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2011年2月3日 第84回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成23年2月3日(木)
10時00分~12時00分


○場所

中央合同庁舎第5号館
厚生労働省共用第8会議室(6階)


○議題

2011年2月3日 第84回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

・日時
 平成23年2月3日(木)10時00分~12時00分

・場所
 厚生労働省共用第8会議室(6階)

・出席者
【公益代表委員】
 荒木委員、岩村委員、田島委員、廣見委員、守島委員

【労働者代表委員】
 工藤委員、島田委員、新谷委員、中島委員、八野委員、宮本委員、安永委員

【使用者代表委員】
 伊丹委員、芳野委員代理、田中委員、三浦委員、宮地委員、輪島委員、
佐藤委員代理

【事務局】
 金子労働基準局長、渡延審議官、前田総務課長、青山労働条件政策課調査官

・議題
 1 有期労働契約について
 2 その他

○岩村会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第84回労働政策審議会労働条件分科会を開催いたします。
 本日は、公益代表の大沢委員、村中委員が御欠席でございます。
 また、使用者代表の高尾委員の代理として芳野様、それから、渡邊委員の代理として佐藤様が御出席でございます。よろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、定足数について、事務局より御報告いただきたいと思います。お願いします。
○調査官 定足数について御報告いたします。
 労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または、公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、本日は、いずれの数も上回っております。定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
○岩村会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと存じます。お手元の議事次第に沿って進めてまいりますが、議題としては、「有期労働契約について」でございます。前回に引き続きまして、有期労働契約の現状などの総論について御議論をちょうだいしたいと思います。
 前回と同じように、事務局で資料を用意していただいていますので、まず、事務局から、これについて説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○調査官 労働条件政策課調査官の青山でございます。労働条件政策課長の田中が、やむを得ない急用で外しておりまして、大変申しわけございませんが、私の方から御説明させていただきます。
 それでは、資料1をごらんください。
 これは、今後の御議論の参考とするため、第82回、第83回、すなわち前回と前々回の当分科会においてなされた議論を御確認いただくため、委員の方々の御意見を項目ごとに掲げたものでございます。
 具体的には、例えば「1 今後の進め方について」は、認識が共有する部分、対立する部分などを、分科会長を中心に議論の整理を図るなどの意見がありました。
 2については、「有期契約労働者の集団の規模について」は、1,200万という推計についての御議論がございました。
 「3 有期契約労働者の拡がりについて」は、有期の位置づけが多様化していること、次のページへ行きまして、産業別、または、その規模や雇用形態も含めて多様な類型に当たっていることについて、そうしたことに対応した議論の必要性などについて議論がございました。
 「4 有期労働契約者に対する現状の認識について」は、⑴置かれている現状ということで、雇用の不安定さ、処遇の低さ、雇止めの問題、上から4つ目にありますような、正社員を希望する人などの存在、更新を重ねた者も雇止めされている問題等の指摘がございました。
 ⑵の労働市場(雇用システム)との関係については、有期労働契約であるがゆえに雇用が確保されている点とか、法の強化が、企業経営や雇用に与える影響といった点についての御意見がございました。
 次のページに行きまして、5のその他の視座でございますが、「1●」目にありますような「有期契約労働者の存在は否定しないが、原則は期間の定めのない直接雇用であるべき」といった御意見や、「2●」目にありますような、中小企業の経営に与える大きな影響、最後から2つ目にありますような、有期契約労働者が能力を高めながら安心して働き続けられる基盤をいかにつくるか等々の意見がございました。御紹介させていただきました。
 次に、資料2をごらんください。
 これは前回に引き続き、「有期労働契約の現状等に関する資料」でございます。前回に続くということで、今回、?Xから番号を付させていただいております。
 ?Xは「有期労働契約の実態に関する資料」でございまして、⑴は「企業における利用の状況」でございます。表紙をめくっていただきまして、労働政策研究・研修機構で行った企業ヒアリングの結果報告書のサマリーがございます。
 めくっていただきまして、3ページ目の真ん中にございますが、これは、一昨年、有期契約労働者の活用の多い業種などから23社を対象に、実態や活用についての見解などについて行ったヒアリングでございます。
 すみません、飛ばし飛ばし御説明しますが、4ページに行っていただきまして、図1にありますように、ヒアリングした実際の企業の有期契約労働者について前回も御紹介した有期労働契約の実態調査において行った4つの職務タイプの分類に当てはめられて整理されております。4ページの文章の一番上にもありますとおり、広範な職務に多様な集団となっている実態が報告されております。5ページの1パラにもありますとおり、不確実性への対応等々の事由で、むしろ、恒常的に活用していることが多い実態も浮き彫りになったとされています。
 6ページに行っていただきまして、実態としては、例えば一回の契約期間は、競争入札などを理由に1年としていたり、店舗の移転等に当たり、退職できる余地を残しつつ煩雑にならない程度で6か月が適当といった回答があったり、あと、6に行きまして、1年を超える例がほとんどないといった報告がされております。
 7ページに行きまして、8の契約終了については、製造業の同様職務型などで3年という上限の設定が見られた。一方、小売業などについては、勤続期間の上限を設定せず、長期に更新を繰り返す実態等が見られる等々とされております。
 8ページに行っていただきまして、10で、均衡待遇等の事項がございますが、同様職務型や別職務・同水準型において、戦力化とかモチベーション向上などを企図して、企業が処遇改善に取り組んでいる実態が報告されております。
 ちょっと飛んで行きまして、10ページに行っていただきまして、10ページの11以降、今後の活用のあり方についての意見ですが、(1)の「いわゆる入口規制」については、その規制がなされれば、外注化等の対応をとるといった回答や、新規事業の安定までの調整期間など、一定の事由を許容してほしいという意見が紹介されております。
 (2)の「いわゆる出口規制」については、上限までの選別を強化する等の回避行動をとる可能性や、単純な無期化なら検討の余地があるという意見、一方、一定の職務以上は正社員化しなければいけないという規制の方が受け入れやすいという指摘もあったことなどが紹介されております。
 以上のこういうヒアリングの結果は、13ページのまとめにまとめられておりますが、要すれば、3パラ目にありますような、継続就業型の有期労働者が拡がってきた。ただ、最後のパラにありますように、様々なタイプがありまして、企業においては、均衡待遇とか、試行的雇用期間としての活用とか、多様な無期の労働契約等について検討の余地もあり得るなど、幾つかの可能性をうかがわせる結果となったと結ばれております。
 企業ヒアリングの結果については、以上でございます。
 次に、17ページをお開きください。?X-(2)?@でございます。
 これは、当省の都道府県労働局で実施している個別労働紛争解決制度の状況でございます。相談件数については、全体として増加しておりますが、パート、アルバイト、期間契約社員の件数も増加している事実がございます。
 全体の概要が19ページまでございますが、20ページをお開きください。これは、平成21年から22年までの事例で、有期労働者にかかる事例を抜き出して書き出しております。例えば3つ目に、「正社員にする約束で約15年勤務したが、雇止めされた」という事例とか、5番目にありますような、約束した労働条件が守られず、さらに引き下げて、勤務か退職か選ぶよう迫られたといった紛争など、こういう雇止めや労働条件に関する紛争が多々報告されております。
 次に22ページをお開きください。?X-(2)?Aです。これも、労働政策研究・研修機構で、ただいま説明しました個別労働紛争の事案のうち、4つの都道府県労働局の事案を分析したものでございます。その報告書のサマリーでございます。分析については、例えば24ページ以降をごらんください。24ページの下の方に、分類しますと、雇用終了が66.1%で一番多いと報告されております。そういう分類に従いまして、25ページ以降、雇用終了の事案とか、26ページにあるいじめ・嫌がらせ、27ページの労働条件引下げ等々の分析がされております。
 この調査は、あらゆる労働者についての分析でございますが、有期労働者についての抜き出しを29ページの資料でさせていただいております。これについても、雇止めや労働条件引下げについて多々あっせんの事例がございますが、例えば雇止めの方にありますように、何かの主張とか権利行使などをしたら雇止めされたとか、あと、下の方にありますように、休業などをした途中で雇止めをされたとか、労働条件の方は、引下げを拒否したら雇止めされたとか、説明と実際の条件が違っていた等々の問題が挙げられ、あっせんに持ち込まれております。
 個別労働紛争については、以上でございます。
 31ページお開きください。?X-(3)?@ですが、これは、紛争処理手続として設けられた労働審判の事例における、有期労働契約の雇止めの事例を整理したものでございます。これは2008年12月に出された『ジュリスト』の内容から抜粋いたしました。ここにも雇止めのケースが幾つか掲げられておりまして、こういう労働審判でも、雇止めの問題が処理されたことがわかります。
 次の33ページは、?X-(3)?Aですが、今度は、労働委員会に持ち込まれた事件の方での有期についての事案を並べております。不当労働行為等の事例ですが、有期労働契約の不更新、雇止め等が絡んでいる事例があることがこれでわかります。
 次、35ページ以降ですが、非常に大部で恐縮ですが、35ページから75ページまでは、裁判例についての資料でございます。有期労働契約についての主な裁判例ということで、契約締結時の明示の効力とか、処遇の均衡とか、雇止めについての裁判例でございまして、雇止めについては、こういう裁判例によりまして、いわゆる反復更新等の実態を踏まえて、解雇権濫用法理を類推適用とする雇止め法理が形成されているものでございます。非常に資料も大部でございますし、これは御参照いただければと思います。
 以上までが、企業の活用の実態とか、紛争の実態の資料でございました。
 時間の関係で、ちょっと先に行かせていただきます。
 76ページ以降、?Yの資料は、関連する制度などについての御紹介でございます。
 ?Y-(1)は、「均衡待遇・正社員化推進症例金」とございます。これは、フルタイムの有期労働者とパートタイム労働者の正社員転換とか、共通の処遇とか、共通の教育訓練といった取組をする企業に対する助成金の制度でございます。これは、制度を設けて、実際、対象者が出た場合に支給するものでございますが、もともとフルタイムの有期労働者のタイプとパートタイム労働者のタイプは別の助成金でございましたが、統合して、来年度から一体として運用することにしております。こういう形で企業の取組を促進・援助しているものでございますので、御参考までに御紹介させていただきました。
 次、78ページをお開きください。これは、いわゆる「多様な正社員」に関する報告書・事例集等でございます。これは、有期研報告書でも掲げられている、いわゆる「多様な正社員」についての資料をというお話もございましたので、整理させていただきました。
 まず、有期研報告書での言及ですが、正社員と言う場合、有期研報告書では、「直接雇用され、期間の定めなく、フルタイムで長期雇用を前提とした待遇を受ける者などの、いわゆる正規型の労働者」と整理した上で論じていますが、この第1の(1)の抜粋した部分にもありますとおり、そういう従来の正社員でも、非正規でもない、職種や勤務地等が限定された無期で雇用される者も含む多様な類型の労働者をいわゆる「多様な正社員」と呼びまして、そうした環境整備も視野に入れることを有用と論じております。
 いわゆる「多様な正社員」につきましては、79ページに行っていただきまして、職業安定局で開催してまとめました「雇用政策研究会報告書」でも言及がなされておりまして、80ページにわたりますが、いわゆる「多様な正社員」についての有用性とか留意点につきるる述べております。詳細は省略いたします。
 今回の資料においては、こういういわゆる「多様な正社員」の例と思われる事例を、ごく一部ではございますが、御紹介したいと思います。81ページ以降でございます。
 これは、職業安定局で作成しております「有期契約労働者雇用管理改善事例集」から抜粋いたしました。幾つかの企業がありますが、めくっていただきまして、例えば82ページ以降の東急ストアでは、83ページの図などを見ていただければわかるかと思うのですが、正社員という中に、それはパートタイム労働者から転換する先としても使われているところですが、S職という職種限定層があると。職種を限定しないG職などとは別に、職種限定のタイプがあるということで、正社員についても複数の種類を用意されているということでございます。
 飛んでいただきまして、89ページ以降にある株式会社ロフトの例でございます。この会社は、契約社員やパートタイム労働者も含めた労働者をすべて「ロフト社員」という無期の類型に一元化したということでございます。ただし、その中で、グレードごとに多少勤務地の範囲が分かれているということでございまして、下線部等をごらんいただければと思いますが、グレード?Uまでの類型は、店舗との契約ということで、勤務場所が限られる。それより上だと限られないというふうに、ある段階までは限定されております。
 その他の例としては、例えば97ページでございます。これはリンガーハットの例でございますが、これも正社員の中で、一定の地域内限定がなされる「エリア社員」と、そうでない「ナショナル社員」に分かれているということで、こういうエリア限定の社員が存在するということでございます。
 ということで、一部の事例ということで御紹介させていただきました。残りの事例は、後ほどご覧いただければと思います。
 次、関連する制度の最後ですが、110ページでございます。パートタイム労働法の21年度の施行状況です。これは、通常の労働者への転換の義務や、労働条件の文書交付などの義務を中心に、相談は約5,000件、事業主への指導が約26,000件という施行状況となっております。
 次に、111ページ以降の資料?Zですが、これまで分科会で御要請のあったデータ等を用意させていただいたものでございます。
 始めに有期労働契約者の実態調査について、業種別、事業所もしくは企業規模別のクロスを用意させていただきましたが、幅広に用意させていただきましたので、御説明はごく一部のみ紹介させていただきます。
 例えば113ページを見ていただきますと、有期労働契約者の割合は、業種で見ますと、例えば、サービス、教育、卸・小売業などで高い。事業所規模別では、真ん中の30~999人辺りにやや多いかなと思います。
 飛んでいただきまして、116ページですが、いわゆる4つの職務タイプ別の分布でございますが、正社員同様職務型が比較的多いのが、医療・福祉、建設業など、軽易職務型が多いのが卸・小売などとなっております。
 120ページを見ていただきますと、有期契約労働者を雇用している理由でございます。これは、業種別に極端な差はないものの、例えば宿泊とか飲食サービスでは、基幹的労働力としての活用がほかよりも比較的多いのがわかります。
 122ページへ行っていただきまして、有期労働者を雇用できなくなった場合の影響では、これも極端な差はないのかもしれませんが、宿泊、飲食サービスとか教育で、成り立たないという回答が特に高いことなどがわかります。
 等々でございますので、残りは御参照いただければと思います。
 今は、事業所調査の紹介をしましたが、135ページからは、個人の方の調査でございます。これもちょっと大部でございますので、詳細な説明は省略いたしますが、例えば1つだけ紹介しますと、138ページ、産業と雇用形態のクロスですが、建設とか製造業には期間工がやや多い、一方、卸・小売業については、パートタイマーが多いことがわかります。
 クロス集計については、以上でございます。
 次、144ページをお開きください。?Z-(3)ですが、これは有期契約労働者の実数を推計したものですが、これは業種別に推計したものでございます。右から2番目の欄が、推計した有期での数ですが、これは、労調での雇用者数に実態調査の割合を掛けたもので、粗い推計でございます。これを見ますと、卸・小売の250万、その他サービスの162万、製造業の131万などの順に多くなっていることがわかります。
 その隣の145ページが、その規模別の同様の推計ですが、御参照いただければと思います。
 146ページの?Z-(4)の資料については、これは、主たる収入源別の実態調査のクロス集計でございます。生活の主たる収入源が、自らの収入か家族の収入かで、例えば1の年間収入は異なりますし、4の有期を選んだ理由というところも、主たる収入源の人ほど正社員としての働き口がなかったという割合が高いことなどがわかります。
 残りは御参照いただければと思います。
 149ページお開きください。?Z-(5)で、有期契約労働者数の推計(試算例)でございます。前回も、有期契約労働者の推計を実態調査における割合も用いて提出させていただきましたが、非正規労働者の数と有期労働者の数の関係についても、多少の御議論がございましたので、こちらも改めて実態調査を確認いたしましたところ、労働者の類型全体の中で、この資料にありますとおり、正社員と、正社員以外で期間の定めのない労働者と、有期契約労働者、3種に分けて聞いていることを確認いたしました。そこの真ん中の、正社員以外の期間の定めのない労働者も含めて試算し直しますと、推計にありますとおり、有期契約労働者数、これは前回示しましたが、1,212万人、正社員以外で期間の定めのない労働者が743万人という推計が出てまいります。
 150ページをお開きください。これは、期間を定めて就業する理由の経年変化でございます。経年変化をみるべきという御議論もありましたので出させていただきましたが、平成17年に統計情報部が行った調査がございますので、それと21年の実態調査を並べさせていただきました。ただし、調査の詳細とか設問項目が必ずしも一致してはおりませんので、その旨御留意の上、御参照ください。「正社員として働き口がなかったから」などの割合が多少上がっているという事実はありますけれども、そういう留意付きで見ていただければと思います。
 現状についての資料は以上ですが、もう一つ加えまして、資料3をごらんください。これは実態調査についての御紹介でございます。前回まで、21年にやりました実態調査について御報告してまいりましたが、今、当省においては、23年度(来年度)予算に、有期労働契約の実態調査の経費を計上しております。21年時点の調査と比較しつつ最新の状況を把握するため、21年の調査の更新をする形で実施したいと思っておりまして。勿論、予算の成立が前提ですが、成立しました暁には、来年度調査を行いたいと思っております。項目等は、基本的には、変化を見るために、前回調査を参考に設定したいと思っておりますが、速やかに調査をいたしたいと思っております。ただ、結果が出てくるのが夏以降、秋口になるかとは思いますが、この分科会に御報告して、御議論の参考にさせていただきたく存じます。
 大変長くなりました。私からは、以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、労働側の新谷委員から、今日は資料を提出していただいておりますので、これについて簡潔に御紹介いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○新谷委員 ありがとうございます。
 今回は、有期労働契約で働く方の実態を共有するということでございます。我々も労働運動として、すべての働く労働者を対象とした運動をやっておりますので、その中で把握しているデータ・事例について御紹介をしたいと思っております。
 まず、資料は2種類ありまして、1つは、私どもの47都道府県に設置している地方連合会で、全国共通のフリーダイヤルで行っている労働相談「なんでも労働相談ダイヤル」の事例を御紹介したいと思っております。
 上にグラフが付いておりますが、これは、正規も非正規も含めた相談件数で、本部で把握しているものについて内容別に分類したものです。2010年1年間で17,191件あります。約半分は正規労働者からの相談なので、このグラフは有期の方からの相談だけということではございません。まず、そこはおことわりをしておきたいと思います。
 グラフの下に、相談事例を記載しております。ここは、相談者の方の属性を見て、パートとか契約社員とかという方々は恐らく有期であろうということで、抜粋をしたものです。見ていただきますと、先ほどの労働局の相談事例などと同様、我々に寄せられている相談も、例えば、1ページの(2)の「就業規則」でも、雇止めが怖くて、年休の取得ができないとか、1ページの一番下にありますように、年休を認められず、一時金からその分を差し引かれたとかといった状況が見えます。
 また、雇止めのケースでも、2ページの下の方にあるように、労災の扱いにしてもらえなかったとか、3ページの(7)にあります「中途解除」についても、契約期間中にもかかわらず、契約を終了すると言われたといった状況、あるいは、(8)にありますように、「契約の更新」においても、労働条件の不利益な変更がされているという事例が見られます。4ページにあります(11)に、これは、前回も私どもから御紹介いたしましたが、労働契約から請負契約へと契約の変更を迫られるというケースであります。契約社員という雇用契約だと思っていたら、実際には事業者扱いにされていたといったようなケースもございます。また、システムエンジニアの方では、前々回も御紹介しましたように、個人請負で働いた方が手取りが増えるし、自由に働けるといったような、甘言を弄したような契約変更がなされているという実態もあるわけです。これも御参考にしていただきたいと思います。
 5ページからは、私どもで実施したアンケートの御紹介でございます。これは、連合として、2年に一度行っている調査の結果でございまして。私どもの傘下の組合の職場で働く非正規の方々、及び組合員や組合の役職員の家族・知人などで、非正規で働いておられる方、それとNPO、NGOの団体に、非正規の方々を対象にしたアンケート票を配付いたしまして、およそ1万件のサンプルが集まってきたものを分析したものでございます。
 この中には、公務労働者も16.6%いますが、これは、非常勤の職員だけではなく、例えば学校給食の調理を任されている民間会社に雇用されている労働者も含まれるということでございます。結果は、JILPTの調査や厚労省の実態調査と似たような状況になっております。10ページでは、契約期間が決まっているという方が約9割であり、平均勤続年数は6.7年でございます。11ページにありますように、契約の更新回数も15回以上といった、本当に反復更新を繰り返されている方々が5人に1人といった状況でございます。
 また、23ページに、現在の働き方を選んだ理由は何かということをお聞きしておりますが、この中で一番多いのが、「正社員の仕事につけなかった」との回答でございます。これも、男女別で見ると多少差異はありますが、これがトップでございまして、先ほど、ご紹介のあった厚労省の調査と、ほぼ同様の結果が出ていると思います。このような実態にあるということが我々の調査からは浮かび上がっていることを御紹介しておきたいと思います。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま、事務局から御説明ありました資料2、3、それから、新谷委員御提出の資料4といったところにつきまして、御意見あるいは御質問などをお願いしたいと思います。
 では、輪島委員どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 資料1ですが、分科会会長に御努力をいただいて、こういうふうにまとめていただくことは感謝を申し上げますが、82回と83回という数少ない中、特に83回は有期研の報告書の説明のみ、かつ、前回は実質的に総論が始まりましたが、その半分の1時間は資料の説明でありましたので、私どもは議論の方向性がどういうふうになるのかというような意味合いで、むしろ、具体的な意見を言うということを少しはばかっていました。これを読めば、どちら側が労側の意見で、どちら側が使用者側の意見かもわかるのですが、使用者側の意見が非常に少なくて、バランスが悪く、非常に残念だと思いますので、2つだけ申し上げておきたいのです。
 私の申し上げ方が足りなかったのかもしれませんが、前回の労働条件分科会(平成18年17年27日)の答申の中に書かれている「有期労働契約が良好な雇用形態として活用されるという視点も踏まえつつ、引き続き検討をする」という視点が、今回の中には欠けているのではないかと申し上げたかと思いますが、それが資料1の中では抜けてしまっているのではないかと思っています。
 今日の資料も、その観点が抜けていて、今度の議論では、私どもからは、何回かこのようなことを指摘させていただかなくてはならないのではないかと思っていますが、「良好な雇用形態として活用され」という視点が非常に大事だろうと思っておりますので、その点を資料1に加えていただければ有り難いということであります。
 それから、2点目ですが、これも申し上げ方が足りなかったのかもしれまんが、不合理・不適正な利用が中間まとめにはなかったけれども、最終報告には入っています。その視点はどういうところなのか。今度の有期の議論の中で、不合理・不適正な利用はどういうところなのか。それがクリアになることによって、それに対する制度のあり方が議論されるべきだと思っておりますので、その点も、できれば資料1の中に加えていただきたい。これからは努力しまして、この資料1で、議論がたくさん紹介できるように、私どもも議論をしてまいりたいと思っています。まずは、そこだけ申し上げておきたいと思います。
○岩村会長 ありがとうございます。
 では、事務局の方。
○調査官 失礼いたしました。おっしゃるとおり、そういう御議論、御意見はあったかと思いますが、この資料を今回作成するときに、資料などの、説明に対する質疑応答の部分と御意見の部分をより分けながらまとめていった過程で落ちたと思いますので、御指摘も踏まえて、議事録を確認して、整理させていただきます。
○岩村会長 よろしいでしょうか。
○輪島委員 はい。
○岩村会長 そのほか、いかがでございましょう。
 では、八野委員。
○八野委員 まず、事務局の方に、これだけ資料をそろえていただいたことに感謝いたします。どうもありがとうございました。
 まず、ちょっと全体的なところで発言させていただきます。今、輪島委員からも、有期労働契約を良好な雇用形態として活用する、というようなお話がありました。先ほどの事例の中でも、東急ストアの例とかが出ております。これは、私どもサービス・流通連合の加盟組合の職場でありまして、労使で話し合いを行い、こういう形をやってきたということでは聞いています。しかし、こういうふうに労使関係が存在し、また、労使でパートタイマーも含めた有期契約についての人事制度をつくっていくというところが多ければ、今日のような問題は起きていないと思っています。
 有期契約労働者に対するヒアリングも行われておりますが、有期から正社員にとか、または、中途採用にというような雇用システムの基盤ができていれば、不安定な雇用や雇止めだというような声は労働者からは挙がってこないだろうと思っています。
 正社員への登用も、制度はあっても、運用されていない例、または、運用の人数が非常に少ないという例もあります。そういうことも考慮しながら、議論を進めるべきだと思います。また、有期労働契約の仕事が、今、広範囲に拡がっている現状を考えていくと、有期労働契約は例外であるというような位置づけの議論がなされていけばいいなと思っております。
 次に、御質問等も含めた意見を述べさせていただきたいと思います。本日の資料の中にも、高度技能活用型、または、正社員同様職務型等々4つの分類が出てまいります。これは研究会で実施された調査の際の分類であると承知していますが、本当に企業側でもこのような分類を行って運用をしているのだろうかと疑問に思います。有期労働契約の実態を調べるということでなされた分類であると思いますが、これから議論する有期労働契約について法制化することに当たっては、このような分類を前提とすることはちょっと困難であるのではないかと考えます。
 2点目は質問ですが、研究会報告でも、今日の資料の中でも、均衡処遇、または、均衡待遇という言葉が出てきています。事務局サイドとしては、どのような概念で、均衡待遇、処遇を表現しているのか、その辺を教えていただきたいと思います。
 また、資料2の12ページに、企業ヒアリングのまとめとして、例えば企業は雇用の保障リスク、または、労務コストの固定化のリスク、採用リスク等々を回避しつつ労務管理の簡素化、教育訓練の投資の回収の効率などで有期契約労働者を継続的に活用してきたと書かれております。しかし、有期契約労働者、働く側にとって企業の合理的な選択が実態として、どのような課題として出てくるのかという議論が、今後必要ではないかと思います。
 以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございました。
 御意見の部分と御質問のところがございましたので、質問のところについて、事務局お願いします。
○調査官 まず1つ目は、御意見とおっしゃいましたが、高度技能等の職務タイプについて若干御説明させていただきます。
 有期契約労働者に関する実態調査については、有期契約労働研究会で設計し、行いましたが、その際に、こういう分類については、仮に有期労働者を、呼び名、呼称により分類することとした場合には、多様な労働者が同じ呼び名中に混在することとなりまして、実態の把握は困難となるおそれがあるため、就業形態ごとに定義を与えて、それに基づき分類することが適当ではないかという考えのもとに設計いたしました。その結果、正社員同様とか、高度技能型などになったわけですが、勿論、それがすべての分類ではないかと思いますし、別途、この調査でも、呼び名での就業形態、パートタイマーとか期間工の別でも聞いていますので、いろいろな角度から分析を加える努力はする必要がありますし、これまで我々もそれに努めてきたつもりでございます。
 2点目の「均衡」については、それをアプリオリに「均衡」という概念はないのですが、有期契約労働研究会においても、この議論をするときに、我が国の実情に即したということでは、パートタイム労働法の枠組みも参考にいたしました。パートタイム労働法を参考にしますと、正社員との均衡を考慮しつつ、職務内容とか能力とか意欲と経験などを勘案して待遇を決定するとともに、待遇について説明責任を果たすことの仕組みを、均衡待遇として、パートタイム法で推進していますので、それが参考になるという議論をいたしましたので、それが1つのヒントかなと思います。
 以上でございます。
○岩村会長 八野委員、よろしゅうございましょうか。
○八野委員 先ほどの職務タイプの点ですが、調査票を見ていても、「正社員との比較」という言葉で全部出ているわけですね。しかし、正社員は、契約年数に応じて職務が変わっていくというようなこともあったりして、本当に正社員との比較がこの分類の中ではっきりできるのだろうかというような疑問点を持ちましたので、その点を指摘させておいていただきたいと思います。
○岩村会長 ありがとうございます。
 では、輪島委員どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 これからの発言の趣旨は、資料?Wが非常に興味深いので、その議論をしたいと思うのですが、その前段で、提出された資料についてのコメントとお願いをさせていただきたいと思います。
 78ページ「多様な正社員」も、これからの議論だと理解をしておりますが、この議論は非常に大事であり、大切に議論をしていく必要があるのではないかと思っています。そこで、78ページの有期研の指摘と、79ページの雇用政策研究会の報告書、特に80ページの書きぶりが、私どもとしては、非常に示唆に富む論点だろうと思っています。特に、「異常事態の際に雇用調整できる余地を残しつつ」という、その雇止めの議論があるわけですけれども、私どもの基本的な理解は、通常では、基本的には雇止めを特に意識をしているわけではなくて、しかしながら、特に、例えばリーマンショックは100年に一度と言われたわけで、そのときの雇止めの課題と、つまり、この「異常事態の際」と、通常の雇止め・解雇というところの議論の整理が必要なのではないかと思っております。その意味で、次の段落の「不安定な雇用を増大させることにならないよう十分配慮する必要がある」ということも含めて、「多様な正社員」の議論をこの審議会では大事にしていただきたいと思っています。
 そこで、91ページのロフトの事例ですが、これは今でなくても結構ですが、労働法学の先生に御見解をいただきたいと思います。91ページの「新しい制度では」というところで、先ほど御紹介がありましたとおり、グレード?Tとグレード?Uは店舗との雇用契約、グレード?V以上は本社との契約ということですが、解雇、雇止め、特に整理解雇の際、現行法上の法令ないし判例からすれば、いわゆる解雇回避努力についてグレード?T、グレード?Uで契約している人を例えば雇用調整するというような場合で、例えば裁判で争ったときに、結局は、解雇回避努力をどのように見るのか。グレード?T、グレード?Uで契約をしているけれども、現状のところでは、もう少し努力が必要ですねと裁判の結果がなるのではないかと懸念すると、企業側はこういうものに勇気を出して取り組んでいこうとなかなか思えない環境だと思っているのですが、そのことをどのように理解をするのかということを、是非、「多様な正社員」の議論のときに、御見解を示していただきたいと思っております。
 もう幾つか、すみません。
 資料?Z-(5)も、実態を把握するという意味で非常に大事な数字だと思いますので、次回以降で、総務省の就業構造基本調査をもう少し時系列で並べてみて出してみることが必要なのではないかと思いますので、それは、事務局に、今後お願いができればと思っております。
 そこで、「期間の定めのない労働者」という就業構造基本調査の中の分類では、常用非正規という分類が出てきます。統計上「常用」としているわけなので、そのところをこの審議会でどう整理するのかという議論が非常に大事だろうと思っています。そういう意味では、私どもとしては、実態としては常用になっている、だから、統計上も常用になっているのではないかなと素朴に思うわけですが、その点は労側と私どもの考え方の違いが多分あるのだろうと思っております。
 それから、資料3ですが、実態調査をしていただくということで、それは大変有り難い。そこを時系列的に経年で比較ができることは大事だろうと思っています。ただし、少し工夫をしていただく必要があるのではないかと思っています。前回もそうでしたが、派遣社員の方とそうでない有期の方のバランスが余りよくないのではないかと思います。有期労働契約の中に派遣という働き方があることは事実だと思いますが、性格が少し違うような感じがするので、そこを精査して、調査ができるような仕組みが必要なのではないか。特に、最後のページの個人調査のところのインターネット調査ですが、前回も、インターネット調査の性格上そうならざるを得ないのかもしれませんが、比較的若い方であったり、インターネットの環境に慣れ親しんでいる方であったり、または、そういうことで言うと、派遣で働いている方の数が多かったような気がしますので、そこのところを少し詳細に分析をして議論をする必要があるのではないかと思っています。
 新谷委員の御提供いただいた資料は、大変有意義だと思っておりまして、その点で、幾つか御質問等々をさせていただきたいと思います。
 まず、これを出されている御趣旨というか目的がよくわからなかったのですが、実態を共有すると御指摘をいただいたのですが、そのところをもう少し御説明をいただければと。
 それから、もう一つ、1ページ目に17,191件ということで、これは相談ダイヤル全体の数字という御紹介があったかと思うのですが、文章の(1)以下は全部有期であろうというところを抜き書きをされたということなのですけれども、全体の有期契約労働者の中でどれぐらいのボリューム感で、こういう順位が出てくるのかと、そういうところを知りたいと思います。
 御返事をいただいた上で、もう少し質問をさせていただければと思っています。
○岩村会長 ありがとうございます。
 それでは、まず最初に、御質問のあったところについて、事務局の方でお答えできるところをお願いします。
○調査官 資料?Z-(5)の149ページの数について、輪島委員から、総務省の就業構造基本調査で見られる常用非正規のあり方についてのお話がありましたので、事務局でも、この調査を再度よく見まして、数を確認しまして、資料等を確認させていただきたいと思います。
 最後の21年度の実態調査の部分で、派遣が今のものは多くなり過ぎたことについては、おっしゃるとおり、21年度の調査はウェブ調査ということで、そうなった嫌いがありました。ただ、調査の仕方については、企業さんを通じて選定いただくよりも、個人をダイレクトにつかまえたいということでウェブ調査をやったわけで、今回も同じ目的でウェブ調査の方法を踏襲したいと思っております。
 ただ、一方で、おっしゃるとおり、就業形態等に偏りはなるべくない方がいいということでございますので、そこは派遣が多過ぎないことも含めて、偏りはないように、何とか委託業者とそこを調整するなり、努力したいと思っております。
 以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございます。
 ただ、余り調整すると、今度は、1回目の調査との連続性がなくなってしまうので、ちょっとそこが調査の連続性との兼ね合いで、データの見方がやや難しくなるかなという気はいたしますが。
○輪島委員 連続性を見ることと、そこだけ抜いて見ることとは別なのかなという気もしないではなくて、要は、実態をどういうふうに見るのかというところをニュートラルに見たいという趣旨です。
○岩村会長 では、そこのところをちょっと工夫ができるかどうか、できるだけ検討してみていただければと思います。
 あと、ロフトのところについては、今、可能なところでということで、輪島委員の御趣旨でしょうか。
○輪島委員 いや、「多様な正社員」のところで結構です。
○岩村会長 それでは、新谷委員の方で、御質問がありましたので、ちょっとお願いをいたします。
○新谷委員 組合から提出しました内容については、関心を持っていただきまして、ありがとうございます。これだけでも成功ではないかなと思ったのですけれども、実は、前々回でしたか、輪島委員から、有期契約労働者の実態がよくわからないから、この審議会において、総論部分において、情報・認識の共有が必要ではないかという御提起もいただいておりました。我々はそれに賛成するところでございますので、データはたくさんあった方がいいだろうと思いまして、今回、提示をさせていただいたものであります。
 御質問をいただいた中の相談ダイヤルのところですが、このような実態把握をする際には、アンケートのような配票によって大量観察をするというやり方と、事例を積み上げていくというやり方があろうかと思っています。アンケートについては、私どものアンケートのサンプルサイズが、厚労省が実施された調査のサイズの倍近くありますので、そういった意味での有用性は高いのではないかということで、アンケート結果をお示しさせていただきました。労働相談事例については、抽出率とかいう厳格なものではありません。これは御紹介しましたように、私どもの方に電話で寄せられた相談内容の中から、非正規、有期の方々が抱えておられる問題を拾い上げたものです。多分、輪島委員の御所属の日本経団連では、生の事例があまり入ってこないと思いましたので、抜いてきたものです。ここで抜いたものの母数は不明です。ただ、私どもが毎月統計をとっているのですけれども、昨年の11月、12月の相談内容の中からピックアップしたものということでございます。
 座長、続けてよろしいですか。
○岩村会長 輪島委員が、先ほど、御説明を聞いてから、続けて、もし質問があればということですが。
○輪島委員 勿論、説明していただいて、それから、また。
○岩村会長 では、新谷委員どうぞ。
○新谷委員 輪島委員がたくさんおっしゃったので、私も、輪島委員の発言の中で気がついた点が1点ございます。先ほど、良好な雇用管理の事例に関して発言をされたということで気がついたのですが、OECDの労働移動に関する調査で、非正規の方々が、3年後も非正規なのかという比較をしたものがあります。特にヨーロッパの国々においては、3年後には、50~70%近くが正規雇用に転換をしているという結果に対して、日本の場合は、その逆でありまして、7割以上が非正規のままという著しい差があります。そういったデータも、是非、事務局の方でお示しをいただければ有り難いなと思っております。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございました。
 では、輪島委員どうぞ。
○輪島委員 資料4の補足の説明かと思ったので、失礼しました。
 そこで、1つ事務局に聞くことになるのかもしれませんが、資料4のまず最初の相談ダイヤルの部分ですが、2つ目のハローワークの紹介、4つ目もハローワークの求人ということで、ハローワークでの紹介であるのに、このような事例になるのかどうか。職業安定局の話なのかもしれませんが、少し違和感を感じるので、どのようになるのかという軽い質問です。
 それから、この4枚の個別の事例という御紹介なのですけれども、素朴に見て、現行法のパート労働法、育児介護休業法、男女雇用機会均等法、派遣法、当然に基準法などの法令にかなり抵触しているのではないか。これが事実であるかどうかは、実際に聞いてみないとわからないことなので、仮にこのままだとすると、現状でも、指導の対象になるべき問題だと思うわけですけれども、そのことを踏まえると、事例を見させていただくと、これらは特別な事例なのか、それとも一般的なものなのかと考えてしまいます。私は特別な事例のように思えるのですけれども、そのことがどうなのかというところをお聞かせいただきたい。
 それから、もう一つよくわからないのですが、1ページ目の3つ目にあります、6年半勤めている、2ページ目も3年間、2つ目も10年間など、長い方がいらっしゃるのですけれども、相談を聞いていらっしゃる実態として、このように働いている間にずっと思っていらっしゃるのか。非常に何か素朴に思うのですけれども、どのような実態なんだろうかなと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○岩村会長 では、新谷委員の方で、もしお答え可能なところでお願いします。
○新谷委員 非常に関心をお持ちですので、実態がどうかということであれば、一度私どもの労働相談ダイヤルに出ていただいても構いませんが、これは別に何かつくり込んだものでもございません。聞き取った内容をお示しをしております。
 御指摘があったように、現在の労働保護法の違反事例も幾つか見られるわけであり、法があるんだから、きっちり守るべきだということなのですけれども、現実的には、監督署の臨検でもいろいろな違反事例があります。今日、厚労省から出されております労働局の個別労働紛争解決制度についてのまとめられた事例の中でも、私どもが提出をした内容に近い法違反の事例なども出ておりまして、これが今の実態ではないのかなと私どもは感じているところであります。
 以上です。
○岩村会長 はい、どうぞ。
○安永委員 今のやりとりの関連ですが、19~20ページに紛争事例、それから、先ほど、新谷委員から説明をしていただいたところにも事例が出ております。実は、私ども情報労連も、連合がフリーダイヤルで相談をされておりますので、私たちは私たちの特色を生かして、ネットと携帯サイトで労働相談を受け付けています。それは未組織の非正規の皆さんを対象にということで実施させていただいています。宣伝が足りないせいもあって、月50件程度ではありますが、様々な御相談をいただいています。内容としては、資料の20ページ、21ページ、それから、新谷さんから出されたような中身と同じようなことが多いなと思っておりまして、決して特殊な事例ではないなと思っておりますので、共通の認識としていただきたいと思います。
 また、29ページに個別労働関係紛争処理事案の内容分析ということで、事務局で編集をされておりますが、特に雇止めと労働条件引下げを中心に記述がされておりますが、この報告書本体を読みますと、期間途中の解雇という事案も多数取り上げられておりますし、それから、正社員の求人なのに、採用されるときに脅されて有期契約にされたような事案も紹介をされておりまして、紛争の実態全体を把握するためには、これらの種類の事案も挙げておく必要があるのではないかなと思います。あわせて、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○岩村会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 今後の議論で整理をしていただく必要があるのだろうと思います。私ども、今申し上げている資料4のことですけれども、こういう事例がある、これが実態だということを否定するつもりは全くありません。こういうことがあるのだろうとは思います。
 ただ、現在の法制で、守られる仕組みがあるので、そちらへ押し出すということは一つ必要だろうと思っています。それから、これが実態だから、すべてをこうだという話なのか。私がお聞きする有期労働者の働き方の実態は、ご紹介された事例とは実は、全く感覚が違うわけで、ご紹介された事例が1,700万人、1,200万人すべてがそのような状況なのかどうかを共有する必要があるのではないかという趣旨だけ、是非、御理解をいただきたいなと思っています。
 続けて、よろしいですか。
○岩村会長 どうぞ。
○輪島委員 それから、次の資料にも大変関心があって、パート、派遣等の生活者アンケートですが、少し教えていただきたいのですが、10ページの勤続年数と雇用契約のところで、ここの直接雇用での民間の7.4、公務の6.4と、それから、「契約期間の有無」で、「決まっている」が89.9と、大部分が契約書で決まっていて、「口約束で決まっている」は少数だというのは、現状では、非常に法令が定着していることをむしろ示しているのではないかなと思います。さらに、最後の2008年に比べると、<決まっている>が12ポイント多くなっているということなので、そういうことを私どもはポジティブに見ています。
 そこで、11ページ目の(4)ですが、更新回数で、ここが、議論がずっと平行線なのかもしれませんが、更新回数の15回以上で19.5で、5人に1人はそうだというのは、私どもから見ると、雇用は非常に安定しているのではないかと見てしまうということです。そこで、それを踏まえて22ページを見ると、「充実を希望する制度」で、3つまでの選択ですが、最も充実を希望するのは一時金・賞与、毎年賃金が上がる制度、正社員になれる制度となっています。正社員になりたいので、そういう制度をしっかりして、その率が低いのではないかという先ほど来、八野委員や新谷委員から御指摘をいただいているわけです。しかし調査では、充実を希望する制度ということで、そこが正社員になる制度が1位にならずに、賃金や一時金が出てくるという背景について教えていただけないか。
 それから、同じく23ページ目の9でも、「正社員の仕事につけなかった」と、左のページの第16図の「正社員になれる制度」との関係がよく理解ができないので、どういうふうなことかなと思っています。
 それから、ページを戻って12ページ目の「労働条件の説明状況」も、先ほどの点からすると、制度的には浸透してきていると見るのではないかと思いますが、「書面で説明を受けた」が多数を占めるけれども、[勤め始めたとき]に比べると、「特別な説明はなかった」となると、ここは課題があるのだろうなという指摘として理解します。
 それから、14ページの「残業手当の支払い状況」ですけれども、77.5%と不払いがあるけれども、大体支払われているというふうなものを足すと9割弱ぐらいと理解をするのか、御指摘のように、9.8と3.5と6.4を足して2割と見るのか。ただし、問題は、「不払い残業あり」が公務・直接雇用で際立っているのはどういう実態なのかということがかなり気になって、公務の在り方は、民間から見ると、率先垂範であると思うわけですけれども、全体で16.何%公務の方が御回答になっていることからすると、ここはかなり問題なのではないかと思うわけです。一義的にはこの審議会の問題ではないのかもしれませんけど。
 同じようなことは、25ページに「職業生活に対する不満や不安」ですが、ここも、公務の問題だけまず申し上げると、2段落目の「なかでも、公務・直接雇用や派遣社員では、3割前後が「解雇や雇い止めがある」を不満・不安を感じており、民間・直接雇用に比べると目立っている」と書いてありますので、是非、雇用の実態や数というようなことについての整理がこの審議会でも必要なのではないかと思います。
 もう一回戻って、16ページの「1年前に比べた賃金の変化」も、読みようによっては、民間は上げているが、公務は上げていないというふうにも読めてしまうので、ここも少し気になりました。
 それから、私どもで、いまいちよくわからないのは、18ページの「本人の賃金への評価」で、この数字はこれでよくわかるのですが、ダイレクトで比較ができるのかどうかは、労働組合側の調査があるのかどうかはよくわからないのですけれども、いわゆる正社員と比べて、「やや不十分である」とか、「かなり不十分である」というところは顕著に出てくるのかどうかというのがわからないのですけれども、だれでも賃金は高い方がいいような気がしますので、特徴的に有期、派遣のところで出てくるのかどうかというのを、もし資料があれば、是非教えていただきたいと思います。
 とりあえず、以上です。
○岩村会長 ありがとうございます。
 非常に多岐にわたった御質問ですけれども、できるところでお願いします。
○新谷委員 審議会の時間が2時間しかない中で、この問題ばかりやっている時間はなく、我々も発言をしたいと思いますので、簡潔にお答えをしておきたいと思います。
 まず、勤続年数が長いことがありますが、それは必ずしも雇用が安定しているとは言えないわけでありまして、2008年以降の状況を見ますと、派遣切りとともに、有期の方々で契約を打ち切られた方がたくさん出たわけであります。実態として、更新回数が長いことと雇用が安定しているのは別のことだと思っております。
 それと、書面での労働条件の明示なり契約の明示は、ポジティブに評価をすれば、告示などが意識されているという実態は確かにあると思います。
 あと、何点かいただきましたが、クロスをかければもっと明らかになるところもありますので、これは後日お答えをしたいと思っております。
 ということで、私どもも発言をしたいと思いますので、座長のお取り計らいをお願いしたいと思います。
○岩村会長 ちょっと待ってください。
 1点、ハローワークのところが出てくるのはどうかということがあったのですが、所管がちょっと違うので、どこまでということはありますけれども、どうですか。先ほどの連合の事例の中でも、輪島委員が御指摘になったのは、1ページで、ハローワークの紹介で清掃業務で働いているのにというようなそういうことが出てくるのは、ハローワークの役割としてはいかがなものかと、そういうことかとは思うのですけれども。
○審議官 まさに直接の所管外ではございますが、釈迦に説法になるのですけれども、職業安定法で、ハローワークが受理する求人は、合法性の原則がございますので、強行法規に違反している求人は当然受理できないというか、そういうのは変更を命ずることになってまいります。したがいまして、明白にそういうのに違反しているものについては受けないということになっております。
 それから、その需給が結合する実務の過程では、ハローワークに求人票が出ていて、そこに求職者が応募して、求人票どおりの内容で結合するケースもあれば、話し合いによって別の内容で結合するケースも当然ございます。ここで挙がっている内容については、求人票と比較してのものを論じているのはございます。これが契約が成立したときの労働条件明示書に書いてあるところとずれているのは、これは明らかに法違反だろうと思いますが、ここはさらに踏み込んだ実態を見ないと、なかなかストレートに評価は難しいかと思っております。
○岩村会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 事務局にもう一つ、現行の法令で、相談ダイヤルの事例で、救える事例と救えない事例が多分あります。先ほど御質問しました現行のパートタイム労働法、均等法、育介法、基準法も含めて、当然に救えるものが多々あるような気がするのですけれども、そこの整理を次回以降お願いしたいと思います。
○岩村会長 では、そこは事務局の方で受けとめていただければと思います。
 では、労側で。先ほどから、宮本委員がお手を挙げていらっしゃいますので、宮本委員どうぞ。
○宮本委員 時間の関係で、簡潔に事務局にお尋ねいたします。次回以降出していただければというお願いも含めて発言をしたいと思います。
 先ほどのロフトの件もありましたが、今日、紹介をされています5社、それぞれ業種は違いますけれども、企業規模で言えば大企業に属するところだと思っています。しからば、中小企業にもこういういい例といいますか、参考になる例があるのかないのかということです。今、国内は、中小企業庁の調査でも、1次産業を除けば、99.1%が中小企業、従業員数で言っても、約67%が中小企業で働く従業員となっています。私どもは、機械・金属産業労働組合(JAM)においても、今1,800社余りの企業別組合がありますが、そのうちの1,500が300人未満です。そういう中小企業では、この5社のように参考になるような改善事例が実はありません。中小企業においては、今は組織率1.1%と言われている中で、多くの未組織の職場で、先ほどから出されているような多くの相談事例がJAMにも届いております。我々も未組織の労働者から相談を受けていますが、例えば外国人労働者で就労ビザが切れているような人から、脅迫しながら日々雇い入れられて、非常に劣悪な労働条件で働かされているという相談や、雇止めされたというような相談も受けています。また、製造業などでは、派遣や日々雇い入れるものは、人件費でなくて外注費で計上されているというような状況は、我々の身の回りにも非常に多くあります。一方で、大企業では、今日紹介されたような事例もあるということで、できれば、中小企業でもこのような事例があったらいいなと思っています。是非、事務局で、そういう事例があれば、ご紹介いただければいいのではないかと思っています。
 もう一つ、発言のついでに、資料?X-(3)の「有期労働契約に関する主な裁判例」について、もう一つ補充・補強していただけないかと思います。例えば差別的な扱いに関する条項を定めたパートタイム労働法第8条がありますが、パートタイム労働法第8条を直接適用したような裁判例みたいなものがあれば、是非、御紹介をいただきたいと思います。
 2つ目に、処遇の均衡に関する裁判例ということで、「いすゞ自動車事件」が紹介されていますが、「均衡考慮の原則」を定めた労働契約法第3条2項を適用した裁判例が、この「いすゞ自動車事件」以外に、最近の例であるのかないのか教えていただければと思います。
 最後に、今回紹介されている裁判例のほかに、例えば正規で雇用された労働者が、一方的に有期雇用に変更されたような裁判例、労働契約法第8条を適用した裁判例などがあれば、是非、次回以降で結構ですので、お示しいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○岩村会長 では、事務局お願いします。
○調査官 雇用管理の中小企業の事例ですが、確かに、今回示したものは、ほとんど数千人、数万人の規模の従業員規模であり、1つ福神電機の六百何十何人という従業員数のものもありますが、網羅的に調査しているものでもございませんので、どこまでそういう事例が見つかるかわかりませんが、探してみます。
 裁判例についても、ちょっとにわかにはこの場ではわかりませんので、少し調べさせていただきます。
○岩村会長 審議官。
○審議官 ただいま、判例、実例等の事務局においての整理提供の御要請を受けたところでございます。ただいま、調査官からお答え申し上げましたとおり、可能な限りで努力をいたしたいと思いますが、その過程で、特に企業における実例等については、分科会長にも御相談の上、各側にもまた御相談をさせていただいて、もし、それぞれのところでお持ちの事例等ありましたら、御提供・御協力をお願い申し上げるということも考えたいと思っておりますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○岩村会長 それは、是非、お願いしたいと思います。
 それでは、工藤委員どうぞ。
○工藤委員 ありがとうございます。
 先ほど来、「多様な正社員」の話がございましたので、その辺のところを少し質問と意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、資料の149ページに有期契約労働者数の推計という資料がございますが、ここの上の方で、正社員の割合64.1%、労働契約期間の定めのない労働者13.6%等の数値がございます。この点との関係で、78ページの「多様な正社員」は、149ページの正社員の方に含まれるのか、それとも、労働契約期間の定めのない労働者の方に入るのでしょうか。いろいろあるとは思うのですが、この辺を教えていただきたいと思います。
 また、78ページのいわゆる「多様な正社員」ですが、これは、有期労働契約研究会の報告書とか、雇用政策研究会の報告書で触れられているものでございます。しかし、正社員、正規社員等々の定義もなかなか難しいような状況にありまして、この「多様な正社員」が限定されないままいろいろと議論が進められますと、正社員そのものが、勤務地も、職務も限定されないものであるかのような、逆に、固定化されることにつながってしまうのではないかというような懸念も感じるところであります。
 また、この「多様な正社員」という表現ですが、1990年代の後半から2000年代にかけて提唱されております「働き方の選択肢の拡大」とか、「雇用・就業形態の多様化」とか、そういうものと同様の発想の中の1つではないかと感じております。そもそも「多様な正社員」というこの言葉そのものには、少し違和感を感じるところであります。もう少し慎重に議論を進めていくことが必要ではないかと思います。
 以上です。
○岩村会長 では、事務局お願いします。
○調査官 まず、資料?Z-(5)の149ページの推計のことから御説明します。3種類の中、真ん中の労働者、期間の定めのない労働者で正社員でないなどについて、正社員との関係ですが、この調査においては、「貴事業所において、正社員・正職員とされている人」と説明して聞いていますので、その会社で「正社員」「正職員」と呼ばれていれば、正社員に入るし、そうでなくて無期ならば真ん中に入るということで答えてくださっているはずです。注がそのとおりあります。
 いわゆる「多様な正社員」については、2つ目の御議論にもかかわるのですが、まさに「いわゆる」としているとおり、決まったものがアプリオリにあるわけではございません。有期研報告書でも、「正社員」の定義を自ら置き、そういう従来型正社員でないものとして掲げていますが、つまり、相対的なものというか、つまり、そこの外延がどこであるかも、決まったものではないということなので、何を正社員、何を正社員でない多様なものとするかというのもまちまちなのではないかと思いますので、この調査におけるどっちに答えたかというのも、企業によってそれぞれかと思いますので、入っているでしょうが、すべてではないのではないかなと想像されるところでございます。
○岩村会長 よろしいでしょうか。
○工藤委員 はい。ありがとうございました。
○岩村会長 ほかはいかがでございましょうか。
 それでは、佐藤委員代理お願いします。
○佐藤氏(渡邊委員代理) ありがとうございます。渡邊委員の代理の日本商工会議所の佐藤と申します。3点申し上げたいと思います。主に資料1の関係です。
 資料1の1点目は、質問、事務局に御確認をお願いしたいことですが、2の「有期契約労働者の集団の規模」のところで、「無期の非正規」という言葉が1つ目の「●」に出てまいります。先ほど来お話に出ております資料?Z-(5)149ページで言えば、「労働契約期間の定めのない労働者」の方のことだと思いますが、主に、無期でパートで働く方たちが回答するということだと思うのですけれども、この方々は無期の契約でありますので、労働条件分科会での今回の議論の対象ではないと考えておりますが、その点について御確認をお願いしたいと思います。
 それから、次のページの4の「有期契約労働者に対する現状の認識」で、2点意見を申し上げたいと思います。
 はじめに⑴ですが、ここにあるのは、前回、前々回の議論での御意見ということで、こういった御意見が並んでいるということだと思いますが、例えば本日の資料で言えば、139ページ、有期で働く方がどういう理由で契約期間を定めて働いておられるかというところで、右から2番目に「正社員としての働き口がなかったから」という方が38.7%があるわけですが、一方で、左から2番目で、勤務時間、日数といった点で御自分の希望に合っているから、あるいは、その隣で、仕事の内容、責任の程度が御自分の希望に合っているからと、複数回答ですので、その点も考慮して考えなければいけないとは思いますが、正社員になりたくて、ただ、いろいろな御事情で有期で働いている方と、御本人の御希望で有期労働契約を選んでおられる方と両方いらっしゃることを、改めてここで確認をさせていただきたいと思います。
 最後、3点目ですが、4の⑵、次のページの一番最後のところですが、既に出た御意見の中で、「有期労働契約が安定雇用へのステップとしての役割を果たすとの表現は過大なのではないか」という御指摘があった点について、意見を申し上げたいと思います。
 私は、この点につきましては、現状で、有期労働契約という働き方が、正社員として働く、正社員採用の拡大という面で役割を果たしている側面があることをここで申し上げたいと思います。私どもは、商工会議所で事業として行っていることを、1つ例として申し上げたいのです。厚生労働省さんで運営されている「ジョブカード制度」の一環で、正社員としての御経験が少ない方を対象に、企業で職業訓練を行うという仕組みがありまして、私どもはその一翼を担わせていただいております。具体的には、職業訓練を行って、人材を育てて、確保しようとする企業を探しまして、そして、その訓練の計画づくりのお手伝いなどをさせていただくのですけれども、平成20年度から始めまして、今まで3,700社この職業訓練を既に終了した会社がございます。訓練を終えた方が約7.200人いらっしゃって、このうちの約5,500人(75%以上)の方が正社員として採用されたという実績がございます。
 今申し上げた訓練のほとんど9割超は、3か月~6か月間の職業訓練を受ける「有期実習型訓練」という形態、まさに有期労働契約により行われております。したがいまして、仕事を探しておられる方は、給料を受け取りながら仕事の内容とか職場環境を確かめながらその職業訓練を受ける。そして、正社員につながるメリットがある。それから、企業の方も、求職者の方のやる気とか、仕事に対する能力とか、そういったことを見ながら、職業訓練を受けていただける。ここで、今「企業」と申しましたが、今の制度を利用している企業の8割は中小企業で、訓練をしている企業の半数は、しかも、50人未満の企業であります。そういった意味で有期労働契約の形態をとって、正社員の道も開かれていると。あるいは、そういったことにも力を入れているということ、実績も上がっていることは、是非、皆さんにも知っていただきたいと思います。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでございましょうか。
 では、新谷委員どうぞ。
○新谷委員 今の佐藤委員代理の御発言で、御紹介いただいた内容は、まさしく我々も期待しているところでございます。入口は有期であっても、何年かすれば、それが正社員につながっていくという実績を是非積み重ねていただければ有り難いと思っております。
 それと、これも佐藤委員代理からの御発言で、149ページのアンケートについて言及されましたので、これに対して、我々の見方も御紹介をしておきたいと思います。150ページを見ると、このアンケート票に、「契約期間を定めて就業している理由」という設問があります。この設問への回答の選択肢として、契約期間に関するものは、最初の「契約期間が自分の希望に合っている」というものと、「正社員と比べて長く同じ会社に勤める必要がない」というものの2つしかないと見ております。
 つまり、何が言いたいかといいますと、自らの意思で有期労働契約を選ばれる方がおられるとアンケート結果で出てくるわけですが、それは必ずしも契約期間があることやその短さを選択した方ばかりではないのではないかということを申し上げたいわけです。つまり、今は、柔軟な勤務形態、150ページに書かれているような、希望する時間働くとか、自分の希望に合っているとかといった働き方は、いわゆる正社員ではなかなか実現できない。そういうものを選ぶとすれば、現状では有期契約しかないのではないかということを分析するべきではないでしょうか。このような分析をしたものがなく、これに近いのが、「契約期間が自分の希望に合っていると」いう回答文ではないかと思うのですけれども、結果を見ると、これを選好する方は非常に少ないと見えます。もう少し工夫が必要なのではないかと思います。
 もう一点は、工藤委員からも申し上げましたが、輪島委員から先ほどご意見のありました「多様な正社員」の考え方についてであります。有期研で、「正社員」の定義についてもう少し突っ込んだ論議をされるのかと思っていたのですけれども、今は「正社員」が、いわゆる期間の定めのない雇用で、長期勤続を前提とした処遇を受ける方と言われて、それ以上の定義らしいものがありません。そのようなところに、「多様な正社員」が出てきて、それは勤務地限定とか、職種限定だとされています。しかし、雇用政策研究会の報告書の80ページの下の方で、正規労働者の中から、そういった新たな、いわゆる期間の定めのない労働者群を切り出して、雇用のアウトソーシングの手段として利用され、不安定な雇用が増大されることのないようという懸念も明記されています。今後の論議の中では、我々としては、解雇規制の緩んだ新たな労働者群ができてしまわないかという懸念も表明しておきたいと思います。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございます。
 では、調査官どうぞ。
○調査官 先ほど、佐藤委員代理から事務局にという話がありましたので、1点お答えさせていただきます。
 1つ目の資料1の2にあります「無期の非正規」はこの審議の対象ではないのではないかという話については、有期労働契約という概念との関係では、確かに、非正規であっても、無期であれば該当しないと思いますが、この審議において、こういう類型の人たちをどう議論されるか、扱われるかについてまでは、事務局としてこの範囲ではない、あるいはあると言える立場ではございませんので、ここは御審議の中で判断されるものと思っております。
 以上です。
○岩村会長 有期か無期かというのは、その人の受けとめ方という可能性もありますので、一概にここの議論から外してしまうことにはできないかもしれないという気はいたします。
 ほかにいかがでございましょうか。
 それでは、どうぞ。
○伊丹委員 最初の総論について意見があります。今回の議論は、実態として、有期労働契約のいろいろな厳しい事例が多々あったというところが、非常に大きなインパクトになって、こういう議論がなされているのだと思うのですが、これからの日本の雇用の持ち方を、経済全体で考えていこうとすると、特に少子化の中で、多様な労働力をうまく使っていくことを、他の国以上に知恵を出してやっていかないといけないことは、これは労使同じ思いだと思うのですね。
 そういう意味で言うと、実態として、正規雇用の方々の処遇なり、雇用の安定性が高いというところから、非正規が本来のあるべき姿ではないという前提で議論がなされているわけですけれども、まず、そこのところは慎重に考えておく必要があって、いずれであっても、働くこと自体に優劣はないという認識で、有期労働契約であっても、豊かな人生につながるやり方があるんだということを見出していかないといけない。そこを見出すための議論をここでやっているんだと、そういう意識でやらないといけないのではないかと思います。
 そのもとで言うと、先ほどの議論は早まっていて、これは事務局にお願いしたいのですが、いろいろな好事例が、非正規から正規への事例だったり、準正規といいますか、「多様な正社員」ということでの好事例ということで紹介が議論されているのですが、有期を渡り歩きながら、例えば職業能力開発形成が、正社員になるための職業能力開発形成ではなくて、有期を通じながらできる事例とか、あるいは、処遇が向上するとか、そのもとでやりがいを感ずるだとかといったような事例がないのかといったようなことをもっと掘り下げていく必要があるのではないか。
 その中で、事例集の中ではどちらかというと労働人口の多い飲食店とか小売とかそういったところが挙げられていました。製造業もありましたが。例えば介護・福祉とか、もっともっと労働者が増えなければいけない分野の中で好事例はないのかというのを、もうちょっと見つけられないのかなという思いが1つです。
 あと、もう一つ、あっせん事例等でいろいろな問題を事実として共有させていただきましたが、必ずしも有期だけの個別紛争が起きているわけではなくて、正規社員においてもいろいろあるのだろうと思います。でも、経営の側にいて、申し上げにくいのですが、昔は、集団的な労使関係がもっと行われていて、あるいは、会社の中の労務管理も、いろいろな意味で集団的に行われていたのが、今は正社員も含めて、個々の立場が孤立するような立場に置かれて、それで個別紛争等がだんだん拡がっているような気がするわけです。
 何を言いたいかというと、有期労働契約は、有期労働契約の特性からいろいろ問題を引き起こしているのではなくて、集団的な、例えば誰かに相談したり、一緒に悩んだりするという立場性がないことによっていろいろ問題を起こしているのではないか。そういう意味では、調査の仕方として、1,700万人とか1,200万人とか言われていますけれども、これは労働組合の方にお願いしたいのですが、例えば労働組合に属しているとか、かかわっているという労働者が、有期と言われている1,700万とか1,200万の中に、推計で結構ですが、どの程度いるのか。そういったところからの苦情なり問題等について、組合に属している方とそうでない方で何が違うのかというようなところも調査の対象にしていいのではないか。それは一つの解決策として、どうやって働く側でいい意味での連携をしていただくかと、そこも非常に重要なので、そういった出口感も頭に置いて議論をしないといけないのではないかと思います。ちょっと時間がかかるかもしれません、データがないかもしれませんが、何かいい情報があれば教えていただきたいなと思います。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございます。
 1点目で、事務局の方で何かございますか。もう少し別の類型の好事例がないのかとか、あるいは、分野によって、例えば介護福祉の分野などはどうなのかとかということですね。
○伊丹委員 あくまでも有期契約だけの好事例をお願いします。
○調査官 ちょっと見つかるかわかりませんが、探してみます。
○岩村会長 先ほど、もう一つ組合側については、御要望ということだと思いますけれども。
 では、新谷委員どうぞ。
○新谷委員 伊丹委員から、非常にいい御提起をいただいたと思っております。私どもも全く同じふうに思っておりまして、有期労働契約の問題も、外部の紛争処理機関で解決する以前に、企業の中で集団的な労使関係の中で紛争解決することは、社会的なコストからも、健全な労使関係の形成からも望ましいと思っております。ただ、私どもの努力不足もあって、有期の方々など非正規労働者の組合加入率は必ずしも芳しくはありません。正確な数字は今手元にありませんが、必要があれば、また、情報を提出したいと思っております。ありがとうございました。
○岩村会長 では、三浦委員どうぞ。
○三浦委員 ありがとうございます。
 1点だけ考慮していただきたいのです。例えば139ページの調査結果の表にもあるのですけれども、特に小規模企業のところでは、例えば4人以下のところなどを見ていただくとわかるのですが、契約期間が自分の希望に合っていたからそこで働いているという人もかなり多くなっていると思います。有期の働き方が、必ずしも正社員ではないから不安定ということではなくて、企業の側、働く側がお互いの選択として、それがいいということが行われていることも是非考慮に入れておくことが必要だと思います。
 また、いろいろな好事例を集める場合にも、そういったお互いの希望が合っている部分があるんだというようなことも必要でしょうし、制度的に整っている形で、例えば正社員への登用が行われているという事例だけでなく、実態として、特に中小企業、小規模の場合だと、制度として確立していない中でも、有期のところから正社員で働いてもらうようにするということもあるわけで、そういったことも考慮をすることが必要ではないかと思います。
 それに関連して、もしできたらという希望ですが、今日、新谷さんからいただいた資料は、大変参考になると思っていますけれども、もし可能で、クロスする機会があるとすれば、規模別のところでも何か見れるようなものがあれば、有り難いなと思います。よろしくお願いします。
○岩村会長 それでは、八野委員。
○八野委員 ちょっと時間がないところですみません。
 先ほどから何回か話題になっている139ページの表についてですが、これからの日本を考えるときに、質の高い雇用をどうつくっていくのかということが重要です。大学や学校を卒業して就職をする時点で、正規か有期かを選ぶという中で行われてきた場合と、有期で働いていて、次のステップに踏もうとした場合では、労働者の選択の意味も異なります。先ほど15回の更新事例も出ていましたが、雇用が安定していると見るのか、短い契約を15回も更新しなくてはいけなかったというような場合もあります。有期から様々な教育を経て正社員へという人たちも増えてきており、そのような土壌は非常に重要だと思うのですが、では、なぜ現在のような問題が起きているのか。いい事例がやはりまだ少ないのが現実です。そういう中で、雇止めや中途での解雇などが労働相談ダイヤルなどに寄せられています。
 もう一点は、有期の場合の労働条件がどうであるかということです。例えば、連合の調査では、賞与・一時金を上げてほしいという声が多かったと思いますが、そもそも有期契約労働者について賞与・一時金の制度を持っている企業がどれだけあるのか。そういう観点からも見ていかなくてはいけないと思っています。いろいろな好事例を挙げていくことは重要だと思うのですが、今働いている有期契約の人たちに対して、雇用の安定というようなものを考えていかなければならないと思います。自分で家計を支えている有期契約の人もかなり増えてきていると僕は思っています。ですから、そういう意味での質の高い雇用も考えていかなくてはいけないなと思っています。一つのデータも、見方によってかなり違いがありますので、もう少しきちんと詰めていく必要があるのだろうなと思います。
○岩村会長 ありがとうございました。
 そろそろ時間も迫ってまいりまして、まだ、多分いろいろ御発言をされたいとは思いますけれども、今日の総論的な議論は大体このくらいまでにさせていただければと存じます。
 もし、御了解がいただければ、昨年10月の分科会でおおむね御理解をいただいているスケジュールに従いまして、次回から、項目ごとの検討に入らせていただきたいと考えております。そこで、事務局に、検討項目の案を作成していただきましたので、まず、それについて説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○調査官 資料?bTをごらんください。「各論の検討項目(案)」でございます。
 1番目が、「契約の締結及び終了に関する論点」でございまして、これを2月下旬から3月上旬ごろにかけての2回程度で行うのはどうかと思っております。1つ目が、契約終了論点の前提となる議論かと思いますが、有期契約の機能や実態、2つ目が、締結事由や更新回数・利用可能期間、これを一体で議論する。3つ目が雇止め法理について、4つ目が条件明示等の契約締結時の手続、5つ目が契約の終了(雇止め等)に関する課題、その他となっております。
 大きい2つ目が、「契約期間中の処遇や雇用管理等に関する論点」ということで、これは3月下旬から4月ごろにかけて2回程度行ってはどうかと考えております。均等・均衡待遇、正社員への転換の推進、その他が考えられます。
 3つ目が「その他」ということで、これを5月~6月ごろ2回程度を想定しておりまして、「1回の契約期間の上限等」、そのほかの事項を議論いただくのはどうかと思っております。
 その後、それまでの議論を踏まえました「中間的整理について」6~7月ごろ2回程度議論いただくというスケジュールはどうかと御提案を申し上げるものでございます。
 以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございました。
 今、事務局で、項目、検討(案)についての説明がありましたけれども、これについて、御意見・御質問がありましたら、お願いをいたします。
 では、佐藤委員代理お願いします。
○佐藤氏(渡邊委員代理) 1の⑵で、「有期労働契約の締結事由や更新回数利用可能期間」は、並べて一つの項目に入っているのですが、気になりましたのは、研究会報告のときには、これはそれぞれ別々の項目、それから、もう一つ、⑶に出ている「雇止め法理」と、3つが選択肢として提示されておりました。したがって、ここの書き方の問題だけということなのかもしれませんけれども、⑵に2つ挙がっている締結事由と更新回数・利用可能期間は、それぞれ個別に議論をしていくと考えておりましたので、項目としても分けた方がいいのではないかと思います。
○岩村会長 それでは、青山調査官お願いします。
○調査官 これを並べて書きましたのは、締結事由規制と、こういった回数・期間の上限規制については、お互いに影響し合う相互関係があり得るということもあるのかなと思っておりまして。例えば入口規制をやった場合に、上限規制の必要性はどうなのだろうか、相対的に低下し得るかもしれないという議論もあるかもしれませんので、同時に御議論いただいた方がより有益な議論はできるかなと考えたものでございます。有期研報告書においても、施策の各選択肢については、相互関係を見ながら、考えることも必要ということも論じられておりまして、そういうことも参考にこのような形で掲げております。
○岩村会長 よろしいでしょうか。多分、一つずつ分けることは可能なんですが、そうすると、1番目を議論しつつ、実は2番目も議論しているというようなことになろうかとも思いますので、これで御了承いただければと思います。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 この各論の項目と日程について御提起をいただいたのですが、1の内容は非常にボリュームがあると思います。それを2回でやるということをここで提起をいただき、今、分けてはどうかという御提起もいただいたわけですが、これはもう少し柔軟に、時間がなくて押せ押せということにならないように、十分に論議をしたいと思います。特に1については、十分な時間の配慮をお願いしたいと思っております。これが1点です。
 もう一点は、これは有期研の中で、学識経験者の先生方にいろいろな論点の整理をしていただいたわけですけれども、あれは有期と正社員という関係をどうするかということを中心にやっていただいたと思っております。しかし、以前からも御提起申し上げたように、有期契約から、さらに個人請負にという流れをどういうふうに見るのかという点があります。今回、資料にあった労働局の個別労働紛争の事案の中でも、21ページの?Dに、有期契約から請負契約への変更を通告されて、納得できないなら辞めてくれとされたという事例も紹介をいただいているところです。今後、有期労働契約の規制の在り方を検討する中で、請負契約に変更される可能性がありますその防止策を含めて、これは労働者性の問題でもありますが、これも論点としてどこかに是非入れていただきたいと思っております。
 以上です。
○岩村会長 まず、第1点の一番頭にある1番は、確かにおっしゃるように、大きな中身がいろいろ入っておりますので、そこは、今、御意見がありましたように、柔軟に、場合によっては回数を増やすというような形で、必要があれば対応させていただきたいと思います。
 それから、2番目の請負への流れについては、明示的に論点に挙げるかどうかということもあるのですが、いずれにしろ、最後のところで「その他」ということで用意をしておりますので、そのところで、また、改めて問題の提起をしていただいて、議論をすることが十分可能ではないかとは思いますが、よろしゅうございましょうか。
○新谷委員 はい。
○岩村会長 ほかにいかがでございましょうか。
 では、輪島委員どうぞ。
○輪島委員 先ほどのロフトの事例も含めて「多様な正社員」は、その「多様な正社員」いうワーディング自身も多分問題があると思うので、工藤委員がおっしゃるとおり、その点の整理も必要だとは思うのですが、それは2の⑵の位置づけなのかどうかの確認をしたいということでございます。
○岩村会長 事務局の心づもりはいかがでしょうか。
○調査官 今日出した、いわゆる「多様な正社員」の資料の部分がどの論点かというのは、あらかじめ自明のものは特にないかと思います。確かに、有期研報告書では、正社員転換推進のところにもその言及がありますが、総論的な課題のところでも、課題として挙げていますので、そこは皆さんの御議論の中で適宜そういう視点も参考にしながら御議論いただくのかなと思っております。
○岩村会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 恐らく総論は大分今やったのかなという気がして、そうなると、2のところでの取り上げ方を、ワーディングも含めて、大分誤解というか、違う考え方があるのではないかと思いますので、できれば、2の⑵で議論をさせていただきたいと思います。
 それから、新谷委員がおっしゃるように、2回程度で1が全部できるとはとても思えないので、柔軟に御対応をいただきたい。これは私どもからもリクエストをさせていただきたいと思います。
○岩村会長 最後の点については、承知いたしました。
 「多様な正社員」の問題は、処遇あるいは雇用管理の問題でありますので、主として、大きな2のところに入るということは確かだろうと思います。いずれにしろ、主として、大きな2のどこかで議論をするということになろうかとは思います。
 ほかにいかがでございましょうか。
 守島委員どうぞ。
○守島委員 先ほどの輪島委員の御意見ともちょっと関連するのですが、2の⑵は、基本的には、登用制度の話になるのだと思うのですね。今日のロフトのケースとか、その他のケースは、登用制度のケースとしてはあんまり適切ではないと思うのです。なぜかというと、非常によくやっているケースなので、好事例なんだけれども、逆に、一般化できるケースでは必ずしもない。そうなると、登用制度についての情報、実際にどの程度企業に入っていて、具体的にどう運用されていて、多分一番重要なのは、なぜ、それがもっともっと活用されないのかという、その理由の部分が明らかになるのがすごく重要だと思いますので、これから議論される3月下旬という話ですから、それまでに、登用制度に関する情報を、いろいろ研究はあると思いますので、もう少しいただけると有り難いなと思います。
 以上です。
○岩村会長 では、それは事務局の方で、また、調べて、御用意をいただければと思います。
○調査官 はい。
○岩村会長 ほかはいかがでございましょうか。
 よろしゅうございましょうか。
 それでは、今、いろいろ今後の進め方について御議論をいただいたところでありますけれども、それを踏まえつつ、次回以降、順次検討を進めていきたいと考えます。また、今日の質疑の中でも、いろいろ資料の提供等の御要望もありましたので、それについても、可能な限り、または、そのときどきの議題に応じて、事務局の方で資料を御用意いただきたいと思います。
 それでは、最後に、事務局から何かございますか。
○調査官 次回の労働条件分科会の日程につきましては、調整の上、委員の皆様にお知らせさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○岩村会長 次回については、そういうことでございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の分科会は、これで終了とさせていただきたいと思います。
 なお、議事録の署名でございますが、労働者代表については宮本委員に、それから、使用者代表については田中委員に、それぞれお願いをしたいと思います。
 今日は、お忙しい中を大変ありがとうございました。これで散会といたします。

(了)

労働条件政策課
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