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2014年4月18日 平成26年第1回遺伝毒性評価ワーキンググループ 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成26年4月18日(金)
13:30~


○場所

厚生労働省16階専用第17会議室


○議事

○大淵環境改善室長補佐 お待たせいたしました。ただいまから、平成26年度第1回遺伝毒性評価ワーキンググループを開催いたします。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。昨年度に引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。会議の進行につきましては、座長の清水先生にお願いいたします。

○清水座長 本日は、西川先生、若林先生が御欠席ということです。田中先生にお越しいただいております。議事に入る前に、事務局から議事次第と資料の確認をお願いします。

○大淵環境改善室長補佐 資料ですが、一番上に座席表、その次に議事次第、配布資料一覧があります。議事次第の資料で会議室の名前が間違っておりまして、申し訳ございませんでした。後ほど訂正いたします。

 議事次第ですが、本日の議題としては、(1)「平成26年度に実施する非遺伝毒性発がんスクリーニング試験の対象物質について」ということで、後ほど事務局から御報告します。(2)Bhas 42細胞を用いる形質転換試験の試験基準について」ということで案をお示しし、それに基づいて議論をしていただきます。(3)「平成25年度に実施した構造活性相関推計の結果の評価について」。(4)「平成25年度に実施したエームス試験結果の評価及び遺伝毒性の総合評価について」。(5)「その他」ということで、今後の予定等の御説明をします。

 冒頭で出席者の確認等が漏れてしまいましたので、先ほど清水先生からも補足をいただきました。本日の資料は、資料15と参考資料15と分けており、ページもそれぞれ資料のページを振っております。資料の確認ですが、配布資料は資料1-1が通しページで1ページから、資料1-23ページから、資料25ページから、資料3-19ページから、資料3-211ページから、資料3-313ページから、資料3-415ページから、資料4-121ページから、資料4-223ページから、資料4-325ページから、資料4-427ページから、資料529ページとなっております。

 参考資料は、参考資料11ページから、参考資料23ページから、参考資料35ページから、参考資料421ページから、参考資料523ページからというつくりになっております。また、水色の紙ファイルの中身ですが、資料4-2のエームス試験結果の報告書33物質分については、傍聴の方については省略して、先生方と事務局のみの配布となっております。

 参考資料1に参集者名簿がありますが、本日は議題に非遺伝毒性スクリーニングと構造活性相関の関係がありますので、追加参集者ということで4名の先生の名前を書いております。食品薬品安全センターの田中先生、国立医薬品食品衛生研究所の西川先生、広瀬先生、静岡県立大学の若林先生ですが、西川先生、広瀬先生、若林先生は御都合が悪いということで、本日は田中先生だけが御出席です。それ以外のワーキンググループの先生方は皆様御出席です。説明の順番がずれまして、申し訳ございませんでした。配布資料は以上ですが、何か不足等はございますか。よろしいでしょうか。

 それでは、以降の進行は清水先生にお願いします。

○清水座長 それでは、議事に入ります。議題1「平成26年度に実施する非遺伝毒性発がんスクリーニング試験の対象物質について」ですが、事務局から説明をお願いします。

○大淵環境改善室長補佐 国で平成26年度から非遺伝毒性スクリーニング試験を開始しようということで、それに関連して平成25年度のこのワーキンググループにおいてどんな試験をやったらいいか、あるいはどんな物質について試験をしたらいいかを御検討いただいております。昨年度のワーキンググループでは、文献調査の結果を基に遺伝毒性の有無、強弱などを評価いただき、その中で「遺伝毒性なし」と評価された物質の中から非遺伝毒性スクリーニング試験の対象を選ぼうということで検討をしていただきました。

 試験手法をどうするかについても、昨年度の検討会で、具体的には今年1月のワーキンググループで検討いただき、Bhas 42細胞を用いる形質転換試験。このペーパーでは漏れておりますが、そのうちのプロモーション試験のみを行うことを決めていただいております。対象物質については、「遺伝毒性なし」の物質が昨年度はトータルで494物質あり、それを事務局で製造・輸入量のランク別に篩い分けし、ランク別のものが資料1-11ページにあります。一番多いもので100万~300万tのレベル、下のものでは非公表のものもありますが、このような形で篩い分けして、この中から選んでいこうということです。細かい作業は事務局に一任をしていただきました。

 次のページです。その際に考慮する事項としては、現在の試験手法では常温で気体の物質は試験ができないということで除外、天然物由来の物質や構造類似物質が混合物になっているものについては試薬が入手できないということで除外し、その上で、事務局で整理をしました。化学物質でも構造が比較的似ている物質、例えばアルカンならアルカン、アルコールならアルコールで、できるだけ低分子のもの、炭素数の少ないものについて試験をし、そこでもし陰性の結果が出れば、それ以上大きな分子については余りやる必要はないのではないかという考え方も導入しました。

 こういった考え方に基づいて整理し、最終的に平成26年度の対象物質として選んだのが、資料1-234ページにある16物質です。こちらについては、1ページの量別のランキングでは100万~300万tのレベルの物質については、ガス状の物質がかなり占めていたり、試薬が入手できないような混合物が多かったりで、一番多いランクからは選んでおりません。最終的に選ばれたのは、10万~90万tのランクと1万~9万tの2つのランクから、計16物質を事務局で選んでおります。こちらは間もなく委託事業の公告をホームページ等で行い、試験をやりたいという業者に手を挙げていただいて、所要の入札手続を行っていく予定になっております。今年度1年間掛けて試験を行い、結果の評価は平成27年度にワーキンググループで行いたいと考えております。議題1は以上です。

○清水座長 ただいまの説明について、何か御質問等はございますか。よろしいでしょうか。

 特になければ、次に進みます。議題2Bhas 42細胞を用いる形質転換試験の試験基準について」ですが、事務局から検討の趣旨を説明していただき、その後、食品薬品安全センターの田中先生から基準案を御説明いただきたいと思います。

○大淵環境改善室長補佐 非遺伝毒性のスクリーニング試験として、Bhas 42細胞の試験をすることを昨年度のワーキンググループで決めていただきましたが、具体的な試験基準についてはまだOECDのガイドラインが出来上がっておらず、会議で検討中ということで、今、使えるものがないということでしたので、OECDのテストガイドラインの案をお作りいただいている食品薬品安全センターの田中先生にお願いして、国内で委託事業としてやるための日本語の文書の案を作っていただき、本日、資料としてお示ししております。

 日本語の案文をお作りいただくときに田中先生に参考にしていただいたのが、参考資料421ページの「ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験による調査の基準」です。安衛法の新規の化学物質について染色体異常試験をするときの試験基準があるので、書き方等はこちらを参考にしていただけないかとお願いした上で、作業をしていただいております。項目立て等は、比較的この染色体の基準に対応するような形で案を作っていただいております。

 内容については、委託事業の際にはプロモーション試験だけを委託する予定ですが、今お示ししている案の中では、プロモーション試験だけではなく、OECDに提示したイニシエーション試験も含めた2種類の試験が書いてある試験基準の案となっております。本日御欠席の西川先生から事前にコメントを頂いており、今月に入ってからOECDでテストガイドラインの会合があって、Bhasの試験基準の関係についてもいろいろ御議論があったということですが、イニシエーションの試験の位置付けが必ずしも明確でないという意見もあって、形質転換試験の関係はいわゆるテストガイドラインという位置付けではなく、それより少し下のガイダンスという位置付けになるという御連絡をメールで頂いております。

 そのような状況なので、事務局として先生方に御相談したい点は、これから本日の議論で検討していただいて、今はイニシエーション試験、プロモーション試験を併記する形での記載ぶりになっていますが、そのような形でよいか、あるいは委託事業では当面プロモーション試験しかやらないので、プロモーション試験に限定した書きぶりのほうがよいのか、そういったことを含めて御議論いただければと思っております。

 基準の内容については、食品薬品安全センターの田中先生、佐々木先生から御説明をお願いします。

○田中委員 先週(49-11日)OECDガイドラインのWNT会議があって、日本から参加されたお二人の先生から少し状況を聞きました。具体的にはSHE cellの形質転換試験法の討議が主になされ、その中で、西川先生の御報告のように、イニシエーション試験の位置付けが明確でないという話があったのだろうと思います。実はSHEcellprimary cellの系であり、Bhasの試験法はcell lineの系でプロモーターをがっちり捉まえるために作ったような試験でもあるので、その特性はSHE cellの系とかなり違うのですが、SHE cellの討議の中でBhasの試験系もそういう形になったということで、私としては残念です。ガイドラインでなくガイダンスになったとしても、オーソライズされた試験系として認めていただく方向ですので、それはそれでよいかと思っております。

Bhasの試験に関して、調査の基準として提案した方法は、Bhas試験のインターナショナルのバリデーション・スタディを数回やっており、結果的には良い結果が得られております。いろいろな報文にも基本的にはこの方法を記載しております。また、ECVAMに新しい試験としてプロトコールを登録しましたが、それもほとんどこの試験法で登録しています。オーソドックスにイニシエーターとプロモーターと両方法を記載しておりますが、このプロジェクトの試験でプロモーターだけを実施するということであれば、プロモーター試験の部分のみを記載すればよいかと思っております。具体的な説明は、佐々木からいたします。

○佐々木氏(食品薬品安全センター) この基準に書いてあるとおりに、イニシエーションとプロモーション両方について説明します。

 上から順番に文章のとおりに説明しますと、Bhas 42試験はイニシエーション試験とプロモーション試験の2つに分けることができます。イニシエーション試験はいわゆる遺伝毒性物質、DNAに何らかの傷害を与えるような物質で、プロモーション試験は非遺伝毒性物質をつかまえるようにプロトコールを考えてあります。これらは必ず同時にしなくてはならないということはないので、自分の目的でイニシエーション作用を見たい、又はプロモーション作用を見たいと思ったら、それぞれ独立してやることができます。

 普通のin vitroの試験、培養細胞でもバクテリアの試験でも何でもそうですが、最初に最適な化学物質の濃度を決めないと、細胞が全滅してしまったり、ほとんど物質が効いていない濃度で試験しても正しい評価は得られないので、この試験も当然ながらそういう細胞増殖試験を行います。それである程度細胞が死ぬ濃度を求めて、次に細胞増殖試験と形質転換試験を同時に行って評価するわけです。形質転換試験のときにも必ず細胞増殖試験、いわゆる細胞毒性試験も必ず行うので、それによって再現性を見ることができますし、適切な濃度で形質転換試験を行っているかどうかが分かります。

Bhas 42試験で用いるプレートですが、普通のトランスフォーメーション試験として標準的な方法としては6ウェルプレートを用います。もう1つ、96ウェルプレートを用いることもできます。何が違うかというと、単純にプレートが違う。つまり培地の量や最初に細胞を播く数が違うだけで、実験のスケジュールとしては全く同じです。また、後で説明しますが、形質転換率の評価の方法が違います。

2、実際の方法です。下に絵が描いてありますが、イニシエーション試験は細胞を播いて、細胞がパラパラの状態で増殖期のときに3日間処理します。細胞が分裂しているときでないとDNA傷害はうまく引っかからないというのは、Bhas試験だけではなく、ほかのエームス試験や染色体異常試験についてもほとんど共通の認識だと思います。一方、プロモーション試験は少し細胞を多めに播きます。そうすると、4日目ぐらいになると細胞がサブコンファレント、つまりウェルに少し隙間がある状態でほぼパンパンになるのですが、そのときから10日間処理します。プロモーションは、大体細胞の接触などが関係していると言われているので、こういう時期に処理しないとうまく誘導されません。細胞増殖試験は、細胞を播いて、イニシエーション試験もプロモーション試験も7日目に固定染色して求めます。形質転換の本試験は3週間培養します。そうすると、単層状の細胞の中に形質転換巣が現れて、それを定量するわけです。

 次のページです。この試験に使うのは、「Bhas 42細胞」という名前を付けた細胞ですが、これはマウスの全胎仔の細胞、BALB/c 3T3細胞といって、化学物質やX線、紫外線などによる形質転換試験に使う細胞があるのですが、それにがん遺伝子を入れた細胞です。ですから、非常に感度が良くなっています。ただし、がん遺伝子を入れていますが、そのまま培養しただけでは接触阻止、つまりウェルに細胞がどんどん増えていっぱいになった状態で細胞の増殖が止まって、単層を維持する特殊なクローンをクローニングしたわけです。ですから、ras遺伝子を導入しただけで普通に形質転換する細胞も当然採れますが、そういう細胞ではなくて、ras遺伝子が入っているにもかかわらず単層を維持する。ただし、化学物質で誘導すると、その中から形質転換細胞が出てくるという細胞をクローニングしたわけです。

 次に処理濃度ですが、これも普通のin vitroの試験と同じで、最高用量を5 mg/mLとします。濃度の群数ですが、少なくとも4濃度、多ければ7濃度や9濃度をやりますが、大体数濃を度取れば十分だと思います。それぞれに最適濃度があって、イニシエーション試験では最高濃度は90%ぐらい阻害されるような濃度を取ります。これはほかの遺伝毒性試験、エームス試験や染色体異常試験のように細菌や培養細胞を使った試験でも大体一致しているような濃度だと思います。一方プロモーション試験では、このように強い毒性のある濃度でやると、長期間処理するので、3週間後には細胞がいっぱいにならず死んでしまうので、イニシエーション試験よりは弱い濃度で処理します。そうしないと、2週間目まで処理して、最後の1週間で普通の新鮮培地に交換するのですが、そこで細胞が増えることなく、そのまま死んでしまうということがあるので、イニシエーション試験よりも弱い濃度で処理します。

 対照物質ですが、イニシエーション試験には3-methylcholanthreneを用いています。一方、プロモーション試験では発がんのプロモーターとして代表的なTPAを用いています。

 使用ウェルの数ですが、6ウェルプレート、1プレート当たり6個のウェルが入っているプレートですが、1群当たり6ウェルを用います。つまり、1群当たり1プレートを用います。96ウェルプレートも、同じように1群当たり1プレートを用います。つまり、96ウェルを用いることになります。

7「観察及び記録」ですが、最終的な判断は人間の目で観察してそれを定量していくわけですから、先入観が入らないようにプレートをコード化して観察することにします。形質転換率の表し方ですが、6ウェルプレートの場合は普通にウェル当たりの形質転換巣の数を数えて、これを形質転換率とします。96ウェルプレートの場合は、96ウェル中に形質転換巣を含むウェルが何個あるかで表します。例えば、1ウェル中に形質転換巣が1個あっても3個あっても、形質転換巣を含むウェルの数はそれぞれ1個として数えるわけです。そのようにして定量します。ですから、6ウェルプレートと96ウェルプレートの試験の違いは、プレートの種類が違うことと、もう1つは形質転換率の表し方が違うという2点だけになります。

 最後に結果の判定ですが、イニシエーション試験とプロモーション試験の両方ともマイナスの場合には、その物質は陰性とします。イニシエーション試験とプロモーション試験のどちらかがプラスの場合、両方プラスの場合もありますが、そのときにはその物質は陽性と判断します。はっきりプラス・マイナスが分かればいいのですが、どうしてもEquivocalな結果が出るときがあるので、そういうときにはもう1回全く同じ条件でやってみたり、又は濃度を変えてみたりして、もう1回確認試験を実施します。以上です。

○清水座長 ただいま御説明いただきましたが、何か御質問等ありましたらお願いします。

○本間委員 まず、OECDのガイドライン化のことです。多分、これまではOECDのガイドライン化を目指してやってこられたと思いますが、今回のWNTでガイドライン化は無理だと。しかも、ガイダンスドキュメントでいこうということになったと思いますが、ガイダンスドキュメントとテストガイドラインは天と地ぐらい違うのではないかと思うのです。つまり、相互認証できないということですね。それでいいのかどうか、最終的にテストガイドライン化を目指すのかどうか。そうでないと、最初これをやろうとしたところが少しずれるのではないかと思うのです。

○田中委員 これは私の気持ちはガイドライン化を目指すことですが、ナショナルコーディネータの先生の会議の場での状況判断もあったのだろうと思います。あくまでもそこで討議されたのは、SHE cellの試験系をガイドライン化するかどうかという話だったと思いますが、結果的にSHE cellはガイドラインには不十分だという判断になったのだろうと思います。引き続き来年のWNT会議で討議予定のBhasの系はどうということを考えれば、BhasSHE cellとかなり違った系で、いわゆるイニシエーション、プロモーションを分けて検出できるように作った系ですので、その辺りは試験の内容と特性が違うと思うのです。我々の努力も足りなかったのだろうと思いますが、SHE cellの状況がそうだから、Bhasもしょうがないから追随するというのが会議の一般的な流れだったのだろうと思います。Bhasの系を来年のWNT会議にどう持っていくかについては、今後会議に出席されるnational co-ordinatorの先生方と話合わないといけないと思っております。

 この試験系(Bhas)は、OECDでガイドライン化されることが前提で、採用をお決めになったのであれば、それはどうかと思いますが、いずれにせよBhasは最終的なWNT会議の決議が下されるのが来年のWNT会議と考えていますので、提案国の日本として、どういうポジションで提出するかによるのだろうと思っています。そこで相当ファイトしなければいけないだろうと思います。その辺りは私の立場では何とも言いがたいのですが。

○本間委員 多分、それは西川先生が答えるほうだと思いますので、田中先生としてはガイドライン化を自分たちで目指したいのかどうか。

○田中委員 ずっとOECDガイドライン化を目指してきましたのでガイドライン化されないことになれば、とても残念という気持ちですね。ただ、試験法として国際的にオーソライズされるという意味では、ガイダンスであっても、バリデーションも実施しOECDで討議し、Bhasはこういう試験系ということを認めていただけると思います。形質転換試験については、専門家会議を何回も実施し、専門家同士ではこれまでOECDガイドライン化を期待していたのでみんな非常に残念だというメールが飛び交っている状況です。WNTの本会議になると、専門領域でないナショナルコーディネータの先生方に議論を委ねるわけですので、私どものデータが十分に説得力がなかったということで、その結果については残念だと思っています。

○清水座長 インターナショナル・バリデーションはどのぐらいの期間でやったのですか。

○田中委員 トータルで3年ぐらいは掛かっていると。

○佐々木氏 3年ぐらいは掛かっていると思います。

○清水座長 何機関ですか。

○佐々木氏 参考資料の15ページの「全バリデーション試験の概要」という表がありますが、プレバリデーションで6研究室、バリデーション、これがいわゆるインターナショナル・バリデーションですが、2回目が6研究室、3回目は、これは検体数が多かったので1回目と2回目に分けていますが、それが43研究室ということです。

○本間委員 今回は、Bhasに関してはスタディレポートのレビューを出したのですね。

○田中委員 そうです。スタディレポートを提出し、さらに第3者機関のECVAMでレビューされた結果もECVAMから提出されています。

○本間委員 それは受け入れられたということですね。

○田中委員 そうです。

○本間委員 その次のステップとしてガイドラインを出そうとしたけれど、今のところ難しいということですね。

○田中委員 今回のWNT会議でSHE cellはリジェクトされたと言っていいと思いますが、Expertのミーティングでは形質転換試験としてBhasと一緒に討議しているものですから、一緒にやると何だか一緒くたにされてしまった感があります。私はSHE cellとこの系は明らかに違う系だと思っているし、信頼性も高いし、私の経験ですが、SHE cellに関してはアメリカで2年間散々やって、このSHE cellの系がどうかということはよく分かっているつもりですので、個人的にはSHE cellに比べるとBhasは信頼が置けるというのは確信があります。

○本間委員 今、田中先生の所でBhasの試験に関するガイダンスドキュメント、若しくはテストガイドラインのドラフトみたいなものは作成されているのですか。

○田中委員 はい、もうそれは提出してありますし、今おっしゃったバリデーション・レポート、関連論文などバックグラウンドのドキュメントを含めた厚い資料を提出し、EUのバリデーションセンターのECVAMでレビューを受けております。そのレビューの結果も、非常に良い結果を受けたと思っております。

○本間委員 今回ここに出された基準は、ガイダンスドキュメントの翻訳とはまた違うわけですか。

○田中委員 翻訳ではなくて、すでにある、染色体異常試験の基準を参考にしてくださいということなので、それを参考にかなりダイジェスト化したものを基準案として提出しております。

○本間委員 この扱いがよく分からないのですが、これはSOPみたいなものなのですか、どういう扱いにするのか。

○大淵環境改善室長補佐 国が試験を委託するときは、仕様書を書いて、どういう物質についてこういう試験をしてくださいということになるので、この資料自体は仕様書の別添に当たるような位置付けです。より細かいところについてはラボでSOPを作っていただくので、骨のところは国でちゃんと示した上で委託しましょうという形です。

○本間委員 実際に落札した所が、仕様書に合わせて計画書を作るということですね。

○大淵環境改善室長補佐 そうです。エームス試験の委託も同じような形で、国が骨を示しているので、ラボのSOPでということです。

○本間委員 ただ、仕様書にすると、ここではプロモーションを見るということでこの間話がまとまりましたが、これはイニシエーションまで入っているので、仕様書としては矛盾するのではないかと思います。また、966とどちらでもいいということですが、それも決めたほうがいいのではないかと思います。余りにもざっくりし過ぎているのではないかという気がします。

○大淵環境改善室長補佐 6なのか96なのか決めていただければ、委託先に今回の試験はこれでやってくださいと指示してやることになるので、そういうことも含めて、今回も本当はもう少し事務局で練ってからお出しする方法もあったのかもしれませんが、できるだけこの場でいろいろなディスカッションをしていただきたいと思って、まずは食品薬品安全センターに作っていただいたものをそのままお出ししております。

○角田化学物質評価室長 例えば、8(1)の陰性判定ですが、この部分も先ほどの田中先生の御説明では両方陰性のときに陰性で判定するということでしたが、そうするとイニシエーションとプロモーションと両方やることが前提の書きぶりという気がしますので、両方書くにしてもそこを分かるようにしておかないといけないと思います。

○田中委員 我々としては、案を出してくださいということでしたので、あくまでもスタンダードな案のつもりで書いたのですが、先生方の御意見がこのように決まったということであれば、そのご意見に沿って書き直し、再提案させていただくのがいいのかなと思っています。いずれにしても試験の実施が決まった段階で、もう少し詳しいものを、仕様書として提出することになると思います。

○清水座長 ほかに何か御意見はございますか。いずれにしても、方針としてはプロモーションでやっていくということで、プロモーションを主体にした書き方に変えてもらうということだと思います。

○田中委員 それとプレートの問題と、判定のところと、その3点を考え直すと。ほかにもあるかもしれませんが、御意見を頂ければと思います。

○大淵環境改善室長補佐 御意見を出していただければ、事務局で田中先生の所と相談しながら修正案を作って、また先生方ともう少し御相談するようなやり方もありますし、今日の段階ではどの辺りに問題があるということを御指摘いただいて、先ほどの使用ウェルについては、できれば今日この場でどちらのほうがいいということで選択をしていただいたほうが、今後の作業としてはやりやすいかと思います。

○清水座長 ほかに、特に注意しておいたほうがいいことは何かありますか。

○田中委員 質問ですが。16物質のCandidateがここに挙がっていますが、ここで「遺伝毒性なし」というのはエームス試験のみでしょうか。それとも、細胞を使った試験系、染色体とかミューテーションの試験もやられて、トータルで「遺伝毒性なし」という判定を受けたのでしょうか。

○大淵環境改善室長補佐 物質によって、いろいろなタイプの遺伝毒性試験のデータがそろっている物質と、限られたデータしかない物質とありますが、少なくともエームス試験の情報があり、その上にどれだけの情報をOnしているかは物質によってケースバイケースになっております。考え方としては、既存のデータの範囲の中で評価をしましょうということで、文献データで評価をしていただいた形です。少なくともエームスはあるという状態です。

○清水座長 インターナショナル・バリデーションのときは、相当細かなSOPを書いて、全部同じようにやったということですか。

○田中委員 そうです。バリデーション・セオリーの流れにそって、大変きちんと実施されたものです。

○清水座長 ほかに何かありますか。なければ、事務局にまとめていただいて、メールで頂ければと思います。

○大淵環境改善室長補佐 はい。田中先生に伺いたいのですが、6ウェル、96ウェルの方法は書いていただきましたが、先生方はどちらの方法がよりいい、あるいは簡便だということは何かありますか。

○田中委員 これはインターナショナルの専門家会議の中で、特にアメリカのグループはハイスループット化ということが非常に好きなので、96ウェルを採用したいということもあって両方記載しました。我々も6ウエルと96ウエルの両方の試験系を比べて、ちゃんと同じような結果が出るというペーパーも書いておりますので、どちらを取ってもよいと思います。というのは実施者の好みで選択できるようにというか、選択の幅を持たせるようにどちらでもいいですよという書き方をしました。このプロジェクトでやるとすれば、どちらがいいと思われますか。

○佐々木氏 6ウェルですね。96ウェルは細かい作業になるので慣れてないと大変です。どういうことかと言いますと、ほとんどの研究室は今のところロボットを持っていないと思いますので、96ウェルはマルチピペットでずっと培地交換をしたり、細かい作業をしなければなりません。96ウェルのメリットは、例えば形質転換試験で、形質転換も人間の目で見て判定しますから、ある程度主観が入ってくるので、プラスに数えたらいいかとか、マイナスに数えたらいいかとか、悩むわけです。そのときに、96ウェルなら1つのウェルの中に典型的なものが1つあって、プラスに数えたらいいのかマイナスに数えたらいいのか分からないのが2つあったとしたら、1つ典型的なものがあればそのウェルはプラスと数えることができるので、確かに楽なのですが、それに持っていくまでの、96ウェルをずっと3週間維持するのは、人間がやると大変だと思います。ですから、今回のプロジェクトでは6ウェルに決定したほうがいいと思います。96ウェルは、基本はあくまでもロボットとか、将来のことを見据えてのものなので。

○大淵環境改善室長補佐 逆に96ウェルを選んでしまうと、手を挙げるラボが非常に限定されてしまうということがありますか。

○佐々木氏 もちろん、6ウェルは培地交換はそんなに苦労しないので、ただし数えるほうが苦労するので、96ウェルのほうが数えるのが簡単だから楽だという人ならいいと思いますが、今回は厚労省が挙げるわけですので、統一したほうがいいと思います。みんな統一で、今回はみんな6ウェルでやってくださいと言ったほうが、結果も比較できるし、いいと思います。

○大淵環境改善室長補佐 分かりました。ほかの先生方から特段御意見がなければ、6ウェルで今年の委託の中身はするということで、基準についてプロモーションに特化した形の内容で事務局と田中先生の所で調整して、先生方にはメールベースで御連絡するような形でよろしいでしょうか。

○清水座長 そうしてください。

○大淵環境改善室長補佐 具体的な細かい所、文章の書き方とか、その辺りについては何か御指摘はありますか。大体このような形でよろしいでしょうか。

○田中委員 タイトルはこのままでよろしいですか。タイトルからプロモーターうんぬんに変えるとか、中の説明もかなり変えないといけないと思っておりますが、よろしいですか。

○大淵環境改善室長補佐 表題はこれで、例えば本文の最初にBhasの試験でイニシエーション試験とプロモーション試験があるけれど、この基準ではプロモーション試験についてのみ記載するということをうたえば、表題自体はこれでもいいのかもしれません。その辺りも含めて御相談させていただければと思います。

○清水座長 よろしいですか。ほかに何かありますか。特になければ、次の議題に移ります。次は「平成25年度に実施した構造活性相関推計の結果の評価について」です。事務局から説明をお願いします。

○大淵環境改善室長補佐 それでは、事務局から説明をさせていただきます。資料3-1から2になります。併せて参考資料5、参考資料のグループの23ページも御覧ください。

 参考資料5、横長の図から御説明いたします。本日のワーキンググループの検討事項ということでタイトルになっておりますが、これは昨年度から今年度にかけて今やっている作業を示しています。その中で、本日の検討議題、検討事項がどれに該当するかを示しております。主に太枠の点線で囲っているのが、今回のワーキンググループでの検討事項ということで、簡単に御説明すると、平成25年度から平成26年度にかけて、まずはどのような物質を対象に評価をしてきたかということです。

 この図の一番上の所に「化審法スクリーニング評価対象物質」ということで、化審法でいろいろな情報を集めて整理をして、それをそのような物質をトータルで1,878物質、こちらをベースに作業をし、そちらでやった文献調査の結果を整理して、発がん性に関する情報のありなしに分け、「発がん性情報あり」のほうのものについては、もう1つ別のワーキンググループで作業を進めております。

 こちらの遺伝毒性のワーキンググループでは、「発がん性情報なし」のものについて、今までずっと作業しており、発がん性情報なしのうち、遺伝毒性情報がない左側のものについては、構造活性相関でやりましょうということで、平成25年度の委託事業で、日本バイオアッセイさんで作業をしていただいております。それから、右側の何らかの「遺伝毒性情報あり」の619物質については、先生方に文献資料をお送りして審査をしていただき、遺伝毒性のありなし、あるいは強い弱いという、このようなところを御判断いただきました。

 本日の議題のうち最初の議題(1)は、先ほどの16物質を非遺伝毒性のスクリーニングの対象にすることを書いていますが、それは「遺伝毒性なし」のグループから引っ張っているところです。それについて今、議事(2)ということで試験基準を御検討いただきました。本日の残りの2つの議題ですが、議事(3)は、左側の「構造活性相関結果」の評価の関係です。右側の議事(4)は、平成25年度に実施したエームス試験の結果の評価をしていただきます。

 全体像を踏まえていただいた上で、また構造活性相関に戻ります。資料3-1に戻りまして、構造活性相関、去年の第1回のワーキンググループの資料を、その後、若干修正したものですが、発がん性情報、遺伝毒性情報も両方ともない物質については、構造活性相関で対応することで、3つのプログラムを使い、エームス試験に関する構造活性相関を計算しました。この構造活性相関をやる目的としては、構造活性相関でエームス試験の陽性の可能性が強いというものについて、後日、実際の試験をやる。そのような物質を選ぶための優先順位をつけるための作業ということで、構造活性相関の作業を位置付けております。

 具体的には、平成25年度の委託事業でどのような作業をやったのかは、次の11ページから資料3-225年度の構造活性相関推計の概要」です。日本バイオアッセイ研究センターさんに委託事業でやっておりますが、まずは私ども厚生労働省から979物質の提示をし、それらについて構造式情報を入手していただき、やはり入手できなかったものがありましたので、トータルで入手できた物質は763物質で、それについて入力用のデータを作成してもらい、推計相関を行いました。プラスアルファでその情報収集ということで、製造・輸入量、融点、沸点、蒸気圧、このような物性情報も集めていただき、委託事業の成果物ということで御提出いただいております。

 こちらから提示した物質の内訳の表の所は、細かい説明は余りしませんが、979のうちの内訳として、医薬食品局委託事業で情報収集した物質が1グループと、それからもう1つは、平成25年度のワーキンググループでエームス試験結果がないため、構造活性相関での推計が必要とされた物質が17物質、これのトータルでの979物質となっております。

 「結果の判定」については、3つのプログラムを使って推計していただき、まずはそれぞれ一つ一つについては、予測が「+」ないし「-」、あるいは予測はできない結果になっております。それの総合判定については、3つのプログラムで基本的に一番結果の多いもの、3つとも「+」とか、2つが「+」とか、ということが総合判定としては「+」です。ただし、「予測不能」があって、たとえば「予測不能」が1つで、残りが「+」と「-」が1個ずつという場合には、総合判定としては、「+」の評価をしていただいております。

 「総合判定のまとめ」ということで、763物質の内訳です。「+」が39物質、「-」が592物質で、予測不能は、3つとも「予測不能」とか、あるいは2つが「予測不能」で1つが「-」、そのようなものが132物質の内訳になっております。ただ、大変申し訳ありませんが、平成25年度の委託事業が終わってから確認したところ、入力の際に少しミスがありまして、計算をもう一度やり直さなければいけない物質が見付かっております。まだその物質の全部を把握仕切っているわけではないのですが、その物質については、今後、平成26年度の委託事業の中で再計算させていただき、この総合判定のまとめについては、もう一度このワーキンググループで御提示しなければいけないのですが、若干、数字が変わる可能性がありますので、またその計算ができましたら御連絡したいと思っております。

12ページです。物性情報あるいは生産量情報をどのようなところから入手しているかということで、こちらについての説明は省略させていただきます。

13ページですが、構造活性相関の推計結果の資料で、まず資料3-3です。全部で763物質を検討し、このような表が何十ページも続くのですが、本日の資料では1ページ目だけを示しております。物質のCAS番号、名称、構造式、それから3つのプログラムのそれぞれの推計結果と、総合判定、参考情報ということで、製造輸入量、融点、沸点、蒸気圧等の情報を記載しております。

 この推計の結果のうち、総合判定が「+」だったものを抜き出ししたのが、次の15ページからの資料3-4です。総合判定の「+」のものだけ抜き出したのが、トータルで39物質ですが、先ほど申し上げましたが、計算ミスが見付かったものがあり、ページでいくと、通しページの18ページの所に網掛けのしてある物質です。表の下から2段目で、CAS番号が96-96-8、名称が4-メトキシ-2-ニトロアリニン。こちらの物質については、推計の際の入力ミスが見付かっており、最終的に総合判定が「+」になるかどうかは、ちょっと再計算を待ってみないと分からないところです。

 こちらの39物質、1物質を引いた38物質については、後ほど先生方にこのような判定の仕方でよいかということを御確認いただいた上で、もしこの判定の仕方でよいということであれば、これらについては平成26年度、エームス試験の候補の物質ということで基本的には考えたいと思っており、まずは、これらの中で試薬が入手できるかどうかということを確認した上で、入手できるものについて委託事業の中で試験を実施するということです。

 予定として、今年度は委託事業で、トータルでエームス試験50物質ほどやる予定で、第1弾として、この構造活性相関から選んだ物質をやっていくことを考えております。残りの物質は、また昨年度と同じような文献調査の結果から、先生方への評価を行っていただく作業を予定しておりますので、この物質は情報が足りないからエームスをやる必要があるといったようなものも、また委託事業の枠でやっていく予定を考えております。

 本日、先生方にお願いしたいことは、作業のやり方又は総合判定の仕方が適切かどうかというのを御確認いただきたいことです。事務局の説明は以上です。

○清水座長 ただいま御説明ありましたが、何か御質問ありますでしょうか。

○大淵環境改善室長補佐 本日は、委託事業で作業していただいた日本バイオアッセイセンターから、大西さんに来ていただいておりますので、もし御質問がございましたら、大西さんから回答いただきます。

○清水座長 お願いいたします。何か御質問ありましたら、どうぞ。

○本間委員 Derek Nexusは陰性以外に、Nothing to reportという形で結果が出るはずなのですね。その場合は陰性ではなくて、要は判定不能ということになると思いますが。現在時点では、今回はポジティブなものを選ぶので、数も適切な大体50をちょっと下回るぐらいでよかったと思うのですが、必ずしもここで陰性だからといって、エームズの懸念がないというわけではないと理解しています。ほかの、この場合はCaseUltraですよね。そのような陰性の判定基準に関しても、陰性ではなくて、例えばout of domainとか、そのようなものを含めた陰性と考えていいということですか。

○大西氏(日本バイオアッセイ研究センター) いえ、Derekの場合は、例えば、塩酸塩とか、硫酸化合物でしたらナトリウム塩とか、カリウムとか、そのものを含めて計算を掛けてしまいますが、CaseUltraとか、ADMEWORKSの場合は、そのようなものは外して計算しなければいけないので、何とも言えないのですが。ですから、どちらかと言うと、Derekは割と細かくというよりも、含めた形で計算ということで、それでその特性を含めて3つで判断するということではないかと思っています。

 それと、ネガと計算不能のところの判断については、私はちょっと何とも言えないのですが。扱いとして、特性がそれぞれ違うので。

○本間委員 前のDerekDerek Windowsは、全部陰性で出るのですね。ただ実際には陰性ではなく、実際にはアラートの情報がないから、要するに単にアラートがないということなのですね。それは今までの知識の中で、そういったものがなければ陰性とせざるを得ないのですが、それでちょっと問題があって、最近では陰性とレポート不能の2種類出るのですね、確か。ただ、今、Lhasaのほうもなるべくいろいろな陰性情報を基にした予測を開発中なので、レポート不能を段々陰性のほうにいけるようなアルゴリズムを今作っているはずなのです。まだ現段階では不十分なので、多分、この「-」の中には、今までの知識ベースの中ではちょっと情報がないから何とも言えませんよ、ということがいっぱい入っているはずなのです。

○大西氏 ということで、そこを分けたほうがいいというので、先生の。

○本間委員 いや、それをやると数がものすごく増えてくるので。

○大西氏 そうですね。

○本間委員 今回50ぐらいを目安にして、一応39ですか、出たというのは非常に理想的な数なので、最初の優先としては非常によかったと思いますが、ただこれで陰性だからといって、取りあえず問題はないというわけではないですよということで。

 あと、ADMEWORKSCaseUltraは基本的に一緒ですから、アルゴリズムは確かに違いますが、統計的な手法ですので。飽くまでも3つは今、化審法の中で使っていることだけなので、余り化学的な合理性はそんなにないのですよね、この3つを使うのは。

○清水座長 これ以外にはないでしょう。

○本間委員 なくはないですが。一番ポピュラーな形。でも、ADMEWORKSは日本でしか使っていません。

○清水座長 これで出て、これで更に実際にエームスを流してみて出れば。出るか出ないかですね。確認するしかないですね。何かほかに御質問ありますか。特に御質問がなければ、次に進んでよろしいでしょうか。よろしいですか。

 次は、「平成25年度に実施したエームス試験結果の評価及び遺伝毒性の総合評価について」を、事務局から御説明をお願いします。

○大淵環境改善室長補佐 資料は資料4-1から資料4-4です。平成25年度については、委託事業のほうで計33物質についてエームス試験を実施しました。委託先はボゾリサーチセンターです。その結果については、資料4-1で概要を示しております。資料4-12122ページ、33物質それぞれについて試験番号、CAS番号、物質名、どんな溶媒を使ったか。試験方法がプレインキュベーション、あるいはガス暴露法のいずれか。試験機関による結果の判定ということで、結果が陰性なのか陽性なのか。陽性の場合には最大比活性値を記載する形で、資料4-1を作成しております。

 試験方法の概略でいきますと、33物質のうち1物質のみがガス暴露法。具体的には資料の22ページの上から2番目の物質。試験番号のT-1460三塩化シランだけがガス暴露法で、それ以外の物質については全てプレインキュベーション法の試験です。試験結果の概略については、4物質が陽性の結果、残りの29物質が陰性ということで、4物質については、最大比活性値のところに数字が入っている物質が陽性の4物質です。試験機関の計算からいくと、いずれも最大比活性値のほうが103 まではいかないという結果になっております。

 先生方のほうには、33物質をあらかじめ分担していただきまして、お一人6ないし7物質を御担当いただいて、事前に試験結果報告書を御覧いただいております。本日のワーキングにおいては、御覧いただいた試験について、まず試験手法や評価について何か問題点がないかということと、あとは先生方として、物質の結果の評価がどうなるかということについて御説明を頂きたいと思っております。会議の時間も限られておりますので、必ずしも1物質ずつ御説明ということではなく、御担当いただいた6ないし7物質で、できるだけまとめられるものはまとめていただいて、最初に試験手法等について問題があったか、なかったか。その後、結果の評価はどうかということを御説明いただければ有り難いです。よろしくお願いいたします。

 先生方の評価の前に、参考ということで御報告をさせていただきたい事項があります。本日はエームス試験、個別の試験の結果の評価までですが、次回に予定していることを先に御説明いたします。

 資料4-325ページです。右側に欄が増えており、「26年度の遺伝毒性の評価」という欄を作っております。こちらの趣旨としては、今回、試験を行った33物質が平成25年度に行っていただいた文献データの評価の中で、エームス試験がないからこれはやるべきとか、あるいはエームス試験があっても、まだ遺伝毒性についてはっきりとした評価ができないといった物質について試験を行いましたので、本日はまずエームス試験単独で御評価いただくのですが、次回については、他の試験、文献で既に分かっているデータも含めた総合評価ということで、最終的にその物質の遺伝毒性を判断していただく予定としております。本日は、まず単独評価、次回は総合評価ということです。

 資料4-427ページです。今回試験をした33物質のうち6物質については、実は構造活性相関のほうもやっております。これは昨年度のワーキングの中で、エームス試験が過去にされていない物質については、構造活性相関のほうもやる必要があるだろうというお話を頂いたものです。昨年度のワーキングでは、17物質の構造活性相関もやったほうがいいという物質があったのですが、結果的には試薬が入手できない物質ということで、実際に試験に至ったのはそのうちの6物質です。それら6物質の試験の結果と、構造活性相関の推計の結果を記載しております。6物質とも試験結果は陰性。構造活性相関のほうも、3つのプログラムそれぞれでマイナス、総合判定も全てマイナスという結果になっております。こちらは参考程度で御報告です。事務局からの説明は以上です。

 この後、清水先生のほうに進行していただいて、33物質の評価をよろしくお願いいたします。資料のほうが別冊の資料で厚くなっておりますが、それぞれの物質1番~33番と、試験番号。資料は通しページで付けておりますので、その該当ページが書いてあります。物質について個別の資料を見る必要があるときには、こちらの厚いほうの資料を御確認いただければと思います。よろしくお願いします。

○清水座長 それでは、個々の物質について御説明いただくわけですが、問題がなければ問題なしで、なるべく簡潔に御報告いただきたいと思います。まず荒木委員からお願いいたします。

○荒木委員 私のほうは、最初のT-1435からT-1441までの7物質について審査させていただきました。データを拝見して、中で1物質だけプラスになりました。2',4'-ジヒドロキシアセトフェノンです。結果が出ているのは59ページから61ページに実際のデータと、比活性が62ページに計算されて出ております。最初の用量設定試験については、2倍ぎりぎりでちょっと超えなかったのですが、本試験をやっておりまして、比活性値が1.76×102 ですので計算値と一致しております。追加の試験をやっておりまして陽性の結果が得られていますので、TA100の代謝活性化による場合において陽性という判断は妥当ではないかと考えております。

 それ以外の物質については、毒性の出ていないものについては5,000までやられておりますし、毒性が出ているものについては毒性領域、かつ用量設定試験等で、有効用量段階が得られていない。例えば3濃度しか取れていない、2濃度しか取れていないものについては、確認の試験がそれぞれ行われていますので、試験としては十分な内容かと思います。

 溶媒等の選択についても、定性的ですが安定な溶媒でかつ水に溶ける場合は水を選んでおりますので、適切に実施されたのではないかと考えております。以上です。

○清水座長 何かこの件に関して御意見はありますか。よろしいでしょうか。なければ太田委員お願いします。

○太田委員 7物質の試験手法については、特に問題はありません。結果も全て陰性でしたので、特にコメントはありません。

○清水座長 ほかの委員の先生方、特にありませんか。よろしいですか。その後、私が7物質を担当しておりますが、試験方法、あるいは溶媒の選択等について、特に問題はありません。T-1453245ページ、この物質だけ陽性になりました。しかし、試験方法、溶媒の選択等に関して、特に問題はありません。計算も正しく行われておりました。ただ、強さも5.74×102 程度の中等度の強さの物質であったということです。それ以外特に問題はありませんでした。何かこの件に関して御意見はありますか。よろしいですか。それでは、本間委員お願いします。

○本間委員 私のほうは、最初のページの下の塩素酸ナトリウムから塩化バリウムまでです。特にこれは塩が多いので、特にエームス試験陽性になるような物質ではないと考えましたが、1物質、最初の塩素酸ナトリウムに関しては、大腸菌でS9存在下のみで用量設定試験及び本試験とも、大体2倍から3倍程度の復帰突然変異が認められます。なぜこれがS9プラスだけで出るのかが何とも言えないのですが。程度としては、比活性が大体8.95ということで弱い陽性と考えて、判定としてはこの結果にあるように陽性でよろしいのではないかと思います。

 もう1つ注目すべきなのは、先ほど大淵さんから紹介がありましたように、三塩化シラン、これはガス暴露法によって試験が行われております。こちらは0.01%~50%までの被験物質の用量で暴露して、その後、毒性が認められたということで、大体3%ぐらいから急激な毒性が認められています。本試験では、0.1%から大体3%ぐらいまでで試験を行って陰性の結果が出ています。したがって、ガス暴露法においても、細胞が十分に暴露されていることの証明にもなっていますので、結果としては陰性でよろしいのではないかと判定します。以上です。

○清水座長 何かこの件で御質問はありますか。よろしいですか。なければ、次の山田委員お願いします。

○山田委員 私は炭酸銅(ローマ数字2)から6物質を担当しました。析出や生育阻害がある物質が多かったのですが、いずれも適切に試験は実施されておりました。硫化水素ナトリウムが1つ陽性でしたが、比活性値は176個です。そんなに強いものではありませんでした。417ページからが報告書で、TA100で確認試験も実施されておりまして、TA100WP2 uvrA S9がない場合が陽性になっています。TA98は用量設定試験だけでしたので、しっかり陽性になっているのはS9がない場合のTA100WP2 uvrA ですが、いずれもそんなに大きな比活性値にはなっておりません。これだけが陽性でした。以上です。

○清水座長 何か、ただいまの御報告で御意見はありますか。よろしいですか。ということで、全物質を一応終了いたしました。この結果を踏まえて、次回は、この評価結果と平成25年度の文献調査結果を合わせた総合的な評価を行うことになると思います。今日の議題は4番まで終わったわけですが、その他について、事務局から何かありますか。

○大淵環境改善室長補佐 それでは議論のほうは終わりましたので、次回以降の予定等、事務局から説明いたします。資料529ページです。まず、今後の予定として、1番として行政検討会、2番として委託事業について記載しております。行政検討会、このワーキンググループについては、第4回まで先生方と日程を調整させていただいております。第2回が520日、第3回が613日、第4回が74日ということです。議論が早く済めば、場合によっては第4回はなしでもいけるのかもしれませんが、取りあえず第4回まで日程を押さえていただいております。

 議題としては、第2回では、33物質の総合評価の関係がまず1つです。もう1つ議題として、平成25年度に文献調査を行っておりまして、その遺伝毒性の評価をまたやっていただくことになります。1つ目の議題についても、2つ目の議題についても、事前に先生方に資料をお送りして、御覧いただける形にしたいと思っておりますので、またメール等で御連絡を差し上げたいと思います。第3回、第4回の議題は文献調査を踏まえた遺伝毒性の評価の続きということです。

2番目の委託事業については、今年も大きく3項目を予定しております。1つが「遺伝毒性情報等の収集・整理」ということで、約4,000物質について文献調査をしていただく予定です。2番目としては「遺伝毒性試験(エームス試験)の実施」ということで、約50物質を実施予定です。3番目として「構造活性相関の計算」ということで、約1,000物質の予定です。

 書き漏らしがありまして、先ほど御議論いただいた非遺伝毒性のスクリーニング、Bhasの試験も今年度の委託事業です。大変申し訳ありません。これらのうち、(1)(3)までは既に委託先が決まっておりまして、こちらはバイオアッセイさんにやっていただく予定です。Bhasの試験については、これから公告等を出して業者を決めていく予定です。試験結果等についての評価は来年度になるかと思いますが、このような形で本年度は進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。以上です。

○清水座長 また今年度も大変な作業があるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。ほかに委員の先生方から何かありますか。なければ、本日のワーキンググループを終了したいと思います。よろしいですか。どうも今日はありがとうございました。


(了)

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