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- 2024年2月21日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会 議事録
2024年2月21日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会 議事録
日時
13:00~15:00
場所
事務局設置場所:AP新橋会議室 J室
出席者
委員
- 五十君部会長
- 神村委員
- 脇田委員
- 上間委員
- 尾島委員
- 亀井委員
- 鈴木委員
- 工藤委員
- 砂川委員
- 藤田委員
- 樒柑委員
- 水越委員
- 吉村委員
- 渡邊委員
参考人
- 山本山口県環境生活部生活衛生課
- 梶本和歌山県環境生活部県民局食品・生活衛生課副課長
- 石井八戸市こども健康部保健所副所長兼衛生課長
事務局
- 森田食品監視安全課長
三木食品監視分析官 - 飯塚食中毒被害情報管理室長
- 他3名
議題
- (1)令和5年食中毒発生状況について
- (2)令和5年に発生した主な食中毒事件について
議事
- 議事内容
○吉原室長補佐 定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会」を開会いたします。本日はお忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。本日の司会を務めさせていただきます食品監視安全課食中毒被害情報管理室の吉原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本年度におきましては、オンラインと対面のハイブリッド形式での開催とさせていただきます。また、本日の内容につきましては、YouTube配信による公開での開催となっております。それでは、開会にあたりまして食品監視安全課長の森田から御挨拶を申し上げます。
○森田課長 食品安全課長の森田です。日頃から皆様には食品衛生行政に御理解と御協力を頂きまして、誠にありがとうございます。本日の議題は、定例の昨年の食中毒の発生状況について御説明をし、また、その中で主な食中毒事例として、和歌山県で発生した弁当によるサルモネラ食中毒事例、山口県で発生した腸管出血性大腸菌O157食中毒事例、八戸市内で製造された弁当による食中毒事例の3つの事例について、対応された自治体の方々から、それぞれ御報告いただく予定としております。
今回は、昨年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類感染症に位置付けが見直され、種々の経済活動が平常化に向かったという中での食中毒の発生状況ということになります。皆様から御意見を頂戴し、今後の食中毒対策につなげていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○吉原室長補佐 ありがとうございました。それでは、本年度の事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。昨年9月に食品監視安全課長に森田が着任し、食品監視分析官に三木が着任しております。三木は、現在は不在とさせていただいておりますが、後で参ります。また、食中毒被害情報管理室長としまして飯塚が着任しております。
また、本日の参考人としまして、和歌山県環境生活部県民局食品生活衛生課副課長の梶本参考人、山口県環境生活部生活衛生課主任の山本参考人、八戸市こども健康部保健所副所長兼衛生課長の石井参考人に御出席いただいております。
本日の部会は、15名の委員のうち14名に御出席いただいております。薬事・食品衛生審議会の規定に基づき、本部会が成立していることを御報告いたします。また、オンラインと対面のハイブリッド形式の会議となりますので、初めにオンラインで出席される方へのお願い事項について御説明いたします。円滑な進行のため、次の点について御対応いただきますようお願いいたします。発信者以外は、マイクをミュートに設定をお願いいたします。発信されたい場合は、画面下のリアクションの所から「手を挙げる」マークを使用し、発言の意思をお伝えください。「手を挙げる」のマークを確認しましたら、座長又は事務局から指名させていただきます。指名された方は、ミュート設定を解除して御発信ください。また、お手数ではございますが、発信の冒頭でお名前をお伝えください。発信が終了いたしましたら、再びミュート設定をお願いいたします。
それでは、以降の進行は部会長に議事を進めていただきます。よろしくお願いいたします。
○五十君部会長 皆さん、こんにちは。部会長の五十君です。それでは、議事に入りたいと思いますが、その前に事務局で配布資料の確認をお願いします。
○吉原室長補佐 本日の資料は事前に送付しておりますが、また、厚生労働省のホームページにも掲載しております。まず、議事次第、委員名簿、続きまして、資料1「令和5年食中毒発生状況(概要版)」、資料2「令和5年食中毒発生状況」、資料3「和歌山県で発生した弁当によるサルモネラ食中毒事例について」、資料4「山口県で発生した腸管出血性大腸菌O157食中毒事例について」、資料5「八戸市内で製造された弁当による食中毒事例について」となります。資料の不足や不具合等はございませんか。不足や不具合等がある場合は、挙手又はオンラインでの御出席の方は、リアクションの所から「手を挙げる」マークを使用してお知らせください。
○五十君部会長 資料の確認はよろしいですか。それでは議事に入ります。はじめに、議題(1)令和5年食中毒発生状況(報告)ということになりますが、資料1及び資料2に基づき御報告お願いいたします。令和5年食中毒発生状況につきましては、事務局から説明をお願いします。
○吉原室長補佐 それでは、資料を画面共用させていただきますので少々お待ちください。お待たせいたしました。それでは、令和5年食中毒の発生状況について御説明させていただきます。【資料1 スライド:食中毒事件数・患者数の推移(全体)】まず、令和5年ですが、食中毒の事件数として1,021件、患者数としては1万1,803名、お亡くなりになられた方は4名という状況です。昨年は患者数が6,856名ということでしたが、今年は1万人を上回ってきたという状況になっております。この増加の傾向ですけれども、コロナ前と同水準になってきていると感じております。
【資料1 スライド:患者数500人以上の食中毒事例(令和5年)】続きまして、患者数500名以上の食中毒事件について御説明いたします。令和5年は患者数が500名を超える食中毒が2例ありました。1例目は石川県で、いわゆる流しそうめん等による湧き水を使用した食事によりカンピロバクター食中毒による事例です。2例目は八戸市でのお弁当による、ぶどう球菌及びセレウスによる食中毒事例です。令和4年は500名を超える事件が1件もありませんでしたが、令和5年は2件発生しているという状況です。
【資料1 スライド:死者が発生した食中毒事例(令和5年)】続きまして、お亡くなりになられた事例ですが、令和5年は4例です。1例目としては、栃木県の老人ホーム等で発生した食事によるロタウイルスによるもの、更には、福岡市の飲食店で発生した病原性大腸菌によるもの、いわゆる毒素原性大腸菌、腸管凝集性大腸菌による事例が1例です。後ほど自治体のほうから御説明いただきますが、和歌山県で発生した仕出屋の料理によるサルモネラ食中毒による事例、最後に4例目として、ドクツルタケの誤食によってお亡くなりになられた事例が1件という状況です。いずれも70歳以上の高齢の方がお亡くなりになられているという事例です。
【資料1 スライド:年齢階級別食中毒患者数(令和3年~令和5年)】続きまして、年齢別の食中毒の患者数となります。青色のグラフが令和5年となっておりますが、こちらを見ていただくと分かるとおり20~69歳、70歳以上の方も、令和5年は増加傾向にあったという状況です。実際、20~69歳の事例を見てみると、やはり飲食店による事例が増えている状況が確認できます。
【資料1 スライド:月別発生状況】続きまして、月別発生状況の事件数と患者数です。こちらの下段のグラフを見ていただくと分かるのですが、やはり2、3月が多い傾向となっていまして、こちらはノロウイルス等による患者が増えています。8月の少し上に出ている所については、先ほどありましたように、800名規模の食中毒事例となっている石川県の事例のために患者数が増えているという状況です。また、12月については、こちらもノロウイルス等による食中毒の患者が増えている状況です。
【資料1 スライド:【全体】病因物質別事件数の月別発生状況(令和3年~令和5年)】続きまして、病因物質別の事件数です。こちらを見ていただくと分かるのですが、緑色のグラフは寄生虫によるものとなっています。いわゆるアニサキスやクドア等によるものですけれども、こちらは年間を通じて確認されている状況となっています。こちらのグラフを見ていただくと、1~3月と、11月、12月の赤色のグラフですが、こちらに関してはノロウイルス等による件数が増えているという状況です。例年、変わらない傾向になってきていますが、4月、5月の春、更に9月、10月の秋、エメラルドグリーンの色になりますが、いわゆる植物性自然毒による食中毒が増えてきています。春は山菜、秋はキノコといったような事例で件数が確認されている状況です。
【資料1 スライド:病因物質別患者数の月別発生状況(令和3年~令和5年)】続きまして、病因物質別の患者数となっています。こちらを見ていただくと分かりますが、令和5年の赤色のグラフが1~5月と、11月、12月にノロウイルスによる患者数が増えている状況が確認できています。先ほども御説明したとおり、8月はカンピロによる石川県の事例がありますので、細菌による食中毒の患者数が増えている状況となっています。
【資料1 スライド:【全体】原因施設別事件数】続きまして、原因施設別の事件数について御説明いたします。令和5年は飲食店による事例が非常に多くなってきています。昨年は39.5%ということで、やはりコロナ禍であったことも含めて飲食店による食中毒が、令和5年よりも少なかったという状況が確認できています。また、令和5年は家庭による食中毒は、令和5年は11.0%、昨年が13.5%でしたので、若干、減っているという状況となっています。
【資料1 スライド:【全体】原因施設別患者数(令和5年)】続きまして、原因施設別の患者数です。こちらもやはり飲食店による患者数が増えている状況が確認できます。昨年45.3%だったものが今年55.3%ということで、やはり飲食店による食中毒というものが、昨年と比べると増えている状況が確認できています。
【資料1 スライド:【全体】原因食品別事件数(令和5年)】続きまして、原因食品別の事件数です。こちらは簡単に補足の説明をさせていただきます。このグラフの2.6%の複合調理食品というのは、ある特定の組み合わせている食品ですが、コロッケ、ギョウザなど、特定のものであるということが確認できているものです。一方で、その他というのは、個別具体的な食品にまで明確にならなかったのですが、何月何日の食事という形で特定できたものとなっています。
この表で申し上げたいのは、その他の事例ですが、昨年は21.7%だったものが36.7%ということで増加傾向となっている状況です。これは飲食店による食中毒が増えていますので、そのような影響を受けているものと考えております。また、昨年は魚介類によるものが39.9%でしたが、今年は31.1%という状況になっています。
【資料1 スライド:【全体】原因食品別患者数(令和5年)】次に、原因食品別の患者数ですが、やはりこちらも、その他に分類される食品で非常に多い傾向となっています。昨年は45.7%だったものが、今年は70.6%という状況となっています。
【資料1 スライド:病因物質別事件数の推移】続きまして、病因物質別の事件数の推移について説明いたします。令和5年ですが、多かった順としては、アニサキスが一番多く、次にカンピロバクター、3番目にノロウイルスといった状況です。アニサキスに関しては、令和4年は566件でしたが令和5年は432件となり、カンピロバクターについては、185件が211件となり、ノロウイルスについては、昨年は63件で、今年は164件という状況です。
【資料1 スライド:病因物質別患者数の推移】続きまして、病因物質別の患者数です。ノロウイルスによる患者が一番多く、続いてカンピロバクター、3番目はウエルシュ菌という状況です。ノロウイルスによる患者数に関しましては、令和4年は2,175名が5,502名になり、カンピロバクターに関しましては、令和4年は822名から、令和5年は2,089名という状況です。
【資料1 スライド:【全体】病因物質別事件数発生状況(令和5年)】続きまして、病因物質別の事件数の内訳です。こちらは昨年と比較いたしますと、アニサキスですが、今年は42.3%ですが、昨年は5割を超えて58.8%でした。一方で、ノロウイルスに関する件数が、昨年は6.5%でしたが、今年は16%ということで増加傾向が確認できます。
【資料1 スライド:【全体】病因物質別患者数発生状況(令和5年)】続きまして、病因物質別の患者数の発生状況について御説明いたします。先ほどの御説明で、ノロウイルスの事件数が増えていると申し上げましたが、患者数も増えており、昨年は31.7%という患者の割合だったのですが、令和5年は46.6%と増えていることが確認できています。また、カンピロバクターによるものも、昨年は12.0%だったものが、今年は17.7%と、増加傾向が確認されています。
【資料1 スライド:摂食場所を家庭とする食中毒事件の月別発生状況】続きまして、摂食場所を家庭とする食中毒事例について御報告いたします。令和5年は、こちらを見ていただくと分かるのですけれども、家庭では、特に3月、4月と、10月、5月もですが、令和5年は青色の棒線ですが、こちらに関して内容を確認させていただくと、寄生虫による食中毒、更には植物性自然毒、動物性自然毒が多く確認できています。
【資料1 スライド:原因施設を飲食店とする食中毒事件の月別発生状況】続きまして、原因施設を飲食店とする食中毒事例です。やはりノロウイルス等による影響又はカンピロバクターによる影響といったものも受けており、年間を通して、一定程度の事件数が確認されている状況です。
令和5年ですけれども、一つ、事例といたしましては、カンピロバクターのほかにも、昨年の秋頃、10月、11月頃に、いわゆる加熱不十分なハンバーグ等の提供により腸管出血性大腸菌による食中毒事例も確認されていますので、その点も、今後、注意が必要ではないかと考えています。
【資料1 スライド:原因施設(飲食店)のアニサキス食中毒事件の月別発生状況】また、原因施設(飲食店)のアニサキスの食中毒事例については、3月、4月と、11月に多かったという状況が確認されています。【資料1 スライド:原因施設(飲食店)のカンピロバクター食中毒事件の月別発生状況】続いて、原因施設(飲食店)のカンピロバクター食中毒事例の月別の発生状況です。1~4月に関しては、さほど多くはないのですが、6~12月にかけては、ある一定数の事件数が確認できている状況です。その点から、カンピロバクター食中毒に関しては、やはり年間を通じて患者は、ある一定数は出ているということが確認できるかと思います。
【資料1 スライド:原因施設(飲食店)のノロウイルス食中毒事件の月別発生状況】続きまして、原因施設(飲食店)のノロウイルスの発生状況です。先ほどから御説明させていただいておりますが、やはり冬に、ノロウイルスによる患者が増加傾向となっていることが確認できるかと思います。
【資料1 スライド:週別ノロウイルス&サポウイルス検出報告数、過去4シーズンとの比較、2019/20~2023/24シーズン】こちらは国立感染研による感染性胃腸炎の発生動向について報告されている資料となっています。2023~2024年は赤のグラフですが、こちらはコロナ前と同水準のようになってきていることが考えられますので、引き続きノロウイルスの対策は重要ではないかなと考えているところです。
【資料1 スライド:原因施設が飲食店または仕出屋であり、摂食場所を家庭とする食中毒事件の年別発生比較】次に、コロナ禍におけるテイクアウト等による食中毒が、どの程度発生しているのかということなのですけれども、令和5年に関しては、1,021件の事件数に対して21件がテイクアウト等の事例となっていますが、特段、テイクアウトによって食中毒が非常に増えているという状況ではないと考えております。
【資料1 スライド:令和5年に発生した主な食中毒への対応について】最後になりますが、令和5年に発生した主な食中毒への対応として、厚生労働省としては、ここに挙げられている事例について対応していきたいと考えております。1つ目は、加熱不十分な食肉等の提供による食中毒への対応となっていますが、当時、「飲食店における腸管出血性大腸菌食中毒対策について」というものを発出させていただいております。また、厚生労働省としましては、食肉の加熱の重要性等について、引き続き普及啓発を実施していきたいと考えております。
2つ目は、繁忙期の衛生管理不備による食中毒への対応です。令和5年に発生している事例としまして、500名を超える規模の事例が確認されています。そのような事例等を見ていくと、定められた管理が守られておらず、そのような状況で衛生管理ができていなかったことによる食中毒が発生していますので、そのような事例を通して一般衛生管理の徹底の指導のための情報提供をしていきたいと考えております。
3つ目に、アニサキス食中毒に関しては、原因魚種などを含め、発生状況の推移等について、引き続き注視していきたいと考えております。また、目視確認等のアニサキス食中毒予防のポイントについて、引き続き普及啓発を実施していきたいと考えております。
4つ目として、ノロウイルスの食中毒の対応については、引き続き感染症部局等と連携を図るとともに、冬期の発生増加の前に従業員等からの二次汚染防止等の徹底について、監視指導を皆様に要請していきたいと考えております。以上で、事務局からの説明は終わらせていただきます。
○五十君部会長 御説明ありがとうございました。食中毒の実情についての御報告と、最後には対応についてまとめていただきました。ただいまの事務局の説明に関しまして、皆さんから御質問を受けたいと思います。いかがでしょうか。Webからは、「手を挙げる」ないしは何らかの信号を送っていただければ、こちらから御指名をいたします。神村委員、どうぞ。
○神村委員 日本医師会の神村です。ただいまの令和5年の主な食中毒への対応についてですが、特に○の2つ目、繁忙期の衛生管理で不十分、不備という所に、私は注目しております。やはり従業者によるオーバーキャパシティの問題、例えば、繁忙期になると、不慣れな従業員の方を補給、補充をしたりして十分な衛生管理の知識のないままに作業に当たられたりすることもあるのではないかと考えております。この点については、国民に対しても注意を喚起して、繁忙期で非常にはやっているようだけれども、いつもより過剰にはやっているような場合には十分に注意をされたほうがいいなど、何かそういう知恵も持っていただきたいなと思いました。以上です。
○五十君部会長 ありがとうございます。事務局、何かありますか、特に追加はありませんか。それでは御要望ということで。砂川委員、どうぞ。
○砂川委員 国立感染症研究所の砂川です。コメントが1点、ちょっと短めの質問が2点あります。1つ、まず、死者が発生した食中毒事例の令和5年というものがありますが、ちょっと言葉の使い方として、いわゆる死因の取り方によって、この数が変わってきたりする可能性があると思うので、「発生した」というよりは「報告された」というほうが、正確なのではないかというように思ったので、1点、コメントです。
もう一点は、いろいろ御報告いただいた中で、ノロウイルスの事件数、患者数というのが、特に令和5年にかなり目立って増加しているように見えるのですが、その辺り、どのような見解をお持ちかということが1点です。
もう一点はカンピロバクターという点で言えば、世界的に、去年の8月、今年度ですが、ペルーなどの南米でギランバレー症候群の多発というのが非常に話題になって、WHOも取り上げるような形で、ペルーでは警報が出されたりするような状況があって、いわゆるST2933という株の関与というのが疑われているような状況があったりしますが、これに対する何らかの警戒といったものがあるのか、ちょっと今、感染研のホームページなどを見てみたのですが、それらしいものが特に取れているという情報はないので、ちょっと過剰な心配なのかもしれませんが、この3点、コメントが1点と簡単な質問が2点です。
○五十君部会長 事務局から、コメントにつきましては御配慮いただきたいと思います。ノロウイルスとカンピロバクターにつきまして、事務局から見解等がありましたらお願いします。かなり難しい御質問とは思いますが、よろしくお願いします。
○吉原室長補佐 まず、ノロウイルスの最近の食中毒の傾向について御説明いたします。まず、ノロウイルスの食中毒が発生した場合、我々は厚生労働省のほうから各自治体のほうに発生の理由等について話をお聞きいたします。特にノロウイルスと申し上げると、カキによるものが多いのではないかということで、やはり我々のほうにも報道機関から問い合わせ等がありますが、実際に食中毒となっている事例があると、カキの喫食の有無等を確認しております。そうすると、ほとんどの事例がカキによる喫食の事例がなく、やはり従業員から同じ遺伝子型のノロウイルスが検出されている事例ということが多く、やはり、引き続き従業員からの2次汚染的なところの衛生対策をしていく必要性があるのではないかなというように考えております。
あと、カンピロバクターによるギランバレーの件については、厚生労働省としては引き続き情報収集をしていき、もし、そういうリスクの高いものが国内にも入ってきていて、対策を取る必要性があるということであれば、必要な対策を講じていく必要があるのではないかなというように考えている状況です。
○五十君部会長 砂川委員、よろしいでしょうか。
○砂川委員 どうもありがとうございました。
○五十君部会長 以前の食中毒部会で度々、ノロウイルスの件につきましては食中毒と感染症と両方の連携が非常に重要だというご意見をいただいております。食品のみの対応ではなかなか難しい課題であると思います。先ほど事務局から、患者さんの発生が二枚貝の生食、生食のカキが中心と思いますが、そちらの原因と思われないものが非常に多いというコメントがありました。一方、発症者である事業者が勤務することによって、食中毒の原因となるというような例がありますが、今回の事例は、そういった例は余りなかったでしょうか。
○吉原室長補佐 特にデータ等はないのですが、自治体の方々に発生状況のヒアリングをすると、例えば、注文を受けてしまって、ある一定数を作らなければいけないのだけれど、体調が悪くても作らないといけないということで、やはり製造に携わってしまって、結果的にノロウイルスの食中毒を引き起こしている事例というものが確認されております。
○五十君部会長 この対策ということで、従事者に月に1回の検便といったものを行っているかと思いますが、そういった対策の効果が段々薄れてきているのか、これも判断が難しいと思いますが、そういった対策の効果も含めて、今後また検討していただければと思います。ノロウイルスについては、上間委員、何か追加のコメントはありますか。
○上間委員 国立衛研の上間です。もともとノロウイルスに関しては、発生する施設が飲食店ということが非常に大きなウエイトを占めていたと思うのですが、新型コロナの5類への移行に伴って飲食店の営業も元に戻ってきているので、そこの影響も非常に大きいかなというように思っています。
○五十君部会長 ありがとうございました。ノロウイルス及びカンピロバクターにつきましては以上とさせていただきます。そのほか、御質問等をお引き受けいたします。いかがですか。Webからは、特に御質問や御意見等はありませんか、よろしいですか。では、藤田委員、どうぞ。
○藤田委員 全国保健所長会副会長、長崎県の藤田です。カンピロバクターについてなのですけれども、現場で食中毒の案件を見ていると、やはり加熱用というのが、実際のお肉のほうにはなくて伝票にだけ書いてあるというような事例を何度も経験しております。国のほうでも、かなり周知や啓発はされているのですが、やはりこれを取扱業者さんのほうに、もう一度徹底させることが必要だなということを毎回現場では強く感じておりますので、お伝えさせていただきました。以上です。
○五十君部会長 コメントありがとうございました。事務局、よろしくお願いします。
ほかにありますか。よろしいですか。状況がコロナ前に戻りつつあるということで、傾向的にも、コロナ前の状況程度まで、カンピロバクター及びノロウイルスの患者数が非常に増えているということです。飲食店での発生が半数以上ということですので、当然飲食店に関係する事例が今後増えてくると思われます。来年も同様の傾向が引き続き起こってくることが予想されます。それでは、この案件につきましては特に追加の質問はないようですので、次の報告事項に進みます。
令和5年に発生した主な食中毒事件として、和歌山県で発生した弁当によるサルモネラ食中毒事例について、和歌山県環境生活部の県民局食品・生活衛生課副課長の梶本参考人のほうから御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○和歌山県梶本参考人 和歌山県の梶本です。私から弁当によるサルモネラ食中毒について説明させていただきます。概要としましては、令和5年8月に起こった事案です。9グループ384名が喫食していて、5歳から86歳の方(117名)が有症者、うち1名の方が亡くなられている状況です。発症率は31%で、症状は下痢、腹痛、発熱。病因物質としましては、有症者延べ25名の便および2名の検便からSalmonella・Enteritidis(SE)が検出されております。
原因施設は地元の仕出し・弁当屋になります。従業員12名、HACCPの取組も比較的取られている状況で、処分としては営業停止が合計10日間されております。原因食品については、8月19日、20日に原因施設で調理されたお弁当13種類と推定させていただいています。
端緒については、他の自治体から当県に合宿として複数日間滞在しているときの食事に疑いがあるということで、まずは宿泊施設の食事や、お昼のお弁当を調査し、同じように宿泊している別のグループからは全く症状等がなかったことから、お昼のお弁当が怪しいのではないかということで調査を進めていきました。
8月19日と20日で、大体800食ぐらいの食事を提供しており、通常は400食ほどの提供数なのですが、明らかなキャパオーバー。これは特に従業員を増やすなどの対応をしていなくて、ただ調理開始時間を早めたり、調理している時間を長くするなどの対応であったことが、後の調査から分かっております。衛生確保の状況については、通常よりも忙しかったということで、いろいろな面で衛生的なところが疎かになっていたことが調査で分かってきております。
食材の取扱状況としては、Salmonella・Enteritidisが検出されています。もちろん卵や鶏肉の使用料理もあり、聴き取りの中では、鶏肉が生っぽかったという回答もありました。原因の調査では、鶏肉と卵それぞれが、「鶏肉胸肉焼」や「出汁巻き」として調理されて提供されていることも分かってきました。鶏肉についてはスチームオーブンで加熱して調理しており、本来なら、学校給食のように妥当性の確認として、火の通り方について検証等を行っておくのがベストなのですが、そういうところが不十分だということが分かりました。出汁巻きについても、普段から前日に専用容器に液卵を調製して、次の日に調理を始めるという形を取っていることも判明しました。
出汁巻きは、前日に用意しておいた液卵を、弁当を調製する日に約2時間かけて焼成しており、その間液卵をガスコンロの付近に2時間ほど置いたまま調理を進めていました。さらに、余ったものについては、翌日も使っていたことが判明しました。実際の調理は、前日の夕方から液卵を作り、夜の12時頃から焼成をスタートして、2~3時間の放冷等を済ました後、カットして弁当に詰めて冷蔵庫に保管し、お客様に提供するという形となっておりました。ただ、これはあくまでも聴き取りや調査で分かっていることで、実際の出汁巻きや鶏胸肉については検食として残されてなかったので、菌の検出もされておらず、あくまでも推定という形になっております。疫学上についても、弁当については大体73ぐらいの品数があったのですが、有意差が見られたのは、そのうちの17種あったので特定には至りませんでした。
営業停止期間中にどのような指導をしたかということですが、聴き取りの中で原因がよく分からなかったということもあり、交差汚染の可能性も高いと考えられました。前日の調理の中止、加熱調理の検証、そして食中毒の原因食品を断定できなかった1つの理由でもあった検食、そしてHACCPの考え方を取り入れた衛生管理も手引書を見てやっていたのですが、営業者や調理員自身も余りよく分かっておらず、記入だけをしていたということで、形骸化が見られました。
さらに最後に、通常以上の弁当の受注を受けて製造する際の対策も余り取られてなかったということで、この1~6について、営業を再開する前までに改善状況を確認しました。ただ、このお店は他に複数の弁当の店舗を経営しており、実際には、この弁当を作っている事業所は廃業ということで継続していません。
先ほど説明があったように、コロナが5類になってからアフターコロナとして私どもはクラブ活動などのスポーツの合宿等の誘致に力を入れており、そういうときに来られたときの弁当や食事の提供が非常に重要になってきています。今回の食中毒事案でも、コロナの前には複数いました弁当業者も割と少なくなってきており、弁当の配達を受け入れる所が数少なくなってきているためのしわ寄せや、アフターコロナの関係人員不足などが影響していたのではないかと、私どもは感じております。
2番目に感じたのは、HACCPに沿った衛生管理が法律で義務化されたのですが、実際に取り組んでいて、記録を取り、保管もしていただいているのですが、やはり理解が少し乏しかったのかと。さらに、オーバーワークや、たくさんの受注を受けたときの対応策などがHACCPには全然反映されてなかったので、そういう部分をやはり指導しないといけないのではないかと考えました。
そして、この弁当を受注できる大きな業者が実際に営業停止になって廃業する形になりましたので、次に他の業者が、この業者が今まで受けていた分を受けなければならないということで、またオーバーワークでキャパオーバーになってしまうのはよくないので、私どもは、急きょ事業者向けの講習会や、同様の食中毒を起こさないための立入調査などの対策を進めたところです。
食中毒予防講習会については、行政が行うとなかなか時間も掛かりますので、食品衛生協会と連携して行うこととしました。講師については、HACCPの関係を協会の技術参与の方にお願いし、サルモネラの特徴については当県の環境衛生研究センター所長にお願いいたしました。現場からしますと、先ほど言いましたキャパオーバーの受注をしたときのHACCPの対策等も説明してほしいところですが、そこがなかなか難しいということで、衛生管理の重要性を重点的に説明していただきました。
立入調査についても、同様の食中毒を起こさないようにということで、これは地元で比較的たくさんのお弁当を受注している業者に対して緊急の立入調査を実施しました。基本的にHACCPの関係で、いつも以上の受注をした場合の対策、検食とか、営業停止期間中にその業者に指導した部分についての聴き取りや立入調査を行いました。そうしたところ、やはり前日に液卵を調製している事業所や検食を実施していない事業所なども見られ、HACCPの理解度としては、ほとんどの弁当業者は記録等を取ってくれているのですが、やはり不備が目立ったところがありました。
保健所の担当者会議については、今まで報告させていただいた内容を十分に理解して立入りをしていただくように、また、統一的な指導を行えるようにチェックリストを作り対応したところです。
また、そうこうしているときに、ほかの所でも食中毒が起こったものですから、緊急的に文書を発出し、関係機関、食品衛生協会、飲食業組合、調理師会等に、また高齢者の施設についても、弁当を受け入れる立場からも注意喚起を促したところです。和歌山県からは以上です。
○五十君部会長 御報告ありがとうございました。梶本参考人の御苦労がよく出ていたと思います。ただいまの御報告に関しまして、御質問、御意見等がありましたら受け付けたいと思います。いかがでしょうか。Webの方は、手を挙げる信号を送っていただければ、こちらから御指名いたします。
○尾島委員 浜松医大の尾島です。
○五十君部会長 よろしくお願いします。
○尾島委員 丁寧な御説明ありがとうございます。受注が急に増えたりというときの対応が、先ほどノロウイルスの話などでも出ましたが、構造的に、今後どうあるべきかというのは悩ましいと思って伺ったのですが。例えば、災害が発生したときなど、いろいろな業者同士で連携して助け合ったりということも行われる場合もあると思うのですが、何か日頃から協定を結んでおいて、自分の所のキャパでは苦しいぐらいの受注を受けたときに、分担して作るという取組を今後やったりする余地はありそうかとか、全国でそのような好事例などはありますか。
○五十君部会長 どちらが対応しますか。事務局がよろしいですか。全国的な対応の状況としての御質問ということでよろしいですか。
○尾島委員 はい、そうですね。全国でそういうこともあり得るかということや、現にやっている事例などがあるかというのを教えていただければと思います。
○飯塚室長 すみません、こちらでは、さすがにそういう協力関係を結んでいるとか、そういったことを余り承知はしていないのですが、共通した許可を持っている施設同士のお話にもなりますので、その辺りは今後どうなっていくのかは、こちらでも見てみたいと思います。
○尾島委員 ありがとうございます。今は人手不足で、ギリギリでやっている所も多いかと思いますので、そういう受注の波はどうしてもあることだと思いますので、何か構造的に、そういう波があっても安全に衛生的な食事が提供できるような仕組みが全国的に広がればいいと思いました。ありがとうございます。
○五十君部会長 尾島委員の御指摘のように、以前から食中毒事例の場合、能力を超えた発注を受けた場合といった、いつもと違う状況になったときに、食中毒事例に結び付くことが度々報告されていると思います。
私から、今回の事例を担当された梶本参考人にお伺いしたいのですが、今回HACCPに関する手引書に従った記録は残されていて、検食は行われていなかったというような問題点が指摘されていたと思います。HACCPは、この小規模な一般飲食店事業者向けというのは、かなり敷居を下げているような記録になっているのですが、改善していただくような問題点、例えば能力を超えた発注などの場合にどうするかを加えたほうがいいなど、何か感じたことがありませんでしたか。少しコメントを頂ければと思うのですが、いかがですか。
○和歌山県梶本参考人 委員がおっしゃるとおり、私どものほうでは、ある程度の食数を製造するような、こういう弁当の製造業者については、限りなくHACCPに基づく計画を作成していただくことが必要なのかと思いました。またいろいろな手引書を見せていただいたのですが、やはりキャパオーバーのときに思い切って断るとか、どういうところの対策を取るべきなのかということを書いている手引書はなかったので、あれば、保健所は指導しやすいと思いました。そういうところを保健所ではどのように指導していくかということで、一斉の立入り調査については、前日の仕込みが絶対に悪いわけではないのですが、前日の仕込みをしたときにはどういうことに気をつけてやっているか、必ず検食を徹底させるということについての聴き取りと、その防止について指導させていただいたところです。
○五十君部会長 ありがとうございます。手引書も、こういった事例で現場からの声が挙がってきたのを、PDCAサイクルとして改善していく必要があると思います。今後検討していただきたい課題として事務局でも捉えていただければと感じました。よろしくお願いします。
そのほか、御質問、御意見等ありましたら受け付けたいと思いますが、いかがでしょうか。砂川委員、どうぞ。
○砂川委員 大変重要な事例の御紹介をどうもありがとうございました。断定されたわけではないとは思いますが、今回のお話の中で、いわゆる液卵や卵に関する御説明が複数あったと思うのです。今回の事例を踏まえて、例えば卵を使った食事の方法、あるいは生産に関して、今後何か注意点が増えたといったことはあるのでしょうか。
○和歌山県梶本参考人 私どもで思ったのは、特に今まで以上の事例はなくて、必ず火を通すということと、液卵については事前に割っておいたりしないということが一番重要で、「つけない」「増やさない」「やっつける」ということを徹底することで、そこに立ち返って、事業者に説明することが重要だと改めて認識したところです。
○砂川委員 ありがとうございました。
○五十君部会長 上間委員 どうぞ。
○上間委員 国立衛研の上間です。今のことに関連するのですが、作業場の温度は8月なので、何もしないと普通は30℃、40℃に達すると思うのです。午前3時とか0時に作業を開始したとしても、もう30℃近い気温にはなると思うのですが、その辺りの温度管理は、この現場ではどのような感じだったのですか。
○和歌山県梶本参考人 温度管理も一応記録上は書くようになっているのですが、温度は非常に高い状況でした。従業員の聴き取りでも、普段よりもオーバーな受注を受けている分、温度が高かったと聞いております。
○上間委員 ありがとうございます。もう1つは、先ほどから人員が足りないという構造的な問題は幾つか指摘があるのですが、このお弁当自体の1食辺りの価格は幾らぐらいなのですか。多分、そこが、利益の出るギリギリのところで、もう受けざるを得ないところで、やってくれる所が少なくなっていくという負のスパイラルではないですが、そこをもう少し、買う側がこれだけ管理している分の上乗せを、買う側が容認するような雰囲気をつくっていかないと、こういう状況はずっと繰り返されるのかと思います。安全管理をきちんとしているということを付加価値としてできるような情報発信を、我々も含めて考えていかないといけないのかと思います。
○五十君部会長 コメントということで、何か追加の回答はありますか。特にありませんか。事務局もありませんか。そのほか、御質問、御意見を受け付けたいと思います。Webのほうからはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、追加の御質問等はないようですので、続いて次の報告事項にまいりたいと思います。次の報告は、山口県で発生した腸管出血性大腸菌O157食中毒事例について、山口県環境生活部生活衛生課主任の山本参考人から御報告をお願いいたします。
○山口県山本参考人 山口県生活衛生課の山本です。よろしくお願いします。私からは資料4、昨年本県で発生した腸管出血性大腸菌O157の食中毒の事例について報告させていただきます。まず事件の概要ですが、最初の探知の所です。昨年10月23日に県内の保健所が、医療機関から感染症予防法に基づく腸管出血性大腸菌感染症の発生届けを受け付けております。その後、喫食状況と施設の調査を行う中で、更に10月25日と30日に、ほかの2保健所が、異なる医療機関から同届出を受け付けており、計3人の患者の共通喫食として、10月15日に県内の同一飲食店でハンバーグ等の喫食があったということで調査を進めておりました。
患者の情報です。患者は3人で、それぞれ別のグループで、違う市に住む方々で、主症状として全員に共通していたのは腹痛と水様性下痢、発熱は1人という状況でした。潜伏期間が3~7日で、当然3グループに共通の行動歴はなく、同飲食店の利用だけという状況でした。
続いて、保健所の調査結果の概要です。まず、施設の営業形態です。商業施設のフードコート内の飲食店で、全国チェーン店です。施設の衛生管理については、衛生状態は良好で、使用水は簡易専用水道、従事者は7人で、記録類から健康状態も良好であることが確認されています。衛生管理についても、一般的衛生管理や記録類等に特段の不備は認められておりません。10月15日当日のハンバーグの提供数は、付け合わせが異なったりサイドメニューが異なったりということはあるのですけれども、同じ原料ハンバーグを利用したものとしては、62食が出ておりました。店舗全体の客数は、約300人が利用しております。なお、事件後も、この飲食店を利用した方で、最初の3人の患者以外のO157の発生は確認されておりません。
続いて、ハンバーグの調理提供方法についてです。まず、原料となったハンバーグですが、店舗では「生ハンバーグ」といって、既に加工工場で成形された食肉半製品の冷凍品の状態で納品されており、加熱と調味をするだけとなっております。ハンバーグの原材料は、食品の表示から牛肉等を使用した合挽肉、玉ねぎ、つなぎ、調味料等となっておりました。流通経路は、県外の加工工場でハンバーグの形に成形されたものが配送センターを経由し、各店舗に納品されます。患者が喫食したロットは1つに特定できなかったのですが、賞味期限で管理された2つのロットのいずれかを患者が喫食した可能性があるということで調査を行っております。さらに、店舗では、加工工場が実施した生ハンバーグの検査成績書の写しが保管されております。検査項目としては、大腸菌群数と大腸菌数、O157:H7、サルモネラ、黄色ブドウ球菌です。資料の書き方が少し悪かったのですが、O157とサルモネラ、黄色ブドウ球菌については全て陰性で、2ロットのどちらの成績書も同じ結果となっております。
続いて、ハンバーグの調理工程です。原料ハンバーグは冷凍品なので、店舗ではあらかじめ冷蔵庫内で最大半日ぐらい解凍を行い、そのまま冷蔵保管されております。注文に応じて、まず電子レンジで数十秒の加熱を行って、その後にグリドルで片面だけを数十秒加熱します。その後、そのハンバーグをひっくり返す形で加熱した鉄板に乗せ、付け合わせの野菜を調理・盛り付けし、お客様に提供します。提供の際は十分加熱するように注意喚起を行って、最後に客が鉄板で加熱して喫食するという形態となっております。ですから、右に書いてあるとおり、店舗としては客による加熱を含め、中心部が75℃で1分間以上の加熱を担保しているということです。系列店舗になりますので、各店舗は本部が作成したマニュアルに沿って、このような調理が行われておりました。なお、調査時は実際にまだ営業中だったこともあり、従業員の客への注意喚起は適切に行われているような状況にあったということです。
続いて、行政検査の内容です。届出のあった医療機関から大腸菌の菌株を入手し、MLVA法による遺伝子型別を行っております。3人の患者から分離された菌株については、血清型がO157:H7、毒素産生性がVT1・VT2、MLVA型が23m0483と、それぞれ一致した結果となりました。従事者7人の検便については、腸管出血性大腸菌(EHEC)は陰性という結果でした。患者に提供されたロットと同じ残品がなかったので、食品などの検査は行っておりません。
それから調査の過程の中で、同時期に大分市と鹿児島県の系列店舗の利用者からも、O157の患者が発生しているという情報が店舗側からあり、関係自治体と厚生労働省と情報共有を図りながら調査を行っております。各患者の情報については表のとおりです。計9人の患者が確認されており、山口県では先ほど御説明したとおり、10月15日に喫食して10月22日までに発症し、3人とも分離された菌株の遺伝子型等が一致しています。
大分市については5人の患者が確認されており、本県よりも少し遅めの10月19~21日に大分市の同店舗を利用しております。腹痛や下痢のほかに血便を発症されているということでした。5人のうちの3人から分離された菌株について、遺伝子型などが本県のものと一致しました。さらに鹿児島県の施設を利用した患者は喫食日が10月14日で、発症日が10月17日ですけれども、この方は少し症状が重く、HUSを発症しております。菌株としては遺伝子型等も一致しております。
なお、患者の年代は10歳未満が5人、10~20代が3人、70歳以上が1人となっております。このように各患者から分離された菌株の遺伝子型が一致したことと、先ほど2ロットのどちらかという話でしたけれども、特定の1つのロットが3自治体の患者で一致しており、原因となったロットも、ほかの自治体の結果を見て特定することができております。
以上の結果を踏まえ、原因施設に対する行政処分を行っております。推定ではありますが、原因食品はハンバーグ、病因物質は腸管出血性大腸菌O157です。行政処分の内容は、食品衛生法第60条に基づく営業停止命令として3日間の停止を行っております。先ほどのほかの自治体についても、同時期に各施設に対して同様の行政処分を行っております。主な処分理由は、患者の共通食が原因施設での食事に限られること、患者から同遺伝子型のO157が検出されたこと、患者の症状等がO157によるものと一致したことなどが挙げられます。
最後に、食中毒発生要因と再発防止策です。発生要因は、ハンバーグを加熱不十分な状態で提供したことによるものとし、この原料ハンバーグの加工施設については関係自治体に調査を依頼し、その工場において同ロット品の残品が残っておりましたので、そちらも検査いただいた結果、同じ遺伝子型のO157が検出されております。当該ハンバーグは系列店舗にしか流通しておらず、本社によって速やかに提供の中止と廃棄の措置が取られております。
原因施設における主な再発防止策です。まずは施設設備の洗浄消毒の徹底です。先ほど、本部がマニュアルを作成していると申し上げましたが、そのマニュアルの改正なども行われ、器具等の洗浄消毒方法の変更等も行われております。
大きな変更としては加熱方法の変更です。これまでは客による加熱を含めて、中心部まで十分な加熱を担保するという方法でしたけれども、今後は提供前の調理場において、先ほど御説明した加熱時間を延ばし、中心温度75℃1分間以上の加熱を計測しつつ、十分な加熱が行われてから提供するといった方法に変更されております。そのほかに、二次汚染防止のための調理器具の取扱い、原料ハンバーグの検査頻度の強化、記録類等の改良、衛生教育の徹底等が行われております。
〔参考〕として、頻度は高くありませんけれども、本県においても数年に一度、腸管出血性大腸菌の食中毒が発生しております。原因食品は角切りステーキや牛肉成形ステーキなど、牛肉に起因するものが多いといった状況にあります。今回の事案の発生を受け、厚生労働省からも全国の自治体に、改めて注意喚起の通知文が発出されております。本県においても食肉の十分な加熱について、関係施設あるいは消費者等への指導や注意喚起を徹底していきたいと考えております。以上で御報告を終わらせていただきます。
○五十君部会長 山口参考人、ありがとうございました。ただいまの御報告に関しまして、御質問、御意見を受け付けたいと思いますが、いかがですか。工藤委員、どうぞ。
○工藤委員 丁寧な御説明をありがとうございました。一つお伺いしたいのですが、患者さんは加熱調理したときに、ちょっと生っぽかったとか、よく加熱して食べたのにというようなコメントがあったのかということが1点と、系列店のある割と大きめの全国チェーンの系列店かと思うのですが、これは残品があったということで、それは加工施設1箇所の中で同一ロットを作っていたということかと思うのですが、そういったロットに関して、メーカーサイドで出荷前の検査とか、そういったことについて実施されていたのかどうかを教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○山口県山本参考人 御質問ありがとうございます。まず、お客さんの加熱不足の認識ですけれども、3名の患者さんについては、特に生っぽかったりとか、加熱不足を感じながら食べたことはなかったようです。余り気にされていなかったのかもしれないのですが、やはり消費者の方にも注意喚起は引き続き必要だなと感じております。
加工工場の製品の生ハンバーグの検査ですが、途中で御説明しましたが、この製品検査成績が加工工場で出荷前に行われている原料のハンバーグの検査になります。O157、サルモネラ菌については陰性でした。大腸菌数が数十個程度だったかと思います。以上です。
○五十君部会長 工藤委員、よろしいですか。
○工藤委員 はい、ちょっと質問が不足していたのですが、これは全ロットを毎回検査するということで、よろしいのでしょうか。検査について、どういった方法でされていたのかとかも、もし御存じでしたら教えていただければと思います。
○山口県山本参考人 はい、全ロットされていると伺っています。さしずめ、うちの患者さんは2ロットのどちらかを食べたという推定だったのですが、どちらの検査成績書も付いておりました。検査方法については、調査自治体のほうから伺っておりませんので、詳しくは存じ上げておりません。申し訳ございません。
○工藤委員 ありがとうございました。
○五十君部会長 そのほか、御質問等はございますか。砂川委員、どうぞ。
○砂川委員 すみません、感染研の砂川です。くどい質問をして申し訳ないです。今回のように、いわゆる成型肉であったり、あるいはハンバーグであったり、それを客が調理することというのは、加熱不十分な状況が疑われる事例ということで、過去にも割と繰り返しているような印象が非常に強くて、何か、それが適切なのかどうかというのは検討課題ですが、規制するというようなことは実際になかなか難しいものなのかというところが素朴な疑問として感じるところですが、いかがでしょうか。
○五十君部会長 これは、どうしましょうか。事務局からがよろしいですか。
○吉原室長補佐 事務局のほうから御説明いたします。この成型肉等の加熱不十分での提供についてなのですが、まず、今は、規格・基準等の規制ありきという状況よりは、まずは事業者、さらには消費者の方々に、しっかりと加熱をしていただくという普及啓発を、まずしていくことが重要ではないかなと考えております。厚生労働省では、11月29日の「いいお肉の日」、そういったタイミング等で効果的に、多くの消費者の方に情報を普及啓発できるような形でさせていただいたということです。引き続き、そのような形で情報提供をしていきたいと考えております。ただ今後、同様の被害が続くようであれば、やはり何らかの検討は必要になってくるのではないかなと考えております。以上です。
○五十君部会長 砂川委員、何か追加はありますか。
○砂川委員 いいえ、ありません。どうもありがとうございます。
○五十君部会長 この「お客に任せる」という部分というのは非常に厄介なことで、他の事例でも、記録されていることがあります。私のから少し確認しておきたいのは、今回の事例で、原因施設における主な再発防止策の中で、中心部まで十分に加熱した後に、客に提供するというように修正されたということですが、これは業者自らがマニュアルを変更して行ったという理解でよろしいですか。
○山口県山本参考人 はい、そのとおりで、マニュアルを変更して、各店舗で同じように加熱した後に提供する方向に変わったと聞いております。
○五十君部会長 それから、今回の御報告の中にHACCPという言葉が出てまいりませんでしたけれども、記録等の不備があったというのは、これはHACCPの記録のことでしょうか。
○山口県山本参考人 はい、記録については、特に不備はありませんでしたが、一般衛生管理に関する記録の不備です。
○五十君部会長 そちらの不備ということですね。分かりました。
そのほか、追加のコメントは、ありますか。特にございませんか。特にないようですので、時間も来ておりますので、次にまいりたいと思います。
続きましては、報告事項になります。八戸市内で製造された弁当による食中毒事例についてです。八戸市のこども健康部保健所副所長兼衛生課長の石井参考人から御報告をお願いいたします。
○八戸市石井参考人 お時間を頂いてありがとうございます。八戸市保健所の石井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。今回は、私ども八戸市保健所のほかに、調査、資料の作成に当たりまして、国立感染症研究所の皆様の御協力を頂いて作り上げたものでございます。
まず、概要ですが、探知は令和5年9月17日(日)、複数の自治体から「管内で、八戸市内で製造された弁当を食べ、複数名が嘔吐、下痢等の症状を呈している」というものでした。初発の発症は9月16日(土)です。患者さんは554名、29都道府県にわたるものになりました。主な症状は、下痢、嘔吐、吐き気、腹痛などです。原因食品は、八戸市内の施設で9月15日と16日に製造された弁当、病因物質は黄色ブドウ球菌(エンテロトキシンA型)と、セレウス菌(下痢毒産生)のものと判断しています。
「探知」の2つ目の矢印ですが、探知したところで営業者に対して有症状者等苦情の有無を確認したところ、営業者は9月16日の夕方以降に、販売店からの苦情ということで探知しています。9月15日に製造・納品した分は全量販売済、この時点で1万8,800個でした。9月16日の製造分は、営業者が商社等を通じて全量回収指示を出したのですが、後日、一部で販売が判明しています。施設の従業員に体調不良者はおらず、9月17日は製造を自粛していました。
施設の情報です。八戸市内の駅弁を主とする、そうざい製造業の許可施設です。駅弁を、平時であれば1日約6,000食、例年、10月から3月はスーパー・百貨店等の駅弁フェアなどのイベントがあり、繁忙期となるということで、そのときは1日に約2万食を製造していました。HACCPに基づく衛生管理に取り組んでおり、後で出てまいりますが、繁忙期には米飯を委託製造していました。以前から米飯の製造を委託していたということで、この事案事前にもイベント用としての納入実績はあったとのことです。
続いて、経過です。9月19日(火)に、有症状者の連絡があった自治体がかなり広がりましたので、対象食品を喫食して体調不良を呈した人は保健所に相談するように、また、お手元にある賞味期限を過ぎた弁当については召し上がらないようにということを、報道機関を通じて公表しました。この日は、複数の自治体も同様の呼びかけをしています。9月23日(土祝)に、八戸市保健所は食中毒と断定し、営業者に対して営業禁止処分を行いました。10月16日(月)に主な原因が推定されたということで、営業者に改善指示を改めて行い、ここで報道発表しています。最終的には、11月4日(土)に営業禁止の処分を解除し公表したというものです。
食中毒の断定は、9月23日です。判断理由は、1、患者の発症日が16日~18日の間に集中していたこと。2、患者便と当該施設が製造した弁当(未開封)から黄色ブドウ球菌とセレウス菌が分離されたこと。3、患者さんが原因食品を喫食後に下痢、嘔吐、吐き気、腹痛などの食中毒症状を呈し、潜伏期間と臨床症状が、上記病原体によるものと矛盾しないこと。4として、共通食が当該施設で製造した弁当に限られることです。
行政処分としては、3つ目の矢印ですが、当該菌による危害発生の原因が判明しておりませんでしたので、食品衛生上の危害を除去するための期間を予測することが困難であることから、営業の全部について禁止しました。
同日付けの改善指示事項ですが、1原因の究明と必要な対策、2施設、設備等の清掃・消毒、これ以降が主にHACCPに基づく衛生管理の状況になります。3が原料受け入れ時の手順書を整備すること、4が危害分析表等の内容の見直しをすること、5が確実に実施して記録し保存すること、6は科学的な根拠を整備して文書化すること、7はHACCPではありませんが、検食の保存方法が不十分であったので見直すこと、8と9もHACCP関連で、回収体制の構築等、手順書を作成すること、9が従業員の教育訓練ということになります。
調査の詳細です。症例定義は、令和5年(2023年)9月15日から16日に当該施設で製造された弁当を喫食し、9月16日から18日に下痢、嘔吐、嘔気、腹痛のいずれかを呈した症例としました。収集した情報ですが、関係自治体の御協力で集めたものになります。当該施設、委託製造施設の情報、疫学調査の状況、検査の結果、解析方法は記述疫学、当該施設への立入検査や従業員への聞き取り調査を行いました。
患者の発症日時をまとめたものが、このグラフになります。縦軸は人数、横軸は時間の棒グラフになります。9月16日に二峰性のピークがありまして、このピークを超えた後もしばらく発症者が出ていることになります。この二峰性は、昼食と夕食ということで時間差がでたもの、または下痢と嘔吐による潜伏期間の差などが考えられます。
次は潜伏期間です。3時間がピークの分布となっています。潜伏期間の中央値は4時間、黄色ブドウ球菌やセレウス菌嘔吐型の潜伏期間と一致しているものと考えています。嘔吐、嘔気の症状だけの場合、こちらも潜伏期間の中央値は4時間で、嘔吐を起こす黄色ブドウ球菌、セレウス菌の嘔吐症状の潜伏期間と一致していると考えています。また、下痢と嘔吐又は嘔気の症状が混在する症状については、潜伏期間は3時間で、下痢と嘔吐の早い時間の潜伏期間である0.5~6時間と一致しているものと考えています。
症例の基本属性は患者554名の分析になります。年齢は中央値が60歳、範囲は1~99歳です。性別、男女別としては、女性が333人(60%)で割合が高かったです。年代は、60代以上の方が280人(51%)で約半数を占めていました。右側の症状ですが、青字でお示ししている所が50%を超えています。下痢が86%、それも水様便です。他に、嘔吐、吐気、腹痛が51%を超えています。なお、こちらの症状については重複がありますので御了承ください。
続いて、当該施設の立入検査により明らかになった点について御報告いたします。こちらは通常時の弁当製造の流れです。米飯と他具材を分けてお示ししています。左側の米飯ですが、通常時は自社製の米飯のみ使っていますが、このときは繁忙期でしたので委託製造の米飯を受け入れています。委託米飯の受入れ基準や検収の手順は、当該施設にはありませんでした。米飯受入れ後も外箱を殺菌しないで、そのまま清潔区である盛付エリアに持ち込んでいたことが分かりました。自社米飯の場合は、洗米後添加物等を加え、炊飯して、攪拌バットに移し、真空冷却を行い盛付エリアに搬送するということが行われていました。弁当の具材については、具材によって工程は異なりますが、冷凍で受け入れたものは解凍して、外箱を殺菌して開封し、専用容器に移し替えて盛付エリアへ持っていきます。また、加熱が必要なものについては、加熱後、冷却のために合成樹脂製の袋にヒートシールをするので、ここで開封という工程が入ります。そして、専用容器に移し替えて盛付エリアに搬送されます。盛付エリアは清潔区に当たります。ここで委託米飯をバットに移し替え、盛付け、蓋閉め、金属探知機、包装してラベルを貼って、梱包して出荷という流れになります。盛付け、蓋閉め、金属探知機、ここまでが清潔区の作業になっています。なお、左下の所に青の破線で、平時の弁当製造の流れについて、不十分だった点をお示ししています。
続いて、9月14日、15日の米飯製造の流れについて御説明します。14日に製造された米飯については、15日製造の弁当に使用されるものになります。まず、製造施設で米飯を製造し、約2~3時間かけて八戸市内の当該製造施設に搬入されます。ここで米飯受け取りということになります。米飯の委託製造施設での冷却時の中心温度は、14日は48.8~49.8℃、15日は42~43℃でした。ちなみに、当該施設、八戸市内の弁当屋からは、米飯を冷却した後は26℃又は27℃にしてほしいという依頼だったのですが、ここについては依頼の温度が守られなかったのではないかということです。
14日の流れです。外箱のまま、清潔区である盛付エリア階に輸送・保管されていました。なお、外箱は発泡スチロールの箱になります。外箱の殺菌等をしないで盛付エリア階に輸送され、米飯を外箱からバットに移し、盛付エリアに移し、盛付け中、米飯が普段よりも熱いことに盛付け担当の従業員が気付きました。その後、再度、外箱のまま受入れエリアに戻し、改めて外箱からバットに移して、冷却機に入れて米飯を冷ますという工程になっています。
なお、米飯が普段より熱いことに、従業員が気付きましたが、このような逸脱が発生したときの手順が決められていませんでした。そのため、このときは製造責任者に判断を仰ぎ、米飯を冷やそうということで冷却機に入れて温度を下げたということになります。委託米飯を冷ますのですが、同時進行で自社での米飯を炊いていましたので、委託米飯と自社米飯がこの段階で交差することになります。米飯は冷却終了後にバットから外箱に移し、盛付エリア階に向かい、そこで外箱からバットに移して、そのまま盛付エリアに搬入されます。
9月15日は、前日、搬入された委託米飯の温度が高かったことを従業員が記憶していましたので、まず温度を測っています。通常よりも高温ということですが、残念ながら記録がなかったので、聞き取りでは40℃程度だったとのことです。この外箱のままバット保管庫や廊下で保管され、外箱からバットに移し、真空冷却機に入れて冷却、外箱に移したり、バットのまま盛付エリアに搬入されます。ここで何度も移し替えが行われていますが、これらの作業を担当者1名で移し替えや冷却操作、盛り付けエリアへの搬送などを実施していました。通常、自社米飯だけの場合は、手指消毒、手袋の交換などがきちんと決められていて、平時には実施の記録はあるのですが、このときは適切に行われたかどうかの記録がとられていませんでした。とにかく忙しくて、記録は取っていませんとのことでした。それで盛付エリアに入っていくということが行われておりました。
続いて、流通経路の模式図をお示ししています。9月15日、16日に製造された弁当が、どのような温度管理で販売店まで配送されていたかという図になります。こちらは関係自治体に調査をお願いしていたところですが、この調査に最も時間を要し、また判明した経路が一部しかない部分でした。
まず、図の左側は全て陸路のルートです。当該施設からA空港に陸路で向かいますが、これは保冷車を使い、16℃で管理しています。A空港では、そのまま別の保冷車に移し替えられ、さらに陸路で18℃を保ったまま、スーパーBの配送センターのエリア①、エリア②、エリア③という配送センターに送られます。スーパーBのエリア②に注目していただきたいのですが、配送センターから各店舗までの配送温度が明確でした。配送センターからは冷蔵6℃で各店舗に配送されましたが、この店舗からも有症状者が出ていました。スーパーBのエリア①、エリア③の配送センターでは温度管理が明確には分からなかったのですが、配送されたいずれの店舗からも有症状者が出ています。
図の右側の配送ルートですが、当該施設からC空港まで保冷車で搬送します。到着後C空港で一時保管されているのですが、温度は外気温と同じとのことです。このときの保管温度ですが、弁当の表示では「直射日光を避けて常温で保管してください」となっていました。よって、保管温度を逸脱していたということではないですが、直射日光を避けて常温での保管がなされてたことは確認されています。この後、D空港、E空港へそれぞれ空路で運ばれ、E空港に着いてから陸路で、この搬送については温度記録が残っており、常温20~25℃でF配送センターまで搬送され、F配送センターから陸路(冷蔵10℃以下)で各店舗に配送されていました。こちらの店舗でも有症者が出ていまして、一部の販売店に回収指示が届かず、販売されてしまったということになります。このように、一部で出荷から販売店までの温度管理が十分でなかった事例がありました。また、弁当は「48時間常温保存可能」として販売されていましたが、科学的根拠とその文書化が不十分であったことが確認されています。なお、委託製造米飯の「他の卸先」、海鮮食材の「他の仕入先」に確認したところ、「他の卸先、仕入先」では体調不良の報告はございませんでした。
次に、改善後の弁当製造の流れをご説明します。紺色の部分が改善された部分です。まずは左側の委託米飯ですが、発泡スチロール箱での納品を禁止し、専用容器で搬入するように変更しました。受入れ時のための「受入手順・検収項目」を作成し、外箱を殺菌消毒した上で盛付エリアに持ち込むことにしています。また、逸脱時の手順や過剰発注を防止する手順を作成しました。右側の自社米飯ですが、添加物を入れる工程について添加物等の種類など商品設計の見直しをしています。また、この工程を重要管理点としています。炊飯、バットへの移し、真空冷却、冷却温度も見直しています。26℃まで冷ますとしてきたところを23℃まで冷ますというように変更しました。他の具材については後で申し述べます。盛付エリアに搬入した後は同じです。左の下の長方形のなかに、それ以外の改善部分について、また、出荷手順の見直し等については、右側の吹き出しに明記しています。
次に、検査結果(まとめ)です。検体内訳ですが、検便が168、拭き取りが68、食品が344、また、委託米飯で検食がありましたので、こちらの検査が3、合計583件の検査を実施しています。
結果についてですが、「検便」は、168件体中52検体から黄色ブドウ球菌を検出しています。また、41検体からセレウス菌を検出しています。「拭き取り」では、器具・物件6検体において食中毒菌等は検出されていません。従業員の鼻前庭拭き取り62検体について、エンテロトキシン産生の黄色ブドウ球菌は検出されませんでした。黄色ブドウ球菌は3検体検出されているのですが、エンテロトキシン産生性ではなかったということです。「検食」では、310検体中2検体から黄色ブドウ球菌を検出、5検体からセレウス菌を検出しています。委託製造施設の検食3検体からは、黄色ブドウ球菌、セレウス菌など主な食中毒菌は検出されていません。「弁当」ですが、30検体中23検体から黄色ブドウ球菌を検出しています。このうち、2検体からエンテロトキシンを検出しています。さらに、26検体中10検体からセレウス菌が検出されているという結果になりました。
検査結果(検食)です。上のほうが黄色ブドウ球菌陽性検体中の菌数、下のほうがセレウス菌陽性検体中の菌数となっています。
弁当、検食検査結果まとめの黄色ブドウ球菌についてですが、弁当では、委託茶飯又は自社米飯を使用した弁当のどちらからも黄色ブドウ球菌を検出しています。また、発症に十分な菌量、かつ食品中からエンテロトキシンを検出しています。
また、当該施設に保管されていた検食についてですが、委託茶飯から黄色ブドウ球菌を検出しています。ちなみに、1検体は、当該施設で冷却後、全く盛り付けに使用されずに発泡スチロール箱で冷凍保管されていたものです。また、具材からは検出されませんでした。患者便からは、委託茶飯又は自社米飯を使用した弁当を喫食した患者いずれからも検出されています。
続いて、「弁当、検食検査結果まとめ」のセレウス菌についてです。弁当ですが、自社米飯を使用した弁当からは、セレウス菌は検出されませんでした。委託茶飯を使用した弁当からセレウス菌を検出、発症に十分な菌量であったと考えられます。また、当該施設に保管されていた検食ですが、委託茶飯からセレウス菌を検出、一部の具材からもセレウス菌を検出しています。
「原因究明結果について」、この内容は10月16日に公表したものですが、資料のとおりということで説明は割愛します。
「行政処分解除後の保健所の主な指導」ですが、当該施設自らが、適切に、HACCPを取り入れた衛生管理を運用できるように指導を行っています。矢印の1つ目ですが、当面は、記録が実施されているか、とか、品質管理担当者が何か分からないところがあれば施設の衛生管理について必要な指導・助言をしています。矢印の2つ目、加熱殺菌工程など、科学的データが不足している可能性のある工程が確認されましたので、この点を施設自ら検証していけるように必要な事項を助言しています。矢印の3つ目ですが、当該施設における品質保証体制の強化が図られ、従業員含め自らが衛生管理についての振返りや改善を確実にできるよう、必要な事項を助言・指導しています。
「再発防止策、今後の改善点」ですが、弁当を製造する施設について、一番大きなところとしては、使用する原材料のリスクの有無などを事前に十分確認し、逸脱が発生したときの対応を、あらかじめ検討しておくことが必要ではないかということです。また、リスクに応じた対応ができるように、リスクを正確に捉えるために施設の食品衛生責任者や品質管理者の育成が必要であります。いずれにしても、HACCPを導入している施設として、自らがどのように運用し、判断していくのか、考えられるような指導をしていく必要があると考えています。あと、我々保健所としての反省点になると思いますが、これまで不十分であったとして、衛生教育における積極的な関与を行っています。また、記者会見や、市のホームページ上での情報公開の適時的確な実施が、今後の課題であると考えています。
最後になりますが、調査、検査に当たりまして、青森県をはじめ、29都道府県、80自治体の皆様に御協力を頂きました。改めてお礼を申し上げ、報告を終わります。
○五十君部会長 大変詳しい御説明をありがとうございました。ただいまの御報告に関しまして、質問等あるいは御意見等がございましたらお願いします。まずWebの表示を変えていただけますか。誰か手を挙げていらっしゃる方はいらっしゃいますか。亀井委員、どうぞ。
○亀井委員 亀井でございます。ありがとうございます。大変詳細で非常に分かりやすい御説明を頂いてありがとうございました。私のほうは少し細かな点と、それから交差耐性からの点について、コメント及び質問をさせていただきたいと思います。
まず細かい点から申し上げますと、これは非常に広域的な事例で、当時のニュースなどでも、連日、このニュースは報道されていたことを覚えております。この営業の責任者の方が、再度、不適切な温度管理で、時間の経過に伴って菌が増殖するようなリスクを十分に理解できていなかったという言葉があったということを覚えております。正に、そのことを今、この御報告で改めて実感したところです。そして、このお弁当というツールが、1つの地域に限定されず、とても広域的になって調査が大変だということで、感染研が協力されて、このような報告で、私どもにとっても分かりやすい御報告になったということで大変感謝しております。
私からの質問は、もちろん当営業者自身が管理しなければいけない部分が多々あったかと思われるのですけれども、特に委託に出された部分については不明な点が多く、また今のルールの中で、どこまでそれを管理できるような、マネジメントできるような体系になっているのかということを改めて御質問させていただきたいと思います。
それとは別に、今回の御報告の中には出てこなかったのですけれども、先ほども部会長もおっしゃいましたが、やはり温暖化というのは避けて通れない原因の1つであるかと思います。恐らく青森県さんというのは、かなり北のほうに位置されておりますので、9月の、この時期には常温で置いておいてもいいだろうという、そういう感覚をお持ちだったと思うのですけれども、もう今や非常に酷暑で、日本全国どこでも、特に夏場を中心に気温が以前に比べると非常に高くなっております。そのことに関しては、やはり国のほうから注意喚起していただかなければいけないかと思うのですが、その辺りを、どのようにお考えか、それについて伺いたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
○五十君部会長 委託業者の管理、マネジメントについては、もしコメントがありましたら、お願いします。
○八戸市石井参考人 八戸市でございます。委託先の製造施設ですが、関係自治体を通じて、調査を実施しました。HACCPに取り組むというよりも、どちらかというと手引書を使って衛生管理をされているというところです。手洗いの方法が決まっているとか、あとは衛生管理を決められたようにやっているという点では、大きな問題はなかったという報告を頂いてはいますけれども、八戸市内の当該施設が依頼したとする冷却温度を、そのとおりにしていなかったというところがございます。
この理由は、委託製造先ですが、通常は、米飯を50℃まで冷まして配送し、その米飯はその日のうちに消費されるものであるということでした。ですから、そういうところに、当該施設、弁当屋が委託製造を依頼するということについて、そもそも原材料としての米飯仕入れの部分から衛生管理ができていたのかというのは今後の課題になると思います。また、この事例の後、他の製造施設に立ち入るときに必ず、原材料はどうなっていますかという説明をすることとしています。
あと、2点目ですが、これまでは弁当の表示に、「常温保管」と明記されていたところを、今回の事例を踏まえて、「25℃以下で保存してください」という具体的な表示に変えたということを確認しております。以上でございます。
○五十君部会長 御質問の内容は、よろしいですか。国からの注意喚起も必要ではないかというような意見があったことについては、事務局からお願いしたいと思います。
○吉原室長補佐 ありがとうございます。事務局のほうから御説明差し上げます。先ほど、厚生労働省のほうから御説明させていただいた繁忙期の衛生管理不備等による食中毒への対応、正にこういったところで、今回の事案のようなものも含め、更には事業者が想定していないような流通も実は確立している可能性もございます。
ですので、今回の事案も含めて、自治体の方々に事例紹介等をしていきながら、実際の商品スペック、正にその自治体で作られている商品スペックに見合った指導ができるような形で、事例紹介をしていきたいというように考えております。以上でございます。
○五十君部会長 亀井委員、今のような御回答で、よろしいですか。
○亀井委員 ありがとうございます。ただ1点、やはり温暖化という点を、事業者のほうには徹底していただく必要があるのではないかというように思っております。ありがとうございます。
○五十君部会長 それでは、次に、尾島委員。
○尾島委員 はい。
○五十君部会長 どうぞ。
○尾島委員 この事例は、私のおります静岡県でも、大勢の患者さんが発生しまして、注目してリアルタイムで関心を持って拝見しておりました。非常に広範囲に流通先がわたるということで、今回とてもしっかりとした御報告を頂いたのですが、情報収集は大変だったろうというように思います。今回、こういうものの調査に当たって、情報の経路というのは、どういう経路で問い合わせたり、調査をされたかというのを教えていただけますでしょうか。
八戸市保健所と青森県庁と厚生労働省、感染研、また患者さんが発生した保健所や都道府県庁という、たくさんのところが絡んでいたかというように思いますが、どういう情報フローで調査されたかということを教えていただければと思います。
○八戸市石井参考人 八戸市でございます。一般的に食中毒の調査につきましては、発生した、又は探知した自治体から、患者の所在する関係自治体に調査依頼をするという形で行われておりますが、今回、非常に多くの自治体にわたりましたので、厚生労働省に関与していただきまして、都道府県単位でまとめてもらえないかということを関係自治体に伝えていただきましたので、そういうような対応をさせていただいております。
ですので、例えば東京都におかれましては、東京都下、特別区も含めて1か所でのやり取りというような形でやり取りができ、我々としては非常に良かったという状況でした。
○尾島委員 ありがとうございます。先ほど最後に、29都道府県にわたってというお話がありましたが、この患者さんが発生した保健所の数としては、幾つぐらいの保健所になったのでしょうか。
○八戸市石井参考人 保健所数はちょっとすぐ出ませんが、自治体、都道府県、政令市、特別区、中核市までですが、80自治体でした。
○尾島委員 ありがとうございます。あと、今回はこれだけ大勢の患者さんが発生したので、原因がこのお弁当ということで特定されたのだと思うのですが、仮に、これだけ広範囲で患者さんが発生して、全体で10人、20人ぐらいの患者さんだった場合には、特定が非常に困難だというおそれもあるかと思いますが、こういう広範囲な食中毒の場合、その辺りがどういうように探知できるかということについて、事務局のほうで何か御意見などがございましたら、いかがでしょうか。
○吉原室長補佐 事務局でございます。私どもの食中毒被害情報管理室には、食中毒になり得るものに関しては情報が挙がってくるような形となっております。例えば、その情報の中で共通するような食品等を探知した場合は、さらに、その共通する食品を遡って調査をしていくというような作業をしております。
ただ一方で、かなり患者さんが少なすぎて、探知しにくいようなものも中にはあるかもしれませんが、いずれにしても我々としては情報収集をして必要な対応を取っていきたいというように考えているところでございます。
○尾島委員 ありがとうございます。あと、こちらの弁当の品名を見ますと、食材、具材が生の海産品なのかというように思っていたのですが、それはそういう理解で、よろしいですか。それとも、全て加熱したものだったのでしょうか。
○八戸市石井参考人 一部は生、又は冷凍されたもので仕入れるというものもございましたが、多くの場合は施設で加熱するもの、又は加熱された状態で仕入れるものが多かったです。海鮮という名称でしたけれども、ほぼ生ということではございませんでした。
○尾島委員 そうなのですね。ありがとうございます。それで、流通時の温度についてなのですが、今度のことがあって見直しをされたということで、あとは、今後に向けては事業者さんのほうで科学的根拠をもって設定してくださいということで、大原則として、そういうことなのかというように思ったのですが。一方で、本当に実験をして、どれぐらい菌が増えるかなどをやった場合に、普通の場合ですと大丈夫なのだけれども、何らかの理由で少し菌が多めだった場合に、かなり多くなってしまう危険があるなど、そういう場合に事業者での実験だけでは設定も難しいこともあるかと思うのですが、これだけ広域に流通したり、流通時間も長かったりする場合に、何か全国的な基準になるようなものというのはございますか。
○吉原室長補佐 事務局のほうから説明させていただきます。この1つの事案を取って、何か基準を設けていくということは、現時点では特にはございません。先ほども御説明させていただいたとおり、やはり事業者がその流通経路、流通の温度帯、そういったものを想定した上で賞味期限等を設定していくことが非常に重要だと思っております。ですので、このような事例を自治体の方々に情報提供させていただき、適切な指導ができるような体制を構築していきたいというように考えております。以上でございます。
○尾島委員 ありがとうございます。何か、それぞれの事業者だけではきちんとしたことが難しい部分もあるのではないかというように思いましたので、是非、専門的な知識も踏まえて、何らかのものが出せていけるといいのではないかと思いました。御丁寧な回答をありがとうございます。
○五十君部会長 今の件につきましては、恐らく厚生科学研究費などで、温度シミュレーションとかのデータが、今後、サポートとして出てくるのではないかと思います。
それでは、もう1件、神村委員から御質問があるようですので、お願いします。
○神村委員 お時間のないところ、すみません。少し違った観点から伺いたいのですけれども、このようなお弁当の製造業者さんというのは、先ほどの1件目のところもそうだったのですけれども、深夜に製造するというような場合がございます。早朝、深夜から事業を始めて、仕事を始めてということが多いと思いますけれども、このような労働環境ですと、従業員の方もなかなか手配をするのが難しいというのを、今、私のほうでは実感しております。産業保健の立場で実感しておりますので、そういう労働者の労働環境が余り良くなければ、なかなか言葉が伝わらない外国人の方がたくさん入っていたり、労働者の衛生教育というのが行き届かないという可能性もありますので、その辺りの衛生教育についての御配慮を更に徹底していただければと思いました。以上です。
○五十君部会長 コメントということで、よろしいでしょうか。ありがとうございました。そのほか、時間が迫っておりますので、もう1件ぐらい、もしありましたら受け付けたいと思いますが、よろしいですか。それでは、御報告をありがとうございました。
それでは、次に進みたいと思います。以上で、本日全ての議題が済みましたけれども、全ての議題を振り返って、御質問など言い残したこと、あるいは追加の質問等がございましたら受け付けたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、御質問、御意見がないようです。その他、事務局から何かございますか。
○吉原室長補佐 事務局から先生方に御報告がございます。本日、冒頭でYouTubeでの配信をさせていただくということでお伝えしたところなのですけれども、実は、途中からYouTubeの配信ができないような状況となってしまいました。そのために現在、この部会の放送は外部に放送されていない状況となっております。一方で、今回の部会に関しましては大変興味深いということで、是非とも見たいというようなお話も聞いております。そのため、今回の部会については、途中から録画させていただいておりますので、今後の情報の掲載や情報提供の仕方については、部会長を通じて御相談させていただいて、また皆様方のほうに、どのような形で情報提供をしていくのかということを御報告させていただきたいと考えておりますので、御承知おきのほど、よろしくお願いいたします。事務局から以上でございます。
○五十君部会長 Webの怖いところで、トラブルというのは付き物ですので、その対応策につきましては、また改めて事務局から連絡があるかと思います。御確認いただきたいと思います。
続きまして、来年度から組織の見直しがあるとお伺いしております。今後につきまして、森田課長から御報告いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○森田課長 本日も長時間にわたり御議論いただきまして、ありがとうございました。部会長から御指摘いただきましたとおり、本年4月に、食品衛生基準行政が消費者庁に移管されるという組織見直しが行われます。これに伴いまして、薬事・食品衛生審議会、この部会の審議会ですけれども、それについても見直されるということになります。
具体的には、本部会で議論いただいたような厚生労働省に残る食品衛生監視行政に係る部分につきましては、厚生科学審議会の中で議論するという予定としております。このため、この本部会につきましては、食中毒部会ですので緊急の案件が起こり得るのですけれども、そうしたものがない限り、本日が最後という形になろうかと思っております。委員の皆様方におかれましては、本部会において貴重な御意見を頂きましたこと、改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。今後も科学的知見に基づきまして、公衆衛生の見地から、国民の健康を守るために食品安全行政、私の立場からは食品衛生監視行政ということになりますけれども、その推進に努めていきたいと考えております。引き続きよろしくお願いいたします。
○五十君部会長 以上をもちまして、本日の食中毒部会につきましては、これで終了いたします。長時間にわたる御議論をありがとうございました。また先ほど、森田課長から御報告がありましたように、緊急事態が起こらない限り本部会は、今日が最後の部会ということになります。今まで本部会に御尽力いただきましたことを感謝いたします。委員の方々につきましては、大変貴重な時間を割いていただきまして、御苦労さまでした。
以上をもちまして、本日の食中毒部会を終了させていただきたいと思います。それでは、御退室してください。どうもありがとうございました。