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2014年6月17日 第4回ハローワークの求職情報の提供に関する検討会

職業安定局総務課首席職業指導官室

○日時

平成26年6月17日(火)10:00~12:00


○場所

専用第12会議室 (厚生労働省12階)


○出席者

構成員

鎌田座長、坂下参集者、福田参集者、林参集者、高松参集者、沼野参集者

事務局

職業安定局次長、首席職業指導官、労働市場センター業務室長

○議題

(1)検討会の取りまとめについて
(2)その他

○議事

○鎌田座長 定刻より少しまだ時間があるのですが、委員の皆様が全員おそろいですので、これから「第 4 回ハローワークの求職情報の提供に関する検討会」を開催したいと思います。本日は、議題にありますように、検討会の取りまとめを行いたいと思いますので、皆様よろしく御協力のほどをお願いします。

 本日は、参集者皆様に出席いただいております。それでは、議題 1 「検討会の取りまとめ」について、事務局から説明を受けたいと思います。それでは、御説明をお願いします。

○首席職業指導官 まず、資料の一番最後の参考資料を御覧ください。前回第 3 回の御意見の概要を取りまとめておりますので、若干紹介させていただきます。まず「提供の仕組み」につきましては、サイト上でやりとりをするということについて、最初の案内以降については、後半部分のやりとりをサイト上でやるという仕組みは必要ないのではないかという御意見がありました。一方、求職者が匿名でやりとりをしたいという場合もあるので、必要なのではないかという御意見もありました。

 「提供先の範囲」につきましては、例えば、求職者が提供先を選別できる仕組みを設けるとすれば、 P マーク以外にも、紹介の得意分野や実績とかで選定できることも考える必要があるのではないかということがありました。マル4番で、 P マークの取得の有り・無しによって、実際に運用してみたらトラブルの発生率に違いがあれば、次の段階として、 P マーク取得を何らかの条件にすることも考える必要があるのではないかという御意見を頂きました。マル5番は、 P マーク等につきまして、職業安定法上で既に個人情報の保護というところは厳しく規制されているので、その上に P マーク取得を条件として重ねる必要はないのではないかという御意見でした。マル6番も同様です。マル7番は、更新の際の提供された求職情報による紹介件数要件は、必要ないのではないかという御意見を頂きました。

 マル8番、「利用方法のポイント」では、実績報告は、最初の 1 年は半年に 1 回にして、その後は 1 年に 1 回程度でよろしいのではないかという御意見がありました。仕組みが安定した後に四半期ごとの報告が必要なのかは、論点となるのではないかということでした。

2 ページ目、「利用手続」についてです。ハローワークが個々の求職者に、民間への情報提供の希望をお聞きして、希望ありという方について、それはそれで希望があるけれども、ハローワークとしても、個別の状況に応じてきちんと支援を行うべきということは明記しておりますが、やや書きぶりが柔らかいというか、間接的ではないかという御指摘を頂いております。

 「仕組みに係る費用」につきましては、二事業は使用者側から負担するものであって、本当に必要なものに絞っていただく必要があるという御意見とか、財源についてはできるだけ早く示していただきたいという御意見を頂きました。

 「その他」としては、職業安定法第 5 条の 4 の求職者等の個人情報の管理につきまして、民間事業者がどの段階から適用されるのかということで、これは確認して報告することとしております。マル 13 番、提供先の民間紹介事業者が求める人材についての情報を逆に流すことも、今後、考えていく必要があるのではないかということでした。マル 14 は、 ID PW を交付した際の、事業者側の管理を厳格にやることを規約上に示す必要があるのではないかという御意見でした。マル 15 は、職業安定法の規定の適用がどこまでで、どこからが純粋に規約のみの適用になるかを明確にしないと、事業者側でも参入するときに非常に厳しいものがあるのではないかという御意見を頂きました。以上が概要でして、それを踏まえて修正案を出しております。

 資料 1-1 、検討会取りまとめ ( ) です。前回と異なっている所は赤い字で示しておりまして、 1 ページ目の「本事業の趣旨・目的 ( ) 」は全く変わっていない状況で、 2 ページの「仕組み ( ) 」も全く変わっておりません。

 先ほどここで申しました、サイト上で匿名の求職情報を提供先が得るわけです。このときに、求職者と提供先のやりとりの中で、基本的にはそういうことはしないとしたいと思いますが、場合によっては、このサイトを介して、個別的に求職者を特定できるような情報を提供先が得る可能性があると。そうした場合に、職業安定法第 5 条の 4 の、求職者等の個人情報の取扱いという規定がどこから適用されるのかという問題がありまして、提供先が求職受理をした後に適用されるのか、それ以前でも適用されるのか、ここは所管部署に確認しました。

 この場合の求職者というのは、「対価を得るために自己の労働力を提供して、職業に就くために他人に雇用されようとする者」と定義されていて、求職受理が要件になってはいなくて、仕事を探していて、求職者ということです。また、求職者の個人情報を保護する観点からも、こうした求職者に該当すれば、求職の受理の有無にかかわらず、職業安定法第 5 条の 4 が適用されるように運用しているということでしたので、サイト上で個人を特定できるような情報を入手したときには、その取扱いから既に職業安定法第 5 条の 4 の適用があるということでした。

 次に、 3 ページです。一番上、これまでは論点ということでしたので、語尾を「こととしてはどうか」としておりましたが、検討会取りまとめ ( ) ですので、「するべき」というふうに語尾を変えております。

3 番目の、プライバシーマークの付与については、ここに「基準として設けるべきではないのではないか」という御意見がありまして、削除をしています。それに伴って、数字が 1 つずつずれていきます。

 それから、一番下の、更新を初回 1 年、 2 回目以降は 3 年ごとというのには御意見はありませんでした。その更新の要件として、「直近の参加期間において、ハローワークの求職情報を利用した職業紹介の実績が 1 件以上あること」を案として示しておりましたが、複数の方から、そこは削除すべきではないかという意見がありまして、ここでは案として削除しております。

4 ページは、語尾の整理のみです。 5 ページは語尾の整理と、○の 2 つ目で、最初に提供先が求職者に案内を出すときの内容を、一定必要な情報を規定して、その情報だけは必ず流してくださいということにするということでしたが、その情報内容をもう少し具体的なものを例記したほうがいいのではないかということで、御意見を頂いております。求人に関する情報とか、あるいは、職業紹介に関する手数料がある場合はその情報とか、あるいは、個人情報管理の責任者の情報等を加えるということで書き足しております。

 上から 6 番目の実績報告については、頻度のところで議論になっております。ここは、本事業の開始の翌年度までは報告頻度を四半期、恐らく年度の途中でスタートすることが見込まれますので、翌年度の 1 年間は四半期、次年度以降が半年ごとでどうか、ということで修正しております。

6 ページのプライバシーマークについては、参入基準から外すということです。ただ、審査を通過した提供先の一覧を作成して、求職者に見えるようにしまして、この中に、プライバシーマークなどの第三者機関の認証を取得している所が分かるように表示をする、というふうに変えております。それから、一番下については、ちょっと文言を書き加えておりまして、「提供希望を把握した後も、ハローワークは個々の求職者の希望」という所に、「直接それによって支援の必要性を判断するのではなく」と書き加えております。 7 ページも、文言の整理のみです。 8 ページ、利用料金の徴収については変更はありません。

 資料 1-2 「利用規約に盛り込むことが考えられる事項 ( ) 」です。 1 ページ、求職情報をどこまで保有していいかというところに 6 番のマル1マル2がありましたが、この中で「遅滞なく」と「直ちに」というのが混在していました。基本的には「遅滞なく」に統一して、ただ、 5 番の求職者に求められたときは直ちに削除ではないかということで、整理をしております。

8 番目で、 ID PW の管理を厳重に行うことは規約に盛り込むべきという御意見がありましたので、ここに明記しました。 9 番で、求職情報サイトの利用に当たって、セキュリティの脆弱性への対策を行っていない OS や閲覧ソフトを用いないとか、基本的なセキュリティもきちんと明記をするとしております。

2 ページは変更ありません。 3 ページ、事業実績の報告のところですが、先ほどと同じように、最初のうちは四半期、事業開始の翌々年度からは半期に 1 回というふうに書き加えております。

5 ページ、 3 (2) 過剰な営業活動というのがあります。ここは、大量の求職者への働きかけを行って求職の申込みをさせた後に、重点的に意図的に求職者を絞り込んで、そこだけに紹介を行うということは、場合によっては求職者の求職活動を阻害するだろうということで、極端な場合は問題であろうと。職業安定法違反には該当しないけれども、不適切な行為として示しておりましたが、その後ろに「職業安定法第 3 条に係るものを除く」と加えました。国籍とか人種とかということで職業紹介上の差別をすることになると、職業安定法違反になる可能性がありますので、この選別はそういう意味ではありませんよと、技能で選別するとか、そういうことで付け加えております。修正点は以上でございます。

○鎌田座長 どうもありがとうございます。前回の皆様から出された御意見を踏まえ、事務局にいろいろ調整をしていただきながらこのような取りまとめ ( ) を作成いたしました。どこからでも結構です、これについて何か御質問や御意見があったらお願いします。

○高松参集者 連合の高松です。幾つかあるのですが、まず資料 1-1 3 ページの一番下、更新要件のところについて、反対だということで意見を述べさせていただきます。求職情報の提供先の設定条件につきましては、前回までのこの検討会の中でもオールジャパンという旗印の下、検討会スタート時に比べて、今まで 3 回やってきた中で相当要件が緩くなってきているという印象が否めません。

 国と地方と民間が連携を強化するという意味でのオールジャパンを、当然否定するものでもありませんけれども、この仕組みというのは、あくまで求職者が安心できるものでなくてはならないというように考えております。民間業者に求職情報を提供することと、参入要件を厳格にすることは特段矛盾することではなく、むしろ厳格な参入要件というものをクリアした業者にこそタイムリーな求職情報を提供し、求職者の就職に結びつけていくことが、範囲を広げていくという意味でのオールジャパンの本意であろうと私は考えております。

 そういう中で今回、事務局が消された実績要件のところですが、その上の段階でも全体的には緩いと感じていますけれども、初回 1 年、次回以降 3 年というところは良しとした上で、「少なくとも期間中に 1 件以上の就職実績があること」は当初、「常用就職があること」と出ていたわけですが、ヒアリングの民紹協の方々の中から、常用ということではちょっと対応上難しいので、就職にしてくれという意見まで出ました。決して職業紹介だけにしてくれということでもなかったのですけれども、私も文章を見落としまして、「職業紹介の常用就職の実績が 1 件以上」の常用就職をそのまま取ってしまったものですから「職業紹介の実績 1 件」になってしまったのです。

 さらに、今回は、紹介実績さえも消そうとされている。このシステムを利用して、その目的である就職を期間中に1件も実行できないということは、もう当該事業者というのは本システムにマッチしない業者であるというように認定すべきであります。また、先ほど述べた本趣旨である求職者にとっての立場からも、その業者を頼るものではありません。したがって、この仕組みを使って 1 年若しくは 3 年の間に全く実績がないことについては更新すべきではないという意味で、この文書を削除することに対しては反対である、と述べておきたいと思います。

 別件で続けてもよろしいですか、それとも切りますか。

○鎌田座長 どうぞ続けてください。

○高松参集者 ありがとうございます。もう 1 つ、検討会の最後になってこういう話をするのも大変申し訳ないのですが、厳格な情報の取り扱いについてという件です。このまとめの中にもありますが P マークの問題、あるいは ISO の問題は取得業者が少ない、あるいは取得が煩雑である等の理由からそれは不要であるという流れになっています。これについては反対するものではありません。

 ただし、これも検討会を経るごとにどんどん緩くなってきて、気になっています。個人情報の保護に関しては職業安定法でしっかりと守られている、というような言い方がヒアリングの中でも、あるいは参集者の中からも出ているのですが、果たして職業安定法で認められて必要とされているレベルと、今回コンピュータ等を使ったセキュリティを含めたものが、法が成立した段階と現在の各種守秘義務の問題等が合致するのかという意味では、非常に疑問視していた次第です。

 そのような中で、これは非公開で進められている厚生労働省の委員会の中に、職業紹介の優良事業者を認定する制度を本年 10 月からスタートして、来年度から本格的にスタートさせるという制度があるということです。今日、事務局にお願いをして、既に公開されているリーフレットのコピーを入れていただいております。ただ、これは職業紹介優良事業者を認定する制度ということで、正しくここには委託団体として民紹協の名前が出ておりますし、審査する機関については今後決定していくということが書いてあります。この中で、職業紹介の優良な事業者、優良というのはエクセレントのほうですが、その規定であったり、その制度であったり、審査内容等があります。一枚、無理をお願いして別紙でチェックリストも付けていただいています。

 せっかく、こういうものが同じ厚生労働省の下にスタートするという意味では、 P マークとか ISO は別にしても、こういう良いものを一緒に共用しない手はないだろうと思い、最後になりましたが、今まで知らなかった情報でしたので皆様にも御紹介させていただきました。

 なお、優良事業者のみを扱えなどということではなく、ここにあるチェックリストの項目を共用していくとか、あるいは行動指針や認定基準に該当するような業者が守るべき規約的なものもありますので、共用できるものは共用していったらどうかという意味でお出しした次第です。

 厳格な情報の取り扱いについて、守れる範囲でのかなり体系だったチェックリスト等であるというように見ましたので、参集者の皆様にも是非これを見ていただきながら私の意見を聞いていただければと思って御紹介しました。以上です。

○鎌田座長 ありがとうございます。その他、何か御意見はありますか。

○林参集者 私からは 1 点確認と意見ということで述べさせていただきたいと思います。確認については資料 1-1 6 ページ、真ん中の枠の中に「個人情報管理についてプライバシーマークなど第三者機関の認証を受けている提供先を一覧に表示」ということで入れていただきました。ただ、この表示されたことをどう取り扱うかです。

 その下の枠、「提供希望の確認」の一番下の○、提供を希望するのか、民間と地方公共団体の両方か、又は民間のみか、地方公共団体のみかという 4 つの選択肢があります。その中にこの P マークが付いている業者のみという選択肢がない。私のイメージではアンド条件といいますか、この中のどれか、なおかつ P マークが付いているものだけに絞るのか、それは問わないというのか、選択条件の中に入れていただくというイメージだったのですが、この書き方ですとあくまでも表示だけをして、その上で選択肢は 4 つだということになっているようなので、できればアンド条件にしていただくべきというところが 1 点です。

 意見としては、再三申し上げていますけれども資料 1-1 の最後のページの料金のところです。毎回申し上げているところではあるのですが、やはり私はある一定の費用負担を発生させるべきではないかと思っています。検討会での質問に対して事務局の方からは、有料の業者の紹介の場合おおむね年収の 20 %程度を成功報酬として頂いているというお話をお聞きしました。いろいろホームページなど見ていますと、どうも世間的にはやはり 30 %というような声もあるようです。そうであると、やはり平均年収 400 万だと 80 万からというような報酬になります。

 もう 1 点、厚生労働省職業安定局が 3 月に発表されている「職業紹介事業報告」の集計結果があります。これを見ますと、平成 24 年度の手数料収入を有料職業紹介事業者の成功件数で割ると全体が 2,340 億程度、それを件数で割ると平均してやはり 1 点当たり 52 万円、平成 23 年度においても 55 万円ということです。当然これはビジネスですので、それだけの収入を得るという実績があるということです。

 また、いろいろな資料を見ていますと、やはり今の民間人材紹介会社の弱点というか、弱みの 1 つとして登録者層をどうやって増やしていくのかとか、また登録者数が多い所というのはどうしても大都市は増えていくが、地方都市においてはなかなか登録者数が増えていかないとか、職業紹介もホワイトカラーやエンジニア系などに限られていて、なかなか現業や製造業、サービス業の方々といった職業を求める方々からの情報が得づらいという問題があるということが載っていました。

 これをハローワークの情報を提供することにより、こういう問題がある一定程度解決できるのであれば、やはりこれは営業活動の中の 1 つであって、情報を得ることでかなりその弱点が軽減されるのであれば、やはり民間の人材紹介会社にとっても大きなプラスであろうと思います。この部分についてはオールジャパンであるとしても、ハローワークの求職情報を職業紹介事業者に提供するということと、利用料金を徴収しないということは、やはり別次元の問題だろうと考えられます。費用負担をという考えより、どちらかといえば成功件数で考えるべきですが、幾らが妥当かというのはやはりいろいろな議論があろうかと思います。

 ただ、ある程度の利用料金というのは発生するという考え方を根本的には押していきたいと思いますので、重ねてではありますが、もう一度申し上げておきたいと思います。以上です。

○鎌田座長 あと、何か御意見ございますか。

○坂下参集者 労動者側参集者からの御意見につきまして、使用者側の意見を申し上げます。

 まず、高松参集者から更新の要件について、端的に言うと第 1 回の案に戻してほしいとのご発言があったと理解したのですが、相違ありませんでしょうか。

○高松参集者 最初ではなく、「常用」は取ったものです。

○坂下参集者 では、前回の案ですね。

○高松参集者 はい。

○坂下参集者  3 回目の会合で示された内容になるのでしょうか。

○高松参集者  2 回目に「常用」を取ったものですから、個人的には紹介によって就職が 1 件以上ということが望ましいと思っています。

○坂下参集者 使用者側としては、今回お示しいただいた事務局の案が妥当だと思っております。一貫して申し上げている通り、 ID ・パスワードを取得する要件として 1 から 4 を定めており、この要件を更新の都度、確認すれば足りるという考え方が妥当だと存じます。今回お示しいただいた案を読みますと、初回は 1 年、 2 回目以降は 3 年ごとの更新を認めるとのみ書いておりますので、実質的には更新要件はなくなっていると理解しています。私どもの考え方と沿ったものであり、この案の通りでよろしいのではないでしょうか。

 なぜ更新要件を入れなければいけないのか理解しがたいですし、また仮に 1 件という形で更新要件を入れたときの効果を考えても、余り有効とは思えません。例えば、更新に当たっては仮に職業紹介の実績が 1 件必要だとして、当該期間に実績が出ず更新ができなかった場合に、引き続きその業者がこのシステムを利用したいのであれば、 4 つの新規参加要件を満たしていれば、 3 か月空けるとまた再度参加することができる。このような仕組みとすることに、どれだけ意味があるのか、疑問に思います。

 許可要件として 1 から 4 を求める中で、なぜ更新の要件を更に課さなければいけないのかが理解できませんし、 1 件という数字の根拠もよく分かりません。使用者側としては更新の要件は必要ないと考えています。

 続いて、プライバシーマークにつきましても再三申し上げているとおり、屋上屋になりますので必要ないというのが使用者側の考えです。

 利用料金の徴収についても、ハローワークに登録されている求職情報は公共財であり、かつこのシステム自体も公共財になると思います。オールジャパンで外部労働市場のマッチング機能を高めていく中で、なぜ民間の有料職業紹介事業者だけが料金を徴収されなければならないのか、理解できません。これにつきましても、事務局の案が妥当であると考えております。

○鎌田座長 ありがとうございました。そのほか、いかがですか。

○福田参集者 日本商工会議所の福田です。私どもとしても、これまでも意見を申し上げてきたとおり、基本的に今回御提示いただきました事務局の案に賛成です。特に中小・小規模の事業者の皆様に幅広く利用いただきたいという観点から、是非この案で通していただきたいと思っています。以上です。

○沼野参集者 私も非常にスピード感のあるスケジュールの中での議論だったと思います。出た意見等も丁寧に整理していただきながら、それらを踏まえて今日の案ができていると理解しております。基本的に事務局で出していただいた案に異論はありません。

 今出た意見について、ちょっと私なりのコメントをさせていただくと、更新要件の部分については前回私も発言させていただいたところですけれども、更新要件の持つ意味がやはり必ずしも必要なものというような認識にはならない。これはいろいろな方が御意見を言われている点だと思います。

 優良認定制度というのは今日初めて情報を頂きまして、こういう制度があるのだなと思いました。こういう制度は制度で非常に意義があるのだと思いますので、例えばこの枠組みの中では、 P マーク等の第三者認証の 1 つとしてこの制度が軌道に乗るのであれば、求職者への情報提供の中に含めていいのではないかと感じました。

 求職者の選択条件の中で、プライバシーマークや ISO マークの認証取得が示されるのであれば、求職者が公開を希望する中にそういう条件もからめていいのではないかという御意見があったと思います。そういうこともあるのかもしれません。特に求職者の選択の条件というのは、今後 1 つの指針として必要であれば、もう少し具体的に絞っていくことが過剰な案内をもらうことを防ぐ 1 つの役割かなと思います。そういう意味では、今後の実際の作り込みの中で検討していけばいいかと思っています。

 いずれにしても、プライバシーマークや第三者認証については情報提供されますので、公開をした上で「うちで手伝いができます」という情報を得たときに、本人がどこと連絡を取るかというときの情報ということで、第三者認証の情報などを活用することでもいいのではないかと感じました。

 最後に料金の問題につきまして、これも前回お話させていただきましたけれども、やはりそれぞれの当事者があるわけです。民間企業紹介事業者ばかりではなくて求人者も当事者ですし、紹介事業者から人材を紹介される企業も当事者の 1 人と考えたときに、民間紹介事業者だけに手数料を徴収するというのはバランス感覚的にどうなのかなというのは、以前申し上げたとおりです。全体として、オールジャパンとしてやるという政策的な仕組みですので、職業紹介事業者だけにそれを求めるというのは、個人的にはなじまないかとは思っています。ただ、この検討会の案は両論併記ということにしていただいていますので、こういう形でこの会の取りまとめは適切ではないかと考えています。以上です。

○鎌田座長 何か付け加えることはありますか。

○高松参集者 検討会ですので、最終的には賛否両論あったという報告があるということもやむを得ないと思います。それはそれで構わないのですが、坂下さんが言った話で 1 つだけ確認しておきたいのは、更新要件の件です。一旦更新要件を満たさずに、いわゆる外された場合でも、 3 か月後に再度入れるということは決まっておりませんよね。利用要件の中に、一旦外れた者は数年間参入できないなどということができた場合、 3 か月後にすぐ入れることはないということだけはここで確認しておきたいと思います。そういうことも当然入れた上での利用規約というものが、今後できあがってくるのだろうと思っているということを付け加えさせていただきます、以上です。

○鎌田座長 その点について何かありますか。

○坂下参集者 高松参集者のご指摘につきましては、仮に更新要件があった場合に、それを満たせないため、この仕組みが利用できなくなった後、再度利用するまでにどれぐらい間を空けなければいけないという規約は今のところありません。現在、我々が持っている情報で見る限りにおいては、 3 か月後にまた申請をすれば再度参加できると理解しているのですが、この点について事務局のお考えをお聞きしたいと思います。

○鎌田座長 幾つか事務局に確認したいこともありますが、まずは今御議論の中で、前回の経緯の中でそれぞれ御意見を頂き取りまとめをするということで御了承いただいたと私は理解しています。前回までの議論の中で再度御意見を述べていただくというのは、それはそれで 1 つの考えだと思うのですが、取りまとめということに関連して少し確認をしていきたいと思います。

 更新条件については、まだ少し議論をしたいと思います。高松さんがおっしゃった優良事業者認定制度について、とりわけチェックリストなど挙げて今後これを活用するべきではないかという御提案を頂いたかと思います。これは私の理解ですと、今ここで優良事業者認定制度を許可要件にするとか、何らかの形でこれを参入要件にするという御趣旨ではなくて、この制度認定の際にチェックリストなど設けていて、これが今後行動指針など、今後の運用の中で参考にしてほしいという御意見であったのではないかと理解しております。この点はどうでしょうか。

○高松参集者 ありがとうございます。 1 つは昨年の 7 月ぐらいから、この検討会が始まっています。年度の切れ目で一度報告が出ているということですけれども、そういうものがありながらなぜ事務局は我々に紹介してくれなかったのか。これが早めに出ていれば、「こういうものを共用しながら進めるべきだ」という意見も出せたと思うのです。そういう点をまず 1 回、事務局に確認してみたいと思います。あとは座長がおっしゃったような意味です。

○鎌田座長 その点について事務局からお願いします。

○首席職業指導官 優良認定制度につきましては、今年度これからトライアルが始まるということで、またそこで中身を叩いていくということがあります。今年度後半というか、年度内には本格実施に移行する予定であるというように担当部署より聞いております。運用状況なども踏まえながら、必要に応じてこの仕組みとの連携について、検討するのがいいのかなと考えております。

○鎌田座長 また何かあれば御意見を頂きたいと思います。それから、林さんから 6 ページ、提供規模との関連で P マークに結び付けてはどうかという御意見がありました。これについて、そういう御趣旨の意見を述べたつもりであるということの確認を含めてですが、事務局いかがでしょうか。

○首席職業指導官  P マークで選定できるということにするとすれば、ほかにも得意分野とかも整理していく必要があるのではないかと承ったと考えております。方法としては 2 つあって、 1 つは先ほど御指摘のように希望コードを増やして、ハローワークのシステム自体を改修することになるのですが、それによって P マークのみ希望というコードを入れる場合と、先ほど沼野様から御意見がありました P マークを受けているところだけとか、むしろ求職者の方で選択して案内をもらえるようにほかをブロックする仕組みがあります。前回お聞きしたイメージは、どちらかというと後者のイメージで受け取ったものですからないのですが、ハローワーク本体のシステムを改修して実現するか、あるいはサイト上で求職者がこういった範囲の案内以外はブロックするという仕組みを導入するかというのはコスト面も含めて検討させていただきたいと思います。

○鎌田座長 そのような理解で案を作ったということです。林さんからは利用料金についてまた御意見が出ました。そういう御意見があることは高松さんを含め当初から理解しております。ただ、取りまとめ案の中にはそういった御意見があることを書いておりますので、改めてこういう御意見を述べられたと理解しております。そういうことですよね。

○林参集者 はい。

○鎌田座長 各委員につきましては、私も含めてですが、これについては自ら意見を述べたというところです。前回、こういった意見の中で取りまとめ案をこういうように作ったということですので、検討会としてはこういった御意見の集約の仕方で取りまとめをしたいと思っております。

 更新条件なのですが、私の記憶では余り詰めた議論もなかったのでやや確認をしながら、何が問題なのかをお聞きして検討してみたいと思います。まず資料 1-1 3 ページです。更新の前にいわゆる提供先の参入要件というものが 1 から 4 5 もあったのですが 1 つ消えましたので 4 まであります。更新に関わっては枠の下に、「上記の条件を満たす場合に、初回 1 年、 2 回目以降 3 年毎の更新を認める仕組みとするべき」となっています。○があって、ここが今回削除するかどうかが今議論になっているわけです。「直近の参加期間において、ハローワークの求職情報を利用した職業紹介の実績が 1 件以上あること」ということですので、更新条件としては上の 1 から 4 が生きているのですよね。

○首席職業指導官 はい。

○鎌田座長 何もなくなるという話ではなくて、 1 から 4 が生きているという状況で、更に「直近の参加期間において、ハローワークの求職情報を利用した職業紹介の実績が 1 件以上あること」というようなことを付け加えるかどうかが、一応ここでは議論になっているのかなと思います。

 参入要件というのは、先ほど高松さんがおっしゃったように、こういったシステムの参入要件を設けることによって求職者が安心できるような、信頼できるような提供先を限定して、これで制限するのだ。こういうようなことで参入要件を作っているわけです。そういう趣旨であれば、一応、この今回の案では 1 から 4 まで生きている状態になっているわけですよね。なので、申し訳ないのですが、もう一度今削除する部分を生かすという御趣旨を教えていただけますか。

○高松参集者 よろしいですか。 2 つぐらいあると思うのですが、まず 1 つは、くしくも今座長がおっしゃいました、前回の検討会で 1 名の方から「これは要らないのではないか」という意見があったのは私も記憶していますが、それに対して確たる論議もせずに終わった中で、なぜこれが削除されているのかということ自体、事務局に対して非常に疑義を感じるということです。

 2つ目は、先ほども述べましたが、この目的は、ハローワークの求職情報を広く民間の業者にも情報提供することによって、求職者が速やかに職に就いて、保険を払っていただくことです。これを利用して 3 年間で 1 件の実績もないという者に対して、なぜ更に更新しなければならないのかということが全く理解できません。上の要件は極端に言えば単なる参入するときの要件であって、それが再度の更新要件として同じものを使うという意味も、使うのは構いませんけれども、本来の趣旨と照らし合わせて、なぜこの期間に求職情報を使った就職実績が 1 件もない、長いときは 3 年間ない者に対して更に必要なのか。ましてや業者にとってみれば、これを使った就職実績がないにもかかわらず、特に有料の業者についてはなぜ再度更新をしてまで情報を取る必要があるのか。うがった見方をすれば、違う意味でいろいろ情報を活用できるかもしれないとの考えがあるのかな、と思ってしまいます。

 さらに、第 3 回目の報告書の中にもありますけれども、ヒアリングをさせていただいた民間業者から、過去 3 か月以内に常用就職の実績が 1 件以上とあるが、この要件を「就職」と見直してほしいとの発言があり、就職実績を使うことに対して、ヒアリングをした民間事業からは否定する意見はなかったと思います。短期のマネキン・配膳者という伝統的職種の方の就業期間はマックスでも 6 か月であり、常用就職ということはなかなかマッチしないので、4か月以上の雇用を就職実績としてもらいたいという意見でした。民間業者からも、就職実績を要件とするということに対して反対という答えが出たわけではないことも付け加えさせていただきたい。そういう理由です。

○鎌田座長 今、大きく分けて 2 点ほど高松さんから御意見がありました。とりわけ前回までの議論の取りまとめの部分で、この要件の削除は 1 人だけではないかというような理解をされているようです。その点についてはどうなのですか。

○首席職業指導官 お二方いらしたような。

○鎌田座長 私の記憶では 1 人だけではなかったような気がするんですよね。

○高松参集者 私が記憶しているのは就職ではなくて、紹介ということがマッチングしない場合もありますから、紹介ということでいいのではないかという声が 1 件あったのは記憶しています。ただ、明らかにこれを取るべきという御意見は 1 人だったように記憶しているのですが、いかがですか。

○鎌田座長 ここで誰が言った、どういうニュアンスでと詮索しても記録がないのではっきりしませんが、どういたしましょうか。先ほど言いましたように、坂下さんは参入条件が一応維持される中で追加するのはおかしいという御主張でしたね。

○高松参集者 追加したということではなく、これは最初からあった話ですよ。それを逆にどんどん緩めてきているだけの話です。追加したものでは決してないですから、座長、そこだけはよろしくお願いします。

○鎌田座長 意見の違いが大きいようなので、一旦休憩します。

                                    ( 休憩 )

○鎌田座長 はい、どうも大変お待たせをいたしました。それでは、再開をしたいと思います。

 先ほど来話題になっておりました 3 ページの下のほうの更新条件に関わる部分でありますが、私といたしましては、この制度を用いた実績についてそれを的確に評価をして、更新を含めた対応を規約の中で検討するように進めたいと思っております。しかし、今すぐにこの文書を、今ここで文書化をするということが難しい状況でありますので、今申し上げたことで御了解を頂けるなら、私に一任ということで文書の整理を進めたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○高松参集者 労側としては、座長のおっしゃったことで了解したいと思います。くれぐれも求職者のためになる方向で進めているという意味では、検討会の中では一致した考えだと思っております。後は座長によろしくお願いしたいと思います。

○坂下参集者 使用者側としても、非常に短いスパンの中で密な検討を重ねて参りまして、それでもなお、今の段階でこのような状況になるのは致し方ない部分もあると思います。取りまとめについては、座長に一任したいと存じます。

○鎌田座長 あとの委員の皆さん、この点について何か御意見ありますか。それでは、今申しましたような、なお少し検討すべき事柄がありますが、私に一任を頂いたということで、この原案につきましては、こういう形での取りまとめをするということでいかがでしょうか。

○坂下参集者 最後に 1 点だけ申し上げておきたいのですが、就職状況等の報告に関しては、報告頻度を開始の翌年度まで四半期ごと、次年度以降は半年ごとにするということになっておりますけども、事業開始の当初から職業紹介事業報告と同じ年に 1 回で十分だと考えております。

 一方、制度導入時に、運用状況や、改善のために必要な情報を詳細に集めたいという趣旨で、こまめに情報を入手したいということも理解できます。しかし、四半期毎まで細かく取る必要が本当にあるのかについては疑問でありますので、例えば最初の 1 年は半年ごとに取って次年度以降は 1 年ごとのほうが、民間職業事業者の手続の負担等を勘案すると妥当なのではないかと思っております。

○鎌田座長 そういうような御意見ということでよろしいでしょうか。

○坂下参集者 はい。

○鎌田座長 では、今申しましたようなことで、いろいろな御意見がありましたけれども、さらに検討すべき事柄について文書を少し整理した上でしたいと思っておりますが、取りまとめにつきましては私に一任を頂くということで、今回をもって検討会は終了させていただきたいと思っております。よろしいでしょうか。明日、労働政策審議会職業安定分科会に案をお諮りいただくということになっておりますので、それぞれの立場で御意見を頂けるかと思いますので、よろしくお願いします。

 それでは、検討会を終えるに当たって宮野職業安定局次長から御挨拶がありますので、よろしくお願いします。

○職業安定局次長 最後ということで、一言御挨拶を申し上げたいと思います。本当に今日も含めて 4 回という非常に短い期間ではありましたけれども、大変活発な御意見を頂きまして改めてお礼を申し上げたいと思います。

 この 4 回の検討会ですけども、ハローワークの求職情報、民間あるいは自治体に提供するという新たな試みにつきまして、マッチングの強化という観点からこうした取組を新たに行うということについては、そういった基本的な考え方については皆様方の共通の理解・賛同は頂けたと思っております。ただ、正に 4 回御議論いただいたとおり、細かな具体的な運用については様々な御意見もあり、またこれについては実際運用を開始してみて様々な課題、あるいは問題点というものが出てくるということであろうと思います。

 したがいまして、今、座長からお話がありましたとおり、明日職業安定分科会のほうに、これは形としては厚生労働省、私どもの案という形でお示しをさせていただくということになります。ただ、その際にもこの検討会で頂いた、特に様々な議論があり、御意見があったという部分については十分紹介をしつつ、一方ではこういう形で私どもとしてはやりたいということはお示しをしなければならないと思いますので、御意見を踏まえた上で、私どもの考え方ということで明日お示しをし、分科会の場でもまた御意見を頂き、それを踏まえて、前も申しましたけれども予算等も必要になってくるものでありますので、概算要求等々に反映させていくという手続を進めたいと思います。

 また、冒頭申しましたとおり、いずれにしてもこれから細かい部分を決めていく、さらには実際運用が始まってからそれを見て修正をしていくというところも多々あろうかと思います。また、その際には皆様方、さらにはいろいろな形でまた御意見を頂く機会もあろうかと思いますので、引き続きよろしくお願いをしたいと思っております。重ねてではございますけども、活発な御意見を頂きましてありがとうございました。

○鎌田座長 それでは、これをもちまして検討会等終了いたします。どうも精力的な御検討ありがとうございました。


(了)

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