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第4回2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会:議事録
日時
令和8年7月23日(木) 10:00~12:00
場所
航空会館ビジネスフォーラム 7階大ホール
(東京都港区新橋1-18-1)
議事
○大河内課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第4回「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、本日は御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。
本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
議事に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
事前に議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿、座席表のほか、資料1、資料2、資料3、資料4を配付いたしておりますので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
本日は、大鳥構成員、新田構成員、平原構成員から欠席の連絡を、古元構成員、松原構成員から遅れての御参加となる旨の御連絡をいただいております。
また、オブザーバーとして、文部科学省高等教育局医学教育課の松本企画官に御出席いただいております。
なお、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
○大河内課長補佐 それでは、以降の進行は小野座長にお願いいたします。
○小野座長 おはようございます。よろしくお願いいたします。
それでは、まず議事に入ります前に、代理の出席についてお諮りをいたします。
本日は、日本訪問看護財団の平原構成員の代理として事務局次長の大竹参考人、福島県保健福祉部の風間構成員の代理として福島県保健福祉部医療人材対策室長の髙野参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
それでは、議題に入りたいと思います。
議題1「これまでの御意見のまとめと今後のスケジュール」につきまして、事務局からの御説明をお願いいたします。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
資料1「これまでの御意見のまとめ」について御説明いたします。
こちらは、前回構成員の方から、これまで各回で出された意見を整理して積み上げていくべきと御要望いただきましたので、それを踏まえて事務局のほうで作成いたしました。この資料につきましては、次回以降も今回いただく御意見も追加の上、参考資料として提示していくことを考えております。
資料1の説明は以上となります。
続けて、資料2「今後のスケジュールについて」を説明いたします。
こちらは、前回、構成員の方から残りの検討会で何を議題とするのか、全体像をまず示してほしいと御要望いただきましたので、それを踏まえて事務局で作成いたしました。議題については、本検討会「開催要綱」に記載の検討事項及び第1回検討会資料4で提示した「看護職員の養成・確保に関する論点(案)」より記載しております。
第1回から第3回の列の丸はこれまで議論した項目、第4回の列の丸は今回議論する項目、第5回、第6回以降の列の丸は今後議論予定の項目となります。
なお、議論が十分ではない論点については回を改めて議論を行うことを考えております。
資料2の説明は以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
ただいま、事務局からこれまでの御意見のまとめと今後のスケジュールについて説明がありました。これより御質問、御意見等を賜りますが、本日は構成員の方が多数お集まりですので、大変恐れ入りますが、各議題の発言についてはそれぞれ2分以内で御発言をいただければと思います。2分を守っていただけますと、必ず時間内に終えることができるかと思います。各委員の発言時間を公平に確保する観点もございますので、おまとめいただいた上で御発言いただきますようよろしくお願いしたいと思います。
まず最初に、本日御欠席の新田構成員からの御意見を頂戴しておりますので、事務局からの代読をお願いいたします。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
新田構成員の御意見を代読いたします。
網羅して意見を出していくのは重要ではあるが、さらに整理したものを出していただければ。
今後、検討会のまとめに向けて、これまでの意見をまとめていく必要がある。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、お集まりの先生方から御意見をいただきたいと思います。挙手をお願いいたします。
それでは、秋山先生、お願いいたします。
○秋山構成員 ありがとうございます。
資料2について1点質問します。前回お願いした意見のまとめと、今後のスケジュールを資料として提示いただいた点につきましては感謝申し上げます。ありがとうございます。
ただ、何度も繰り返し述べておりますように、これらを議論する順番が肝要だと考えています。
そこで、この議論の順番についてですが、資質の議論をまずやって、その後に実習を含む基礎教育の在り方、その後に新人研修を含んだ生涯教育という順番で議論していくという予定で間違いないでしょうか。確認させてください。
○水谷看護職員確保対策官 事務局でございます。
資料2の注に記載のとおり、資質の議論を踏まえて議論することとしております。
以上です。
○小野座長 よろしいでしょうか。
○秋山構成員 順番については考慮しないということでしょうか。
○水谷看護職員確保対策官 順番は資質の議論をして、その後、基礎教育等の議論をするというふうに認識しております。
○秋山構成員 ありがとうございます。
○小野座長 ありがとうございました。
ほかの先生方から御意見はいかがでございましょうか。
では、鎌倉先生、お願いいたします。
○鎌倉構成員 秋山構成員の意見とも少し重なるかもしれませんが、資質能力の議論が2回、3回で終わるような形になっているのですけれども、そうしますと資質能力の今まで出てきた意見というものが割と結論に向かって詰めていくというよりも、ばらばらとそれぞれの意見を網羅的に出していくという方向になっているのですが、何か次の形にいくために結論というのか、方向性というか、そこまで議論できればありがたいなと思うのですが、その辺りの方針はいかがでしょうか。
○小野座長 事務局、いかがでございましょうか。
○水谷看護職員確保対策官 事務局でございます。
一番下の※の2つ目にあるように、「議論が十分でない論点については、回を改めて議論を行う」という整理にしておりまして、改めて資料を整えた上で第6回目以降に資質についての議論は提示しようと考えております。
丸の意味の説明が不十分だったかもしれませんけれども、第6回以降の列で(1)の「今後の看護職員に求められる資質について」のところに丸をつけておりますが、回を改めて議論ということで丸をつけているという意味になります。
○小野座長 鎌倉先生、よろしくお願いします。
○鎌倉構成員 構成は了解いたしましたが、6回以降となると資質の論議が最後という形になってくるのではないかと思うものですから、それをちょっと危惧いたしました。ありがとうございました。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、オンラインの樋口先生、お願いします。
○樋口構成員 よろしくお願いいたします。樋口です。
今のお二人の構成員の先生方とほぼ似てくるのですが、この表を見たときに、私もこの看護師の資質について、6回目以降に丸がついているということは、これまで第5回で検討してきたものが資質の向上に全て関わってくるものだと思うので、6回目以降に資質に関して検討していくときには、今までの議論で出てきたことを全て加味されるような形で資質の向上について検討ができるようにお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○小野座長 ありがとうございます。
では、園田先生、お願いします。
○園田構成員 資質に関する議論はもちろん大事だと思うのですけれども、この資質がどの時点で求められる資質なのかというのがはっきりしないと、例えば既に学生時代にあらゆる資質を備えるべきなのか、それとも例えば資格を取った時点、あるいは5年、10年たった時点で十分備える資質なのかというのがちょっと曖昧なので、そこを詰めていかないと非常におかしなことになるのではないかと思います。
特に、例えば学校を卒業してすぐ訪問看護ステーションで訪問看護師としてやっていく資質も欲しいという意見もあったかと思いますけれども、実際に卒後すぐに訪問看護師として入職される方もそれなりにおられ、最近多いと聞いておりますが、ただ、どうもいろいろお話を伺っていると、そういう方々は1年、あるいはもう少しの間にほとんどの人が辞めてしまうというお話も聞きました。
ですから、その辺の実態もきちんと調べた上で、実際に卒業して資格を取った時点で訪問看護が本当にできているのかというところも裏づけとしてないと、今まで言った資質の議論がちょっと宙に浮いてしまうのではないかと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、オンラインですが、玉井先生、お願いいたします。
○玉井構成員 確認ですけれども、私も資質とか基礎教育のことは十分に議論がされ尽くしていないと思うのですが、第7回までは開催ということで御提示があるのですけれども、この検討会自体は第何回までやられるということか、確認したいので、よろしくお願いします。
○小野座長 では、事務局からお考えをお願いします。
○水谷看護職員確保対策官 まずは年内の取りまとめを目指しておりますけれども、もちろん議論の進捗状況によってそこはさらに議論が必要であるということであれば回を重ねるということになると思います。
○玉井構成員 了解しました。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、別府先生、お願いいたします。
○別府構成員 これからの地域医療構想のことを考えると、他の先生方がおっしゃっているように、訪問看護で卒後すぐに働く人は非常に多くなると思っています。先ほどの資質の話にも出てきましたが、訪問看護ステーションでの育成はもう当然のこと思います。病院という形だけではない、地域で育てる看護師、それをどのように育成するのかということも含めてここで検討できたらと思っております。
○小野座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
それでは、田中先生、お願いします。
○田中構成員 ありがとうございます。
この会議のタイトル自体が、看護職員の養成・確保の在り方に関するということですので、養成側にすごく重きを置いて検討したいというふうに考えられる委員の先生と、私どものように現場で本当に看護師さんの数が逼迫しているような病院や施設の立場から出席をしている委員の先生方は、確保の在り方のほうに少し軸足が向きがちなのかなと思っております。
ですので、それを一つの会議で話し合っていくことの困難さをここまでもすごく感じていたところなのですけれども、今までの先生方がおっしゃったように、その資質のところのタイミングというか、時間軸のところも少し明確にしながら議論を進めていかないと、看護師さんになるところまでなのか、なられてからなのか、なられてまたしばらくたってからのリスキリングのところについて少し2040年に向けてやっていくのかというところがかなり散漫になっていると思いますので、まず議論の集中のところに事務局の皆様には少し目印というか、立てていただけたほうがいいかなというふうに御要望申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
○小野座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでございましょうか。この件に関してはよろしゅうございますか。
ありがとうございます。それでは、いろいろな先生方から御意見がありましたので、またその辺りをきちんと踏まえていただいて今後の議論に資するように事務局のほうにはお願いしたいと思っております。ありがとうございました。
それでは、次の議題に入りたいと思います。議題2は「看護職員の確保策について」ということとなっております。事務局のほうから御説明をお願いしたいと思います。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
資料3「看護職員の確保策について」、説明いたします。
今回は、地域の看護職員の確保策のうち、領域偏在への対応と、求人・求職間のミスマッチの改善、復職支援の強化等となります。
4ページから19ページは、2040年に向けた医療需要と人口動態等の資料となります。これまでの検討会で提示した資料が多く含まれますので、駆け足で説明いたします。
4ページ目、2040年頃に65歳以上人口のピークが到来するということの御紹介。
5ページ目、人口ピラミッドについて、現在の生産年齢人口のボリューム層である40代、50代の方が2040年に向けて65歳以上の層に移っていき、生産年齢人口は逆三角形の形になっていくことの御紹介。
6ページ目、2025年以降の地域別の人口動態は地域ごとに状況が異なっており、生産年齢人口の減少、高齢人口の増加、あるいは減少について地域ごとにかなりばらつきがあるということの御紹介。
7ページ目、全国での入院患者数は2040年にピークを迎えるが、医療圏ごとに進行の程度にはばらつきがあるということの御紹介。
8ページ目、外来患者数は既に減少局面にある医療圏が多いということの御紹介。
9ページ目、高齢化の進行を受け、在宅患者数は多くの医療圏で2040年以降にピークを迎えるということの御紹介。
10ページ目、85歳以上の人口の増加に伴い、医療と介護の複合ニーズが一層高まるということの御紹介。
11ページ目、高齢化の進行を受け、訪問看護の必要量については2040年以降にかけて多くの医療圏でピークを迎えるということの御紹介。
12ページ目、2040年に向けた地域医療構想の取組の御紹介。
13ページ目、就業看護職員数について、これまで増加を続けており、特に45歳以上の層が増加していることの御紹介。
14ページ目、年齢階級別の看護職員の就業場所について、若い層ほど病院で就業する割合が高く、年齢層が高くなるにつれ介護保険施設等で就業する割合が高くなることの御紹介。
15ページ目、若年人口減少のスピードについて2020年との比較で全体の減少率が2030年8.8%、2035年18.7%、2040年29%という形で減少していくことの御紹介。
16ページ目、55歳以上の看護職員について、年々増加を続けていること。また、50代の方の就業意向について非常に就業意欲の高い層であることの御紹介。
17ページ目、「看護職員の離職率の推移」の御紹介。
18ページ目、看護職員の離職理由について。
30代、40代では「子育て」「結婚」「妊娠・出産」、50代、60代では「親族の健康・介護」が多く、ライフステージと密接に関連する傾向があること。また、20代では「自分の健康(主に精神的理由)」が多いといった特徴があることの御紹介。
19ページ目、日本看護協会による2025年調査の結果では、看護職として働き続けるために重要視する項目は「業務や責任に見合った賃金」「休みの取りやすさ」「良好な人間関係」が上位を占めております。
また、希望する働き方では、希望部署での勤務のほか、日勤のみ、週休3日制、夜勤回数等が選択できるなど、多様なニーズに応じた柔軟な勤務形態の要望が高いことが示されております。
21ページから29ページは、「領域偏在への対応」の資料となります。
21ページ目、前回の検討会で提示した資料となりますが、足元の領域ごとの就業看護職員数はいずれの領域においても増加をしております。
他方、訪問看護や介護保険サービス等では2025年需要推計との乖離が生じている状況を示しております。
22ページ目、「領域別の看護職員の求人倍率」について、訪問看護ステーションが4.54倍と最大。このほか、病院、居住系介護サービス、その他社会福祉施設では1.5倍を超えており、高い状況となっています。
23ページから25ページは、各領域における2023年就業看護職員数と、第8次需要推計・前回2025年を対象とした推計との比較を日本地図で示したものです。青色は需要推計に対して充足している状況、黄色及び赤色は不足している状況を示しており、特に赤色は需要推計に対して1割以上不足している状況を示します。
23ページ目、こちらは病院、有床診療所です。地域によって充足状況にばらつきが見られますが、多くの地域で不足のない状況を示しております。
24ページ目、訪問看護領域においては一部地域を除いて全体的に不足している状況を示しています。
25ページ目、介護保険サービス等領域においては半数以上の地域で不足のない状況ですが、1割以上不足の地域も一定数、見られます。
26ページから28ページ目は、さらに都道府県内の二次医療圏ごとの状況を表した資料です。
資料の上段は、二次医療圏ごとで65歳以上人口に占める看護職員数を算出し、全医療圏の分布からパーセンタイルで色分けしており、こちらは赤色系が上位のパーセンタイル区分、黄色及び青色は下位のパーセンタイル区分を示しています。
26ページ目が、福島県の例です。先ほどの日本地図においては、福島県は、病院は充足、訪問看護は特に不足、介護保険サービスは不足を示しておりましたが、二次医療圏別に見ると、病院においては人口が多い県北、県中、いわきでは赤色系、看護職員は全国的に見て高い水準、一方、その他医療圏では黄色、青色と低い水準となっています。
また、訪問看護は県北のみ赤色系、その他医療圏では黄色、青色と低い水準、介護施設等では逆に県北、県中が黄色、看護職員が低い水準、県南、いわき、会津、南会津が赤色系と高い水準となっており、地域ごと、領域ごとに状況が異なっていることを示しています。
資料下段は、二次医療圏領域ごとの年齢構成を把握するため、看護職員数に占める年齢階級別割合を算出し、色分けしたもので、青色、黄色、橙色、赤色の順で割合が高くなります。
14ページで紹介しました年齢階級別の就業場所と同様に、病院では比較的若い層の方が多く従事している状況、介護施設等では年齢層が高い方が従事している状況を示しています。
27ページ目、京都府の例です。先ほどの日本地図においては、病院は特に不足、訪問看護は不足、介護保険サービス等は特に不足を示しておりましたが、二次医療圏別に見ると、病院では人口が一番多い京都・乙訓が赤色系、看護職員は全国的に見て高い水準、その他、中丹を除く医療圏では黄色、青色、看護職員数は低い水準となっています。
また、介護施設等では逆に京都・乙訓が黄色、看護職員数は全国的に見て低い水準。丹後、中丹、南丹が赤色系、看護職員は高い水準となっています。
さらに、下段の年齢構成を見ると、病院に勤務する看護職員のうち、丹後では全国や他の医療圏と比べて45歳以上の層がボリューム層となっており、看護職員の高齢化が進んでいる状況がうかがえます。
28ページ目、広島県の例です。先ほどの日本地図においては、病院は不足、訪問看護及び介護保険サービスは充足を示しておりましたが、二次医療圏別に見ると病院ではいずれの医療圏も赤色系、看護職員数は全国的に見て高い水準、また訪問看護及び介護施設等では一部地域を除き赤色系、看護職員数は全国的に見て高い水準となっています。
29ページ目、ここまでとは異なる領域の事例として「美容領域における看護職員の就労状況について」の御紹介です。
医療情報ネット(ナビイ)等の情報から、美容医療施設に調査した結果、有効回答が得られた968施設では約5,600人の看護職員が就労しており、美容医療分野が看護職員の就業先の一つとなっていることがうかがえます。
31ページから46ページ目は、「求人・求職間のミスマッチの改善(復職研修の強化等)」に関する資料となります。
31ページ目、資料上段、潜在看護職員の属性として、平成30年の推計では30代以降の潜在看護職員が多い傾向があり、40代以降で全体の6割を占めている状況。また、資料下段、潜在看護職員の再就職意向について調査した結果、ブランク期間が長いほど再就職の意向は低くなる結果を示しています。
32ページ目、資料左側のナースセンター及びハローワークにおける求職者の属性については、先ほどの潜在看護職員と同様、40代以降の年齢層が高い状況。また、資料右側のナースセンターにおける求職者の勤務時間の希望について、「こだわらない」が少ない一方、「日勤のみ」を希望する制約のある方が一定数いることを示しています。
33ページ目、看護師等を希望する方の前職種、領域の分布を示した資料です。縦軸が前職種、横軸が希望する職種です。横長の赤枠のところ、看護の職種の中では前職の領域と同じ領域への就職を希望する方が多いものの、前職と異なる領域への就職を希望する方も一定数存在します。
また、縦長の赤枠のところ、看護助手は医療以外の職種からの就職希望者が一定数存在することを示しています。
34ページ目、「求職者の希望領域」について、ナースセンターの求職者届出データを基に縦軸「これまでの経験分野」、横軸「今後の希望分野」との関係性を示したものです。今後の希望分野として、病棟、外来はこれまでの経験分野を問わず、幅広く希望がある状況、また訪問看護や介護施設等については関連分野を経験した場合は特に割合が高い傾向にありますが、その他、未経験の領域からも幅広く一定の希望が見られます。
35ページ目、第2回検討会で提示した資料となりますが、平成30年度の結果で看護職員の就職、転職時の施設規模について、1施設目は200床以上の病院に就職される方が全体の75%、その後、2施設目、3施設目とキャリアを重ねるにつれて同規模、または小規模の病院に加え、訪問看護など、病院以外の領域へ転職する方も見られます。
36ページ目、看護職員に対して転職する上で必要な支援について調査した結果の御紹介です。
調査全対象の回答では、必要な支援として「希望する仕事内容、労働条件等と転職先の条件等をマッチングしてくれること」49.8%のほか、「自身に合ったキャリアプランの相談と実現に向けた支援が受けられること」41.7%、「現にその領域で働く看護職から話を聞けること」26.7%、「当該領域に関する研修や技能訓練を受けることができること」21.2%、「人事交流・出向等により、仕事の体験ができること」20%といった回答が上位を占めており、丁寧な相談、マッチングや職場の体験、当該領域に関する研修等の支援ニーズが高い傾向が見られます。
また、同調査をクロス集計し、病院診療所勤務のうち訪問看護ステーションへの転職を希望する方の結果を中央に、介護保険サービス分野への転職を希望する方の結果を右側に示しています。
いずれも総数と比較すると、各回答項目の割合が高くなっており、転職に当たって、より手厚い支援を求めている状況がうかがえます。
37ページからは、復職支援の取組の御紹介です。
37ページ目、関西医科大学では医療現場を離れた潜在看護師に対して講義と演習、実習による学び直しの支援に取り組んでおり、これまで53名の方が実際に訪問看護ステーションや中小病院などに復職し、活躍していることの御紹介。
38ページ目、各ナースセンターにおいて復職支援研修や就職相談のほか、施設見学ツアーや施設実習を組み合わせた体験型研修などの取組により、効果を上げていることの御紹介。
39ページ目、静岡県においては病院と訪問看護ステーションの看護師相互の出向を促進する事業により、看護師の実践能力の幅を広げる取組を行っていることの御紹介。
40ページ目、訪問看護の現場で働く看護職の方々の声として、事前研修への参加や新人・未経験者は同行訪問から開始すること、未経験技術はその場で支援、相談可能とする体制の整備といった支援が実際の就業や定着には効果的であるといったことの御紹介。
41ページ目からは、看護補助者に関する資料です。
41ページ目、医療機関で勤務する看護補助者は平成26年以降減少しています。
42ページ目、こうした状況の中、看護補助者へのタスクシフト、シェアによる業務効率化が進んでおり、その担い手となる看護補助者の確保が重要となっております。
43ページ目と44ページ目は、大阪府看護協会における看護補助者確保の取組事例です。
資料中央、「取組の背景」にあるとおり、看護補助者については認知度及び仕事内容の認識が低い状況にあることから、入職後のギャップを理由とした早期退職が多い状況となっております。こうした状況を踏まえ、大阪府看護協会で入職前の段階から医療現場での働き方等の説明を丁寧に行うとともに、入職後の定着状況の把握といった取組のほか、44ページ、ハローワークと連携した業界セミナーの実施や求人募集に苦労している医療機関向け研修会の実施に取り組んでいることの御紹介。
45ページ目、令和8年度診療報酬改定において、看護補助者を含め、賃上げ対応があったことの御紹介。
46ページ目、「医療機関の業務効率化・勤務環境改善への支援」について、今般、所要の法改正が行われ、今後効率的に業務を行う環境の整備が進められていくことの御紹介。
以上のような状況を踏まえ、「看護職員の領域偏在・復職支援に関する論点」を47ページにまとめております。
「現状・課題」については、これまで説明した内容を記載したものとなりますので、割愛いたします。
「論点」について、看護職員の確保においては領域ごとの状況の差異とともに、地域の特性や就業状況の違いを踏まえ、地域の実情に応じた対策を講ずることが重要となるが、そのために必要となる支援の在り方について検討を進めるべきではないか。
例えば、ミスマッチを減らすため、潜在看護職員の特性・傾向を踏まえた丁寧なマッチングや復職支援を行うといった方策が考えられるが、そのほかどのような方策が考えられるか。
特に、需要が高い訪問看護や介護施設などの領域においては、当該領域が未経験の方が就業を希望する際の不安を軽減するため、職場体験や当該領域の研修と丁寧な相談・マッチングを組み合わせた支援が有効ではないか。看護補助者への就業についても、同様な支援が有効ではないか。そのほか、どのような方策が考えられるか。
資料3の説明は、以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、先生方から御意見を頂戴したいと思います。お手を挙げていただければと思います。
では、会場のほうからまいります。奥のほうからまいりますので、まず山口先生、お願いします。
○山口構成員 山口でございます。
幾つかあるのですけれども、まず26ページから28ページのところで福島県と京都と広島の傾向の異なる3府県のデータを出してくださっているのですが、この集計された目的と、この会議で提出された目的というのがよく分からなくて、全国でこういう違いがあるとか、こういう傾向があるというようなことでもなく、違いのある3つだったので、これはどのようにこの会議で生かされるのかということをお尋ねしたいのが1つです。
それから、29ページの美容のところですけれども、最近大学を出て直美の看護師さんも出てきているというふうに伺っています。これは1年だけの人数なので、やはり経年変化が分からないと傾向が分からないと思うのですけれども、今後経年の変化というものを見ていかれるおつもりがあるのかということをお尋ねしたいのが2点目です。
それから、26ページのものは日本看護協会でお調べになったということですけれども、これを調べられた対象が転職サイトなどを利用している人も中に入っているのか、そうではない方たちの傾向なのかというのがちょっと分からなかったので、これは秋山会長にお聞きできたらと思っております。
最後に、41ページから看護補助者のことが紹介されていますけれども、私は看護師さんが専門性を発揮する上でも、そして患者が療養する上でも非常に看護補助の方というのは大事だと思っているのですが、この看護補助者という補助という名前を変えないと、なりたいと思う人は、まず補助として働くというようなことに魅力を感じる人はあまりいないと思うんです。ですので、そもそもこの看護補助という名称について検討する必要があるのではないかと思っておりますので、その辺りも事務局としてどのようにお考えかということをお尋ねしたいと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
事務局へのお尋ねがあったと思いますので、それぞれお答えいただければと思います。また、後で最後に秋山先生からもお答えいただきたいと思いますが、まず事務局のほうからお願いしたいと思います。
○水谷看護職員確保対策官 全部で4点、御質問いただいたと思っております。
1点目は、26ページから28ページ目に示しております二次医療圏ごとの就業状況をなぜ今回出したかというお話だったかと思います。これまで厚生労働省のデータとして需要関係、供給関係を出すときは都道府県単位までしか出してこなかったのですけれども、なかなか都道府県単位ですとマクロで見ると人材の充足が進んでいるように見える一方で、現場感覚ではまだまだ看護職員が足りないというお声を聞いておりましたので、そのギャップをもう少し埋める表現を頑張りたいと思いまして、今回初めて二次医療圏ごとのデータを提示させていただきました。
そしで、実際にそれぞれ傾向の違う3つの府県を示しておりますけれども、マクロで見ると人材が充足しているように見える地域であっても、二次医療圏ごとで見ると人材がまだまだ充足していない地域があったり、その逆もしかりですけれども、さらに地域によって確保の事情は異なりますので、確保策を考えるに当たっては、より現場の実情に即した確保策が大事ではないかという問題提起をするために今回、初めて提示したものでございます。
2点目の美容の実態についてですけれども、今回初めての調査の試みになりますので、今後調査をどうしていくか。実態をどう把握していくかについては検討させていただければと思います。
4点目の看護補助者の呼び方については、これまでも同様な問題意識、議論があったと認識しております。この検討会でも、もし何かいい名称の御提案とか、そういうものがあれば御意見をいただければと思います。
3点目の看護職の実態調査のところは、恐らくナースセンターに限らず、調査に協力してくれた医療機関に所属する看護職員の方からの回答かなというふうには想像しますけれども、もし間違い等があれば補足いただければと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
では、3の件は秋山先生から何かございますでしょうか。
○秋山構成員 本会会員を対象に実態調査として行っているものですので、特に除外はしていないと思います。確認して間違いがあれば訂正をいたします。
○小野座長 ありがとうございます。
山口先生、よろしいですか。
では、どうぞ、お願いします。
○山口構成員 各都道府県の傾向ということですが、これは地域医療構想をつくるときに各都道府県にフィードバックされるということでは非常に意味があるかと思ったのですけれども、3県だけ見ても、私たちが議論する上で何に使えばいいんだろうというような気がしましたので、その辺りを明確にしていただければと思いました。
それから、転職サイトはやはり使ったことがある人に聞くと、かなり手取り足取り、それを使いたくなるというようなニーズに合った方法を取られているということですので、どうしてもそちらに流れてしまうのではないかという気がいたしました。それによって病院が確保するのにかなり金銭的にも大変な思いをされているということですので、その辺りは違いみたいなものも明らかにしていくといいのかなと思いました。
○小野座長 ありがとうございます。
では、まず会場のほうからまいりたいと思います。
次は、水方先生、お願いいたします。
○水方構成員 ありがとうございます。水方でございます。
今までのこの資料の中にも示されたように、看護師等養成所は地域の看護職の確保に直結をするという明確な特徴があります。今回の資料の34のところでも、やはり養成所を出た看護師が地域に就職する特徴があるということが示されていると思います。よって、多くの養成所では、地域に暮らしている看護教員が地域から入学した学生を育てて、その学生が卒業後も養成所のある地域に就職し、そこで生活をするというような循環が形成されています。よって、地域で人を集めて育てて地域に送り出すというところで、養成所は地域密着型の看護人材育成機関だと思っております。
そこで、提案なのですが、ミスマッチを減らしたり、潜在看護師をどうするかといったところですが、地方にある看護師等養成所を「都道府県ナースセンターの地域サテライト」のような位置づけのモデル事業を実施してはどうかという提案でございます。養成所は現在でも教育機関としてだけではなくて、高校生や社会人への進路相談を受けたり、潜在看護師の復職支援をしている学校もあります。そして、卒業生のフォローとしてカムバックデーを設けたり、卒業の証明書を取りに来た学生たちに状況を聞いて復職サポートをしたりというような形で、かなり手厚い支援をしていますので、それを強化してはどうかというような提案です。
それによって、地域に既にある教育資源というものを活用して、育てて、つなげて、戻して、定着させるというような看護の人材確保の機能が一体化できるのではないかと思っています。
よって、地域にある看護師等養成所を地域看護人材ステーションのような形として活用するモデル事業についてぜひ御検討いただけたらと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
さっき34ページとおっしゃったのは、今回の資料3の34ページのことですね。
○水方構成員 はい。34ページの左上に「多くは看護師等養成所と同一地域へ就職」「転職時も地域内での転職が多い」とあるところです。
○小野座長 分かりました。ありがとうございます。失礼いたしました。
ほかに会場からいかがでございましょうか。
それでは、向こうから順番にいきまして、別府先生、お願いいたします。
○別府構成員 これからの少子化のことを考えると、ナースを辞めさせないというのが確保としては一番確実な方法かと思っておりますし、現場にいて退職率をどう下げるかということを考えております。
それで、ここのアンケートの中にもございましたように、退職回避のネックになるのは夜勤の存在です。今回の診療報酬の改定でベースアップ評価料が夜勤手当に使えるようになるということで、私どもも非常にありがたいと思って計算をしてみましたところ、1,500円くらいしか上がらないんですね。それで、スタッフに1,500円で夜勤の回数を増やすかと聞きましたところ、1,500円ではちょっと無理ですというような返答がありました。それも、他のスタッフのベースアップ評価料を全部使っても1,500円しか上がらないというようなことだと不公平感が非常に強くなるので実施に踏み切れませんでした。やはりお金のインパクトとしては弱かったなというのが私の感想です。
今後スタッフのライフサイクルの中で、夜勤の人材をどのように確保するのかというのは出てくるのですけれども、やはり賃金を上げていただくというのは最初の基本なのかなと思っておりますので、そこは御検討いただければと思っております。
○小野座長 ありがとうございます。
次はいかがでしょう。
では、平山先生、お願いします。
○平山構成員 連合の平山です。
まず、訪問看護ステーションの人材確保についてですが、有効求人倍率が4.54倍と最も高く、資料の24ページの需要状況においても看護職員は不足している状況が今回示されております。
また、事前の質問で厚生労働省から回答いただいた有効求人倍率の推移では2021年が3.22倍ということで、それが現在にかけてずっと上昇しているということですので、やはり人材確保は年々厳しさを増している状況がうかがえます。
まずは、訪問看護ステーションで人材不足が生じている要因について検討する必要があると思います。特に需要の増加なのか、処遇なのか、勤務形態、業務内容なのか、多面的に分析し、対策を議論できればと思います。
また、29ページには美容領域における看護職員の就労状況も示されておりますが、有効求人倍率の推移などもデータがあればお示しいただきたいと思いますし、もし増加しているのであればその背景も分析いただきたいと思います。
あとは、看護業務補助者についてです。看護補助者は看護職員のタスクシフト、シェアを担う重要な職種ですが、41ページでは平成23年をピークに減少しております。対策を講じるためには、まずは減少要因を把握することが重要です。雇用形態が非常勤や有期雇用が多いということ、または賃金水準が役割に見合っていないことも要因の一つと考えられます。看護補助者の減少要因を分析した上で、必要な対策も検討していく必要があると思います。
あとは、求人・求職者間のミスマッチの改善についてですが、復職支援など資料に載せていただいておりまして、それぞれ一定の効果はあるものと承知しておりますが、復職を希望する看護職員のニーズに応じた支援を充実していく必要があります。そのために、地域医療介護総合確保基金の財源の拡充と、より活用のしやすい仕組みの構築が必要と考えます。
また、今後ハローワークにおける医療介護分野の就職支援についても、取組内容や活動状況についてお示しいただきたいと思います。
32ページでは、求職者の多くが日勤のみを希望していることも示されております。やはり夜勤は離職や復職をためらう大きな要因の一つと考えます。転職に当たり、仕事内容と労働時間のマッチングは最も重要ということが示されておりますので、詳細な内容は分かりませんが、夜勤の負担や勤務条件も影響しているのではないかと思います。夜勤負担の軽減や、それに見合った労働条件の整備についても重要な課題と考えます。
最後に、処遇改善はこの検討会のテーマでないことは承知しておりますが、業務内容に見合った処遇改善はやはり重要と考えます。人材を確保するためには、新たな人材を増やすことに加え、離職防止と復職しやすい職場づくりが重要です。そのためにも、第5回以降、勤務環境についてしっかり議論できるよう、現場実態を反映した資料の御提示をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、大竹参考人、お願いいたします。
○大竹参考人 ありがとうございます。
資料3について、領域偏在の対応として訪問看護の現状について整理をいただき、ありがとうございます。
21ページにお示しいただいておりますとおり、訪問看護については足元値から3万人ほど不足している状況でございます。ここまで別府構成員、平山構成員からも、量的な確保の観点からは処遇がまずもって重要というような御指摘があったかと思いますが、今回資料の19ページ目にも追加いただいておりますとおり、「業務や役割、責任に見合った賃金額である」ということが重要視されておりますし、また、夜間の対応について訪問看護は一人で夜に訪問しなければいけないというような実態もございますので、そういったところも実態の提示をしていただきながら検討できるといいのかなと考えております。
また、そうした観点も重要ではございますが、一方で、量的な確保に加えて質をどう維持向上させていくかという観点も非常に重要だと思っております。24ページにお示しいただいておりますとおり、充足率は全体で0.7台だというような驚異的な数字が出てございますが、そういう中では一定の質が担保された人材も確保していかなければならない。そういう中で言えば、基礎教育も非常に重要ではございますが、現行の基礎教育のカリキュラムでは23単位の実習のうち2単位のみが地域在宅看護実習に割り当てられるなど、なかなか地域に関わる時間を意図的につくれないというような構造になっているところもございます。こういったところも抜本的な見直しをしながら誘導政策を一体的に考えていくべきではないかと考えております。
また、37ページ目に示されておりますリカレントスクールの取組でしたり、40ページ目の右側の事例のようなオンラインでの訪問看護に関する学習のコンテンツ、こういったものをお示しいただいておりますけれども、こういったものは今後ますます拡充が重要になってくるだろうと考えております。
36ページ目のグラフでもお示しいただいておりますとおり、「自身に合ったキャリアプランの相談と実現に向けた支援が受けられること」が転職に必要な支援の第2位という結果につきましては、特に訪問看護においては割合も高くなってございます。
その背景としましては、業界として単独で訪問しなければならないことの不安でしたり、病院に比べて職員規模が非常に小さい事業所でございますので、そういった中での相談支援機能が乏しい懸念など、求職者側も認識をされていてこういった結果になっているのではないかと考えるところでございます。
そうした中では、どういうふうに人材の確保と定着を図っていくか、論点の1と2ポツ目でも提示いただいております支援の在り方についてですが、私どもとしましては訪問看護総合支援センターとナースセンターの有機的な連携を推進すべきではないかと考えております。
地域の中では、例えば鳥取では事業所へのアウトリーチをしながら事業運営の支援をしたり、あるいは徳島などでは新人、新任の育成プログラムといったものを活用しながら、そのプログラムに参加していれば新任同士が集まって意見交換ができる場の設定などをされていらっしゃるというところも実例としてございます。そういう観点では、一体的な支援を進めていく観点で連携をさらに進めていくといったような政策を打ち出すべきではないかと考えております。
最後に、訪問看護につきましては、まずもってマッチングをしていただく関係ではステーションの現場でしたり、体験、雰囲気を感じ取ってもらうということが何より効果的ではございますけれども、こういったところについても40ページ目の右側の事例のオンライン研修、これは平成10年の厚生労働省の「都道府県ナースセンター事業について」の通知に基づいた訪問看護師養成講習会カリキュラムというものがございまして、オンデマンドの教材を当財団でも作成、準備、提供させていただいておりますけれども、実習と一体的になった内容になってございます。
ただ、このカリキュラムも30日ほどを要するようなものになっておりまして、それなりに時間もかかるというところもある中では、いろいろと基礎の教育の内容も見直されてきたところ、通知の見直しもされていないというところもございます。そういった観点では、現状に即した検討もしていただければと考えるところでございます。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
では、次に園田先生、お願いいたします。
○園田構成員 ありがとうございます。
最初に1つ質問させていただきたいのですけれども、先ほど看護師の養成所のサテライト化のお話が出てきたと思うのですが、今日文科省の方がオブザーバーで来られていますのでちょっとお伺いしたいのですけれども、看護師養成所をサテライト化するときに、その親になるというか、核になるところとして大学というのは可能なのでしょうか。そこをちょっと確認したいのですけれども。
○松本文科省高等教育局医学教育課企画官 ありがとうございます。
おっしゃっているのは、大学の看護養成課程のサテライトということだと思いますが、現にそのような概念はございます。サテライトキャンパスと呼んだりしています。それで、専修学校のような都道府県の許可を得た養成所のままというわけではなくて、要は大学として分校というか、サテライトキャンパスという形になるという意味合いでおっしゃっているということでよろしいですよね。
そのような事例というか、形というのはいろいろございます。ですので、今までは看護養成所でした、つまり専修学校、各種学校、いわゆる専門学校等だったというところから、大学のサテライトキャンパスとしてリスタートする形で一緒にやるということは可能ということですね。いろいろ規定とかございますけれども、そういうふうになるということになります。
○園田構成員 そういうサテライト化の流れが出ている中で、大学との関係をつくるという意味での要件というか、手順というか、その辺をもう少し分かりやすく提示していただければありがたいと思います。一旦、完全閉校になってしまった養成所をいろいろな形でサテライトとして利用するのは非常に時間的にも迫っているような形になっていますので、ぜひその辺を見せていただければありがたいと思います。
それから、訪問看護のお話が今出ていたのですけれども、やはり訪問看護の看護師さんというのは非常に厳しい状況で、普通の病棟勤務と比べると非常にいろいろな難しい点を抱えていると思うのですけれども、先ほど資質のお話がありましたが、では訪問看護ステーションの看護師になるための資質というのは整備されているのでしょうか。その特殊性といがいますか、必要な資質ですね。もしそれがまだであれば、ぜひこの会議の中で見せていただいて、どれだけ厳しい状況を求められているのかということを整理していただきたいと思います。
それから、復職に関してハローワークさんが頑張るというお話が出てきたのですけれども、復職に関してもいろいろな資源を持っている医療機関をぜひ活用していただきたいと思います。病院には様々な職種の職員がおります。例えば、いろいろな医療機器であればMEもいますし、お薬の使い方であれば薬剤師もおります。そういう形で、求められれば病院を含めた医療機関はそういう復職の支援をする場として加えていただければ応援できるかと思いますので、ぜひ御配慮いただければと思います。
最後に、処遇に関してはこの場ではいろいろと話はあったのですけれども、先日、病院団体で会議がございまして、その中で看護師さんの復職をすすめる、あるいは看護職への希望者を増やしていくためには一般企業に負けないくらいの処遇が必要だという意見は病院団体の中でも強く出ました。
ただ、このためには病院自体がもう少し余裕を持った経営をしていないとその点は難しいなという意見もありましたので、その点も記録として残していただければありがたいと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
では、小林先生、お願いいたします。
○小林構成員 資料33ページの希望する領域に関してですけれども、これまで経験した領域ほど今後もその領域への就職希望が高い傾向というのが示されております。この結果は、未経験だから希望しないというよりも、経験を通じて専門性や仕事の魅力を実感しているのではないかと思います。そして、その後のキャリア選択にもつながっているということも示唆していると思います。
ですので、就業継続とか領域選択においては、経験だけでなく、やはり専門性を高めたいという志向や、また地域医療、在宅医療の関心といった内発的な動機を持っている看護職の方々も多いですので、ぜひそういったことも踏まえ、また、訪問看護ステーションでは、先ほどからのお話もありますように、かなり労働環境として、厳しいという実態もありますので、勤務時間や家庭との両立など、生活との適合性といったことも含めて、きちんと体制を整えていくことが必要になってくると思います。
今後の対策としては、もちろん職場体験や研修を充実させていくことも必要ですが、病院勤務の段階から、例えば、地域の中で調整して、訪問看護や介護領域を経験できるローテーションの体制をつくるとか、その際には、自分の所属している組織にきちんと籍を置いて、また処遇も担保されることをきちんと整えていくことも必要だと思います。また、人事交流を図ることも、今後のキャリアラダーの中に含めることも必要になると思います。そして、職場環境において柔軟な働き方やDXの活用、またチームで支える体制など、働き続けられる環境整備を一体的に進めていくことが重要だと思います。
また、31ページの潜在看護職員の支援ですが、潜在する方々の特徴を踏まえた対応が必要だと思っています。潜在看護職員を一つの集団として捉えるのではなく、ブランク期間や離職理由など、やはりそれぞれの背景がありますので、それに応じた支援を行うということが重要だと思います。
例えば、今回、示していただいた私どもの研究の中で、育児・介護を理由に就職した方々は、比較的、再就職の意向は高くなっています。しかし、ブランクが長期化してしまうと、再就職の意向は低下してしまうという結果が見られています。 また、復職に際して重視されるのは、給与はもちろんなのですが、それ以上に、柔軟な働き方、人間関係、通勤負担の軽減、非常勤で働けるかどうかといった生活との両立が可能な就業環境を重視しておりましたので、そういったことへの配慮も必要だと思います。
まとめると、潜在看護職員対策においては、離職後、早期からの介入、育児・介護離職者など、再就職の可能性の高い層への重点的支援やブランク期間に応じた段階的な復職支援、また短時間勤務や非常勤を含めた柔軟な雇用形態の整備を整えていく必要があると思います。
以上になります。
○小野座長 ありがとうございます。
では、会場から、影本先生、お願いいたします。
○影本構成員 読売新聞の影本です。
皆さんがおっしゃっていたように、ここの会議の範疇ではないかもしれないのですけれども、やはり処遇というところが看護師も看護補助者も復職なり就職してもらうにはそこが一番大事なのかなと思って聞いておりました。
それで、論点の2つ目のミスマッチを減らすための丁寧なマッチング、復職支援というのは本当に大事だと思うのですが、私も潜在看護師の一人として、民間の職業紹介の事業者がかなり手取り足取りの連絡だったり事業をしている中で、ナースセンターが埋もれてしまわないような、本当に定着に結びつくマッチング支援というのはどうしたらいいのかなとは考えております。
あとは、ブランク期間が長いほど再就職の意向が低くなるというのはすごく面白いなと思って、自分の経験からも本当にもっともだなと思いました。
知識とか技術については関西医大の取組がすごく面白いなと思って、病院という枠を超えて基幹病院が地域の看護師とか潜在看護師の研修を牽引できる仕組みというのがもっと明確に知られれば興味を持つ方もいるのではないかと思いました。
ただ、一方で、知識、技術は何とかなるのかなと思いつつも、時間がたつほどに離れてしまう心、気持ちというところもあって、何らかの方法で細く長く看護職に就いていた人とつながれるような仕組みも必要かなと思い、実際に退職した看護師に研修の情報とかを提供している病院もあって、子育てが落ち着いてきたときに戻ってきてもらうとか、そういう対応もされていると聞いて、何かつながることができないのかなと思いました。
あとは、看護補助者については先日、経験者の方を中心に看護補助者の方の会を立ち上げたということを聞きました。患者の立場からすると、チーム医療を担う一員でもあると思いますし、最も患者さんの身近にいる存在として、今後この会だったりほかのところで教育研修の定着だったりとか、雇用形態とか給与面とか、もうちょっと正面から考える必要があるのかなと思いました。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
では、秋山先生、お願いします。
○秋山構成員 ありがとうございます。
まず領域偏在の対応、訪問看護等についてですが、34ページでは訪問看護、介護施設について業務経験の有無にかかわらず希望者は一定数いるということがデータで示されていますが、22ページにあるように訪問看護分野では4.54倍と高い求人倍率が維持されています。
今回の資料には示されていませんが、ナースセンターで看護職の募集を行う施設数は2020年から2024年の5年間で1.4倍、求人数も同期間で1.3倍に増加していますので、訪問看護を希望する看護職の割合は増加傾向にあるものの、需要の伸びに対して供給が追いついていないという状況なのだと思います。
訪問看護を希望する看護職員の増加に向けては、入職した看護職がその後、安定して働き続けられるように、入職後、一定期間、個別的な相談などの支援も必要だと思います。特に訪問看護は小規模な事業所の割合が高く、入職者への支援体制の整備が困難な状況も想定されます。既に処遇改善や多様で柔軟な働き方の導入、また訪問看護師としてのキャリアパス構築などの働きやすい職場環境づくりに取り組み、看護職の確保、定着に成果を上げている訪問看護事業所も見られますが、ある程度の規模がないと難しいと思います。この点については、厚労省からこの1月に「介護現場の働きやすい職場環境づくりに向けた経営の協働化・大規模化の進め方のガイドライン」が示されていますので、訪問看護においても同様の取組の実現に向けた支援に取り組んでいただきたいと思います。
一方で、地域によっては利用者ニーズなどの面から大規模化が難しく、小規模事業所でやらざるを得ないといったところもあります。その場合も、地域の基幹病院から看護師が出向する仕組みや、基幹的なステーションによるサテライト化などの安定的な体制、人員の確保について支援が必要だと思います。
次に、求人・求職間のミスマッチの改善、復職研修等の強化等についてですが、47ページの論点では求人・求職間のミスマッチ解消の方略について、求職側へのアプローチのみが例示されていますが、ほかの委員からもありましたように、求人側へのアプローチも重要だと考えます。特に求人側へのアプローチとしては処遇改善が重要で、賃金の引上げは言うまでもなく、職員宿舎の整備や入居期間の延長、休暇制度の充実など、福利厚生の充実も処遇の一環として改善の検討が求められると思います。
既に様々な処遇改善の取組によって、看護職の安定的な確保定着に成功している医療機関や介護施設、訪問看護ステーションもありますので、そうした好事例を収集して求人側へ情報提供を行ったり、助言を行ったりするなどの支援も必要だと思います。
論点に例示されている職場体験や研修の実施、丁寧なマッチングや復職支援の重要性など、求職者側へのアプローチについては賛成いたします。
38ページでは都道府県ナースセンターの取組の一部が紹介されていますが、全県で実施された復職支援研修に関する本会の調査結果では、2024年度の実績ですが、未就業者約4,000名が復職支援研修に参加して、そのうち約半数が就業に至っています。潜在看護師の掘り起こしによって地域や分野ごとの偏りを改善し、復職支援を効果的に進めるためには、既に行われている職場体験や復職支援、丁寧なマッチングなどの取組について、予算の確保も含めて大規模に拡充することが必要だと考えます。
また、確保について論じる上ではやはり新たな養成や再就職での人材獲得だけでなく、ほかの委員からも話が出ておりますように、既に働いている職員の定着、離職に至らないための対策についても併せて検討することが重要だと思います。
看護職の離職理由については17ページ、18ページに示されていますが、本会が実施した19ページの調査の結果では、離職を考えている看護職が今の職場で働き続けるために改善してほしい条件の第1位は、仕事に見合った賃金額です。また、昨年度に実施したナースセンター利用者を対象とした調査においても、やはり夜勤手当に関する希望額と実際の支給額との間に大きな乖離が存在するということが明らかになっています。先ほど別府構成員からも「1,500円では…」といった話がありましたが、具体的に申し上げますと、三交代の深夜勤では夜勤手当の平均希望額が1万2000円余りであったのに対して、実際の平均支給額は5,200円弱、二交代制の夜勤においては平均希望額が1万9000円弱であったのに対して実際の平均支給額は1万1000円強という結果でした。
こうした夜勤手当の希望額と実際の支給額の乖離した状況が改善されない限り、現状を変えるほどの潜在看護職の復職を望むことは現実的には困難だと考えます。まずは診療報酬等で原資を確保した上で、業務や専門性、能力や実積に応じて上がっていく賃金体系を導入したり、夜勤を担う職員の負担に見合うように評価を手厚くしたりするなど、個々の医療機関や施設事業所に対して処遇改善に関する相談対応や助言を行うといった支援も必要だと考えます。
看護職員の勤務環境改善については第5回以降に集中的に議論するということですので、今回詳細には言及しませんが、求人・求職間のミスマッチの要因としては、求人施設側が求職者側の事情に配慮した多様で柔軟な働き方を提示できていない側面もあります。求人施設が地域の看護人材の需給状況を把握して、自施設の処遇や労働条件を見直し、人材確保につなげるためのコンサルテーションや情報提供がさらに必要であると考えます。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
会場からほかにはいかがでございましょうか。
では、松原先生、次に田中先生とお願いします。
松原先生、よろしくお願いします。
○松原構成員 ありがとうございます。
今の若者が就職する、転職するとなったら、まず見るのはネットですので、やはりネットの情報というか、そこにアクセスするということを前提にして、きちんといい機関に行けるようなつなぎをよくするというのが重要なのだろうと思っています。
ハローワークは就職、転職で検索した場合、上位や中位には入ってこないため、いかにネットのほうで国がネットワークをつくっていくのか、先ほどお話があった養成校にもちゃんとつながっていく仕組みづくり、プラットフォーム構築が非常に重要だと思っています。
2点目は、マネジメントの強化です。看護師さんが働きやすい職場づくり、例えば30代、40代の離職理由のトップが子育てなのですけれども、子育てに対する国の制度が整ってきてはいるので、あとは事業者側がしっかりと子育てしやすい職場環境をいかにつくっていくかが重要になってきますし、心理的安全性の確保はじめ、マネジメント強化が重要だと思います。
3点目はやはり処遇改善で、報酬を上げるのは当然必要ですけれども、それだけではなくて例えば看護師さんの子供が地域の大学に行くのであれば教育費を全部無料にするとか、抜本的な国を挙げてフロントラインで働いている方々を支援するんだという姿勢を示すことで、こういう業界で働くのはいいよねと思ってもらうイメージアップ作戦が重要だと思います。
最後に、地域に病院があるというのは非常に重要で、病院があるからこそ人は安全に暮らせるので、地域財産として守らなければいけないのですけれども、一方で85歳以上が増えれば自分で病院に行くということが難しい。通院が難しいとなっていくと、医療提供体制に変化が生じざるを得ない。そうしますと、訪問看護師の養成の質と量と両方確保していくことが重要だと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
では、田中先生、お願いいたします。
○田中構成員 ありがとうございます。
私からは3点ほど、手短に申し上げたいと思います。
23ページの部分ですけれども、病院や施設は訪問看護と違い、配置基準を満たすためだけの看護師数の確保というのは必須です。基準が満たされていなければ、病院の運営方法を変えなければならないので、そのために基準値で見ればある程度充足しているように見えるかもしれませんが、現場では配置基準数のみの看護師さんでは潤沢な有給の付与や急な休みへの対応は困難で、なおかつ多疾患併存の要介護高齢者の方が多く入院する現在の事情の中で、看護力は以前以上に内容が濃くなり、どこの病院施設も過剰配置を行っています。
その数値と比べれば看護師数は不足しており、この表はいろいろ注釈もついておりますけれども、この表だけを見るとミスリードになりかねないかなと思っています。実際に基準を満たせずに病棟を開けられない病院が山間過疎地では一定数あることも共有すべき内容と考えます。
一方、私どもも行っておりますが、訪問看護の看護師さんの育成方法として、病院とのハイブリッド勤務を実施しています。これはナースだけでなく、退院後の患者さんの在宅生活の定着にもある程度有効であることをお知らせしたいと思います。
次に介護施設の立場から申し上げると、老健は常勤医師がおりますが、その他類型の介護施設では医師が常駐しないサービスがあります。よりアセスメントや臨床推論が行える看護師さんが若手介護スタッフを教育する役割も持って多職種協働してくれると大変助かります。臨床経験が長く、ある程度の判断ができるような急性期病棟経験者や、ベテラン看護師等の勤務地として活用できることを広く周知していく方法を考える必要があると思います。
最後に、病院では国家資格である介護福祉士を一定数、病院に配置しておりますけれども、一般の方の看護補助という名称、イメージを超えて彼らは専門性を持って就労しており、当たり前ですけれども、介護施設で働く介護福祉士と何ら変わりはありません。立場がダブルスタンダードになっているので、先ほど山口委員がおっしゃったように、時代のニーズに合わせてそろそろ名称の検討、あるいは立場の検討というものを行っていただけるよう、強く要望したいと思います。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、オンラインのほうにまいりたいと思います。お待たせいたしました。
まず、古元先生からお願いいたします。
○古元構成員 ありがとうございます。
では、1点だけ、私は意見を申し上げたいと思います。
本日のデータでは、訪問看護や介護施設での勤務に興味があるにもかかわらず、なかなか一歩を踏み出せない方がいるというふうにお見受けしております。ほかの委員の方からも言及がありましたけれども、例えば39ページのナースセンターの取組であるとか、40ページの静岡県の出向事業、41ページの事業所における取組など、こういった取組をさらに広く進めていくことが大変重要であると考えます。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、樋口先生、お願いいたします。
○樋口構成員 よろしくお願いいたします。
今までの先生方と重複するところもあるのですけれども、私は今、訪問看護の現場で働いておりまして肌で感じていることもここでお伝えしたいと思っております。
今までの資料にお示しいただいたとおり、年代的な離職の理由は本当に18ページでしたでしょうか、示されたとおりだと思っております。ライフサイクルを考えても、その年代、年代で様々な理由があるのは本当にそのとおりです。
そして、卒後は大きい病院とか、救急のあるような病院とか、それから転職とともに規模の小さな病院とか外来、そして訪問看護に変わっていくという結果も肌感で感じております。
ここで、データがなかったのではないかということで1つお聞きしたいことがあるのですが、看護師がこのように年代とともに再就職をしていくときに、働くこの地域、要は地域への流出もあるのかどうかというところに関しましてデータがおありなのかどうか、1つお聞きしたいです。そこからまた意見を言いたいのですけれども、いかがでしょうか。
○小野座長 事務局、いかがでしょう。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
今、御指摘のあったようなデータにつきましては、事務局のほうでは現在持ち合わせていない状況でございます。
○樋口構成員 ありがとうございます。
いろいろ御意見があったとおり、本来でしたらライフスタイルが変わっても退職という選択ではなくて、同じ職場とか同じ地域に居続けてもらえることが一番だと思っています。
ただ、転職というのでしょうか、最初の就職にやはり大きい病院、200床以上の病院に勤めて、その後、転職とともに小さな病院に行くということを考えたときに、卒後すぐに勤める200床以上の病院というのはほぼ地域にないところがたくさんあります。そうすると、地域に直接就職というのでしょうか。入ってくださった方々が、どれだけそこの地域に根づいてくれるかがとても大事になってくるのではないかと思っています。
一度やはり現場を離れると、再就職にはハードルが高いです。これもデータが出ていたとおりだと思います。ただ、転職していく離職者が少ないほうがいいと本当に思っております。退職理由の一番がやはり子育てになっておりました。一時的な離職があっても早期に復職できるためには、子供を見てくれる環境の整備、特に病児ですね。あとは学童になってから、小学校に入ってから短時間にしなければいけないとかということもなく、そういうときに安心して預けられる環境づくりがまず必要だと感じております。
また、50代以上になりますと、親の介護にかかるために介護施設とか福祉との連携ができているような医療の病院ですとか訪問看護ステーションだとか、そういうところの支援が充実している地域の社会復帰、仕事復帰を検討している方々が本当に多いです。
私も今、現場で見ていますと、30代は保育所の近くでの時間外勤務がないことを希望して働いております。50代後半のスタッフは、地方に住む親の介護のために連休が取れるかどうかということを一つのテーマとしてステーションを探しておりました。
やはり再就職で地域とか介護系にスイッチしていくためには、不安の軽減のための職場体験の研修も非常に大事だと思っています。そのためには、先ほど出向の事業のこともありましたし、それから非常にすばらしいなと思ったのですけれども、ハイブリッドで病院にいるときから地域に出向いたり、研修をしていったり、体験をしていく研修というのは非常に大事ですし、それらをほかの地域でもできるようにしていければすばらしいと思ったのですけれども、今、申し上げましたとおり福利厚生の充実は本当に大事だなと思いました。特に過疎地域とか訪問看護、特に小規模のステーションになりますと、一事業所の力だけではできないことがたくさんあります。子育て中の支援とか、介護に係る福利厚生などはやはり地域全体で支える工夫というものがどうしても必要になってくるのではないかと思います。
先ほど賃金の話も出ておりましたが、訪問看護ステーションのパートの時給も非常に差が大きいなと実感しております。地域差だけではなく、同じ地域の中の事業所で非常に差があるんですね。私は今、北海道におりまして、札幌のほうに4月から仕事を移してみたのですけれども、それまでは地方のほうにもう少し離れたところにおりました。本当にこんなに差があるのかというくらい、大きな働き方の違いや、それから賃金の違いがありました。雇う側としては、雇用範囲内で働く非常勤に高い賃金を提供すると、パートさんとかですと雇用範囲内になってしまうと勤務時間が短縮されてしまうので、行ってもらえる訪問件数も制限されるということになると、さらに人が必要になってしまいます。
地方では、特に賃金を上げると常勤看護師も雇わなければいけなくなってくると、こういう悪循環が生まれてきているのも確かかなという気はしております。そこのバランスは非常に難しいということも実感しているところです。この辺も、やはりステーションだけでは解決ができないこと、それから特に小規模のステーションが多いと、欲しくても人が集まってこないという現状も出てくるのではないか。そうすると、大規模のステーションにみんな流れてしまうような傾向も見えてきていまして、これも少し危惧しているところではあります。そういうことも考えますと、やはり地域も含めて全体で支援していく、病院との連携を考えていくということも必要になってくるのだろうと思っております。
あとは、先ほど補助者の話も出ておりました。介護福祉士さんの話も出ておりましたが、これも例えば施設で働いていた介護福祉士が病院で勤務になったときに、非常に退職率が上がってしまったり、やる気をなくしてしまったという声も聞かれております。
なぜそれが起きるのかというと、先ほどのほかの一般で入ってきた方との差というものもありましたけれども、やはり活用の方法というのでしょうか。その方が今まで持ってきたキャリアだとか、生かし方を考えて働いていただくということも、病院の中で補助者を雇われたときには考えていかなければいけないのかなと思っています。
名称のこともありますが、看護補助者というよりも入院している患者さんのためにどういうようなケアがそこに必要なのかというような立場で、そういうような名称で動いていただけるような形を取っていかないと、これも看護補助者さんたちを病院に雇われたときにはまた問題になってくるのかなということも感じております。
以上になります。
○小野座長 どうもありがとうございました。
それでは、春山先生、お願いいたします。
○春山構成員 ありがとうございます。
看護職員の確保策につきましては、国の方針を受けて都道府県に中心的責務があると思いますけれども、これまで都道府県単位の需要供給の現状であるとか見通しが国からデータとして示されても、そのデータではどこに課題があるのかが見えにくく、課題がないように見えるようなところもあり、これまでの会でもお話しさせていただきましたけれども、二次医療圏ごとに分析が必要で、それによって各都道府県はどこをターゲットにしてどのようにという、実効性の高い施策を考えられると思っています。
その意味で、今回26ページから示していただいた都道府県内における二次医療圏ごとの領域別就業者数の比較、このようなデータは非常に重要かつ有用であると私は考えます。もちろんこのデータはパーセンタイルということで、日本全体の供給数の評価であるとか、領域別については圏域ごとの施設数の影響ですとか、それから人口構造の変化がこれから各圏域でどうなっていくのかというようなところも考慮しなければなりませんので、即このデータでということにはならず、慎重な解釈というのは必要かと思いますけれども、こういったデータを都道府県に提示することはとても大事であると思います。
復職支援につきましては、就職率を上げているような復職支援に取り組んでいる取組を見ますと、地域密着型というような話が最初のほうにありましたけれども、子育てや介護をしながら自分の生活圏域の中で仕事に復帰したいというような方が多く、実習等の段階からマッチングを意識して、フォローなどもして、丁寧に支援をする中で復職を実現させているなと感じています。今回も好事例が挙げられていますが、もしもこういった取組を看護養成所や医療機関などに広げていくとすると、その取組には人やお金も必要になりますので、そういった手引というようなものがあると、そしてそれに基づいて都道府県にきちんと事業を組み立てていただき、委託できるというような仕組みができると、より実効性が高まるのではないかと思いました。
最後に、離職防止というところが本当に各施設においては切実なことだと思うのですけれども、看護職としてのキャリアをつなぐということも大事ではないかと思っております。そのためには、やはり自施設がよければいいということではなくて、都道府県単位などで既にそういうネットワークを持たれているところも多いのではないかと思いますが、管理職同士がネットワークを組んで、募集の状況とか、退職の状況とかを共有し合って、看護職個人にとってみればキャリアがつながっていく。そして、中間的なマクロで見れば都道府県として離職者がなく看護職が確保されていくようにすることも一つの方策として考えられるのではないかと思いました。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
それで、玉井先生、お願いいたします。
○玉井構成員 まず領域別のところですけれども、訪問看護ステーションはとにかく小規模事業所が多く、人材育成に十分な時間や人員をまず確保することが難しい状況にあります。
また、訪問看護では看護師が一人で利用者宅を訪問し、その場で判断、対応する場面が多いため、不安を感じて就職をためらう看護師が少なくありません。そのため、小規模事業所でも就職後、働きながら研修を受講できるオンライン研修等の教育環境の整備に加え、同行訪問をはじめとして実践的な教育体制を充実させるということが重要と考えます。
また、管理者や中堅看護師に教育負担が集中しないように、教育担当者としての研修受講支援や研修環境、例えばICT機器の整備など、補助などの支援が必要かと感じます。
こうした資質向上に向けた取組は、令和8年度の介護報酬改定における処遇改善加算の要件の一つとして資質向上やキャリアアップ支援と合致するものであり、人材の定着にもつながるものだと思います。
また、先ほどから皆さんが言われていましたけれども、訪問看護ステーションには病院勤務を経て入職する看護師が多いことから、病院勤務の段階で訪問看護ステーションへのローテーション研修や短期研修を組み入れるなど、身近な選択肢として考える機会を設けることが必要かと思います。
また、求人・求職者のミスマッチの件ですけれども、ナースセンターの相談では日勤のみ短時間を希望する看護職が多い一方で、求人側ではやはり夜勤を採用条件としている場合が多く見受けられます。特にブランクのある看護職は求人に「夜勤あり」と記載されているだけで応募をためらうケースも大変多くあります。そのため、最初から夜勤を前提とするのではなく、日勤から段階的に勤務に慣れていく仕組みや、ジョブ型の働き方とか処遇など、多様な採用方法について求人側の理解を促すことが重要と考えます。採用担当者を対象とした研修を充実させて、求人のときから採用、復職後の定着支援まで一貫した取組として考えた人材確保の視点を広げさせることが必要かと思います。
また、ナースセンターでは復職支援研修やインターンシップなど、安心して復職するための丁寧な支援を行っているわけですが、あまり十分に知られていないという現状があります。資料の31ページにもありましたけれども、離職期間が長くなるほど復職への意向は低下する傾向にあります。とにかく潜在化させないことが重要と考えます。離職後、早期から相談や研修につなげる仕組みとともに、SNSとかを若い方とかはいろいろ見ていますので、そういった方法でナースセンターの周知を一層広めることが必要と思います。
それからもう一つ、現在、努力義務となっている離職時の届出というものがございます。これは、退職後も継続して情報提供や相談支援を受けられる仕組みとして、離職時に届けるのをより一層活用が進むように、努力義務ではなくて義務化を含めて制度の在り方を検討していただければと思います。こうした取組が看護職の潜在化を防ぎ、人材確保につながるものと考えます。
○小野座長 どうもありがとうございました。
それでは、髙野参考人、お願いいたします。
○髙野参考人 ありがとうございます。
地方行政の立場から意見を申し上げます。
看護職の確保につきましては、今後の訪問看護ニーズの増加や病院における夜勤従事者の確保に向けて必要な看護職員の総数をしっかりと確保していくことが重要と捉えております。
本県におきましても、修学資金の貸与のほか様々な取組を行っておりますが、潜在看護師の復職支援についてはナースバンク登録者の再就業が年間で三百数十名程度となっており、今後さらなる増加を図っていくことが必要と考えております。今回の論点に記載がありますように、より丁寧なマッチングや復職支援については行政とともに各都道府県のナースセンターが協力して担っていくものと考えますので、ナースセンターの強化につながるような支援、好事例の横展開、技術的な助言等をお願いしたいと思います。
また、潜在看護師の復職やリスキリングと合わせて、進路決定前の中高生、さらに小学生や保護者などを対象にした取組も重要と考えます。
最後に、人材の確保定着には勤務環境の改善、処遇の改善も重要な要因となりますので、取組を進める医療機関、都道府県への継続的な支援をお願いいたします。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
では、お待たせいたしました。江澤先生、お願いいたします。
○江澤構成員 ありがとうございます。
それでは、意見を申し上げます。
まず、新たな地域医療構想においては、ガイドラインにおいて2040年の必要病床数が示されたところであります。ざっくり言いますと、2025年の必要病床数と比べまして急性期の病床数が半減、包括期の病床数がこれまでの回復期の病床数の倍増となっておりまして、看護職員の配置も急性期は減少、包括期は倍増という形で目指す配置が求められると思っています。
したがって、必要病床数に応じた看護職員の配置や業務内容が見合っていくことが求められると思っています。特に包括期においては多職種協働が重要となりますので、そういった働き方についてもいろいろ変化が生じるものと思っています。
また、2028年度までに、2040年に担う医療機関機能を全ての医療機関が報告することとなりますので、入院医療については必要病床数や医療機関機能報告を踏まえて看護職員の配置を検討することが必要と考えます。
一方で、在宅医療については都市部、特に大都市部では急増する一方で、人口5万人未満の市町村においては高齢者人口が減少し、在宅医療の需要がピークアウトしている地域も増えつつあります。特に地方都市や人口過疎地域では一軒一軒の訪問が困難となっており、訪問診療や訪問看護のニーズを介護保険施設が代替して機能を果たしていることは留意すべきと思います。すなわち、高齢者人口当たりの訪問件数はそういった地域では少ない一方で、介護保険施設の定員は多い傾向にあります。また、こういった地域の実情に応じた看護職員の配置は検討せざるを得ないと思います。
また、一方で都市部では訪問看護の過剰配置の地域も一部ありますし、訪問看護ステーションは一定程度閉鎖、あるいは休眠の割合があるわけですけれども、その理由として、看護人材の確保と利用者の確保が困難ということが大体トップにきています。そういったいろいろな状況を見ながら、各地域の実情に応じた看護職員の配置をしていかざるを得ない状況にあると思っています。
それから、訪問看護は一人訪問で、病棟のチーム医療に比べてやはり責任が重いということもありますし、当然ながら運転はつきものということもありますので、そういったことを念頭に置いて考える必要もあるかと思います。
いずれにしましても、全体を通じまして大変重要なことは、職員一人一人に本人の意向や目指す方向があって、これらは尊重すべき大変大切なことであります。単なるこまの数合わせは成り立たないということが大前提であって、肝に銘じておく必要があると思っています。
なお、先ほど御意見があったベースアップ評価料について参考までに、200床程度の病院であれば、夜勤手当に充てた金額と同じ金額が看護職員を含む全職員の手当の減じる額と大体同じになるところが多いと思っています。すなわち、看護職員の夜勤手当に1,000円回すと、看護職員を含む全職員のベースアップ評価は1,000円減るということにもなり、なかなか病院の立場からすると夜勤手当を評価したい一方で、難しい状況にもなっています。
次の論点の復職支援につきましては、当院も既に取り組んでいますし、多くの医療機関が取り組んでいると思いますが、ハローワークや看護協会と連携して対象の看護師さんを紹介していただいて、復職を目的としたリカレント教育、あるいは院内見学を行うことによって実際に就職につながっているケースもありますので、いろいろ好事例を集めて拡大していくことも行っていくべきだと思っております。
なお、以前も申し上げましたが、離職あるいは他産業にシフトした看護職員にその理由を伺って対策を講じることも必要ではないかと思っています。
最後に、看護補助につきまして、この検討会は処遇改善以外について議論すると当初から伺っていますが、特に看護補助についてはやはり介護分野の処遇改善がないということが決定的な人材不足につながっています。もちろん、このたびの診療報酬改定のベースアップ評価料で看護補助は5.7%と他職種より評価していただいたことには大変感謝をしているところですけれども、処遇改善の議論は避けて通れない部分ではないかと思っています。
また、山口委員、田中委員もおっしゃっていましたが、看護補助という名称は一刻も早く改めるべきではないかと思っています。今やチーム医療においてはプロフェッショナルな介護職としてチーム医療の一員を担い、活躍が期待されておりますし、そういった実態も相当増えています。むしろ今はそういった方々の働きがないと現場が回らない状況もあります。
私の病院でも、もう二十数年前から病棟において看護師長の下に看護主任と介護主任を配置し、さらには介護リーダーも配置して、介護職員として現場を支えていただきたいという思いを持って取り組んできたところでございますし、そういったことで看護補助の魅力向上やキャリアアップにもつながればと思っております。
私からは以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、この議題に関してはこの辺でと思っておりますが、本日御欠席の新田先生からの御意見も頂戴をしておりましたので、事務局から代読をお願いいたします。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
新田構成員の意見を代読させていただきます。
在宅患者や訪問看護利用者の増加を前提とした議論ですが、私はその一歩手前の入院予防の視点が重要だと考えています。
2040年に向けては、85歳以上の高齢者の救急搬送や入院をできるだけ防ぎ、地域で支える仕組みづくりが求められます。その担い手として、訪問看護だけでなく、多機能化した診療所や地域で活動する看護師の役割が一層重要になるのではないでしょうか。
現在の構想は、急性期医療から在宅への移行が中心に描かれていますが、その前段階である重症化予防、入院予防の機能をより明確に位置づける必要があると感じます。地域包括ケア病棟が病院内で果たしている役割を地域の中で担う仕組みを検討すべきであり、そのための看護職員の確保を検討する必要はないでしょうか。
また、2040年を見据えると、看護師の需要は病院だけでなく地域にも広がります。訪問看護や診療所機能の拡充などを通じて、地域で看護師の活躍の場を広げていく視点が重要だと思います。
さらに、人材確保の観点では、高齢の看護師も含めて長く働き続けられるよう、多様で柔軟な勤務環境の整備が必要です。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
すみませんが、私から一言だけ、看護職員、看護補助者の需給に関しましては介護職とも重複する部分もあるかと思っておりまして、要は政策を考えるときには介護と看護、看護補助者の部分の需給というか、バランスの取れた対応も必要かなと個人的に思っておりますので、その点だけ発言させていただきました。失礼いたしました。
それでは、議題の3に移りたいと思います。「看護職員の需要推計について」、事務局から説明をお願いします。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
資料4「看護職員の需要推計について」、説明いたします。
2ページ目、前回の検討会でいただいた主な御意見を紹介しております。
需給推計に当たっては、前回の需給推計の評価が不可欠といった御意見。
新たな地域医療構想との整合性を図る必要があり、これらが看護職員需要に与える影響を適切に反映すべきといった御意見。
訪問看護について、現在及び今後対象となる患者の状態像を踏まえた推計が必要であることや、85歳以上の人口増加に伴う医療ニーズの複雑化・重度化や、患者状態の変化に応じた推計が必要であるといった御意見。
業務効率化や多様で柔軟な働き方の導入など、持続可能な勤務体制を確保することが不可欠であるといった御意見。
DX、ICTによる業務効率化は、導入・効果に地域差・施設差があるため、まず実態把握と効果検証を進めるべき。看護の安全性や職員負担への影響も踏まえ、慎重な検討が必要といった御意見。
育児休業取得者や短時間勤務者の増加も見込まれることから、実人員ベースに加え、常勤換算ベースの推計も必要であるといった御意見。
長期の推計となることから、医療計画の見直しの議論等を踏まえ、途中での見直しが必要といった御意見をいただいております。
3ページ目、前回構成員の方から、前回第8次需要推計の評価が不可欠と御意見をいただきましたので、それを踏まえ、事務局で資料を用意いたしました。
右側、第8次看護職員需給見通しについて、まず需要の見通しは2025年の一時点のみを推計したものとなります。評価に当たっては、需要推計の前提となるパラメーターの妥当性を検証する必要がありますが、そのために必要なデータが現状では十分にそろっていないことから、現時点でその妥当性を検証することは困難な状況です。
一方、供給の見通しは2025年までの各年について推計したものであり、直近の2023年の就業者数と比較すると推計値と実績値は近い水準にあります。
また、参考として、第7次看護職員需給見通しを左側に示しております。推計最終年の2015年では、需要見通しと就業者数の乖離率2.98%、供給見通しと就業者数との乖離率2.36%となっています。
4ページと5ページ目は、前回構成員の方から新たな地域医療構想の整合性を図る必要があるといった御意見や、長期の推計となることから医療計画の見直しの議論等を踏まえ、途中での見直しが必要という御意見をいただきましたので、事務局のほうで資料を用意いたしました。
4ページ目、地域医療構想ガイドラインにつきましては今月3日付で都道府県へ発出をしております。
5ページ目、都道府県においては地域医療構想ガイドラインを参考に、地域の医療提供体制全体の方向性、将来の病床数の必要量の推計等を検討した上で、遅くとも2028年度までに地域医療構想を策定することとしています。
また、医療計画の見直しのタイミングは2030年からの第9次医療計画、またはその先、2036年となりますので、看護の需給推計についても必要に応じて同時期に見直しを行うこととなります。
6ページ目、前回の検討会でお示しした資料の論点を今後の作業に関する方針という形で改めて整理し直したものを提示しております。
1つ目、推計は都道府県ごとに算定し、推計期間は新たな地域医療構想に合わせて2040年頃までとする。
2つ目、推計手法は、医療需要当たりの看護職員数に医療需要を乗じて算出する方法を基に、詳細の検討を進める。
3つ目、推計においては、常勤換算人員数に加えて実人員数も推計する。
4つ目、詳細の検討に当たっては、新たな地域医療構想の取組による効率化効果等を反映する。
5つ目、医療機関における業務効率化や勤務環境改善の取組の進展を踏まえたシナリオ分けについては、本検討会の第5回以降に改めて検討する。
6つ目、都道府県において、将来の看護職員数を推計できるよう、本検討会における議論を踏まえて作成した推計方法を示すとともに、必要な支援を講じる。
以上の方針で推計作業を進めてまいります。
なお、精神医療に関する検討状況等を踏まえ推計の更新を行うこと、さらに医療計画の見直し等を踏まえ、必要に応じて推計の見直しを検討してまいります。
資料4の説明は以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして、御意見のある方がいらっしゃれば挙手をお願いいたします。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
それでは、平山先生、お願いたします。
○平山構成員 連合の平山です。
需要推計の方針について、全体的にはおおむね理解はしております。
1点だけ、業務効率化に関するシナリオは次回以降議論ということですが、前回の検討会で申し上げたとおり、現時点で業務の効率化についての実態把握や、その効果を評価する指標が十分に整理されていないと考えております。業務効率化の内容は多岐にわたり、DXやICTの導入状況や効果にも地域差や施設差があることから、需要推計の前提として業務効率化のシナリオを設定することは現時点では困難ではないかと考えます。
まずは実態把握と効果検証を進め、その上で今後業務の効率化についてシナリオをするかどうかについては検討をするべきと考えます。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでございましょうか。
それでは、別府先生、お願いいたします。
○別府構成員 私は現場で働いていますと、医師の働き方が結構ナースの働き方に影響を与えているということを非常に感じております。例えば、夜勤ですと当直はチーム制になって主治医制ではなくなり、医師たちが当直体制ではなくなって、ナースたちがほとんど夜を預かっているというような働き方になっていて、かなり医師の働き方改革の影響を受けた看護師の働き方の変化というものが起こっているような気がします。
特定行為研修修了者とか特別なナースの活用というのも確かにあるのですけれども、それによる影響というものがどの程度出ているかということのデータがありましたら、次回でも構いませんので少し出していただけたらと思っております。
○小野座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでございましょうか。特に会場、オンライン、御意見ございませんでしょうか。
ありがとうございます。よろしいでしょうか。
江澤先生、どうぞお願いします。
○江澤構成員 ありがとうございます。
以前要望させていただきましたが、これから病床再編、あるいは医療機関の再編が2040年に向けてかなり刻々と行われていくと思いますから、随時需要推計も見直していただければと思っています。
そして、今の御意見にも関連いたしますが、医師の偏在・確保対策として大学病院や急性期の病院から、過疎地域に医師を派遣する取り組みも進められていますが、これは医師一人が行って何でもできるわけではなくて、必ず看護師さんたち、あるいは事務職員さんたち、場合によってはリハビリ職員さんたちもいないと医療というのは成り立たないわけです。
したがって、ここもそういった医師偏在・確保対策、あるいは医療の提供体制に関わる部分も少し考慮していく必要があるのかなと思っております。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
ほかは御意見いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
ありがとうございます。
先ほど平山先生がおっしゃった件に関しましては、次回の資料の出方でまた御意見をいただくということでよろしいですか。取りあえずここに書いてあることに関してはということで、ありがとうございます。
それでは、先生方から今、御発言いただいたところですけれども、大体こちらの方針として書いていただいていることに関しましては、先ほどの御意見も踏まえて資料とかを検討していただくということでおおむね御異論はなかったと思っております。事務局のほうでそちらの進め方でやっていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思いますが、先生方、そういうことでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。先生方、御協力いただきましたので、少し早めでございますけれども、本日の議論はここまでと思っておりますが、失礼しました。文科省の方から御発言があるそうです。
○松本文科省高等教育局医学教育課企画官 最後の閉めるところの直前ですみません。文科省の企画官でございますけれども、先ほど園田先生からありましたサテライトの事例をということだったのですが、今年、厚労省の看護課さんでやられている人口減少社会の看護師等養成所における遠隔授業推進支援事業の中で、サテライトの事例も遠隔の支援の対象になっていると思うのですけれども、その事業の中で実施状況であるとか、課題のまとめや事例集の作成もいただくということになっていたと思います。そういうところからもまたデータというか、事例が出てくるかと思っておりますので、そういうものと合わせて今後の参考にということになるかと思います。
以上になります。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、予定の時間より少し早く終わっておりますけれども、本日の議論はここまでにしたいと思っております。本日いただいた御意見等を参考にして、今後とも議論を進めてまいりたいと思っております。
事務局のほうから、何かございますでしょうか。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
本日も、活発な御議論を賜りありがとうございました。
次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたしますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
○小野座長 それでは、これで終了いたします。どうもありがとうございました。
構成員の皆様におかれましては、本日は御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。
本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
議事に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
事前に議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿、座席表のほか、資料1、資料2、資料3、資料4を配付いたしておりますので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
本日は、大鳥構成員、新田構成員、平原構成員から欠席の連絡を、古元構成員、松原構成員から遅れての御参加となる旨の御連絡をいただいております。
また、オブザーバーとして、文部科学省高等教育局医学教育課の松本企画官に御出席いただいております。
なお、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○大河内課長補佐 それでは、以降の進行は小野座長にお願いいたします。
○小野座長 おはようございます。よろしくお願いいたします。
それでは、まず議事に入ります前に、代理の出席についてお諮りをいたします。
本日は、日本訪問看護財団の平原構成員の代理として事務局次長の大竹参考人、福島県保健福祉部の風間構成員の代理として福島県保健福祉部医療人材対策室長の髙野参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(構成員、異議なし)
○小野座長 ありがとうございます。それでは、議題に入りたいと思います。
議題1「これまでの御意見のまとめと今後のスケジュール」につきまして、事務局からの御説明をお願いいたします。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
資料1「これまでの御意見のまとめ」について御説明いたします。
こちらは、前回構成員の方から、これまで各回で出された意見を整理して積み上げていくべきと御要望いただきましたので、それを踏まえて事務局のほうで作成いたしました。この資料につきましては、次回以降も今回いただく御意見も追加の上、参考資料として提示していくことを考えております。
資料1の説明は以上となります。
続けて、資料2「今後のスケジュールについて」を説明いたします。
こちらは、前回、構成員の方から残りの検討会で何を議題とするのか、全体像をまず示してほしいと御要望いただきましたので、それを踏まえて事務局で作成いたしました。議題については、本検討会「開催要綱」に記載の検討事項及び第1回検討会資料4で提示した「看護職員の養成・確保に関する論点(案)」より記載しております。
第1回から第3回の列の丸はこれまで議論した項目、第4回の列の丸は今回議論する項目、第5回、第6回以降の列の丸は今後議論予定の項目となります。
なお、議論が十分ではない論点については回を改めて議論を行うことを考えております。
資料2の説明は以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
ただいま、事務局からこれまでの御意見のまとめと今後のスケジュールについて説明がありました。これより御質問、御意見等を賜りますが、本日は構成員の方が多数お集まりですので、大変恐れ入りますが、各議題の発言についてはそれぞれ2分以内で御発言をいただければと思います。2分を守っていただけますと、必ず時間内に終えることができるかと思います。各委員の発言時間を公平に確保する観点もございますので、おまとめいただいた上で御発言いただきますようよろしくお願いしたいと思います。
まず最初に、本日御欠席の新田構成員からの御意見を頂戴しておりますので、事務局からの代読をお願いいたします。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
新田構成員の御意見を代読いたします。
網羅して意見を出していくのは重要ではあるが、さらに整理したものを出していただければ。
今後、検討会のまとめに向けて、これまでの意見をまとめていく必要がある。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、お集まりの先生方から御意見をいただきたいと思います。挙手をお願いいたします。
それでは、秋山先生、お願いいたします。
○秋山構成員 ありがとうございます。
資料2について1点質問します。前回お願いした意見のまとめと、今後のスケジュールを資料として提示いただいた点につきましては感謝申し上げます。ありがとうございます。
ただ、何度も繰り返し述べておりますように、これらを議論する順番が肝要だと考えています。
そこで、この議論の順番についてですが、資質の議論をまずやって、その後に実習を含む基礎教育の在り方、その後に新人研修を含んだ生涯教育という順番で議論していくという予定で間違いないでしょうか。確認させてください。
○水谷看護職員確保対策官 事務局でございます。
資料2の注に記載のとおり、資質の議論を踏まえて議論することとしております。
以上です。
○小野座長 よろしいでしょうか。
○秋山構成員 順番については考慮しないということでしょうか。
○水谷看護職員確保対策官 順番は資質の議論をして、その後、基礎教育等の議論をするというふうに認識しております。
○秋山構成員 ありがとうございます。
○小野座長 ありがとうございました。
ほかの先生方から御意見はいかがでございましょうか。
では、鎌倉先生、お願いいたします。
○鎌倉構成員 秋山構成員の意見とも少し重なるかもしれませんが、資質能力の議論が2回、3回で終わるような形になっているのですけれども、そうしますと資質能力の今まで出てきた意見というものが割と結論に向かって詰めていくというよりも、ばらばらとそれぞれの意見を網羅的に出していくという方向になっているのですが、何か次の形にいくために結論というのか、方向性というか、そこまで議論できればありがたいなと思うのですが、その辺りの方針はいかがでしょうか。
○小野座長 事務局、いかがでございましょうか。
○水谷看護職員確保対策官 事務局でございます。
一番下の※の2つ目にあるように、「議論が十分でない論点については、回を改めて議論を行う」という整理にしておりまして、改めて資料を整えた上で第6回目以降に資質についての議論は提示しようと考えております。
丸の意味の説明が不十分だったかもしれませんけれども、第6回以降の列で(1)の「今後の看護職員に求められる資質について」のところに丸をつけておりますが、回を改めて議論ということで丸をつけているという意味になります。
○小野座長 鎌倉先生、よろしくお願いします。
○鎌倉構成員 構成は了解いたしましたが、6回以降となると資質の論議が最後という形になってくるのではないかと思うものですから、それをちょっと危惧いたしました。ありがとうございました。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、オンラインの樋口先生、お願いします。
○樋口構成員 よろしくお願いいたします。樋口です。
今のお二人の構成員の先生方とほぼ似てくるのですが、この表を見たときに、私もこの看護師の資質について、6回目以降に丸がついているということは、これまで第5回で検討してきたものが資質の向上に全て関わってくるものだと思うので、6回目以降に資質に関して検討していくときには、今までの議論で出てきたことを全て加味されるような形で資質の向上について検討ができるようにお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○小野座長 ありがとうございます。
では、園田先生、お願いします。
○園田構成員 資質に関する議論はもちろん大事だと思うのですけれども、この資質がどの時点で求められる資質なのかというのがはっきりしないと、例えば既に学生時代にあらゆる資質を備えるべきなのか、それとも例えば資格を取った時点、あるいは5年、10年たった時点で十分備える資質なのかというのがちょっと曖昧なので、そこを詰めていかないと非常におかしなことになるのではないかと思います。
特に、例えば学校を卒業してすぐ訪問看護ステーションで訪問看護師としてやっていく資質も欲しいという意見もあったかと思いますけれども、実際に卒後すぐに訪問看護師として入職される方もそれなりにおられ、最近多いと聞いておりますが、ただ、どうもいろいろお話を伺っていると、そういう方々は1年、あるいはもう少しの間にほとんどの人が辞めてしまうというお話も聞きました。
ですから、その辺の実態もきちんと調べた上で、実際に卒業して資格を取った時点で訪問看護が本当にできているのかというところも裏づけとしてないと、今まで言った資質の議論がちょっと宙に浮いてしまうのではないかと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、オンラインですが、玉井先生、お願いいたします。
○玉井構成員 確認ですけれども、私も資質とか基礎教育のことは十分に議論がされ尽くしていないと思うのですが、第7回までは開催ということで御提示があるのですけれども、この検討会自体は第何回までやられるということか、確認したいので、よろしくお願いします。
○小野座長 では、事務局からお考えをお願いします。
○水谷看護職員確保対策官 まずは年内の取りまとめを目指しておりますけれども、もちろん議論の進捗状況によってそこはさらに議論が必要であるということであれば回を重ねるということになると思います。
○玉井構成員 了解しました。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、別府先生、お願いいたします。
○別府構成員 これからの地域医療構想のことを考えると、他の先生方がおっしゃっているように、訪問看護で卒後すぐに働く人は非常に多くなると思っています。先ほどの資質の話にも出てきましたが、訪問看護ステーションでの育成はもう当然のこと思います。病院という形だけではない、地域で育てる看護師、それをどのように育成するのかということも含めてここで検討できたらと思っております。
○小野座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
それでは、田中先生、お願いします。
○田中構成員 ありがとうございます。
この会議のタイトル自体が、看護職員の養成・確保の在り方に関するということですので、養成側にすごく重きを置いて検討したいというふうに考えられる委員の先生と、私どものように現場で本当に看護師さんの数が逼迫しているような病院や施設の立場から出席をしている委員の先生方は、確保の在り方のほうに少し軸足が向きがちなのかなと思っております。
ですので、それを一つの会議で話し合っていくことの困難さをここまでもすごく感じていたところなのですけれども、今までの先生方がおっしゃったように、その資質のところのタイミングというか、時間軸のところも少し明確にしながら議論を進めていかないと、看護師さんになるところまでなのか、なられてからなのか、なられてまたしばらくたってからのリスキリングのところについて少し2040年に向けてやっていくのかというところがかなり散漫になっていると思いますので、まず議論の集中のところに事務局の皆様には少し目印というか、立てていただけたほうがいいかなというふうに御要望申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
○小野座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでございましょうか。この件に関してはよろしゅうございますか。
ありがとうございます。それでは、いろいろな先生方から御意見がありましたので、またその辺りをきちんと踏まえていただいて今後の議論に資するように事務局のほうにはお願いしたいと思っております。ありがとうございました。
それでは、次の議題に入りたいと思います。議題2は「看護職員の確保策について」ということとなっております。事務局のほうから御説明をお願いしたいと思います。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
資料3「看護職員の確保策について」、説明いたします。
今回は、地域の看護職員の確保策のうち、領域偏在への対応と、求人・求職間のミスマッチの改善、復職支援の強化等となります。
4ページから19ページは、2040年に向けた医療需要と人口動態等の資料となります。これまでの検討会で提示した資料が多く含まれますので、駆け足で説明いたします。
4ページ目、2040年頃に65歳以上人口のピークが到来するということの御紹介。
5ページ目、人口ピラミッドについて、現在の生産年齢人口のボリューム層である40代、50代の方が2040年に向けて65歳以上の層に移っていき、生産年齢人口は逆三角形の形になっていくことの御紹介。
6ページ目、2025年以降の地域別の人口動態は地域ごとに状況が異なっており、生産年齢人口の減少、高齢人口の増加、あるいは減少について地域ごとにかなりばらつきがあるということの御紹介。
7ページ目、全国での入院患者数は2040年にピークを迎えるが、医療圏ごとに進行の程度にはばらつきがあるということの御紹介。
8ページ目、外来患者数は既に減少局面にある医療圏が多いということの御紹介。
9ページ目、高齢化の進行を受け、在宅患者数は多くの医療圏で2040年以降にピークを迎えるということの御紹介。
10ページ目、85歳以上の人口の増加に伴い、医療と介護の複合ニーズが一層高まるということの御紹介。
11ページ目、高齢化の進行を受け、訪問看護の必要量については2040年以降にかけて多くの医療圏でピークを迎えるということの御紹介。
12ページ目、2040年に向けた地域医療構想の取組の御紹介。
13ページ目、就業看護職員数について、これまで増加を続けており、特に45歳以上の層が増加していることの御紹介。
14ページ目、年齢階級別の看護職員の就業場所について、若い層ほど病院で就業する割合が高く、年齢層が高くなるにつれ介護保険施設等で就業する割合が高くなることの御紹介。
15ページ目、若年人口減少のスピードについて2020年との比較で全体の減少率が2030年8.8%、2035年18.7%、2040年29%という形で減少していくことの御紹介。
16ページ目、55歳以上の看護職員について、年々増加を続けていること。また、50代の方の就業意向について非常に就業意欲の高い層であることの御紹介。
17ページ目、「看護職員の離職率の推移」の御紹介。
18ページ目、看護職員の離職理由について。
30代、40代では「子育て」「結婚」「妊娠・出産」、50代、60代では「親族の健康・介護」が多く、ライフステージと密接に関連する傾向があること。また、20代では「自分の健康(主に精神的理由)」が多いといった特徴があることの御紹介。
19ページ目、日本看護協会による2025年調査の結果では、看護職として働き続けるために重要視する項目は「業務や責任に見合った賃金」「休みの取りやすさ」「良好な人間関係」が上位を占めております。
また、希望する働き方では、希望部署での勤務のほか、日勤のみ、週休3日制、夜勤回数等が選択できるなど、多様なニーズに応じた柔軟な勤務形態の要望が高いことが示されております。
21ページから29ページは、「領域偏在への対応」の資料となります。
21ページ目、前回の検討会で提示した資料となりますが、足元の領域ごとの就業看護職員数はいずれの領域においても増加をしております。
他方、訪問看護や介護保険サービス等では2025年需要推計との乖離が生じている状況を示しております。
22ページ目、「領域別の看護職員の求人倍率」について、訪問看護ステーションが4.54倍と最大。このほか、病院、居住系介護サービス、その他社会福祉施設では1.5倍を超えており、高い状況となっています。
23ページから25ページは、各領域における2023年就業看護職員数と、第8次需要推計・前回2025年を対象とした推計との比較を日本地図で示したものです。青色は需要推計に対して充足している状況、黄色及び赤色は不足している状況を示しており、特に赤色は需要推計に対して1割以上不足している状況を示します。
23ページ目、こちらは病院、有床診療所です。地域によって充足状況にばらつきが見られますが、多くの地域で不足のない状況を示しております。
24ページ目、訪問看護領域においては一部地域を除いて全体的に不足している状況を示しています。
25ページ目、介護保険サービス等領域においては半数以上の地域で不足のない状況ですが、1割以上不足の地域も一定数、見られます。
26ページから28ページ目は、さらに都道府県内の二次医療圏ごとの状況を表した資料です。
資料の上段は、二次医療圏ごとで65歳以上人口に占める看護職員数を算出し、全医療圏の分布からパーセンタイルで色分けしており、こちらは赤色系が上位のパーセンタイル区分、黄色及び青色は下位のパーセンタイル区分を示しています。
26ページ目が、福島県の例です。先ほどの日本地図においては、福島県は、病院は充足、訪問看護は特に不足、介護保険サービスは不足を示しておりましたが、二次医療圏別に見ると、病院においては人口が多い県北、県中、いわきでは赤色系、看護職員は全国的に見て高い水準、一方、その他医療圏では黄色、青色と低い水準となっています。
また、訪問看護は県北のみ赤色系、その他医療圏では黄色、青色と低い水準、介護施設等では逆に県北、県中が黄色、看護職員が低い水準、県南、いわき、会津、南会津が赤色系と高い水準となっており、地域ごと、領域ごとに状況が異なっていることを示しています。
資料下段は、二次医療圏領域ごとの年齢構成を把握するため、看護職員数に占める年齢階級別割合を算出し、色分けしたもので、青色、黄色、橙色、赤色の順で割合が高くなります。
14ページで紹介しました年齢階級別の就業場所と同様に、病院では比較的若い層の方が多く従事している状況、介護施設等では年齢層が高い方が従事している状況を示しています。
27ページ目、京都府の例です。先ほどの日本地図においては、病院は特に不足、訪問看護は不足、介護保険サービス等は特に不足を示しておりましたが、二次医療圏別に見ると、病院では人口が一番多い京都・乙訓が赤色系、看護職員は全国的に見て高い水準、その他、中丹を除く医療圏では黄色、青色、看護職員数は低い水準となっています。
また、介護施設等では逆に京都・乙訓が黄色、看護職員数は全国的に見て低い水準。丹後、中丹、南丹が赤色系、看護職員は高い水準となっています。
さらに、下段の年齢構成を見ると、病院に勤務する看護職員のうち、丹後では全国や他の医療圏と比べて45歳以上の層がボリューム層となっており、看護職員の高齢化が進んでいる状況がうかがえます。
28ページ目、広島県の例です。先ほどの日本地図においては、病院は不足、訪問看護及び介護保険サービスは充足を示しておりましたが、二次医療圏別に見ると病院ではいずれの医療圏も赤色系、看護職員数は全国的に見て高い水準、また訪問看護及び介護施設等では一部地域を除き赤色系、看護職員数は全国的に見て高い水準となっています。
29ページ目、ここまでとは異なる領域の事例として「美容領域における看護職員の就労状況について」の御紹介です。
医療情報ネット(ナビイ)等の情報から、美容医療施設に調査した結果、有効回答が得られた968施設では約5,600人の看護職員が就労しており、美容医療分野が看護職員の就業先の一つとなっていることがうかがえます。
31ページから46ページ目は、「求人・求職間のミスマッチの改善(復職研修の強化等)」に関する資料となります。
31ページ目、資料上段、潜在看護職員の属性として、平成30年の推計では30代以降の潜在看護職員が多い傾向があり、40代以降で全体の6割を占めている状況。また、資料下段、潜在看護職員の再就職意向について調査した結果、ブランク期間が長いほど再就職の意向は低くなる結果を示しています。
32ページ目、資料左側のナースセンター及びハローワークにおける求職者の属性については、先ほどの潜在看護職員と同様、40代以降の年齢層が高い状況。また、資料右側のナースセンターにおける求職者の勤務時間の希望について、「こだわらない」が少ない一方、「日勤のみ」を希望する制約のある方が一定数いることを示しています。
33ページ目、看護師等を希望する方の前職種、領域の分布を示した資料です。縦軸が前職種、横軸が希望する職種です。横長の赤枠のところ、看護の職種の中では前職の領域と同じ領域への就職を希望する方が多いものの、前職と異なる領域への就職を希望する方も一定数存在します。
また、縦長の赤枠のところ、看護助手は医療以外の職種からの就職希望者が一定数存在することを示しています。
34ページ目、「求職者の希望領域」について、ナースセンターの求職者届出データを基に縦軸「これまでの経験分野」、横軸「今後の希望分野」との関係性を示したものです。今後の希望分野として、病棟、外来はこれまでの経験分野を問わず、幅広く希望がある状況、また訪問看護や介護施設等については関連分野を経験した場合は特に割合が高い傾向にありますが、その他、未経験の領域からも幅広く一定の希望が見られます。
35ページ目、第2回検討会で提示した資料となりますが、平成30年度の結果で看護職員の就職、転職時の施設規模について、1施設目は200床以上の病院に就職される方が全体の75%、その後、2施設目、3施設目とキャリアを重ねるにつれて同規模、または小規模の病院に加え、訪問看護など、病院以外の領域へ転職する方も見られます。
36ページ目、看護職員に対して転職する上で必要な支援について調査した結果の御紹介です。
調査全対象の回答では、必要な支援として「希望する仕事内容、労働条件等と転職先の条件等をマッチングしてくれること」49.8%のほか、「自身に合ったキャリアプランの相談と実現に向けた支援が受けられること」41.7%、「現にその領域で働く看護職から話を聞けること」26.7%、「当該領域に関する研修や技能訓練を受けることができること」21.2%、「人事交流・出向等により、仕事の体験ができること」20%といった回答が上位を占めており、丁寧な相談、マッチングや職場の体験、当該領域に関する研修等の支援ニーズが高い傾向が見られます。
また、同調査をクロス集計し、病院診療所勤務のうち訪問看護ステーションへの転職を希望する方の結果を中央に、介護保険サービス分野への転職を希望する方の結果を右側に示しています。
いずれも総数と比較すると、各回答項目の割合が高くなっており、転職に当たって、より手厚い支援を求めている状況がうかがえます。
37ページからは、復職支援の取組の御紹介です。
37ページ目、関西医科大学では医療現場を離れた潜在看護師に対して講義と演習、実習による学び直しの支援に取り組んでおり、これまで53名の方が実際に訪問看護ステーションや中小病院などに復職し、活躍していることの御紹介。
38ページ目、各ナースセンターにおいて復職支援研修や就職相談のほか、施設見学ツアーや施設実習を組み合わせた体験型研修などの取組により、効果を上げていることの御紹介。
39ページ目、静岡県においては病院と訪問看護ステーションの看護師相互の出向を促進する事業により、看護師の実践能力の幅を広げる取組を行っていることの御紹介。
40ページ目、訪問看護の現場で働く看護職の方々の声として、事前研修への参加や新人・未経験者は同行訪問から開始すること、未経験技術はその場で支援、相談可能とする体制の整備といった支援が実際の就業や定着には効果的であるといったことの御紹介。
41ページ目からは、看護補助者に関する資料です。
41ページ目、医療機関で勤務する看護補助者は平成26年以降減少しています。
42ページ目、こうした状況の中、看護補助者へのタスクシフト、シェアによる業務効率化が進んでおり、その担い手となる看護補助者の確保が重要となっております。
43ページ目と44ページ目は、大阪府看護協会における看護補助者確保の取組事例です。
資料中央、「取組の背景」にあるとおり、看護補助者については認知度及び仕事内容の認識が低い状況にあることから、入職後のギャップを理由とした早期退職が多い状況となっております。こうした状況を踏まえ、大阪府看護協会で入職前の段階から医療現場での働き方等の説明を丁寧に行うとともに、入職後の定着状況の把握といった取組のほか、44ページ、ハローワークと連携した業界セミナーの実施や求人募集に苦労している医療機関向け研修会の実施に取り組んでいることの御紹介。
45ページ目、令和8年度診療報酬改定において、看護補助者を含め、賃上げ対応があったことの御紹介。
46ページ目、「医療機関の業務効率化・勤務環境改善への支援」について、今般、所要の法改正が行われ、今後効率的に業務を行う環境の整備が進められていくことの御紹介。
以上のような状況を踏まえ、「看護職員の領域偏在・復職支援に関する論点」を47ページにまとめております。
「現状・課題」については、これまで説明した内容を記載したものとなりますので、割愛いたします。
「論点」について、看護職員の確保においては領域ごとの状況の差異とともに、地域の特性や就業状況の違いを踏まえ、地域の実情に応じた対策を講ずることが重要となるが、そのために必要となる支援の在り方について検討を進めるべきではないか。
例えば、ミスマッチを減らすため、潜在看護職員の特性・傾向を踏まえた丁寧なマッチングや復職支援を行うといった方策が考えられるが、そのほかどのような方策が考えられるか。
特に、需要が高い訪問看護や介護施設などの領域においては、当該領域が未経験の方が就業を希望する際の不安を軽減するため、職場体験や当該領域の研修と丁寧な相談・マッチングを組み合わせた支援が有効ではないか。看護補助者への就業についても、同様な支援が有効ではないか。そのほか、どのような方策が考えられるか。
資料3の説明は、以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、先生方から御意見を頂戴したいと思います。お手を挙げていただければと思います。
では、会場のほうからまいります。奥のほうからまいりますので、まず山口先生、お願いします。
○山口構成員 山口でございます。
幾つかあるのですけれども、まず26ページから28ページのところで福島県と京都と広島の傾向の異なる3府県のデータを出してくださっているのですが、この集計された目的と、この会議で提出された目的というのがよく分からなくて、全国でこういう違いがあるとか、こういう傾向があるというようなことでもなく、違いのある3つだったので、これはどのようにこの会議で生かされるのかということをお尋ねしたいのが1つです。
それから、29ページの美容のところですけれども、最近大学を出て直美の看護師さんも出てきているというふうに伺っています。これは1年だけの人数なので、やはり経年変化が分からないと傾向が分からないと思うのですけれども、今後経年の変化というものを見ていかれるおつもりがあるのかということをお尋ねしたいのが2点目です。
それから、26ページのものは日本看護協会でお調べになったということですけれども、これを調べられた対象が転職サイトなどを利用している人も中に入っているのか、そうではない方たちの傾向なのかというのがちょっと分からなかったので、これは秋山会長にお聞きできたらと思っております。
最後に、41ページから看護補助者のことが紹介されていますけれども、私は看護師さんが専門性を発揮する上でも、そして患者が療養する上でも非常に看護補助の方というのは大事だと思っているのですが、この看護補助者という補助という名前を変えないと、なりたいと思う人は、まず補助として働くというようなことに魅力を感じる人はあまりいないと思うんです。ですので、そもそもこの看護補助という名称について検討する必要があるのではないかと思っておりますので、その辺りも事務局としてどのようにお考えかということをお尋ねしたいと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
事務局へのお尋ねがあったと思いますので、それぞれお答えいただければと思います。また、後で最後に秋山先生からもお答えいただきたいと思いますが、まず事務局のほうからお願いしたいと思います。
○水谷看護職員確保対策官 全部で4点、御質問いただいたと思っております。
1点目は、26ページから28ページ目に示しております二次医療圏ごとの就業状況をなぜ今回出したかというお話だったかと思います。これまで厚生労働省のデータとして需要関係、供給関係を出すときは都道府県単位までしか出してこなかったのですけれども、なかなか都道府県単位ですとマクロで見ると人材の充足が進んでいるように見える一方で、現場感覚ではまだまだ看護職員が足りないというお声を聞いておりましたので、そのギャップをもう少し埋める表現を頑張りたいと思いまして、今回初めて二次医療圏ごとのデータを提示させていただきました。
そしで、実際にそれぞれ傾向の違う3つの府県を示しておりますけれども、マクロで見ると人材が充足しているように見える地域であっても、二次医療圏ごとで見ると人材がまだまだ充足していない地域があったり、その逆もしかりですけれども、さらに地域によって確保の事情は異なりますので、確保策を考えるに当たっては、より現場の実情に即した確保策が大事ではないかという問題提起をするために今回、初めて提示したものでございます。
2点目の美容の実態についてですけれども、今回初めての調査の試みになりますので、今後調査をどうしていくか。実態をどう把握していくかについては検討させていただければと思います。
4点目の看護補助者の呼び方については、これまでも同様な問題意識、議論があったと認識しております。この検討会でも、もし何かいい名称の御提案とか、そういうものがあれば御意見をいただければと思います。
3点目の看護職の実態調査のところは、恐らくナースセンターに限らず、調査に協力してくれた医療機関に所属する看護職員の方からの回答かなというふうには想像しますけれども、もし間違い等があれば補足いただければと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
では、3の件は秋山先生から何かございますでしょうか。
○秋山構成員 本会会員を対象に実態調査として行っているものですので、特に除外はしていないと思います。確認して間違いがあれば訂正をいたします。
○小野座長 ありがとうございます。
山口先生、よろしいですか。
では、どうぞ、お願いします。
○山口構成員 各都道府県の傾向ということですが、これは地域医療構想をつくるときに各都道府県にフィードバックされるということでは非常に意味があるかと思ったのですけれども、3県だけ見ても、私たちが議論する上で何に使えばいいんだろうというような気がしましたので、その辺りを明確にしていただければと思いました。
それから、転職サイトはやはり使ったことがある人に聞くと、かなり手取り足取り、それを使いたくなるというようなニーズに合った方法を取られているということですので、どうしてもそちらに流れてしまうのではないかという気がいたしました。それによって病院が確保するのにかなり金銭的にも大変な思いをされているということですので、その辺りは違いみたいなものも明らかにしていくといいのかなと思いました。
○小野座長 ありがとうございます。
では、まず会場のほうからまいりたいと思います。
次は、水方先生、お願いいたします。
○水方構成員 ありがとうございます。水方でございます。
今までのこの資料の中にも示されたように、看護師等養成所は地域の看護職の確保に直結をするという明確な特徴があります。今回の資料の34のところでも、やはり養成所を出た看護師が地域に就職する特徴があるということが示されていると思います。よって、多くの養成所では、地域に暮らしている看護教員が地域から入学した学生を育てて、その学生が卒業後も養成所のある地域に就職し、そこで生活をするというような循環が形成されています。よって、地域で人を集めて育てて地域に送り出すというところで、養成所は地域密着型の看護人材育成機関だと思っております。
そこで、提案なのですが、ミスマッチを減らしたり、潜在看護師をどうするかといったところですが、地方にある看護師等養成所を「都道府県ナースセンターの地域サテライト」のような位置づけのモデル事業を実施してはどうかという提案でございます。養成所は現在でも教育機関としてだけではなくて、高校生や社会人への進路相談を受けたり、潜在看護師の復職支援をしている学校もあります。そして、卒業生のフォローとしてカムバックデーを設けたり、卒業の証明書を取りに来た学生たちに状況を聞いて復職サポートをしたりというような形で、かなり手厚い支援をしていますので、それを強化してはどうかというような提案です。
それによって、地域に既にある教育資源というものを活用して、育てて、つなげて、戻して、定着させるというような看護の人材確保の機能が一体化できるのではないかと思っています。
よって、地域にある看護師等養成所を地域看護人材ステーションのような形として活用するモデル事業についてぜひ御検討いただけたらと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
さっき34ページとおっしゃったのは、今回の資料3の34ページのことですね。
○水方構成員 はい。34ページの左上に「多くは看護師等養成所と同一地域へ就職」「転職時も地域内での転職が多い」とあるところです。
○小野座長 分かりました。ありがとうございます。失礼いたしました。
ほかに会場からいかがでございましょうか。
それでは、向こうから順番にいきまして、別府先生、お願いいたします。
○別府構成員 これからの少子化のことを考えると、ナースを辞めさせないというのが確保としては一番確実な方法かと思っておりますし、現場にいて退職率をどう下げるかということを考えております。
それで、ここのアンケートの中にもございましたように、退職回避のネックになるのは夜勤の存在です。今回の診療報酬の改定でベースアップ評価料が夜勤手当に使えるようになるということで、私どもも非常にありがたいと思って計算をしてみましたところ、1,500円くらいしか上がらないんですね。それで、スタッフに1,500円で夜勤の回数を増やすかと聞きましたところ、1,500円ではちょっと無理ですというような返答がありました。それも、他のスタッフのベースアップ評価料を全部使っても1,500円しか上がらないというようなことだと不公平感が非常に強くなるので実施に踏み切れませんでした。やはりお金のインパクトとしては弱かったなというのが私の感想です。
今後スタッフのライフサイクルの中で、夜勤の人材をどのように確保するのかというのは出てくるのですけれども、やはり賃金を上げていただくというのは最初の基本なのかなと思っておりますので、そこは御検討いただければと思っております。
○小野座長 ありがとうございます。
次はいかがでしょう。
では、平山先生、お願いします。
○平山構成員 連合の平山です。
まず、訪問看護ステーションの人材確保についてですが、有効求人倍率が4.54倍と最も高く、資料の24ページの需要状況においても看護職員は不足している状況が今回示されております。
また、事前の質問で厚生労働省から回答いただいた有効求人倍率の推移では2021年が3.22倍ということで、それが現在にかけてずっと上昇しているということですので、やはり人材確保は年々厳しさを増している状況がうかがえます。
まずは、訪問看護ステーションで人材不足が生じている要因について検討する必要があると思います。特に需要の増加なのか、処遇なのか、勤務形態、業務内容なのか、多面的に分析し、対策を議論できればと思います。
また、29ページには美容領域における看護職員の就労状況も示されておりますが、有効求人倍率の推移などもデータがあればお示しいただきたいと思いますし、もし増加しているのであればその背景も分析いただきたいと思います。
あとは、看護業務補助者についてです。看護補助者は看護職員のタスクシフト、シェアを担う重要な職種ですが、41ページでは平成23年をピークに減少しております。対策を講じるためには、まずは減少要因を把握することが重要です。雇用形態が非常勤や有期雇用が多いということ、または賃金水準が役割に見合っていないことも要因の一つと考えられます。看護補助者の減少要因を分析した上で、必要な対策も検討していく必要があると思います。
あとは、求人・求職者間のミスマッチの改善についてですが、復職支援など資料に載せていただいておりまして、それぞれ一定の効果はあるものと承知しておりますが、復職を希望する看護職員のニーズに応じた支援を充実していく必要があります。そのために、地域医療介護総合確保基金の財源の拡充と、より活用のしやすい仕組みの構築が必要と考えます。
また、今後ハローワークにおける医療介護分野の就職支援についても、取組内容や活動状況についてお示しいただきたいと思います。
32ページでは、求職者の多くが日勤のみを希望していることも示されております。やはり夜勤は離職や復職をためらう大きな要因の一つと考えます。転職に当たり、仕事内容と労働時間のマッチングは最も重要ということが示されておりますので、詳細な内容は分かりませんが、夜勤の負担や勤務条件も影響しているのではないかと思います。夜勤負担の軽減や、それに見合った労働条件の整備についても重要な課題と考えます。
最後に、処遇改善はこの検討会のテーマでないことは承知しておりますが、業務内容に見合った処遇改善はやはり重要と考えます。人材を確保するためには、新たな人材を増やすことに加え、離職防止と復職しやすい職場づくりが重要です。そのためにも、第5回以降、勤務環境についてしっかり議論できるよう、現場実態を反映した資料の御提示をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、大竹参考人、お願いいたします。
○大竹参考人 ありがとうございます。
資料3について、領域偏在の対応として訪問看護の現状について整理をいただき、ありがとうございます。
21ページにお示しいただいておりますとおり、訪問看護については足元値から3万人ほど不足している状況でございます。ここまで別府構成員、平山構成員からも、量的な確保の観点からは処遇がまずもって重要というような御指摘があったかと思いますが、今回資料の19ページ目にも追加いただいておりますとおり、「業務や役割、責任に見合った賃金額である」ということが重要視されておりますし、また、夜間の対応について訪問看護は一人で夜に訪問しなければいけないというような実態もございますので、そういったところも実態の提示をしていただきながら検討できるといいのかなと考えております。
また、そうした観点も重要ではございますが、一方で、量的な確保に加えて質をどう維持向上させていくかという観点も非常に重要だと思っております。24ページにお示しいただいておりますとおり、充足率は全体で0.7台だというような驚異的な数字が出てございますが、そういう中では一定の質が担保された人材も確保していかなければならない。そういう中で言えば、基礎教育も非常に重要ではございますが、現行の基礎教育のカリキュラムでは23単位の実習のうち2単位のみが地域在宅看護実習に割り当てられるなど、なかなか地域に関わる時間を意図的につくれないというような構造になっているところもございます。こういったところも抜本的な見直しをしながら誘導政策を一体的に考えていくべきではないかと考えております。
また、37ページ目に示されておりますリカレントスクールの取組でしたり、40ページ目の右側の事例のようなオンラインでの訪問看護に関する学習のコンテンツ、こういったものをお示しいただいておりますけれども、こういったものは今後ますます拡充が重要になってくるだろうと考えております。
36ページ目のグラフでもお示しいただいておりますとおり、「自身に合ったキャリアプランの相談と実現に向けた支援が受けられること」が転職に必要な支援の第2位という結果につきましては、特に訪問看護においては割合も高くなってございます。
その背景としましては、業界として単独で訪問しなければならないことの不安でしたり、病院に比べて職員規模が非常に小さい事業所でございますので、そういった中での相談支援機能が乏しい懸念など、求職者側も認識をされていてこういった結果になっているのではないかと考えるところでございます。
そうした中では、どういうふうに人材の確保と定着を図っていくか、論点の1と2ポツ目でも提示いただいております支援の在り方についてですが、私どもとしましては訪問看護総合支援センターとナースセンターの有機的な連携を推進すべきではないかと考えております。
地域の中では、例えば鳥取では事業所へのアウトリーチをしながら事業運営の支援をしたり、あるいは徳島などでは新人、新任の育成プログラムといったものを活用しながら、そのプログラムに参加していれば新任同士が集まって意見交換ができる場の設定などをされていらっしゃるというところも実例としてございます。そういう観点では、一体的な支援を進めていく観点で連携をさらに進めていくといったような政策を打ち出すべきではないかと考えております。
最後に、訪問看護につきましては、まずもってマッチングをしていただく関係ではステーションの現場でしたり、体験、雰囲気を感じ取ってもらうということが何より効果的ではございますけれども、こういったところについても40ページ目の右側の事例のオンライン研修、これは平成10年の厚生労働省の「都道府県ナースセンター事業について」の通知に基づいた訪問看護師養成講習会カリキュラムというものがございまして、オンデマンドの教材を当財団でも作成、準備、提供させていただいておりますけれども、実習と一体的になった内容になってございます。
ただ、このカリキュラムも30日ほどを要するようなものになっておりまして、それなりに時間もかかるというところもある中では、いろいろと基礎の教育の内容も見直されてきたところ、通知の見直しもされていないというところもございます。そういった観点では、現状に即した検討もしていただければと考えるところでございます。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
では、次に園田先生、お願いいたします。
○園田構成員 ありがとうございます。
最初に1つ質問させていただきたいのですけれども、先ほど看護師の養成所のサテライト化のお話が出てきたと思うのですが、今日文科省の方がオブザーバーで来られていますのでちょっとお伺いしたいのですけれども、看護師養成所をサテライト化するときに、その親になるというか、核になるところとして大学というのは可能なのでしょうか。そこをちょっと確認したいのですけれども。
○松本文科省高等教育局医学教育課企画官 ありがとうございます。
おっしゃっているのは、大学の看護養成課程のサテライトということだと思いますが、現にそのような概念はございます。サテライトキャンパスと呼んだりしています。それで、専修学校のような都道府県の許可を得た養成所のままというわけではなくて、要は大学として分校というか、サテライトキャンパスという形になるという意味合いでおっしゃっているということでよろしいですよね。
そのような事例というか、形というのはいろいろございます。ですので、今までは看護養成所でした、つまり専修学校、各種学校、いわゆる専門学校等だったというところから、大学のサテライトキャンパスとしてリスタートする形で一緒にやるということは可能ということですね。いろいろ規定とかございますけれども、そういうふうになるということになります。
○園田構成員 そういうサテライト化の流れが出ている中で、大学との関係をつくるという意味での要件というか、手順というか、その辺をもう少し分かりやすく提示していただければありがたいと思います。一旦、完全閉校になってしまった養成所をいろいろな形でサテライトとして利用するのは非常に時間的にも迫っているような形になっていますので、ぜひその辺を見せていただければありがたいと思います。
それから、訪問看護のお話が今出ていたのですけれども、やはり訪問看護の看護師さんというのは非常に厳しい状況で、普通の病棟勤務と比べると非常にいろいろな難しい点を抱えていると思うのですけれども、先ほど資質のお話がありましたが、では訪問看護ステーションの看護師になるための資質というのは整備されているのでしょうか。その特殊性といがいますか、必要な資質ですね。もしそれがまだであれば、ぜひこの会議の中で見せていただいて、どれだけ厳しい状況を求められているのかということを整理していただきたいと思います。
それから、復職に関してハローワークさんが頑張るというお話が出てきたのですけれども、復職に関してもいろいろな資源を持っている医療機関をぜひ活用していただきたいと思います。病院には様々な職種の職員がおります。例えば、いろいろな医療機器であればMEもいますし、お薬の使い方であれば薬剤師もおります。そういう形で、求められれば病院を含めた医療機関はそういう復職の支援をする場として加えていただければ応援できるかと思いますので、ぜひ御配慮いただければと思います。
最後に、処遇に関してはこの場ではいろいろと話はあったのですけれども、先日、病院団体で会議がございまして、その中で看護師さんの復職をすすめる、あるいは看護職への希望者を増やしていくためには一般企業に負けないくらいの処遇が必要だという意見は病院団体の中でも強く出ました。
ただ、このためには病院自体がもう少し余裕を持った経営をしていないとその点は難しいなという意見もありましたので、その点も記録として残していただければありがたいと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
では、小林先生、お願いいたします。
○小林構成員 資料33ページの希望する領域に関してですけれども、これまで経験した領域ほど今後もその領域への就職希望が高い傾向というのが示されております。この結果は、未経験だから希望しないというよりも、経験を通じて専門性や仕事の魅力を実感しているのではないかと思います。そして、その後のキャリア選択にもつながっているということも示唆していると思います。
ですので、就業継続とか領域選択においては、経験だけでなく、やはり専門性を高めたいという志向や、また地域医療、在宅医療の関心といった内発的な動機を持っている看護職の方々も多いですので、ぜひそういったことも踏まえ、また、訪問看護ステーションでは、先ほどからのお話もありますように、かなり労働環境として、厳しいという実態もありますので、勤務時間や家庭との両立など、生活との適合性といったことも含めて、きちんと体制を整えていくことが必要になってくると思います。
今後の対策としては、もちろん職場体験や研修を充実させていくことも必要ですが、病院勤務の段階から、例えば、地域の中で調整して、訪問看護や介護領域を経験できるローテーションの体制をつくるとか、その際には、自分の所属している組織にきちんと籍を置いて、また処遇も担保されることをきちんと整えていくことも必要だと思います。また、人事交流を図ることも、今後のキャリアラダーの中に含めることも必要になると思います。そして、職場環境において柔軟な働き方やDXの活用、またチームで支える体制など、働き続けられる環境整備を一体的に進めていくことが重要だと思います。
また、31ページの潜在看護職員の支援ですが、潜在する方々の特徴を踏まえた対応が必要だと思っています。潜在看護職員を一つの集団として捉えるのではなく、ブランク期間や離職理由など、やはりそれぞれの背景がありますので、それに応じた支援を行うということが重要だと思います。
例えば、今回、示していただいた私どもの研究の中で、育児・介護を理由に就職した方々は、比較的、再就職の意向は高くなっています。しかし、ブランクが長期化してしまうと、再就職の意向は低下してしまうという結果が見られています。 また、復職に際して重視されるのは、給与はもちろんなのですが、それ以上に、柔軟な働き方、人間関係、通勤負担の軽減、非常勤で働けるかどうかといった生活との両立が可能な就業環境を重視しておりましたので、そういったことへの配慮も必要だと思います。
まとめると、潜在看護職員対策においては、離職後、早期からの介入、育児・介護離職者など、再就職の可能性の高い層への重点的支援やブランク期間に応じた段階的な復職支援、また短時間勤務や非常勤を含めた柔軟な雇用形態の整備を整えていく必要があると思います。
以上になります。
○小野座長 ありがとうございます。
では、会場から、影本先生、お願いいたします。
○影本構成員 読売新聞の影本です。
皆さんがおっしゃっていたように、ここの会議の範疇ではないかもしれないのですけれども、やはり処遇というところが看護師も看護補助者も復職なり就職してもらうにはそこが一番大事なのかなと思って聞いておりました。
それで、論点の2つ目のミスマッチを減らすための丁寧なマッチング、復職支援というのは本当に大事だと思うのですが、私も潜在看護師の一人として、民間の職業紹介の事業者がかなり手取り足取りの連絡だったり事業をしている中で、ナースセンターが埋もれてしまわないような、本当に定着に結びつくマッチング支援というのはどうしたらいいのかなとは考えております。
あとは、ブランク期間が長いほど再就職の意向が低くなるというのはすごく面白いなと思って、自分の経験からも本当にもっともだなと思いました。
知識とか技術については関西医大の取組がすごく面白いなと思って、病院という枠を超えて基幹病院が地域の看護師とか潜在看護師の研修を牽引できる仕組みというのがもっと明確に知られれば興味を持つ方もいるのではないかと思いました。
ただ、一方で、知識、技術は何とかなるのかなと思いつつも、時間がたつほどに離れてしまう心、気持ちというところもあって、何らかの方法で細く長く看護職に就いていた人とつながれるような仕組みも必要かなと思い、実際に退職した看護師に研修の情報とかを提供している病院もあって、子育てが落ち着いてきたときに戻ってきてもらうとか、そういう対応もされていると聞いて、何かつながることができないのかなと思いました。
あとは、看護補助者については先日、経験者の方を中心に看護補助者の方の会を立ち上げたということを聞きました。患者の立場からすると、チーム医療を担う一員でもあると思いますし、最も患者さんの身近にいる存在として、今後この会だったりほかのところで教育研修の定着だったりとか、雇用形態とか給与面とか、もうちょっと正面から考える必要があるのかなと思いました。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
では、秋山先生、お願いします。
○秋山構成員 ありがとうございます。
まず領域偏在の対応、訪問看護等についてですが、34ページでは訪問看護、介護施設について業務経験の有無にかかわらず希望者は一定数いるということがデータで示されていますが、22ページにあるように訪問看護分野では4.54倍と高い求人倍率が維持されています。
今回の資料には示されていませんが、ナースセンターで看護職の募集を行う施設数は2020年から2024年の5年間で1.4倍、求人数も同期間で1.3倍に増加していますので、訪問看護を希望する看護職の割合は増加傾向にあるものの、需要の伸びに対して供給が追いついていないという状況なのだと思います。
訪問看護を希望する看護職員の増加に向けては、入職した看護職がその後、安定して働き続けられるように、入職後、一定期間、個別的な相談などの支援も必要だと思います。特に訪問看護は小規模な事業所の割合が高く、入職者への支援体制の整備が困難な状況も想定されます。既に処遇改善や多様で柔軟な働き方の導入、また訪問看護師としてのキャリアパス構築などの働きやすい職場環境づくりに取り組み、看護職の確保、定着に成果を上げている訪問看護事業所も見られますが、ある程度の規模がないと難しいと思います。この点については、厚労省からこの1月に「介護現場の働きやすい職場環境づくりに向けた経営の協働化・大規模化の進め方のガイドライン」が示されていますので、訪問看護においても同様の取組の実現に向けた支援に取り組んでいただきたいと思います。
一方で、地域によっては利用者ニーズなどの面から大規模化が難しく、小規模事業所でやらざるを得ないといったところもあります。その場合も、地域の基幹病院から看護師が出向する仕組みや、基幹的なステーションによるサテライト化などの安定的な体制、人員の確保について支援が必要だと思います。
次に、求人・求職間のミスマッチの改善、復職研修等の強化等についてですが、47ページの論点では求人・求職間のミスマッチ解消の方略について、求職側へのアプローチのみが例示されていますが、ほかの委員からもありましたように、求人側へのアプローチも重要だと考えます。特に求人側へのアプローチとしては処遇改善が重要で、賃金の引上げは言うまでもなく、職員宿舎の整備や入居期間の延長、休暇制度の充実など、福利厚生の充実も処遇の一環として改善の検討が求められると思います。
既に様々な処遇改善の取組によって、看護職の安定的な確保定着に成功している医療機関や介護施設、訪問看護ステーションもありますので、そうした好事例を収集して求人側へ情報提供を行ったり、助言を行ったりするなどの支援も必要だと思います。
論点に例示されている職場体験や研修の実施、丁寧なマッチングや復職支援の重要性など、求職者側へのアプローチについては賛成いたします。
38ページでは都道府県ナースセンターの取組の一部が紹介されていますが、全県で実施された復職支援研修に関する本会の調査結果では、2024年度の実績ですが、未就業者約4,000名が復職支援研修に参加して、そのうち約半数が就業に至っています。潜在看護師の掘り起こしによって地域や分野ごとの偏りを改善し、復職支援を効果的に進めるためには、既に行われている職場体験や復職支援、丁寧なマッチングなどの取組について、予算の確保も含めて大規模に拡充することが必要だと考えます。
また、確保について論じる上ではやはり新たな養成や再就職での人材獲得だけでなく、ほかの委員からも話が出ておりますように、既に働いている職員の定着、離職に至らないための対策についても併せて検討することが重要だと思います。
看護職の離職理由については17ページ、18ページに示されていますが、本会が実施した19ページの調査の結果では、離職を考えている看護職が今の職場で働き続けるために改善してほしい条件の第1位は、仕事に見合った賃金額です。また、昨年度に実施したナースセンター利用者を対象とした調査においても、やはり夜勤手当に関する希望額と実際の支給額との間に大きな乖離が存在するということが明らかになっています。先ほど別府構成員からも「1,500円では…」といった話がありましたが、具体的に申し上げますと、三交代の深夜勤では夜勤手当の平均希望額が1万2000円余りであったのに対して、実際の平均支給額は5,200円弱、二交代制の夜勤においては平均希望額が1万9000円弱であったのに対して実際の平均支給額は1万1000円強という結果でした。
こうした夜勤手当の希望額と実際の支給額の乖離した状況が改善されない限り、現状を変えるほどの潜在看護職の復職を望むことは現実的には困難だと考えます。まずは診療報酬等で原資を確保した上で、業務や専門性、能力や実積に応じて上がっていく賃金体系を導入したり、夜勤を担う職員の負担に見合うように評価を手厚くしたりするなど、個々の医療機関や施設事業所に対して処遇改善に関する相談対応や助言を行うといった支援も必要だと考えます。
看護職員の勤務環境改善については第5回以降に集中的に議論するということですので、今回詳細には言及しませんが、求人・求職間のミスマッチの要因としては、求人施設側が求職者側の事情に配慮した多様で柔軟な働き方を提示できていない側面もあります。求人施設が地域の看護人材の需給状況を把握して、自施設の処遇や労働条件を見直し、人材確保につなげるためのコンサルテーションや情報提供がさらに必要であると考えます。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
会場からほかにはいかがでございましょうか。
では、松原先生、次に田中先生とお願いします。
松原先生、よろしくお願いします。
○松原構成員 ありがとうございます。
今の若者が就職する、転職するとなったら、まず見るのはネットですので、やはりネットの情報というか、そこにアクセスするということを前提にして、きちんといい機関に行けるようなつなぎをよくするというのが重要なのだろうと思っています。
ハローワークは就職、転職で検索した場合、上位や中位には入ってこないため、いかにネットのほうで国がネットワークをつくっていくのか、先ほどお話があった養成校にもちゃんとつながっていく仕組みづくり、プラットフォーム構築が非常に重要だと思っています。
2点目は、マネジメントの強化です。看護師さんが働きやすい職場づくり、例えば30代、40代の離職理由のトップが子育てなのですけれども、子育てに対する国の制度が整ってきてはいるので、あとは事業者側がしっかりと子育てしやすい職場環境をいかにつくっていくかが重要になってきますし、心理的安全性の確保はじめ、マネジメント強化が重要だと思います。
3点目はやはり処遇改善で、報酬を上げるのは当然必要ですけれども、それだけではなくて例えば看護師さんの子供が地域の大学に行くのであれば教育費を全部無料にするとか、抜本的な国を挙げてフロントラインで働いている方々を支援するんだという姿勢を示すことで、こういう業界で働くのはいいよねと思ってもらうイメージアップ作戦が重要だと思います。
最後に、地域に病院があるというのは非常に重要で、病院があるからこそ人は安全に暮らせるので、地域財産として守らなければいけないのですけれども、一方で85歳以上が増えれば自分で病院に行くということが難しい。通院が難しいとなっていくと、医療提供体制に変化が生じざるを得ない。そうしますと、訪問看護師の養成の質と量と両方確保していくことが重要だと思います。
以上です。
○小野座長 ありがとうございます。
では、田中先生、お願いいたします。
○田中構成員 ありがとうございます。
私からは3点ほど、手短に申し上げたいと思います。
23ページの部分ですけれども、病院や施設は訪問看護と違い、配置基準を満たすためだけの看護師数の確保というのは必須です。基準が満たされていなければ、病院の運営方法を変えなければならないので、そのために基準値で見ればある程度充足しているように見えるかもしれませんが、現場では配置基準数のみの看護師さんでは潤沢な有給の付与や急な休みへの対応は困難で、なおかつ多疾患併存の要介護高齢者の方が多く入院する現在の事情の中で、看護力は以前以上に内容が濃くなり、どこの病院施設も過剰配置を行っています。
その数値と比べれば看護師数は不足しており、この表はいろいろ注釈もついておりますけれども、この表だけを見るとミスリードになりかねないかなと思っています。実際に基準を満たせずに病棟を開けられない病院が山間過疎地では一定数あることも共有すべき内容と考えます。
一方、私どもも行っておりますが、訪問看護の看護師さんの育成方法として、病院とのハイブリッド勤務を実施しています。これはナースだけでなく、退院後の患者さんの在宅生活の定着にもある程度有効であることをお知らせしたいと思います。
次に介護施設の立場から申し上げると、老健は常勤医師がおりますが、その他類型の介護施設では医師が常駐しないサービスがあります。よりアセスメントや臨床推論が行える看護師さんが若手介護スタッフを教育する役割も持って多職種協働してくれると大変助かります。臨床経験が長く、ある程度の判断ができるような急性期病棟経験者や、ベテラン看護師等の勤務地として活用できることを広く周知していく方法を考える必要があると思います。
最後に、病院では国家資格である介護福祉士を一定数、病院に配置しておりますけれども、一般の方の看護補助という名称、イメージを超えて彼らは専門性を持って就労しており、当たり前ですけれども、介護施設で働く介護福祉士と何ら変わりはありません。立場がダブルスタンダードになっているので、先ほど山口委員がおっしゃったように、時代のニーズに合わせてそろそろ名称の検討、あるいは立場の検討というものを行っていただけるよう、強く要望したいと思います。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、オンラインのほうにまいりたいと思います。お待たせいたしました。
まず、古元先生からお願いいたします。
○古元構成員 ありがとうございます。
では、1点だけ、私は意見を申し上げたいと思います。
本日のデータでは、訪問看護や介護施設での勤務に興味があるにもかかわらず、なかなか一歩を踏み出せない方がいるというふうにお見受けしております。ほかの委員の方からも言及がありましたけれども、例えば39ページのナースセンターの取組であるとか、40ページの静岡県の出向事業、41ページの事業所における取組など、こういった取組をさらに広く進めていくことが大変重要であると考えます。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、樋口先生、お願いいたします。
○樋口構成員 よろしくお願いいたします。
今までの先生方と重複するところもあるのですけれども、私は今、訪問看護の現場で働いておりまして肌で感じていることもここでお伝えしたいと思っております。
今までの資料にお示しいただいたとおり、年代的な離職の理由は本当に18ページでしたでしょうか、示されたとおりだと思っております。ライフサイクルを考えても、その年代、年代で様々な理由があるのは本当にそのとおりです。
そして、卒後は大きい病院とか、救急のあるような病院とか、それから転職とともに規模の小さな病院とか外来、そして訪問看護に変わっていくという結果も肌感で感じております。
ここで、データがなかったのではないかということで1つお聞きしたいことがあるのですが、看護師がこのように年代とともに再就職をしていくときに、働くこの地域、要は地域への流出もあるのかどうかというところに関しましてデータがおありなのかどうか、1つお聞きしたいです。そこからまた意見を言いたいのですけれども、いかがでしょうか。
○小野座長 事務局、いかがでしょう。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
今、御指摘のあったようなデータにつきましては、事務局のほうでは現在持ち合わせていない状況でございます。
○樋口構成員 ありがとうございます。
いろいろ御意見があったとおり、本来でしたらライフスタイルが変わっても退職という選択ではなくて、同じ職場とか同じ地域に居続けてもらえることが一番だと思っています。
ただ、転職というのでしょうか、最初の就職にやはり大きい病院、200床以上の病院に勤めて、その後、転職とともに小さな病院に行くということを考えたときに、卒後すぐに勤める200床以上の病院というのはほぼ地域にないところがたくさんあります。そうすると、地域に直接就職というのでしょうか。入ってくださった方々が、どれだけそこの地域に根づいてくれるかがとても大事になってくるのではないかと思っています。
一度やはり現場を離れると、再就職にはハードルが高いです。これもデータが出ていたとおりだと思います。ただ、転職していく離職者が少ないほうがいいと本当に思っております。退職理由の一番がやはり子育てになっておりました。一時的な離職があっても早期に復職できるためには、子供を見てくれる環境の整備、特に病児ですね。あとは学童になってから、小学校に入ってから短時間にしなければいけないとかということもなく、そういうときに安心して預けられる環境づくりがまず必要だと感じております。
また、50代以上になりますと、親の介護にかかるために介護施設とか福祉との連携ができているような医療の病院ですとか訪問看護ステーションだとか、そういうところの支援が充実している地域の社会復帰、仕事復帰を検討している方々が本当に多いです。
私も今、現場で見ていますと、30代は保育所の近くでの時間外勤務がないことを希望して働いております。50代後半のスタッフは、地方に住む親の介護のために連休が取れるかどうかということを一つのテーマとしてステーションを探しておりました。
やはり再就職で地域とか介護系にスイッチしていくためには、不安の軽減のための職場体験の研修も非常に大事だと思っています。そのためには、先ほど出向の事業のこともありましたし、それから非常にすばらしいなと思ったのですけれども、ハイブリッドで病院にいるときから地域に出向いたり、研修をしていったり、体験をしていく研修というのは非常に大事ですし、それらをほかの地域でもできるようにしていければすばらしいと思ったのですけれども、今、申し上げましたとおり福利厚生の充実は本当に大事だなと思いました。特に過疎地域とか訪問看護、特に小規模のステーションになりますと、一事業所の力だけではできないことがたくさんあります。子育て中の支援とか、介護に係る福利厚生などはやはり地域全体で支える工夫というものがどうしても必要になってくるのではないかと思います。
先ほど賃金の話も出ておりましたが、訪問看護ステーションのパートの時給も非常に差が大きいなと実感しております。地域差だけではなく、同じ地域の中の事業所で非常に差があるんですね。私は今、北海道におりまして、札幌のほうに4月から仕事を移してみたのですけれども、それまでは地方のほうにもう少し離れたところにおりました。本当にこんなに差があるのかというくらい、大きな働き方の違いや、それから賃金の違いがありました。雇う側としては、雇用範囲内で働く非常勤に高い賃金を提供すると、パートさんとかですと雇用範囲内になってしまうと勤務時間が短縮されてしまうので、行ってもらえる訪問件数も制限されるということになると、さらに人が必要になってしまいます。
地方では、特に賃金を上げると常勤看護師も雇わなければいけなくなってくると、こういう悪循環が生まれてきているのも確かかなという気はしております。そこのバランスは非常に難しいということも実感しているところです。この辺も、やはりステーションだけでは解決ができないこと、それから特に小規模のステーションが多いと、欲しくても人が集まってこないという現状も出てくるのではないか。そうすると、大規模のステーションにみんな流れてしまうような傾向も見えてきていまして、これも少し危惧しているところではあります。そういうことも考えますと、やはり地域も含めて全体で支援していく、病院との連携を考えていくということも必要になってくるのだろうと思っております。
あとは、先ほど補助者の話も出ておりました。介護福祉士さんの話も出ておりましたが、これも例えば施設で働いていた介護福祉士が病院で勤務になったときに、非常に退職率が上がってしまったり、やる気をなくしてしまったという声も聞かれております。
なぜそれが起きるのかというと、先ほどのほかの一般で入ってきた方との差というものもありましたけれども、やはり活用の方法というのでしょうか。その方が今まで持ってきたキャリアだとか、生かし方を考えて働いていただくということも、病院の中で補助者を雇われたときには考えていかなければいけないのかなと思っています。
名称のこともありますが、看護補助者というよりも入院している患者さんのためにどういうようなケアがそこに必要なのかというような立場で、そういうような名称で動いていただけるような形を取っていかないと、これも看護補助者さんたちを病院に雇われたときにはまた問題になってくるのかなということも感じております。
以上になります。
○小野座長 どうもありがとうございました。
それでは、春山先生、お願いいたします。
○春山構成員 ありがとうございます。
看護職員の確保策につきましては、国の方針を受けて都道府県に中心的責務があると思いますけれども、これまで都道府県単位の需要供給の現状であるとか見通しが国からデータとして示されても、そのデータではどこに課題があるのかが見えにくく、課題がないように見えるようなところもあり、これまでの会でもお話しさせていただきましたけれども、二次医療圏ごとに分析が必要で、それによって各都道府県はどこをターゲットにしてどのようにという、実効性の高い施策を考えられると思っています。
その意味で、今回26ページから示していただいた都道府県内における二次医療圏ごとの領域別就業者数の比較、このようなデータは非常に重要かつ有用であると私は考えます。もちろんこのデータはパーセンタイルということで、日本全体の供給数の評価であるとか、領域別については圏域ごとの施設数の影響ですとか、それから人口構造の変化がこれから各圏域でどうなっていくのかというようなところも考慮しなければなりませんので、即このデータでということにはならず、慎重な解釈というのは必要かと思いますけれども、こういったデータを都道府県に提示することはとても大事であると思います。
復職支援につきましては、就職率を上げているような復職支援に取り組んでいる取組を見ますと、地域密着型というような話が最初のほうにありましたけれども、子育てや介護をしながら自分の生活圏域の中で仕事に復帰したいというような方が多く、実習等の段階からマッチングを意識して、フォローなどもして、丁寧に支援をする中で復職を実現させているなと感じています。今回も好事例が挙げられていますが、もしもこういった取組を看護養成所や医療機関などに広げていくとすると、その取組には人やお金も必要になりますので、そういった手引というようなものがあると、そしてそれに基づいて都道府県にきちんと事業を組み立てていただき、委託できるというような仕組みができると、より実効性が高まるのではないかと思いました。
最後に、離職防止というところが本当に各施設においては切実なことだと思うのですけれども、看護職としてのキャリアをつなぐということも大事ではないかと思っております。そのためには、やはり自施設がよければいいということではなくて、都道府県単位などで既にそういうネットワークを持たれているところも多いのではないかと思いますが、管理職同士がネットワークを組んで、募集の状況とか、退職の状況とかを共有し合って、看護職個人にとってみればキャリアがつながっていく。そして、中間的なマクロで見れば都道府県として離職者がなく看護職が確保されていくようにすることも一つの方策として考えられるのではないかと思いました。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
それで、玉井先生、お願いいたします。
○玉井構成員 まず領域別のところですけれども、訪問看護ステーションはとにかく小規模事業所が多く、人材育成に十分な時間や人員をまず確保することが難しい状況にあります。
また、訪問看護では看護師が一人で利用者宅を訪問し、その場で判断、対応する場面が多いため、不安を感じて就職をためらう看護師が少なくありません。そのため、小規模事業所でも就職後、働きながら研修を受講できるオンライン研修等の教育環境の整備に加え、同行訪問をはじめとして実践的な教育体制を充実させるということが重要と考えます。
また、管理者や中堅看護師に教育負担が集中しないように、教育担当者としての研修受講支援や研修環境、例えばICT機器の整備など、補助などの支援が必要かと感じます。
こうした資質向上に向けた取組は、令和8年度の介護報酬改定における処遇改善加算の要件の一つとして資質向上やキャリアアップ支援と合致するものであり、人材の定着にもつながるものだと思います。
また、先ほどから皆さんが言われていましたけれども、訪問看護ステーションには病院勤務を経て入職する看護師が多いことから、病院勤務の段階で訪問看護ステーションへのローテーション研修や短期研修を組み入れるなど、身近な選択肢として考える機会を設けることが必要かと思います。
また、求人・求職者のミスマッチの件ですけれども、ナースセンターの相談では日勤のみ短時間を希望する看護職が多い一方で、求人側ではやはり夜勤を採用条件としている場合が多く見受けられます。特にブランクのある看護職は求人に「夜勤あり」と記載されているだけで応募をためらうケースも大変多くあります。そのため、最初から夜勤を前提とするのではなく、日勤から段階的に勤務に慣れていく仕組みや、ジョブ型の働き方とか処遇など、多様な採用方法について求人側の理解を促すことが重要と考えます。採用担当者を対象とした研修を充実させて、求人のときから採用、復職後の定着支援まで一貫した取組として考えた人材確保の視点を広げさせることが必要かと思います。
また、ナースセンターでは復職支援研修やインターンシップなど、安心して復職するための丁寧な支援を行っているわけですが、あまり十分に知られていないという現状があります。資料の31ページにもありましたけれども、離職期間が長くなるほど復職への意向は低下する傾向にあります。とにかく潜在化させないことが重要と考えます。離職後、早期から相談や研修につなげる仕組みとともに、SNSとかを若い方とかはいろいろ見ていますので、そういった方法でナースセンターの周知を一層広めることが必要と思います。
それからもう一つ、現在、努力義務となっている離職時の届出というものがございます。これは、退職後も継続して情報提供や相談支援を受けられる仕組みとして、離職時に届けるのをより一層活用が進むように、努力義務ではなくて義務化を含めて制度の在り方を検討していただければと思います。こうした取組が看護職の潜在化を防ぎ、人材確保につながるものと考えます。
○小野座長 どうもありがとうございました。
それでは、髙野参考人、お願いいたします。
○髙野参考人 ありがとうございます。
地方行政の立場から意見を申し上げます。
看護職の確保につきましては、今後の訪問看護ニーズの増加や病院における夜勤従事者の確保に向けて必要な看護職員の総数をしっかりと確保していくことが重要と捉えております。
本県におきましても、修学資金の貸与のほか様々な取組を行っておりますが、潜在看護師の復職支援についてはナースバンク登録者の再就業が年間で三百数十名程度となっており、今後さらなる増加を図っていくことが必要と考えております。今回の論点に記載がありますように、より丁寧なマッチングや復職支援については行政とともに各都道府県のナースセンターが協力して担っていくものと考えますので、ナースセンターの強化につながるような支援、好事例の横展開、技術的な助言等をお願いしたいと思います。
また、潜在看護師の復職やリスキリングと合わせて、進路決定前の中高生、さらに小学生や保護者などを対象にした取組も重要と考えます。
最後に、人材の確保定着には勤務環境の改善、処遇の改善も重要な要因となりますので、取組を進める医療機関、都道府県への継続的な支援をお願いいたします。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
では、お待たせいたしました。江澤先生、お願いいたします。
○江澤構成員 ありがとうございます。
それでは、意見を申し上げます。
まず、新たな地域医療構想においては、ガイドラインにおいて2040年の必要病床数が示されたところであります。ざっくり言いますと、2025年の必要病床数と比べまして急性期の病床数が半減、包括期の病床数がこれまでの回復期の病床数の倍増となっておりまして、看護職員の配置も急性期は減少、包括期は倍増という形で目指す配置が求められると思っています。
したがって、必要病床数に応じた看護職員の配置や業務内容が見合っていくことが求められると思っています。特に包括期においては多職種協働が重要となりますので、そういった働き方についてもいろいろ変化が生じるものと思っています。
また、2028年度までに、2040年に担う医療機関機能を全ての医療機関が報告することとなりますので、入院医療については必要病床数や医療機関機能報告を踏まえて看護職員の配置を検討することが必要と考えます。
一方で、在宅医療については都市部、特に大都市部では急増する一方で、人口5万人未満の市町村においては高齢者人口が減少し、在宅医療の需要がピークアウトしている地域も増えつつあります。特に地方都市や人口過疎地域では一軒一軒の訪問が困難となっており、訪問診療や訪問看護のニーズを介護保険施設が代替して機能を果たしていることは留意すべきと思います。すなわち、高齢者人口当たりの訪問件数はそういった地域では少ない一方で、介護保険施設の定員は多い傾向にあります。また、こういった地域の実情に応じた看護職員の配置は検討せざるを得ないと思います。
また、一方で都市部では訪問看護の過剰配置の地域も一部ありますし、訪問看護ステーションは一定程度閉鎖、あるいは休眠の割合があるわけですけれども、その理由として、看護人材の確保と利用者の確保が困難ということが大体トップにきています。そういったいろいろな状況を見ながら、各地域の実情に応じた看護職員の配置をしていかざるを得ない状況にあると思っています。
それから、訪問看護は一人訪問で、病棟のチーム医療に比べてやはり責任が重いということもありますし、当然ながら運転はつきものということもありますので、そういったことを念頭に置いて考える必要もあるかと思います。
いずれにしましても、全体を通じまして大変重要なことは、職員一人一人に本人の意向や目指す方向があって、これらは尊重すべき大変大切なことであります。単なるこまの数合わせは成り立たないということが大前提であって、肝に銘じておく必要があると思っています。
なお、先ほど御意見があったベースアップ評価料について参考までに、200床程度の病院であれば、夜勤手当に充てた金額と同じ金額が看護職員を含む全職員の手当の減じる額と大体同じになるところが多いと思っています。すなわち、看護職員の夜勤手当に1,000円回すと、看護職員を含む全職員のベースアップ評価は1,000円減るということにもなり、なかなか病院の立場からすると夜勤手当を評価したい一方で、難しい状況にもなっています。
次の論点の復職支援につきましては、当院も既に取り組んでいますし、多くの医療機関が取り組んでいると思いますが、ハローワークや看護協会と連携して対象の看護師さんを紹介していただいて、復職を目的としたリカレント教育、あるいは院内見学を行うことによって実際に就職につながっているケースもありますので、いろいろ好事例を集めて拡大していくことも行っていくべきだと思っております。
なお、以前も申し上げましたが、離職あるいは他産業にシフトした看護職員にその理由を伺って対策を講じることも必要ではないかと思っています。
最後に、看護補助につきまして、この検討会は処遇改善以外について議論すると当初から伺っていますが、特に看護補助についてはやはり介護分野の処遇改善がないということが決定的な人材不足につながっています。もちろん、このたびの診療報酬改定のベースアップ評価料で看護補助は5.7%と他職種より評価していただいたことには大変感謝をしているところですけれども、処遇改善の議論は避けて通れない部分ではないかと思っています。
また、山口委員、田中委員もおっしゃっていましたが、看護補助という名称は一刻も早く改めるべきではないかと思っています。今やチーム医療においてはプロフェッショナルな介護職としてチーム医療の一員を担い、活躍が期待されておりますし、そういった実態も相当増えています。むしろ今はそういった方々の働きがないと現場が回らない状況もあります。
私の病院でも、もう二十数年前から病棟において看護師長の下に看護主任と介護主任を配置し、さらには介護リーダーも配置して、介護職員として現場を支えていただきたいという思いを持って取り組んできたところでございますし、そういったことで看護補助の魅力向上やキャリアアップにもつながればと思っております。
私からは以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、この議題に関してはこの辺でと思っておりますが、本日御欠席の新田先生からの御意見も頂戴をしておりましたので、事務局から代読をお願いいたします。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
新田構成員の意見を代読させていただきます。
在宅患者や訪問看護利用者の増加を前提とした議論ですが、私はその一歩手前の入院予防の視点が重要だと考えています。
2040年に向けては、85歳以上の高齢者の救急搬送や入院をできるだけ防ぎ、地域で支える仕組みづくりが求められます。その担い手として、訪問看護だけでなく、多機能化した診療所や地域で活動する看護師の役割が一層重要になるのではないでしょうか。
現在の構想は、急性期医療から在宅への移行が中心に描かれていますが、その前段階である重症化予防、入院予防の機能をより明確に位置づける必要があると感じます。地域包括ケア病棟が病院内で果たしている役割を地域の中で担う仕組みを検討すべきであり、そのための看護職員の確保を検討する必要はないでしょうか。
また、2040年を見据えると、看護師の需要は病院だけでなく地域にも広がります。訪問看護や診療所機能の拡充などを通じて、地域で看護師の活躍の場を広げていく視点が重要だと思います。
さらに、人材確保の観点では、高齢の看護師も含めて長く働き続けられるよう、多様で柔軟な勤務環境の整備が必要です。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
すみませんが、私から一言だけ、看護職員、看護補助者の需給に関しましては介護職とも重複する部分もあるかと思っておりまして、要は政策を考えるときには介護と看護、看護補助者の部分の需給というか、バランスの取れた対応も必要かなと個人的に思っておりますので、その点だけ発言させていただきました。失礼いたしました。
それでは、議題の3に移りたいと思います。「看護職員の需要推計について」、事務局から説明をお願いします。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
資料4「看護職員の需要推計について」、説明いたします。
2ページ目、前回の検討会でいただいた主な御意見を紹介しております。
需給推計に当たっては、前回の需給推計の評価が不可欠といった御意見。
新たな地域医療構想との整合性を図る必要があり、これらが看護職員需要に与える影響を適切に反映すべきといった御意見。
訪問看護について、現在及び今後対象となる患者の状態像を踏まえた推計が必要であることや、85歳以上の人口増加に伴う医療ニーズの複雑化・重度化や、患者状態の変化に応じた推計が必要であるといった御意見。
業務効率化や多様で柔軟な働き方の導入など、持続可能な勤務体制を確保することが不可欠であるといった御意見。
DX、ICTによる業務効率化は、導入・効果に地域差・施設差があるため、まず実態把握と効果検証を進めるべき。看護の安全性や職員負担への影響も踏まえ、慎重な検討が必要といった御意見。
育児休業取得者や短時間勤務者の増加も見込まれることから、実人員ベースに加え、常勤換算ベースの推計も必要であるといった御意見。
長期の推計となることから、医療計画の見直しの議論等を踏まえ、途中での見直しが必要といった御意見をいただいております。
3ページ目、前回構成員の方から、前回第8次需要推計の評価が不可欠と御意見をいただきましたので、それを踏まえ、事務局で資料を用意いたしました。
右側、第8次看護職員需給見通しについて、まず需要の見通しは2025年の一時点のみを推計したものとなります。評価に当たっては、需要推計の前提となるパラメーターの妥当性を検証する必要がありますが、そのために必要なデータが現状では十分にそろっていないことから、現時点でその妥当性を検証することは困難な状況です。
一方、供給の見通しは2025年までの各年について推計したものであり、直近の2023年の就業者数と比較すると推計値と実績値は近い水準にあります。
また、参考として、第7次看護職員需給見通しを左側に示しております。推計最終年の2015年では、需要見通しと就業者数の乖離率2.98%、供給見通しと就業者数との乖離率2.36%となっています。
4ページと5ページ目は、前回構成員の方から新たな地域医療構想の整合性を図る必要があるといった御意見や、長期の推計となることから医療計画の見直しの議論等を踏まえ、途中での見直しが必要という御意見をいただきましたので、事務局のほうで資料を用意いたしました。
4ページ目、地域医療構想ガイドラインにつきましては今月3日付で都道府県へ発出をしております。
5ページ目、都道府県においては地域医療構想ガイドラインを参考に、地域の医療提供体制全体の方向性、将来の病床数の必要量の推計等を検討した上で、遅くとも2028年度までに地域医療構想を策定することとしています。
また、医療計画の見直しのタイミングは2030年からの第9次医療計画、またはその先、2036年となりますので、看護の需給推計についても必要に応じて同時期に見直しを行うこととなります。
6ページ目、前回の検討会でお示しした資料の論点を今後の作業に関する方針という形で改めて整理し直したものを提示しております。
1つ目、推計は都道府県ごとに算定し、推計期間は新たな地域医療構想に合わせて2040年頃までとする。
2つ目、推計手法は、医療需要当たりの看護職員数に医療需要を乗じて算出する方法を基に、詳細の検討を進める。
3つ目、推計においては、常勤換算人員数に加えて実人員数も推計する。
4つ目、詳細の検討に当たっては、新たな地域医療構想の取組による効率化効果等を反映する。
5つ目、医療機関における業務効率化や勤務環境改善の取組の進展を踏まえたシナリオ分けについては、本検討会の第5回以降に改めて検討する。
6つ目、都道府県において、将来の看護職員数を推計できるよう、本検討会における議論を踏まえて作成した推計方法を示すとともに、必要な支援を講じる。
以上の方針で推計作業を進めてまいります。
なお、精神医療に関する検討状況等を踏まえ推計の更新を行うこと、さらに医療計画の見直し等を踏まえ、必要に応じて推計の見直しを検討してまいります。
資料4の説明は以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして、御意見のある方がいらっしゃれば挙手をお願いいたします。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
それでは、平山先生、お願いたします。
○平山構成員 連合の平山です。
需要推計の方針について、全体的にはおおむね理解はしております。
1点だけ、業務効率化に関するシナリオは次回以降議論ということですが、前回の検討会で申し上げたとおり、現時点で業務の効率化についての実態把握や、その効果を評価する指標が十分に整理されていないと考えております。業務効率化の内容は多岐にわたり、DXやICTの導入状況や効果にも地域差や施設差があることから、需要推計の前提として業務効率化のシナリオを設定することは現時点では困難ではないかと考えます。
まずは実態把握と効果検証を進め、その上で今後業務の効率化についてシナリオをするかどうかについては検討をするべきと考えます。
以上でございます。
○小野座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでございましょうか。
それでは、別府先生、お願いいたします。
○別府構成員 私は現場で働いていますと、医師の働き方が結構ナースの働き方に影響を与えているということを非常に感じております。例えば、夜勤ですと当直はチーム制になって主治医制ではなくなり、医師たちが当直体制ではなくなって、ナースたちがほとんど夜を預かっているというような働き方になっていて、かなり医師の働き方改革の影響を受けた看護師の働き方の変化というものが起こっているような気がします。
特定行為研修修了者とか特別なナースの活用というのも確かにあるのですけれども、それによる影響というものがどの程度出ているかということのデータがありましたら、次回でも構いませんので少し出していただけたらと思っております。
○小野座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでございましょうか。特に会場、オンライン、御意見ございませんでしょうか。
ありがとうございます。よろしいでしょうか。
江澤先生、どうぞお願いします。
○江澤構成員 ありがとうございます。
以前要望させていただきましたが、これから病床再編、あるいは医療機関の再編が2040年に向けてかなり刻々と行われていくと思いますから、随時需要推計も見直していただければと思っています。
そして、今の御意見にも関連いたしますが、医師の偏在・確保対策として大学病院や急性期の病院から、過疎地域に医師を派遣する取り組みも進められていますが、これは医師一人が行って何でもできるわけではなくて、必ず看護師さんたち、あるいは事務職員さんたち、場合によってはリハビリ職員さんたちもいないと医療というのは成り立たないわけです。
したがって、ここもそういった医師偏在・確保対策、あるいは医療の提供体制に関わる部分も少し考慮していく必要があるのかなと思っております。
以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
ほかは御意見いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
ありがとうございます。
先ほど平山先生がおっしゃった件に関しましては、次回の資料の出方でまた御意見をいただくということでよろしいですか。取りあえずここに書いてあることに関してはということで、ありがとうございます。
それでは、先生方から今、御発言いただいたところですけれども、大体こちらの方針として書いていただいていることに関しましては、先ほどの御意見も踏まえて資料とかを検討していただくということでおおむね御異論はなかったと思っております。事務局のほうでそちらの進め方でやっていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思いますが、先生方、そういうことでよろしいでしょうか。
(構成員、異議なし)
○小野座長 ありがとうございます。では、そのように進めさせていただければと思います。ありがとうございます。先生方、御協力いただきましたので、少し早めでございますけれども、本日の議論はここまでと思っておりますが、失礼しました。文科省の方から御発言があるそうです。
○松本文科省高等教育局医学教育課企画官 最後の閉めるところの直前ですみません。文科省の企画官でございますけれども、先ほど園田先生からありましたサテライトの事例をということだったのですが、今年、厚労省の看護課さんでやられている人口減少社会の看護師等養成所における遠隔授業推進支援事業の中で、サテライトの事例も遠隔の支援の対象になっていると思うのですけれども、その事業の中で実施状況であるとか、課題のまとめや事例集の作成もいただくということになっていたと思います。そういうところからもまたデータというか、事例が出てくるかと思っておりますので、そういうものと合わせて今後の参考にということになるかと思います。
以上になります。
○小野座長 ありがとうございます。
それでは、予定の時間より少し早く終わっておりますけれども、本日の議論はここまでにしたいと思っております。本日いただいた御意見等を参考にして、今後とも議論を進めてまいりたいと思っております。
事務局のほうから、何かございますでしょうか。
○大河内課長補佐 事務局でございます。
本日も、活発な御議論を賜りありがとうございました。
次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたしますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
○小野座長 それでは、これで終了いたします。どうもありがとうございました。
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