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2011年3月2日 平成22年度化学物質のリスク評価検討会(第1回ばく露評価小検討会)

労働基準局安全衛生部

○日時

平成23年3月2日(水)15:55~17:07


○場所

経済産業省別館825号会議室


○議事

○寺島化学物質情報管理官 時間より5分ほど早いですが、皆様お集まりですので、始めたいと思います。
 本日は、皆様方お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから、化学物質のリスク評価検討会の第1回ばく露評価小検討会を開催いたします。
 今回は、平成22年度として初回の開催となりますので、初めに出席者の紹介をさせていただきます。資料1の2枚目に参集者名簿というものがございますので、そちらをご確認いただきながら、ご紹介させていただきます。
 黒いマルのついているところですが、まず、本日お休みでございますけれども、京都大学名誉教授の内山先生。それから、独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院産業中毒センター長の圓藤先生。次に、独立行政法人労働安全衛生総合研究所環境計測管理研究グループ主任研究員の小嶋純先生、次に、早稲田大学理工学術院教授、名古屋先生です。 そして、独立行政法人産業技術総合研究所客員研究員の花井先生です。
○花井委員 あと、日本化学工業協会の非常勤の嘱託という肩書きであります。そちらの方がもしかしたらいいかもしれないです。
○寺島化学物質情報管理官 続きまして、帝京平成大学地域医療学部教授の原先生です。よろしくお願いいたします。
 続いて、事務局側もご紹介させていただきます。本日は欠席しておりますけれども、化学物質対策課長の半田、それから化学物質評価室長の松井でございます。化学物質対策課の調査官、?蜷?でございます。そして、化学物質評価室長補佐の長山でございます。
 それから、オブザーバーとして参加していただきました中央労働災害防止協会化学物質管理支援センターの課長補佐、棗田様。同じく、細田様。
 そして、最後になりますが、化学物質評価室でリスク評価を担当しております寺島です。引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、初回でございますので、座長の選出をさせていただきたいと思います。改めて、どなたか座長のご推薦、ございますでしょうか。
 特にないようでしたらば、事務局としては名古屋先生にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○寺島化学物質情報管理官 それでは名古屋先生に、座長をお願いすることといたしたいと思います。
○名古屋座長 皆様のご指名によりまして、委員長になりました。引き続きということだと思います。リスク評価の物質を選定し、かつそれを行政のことに反映していくという大変な役割を果たす委員会だと思いますので、ぜひ皆さんの協力をいただきまして、より意義のある会になるよう努めますので、御協力よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 よろしくお願いいたします。
 では、以下の議事進行は、名古屋先生にお願いしたいと思います。
○名古屋座長 それでは議事に入る前に、議事録の確認と資料の確認を、事務局から、すみませんがよろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 では、まず議事次第の方を先に確認をさせていただきます。資料の座席表の次に、議事次第がついております。本日は、議事を三つ予定しておりまして、議事の1、リスク評価の進捗についてと議事の2、測定分析法についてが公開となっております。3のばく露評価について、これは企業の個別の情報を取り扱いますため、非公開とさせていただきますので、ご了承ください。
 次に、資料の確認をさせていただきます。1枚めくりまして、配付資料一覧というところをごらんいただければと思います。資料1、化学物質のリスク評価検討会の開催要綱と参集者名簿、資料2としまして、リスク評価の進捗状況、1枚の紙でございます。資料3としまして、これも有害性評価の評価値ということで、1枚の資料。それから資料4は、ばく露実態調査対象物質の測定分析法(案)でございますが、1枚の表紙の次に、クメンの検討結果というのがついておりますが、これは前のバージョンでして、机上に「差しかえ」が配付されていると思いますので、そちらを差しかえていただいて、挟まっている方は廃棄処分をいただければと思います。それから資料5については、机上配付のみとなっておりますけれども、カテコールとナフタレンについて。それから、資料6が今後の予定の1枚の紙でございます。
 そのほか、参考資料としまして、参考1ばく露評価ガイドライン、参考2-1として、カテコールの測定手法検討結果報告書、参考2-2として、ナフタレンの標準測定分析法、参考3、書いてございませんけれども、パンフレットとして有害物質ばく露作業報告の書き方をおつけしております。以上です。
○名古屋座長 よろしいでしょうか。
(なし)
○名古屋座長 そうしましたら、進めていきたいと思います。
 それでは、検討会の開催要綱ということでございまして、体制・その他につきまして、資料1を使って、事務局説明よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 資料1をご覧いただければと思います。化学物質のリスク評価検討会開催要綱となっています。今回は、ご承知のように1回目ということで、このリスク評価検討会は、一応毎年度、毎年度、物質を改めまして検討をいただいて、報告書にまとめた時点で終了ということになっておりますことから、今回も第1回目ということで仕切り直し、別の検討会として改めて開催するということになります。
まず1の趣旨・目的のところでございますけれども、少し読み飛ばしていきますけれども、リスク評価につきましては、基本的には事業者が自らの責務として行うべきところではありますけれども、中小企業においては自律的にできるというのが必ずしも十分ではないことから、平成18年から国がそのリスク評価というのを行ってきているところでございます。このリスク評価を適切に行うために、学識経験者からなる検討会を開催しまして、有害性の評価、ばく露作業報告を活用したばく露レベルの評価といったところから、労働者の健康障害防止に係るリスクの評価を行うこととするというのが目的でございます。
検討事項は有害性の評価とばく露評価、リスクの判定ということでございますけれども、3の構成のところにありますように、従来と同様に別紙1の参集者により構成ということとしておりまして、その下に有害性評価に係る小検討会と、ばく露評価に係る小検討会の二つを置くということとしております。(2)にありますように、座長を置くこと。(3)にありますように必要に応じて別紙参集者以外の方の参集を依頼できるものとすること。それから関係者からヒアリングを行うことができることとするということとしております。
その他としまして、(1)のところに個別事案を取り扱うときは、非公開。それから22年度報告をまとめた時点で終了ということが記載されておりまして、従来と同様でございます。
次のページの参集者の皆様方の部分につきましても、昨年と基本的に同様ということでございます。
資料1についてのご説明は、以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。そうしましたら本日の議題に入りたいと思います。
 資料2を使いまして、22年度のリスク評価の進捗状況ということで、よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 資料2のポンチ絵をごらんいただければと思いますけれども、22年度のリスク評価の進捗状況、今年度の予定につきまして、ご説明したいと思います。
 まず一番左側にある平成20年1月・3月報告の44物質というところですけれども、まず、20年度に初期評価を20物質行っておりまして終了しております。それから同年に報告なしというところで20物質、再告示になっておるものがございまして、残り4物質ということですが、そのうちの1物質は、21年度のところに初期評価の線が引いてありますように、昨年度初期評価を行いまして、今年度1、2-ジブロモエタンというところにつながっております。破線で囲んであるところの詳細リスク評価のところに丸1の1、2-ジブロモエタンとありますが、ここのところが20年の報告から来ているものでございます。次に20年のうち、残り4物質のうちの一つの部分ですけれども、初期リスク評価の方からご説明しますと、初期リスク評価の破線部の丸1のところにありますオルトニトロアニソール、これはばく露の調査が行えていなかったものですけれども、今年度初期リスク評価に着手することができましたので、これを評価予定としております。
 それから22年度の真ん中あたりにありますフェニルヒドラジンはばく露調査が未了となっていますが、これについては測定法が検討中でありましたため、今年度はばく露実態調査とせず、来年度以降初期リスク評価予定としております。それから、その下にあります4-クロロ-2-メチルアニリン及びその塩酸塩という物質ですけれども、これは平成20年に報告をいただいてから、事業場の方に、1事業場のみでしたが、測定を依頼しておりましたけれども、なかなかそのタイミングが合わず、今年度については「もう取り扱いがない」という回答をいただいておりますので、この物質については今年度で終了といたしたいというふうに考えております。平成20年の44物質の進捗は以上です。
 次に、平成21年1月・3月報告の20物質の部分ですけれども、昨年初期評価を行いましたインジウム、エチルベンゼン等の物質については、詳細リスク評価が必要ということで、今年度詳細リスク評価の対象としております。それが詳細リスクの方にある2番から5番までの4物質、インジウム、エチルベンゼン、コバルト、酢酸ビニルと、この四つの物質になっております。この物質についてもばく露実態調査を行っておりまして、今年度詳細リスク評価の予定です。
 それから、平成21年度の報告20物質のうち、再告示の3物質を除きました11物質が残るわけですが、そのうちの9物質が、初期リスク評価の破線部のところの丸2から丸10のところに入ってきている物質です。これらについては事業場の選定を行いまして、初期リスク評価の対象としてばく露調査を行っております。
ここで追加の説明がございます。今回平成21年1月~3月報告の20物質の2番から10番まで、カテコールから4-ビニル-1-シクロヘキセンまでの物質については、今回初期リスク評価に着手するということで、基本的にばく露ガイドラインに従って事業場の選定、及びばく露の調査を行うっているところですが、書面を用いた一次調査については、これらの物質の有害物ばく露作業報告が出てきているのが平成21年1月~3月ということで、新しいガイドラインの前だったものですから、基本的には一次調査を行わず、従来の手法でコントロールバンディングによりまして事業場を選定して、それからばく露実態調査に入っております。ばく露ガイドラインに厳密に沿った形での書面での一次調査をまず行ってから実態調査に入るというやり方は、ことしの1月から3月に報告があった分から行う予定としております。
 最後に、一番下にありますばく露が未了となっている2物質についてですけれども、アンチモン及びその化合物については、現在測定法の確認中でございまして、来年初期リスク評価の予定。それからキシリジンについては、一部測定を行ったんでのすけれども、測定数が少なく事業場数が1事業場のみでありましたので、翌年にほかのものとあわせてばく露評価をいただこうというふうに考えております。
 ということで、総合しますと、今年度詳細リスク、初期リスクを予定しておりますのは、この破線に掲げておりますように、詳細リスク評価は丸1~丸5番の5物質。初期リスク評価については丸1~丸10番の10物質、合計15物質についてばく露評価、そしてリスク評価を予定しているところでございます。
 以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。何か質問等ありますでしょうか。
○花井委員 聞き逃したのかもしれないんですが、表の中に書いてある調査数というのは、これはどういう意味でしょうか。
○寺島化学物質情報管理官 すみません。これは説明しておりませんでしたけれども、ばく露実態調査を行った事業場の数でございまして、上の詳細リスク評価の横にあります表でいいますと、「初期+詳細調査」というのは、初期ばく露評価を行った事業場の数に、詳細リスク評価としてばく露実態調査を行った事業場の数が書いてございまして、/の後に有害物ばく露作業報告のあった事業場の数となっています。
 ですので、例えば丸3のエチルベンゼンでいいますと、初期のばく露実態調査で14の事業場を調査しました。今年度は二つ追加で調査をしております。その後にあります9849というのは、有害物ばく露作業報告のあった事業場の数ということになります。
○名古屋座長 3個あるやつは、3年連続ということ。コバルトだけは。
○寺島化学物質情報管理官 コバルトはあわせて書いてしまったんですけれども、コバルトは塩化コバルトと硫酸コバルトが先行してやっておりましたので、それとあわせて記載しました。
○名古屋座長 ありがとうございます。
○花井委員 これは平成20年1月からと、21年と、44物質、20物質というのは大体わかったんですが、その前にもあるんですよね、何物質か。
○寺島化学物質情報管理官 はい。
○花井委員 それで、こういう今厚生労働省でやっているリスク評価が大体こういうことをやっていて、今までこんな実績があるというのをちょっと話したいこともあるんですけれども、そのときのために、今までどのぐらい着手して、それでどのぐらいばく露評価が出て、初期評価が終わって、何だかんだという、その一覧表みたいな、今回の年度末ぐらいでいいんですけど、そういうのをつくっていただくと非常にありがたいんですけども。
○寺島化学物質情報管理官 わかりました。
○花井委員 今それをやろうとすると、みんな毎年の報告をやってみないとわからないんで。
○名古屋座長 1月に開催されたリスコミで使用したパワーポイントがそのまま活用できるのではないでしょうか。
○寺島化学物質情報管理官 はい。
○名古屋座長 あの時のパワーポイントをホームページに出すのでしょうから、多分、それを見られるのが一番わかりやすいと思います。
○寺島化学物質情報管理官 ええ、そういうものもございますし、またちょっと考えて、一覧表などとします。
○花井委員 やっぱり厚生労働省のウエブに、どこか一つ毎年度の。
○名古屋座長 成果ですからね。
○花井委員 挙げてほしいんですけど。お願いします。
○名古屋座長 検討物質を全部一覧で見られるといいことですね。
○花井委員 はい。
○長山補佐 一時期、報告時期を変えましたので、空いているところはありますけれども。平成18年、19年の頃は、まだ初期と詳細に分かれていないので、1年でやっていますので、大体それはもう終わって。
○花井委員 状況が変化しているのはわかるんですけど、要するに今までどのぐらいやって、どのぐらいの実績があるのかという、その辺が大体わかるといいです。
○名古屋座長 わかりました。
○花井委員 お願いします。
○名古屋座長 ではよろしくお願いします。後はよろしいですか。これ棗田さんに聞くのかな、フェニルヒドラジンの測定法の検討って、これは分析方法の検討ですか。
○棗田中災防課長補佐 両方です。測定と分析の両方でちょっと不安定な部分がありまして、うまくとれていないという形で、今年インピンジャーで一応ある程度結果が出たんですけれども、本当にうちの一つのところで検討しただけなので、追加でほかのセンターで同じ結果が出れば使えるんじゃないかということになると思うんですけど、ただインピンジャーで個人ばく露がちょっと低いんで、そこは要検討かもしれないです。
○名古屋座長 そうでしょうね。流量もっと早いのかもしれません。
○棗田中災防課長補佐 そうですね。
○名古屋座長 わかりました。でも何となくめどは立ちそうなんですね。
○棗田中災防課長補佐 そうですね。
○名古屋座長 あとよろしいですか。
(なし)
○名古屋座長 そうしましたら、こういう形で進めていただければありがたいと思います。ありがとうございました。
 資料3はいいんですね。これは説明されますか、よろしいですか。
○寺島化学物質情報管理官 簡単に説明をします。資料3をごらんいただければと思います。
 2月22日に有害性評価の方も第1回検討会をが開催されておりまして、その中で初期評価の方の物質についての有害性評価値、二次評価値というのを検討いただいておりますところですけれども、それをまとめたものとなっています。
この数字をもとに、ばく露評価の比較をしていただくわけですけれども、詳細評価の方にあります1、2,-ジブロモエタンと、インジウムのところは太枠になっております。これは一番下にありますように、太枠は再検討予定ということで、ジブロモエタンは一応三つほど数字がある中で、暫定的にとったというところ。またインジウムについては、新しくがん原性の試験が出ておりますし、技術値指針もまとめたところですので、それを反映させたものということで、有害性評価の方は再検討予定ということで、これは未確定でございます。
 それから、初期評価対象物質の中の3番の酸化チタンのところ、網掛けになっておりますけれども、これは一応ACGIHの値を入れておりますけれども、有害性評価未了となっておりまして、ナノ物質を入れるかどうかとか、有害性のIARCのモノグラフをどう評価するかとか、そういったところをまた再度検討いただくということになっております。
 以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。これは大前先生の方でやっていただいているところでありますけれども、ありがとうございます。
 そうしましたら、きょうの第2の議題ということでございまして、ばく露実態調査対象物質の分析方法ということにつきまして、また事務局から資料4に従いまして、説明よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 測定法の方は、中災防の棗田さんの方から説明をいただくとして、きょうは一つ、クメンだけ挙げております。
 この下にありますアミノエタノールからの物質については、次回以降にこの検討会にお諮りしたいというふうに思っています。
○棗田中災防課長補佐 資料4をごらんください。クメンなんですけれども、この後最初のページをめくっていただきまして、3ページ目から報告書になっているわけですけれども、目的はちょっと別の問題としまして、物性としては、沸点が152度から153度ぐらいで、融点はマイナス96.9度ということで、基本的には揮発性のある液状の物質という形になります。文献としては一応NIOSHのメソッド、OSHAのメソッド、川崎市のメソッドと、三つぐらいありまして、それぞれどれでもできるかどうかということを検討しています。
 4ページ目にいっていただきまして、実際に捕集管としては、活性炭チューブと活性炭固相カートリッジ、パッシブサンプラー、どれでもできるのかということで一応検討をしています。測定の分析の方は、GC/FIDと、GC/MSの両方で、どちらでもある程度の濃度まではいけるんじゃないかということで、どれぐらい感度が違うかということで検討をしております。
6ページ目にいっていただきますと、クロマトのは普通に出ているのは見ていただければおわかりだと思うんですけれども、7ページ目の検量線。目的の濃度としてはACGIHのTLV50ppmの1000分の1から2倍ぐらいのところですか、そこの0.05ppmぐらいから100ppmぐらいまでは、はかれるようにということで、検量線をつくっておりまして、左側がFID、右側がMSということで、どちらも非常に直線性はいいかなと。ただ濃度がどうしても感度の問題もあるんでしょうけども、FIDの方が少し直線性はいいんですけど、9が三つそろっているので、そんなに大きな問題はないんじゃないかと思います。
 次に、検出下限と定量下限ですけれども、8ページに進んでいただきまして、表4がFIDの検出下限と定量下限、表の方がMSになります。気中濃度のところの換算で見ていただくとわかるんですけれども、LODで0.036、実際のところLOQを使う形になりますけれども、0.12ppmということで、基本的に目標濃度のところで見れば十分かな。MSにしますと0.018と約1けた下がるという形です。ですから、MSにしている割にはそんなに感度が抜群に上がるというわけではなくて、逆にFIDで十分感度が実はとれているという形になります。ただ目標値の0.05からと考えると、MSを使わないとちょっと厳しいかなという形になっています。
 その次に、今度実際のサンプラーの方の回収率になりまして、それが9ページの方です。これFIDとMSで基本そんなに変わるわけはないんですけれども、活性炭チューブでも固相カートリッジでもパッシブでも、基本的には90%以上。SDを見ていただいてもちょっと6%ぐらいになっているところはありますけれども、私どもの基準の中で10%未満というふうに決めていますので、それは十分クリアできているぐらい、安定性のあるものだと思います。
 今回のこのクメンの場合は、一応ガスでももう一回、上の表は標準添加法だったんですけれども、回収率、ガスを発生してやっていますけれども、ガスでやっても90.6%という形で基本的には大丈夫と。さらにガスですので2層目の破過も見ていますけれども、それも基本的にはゼロという形で2層目からも検出されない。これは非常にどの手法を使ってもいけるんではないかと思います。
 最後の保存安定性なんですけれども、こちらの方も1日、3日、7日間ということで、実際に添加した後室内空気を吸って、その後保存するわけですけれども、それの回収率を見ても、基本的に7日でも十分減ることがなく安定ということで、取ってから1週間以内の分析であれば十分であるという形になるかと思います。
 最後のまとめなんですけれども、GC/FID法でもMS法でも、検量線は0.05~100ppmの間で基本的に直線性がある。0.05ppm及び0.5ppm、どちらでも採気量的に個人サンプラーの方法でやっても、1リッターというのは結局作業環境測定の10分に合わせているわけですけれども、それの方法でやってもどちらでもこの場合はうまくいくのではないかと思います。
 12ページ以降に各活性炭チューブ、固相カートリッジという形で、さらにパッシブサンプラーですか、そういうような形で全部まとめてあります。こういうような形のところで一応検討をしたという、かなり簡単ですけれども、そんなような形で検討して、まとめているという形になります。
 以上でよろしいでしょうか。
○名古屋座長 何かありますでしょうか。よろしいですか。
○圓藤委員 個人的に測定する場合に、どれを使うという……。
○棗田中災防課長補佐 そうですね。恐らく作業環境測定に関して言うと、パッシブが非常にポンプもなく、作業者に対する負担が少ないので、この条件であれば普通のパッシブを使って、ちょっと活性炭チューブの方が、普通の作業環境測定に関してはセブパックより安いので、コスト的に言えば活性炭チューブでいいんじゃないかなと思っているんですけども、この辺は我々の方でもまだ明確には決めていないんですけれども、大きくどちらという形ではないと。ただ個人サンプラーはパッシブでいくということです。
○名古屋座長 これは二硫化炭素で脱着するからいいのですけど、例えばこの後管理濃度等検討会でもそうだったんですが、これから活性炭チューブの活性炭は粒状活性炭を使うことになりました。要するにヤシガラ活性炭の再現性が良くないことがわかったからです。そうすると、もっと再現性はよくなり、性能的には変わらないのではないかなと思います。これはメーカーさんが売るときに決める事だったと思いますけど、できたら活性炭もこれからちょっと準備していただけるとありがたいかなというふうに思いました。
○棗田中災防課長補佐 活性炭の種類ですね。
○名古屋座長 ええ。ただ加熱脱着法でない二硫化炭素の様な溶媒脱着法だと比較的活性炭にそんなに個体差は出てこないのですが、流量だと比較的どの活性炭でもいいので、3回ぐらい繰り返してもいいかなと思います。
○棗田中災防課長補佐 わかりました。
○名古屋座長 そういうのがありましたので、すみません、よろしくお願いいたします。パッシブだとそれが全然問題ないと思いますけど。でも比較的やりやすい分析かなと思います。何かお気づきの点ありますか、大丈夫ですか。
○花井委員 ちょっと教えてほしいんですけども、これがこの対象物質として選ばれたというのは、最初の目的のところに書いてある、動物実験において発がん性を示唆する報告があるとか、そんなところから上がってきているものなんですか。
○名古屋座長 この委員会の上の化学物質のリスク評価に係る企画検討会のところで論議して、化学物質を選定しています。そこはちょっと覚えていないです。
○花井委員 ぱっと見ると余り目的がないんじゃないかなという気がするんですけども。
○圓藤委員 クメンってすごい使われているからじゃないですか。
○花井委員 多いからですか。
○圓藤委員 量としては多い。だから一度洗ってみたみたいな感じじゃないですか。
○名古屋座長 最初要するに発がんを扱った例も2Aとか2Bまでいって、それから今は生殖毒性に移ってきているんです。その中で全部洗う中での一つのサンプルなんだと思います。2Bでしょう。
○圓藤委員 2Bですか。
○名古屋座長 2BとEUの
○棗田中災防課長補佐 EUが2ですかね。
○圓藤委員 EUが2ですか。
○名古屋座長 それからバイオで少し出たというのが、最近新しいものがあります。
○長山化学物質評価室長補佐 18年から21年に取られた物質は、IARCの1の方から始めていって、2Bに行きますので、大体どこかに。もしくはEUで2になるとか、そのあたりで選んでいます。(注:後に事務局で確認したところ、「クメン」は平成22年報告物質であり、発がん性(IARC、EU)による選定ではなく、「神経毒性」による選定であった。)
○名古屋座長 そうですね。それが終わるとどういうふうに広げようかというのは、これから検討するんだと思います。ことし1年は生殖毒性。
○長山化学物質評価室長補佐 はい。
○名古屋座長 ではよろしいでしょうか。
(はい)
○名古屋座長 ありがとうございました。
(議題3 非公開)
○名古屋座長 最後に資料6について事務局、よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 資料6、今後の予定ですけれども、日程調整させていただきましたように、次回は3月18日金曜日2時から、このフロアの別の会議室ですが、予定しております。
○名古屋座長 よろしくお願いします。では以上、本日のばく露評価検討委員会、閉会します。どうもありがとうございました。


(了)

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