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2011年1月25日 平成22年度化学物質のリスク評価に係る企画検討会

○日時

平成23年1月25日(火)14:00~


○場所

経済産業省別館8階 共用825会議室


○議事

○長山化学物質評価室長補佐 それでは、本日はお忙しい中ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻より少し前ですが、皆様お集まりになっておりますので、ただいまより「第2回化学物質のリスク評価に係わる企画検討会」を開催いたします。小泉委員からは本日ご欠席ということでご連絡いただいております。
 まず、前回の第1回目より委員の変更がありましたのでご紹介します。金田委員の後任として、連合総合労働局雇用法制対策局部長の藤冨委員です。また、事務局においても異動がありました。化学物質評価室長、前島田室長の後任として、松井室長です。
 それでは、以降の議事進行は櫻井座長にお願いします。
○櫻井座長 それでは、議事進行を務めますので、よろしくお願いいたします。今日はリスク評価企画検討会の第2回ですが、議題としては「がん原性試験対象物質の選定について」等5つを予定しております。最初に、事務局から今日の議事予定と資料の確認をお願いします。
○長山化学物質評価室長補佐 お手元に、A4のクリップ止めのものと、机上配付のみですが、A3の資料のセット、委員の変更がありましたので、委員の名簿を付けております。クリップ止めした資料ですが、座席表、その次に議事次第が付いております。議事としては、本日5つ用意しております。議事次第の裏面に、本日の配付資料一覧が付いております。資料1として、「がん原性試験に係るフィージビリティテスト対象物質の選定における専門家からの意見聴取(エキスパート・ジャッジメント)の結果等」です。資料2ですが、「今年度(平成22年度)のリスクコミュニケーションの開催結果及び予定」です。資料3として、「平成21年度リスク評価の結果及びその対応について」です。資料4として、「インジウムに係る健康障害防止措置について」です。資料5として、「今後の検討予定」です。
 参考資料ですが、参考1として「国が実施するがん原性試験について」です。昨年1月7日の企画検討会第3回の資料を用いております。参考2として「がん原性試験対象物質の選定の考え方」です。去年の1月21日の第4回の資料です。参考3として「がん原性試験対象物質の選定に係る今後の方針について」です。去年7月に行われた第1回の資料となっております。また、別綴じで机上配付のみとしました「がん原性試験対象物質に係るデータ集計表」です。議事次第と資料については以上です。
○櫻井座長 お手元にお揃いでしょうか。大丈夫のようですので、今日の議事に入ります。議題1「がん原性試験(フィージビリティテスト)対象物質の選定について」ですが、事務局から説明をお願いします。
○須藤査察官 参考1~3をご覧ください。参考1ですが、こちらは「国が実施するがん原性試験について」ということで、今回のそもそもの目的等について簡単に触れさせていただきます。冒頭を読み上げます。「国が実施するがん原性試験は、労働安全衛生法第57条の5に基づき、化学物質による労働者の健康障害防止のための国の援助等として実施されている。当該試験の結果、対象化学物質が『がんを労働者に生ずるおそれがあるもの』であると判断される場合は、厚生労働大臣が当該化学物質を製造し、又は取り扱う事業者が当該化学物質による労働者の健康障害を防止するための指針を公表することとなっている」。こちらの根拠条文としては、労働安全衛生法第28条第3項になります。
 このとりあえずのゴールとしては、がんによる労働者の健康障害を防止するための指針を作成するための手段として、がん原性試験を行うということですが、がん原性試験の実施に係るスキームとしては、まず毎年度2物質程度を対象にして、がん原性試験そのものが実施できるかどうかというフィージビリティテストを実施することにしております。このフィージビリティテストの結果を踏まえて、1物質はできないかもしれない、場合によっては2物質ともできるかもしれないというところですが、試験が可能となった物質の中から1物質について吸入試験に着手しているという状況です。
 この試験に関しては、ラットとマウスの2種類の動物を用いた動物実験になりますが、試験対象物質の容量を決定するための2週間試験と13週間試験を実施した上で103週間のがん原性試験、2年間の本試験を実施しております。実際に試験そのものに着手してから結果の公表までには、5年程度を要する形になっております。
 次の頁の(別紙1)をご覧ください。がん原性試験ということで、昨年出した資料をベースにしておりますので、年度としては若干ずれてきますが、本年度に関しても同じスキームになります。フィージビリティテストの物質を選定し、フィージビリティテストそのものを実施、その後試験対象物質、実際に本試験に移行していくものを選定する形になります。先ほどの繰り返しになりますが、2週間試験、13週間試験を実施し、ある程度容量を設定してから、最終的にがん原性試験を2年間ほどかけて行い、さらに標本作成、中身のチェックということで、5年間程度かけて結果を出していく形になります。
 次の頁の(別紙2)ですが、ここに示しているものがこれまでにがん原性試験を行ってきた物質です。
 参考2をご覧ください。「がん原性試験対象物質の選定の考え方」です。このがん原性試験の対象物質については、100物質でも1万物質でもしらみつぶしに調べていければいちばん確実なのですが、いまご説明したように、1つの物質について結果を出すまでに5年以上かかってしまうこともあって、時間的にもコスト的にも相当なものを要するという状況です。そうなりますと、どうしても絞込みを行っていき、いくつか本当に重要性の高いものについてがん原性試験を実施していく必要が出てきます。
 そちらの選定の考え方をお示ししたのが参考2です。がん原性試験対象物質の選定の考え方としては、基本的にこちらにお示しする(1)(2)のいずれかに該当するものを選定することとしております。
 (1)として、労働安全衛生法第57条の3に基づき新規化学物質の届出を事業者にお願いしているところですが、こちらの有害性の調査結果として提出された変異原性試験、具体的には「微生物を用いる変異原性試験」、いわゆるエームス試験と呼ばれるものですが、その結果等で強度の変異原性が認められた物質としております。
 ただ、混合物などで微生物を用いる変異原性試験が実施されている場合には、変異原性を有する物質が実際にはどれなのかがわからないという面もありますので、有害性に関する情報などから変異原性物質が特定される場合において試験候補物質に選んでいく形になります。
 変異原性を有するとされた物質が重合物又は共重合物、いわゆるポリマーである場合には、直ちにこの物質を試験候補物質とせずに、有害性に関する情報等から構成モノマー、すなわち重合体を作るための単量体が、変異原性物質として特定される場合に当該物質を試験候補物質とすることとしております。
 (2)ですが、こちらは(1)以外の物質のうち、GHS(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)の中で、発がん性の分類が「区分外」となっているような物質のうち、国際機関等での発がん性のランクづけにおいて、以下のように分類されている物質となります。もちろん、発がん性がわかっていない物質は世の中に数万物質あるわけですが、こちらはIARC、EPAなどでリストアップされている物質、ある程度注目されている物質のうち、発がん性がはっきりしないものを選ぶこととしております。
 裏面の2をご覧ください。先ほど申し上げた1で試験候補物質として選定された物質については、次の点を考慮して優先試験物質リストを作成していくということになっています。リスクの大きさに基づいて優先的に試験する物質を考慮していくことになります。具体的には例に示すようなもので、製造量、輸入量等から見て、産業的な利用がなされているもの。もし、仮にある程度危ない物質があったとしても、それそのものが非常に使用量が少ないということであれば、むしろ、より多くの方々が利用しているもの、より多くの労働者が触れる機会の多いものを選定していくことになります。同じような考えで、製造し又は取り扱う事業場が多い物質、国内における製造又は取扱いにおいてばく露しやすいと考えられる物質といったものについても見ていくことにしております。
 ただし、国によるリスク評価又は、リスク評価対象物質を選定する段階において、がん原性試験の実施が必要ではないだろうかというご意見を頂戴した物質については、優先的に試験対象としていくという形にします。
 3ですが、1、2を経た上で優先度の高いものを選び出していき、次年度の試験対象物質としていきたいということです。発がん性のおそれのある物質を選定する観点から、どうしても絞込みが必要になってきます。その段階で、この分野に関して専門的知見を有する方々の意見(エキスパート・ジャッジメント)をいただくとともに、順番としては前後するときもありますが、構造活性相関の解析の結果を考慮の対象としていただくことにしております。なお、爆発性、発火性、可燃性の強いもの、あるいは空気や水との反応性が高く不安定なものに関しては、がん原性試験そのものの実施が困難を伴う可能性もありますので、やむを得ず除外することがあり得るとしております。
 参考3をご覧ください。「がん原性試験対象物質の選定に係る今後の方針について」です。参考1、参考2に沿って選定の基準等をお示ししましたが、実際にいま現在どのような状況にあるかをご説明します。試験候補物質の選定としては、現在、机上配付資料の参考4で309物質ほど挙げております。そちらに関しては、当初、約1,000物質ほどリストアップしております。内訳としては、新規化学物質の有害性調査において強度の変異原性が認められた物質、先ほど申し上げたGHS等である程度注目はされているけれど、発がん性が不明な物質、さらに、平成21年度時点の優先試験物質リストに掲載された物質、ある意味取り残し、すなわち優先度は高いだろうけれどその年には選ばれなかったであろうものを合わせた1,000物質を試験候補物質として選定し、そこからさらに絞込みを行っていったものです。そして、358物質まで絞込みを行っていったということです。
 2「今後の選定方針(案)」ということで、昨年7月の段階では案という形にしておりますが、実際にはさらにそこから進めております。(1)「構造活性相関の解析」として、これについては、日本バイオアッセイ研究センターにおいて、国立医薬品食品衛生研究所の助言の下で解析を行う予定ととなっていたものを実行したものです。その結果に関しては、参考4、もしくはこれからご説明する資料1に掲載しております。そこからさらに専門的知見を有する者の意見を聴取(エキスパート・ジャッジメント)しております。
 (3)として、本日の化学物質のリスク評価に係る企画検討会において、対象物質を選定いただきたいと考えております。「今後のスケジュール」については割愛します。
 こちらを踏まえて、どのような状況になっているかですが、資料1をご覧ください。「がん原性試験に係るフィージビリティテスト対象物質の選定における専門家からの意見聴取(エキスパート・ジャッジメント)の結果等(その1)」とあります。真ん中辺りから(その2)が出てきますが、資料1ということで1つにまとめております。先ほど「エキスパート・ジャッジメント」という言葉を出しましたが、お二人の有識者、化学物質の有害性評価に関する小委員会の座長の慶應大学の大前教授、横浜薬科大学の池田教授のご意見をもとに、さらなる絞込みを行ったものです。1枚目に、整理番号A1~A15と書いておりますが、こちらの物質と、(その2)で3物質ほど示しております。15物質と言っても、その後さらに絞込みを行っていただいておりますので、4+3の計7物質程度が優先的に試験を行う物質ではないだろうかというご意見を頂戴したものです。ここから、本日、吸入によるがん原性試験のフィージビリティテストの対象とする2物質を選定いただきたいと考えております。
 資料1に関してご説明を進めますが、大前先生に選定いただいたのは、A1~A15までの15物質、そのうち特に4物質が有力候補とされています。こちらについては、次の1~18に当てはまる物質はがん原性試験が不要又は優先的に実施する対象ではないだろうということで、これらを除外していって、残ったものがA1~A15の15物質になります。1つひとつ読み上げることは省略しますが、ある程度絞込みが行われているということです。さらに、この15物質のうちがん原性が既知である化学物質の構造の類似性等を考慮すると、A1、A2、A12、A13で示した4物質が優先的に試験すべき物質ではないだろうかということで、ご意見を頂戴しております。
 「がん原性試験に係るフィージビリティテストの対象物質の選定における専門家からの意見聴取の結果等(その2)」をご覧ください。こちらが池田先生にご選定いただいた物質です。池田先生は個々の物質の構造からのアプローチをしてくださっており、構造からして発がん性を有しそうなものを挙げていただいております。こちらが計3物質となります。
 資料1の2枚目をご覧ください。「構造活性相関検討結果(専門家からの意見聴取(その1)に係る物質)」ですが、優先的にやるべきではないだろうかということで選んでいただいたものとして、「2-ブロモプロパン」という物質があります。この物質は、炭素3つの鎖に臭素(ブロモ)の基が1つ付いているもので、農薬、医薬品等をはじめ、各種化学物質の中間体として用いられることが用途として非常に多い物質です。炭素3つのイソプロピル基を導入するのに多く使われる物質です。また、直接的に化学物質に対して反応を起こさせて、次の物質に持っていくものだけではなくて、代替フロンのような形で使うという用途もあるようです。生産量としては、こちらが得ているデータでは年間100~1,000トンぐらいで、性状は無色の液体になります。生殖毒性を示し得る物質とされておりますが、がん原性についてははっきりしていません。
 A2の「弗化ビニリデン」です。食品用ラップは塩化ビニリデンからできていますが、これは塩素の部分が弗素となったもので、こちらも普通、樹脂の原料になります。商品名を挙げるとテフロンのようなものですが、この弗化ビニリデンという物質自体は、常温では気体で、生産量としては、国内年間1,000~1万トンぐらいだろうとされております。
 裏面をご覧ください。A12は「2,3-ジクロロ-1-プロパノール」です。この物質はいろいろな物質の中間体として使われているようですが、エピクロロヒドリンの原料として用いられる例が多いようです。2,3-ジクロロ-1-プロパノールの異性体となる1,3-ジクロロ-2-プロパノールという物質があって、こちらについてはそれなりに生産量も使用量もあるようです。A12の物質は有害の毒性データ自体はそれなりに揃っておりますが、生産量自体は異性体に比べると限られてくるようです。
 A13は「1,3,5-トリス(2,3-エポキシプロピル)ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン」という、一見して少し複雑な形の物質です。この物質は、別の名称としてイソシアヌル酸トリグリシジルとも呼ばれており、主な用途としては、ここの構造の中にあるエポキシ基を反応させて形成するような樹脂の原料、あるいは粉体塗料の原料などとされております。性状としては白色固体とする文献が多いのですが、文献によっては粉末あるいは顆粒とされているものもあります。国内大手の製造業者では、最近は製造をやめてしまったと伺っておりますが、全体的な生産量自体は比較的多くなっているようです。
 次に、資料1の最後の頁、あるいは最後から2頁目ですが、3物質挙げております。B1として、「N,N’-ジフェニル-1,4-フェニレンジアミン」という物質があります。こちらは、池田先生のジャッジメントとしては、これそのものでは反応性そのものには乏しいかもしれないけれど、生体内での代謝によっていちばん端のフェニル基が酸化、具体的には水酸基が付いてしまった場合には、平面構造でDNAに親和性を持つようなキノンイミン型の物質が生ずる可能性があるというものです。この物質が具体的に何に使われているかですが、有機ゴムの老化防止剤、具体的には屈曲に対する亀裂防止剤として用いられている物質のようです。性状としては微粉末、国内の年間生産量は文献上は15トン程度とされております。
 B2は「3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート」です。こちらはオルトトリジンジイソシアネートとも呼ばれる物質で、主な用途としては構造の中のNCOというイソシアン酸の基を見てもわかるように、ウレタンの原料として使われております。常温における性状は固体ですが、出荷時には粉体とすることもあるようです。なお、国内の大手製造業者としてはペレット状で製造しているということです。国内では、年間400トン程度生産されているというデータがあります。
 B3は「硫酸パラジメチルアミノフェニルジアゾニウムナトリウム」です。こちらは構造上反応性が極めて高くDNAに傷をつける可能性も高いということで選定されております。実際、染色体異常試験でも陽性という結果が出ております。ただ、生産量などのデータも私どもで見つけることができず、主な用途を調べていくと、すでに登録が失効している失効農薬となっているのが現状です。
 以上、7物質ほど簡単にご説明しましたが、この辺りをご参考としていただきつつ、今後のフィージビリティテストの対象物質を2物質、選定をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○櫻井座長 ただいま選定の方針、選定の経過、その結果として7物質まで絞られているということについての説明がありました。その7物質を選定されたのは、先ほどご説明のあった参考1~参考3に定めた方針に従って出てきたものですので、今日は主として7物質から2物質を選ぶことになると思いますが、いままでの説明の内容や選定の経過等についてご質問、あるいはご意見がありましたらお伺いしたいと思います。
○藤冨委員 選定のプロセスについて2点ほど質問させてください。1点目が、参考2の「がん原性試験対象物質の選定の考え方」です。この考え方に関してはこれまでの検討会のプロセスもありますので特に異論はないのですが、今回この試験対象物質を絞るにあたり、参考3にありますように、考え方1から1,000物質を選定され、考え方2に基づいて358物質、大学の先生方から7物質ということで、1,000から358、更に7、最終的には1に絞るわけです。そうすると、残りの999は試験対象物質から外れることになります。この999物質、がん原性があるかどうかまだわからないものの管理体制、フォローの体制があるのかどうか。1物質は試験物質として掘り下げるものですのでいいかと思いますが、残りの999物質の扱いをどうしているのかというのが1点目です。
 2点目は、参考2の考え方2で、産業的利用が見込まれる、あるいは取り扱う事業場、ボリューム等が判断基準として挙げられていますが、先ほどご説明いただいた資料の中に、生産量について情報があるものとないものがあります。これは膨大な物質の種類ですので事務局もかなり時間をかけてお調べいただいているのだろうと思いますが、記載がないものに関してボリュームをどのように見込んでいるのでしょうか。我々としては、ボリュームという観点と事業場数という観点、同じ10トンのものでも、1事業場での取り扱いなのか、多くの事業場で使われているのかも非常に重要な判断基準だと思っております。そういう意味では生産量の情報は資料中に入っているものの記載があるものとないものがあるということ、また、事業場の情報が中に記載されていないということがあります。このボリュームや事業場の情報の入手に関してどのようにお考えなのか、以上2点を個別の議論に入る前に教えていただければと思います。
○須藤査察官 1,000物質そのものを最終的に2あるいは1ぐらいまで絞っていくということで、落ちてしまった物質はどうなるのだろうかということですが、いま現在、直接的にそちらも見ていくという仕組みにはなっておりません。ただ、新規化学物質の有害性調査において、強度の変異原性が認められた物質が639ほどありますが、こちらに関しては事業場に対して強度の変異原性が認められた物質として注意して取り扱うようにしてくださいという形での通達を発出しております。この物質を取り扱うことで直ちにがんになるということがわかるわけではないけれど、そういった可能性があるので、念のためきちんとした対処を取っておいてくださいというものです。
 それ以外のものとして、既存化学物質のうち、GHS及び国際機関等で発がん性が不明な物質もありますが、こういった物質の中でも、既存の物質に関してもさすがにがん原性試験まではできないにしても、変異原性試験、微生物を用いた試験を調べていくという事業も行っております。その中で、これは変異原性として強いものがあるだろうと認められた物質に関しては、その名称を公表するとともに、適切な取扱いを事業者の方々に求めております。
 2つ目のご質問ですが、生産量等に関する情報があるものとないもの、特にないものについて、どのような形で判断すればよいのかということですが、こちらに関してはまさにご指摘のとおり、私どもとしても非常に苦しいところで、必ずしもすべてを取りきれるような状態にはなっていないところがあります。また、少し難しいのが、実際に作っている事業場もあり、さらにそれを購入して使っている事業場もあるということもあり、使っている事業場に関しては、すべての情報が取り切れるものではないという状況です。排出・移動量の合計などは別にやっていくということですが、まさにこういったところは私どもとしても、実態としてどうなのかがわかり兼ねる面もありますので、むしろ今日このような形で有識者の先生方にお集まりいただいて、皆様方から実態もお伺いしつつ、その中で優先的にやっていくべきものは何なのかを選定いただきたいと考えております。よろしくお願いします。
○櫻井座長 何か追加のご発言はございますか。
○山口委員 追加ですが、基本的にはPRTR法というものがあって、その対象物質であればある程度の製造量、あるいは排出量がわかりますので、そこから大体の量がわかるということがあります。また、今度化審法が改正されますので、新しく出てくる物質に関してどれぐらいの量で製造しているかとか、そういう形である程度わかると。それ以外の物質に関しては、日化協に依頼があった場合は関連会社に問合せして聞く場合もあります。ただし、これはあくまでも日化協ですので、製造する会社はわかるのですが、川下の会社に対しては把握し切れない部分があります。ただ、私が見てきた範囲ですと、そういったものはあまり大量に使われているものではないので、基本的に危険性、有害性が高くて大量に使われているものは、PRTR法等である程度の把握はされています。そういった意味では極端に危ないものはもうないのではないかと。いちばん危ないのは、新しく出てきた段階で、今後の法的な取扱いとしてはチェックしていく形になっていますので、大きくは問題ないと考えております。
○半田化学物質対策課長 いまの藤冨委員の前段のご質問に関連して、いま職場で使われている化学物質は大体6万物質といわれておりますが、これはどのような体系の中にあるかというと、これまでは確かにいろいろな災害が起こったようなもの等々を中心に、一部限定的に特別な化学物質管理を要請しているものが約100あります。また、危険・有害性情報をきちんと伝達しなさいと義務づけているものが、大体650ぐらいあったわけです。こういった中で、1つにはリスク評価を別の枠組みでやっていますが、毎年14~15物質やっていただいて、その結果に応じて必要な管理に移行しています。いうなれば、がん原性試験は、そのリスク評価の最も究極のところにあるものです。
 それ以外の部分は、いま制度改正をやろうとしているところですが、6万物質のうち4万物質ぐらいは何らかの危険・有害性を持っているだろうといわれており、こういったものについてはその情報をきちんと整理して、物質を譲渡・提供する際にその情報を必ずお渡しいただくような仕組みにしていこうと。濃淡がありますが、化学物質の危険・有害性の情報の程度に応じて、最低は情報だけをお伝えする。厳しいほうでは、このように発がん性試験まできちんとかけて、それなりの対応を取っていくと。この連続スペクトルの中で、それぞれの対応をしているということです。空ではご説明しづらいところですが、簡単に申し上げるとそういうことですので、ご承知おきください。
○櫻井座長 その他何かございますか。先ほど、新規化学物質について、1,000のうち639がそれで占めていると。それについても、もしかするとご懸念があるかなと思いますが、実際に今日、358あるいは309選ばれたものの中には新規化学物質が入っていないと思いますが、入っていませんね。
○須藤査察官 309の中には入っておりません。
○櫻井座長 それは前に議論した記憶がありますが、新規化学物質は特定の事業者、これは複数の場合もありますが、自分の費用で調べて変異原性が高いことが明確になる。それを世の中に公表しているわけですが、その変異原性が非常に強いようなものをあえて使うことは、どちらかというと非常に少ない。使うときは、それについて十分予防的に対策を講ずるだろうと考えられますので、リスクという点からいくと、やや優先度は低いだろうと議論しました。ほかに何かございますか。よろしければ、具体的にそういったプロセスで選ばれた7物質について個別にご議論いただいて、その中から2物質を選択する作業に入ります。
 なお、その結果も見た上で、若干見落としはないかということで、もう少し幅広くお考えいただく時間を取ってもいいかなと思いますが、とりあえずプロセスをエキスパート・ジャッジメント等も経て出てきたものを重要視して、そこからご議論いただくことにしたいと思います。お二人にエキスパート・ジャッジメントを依頼して、結果がこのようになっておりますが、池田先生にお願いした部分がその後の3物質です。池田委員には、リスクというより、むしろ化学物質の構造から発がん性の部分、あるいはその強さについて非常に懸念の強いものを選んでいただいたと理解しておりますが、それでよろしいでしょうか。あまりそれ以外の用途や使用量等は念頭に置かないで選んでいただいたと思います。
○長山化学物質評価室長補佐 どういう構造をしているかとか、その辺りからの着眼点という形で。
○櫻井座長 そういう面で専門家でいらっしゃるので、非常に大事なご判断だと思っております。その3つの物質について、我々としては、それがさらにどの程度労働者のばく露にされるかという予測も含めたリスクを判断するという点から、見直すべきではないかと思っております。
 まず、B1「N,N’-ジフェニル-1,4-フェニレンジアミン」については、エームス試験も試験結果が陽性、染色体異常試験も試験結果が陽性。がん原性は試験がないから、やるかやらないかという話になるわけですが、生産量はそれほど多くはない。1つのデータだけですが、15トン。大前委員の選定基準では、100トン未満は優先から外しているわけです。100トン以上のものを取っているという点からいくと、相対的には生産量は少ない。また、用途が老化防止材と比較的限定されているのかなと思われます。ただ、変異原性の情報は、比活性値が1,000を超えるし、染色体異常試験のD20が0.0067と比較的強い変異原性のものだと。
○清水委員 B1は、バクテリアの変異原性試験では103以上ということですから、強いと言えば強いです。それに対して、哺乳類培養細胞の染色体異常試験のD20値が0.0067というのはかなり強い、非常に強いと考えていいです。
○櫻井座長 ですから、化学物質としては発がん性のおそれがかなり高い。あとはばく露の点でどうかという判断が残るであろうと思われます。
 B2「3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート」ですが、エームス試験は試験結果が陽性、染色体異常試験も陽性、がん原性試験はない、生産量は400トンぐらいというデータがあります。ただし、これはウレタン樹脂系統の原料です。これの変異原性の情報等は何かありますか。
 ○清水委員 実際のデータ及び構造活性相関を見ても、両方とも陽性と判定されておりますが、変異原性は先ほどのA、Bの1に比べればもっと強いです。104になりますから、ワンランク強いです。哺乳類の培養細胞のほうは、B1に比べれば低い、中等度の強さと考えていいです。
○櫻井座長 これについて、資料1の1頁の大前委員の選択の基準の13番で、ばく露実験不能であることが既知であると、もしくは化学活性が高くばく露困難であるということです。ジイソシアネート類を省いているのです。これについて、バイオのほうから何かご説明ありますか。ジイソシアネートがばく露困難であるということは、バイオからのご意見ではないですね。
○西沢部長(日本バイオアッセイ研究センター) ないです。
○櫻井座長 これは大前委員の判断だと思いますが、私も同じように判断するので、ジイソシアネート系統は非常に感作性が強いのです。非常に微量で感作を起こしますので、発がんよりもむしろそれのほうが問題です。ばく露するよりも前に感作で喘息を起こすような物質ですので。大前委員はジイソシアネート系統の専門家でもあって、散々苦労していろいろ調べた人なので、こういう判断が出てきているのですが、私も同意見です。ですから、B2はまさにジイソシアネートそのもので非常に感作性が強いと。むしろ、そちらのほうで十分注意しなければいけない物質ではありますが、発がんの実験を2年間かけてやるというものではないと。私の意見はそうです。
 B3ですが、これはすでにがん原性試験が陰性という結果が出ているのです。エームス試験は陰性、染色体異常試験は陽性、がん原性試験が陰性ということで、2年のラット、マウスの混餌試験で腫瘍の発生増加が見られなかったということになっておりますので、その結果から候補物質からは落としていいのではないかと思っております。
 私の意見を先に述べてしまいましたが、そうすると、この3つの中で1番目だけは相対的に、大前委員が選んだ4つと見比べて判断しなければならないかなと思っております。
○清水委員 B3は失効農薬と書いてありますが、これは使わないという保証があるわけですか。
○須藤査察官 実際にはあまり使われてはいないようです。
○山口委員 使う人はいませんよね。使わないです。
○清水委員 使えない。
○山口委員 売っても買う人がいませんよね。
○櫻井座長 いまの3つの物質について、その他ご質問、ご意見等ありましたらおっしゃっていただきたいと思います。
○吉田委員 櫻井先生のご意見と一緒で、2番のジイソシアネートですと反応性もありますし、感作性も非常に強いし、3番目は陰性ということですので、先生のおっしゃるとおりだと思っております。
○櫻井座長 それでは、とりあえずこの3つについて議論をしていただきましたが、残りの4物質についてです。4つの物質は、A1、A2、A12、A13です。順番にご議論いただきたいと思います。
 A1は「2-ブロモプロパン」です。エームス試験は、構造活性相関が陽性、試験結果も陽性、染色体異常試験も構造活性相関の判定が陽性で、試験結果もすでに陽性と出ているものです。がん原性試験は、構造活性相関では陰性という判定で、実際の試験は行われていません。排出・移動量合計が9,622kg、生産量等は100トン、あるいは100トンから1,000トン未満というデータがあります。変異原性の強さについては、清水先生からご意見をいただけますか。
○清水委員 微生物のほうは、比較的弱い中等度です。染色体異常試験のほうも0.58ですから、やはり中等度の強さであると。揺れもそんなに強くはないです。
○櫻井座長 弗化ビニリデンのほうは、これはエームス試験が陽性、染色体異常試験は陰性で試験なし。がん原性も構造活性相関は陽性ですが、評価には不充分と。試験結果はあることはあるけれども、評価には不充分となっております。生産量は1,000トンから1万トンと、かなり多いわけです。これは気体であって、変異原性についてご意見を賜わりたいと思います。
○清水委員 ガス状物質ですので、ガス状の試験方法で変異原性試験、微生物を用いた変異原性試験が行われているはずですが、50%の濃度で16時間では陰性であったけれども、24時間ではようやく弱い陽性が出たということから見ますと、この物質はかなり弱い変異原性であると思います。
○櫻井座長 なお、がん原性試験も実際には行われていて、評価は不十分ということで、特に陽性とは判断されていないが、そこを読んでみますと、「ラットに52週間強制経口投与後、141週まで観察した」。これは1年投与で、その後1年観察した試験です。「脂肪肉腫と脂肪腫が少数観察されたが、不充分な試験であるとしている」。これは何とも評価できませんとあるのか。やや弱いかなという感じもするのですが、どうでしょうか。何かご意見はありますか。その他、バイオのほうで何かご意見があれば。
○松本主幹(日本バイオアッセイ研究センター) 投与期間として、やはり104週までフルに投与がされていない。観察期間は逆に141週までと長いわけですが、定式の発がん性試験ではないということで、たぶん、ACGIHとしては不完全という評価をしているということだと思います。
 もう1つ気になるのが、米国の国家毒性プログラム(NTP)で、13週間試験まで終えてはいるのですが、その報告書自体も出さないという、ちょっと宙ぶらりんな、疑われる物質ではあるのですが、アメリカでも取扱いをそこで止めているというのが気にかかるところではありました。
○櫻井座長 出さないということの意味を、もしどなたかご存じであったら教えていただきたいのですが。どちらかと言えば、危ないものを出さないというのもおかしいと思いますけれども。
○松本主幹 NTPの手順としては、まず13週間までで終わる場合は、そこまでのレポートを出すのが普通ですが、それも出していないという、そういう物質自体が相当数カテゴリーとしてはあるので、その理由はわからないようです。例えば、テクニカルにガスの発生が困難になったとか、いろいろな理由がわかればいいのですが、いまのところ、調べましたがわかりませんでした。
○櫻井座長 何とも判断は、判断材料にはならないのですかね。
○清水委員 変異原性試験のほうで、1つだけ気にかかるのは、この書き方は、IRCのvol.71で、変異原性が報告されているということでしょうか。
○松本主幹 要望があるから報告をされていると思います。IARCも参考としてジェネティックスの項がありますから、そこに書かれている。
○清水委員 相当古いですよね。
○松本主幹 そうですね、71ですから。
○清水委員 ですから、これが何年ごろかによっては、この頃のガス状物質の試験方法と、いまバイオでやっているような試験方法とではだいぶ違うのかなと。デシケーターか何かでやっていた時代なのかどうかで、もう一度これはチェックする必要があるような気がします。
○松本主幹 IARCは99年のレポートです。おそらくは95年以前の変異原性試験であろうと思います。
○清水委員 異常物質のばく露方法としては古いやり方ですね。
○櫻井座長 ただ、50%で16時間で陰性で、24時間は弱い陽性というのは、私のような、その野天の素人から見ると、これは弱いかなとは思うのですが。
○清水委員 デシケーターでやったとしても、かなりこれは濃度の高いところで、ようやく出てくるということだと思いますから心配ないと思います。
○櫻井座長 細胞とのばく露のやり方がいろいろ違うことはあるかもしれないけれども、やや弱いように思いますという、いまはそういうご意見で。それに何か異論があったらおっしゃっていただきたいと思います。バイオのほうでそういうご経験がおありだと思うので。
○松本主幹 300物質の毒性を眺めていただけなので、コメントとしては控えさせてください。
○櫻井座長 そういうことで、判断はしにくいけれども、相対的には、ほかの物質と比べたときにどうかというときに、やや発がん性の強さという点では、順位が落ちるかなという印象ではございます。
 3番目、A12「2,3-ジクロロ-1-プロパノール」につきましては、当初、実は、これは陽性、陽性できていて、がん原性試験なしなのですが、生産量とか、排出・移動量があるものと考えてこれは選ばれたのです。大前委員の判断基準の100未満は除くということからすれば、これは除かれるほうに入るものです。
○須藤査察官 こちらに関しまして、細かな部分を調べていきましたところ、もともと情報がないものを誤って書いてしまっていたというところがありましたので、本来であれば弾かれるべきものでした。お詫びして訂正いたします。
○櫻井座長 わかりました。2,3ではなく、1,3のデータが入ってしまったと、先ほどご報告をいただきました。それを修正して、排出・移動量は混ぜろとなっておりますので、実際は生産量等不明の物質で、不明だから大丈夫ということにはならないのですが、少なくとも、ばく露量がはっきり多いというもので、しかも危ないものがあれば、それを優先するという立場は妥当ではないか。こういった不明なものは、今後の課題だろうなと考えてはおります。したがいまして、これはやや優先度が落ちるかなということです。変異原性の情報は定量的な数字がないですので、何ともちょっと。ただ、プラスマイナス、プラスマイナス、プラスマイナスとなっているのは、プラスのものもあれば、マイナスのものもあると。
○清水委員 これは代謝活性化を加えたか、加えないかという。
○櫻井座長 そうか。加えても、加えなくてもという意味ですね。両方出ているということですね。
○清水委員 強さの記載がないので。
○櫻井座長 わかりました。ただし、定量的なデータはないので、ちょっと判断はこのままで。
 A13、最後の物質ですが、これはエームス試験も陽性、試験結果も陽性、染色体異常試験も陽性、陽性。がん原性試験も構造活性相関の判定も陽性で、試験はないと。生産量が3,000トンぐらい。排出・移動量も31トンと大変多いほうですね。用途がかなり多種にわたっている。変異原性の定量的な情報は何だかすごそうなのですが。
○清水委員 これは、微生物のほうは、103のオーダー、染色体異常試験も極めて強いです。D21が0.00013というのは超々強力という。大体、エポキサイドを持っている構造のものはかなり強く出ます。
○櫻井座長 わかりました。これは最優先物質ではないかと。
○清水委員 取扱い量も多いですよね。
○櫻井座長 これは最優先で、まず1つこれにするということでよろしいですか。皆さんのご賛同をいただきまして、これは決定とさせていただきます。あと1物質を何にするかということになります。いま判断すべきものとして、A1かB1ですね。あとA2があるのですが、A2はまず落としてもいいでしょうか。
○清水委員 はい。
○櫻井座長 清水先生のご賛同をいただきましたので、A2は落として、A1かB1かということになります。いかがでしょうか。ざっくばらんに何かご意見があれば。
○名古屋委員 製造量から考えると、A1のほうが、中程度という先生の評価でしたが、中程度で、確かに活性は1桁違いますし、毒性も3桁違います。使用量が多いほうが。生産量が100トンですか、流通が9,600キロですよね。
○寺島化学物質情報管理官 追加の情報があります。ACGIHのTLVについては、いま候補にのぼっている物質で言いますと、A1の2-ブロモプロパンはなしですが、弗化ビニリデンは500ppm、A13は決定とのことですが、これは0.05?r/㎥ということで、かなり低くなっています。Bのほうは特に情報はありませんでした。
 リスク評価の進捗状況との兼合いの点ですが、A1の2-ブロモプロパンは、この1月から3月に有害物ばく露作業報告をいただく物質の中に入っておりまして、そもそも生殖毒性の観点から、リスク評価を行う物質として選定されているものです。がん原性のスキームとは別の仕組みではありますが、そういう状況にあります。
○櫻井座長 どちらかというと、がん原性はそれほど強くない一方、生殖毒性のほうに問題がということで、現在国のリスクアセスメント事業の進行中の物質ということです。そうしたらB1ということになりますかね。
○松井化学物質評価室長 A1に関しては、仮に、選ばれる、選ばれないは別として、がん原性試験をやるとすると、数年後の結果になります。リスク評価のほうは、平成22年度、今年度の報告物質ですので、スケジュールから言うと1年後、2年後の話になります。がん原性試験が出た時点で、一部、もう一度措置といいますか、評価をし直す扱いになります。そこはそこで別の話で考えていただければと思っております。
○櫻井座長 別にして考えたほうがいいですね。
○松井化学物質評価室長 いま選びますので、いまやっているからということになるのですが、がん原性試験の結果が相当先になります。そういう意味では、がん原性もあれば、そういう措置も必要になるということになりますので。
○櫻井座長 措置が必要であればということにもなるという。
○長山化学物質評価室長補佐 そうですね。同時平行しても特段構わないということ。
○須藤査察官 補足をさせていただきます。こちらの試験ですが、実際のところ、固体もしくは粉体ということについて試験をすることになりますと、どうしてもその設備も特殊なものが必要になってくるということもありまして、委託先がどこになるか、平成23年度は確定していない状況です。例えば、この経験を多く積まれているバイオアッセイ研究センターにおきましても、2つ、3つできるという状況ではないだろうというところがありますので、A13は吸入の実験というところまでいかない段階で、フィージビリティ不可という結論が出てしまう可能性はあるかもしれませんが、事務局の意向としては、2物質目としては、固体は避けていただければというところです。そうでないと、実験そのものに取りかかれないという可能性もありますので。
○櫻井座長 どちらか選べないというもの、リスクの点から同等であるというような最後の場合に、それならば液体を優先ということだろうとは思うのですが。それも参考意見として伺った上で、A1とB1を比べた場合、A1は現在染色毒性ということで検討中ではあるけれども、それは度外視して、発がん性という点から考えた場合、B1に比べて、排出量、あるいは生産量等が桁違いに多い、また、使用されている局面も、B1は老化防止剤と比較的限定されているのに、A1のほうはより広範に使用されているという点から考えると、労働者に対するリスクの点では、総合的に見るとA1のほうが優先すべきかなと思いますが、いかがでしょうか。山口委員、いかがでしょうか。
○山口委員 私もA1のほうがよろしいのではないかと思います。
○櫻井座長 よろしいでしょうか。堀口委員、よろしいでしょうか。名古屋委員、よろしいでしょうか。皆さん、ご同意をいただけましたので、2物質目はA1の「2-ブロモプロパン」にさせていただきます。これで2つ物質は決定いたしました。
 今日の主な課題はこれでクリアできましたので、議題2に入りたいと思います。議題2は、「今年度のリスクコミュニケーションの結果及び予定」について、事務局から説明をお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 資料2のリスクコミュニケーションの開催結果及び予定についてご説明いたします。本年度は、昨日、第3回リスクコミュニケーションが開催されまして、都合3回終了しております。この検討会での報告は、これが最初になりますので、冒頭からご説明申し上げます。
 第1回としては昨年の7月22日に、インジウムの健康障害防止をテーマとしまして、日鉱記念病院の先生、JX日鉱の齋藤室長、コンサルタントの黒木さん、大前先生の4方に基調講演をいただきまして、意見交換を行っております。夏の暑い時期でしたが、たくさんの方にご参加いただきまして開催することができました。
 第2回は10月8日に、全国産業安全衛生大会が開かれておりました福岡のほうで、リスク評価に基づく健康障害防止対策の導入ということで、その時点での政省令の改正予定の方向性についてとITOの健康障害防止対策ということで、リスク評価の関係の措置検討会の先生でいらっしゃる産業医科大学の保利先生、大前先生のほうにインジウムのお話をしていただきまして、約70名のご参加を得て意見交換を行っております。
 第3回は昨日、中災防の会場をお借りして行っております。テーマとしては、リスク評価を踏まえた政省令改正が、今月の14日に公布されておりますが、その内容を主として名古屋先生にご講演をいただき、健康障害防止措置検討会の中で、保護具についてもたくさん議論をしていただいたこともあり、保護具につきまして、田中先生にご講演をいただいております。パネルディスカッションのコーディネータとして、各回堀口先生にご参加いただいております。このときの参加者は大よそ60名弱の方にご参加をいただいております。
 今年度は全体で4回を予定しておりますが、第4回を来月の28日に大阪のほうで開催します。テーマとしては「化学プラントのセーフティアセスメント」ということで、今回、措置検討会のほうでたくさん議論をしていただいたのですが、1,3-プロパンスルトンという経皮ばく露防止対策、いままでなかった健康障害防止措置ということで、これに特化した政省令改正を行ったところでもありますので、その政省令改正の全体のお話を圓藤先生にしていただきまして、2コマ目として、東洋エンジニアリングの角田部長にお越しいただいて、化学プラントのセーフティアセスメントについてお話をいただく予定にしております。以上です。
○櫻井座長 ただいまの説明の内容について、何かご質問やご意見がありましたらどうぞ。よろしいですか。それでは議題3に進みたいと思います。「平成21年度リスク評価の結果及びその対応について」、事務局から説明をお願いいたします。
○長山化学物質評価室長補佐 それでは資料3のパワーポイントをホチキス止めしたものに基づいて説明いたします。前回、第1回の企画検討会のときは、昨年の7月9日ということで、平成21年度リスク評価を検討している最中にやっていたものです。その後、その結果及びその対応として政省令改正などを行いましたので、そのことについて報告させていただきます。
 1枚目の上の部分は「制度の概要」です。下のほうの推進体制の3つの検討会の中で、昨年の7月に第1回をやっていたころは、リスク評価検討会、有害性とばく露のそれぞれの小検討会が終わって、合同のリスク評価検討会の報告書をまとめる最終のころでした。その後、同じ月の7月20日にリスク評価の検討会として報告書をいただきました。そのあとに、その中から特に措置の検討が必要とされた4物質について、いちばん下の「化学物質の健康障害防止措置に係る検討会」のほうで、さらに詳細に措置の検討をいただきました。こちらにつきましては、昨年の10月12日に措置の報告書を取りまとめております。
 2枚目の上側、3「平成21年度リスク評価結果」については、リスク評価検討会におきまして、平成21年度報告としては14物質の検討を行いました。そのうち初期が7物質、詳細が7物質となっております。特に左側の詳細リスク評価は7物質やっております。上から2番目のコバルト化合物について詳細リスクを行いました。ただ、塩化コバルトと硫酸コバルトの詳細リスクを行いましたが、初期リスク評価の上から3番目の「コバルト及びその化合物」ということで、コバルト全体について初期リスク評価も同時に行っております。初期リスク評価におきましても、詳細リスク評価に移行すべきというご意見がありましたので、塩化コバルト、硫酸コバルトについては、平成21年度の報告としては、中間報告の形にさせていただいて、初期のコバルト全体のほうと、平成22年度で詳細リスク評価を行うので、そちらと合わせて、統合して検討することとなりました。
 リスクが高く措置を要するものとして4物質選ばれまして、酸化プロピレン、1,4-ジクロロ-2-ブテン、1,1-ジメチヒドラジン、1,3-プロパンスルトン、この4つが措置の検討会となりました。2物質については、リスクが高くないということで評価は終了とされております。
 このリスクが高いとされた4物質につきまして、措置の検討会のほうで議論をして、その結果、取りまとめられた措置の内容を踏まえた政省令の改正の内容が、2頁目の下のほうの表となっております。その検討結果として4つありますが、大きく2つに分けて、特化2類でいろいろなパッケージ的な措置を設けるものと、あと下の2つは、特定の措置を義務づけるものと、大きく2種類に分けられた措置が必要という結果になりました。
 酸化プロピレンとか、1,1-ジメチルヒドラジンについては、特定第2類物質に指定して、密閉化とか作業環境測定とか、特殊健診とか、そういった措置が必要と。また1,4-ジクロロ-2-ブテンについては、サンプリング、保守点検時においての密閉化、局所排気措置の設置など。また、1,3-プロパンスルトンについては、吸入ばく露の防止ではなくて、経皮ばく露の防止ということで設備の密閉化、経皮ばく露防止のための漏えい防止の措置といった措置が必要ではないかという報告を受けまして、行政のほうで、そちらを踏まえて政省令の関係法令を改正して、今年の1月に政省令を公布いたしました。施行としては、平成23年4月に施行と。1番の経過措置がありますが、4月から施行という運びになりましたので報告いたします。
 3頁目から最後までは、それぞれ4物質について、リスク評価の検討会での報告と、あと、措置の検討会における議論などを書かせていただきまして、それぞれの物質について、こういうばく露状況で実態調査の結果であって、措置の検討会においては、それぞれこういう措置が必要であっる、ということを資料として載せておりますので、後ほどご覧になっていただければと思います。以上が平成21年度政省令改正までに至った経緯等につきましての報告です。以上です。
○櫻井座長 ただいまの説明の内容について、ご質問やご意見がありましたらどうぞご発言ください。よろしいですか。次に移ります。議題4「インジウムに係る健康障害防止について」、事務局からご説明をお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 資料4の「インジウムに係る健康障害防止措置について」をご覧ください。1「策定の経緯」からからご説明いたします。インジウム・スズ酸化物と呼ばれているものが、かねてより問題となっておりまして、略称でITO(Indium Tin Oxide)と言いますが、ITOが問題となっておりました。
 何に使われているかということですが、テレビやパソコンに使用される液晶の電極の原料等として使用される物質です。液晶の製造工程においてITOの粉じんを吸入した作業者が肺疾患を発症するということで、平成16年7月にITOの取扱作業についてのばく露防止対策について、行政指導通知、課長名の内かんを出しております。それで対応してきたわけですが、同時に、関係事業者の皆様方に出資をいただきまして、平成18年から日本バイオアッセイ研究センターにおきまして、ITOの長期発がん性試験を開始しております。
 平行して、インジウムについての有害性ということがIARCでも指摘されていたこともありまして、リスク評価の対象としております。平成21年度からはインジウム及びその化合物についてリスク評価を開始してきて、現在も実施中です。昨年の6月に日本バイオアッセイ研究センターにおける長期発がん性試験の結果、低濃度でがん原性がありという報告がありました。それを踏まえて、リスク評価の結果が出るまで待っていたのでは遅いのではないかということで、技術指針ということで、(2)で出した行政指導通知を改める形で先行して技術指針を取りまとめたということです。
 その指針の取りまとめに当たりまして、小検討会を開催して、大前先生を座長として、名古屋先生、田中昭代先生、田中茂先生、中野先生の5名の方でご検討をいただきました。取りまとめは昨年の8月から9月にかけて行われましたが、大まかに案を取りまとめたあと、意見交換会を10月8日に行いまして、その後、パブリックコメントを30日間実施しております。たくさんの意見が寄せられておりますが、この間、業界団体の方々とも意見交換などを行いまして、平成22年12月22日付で通達として技術指針を発出しております。
 これまで平成16年に行政指導通知を出しているわけですが、そことの違いを主眼として、ポイントとして示したものが裏面になっております。
 それまで管理すべき濃度としては、0.1?r/㎥だったわけですが、がん原性試験の結果の最小毒性量のLOAELを考慮して、なおかつ、実現可能な濃度ということで目標濃度をLOAELと同じ数字ですが、目標濃度0.01?r/㎥ということで定めております。これは、実際の事業場における管理水準というのが、やはり0.1をやっと達成している状況の報告が多数あったこと、実現可能性というところから設定したものです。それと同時に、これでは安全ではないということで、ばく露が許容される濃度というのを新たに設けて、これを3×10-4というところで設定しております。
 許容される濃度より上の濃度につきましては、保護具を必ず着用して安全を保つようにということで、「呼吸用保護具」のところにあるように、電動ファン付き呼吸用保護具をはじめとする保護具を適切に選定するようにということで、技術指針の中に示しております。
 併せて「作業環境測定」です。作業環境測定はそれまで分粒はしない形で、すべての粉じんを測定の対象としておりましたが、今回の技術指針では吸入性粉じんを対象としております。また、健康診断としては、胸部CT、血清インジウム濃度といったものを新たに設けました。健康診断については、前回の行政指導通知では全く触れておりませんでしたので、ここは新たな措置ということになります。
 いちばん下のITOというのは、風評被害に留意する必要があるといいますか、長期吸入によって有害性が発現するものですので、日常生活においては問題ないということを触れております。
 今後ですが、技術指針につきましては、こういった形で通達として発出しておりまして、関係の局のほうから関係事業場に周知徹底を図るようにということで指導を行っておりますが、今年度、ばく露実態調査の追加をしておりまして、今年の夏ぐらいまでにリスク評価の結果を取りまとめたいと考えております。以上です。
○櫻井座長 ただいまのご説明について、質問やご意見等がありましたらどうぞ。
○山口委員 確認ですが、管理すべき濃度というのは、作業環境の管理濃度ということですか。
○寺島化学物質情報管理官 管理濃度とはちょっと違うのですが、第1管理区分を設けて、第1管理区分を達成したらいいとかというのではなくて、あくまでも作業改善の目標として、ここのところは少なくとも速やかに対応していただきたい濃度として定めたものです。
○山口委員 具体的に言うと、事業者側としては、作業環境としてこの目標濃度以下を目指して、ばく露が許容される濃度というのは、呼吸用保護具を使ってこれを確保しなさいという解釈ですか。
○寺島化学物質情報管理官 はい。
○名古屋委員 環境を管理する濃度は、たぶんこれから詳細評価が出て、管理濃度が決まってくる前に、疾病が強いですから、その前に何とかしておこうということで、若干、測定方法、評価方法も違うのですが、目標濃度を決めて、一応管理だけしましょうという。
○山口委員 暫定的な形ですね。
○名古屋委員 そうです。それだけ毒性が強いので、管理濃度を待っているまでに疾病が起こってはまずいということで、新しい考え方を導入してここへきましたよということです。
○山口委員 目標濃度とは別に許容する濃度を設定してということ。
○名古屋委員 なかなか難しいと、どうしてもマスクを使わなければいけないと。そのとき、マスクを使うためには、かなり濃度が低いですから、許容される濃度を決めて、マスクの判定基準をということで。たぶん、昨日、田中先生が言われたところにつながってくると思いますが、そういう形で。
○山口委員 保護具を選定する上で、これはこういうことを防ぐような保護具をきちんと着用してくださいということですか。
○名古屋委員 例えば、これより低かったら、本来的にはマスクはいいよというふうにしたいのだけれども、それでもマスクはしてくださいよということです。それより濃度が高かったら、それに応じたマスクを。
○山口委員 数値的にすごい濃度が低いので、測定だけでも大変なような数値なので。
○名古屋委員 いちばん最初の0.1というのは、あくまでも総粉じん時の濃度でしたから、0.01が本来的に詳細評価をやっていると、大きな粒子だけで0.1になります。その中に含まれている吸入性粉じんが10分の1だったら0.1はクリアできるけれども、そのデータが何もなかったので、今回、最終評価の中では吸入性粉じんを測ってみてどうなるかということをして、初めて評価しましょうということの暫定的な措置だと思って、新しいシステムを作った、新しい流れだと思います。
○山口委員 吸入性粉じんということですと、肺の奥まで入る微量の粒子に関して問題があるということですよね。大きいものは排出されるので、ある程度粒径の大きいのは大丈夫ですが、肺まで入ってしまうと体の中に取り込まれて問題が起きる。
○寺島化学物質情報管理官 肺胞のいちばん先まで入ってしまって、クリアランスが悪いというのが問題だということでした。
○名古屋委員 そういう意味でも、吸入性というのが。
○山口委員 その辺の考え方は皆さんにはよく伝わっているのでしょうか。きちんと伝えていただかないと。
○寺島化学物質情報管理官 業界の方々からは、たくさんご意見をいただいておりまして、意見交換を行ってきております。
○山口委員 パブリックコメントのところに、いくつか意見が寄せられているということでしたが、どういった意見があったのでしょうか。
○寺島化学物質情報管理官 非常に低い濃度などで、まず測れないのではないかというご指摘であるとか、あるいは保護具の選定基準が厳し過ぎるのではないかとか、そういうご意見がやはり多かったのですけれども。
○山口委員 作業環境の現実性というか、そういう面で非常に難しい点があるという意見が多かったということですか。
○名古屋委員 マスクの選定も流れとしてはアスベスト、ナノという流れできているから、どうしてもこれだけ濃度が低くなってしまうと、そこのところに引きずられている可能性はあるよと。たぶん実態がわかってくるとまた違うのかもしれませんが、わからない状況では、こういう形かなと。昨日もお話しましたように、濃度が低いときに、防御率が100あったら、本当にちょっと漏れても大丈夫なのかという、そこのところが検証されていないので、やっぱり安全を考えると、ああいう形の選定になりましたねということだと思います。
○櫻井座長 ほかに何かございますか。よければ、「その他」です。事務局から何かありますか。
○長山化学物質病院室長補佐 特に資料は用意していないのですが、口頭のみでご報告させていただきたい意見があります。前回、7月の第1回の企画検討会におきまして、リスク評価の対象とすべき14物質を選定していただきましたが、その14物質につきまして、昨年末に有害物ばく露作業報告の対象物質とするという告示を出させていただきましたことを報告させていただきます。
 今後はこういった14物質が対象になりましたということを、パンフレットなどを用いて作成して周知するとともに、事業場におきましては、平成23年1月から12月の1年間、取扱いの実績を記録していただいて、平成24年1月から3月に監督署のほうに報告していただくという形で、そこからまたリスク評価のほうにもつなげていくこととしております。以上です。
○櫻井座長 その他、全体として何かご意見等はございますか。私、先ほどお伺いするのを忘れてしまったことがありまして、去年候補になったものは、今年また候補として再度入っていたというご説明だったと記憶しておりますが、次年度幸いにしてさらに予算が継続するならば、また同じ作業をやりますね。フィージビリティテストの選択。
○長山化学物質評価室長補佐 フィージビリティテストのスキームは、大体同じようなスキームで流れていきます。
○櫻井座長 流れるのですね。そうすると、今回外れたものが再度また候補として当然上がってくることになるだろうなと思いますので。その際、例えば生産量とか、何かの情報が少しでもあれば、追加していただくような。
○長山化学物質評価室長補佐 今回選ばれなかったものからでも、次年度続くようであれば追加情報とかも織り交ぜながらまた議論をしていただくことを考えております。
○櫻井座長 私、大前委員の選定基準で、例えば、生産量100トン未満は除いているとか、あるいは生産量とかのデータのないものも除いているという中で、万が一、非常に定量的な変異原性の試験の成績の悪いものがあったら困るかなと思って、ひと通り目を通して見たのですが、幸いにして、今日選んだものよりもさらに問題が大きいと思われるものはなかったので、そのことを議論の際に申し上げてご意見を承ろうと思ったのですが、忘れてしまいましたが、そのようなことで今日の選択は間違っていなかったのではないかと思っております。以上です。何かほかにありますか。
○山口委員 今回、ばく露作業報告の制度が変わった第1回目の報告ということになります。これまでとは少し違う形になりますので、どういった改善をなされたかとか、反省するべき、直すべき点があれば、反映するように考えていただければなと。というのは、時期がちょっと変わりましたよね。古い方は勘違いされて、確認の電話がかかってくるときがあるのです。周知はしているのですが、勘違いされている方もおられるので、何か反省すべき点があれば次回の報告のときでも、制度が変わってこういうふうによくなったとか、まだ悪い点がありますということの報告をいただければなと思います。もしそういったことが分かればですね。
○長山化学物質評価室長補佐 かしこまりました。どちらかというと、より出しやすく変えたつもりであったのが、そこはしっかりと伝わっていないと、折角の改善が無駄になってしまいますので、まだ古いタイミングのままと思っている方もいらっしゃるかもしれませんので。リスコミとか、周知の方向とか、今パンフレットの案を作成しておりますので、この期間が記録で、この期間のタイミングで出すのですよという、ビジュアルで見えるような形のパンフレットを工夫させていただいておりますので、何とかより多くの方に正しく理解していただけるようにしたいと思っております。
○櫻井座長 そのほか、何かありますか。よろしいでしょうか。最後に今後の予定について事務局から説明をお願いします。
○長山化学物質評価室長補佐 今後の予定については、資料5です。次が第3回になります。日時は3月17日(木)の午後を予定しております。詳しい時間と会場については、追ってご連絡させていただきたいと思います。議事としては、「平成22年度のリスク評価の実績について」ということで、今年度中に行った各検討会における事項などを総括していただくとともに、「厚生労働省の健康障害防止に係る化学物質のリスク評価方針(平成23年度)について」ということで、来年度の方針についてご検討をいただければと思っております。以上です。
○櫻井座長 それでは閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。


(了)

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