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第5回2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会:議事録
日時
場所
議事
○大河内課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第5回「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、本日は御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。
本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
議事に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿、座席表のほか、資料1、2、3、4を配付いたしておりますので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
本日は、大鳥構成員、田中構成員、新田構成員から欠席となる旨、御連絡をいただいております。
また、本日は、看護職員の勤務環境改善に取り組む医療機関からお話をお伺いすることとしており、済生会吹田病院の村上様、藤田医科大学病院の眞野様に参考人として御出席いただいております。
続いて、今般の夏の人事異動に伴い、新たに佐々木医政局長をはじめ複数名が着任しております。お手元の「省庁関係出席者名簿」に反映しておりますので、御紹介をさせていただきます。
なお、医政局長と審議官は公務の都合により遅れての参加を予定しております。
また、オブザーバーとして、文部科学省高等教育局医学教育課の松本企画官と小野補佐に御出席いただいております。
冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○大河内課長補佐 それでは、以降の進行は小野座長にお願いいたします。
○小野座長 おはようございます。よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。
本日の議題は「看護職員の勤務環境改善について」となります。
事務局からの資料説明の後、勤務環境改善に取り組まれている医療機関からお話を伺いたいと思います。その後にまとめて、御質問、御意見を頂戴したいと思います。
それでは、事務局より資料1について説明をお願いいたします。
○初村看護サービス推進室長 ありがとうございます。事務局でございます。
それでは、資料1について御説明をさせていただきますので、お手元に御用意をお願いいたします。
まず表紙をおめくりいただきまして、目次になります。
資料の構成としましては、まず第1回から第4回まで、この検討会で勤務環境に関する構成員の皆様からいただいた御意見をまとめております。
次に、看護職員の就業の実態について。
次に、ICT機器等を活用した看護業務の効率化に向けた取組について。
それから、看護職員の勤務環境改善に向けた看護管理能力について。
最後に、看護職員の勤務環境改善に関する論点という構成です。
主な御意見につきましては、4ページ目から6ページ目です。
7ページ目からになりますが、「看護職員の就業実態」です。
8ページ目です。
「看護職員就業者数の推移」になります。
これまで年々増加をしてきておりまして、現在看護職員として就業をしている数が174万人強ということになっております。
次にいきまして、この全体の中身を少しひも解いて見てみますと、45歳以上の看護職員の数の割合が増加をしているといったような現状になっております。
こうした中で働き続けていくというところでは、処遇ということも非常に重要になりますけれども、10ページ目ですが、これまで我々にできる取組として、民間病院の方も国家公務員の医療職俸給表3を参考にされているといったような事例もございますことから、この国家公務員の医療職俸給表3級の表を見直しております。これまでは、例えば看護師長の職務というのは3級となっていましたけれども、見直し後は3級を副師長の職務にある者、看護師長は4級といったことで少し上げております。
また、これまでは職務で等級が決まっておりましたけれども、特に高度な知識経験に基づき困難な業務を処理する看護職の職務というのも位置づけるなどの見直しを行っているところです。
11ページにいきまして、看護実践能力習熟段階、いわゆるラダーと賃金を連動させたような医療機関の取組の事例について御紹介をさせていただいております。こちらは100床以下の医療機関になっておりますけれども、見直しの前は夜勤手当も看護師と准看護師は同額で1回当たり9,400円となっており、賃金についても国家公務員医療俸給表3に倣ったような賃金形態を取られておりましたが、見直し後は夜勤1回当たり看護師1万1000円、准看護師1万円、また回数を多くやっているような看護師については5回以上行った場合には別途1回5,000円の手当を支給するといったような見直しをされていたり、あとはその真ん中にあります表が見直し後のラダーの表になっておりますが、こうした表をつくられましてこのラダーと連動した処遇昇格を行うといったような見直しをされております。
また、備考のところにもありますけれども、こちらは町唯一の病院ということで、地域医療を支えている自分の病院の人材確保ということの重要性を自治体に訴えられて、助成金の交付を受けて、それを原資として処遇改善に取り組まれたということです。
こうした結果は、モチベーションアップにつながったということや、近年、管理職を望まない若い人たちがいるということもありましたけれども、管理職の道を決断できたといったような声も上がったということでございます。
次に、「看護職員の交代制勤務の状況」です。
以前は三交代が多かったかとは思いますけれども、近年は二交代制で夜勤1回当たり16時間以上の勤務をされている方の割合が多くなっているといった状況になっております。看護職員の退職の理由について聞いているものになります。やはり「子育て」「結婚」「転居」と順番に多くて、ライフステージと非常に密接をしているといったようなことが見て取れるかと思います。
また、「夜勤をしていない主な理由」を年代別に見たものになります。20代から40代では「子どもの世話」が多くなっておりまして、50代以降になりますと管理職に就かれる方がおりまして、管理職は夜勤がない勤務を取られる場合があるので、「管理職の職位にあるため」という理由が最も多いですけれども、その次は「健康上の理由」、特に身体的な理由で夜勤をしていないといったようなことになっております。
「看護職として働き続けるために希望する働き方」というのを年代別に伺っているものになります。
看護職として働き続けるために希望する働き方については、少し年代によって異なるようでして、年齢が高くなりますと、「短時間勤務」や「日勤のみ」というものを希望される方の割合が多くなりますし、若い世代ですと、「夜勤の回数とか時間や曜日が選択できる」といったようなことを希望される方が多く、年代や、またその人の生活に応じて様々な希望があるということが見て取れます。
次に、看護職の多様で柔軟な働き方、特に夜勤について取り組まれている医療機関の事例になります。
一般的には医療機関では二交代制、三交代制と決めているところが多いかと思いますけれども、こちらの医療機関では1つの病棟の中で二交代と三交代、または二交代と変則二交代の好きな方を看護師が選べるといったような勤務形態を取っていらっしゃるということです。
具体的な時間帯につきましては、「取組」の四角の中にある夜勤体制ということを御覧ください。
その成果としましては、例えば夜勤ができないという理由で夜勤がない部署に異動する必要がなくなったというような声ですとか、またはライフスタイルに合った勤務形態が実現したので常勤の看護師の離職防止につながったといったような声も聞かれております。
こうした好事例を厚生労働省でもガイドや動画として取りまとめて、いろいろな医療機関で取り組んでいただけるよう横展開を図ってまいりました。
また、多様な働き方を導入していくためには、看護業務の整理や複雑な勤務表をつくったりといったようなことがありますので、令和7年度の補正予算を利用しまして、こういった多様な働き方に取り組みたいという医療機関に看護管理の専門家の方を派遣して伴走しながら多様な働き方を導入していくといったような取組を現在進めているところです。
これを進めていく中でいろいろな課題というものが生じるかと思いますけれども、その課題をどうやって解決していったのかとか、どういった工夫をしたのかということも含めて事例集としてまとめて、さらに横展開を図っていければと思っています。
また、多様な働き方の中では、夜勤を1回、2回とするとどのくらいお給料に反映されるのかとかといったような、各個人の看護職員の働き方がシミュレートできるようなツールを作成したり、また、多様な働き方には複雑な夜勤の時間の計算であったりとか、看護職員がどのくらい必要かといったようなことも看護管理者としては重要になると思いますので、看護管理者向けの多様な働き方がシミュレートできるようなツールもつくって公表したりといったような取組もしています。
次に、業務を効率的に進めていく上ではタスク・シフト/シェアというのも非常に重要になってくるかと思います。これまで厚生労働省では、そういったタスク・シフト/シェアの推進に向けて様々な議論を重ねてきております。直近、令和2年に開催されております医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会の議論の整理の中におきましても、職種ごとに推進をしていくものということで、ここにお示しのような表をつくって周知を図っているところです。
そうした中で、看護師の業務の内容を少し見てみたいと思います。
2018年にタイムスタディーを行い、2024年にほぼ同じ病棟で同じタイムスタディーを行いました。そして、2018年と2024年の看護業務の内容の比較をいたしました。表の上段の赤い部分が、2018年と比べて看護業務の実施時間が増加をしたもの、下のブルーのものが減少をしたものということになっております。観察や、患者さんからの情報収集といったようなものが増えておりまして、下段のところでは排泄介助、それからバイタルサインの測定というようなものが減少しているといったような状況でした。
22ページ目からです。タイムスタディーは85項目について行っているのですけれども、そのそれぞれについてタイムスタディーを行った病棟の師長さんにタスク・シフト/シェアをしている業務、またICTを活用している業務を聞いたものになります。こういった結果も比較をしてみますと、先ほど減っているようなところですと、看護補助者とのタスク・シフト/シェアが少しずつですけれども、進んできているのかなということであったり、バイタルの測定についてはICTの活用が進んできているのかなというようなことがうかがえるかとは思います。けれども、全体を見ていただいてタスク・シフト/シェアやICTの活用についてもまだまだ道半ばといったところかと理解をしております。
25ページ目にいきまして、「タスク・シフト/シェアの取組みを進めるに当たって課題になっていること」ということで、タスク・シフト/シェアの実施に取り組んでいる方、またはまだ実施をしていない方それぞれに聞いていますが、結果としてはほぼ同じような感じかと思います。
まず一番課題になっていることとして多かったのが、「タスク・シフト/シェアを受ける側の医療関係職種の余力(人員確保等)」といったところでした。
その次が、医療従事者職員全体ということかと思いますけれども、意識改革とか啓発といったようなことが課題として挙がっております。
次に、看護師は基本的には交代勤務ではあるのですけれども、やはり超過勤務があるということで病床別に見たものです。
ただ、こちらは現場の実感とは違い少なく感じるかもしれません。これは全体の平均値ですので、中には日勤しかされていらっしゃらない方もおられますので、そういったことも少し加味をして御覧いただければと思いますが、交代勤務でありながらも超過勤務というのが平均値で発生をしているということです。
そういった中で、先ほどのタイムスタディーで一番看護業務の中で占めている割合の多い業務の内容は何かといいますと、日々の看護実施記録ということになっています。日中いろいろケアをした後に看護記録をつけたりということがありますので、そういった結果、超過勤務が発生しているといったような現状がうかがえるかと思っております。
そうした中では、まだまだICTの活用が期待できるのではないかと考えているところでして、国の省力化投資促進プランの中でも赤線の部分になりますが、看護業務の効率化の推進に資する機器等の導入支援というものも位置づけられておりまして、下のところになりますが、看護職員の平均超過勤務時間の削減といったようなことを目標に掲げて取り組んでいるところです。
そうした中で、令和元年から令和5年にかけまして、まずはその取組を進めるに当たって先進事例、先駆的に取り組まれている方から教えていただこうということで、アワードをつくりまして、好事例の収集というものを始めました。ここで賞を受賞された好事例などにつきましては、ポータルサイトをつくって事例検索をして皆さんが取り組めるように参考にしていただけるような事例の紹介というものをやってきております。
そこから、やはり機器が導入できるようにもう少し支援を進めて深めていこうということで、令和5年度の補正予算を使いまして、令和6年度に看護現場におけるデジタルトランスフォーメーション促進事業というものを始めました。
このとき、応募としてはその病院の看護業務の課題を挙げていただいて、その課題を解決するためのICT機器は何を入れるのかといったような企画書をつくって応募していただくといったような形を取りました。その結果、応募があった企画書を全て拝見しますと、大体買いたい機器、取り入れたい機能というものが見守り機能、記録入力、情報共有というものに集約をされていったということが分かりました。
そこで、次の年からは、この機能を持ったものの導入について費用を補助し、さらに効果検証を行うといったような事業を進めてきております。このとき取り組んだ医療機関、23医療機関ですので、十分なエビデンスというものを集めるには至りませんでしたけれども、やはり一定程度、効果があるというようなことは少し見えてきたところです。
そうしたようなことも踏まえまして、令和8年度の診療報酬改定におきましても、この全ての機能を持った機器を導入している。また、1人当たりの超過勤務時間が平均10時間以下という様々な要件はありますけれども、そういった場合に看護職員の配置について1割以内の範囲の減少である場合には、入院基本料等の基準を満たすものとして所定の点数が算定できるといったような見直しもされているところです。
また、さらに業務効率化や勤務環境改善の支援をしていくということで、幾つかの制度的な対応も行われているところでして、まずは継続的に支援ができるようにということで地域医療介護総合確保基金の中に業務効率化、勤務環境改善の取組を支援する新たな事業の区分というものが設けられております。
また、そういった勤務環境改善等に積極的、計画的に取り組む病院を今後厚生労働大臣が認定できるような仕組みを設けていくことですとか、勤務環境改善が支援できるような機能強化を図ることですとか、また医療法を改正いたしまして、病院や診療所の管理者には勤務環境の改善に加えて業務効率化に取り組むことに努めるという旨が明確化されたといったような対応がされているところです。
ここで、少し話が変わりますけれども、在宅患者さんというのが増えていくことが見込まれています。また、85歳以上の高齢者が増えていく中では、医療と介護の複合ニーズを持つ方が一層増えていくといったことも見込まれております。そうした中で、先ほどの看護現場におけるデジタルトランスフォーメーションについて効果検証を行ってきておりましたけれども、これまでの施設内での業務効率化に加えまして、令和7年度の補正予算では、この下の表の2ポツ目のところですけれども、「地域におけるDX」ということで、訪問看護を中心にそこと関わっている医療機関や介護サービスも含めて、関係機関が連携して効率的なサービスを提供することに資するようなICT機器の導入に関して支援を行い、効果検証を行うといったようなことを現在実施しているところです。
こうした勤務環境改善を進めていくためには、やはり看護管理者の役割というものは非常に重要かと考えております。特にそういったことを進めていく上でも、看護管理者に求められる能力としては組織管理能力、または質管理能力、人材育成能力など、様々な能力が求められるかと考えております。
そうした中で、都道府県においても基金を活用して看護管理者の育成・マネジメント力強化事業、認定看護管理者の育成・実践力向上事業といったような様々な事業を展開いただいているところです。
最後に論点になりますけれども、現状課題については今お話をさせていただいたようなことをまとめて記載させていただいておりますので割愛をさせていただきまして、論点になります。
まず、看護職員の心と体を守る多様で柔軟な働き方については、好事例の作成や導入に取り組む看護管理者への伴走支援を先ほど御説明したとおり今、実施をしているところでありますけれども、今後さらなる普及に向けてどんな取組がさらに考えられるのか。
医療現場において、医療に従事する多種多様なスタッフがそれぞれの専門性を発揮したタスク・シフト/シェアを推進するためには、どのような取組が考えられるか。
医療機関の業務効率化・勤務環境改善を支援するために、医療機関におけるICT機器等の導入による看護業務効率化を一層広めていくためにはどのような取組が考えられるか。
最後に、こういった勤務環境改善に取り組む、推進できるような看護管理能力を高めていくためにどのような支援が必要かといったところで御意見を頂戴できればと思っております。
資料1の説明については以上になります。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、本日は2人、参考人の方にお越しいただいておりますけれども、まず「藤田医科大学病院の取組について」ということで、藤田医科大学病院の眞野参考人から御説明をお願いしたいと思います。
それでは、眞野参考人、どうぞよろしくお願いいたします。
○眞野参考人 藤田医科大学の病院統括本部の眞野でございます。今日は、このような貴重な機会をいただきましてありがとうございます。
本日は、当院が今、進めています、頻繁な昼夜遷移が生じない勤務の段階的実装について御報告させていただきます。
これは、まず当院の概要です。1973年に開設しまして、現在のベッド数は1,376床、愛知県豊明市にあります特定機能病院です。看護部職員は2,021名、このうち看護師は1,717名おります。この1,717名の看護師のうち1,450名、全体の84%が夜勤の交代制で働いて、この勤務表は各病棟の看護管理者が作成しています。
まず、当院の勤務の歴史について御説明いたします。
開院しました1973年、この時代は1965年に出されました看護師の夜勤は3時間、8時間の三交代制勤務、夜勤は2人、回数は月8回以内を基本とする、いわゆる2-8判定によって1日を6つに分ける三交代制が主流でした。
それで、当院は1983年に1日を2つに分ける二交代制に切り替えました。今から40年以上前のことです。表に挙げてありますように、真ん中に年代と全国の動きが書かれていまして、下段が当院の動きになります。早い段階から二交代制に踏み切ったことがお分かりいただけるかと思います。
なぜ三交代制の見直しをしたのか。このきっかけは、創設者です。「三交代は好ましい勤務形態とは言い難い。早急に検討するように」という助言でした。その頃の時代背景として、看護師不足による加重な労働が社会問題となっていた時代です。藤田のその頃の開学理念、「10年先を見据えた取り組み」、この理念に基づきまして勤務形態の検討が始まりました。
まず理由は3つです。人は昼に活動し、夜に眠る。この本来のリズムを三交代制は生かせていない。出勤回数が多く、看護師のまとまった生活時間が確保できていない。そして、深夜に出退勤するのは当時、多くを占めていた若い女性看護師にとっては危険であること。この考えに多くの看護師たちが共感し、1983年の二交代制導入につながりました。
当院の変則性二交代制度の中身を御説明します。
主となる勤務のパターンは、休みの夜勤、夜勤、休みの長、長、休みとなります。この長い勤務は8時半から夜の20時45分、休憩1時間15分、状況に応じて45分追加で休暇時間として取得できます。
夜勤は夜の20時30分から翌朝の8時45分、夜勤は拘束12時間15分のうち休憩1時間に加えて、状況に応じて仮眠2時間を確保しています。1回の勤務は長くなりますが、その分、出勤日数が減り、休日が増えるという考え方で設計されています。
勤務パターンを基準に勤務表を作成すること、単発の日勤はつけない、2日以上の勤務で連続させること、休日は可能な限り連続すること、夜勤の休息を確保することをルールとして勤務表作成を行っていました。
この「変則二交代制のメリットと、残された課題」です。
メリットとしては、1つ目は患者さんが朝起きたときから夜寝るまで同じ看護師が担当しますので安心できます。
2つ目、出勤日数が減って休日が増え、毎月4連休が取得できます。また、夜勤が20時30分からですので、子育て中であっても子供の世話をしてから出勤できます。
3つ目は、電車やバスの動いている時間に出退勤できるため、安全です。
実際、2012年の院内の調査では、94%が変則二交代制がよいと回答しています。
でも、課題も残っています。この交代制勤務によるサーカディアン・リズムへの影響をベースに多様な勤務が増えました。勤務開始時間のばらつき、頻繁な昼夜遷移が生じる勤務となっていました。4連休などへの生活面へのメリットを維持したまま、昼夜遷移の回数だけ減らせないかというサーカディアン・リズムへの影響と勤務の並びという課題が残りました。
ここで、本日の鍵となります「昼夜遷移」の言葉の定義についてです。昼夜遷移とは、生活のリズムが昼から夜、夜から昼に切り替わることを示します。昼夜遷移の回数は、勤務表の勤務記号の並びからカウントでき、勤務の質を図る客観的指標となります。
当院では、昼夜遷移の回数のカウント方法を、生活のリズムが昼から夜、夜から昼に切り替わる場合に1回とカウントしました。
例えば、表の下のナースAの欄を御覧ください。丸1と表記しました箇所は、4日水曜日が休み、そして5日の木曜日が夜勤の間に丸1が記されています。この4日の休みの昼間の生活から5日の夜勤に切り替わる場合に昼夜遷移を1回とカウントしました。
次に、ナースのBの丸3を御覧ください。これは日勤の勤務終了が17時です。長勤の勤務終了が20時45分です。それで、隣り合う勤務が異なり、かつ20時以降の勤務終了は食事時間など生活のリズムが日勤と異なると考えまして1カウントといたしました。体は生活のリズムを昼、夜と切り替えるたびに時差ぼけのような負担となります。従来の勤務では、ここに記してありますように月に8回から10回の昼夜遷移がございました。
では、次にどう進めてきたかを御説明します。
私どもは、一斉導入ではなく対象を1年ずつ広げていきました。各段階に必ず調査をひもづけまして、その結果を翌年の判断材料としたことが今の納得と持続性につながったと考えています。この表に年度ごとの実施内容を表示いたしました。
2023年、これは日本看護協会の調査事業に参加して、まず2つの病棟だけで試して昼夜遷移の少ない勤務に対する実効可能性を確認しました。
2024年度、これは新人看護師全員に広げ、併せて活動量計で睡眠に対する客観的な調査を行い、睡眠の改善を確認しました。そして、2025年、これは新人と2年目の職員と複数の病棟に拡大し、現場の声を集めて勤務パターンを標準化して勤務表の3か月一括作成を導入しました。この年度は、全病棟展開の運用体制を整備する年となりました。
そして、2026年、今年の4月に全病棟、全職員に導入し、現在の課題を洗い出しているところでございます。
こちらが、日本看護協会の調査で使用した勤務表の1か月分です。ます目の一つ一つが1日です。そして、記号が勤務の種類を表します。1か月を2週間の日勤週、それから夜勤週にブロック化して配置します。それで、夜勤週は昼間から勤務する中勤から夜勤へと勤務ごとにまとめて並べています。ブロックの切れ目、つまり勤務の週が切り替わるところには必ず休みを挟むようになっています。その結果、昼夜遷移の回数は月4回から5回に減りましたが、ブロックの切れ目に休みを挟み、2連続の夜勤の後に48時間以上の休みを確保すると、4連休は確保できない勤務となっていました。
こちらが、調査実証の検証の結果です。このグラフは、睡眠のリズムを見ています。グラフは、横軸がゼロから24時までの時刻、縦の1行が調査日の1日分です。つまり、調査月1から30日が並べられています。
それで、緑が眠っていた時間、黄色が働いていた時間を示します。そして、赤い線がその日の睡眠のちょうど真ん中の時刻です。眠る時間が毎日同じならば、赤の線は縦にきれいにそろいます。この左側が従来の勤務です。赤線がばらばらに散らばっており、時差ぼけのような症状が出現しやすく、勤務日と休日で睡眠時間のアンバランスが生じています。
右側が、昼夜遷移の少ない勤務です。赤線がある程度まとまりがあるようになっています。勤務日と休日の睡眠のバランスがいいです。この差を受けて、2024年度に昼夜遷移の少ない勤務を「新人看護師」への導入を決定いたしました。
これは、当院が独自で従来の勤務によって昼夜遷移回数による眠気への影響について検証を行いました。精神科病棟の看護師20名について、2か月分の従来の勤務表から昼夜遷移の回数を数えて、増えた人と減った人に分けて比較をしています。その結果、回数が増えた人のほうが日中の眠気が明らかに強いことが分かりました。交代制勤務そのものの負荷は大きく、昼夜遷移回数の削減は睡眠の質を改善する一因になり得ると示唆されました。
ただ、20名という小規模な調査ですので、あくまでも手がかりを得た段階と考えています。
こうした結果を踏まえまして、2025年度に勤務の組み方をつくり直しました。現場の看護管理者から意見を集めたところ、「1つのパターンに固定されると病棟の実情に合わない」という声が多く寄せられました。そこで、管理者が勤務作成時、標準化した2つのパターンから選択して勤務表を作成することを可能といたしました。
このことが柔軟性を高めました。それで、勤務パターンは正循環である日勤、長勤、夜勤週を推奨としつつ、もう一つ右側にお示しした病棟の状況に応じてブロックの順番を入れ替えたパターンも選べるようにしました。
いずれのパターンでも正循環は推奨し、各ブロックは1週間以上継続すること、日勤の連続勤務は3日以内を推奨とすること、長勤の連続勤務は2日以内とすること、夜勤の後は48時間以上休み、4連休は必ず確保すること、これを共通のルールとしています。勤務パターンを選べるようにしたことが、その後の全病棟への展開に広がりました。
こちらが、改訂後の1か月の勤務表です。1か月を日勤の週、長勤の週、夜勤の週にブロック化して配置し、ブロックの切れ目に休みを挟む。4連休以上を確保する生活のメリットは維持したまま、昼夜遷移の回数のみを削減する設計となっています。調査事業のときの勤務表との違いは、この中勤の勤務時間7.5時間のみではなく、11時間の勤務、長勤を組み込みました。昼夜遷移回数は月4回から5回に抑えたまま、夜勤後48時間以上の休みと、毎月4連休も維持しています。この形が現在、全ての病棟で使われている標準の勤務表となります。
この新しい勤務で睡眠がどう変わったのかを調査しました。精神科病棟の20名のナースを対象に、活動量計を24時間、1か月間装着し、昼夜遷移の少ない勤務導入前後の客観的睡眠の指標を比較しました。
1つ目の睡眠効率です。布団に入っている時間のうち、実際に眠れた割合は3.8%上がりました。
2つ目の総睡眠時間、1日当たりの睡眠が42分長くなりました。
3つ目の睡眠潜時、布団に入ってから眠りにつくまでの時間が7.8分短くなり、寝つきがよくなりました。いずれも、統計的に意味のある改善です。本人の感想ではなく、機器で測った客観的な数字である点が重要と考えています。
これは、連続勤務による睡眠効率への影響を見ています。先ほどと同様、精神科病棟20名のナースのデータを使用しました。
グラフの横軸は、勤務の種類です。日1は日勤の1日目、日2は日勤の2日目を表しています。同じように、日3、日4、日5と、日勤が何日続いたかを示しています。中1、中2は、昼12時15分から始まる中勤の1日目、2日目、長1、長2は朝8時半から20時45分まで長く働く1日目、2日目です。
縦軸は睡眠効率で、布団に入った時間のうち、実際に眠れていた割合です。数字が大きいほどよく眠れたことになります。
右上に図の読み方を示しています。赤が導入前の通常勤務、青が導入後の昼夜遷移の少ない勤務です。丸が平均値、上下に伸びる縦の棒は、人によるばらつきを表します。
この結果、多くの勤務が、青が赤を上回っています。同じ勤務をその勤務日数順に比べても、導入後のほうが一貫して高い。つまり、特定の勤務だけでよくなったのではなく、勤務全体を通して睡眠が改善したということになります。
日勤と中勤の連続勤務を見ていきます。グラフを横に引いた赤い線は、20代の一般的な睡眠効率、92%を示す参考値の線です。20歳代の参考値を示したのは、対象の平均年齢と同じだったためです。日勤1日目から5日目まではいずれもこの青い線、すなわち昼夜遷移の少ない勤務が上回っています。
次に、日勤が3日続くところまではどちらの勤務でも睡眠効率が安定しています。
ところが、4日目で下がっています。5日目に戻っているのは、翌日が休みであるため、朝起きなくてもいいという安心感のため改善していると考えています。
以上から、連続する勤務は3日以内が妥当であるという判断に至りました。
右は中勤、昼間の12時15分から夜の8時45分までの勤務による影響です。1日目、2日目とも青が上回っていますが、両方とも目安のこの92%を大きく下回っており、日勤の平均値と比べても低くなっています。昼過ぎからの勤務帯の睡眠の質は、日勤よりも悪いということが示唆されました。
続いて、働く本人がどう感じていたのかを御報告します。
2024年度に、昼夜遷移の少ない勤務を導入した新人看護師224名を対象とした調査です。睡眠の指標がよくなっても、本人の勤務に対する満足度という気持ちは並行して上がるわけではないという結果でした。
左のグラフを御覧ください。導入した8月と翌年の2月の2回、勤務の満足度を10点満点で尋ねたところ、5.8から5.2に下がっていました。中央が、この研究から見えた課題です。
4つありました。
1つ目は、やはり日勤が続くと体力的にきついという声で自由回答の15%を占め、その多くが4日以上の連続勤務を挙げていました。
2つ目は、疲労の蓄積を強く自覚している人ほど満足度が低いという関連が見られました。
そして、3つ目は超過勤務による疲労でした。
4つ目は、満足度がワークエンゲージメントの活力、つまり仕事中のエネルギーの高さや元気に働けているという感覚と関連していたことですが、右がそれを受けて翌年に改めた点です。
課題一つ一つに対応させました。日勤は連続4日以上を避け、3日以内を推奨。夜勤後の48時間以上の休息を必ず確保する。残業を減らすための業務調査と継続的なモニタリングによる可視化を行いました。
そして、活力についてはまずまとまった休みで体力が回復すること、自分の希望する休みが取れる勤務が元気で働けることに関連すると考えました。この2点に対応するものとして、4連続の休暇の確保と可能な限りの勤務希望の反映を位置づけました。不満足だという現場の声を、具体的な勤務表のルールに落とし込みました。この往復が現場の納得と全病棟への広がりにつながったと考えています。
2025年から2026年にかけての展開です。
全病棟に広げるに当たり、大きな役割を果たしたのが現場の看護管理者でした。この看護部と現場のずれを埋めるために、課長と師長で構成するタスクフォースを立ち上げ、ここで現場の「声」を丁寧に吸い上げました。そして、勤務のパターンを選べる形につくり直したことはよかったと思っています。また、一般企業のやり方を参考に、勤務表は今まで1か月出していたものを3か月分まとめて作成する方式も導入しました。こうして2026年4月に全病棟へ今、導入した段階でございます。
この実装に至る判断根拠といたしましては、3つです。活動量計による客観的睡眠指標の有意な改善、そして病棟によって半数以上のスタッフが継続を希望したことです。このタスクフォースによる勤務のパターンの標準化で、全病棟展開の運用体制が整備されたことが展開した理由です。
ただ、その勤務表をつくる側の負担という課題は残っていまして、負担というのは勤務表作成に月に20時間かかっています。このブロックの順番を守らなくてはいけないということもありますけれども、看護管理者は作成月の負担は大きいが、3か月分つくりますので、作成のない月はすごく業務負担が軽減したという意見も聞かれています。
スタッフからは、今週は日勤の週、来週は夜勤の週と、生活の予定が立てられるようになったといういい評価の意見もありました一方、一括作成を行いますので休み希望の締め切り日が早くなったという不安も聞かれました。
働く看護師たちの睡眠の改善はしてきましたが、つくる側の負担をどう軽くするかが課題です。夜勤交代制勤務は、心身の負担を軽減するには勤務表の並びを整えるだけでは十分ではありません。休息できる環境そのものも整える必要があります。当院はここに示してありますように、休憩室の中に3つの仮眠室を設けてあります。これは、その病棟の写真でございます。いろいろな病棟がございますが、勤務表を整えること、そして休める環境をつくること、この2つがそろって初めて夜勤中の睡眠が守られて交代制勤務による身体への負担の軽減につながると考えています。
本日は、どうも御清聴ありがとうございました。
○小野座長 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして「大阪府済生会吹田病院の取組について」ということで、村上参考人から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○村上参考人 よろしくお願いします。
大阪府済生会吹田病院の村上でございます。本日は、このような機会を与えてくださいましてありがとうございます。
本日ですけれども、当院は2008年から取り組んでいる超短時間勤務制度「くわいナース」について御紹介いたします。
右下のくわいナースちゃんなのですけれども、当院のキャラクターとなっております。吹田の特産であり、必ず芽が出ると言われています、くわいをキャラクターにしております。
くわいナースは1日2時間以上、週1回から働くことができる当院独自の院内ナースバンク制度です。制度の中心にある考え方は、長時間働けない人を働けない人と捉えるのではなく、その人が働ける時間を看護力に変えるということです。今日は、制度を始めた背景、どのように現場へ定着させてきたのか、そして2040年に向けた看護職確保への示唆についてお話しいたします。
まず、くわいナースの前提となる問題意識です。
病院が採用したい看護職として、フルタイムで働けること、夜勤ができること、決められた勤務日に対応できることを求めがちです。しかし、地域には看護師免許と臨床経験を持ちながら、育児や介護などの事情でその条件には合わない方がいます。
また、ブランクがあるため、いきなり通常の勤務に戻ることに不安を感じている方もいます。条件が合わないことと、看護職として力がないことは全く別です。病院側が勤務時間や業務のつくり方を少し変えれば、発揮していただける看護力があります。従来の勤務条件だけで人材を探していては、その力を取りこぼしてしまう。これが制度の出発点です。
当院は、大阪府北部にある許可病床440床の急性期病院です。救急、周産期、小児医療なども担っています。2008年当時は看護職の離職が相次ぎ、看護部長が退職届を受け取らない日はないと表現されるほど深刻な状況でした。退職理由には、子育てと仕事の両立の難しさが多く含まれていました。働き続けたい気持ちはあっても、固定された勤務時間や勤務日数が壁になっていたのです。
そこで、2008年4月、師長会に女性に優しい職場づくりワーキンググループを立ち上げ、自分たちが子育てをしていた時期にどのような制度があれば働き続けられたかを考えました。病院の都合に人を合わせるのではなく、働く側が『働きたい時間』を申請できる仕組みへ発想を転換し、同年9月にくわいナース第1号の勤務が始まりました。
制度の取組はシンプルです。まず、登録した看護職が働ける日と時間を申請します。勤務は1日2時間以上、週1回から可能です。急な休みも可能で、eラーニングや院内研修への参加、院内保育所の利用も可能です。
一方、各部署は人手が必要な曜日や時間帯、依頼したい業務を看護部へ伝えます。看護部が双方を調整し、勤務する部署と当日の役割を決めます。つまり、登録者を一つの病棟に固定するのではなく、組織全体の人材として本人に希望と現場のニーズを看護部がつないでいます。
対象は育児中の方だけではありません。介護を担う方、退職後に少しだけ働きたい方、ブランクから段階的に復職したい方など、多様な背景を持つ看護職を想定しています。
短時間勤務を成立させるためには、既存の勤務をそのまま短くするだけでは不十分です。短時間でも完結できるように看護業務を組み替える必要がありました。スライドでは、導入当初と運用を重ねた後を並べています。導入当初は保清や患者搬送など短時間で完結し、原則として記録の発生しない業務に限定して始めました。
その後、くわいナースの経験や習熟度を確認しながら、食事介助、点滴作成、バイタル測定、検査への送迎や検査後の観察などへ委譲する業務を具体的に広げました。さらに、新しく入ったくわいナースや正職員の新人看護師への支援、ケアカンファレンスへの参加にも役割が広がりました。つまり、変化したのは短時間に安全で完結できる範囲を守りながら、本人の経験と現場のニーズに応じて任せる業務を広げてきたという点です。これが本人のやりがいと現場での活動の両方につながりました。
もちろん、新しい制度を始めるときには短時間で何ができるのか、誰が指導するのか、責任はどこにあるのか、かえって負担が増えないかなど、現場から多くの不安が出ました。そこで、最初から全病棟へ一斉に導入せず、ワーキンググループの師長が所属する2病棟、内科と外科だったのですけれども、そこでパイロット病棟として開始しました。
2008年9月に第1号が勤務を始め、まずパイロット病棟で業務に慣れてもらい、習熟後に他病棟へ順次配置しました。何か月と区切った固定的なパイロット期間ではなく、安全に勤務できることを確認しながら広げる方法でした。
2010年の報告時点では、全病棟に複数配置されていました。院内への共有はパイロット病棟での説明会、院内ポスター、名札のくわいちゃんシール、受入れマニュアルなどを用いました。医師には、くわいナースへ直接指示を出さないことも説明し、役割と責任の範囲を明確にしました。制度を先に完成させたのではなく小さく始め、現場の不安を一つずつ運営へ反映したことが全体への展開につながりました。
短時間勤務を継続してもらうために特に大切なのが、定時で帰ることを確実に保証することです。依頼するときには、何をどこまでいつまでに行うのかを明確にし、時間内に終わらない場合に誰が引き継ぐのかも決めておきます。また、勤務時間の全てを一つの役割で埋めず、終了の30分から60分前には主な役割を終えられるよう、余白をつくります。この余白があれば、本人は残業を整理し、気になる患者への対応もできます。短時間だからといって分刻みで仕事を詰め込むのではなく、看護職としての主体性も守ることができます。柔軟な勤務は、現場の善意だけに頼ると続きません。定時で帰れる運用ルールがあるからこそ、働く側にも受け入れる側にも信頼が生まれます。
くわいナースの効果は、本人、常勤看護師、そして組織や患者の3つの側面から捉えることができます。本人にとって、短時間から復職できることで心理的なハードルが下がります。また、職場で必要とされている、まだ看護師として働けるという実感がキャリアをつなぐ力になります。
常勤看護師からは、欠員を補ってもらえた、業務量や残務時間が減った、受け持ち患者のケアに時間を使えたという声が聞かれました。数回来てもらううちに、各部署でもこの時間帯にはこの業務をお願いできるかという具体的な活用方法が見えてきました。
さらに組織や患者からは、ケア時間が確保され、業務の見える化、標準化につながりました。例えば、依頼業務を明確にするために作成した検査の申し送り表や保清表は各部署からの応援者にも使える標準化ツールになりました。くわいナースは単に人手を足す制度ではなく、常勤看護師が患者に向き合う時間を生み、業務を見える化する取組にもなりました。
人材確保の面で最も大きな意義は、これまでどおり働き続けるか、退職かという二択の間に第三の選択肢をつくったことです。実際に子育て中の中堅看護師から、くわいナースとしてならば残れるかもしれないという声が上がりました。
また、2019年時点でくわいナースから次の働き方へ移行した方は合計16人でした。内訳は、パート職員が10人、嘱託職員が3人、正規職員が1人、訪問看護職員が2人です。短時間勤務を続けることで、制度の目的ではなく、生活状況や本人の希望に応じて勤務時間を広げたり、別の働き方へ移ったりするための入り口にもなっています。
くわいナースは、開始から18年になります。長く続けることができた理由は、完成された制度を最初につくったからではありません。第1にパイロット病棟で小さく始めたこと、第2に業務範囲、責任、引継ぎを明確にしたこと、第3に現場の不安やニーズに応じて運用を修正し続けたこと、そして第4に特定部署の人員ではなく看護部が調整をする組織全体の資源としたことです。
管理者には短時間勤務者を制約のある人として見るのではなく、その人が持つ経験や判断力、患者対応力など、できることに目を向ける姿勢が求められます。同時に、受け入れる常勤者の負担感や不公平感にも丁寧に対応しなければなりません。一定のルールを持ちながら、個別に調整できる余白を残すことが制度の継続には重要でした。
ここで、近年の実績を御覧いただきます。くわいナースの年度平均在籍者数です。2019年の28人から減少し、2026年は4月から8月までの平均で11.8人となっています。この減少した理由は、2013年4月から労働契約法が変わり、有期契約が通算5年を超えると本人申込みにより無期労働契約へ転換できるという無期転換ルールにより3年の契約期間となったこと、新型コロナウイルス感染症流行により新規登録や継続が難しくなったことです。
右側の退職理由は、2019年6月30日から2026年5月31日までに把握した48件を、個人が特定されないように4分類に集約したものです。同じ方が再登録後に再度退職した可能性もあるため、48人ではなく48件としています。家庭、育児、介護、転居が19件で、全体の40%を占めました。
一方で、退職の背景はそれだけでなく、転職、健康上の理由、理由が明確でないものなど、多様です。
柔軟な勤務制度は生活上の制約に対する有効な支援ですが、処遇、仕事の魅力、キャリア形成、健康支援など、離職に関わる全ての要因を一つの制度だけでは解決できません。また、くわいナースからほかの雇用形態へ移行した方もいますので、在籍者数の減少をそのまま制度の失敗へと捉えることはできませんが、制度を置いておくだけで人材を確保できるというわけではありません。対象者への周知、登録方法、任せる業務、次の雇用形態への移行支援を時代に合わせて見直す必要があると考えています。
2040年に向けて、生産年齢人口が減少する中、看護職確保を常勤者の人数だけで考えることには限界があります。これからは、何人いるかに加えて、その人が何時間ならば働けるかという視点が必要です。
週1回、1日2時間であっても地域の複数の看護職の時間を丁寧につなぐことができれば、現場を支える看護力になります。そのためには、短時間から始められる復職支援とともに、短時間でも完結できる業務設計や標準化が欠かせません。
また、柔軟な働き方を育児期だけの制度にしないことも重要です。介護、本人の治療、定年後など、看護職のキャリアの様々な時期に活用できる仕組みとして考える必要があります。医療機関ごとの取組に加えて、地域に存在する潜在的な看護力と、医療機関の必要な時間や業務をつなぐ仕組みへ広げていくことも今後の検討課題だと考えます。
最後に、くわいナースが示したことを2点にまとめます。
1つは、いない人を探すのではなく、今いる人、そして一度現場を離れたけれども戻りたい人が力を発揮できる形をつくることです。
もう一つは、働き方に人を合わせるのではなく、人が働き続けられる形を組織がつくることです。一人一人の働ける時間は短くても、それを丁寧につなぎ、短時間で完結する仕事を設計すれば確かな看護力になります。くわいナースの取組が2040年に向けた多様な看護職確保策を考える一つの材料になれば幸いです。
御清聴ありがとうございました。
○小野座長 村上参考人、どうもありがとうございました。
これより御質問、御意見を賜りたいと思います。毎回恐れ入りますけれども、御発言につきましては2分以内でお願いしたいと存じます。各委員の発言時間を公平に確保するという観点もございますので、おまとめいただいた上で御発言をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。どなたからでも結構でございますので、挙手をお願いしたいと思います。
では、まずはオンラインのほうで挙手がありますので、松原構成員、お願いいたします。
○松原構成員 大変すばらしいお取組をありがとうございます。
今までですと、割と人が組織に合わせて働いてきたと思うのですけれども、まさに組織が人に合わせていく、制度が人に合わせていくということで、2つともすばらしいお取組だと思って聞いておりました。ありがとうございました。
2人目の方にお伺いしたいのですけれども、在籍者数がすごく減ってきているということで、こういうお取組を地域全体ですることは可能なのか、地域全体でこういう仕組みをつくって、地域全体の病院さんたちとマッチングするような仕組みづくりというのは可能なものなのか、御意見を伺えればと思います。
○小野座長 ありがとうございます。
村上参考人、よろしいですか。お願いいたします。
○村上参考人 ありがとうございます。
ここ最近、近年というか、どちらかといいますと、常勤看護師のほうを積極的に採用、雇用をしたいということがありまして、今回まとめるに当たってコロナの影響で大分減ったということも分かっておりますので、積極的に地域にいらっしゃる方々を今後はいろいろな採用につなげていきたいとは考えているところです。
今回お示ししてはおりませんが、最大70人くらいいた時期というのもありますから、それを考えると大分減っておりますので、どんどんその間をつないでいただける看護職で、モチベーションを持ってやってくださる方がほとんどですので、そういった取組はいま一度検討してどんどんやっていきたいと思っているところでございます。
○小野座長 よろしゅうございますか。
○松原構成員 ありがとうございました。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、次は樋口構成員、お願いいたします。その上で会場のほうに移らせていただきたいと思います。
では、樋口先生、お願いいたします。
○樋口構成員 よろしくお願いいたします。
今、すばらしい発表をありがとうございました。このような施設がたくさんあれば本当に幸せだなと思いながら聞かせていただいています。
2点質問がありまして、1つ目は藤田医科大学病院の方にお聞きしたいのですけれども、このように睡眠が確保できるようなナースにとっての健康状態を維持するような取組はすごくすばらしいなと思っております。私の時代からそういうものがあったらどんなによかっただろうとは思うのですが、ちょっとお答えにくいかもしれないのですけれども、スタッフが夜勤がつらくて辞めていかれるということも多々あるのかなと思ったりしたのですが、この取組を始められることで新人さんにも取組をされていると思ったのですが、退職とかはかなり改善される結果になっていたのでしょうかということを1つ目にお願いしたいと思います。
2つ目は、くわいナースの話もすばらしいなと思いまして、今、松原構成員のほうからもお話があって、私も似たようなことをお聞きしたかったのですが、現在いる方々に関しましては既にこの勤務になっているのか、それともナースがストックしているという形、この言葉はいいかどうか分からないのですけれども、いつでも連絡が取れて来てもらえるような形を取っているのか。
この2点をお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、まず眞野参考人のほうからお願いいたします。
○眞野参考人 御質問ありがとうございます。
まず新人から始めましたので、その退職率ですけれども、うち5.3%の離職率です。全国平均が8.4ですので、それと比べると低いです。
ただ、前年度と比べてどうかといいますと、2023年度は7.5%、2024年度が5.2%で、今年が5.3と、ちょっと上がってはいます。だから、退職率がどうかはまだしっかり言えないところでございます。
それで、看護師、これは1年新採用者ですが、看護師全体の離職率が2025年度は9.3%、前年度が9.8%でございました。
○小野座長 それでは、村上参考人、お願いいたします。
○村上参考人 くわいナースのことなのですけれども、くわいナースはナースバンクのほうに登録しましたら、自ら勤務表を持って看護部のほうに申請に行きますので、こちら側がここで人が少ないから働いてほしいんだけれどもというようなことはしておりません。ですので、例えば子供さんがいらっしゃるママさんナースが多いかなという印象なのですけれども、自ら申請をされますので、夏休み等になりますと、くわいナースが1人とか、2人とか、大分少なくなるというような現状にございます。
ですので、人がいないなと思うときに、私は1時間取ってもうちょっと病棟のことをやりたいですというようなことをされる方もいますけれども、そこは来て、来週は1時間ほど増やしたいです、病棟が忙しそうなのでというようなことはお聞きしますけれども、連絡を取って来てもらっていることはございません。
○小野座長 よろしいでしょうか。
○樋口構成員 ありがとうございます。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、会場のほうで山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 山口でございます。
まずは、事務局からの御説明の資料1に基づいて質問等がございます。
まず21から24ページのところでタスク・シフト/シェアの結果、増えた仕事、減った仕事があったのですけれども、結構これは病院の特徴というか、規模や機能といったものが影響するのではないかと思ったのですが、どういう病院を対象にしていたのかが分からなかったので、もしその辺りの分析ができているのであれば教えていただきたいと思いました。
それから、ICTの活用についても、やはりできる病院とできない病院があるのではないか。例えば大学病院であったり、大学病院の中でも都市部にあるのか、あるいは地方なのかとか、民間病院とか、それから急性期なのか、回復期なのか、やはりその辺りを分けて考えていく必要があるのではないかと思いましたので、その辺りを分けて出していただくような資料というものが今後可能かどうかということをお尋ねしたいというのが2点目です。
それから、管理のことですけれども、お話の中にもあったように最近、管理者になりたくないという人が増えているのは私も実感しておりまして、37年も活動してくると、そんな重い歴史は背負いたくないというようなことを言われて愕然としたこともあります。
そんな中で、今日構成員の皆さんは管理者の方たちだと思うのですけれども、こういう年代で考える価値観と、これからの若い人の価値観というのがかなり変わってきている中で、看護管理者を維持していくためには管理者になりたいと思えるために何か必要なのかとか、どんな対策が必要なのかということを若い人に調査していく必要があるのではないかと思いました。
そして、参考人のお二人の方にはすばらしい御発表をどうもありがとうございました。幾つかお尋ねしたいのですけれども、まず眞野参考人に、非常に客観的データや根拠に基づく御発表ですばらしいなと思いました。それで、精神科の病棟20名の方を選ばれたということで、なぜ精神科だったのかということと、この勤務体制に向かない診療科というのがあるのかどうかということがちょっと気になりました。
それから、睡眠効率ですが、私も自分の睡眠効率をずっとスマートリングで測っているので重要だと思っています。睡眠効率は客観的データとして分かりやすいのですけれども、それが勤務自体のパフォーマンスにどのような効果を発揮しているのかということが出てきているのかどうかということと、それから勤務表をつくる側の負担ということをおっしゃったのですけれども、AIの活用で勤務表を作成するのは今後想定できるのかどうかということをお尋ねしたいというのが眞野参考人にです。
村上参考人には、とても柔軟な発想と運用をされているなと非常に感動いたしました。それで、実際に2時間からということなのですけれども、くわいナースとして実際に働かれている方は大体何時間くらいの方が多いのかということと、それから済生会吹田病院の職員の方にくわいナースというのはアピールされているのか。外に公募というか、されているのであればどういう方法でというようなことも教えていただきたいと思いました。
それから、くわいナースとして今までは休んでいて、短い時間だったらということで始めたけれども、完全復帰したという方がこのくわいナースを経験したことによっていらっしゃるのかどうかというようなこともお尋ねしたいと思いました。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、まず事務局のほうからお答えいただいて、眞野参考人、村上参考人の順番でお願いしたいと思います。
まず事務局からお願いします。
○初村看護サービス推進室長 ありがとうございます。
今お話しいただきました21ページ目の研究は、実は22ページ目、23ページ目の同じ研究でして、ここに記載が漏れておりまして大変失礼をいたしました。具体的な病棟はどういったところで行ったかというのは、22ページ目の下にありますような形になっております。全部で44の病棟でやっているのですけれども、199床以下で10施設、200床から499で22施設、500床以上が12施設、または病床機能では高度急性期で8病棟、急性期で26病棟、回復期で5病棟、慢性期で5病棟ということになっております。
ただ、44病棟で今、申し上げたような数です。個別に分析をすることは可能ではあるのですが、病棟の数が少ないので、どのくらい反映できるのかということはあるところです。
また、先ほどおっしゃっていただいたとおり、DXの効果検証のところでも急性期とか慢性期、いろいろな病棟で入れていて効果検証もやっています。御指摘のとおり、病床の特徴によって導入されて有効かどうかというのは、例えば同じ情報共有ツールであっても、やはり大きい病院ですとスマートフォンのチャットのような機能のほうが有効ですけれども、慢性期のようなところだとインカムのようなもののほうが有効であったりというところは出てきているかなと思っていて、今後そういったところも丁寧に集めていきたいと思っています。
それから、看護管理者のところは、今回我々は現場に行って伴走支援をすることになっていますので、そこで働く若い世代の人たちの御意見も聞きながらやっていければと思っているところです。
○山口構成員 ありがとうございます。
ぜひ見えてくるものを資料としてお示しいただければ助かります。
○小野座長 ありがとうございます。
では、眞野さん、お願いします。
○眞野参考人 まず、なぜ精神科病棟の看護師を選んだのかというのは、日本看護協会からの研究依頼があったときに、どこの病棟を選ぼうかというとき、やはり外科とかですと、かなり1週間の間でも変化が激しい。精神科は比較的落ち着いているというところで精神科を選びまして、それからずっと継続してそこを主にしながらだんだん拡大していったということがございます。
あとは、睡眠効率ですけれども、それが上がったことがどのようにパフォーマンスに影響したかということはまだ調べておりません。
勤務表のAIは今、取り組んでいます。間もなくできるとは言っていても、なかなかそういうふうに返事が返ってくるだけなのですが、ただ、うちの今の条件を入れて勤務表が一括でできるようなものには取り組んでいるところでございます。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、村上参考人、お願いいたします。
○村上参考人 くわいナースの働いている時間ですけれども、大体9時から13時とか14時とか、10時から13時、14時の方々が多くて、そこは子供さんが幼稚園に行っている間とか、小学校の低学年で、子供が帰って来ないのでその間という方もいらっしゃいますし、逆に一旦くわいナースで週1回とか、例えば1か月に1回くらいの人もまれにいるのですけれども、そういう人たちは9時から17時まで働きますという方もいらっしゃいます。その方は親の介護があるということで、そういった働き方をされております。
大半は午前中にいてくださると、病棟も保清だったり、検査出しや入院、退院、あとは手術出しがございますから助かるという状況ですので、そこに置いてくださっております。
それで、うちの人たちへのアピールなのですけれども、やはり制度が十何年もたちますので、私もそうですが、くわいナースの存在というのが普通にいる職員ということで、何ら新しいことではないという印象です。
ですので、くわいナースとなりますと、名札にくわいちゃんのシールが貼られますから、この人がくわいナースだなということは見たらすぐ分かりますので、うちの人たちにはくわいナースちゃんの誰と誰がいるとか、勤務表も病棟のほうで作成しますので、特にうちの人たちへ今もってアピールが要るかといったら、そういう状況ではないということになります。
外への公募なのですけれども、もちろんアピールは重々に今後もしていかないといけないのですが、地域の人たちのほうが、くわいだったらどうだろうということで、ちょっとずつは今、増えてきている状況ということと、あとは例えば今時期だと1年目の新人が別の病院を退職してこちらに就職することがあるのですけれども、そのときは月の途中で入職されますと、一旦くわいちゃんにして、好きなときに休んでいいよという制度をそこで活用しまして、くわいで9時から17時まで働いていただき、もし体調というか、気分というか、しんどくなればもう休みなさいという形を自由に取るという形にして、翌月、正職として入職させるというようなちょっと偏向的なことも今しておりますので、そういった形の人たちを完全復帰型と呼びますと、まあまあ数名は今年度にもいるような形になります。
それで、今までの成果としますと、人事にも確認したのですけれども、計算できるときが2019年からですということでしたので、発表のとおり16人という形になっております。
○小野座長 ありがとうございました。
会場からはいかがでしょうか。
それでは、鎌倉構成員、風間構成員の順番でいきたいと思います。
鎌倉構成員、お願いいたします。
○鎌倉構成員 参考人のお二人からは、すばらしい発表をありがとうございました。
私は、眞野参考人に御質問させてください。
このシフトを組んでいくときに、日勤と中勤と長勤と、かなり時間差があるわけですけれども、そのときに夜勤手当だとか、手当との関係はどうなっているかということを教えていただきたいということが1点。
それから、シフトを組んでいくときに睡眠のことはお話がありましたけれども、もう一つの要素として習熟度というか、何年目の方かということで、看護師の経験年数だとか、どのくらいの能力があるかということでもバランスを取る必要があるだろうと思いますので、その辺りの状況をお知らせいただければありがたく存じます。
○小野座長 では、よろしくお願いいたします。
○眞野参考人 御質問ありがとうございます。
まず手当ですけれども、夜勤手当と中勤手当で、たしか5,000円から6,000円くらいの差はあったかと思います。すみませんが、今は大分手当も上がってきていまして即答できませんけれども、また調べてお教えします。
あとは、看護師の能力ですけれども、ラダーでうちはちゃんと分かれていますので、そこでリーダークラスと中堅と新人が組めるようにラダーで、目安で分かれて現場は組んでいます。
○鎌倉構成員 では、AIに関してはそういう条件も投入してできるようにということですね。ありがとうございました。
○小野座長 ありがとうございます。
では、風間構成員、お願いいたします。
○風間構成員 福島県保健福祉部の風間でございます。地方行政の立場から幾つか御意見申し上げます。
まず、お二方の参考人の先生方、本当にありがとうございました。本県は県立医科大学や民間病院が主に医療を担っている地域が多い形になりますので、非常に参考になりました。
その上で、1点だけそれぞれお伺いしたかったのですけれども、看護部門という観点からの取りまとめと御発表でしたが、最初に眞野先生からはボトムアップよりもトップダウンのほうとの意見だったのですが、実際に今お二方は上層部といいますか、経営層との関係性の中でどのような理解、浸透を図ることができたのか、そこで課題は何かあったのか、なかったのか。
2点目は、医師側との協働の中で、どのような課題が医師側から出ていたのか、いなかったのか。もしあれば、そういったことをお聞かせいただきたいと思います。
その上で、資料に戻らせていただいて、最初の論点で何点かあったのですけれども、多様で柔軟な働き方の部分の普及なのですが、好事例の横展開であるとか、看護管理者への伴走支援というのは引き続き充実ということが求められるんだなということがよく分かっております。
ただ、実際に好事例を検討する際に、看護管理者だけではなくて、やはり病院の経営層への打ち込みということも大事だということは資料のほうにもあったとおりですし、また、タスク・シフト/シェアということを考えますと、看護補助者を含むどういった受け皿を確保していくのか。一定の体制がないと、働き方を論じる土俵にも上がれないのではないかという部分はやはり資料にも表れているところだと思ってございます。
また、地域で担う医療機関の機能であるとか地域特性、または看護職員の年齢構成など各医療機関に合わせた好事例の展開というか、それが促進されるように、これは周知だけにとどまらず、何がいいのかということを医療機関が選択できるように、コンサルティング機能の支援の充実が非常に重要だと思っております。
今、タスク・シフト/シェアという部分を申し上げたのですけれども、現職の看護職員が提供されている夜勤形態というのは資料のほうにもあったのですが、看護職員が実際に求めている勤務形態のデータ、この比較ということをもう少し深掘りすることによって、例えば離退職理由の軽減であるとか、または何らかの対策ということにコミットすることができるのではないかと思います。
医師の働き方改革によるタスク・シフト/シェアということが叫ばれている中、今こういった状態になってはいるのですけれども、やはり看護職の働き方ということよりも、働きがいをどう担保していくのかというところが制度設計上、大事な根幹、考え方になるのではないかと思っております。
また、ちょっと細かいのですけれども、資料の21、22ページを見ますと、まだまだICTの活用が足りないなというところが感じ取れます。タスク・シフト/シェアを進めるためにも、ICTを活用した支援の充実ということが大事ですし、さらに26ページに総勤務時間に占める割合の中で「日々の看護実施記録」が10%を占めているのですけれども、22ページに戻ってみますと、ここがあまりICTは進んでいないという現状があります。やはり効果的なタスク・シフト/シェアを進めるためには、プライオリティーというものを考慮する支援の在り方ということが大事なのではないかと考えているところです。
ここで、地方の側なので1つだけ要望をさせていただきたいのですけれども、今年度医療機関の業務効率化・勤務環境改善支援に、国、地方を合わせて約300億円の事業があったのですが、全国的にも、また本県においても採択率が非常に低いという状態があります。ここも今申し上げたとおり、のべつまくなしに全てをという形ではなくて、どういったものに関してフォーカスして、どれだけの事業効果があるのかということを、予見可能性を持って、それに対してしっかりと国・県が補助をしていくということが非常に大事だと思いますので、予算の充実も含めまして支援の内容の構築ということについても引き続き御支援を賜れればと思います。
私からは以上でございます。お二方、よろしくお願いします。
○小野座長 ありがとうございます。
事務局への話は、御意見として承りました。それでは、眞野参考人と村上参考人からそれぞれ御質問に対してお答えいただければと思います。
では、眞野先生からお願いいたします。
○眞野参考人 ありがとうございます。
まず、看護部と経営層とどのような話合いでということですけれども、私どもの病院の新人の看護師が当院を選ぶ理由の1つが勤務体制なのです。この二交代制勤務、連続4連休取れるという、そこで学生たちは来てくれます。それで、今の勤務表よりさらに体に優しい勤務表に変えていくということに対して、何ら反対も抵抗もございませんでした。何でも看護部がいいと思うことをやってくれという感じで、かえって後押ししてくれているような状況です。
それでよかったでしょうか。
○小野座長 では、村上参考人、お願いします。
○村上参考人 くわいナースのほうですけれども、特に医師のほうから御意見だったりというのは聞いたことがなくて、大分長い制度ですので、今は特に聞いてはおりません。それで、始めた当初というのも、看護部自体は喫緊の毎日本当に退職届が届くというような状況だったみたいで、本当に大変な中、こういうことをやらせてくれということを言ったことでしたので、特に経営層の中からそれに対しては反対だということはなかったというふうに聞いておりますが、ただ、これをシステム的に設計するのに時間をどうしていくのかということに関しては、当時、固定で日勤、夜勤みたいな勤務が主流な中、すごく寛容に2時間だけは働いてもらうとかということに関しては、かなり人事とか、そういうシステム系のところでは大変だったというのは聞いております。
ですので、その人を登録して、本当に1か月の間1回来て、その後はずっと夏休みなので休みますという人もいらっしゃいますので、そこをどう当院の職員を守っていくのかということについてはかなり大変だったと聞いておりますけれども、今はそこも当たり前になっております。
ですので、くわいナースは毎月大体勤務表を提出しに来る、何か連絡があるというときに必ず看護部に来られますので、そのときに体調がどうとか、子供さんはどうなったとか、そういう精神的なフォローというのは必ず入れるようにということを心がけております。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、オンラインのほうにまいりたいと思います。
では、江澤構成員、お願いいたします。
○江澤構成員 ありがとうございます。
私のほうから、資料1についての意見を申し上げたいと思います。
本日の資料にない部分としては、短時間正社員制度の導入、あるいは有給休暇、育児休暇、介護休暇の取得のしやすさなどもポイントではないかと思っています。また、充実した保育園の機能で就職を選択する場合もあります。労務管理上の有効な取組は何であるのかについて、より詳細な調査研究が望まれます。
次に、ICT機器の活用につきまして、利便性と、労働時間の短縮や人員配置の削減の2つの観点で、それぞれ区別して評価する必要があると考えています。利便性は時代の進歩とともにコストパフォーマンスを考慮して導入するものであって、現場職員が評価すべきものであります。
一方で、資料1の32ページにこのたびの診療報酬改定の資料も示されていますが、見守り、記録、情報共有に関するICT機器の導入によって、看護職員配置の施設基準の1割以内の減少を許容するものであります。
例えば、看護配置7対1の50床の病棟の看護職員の必要数は35人でありますから、その1割は3.5人となります。もちろん、この仕組みは超過勤務時間が一定以内ということが前提となっていますが、現状のICT機器の活用では3.5人の削減は不可能と思います。
ICT機器の導入に当たっては、専門用語の記録に不備がないか、診療録に記録の担保は問題ないかなど、ICTならではの確認作業も発生するわけです。つきましては、ICT機器を導入している全国の医療機関に対し、超過勤務時間の短縮、職員配置の緩和やシフトの改善などについて調査を実施すべきと提案いたします。
現状、例えばインカムや音声入力を用いても労働時間短縮についての評価は厳しいものと察していますが、現場においても利便性のみに満足することなく、労働時間の短縮にICT機器をいかに活用するかの視点も今後必要と思っています。
タスク・シフト/シェアを行っても、病棟の労働総時間が減らないと意味がないわけであります。2040年にかけて労働人口が2割減るということは、50床の7対1看護配置の病棟では単純に35人から28人に7人減るということにも言い換えられるわけです。
したがって、32ページのICT機器の活用による看護職員配置の緩和は現時点では対応不可能と考えておりますが、近い将来にはこの仕組みをスタンダードとしなければならない現実にも直面しているわけです。
今後、新たなICT機器の開発に期待もしつつ、ICT機器を活用して職員の負担やストレス、労働時間の増大なく人員配置を削減した好事例を収集して横展開していく必要があります。こういった好事例はまだまだ少ないと思いますが、対応しているような医療機関があるとすれば、そういった事例も含めて国において調査や研究をぜひ進めていただくよう要望いたします。
これまでは、31ページの資料にありますように、主観的な調査結果が多かったと思いますので、ぜひ客観的なデータに基づく調査研究をお願いしたいと思います。
私からの意見は以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、古元構成員、お願いいたします。
○古元構成員 ありがとうございます。
私からは、意見を1点申し上げたいと思います。
本日は多様な働き方、ICTを用いた効率化など、先進的な取組を御紹介いただきました。大変ありがとうございました。
その成果を踏まえまして、例えばICTの導入コストについては地域医療介護総合確保基金、ランニングコストについては先ほど江澤先生からも御紹介がありました診療報酬において一定程度対応しようという試みが政策的になされていると理解しております。
これからは、先進的な医療機関だけではなくて、いかに幅広い医療機関に実際に普及させるかが課題になると思います。とはいえ、いきなり導入することも難しいと思いますので、現場に寄り添いながら進めていくことが大切だと思います。
そのためには、例えば今日の資料1の18ページにございました「看護管理者の能力向上支援事業」のような現場に寄り添い、支援していく事業を積極的に行っていくことが重要であると思います。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
では、玉井構成員、お願いいたします。
○玉井構成員 玉井でございます。
私は、4つの論点について意見を言いたいと思います。
本日のご発表にありましたように、ナースセンターでも日勤であれば、または週2日、3時間であれば働けるといった働き方を希望する看護職の登録が大変多くあります。3時間程度の短時間勤務や、業務を限定したジョブ型の雇用、それから急務に対応する1日とかのスポットナース、こういった働き方の選択肢を広げることで雇用は非常に広がっていくかと思います。そのために、求人側の理解を進めることが重要かと思います。
一方で、夜勤を担う看護師の確保が課題となっています。看護補助者の活用による負担軽減や、夜勤回数に応じた手当など、働き方に見合った処遇改善が必要です。現在も、診療報酬による夜勤の夜間の看護体制の評価がありますが、この夜間手当が全く10年間変わっていないというところから、実際には夜勤を担う看護師の処遇改善につながっていないのではないかと思っておりますので、この仕組みの改善が必要かと思います。
2点目はタスク・シフトとシェアについてですけれども、私はやはり在宅を進めるためにも特定行為の研修修了者の確保が必要だと思っております。当協会の調査でも、在宅・慢性期領域の研修施設が大変少なく、特定行為の研修修了生は急性期に偏っていることがわかっています。地域の在宅・慢性期の領域で活躍できるよう、外部からの受講生を受け入れる研修施設や、在宅・慢性期を担う研修施設への支援を拡充していただけることが必要かと思います。
また、訪問看護ステーションへの看護補助者の配置や同行訪問をご検討いただきたいと思います。ハラスメントや暴力への対応、身体的負担の大きいケアなど、看護師一人では負担が大きい場面が多々あります。そのため、急性期だけでなく在宅の現場においても看護補助者を配置し、必要時には看護師と同行するというような仕組みを整えるとともに、診療報酬上の評価も検討が必要かと思います。
それから、DXについてですけれども、DXが進まない大きな要因としては導入費と運用経費が挙げられています。国も200億円規模の補助制度が今年度設けられましたけれども、要件が大変厳しく、対象となる医療機関が限られているのではないかと思います。地方では中小病院が地域医療を支えていく地域も多く、限られた人員で医療を提供している中小病院こそDXによる負担軽減が必要かと思います。病院の規模にかかわらず、利用しやすい補助制度をしていただき、導入時の費用だけでなくて運用保守、職員研修など、継続的に必要となる費用の検討が必要かと思います。
最後に看護管理能力でございますけれども、今日お二人のご発表にありましたように、すばらしい看護管理者には経営をきちんと改善していく能力が重要なんだということを改めて実感いたしました。
また、同時に病棟やチームなど、現場でマネジメントできる人材の育成も必要かと思います。基礎教育や入職後に至るまで、リーダーシップやマネジメント能力を継続して育成していく研修体制が必要であると考えます。そして、こういった人たちが研修を受けやすい環境として、働きながらも研修を受けられる体制を整えていただきたいと思います。
最後に、今後の看護管理能力を考える上で、やはりAIの活用というのは非常に重要であると考えます。昨年度から大分大学と一緒にご相談させていただき、今年度から看護師等を対象にAIを現場で活用するための研修というものを実施していただくことになりました。これは定員20名なのですが、まだ応募締め切りはきていないにもかかわらず、すでに130名を超える応募があり、非常に現場の関心の高さがうかがえます。
AIを導入したくても、業務を効率化したいと思っても、実際どうやって導入したらよいかが分からないのが現状だと思います。ですので、今後は大学とも連携しながら、AIを含めた新たな技術を活用するための研修を充実させて、看護職の業務改善能力を高める必要があるのではないかと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、小林構成員、お願いいたします。
○小林構成員 ありがとうございます。
お二人のすばらしい参考人の御発表をお聞きしまして、大変感銘を受けました。ぜひこういった取組を横展開する必要があることを感じました。
1点、村上参考人に御質問があります。短時間勤務など、多様な働き方を受け入れていく際には、その方が担えない時間帯の業務や、継続して対応が必要な業務を現場でどのように調整して役割分担するかが重要になると思います。特に、それがフルタイム勤務者への負担の偏りにならないようにするためには、個人間の調整だけではなく、組織全体で業務そのものの見直しやタスク・シフト/シェア、チームでの業務設計が必要になるのではないかと感じました。
実際に多様な勤務形態の方を受け入れる際に、現場の業務調整、役割分担といったことを組織的にどのような考え方や仕組みで行っていくことが望ましいのかということについてお伺いできればと思います。
続いて資料に関してですが、ICTについては機器を導入すること自体が目的ではなく、それによって業務の流れをどう変え、看護師の負担をどれだけ減らせたかが重要だと思います。そのため、ICT導入と業務プロセスの見直しを一体的に進めて、そこで生み出された時間が、看護師が専門性を発揮すべき業務に本当に振り向けることができたのかどうかまでをきちんと評価する必要があるのではないかと思います。
DXの目的は単なる省力化ではなく、看護の質と安全を維持・向上させながら、限られた人材で、より価値の高い看護を持続的に提供できる体制へと転換することだと思います。そのため、今後のICT支援ですが、個別機器への補助にとどまらず、業務再設計、人員配置、タスク・シフト/シェアまで含めた組織変革を一体として支援して、その効果を直接ケア時間、超過勤務、患者安全、職員負担、離職などの共通指標で評価する仕組みへと発展させていくことも必要だと思います。
続いて、看護管理者の能力向上に関してですが、やはり好事例の紹介だけでは実際の改善にはつながらない場合があると思います。例えば勤務体制を見直す場合、人員配置や勤務ルールの変更が必要となりますし、ICTを活用した業務改革にはシステム改修や予算確保、情報部門との調整が必要になります。これらは、看護管理者だけで実行することができるものではありません。したがって、看護管理者への支援については、知識やスキルを身につける研修に加えて、必要な意思決定に関与できる仕組み、ICT、人事、経営部門などと一緒に改善を進められる体制まで整えることが重要だと思います。
資料では、ポータルサイトやアドバイザーへの相談、専門家による伴走支援などが示されていますが、今後はこうした支援を管理者が学ぶための支援から、管理者が実際に組織を変えるための支援に発展させていくことが必要だと思います。
以上になります。
○小野座長 ありがとうございます。
では、村上参考人からお答えいただけますでしょうか。
○村上参考人 くわいナースなのですけれども、受入れのほうはただナースバンクに登録していただければいいということではなくて、当院としてはまず人となりを見せていただいて、どういう看護を大切にしているのかとか、そこから例えば自分は内科系がいいとか、小児科系がいいとか、手術室とか、そういうところで勤務したいんだということをマッチングするような採用面接というものは行っております。
ですので、そこで詳細をお聞きして、当院に求められること、こういうときには難しいかもしれない。今は3時間だけれども、何月になったら4時間くらい可能かもしれないというところをそこでまず拾わせていただくというような組織の受入れを準備させていただいてから、本人が行きたい科にできる限りマッチングをして行っていただくような形にしております。
ただ、当院にいた看護師でもありませんので、すぐに看護ケアができるというわけでもありません。ですので、物の配置だったり、カルテの見方だったり、そこも分かりませんので、まずはくわいナースがほかのところにいるくわいナースのところにしばらくくっつけて、一緒にパートナーとして仕事をしていただいた後、その配属へ転換するという形を取っております。
ですので、残務が残った場合、自分があと10分で終わるようだったら10分間の残業をつけているくわいナースもいますし、ここから先はちょっと難しいということがあれば、それは各部署にいるリーダーナースのほうに申請をして、そこからリーダーが采配するという形でさせていただいています。
ですので、常勤の看護師のほうに非常に負担が増えるという考え方は当院の看護師たちはしておりませんで、くわいナースがいてくれるから自分たちが患者さんの下へ多くの時間行けるようになるというような考えで全体に動いておりますので、いないほうがどちらかというとすごく忙しくて、今日くわいちゃんはいない、と叫んでいる看護師のほうが多いという印象です。
お答えになっておりますでしょうか。
○小林構成員 ありがとうございました。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、樋口先生は2回目ですので、会場のほうで1回目の方がいらっしゃれば先にお願いします。
では、順番に、まず水方先生からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○水方構成員 私からは、事務局にお願いでございます。
2人の先生から大変すばらしいお話を伺い、ありがとうございました。資料1も全部病院のことなんですよね。2040年に向けて在宅医療の需要が高まる中、訪問看護や介護施設で働く看護職員の勤務実態というものが十分に見えてきているような状況ではないんです。訪問看護では、やはり少ない人数で利用者さんの自宅を訪問して、その場で状態を判断しなければいけないという状況があります。
また、夜間や緊急時の対応、移動中の安全や単独訪問への不安もあると聞いています。利用者の生活全体を捉えて、その場で判断する力が求められる一方、研修を受ける時間や代替職員を確保しにくいというような問題や、新人を採用したくても職員がつきっきりで指導するような必要があり、その間、指導者は訪問件数を減らさなければならず、新人を育てることが現場の職員の負担や事業所の収入減につながるという話も聞いております。
よって、この問題は新人の看護師の能力とか事業所の努力だけでは解決できませんので、訪問看護や介護施設で働く看護職員について給与とか勤務時間、夜間対応、離職理由などのデータがあれば、それをぜひお示しいただきたいと思っております。もしないのであれば、そのような調査をしていただくことを切に望んでおります。
そしてまた、資料2の話にもつながるのですけれども、単独訪問時の安全確保とかカスタマーハラスメント対策も、また勤務改善環境の課題として位置づけていただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、次はどなたでしょうか。
別府構成員、お願いいたします。
○別府構成員 お二方、どうもありがとうございました。
私はお二方のお話を聞いていて、看護管理者の能力が多分現場を大きく変えていくのだろうなと本当に思いましたし、負担がかなり大きいだろうということも思っております。
それで、村上さんにちょっとお聞きしたいのですが、最初は人がいなくてこういうことを始められて、今はどちらかというとプラスアルファの人員で動いているという理解でよろしいでしょうか。これが、診療報酬ですとか何とかに影響するような人員なのか。
私は多様な働き方というのが本当にできたらいいなとは思うのですけれども、そうなればそうなるほど、確保しなくてはいけない人員が非常に多くなるというのでしょうか。7対1で決められた人員で、正規で働く人よりもすごく裾野を広くスタッフを確保しておかなければいけないというような感じに思っておりますので、診療報酬の中に入っているということは、そういうことを考えられて勤務表とか何とかというものがつくられているというふうに判断してよろしいのでしょうか。そこをちょっとお聞きしたいと思いました。
○小野座長 お願いいたします。
○村上参考人 くわいナースのほうは、勤務の人員配置の計算の中には入っておりませんで、プラスアルファという状態で今のところ勤務していただいております。
昔、70人ほどいたときもそのような形でしておりまして、1病院に70人いますと、大体2人か3人はくわいナースが働いているという状況でしたので、例えばカンファレンスの時間にナースたちが集まりやすかったりとか、今はカンファレンスはどうしても集まって、なぜだか勉強会だったり、話合いをしたりという時間が非常に多いのですけれども、そういったときに少しくわいにお願いするということができていたと思うのですが、何せコロナ禍の影響で今は一番底辺の人数になっておりますので、そこは2時間の職員ばかりにずっと来ていただくようにしていますと、言われたように職員数だけが膨大に大きくなってその間を埋めていく人員がいないということになるのですけれども、大体働く方は午前中が中心で、午後は3時くらいまでというところになりますので、一番繁忙時間に合わせて来ていただけることになっている勤務が多いかなと思っております。
ですので、今のところは特にそこに対して問題というのはないかなと思っております。周囲で看護師免許を取りながら潜在ナースとして10年とか何も看護ケアをしなかったという人もやはり働きはしてくれて、看護師が好きだからやりたい、看護師としてもう一回働きたいという方が多いですので、そこを応援する支援というふうには思っております。
○小野座長 ありがとうございました。
では、順番で平山構成員、お願いいたします。
○平山構成員 連合の平山です。
私からは、看護職の勤務環境改善について事務局より示された論点について3点申し上げます。
まず1点目は多様な働き方と看護管理についてですが、資料の15ページにありますように「看護職として働き続けるために希望する働き方」は、日勤のみや短時間勤務、夜勤の回数、時間、曜日を選択できる働き方など、様々であります。本人の希望に応じた働き方を選択できるようにするためには、やはり余力のある人員体制を確保することが必要と考えます。
また、多様な勤務形態の選択肢を増やすことも重要です。その際には、現場の意見を踏まえ、ぜひ労使で十分に協議しながら導入、運用を進めていただきたいと考えます。
また、多様な勤務形態を実現する上で看護管理者の役割も重要と考えます。労働時間や休憩、休暇など、労務管理に関する理解をぜひ深めていただくとともに、人材マネジメントや業務改善など、看護管理能力を高めるため、研修の充実や専門家による相談、伴走支援をぜひ進めていただきたいと思います。
併せて、勤務表の作成が複雑化していますので、この負担に対してはICTの活用、そのための財政支援や好事例の横展開をお願いしたいと思います。
2点目はタスク・シフト/シェアについてですけれども、資料25ページではその課題として受ける側の医療関係職種の余力(人員確保)が75.7%と、最も高くなっております。タスク・シフト/シェアを進めるためには、業務を受ける側の人員の余力も確保し、職種間で役割分担について十分な理解を得ながら進めることが特に必要です。
特に、看護補助者へのタスク・シフト/シェアを進めるためには、看護補助者の確保、定着は非常重要です。看護補助者が非正規雇用で働く方が多いという現場の実態を踏まえて、正規雇用化を含めた安定した雇用の確保と、ベースアップ評価料を通じた着実な賃上げ、環境改善を進める必要があります。単に業務を移管するのではなく、その業務を担う職員が安心して働き続けられる職場環境の整備も一体で進めることが必要と考えております。
3点目がICTの活用についてですけれども、ICTの活用は看護業務を効率化し、看護職員の負担軽減につなげるということで非常に重要と考えます。何人かもおっしゃっておりましたが、そのためにはやはり導入費用のこと、あとは保守更新などランニングコストを含めた継続的な財政支援についてもぜひお願いしたいと思います。
また、ICTを現場で十分に活用できるように、勤務時間内で活用についての必要な研修が受けられるような環境を整備するとともに、導入効果の検証や、こちらも好事例を横展開いただきたいと思います。
最後に、今回論点の資料にはありませんが、現場では始業前の情報収集や準備など、いわゆる始業前業務、あとは休憩、有給の取得に関すること、勤務間インターバルの確保、業務と自己研鑽の整備など、勤務環境に関する課題については労働組合としてよく相談を受ける項目ではありますので、看護職員が健康で働き続けられる環境を考える上では重要な課題であるということで、これについては申し上げておきたいと思います。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、平原構成員、お願いいたします。
○平原構成員 平原です。
私のほうからは今、松原構成員からも出ました訪問看護について、論点も含め、お話をさせていただきたいと思います。
御発表の中で、夜勤も含め、長いエビデンスの構築というのは本当にすばらしいなと思って、とても説得力のあるいろいろな内容だったなと思っております。訪問看護のほうの緊急対応ですね。24時間、地域の療養者の暮らしを守るための夜間対応というものは前から課題にはなっておりましたが、実は令和6年度の診療報酬の改定では、訪問看護師の働き方、そして24時間の対応の継続についていろいろ踏み込んで書いていただきました。その中に、夜間対応についてきちんと、連続勤務をしないとか、そういう働き方について工夫をしたら加算の値段が少し上がるということも厚労省のほうで取り組んでいただきまして、初めてだったわけですが、訪問看護の夜間対応、オンコールをなるべく負担のないようにというふうなことの今、流れであります。
1つは質問というか、要望なのですが、そのときの令和6年度の報酬改定で、小さなステーションもある中、どれぐらいのステーションが連続した夜間対応をしないような勤務ができているか、そしてそれができていないか。そういったところの報酬改定の後の結果が分かれば教えていただきたい。もし分からなければ、その後、全国的なところでどうなっているかを御提示いただきたいということが1点です。
そして、オンコールというのは今、割とグレーで、携帯等は持って夜に過ごしたりするわけですね。日勤をした後、夜に当番をして、一度も鳴らなかったけれども、トイレもお風呂も全部どきどきしながら、いつかかってもいいように待機をするというのは自律神経がとても興奮して、それこそいろいろな健康被害があると思いますし、それが退職のきっかけになっているというのもこれまで出されたところでございます。
このオンコールというところの勤務はどういうふうなことなのかということも、やはり今後実態調査をぜひしていただけたらと思っています。見える化をするということで初めて対策が取られていくのかなと思っています。
そして、実はオンコールというのは、私たちは大変重要な看護だと思っていまして、自宅で患者さんからの緊急コールを受け、そして十分な情報を得てそこで判断をし、必要かどうか、そしてセルフケアをその場で指示をしながら医師とやり取りをして対応します。コロナ禍でもこのスキルを活用したわけですが、この遠隔対応は本当に重要な看護でもあります。
以上のことからこのオンコールという勤務はどういう実態で、それは看護としてどういうふうな質が担保され、どういう効果があるかということも併せて調査をしていただけたら大変ありがたいと思っています。
2040年に向けて、人材確保が難しい状況で看護がオンコールをしながら地域を守っていくことは大変重要な点だと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小野座長 ありがとうございます。
時間は迫っておりますけれども、若干延長させていただければと思います。
それでは、園田先生、お願いいたします。
○園田構成員 ありがとうございます。
まず、夜勤の担当をする看護職員の確保についてですけれども、病院は夜勤を担当する方の絶対的な不足というものに悩んでおります。これについては、先ほど好事例をお二方から、看護職員の確保という意味では出していただいたのですけれども、特にこの夜勤をできる人の確保に関して、もう少し好事例を集めるようなやり方を少ししていただきたいと思います。
それから、夜勤の配置基準ですけれども、例えば12対1という看護基準をしていますと、病棟で患者さんが1人増えただけで夜勤者を1人増やさないといけないというようなことがありますので、その辺を病棟単位ではなくて、もう少し病院全体で考えられるような柔軟な基準をつくっていただきたいと思っております。
それから、タスク・シフトも大分進んできているようなのですけれども、好事例を各病院で導入する際には必ずしもうまくいっていないこともありまして、他院ではやっているけれども、当院ではどうだろうかという話になると、職種間の争いがないわけでもないので、その辺について少し導入がやりやすいような仕組、あるいは、インセンティブを与えていただくということも考えていただければと思います。
それから、先ほど出ましたけれども、看護業務の効率化のところで、21ページでしたか、18年と24年の比較の中で短縮したところで見ますと、説明がありましたように、看護補助者の役割が非常に大きくなっています。実はこの看護補助者の確保というのも病院の現場は大変苦労しております。これについても、好事例がありましたらぜひ集めていただきたいと思います。
それから、ICTに関しまして、都道府県単位の基金の使い方が、実は都道府県によってかなりばらつきがあるのではないかと思います。33ページに確保基金の対象事業というものがありますけれども、これが都道府県によってどのような比率で使われているのかを調査していただいて、特にICTの分野でどのようなばらつきがあるのか、ぜひ調べていただきたいと思います。
最後ですけれども、看護管理の重要性というのは非常に高まってきているのですが、39ページに認定看護管理者という概念が出てきていまして、今までファーストからサードレベルという形で看護管理の専門の方が出てきているのですけれども、この認定看護管理者というのはこれとまた別概念ではないかと思いますので、既存の仕組みとの差をきちんと説明していかないと、今までのやり方で勉強してきた方が混乱するのではないかと考えていますので、その辺はよろしくお願いいたします。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
では、影本構成員、秋山構成員の順番でいきたいと思います。
影本構成員、お願いいたします。
○影本構成員 読売新聞の影本です。
勤務環境の改善の中で賃金を取り上げてくださったと思うのですけれども、この検討会でこれを直接、何か決めるというものではないと思うのですが、賃金というものが退職理由の根底に共通してある大きな問題かなということはやはり思います。
その中で、習熟度だったり、実績と連動させる仕組みというのはすごく興味深いなと思いまして、この限られた原資の中で客観的に看護師の仕事を評価するのは本当に難しいとは思うのですけれども、少なくともプラスアルファの資格がある人というのは、病院独自の手当だけではなくて何かしっかりと評価される必要があるのかなと思います。
もう一点、ICTの取組の推進はもう変化を恐れずに進めてもらえればと思います。それでベッドサイドの状況も大きく変わると思うのですが、その点で1点、患者とか家族の立場で心配するのが、そこに置いていかれないかなというところで、物によっては録画とか録音とか、あとは生成AIの活動とかも入ってくると思うのですけれども、プライバシーの点だったり、患者にとっての利点というものをしっかりと説明していってほしいと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
では、お待たせいたしました。秋山構成員、お願いいたします。
○秋山構成員 ありがとうございます。
お二人の参考人には、大変貴重な御発表をいただきありがとうございました。くわいナースのお話を聞きながら、5年、10年働いた看護師が1人辞めるというのは、数として1人減るのではなくて、5年、10年の経験が社会から失われるということを痛感いたしました。そういう人たちが短時間でも働き続けていけるということは、そういった経験がまた人を育てることにつながっていくと思いますので、ぜひ続けていただきたいと思います。
お二人のお話を含めて、本日の論点について意見を述べたいと思います。
まず1点目の多様で柔軟な働き方については、15ページの結果にもありますように、年代によって看護職として働き続けるために希望する働き方がかなり異なっています。結婚、出産、子育てと、ライフスタイルの変化に応じた働き方の選択肢がないと、離職や潜在化、または他の業界へ転出していくということにもつながりかねないと思います。新たな人材確保のためにも、または、いま働いている職員の離職防止、定着促進のためにも、多様で柔軟な働き方の導入が必要であるということを雇用者側も理解し、自施設の処遇、労働条件を見直していく必要があると思います。
一方で、別府委員からもお話がありましたように、皆が皆、希望する働き方を選んでいたのでは、24時間365日の看護提供を維持することはできません。働き方改革によって夜勤免除や短時間勤務の導入がある程度進んでいますが、一方で一部の職員への業務の偏りが課題になっています。
実際、夜勤のできる者の夜勤回数が増え、その疲労や負担感が離職の要因となって、残された職員の夜勤負担がさらに増す、といった悪循環も聞こえております。先ほどの15ページの希望する働き方の中でも、20代から40代の看護職では「夜勤回数や夜勤時間、曜日が選択できる」という回答が3割前後に上っています。先ほどの藤田医科大学の事例でもありましたように、夜勤についても多様な働き方を選択できることで、子育てとの両立が図れる可能性が示唆されたと思います。
たとえ育児中などで短時間勤務をしていても、子育ての支援も得ながら、曜日を決めて夜勤を担うことは可能だと思いますし、実際に土日であれば夫に育児を任せて月に1、2回ならば夜勤に入れるといったことも聞いております。
夜勤に関しても、そうした多様な働き方を導入することで、少しでも職員間での夜勤負担の偏りを是正しつつ、一方で24時間365日の看護提供を維持するために、コンスタントに勤務してくれる職員にはしっかりと処遇を改善していく必要があると思います。この検討会では、処遇については検討しないということでしたが、診療報酬に関わることには触れないまでも、診療報酬で得られた原資を誰にどのように配分するかといったことは検討する必要があると考えます。
多様で柔軟な働き方の導入、普及に当たっては、働き方の違いに対応した公平感、納得感のある処遇が重要で、資料1の10ページ、11ページで示されているような賃金制度、処遇改善の取組が課題となっています。診療報酬、介護報酬によって全体の賃金のベースアップを図ることに加え、看護職個人の能力や専門性、担っている役割、夜勤などの業務負担に応じた評価のめり張りをつけることが、多様な看護人材の確保、定着につながると考えます。
現状では、11ページのような複線型の賃金制度を整備している病院は、2024年度の本会の調査ではまだ1割にとどまっていますので、看護職のキャリアに応じた賃金モデルの周知、普及を今後進める必要があると考えます。
また、これと併せて夜勤・交代制勤務に伴う心身の負担軽減について、制度的な対応も不可欠だと考えます。夜勤後に十分な休息時間を確保する重要性は、先ほどの御発表でも明らかなように、日本でも2019年に勤務間インターバル制度が努力義務化されましたが、2023年の国の調査では看護職員の実際の勤務間インターバルは三交代で6割弱が9時間以下、二交代の16時間夜勤でも約4割が11時間以下と回答しており、十分な休息が取れているとは言い難い状況です。
夜勤の負担の軽減に向けて、夜勤者の確保や超過勤務の削減とともに、例えばスウェーデンのように夜勤時間に応じて所定労働時間を短縮するなどの、より規制力のある制度的な対応が必要な段階にきていると考えます。
一定回数の夜勤を担う交代制勤務者の週の労働時間が例えば36時間などになれば、先ほどの藤田医科大学のような日勤または夜勤の12時間勤務を週3回行えばよいということになりますので、夜勤の疲労回復のためのインターバルをしっかり確保することが可能になると考えます。
2つ目のタスク・シフト/シェアについては、ほかの委員からもありましたように、特に看護補助者の確保、定着が深刻な状況にあり、本会の2025年の調査では病院で新規採用された看護補助者の約4人に1人が年度内に離職しているというデータもあります。看護師から看護補助者へのタスク・シフトの好事例の周知、看護補助者の処遇改善、仕事の魅力発信、ナースセンターが実施する就業前研修の充実など、多面的な取組が必要だと考えます。
3つ目のICTに関しては、業務効率化の取組が蓄積されてきていると思います。今後、特に中小病院や訪問看護への普及が課題となりますので、各施設や事業所独自の整備、運用に頼るのではなく、国が業務効率化や地域の情報共有に有用なICT機器の標準仕様を示し、クラウドを活用した多機関多職種の業務効率化、連携モデルを進めていくことが必要だと考えます。
併せて、ICTに詳しい人材の配置が難しい施設や事業所への導入支援として、医療勤務環境改善支援センターによる相談対応や好事例の施設、事業所から援助を受けられる事業を広く展開していくべきだと考えます。
また、多様で柔軟な働き方の導入に当たり、労務管理や夜勤のシフト作成は先ほども非常に時間がかかるとおっしゃっていましたし、より複雑になっていきますが、そうした点はAIが得意ですので、AIを活用した夜勤シフト作成などの取組支援や情報共有も必要だと思います。
最後に論点の4つ目ですが、今般の診療報酬改定では看護管理経験5年以上の所定の研修を修了した看護管理者の院内配置が望ましい要件とされ、看護管理の果たす役割やマネジメントの必要性について共有が進んでいます。38ページの基金を活用した研修事業については、多忙な管理者が受講しやすい方法も含めて全国展開をしていただきたいと思います。
本会としても認定看護管理者育成や看護管理能力向上の研修支援を拡充して、お二人の参考人のようなすばらしい実践ができる看護管理者を増やしていけるよう努めてまいりたいと思います。一つの事例が全てのところで実用可能ということではありませんので、それぞれの職場で看護管理者がいろいろと試行錯誤し、PDCAサイクルを回しながら改善していくことが求められると思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、お待たせしました。オンラインで樋口先生、お願いいたします。
○樋口構成員 恐れ入ります。樋口です。
先ほどは参考人のお二人に質問しまして、私の意見はお伝えしていなかったので、論点につきまして意見を言わせてください。
論点の1つ目なのですが、多様で柔軟な働き方の普及なのですけれども、現状は看護師のライフ・ワーク・バランスに応じて看護師個々が働く場所を変えている現状になっています。単発とか、派遣の働き方が非常に増えております。キャリアアップイコール長期間、一定の職場で勤務するという働き方ではなくなってきました。もちろん一つの医療機関で生涯いられるならば、それが一番幸せかもしれませんし、先ほどのくわいナースのような組織づくりが全国的にあるとすればそれが一番幸せかもしれません。
そこで大切なのは、暮らしの場に安全な医療が継続、提供され続けることだと思っています。そのために、やはり個々の地域全体で潜在看護師やベテラン看護師の退職を少なくすることです。1か所の医療機関の取組も非常に必要なのですけれども、それが地域全体に広がり、地域全体の医療の在り方、看護師を地域全体の資源確保として検討していく広い視野が必要だと思っております。
ただ、なかなか現状では非常に難しい状況かとは思っておりますが、改善は必要だと思っています。一度退職した医療機関には非常に戻りにくいというのも本当に現状です。
ただ、それに加えまして、就業場所によっては賃金格差も非常に大きくなっています。徐々に勤務の場所を変えていくナースはおりますが、特に介護系に移っていった場合、非常に基本給が安く、中には基本給が13万を下るようなところも多々あるのが現状です。そして、キャリアが生かされていないということもあります。
そういった意味でも、多様な働き方を選んでいるナースたちに、キャリアが地域においても賃金も含めて継続できるような、ここで働いていてよかった、この地域で働いていてよかったと思えるような仕組みづくりが大事ではないかと思っております。
論点2につきましては先ほども出ておりましたけれども、タスク・シフトを行う上では看護師の専門性の向上が大事になってきます。専門性の向上や質の確保のために有力になってくることとして、やはり私は看護師の特定行為の研修は必須だと思っております。
今後もこの需要は増えるべきですし、増えていくものとは思っているのですけれども、まだまだ特定行為研修の受講が難しいのが現状です。実質、自分の施設で、病院等で習得しやすい仕組みづくりをされているところも出てはきておりますけれども、やはり基礎教育に共通の項目に組み込むなどして今後の2040年も踏まえた教育の在り方につながってくるのではないかと思っております。
また、ICTにつきましては大きい病院のところと中小の病院のところとの受入れというのでしょうか、経済的にも費用負担が変わってくるのかなという思いがあります。特に小規模が多い訪問看護とかでは単独では負担が大きくなってきますので、今後補助金利用とか、ほかのステーションと協働する等の課題を抱えつつ、これからに期待しているところです。
論点4の看護管理の仕方なのですけれども、やはり人々の暮らしとか考え方は多様化しております。地域の状況を俯瞰して、既存の制度とか、自分の医療機関の仕組みでは解決できない課題もたくさん抱えられてくるんだと思います。やはり視野を広げて、地域の施設とか行政の看護の連携、地域の様々な場で活動する、活躍する看護師に目を向けて、組織とか職種を超えたネットワークづくりにも貢献していっていただけるような力を発揮してほしいと思っております。今、勤務する狭い場ではなく、どこにいようと看護師として多職種とのコーディネートができるスタッフの育成をしていただければ本当にありがたいと思っています。
また、ちょっと話は変わりますが、看護師は患者さんのために一日も早い回復を願って不利益がないようにと常に考えて看護を提供しているかと思います。
ただ、時代は変わりまして、看護師がすべき業務の内容や密度、働き方も本当に変わってきています。よく以前にありました患者担当制だとか、この看護婦さんに聞けば何でも教えてくれるといったようなことが少しずつ変わってきているかと思います。このように、患者さん自体も看護とか医療の在り方が変わってきているということを少しずつ分かっていただくことが必要になってくるのかなという気はしております。
病院の働き方とか看護の在り方が変わってきていること自体を、やはり地域の患者さんになり得る方々にもPRが必要になってくる時代なのかなと思っております。
以上です。ありがとうございました。
○小野座長 どうもありがとうございました。
活発に御議論いただきまして、先生方どうもありがとうございました。様々な御意見につきまして、事務局のほうで宿題、意見、要望がありましたと思いますので、それらを踏まえて取組を進めていただきたいと思います。
もう一つだけ、申し訳ございません。最後に、「医療分野のカスタマーハラスメント対策について」、事務局からの御紹介をと承っておりますので、事務局のほうからお願いいたします。
○小林医師・看護師等働き方改革推進官 事務局でございます。
資料4につきまして、お時間も過ぎておりますので、手短に御説明させていただきます。
本年10月から、事業主に対してカスハラ対策の措置義務が課されることになっておりますので、医療業における現状の取組と併せて御報告させていただきます。
資料7ページを御覧ください。
こちらは法律の内容でございまして、赤枠の部分ですけれども、この10月から事業主に雇用管理上、必要な措置が義務付けられることになってございます。こちらにつきましては、事業規模に関係なく全ての事業主に対しての義務付けとなってございます。
具体的な措置の内容でございますが、次の8ページですけれども、右側の丸1から丸5まで、例えば事業主の方針の明確化ですとか相談の対応、あとは事後の迅速かつ適切な対応を図ることとされてございます。カスハラにつきましては業種業態によって態様が大分異なりますので、実効性のある対応が必要であるということでございます。
続いて9ページですけれども、業種別にカスハラマニュアルをつくるという事業に取り組んでございます。今年度は医療業を対象に作成してございまして、現在、医療業におけるカスハラマニュアルということで、看護師の皆さんはもちろんでございますが、あらゆる医療従事者の方、あるいは救急、訪問など、あらゆる場面で広く使えるマニュアルとするということで作成を進めてございます。
マニュアルの作成に当たりましては、看護協会をはじめとした各団体、弁護士、学識の皆様といった専門家から構成される委員会で議論を進めておりまして、今後、医療従事者に対するアンケート調査、各病院に対するヒアリングなども実施いたしまして、今年度中には完成させたいと思ってございます。
最後に10ページですけれども、御案内のとおり都道府県におきまして医療勤務環境改善支援センターというものを設置してございます。この中で右側にアドバイザーが2種類おりますけれども、医療労務管理アドバイザーというものがおりまして、現状においても左下の表にございますが、ハラスメント対策について御支援をさせていただいているという状況です。今後、マニュアルを作成いたしましたら、その内容も踏まえた形で実効あるカスハラ対策ということで、各医療機関の皆様に支援を図ってまいりたいと考えてございます。
事務局からは以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
こちらは御報告事項と承っておりますので、御報告を承ってこれで終了ということにしたいと思います。
それでは、本日の議論はここまでにしたいと思います。事務局から何かございますでしょうか。
○大河内課長補佐 本日も、活発な御議論を賜り、ありがとうございました。
次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたしますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
○小野座長 それでは、改めまして眞野参考人、村上参考人、本日はどうもありがとうございました。
これで、第5回の検討会を終了いたします。お疲れさまでした。ありがとうございました。
お問い合わせ先
医政局看護課
直通電話:03-3595-2206

