を引いたところですが、用法・用量としては1回300~600mg/?、そして少し幅記載として1日2,000mgを上限とすることが適切と判断しました。
以上のような検討の結果、本要望の内容について、本邦において医学薬学上の公知に該当すると検討会議で判断されました。
続きまして、「メチラポン」の「クッシング症候群」に対する公知申請への該当性に関して、検討会議での検討結果について御説明します。
97ページを御覧ください。日本内分泌学会及び日本小児内分泌学会から要望が提出されています。98ページの要望内容における医療上の必要性について御説明します。クッシング症候群では高コルチゾール血症が予後に重大な影響を及ぼす場合があり、メチラポンはその標準的な薬物療法として海外で使用されていることから、検討会議では、本要望について医療上の必要性が高いと判断されました。
103~135ページにかけてお示しした臨床試験成績、小児を含めた国内症例報告及び成書の内容を踏まえ、139ページに、日本人における本邦の有効性及び安全性についてまとめておりますが、成人及び小児において海外と同様にクッシング症候群の各病型において一定の有効性が認められており、安全性についても国内外で大きく異ならないと考えられることから、クッシング症候群に対し、本剤を使用することは妥当と判断いたしました。
効能・効果は、「クッシング症候群」とすることが適切と判断し、用法・用量は、国内使用実績(症例報告)や本剤が250mg製剤であることを踏まえ、142ページの下に記載したような用法・用量とすることが適切と判断いたしました。なお、国内外の教科書及び総説の記載を参考に、用法・用量に関する使用上の注意として「血中・尿中コルチゾール値あるいは臨床症状に応じて用量調節を行うこと。」と注意喚起する必要があると判断いたしました。
以上のような検討の結果、本要望の内容について、本邦において医学薬学上の公知に該当すると検討会議で判断されました。以上です。
○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から何か御質問がございましたらお願いいたします。
○清水委員 エンドキサンの承認に関する件ですが、現在、海外の小児に対するプロトコールの中で、製剤としては錠剤しか発売されていません。実際に欧米で小児に使用される際には、どのような投与ルートなのか教えてください。
○松井部会長 花岡参考人、いかがですか。
○花岡参考人 先生方が御存じのとおり、この製剤については点滴の製剤もあります。点滴の製剤については、今回の要望とは別に、要望書として出ていると思います。こちらは、錠剤の要望ですが、検討会議では粉のことが議論になりました。粉については、現在、3ページの備考欄に記載しておりますが、「本要望では、エンドキサン錠50mgに対する効能追加並びに散剤又は顆粒剤等の剤形追加が要望されているが、エンドキサン錠は海外からの製剤輸入であり、製剤元でも散剤、顆粒剤等の剤形は製造されていないため、対応は困難と開発企業は述べている。」ということから、今回の対応は錠剤となっております。
○松井部会長 清水委員、よろしいですか。
○清水委員 つまり、海外では、小児に注射薬が使われているのですか。
○花岡参考人 錠剤も使われています。
○清水委員 錠剤しか無いわけですから、粉砕するといった形で海外でも使われているということですか。
○花岡参考人 はい。そのように伺っています。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。
○審査管理課長 ただ今の清水委員の御指摘ですが、未承認薬・適応外薬の検討会議でも、小児用の剤形については御議論がありましたが、ここにありますように、直ちに小児用の散剤を導入することは難しく、錠剤ではありますが、まず小児適用をとっていただく形で対応させていただき、小児用剤形については別途、検討させていただくことにしているところです。
○清水委員 使い分けということではなく、今回は、内服薬で小児の適用を必要とするということですか。
○審査管理課長 はい。
○松井部会長 よろしいですね。ほかに、御意見はございますか。
○佐藤(田)委員 恐らく十分検討されたと思いますが、私たちは昔、悪性腫瘍の際に古い薬であるエンドキサンを使っていましたが、かなり骨髄抑制が強かったと思います。本薬をこの用量でその期間使う際に、要注意としなくても大丈夫なのでしょうか。
○松井部会長 花岡参考人、いかがですか。
○花岡参考人 安全性につきましては、検討会議で検討させていただいております。佐藤(田)先生が御指摘のとおり、この薬剤については骨髄抑制、あるいはそれ以外の二次性の悪性腫瘍等、様々な副作用が報告されています。こちらについては、当然注意すべき内容です。あるいは、総投与量についても制限をすべき内容です。ただ、使用される方は専門医の先生ですので、それを十分注意した上で使っていただくことが必要と考えております。
○佐藤(田)委員 では、そちらを使用したベネフィットの方が大きいのでしょうか。
○花岡参考人 はい。すべてのネフローゼの患者さんにこちらを使うのではなく、あくまでもステロイドが有効ではない方に対して、病態に合わせて使うことになると思います。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
それでは、その他事項については御確認いただいたものといたします。花岡先生、本日はありがとうございました。
それでは、審議事項議題1に移ります。永井委員がお出でになりましたら、別室で御待機いただくように御配慮ください。
議題1について、機構から概要を説明してください。
○機構 審議事項議題1、資料1「医薬品リオベル配合錠LD及び同配合錠HDの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、機構より御説明いたします。
本剤は、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤であるアログリプチン安息香酸塩とチアゾリジン系薬剤であるピオグリタゾン塩酸塩を有効成分とする配合剤です。本剤と同じ有効成分を組み合わせた配合剤は、海外では承認されておらず、米国及び欧州において開発中です。
本剤は、平成22年8月26日開催の医薬品第一部会において、有効成分のうちアログリプチン安息香酸塩については、その承認から日が浅いことから、市販後の使用実態下での安全性を確認すべきとされました。
今般、申請者より、アログリプチン安息香酸塩製剤であるネシーナ錠の市販直後調査実施報告書が追加提出されたことから、当該報告書に基づき機構は、ネシーナ錠について市販後の使用実態下での安全性を評価しました。以下、前回御審議いただきました本剤の有効性及び安全性について臨床試験成績を中心に再度御説明させていただくと共に、追加提出された資料について、説明させていただきます。
本申請においては、ネシーナ錠のチアゾリジン系薬剤との併用療法の効能追加申請において提出され、評価された第II/III相試験の成績等が提出されました。
有効性については、審査報告書の14ページ表1に示しましたように、ピオグリタゾン塩酸塩単独群と比べてアログリプチン安息香酸塩25mg併用群では、HbA1c変化量の有意な改善が示されています。また、17ページ図1に示しましたように、第II/III相長期投与試験において、両薬剤併用時の効果の持続も確認されています。
安全性については、23~24ページに記載のとおり、適正使用下での安全性には特段の懸念はなく、本剤の安全性は許容可能と判断しています。
医療用配合剤の承認要件への該当性に関しましては、20~21ページに記載のとおり、本剤の配合意義は示されていると判断しており、また、患者の利便性についても2)に記載のとおりその向上が期待できると判断しました。以上が前回御審議いただいた際の資料の説明です。なお、現時点では、本剤の配合成分であるアログリプチン安息香酸塩及びピオグリタゾン塩酸塩のいずれもそれぞれの承認から1年以上が経過しています。
次に追加提出された資料について説明させていただきます。安全性についてですが、審査報告書(2)の3ページを御覧ください。平成22年6月15日~平成22年12月14日までの市販直後調査期間中に、70例101件の副作用が報告されました。そのうち、重篤な副作用は4ページ表1に示した6例に8件認められました。これらの症例について詳細を確認しましたが、6例のうち4例は投与中止等の処置により回復又は軽快しています。転帰が不明とされている紅斑及び発疹の1例については、ネシーナ錠の添付文書のその他の副作用において発疹が注意喚起されており、また、DPP-4阻害薬では「皮膚および皮下組織障害」が注目されている事象の一つであることから、ネシーナ錠の製造販売後調査において情報収集されることになっており、さらに本剤の製造販売後調査においても情報収集される予定です。さらに、壊死性膵炎等による死亡例については、ネシーナ錠との因果関係について否定されていないものの、膵炎の危険因子として考えられている胆石及び脂質異常症を合併していたことから、膵炎発症のリスクが高い症例であったと考えられます。以上の検討からネシーナ錠及び本剤の製造販売後調査において引き続き情報収集することで特段の問題はないと考えております。
以上のとおり、機構での追加提出資料に基づく審査の結果、平成22年8月9日付リオベル配合錠LD、同配合錠HD審査報告書における結論に影響がないことを確認し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。
本剤の再審査期間については、アログリプチン安息香酸塩を有効成分とするネシーナ錠の再審査期間に合致するよう、平成30年4月15日までとすることが適当であると判断しております。なお、製剤は毒薬・劇薬のいずれにも該当せず、また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。
薬事分科会では報告を予定しております。以上です。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。
○山田委員 ピオグリタゾンとアログリプチンでは、添付文書(案)上、インスリンとの併用の可否に差があると読み取れます。ネシーナ錠については、インスリンとの併用は認められていないと思います。こちらの配合剤の場合、インスリンとの併用については、どのようになりますか。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○機構 機構よりお答えします。糖尿病用薬については、各併用療法ごとの効能を現在のところ承認しております。本配合剤については、インスリンとの併用試験等が行われておりませんので、現在、リオベル配合錠の添付文書(案)の5ページ、「2.重要な基本的注意」の(10)に、「本剤と他の糖尿病用薬の併用における安全性は確立していない(使用経験がない)」ということで注意喚起しております。
○山田委員 分かりました。
○松井部会長 併用はできないということですね。
○機構 基本的には、認めていません。
○松井部会長 ほかに、いかがでしょうか。
○清水委員 適用について、私の中で上手く整理されていないのですが、この薬剤が承認されたとしても、今本剤を服用できる患者さんはいないということにはなりませんか。
○機構 機構よりお答えします。アログリプチンとピオグリタゾンの併用については、既に効能が取得されております。そのことから、既に現在、両剤を併用している患者さんはいらっしゃると思われます。ですから、そのような患者さんにおいて本剤の配合比であるピオグリタゾン15mgまたは30mgと、アログリプチン25mgを併用し、状態が安定しているようであれば、本配合剤に切り替えることはあり得ると思います。
○松井部会長 いかがですか。清水先生の御質問の意味が少し分かりませんでしたが。
○清水委員 すいません。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
○機構 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
○清水委員 資料の1.7「同種同効品一覧表」には、新しい資料を付けておくべきだと思います。この資料では、ネシーナの添付文書の情報を見ても併用が可の状態にはなっておりません。最新のものを確認しなかった私が悪いのですが、こちらの資料は付け換えておくべきだと思います。
○機構 申し訳ありません。申請者に指導させていただきます。
○松井部会長 よろしいですか。成冨委員、どうぞ。
○成冨委員 効能・効果についてですが、この二つの薬剤を使った場合においてのみ使用可能であるということでしょうか。最近、非常に多くの経口糖尿病用薬が出ていますが、効果不十分な場合、いきなり本剤を使用しても良いのですか。
○機構 機構よりお答えします。添付文書(案)になりますが、4ページの効能・効果に関連する使用上の注意の(3)を御覧ください。本配合剤の使用対象、推奨されるべき対象に関しては、その部分に注意喚起ということで情報提供しております。先ほど御説明したようなアログリプチンとピオグリタゾンを既に併用されている患者さん、または臨床試験の対象とされたピオグリタゾン塩酸塩で効果不十分な患者さんにおいて、アログリプチンの上乗せ効果を期待するような場合に使うことが適当と考えております。その他の薬剤からの切替えですが、切替時の用量等がはっきりしておりませんので、推奨できるものではないと考えております。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、議決に入ります。
なお、千葉委員、成冨委員、野田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。永井委員、お入りください。
── 永井委員入室 ──
○松井部会長 それでは、議題2に移ります。
千葉委員におかれましては、議題2の審議の間、別室で御待機いただくこととします。
── 千葉委員退室 ──
○松井部会長 議題2について、機構から概要を説明してください。
○機構 審議事項議題2、資料2「医薬品ネキシウムカプセル10mg及び同カプセル20mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、機構より御説明いたします。
本薬は、ラセミ体であるオメプラゾールの一方の光学異性体(S体)であるエソメプラゾールマグネシウムを有効成分とする製剤です。オメプラゾールは、本邦では胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の胃酸関連疾患、並びに胃潰瘍、十二指腸潰瘍等におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の効能・効果で承認されています。オメプラゾールに含まれる光学異性体のR体とS体はいずれも同程度の薬理作用を示しますが、代謝酵素のCYP2C19の遺伝子多型の影響はR体でより受けやすいことから、S体のみの本薬については、代謝におけるCYP2C19の遺伝子多型の影響をより受け難く、オメプラゾールよりも安定した薬物動態と臨床効果が期待できると考えられました。そのため、申請者は、本薬についてオメプラゾールと同様の効能・効果に加え、「非ステロイド性抗炎症薬(以下、「NSAID」)投与時の胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発抑制」に対する効能・効果の取得も目指して、今回の開発に至りました。
なお、本薬は、2000年3月にスウェーデンで承認された後、2011年1月現在、米国を含む世界120か国以上で承認されています。
本品目の専門協議では、本日の配付資料19に示します専門委員を指名いたしました。
審査の概要について御説明いたします。初めに、本申請における本薬のデータパッケージについて説明いたします。
申請者は、非臨床薬理試験で同用量又は同暴露量において本薬とオメプラゾールの薬力学的効果が同様であること、本薬の臨床薬物動態はオメプラゾールと比べてCYP2C19による代謝の影響を受けにくいこと、本薬のヒトにおける胃酸分泌抑制作用が同用量のオメプラゾールに少なくとも劣らないこと、並びに胃酸関連疾患として代表的な逆流性食道炎を対象とした臨床試験において、本薬の有効性が同用量のオメプラゾールに少なくとも劣らない結果が示され、かつ、安全性にも特段の問題が認められないこと、の4点が示された場合には、オメプラゾールの臨床効果は専らその胃酸分泌抑制効果に基づくと考えられることより、本薬についてオメプラゾールと同一の効能・効果及び用法・用量での有効性及び安全性が推定できるという開発戦略で開発を行いました。
また、現在オメプラゾールが有する効能・効果に加え、NSAID投与中の潰瘍の再発抑制に係る開発も別途行われました。
次に、本薬の臨床試験成績について説明いたします。
薬物動態及び胃酸分泌抑制効果について、審査報告書の36~38ページの表21~24を御覧ください。
健康成人を対象とした臨床薬理試験で、薬物動態については、表21及び表23から、本薬はオメプラゾールと比べて被験者のCYP2C19の遺伝子型(EMとPM)による影響を受けにくく、また、表22及び表24から、24時間中の胃内pHが4未満となった時間の割合として評価された胃酸分泌抑制作用について、本薬10mg及び20mgは、それぞれ同用量のオメプラゾールに少なくとも劣らないと考えられました。
また、治療効果については、代表的な胃酸関連疾患として逆流性食道炎に対する治療効果及び治癒の維持効果をオメプラゾールと比較した試験成績、並びに別途NSAID投与中の潰瘍の再発抑制効果をプラセボを対照に検討した試験成績が、それぞれ提出されています。
有効性について、まず、逆流性食道炎の治療効果について、審査報告書43ページ表30を御覧ください。逆流性食道炎患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「投与8週後の逆流性食道炎治癒率」について、本薬20mg群及び本薬40mg群のオメプラゾール20mg群に対する非劣性が検証されました。次に、逆流性食道炎の治癒の維持効果について、審査報告書44ページ表33及び図1を御覧ください。プロトンポンプ阻害剤の投与により逆流性食道炎の治癒が確認された患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「投与24週後の逆流性食道炎の非再発率」について、本薬20mg群のオメプラゾール10mg群に対する優越性が検証され、本薬20mg群と10mg群の間に有意差は認められませんでした。
また、NSAID投与中の潰瘍の再発抑制効果について、審査報告書46ページ表35及び図2を御覧ください。NSAIDの継続投与が必要と考えられる慢性疾患で、かつ胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往歴を有する患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「投与期間を通じての胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の発症の有無」について、本薬20mg群のプラセボ群に対する優越性が検証されました。
次に安全性について、国内第III相比較試験における主な有害事象をオメプラゾールと比較した結果は43ページの表31及び45ページの表34のとおりです。また、全般的には審査報告書58ページ下段の「(4)安全性について」の記載を御覧ください。逆流性食道炎に関する試験において、オメプラゾール群と比較して本薬群で有害事象の発現率が高くなる傾向は認められませんでした。また、投与期間の長期化に伴い有害事象発現率が高くなる傾向は認められず、その他の臨床試験においても懸念すべき有害事象は認められませんでした。
したがって、臨床試験成績から、本薬は同用量のオメプラゾールに少なくとも劣らない胃酸分泌抑制効果を有すること、また、逆流性食道炎を対象とした臨床試験において、本薬の有効性は同用量のオメプラゾールに少なくとも劣らないこと、安全性についてオメプラゾールと比較して特に懸念すべき点は認められないことが確認されました。
機構は、これらの臨床試験成績等をもって、オメプラゾールが有している胃潰瘍等の胃酸関連疾患、並びにヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に対する効能・効果を認めること、また同一の用法・用量を設定することは可能と考えました。また、NSAID投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制についても、効能・効果に加えることは差し支えないと考えました。
以上のような機構での審査の結果、本薬を承認して差し支えないと判断し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。
なお、本薬は、生物由来製品又は特定生物由来製品に該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当せず、また、新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であると判断しています。薬事分科会では報告を予定しております。以上です。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。光学異性体については、つい最近も話題になった気がします。
○松木委員 光学異性体については、何度か話題になっています。逆流性食道炎については、どの程度有意性があるのか分かるのですが、最初に目指したCYP2C19の違いで説明できるところなのでしょうか。
○松井部会長 いかがですか。機構からお答えください。
○機構 機構よりお答えします。CYP2C19の遺伝子多型に、どの程度有効性の結果として差が出ているかどうかの観点については、審査報告書50~51ページに患者背景別の投与8週後の逆流性食道炎治癒率と維持に関する非再発率について示しております。この結果を見ると、表39の治療については実際にはそれほど大きな差は出ておりませんが、一方で表41の非再発率を見ると、オメプラゾールではEMで少し低くなり、EMとPM間でばらつきが大きく出ていますが、本薬群になると、ばらつきの大きさが小さくなる傾向が認められています。
○松井部会長 いかがですか。
○松木委員 諸外国で認められているからかもしれませんが、こちらは基本的にプロドラッグですね。エナンチオマーで分けても両方とも余り変わらず、しかもプロトンポンプの競合的拮抗ではなく、SSボンドを作って不可逆的にブロックしてしまいます。すると、最初のスタートのアイディアとして、分割しても2倍量投与すれば良く、そうではない場合でも時間が経てば、恐らく同じだけブロックされるはずです。そのようなことが最初から予想されているにもかかわらず、ゴーサインがあった理由は、ほかの国でも承認されているからですか。
○松井部会長 どうでしょうか。機構からお答えください。
○機構 機構よりお答えします。本薬の場合、確かにラセミ体のどちらであっても、薬理作用的に効果の大きさは結果的に同じですが、体の中に入った時の利用率、活性体のAUCの違い等を考えると、多くの患者さんに飲んでいただいた時に、患者間でのばらつきが少ないことが期待されるということです。確かに既存のオメプラゾールであっても多く飲めば、すべての患者さんに対して十分な有効性を示すことが期待できるのですが、遺伝子型がどのような患者さんであってもそれに拠らず、なるべく、それほど大きな差が無い薬物動態を示すのではないかと思っています。そのような形で、本剤が国際的に広く使用される形になってきており、暴露量をむやみに増やすと、長期的に見た時に特に安全性の点も懸念されることから、有用性を持っている可能性もあると思っています。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○松木委員 例えばエナンチオマーで分けて、片方に余り効かないというのであれば、また違うのかもしれません。しかし、この場合は両方に効き、さらにプロドラッグであり、不可逆的にくっつきます。そのことから、時間が経てば、ほとんど同じようなアフィニティでブロックされるに違いありません。スタート時から分割して、何かメリットはあるのでしょうか。また、CYP2C19のばらつきが非常に大きく、それで何か問題があるというのであれば話は別ですが、結果的に見ているのは結構長期的な影響だけです。ですから、CYP2C19で長期的な影響が多くみられるとは思えません。つまり、半分はあるので、結果的には良かったかもしれませんが、このような光学異性体を分割して行うというのは、スタートの時によほどメリットが予想されなければ、きりがないような気がします。そのように感じました。
○松井部会長 ただ今のコメントに関して、いかがですか。
○審査第一部長 本薬剤の場合、日本の国内での開発は、かなり遅れています。海外では、エソメプラゾールは10年くらい前から承認されて広く使われています。私たちは、海外での開発の経緯をよく承知しておりませんが、少なくとも国内での開発にあたっては、既に海外で臨床的な使用があり、そのことから始まっているという経緯があります。
○松井部会長 参考までに教えていただきたいのですが、ホモとヘテロは、日本人にどの程度の割合で分布していますか。もし、手元にデータがございましたら、お願いします。
○機構 機構よりお答えします。ざっくりとした数字で申し訳ないのですが、日本人では、PMに相当する患者さんが約2割程度と言われています。白人の方々に比べると、比率としてはかなり高いと言われています。
○松井部会長 結構比率が大きいと考えられるかもしれませんね。他にありますか。
○佐藤(田)委員 私の専門外なので教えていただきたいのですが、この薬剤については、中にヘリコバクター・ピロリの除菌の補助という項目があります。こちらで見ると、余り効果についてのデータが出ておりません。本剤を使うことによって抗菌力が増すということなのでしょうか。それとも、その背景にあるサイドエフェクト的なものを抑える目的で使うのでしょうか。そちらを教えてください。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 機構よりお答えします。ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の効能は、本薬の胃酸分泌抑制効果に基づいており、これらの抗菌剤はpHが高い状態で働くため、胃酸によるpHの低下を抑えるために本剤を使用することから、PK/PD試験によって本剤の胃酸分泌抑制効果が示されたことをもって、オメプラゾールと同等の効果を有すると判断しております。
○佐藤(田)委員 最後の辺りが聞こえなかったのですが、「メトロニダゾールを併用した際と同じ効果が出る」とおっしゃったのですか。
○機構 メトロニダゾールも含め、こういった抗菌剤は、すべてpHが高い領域で働くということですので、それに十分な胃内のpHを上昇させる効果があることから、同様の効果が期待できると考えております。
○佐藤(田)委員 そのことから、総じて抗菌作用が高くなるということを示しているのですか。
○機構 はい。
○佐藤(田)委員 ありがとうございました。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。
○成冨委員 投与期間ですが、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療目的の場合は、8週ぐらいで通常は投与を終わらせるということになっています。最近は、それよりもNSAID投与時の潰瘍発症抑制目的というので使われる機会が多く、私たちはアスピリン等の場合も本薬を使う必要があることから、使用しています。その場合、8週経つと診断名を「難治性逆流性食道炎」に変更しなくてはいけないので、そのように変更しています。投与期間は、潰瘍発症予防目的で使う場合、制限なしで構わないのでしょうか。
○松井部会長 投与期間について、いかがですか。
○機構 機構よりお答えします。NSAID潰瘍の再発抑制に用いる場合は、特段、投与期間の制限はありません。必要に応じて個々の患者さんごとに判断していただくべきと考えております。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。
○山田委員 私も、この異性体について松木委員と同じように感じています。従来の光学異性体を分画して使うというのは、どちらかに効果がある、あるいはどちらかに副作用があるということで、認められてきたのだと理解しております。けれども、今回は遺伝子型に拠らずに、動態を安定させるということです。臨床的には、余り明確ではないものでも、今後は承認するというスタンスなのでしょうか。こちらについて、まず1点お伺いしたいと思います。
○審査管理課長 山田先生、松木先生からも御指摘をいただきましたが、光学異性体を分割した場合、開発者の開発戦略にもよりますが、基本的に同等程度の効果が得られるものであれば承認していくのが原則であると思っています。
○山田委員 分かりました。安全使用という観点から、今回の添付文書(案)と従来のラセミ体の添付文書(案)とを比較してきました。一つは、高齢者の投与というところで、従来のラセミ体のものでは、「低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること」と記載があり、低用量から始めることを推奨しています。今回分割したものでは、「低用量から投与を開始するなど」という文言が抜けていますが、その理由を教えてください。 もう一つは、過量投与という項目が今回の分割したものの添付文書(案)から抜けている理由も教えてください。
○松井部会長 いかがですか、2点ありました。
○機構 機構よりお答えします。確かに両者の添付文書(案)では、そこの部分の記載に違いがありますが、特段それに関して、明確な理由があって書き分けているということではありません。ですから、具体的に低用量から投与を開始することが良いのかどうかというところは確かにありますが、「慎重に投与すること」と慎重投与の項には同様に加えておりますので、低用量から開始するということを今回は特に記載しておりません。過量投与の記載についても同様に、特段の意味はありません。
○松井部会長 山田委員、何か御意見はございますか。
○山田委員 例えば、実臨床で処方された時、添付文書によって薬剤師が監査を行いますので、記載されている内容に違いがあるということに対して、少し明確な理由があった方が良いと思います。同様の効果であるが、理由が無いことから、過量投与の注意項目が無いということでは、不自然な感じを受けます。
○松井部会長 その点について機構から、お願いします。
○機構 機構よりお答えします。過量投与につきましては、オメプラゾールに関しては情報があったが、本剤に関しては特段の情報が無いということだと思います。類薬で、このような情報があるという形の記載が可能かどうか、少し検討させていただきたいと思います。
また、高齢者においては低用量から投与を開始することで、慎重投与の目的が適うということがオメプラゾールに記載されているのか等、経緯を確認した上、記載を揃えることも考えさせていただきたいと思います。
○松井部会長 よろしいですか。ほかに、御意見はございますか。
○清水委員 薬効的に、PPIは経管で投与される症例が多いと思います。チューブでの投与等の対応として、情報提供は何か準備されているのでしょうか。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 機構よりお答えします。今のところ、そのような形での投与に関して、説明等は特段考えておりません。
○清水委員 海外の添付文書が参考になります。特に、米国の添付文書には、経鼻チューブでの使用方法等が記載されているようですので、上手に情報提供していただきたいと思います。
○松井部会長 よろしいですか。ほかに、御意見はございますか。
○機構 1点付け加えさせていただきます。先ほどの「過量投与」の項の件ですが、本剤については、現在、通常の「副作用」の項に、オメプラゾールの過量投与に記載されている悪心、嘔吐、めまい、腹痛、これらの症状が記載されております。エソメプラゾールの方では、既に副作用の項にこれらの内容が記載されているので、記載をしていないということでした。
○松井部会長 ほかに、ございませんか。議論は出尽くしたように思いますが、この光学異性体のことに関しては、度々これまでも話題になっておりますので、参考にすべきと判断しました。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、議決に入ります。
なお、永井委員、成冨委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
── 千葉委員入室 ──
○松井部会長 それでは、議題3に移ります。議題3について、事務局から概要を説明してください。
○事務局 審議事項議題3、資料3「Velaglucerase alfaを希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、事務局から御説明いたします。
資料にページ番号を振っていなくて恐縮ですが、表紙から4枚めくって5枚目以降に医薬品医療機器総合機構の事前評価の報告書が綴じられておりますので、これに基づいて御説明いたします。
医薬品の名称は、「Velaglucerase alfa」、予定される効能・効果は、「ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善」、申請者は、「Shire Human Genetic Therapies,Inc.」です。
○松井部会長 「希少疾病用医薬品指定申請書」ですか。
○事務局 その前です。「希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書」という3枚のものです。
○松井部会長 分かりました。先生方、よろしいですか。では、お願いします。
○事務局 希少疾病用医薬品の該当性の基準で、「対象者数について」、「医療上の必要性について」、「開発の可能性について」と三つありますので順に御説明します。
まず、対象者数ですが、対象疾患はゴーシェ病で、酸性β-グルコシダーゼの欠損又は機能低下によるライソゾーム糖脂質蓄積症です。国内の有病者数については、報告によって数が違いますが、例えば難治性疾患克服研究事業の報告書によれば51名、あるいは小児慢性特定疾患治療研究事業の研究報告書によれば40名、あるいは別の文献によれば高々約100名といった報告もあります。
以上の調査結果等を勘案すると、本邦における患者数は高々100人程度ではないかと推定されるということですので、指定要件の本邦における対象患者数5万人未満は満たしていると考えております。
次に、医療上の必要性です。ゴーシェ病では脾臓、肝臓の腫大から血球の減少、骨合併症を生じて重度の障害に至るということです。重症度は、様々で一概には言えないわけですが、骨合併症による永続的障害、あるいは重度の血球減少による影響があります。難病としての指定が行われていることも踏まえ、ゴーシェ病は重篤な疾患であると判断しております。
既存の治療法ですが、酵素補充療法が主要な治療法となっており、本邦では既にイミグルセラーゼ(販売名:セレザイム注200U)が1998年に承認されております。ただ、本剤とイミグルセラーゼの相違点として、本剤の製造過程では細胞培養液に動物由来原料を使用していない点が挙げられております。既存薬では、製造工程でウシの血清を使用していたということです。次のページにありますが、既存薬イミグルセラーゼにおいては製造工程の問題等から過去に製造の一時中止等が行われ、世界的に供給不足を引き起こしたことがあり、そういった実情を踏まえると、この新しい薬が承認されることにより、治療薬の新たな選択肢が増えることにも一定の意義があるものと考え、本剤の医療上の必要性は高いと考えました。
開発の可能性ですが、米国において2010年2月、EUにおいても2010年8月にゴーシェ病1型の酵素補充療法について承認がされております。この時、海外の臨床試験7試験において本剤の有効性について、ヘモグロビンの濃度増加、血小板数の増加、肝臓あるいは脾臓の容積の減少といったことで、一定程度有効性が確認されております。また、既存薬イミグルセラーゼを対照とした試験においても、同程度の有効性が見られました。また、安全性についても大きな問題は認められていないということです。
国内においてもゴーシェ病患者について、型は限定せず、第II/III相試験が計画されており、本年中に開始の予定とされていることから、ゴーシェ病に対する本剤の開発の可能性はあると判断しております。
以上の評価の結果、本品目は希少疾病用医薬品の指定基準に該当し、指定して差し支えないと判断しております。以上です。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。大変希な疾患ですが、私どもの国立成育医療研究センターでも酵素療法が行われています。非常に高価な薬ですが、特に神経症状が固定しないうちに酵素を入れることが現段階では非常に重要だと思います。
委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。何かございませんか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入ります。
本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。
御異議が無いようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。 それでは、報告事項について、説明をお願いします。まず、議題1~7まで機構から説明をお願いします。
○機構 報告事項議題1、資料4「医薬品ジャヌビア錠25mg、同錠50mg、同錠100mg、グラクティブ錠25mg、同錠50mg及び同錠100mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、シタグリプチンリン酸塩水和物を有効成分とする経口血糖降下薬であり、既に、本剤の単独使用、スルホニルウレア剤、チアゾリジン系薬剤、ビグアナイド系薬剤との併用についてそれぞれ承認されております。
今般、MSD株式会社及び小野薬品工業株式会社から、本剤とα-グルコシダーゼ阻害剤との併用について、効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤とα-グルコシダーゼ阻害剤を併用した際の有効性及び安全性が確認されたことから、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題2、資料5「医薬品ゴナールエフ皮下注用150の製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、ホリトロピン アルファ(遺伝子組換え)を有効成分とする凍結乾燥注射剤であります。
今般、メルクセローノ株式会社より、「視床下部-下垂体機能障害又は多嚢胞性卵巣症候群に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」の効能・効果及び当該効能に係る用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題3、資料6「医薬品ノバスタンHI注10mg/2mL及びスロンノンHI注10mg/2mLの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、直接的抗トロンビン薬であるアルガトロバン水和物を有効成分とする注射薬であり、「慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍、安静時疼痛ならびに冷感の改善」を始めとして、様々な効能・効果で承認されております。
また、本剤は2004年3月に「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)における、血栓症の予防及び治療、経皮的冠インターベンション施行時(HIT発症リスクのある患者に対して施行する場合を含む)の血液の凝固防止、血液体外循環(血液透析)時の灌流血液の凝固防止」を予定効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されておりますが、これらの効能・効果のうちの一つ、「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型における血栓症の発症抑制」が、2008年7月に追加承認されています。
今般、田辺三菱製薬株式会社及び第一三共株式会社から、希少疾病用医薬品の指定を受けた予定効能・効果のうち、未承認であった「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型患者における血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)」及び「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型(発症リスクのある場合を含む)における経皮的冠インターベンション施行時の血液の凝固防止」の効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題4、資料7「医薬品フォルテオ皮下注キット600μgの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、テリパラチド(遺伝子組換え)を有効成分とする骨粗鬆症治療薬であり、既に、骨折の危険性の高い骨粗鬆症を効能・効果として承認されております。
今般、日本イーライリリー株式会社から、本剤の投与期間の上限を現行の18か月から24か月に延長することを目的として、用法・用量の変更に係る製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤の投与期間の上限を24か月とした際の有効性及び安全性が確認されたことから、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題5、資料8「医薬品ワソラン静注5mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、カルシウム拮抗薬であるベラパミル塩酸塩を有効成分とする注射剤であり、「頻脈性不整脈(発作性上室性頻拍、発作性心房細動、発作性心房粗動)」の効能・効果で承認されております。
本剤について、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年10月29日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、エーザイ株式会社から、小児の用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題6、資料9「医薬品ワソラン錠40mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、カルシウム拮抗剤であるベラパミル塩酸塩を有効成分とする糖衣錠であり、「頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)、狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他虚血性心疾患」の効能・効果で承認されております。
本剤について、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年10月29日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、エーザイ株式会社から、「頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)」の効能・効果における小児の用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題7、資料10「医薬品メインテート錠2.5、同錠5及び同錠0.625の製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、β1遮断薬であるビソプロロールフマル酸塩を有効成分とする錠剤であり、「本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、心室性期外収縮」の効能・効果で承認されております。
本剤について、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年10月29日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、田辺三菱製薬株式会社から、「次の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者 虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全」の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。以上です。
こちらで一度、区切らせていただきます。
○松井部会長 ありがとうございました。ここまでの7議題につきまして、委員の先生方から御質問等ありましたらお願いします。
○佐藤(田)委員 単純な質問かもしれませんが、資料7の薬剤についてお伺いします。こちらは、投与可能な期間を6か月延長ということですが、審査の時にはまだ分からないのですが、使用から6か月経過して問題が無かったので延長するのですか。すると、ほかの薬剤についても同様と言えるのでしょうか。基本的なことですが教えてください。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 機構よりお答えします。審査中に2年の成績は出ていたのですが、初回申請の時の審査のやり取りですが、1年半で最初の承認を下ろし、その後の審査は今回、改めて承認事項の一部変更承認申請において審査したということです。この薬剤については、ラットでの骨肉腫の関係で、海外でも今のところ2年投与が投与期間の上限となっていますので、今回、海外と同じような上限が日本でも与えられたということになっています。
○松井部会長 よろしいですか。ほかに、御意見はございますか。
○宗林委員 私も、基本的なことを教えていただきたいと思います。OTCのパッケージなどは、例えば今回「小児」という言葉が沢山出てきます。「何歳以下の治験データが無い場合は、何歳以下は使わない」と禁忌で書かれている例が多いと思います。今回のようなものでの小児については、用法・用量が個別に変わっているようです。原則何歳までで分ける決まりがあるのでしょうか。
それから、もう1点ございます。例えば資料10などは、添付文書(案)を見ると本態性高血圧のみでも使われる感じがします。小児とは、16歳未満と伺っておりますが、データを取っておらず、使用事例も無いと書かれています。このままの形で良いのか、それとも、使用事例が無いので使わないという言葉が必要なのかどうかも含めて、小児という言葉の扱いと記載の箇所を教えてください。
○松井部会長 お願いします。
○新薬審査第一部長 機構より御説明いたします。医療用医薬品につきましては、まず新薬ですと小児の開発に関するガイドラインがあり、その小児の開発のガイドラインに基づいて開発されるのが一般的です。何歳まで小児なのかについては、規定があるわけではございませんが、一般的には宗林先生がおっしゃったように16歳未満ということで理解されていると思います。ガイドラインの中には、新生児、乳児、幼児という区分があり、新生児であれば、出生から1か月程度まで、乳児ですと1年、幼児ですと6歳まで、そのような区分で開発されています。ただ、個別の医薬品の承認にあたっては、それぞれの臨床試験成績に基づき、必要に応じて何歳~何歳までという縛りが付く場合があると思います。
○松井部会長 小児科の医師として少し付け加えますと、通常、薬の量は「体重1kg当たり」とか、「体表面積1?当たり」というような換算をします。しかし、一般に小児は代謝機能が盛んなため、そちらを体重の大きくなった小児に当てはめると、時として大人の必要量をオーバーしてしまうこともありますので、それは適切に判断しなければいけません。通常では、7歳半で大人の2分の1というようなところを参考にし、適宜調節しているということが一般的なところです。
○宗林委員 現場では、そのようにされていると思っておりますが、ほかの部会で、治験データが行われた年齢が記載されている添付文書を見た覚えがあったので、少しお聞きしました。
それから、もう1点お聞きしたいことがあります。資料10の本態性高血圧について16歳未満に対しては、使われることが前提とされておりません。使われないということでしょうか。また、その記載はしないのですか。記載をしなくても、自然に使わないということなのでしょうか。データが無いと記載されていますが、本態性高血圧は割とその年代でも発症したりすると思います。
○松井部会長 その年代というのは、小児の年代ということですか。
○宗林委員 例えば、小児のうちの7歳では発症しないと思います。しかし、15歳ぐらいでは、考えられるかもしれないと思いました。
○松井部会長 私の知る限り、本態性高血圧というのは非常に稀で、子どもの場合には二次性の高血圧が圧倒的に多いと思います。事務局や機構から何か付け加えることはありますか。
○機構 機構よりお答えします。本品目につきましては、用法・用量の項を御覧いただくと、通常、成人には5mgといったことが書いてありますが、成人についての臨床試験がなされて、成人についての効能・効果、用法・用量が下ろされたということです。小児等は、どのくらいの用量で投与すれば良いのか、きちんとした基礎データが無いので、基本的に、本薬は小児への投与を推奨するといったものではございません。臨床現場でそれぞれの先生方が様々な御判断の下に使うということです。もちろん、用法・用量も考えて使っていただくことについては、あり得ると思っていますが、ここに書けるほどのデータが無く、また、小児に関する開発もまだ行われていないといったところが現状です。
○松井部会長 宗林委員、よろしいですか。ほかに、御意見はございますか。それでは、後半の議題8から御説明をお願いします。
○機構 報告事項議題8、9、資料11、12「医薬品抗D人免疫グロブリン筋注用1000倍『ベネシス』の製造販売承認事項一部変更承認について」、「医薬品抗Dグロブリン筋注用1000倍『ニチヤク』の製造販売承認事項一部変更承認について」、まとめて報告いたします。
本剤は、乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリンを有効成分とする凍結乾燥製剤であります。
本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年10月29日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、今般、株式会社ベネシス及び日本製薬株式会社より、「D(Rho)陰性で以前にD(Rho)因子で感作を受けていない女性に対し、以下の場合に投与することにより、D(Rho)因子による感作を抑制する。・分娩後、流産後、人工妊娠中絶後、異所性妊娠後、妊娠中の検査・処置後(羊水穿刺、胎位外回転術等)又は腹部打撲後等のD(Rho)感作の可能性がある場合・妊娠28週前後」の効能・効果及び当該効能に係る用法・用量に変更する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題10、資料13「医薬品リュープリン注射用1.88及び同注射用3.75の製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、リュープロレリン酢酸塩を有効成分とする凍結乾燥製剤であります。
本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年11月24日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、今般、武田薬品工業株式会社より、「中枢性思春期早発症」の効能・効果に対する用法・用量を変更する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされたものです。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題11、資料14-1、14-2「医薬品ソル・メドロール静注用40mg、同静注用125mg、同静注用500mg、同静注用1000mg、注射用ソル・メルコート40、注射用ソル・メルコート125、注射用ソル・メルコート500、及び注射用ソル・メルコート1,000の製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムを有効成分とする、静注用副腎皮質ホルモン剤であり、現在、「急性循環不全、腎臓移植に伴う免疫反応の抑制」等の効能・効果で承認されております。
本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年11月24日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、ファイザー株式会社及び富士製薬工業株式会社から、「ネフローゼ症候群」に係る効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、申請された効能・効果及び用法・用量を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題12、資料15「医療用医薬品の再審査結果について(リセドロン酸ナトリウム水和物)」、報告いたします。
こちらは、医薬品再審査確認等結果通知書です。
一般的名称は「リセドロン酸ナトリウム水和物」、販売名は「アクトネル錠2.5mg他」のものでございます。
この品目につきまして、製造販売後の特定使用成績調査、製造販売後臨床試験の成績等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。以上です。
○松井部会長 続きまして、議題13を事務局より御説明お願いします。
○事務局 報告事項議題13、資料16「優先審査指定品目の審査結果について(ペガシス皮下注90μg、同180μg)」、報告いたします。
中外製薬株式会社から申請があった医薬品「ペガシス皮下注180μg、同皮下注90μg」、一般名は、「ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)」、申請効能は、「B型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善」について、優先審査の該当性を評価しました。2ページに取扱いについてまとめておりますが、本品目についてはB型慢性肝炎を適応疾病としておりますので、生命に重大な影響がある疾患に該当します。また、医療上の有用性については、B型慢性肝炎の既存の治療法として、インターフェロン製剤あるいは核酸アナログ製剤があるということですが、既存のインターフェロン製剤との比較で言えば、既存の製剤では週3回の投与を必要とするところ、本剤は週1回で患者さんの負担が軽減される可能性があります。核酸アナログ製剤との比較では、本剤において効果が得られた場合には、その後の薬物療法は不要になること等を疾患の特性も含めて総合的に評価し、優先審査品目に該当すると判断して指定しております。以上です。
○松井部会長 ありがとうございます。議題8~13について、委員の先生方から御質問等ありましたらお願いします。よろしいでしょうか。特にございませんか。
それでは、議題1~7も合わせて、報告事項については御確認いただいたものといたします。
本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますか。
○事務局 次回の部会は、既に御案内のように、6月1日(水)午後3時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。また、次回につきましては審議品目数が多いことから、3時間を予定しております。よろしくお願いします。
○松井部会長 それでは、本日はこれで終了させていただきます。
○事務局 本日はどうもありがとうございました。
(了)
本日は、お忙しい中御参集いただきありがとうございます。
まず、先月3月25日に開催されました薬事分科会において、薬事分科会における確認事項の改訂が了承されましたので、その内容につきまして御報告申し上げます。
お手元の当日配付資料21を御覧ください。本日、配付させていただいた資料、「薬事分科会・部会手続きの見直しについて」です。こちらの内容に関しては以前に本部会で検討内容について御報告を行い、御意見等をいただいているところですが、薬事分科会・部会手続きの見直しについて、3月25日に最終的に御了解いただいたところです。
「2.改正(案)の内容」ですが、この内容にて分科会で御了解いただいたところです。具体的には、従来の分科会審議品目のうち、今後、新規性の高い新有効成分含有医薬品、新構造医療機器及び新有効成分含有動物用医薬品については部会審議品目とし、適用・毒性・副作用等の観点から、慎重な審議が必要なものについては、引き続き、分科会審議品目とする等の改正を行う、ということです。
二つ目の○ですが、今回の見直しに伴い、新たに、分科会における委員と同様の専門分野の委員を部会委員として委嘱し、部会における審議を充実させるものとする。
また、審議会の透明性を図る観点から、分科会審議の対象となる医薬品・医療機器のうち、社会的関心の極めて高いものについては、原則として、パブリック・コメントを実施するものとする、ということです。
具体的な内容は、別添2を御覧いただきたいと思いますが、新旧の改正案と現行があります。11.ですが、分科会審議の案件のうち、社会的関心の極めて高いものについては、主要な資料の概要を公表し、広く一般の意見を求め、これを添えて分科会における審議の参考にするということです。
分科会の確認事項の改正部分ですが、4ページの1、「医療用医薬品(体外診断薬を除く)」です。【旧】を御覧いただくと分科会審議品目について、新有効成分含有医薬品で構造が新しいものは分科会審議ということでしたが、新有効成分含有医薬品については基本的に部会審議品目にします。分科会審議品目については【新】にあるとおり、申請医薬品の適用、毒性、副作用等からみて慎重に審議する必要があるとの部会の意見に基づき、分科会長が決定するものということで、【旧】の2のようにある形から改正するものです。
1ページに戻っていただき、「3.施行時期について(予定)」ですが、3月25日に薬事分科会における確認事項の改正を了承いただいておりますので、新たにこのような取扱いにさせていただくのは、4月以降の部会からであり、この医薬品第一部会の4月の部会からになります。
続いて、当部会委員の異動につきまして御報告いたします。3名の先生方に新たに当部会の委員に御就任いただいております。
東京学芸大学教育学部准教授の佐藤先生です。
独立行政法人国民生活センター商品テスト部長の宗林先生です。
独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部部長の増井先生です。
どうぞよろしくお願いいたします。
本日の委員の出席についてですが、加藤委員、鈴木委員、西澤委員、林委員、檜山委員、古川委員、村田委員より御欠席との御連絡をいただいております。
また、永井委員より所用により遅れる旨の御連絡をいただいております。
現在のところ、当部会委員数21名のうち13名の委員の御出席をいただいていますので、定足数に達しておりますことを報告いたします。
本日その他事項に関しましては、千葉大学医学部附属病院臨床試験部 部長・診療教授の花岡先生を参考人としてお呼びしています。
それでは、松井部会長、以後の進行をお願いいたします。
○松井部会長 それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から配付資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告を行ってください。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日、席上に、議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配付しています。議事次第に記載されている資料1~17をあらかじめお送りしています。このほか、資料18「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料19「専門委員リスト」、資料20「競合品目・競合企業リスト」を配付しています。
続きまして、本日の審議事項に関する資料20「競合品目・競合企業リスト」について御報告します。各品目の競合品目選定理由については次のとおりです。
資料20の1ページを御覧ください。リオベルですが、本品目は「2型糖尿病」を効能・効果とするDPP-4阻害剤とチアゾリジン系薬剤の配合剤です。本剤に含まれる各有効成分と同じ作用機序を有する薬剤を組み合わせた配合剤はありませんが、単剤として同様の臨床的位置付けにある薬剤について、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
2ページを御覧ください。ネキシウムです。本品目は「ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助等」を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
3ページを御覧ください。べラグルセラーゼアルファです。本品目は「ゴーシェ病の諸症状」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。
○松井部会長 今の事務局からの説明に特段の御意見等はございますか。よろしいですか。それでは本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆さんの了解を得たものとします。それでは、委員からの申出状況について報告してください。
○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。
議題1「リオベル」ですが、退出委員は永井委員、議決に参加しない委員は千葉委員、成冨委員、野田委員です。
議題2「ネキシウム」ですが、退出委員は千葉委員、議決に参加しない委員は永井委員、成冨委員です。
議題3「ベラグルセラーゼ」ですが、退出委員、議決に参加しない委員は共にいらっしゃいません。以上です。
○松井部会長 本日は、審議事項は3議題、報告事項が13議題、その他事項が1議題となっています。本日は参考人の花岡先生に来ていただいている、その他事項から行います。
それでは、その他事項についてですが、新しい委員もいらっしゃいますので、検討会議の概要と検討の進捗状況について、事務局より御説明ください。
○事務局 その他事項議題1、資料17「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請を行うことが適当と判断された適応外薬の事前評価について」、事務局から簡単に経緯等を説明いたします。
資料17の155ページを御覧ください。「未承認薬・適応外薬に係る開発の要望の公募について」です。欧米では使用が認められていますが、日本では承認されていない未承認薬・適応外薬について、2行目に期間の間違いがありますが、正確には、一昨年6~8月に未承認薬等の開発要望について公募を行いました。
公募の条件ですが、真ん中の囲みにありますように、我が国で承認されていないものの、欧米4か国のいずれかの国で承認されているものなどを条件としています。さらに医療上の必要性が高いものの条件を付けて公募しました。結果として資料の左側の下にありますが、374件の要望が提出された結果となりました。
156ページを御覧ください。昨年の2月に医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を立ち上げております。真ん中の検討会議の囲みを御覧ください。提出された374件について、白抜きの四角で囲んでいるところですが、この検討会議において医療上の必要性の評価、承認申請に必要な試験の妥当性、又は、公知申請への該当性の評価などを行っていただき、こちらの囲みの左下に審議会の事前評価という囲みがありますが、公知申請に該当する品目については審議会の評価、本日も3件事前評価を行っていただきますが、この部会で評価を行っていただいております。事前評価が終わりましたら、左側の各企業の囲みに移りますが、公知申請の準備等を企業が行い、承認申請を行っていただくというスキームになっております。
157ページの表を御覧ください。今月の18日に第7回検討会議が開催され、374件の医療上の必要性に関する評価については終了しております。結果としては、表の一番上の「検討済み」の「必要性高い」という欄の一番右にございますが、合計186件が医療上の必要性が高いという評価がなされております。医療上の必要性が高いと評価されたものについては、製薬企業に医薬品の承認に向けて開発要請を行うこととなりますが、今月18日に開催された第7回検討会議で、医療上の必要性が高いと評価された4件を除き、既に開発要請を行う、あるいは開発企業の公募を行っております。
158ページを御覧ください。これまでに2回の開発要請を行っており、各欄の3番目に「公知申請が妥当であるもの」が第1回で22件、第2回に要請したものが9件となっております。これまでに、31件について公知申請が妥当であるものと評価をいただいております。本日は第2回に開発要請をした9件のうち、3件について事前評価を行っていただくこととなっております。公知申請で差し支えなければ、企業からの承認申請後、迅速に審査を行うこととしております。以上です。
○松井部会長 ありがとうございます。委員の先生方から何か御質問がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、個別品目の公申申請の事前評価に移ります。参考人の花岡先生、説明をお願いします。
○花岡参考人 資料17を御覧ください。「シクロホスファミド水和物」の「ネフローゼ症候群」に対する公知申請の該当性に関して、検討会議での検討結果について御説明します。
3ページを御覧ください。日本小児腎臓病学会から要望が提出されています。3ページの下に、医療上の必要性についてが記載されております。ネフローゼ症候群は、ステロイドなどを用いた薬物治療による病勢コントロールが不可能な場合、腎不全に進行する疾患であり、透析導入が必要となる日常生活に著しい影響を及ぼす疾患であり、また、国内外のガイドラインにおいてシクロホスファミドのネフローゼ症候群に対する使用が奨励されており、標準的療法に位置付けられていることから、本要望について医療上の必要性が高いと判断されました。
49ページの日本人における本剤の有効性及び安全性について御説明します。11~47ページにかけてお示しした臨床試験成績及び成書の内容を踏まえ、小児及び成人において、海外と同様、有効性が期待でき、安全性についても国内外で大きく異ならないと考えられることから、ステロイドによる治療で効果が不十分なネフローゼ症候群に対し、本剤を使用することは妥当と判断いたしました。
効能・効果は、52ページの下の方に記載されていますが、「ネフローゼ症候群(副腎皮質ホルモン剤による適切な治療を行っても十分な効果がみられない場合に限る。)」とし、用法・用量は53ページの下の方に記載したような用法・用量とすることが適切と判断いたしました。
なお、本剤の治療効果は、主に組織学的所見とステロイドへの反応性の分類により評価されていることが多いことから、本剤の投与対象の選択においては診療ガイドライン等を参照し、投与スケジュールについても、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考にすることが適切と判断いたしました。
以上のような検討の結果、本要望の内容について、本邦において医学薬学上公知に該当すると検討会議で判断されました。
続きまして、「ミコフェノール酸モフェチル」の「腎移植における拒絶反応の抑制の小児用法・用量の追加」に対する公知申請への該当性に関して、検討会議での検討結果について御説明します。
59ページを御覧ください。日本小児腎臓病学会から要望が提出されています。60ページの要望内容における医療上の必要性について御説明します。拒絶反応の抑制は移植腎の廃絶を回避するため重要で、欧米の臨床試験成績及び使用状況の報告を踏まえると、標準的治療に位置付けられていると考えられることから、検討会議では、本要望について医療上の必要性が高いと判断されました。
88ページの上から2段落目の4行目に記載されておりますが、日本人小児を対象とした厚生労働科学研究により実施された多施設共同臨床試験や、65~87ページにかけて記載されている臨床使用実態、成書の内容等も踏まえ、外国人小児又は日本人成人と同様、有効性が期待でき、安全性についても国内外で大きく異ならないと考えられることから、小児の腎移植における拒絶反応の抑制に対し、本剤を使用することは妥当と判断いたしました。
用法・用量については、92ページの四角いカラムの上の下線を引いたところですが、用法・用量としては1回300~600mg/?、そして少し幅記載として1日2,000mgを上限とすることが適切と判断しました。
以上のような検討の結果、本要望の内容について、本邦において医学薬学上の公知に該当すると検討会議で判断されました。
続きまして、「メチラポン」の「クッシング症候群」に対する公知申請への該当性に関して、検討会議での検討結果について御説明します。
97ページを御覧ください。日本内分泌学会及び日本小児内分泌学会から要望が提出されています。98ページの要望内容における医療上の必要性について御説明します。クッシング症候群では高コルチゾール血症が予後に重大な影響を及ぼす場合があり、メチラポンはその標準的な薬物療法として海外で使用されていることから、検討会議では、本要望について医療上の必要性が高いと判断されました。
103~135ページにかけてお示しした臨床試験成績、小児を含めた国内症例報告及び成書の内容を踏まえ、139ページに、日本人における本邦の有効性及び安全性についてまとめておりますが、成人及び小児において海外と同様にクッシング症候群の各病型において一定の有効性が認められており、安全性についても国内外で大きく異ならないと考えられることから、クッシング症候群に対し、本剤を使用することは妥当と判断いたしました。
効能・効果は、「クッシング症候群」とすることが適切と判断し、用法・用量は、国内使用実績(症例報告)や本剤が250mg製剤であることを踏まえ、142ページの下に記載したような用法・用量とすることが適切と判断いたしました。なお、国内外の教科書及び総説の記載を参考に、用法・用量に関する使用上の注意として「血中・尿中コルチゾール値あるいは臨床症状に応じて用量調節を行うこと。」と注意喚起する必要があると判断いたしました。
以上のような検討の結果、本要望の内容について、本邦において医学薬学上の公知に該当すると検討会議で判断されました。以上です。
○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から何か御質問がございましたらお願いいたします。
○清水委員 エンドキサンの承認に関する件ですが、現在、海外の小児に対するプロトコールの中で、製剤としては錠剤しか発売されていません。実際に欧米で小児に使用される際には、どのような投与ルートなのか教えてください。
○松井部会長 花岡参考人、いかがですか。
○花岡参考人 先生方が御存じのとおり、この製剤については点滴の製剤もあります。点滴の製剤については、今回の要望とは別に、要望書として出ていると思います。こちらは、錠剤の要望ですが、検討会議では粉のことが議論になりました。粉については、現在、3ページの備考欄に記載しておりますが、「本要望では、エンドキサン錠50mgに対する効能追加並びに散剤又は顆粒剤等の剤形追加が要望されているが、エンドキサン錠は海外からの製剤輸入であり、製剤元でも散剤、顆粒剤等の剤形は製造されていないため、対応は困難と開発企業は述べている。」ということから、今回の対応は錠剤となっております。
○松井部会長 清水委員、よろしいですか。
○清水委員 つまり、海外では、小児に注射薬が使われているのですか。
○花岡参考人 錠剤も使われています。
○清水委員 錠剤しか無いわけですから、粉砕するといった形で海外でも使われているということですか。
○花岡参考人 はい。そのように伺っています。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。
○審査管理課長 ただ今の清水委員の御指摘ですが、未承認薬・適応外薬の検討会議でも、小児用の剤形については御議論がありましたが、ここにありますように、直ちに小児用の散剤を導入することは難しく、錠剤ではありますが、まず小児適用をとっていただく形で対応させていただき、小児用剤形については別途、検討させていただくことにしているところです。
○清水委員 使い分けということではなく、今回は、内服薬で小児の適用を必要とするということですか。
○審査管理課長 はい。
○松井部会長 よろしいですね。ほかに、御意見はございますか。
○佐藤(田)委員 恐らく十分検討されたと思いますが、私たちは昔、悪性腫瘍の際に古い薬であるエンドキサンを使っていましたが、かなり骨髄抑制が強かったと思います。本薬をこの用量でその期間使う際に、要注意としなくても大丈夫なのでしょうか。
○松井部会長 花岡参考人、いかがですか。
○花岡参考人 安全性につきましては、検討会議で検討させていただいております。佐藤(田)先生が御指摘のとおり、この薬剤については骨髄抑制、あるいはそれ以外の二次性の悪性腫瘍等、様々な副作用が報告されています。こちらについては、当然注意すべき内容です。あるいは、総投与量についても制限をすべき内容です。ただ、使用される方は専門医の先生ですので、それを十分注意した上で使っていただくことが必要と考えております。
○佐藤(田)委員 では、そちらを使用したベネフィットの方が大きいのでしょうか。
○花岡参考人 はい。すべてのネフローゼの患者さんにこちらを使うのではなく、あくまでもステロイドが有効ではない方に対して、病態に合わせて使うことになると思います。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
それでは、その他事項については御確認いただいたものといたします。花岡先生、本日はありがとうございました。
それでは、審議事項議題1に移ります。永井委員がお出でになりましたら、別室で御待機いただくように御配慮ください。
議題1について、機構から概要を説明してください。
○機構 審議事項議題1、資料1「医薬品リオベル配合錠LD及び同配合錠HDの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、機構より御説明いたします。
本剤は、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤であるアログリプチン安息香酸塩とチアゾリジン系薬剤であるピオグリタゾン塩酸塩を有効成分とする配合剤です。本剤と同じ有効成分を組み合わせた配合剤は、海外では承認されておらず、米国及び欧州において開発中です。
本剤は、平成22年8月26日開催の医薬品第一部会において、有効成分のうちアログリプチン安息香酸塩については、その承認から日が浅いことから、市販後の使用実態下での安全性を確認すべきとされました。
今般、申請者より、アログリプチン安息香酸塩製剤であるネシーナ錠の市販直後調査実施報告書が追加提出されたことから、当該報告書に基づき機構は、ネシーナ錠について市販後の使用実態下での安全性を評価しました。以下、前回御審議いただきました本剤の有効性及び安全性について臨床試験成績を中心に再度御説明させていただくと共に、追加提出された資料について、説明させていただきます。
本申請においては、ネシーナ錠のチアゾリジン系薬剤との併用療法の効能追加申請において提出され、評価された第II/III相試験の成績等が提出されました。
有効性については、審査報告書の14ページ表1に示しましたように、ピオグリタゾン塩酸塩単独群と比べてアログリプチン安息香酸塩25mg併用群では、HbA1c変化量の有意な改善が示されています。また、17ページ図1に示しましたように、第II/III相長期投与試験において、両薬剤併用時の効果の持続も確認されています。
安全性については、23~24ページに記載のとおり、適正使用下での安全性には特段の懸念はなく、本剤の安全性は許容可能と判断しています。
医療用配合剤の承認要件への該当性に関しましては、20~21ページに記載のとおり、本剤の配合意義は示されていると判断しており、また、患者の利便性についても2)に記載のとおりその向上が期待できると判断しました。以上が前回御審議いただいた際の資料の説明です。なお、現時点では、本剤の配合成分であるアログリプチン安息香酸塩及びピオグリタゾン塩酸塩のいずれもそれぞれの承認から1年以上が経過しています。
次に追加提出された資料について説明させていただきます。安全性についてですが、審査報告書(2)の3ページを御覧ください。平成22年6月15日~平成22年12月14日までの市販直後調査期間中に、70例101件の副作用が報告されました。そのうち、重篤な副作用は4ページ表1に示した6例に8件認められました。これらの症例について詳細を確認しましたが、6例のうち4例は投与中止等の処置により回復又は軽快しています。転帰が不明とされている紅斑及び発疹の1例については、ネシーナ錠の添付文書のその他の副作用において発疹が注意喚起されており、また、DPP-4阻害薬では「皮膚および皮下組織障害」が注目されている事象の一つであることから、ネシーナ錠の製造販売後調査において情報収集されることになっており、さらに本剤の製造販売後調査においても情報収集される予定です。さらに、壊死性膵炎等による死亡例については、ネシーナ錠との因果関係について否定されていないものの、膵炎の危険因子として考えられている胆石及び脂質異常症を合併していたことから、膵炎発症のリスクが高い症例であったと考えられます。以上の検討からネシーナ錠及び本剤の製造販売後調査において引き続き情報収集することで特段の問題はないと考えております。
以上のとおり、機構での追加提出資料に基づく審査の結果、平成22年8月9日付リオベル配合錠LD、同配合錠HD審査報告書における結論に影響がないことを確認し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。
本剤の再審査期間については、アログリプチン安息香酸塩を有効成分とするネシーナ錠の再審査期間に合致するよう、平成30年4月15日までとすることが適当であると判断しております。なお、製剤は毒薬・劇薬のいずれにも該当せず、また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。
薬事分科会では報告を予定しております。以上です。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。
○山田委員 ピオグリタゾンとアログリプチンでは、添付文書(案)上、インスリンとの併用の可否に差があると読み取れます。ネシーナ錠については、インスリンとの併用は認められていないと思います。こちらの配合剤の場合、インスリンとの併用については、どのようになりますか。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○機構 機構よりお答えします。糖尿病用薬については、各併用療法ごとの効能を現在のところ承認しております。本配合剤については、インスリンとの併用試験等が行われておりませんので、現在、リオベル配合錠の添付文書(案)の5ページ、「2.重要な基本的注意」の(10)に、「本剤と他の糖尿病用薬の併用における安全性は確立していない(使用経験がない)」ということで注意喚起しております。
○山田委員 分かりました。
○松井部会長 併用はできないということですね。
○機構 基本的には、認めていません。
○松井部会長 ほかに、いかがでしょうか。
○清水委員 適用について、私の中で上手く整理されていないのですが、この薬剤が承認されたとしても、今本剤を服用できる患者さんはいないということにはなりませんか。
○機構 機構よりお答えします。アログリプチンとピオグリタゾンの併用については、既に効能が取得されております。そのことから、既に現在、両剤を併用している患者さんはいらっしゃると思われます。ですから、そのような患者さんにおいて本剤の配合比であるピオグリタゾン15mgまたは30mgと、アログリプチン25mgを併用し、状態が安定しているようであれば、本配合剤に切り替えることはあり得ると思います。
○松井部会長 いかがですか。清水先生の御質問の意味が少し分かりませんでしたが。
○清水委員 すいません。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
○機構 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
○清水委員 資料の1.7「同種同効品一覧表」には、新しい資料を付けておくべきだと思います。この資料では、ネシーナの添付文書の情報を見ても併用が可の状態にはなっておりません。最新のものを確認しなかった私が悪いのですが、こちらの資料は付け換えておくべきだと思います。
○機構 申し訳ありません。申請者に指導させていただきます。
○松井部会長 よろしいですか。成冨委員、どうぞ。
○成冨委員 効能・効果についてですが、この二つの薬剤を使った場合においてのみ使用可能であるということでしょうか。最近、非常に多くの経口糖尿病用薬が出ていますが、効果不十分な場合、いきなり本剤を使用しても良いのですか。
○機構 機構よりお答えします。添付文書(案)になりますが、4ページの効能・効果に関連する使用上の注意の(3)を御覧ください。本配合剤の使用対象、推奨されるべき対象に関しては、その部分に注意喚起ということで情報提供しております。先ほど御説明したようなアログリプチンとピオグリタゾンを既に併用されている患者さん、または臨床試験の対象とされたピオグリタゾン塩酸塩で効果不十分な患者さんにおいて、アログリプチンの上乗せ効果を期待するような場合に使うことが適当と考えております。その他の薬剤からの切替えですが、切替時の用量等がはっきりしておりませんので、推奨できるものではないと考えております。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、議決に入ります。
なお、千葉委員、成冨委員、野田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。永井委員、お入りください。
── 永井委員入室 ──
○松井部会長 それでは、議題2に移ります。
千葉委員におかれましては、議題2の審議の間、別室で御待機いただくこととします。
── 千葉委員退室 ──
○松井部会長 議題2について、機構から概要を説明してください。
○機構 審議事項議題2、資料2「医薬品ネキシウムカプセル10mg及び同カプセル20mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、機構より御説明いたします。
本薬は、ラセミ体であるオメプラゾールの一方の光学異性体(S体)であるエソメプラゾールマグネシウムを有効成分とする製剤です。オメプラゾールは、本邦では胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の胃酸関連疾患、並びに胃潰瘍、十二指腸潰瘍等におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の効能・効果で承認されています。オメプラゾールに含まれる光学異性体のR体とS体はいずれも同程度の薬理作用を示しますが、代謝酵素のCYP2C19の遺伝子多型の影響はR体でより受けやすいことから、S体のみの本薬については、代謝におけるCYP2C19の遺伝子多型の影響をより受け難く、オメプラゾールよりも安定した薬物動態と臨床効果が期待できると考えられました。そのため、申請者は、本薬についてオメプラゾールと同様の効能・効果に加え、「非ステロイド性抗炎症薬(以下、「NSAID」)投与時の胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発抑制」に対する効能・効果の取得も目指して、今回の開発に至りました。
なお、本薬は、2000年3月にスウェーデンで承認された後、2011年1月現在、米国を含む世界120か国以上で承認されています。
本品目の専門協議では、本日の配付資料19に示します専門委員を指名いたしました。
審査の概要について御説明いたします。初めに、本申請における本薬のデータパッケージについて説明いたします。
申請者は、非臨床薬理試験で同用量又は同暴露量において本薬とオメプラゾールの薬力学的効果が同様であること、本薬の臨床薬物動態はオメプラゾールと比べてCYP2C19による代謝の影響を受けにくいこと、本薬のヒトにおける胃酸分泌抑制作用が同用量のオメプラゾールに少なくとも劣らないこと、並びに胃酸関連疾患として代表的な逆流性食道炎を対象とした臨床試験において、本薬の有効性が同用量のオメプラゾールに少なくとも劣らない結果が示され、かつ、安全性にも特段の問題が認められないこと、の4点が示された場合には、オメプラゾールの臨床効果は専らその胃酸分泌抑制効果に基づくと考えられることより、本薬についてオメプラゾールと同一の効能・効果及び用法・用量での有効性及び安全性が推定できるという開発戦略で開発を行いました。
また、現在オメプラゾールが有する効能・効果に加え、NSAID投与中の潰瘍の再発抑制に係る開発も別途行われました。
次に、本薬の臨床試験成績について説明いたします。
薬物動態及び胃酸分泌抑制効果について、審査報告書の36~38ページの表21~24を御覧ください。
健康成人を対象とした臨床薬理試験で、薬物動態については、表21及び表23から、本薬はオメプラゾールと比べて被験者のCYP2C19の遺伝子型(EMとPM)による影響を受けにくく、また、表22及び表24から、24時間中の胃内pHが4未満となった時間の割合として評価された胃酸分泌抑制作用について、本薬10mg及び20mgは、それぞれ同用量のオメプラゾールに少なくとも劣らないと考えられました。
また、治療効果については、代表的な胃酸関連疾患として逆流性食道炎に対する治療効果及び治癒の維持効果をオメプラゾールと比較した試験成績、並びに別途NSAID投与中の潰瘍の再発抑制効果をプラセボを対照に検討した試験成績が、それぞれ提出されています。
有効性について、まず、逆流性食道炎の治療効果について、審査報告書43ページ表30を御覧ください。逆流性食道炎患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「投与8週後の逆流性食道炎治癒率」について、本薬20mg群及び本薬40mg群のオメプラゾール20mg群に対する非劣性が検証されました。次に、逆流性食道炎の治癒の維持効果について、審査報告書44ページ表33及び図1を御覧ください。プロトンポンプ阻害剤の投与により逆流性食道炎の治癒が確認された患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「投与24週後の逆流性食道炎の非再発率」について、本薬20mg群のオメプラゾール10mg群に対する優越性が検証され、本薬20mg群と10mg群の間に有意差は認められませんでした。
また、NSAID投与中の潰瘍の再発抑制効果について、審査報告書46ページ表35及び図2を御覧ください。NSAIDの継続投与が必要と考えられる慢性疾患で、かつ胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往歴を有する患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「投与期間を通じての胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の発症の有無」について、本薬20mg群のプラセボ群に対する優越性が検証されました。
次に安全性について、国内第III相比較試験における主な有害事象をオメプラゾールと比較した結果は43ページの表31及び45ページの表34のとおりです。また、全般的には審査報告書58ページ下段の「(4)安全性について」の記載を御覧ください。逆流性食道炎に関する試験において、オメプラゾール群と比較して本薬群で有害事象の発現率が高くなる傾向は認められませんでした。また、投与期間の長期化に伴い有害事象発現率が高くなる傾向は認められず、その他の臨床試験においても懸念すべき有害事象は認められませんでした。
したがって、臨床試験成績から、本薬は同用量のオメプラゾールに少なくとも劣らない胃酸分泌抑制効果を有すること、また、逆流性食道炎を対象とした臨床試験において、本薬の有効性は同用量のオメプラゾールに少なくとも劣らないこと、安全性についてオメプラゾールと比較して特に懸念すべき点は認められないことが確認されました。
機構は、これらの臨床試験成績等をもって、オメプラゾールが有している胃潰瘍等の胃酸関連疾患、並びにヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に対する効能・効果を認めること、また同一の用法・用量を設定することは可能と考えました。また、NSAID投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制についても、効能・効果に加えることは差し支えないと考えました。
以上のような機構での審査の結果、本薬を承認して差し支えないと判断し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。
なお、本薬は、生物由来製品又は特定生物由来製品に該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当せず、また、新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であると判断しています。薬事分科会では報告を予定しております。以上です。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。光学異性体については、つい最近も話題になった気がします。
○松木委員 光学異性体については、何度か話題になっています。逆流性食道炎については、どの程度有意性があるのか分かるのですが、最初に目指したCYP2C19の違いで説明できるところなのでしょうか。
○松井部会長 いかがですか。機構からお答えください。
○機構 機構よりお答えします。CYP2C19の遺伝子多型に、どの程度有効性の結果として差が出ているかどうかの観点については、審査報告書50~51ページに患者背景別の投与8週後の逆流性食道炎治癒率と維持に関する非再発率について示しております。この結果を見ると、表39の治療については実際にはそれほど大きな差は出ておりませんが、一方で表41の非再発率を見ると、オメプラゾールではEMで少し低くなり、EMとPM間でばらつきが大きく出ていますが、本薬群になると、ばらつきの大きさが小さくなる傾向が認められています。
○松井部会長 いかがですか。
○松木委員 諸外国で認められているからかもしれませんが、こちらは基本的にプロドラッグですね。エナンチオマーで分けても両方とも余り変わらず、しかもプロトンポンプの競合的拮抗ではなく、SSボンドを作って不可逆的にブロックしてしまいます。すると、最初のスタートのアイディアとして、分割しても2倍量投与すれば良く、そうではない場合でも時間が経てば、恐らく同じだけブロックされるはずです。そのようなことが最初から予想されているにもかかわらず、ゴーサインがあった理由は、ほかの国でも承認されているからですか。
○松井部会長 どうでしょうか。機構からお答えください。
○機構 機構よりお答えします。本薬の場合、確かにラセミ体のどちらであっても、薬理作用的に効果の大きさは結果的に同じですが、体の中に入った時の利用率、活性体のAUCの違い等を考えると、多くの患者さんに飲んでいただいた時に、患者間でのばらつきが少ないことが期待されるということです。確かに既存のオメプラゾールであっても多く飲めば、すべての患者さんに対して十分な有効性を示すことが期待できるのですが、遺伝子型がどのような患者さんであってもそれに拠らず、なるべく、それほど大きな差が無い薬物動態を示すのではないかと思っています。そのような形で、本剤が国際的に広く使用される形になってきており、暴露量をむやみに増やすと、長期的に見た時に特に安全性の点も懸念されることから、有用性を持っている可能性もあると思っています。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○松木委員 例えばエナンチオマーで分けて、片方に余り効かないというのであれば、また違うのかもしれません。しかし、この場合は両方に効き、さらにプロドラッグであり、不可逆的にくっつきます。そのことから、時間が経てば、ほとんど同じようなアフィニティでブロックされるに違いありません。スタート時から分割して、何かメリットはあるのでしょうか。また、CYP2C19のばらつきが非常に大きく、それで何か問題があるというのであれば話は別ですが、結果的に見ているのは結構長期的な影響だけです。ですから、CYP2C19で長期的な影響が多くみられるとは思えません。つまり、半分はあるので、結果的には良かったかもしれませんが、このような光学異性体を分割して行うというのは、スタートの時によほどメリットが予想されなければ、きりがないような気がします。そのように感じました。
○松井部会長 ただ今のコメントに関して、いかがですか。
○審査第一部長 本薬剤の場合、日本の国内での開発は、かなり遅れています。海外では、エソメプラゾールは10年くらい前から承認されて広く使われています。私たちは、海外での開発の経緯をよく承知しておりませんが、少なくとも国内での開発にあたっては、既に海外で臨床的な使用があり、そのことから始まっているという経緯があります。
○松井部会長 参考までに教えていただきたいのですが、ホモとヘテロは、日本人にどの程度の割合で分布していますか。もし、手元にデータがございましたら、お願いします。
○機構 機構よりお答えします。ざっくりとした数字で申し訳ないのですが、日本人では、PMに相当する患者さんが約2割程度と言われています。白人の方々に比べると、比率としてはかなり高いと言われています。
○松井部会長 結構比率が大きいと考えられるかもしれませんね。他にありますか。
○佐藤(田)委員 私の専門外なので教えていただきたいのですが、この薬剤については、中にヘリコバクター・ピロリの除菌の補助という項目があります。こちらで見ると、余り効果についてのデータが出ておりません。本剤を使うことによって抗菌力が増すということなのでしょうか。それとも、その背景にあるサイドエフェクト的なものを抑える目的で使うのでしょうか。そちらを教えてください。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 機構よりお答えします。ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の効能は、本薬の胃酸分泌抑制効果に基づいており、これらの抗菌剤はpHが高い状態で働くため、胃酸によるpHの低下を抑えるために本剤を使用することから、PK/PD試験によって本剤の胃酸分泌抑制効果が示されたことをもって、オメプラゾールと同等の効果を有すると判断しております。
○佐藤(田)委員 最後の辺りが聞こえなかったのですが、「メトロニダゾールを併用した際と同じ効果が出る」とおっしゃったのですか。
○機構 メトロニダゾールも含め、こういった抗菌剤は、すべてpHが高い領域で働くということですので、それに十分な胃内のpHを上昇させる効果があることから、同様の効果が期待できると考えております。
○佐藤(田)委員 そのことから、総じて抗菌作用が高くなるということを示しているのですか。
○機構 はい。
○佐藤(田)委員 ありがとうございました。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。
○成冨委員 投与期間ですが、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療目的の場合は、8週ぐらいで通常は投与を終わらせるということになっています。最近は、それよりもNSAID投与時の潰瘍発症抑制目的というので使われる機会が多く、私たちはアスピリン等の場合も本薬を使う必要があることから、使用しています。その場合、8週経つと診断名を「難治性逆流性食道炎」に変更しなくてはいけないので、そのように変更しています。投与期間は、潰瘍発症予防目的で使う場合、制限なしで構わないのでしょうか。
○松井部会長 投与期間について、いかがですか。
○機構 機構よりお答えします。NSAID潰瘍の再発抑制に用いる場合は、特段、投与期間の制限はありません。必要に応じて個々の患者さんごとに判断していただくべきと考えております。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。
○山田委員 私も、この異性体について松木委員と同じように感じています。従来の光学異性体を分画して使うというのは、どちらかに効果がある、あるいはどちらかに副作用があるということで、認められてきたのだと理解しております。けれども、今回は遺伝子型に拠らずに、動態を安定させるということです。臨床的には、余り明確ではないものでも、今後は承認するというスタンスなのでしょうか。こちらについて、まず1点お伺いしたいと思います。
○審査管理課長 山田先生、松木先生からも御指摘をいただきましたが、光学異性体を分割した場合、開発者の開発戦略にもよりますが、基本的に同等程度の効果が得られるものであれば承認していくのが原則であると思っています。
○山田委員 分かりました。安全使用という観点から、今回の添付文書(案)と従来のラセミ体の添付文書(案)とを比較してきました。一つは、高齢者の投与というところで、従来のラセミ体のものでは、「低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること」と記載があり、低用量から始めることを推奨しています。今回分割したものでは、「低用量から投与を開始するなど」という文言が抜けていますが、その理由を教えてください。 もう一つは、過量投与という項目が今回の分割したものの添付文書(案)から抜けている理由も教えてください。
○松井部会長 いかがですか、2点ありました。
○機構 機構よりお答えします。確かに両者の添付文書(案)では、そこの部分の記載に違いがありますが、特段それに関して、明確な理由があって書き分けているということではありません。ですから、具体的に低用量から投与を開始することが良いのかどうかというところは確かにありますが、「慎重に投与すること」と慎重投与の項には同様に加えておりますので、低用量から開始するということを今回は特に記載しておりません。過量投与の記載についても同様に、特段の意味はありません。
○松井部会長 山田委員、何か御意見はございますか。
○山田委員 例えば、実臨床で処方された時、添付文書によって薬剤師が監査を行いますので、記載されている内容に違いがあるということに対して、少し明確な理由があった方が良いと思います。同様の効果であるが、理由が無いことから、過量投与の注意項目が無いということでは、不自然な感じを受けます。
○松井部会長 その点について機構から、お願いします。
○機構 機構よりお答えします。過量投与につきましては、オメプラゾールに関しては情報があったが、本剤に関しては特段の情報が無いということだと思います。類薬で、このような情報があるという形の記載が可能かどうか、少し検討させていただきたいと思います。
また、高齢者においては低用量から投与を開始することで、慎重投与の目的が適うということがオメプラゾールに記載されているのか等、経緯を確認した上、記載を揃えることも考えさせていただきたいと思います。
○松井部会長 よろしいですか。ほかに、御意見はございますか。
○清水委員 薬効的に、PPIは経管で投与される症例が多いと思います。チューブでの投与等の対応として、情報提供は何か準備されているのでしょうか。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 機構よりお答えします。今のところ、そのような形での投与に関して、説明等は特段考えておりません。
○清水委員 海外の添付文書が参考になります。特に、米国の添付文書には、経鼻チューブでの使用方法等が記載されているようですので、上手に情報提供していただきたいと思います。
○松井部会長 よろしいですか。ほかに、御意見はございますか。
○機構 1点付け加えさせていただきます。先ほどの「過量投与」の項の件ですが、本剤については、現在、通常の「副作用」の項に、オメプラゾールの過量投与に記載されている悪心、嘔吐、めまい、腹痛、これらの症状が記載されております。エソメプラゾールの方では、既に副作用の項にこれらの内容が記載されているので、記載をしていないということでした。
○松井部会長 ほかに、ございませんか。議論は出尽くしたように思いますが、この光学異性体のことに関しては、度々これまでも話題になっておりますので、参考にすべきと判断しました。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、議決に入ります。
なお、永井委員、成冨委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
── 千葉委員入室 ──
○松井部会長 それでは、議題3に移ります。議題3について、事務局から概要を説明してください。
○事務局 審議事項議題3、資料3「Velaglucerase alfaを希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、事務局から御説明いたします。
資料にページ番号を振っていなくて恐縮ですが、表紙から4枚めくって5枚目以降に医薬品医療機器総合機構の事前評価の報告書が綴じられておりますので、これに基づいて御説明いたします。
医薬品の名称は、「Velaglucerase alfa」、予定される効能・効果は、「ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善」、申請者は、「Shire Human Genetic Therapies,Inc.」です。
○松井部会長 「希少疾病用医薬品指定申請書」ですか。
○事務局 その前です。「希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書」という3枚のものです。
○松井部会長 分かりました。先生方、よろしいですか。では、お願いします。
○事務局 希少疾病用医薬品の該当性の基準で、「対象者数について」、「医療上の必要性について」、「開発の可能性について」と三つありますので順に御説明します。
まず、対象者数ですが、対象疾患はゴーシェ病で、酸性β-グルコシダーゼの欠損又は機能低下によるライソゾーム糖脂質蓄積症です。国内の有病者数については、報告によって数が違いますが、例えば難治性疾患克服研究事業の報告書によれば51名、あるいは小児慢性特定疾患治療研究事業の研究報告書によれば40名、あるいは別の文献によれば高々約100名といった報告もあります。
以上の調査結果等を勘案すると、本邦における患者数は高々100人程度ではないかと推定されるということですので、指定要件の本邦における対象患者数5万人未満は満たしていると考えております。
次に、医療上の必要性です。ゴーシェ病では脾臓、肝臓の腫大から血球の減少、骨合併症を生じて重度の障害に至るということです。重症度は、様々で一概には言えないわけですが、骨合併症による永続的障害、あるいは重度の血球減少による影響があります。難病としての指定が行われていることも踏まえ、ゴーシェ病は重篤な疾患であると判断しております。
既存の治療法ですが、酵素補充療法が主要な治療法となっており、本邦では既にイミグルセラーゼ(販売名:セレザイム注200U)が1998年に承認されております。ただ、本剤とイミグルセラーゼの相違点として、本剤の製造過程では細胞培養液に動物由来原料を使用していない点が挙げられております。既存薬では、製造工程でウシの血清を使用していたということです。次のページにありますが、既存薬イミグルセラーゼにおいては製造工程の問題等から過去に製造の一時中止等が行われ、世界的に供給不足を引き起こしたことがあり、そういった実情を踏まえると、この新しい薬が承認されることにより、治療薬の新たな選択肢が増えることにも一定の意義があるものと考え、本剤の医療上の必要性は高いと考えました。
開発の可能性ですが、米国において2010年2月、EUにおいても2010年8月にゴーシェ病1型の酵素補充療法について承認がされております。この時、海外の臨床試験7試験において本剤の有効性について、ヘモグロビンの濃度増加、血小板数の増加、肝臓あるいは脾臓の容積の減少といったことで、一定程度有効性が確認されております。また、既存薬イミグルセラーゼを対照とした試験においても、同程度の有効性が見られました。また、安全性についても大きな問題は認められていないということです。
国内においてもゴーシェ病患者について、型は限定せず、第II/III相試験が計画されており、本年中に開始の予定とされていることから、ゴーシェ病に対する本剤の開発の可能性はあると判断しております。
以上の評価の結果、本品目は希少疾病用医薬品の指定基準に該当し、指定して差し支えないと判断しております。以上です。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。大変希な疾患ですが、私どもの国立成育医療研究センターでも酵素療法が行われています。非常に高価な薬ですが、特に神経症状が固定しないうちに酵素を入れることが現段階では非常に重要だと思います。
委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。何かございませんか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入ります。
本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。
御異議が無いようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。 それでは、報告事項について、説明をお願いします。まず、議題1~7まで機構から説明をお願いします。
○機構 報告事項議題1、資料4「医薬品ジャヌビア錠25mg、同錠50mg、同錠100mg、グラクティブ錠25mg、同錠50mg及び同錠100mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、シタグリプチンリン酸塩水和物を有効成分とする経口血糖降下薬であり、既に、本剤の単独使用、スルホニルウレア剤、チアゾリジン系薬剤、ビグアナイド系薬剤との併用についてそれぞれ承認されております。
今般、MSD株式会社及び小野薬品工業株式会社から、本剤とα-グルコシダーゼ阻害剤との併用について、効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤とα-グルコシダーゼ阻害剤を併用した際の有効性及び安全性が確認されたことから、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題2、資料5「医薬品ゴナールエフ皮下注用150の製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、ホリトロピン アルファ(遺伝子組換え)を有効成分とする凍結乾燥注射剤であります。
今般、メルクセローノ株式会社より、「視床下部-下垂体機能障害又は多嚢胞性卵巣症候群に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」の効能・効果及び当該効能に係る用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題3、資料6「医薬品ノバスタンHI注10mg/2mL及びスロンノンHI注10mg/2mLの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、直接的抗トロンビン薬であるアルガトロバン水和物を有効成分とする注射薬であり、「慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍、安静時疼痛ならびに冷感の改善」を始めとして、様々な効能・効果で承認されております。
また、本剤は2004年3月に「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)における、血栓症の予防及び治療、経皮的冠インターベンション施行時(HIT発症リスクのある患者に対して施行する場合を含む)の血液の凝固防止、血液体外循環(血液透析)時の灌流血液の凝固防止」を予定効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されておりますが、これらの効能・効果のうちの一つ、「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型における血栓症の発症抑制」が、2008年7月に追加承認されています。
今般、田辺三菱製薬株式会社及び第一三共株式会社から、希少疾病用医薬品の指定を受けた予定効能・効果のうち、未承認であった「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型患者における血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)」及び「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型(発症リスクのある場合を含む)における経皮的冠インターベンション施行時の血液の凝固防止」の効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題4、資料7「医薬品フォルテオ皮下注キット600μgの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、テリパラチド(遺伝子組換え)を有効成分とする骨粗鬆症治療薬であり、既に、骨折の危険性の高い骨粗鬆症を効能・効果として承認されております。
今般、日本イーライリリー株式会社から、本剤の投与期間の上限を現行の18か月から24か月に延長することを目的として、用法・用量の変更に係る製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤の投与期間の上限を24か月とした際の有効性及び安全性が確認されたことから、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題5、資料8「医薬品ワソラン静注5mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、カルシウム拮抗薬であるベラパミル塩酸塩を有効成分とする注射剤であり、「頻脈性不整脈(発作性上室性頻拍、発作性心房細動、発作性心房粗動)」の効能・効果で承認されております。
本剤について、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年10月29日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、エーザイ株式会社から、小児の用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題6、資料9「医薬品ワソラン錠40mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、カルシウム拮抗剤であるベラパミル塩酸塩を有効成分とする糖衣錠であり、「頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)、狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他虚血性心疾患」の効能・効果で承認されております。
本剤について、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年10月29日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、エーザイ株式会社から、「頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)」の効能・効果における小児の用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題7、資料10「医薬品メインテート錠2.5、同錠5及び同錠0.625の製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、β1遮断薬であるビソプロロールフマル酸塩を有効成分とする錠剤であり、「本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、心室性期外収縮」の効能・効果で承認されております。
本剤について、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年10月29日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、田辺三菱製薬株式会社から、「次の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者 虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全」の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。以上です。
こちらで一度、区切らせていただきます。
○松井部会長 ありがとうございました。ここまでの7議題につきまして、委員の先生方から御質問等ありましたらお願いします。
○佐藤(田)委員 単純な質問かもしれませんが、資料7の薬剤についてお伺いします。こちらは、投与可能な期間を6か月延長ということですが、審査の時にはまだ分からないのですが、使用から6か月経過して問題が無かったので延長するのですか。すると、ほかの薬剤についても同様と言えるのでしょうか。基本的なことですが教えてください。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 機構よりお答えします。審査中に2年の成績は出ていたのですが、初回申請の時の審査のやり取りですが、1年半で最初の承認を下ろし、その後の審査は今回、改めて承認事項の一部変更承認申請において審査したということです。この薬剤については、ラットでの骨肉腫の関係で、海外でも今のところ2年投与が投与期間の上限となっていますので、今回、海外と同じような上限が日本でも与えられたということになっています。
○松井部会長 よろしいですか。ほかに、御意見はございますか。
○宗林委員 私も、基本的なことを教えていただきたいと思います。OTCのパッケージなどは、例えば今回「小児」という言葉が沢山出てきます。「何歳以下の治験データが無い場合は、何歳以下は使わない」と禁忌で書かれている例が多いと思います。今回のようなものでの小児については、用法・用量が個別に変わっているようです。原則何歳までで分ける決まりがあるのでしょうか。
それから、もう1点ございます。例えば資料10などは、添付文書(案)を見ると本態性高血圧のみでも使われる感じがします。小児とは、16歳未満と伺っておりますが、データを取っておらず、使用事例も無いと書かれています。このままの形で良いのか、それとも、使用事例が無いので使わないという言葉が必要なのかどうかも含めて、小児という言葉の扱いと記載の箇所を教えてください。
○松井部会長 お願いします。
○新薬審査第一部長 機構より御説明いたします。医療用医薬品につきましては、まず新薬ですと小児の開発に関するガイドラインがあり、その小児の開発のガイドラインに基づいて開発されるのが一般的です。何歳まで小児なのかについては、規定があるわけではございませんが、一般的には宗林先生がおっしゃったように16歳未満ということで理解されていると思います。ガイドラインの中には、新生児、乳児、幼児という区分があり、新生児であれば、出生から1か月程度まで、乳児ですと1年、幼児ですと6歳まで、そのような区分で開発されています。ただ、個別の医薬品の承認にあたっては、それぞれの臨床試験成績に基づき、必要に応じて何歳~何歳までという縛りが付く場合があると思います。
○松井部会長 小児科の医師として少し付け加えますと、通常、薬の量は「体重1kg当たり」とか、「体表面積1?当たり」というような換算をします。しかし、一般に小児は代謝機能が盛んなため、そちらを体重の大きくなった小児に当てはめると、時として大人の必要量をオーバーしてしまうこともありますので、それは適切に判断しなければいけません。通常では、7歳半で大人の2分の1というようなところを参考にし、適宜調節しているということが一般的なところです。
○宗林委員 現場では、そのようにされていると思っておりますが、ほかの部会で、治験データが行われた年齢が記載されている添付文書を見た覚えがあったので、少しお聞きしました。
それから、もう1点お聞きしたいことがあります。資料10の本態性高血圧について16歳未満に対しては、使われることが前提とされておりません。使われないということでしょうか。また、その記載はしないのですか。記載をしなくても、自然に使わないということなのでしょうか。データが無いと記載されていますが、本態性高血圧は割とその年代でも発症したりすると思います。
○松井部会長 その年代というのは、小児の年代ということですか。
○宗林委員 例えば、小児のうちの7歳では発症しないと思います。しかし、15歳ぐらいでは、考えられるかもしれないと思いました。
○松井部会長 私の知る限り、本態性高血圧というのは非常に稀で、子どもの場合には二次性の高血圧が圧倒的に多いと思います。事務局や機構から何か付け加えることはありますか。
○機構 機構よりお答えします。本品目につきましては、用法・用量の項を御覧いただくと、通常、成人には5mgといったことが書いてありますが、成人についての臨床試験がなされて、成人についての効能・効果、用法・用量が下ろされたということです。小児等は、どのくらいの用量で投与すれば良いのか、きちんとした基礎データが無いので、基本的に、本薬は小児への投与を推奨するといったものではございません。臨床現場でそれぞれの先生方が様々な御判断の下に使うということです。もちろん、用法・用量も考えて使っていただくことについては、あり得ると思っていますが、ここに書けるほどのデータが無く、また、小児に関する開発もまだ行われていないといったところが現状です。
○松井部会長 宗林委員、よろしいですか。ほかに、御意見はございますか。それでは、後半の議題8から御説明をお願いします。
○機構 報告事項議題8、9、資料11、12「医薬品抗D人免疫グロブリン筋注用1000倍『ベネシス』の製造販売承認事項一部変更承認について」、「医薬品抗Dグロブリン筋注用1000倍『ニチヤク』の製造販売承認事項一部変更承認について」、まとめて報告いたします。
本剤は、乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリンを有効成分とする凍結乾燥製剤であります。
本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年10月29日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、今般、株式会社ベネシス及び日本製薬株式会社より、「D(Rho)陰性で以前にD(Rho)因子で感作を受けていない女性に対し、以下の場合に投与することにより、D(Rho)因子による感作を抑制する。・分娩後、流産後、人工妊娠中絶後、異所性妊娠後、妊娠中の検査・処置後(羊水穿刺、胎位外回転術等)又は腹部打撲後等のD(Rho)感作の可能性がある場合・妊娠28週前後」の効能・効果及び当該効能に係る用法・用量に変更する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題10、資料13「医薬品リュープリン注射用1.88及び同注射用3.75の製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、リュープロレリン酢酸塩を有効成分とする凍結乾燥製剤であります。
本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年11月24日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、今般、武田薬品工業株式会社より、「中枢性思春期早発症」の効能・効果に対する用法・用量を変更する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされたものです。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題11、資料14-1、14-2「医薬品ソル・メドロール静注用40mg、同静注用125mg、同静注用500mg、同静注用1000mg、注射用ソル・メルコート40、注射用ソル・メルコート125、注射用ソル・メルコート500、及び注射用ソル・メルコート1,000の製造販売承認事項一部変更承認について」、報告いたします。
本剤は、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムを有効成分とする、静注用副腎皮質ホルモン剤であり、現在、「急性循環不全、腎臓移植に伴う免疫反応の抑制」等の効能・効果で承認されております。
本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年11月24日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、ファイザー株式会社及び富士製薬工業株式会社から、「ネフローゼ症候群」に係る効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、申請された効能・効果及び用法・用量を承認して差し支えないと判断いたしました。
報告事項議題12、資料15「医療用医薬品の再審査結果について(リセドロン酸ナトリウム水和物)」、報告いたします。
こちらは、医薬品再審査確認等結果通知書です。
一般的名称は「リセドロン酸ナトリウム水和物」、販売名は「アクトネル錠2.5mg他」のものでございます。
この品目につきまして、製造販売後の特定使用成績調査、製造販売後臨床試験の成績等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。以上です。
○松井部会長 続きまして、議題13を事務局より御説明お願いします。
○事務局 報告事項議題13、資料16「優先審査指定品目の審査結果について(ペガシス皮下注90μg、同180μg)」、報告いたします。
中外製薬株式会社から申請があった医薬品「ペガシス皮下注180μg、同皮下注90μg」、一般名は、「ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)」、申請効能は、「B型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善」について、優先審査の該当性を評価しました。2ページに取扱いについてまとめておりますが、本品目についてはB型慢性肝炎を適応疾病としておりますので、生命に重大な影響がある疾患に該当します。また、医療上の有用性については、B型慢性肝炎の既存の治療法として、インターフェロン製剤あるいは核酸アナログ製剤があるということですが、既存のインターフェロン製剤との比較で言えば、既存の製剤では週3回の投与を必要とするところ、本剤は週1回で患者さんの負担が軽減される可能性があります。核酸アナログ製剤との比較では、本剤において効果が得られた場合には、その後の薬物療法は不要になること等を疾患の特性も含めて総合的に評価し、優先審査品目に該当すると判断して指定しております。以上です。
○松井部会長 ありがとうございます。議題8~13について、委員の先生方から御質問等ありましたらお願いします。よろしいでしょうか。特にございませんか。
それでは、議題1~7も合わせて、報告事項については御確認いただいたものといたします。
本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますか。
○事務局 次回の部会は、既に御案内のように、6月1日(水)午後3時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。また、次回につきましては審議品目数が多いことから、3時間を予定しております。よろしくお願いします。
○松井部会長 それでは、本日はこれで終了させていただきます。
○事務局 本日はどうもありがとうございました。
(了)
- 備考
- 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。
照会先
医薬食品局
審査管理課 課長補佐 野村(内線2746)