ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(労働条件分科会)> 第111回労働政策審議会労働条件分科会 議事録(2014年4月3日)




2014年4月3日 第111回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成26年4月3日(木)14:00~16:00


○場所

専用第23会議室(6階)


○出席者

【公益代表委員】

岩村委員、田島委員、野崎委員、村中委員、守島委員、山川委員

【労働者代表委員】

工藤委員、新谷委員、高松委員、冨田委員、八野委員、春木委員

【使用者代表委員】

秋田委員、池田委員、小林委員、鈴木委員、田中委員、平岡委員、宮地委員

【事務局】

中野労働基準局長、土田総務課長、村山労働条件政策課長、古瀬調査官

○議題

1 報告事項
2 今後の労働時間法制の在り方について
3 その他

○議事

○岩村会長 それでは、定刻でございますので、ただいまから「第111回労働政策審議会労働条件分科会」を開催することにいたします。

 本日の出欠でございますけれども、公益代表の権丈英子委員、労働者代表の宮本礼一委員がそれぞれ御欠席ということでございます。

 なお、まだ野崎委員、田中委員がみえておられませんが、少し遅れてみえられると承っております。

また、使用者代表の池田委員におかれましては、所用によりまして途中で御退席されると伺っております。

それでは、議事に入ります前に定足数の報告を事務局からいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○古瀬調査官 定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第9条によりまして、委員全体の3分の2以上の出席または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。

○岩村会長 ありがとうございました。

 それでは、議事に入りたいと思います。お手元の議事次第に沿いまして進めてまいりたいと思います。

一番最初の議題は「報告事項」ということでございます。これにつきましては、3月25日火曜日に規制改革会議の公開ディスカッションが開催され、労働時間法制が議題となったこと、第二に、3月28日金曜日に国家戦略特区諮問会議が開催されまして、当分科会でも御議論を頂戴しました雇用指針(案)が議論されるとともに、国家戦略特別区域と区域方針(案)が示されたということ、それぞれにつきまして事務局から報告があるということでございますので、説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○村山労働条件政策課長 それでは、御説明いたします。

資料No.1が、今、分科会長からお話のございました規制改革会議の公開ディスカッションにおきまして内閣府の規制改革推進室が提出した資料ということです。

規制改革会議の公開ディスカッションですが、趣旨としては、広く国民に規制改革の議論の状況について知っていただくためのものということで、インターネット中継がリアルタイムで中継されるなど公開の形で行われたということです。

労働時間法制について、規制改革会議は、既に本分科会でも御紹介しましたとおり、昨年12月5日、意見書を公表されておりますが、この資料に基づきその紹介があった後に、労使の代表及び厚生労働省の担当審議官から発言をしたということです。

会議自体が完全に公開の形で行われておりますので、詳細な紹介は省きますが、当日、労側の代表として連合の事務局長が出席され、1実効性ある健康確保策、ワーク・ライフ・バランス、公正競争の視点などが労働時間法制を考える上で重要であるということ、2また、原則的な規制に対する例外措置を講じる場合には、今後とも集団的な規制と個別同意の組み合わせが重要であるということ、3また、今日の働く現場の実態に照らした上では、実労働時間の規制がとりわけ重要であるという基本的な考え方を述べられたと承知しております。

また、使用者の代表としては経団連の担当常務理事が出席され、働き方に即した労働時間制度が必要であるという基本的な考え方のもとに、規制改革会議の意見書として示されている適用除外措置にパッケージとして健康・確保措置等を組み合わせるという内容に基本的に賛成するというお話があり、詳細な制度設計に当たっては、実務に即したものとなるように、労使が参画している労働政策審議会で議論を深めていくべきであるという、基本的な考え方を述べられたと承知しております。

私ども厚生労働省から担当の審議官が出席し、本分科会におけます公労使の御議論の状況につきまして、既に確認をいただいております2月25日付の議論の状況の整理の資料等に即して御説明を差し上げたということです。

1点目の報告事項は以上です。

2点目です。先ほど分科会長からお話がございましたように、3月28日金曜日に国家戦略特別区域諮問会議が開催されました。資料No.2にお目通しいただければと存じます。

3月28日の諮問会議には総理以下、関係閣僚、特に、臨時議員として田村厚生労働大臣も出席いたしました。あわせて民間議員の方々が出席されたということです。

先ほど分科会長からございましたように、議題は2つありました。

まず、本分科会でも3月13日に御審議いただいた雇用指針(案)です。これに関しては、本分科会で審議いただいた際に、内容自体というよりは、整理の仕方として、解雇権濫用法理関係の記述の部分などにつきまして、一部修正することを前提に御了解をいただきましたが、その修正後の案文を3月28日の特区諮問会議に諮り、了承されたということです。

3名の民間議員から御発言がありましたが、いずれも前向きに内容を評価する御発言であったと承知しております。

この雇用指針について規定しております国家戦略特別区域法第37条の規定は、4月1日の施行の条文です。したがいまして、同日付で分担管理大臣としての内閣総理大臣と、厚生労働大臣の決定として公表いたしますとともに、都道府県知事等、関係の方々に内閣官房と私どもの連名で通知を差し上げ、本分科会でもよくPRをするようにというお話をいただきましたが、関係のホームページ等にも掲載して、今後PRをしっかりしていきたいと考えております。

雇用指針の関係はもう既に審議済みの事項でございますので、本日、資料の配付は省略をさせていただいております。

3月28日の特区諮問会議では、もう一つ議題がございました。これが本日の資料にある国家戦略特別区域の概要、区域指定自体と、次のページからの「区域方針(案)」というものです。

これに関し、お手元の資料のとおり、東京圏、関西圏、新潟県新潟市、兵庫県養父市、福岡県福岡市、沖縄県について、資料にあるような政策テーマと事業に関する基本的事項を書いたものが「国家戦略特別区域方針(案)」として示されたということでございます。

これに関しては、同日審議の上で、さまざまな御意見が出たようですが、基本的に今後の取り扱いは、議長である内閣総理大臣に一任ということになったということです。

この関係は現在、与党への説明等の手続が政府の担当部局でとられており、そうした手続、あるいはまた政府部内の調整等を経た上で、今月末までには決定し、その上で、指定された区域における区域計画の策定の作業に入っていくのではないかと承知をしているところです。

雑駁ですが、説明は以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま御説明いただきました2点につきまして、御意見あるいは御質問がありましたらお願いしたいと思います。では、八野委員、どうぞ。

○八野委員 説明ありがとうございました。

 特区について意見を申し上げます。でございます。今、特別区域の概要及び区域方針ということで説明を受けましたが、国家戦略特区について、雇用・労働関係では「創業のための雇用改革拠点」として指定された福岡をはじめ、幾つかの区域が関係してくる旨がここに載せられております。

 昨年9月6日に国家戦略特区のワーキンググループが福岡市に対するヒアリングを行ったときの議事録を見ると、福岡市からは、「ベンチャー企業を支援するために、開業して5年以内であれば、たとえ正社員であっても事前解決型の解雇ができるようにしたい」といった趣旨の、我々としては驚いてしまうような提案がなされています。「事前解決型の解雇」というのが何を意味しているのかわかりませんが、「事前型の解雇の金銭解決制度」を意味しているのか等、不明確ではありますけれども、創業支援という名目のもとで、何らかの形で解雇しやすい環境整備を志向していることは間違いないように見受けられます。

 こうした提案を行っている自治体を特区に指定している以上、私たちとしては、今後特区がどのような姿になっていくのか非常に危惧をしているところです。

 これに関係するところがもう二点ほどあります。

今日説明をいただきました区域及び区域方針の「事業に関する基本的事項」というところで、規制改革事項とかが挙げられているわけですが、福岡のところだけが「創業後5年以内」という明確な数字が出て、「ベンチャー企業に対する雇用条件の整備」という形になっております。

もう一点は、3月28日の当日、大臣の記者会見への質疑応答では、まずは「創業5年以内のベンチャー企業等に対する雇用条件の整備」というところで、今後センター等が設置されるのですが、事前解決型について、ここの場では「金銭解雇といったものが、今後課題として取り上げられるのか」というような質問が出ており、そのときは、関係機関と議論しなければならないというような、多少曖昧な答弁がされております。

 福岡市を初めとする各特区で雇用労働問題をどのように取り扱うのかというのは、今後詰めていくことになると思いますが、国家戦略特区法が規定しているように、雇用労働相談センターで雇用指針を活用することによって、ベンチャー企業等に対する情報提供、相談、助言の援助を行うといった形で特区がきちんと運用されるように強く求めていきたいと思います。

 万が一にも雇用指針に基づく相談、助言等を通じて解雇のしやすい環境の整備といった事態につながらないよう、慎重に対応していただきたいということを強くここで要望しておきたいと思います。

 以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございました。御意見ということで承りたいと思います。

 ほかにいかがでございましょうか。では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、八野委員が質問された特区についてですが、福岡が雇用の特区ということで指定をされておりますが、福岡以外の地域についても「雇用」という欄があり、それぞれ「雇用条件の整備」という記載がありますが、「雇用条件の整備」については特区法の中には規定がなかったと思います。もともとは、雇用労働相談センターをつくって、雇用指針を用いて当該エリア内の企業の相談に応じるというのが特区法で決められた内容だったかと思います。ここに出てきた「雇用条件の整備」というのは一体何なのか、教えていただきたいと思います。

以上です。

○岩村会長 では、事務局への御質問だと思いますので、よろしくお願いします。

○村山労働条件政策課長 八野委員、新谷委員から御意見、御質問を承ったところです。何点か申し上げたいと思います。

まず初めに、八野委員から御指摘のあった国家戦略特区のワーキンググループにおける御議論ですが、私どもが参加しているわけではないので、全てについて詳細に承知しているわけではございませんが、まさに八野委員がおっしゃいましたように、公開されている議事録、資料等は昨年9月のものでございまして、その後、そうした自治体、有識者、さまざまな方々からのヒアリングを踏まえて、ワーキンググループの座長名のペーパー等も出され、また、それに基づく政府内でのいろいろな議論も尽くした上で、昨年1018日の政府決定、さらに法案策定に進んでいった状況は、この分科会でも逐一報告してきたところです。

したがって、昨年9月の段階でさまざまな御意見が出ていたのは事実だと思いますが、いずれにしても、我々がよるべき出発点としては、1018日の政府決定なり、成立した法律によっていくべきなのだという点が、まず1点申し上げておきたいことです。

その上で、今後の道行きも含めての御意見だったと思いますが、先ほど申しましたように、現在、区域方針自体も「案」がついている段階ですが、基本的にはここに書かれている形で与党等の調整、あるいは政府部内の調整を尽くして、最終的に政府決定に向かって行くのだろうと思います。

その後に、当初、地域統合本部等と言われていた区域会議に、関係の自治体の方々、事業者の方々、特区担当大臣等が入り、実際に特区として何に取り組んでいくかについて計画を練り上げていく段階に入っていく。記者会見、関係閣僚の方々の御発言、あるいはまた民間議員の発言なども総合的に考慮すると、直ちにというよりは、そこの練り上げに少し時間をかけて、その過程で当然我々関係省庁とも調整の期間というのがあるのだろうと考えております。

そういった意味では、具体的にどういう事業をどこの区域でどんな形でということは、これからの話なのだろうと理解しております。

その中で、ただいま御指摘がありましたような、かねてから本分科会においても懸念が示されているような点については払拭していくことができるように、我々としても調整に力を尽くしていきたいと考えております。

なお、御質問の「雇用条件の整備」という表現については、直ちに法律の文言と一言一句平仄がとれているかどうかということがございますが、例えば東京で言えば「グローバル企業等に対する雇用条件の整備」という書き方で、大くくりに【雇用条件】とくくられておりますので、これは全体として特区法でも言われています雇用条件の明確化を図っていくことによって紛争を防止するという趣旨とも解釈できるものだと思いますし、そのような解釈がきちんと維持されるように今後も政府内の調整に努めていきたい、このように考えているところです。

よろしくお願いいたします。

○岩村会長 ありがとうございました。

 よろしゅうございましょうか。

 では、工藤委員、どうぞ。

○工藤委員 ありがとうございます。1点質問をさせてください。

特区の中の対象区域ですが、例えば東京圏ですと、「東京都・神奈川県の全部又は一部」とあるのですが、これはここに事業場があるという考え方でよろしいのでしょうか。それとも、ここに例えば本社があって、その本社を中心として全国的に企業があるというところもあるかと思うのですが、この辺の考え方を教えてください。

○岩村会長 では、事務局、お願いします。

○村山労働条件政策課長 対象区域に関しましては、「東京都・神奈川県の全部又は一部」の下に注がついておりまして、「全部又は一部のどちらとするかを含め、今後、関係地方公共団体の意見を聴いて、政令により定められる」となっていますように、まず区域自体も全体とするか、一部の効果の上がるところに絞っていくほうがいいのかという出発点も含めて、28日の諮問会議では相当の御議論があったと伺っているところでございます。

その上で、ただいまの御質問の点でございますが、「区域」のとらえ方として、例えば建築物の容積率の緩和の特例を適用する「区域」という概念と、雇用労働の相談に当たっての「区域」という概念では、それにフィットするものも違ってくるのだろうと思います。そういったことも含めて、これから政府部内の調整ということでございます。

今までの仕事のやり方としては、一定の政府内の調整とか与党との調整等が行われた内容がこうした会議に上がってくるということが少なくなかったと思いますが、今回の区域方針案はこの会議で初めてこの内容が示されたところであって、今、御指摘の点も含めて、今後さまざまな調整も尽くされていくのだろうと考えているところでございます。

そもそも区域自体も、例えば東京都として全体とされるのか、一部とされるのかという御意見もあるのでしょうけれども、そういったことも含めて全て今後の調整ということでございます。

○岩村会長 よろしゅうございましょうか。

○工藤委員 はい。

○岩村会長 ほかにいかがでしょうか。この件については以上でよろしいでしょうか。

 次の議題(2)がございますけれども、その前に御質問などありましたら、お願いしたいと思います。では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、報告いただいた2点とは別に昨年末の本分科会で報告いただいた内容のその後の状況について、確認をさせていただきたい点がございます。

昨年本分科会で「若者の使い捨てが疑われる企業への重点監督の実施状況」について御報告いただき、厚生労働省の今年度の予算には、そうした企業への対応強化のために18億円の予算が計上されております。

具体的なその施策の中身としては、夜間・休日における労働基準法等に関する労働相談を受け付ける常設の「労働条件相談ダイヤル(仮称)」を設置し、相談体制を強化するとされており、これに関しての一般競争入札の仕様書についても既に公開をされていて、業務委託の入札についても既に終わっていると聞いております。

現在、全国の都道府県労働局の下で総合労働相談コーナーが設置され、たしか110万件ぐらい相談が来ていると思います。このように、今、行政で行っている相談とその他援助と、今回新たにできる夜間・休日の「労働条件相談ダイヤル」は、どのような関係で設置されるのか、まず教えていただきたいと思います。

もう一点は、運用に当たっての留意点ということですが、実は私ども連合も25年前から全国に「なんでも労働相談ダイヤル」という相談コーナーを設置し、年間で1万6,000件強の相談を受け付けており、そこでの相談を通して、相談する労働者との信頼関係、個人情報の秘密の保持ということの重要性について、経験的にわかってきております。

新しくできる「労働条件相談ダイヤル」の相談員について、国として設ける相談機関としての公平性や中立性、あるいは守秘義務がどのように担保されるのか、お聞かせいただきたいと思います。

先ほど申し上げた総合労働相談コーナーの相談員は、非常勤の公務員として守秘義務が課されていると思いますが、「労働条件相談ダイヤル(仮称)」については民間に委託をされるということですので、相談ダイヤルの相談員の育成や確保、秘密の保持といったところをどのように担保して運用されていくのかということも併せてお聞かせいただきたいと思います。

以上です。

○岩村会長 では、御質問ということですので、事務局のほうからお願いいたします。

○総務課長 新谷委員からただいま2点御質問をいただきました。

1点目が、現在、全国の労働局等で行っております総合労働相談コーナーと「労働条件相談ダイヤル(仮称)」はどういった違いがあるのか、どういうすみ分けがあるのかということでございます。現在、労働局で行っております総合労働相談コーナーにつきましては、労働局等の平日の通常の開庁時間、朝9時から夕方5時まで相談をお受けしているものでございますけれども、今年度から予定をしております「労働条件相談ダイヤル」につきましては、平日昼間にコーナーに来られないような方につきまして、平日の午後5時から午後10時まで、あるいは土・日の午前10時から午後5時まで相談を受け付けるということで、ニーズに対応してまいりたいというものでございます。

民間の事業者に委託して実施するということにしておるわけでございますが、相談員の資質あるいは守秘義務の観点で御質問がございました。相談員になられる方には、長時間労働の問題ですとか、あるいは賃金不払いの問題ですとか、現在いろいろ課題になっております労働基準関係法令あるいは労働問題等につきまして相談ができるように、知識・経験を十分有する方を選任するということを受託業者に求めておるところでございまして、あわせて、公平、公正、中立な立場で国の事業として行うわけでございますので、そういった観点も含めて必要な研修をするようにというふうに求めているところでございます。

事業の運営開始前に労働関係法令の判例等の知識ですとか、あるいは労働問題に関する最新の状況、守秘義務、個人情報保護につきましてもこちらの担当官も場合によっては出向きましてしっかり講義、研修を行ってまいりたいと考えております。

また、具体的な守秘義務の関係、あるいは個人情報の漏えいの防止対策について、当然万全を期さなければならないと考えておりますので、それにつきましては、先ほど申しました研修もあわせまして、契約の内容としてしっかり盛り込んで、そういったことがないように担保してまいりたいと考えているところでございます。

○岩村会長 新谷委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

○新谷委員 はい。よろしくお願いします。

○岩村会長 それでは、次の議題に移りたいと思います。

議事次第にありますように、2番目の議題は「今後の労働時間法制の在り方について」ということになっております。

この分科会におきまして1月から2月にかけてテーマごとの議論を行っていただきまして、一通り回ったというところだと思います。

今回から、これまでの議論の経過を踏まえまして、さらに具体的に御議論をいただきたいと考えております。

今日は、裁量労働制やフレックスタイム制などの弾力的な労働時間制度について御議論を頂戴したいと思います。

事務局のほうで今後の論点をまとめていただいておりますので、まずその説明を頂戴したいと思います。

また、1月15日の第107回のこの分科会で説明がございました裁量労働制等に関するアンケート調査につきまして精査した結果がまとまったということでございます。これについてもあわせて説明をいただくことにいたしたいと思います。

よろしくお願いいたします。

○古瀬調査官 それでは、資料を御説明させていただきます。

 まず、資料3をごらんいただきたいと思います。資料3の左側に「各側委員からの主な意見」という欄がございます。こちらは2月25日の第109回分科会で提出いたしました各側委員の主な御意見を整理した資料から関係部分を抜粋している欄でございます。

右側の「今後の論点(案)」の欄は、それを踏まえまして、今後の論点として考えられる点と、※としまして、論点に関連する現行の規定ぶりですとか調査結果等について、事務局からお示しをしたものでございます。

それでは、まず「(1)企画業務型裁量労働制」でございます。

まず、「対象業務・対象労働者」のところでございます。

労側委員のほうから、対象業務を拡大したり、「常態として」を「主として」にすれば、裁量性がない労働者についても規制の網がかからなくなるおそれがあり、緩和すべきではないという御意見。

また、使側委員からの御意見として、対象業務は、健康確保を図りながら労使で決定できることとすべき、あるいは繁忙期に他の業務への応援に行くなどの実態に即して、部分的に他の業務についてもよいとすべきとの御意見がございましたけれども、こういった対象業務・対象労働者についてどう考えるかというところでございます。

右側をごらんいただければと思いますが、現行では対象業務については、労基法第38条の4第1項第1号におきまして、「その遂行方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務」とした上で、※の2つ目のとおり、指針におきまして「財務諸表・会計帳簿の作成及び保管、個別の営業活動の業務、個別の製造等の作業等は、対象となり得ない」とされております。

また、対象労働者につきましては、労基法第38条の4第1項第2号におきまして、「対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者」とした上で、※にありますとおり、指針におきまして「対象業務に常態として従事していることが原則」とされております。

次に、「健康・福祉確保措置」についてでございます。

労側委員からの御意見として、「休暇に関する措置を盛り込むべき。また、健康・福祉確保措置の最低基準を法律に規定することも検討すべき」との御発言があり、使側委員の御意見としましては、再掲でございますが、「対象業務は、健康確保を図りながら労使で十分話し合った上で決定できることとすべき」ということを入れてございます。

現行では、労基法第38条の4第1項第4号におきまして労使委員会の決議で対象労働者の健康・福祉確保措置を定めることとされ、指針におきましてその具体的な内容としては「代償休日・特別休暇の付与、健康診断の実施、年休の連続取得等が考えられる」としているところでございますが、健康・福祉確保措置のあり方についてどう考えるべきかというところでございます。

2ページの「労働時間の把握」についてでございます。

労側委員からの御意見として、労働者の自己申告のみに委ねるのは妥当でなく、タイムカード等の方法で管理すべき。

また、公益委員から、労働時間の把握のアプローチもあるが、健康・福祉確保措置については、休暇の要望も多いので、労働から離れる時間を保障するアプローチもあるのではないかとの御意見がございましたが、こうした労働時間管理のあり方についてどう考えるべきか。

現行では、※の2つ目にございますとおり、健康・福祉確保のため、労使委員会の決議におきまして、対象労働者の労働時間の状況等を把握する方法を具体的に定めること。また、その方法としては、出退勤時刻または入退室時刻の記録等によるものであることが指針において定められております。

また、※の3つ目にございますとおり、裁量労働制の適用対象者は、労働時間把握指針の対象外とされております。

また、その下に把握方法に関するアンケート調査の結果の数字をお示ししております。

次は、「本人同意」でございます。

本人同意の要件につきましては、現在、企画業務型裁量労働制のみに課されておりますけれども、労側委員から「専門業務型裁量労働制においても要件とすべき」との御意見。また、使側委員から同意を個別にとる要件が制度導入を阻んでいる面もあるとの御意見がございました。

また、アンケート調査によれば、専門業務型でも本人同意をとっている事業場が半数程度見られるという結果もございますが、これについてどう考えるべきか。

3ページ目「手続要件」でございます。

使側委員から「事務手続が煩雑」との御意見がございましたが、どう考えるべきか。

右側の※の2つ目にございますとおり、平成15年改正において、手続簡素化等の観点から、労使委員会の決議要件が全員一致から5分の4の多数決に緩和されております。

また、※の3つ目にございますとおり、アンケート調査におきまして、「有用でない手続があり、煩雑」とした回答のうち、煩雑な手続として「健康・福祉確保措置の定期報告の作成・届出」を挙げた回答が66.9%、「労使委員会の決議届の作成・届出」を挙げた回答が51.3%となっております。

次は「過半数代表」についてでございます。

労側の委員から、過半数代表者に指名された労使委員会委員の信任手続を求める方向での検討が必要との御意見がございました。

平成15年改正におきまして、手続簡素化等の観点から、過半数代表者が指名した委員に対する信任手続が廃止されておりますけれども、労使委員会における過半数代表者のあり方についてどう考えるべきかというところでございます。

次が「(2)一部の事務職、研究職等に適した労働時間制度」でございます。

使側委員から制度の創設について議論を深めるべき、また、労側委員から新たな制度を設ける必要はないという御意見がそれぞれあったところでございますが、その必要性やあり方についてどう考えるべきか。

5ページの「フレックスタイム制」でございます。

フレックスタイム制につきましては、完全週休二日制の場合の計算方法につきまして、曜日のめぐりによりましては、1日8時間の労働でも法定労働時間の総枠を超える場合がありますところ、現在、運用によって一定の要件のもとに特例的な計算方法を認めて、総枠を超える労働でも時間外労働と扱わないことができることとしております。

けれども、月末の働き方によっては特例要件を満たせない場合が生じることとなっております。この点につきまして、労側委員から労働者に不利益にならないようにしつつ、見直すことも考えられる、また使側委員から労働者の処遇の公平さの観点から見直しを考えるべきとの御意見がございましたが、どのように考えるべきか。

また、清算期間につきまして、現在、1カ月以内の期間に限ることとされておりますが、使側委員から、長くすべき、また、労使で決定できるようにすべきとの御意見がございましたので、この期間のあり方についてどのように考えるべきか。

6ページ「その他の論点・議論の進め方」でございます。

「事業場外みなし労働時間制」につきまして、現在、昭和63年の通達によりまして、事業場外でも無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合は、使用者の具体的な指揮監督が及んでいるとして、事業場外みなし労働時間制の適用がないものとされておりますが、労側委員から、携帯電話の普及等も踏まえ、解釈例規の現代化を検討すべきとの御意見、また使側委員から、携帯で連絡がとれる者について事業場外みなし労働時間制の適用を認めた判例もあり、見直しは疑問との御意見があったところ、そのあり方についてどのように考えるべきか。

最後に、「その他」でございます。

使側委員から休憩時間の一斉付与、専門業務型裁量労働制についても議論すべきとの御意見、また、公益委員から客観的データに基づく建設的な議論が必要との御意見がございましたので、右側に「弾力的労働時間制度について、他に論点はないか」ということで、書かせていただいております。

その続きに関連の条文やデータを添付しております。

続きまして、資料4に入らせていただきたいと思います。

 資料4は、1月の第107回分科会で速報値として御説明をさせていただきました「裁量労働制に関するアンケート調査」につきまして、最終的な数字に置きかえまして、また、企画業務型裁量労働制について絞れるところは絞り、あわせて委員の方々からいただいた御意見、御要望の追加集計もまとめてお出しをしているものでございます。

まず、1ページと2ページは、この調査の調査方法の概要や調査対象の属性についての表でございますので、御参照いただければと存じます。

3ページは、企画業務型裁量労働制の導入のきっかけを事業場に聞いたものでございます。

多いのが「労働者の創造力を高め、能力発揮を促す」や「成果主義・業績評価制度の導入の一環として」でございます。

4ページは、制度導入の効果を聞いたものですが、「効率よく仕事を進めるように従業員の意識が変わった」や「従業員のモチベーションが向上した」という回答が多くなっております。

5ページは、適用を受けることへの労働者の満足度について聞いたものでございます。

「満足」と「やや満足」を足して76.4%。

「不満」「やや不満」と答えた約2割の労働者に不満を聞いた結果が右のグラフでございますが、「労働時間が長い」「業務量が過大」「給与が低い」が高くなっております。

6ページは、満足度につきまして、裁量労働制適用前と比べてどうかという質問に対する労働者の回答でございます。

「自らの能力の有効発揮に役立つと思った」「仕事の裁量が与えられていることにより仕事がしやすくなると思った」といった項目では、「概ね期待どおり」が4割以上となっております。

一方で、「労働時間を短くすることができると思った」を挙げた労働者では「あまり期待どおりになっていない」が38%という結果になっております。

7ページは、制度への評価について、事業場に聞いたものでございます。

「今のままでよい」とする回答が68.6%。「変更すべき」とする事業場のうち、多いのが「一定以上の高い水準の年収が確保されるなら、労働時間規制を適用除外すべき」の50.7%となっております。

8ページは、同じく制度への評価について、労働者に聞いたものでございます。

「今のままでよい」が75.1%、「変えたほうがよい」とする労働者のうち、「一定以上の高い水準の年収が確保されるならば、労働時間に関する規制を適用除外してもよい」が36.7%。「一定日数の休日・休暇が確保されるならば、みなし労働時間ではなく、労働時間に関する規制を適用除外してもよい」が30.5%となっております。

9ページは、対象業務の範囲についての事業場の回答でございます。

「現行のままでよい」が40.6%、「狭い」が21.7%。

「狭い」とする事業場のうち、「労使委員会で合意できれば対象業務として認めるべき」が71.4%、「対象業務の要件を拡大すべき」が60.2%、「『主として』従事していればよいこととすべき」が31.6%となっております。

10ページは、対象業務の範囲について、労働者の回答でございます。

「現行のままでよい」が67.1%、「狭い」が7.2%。

「狭い」とする労働者のうち、「対象業務の限定は不要である」が48.9%、「対象業務の範囲は労使に委ねるべき」が43.6%となっております。

11ページは、新しく集計した結果でございます。対象業務の範囲につきまして、日々の出退勤管理別、また、仕事の目標等の決定方法別に見たものでございます。

「現行制度のままでよい」という回答が多くなっておりますけれども、左側のグラフでは、「一律の出退勤時刻がある」に比べて、出退勤時刻が自由な場合にその割合が高くなっております。

右側のグラフでは、「会社または上司が設定」に比べまして、「上司と相談しつつ自ら決定」や「自分の意見を踏まえて上司が設定」の場合にその割合が高くなっております。

12ページは、事業場に手続について聞いた結果でございます。

「現行制度でよい」が38.1%、「有用でない手続があり、煩雑である」が29.2%となっております。

また、「煩雑である」との回答のうち、煩雑な手続としては、「定期報告の作成・届出」「決議届の作成・届出」を挙げた回答が多くなっております。

13ページは、12ページの続きでございますが、「煩雑である」という回答のうち、煩雑な手続として「決議届」を挙げた事業場につきまして、どうすべきかを聞いたところ、「本社で一括届出ができるようにする」との回答が最も多く、59%。

「定期報告」を挙げた事業場では「届出を廃止する」が50.2%、「本社で一括届出ができるようにする」が41.8%となっております。

14ページは、実労働時間の把握方法について聞いたものでございます。

 企画業務型裁量労働制では、「タイムカード・ICカード」が23.3%、「自己申告制」が21.6%、「PCのログイン・ログアウト」が11%となってございます。

15ページは、新しい集計でございます。先ほど御説明したページとも関連してまいりますが、日々の出退勤管理と仕事の目標設定の方法について、労働者に聞いたものでございます。

裁量労働制につきましては、「出退勤の時刻は自由だが、出勤の必要はある」が多くなっておりますけれども、「一律の出退勤時刻がある」との回答も多くなっております。

 目標設定につきましては、「上司と相談しつつ自ら決定」が42.5%と最も多くなっております。

16ページは、裁量労働制適用者だけに支払われる特別手当についてでございます。

「手当がある」という事業場は55.1%。

特別手当の金額につきまして、右側のグラフでございますが、分布にばらつきがあり、不明の回答も多いという点に留意が必要でございますけれども、平均は7.7万円となっております。

17ページも新しい集計でございます。裁量労働手当の金額をみなし労働時間別に集計したものでございます。

みなし労働時間が真ん中の「8時間以上9時間未満」に比べますと、「8時間未満」のところでは「5万円未満」あるいは「10万円以上」とした回答が多くなっておりまして、「9時間以上」の事業場では、「10万円以上」の回答が多くなっております。

18ページは、裁量労働手当の金額を平均実労働時間別に集計したものとなっております。

上から3番目「9時間以上10時間未満」に比べますと、その上の「8時間未満」や「8時間以上9時間未満」の事業では、手当額につきまして、「5万円未満」あるいは「5万円以上6万円未満」とした回答が多く、「10万円以上」の回答が少なくなっております。

19ページは、健康・福祉確保措置につきまして実際に実施した項目を事業場に聞いたものですが、「産業医等の指導」や「健康相談窓口の設置」といった項目が多くなっております。

20ページは、健康・福祉確保措置について、労働者に聞いたものでございます。

「健康・福祉確保措置が十分」という回答は80.5%。「不十分」とする労働者が要望する具体的な措置としましては、右側にございますが、「年次有給休暇の連続取得を含む取得促進措置」のほか、連続休暇制度の導入や特別な休暇の付与等を挙げた回答が多くなっております。

21ページは、新しい集計でございます。健康・福祉確保措置に係る労働者の要望内容につきまして、実労働時間別に見たものでございます。

要望内容に大きな差は見られないものの、150時間以上で見た場合は、「定期的な特別休暇付与」や「一定時間以上の勤務が行われた場合の特別休暇付与」につきまして、2割から3割程度の回答がございます。

22ページは、苦情処理措置について実施しているものを事業場にお答えいただいたもので、「人事担当部署等に独自の相談窓口を設置」という回答が最も多くなっております。

23ページは、苦情処理についての労働者の回答でございます。

「苦情処理体制は十分と思う」との回答が74.7%、「そう思わない」との回答のうち、具体的な点としましては、「どこの誰に相談すればよいのか明確でない」が多くなっております。

24ページ以降はフレックスタイム制についての集計結果でございますが、1月にお示しした資料と同じでございますので、詳細は省略させていただきますけれども、24ページが制度の評価についての事業場の回答になっております。

25ページが労働者の回答でございます。

26ページがフレックスタイム制度の課題についての事業場の回答、27ページがフレックスタイム制を導入していない理由についての事業場の回答となっております。

資料の説明は以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま説明をいただきました資料3、4につきまして、御意見、御質問がありましたらお伺いしてまいりたいと思います。

今回からは、個別の論点に基づきました具体的な議論に入っていきたいと考えております。ですので、資料4のアンケートの結果につきましては、必要に応じて参照いただきつつ、資料3に掲げられたそれぞれの論点につきましての御議論というものを重点的に頂戴できればと考えております。

今日の資料3というのは、これまでの議論をある程度整理しまして論点などを示したものでございます。

とりわけ各側におかれましては、そこに掲げられている御意見につきまして、必ずしも正確でない、意を尽くしていないとか、あるいはこの点については、こちらとしてはこういうことを加えておきたいということ、あるいは論点の案につきましても、こういう論点も加えてほしいということがありましたら、それらにつきまして、ぜひお出しいただきたいと考えております。

適宜こちらで議論の順序を整理させていただきたいと思います。

まず最初に、資料3「(1)企画業務型裁量労働制」につきまして、御意見あるいは御質問を伺ってまいりたいと思います。具体的には1ページから3ページまでということになろうかと思います。では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、分科会長のほうから今後の進め方として各論点ごとに進めていくという御指示をいただきましたけれども、各論に入る前に、弾力的な労働時間制度の検討に当たっての総論的な見解を申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○岩村会長 どうぞ。

○新谷委員 ありがとうございます。

 本日は、これまでの論議を踏まえまして、各論点ごとに各側の意見と今後の論点を示していただいたわけですが、これから具体的に各論の議論に入るに当たって、総論的な見解を申し上げたいと思います。

 労働時間に対しては、それぞれいろいろな見方があると思います。企業にとっては、付加価値を生む源泉であると捉えていらっしゃるでしょうし、労働者側にとっても、自己実現をするための時間でもあるという見方もありますけれども、労働時間については、労働に従事するのは生身の労働者であり、それを保護するため、人たるに値する生活を営むための最低限の条件として取り締まりの法規が設けられているということがあります。

そういった意味では、労働時間の規制というのは、労働者の心身の保護、あるいは家庭生活、社会生活を営むための生活時間の保障といった機能も持っていると考えておりまして、労働時間に絡んで起こっている社会問題、特に長時間労働の実態であるとか、毎年100人以上の方が労災で過労死としての認定をされているという問題を直視すれば、今、行うべきは、労働者の健康確保であるとかワーク・ライフ・バランスの観点から、労働時間の規制を適切に強化する方向の見直しであり、私どもとしては、弾力的な労働時間制度を拡大するということではないと思っております。

具体的には、私どもが、これまでも当分科会で申し上げてきたような勤務間インターバル規制といった休息時間の規制であるとか、時間外労働に関する上限時間の規制の導入が必要であるということを前提としてまず申し上げておきたいと思います。

これは報告の1点目のときにお聞きすればよかったのですけれども、我々は三者構成の労働政策審議会でこれから労働時間法制の検討を本格化させるわけでありますが、一方で、報告事項の1点目にあったような規制改革会議からは具体的な弾力的な労働時間についての提起、意見書を出されておりますし、同時に、まさしく政府の政策決定の中心にある産業競争力会議においても同様の三位一体での検討を行えといったことが出てきているわけです。

このように、政府の会議体の中で、まさしく今、我々が論議をしようとしている弾力的な労働時間制度についてかなり突っ込んだ検討がなされていて、今日お配りいただいている資料1にあるように、労働時間の量的な上限規制とか、休日・休暇の取得に向けた強化策とか、一律の労働時間管理がなじまない労働者に適合した労働時間の適用除外制度の創設といったことを三位一体で行えということが提起されているのですが、よく見ると、三位一体と言いながら、3つの検討事項が並列にあるわけではなく、「3一律の労働時間管理がなじまない労働者に適合した適用除外制度の創設」というのがあって、それに従属する形で1と2がくっついてくるというふうに見てとれるのです。

普通、三位一体と言うと、並列で3つを同時に行うように思われますが、そうでなくて、これは3を行った場合に限って1と2を入れるのだという提起というふうに読めるのです。そういった私どもの解釈に対して、それは間違っているのか、そうではないのではないかということの見解も含め、今、政府で検討が進められている内容について、厚生労働省としてどういうふうに見ておられるのかというのを、お聞かせいただきたいと思います。

○岩村会長 それでは、難しい御質問のように思いますが、事務局のほうからお願いいたします。

○村山労働条件政策課長 お答え申し上げます。

今、御指摘のありました例えば規制改革会議の意見書について、本日お配りしているのは公開ディスカッションで配付された概要のポンチ絵1枚であり、全文が掲載されているわけではございません。たまたま手元にある「労働時間規制の見直しに関する意見」を見ますと、「今後の議論の進め方」ということで、ただいま御指摘のあった内容について詳しく書かれた後に、こうした記述がございます。

労働時間法制の適用除外制度の基本的な枠組みについて、規制改革会議の本意見を受けて、労働政策審議会において議論が開始されることを強く期待する。

規制改革会議は、厚生労働省、労働政策審議会の取り組みを注視し、検討状況の聴取などを行いながら、必要に応じて会議の意見を示すなど引き続き積極的な働きかけを行っていく。

ということです。

具体的な制度設計、労働関係法令の具体的なあり方については、最終的に現場で通用する、労使双方に理解されるものをつくり上げていくために、労働の現場、経営の現場の実情に精通された労使の皆様と専門の公益委員の三者構成のこの場で御議論を積み重ねていただき、そこでできるだけ建設的に取りまとめていただくというのが基本であるということ自体は何ら変わらないわけです。

一方で、これはこの場でも何回か申し上げているかと思いますけれども、産業競争力の強化や規制改革という横断的な観点から、ある意味政府部内の分掌関係で言えば、一段高いところにある、内閣官房や内閣府に置かれた会議体からさまざまな提言がなされてくるということをどのように受けとめるかという問題かと考えております。

先ほどあえて読み上げさせていただきましたのは、規制改革会議の意見書は、何も詳細な制度設計まで決め切って、これでやれと書かれているわけではなくて、会議体としての御意見を取りまとめられた上で、労働政策審議会における議論への期待、あるいは働きかけとして出されているものと認識をいたしているところでございます。

では、どこまでがこの場の議論の前提になって、どこから先がどういうマンデートになるのかということを詰めることが生産的なのかどうかということも含めて、こうした御意見があることは一方で見ながら、この場において実際に我が国の労使にとってよりよい労働時間制度についての御議論を進めていただきたいというのが厚生労働省の見解でございます。そうした議論を進めていただくことが、私どもから審議会の各側委員へのお願いでございます。

以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 質問について必ずしもお答えいただいていないのですが、規制改革会議は、3を入れた対象に限って1と2を入れる、これが三位一体だと言っていると思われるのですが、私どもとしては、3を主たる内容として、従属的に1と2がついてくるという論議の仕方については非常に違和感があり、これについては賛成できないという見解を申し上げておきたいと思います。

これに関連して、本日配っていただいている資料3の4ページに使用者側の意見が記載されております。前回の規制改革会議の意見書が出たときに、使用者側が発言された内容が盛り込まれたわけですけれども、ここには、規制改革会議で出てきたこの三位一体の考え方について、規制強化とセットで弾力化を行うというのは一つの考え方だという見解が示されているのですが、私どもとしては、出された内容について、それぞれ一つずつ施策の是非について丁寧な検討をしていくべきというふうに考えております。3の弾力化だけが先行して、対象となる労働者は1と2の適用を受ける、こういった序列のついた検討については反対であるということを申し上げておきます。

また、追加で申し上げておきますと、規制改革会議の提案内容というのは、企業ごとの労使で枠組みを選択していくという形を取っておりまして、国が一定の目安を示すにとどめるということで、労使自治の範囲がかなり拡大した内容の提案となっているわけです。

ここのところも私どもとしては異論がありまして、労働時間規制は、行政の取り締まりをもって実効性の確保をしていくという枠組みでありますので、少なくとも国の関与が前提となって労使の検討の範囲があるわけであり、国が目安だけ示して、あとは労使に任せるということについては、現行の労働時間の規制の枠組みから大きく外れる内容ではないかと考えておりますので、この点についても冒頭の総論的な意見として申し上げておきたいと思います。

以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。

 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ただいまの新谷委員の御発言に関連して発言させていただきたいと思います。

規制改革会議の意見書というのは、適用除外制度の新設の提言ということでございますが、その中身の肝としては、第1に適用除外対象者に対する健康・確保措置を充実させるということ。第2に適用除外制度を入れるかどうかは、あくまでも個別企業労使が判断に委ねているということ。第3に、当初、労使自治が機能していることについて疑う余地のない過半数労働組合がある企業に限定していることの3点にあろうかと思います。

細かい点は、労使各側委員が入っている労働政策審議会の中で議論すべきと考えます。その際、規制改革会議の提案に私どもとしては基本的に賛成し、今後、適用除外制度を導入するということと、適用除外対象者に対して、労働時間の規制と休日・休暇取得促進の措置をとるということをパッケージ、セットとして手当てをする議論を進めさせていただきたいと考えています。

私からは以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 もう各論に入っているような感じになっておりますが、今、使用者側委員から規制改革会議の意見書に対する見解をお示しいただき、この規制改革会議の意見書にあるように、まず労働時間の弾力化があって、その対象者に限って1と2の制度を導入してはどうか、いわゆるパッケージで行ってはどうかという御意見がありましたが、私どもとしては、1の量的な時間の規制や、休日・休暇の取得強化というのは、今、起こっている問題を考えれば、これは何も3の新しい制度を適用する労働者に限った話ではなく、すべての労働者を対象とすべきと考えております。

使用者側委員にお聞きしたいのは、今、起こっている労働時間の問題を見ると、長時間労働に伴う過重労働の問題、精神障害を発症される方が非常に多いという問題があるにもかかわらず、これに対して、なぜ3の対象者に限って1、2を入れるのかということについて、見解をお聞きしたいと思います。

○岩村会長 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 まず、事業を営む者、経営者として、働いていただいている方に働く場、健康で安全だということを確保するということは大前提だと思っております。その点はぜひ御理解をいただきたいと思っております。

 その中で、日本の場合には、前回小林委員からも御指摘がございましたように、物流部門では待ち時間が相当程度あるということ等の実態がある中で、この問題をどう解決していくかということが問われていると思っています。

これまでの資料の中でも業種・業態、あるいは規模別に相当程度時間外の実態とか背景が違うということがかなり浮き彫りになってきたと思っております。

そういう意味では、長時間労働をどうやって見直すかというのは、やはり職場の実態をよく知っておられる個別企業労使が、どこが問題なのかということを調べて、話し合って、対策を打って、1年サイクルでそれが正しいかどうかというのを検証していくというような取り組み以外に基本的にはないと思っております。

例えばということでお聞きいただきたいと思いますけれども、勤務間インターバルでありますとか年間の上限規制というのは、確かに欧州で一般的だというふうに思っております。

しかしながら、欧州では土曜日とか日曜日にお店をあけているのは駅構内等の一部に限られたり、あるいはバカンスに代表されるような連続休暇の取得の慣行もかなり一般的だと聞いております。

片や、我が国では無休のお店も多く、例えば正月でも元旦からあけておられるようなところもあります。

例えば情報通信、情報システムの受注ということであれば、当初からの仕様を何度も変更するということに結果として対応せざるを得ないような傾向もあるのだと思っておるところでございます。

労働時間の短縮に向けて個別企業の取り組みも進んでおりますし、まさに政策的にもそうした企業を支援するということが重要であります。

また、さまざまな社会的な実態がありますので、今後とも社会的な機運醸成、あるいは協力・連携を進めていくということが必要になってくると思っております。

しかしながら、繰り返しで恐縮ですけれども、現時点ではなかなか一企業だけでは時間外労働をコントロールしにくいというような実態があり、そうした中で、とりわけ通常の労働時間規制を適用するのにふさわしい一般の労働者を対象に一律の上限規制でありますとか、勤務間インターバルというものを課すということになりますと、結果として事業活動を阻害しかねないのではないかという思いを強く持っているということでございます。

一方で、仕事のやり方や進め方をみずから判断して決められる労働者、すなわち通常の労働時間規制を適用することがふさわしくないような労働者の場合には、外的な要因で労働時間が左右されにくいという面もございますので、何らかの形で労働時間の規制と休日・休暇の取得促進の強化を要件に適用除外の仕組みを考えるということは可能だと思っております。

私からは以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 ただいまの労側、使側の御意見というのは、個々の論点にかかわる部分もございますけれども、他方で個々の論点にとどまらない、今回の労働時間法制のあり方についての全体の議論の土俵をどう設定するかということにもかかわることだと思ってお話を伺っておりました。

 そういう意味では、今日つくっていただいている資料3というのは、どちらかというと制度ごとの論点でありますが、今日の労使の御議論を伺いますと、今後この審議会で議論していくに当たっては、個々の制度には必ずしもとどまらない、労働時間についてもう少し広がりを持った土俵の中で議論をするべき論点というものもあるという点については、意見が違うにしても、労使双方ともに一致していると考えてよろしいかなと思います。

例えば今の適用除外の話ということになれば、今日のペーパーの4ページの(2)のところで使側の御意見ということで出ているところでもありますし、他方で労側の御意見という形でも出ているところであります。また、6ページ「(4)その他・議論の進め方」のところで「その他」という形で入ってくる部分もあるのかなと思いますので、今日そういう御意見が出たということも踏まえつつ、今後の議論の進め方をまた事務局と相談しつつ、考えさせていただきたいと思います。

その上で、大変恐縮ですが、各論に戻りまして、まず(1)についてはいかがかと思いますが。新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 進行を妨げてすみません。1点だけ事務局に要望があります。今のやりとりを踏まえ、1点出して欲しい資料があります。それは、毎年、労災で脳・心臓疾患の認定件数が300件を超えていて、そのうち過労死で亡くなる方が不幸にも100人をずっと超えているという状況の中で、その方々の労働時間の規制の適用状況、これは41条の適用除外の方なのか、企画業務型裁量労働、事業場外みなし、専門業務、そこまで細かく分けることまでは要求しませんが、労働時間の規制の適用状況別にこのデータが出せるのであれば、今後の論議に非常に参考になると思いますので、御努力をいただきたくお願いいたします。

以上です。

○岩村会長 では、事務局、お願いします。

○村山労働条件政策課長 少なくとも職種別の人数は公表資料で既に示されておりますが、労働時間制度の適用状況が出るか出ないかに関しては、持ち帰って検討させていただきたいと思っております。

以上です。

○岩村会長 裁判例などを見ていても、職種ではわかるのですが、労働時間の規制について言及しているというのは、記憶がそれほど定かではないように思います。

 ありがとうございます。

 それでは、申しわけありませんが、議論をもとに戻しまして、(1)の企画業務型裁量労働制についてはいかがでございましょうか。では、春木委員、どうぞ。

○春木委員 ありがとうございます。

資料3の3ページに企画業務型裁量労働制の「手続要件」の項が設けられておりますが、ここに使用者側の御意見は付されておりますが、労働者側の意見が記載されておりませんので、この機会に若干申し上げておきたいと思います。

 「手続要件」については使用者側委員から「事務手続が煩雑であるので使い勝手をよくしてほしい」という意見が寄せられており、資料4「裁量労働制等に関するアンケート調査」の12ページを見ると、手続要件に関する結果の中で、「現行制度でよい」とする回答が38.1%と最多なのですが、「有用でない手続があり、煩雑である」という回答も29.2%という状況になっています。こうしたデータを見る限り、我々としても、事務手続のあり方については何らかの改善を検討する余地があるのではないかと感じています。

具体的には、導入に係る決議届の作成・届出、さらには導入後の労働基準監督署への定期報告の作成・届出のあり方など、さまざまな形での簡素化を求める声が強いように感じますけれども、これら事務手続の簡素化についての議論を行うこと自体に我々としても反対するものではございません。

ただ、気になるのが、アンケート結果の13ページを見ると、各種届や報告等を本社一括で行うことができるようにならいかという要望もあれば、それら届出や報告等自体を廃止してしまうことまでできないかという要望もある中で、どのような形での簡素化を行うかによってその意味合いが全然異なってくるように思います。

したがって、簡素化に向けた議論はやぶさかではないものの、手続が設定されている趣旨や目的ということがあるわけですから、その目的・趣旨を踏まえながら一つ一つ丁寧に議論していくべきであると考えます。

この点は、先ほど新谷委員がおっしゃった三位一体論に関する意見とも通底するものだと思いますが、いずれにしましても、議論するものについては丁寧に一つ一つ議論していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○岩村会長 ありがとうございます。

 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 進行の件でちょっと御相談なのですけれども、池田委員が途中で御退席をされると聞いておりますので、3ページに限らず、池田委員から何かあれば、ご発言いただくということはいかがでしょうか。

○岩村会長 わかりました。ありがとうございます。

 それでは、池田委員、どうぞ。

○池田委員 申しわけありません。

フレックスタイムのことにつきまして、私の意見としては、現行の法定労働時間の総枠の計算では、時間外労働の扱いについて矛盾が出るということがございますので、この問題に関しては、月の所定就業日数に8時間を乗じた枠内とすることに決めるほうが実態に合うのでないかというのが1点です。

もう一つは、清算方法につきまして、清算期間が短いという意見が圧倒的に多いわけでありますので、3カ月から6カ月程度の期間のなかで、労使の話し合いによって決定できるというのがよいのではないか。具体的な意見として申し上げたいと思います。

総論として、今回の三位一体の規制改革ですけれども、規制強化にならないようなことを経営者側としては希望するわけであります。この内容では労働時間を短くして、休暇をふやして、世界トップレベルの労働時間制度を検討するとされております。その辺はぜひとも規制強化にならないような形の中で、世界トップレベルの労働時間制度が創設できるように、議論を進めていきたいと思っております。

以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 御退席前にということでしたので。

ほかに(1)の論点についてございますでしょうか。よろしいでしょうか。では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 資料3の1ページの企画業務型裁量労働制の対象業務に関しまして申し上げたいと思います。

現行の指針におきまして個別の営業活動の業務というのは対象から外されております。恐らく大半の営業業務というのは、通常の労働時間管理になじむものだと思っておりますが、そうではないケースもあろうかと思います。少し御紹介をしたいと思います。

ある会社の金融の部門で法人向けの金融商品を営業する方の例でございますが、リースの条件を設定することについて、相当程度本人の権限に委ねられていて、リース商品とは別の金融商品をセットで販売するということで、お客のニーズに合った商品の組み合わせも行って、かなり裁量性が高い、そういう営業となっているというふうに聞いております。提案型営業の場合でも、個別の営業という理由だけで対象から外れておりますので、労使で話し合いの対象となるよう、具体的には事業の運営にかかわるという要件については廃止の方向で検討いただければと思っております。

また、製造業の例でございますけれども、サービス技術という業務があるそうでございます。これは製品の補修とかアフターサービスを行う販売店を1人で100店舗ほど統括して、販売店の修理作業員を直接指導したり、あるいはお店に寄せられた苦情をもとに改善策を考えたり、さらにはアフターサービス向上を図るための計画をつくったりする業務です。

担当するエリアは、例えば関東一帯というふうにかなり広いということで、出張することも多く、ずっと机に座って企画立案、調査及び分析をするわけではありませんけれども、コンサルタントに近い業務で、企業としては裁量労働制の対象にしてもらいたいというニーズが高いのですが、現行法上は専門業務型にも企画業務型にも分類できないという業務だと聞いております。

さらに、全社レベルの製品の品質管理をする業務があるそうでありまして、品質管理を向上させる取り組みの計画を立てたり、あるいは製品の監査方法の改善をして、全工場に展開をするということとあわせて、顧客からの苦情対応を支援する業務にもついているということでございます。苦情が発生しないように防止策を考える業務と、発生した苦情に対応するという業務を一体的に行っているそうであります。

通常、企画立案、調査及び分析という中の調査という場合には、とかく市場調査ですとか文献調査というのをイメージしやすいわけでありますけれども、実際にはそればかりでなく、実際に現場を十分知った上で計画を立てるということが重要で、その一部に実作業をするということもあると聞いております。

これは企画立案、調査、分析の業務とは全く無関係の業務につく、いわゆる混在業務の問題というよりは、企画立案、調査及び分析の捉え方の問題だと考えておりますが、いずれにいたしましても、現場の実作業も含めて裁量的にPDCAを1人で回すような業務につきましては、幅広く裁量労働制の対象とする必要があると考える次第です。

以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、鈴木委員から具体的な事例をもとに、営業の業務についても適用を拡大するべきではないかという御意見がありました。資料3の9ページに現行の要件が記載されており、ハの項とニの項に業務に関する裁量の中身が書かれているのですが、今、鈴木委員がおっしゃった事例、裁量性の高い業務というのは、まさしくハの項「当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務であること」にあるように、業務遂行のプロセスにおいても労働者が裁量を持って行う、要するに、プロセスの裁量のことを言っているのだと思います。

ところが、営業という職務は、企画の立案、調査、分析といった職務と違って、ニの項「当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務であること」、この時間配分の決定について、労働者の裁量度がどうなっているかということを考えないといけないと思うのです。今の事例などでも、お客様からのクレームなり問い合わせがあれば、それに対してはすぐに対応しなければいけないというのは営業の鉄則なわけです。

そうすると、労働時間の配分の決定は、当該労働者に対しては裁量度が低いと思うのです。そうであれば、業務の遂行上のプロセスの裁量と労働時間の配分の裁量の問題は切り分けて考えないと、ここの論点を間違ってしまうのではないか。要するに、ボリュームのコントロールをする裁量がなければ、まさしく私どもが問題としているような過重労働になりかねませんので、そこのところは慎重に分析的に論議をするべきではないかと思います。

以上です。

○岩村会長 では、平岡委員、どうぞ。

○平岡委員 ただいまの鈴木委員と新谷委員の議論の関連なのですが、実際の働き方というのは、恐らく0、1ではなくて、例えば営業をやっている者も、お客様との直接の営業をやれば、営業の企画とかそういった分析業務ももちろんやります。

恐らくこの裁量性というものは、個人の働き方全体を見て捉えるべきである。実際には財務諸表を作成して経営を分析し、経営の改善を企画していくわけなので、例えば「対象業務に常態として従事している」ということで、そういった時間に拘束されたり、あるいは直作業が入ったりするところを含んでいるとだめだと言われると、これは働き方の実態に合わない。それが我々の考え方です。

以上です。

○岩村会長 できれば突っ込んだ個別の議論は今日でなく、改めてこの問題を取り上げるときに議論するということでお願いをしたいと思います。

そういう意味では、先ほども申し上げましたように、今日述べられている御意見の中で入っていないもの、あるいは必ずしも意が尽くされていないものに絞っていただいて御発言等をお願いできればと思うところですが。新谷委員、いかがでございましょうか。

○新谷委員 そういう仕切りであればそのようにしますが、ただ、私としては、先ほど鈴木委員のおっしゃった法人営業の話を受けて、この事例では、まさしくボリュームのコントロールができないではないかということで、思うところを申し上げたわけです。

また、平岡委員がおっしゃった業務というのは純粋な営業でなくて、営業企画の話をされているのだと思います。この場合は、ロの項にある「企画、立案、調査及び分析の業務であること」に該当するかどうかという問題であると思いますし、鈴木委員からご発言のありました法人営業の問題については、私はそこの部分については反対であるということを申し上げておきたいと思います。

以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 それでは、秋田委員、お願いします。

○秋田委員 すみません、私も今の関連で申し上げて申しわけないのですが、今、いろんな御意見が出ていましたけれども、業務量のコントロール、時間配分のコントロールを労働者自身がやるということと業務が外的要因によって発生するということは全く別な話でございまして、お客様の動向をこちら側がコントロールするということは全くできません。

例えば経営企画をやっている者が、諸外国も含めて経済変動要因が起きたことに対して、急遽仕事量が増大するというのも、こういう時代は当たり前のように起こり得る話なのですが、そういった自分の企業内の裁量権の問題と当然ながら起こり得る外的要因のところは区別して考えないと、全ての物事が裁量の範囲外になってしまいますので、私のほうとしては、ぜひそういうことを念頭に置いていただきたいと思います。

以上です。

○岩村会長 今の議論も裁量というのはどういう意味なのかということにかかわる基本的な論点だと思います。これを議論し始めますと、多分終わらないと思いますので、すみませんが、一言だけでお願いいたします。

○工藤委員 ありがとうございます。

同じような観点なのですが、どのような仕事であっても、どのような事象が発生しようとも、必ず納期があって、しかもその納期までに何をやらなくてはいけないかというのが必ずあるはずだと思います。

 さらに、それをやるためにはどれくらいの時間がかかるのか。それはある程度把握しながら動くのが仕事だと思いますし、我々労働側もそれを受けて様々な業務をやっていくわけであって、いつまでに何をどれぐらいの時間帯でというのは常に見ていかなくてはならないものではないかと考えております。

以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 (1)についてはよろしいでしょうか。

それでは、恐縮ですけれども、4ページの(2)です。ここは先ほど既に大分御議論いただいたところでありますが、それに加えて何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、「(5)フレックスタイム制」でございます。先ほど御退席されました池田委員から御意見がございましたけれども、ほかにいかがでございましょう。では、冨田委員、どうぞ。

○冨田委員 ありがとうございます。

 資料3の5ページ目にある「フレックスタイム制」の「清算期間」のところについては、使用者側の御意見が記載されておりますが、労働側からの意見の記載がないということで、この機会に申し上げさせていただきたいと思います。

 先ほど池田委員のほうから、アンケートの結果等を踏まえながら、清算期間については長くすべきではないかという御意見がありましたが、私ども労働側としましては、清算期間の延長については認めるべきではないと考えております。

なぜかと申しますと、清算期間を延長してしまいますと、ある程度長期の清算期間の中で、労働時間が均されていってしまうと、例えば、大変繁忙月のときに時間外労働の割増賃金を発生させることなく時間外労働をさせるといったことも可能となり、労働者に対する不利益が及ぶような事態の発生も懸念されることから、延長については認めるべきではないと考えております。

あわせて、先ほど池田委員のほうから、使用者側としては「1カ月以上3カ月未満」というような具体的な数字のお示しもありましたが、たしか前回この論議をされていたとき、また、本日の資料4「裁量労働制当に関するアンケート調査」の24頁にもあるように、清算期間が短いことを制度の不満と考えておられる一方で、その具体的にはどの程度の期間とすべきについては不明と回答された方の割合が9割以上であるといった結果も出ております。ここについては、そうしたところにも留意しつつ、今後議論していければとっております。

以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございます。

 フレックスタイム制について、そのほかにいかがでしょう。では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 手短に改めて使側のスタンスについて申し上げたいと思っております。

フレックスタイム制というのは、始終業を労働者の判断に委ねるものでありまして、労働者のイニシアティブで1日の労働時間にメリハリをつけるという制度であります。

片や、変形労働時間制というのがございます。それは需要の変動とか外部要因によって使用者側のイニシアティブで所定労働時間にメリハリをつけて、1年間を通じて労働時間の短縮を図ろうという制度であります。変形労働時間制については、1年のタームの中でメリハリがつけられるということであります。

 そういう意味では、労働者側のイニシアティブによるフレックスタイム制につきましても清算期間をある程度長くするということで、ある月は1日平均8時間を超える時間外になる一方で、ある月は仕事が山を越えたので、1日平均8時間を下回る労働にするということも可能となるような、メリハリをつけた働き方を清算期間の延長によって支援する効果があるのではないかと思っております。

 そういった観点から今後議論を皆様と進めさせていただければと思っております。

○岩村会長 ありがとうございます。

 フレックスタイムにつきましてはよろしいでしょうか。

 それでは、「(4)その他・議論の進め方」ということで、今日の項目として具体的に挙がっているのは事業場外のみなし労働時間制ということでございますが、これについて御意見、御質問ございますでしょうか。

ここについてはよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、一応全体の議論の枠組みというのは、先ほどかなりやっていただいたところでございます。では、高松委員、どうぞ。

○高松委員 すみません、今日はデータには触れずに、という話だったのですが発言してもよろしいでしょうか。

○岩村会長 まだ時間がございますので、どうぞ。

○高松委員 資料4「裁量労働制当に関するアンケート調査」の16ページ以降に裁量労働制適用者に払われる手当に関する資料が載っています。特に17ページ、18ページには「みなし労働時間別」と「平均実労働時間別」という形でそれぞれデータが載せられていますが、残念なことにこれらのクロスの集計がなされていないために、両者の関係がどのようになっているのかということが、読み取れないと思っています。

みなし労働時間と実労働時間の乖離がどれ位あり、それに応じてどの程度の手当が支払われているのか、そういった実態を見ることが必要ではないかなと思っています。なお、そのこととの関連では、裁量労働制は実労働時間数にかかわらず労使協定で定める時間数だけ労働したものとみなす制度である以上、みなし労働時間と実労働時間にある程度の乖離が生じるのはやむを得ないことではありますが、「実労働時間数」に比して「みなし労働時間数」の設定があまりに短いなど、両者の乖離が大き過ぎた場合、それを埋め合わせるだけの報酬が保障されていなければ、制度として正当性を欠くのではないかといった問題意識も持っておりますので、できればクロス集計ができるのかどうなのかということを1点お聞きしたいと思います。

また、話は変わるが、本分科会では、よく物流の事例が出され、先ほど鈴木委員のほうからも物流の手待ち時間についてご発言がありましたたが、物流の現場では手待ち時間というものが労使の大きな課題になっていることは事実です。

それにはさまざまな要因があろうと思っていますが、大半の要因は、実は荷主側の都合による待たされ時間と申し上げても過言でないと思います。したがって、従事している労働者あるいは個々の企業でそこのところはコントロールしづらい要因であるということだけは御理解をいただきたいと思います。

以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 事務局のほう、いかがでしょうか。

○村山労働条件政策課長 ありがとうございます。

 まず、今、高松委員から御指摘のありました裁量労働制の適用者だけに支払われる手当の関係について、本日の資料に至った経過を申し上げます。

当初、私どもで出したものは16ページの資料だけでした。その際に16ページの資料だけを出すと、ややミスリードではないかという御提起がございました。これは私どもも確かにそうだなと思いました。と申しますのは、裁量労働制の導入事業場の中で手当のあるなしとか、あるいはどういう金額だといっても、そもそもみなし労働時間をどう設定するかによって、端的に言うと、典型的には8時間なり、その事業場の通常の労働者の所定労働時間と同じくしている場合と、今回裁量労働制を新たに適用するグループがいるとして、その方々が標準的にやっている時間でみなし労働時間を設定する、そもそも一律のオーバータイムの割増見合いを払うということを前提でみなし時間を設定する場合と、それぞれの対応があって、そのどちらかというのを区別せずに手当を払っているかというだけで全体を足してしまうと非常にミスリードではないかという、ごもっともな御指摘をいただきました。

みなし時間とのクロス集計がないとわからないということなので、支払われる手当の金額とみなし労働時間がどういう関係にあるのか、あるいは平均実労働時間がどうなっているのか、それぞれのクロスをとってみたということでございます。

その上で、すっきり明快な傾向が出ていないのはおっしゃるとおりで、その理由をさらに詰めるために、さらなるクロスということでみなし労働時間と平均実労働時間のクロスをとってみてはどうかという御指摘だと思います。

この調査票の設計自体は、必ずしもそういうことを想定してやっている調査ではないものですから、もしそれをやろうとすると、一枚一枚の原票にまで戻って全部作業するということになるのと、調査票の設計の考え方からいって、その作業がお問いかけに対する答えになるかどうか、少し自信がないというのが事実でございます。

一方で、みなし労働時間と実労働時間の関係は、本分科会においても制度改正のたびに議論になっているところでございます。これはきちんと全数で把握する必要があることから、かなり前の分科会になりますけれども、昨年の段階で労働時間等総合実態調査結果、1万1,575事業場の状況を御報告申し上げました。その状況は平均値ということで、17ページですと、みなしの平均は8時間19分、平均的な方の実労働時間の平均が9時間16分等の状況ということです。

 手当とどうしてもリンクしなければならないということであれば、JILPTの調査でクロス集計をやるしかないのですけれども、御関心がみなしと実労働時間の関係ということも含めてということであれば、そもそも約1万1,000事業場について、回収率100%でやっている調査のほうのクロスをやることも含めて、どんなやり方がいいのか、少し時間をいただいて考えさせていただきたいと思います。

以上でございます。

○岩村会長 高松委員、よろしいでしょうか。

○高松委員 はい。

○岩村会長 ほかにいかがでございましょうか。最後、全体を通してということで。工藤委員、どうぞ。

○工藤委員 ありがとうございます。

 今後の論点で1点追加していただきたい項目があります。専門業務型裁量労働制のあり方についてですが、今回、資料4の5ページのところで、「企画業務型裁量労働制の適用対象者」に限定した形で満足度のデータ提示をいただいております。これは107回の分科会で提示いただいたときのデータ、このときは専門業務型裁量労働制の方も企画業務型裁量労働制度の方も一緒になって分析されたものだったと思いますが、そのときのデータと見比べますと、「満足」「やや満足」を足すと、今回のデータで5.9%上昇しております。

一方で、不満な点のところなのですが、「「業務量が過大」というところは、今、40.2%ですが、6.5%下がっており、「労働時間が長い」が6%、「給与が低い」が9.8%と、それぞれ下がっております。

こうしたデータを裏から見ると、専門業務型裁量労働制の適用対象者は、制度に対する満足度が相対的に低い状況であり、不満が大きい傾向が読み取ることができ、中でもみなし労働時間の適正さにかかわるような項目に関して、強く不満に思っているということがデータの結果に現れていると思います。

このように、企画業務型に比べて専門業務型裁量労働制の適用対象者の満足度が相対的に低くなっている、背景には、企画業務型と異なって、本人同意が要件とされていないというところから、本人の制度適用に対する納得感に違いが出ているといったこともあろうかと思われます。

したがいまして、本日の論点表の中では企画業務型だけが取り上げられておりますが、専門業務型裁量労働制のあり方に関しましても、本人同意の要件化について、議論を行っていく必要があるのではないかと考えております。

○岩村会長 ありがとうございます。

 一応、(4)のその他のところで使側からの御意見ということで、専門業務型裁量労働制などについても議論すべきであるという御意見が出ていますが、労側のほうからも、今、その点について議論すべきだという御意見が出たと理解できるかと思います。

 ほかにいかがでございましょうか。では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今の(4)のところでちょっと気になる点がございます。事業場外のみなしのところの使用者側の意見が、「携帯で連絡を取れる者について適用を認めた裁判例もあり」と特記をされているのですが、本年1月24日に旅行代理店の添乗員の最高裁判決が出されました。この事案では、会社側が、添乗員に対し、携帯電話を所持して常時電源を入れておき、ツアー参加者との間で契約上の問題やクレームが生じ得る旅行日程の変更が必要となる場合には、本件会社に報告して指示を受けることを求め、さらに、ツアーの終了後においては、添乗日報によって、業務の遂行の状況等の詳細かつ正確な報告を求めている事案において、本件添乗業務については、労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえず、事業場外のみなしの適用ができない、要するに、具体的な業務指示ができるので、事業場外のみなしの要件に該当しないということで、残業代の支払いを命じられた最高裁の判決が出ているのです。

 使用者側として、裁判例があるからと書かれているのですが、もちろん先ほどの最高裁の判決も事例判断なので、それが判例になるかというと、それは違うとは思いますけれども、ただ、ここで裁判例のことを引用されているというのは、ちょっと違うのではないかなという感じがいたしております。この点について、事務局で何かコメントがあれば教えていただきたいと思います。

○岩村会長 その前に使側のお考えをお聞かせいただければと思います。

○鈴木委員 管理監督が及んでいるかどうかが、労働時間を算定し難いかどうか、ひいては、事業場外みなしの対象となるかどうかの最大のメルクマールでありまして、それは個別具体的な事情に照らして判断せざるを得ない。まさに新谷委員がおっしゃられた事例判断ということであります。その結果、ある事案では事業場外みなしの要件をクリアしていない場合もあるし、クリアしている場合もある。そういう趣旨で申し上げたということを御理解いただきたい。

そして、こうしたメルクマールは既に解釈例規には盛り込まれております。確かにポケットベルとか無線というのは、いかにも古めかしいというのはよくわかります。その中に例えば「携帯電話」という言葉を入れるということについて否定するつもりはないのですけれども、解釈例規の基本的なところは現代でも通用するものであり、大きな枠組みの変更は不要ではないかということを申し上げた次第です。

○岩村会長 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 これは、「裁判例」と書かれてあるので、裁判例は幾つもあるでしょうけれども、少なくとも事例判断とは言いながら最高裁が考え方を示して、まさしく今、出ているみなしの適用に当たって、事業場という支配領域の中から外に出ていったときに、具体的にIT機器を使って業務指示ができるので、直接指揮命令ができるものとして、事業場外であったとしても労働時間の算定が可能ではないかというロジックで判断されているわけです。

 使用者側の意見に掲載されている判決は、下級審の判決なのでしょうけれども、これを意見として出されるということは、議事録が公表されて出ていきますので、我々労働側としては、事例判断とは言いながら、最高裁の判決が出ているのだったら、そちらについても言及するべきと考えます。この点について、事務局としてどのように思われるのかということをお聞きしたいと思います。

以上です。

○岩村会長 では、事務局、お願いします。

○村山労働条件政策課長 2点申し上げたいと思います。

 1点は、先ほど鈴木委員からもございましたように、38条の2の解釈例規といたしましては、事業場外労働に関するみなし労働時間制の対象となるのは、1つには事業場外で業務に従事しているということ、もう一つは「かつ」の意味で、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難な業務であること、この2つが基本的な考え方でございます。

新谷委員御指摘のものも含めて、特に基本的な考え方自体について判例でも言われているわけではないということをまず押さえておいていただければということが1点でございます。

 その上で、使用者側委員がどういう形でおっしゃったのか、我々は中立的な立場でまとめているので、その表現自体がどうこうということではないし、新谷委員もそれ自体をどうこうおっしゃっているわけではないと理解いたしますが、その上で、御指摘のような事例判断、あるいはさまざまなものが出ているというのもまた事実だと思います。

そうしたことを前提に、解釈例規について、先ほど鈴木委員からございましたように、無線やポケットベル等という最も典型的な例示のあり方について、どうしていくのか、また御議論を深めていただければありがたいということでございます。

以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございます。

 ほぼ予定の時間でございますので、今日の御議論はこのあたりで終了させていただければと思います。

次回の分科会は、長時間労働抑制、過重労働対策につきまして御議論を頂戴できればと考えております。

そこで、事務局から次回の日程について説明をいただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

○古瀬調査官 次回の労働条件分科会につきましては、4月22日火曜日の10時から12時を予定しております。場所は追って御連絡をさせていただきます。

○岩村会長 それでは、次回よろしくお願いいたします。

 本日の議事録の署名でございますけれども、労働者代表につきましては冨田委員に、使用者代表につきましては鈴木委員にそれぞれお願いを申し上げます。

 それでは、今日の分科会はこれで終了とさせていただきます。お忙しい中、どうもありがとうございました。

 


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(労働条件分科会)> 第111回労働政策審議会労働条件分科会 議事録(2014年4月3日)

ページの先頭へ戻る