ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 平成26年度化学物質のリスク評価検討会(遺伝毒性評価ワーキンググループ)> 平成26年第3回遺伝毒性評価ワーキンググループ 議事録(2014年7月4日)




2014年7月4日 平成26年第3回遺伝毒性評価ワーキンググループ 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成26年7月4日(金)
13:30~


○場所

農林水産省三番町共用会議所第1会議室


○議事

○大淵環境改善室長補佐 本日は足元の悪い中お集まりいただきましてありがとうございます。定刻より若干早いですが、皆様方お集まりになりましたので、ただいまから、平成26年度第3回遺伝毒性評価ワーキンググループを開催いたします。本日は、太田先生につきましては、所用により御欠席となっております。以下の進行については、座長の清水先生にお願いいたします。

○清水座長 議事に入る前に、事務局から議事次第と資料の御確認をお願いします。

○大淵環境改善室長補佐 本日の議事は、(1)として、「平成26年度第2回のWGの結果報告」をさせていただきます。

(2)「平成26年度の既存情報による遺伝毒性評価について」ということで、最初に進め方について確認をして、その後、個別物質の評価を具体的に行います。(3)「平成26年度エームス試験の対象物質について」、これは国からの委託で行う試験の対象物質についてということで、進捗状況などを御報告いたします。以上が本日の主な議題です。

 配布資料については、今日もたくさんになっていますが、いつもですと配布資料はまとめて通しページを付けるのですが、今回、資料の形式がかなり似ていてその方法だと見づらいので、可能なものについてはできるだけ1つずつホチキス留めにして、ページについては基本的に資料ごとに振っております。

 最初の資料が、資料1-1です。こちらについては資料1-2も付いております。この2つは前回の検討会の結果確認で使わせていただきます。

 資料2-12枚ものでホチキス留めにしたものです。資料2-2は、アからエまでそれぞれ分かれております。アイウは、A4の小さいものですが、エについては情報量が多いので、A3の横長になっております。

 資料2-3はアからオまであります。資料2-3のアは最初のページのリストに2物質を記載しており、各物質の細かいデータの表を、その後ろに「個票」という形で添付しております。

 資料2-3のイは、リストに33物質を記載しているのですが、り、リストの一番左に●が付けてある物質のみ、細かいデータを載せた「個票」を添付しております。

 資料2-3のウは9物質あり全て個票を付けております。個票については、右上に通し番号S-△△△という番号を付けております。

 資料2-3のエは11物質分の表と、後ろに個票が付いております。資料2-3のオは、委員・事務局のみの机上配布とさせていただいており、各物質の評価についての委員からのコメントで事前に頂いたものを、荒木先生、太田先生、清水先生の分について1つの資料としてまとめております。

 資料3-1、資料3-2はトータル3枚セットで付けております。資料4A41枚ものです。以上が、いわゆる「資料」というグループで、それ以外の「参考資料」については全部まとめてホチキス留めをしており、基本的には1つの資料は紙1枚です。参考資料1、参考資料2、参考資料3-1、参考資料3-2、参考資料4-1、参考資料4-2という形になって、こちらは全体で1つのホチキス留めをしております。配布資料は以上です。

○清水座長 ありがとうございます。資料は全部お揃いでしょうか。問題はないと思います。それでは、初めに議題1の「平成26年第2WGの結果報告」について、事務局から御説明をお願いいたします。

○大淵環境改善室長補佐 資料1-1、資料1-2について説明をさせていただきます。まず資料1-1です。平成25年度にエームス試験を実施したものについて、今年度の1回目の会議で、エームス試験のデータそのものの評価をしていただきましたので、2回目の会議、前回の会議では、「国が行った試験結果」プラスアルファを既に得られている文献調査の結果の総合評価をしていただいております。その総合評価の結果を資料1-1の右側に記載しております。

 今回、全部で33物質の試験対象物質があり、結果的には陽性のものが4物質ありましたが、いずれも比活性が103 レベルまではいかないので弱い陽性と評価し、それ以外の29物質については「遺伝毒性なし」ということで評価をしております。以上がエームス試験の評価の関係です。

 資料1-2は、「Bhas42細胞を用いる形質転換試験の調査の基準」ということで、今年度から非遺伝毒性のスクリーニング試験をやるということで、こちらの試験基準について、前回のWGを踏まえて若干の修正をして、それを今年度の委託事業の際の基準として使うということで御了解を頂いております。

 「前回の会議以降の修正」というところでは、裏側のページの2ページの「4.被験物質の処理濃度」というところで、「可能な限り」と少し曖昧な表現だった所を「原則として」という表現に修正いたします。前回の会議の報告については以上です。

○清水座長 ただいまの御説明について、何か御質問等ありますか。よろしいですか。特にないようですので次に進みます。議題2「平成26年度既存情報による遺伝毒性評価」について、事務局から御説明をお願いいたします。

○大淵環境改善室長補佐 それでは、事務局から説明いたします。まず、資料2-1を使って、評価の進め方について説明します。前回の会議でも御説明しましたが、会議後、作業が進捗しておりますので、これも含めた形で簡単に確認をいたします。その後で、個別物質の具体的な評価に入りたいと思います。

資料2-1から御説明いたします。

 前回の説明とダブってしまう所もありますが御了承ください。まず、平成26年度の既存情報による評価の関係です。

1.文献調査」、ここは平成25年度の調査の状況を書いております。計12,920物質について、発がん性分類、遺伝毒性情報の調査及び整理を行っております。冒頭で11,920と書いてあるのですが、具体的にはまずはCAS番号を確認して、CAS番号が確認できた物質について調査するということで、トータルとしてはその数よりも若干少なくなって12,512ということでやっております。

 これらのうちIARCやその他の関係機関で既に発がん性分類があるものは、遺伝毒性の作業をやる必要がないので除外するということで、そういったものを除いて、遺伝毒性に関する情報だけがあるものをピックアップしたところ、628物質が該当しております。このWGでは628物質について作業していくということです。

(2)調査範囲・調査方法」です。これらの628物質について各種遺伝毒性試験の概要(陰性・陽性等)を調査しました。化審法のリスク評価でスクリーニングの「信頼性基準」が作られておりますので、それらに基づいて文献調査を委託事業で行っております。遺伝毒性試験のうちエームス試験、染色体異常試験については、陽性・陰性の判断だけではなく、定量的な評価(比活性、D20値)があればそれを整理して、評価が文献になくても計算ができれば計算してもらうということでやっていただいております。

 「2.事務局での整理」は、規制済み12物質等の除外ということで、628物質の中から特定化学物質障害予防規則で発がんの予防の観点から規制されている物質であるとか、あるいは既に変異原性が認められる化学物質として行政指導の対象にしている物質については、今回の評価対象からは除外ということで整理しております。結果的に12物質をまずこの中から除外しております。それを除外した後で、まずは(2)としてエームス試験情報があるかないか、事務局で確認をしております。628物質から12物質を除外した616物質について確認したところ、「エームス試験情報があり」が437物質、「情報なし」が179物質でした。このうち「情報あり」の437物質については、基本的には委員の先生方に評価していただくという方向ですが、ただ昨年度の経験を踏まえて、専門家の意見を聞くまでもないようなもの、ここにアンダーラインを引いた「エームス試験を含めた全ての試験の結果が陰性の物質については、事務局で陰性と判断する」というルールにさせていただき、結果的に260物質を除外して、委員に見ていただく担当の物質は177物質になりました。

 グループの2つ目としては、エームス試験情報がないものということで、179物質です。こちらについては、このWGの作業としては、一旦評価を保留して、まずは構造活性相関予測をし、可能なものについてはエームス試験も実施するというスキームに位置付けております。こちらは本年度の委託事業で、既に活性相関予測をやってもらっておりまして、179物質のうち構造式入手可能な169物質について予測を実施しております。その結果、総合判定プラスというものが26物質あります。これについて試薬購入の可否や、国立衛研にある「既存化学物質毒性データベース」などでエームス試験情報の有無を確認し、既に試験をしてデータベースに載っているものは除外するということで作業したところ、26物質のうち5物質がエームス試験の対象となり得るということで整理ができております。なお、26物質のうち既存化学物質毒性データベースなどでエームス試験情報が見つかったのが19物質あったのですが、そのうち3物質はデータ的にネガティブ情報しかありませんでしたので、そちらは事務局で「遺伝毒性なし」と評価しております。残りの16物質については、別途本年度、委員の先生方に遺伝毒性評価をしていただきたいと考えております。今回でなく次回以降にこういった物質について評価をいただく予定です。

 「3.委員の分担による評価」ということで、今回と前回の会議の間に、先生方に177物質について分担して評価を頂くようにお願いをしました。昨年も同じような形で分担評価を頂いております。

 評価基準については、本日の資料の参考資料の4に付けてある、昨年度の遺伝毒性のWGで作った資料に基づいて評価していただくということで、参考資料は特段、御説明しませんがその基準でやっていただきました。評価の際の区分としては、資料2-12頁の(2)に示した「丸数字1遺伝毒性なし」、「丸数字2弱い遺伝毒性あり」、「丸数字3強い遺伝毒性あり」、「丸数字4遺伝毒性はあるが強弱の判断不能」、「丸数字5遺伝毒性の有無の判断困難」という区分で5段階に分けて評価をしてくださいということでお願いをしました。

 その際の細かい留意点を(3)に示しています。「ア、エームス試験に不備がある物質」。不備というのは具体的に菌株が足りないとか容量が足りないというものです。こういったものは基本的には「遺伝毒性の有無の判断困難」と評価していただいて、エームス試験候補とするというルールです。ただ、エームス情報が不足していても、ほかにも遺伝毒性の試験結果があって、評価が可能であれば評価してくださいということにしております。今回、「エームス不備あり」でも、結果的に評価ができた物質は相当多かったかと理解しております。「イ、エームス試験に不備がない物質」については、得られている情報の範囲で遺伝毒性について評価をするということです。細かい留意点の※は省略いたします。

 こういったことで委員の方に評価をしていただきましたが、当初、177物質ということで分担をお願いしたのですが、作業の過程で審査対象から外れるものが計3物質あり、トータル174物質ということになっております。外れた物質については後ほど補足しますが、取りあえず174物質の内分けとして、エームス試験不備のため評価保留が2物質、丸数字1遺伝毒性なしが64物質、丸数字2弱い遺伝毒性ありが55物質、丸数字3強い遺伝毒性ありが33物質、丸数字4遺伝毒性はあるが強弱の判断不能9物質、丸数字5遺伝毒性の有無の判断困難が11物質ということです。

 評価対象から外れた3物質については()のところです。事務局作成資料にミスがあり除外したのですが、1つは、遺伝毒性情報がない物質までこのリストに入っていたということで除外しております。あと2つはエームス試験を含めた全ての試験結果が陰性ということです。こちらは今年度のルールでは、事務局で陰性と判断する物質でしたので、これも除外しております。

 こういった調整をした結果174物質になったのですが、これらのうち「遺伝毒性情報なし」の物質が1物質ありました。このため、今のペーパーでの説明では、国際機関等の発がん性分類の情報がなく遺伝毒性に関する情報はあるものが628物質ということで説明したのですが、ここから1物質外れますので、ここの部分は最終的には627物質になっております。

4ページ、「4.委員の合議による評価」については、本日のWGでの作業は、委員に分担評価していただいた中で、丸数字3強い遺伝毒性あり、丸数字4遺伝毒性はあるが強弱の判断は不能、丸数字5遺伝毒性の有無の判断は困難。こちらの物質についてWG1物質ずつ議論してまいりたいと思っており、特に丸数字3強い遺伝毒性ありを議論の中心にしたいと考えております。こちらについては最終的に、強い変異原性がある物質として行政指導が必要かどうかについての御議論をしていただければと思います。

 「5.評価結果を踏まえた対応」ということで、書かせていただいております。丸数字1遺伝毒性なしと評価されたものは、一旦遺伝毒性自体の評価は終了で、Bhas試験の候補物質の選定作業にいくと。丸数字2弱い遺伝毒性ありのものもそれで評価終了です。

 丸数字3強い遺伝毒性ありは、行政指導の対象になり、また中期発がん性試験の候補物質となります。丸数字4遺伝毒性はあるが強弱の判断不能。こちらは基本的にはエームス試験の候補物質となります。丸数字5遺伝毒性有無の判断困難についても、エームス試験の候補物質という流れで、試験実施後に改めて評価をしていただくことを予定しております。

 既に書いているのですが、エームス試験不備のため、評価を一旦保留した物質というところで2物質ありましたが、こちらは構造活性相関予測、エームス試験実施のほうに持っていくということです。

以上のような流れで前回の会議以降、先生方に既に作業をしていただきました。続いて、具体的な物質の説明をさせていただきます。

 まず、「発がん性分類なしで遺伝毒性情報あり」という物質については、資料2-2のアです。628物質のリストが資料2-2のアです。こちらについては、1つずつ特に細かい説明はいたしませんので、取りあえず628物質の表があるということで説明を終わらせていただきます。

628物質のうち、資料2-2のイ、「事務局による評価の対象物質」ということで、エームス試験データがあって、かつエームス試験を含めて全ての試験結果が陰性であるため、事務局で「遺伝毒性なし」と評価をするというものが260物質です。こちらも1つずつの御説明は省略いたします。

 次からが今回実質的な議論をするところです。資料2-2のウが、「委員による評価の対象物質」ということです。最初は177物質を予定していたのですが、先ほど説明した理由で3物質が抜けて174物質となります。ただ、このリスト上では177物質が書いてありまして、事情によって審査対象から外れたものは、その旨を資料の中でコメントしております。例えば、資料の1ページの3つ目のS-0039の物質のアリル=メタクリラートは、全ての試験結果がネガティブなものでしたので、事務局で評価をさせていただきました。この表のうち、委員の先生方のほうで強い遺伝毒性ありと評価したものや強弱の判断困難、あるいは陰性・陽性の判断ができないものは、別の資料でここから抽出をさせていただいておりますので詳細はそちらで説明をさせていただきます。

A3の横長の資料22のエは、平成25年度の文献調査でエームス試験がなかった179物質です。これについては、先ほども説明しましたが、既に今年度の委託事業の中で構造活性相関予測を実施しまして、総合判定+が全部で26物質ありました。この表の中では構造活性相関はページの右半分側に「平成26年度構造活性相関予測結果」を作りまして、DerekADMEWORKSCASEUltra、そして、総合判定と4つの区分を書いております。この「総合判定」でプラスの物質が全部で26物質あったということです。これらの物質については、試験の候補物質となりますが、既にほかの所で試験がやられていれば重ねて試験をやる必要がないということで、「既存化学物質毒性のデータベース」、あるいはNITE((独)製品評価技術基盤機構)のCHRIPなど、データベースを確認しました。そこで引っかかってきたものが、既にエームス試験情報があるものが19物質です。資料中では、構造活性相関の欄の隣に、総合判定プラスの物質については、いろいろなデータベースを調べた結果を書いております。この19物質のうち、事務局で陰性と評価したものが3物質、残り16物質を今後先生方に評価いただく予定です。この表の右側から2つ目の欄の「評価予定」については、別途、委員の先生方に評価を頂くことを考えている物質です。

 これら19物質以外の物質の中から試薬購入の可否を検討し、最終的に試験の対象として考えているものは、この表の一番右の欄に今年の試験対象として書いている5物質です。場所的に散らばっていますがトータルで5物質です。今までが評価の大まかなところです。これからが細かい話になってきます。

 資料2-3のアから、資料2-3のオまでを使って作業をしていきます。先生方に後ほど御議論を頂くのは、資料2-3のイ、「強い遺伝毒性あり」の物質についてです。それぞれの先生から御担当の物質について御説明等をしていただく予定です。その前に、事務局で説明できるものについて先に続けて説明いたします。

 資料2-3のアについては、委員に評価していただいた中で、「エームス試験不備のため評価保留」となった2物質です。太田先生に評価していただいた2物質のうちのS-1380S-1563については、エームス試験の情報が不足しているということで、事務局としては、こちらは平成26年度のエームス試験の候補と考えていきたいと思っております。

 具体的な試験情報を記載した「個票」については、次のページに添付しております。個票の細かい説明は今の時点では省略させていただきます。

 資料2-3のイの33物質については後ほどやります。

先に資料2-3のウ、「丸数字4遺伝毒性ありだが強弱の判断困難」だった9物質から御説明いたします。委員の先生方の判断がこういう判断だったものということです。去年はこういった物質について1物質ずつ取り上げてディスカッションしていただいたのですが、ここで先生方へ提案があります。今回はこれらの物質の中でエームス試験に不備があったものについては、今後、平成26年度にエームス試験をやって、その結果を踏まえて来年度、もう1回評価をすると。そうでない「エームス試験に不備のない物質」については、先生方の判断をもって、「強弱の判断不能」を最終結論にしてはどうかと。それ以上の議論は、エームス試験の不備なしの物質については、必ずしもしなくてもよいのではないかと考えております。ですから、事務局としては、資料2-3のウの9物質のうち4物質は「強弱の判断不能」が最終結論で、残りの5物質のエームス不備のある物質については、エームス試験を今後行って、その結果を含めてもう一度評価をしていただくということで御提案します。

 資料2-3のエの11物質は、「丸数字5遺伝毒性の有無の判断不能」の物質です。こちらについても、今のものと似たような考え方ですが、エームス試験に不備がなかったものについては先生の結論をもって最終結論とし、エームス試験に不備があったものについてはエームス試験を今後試験を行って、その上で最終的に評価をするという考え方です。11物質中、明確に「エームス試験不備あり」と御回答を頂いた物質が9物質ありました。それ以外に本間先生が御担当いただいた物質で、「エームス試験不備なし」とは書いてあるのですが、コメントのところで「詳しいデータ不明(ambiguous)」というコメントがありましたので、場合によっては、S-2596の物質についてもエームス試験の対象にすることもあり得るかと考えております。その場合には、このグループの中は10物質が試験対象という整理になるかと思います。そのような考え方で去年とは違って、遺伝毒性の強弱の判断不能とか、遺伝毒性の有無の判断困難という物質については、エームス試験不備ありものについて今後データを取って追加で評価することとし、そうでないものは一応これを最終評価にしてはというのが事務局の提案です。

 事務局で説明できる部分というのは、基本的にはここまでかと思います。あとは先生方に御議論を頂くものが資料2-3のイ、「丸数字3強い遺伝毒性あり」のところです。こちらについては、先生方に御説明いただく前に、事務局から簡単な説明をしておく必要があるかと思います。

 最初に申し上げないといけないのが、今回の作業では、最初に規制済みの物質や既に行政指導している物質を除外することが大前提でしたが、文献調査の際にその辺の拾い上げが必ずしもうまくできていないところがありまして、この33物質を事務局でもう一度確認したところ、9物質について既に規制対象になっていたり、あるいは行政指導の対象になっていたりということがわかりました。このため、大変申し訳ないのですが、先生方に評価を頂いた物質のうち、規制済み、行政指導済みのものについては、今回のWGでは改めて作業する必要はなし、という整理をさせていただきたいと考えております。資料23のイの「補足コメント」欄に事務局で規制状況等を記載し、その隣に「WGでの議論は不要」と書いておりますが、そういった物質は全部で9物質ありました。大変申し訳ございませんが、こちらはこれ以上議論する必要はないかと考えておりますので、こういった物質を外しますと、先生方に御議論いただく物質は全部で24物質になるかと思います。

24物質について、それぞれの物質の個票を、リストの順番どおり添付しておりますが、こちらの手違いで、順序が少し入れ替わってしまった物質があります。2ページ、本間先生に御担当いただいた物質の中で、S-2243S-2326の順序が逆になった形で綴ってしまいましたので、説明の際、ご注意ください。この資料にはページ番号振っていませんが、右上に通し番号のS-△△△というのを記載した上で資料セットをしております。本日、これからの議論におきましては、強い陽性の物質について試験結果の概要説明を簡単にしていただいて、その上で、行政指導の対象とする必要があるかないか御担当の先生にコメントを頂ければと思います。

去年のケースでいきますと、原則として、強い遺伝毒性ありのものは行政指導の対象にさせていただいたのですが、例えば、「遺伝毒性はあるという判断だが、別途行われた発がん性試験があって、その試験結果から見ると、発がんの観点で問題がないので、変異原性物質としての行政指導は不要だろう」と整理された物質があります。そういった特別な要素があれば指導対象からは外れますが、特別な要因がなければ、基本的には遺伝毒性が強い物質は、行政指導対象として整理をさせていただきたいと思いますので、先生方に調べていただいた中で、特別の要素があれば御説明の中でお示しいただけると有り難いです。説明が長くなりまして申し訳ありませんが、事務局からは以上です。

○清水座長 今までで何か御質問ございますか。

○角田化学物質評価室長 参考資料の一番最後の綴り、上から4枚目参考資料3-2です。今、御説明したものをまとめたのが参考資料3-2です。スクリーニングの評価対象物質12,920から始まり、「発がんの情報なし」がさらに2つに分かれて、右に行き「何らかの遺伝毒性情報あり」627が、先ほど説明があった数字です。これを受けてその下の横長の太い点線の枠で囲んである部分を先生方にいろいろ見ていただいております。その判定の評価の結果として、今あるのが横長の点線の枠の中にある「遺伝毒性あり」という中に「強い」が33、「弱い」が55、「強弱判断困難」が9。「毒性なし」が委員の御判断が64。「遺伝毒性有無の判断不能」が11あり、エームス不備で判断保留が2。今のものを全部足すと174になります。これを御審査いただいていました。それぞれについてどう対応するかは、それぞれ下に矢印がありますので、そこを御参考にしていただければと思います。今ここの「遺伝毒性あり」で強い33というのがありました。これについて今から御審議をお願いいたします。

○清水座長 よろしいでしょうか。それでは事前に各委員の先生方に評価いただいた物質のうち、「強い遺伝毒性あり」、丸数字3です。この物質について行政指導の要否を御検討をいただくことになります。各委員が評価した33物質の中から規制済み、行政指導済み、9物質を除いた計24物質について、1物質ずつ順に議論します。最初に荒木委員から御担当の物質について御説明をお願いします。

○荒木委員 S-0064です。アセト酢酸アニリドです。データを見ていただくと、エームス試験が2つ実施されており、1つが厚生労働省の試験で、もう1つがNTPの試験です。染色体異常試験、CHL/IUを用いた試験が行われています。これも厚生労働省の試験です。染色体異常は陰性ですが、厚生労働省のエームス試験の大腸菌、WP2uvrA/pKM101だけが一応陽性です。比活性値の計算をすると1.24×103 で、基準から当てはめると強い変異原性があるという判断になるかと思います。

○清水座長 この物質は103 以上の強さということですね。

○荒木委員 はい。

○清水座長 ということは行政指導が必要になりますかね。1物質ずつやっていきますか。

○大淵環境改善室長補佐 何物質かまとめたほうが、説明しやすければそれでも構いません。

○清水座長 取りあえずざっと全部、御担当の所をお願いします。

○荒木委員 その次はワーキンググループでの議論は不要になっていますので、S-0592です。ポリ[2(クロロメチル)オキシラン-alt-メチレンジフェノール]です。これは厚生労働省のエームス試験の結果があり、条件付きですが、平均分子量300のもののデータですが、24時間処理のD20値が0.016mg/mlで、9%であることから、0.01より大きいということで、染色体はそれほど強くないということです。しかしエームスの比活性値を見ると、-S93.70×103 ということで、陽性です。一応エームスの試験と染色体異常の陽性ということで、比活性値が103 以上なので、強い変異原性があるの判断ができるかと思います。

 次がS-0775です。エームス試験はもちろん変異原性試験で陽性の結果が得られており、TA100+S9の比活性値が5.58×103 以上。in vitroの染色体異常試験が陽性で、これは0.01mg/ml47%で、D20値は0.0043mg/mlになりますので、0.01より小さいということでエームス、染色体ともに強いということで「強い変異原性がある」と判断できるかと思います。

○山田委員 これは計算されたのですか。

○荒木委員 これは計算しました。

○清水座長 自分で計算したのですか。

○荒木委員 はい。

 次がまた2つ評価不要ということで飛ばします。次がS-0822です。エームスの試験の結果があり、微生物の変異原性試験は陽性で、これは1535S9がハムスターのS9の場合が3.50×103 で、ラットの場合が3.21×103 。これも強い変異原性と判断できるかと思います。あとは太田先生になりますか。ここまででしょうか。

○清水座長 今、以上、荒木委員からは4物質に関して「強い遺伝毒性あり」。最初のS-0064はエームス103 以上。それからS-0592もエームスで103 以上である。S-0775もエームス103 、しかもD20値も0.0040.01よりもかなり低い。S-0822もエームスで103 の強い遺伝毒性がありというようなことから、評価としてはいずれも「強い遺伝毒性あり」ということで行政指導が必要ではないかということになるかと思いますが、いかがでしょうか。特に御意見はございませんか。特に御意見がなければ、そういうような結論にしたいと思います。次は太田委員ですが、これは事務局から御説明いただけますか。

○大淵環境改善室長補佐 太田先生の担当が、S-1284からS-1438です。このうち1物質、S-1407が既に規制済みの製造許可の物質のベンゾトリクロリド、少し名前が違うのですが、構造的には同じ物質でした。そちらはワーキングの対象からは外していいだろうということでした。それ以外の物質で、大部分のものはエームス不備ではあるのですが、太田先生としてはほかのデータから見て、「強い遺伝毒性あり」と評価できると整理をしていただいております。

 まず、S-1284です。データとしてはエームス試験のみですが、ここには書いていないのですが、おそらく太田先生が比活性値比活性も計算してくださって、強い陽性と判断いただいたものと理解しております。

 次のS-1325です。vivoの試験がありまして、vivoの小核試験がここでは2つ。vitroの試験ではエームス試験が2つ上がっています。vivoの小核はEquivovalから、あるいはネガティブという結果です。エームスの試験は2試験ともポジティブの結果になっています。こちらも恐らく強さの指標は書いていないのですが、太田先生が見てくださって、強い陽性と判断されたものと思われます。

S-13454-クロロ-2-ニトロアニリンです。vitroの試験だけになります。最初に出ているエームス試験で比活性比活性値6,100ということが出ています。ほかの試験でも陽性の結果が出ているものが多いので、これで強い陽性と判断いただいたものと思います。

S-1388o-アミノフェノール、この物質はvivoの試験がなく、vitroの試験としてエームス試験が3試験記載されております。3試験のうち2試験はポジティブで、1試験はウィークリーポジティブという結果が書かれていますが、強さの指標の欄は記載がありませんが、太田先生のコメントが「補足コメント」欄に書いてあり、NTPのデータは比活性値比活性1,000以上と。TA100で比活性活性値、1,000以上です。先ほど私の説明が漏れましたが、S-1325S-1345も先生のコメントでそれぞれ比活性比活性値について記載していただいております。

 次の1物質はワーキンググループでの議論は不要ということで飛びます。S-1413、太田先生のコメントでvivoの染色体異常試験でポジティブの結果が出ています。

 次のS-1436N-フェニル1,4-フェニレンジアミンです。vitroの染色体異常試験が陽性でD20値が0.01以下ということです。

 次のS-1438についても太田先生から、染色体異常試験でD20値が0.01以下というコメントをいいただいており、ここから判断して強い陽性ということです。事務局の説明が不十分かもしれませんが、いずれもそのような状況です。特に発がん性についての情報がなければ、これらの情報をもって行政指導の対象となり得るかと思います。以上です。

○清水座長 事務局から太田委員の結果について御報告いただきましたが、7物質に関して「強い遺伝毒性あり」ということで、その根拠も示されました。ということで行政指導の対象とするということで、何か御意見ございますでしょうか。

○本間委員 先ほど荒木先生も自分でリバータントを計算されていますが、そちらの場合はこちらの記載にもある場合もあるし、エームス試験で先生が記載されて、ここではないとしても、染色体異常でD20値が低かったので判断できましたが、太田先生の場合は自分で計算したものだけが根拠になって、「強い陽性」としていますが、実は私は自分で計算していないです。だからそうなってくると、計算しているものと計算していないものと齟齬が出てきますね。例えば、特にS-1284に関しては、試験系としてTA10015352菌株でしかやっていないです。これは太田先生いわく不備があるということですよね。この不備のあるデータでリバータント計算して、果たしてそれで判断していいのかどうかがよく分かりません。私は少なくとも自分で計算していないし、ほかの清水先生、山田先生は自分で計算されているのか分かりませんが。

○大淵環境改善室長補佐 文献調査の際、比活性、D20値については、計算できるようなデータが記載された文献の場合には、委託先で計算してくださいということでお願いしていましたが、必ずしも徹底されておらず、先生方に御負担をかけてしまいました。審査のやり方が統一的にならなかったのは申し訳ありません。

○荒木委員 今、判断しないで次回まで持ち込むか、後で計算し直してもらうか。

○清水座長 報告書を見ないと、報告書によって全てデータがあるものもあります。私はそれを見て自分で計算、エームスなんかは計算しているのですが。これは太田先生の場合にはしたデータがあったのかどうか。見ないと分からないですね。

○山田委員 不備ありというのは、菌株が少ないだけでも「不備あり」になるので、あるものとして試験はきちんとされていて、データがあったら、それが陰性だったらあれですが。1株だけやっても、それで計算できれば多分されると思います。

○清水座長 そういうのもありますね。これはエームスだけですかね。

○本間委員 今のS-1284ですか。次のものもそうですね。これは小核でEquivocal、あるいはネガティブですから、決定的なのはこのエームスだと思うのです。これはどちらも陽性ですけれども、これも自分で計算されていますよね。3つ目はここに記載されて比活性値が6,100と出ていますから、これは問題ないとしても。さらに次のS-1388in vivoは陽性ですので、これは問題ないですね。これはvivoの染色体異常が陽性ですから、比活性値はここではあまり重要ではないかもしれません。

○清水座長 エームスを、もう一度見ていただき、エームスのデータがもしあれば計算していただいて、判断されればいいと思います。

○本間委員 少なくとも私は、自分で見たのは計算しません。

○清水座長 ないですか。

○本間委員 はい、それはもう強いと判断していません。

○清水座長 それはデータもないですか。

○本間委員 いや、データは一応2倍程度はあったりして少し上がっているなと思いますけれども、計算していません。どれが一番強いか計算するのはかなり大変な作業です。

○清水座長 そうするとこの中で明からに103 というものがはっきりして行政指導できるものはS-1325ですか。それからS-1345S-1388、それからS-1436D20値が低いと。それからS-1438は明らかに「強い遺伝毒性あり」ということになるかと思います。残りのS-1284S-1413に関しては、もう一度見直していただくことにしましょうか。

○本間委員 最初の2つだけだと思います。

○大淵環境改善室長補佐 最初のS-1284S-1325

○清水座長 S-1284S-1325が比活性値1,000以上ですね。

○本間委員 ただそれも計算がここに記載されていない。

○大淵環境改善室長補佐 コメントの所にだけに書いていただいたので、特に委託先では計算はしていないです。太田先生の具体的な計算結果です。

○本間委員 委託先にそこの部分の計算を頼んだらどうですか。

○荒木委員 ただNTPのデータはきちんとデータは出ているので、計算できると思うのです。

○清水座長 S-1325はしたのではないでしょうか。

○大淵環境改善室長補佐 個票のNTPのデータところには比活性の記載はないです。太田先生の補足コメントとして比活性値1,000以上と書かれておりますが。

○清水座長 計算されているのだと思うのです。よろしいですか。取りあえずS-1284S-1413をもう一度見直していただくということでいかがでしょうか。

○大淵環境改善室長補佐 S-1284S-1413ですか。

○清水座長 S-1413

○大淵環境改善室長補佐 S-1413vivoの試験が陽性だった。

○清水座長 そうか。

○大淵環境改善室長補佐 最初の2つですか。

○清水座長 最初の2つ。S-1325ですか。

○大淵環境改善室長補佐 S-1284S-1325、こちらも少しデータを確認するということで。

○清水座長 これは太田先生は計算したのではないのですかね。TA100

○大淵環境改善室長補佐 太田先生に確認してみます。

○清水座長 確認していただきたいです。

○大淵環境改善室長補佐 計算していらっしゃれば具体的な数字を教えていただくことができると思います。

○清水座長 というのはS-1388も同じような記載の仕方ですよね。NTPのデータでTA100が比活性値1,000以上と。

○山田委員 コメントではほかの試験結果から「強い遺伝毒性あり」に分類されると書かれていますけれども。

○清水座長 ではこの辺、事務局から計算をしたのかどうかを確認していただくということでお願いします。

○大淵環境改善室長補佐 はい。

○清水座長 ほかに何かありますか。よろしいでしょうか。それでは、なければ次がS-1698です。これはTA100で、9.5×103 という強さの、「強い遺伝毒性あり」ということで分類しています。エームス、TA100103 以上ということです。

 それから、次のS-1793は、TA98103 以上。それから、TA100の+S9、両方とも+S9ですが、103 以上。これは私が計算をしています。いずれも103 以上あるということで、「強い遺伝毒性あり」と分類しました。

 それから、次のS-1869です。これは、エームスは全菌株があるのですが、MLA、マウスリンフォーマのアッセイのほうで4倍以上、10倍なのです。計算したのが10倍の強さになっているということで、これもMLAのほうから「強い遺伝毒性あり」という判定をしました。4倍以上が陽性という判断をしています。

 それから、次のS-1936。これは、エームスはネガティブですが、MLA7倍、染色体で弱陽性、SCEでプラスということから、やはり「強い遺伝毒性あり」ということで判定しました。

 それから、S-2004、これがTA100-S9103 。それから、TA1535でやはり103 以上ということで、「強い遺伝毒性あり」と判定しました。

 それから、次のS-2030ですが、これはMLA9.8倍、ただしエームスはネガティブということで、一応MLAの方が強い陽性ということで、「強い遺伝毒性あり」と判定しました。

 それから、次のS-2065ですが、これはエームス、TA100の+S9で、103 以上ということで、やはり「強い遺伝毒性あり」と判定しています。以上が私の分担の所ですが、何か御質問はありますか。

○本間委員 マウスリンフォーマが強い陽性の基準というのは、化審法の基準によるものでしょうか。

○清水座長 一応、この前この委員会で4倍以上を陽性ということで判断することにしております。よろしいですか。特になければ、以上の物質に関して行政指導ということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

○清水座長 それでは、特に御意見がなければ、次の本間委員にお願いします。

○本間委員 最初のは不要ということで、2番目のS-2243

○大淵環境改善室長補佐 資料の順番が入れ替わっていて、申し訳ありません。S-2326の後にS-2243の資料が入っています。

○本間委員 こちらはエームス試験陽性、比活性値は計算していませんが、vivoのほうの小核で陽性が出ていますので、「強い遺伝毒性あり」と判断しました。2番目のS-2308、これは評価がいらない。次はS-2326

○大淵環境改善室長補佐 資料の前のページに戻っていただく形です。

○本間委員 メタバナジン酸アンモニウム、こちらもエームス試験はないです。ほかのvivovitroの試験、染色体異常試験、小核試験、SCE、全て陽性。しかも、vivoの小核試験は陽性が出ていますので、陽性と判断しました。

 次にS-2449、ソルベントブラック-5です。こちらはエームス試験陽性の結果が出ていて、比活性値が12,000と計算されていますので、陽性と判断しました。次に1つ飛ばしてS-4093、トリクロロアセトアルデヒド、こちらも小核試験が陽性の結果が出ています。特にこれはvivoの試験が、かなり多く試験されていて、そちらでほとんど陽性、もしくはウィークリーポジティブ。エームス試験でも陽性の結果が出ています。比活性値は不明ですが、vivoで強い遺伝毒性が出ているということで、強い陽性と判断しました。

 最後はS-4102o-フェネチジン。これは、エームス試験は陽性と陰性の判定が出ていますが、こちらは小核が陽性と出ていますので、こちらは既存点検で化審法のデータベースからあります。データは信頼できると思いまして、小核陽性として、強い陽性と判断しました。私の担当はそれだけです。

○清水座長 今の御報告に対して、何か御質問はありますか。よろしいでしょうか。そうすると、5物質に関して「強い遺伝毒性あり」という判定で、これも行政指導のほうに持っていくということでよろしいですか。

(異議なし)

○清水座長 特に御意見がなければ、次に進みたいと思います。次は山田委員にお願いします。

○山田委員 私の担当の2つのうち1つは行政指導済みということです。一番最後のS-4287は、資料をひっくり返した裏側にデータがあります。NTP2回エームス試験をやっていまして、いずれもポジティブの結果で、1つは、ここに書いてありますように、非常に強い比活性値。クメンヒドロペルオキシドなので、これはポジティブコントロールに使うこともある物質だったと思うので、当然ですが比活性値が、非常に高いものになっているので、「強い遺伝毒性あり」と判断しました。以上です。

○清水座長 いかがでしょうか。今の「強い遺伝毒性あり」ということで、特に御意見がなければ、行政指導ということにしたいと思います。全体で何か御意見はありますか。事務局は今の結果でよろしいですか。

○大淵環境改善室長補佐 はい。2物質だけ太田先生に確認をさせていただいて、あとは「強い陽性」と判断して、いずれも行政指導対象ということで、ありがとうございます。

○清水座長 ありがとうございました。それでは、議題2は終わりまして議題3、「平成26年度のエームス試験の対象物質について」、これも事務局から御説明をお願いします。

○大淵環境改善室長補佐 その前に念のため、1点だけ確認をさせていただきたいのですが、資料2-3の「遺伝毒性の有無の判断不能11物質」の中の、本間先生に御担当いただいた物質なのですが、S-2596、こちらは委託事業でエームス試験を追加でやっておいたほうがいいものですか。資料2-3のエの中の丸数字5「遺伝毒性の有無の判断不能」という物質の中の、上から5つ目の物質です。詳しいデータは不明となっているのですが、一応後ろのほうに個票も付けていますので、もし必要があれば、そちらも御覧いただきまして。

○本間委員 この評価はambiguousですね。これはエームスの結果しかなくて、菌株はかなりいっぱいやっているのですが、実際のデータを見ることはできませんから、何とも判定できないです。

○清水座長 しかし、この24,300いくらというのは、すごい高濃度までやっていますね。

○山田委員 普通の試験で5,000までしかやらなかったら、出ないかもしれないです。ですから、エームス試験の物質の枠がまだあれば、一応やって確認するという感じでしょうか。

○清水座長 そうですね。これは複雑な物質ですか。構造活性相関は見られない。では、もし余裕があったらということで、候補にしてください。

○大淵環境改善室長補佐 はい、ありがとうございます。それでは、次の議題の3番目に戻らせていただきまして、平成26年度のエームス試験の、対象物質の関係の議題に移らせていただきます。資料は3-13-2で、3枚で1つのホッチキスに綴じてある資料です。表題は3-1が「平成26年度エームス試験対象物質の選定方針及び選定状況」ということで、昨年度、当初予定は50物質で、結果的に33物質の試験をしたのですが、今年も当初予定としては約50物質の試験をやるという予定で委託事業の計画をしていまして、現在までのところ、どんな形で物質を選んでいるかということを御報告させていただきたいと思います。

 大きく3つのグループに分けて、物質の選定作業を行っております。まず1つ目のグループとして、平成25年度の構造活性相関予測で総合判定プラスと評価された計39物質の中から、条件に合うものを選んでいくということで、次の(1)から(4)の作業をしまして、14物質が試験対象と書いてあります。具体的にどのように物質を絞り込んでいくかといいますと、まずこれらについては試薬購入の可否を調べまして、購入できないという物質は除外しています。それから、残りの22物質の中で、EPAの発がん性分類があるということが分かった物質が1物質ありましたので、そちらはそもそも、遺伝毒性ワーキングの作業外ですので、除外しました。それから、残りの21物質について、国内のデータベースで衛研の毒性データベースと、それからNITEのデータベースCHRIP、この2つでエームス試験情報があるかどうかを確認しまして、4物質についてはデータがありましたので、こちらは試験対象ということではなくて、別途、委員に文献のデータの評価をしていただく予定で考えています。

 こういう形で1から3の物質を除くと、残り17物質となります。17物質を全部できればいいのですが、試薬が高いもの、例えば1g10万円するものは、なかなか委託事業でやれないので、そういうものを除いて、今のところ14物質を予定しています。

 次は大きな2番目のグループとして、平成25年度の文献調査の結果、エームス試験情報がない物質、これは179物質ありまして、こちらからの選定です。これについては最終的なものとして、今は5物質を予定ということで考えていまして、選び方としては179物質のうち、まず(1)として、構造式を入手可能な169物質について構造活性相関予測をしまして、26物質が総合判定プラスとなりました。この予測は、平成26年度の委託事業の中で行いました。

 それから、この26物質中、1物質は特定化学物質の第一類物質ということで、規制済みのため除外です。それから、(3)として残りの25物質について、上で書いた衛研の毒性データベース、NITECHRIPでエームス試験情報を探したところ、25物質のうち19物質についてはデータがありまして、うち3物質はネガティブデータ、残りの16物質はポジティブないしEquivocalのデータで、16物質についてはは別途、委員の先生方に評価をしていただく予定です。

 そうすると、26物質が総合判定プラスということで、そこから条件に合う物質をピックアップすると6物質あるのですが、試薬購入の可否をこの段階で確認して、購入できない1物質が除外されて、結果的に5物質が試験対象ということです。

 それから、最後の所です。これは本日の議論に関係する所ですが、平成25年度の文献調査の結果、エームス試験のデータがあって、かつネガティブ以外の遺伝毒性データがある物質について、ワーキンググループで委員が評価を行って、次のいずれかに評価された物質ということです。そうしますと先ほどのご議論において、「丸数字4遺伝毒性ありだが強弱の判断不能」の中で、そもそもエームスに不備があるためにそのような評価となったものが5物質あり、これらが丸数字4のグループからのエームス試験候補になります。

 それから、「丸数字5遺伝毒性の有無の判断困難」というグループの中からは、一応10物質が試験候補になります。

それと、エームス試験不備のため評価保留とされた物質で、2物質あります。

ですので、この大きな3のグループの中からは、現段階では5物質、10物質、2物質の計17物質が候補です。今後、これらについても先ほどの1ページ目と同じような形で、衛研の毒性データベースですとか、CHRIPなどで情報がないか念のため確認したり、あるいは試験用の試薬の購入ができるかどうか確認したりした上で、最終的な試験対象を決めたいと考えます。今年度もトータル50物質まではいかないかもしれませんが、このような物質を試験対象にさせていただきたいと思います。具体的に試験対象物質を御紹介しますと、次の資料3-2の横表です。こちらは平成25年度の構造活性相関の予測で、総合判定プラスの物質から選んでいく作業をしたものです。39物質について、試薬入手の可否ですとか、データベースでのエームス試験情報があるかないかというのを確認して、今のところこの表の一番右側の所で「評価予定」となっているのが、試験対象として考えている14物質です。

 それ以外に、右から2番目の欄で評価予定となっている所は、衛研のデータベース等でエームス試験情報があった物質で、こちらは試験結果を待たずに、別途、先生方に評価をしていただける物質です。

 このような状況でして、いろいろな文献調査を委託でやっているのですが、データの見落としがあって、最終的に衛研のデータベース等で確認しています。既に国で試験がやられている物質について、もう一回私どもで試験するようなことは避けるべきなので、最終段階でもこのような確認を行った上で、試験対象を選ぶこととしております。以上です。

○清水座長 ありがとうございました。何か御質問はありますか。この物質類は、今まで新規に届け出されてきている約25,000物質がありますよね。

○大淵環境改善室長補佐 はい。

○清水座長 それとの照合というのはしているのですか。

○大淵環境改善室長補佐 まだ新規物質との照合はできていません。新規物質については、CAS番号で検索できるものはいいのですが、CASが全部の物質に付いている訳ではないので、突合が難しい部分もあるため、新規物質の突合は事務局や委託事業ではやっていません。もしかしたら、そういうものも含まれている可能性は否定できないかもしれないですが。

○清水座長 既存になっているわけですよね。

○大淵環境改善室長補佐 はい。

○清水座長 構造的には簡単で、何か見たことがあるようなものが、かなりある。

○大淵環境改善室長補佐 そうですね。新規物質の中でも変異原性が強いということで指導した物質であれば、ある程度範囲が限られるので、突合もできるのかもしれないのですが、過去の届出が2万物質を超えているので、全部を突合するというのは無理かなという感じです。

○清水座長 あれでうまく合えば、少なくともエームスのデータは全て分かるわけですね。

○大淵環境改善室長補佐 はい。

○清水座長 ただ、あれは103 以上は行政指導になっているのでしたか。

○大淵環境改善室長補佐 はい。

○清水座長 そうですね。では、それは行政指導になっているのが分かるわけですね。

○大淵環境改善室長補佐 はい。

○清水座長 今の御説明に、何か御質問はありますか。よろしいでしょうか。なければ、その次の「その他」に移りたいと思います。よろしくお願いします。

○大淵環境改善室長補佐 「その他」は今後の予定ということで、毎回、今後の予定表を資料でお配りしていまして、今回も資料4に今後の予定を書かせていただいています。文献調査に基づいて、遺伝毒性の評価を今回かなりやっていただいたのですが、評価すべき物質がさらに見つかりました。具体的には、エームス試験データが文献調査段階では見つからなかったものの、その後、衛研のデータベース等でチェックしたところ見つかったと物質です。そういった物質を先ほど何物質か御紹介させていただきましたが、これらについては別途、こちらでデータを用意して、先生方に評価をしていただく必要があるかと思っていまして、それを秋頃に1回やれればと考えています。その際には、準備が出来た段階で、先生方に事前に資料をお送りして、御覧いただくような形で予定をしています。

 物質数は、それほど多くはありませんが、既存のデータを元にした遺伝毒性の評価を、次回で少し区切りをつけられたらと思っています。以上です。

○清水座長 何か御質問はありますか。下の2番の委託事業というのは、これも既にスタートしているわけですね。

○大淵環境改善室長補佐 委託事業の契約は全部終わっており、事業がかなり進んでいるものもありますし、これから詳細な打合せをしながら進めていくものもあります。

○清水座長 ありがとうございます。今後の予定ということで御説明いただきましたが、また秋頃に第4回ということです。何か御質問、あるいは追加の発言はありますか。

○大淵環境改善室長補佐 あとは先ほどペンディングになった2物質については、事務局で確認をしまして、メールで先生方に御連絡差し上げることでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

○清水座長 特になければ、これで今日のワーキンググループを終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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