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2010年8月10日 第7回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

○日時

平成22年8月10日(火)10:00~11:10


○場所

厚生労働省6階 共用第8会議室


○出席者

本田部会長、石井委員、岩瀬委員、木間委員、斎藤委員、長沼委員

○議題

日本年金機構の平成21年度の業務実績に関する評価について

○議事

○本田部会長
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「社会保障審議会日本年金機構評価部会」を開催いたします。
 本日も委員の皆様におかれましては大変お忙しい中、御出席いただきましてどうもありがとうございました。本日の委員の出席状況について、まず事務局からお願いいたします。

○事務局
 本日は大山委員、西沢委員から、あらかじめ御欠席ということで伺っております。

○本田部会長
 それでは、議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。本日の主な議題は「日本年金機構の平成21年度の業務実績に関する評価について」でございます。
 それでは、まず本日付で長妻厚生労働大臣より「日本年金機構の平成21年度の業務実績の評価結果」につきまして、社会保障審議会の貝塚会長あて諮問がなされておりますので、これにつきましての審議を行いたいと思います。
 その際、前回までの部会におきまして委員の皆様から御意見がございましたので、それを踏まえた変更点等を中心に御説明をいただきたいと思います。それでは、事務方から御説明をお願いいたします。

○事業企画課長
 おはようございます。事業企画課長でございます。本日お手元に配付させていただいております、資料1と付しておりますものが諮問書でございます。その資料1の諮問書は総論の部分と、個別評価の各論の部分で成り立っております。
 前回御審議いただいたものとの関係の変更点の主な部分ということで、まずは大判の各論の評価シートから御説明を差し上げたいと思いますので、お手元に取っていただきたいと思います。
 評価シートの1~7ページは、特に前回御審議いただいたものと変更はございません。
 8ページ、年金記録問題の一番最後のその他という項目でございます。前回、長沼委員から基礎年金番号の重複付番について、新たな記録問題とならないよう、今後対策を検討する必要があるという文言を、コメントに追記すべきではないかという御意見をちょうだいしましたので、右側の㋖厚生労働省の評価の1つ目の○の後半に、その旨の追記をさせていただいております。
 前回、岩瀬委員から回復基準に関する件で、覆面調査で回復基準に関する現場の説明誤りが発生して、なかなかそういうものが機能していないということが、明らかになっているのではないかという御指摘をいただいております。それを踏まえまして、同じく厚生労働省の評価の2つ目の○の記述を追加させていただいております。年金事務所職員の記録回復基準に係る認識が、低いレベルであったということを追加いたしました。
 その結果、この部分の項目は前回のたたき台では、評価:Bという内容でございましたが、今回の諮問案では評価:Cという内容に修正をさせていただいております。
 11ページ、国民年金の納付率の向上の関係の部分でございます。前回御議論いただいた際には、まだ納付率の数字がかたまっていないということで、記載がまだされていない部分がございましたが、8月5日に納付率の公表がございましたので、それを踏まえまして所要の記載をさせていただいております。
 その関連で、御説明の関係で本日は参考資料1という形で、別冊で国民年金の保険料の納付状況と、今後の取得についてという資料をお配りさせていただいておりますので、そちらの方もお手に取っていただきたいのですが、11ページの大判の資料の方に戻りますけれども、この国民年金の納付率の向上の部分、㋒21年度計画の記載内容でございますが、特に現年度納付率について、平成21年12月末時点の納付率から22年3月末までの間において、1ポイント程度以上の納付率の伸びを確保することを目指すというのが、21年度計画でございました。
 そのこととの関係で評価となるわけでございますけれども、お手元の今、申し上げました参考資料1をごらんいただきますと、参考資料は分厚うございますが、全体は通しページで1~52ページまで打ってございますので、その通しページで申し上げますと、通しページの1の部分で平成21年度の現年度分の納付率は60.0%、対前年度比2.1ポイント減という状況でございました。
 同じく参考資料の12ページをお開きいただきたいのですが、国民年金保険料の納付率の経年のグラフが左半分のところに、折れ線グラフでございます。この折れ線グラフをごらんいただきますと、低下の傾向が続いていることがごらんいただけると思います。
 その上で参考資料14ページをお開きいただきたいと思います。14ページが先ほど21年度計画と申し上げました部分との関係となるところでございます。2つ目の○でございますが、21年度の年度計画では先ほど申し上げましたように、平成21年12月末時点の納付率から22年3月末までの間に、1ポイント程度以上の納付率の伸びを確保することを目指すという年度計画でございました。
 それに対する結果として、21年度全体の現年度納付率は60.0%で、先ほど1ページを御紹介したところで低下傾向は続いているということでございますが、平成22年1月末現在の現年度納付率58.9%と比較をいたしますと、1.1ポイントの伸びとなってございます。したがいまして、平成21年度の年度計画における目標の伸びというものは、確保されている状況にあるところでございます。
 参考までに21年度計画ではなくて、中期計画との関係で申し上げますと、中期計画では一番上の○にございますように、最終納付率についての目標設定がございます。中期目標期間中、各年度の現年度納付率から4~5ポイント程度の伸び幅を確保することを目指すという中期目標になっておりますが、それとの関係では14ページの一番下の○になりますけれども、平成19年度の最終納付率は68.6%、19年度末と比較して4.7ポイントの伸びとなっておりまして、中期計画における目標の伸びは確保されているという状況になってございます。
 全体としての納付率が低下していることの要因につきましては、参考資料の15ページから分析が記載をされてございます。要点だけ申し上げますが、まず15ページで1つ要因として掲げておりますのが、第1号被保険者の年齢構成が変化してきている。第1号被保険者の年齢構成が若い方向にシフトしたことによりまして、21年度の現年度納付率に-0.3ポイント程度の影響があったと推定されるということでございます。
 16ページ、市場化テストとの関係で分析をさせていただいております。市場化テストの受託事業者に対しましては、1番目の○にございますように、当該区域を管轄する年金事務所、社会保険事務所の前年度実績と同程度の水準ということを、最低水準ということで求めておるわけでございますが、その達成率は全体で平均しても76.0%にとどまったということでございます。
 原因としましては下の2つの○にございますように、年金事務所と受託事業者の連携体制が不十分であったということ、また、日本年金機構(社会保険庁)における事業の進捗管理が十分に行われなかったことが挙げられる。受託事業者において電話による納付督励が中心になりまして、個別訪問が十分に実施されなかったことが挙げられるということでございます。
 17ページ、そのほか納付率低下の構造的な背景ということで、第1号被保険者の就業状況が臨時やパートの就業が増えてきていることですとか、第1号被保険者の世帯、本人の所得水準の問題、年金制度及び行政組織に関する不信感、不安感というものが、こういう全体的な構造的に背景にあるという分析になってございます。
 そこで評価シートの11ページに戻らせていただきますが、評価シートの11ページでは国民年金の納付率の部分につきまして、日本年金機構の自己評価はBでございます。厚生労働省の評価といたしましては、㋖の部分に掲げましたように今、参考資料で申し上げましたけれども、21年度の現年度納付率は60.0%となったところであり、依然として低下に歯止めがかけられていない。しかしながら、22年1月末現在の現年度納付率58.9%からは1.1ポイント伸びており、21年度の年度計画における目標の伸びは確保したと評価できるという評価でございます。
 更に15ページをお開きいただきたいと思います。国民年金の納付率に関しましては、15ページにおきましても評価の記載がございます。これは㋒21年度計画をごらんいただきますと、納期限内納付月数と督励納付月数について目標設定を適切に行って、進捗管理を徹底するという年度計画でございます。これとの関係で21年度の実績がどうであったかという点でございますが、前回御審議いただきました段階では、㋔業務実績の一番上の○の平成21年度の数字が、11か月分の数字で載せておりましたので、本日の諮問の中では12か月分の数字として載せております。したがいまして、納期限内納付月数は21年度9,394万月、督励による納付月数は988万月という数字でございます。
 これを踏まえまして、日本年金機構の自己評価はBとなっておりますが、厚生労働省の評価といたしましては一番右の㋖の部分でございますけれども、各年金事務所において納期限内納付月数及び督励納付月数について、可能な限り前年度並みの実績を確保することを目標として設定して取り組んだが、結果、前年度の実績を下回っており、各年金事務所において適切な進捗管理がされていたとは、評価しがたいという評価でございます。
 この部分の評価と、先ほど申し上げました国民年金の保険料の現年度納付率の評価と併せまして、11ページに戻りますが、この部分全体としてBというのが諮問案の評価の内容でございます。
 先にまいりたいと思います。17ページは厚生年金保険、健康保険、船員保険等の徴収対策に関する事項の部分でございます。一番右側の㋖厚生労働省の評価の部分について、前回も御審議いただきました資料から少し追記をさせていただいております。収納率が過年度分を含むということ、滞納額ですとか不納欠損額もどれだけ大きいかわかるように記載すべきという長沼委員からの御指摘がございましたので、その関係の数字を追記させていただいております。
 17~18ページにかけてでございますが、前回斎藤委員から厚生労働省の評価の部分で収納率及び口座振替実施率について、計画を策定していると記述してあるけれども、実際に数値をちゃんと記載すべきではないかという御指摘をいただきましたので、18ページで厚生労働省の評価の部分で1つ目の○で収納率の計画数字、2つ目の○で口座振替実施率の計画数字を記載させていただいたところでございます。
 同じく18ページ、給付事務に関する事項の最初の部分で、サービススタンダードの達成という関係の項目がございますが、こちらにつきましては前回の御審議で、サービススタンダードの達成率の改善に向けた取組みとして、障害認定の関係の職員の増員という記載があるんですけれども、これが事務職員の増員であることをはっきりさせた方がよろしいという御指摘をいただきましたので、㋖厚生労働省の評価でその旨を追記させていただいております。
 19ページ、適正な届出の周知という関係の項目でございますが、前回斎藤委員から評価の部分について、非常にポジティブに評価しているような案になっているけれども、パンフレットを送付するだけでは不十分であるという御指摘をいただきました。それを踏まえまして㋖厚生労働省の評価でございますが、リーフレットを送付しているということについて、送付しているにとどまっているというコメントに修正をさせていただいております。
 22ページは相談、情報提供に関する事項の中の年金相談の充実の部分でございます。(1)年金相談の充実の部分でございますが、前回お示ししました資料の㋕日本年金機構の自己評価の中で、職員交代の影響という記述がございましたけれども、職員交代の影響というのは非常に抽象的過ぎてわからない。もっと具体的に書くべきという御指摘を岩瀬委員からちょうだいをいたしました。そこで、㋕の理由の部分で下から10行目ぐらいのところですが、日本年金機構への移行に伴い業務に習熟した職員が減少し、設立当初において研修機会を十分確保できなかったこともありということで、記述を少し具体的な内容にさせていただきました。
 29ページ、お客様の声の反映という関係の項目でございます。 これにつきまして㋖厚生労働省の評価の内容でございますが、お約束の10か条という点につきまして、単に実践に努めたということではなくて、もっと具体的に記載すべきという岩瀬委員の御指摘がございましたことを踏まえまして、一番右側の厚生労働省の評価の理由の部分につきまして、少し具体的な内容となるように、言葉を補わせていただいたものでございます。
 32ページ下段、電子申請の関係でございます。これにつきましても電子申請について、検討を実施したという記載が前回御審議いただいた、厚生労働省の評価のたたき台ではそういう言い方になってございましたが、どのような内容かもっとはっきりすべきという斎藤委員からの御指摘を踏まえまして、32ページ一番右側厚生労働省の評価の2つ目の○につきまして、検討内容がもう少し具体的にわかりますように補記をさせていただいております。
 33ページ、業務運営の効率化という大きな柱の中の項目でございます。運営費の抑制というのが下半分にございます。運営費の抑制という点につきまして、前回石井委員から事業の繰越額が140億円である。一般管理費の削減額が3.3億円、調達コストの低減等が42.9億円ということで、抑制の中身がちゃんと書かれていないという御指摘をいただきました。特に評価はどの部分について評価をしたのかというのも、はっきりすべきだという御議論もございましたので、一番右側の㋖厚生労働省の評価の理由のところで、事業の繰越しによる140億円ではなくて、一般管理費の3.3億円、業務経費の42.9億円、こうした部分の抑制が評価の対象だということがわかるように、記述をしたということでございます。
 43ページ、情報公開の関係の一番下に○3と21年度事業計画のところで記載している部分でございますが、事務処理誤りという点につきまして、単に情報公開をしたということだけではなくて、どのような再発防止策を講じて、どういう状況かということも記載すべきであるという、岩瀬委員からそういう御意見を前回ちょうだいしました。そのことを踏まえまして、一番右側の㋖厚生労働省の評価につきまして、再発防止策についての記載を追記させていただいたという内容でございます。
 以上が個別評価のシートに関する、前回御審議いただきましたテキストからの変更点でございます。
 続きまして、総論の部分について御説明を差し上げたいと思います。総論の部分は諮問書の続きで資料1に付けさせていただいております。21年度の業務実績の評価結果(案)というA4の縦長の紙でございますので、それをお手に取っていただきたいと思います。
 1ページに評価の視点というチャプターがございますが、ここの部分は前回御審議いただいたものと変わってございません。
 2番目の21年度業務実績全般の評価という点につきまして、全体を通じまして今回私どもは大臣の御指示も受けまして、表現をニュートラルにした部分が何か所かございます。委員からいただいた御意見との関係で申し上げますと、1ページの最後の行のところでございますが、前回の御審議の後に長沼委員からメールで御意見を何点かちょうだいしたことを踏まえまして、住基ネットの活用による20歳到達者全員への加入手続の実施が、社会保険庁における取組みの継続であることが、わかるように記載をするという御指摘をいただきまして、社会保険庁における取組みを継続してという言葉を補わせていただいております。
 2ページの2~5行目は、先ほど大判の個別評価シートの方で申し上げましたが、8月5日の納付率の公表を踏まえまして追記をさせていただいた部分です。平成21年度の国民年金保険料の現年度納付率は60.0%、59.98%になったところであり、対前年度比で-2.1ポイントと依然として低下傾向が続いており、歯止めがかけられていない状況であることを追加させていただいております。
 2ページの下から16行目と25行目の部分に、業務運営の効率化の関係の入札による調達コストの低減ということ、予算の執行の関係で抑制されてはいるものの、今後、執行管理を更に計画的に行うという2点追記をさせていただいております。前回の御審議で石井委員から、総合評価の中でもこういう大事な点は触れるべきだという御指摘をいただいたことを踏まえて、追記をさせていただきました。
 2ページの最終行でございますが、これも長沼委員からメールでいただいたコメントを踏まえまして、社会保険庁から機構への移行準備が必ずしも十分でなかったということを追記。
 3ページの1行目におきまして、職員採用の決定から機構発足までに、十分な時間的余裕がなかったという表現を追記させていただいております。
 更に3行目は長沼委員、斎藤委員からコメントをいただいたところですが、大きな混乱もなくという言葉を追記させていただいております。
 3ページ6行目も、大いに評価できるという表現が前回御審議いただきましたテキストでございましたが、一定の評価ができるという表現に修正をさせていただいております。長沼委員、岩瀬委員からの御指摘を踏まえた修正でございます。
 3ページの8行目でございますけれども、前回の御審議の中で機構内でのトラブルや社会的批判もある中で、課題がまだまだ多いということを書くべきではないかという御指摘を、岩瀬委員からちょうだいをいたしまして、そのことを踏まえまして、次年度に向け多くの課題を残しつつもという表現を追記させていただいたところでございます。
 総合評価に関する変更点は今、申し上げたところでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

○本田部会長
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問、御意見等ありましたらお願いいたします。岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員
 11ページの国民年金の納付率に関してですけれども、評価のBというのは私はどうかなという気がしますが、それはさておき、厚労省の評価の中身が抽象的過ぎるのではないかという気がしますので、ここはちょっと考えていただけないか。
 1ポイント伸びたからいいんだということですけれども、なぜ伸びたのか、あるいはなぜ1ポイントにとどまったのかというところの分析が、もう少しきちんとされるべきではないか。それは次の評価にもつながることだと思うんですが、21年度の計画を見ても、年金機構は納付勧奨のチラシを同封するということしか書いていないわけです。チラシを1枚送った程度で若い人たちの納付率が飛躍的に向上するとはとても思えませんし、今、機構がつくっているチラシを見ましたけれども、とてもあれで納付率が上がると思えないです。
 だから、的確な情報提供という点から言ってもチラシでは不十分だと、これはちょっと評価とは別ですけれども、国民年金の納付率に対して1%達成できたと言うのであれば、それはどういう原因で、どういう対策をとったかということと、それを次年度にどう生かしていくかを書いていただいた方がいいのではないかという気がします。
 もう一つは、一番最後の情報公開の促進に関する事項の厚労省評価Bというのは、余りにも高過ぎませんかという気がします。理由としてアニュアルレポートをつくった、あるいはホームページによる公表をしたということが書いていますが、ホームページ自体が非常に不十分なホームページで、今つくり直しているわけですし、アニュアルレポートは今つくっているところだけれども、これはまだできていないわけです。つくろうという準備に着手しただけですから、それでB評価というのはどうか。
 逆に言うと前回も言いましたが、研修のプログラムをつくる準備を始めた、あるいはそういう体系を策定したというだけで、具体的に研修の実績評価は何もやっていないわけだから出ていないわけです。それでBというのはちょっと高過ぎませんかという気がします。
 ただプログラムをつくった、つくる準備を始めたというだけで、それが実績になるという主張なんだと思うんですけれども、一般的な感覚でいくと非常に違和感を感じるという気がします。だから私は厚労省評価のBというのは高過ぎるということを、意見として言わせていただきます。
 以上です。

○本田部会長
 今の意見について、何か事務局の方からありますか。では、機構の方からどうぞ。

○日本年金機構経営企画グループ長
 事実関係だけコメントをさせていただきたいと思いますが、これはあくまで21年度の実績評価ということで、21年度計画に対しての評価ということだろうと思います。
 先ほど御指摘をいただいたうちのアニュアルレポートの関係と、研修の関係につきましては、アニュアルレポートを作成することではなく、その作成に向けた準備を進めるということが、21年度計画の内容であるということ、研修につきましても同様に、研修その他戦略的な人材育成を推進するための準備を進めることが年度計画の内容になっておりますので、年度計画としての目標としてあくまで準備をするということであることは、事実関係として申し上げておきたいと思います。。

○岩瀬委員
 アニュアルレポートの件はわかりましたけれども、研修は準備をするというのが1つあるんでしょうけれども、実際に機構がスタートして研修をやっているわけです。あるいはやらないといけなかったわけです。それに対して設立委員会のときから研修に関しては随分議論がされていたと思いますけれども、その実績はどうなっているんでしょうか。

○日本年金機構理事(人事・会計部門担当)
 研修につきましてお答えしたいと思います。前回のときにも御説明いたしたと思ったんですが、実際の研修で何をやってきたかと言いますと、この間お話しましたように機構に入ってから中途採用者が非常に多いということで、昨年から研修をやっておるんですが、それの積残し分を2~4月と、いわゆる新規採用者の研修をやっております。
 4月以降も当然新規採用者についての研修をずっと予定しておりまして、そのプログラムをつくっていたというのが1~3月の状況であります。実際には4月以降、今年度につきましては3月に計画を立てまして、2,000名を超える研修を実施することになっております。22年度の1~3月はおよそ500人ぐらいの正規職員を集めまして、研修所で研修を行ったところであります。

○岩瀬委員
 だったらその研修実績を書いていただいた方がいいのではないでしょうか。この評価シートだと、そういう研修というのが一切なくて、来年度に向けた研修のプログラムをつくったということしか普通は読めないと思うんです。具体的にどんな研修を何回やったのか、どういうレベルの人たちに対してどういう研修をしたのかというのを書いた上で評価を出していただかないと、私はわからないような気がするんです。

○日本年金機構理事(人事・会計部門担当)
 おっしゃるとおりだと思うんですが、21年度の計画は先ほど経営企画グループ長から説明しましたように、いわゆる準備を進めることが計画になっておりましたので、研修の実績は書きませんでした。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 国民年金についてのお尋ねがありましたので、事実関係だけ御説明いたしておきますと、今日お配りした参考資料の横長の通しページで言いますと23ページ以降に、21年度1~3月には限定しませんけれども、どういう取組みをやってきたという対策のメニューと取組みの実績を書かせていただいております。
 それも踏まえまして22年度以降、先ほど広報の話もありましたけれども、どういう取組みをやっていくのかというのは、25ページから市場化テストの取組みあるいは強制徴収、先ほど御指摘いただきましたパンフレット等々も含めまして、現在取組み中のもの、あるいは今後力を入れてやっていくメニューということでは、こちらの資料の中では整理をさせていただいているということでございます。
 個別の対策がポイント伸びた中で、要因分析でどの対策が1%伸びたというところの寄与度の分析まではできておりません。

○岩瀬委員
 これはあくまで参考資料ですね。評価シートに添付して大臣に提出するものなんですか。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 これは公表資料です。21年業務実績については横長の11ページ以下で、22年度の取組みは書いてありませんけれども、21年度の業務実績でどういう取組みをやってきたかというのは、11~15ページまでそれぞれ数字を入れて、拾える数字は拾って記載させていただいたつもりでございます。

○岩瀬委員
 ただ、私は先ほど言いましたように、来年度の計画において国民年金の納付勧奨でチラシを配るとしか書いていないわけです。これで果たして十分なんですか。

○年金管理審議官
 補足説明させていただきます。岩瀬委員御指摘の納付勧奨のチラシの記述が、大きな個別シートの11ページの㋔の欄の中ほど下○1にある。その点を御指摘のことであろうかと思います。ここは今年2月末らか3月末にかけて送付をしたという、21年度の実績の記述でございます。
 先ほど参考資料で、22年度の主な取組みの御紹介があるということを申し上げましたが、資料の性格として参考資料はあくまで参考資料で、諮問書には添付されないというのは事実でございますけれども、今回諮問書にどこまでのものを記載し、添付資料に何を添付するか、いろんな考え方があろうかと思いますが、私どもが本日諮問させていただきました整理では、22年度に何をするかという22年度にわたる方針でありますとか、施策の御紹介、これは㋖の欄には記載をしていない、記載をしないで諮問させていただいたということでございます。

○岩瀬委員
 それはわかりました。それで1つ、費用対効果をきちんと出していただきたいんですけれども、幾らお金をかけて納付対策をして1ポイント上がったのかというのは、きちんと出すべきではないですか。何かやったと書かれてあるんだけれども、大体幾らかけているんですかということは、国民に対してきちんと出すべきだと思います。だからこれは数字を幾らかけたのかというのは、できたら入れていただきたいんです。
 結局こんなにお金をかけて、こんな程度なのということなのか、あるいはこの程度でこれだけ上げたのかというのは、非常に重要な情報だと思いますので、是非入れていただきたいと思います。

○本田部会長
 よろしいですね。岩瀬さんがいろいろ話されましたけれども、22年度の評価に当たって更に親切に書くようなことも考えなければいけない。今回初めてなものですから、加えてなぜよくなったのかという原因云々と、こういうものもアニュアルレポートにはいろんなところがありますので、できるだけ国民にわかりやすいようにやっていただきたいというのが、岩瀬さんの1つの考え方だと思いますので、勿論評価の前提もはっきりしなければいけないということもありますけれども、研修はまさに22年度の課題ではないかという感じで私は受けましたので、そういうことで岩瀬さん、よろしいですか。

○岩瀬委員
 はい。

○本田部会長
 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員
 今回はわずか3か月ということで、いろいろと数値を出して評価するというのはかなり無理なところもあるだろうと思います。ただ、内部統制システムに関しましては、これはわずか3か月と言えるものではないと思いますので、これに関してもう一度コメントを申し上げたいと思います。
 システムの構築について枠組みができて整備ができたということですけれども、その3か月の間に枠組みをつくるに当たって、さまざまな討議をなされたと思います。それであるにもかかわらず不祥事が発生したというのは、やはり重大なことだと思います。これをCという評価を付けていいのかというのが、疑問として私は残ります。仏をつくって魂が入っていないというような印象を受けます。

○本田部会長
 今の御意見は、何か機構の方はありますか。

○日本年金機構副理事長
 確かにこの3か月の間に一方で規程を整備しながら、ただ、現実問題としては厚木事案、紙コンの入札の関係の不祥事あるいは情報漏洩の話であるとか、幾つか問題事例がございました。これにつきましては今おっしゃられたように、ルールだけで動くものということではなくて、職員に対してこれを十分浸透させることは極めて重要であるという御指摘は、そのとおりだろうと思っておりまして、私どもとしては引き続きそこに力を入れていきたいと思っております。評価につきましては、機構は評価を受ける立場でございますのでコメントは差し控えたいと思います。

○本田部会長
 木間委員、どうぞ。

○木間委員
 43ページの評価Aのことです。毎週公表されるものを見ておりますと、大変よくやってらっしゃると思っていますが、前々回から、私はわかりにくいということを申し上げています。が、今日もまたわかりやすい公表をしたと書かれています。ただし、厚生労働省の評価ではわかりやすいという表現がないので、今回はこれでしようがないのかなと思いますが、とにかくわかりにくいです。
 7月からわかりやすくしたというペーパーを見せていただきました。わかりやすいというより少しだけ見やすくなったと思います。マスコミに発表するペーパーはそれでいいとしても、これからは、ホームページを活用しましてマスコミに公表したものをそのまま載せるのではなくて、内容はそのままにしても、見やすくするという工夫は簡単にできることですから、していただけたらと思います。

○本田部会長
 御意見いかがですか。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 今日自体は3月までの議論なので、勿論今あるいは将来に向かって御指摘のものに限らず、いろんな文章について少しずつかもしれませんけれども、見やすく、あるいはわかりやすくという観点で努力は続けていきたいと思います。
 ホームページのつくり方もいろんな御指摘をいただいておりますので、これは直接私の担当ではありませんが、そことも連携をして、同じ情報発信をしても見やすいようなホームページ上の工夫を続けていきたいと思います。

○本田部会長
 よろしくお願いします。長沼委員、どうぞ。

○長沼委員
 私はこの個別評価シート、諮問書の中身については基本的に了解ということであります。岩瀬委員がおっしゃったことも当然もっともでありますので、それは平成22年度の評価のフォローアップのときに、部会長からお話があったような形でできればいいのかなと思っています。
 今日は参考資料1の4ページ、「平成21年度の納付状況等について」教えてもらいたい。なかなか国民年金保険料の納付率が出てこなかったが、本日提出された資料を拝見すると、「公的年間加入対象者全体でみると、約95%の者が保険料納付(免除及び納付猶予を含む)」と記されている。また、1ページの資料では、平成21年度の現年度分の納付率は6割(60.0%)となっており、逆に言えば、4割が納めていただいていない。
 さて、4ページの資料の注1をみると、「未納者とは24か月(平成20年4月~22年3月)の保険料が未納となっている者」と注記されている。ということは、例えば20か月未納だとか12か月未納という者は、この図表の『保険料納付者』の欄に入ってきているということなのか。納付率の計算式は、未納者の月数と保険料納付者の月数を分母においている。法定免除者や申請全額免除者の、いわゆる免除者の月数とか、学生納付特例者・若年納付猶予者の月数は除いている。
 そうすると、納付対象月数ベースで、4割の方が納付されていないということは、公的年金加入者ベースに置きかえて考えてみると、第1号被保険者1,985万人から、免除者335万人、学生納付特例者・若年納付猶予者200万人で、計535万人と未納者の321万人を引くと、4ページの図表の「保険料納付者」の人数は1,129万人になる。1,129万人に未納者の321万人を加算すると、1,450万人。これが、「納付対象者」の人数となり、この1,450万人のうち、未納付が4割とすると580万人が「未納付者」というアバウトな計算になる。 「未納付者」が580万人ということは未納者が321万人なので、適切な用語かどうかはともかく、いわば「滞納者」というのは259万人になる。「滞納者」という概念を入れて、計算すると、参考資料1の4ページの「公的年金加入者全体でみると、約95%の者が保険料納付」という表現は、公的年金加入者が6,878万人で、「未納者321万人」「滞納者259万人」であれば、「約92%が保険料納付」となるのではないかと思う。私の考え方が適切なのかどうかを教えてもらいたい。
 あわせて厚生年金の保険料についても98.0%の収納率でした。それなども勘案すると、4ページの「約95%の者が保険料を納付」という記述は、92%ないしは91%程度まで落ちてくるのではないかと思う。実際に「保険料納付者」が、全員納めているわけではないと思う。厚生年金保険の被保険者についても、事業所全部が保険料を納めているわけではない。
 4ページの資料では、「約95%の者が保険料を納付」と記載されているが、公的年金加入対象者全体でみると、92%ないし91%ぐらいになってしまうのではないかと思う。そういう見方が妥当なのかどうなのか、教えていただきたい。
 次に、今日いただいた資料の52ページについて、教えていただきたい。平成21年度(現年度分)、沖縄県の全額免除割合が44.4%と47都道府県で一番高い。一方で、納付率は、38.4%と一番低い(51ページ)。そうすると第1号被保険者の中で、納付月数ベースを納付者の人数ベースに換算すると、実際に全額納めている方は、2割程度ぐらいになると思うが、そういう数字の理解で間違いないか。また、先ほどの岩瀬委員の質問とも関連するが、国民年金の保険料納付率といったときに、一番高い島根県の72.4%から一番低い沖縄県の38.4%まで、これだけ都道府県で差異があるとなると、都道府県ごとにきめの細かい収納対策を実施しやっていかないと、納付率を1ポイント上げるというのは容易でないと思う。
 そういう意味で、都道府県ごとの、とりわけ沖縄県でこれだけ全免が多いという原因と納付率が低い原因をどのように分析されているのか、わかる範囲内で教えていただければと思います。
 やはりこれから国民年金保険料の収納率を上げていくためには、今日いただいた資料(47ページ)でも、「20歳に到達した者」のうち、「手帳送付者」、つまり「職権適用をした者の納付率が21.6%」で、「それ以外の者の納付率は77.3%」と記述されている。 やはり、職権適用して、これで事足れりということではなく、その後をしっかりとフォローアップをしていかないと、いけないのではないか。職権適用された人は自分が職権適用されたことも認識していない可能性が高いと思う。それを踏まえて平成22年度の評価の中で、フォローアップしていきたいと考えている。
 以上です。

○本田部会長
 今、2点ほどあったんですけれども、何かそちらの方から御説明お願いします。

○事務局
 約95%の者が保険料納付で、5%の人が未納と書いてあるのではないかということで、それが91%とか92%になるのではないかという御指摘でございました。国民年金の保険料の納付率につきましては、納付対象月数を用いてやっておりますので、納付対象月数分の納付月数が、どれだけ納付月数が納付されたかというパーセントを用いてやっております。そこで国民年金の納付率は60.0%となっております。
 たしか保険料納付者の中には未納者、ここは24か月となっている者のみを拾い上げておりますので、保険料納付者の中には例えば1か月未納であるとか、そういった者も含まれていることはそのとおりでございます。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 沖縄の数字は単純に計算すると実際に納めている人が25とか26とか、月数ベースで分析はしていませんが、人数から計算するとそんなような数字です。
 沖縄の免除率とか納付率が低い要因は過去からの長い経過ですとか、あるいは雇用情勢が厳しいとか、県民所得が低いというもろもろの要因があると推察しておりますけれども、いずれにしましても個々の地域ごとに、地域特性に応じた取組みを進めなければいけないというのはおっしゃるとおりでございまして、各年金事務所ごとに機構全体でこういう取組みをするという行動計画を22年度は作成しておりますが、各年金事務所ごとにもそれぞれ地域特性を踏まえて、こういう取組みをやっていくんだという計画をつくらせていますので、そういう中でできるだけ地域特性に応じた取組みを進めていくということで、やっていきたいと考えております。
 二十歳の職権適用の話もございました。そこも今年度の取組みの中として横長の26ページに書かせていただいておりますが、いわゆる職権適用をした二十歳到達者等を中心に、これまでは必ずしも適用した後のフォローが十分ではありませんでしたので、そういう方々に対して有期雇用職員等を活用しまして、新規適用した方が未納者に陥らないようにということで、できるだけ早く、早期にアプローチするという取組みも、今年度から進めていきたいと考えております。

○長沼委員
 まず、1点目の関係です。先ほどお話した4ページの図表というのは2ページにも、10ページにも出てくる。いろんなところで、この図表が使われて、およそ95%の人たち、「約95%の者が保険料を納付」している、ということが強調されている。しかし、実際本当にそうなのか。
 具体的にいうと、この「未納者」というのは、24か月の保険料が未納ですから、実数で押さえていると思う。「免除者」の335万人と「学生納付特例者と若年者納付猶予者」も、ある意味で実数でとらえていると思う。「第1号被保険者」の人数も、平成22年3月末現在の実数である。「第1号被保険者」から「未納者」「免除者」「学生納付特例者・若年者納付猶予者」を控除して、残りが「保険料納付者」、というのが4ページの図表の構図である。この「保険料納付者」を、全員、実際に保険料を全額納付したと受け取れるような説明書きは、いかがなものかなと思う。
 平成21年度の志木市の現年分・滞納繰越分をあわせた個人市民税の収納率は、約90.5%である。法人市民税などを含む市税では、約92.9%である。今、志木市の個人市民税にしても、90%を割らないというのが大目標である。税ですら90%の大台に乗せ続けるというのは非常に厳しい時代になってきている。公的年金がいろいろと批判を浴びていながらも、95%の保険料納付があるというのは、やはり高いという印象がある。
 ですから、もう少し実態に即して、厚生年金保険も含めて、公的年金で本当に95%納めているというであれば、今後ともいろいろな場面でこの図表を使っていくのがいいと思うが、実際問題、それが92%あるいは91%になっているのであれば、実態に即した形で、数字を公表していくのがいいと思う。旧社会保険庁の時代は、「保険料納付者」は全員が全額納付しているという形で、「約95%の者が保険料を納付」と公表してきたが、日本年金機構になったらより実態に即して数字を公表していく、それが日本年金機構のよさでもあるという形にしていくのがいいと思う。ですから、後ほど数字をよく精査していただいて、より正確な形で、今後資料を使っていっていただければと思います。
 あわせて、厚生年金保険と第2号被保険者の記述に関し、注記のお願いです。例えば、会社の役員あるいは定年延長などでずっと勤めていて、引き続き厚生年金の被保険者になっている67歳の人は、第2号被保険者なんですか。原則として、厚生年金の被保険者で65歳以上の人(老齢年金の受給権者)は、第2号被保険者から除かれていると理解している。そういった人も含めて第2号被保険者にカウントしているということであれば、(注3)なら(注3)でしっかりと注記をすべきではないか。現に第1号被保険者のところでは「(注3) 第1号被保険者には、任意加入者(34万人)が含まれている」と記載している。注記すべきところは注記していただいた上で、この図表は、簡単なポンチ絵としてわかりやすいということで、このポンチ絵を使って年金制度を説明するときは活用する、そして、注記のところで若干補足説明を入れていただければと思います。
 2点目の点については、そういう地域特性をよく踏まえてしっかり収納対策をしていただきたいし、できれば評価部会としてもそういうフォローアップをさせていただければと思っています。
 私も社会保障審議会の委員を務めさせていただいているので、こういう都道府県ごとの納付率というのがわかります。しかしながら、市には何も連絡がないんです。今回もきょうの審議会があるので、川越の年金事務所に志木市の納付率はどうなっているのかと言って、昨日FAXで送っていただいた。しかしながら、資料が細かくてどれが本当の納付率なのかよくわからない。所得情報などを提供して、連携しているのですから、協力していただいた市に対しては、おかげさまで納付率がこういう状況でしたとか、もう少し年金事務所と市町村が密接に連携・協力をしていくことが、平成22年度は大切と思いますので、よろしくお願いいたします。これは意見です。

○本田部会長
 貴重な御意見、機構の方もよろしくお願いします。しかも納付率の向上というのは大変に大事なものだと思うんです。それをどう向上させていくかということが22年度の中で施策をやって、それのフォローアップなりがちゃんとできるような、多分やっておられると思いますけれども、更にそれを充実させて、是非お願いしたいと思います。
 ほかに御意見ございませんか。石井委員、どうぞ。

○石井委員
 一応、私も幾つか指摘事項を修正していただきましたので、最終コメントをさせていただきますが、基本的に私も個別評価シートと全体のコメントともに了解をいたしました。結構だと思います。
 まさに、長沼委員もおっしゃったように来年が勝負の年なので、是非とも来年に関しましては評価結果等に関して年次の推移と言うんでしょうか、21年度3か月でこういう状況、22年度になったところでこういう変化をした。機構本体での自己評価が自らの中でこういう変化をした。あるいは厚生労働省の評価がこういう形の変化をしたというような推移が見られる、分かり易い総括サマリーシート的なものを1表か2表、是非おつくりいただきたいなと思っています。よろしくお願いいたします。

○本田部会長
 それでは、これで2回、3回やってまいりましたけれども、おおむね議論は尽きたかなと思います。いろんな御質問、御意見をいただきましたが、本日の諮問につきましてはおおむねよろしいということと思いますけれども、皆さんいかがでございますでしょうか。
 斎藤委員から1つだけ、Cということは甘いというのがありましたけれども、今年度の問題だということも含めて是非、御理解をいただきたい。
 木間委員からおっしゃったことは前にもありましたけれども、できるだけ機構の方で御意見等を参考にしながら、よろしくお願いをいたしたいと思います。おおむねよろしいということであれば、厚生労働省案を妥当と認めまして、その旨を私の方から貝塚会長の方に御報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○岩瀬委員
 1つよろしいでしょうか。国民年金の収納対策に幾ら使ったかというのを盛り込んでいただきたいんですけれども、それはやっていただけないでしょうか。

○本田部会長
 先ほどの費用対効果ですか。

○岩瀬委員
 それと、木間先生も言っていたところと私が言っていたことはダブるんですけれども、評価が高過ぎるのではないですか。機構は自分たちの自己評価でAを付けるのはいいと思うんですが、一般的にわかりにくいという声が出ているわけですから、厚労省としては評価を変えることを検討していただいた方がいいのではないかという気がします。それを最後にお聞きした上で。

○年金管理審議官
 失礼いたしました。情報公開に関する点の厚生労働省の評価、特に木間委員からは43ページの㋑で機構の自己評価ではAとあるわけですが、厚労省はどうだという御指摘であったかと思います。
 私どもは機構におかれての自己評価の項目のくくりではなく、43ページの上の方の(2)情報公開の推進に関する事項という大きなくくりで、全体㋐~㋓までございますものをまとめてBという評価にしてございますので、㋑のみを取り上げてどうこうではなく、情報公開全般としてのBということで諮問をさせていただいてでございますが、1点目のお尋ねの打ち合わせをしておりましたので、2点目の御指摘のポイントを外しておるかもしれませんけれども、今、申し述べたのがお答えになっておりますでしょうか。

○本田部会長
 今の岩瀬委員の質問はそういう意味ではなくて、厚労省の案の評価が甘いので、もっと厳しくするべきではないですかというのですが、これは委員の中で話すなかで、今までいろいろとやってきたわけですから、先ほどかなり御意見も出ましたし、今日もありまして、あえて評価について個別であったのは斎藤委員の内部統制の問題だけで、岩瀬さんの1番目がありましたけれども、その後の質問の中で費用対効果問題がありました。これも私は22年度の中で収納率をどう向上させていくかという対策の中で検討すべきではないかと思います。ここで1つまたお諮りしたいことがございます。
 後で言おうと思ったんですけれども、先般の会議で長沼委員からご指摘いただいたとおり、こういう年度1回ぎりぎりになって評価というのは非常にいかがなものかと思います。我々は評価部会であって、ある意味では年金機構の業務ができるだけよくなるようにお手伝いする面もあるんだと思う。そういう意味で、年度のしかるべきときにフォローアップしようという案がありまして、そういう方向で、企業で言えば中間決算のときぐらいに進捗管理なりいろんなことをお聞きしたい。秋ごろにそこを考えながらと思っています。
 フォローアップの詳細については、いずれまた委員の皆さんと御相談しますけれども、そういう中で今日、岩瀬委員のおっしゃったこと等も、更に機構の業務を充実強化させる意味で活用できるのではないかと私は思ったところです。また、斎藤委員も先ほど申し上げたようにCというのが1か所だけありましたが、内部統制という問題もそれだけ企業も大変苦労していますけれども、一言で言えばシステム、形をつくったって意味はなくて、どうやって知恵を交わして現実的にみんなが一緒になってその気になるかどうかです。これもスタートしたばかりで、移るときは意識が低かったかもしれませんが、非常に大事な問題なので、是非機構の皆さんはそういう気持ちで頑張っていただきたいということで、Cとさせていただきたい。
 評価につきましてはそういうことでよろしゅうございますか。それでは、貝塚会長に報告文を出しますので、報告文を事務方は皆さんに準備していただけますか。ちょっとお待ちいただきたいと思います。
(資料配付)
○本田部会長
 それでは、報告文案が整ったようでございますので、事務局から読み上げていただきたいと思います。

○事務局
 それでは、読ませていただきます。
 平成22年8月10日、社会保障審議会会長、貝塚啓明殿。
 日本年金機構評価部会部会長、本田勝彦。
 日本年金機構の平成21年度の業務実績の評価結果について。
 平成22年8月10日付け厚生労働省発年0810第1号をもって社会保障審議会に諮問のあった標記については、本部会は、審議の結果、下記のとおり結論を得たので報告する。
 記「日本年金機構の平成21年度の業務実績の評価結果」について、厚生労働省案は、おおむね妥当と認める。
 以上です。

○本田部会長
 ありがとうございました。それでは、お手元の報告文案によって貝塚会長あてに報告することとしてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○本田部会長
 ありがとうございました。それでは、そのように報告させていただきます。
 なお、これを受けまして貝塚会長から長妻厚生労働大臣に答申が行われることとなりますので、その旨御了承をいただきたいと思います。
 それでは、本日の議題等はすべて終了いたしました。先ほど少しお話しましたけれども、前回の部会も長沼委員からありました、今後の件でございますが、今、石井委員、岩瀬委員、長沼委員からもありましたように、年度1回だけのものではなくて、途中でフォローアップということでそういう機会をつくってまいりたいと思います。またいずれ委員の皆さんとも御相談させていただきたいと思いますけれども、おおむねそういう方向でいくということでよろしいですか。では、そういうことで進めさせていただきたいと思います。
 それでは、本日の会議はこれを持ちまして終了とさせていただきます。大変委員の皆様にはいろいろとありがとうございました。


(了)

(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

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