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2014年3月13日 第12回足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会 議事録

労働基準局安全衛生部安全課建設安全対策室

○日時

平成26年3月13日(木)10:00~12:30


○場所

中央合同庁舎第5号館共用第8会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

参集者(敬称略)

小林謙二(座長) 大幢勝利
鈴木芳美 小野辰雄
原田保 金森勝三
鈴木敏彦 小島政章
才賀清二郎 宗像祐司
児玉猛 高橋元
加藤正勝 宮本一

オブザーバー

屋敷次郎 (国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課長)

事務局

半田有通 (安全衛生部長) 奈良篤 (安全課長)
野澤英児 (建設安全対策室長) 釜石英雄 (主任技術審査官)
川越俊治 (技術審査官) 磯崎勇太 (指導係長)

○議題

(1)足場からの墜落防止措置に関するアンケート調査結果について
(2)足場からの墜落防止装置の効果検証・評価検討会報告書骨子について

○議事

○事務局 それでは、委員の皆様おそろいになりましたので、ただいまから「第12回足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会」を開催いたします。

 本日は、年度末のお忙しい中、本検討会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。事務局を務めます厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課建設安全対策室の磯崎と申します。よろしくお願いいたします。

 まず、資料の確認をさせていただきます。

 議事次第の【配付資料】にありますとおり、本日の資料は2部ございます。

 資料1として「足場からの墜落防止措置に関するアンケート調査結果(速報)」。

 資料2として「足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会報告書骨子案」となっております。不足がありましたら、お知らせください。

 本日の検討会ですが、大阪大学の臼井委員、東京工芸大学の田村委員、国土交通省の田村委員から欠席の連絡をいただいております。

 本日の検討会は、足場からの墜落防止措置に関するアンケート調査結果、足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会報告書骨子について議論する予定です。委員の皆様の御協力をよろしくお願いいたします。

 次に、傍聴される方への注意事項を説明いたします。

 事務局の指定した場所以外に立ち入ることはできません。

 携帯電話等、音の出る機器については、電源を切るかマナーモードに設定してください。

 写真撮影やビデオカメラ等の使用は事務局の指示に従ってください。カメラ撮りは会議の冒頭までといたします。

 会議の妨げとならないよう静かにしてください。

 その他、座長と事務局の指示に従っていただくようお願いいたします。

 また、報道関係者の皆様におかれましては、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御了承ください。

 それでは、以降の進行を小林座長にお願いいたします。

○小林座長 小林です。どうぞよろしくお願いいたします。

 ただいま事務局のほうから説明がありましたように本日の議題は2つございまして、足場からの墜落防止措置に関するアンケート、1月の末からアンケートを実施していただいて、全部ではないようですけれども、速報としてのまとめをしていただいたということに関して検討していただくということ。この委員会の目的であります足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会、この委員会の報告、それの案について御検討いただくということになっております。皆さんの御協力をよろしくお願いいたします。

 早速ですが、議事次第の議題の(1)にありますけれども、「足場からの墜落防止措置に関するアンケート調査結果について」ということです。

 この前見ていただいたように記述部分が多いということでございますので、それに関してはまだ十分なアンケートの取りまとめができていないということで、時間的な余裕をもう少しいただくということで速報ということでございますので、大幢委員にこの部分を説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。

○大幢委員 それでは、資料1について説明したいと思います。

 先ほど小林座長がおっしゃったように、時間的な制約もありまして、資料1の別添にあるアンケート調査票の中で、選択になっているところに関しまして分類は既に終了しているのですが、どうしてそう思ったかという自由記述の理由欄についての分析は終わっておりませんので、今回は速報値としてまとめたものを御紹介したいと思います。

 まず、資料1に関しましてアンケートの調査の方法ですが、対象者としては平成10年度から25年度までの安全優良職長厚生労働大臣顕彰受賞者であって、現在も就労している方としました(1,060人)。実は調査票を送っても現在働いていない、もう既にやめてしまったという方もございまして、送った調査票が戻ってきてしまった方もいます。ですから、そうではない方、1,060人に対してのアンケート結果になります。

 アンケート対象者というのは、職長としての実務経験が10年以上であり、職長として担当した現場において5年以上、休業4日以上の労働災害が発生しておらず、自身も職務に必要な各種資格を取得し、各種の安全衛生教育を十分に受講し、更に、安全管理に関する部下の指導教育等に積極的に活動している方であります。

 時期としては、1月31日~2月14日までとしました。

 調査の方法としましては、厚生労働省労働基準局安全衛生部が調査票を調査対象者へ直接郵送しまして、調査対象者が記入した後に独立行政法人労働安全衛生総合研究所建設安全研究グループの私宛てに同封した返信用封筒で送っていただき、それを分析したというものであります。

 調査の内容については別添1のとおりです。前回検討会の資料と同じものです。有効回答率ですが、調査対象者1,060人のうち556人の回答があり、回答率は52.5%となっております。

 調査の結果は別添2のとおりです。配布資料の別添1にアンケート調査票があって、その最後に「足場に関する安全対策」と、「手すり先行工法の種類」の2枚の参考資料があります。この次のところから別添2というのがありますので、この別添2に従って調査結果を説明したいと思います。

 まず、回答者に関する情報です。

 年齢ですが、見ていただきますように、大半が40歳以上で、5059歳というのが最も多い。これはアンケート対象者がそういう方を中心に行っているということでこうなっております。

 職種としましては、その他というのが非常に多くなって、半数以上がその他となっております。経験年数は6割以上の方が30年以上となっております。

 請負形態につきましては、元請と下請が大体半々ぐらいです。

 主に使用する足場の種類に関しましては、わく組足場が非常に多いです。その次がくさびと単管本足場。使用しないという方もいらっしゃいます。

 主に使用している足場の高さなのですが、2m未満、2~5m、5~10m、10m以上と分けていますが、2m以上の3つの分類は、大体ほぼ同じぐらいの割合です。2m以上が90%以上です。

 次の「II-3 手すり先行工法による足場での作業の経験」というのが「よくある」「時々ある」という方で7割ぐらいとなっております。

 足場からの墜落の経験に関しましては、本人に経験があるというのが13人、同僚があるという方が72人で、経験なしが294人の約75%となっております。

 本人の足場からの墜落の経験の有無としましては、墜落した高さが2m未満と2~5m未満の合計が10名で、墜落した経験がある方の中で7割以上を占めています。

 同僚の足場からの墜落の経験の内容ですが、2~5mというのが60%以上を占めております。逆に10m以上の高いところは10%以下、7人です。10m以上の場合は少なくなっております。

 次に、通常作業時における足場からの墜落防止措置に関する事項としまして、まず、わく組足場を作業床として使う場合について質問しました。上さんの設置につきましては、主に使用している足場の種類がわく組足場の場合「必要」が34.1%、「必ずしも必要ではないが、望ましい」という人が38.7%、「不要」が24.4%。わく組足場以外が同じように必要が46.7、必ずしも必要ではないが望ましいが44.4、不要が4.4%です。また、高さごとに分類しましたが、それぞれ大体同じような割合になっております。10m以上の場合は必要という方が少ない結果となりました。

 手すり先行工法による足場での作業経験あり、なしで分類しますと、これも同じように大体35%ぐらいが「必要」、4割近くが「必ずしも必要ではないが、望ましい」と回答し、「不要」という方も2割程度いらっしゃいました。

 足場からの墜落経験では、本人がありの場合は、「必ずしも必要ではないが、望ましい」が多いです。同僚がある場合にも同じように「必ずしも必要ではないが、望ましい」という人の割合が多く、「不要」という方も多いです。経験なしの方は、「必要」と「必ずしも必要ではないが、望ましい」が約38%ずつとなっております。

 「III-1-2 足場板等により建地と作業床のすき間を狭くする」に関しましては、わく組足場を使用している方は80%以上の方が「必要」と回答しておりまして、わく組足場以外の方も6割の方が必要と回答しております。詳細は省略しますが、使用する足場の高さの分類あるいは手すり先行工法での経験ありなし、足場からの墜落経験ありなしにかかわらず「必要」という方が非常に多いです。

 「III-1-3 幅木等により下さんのすき間を狭くする」ということに関しましては、主に使用している足場の種類がわく組足場の場合とわく組足場以外ともに、約半数が「必要」。「必ずしも必要ではないが、望ましい」という方がわく組足場は33%、わく組足場以外が40%。わく組足場の場合は「不要」という方も13%ぐらいいるという結果になっております。

 使用する足場の高さごとの分類に関しましては、5m未満の方は66%が必要と回答しているのですが、それ以上の高さの方はその割合が減っています。逆に5m以上の場合は、「必ずしも必要ではないが、望ましい」という人の割合が多いです。

 手すり先行工法での作業の経験ありなしに関しましては、ありの方は幅木が必要という方が多いです。

 本人からの足場の墜落経験に関して、本人がありという方に関しては13人と少ないのですが、必要という方が60%と多くなっております。

 続きまして「III-2 くさび緊結式足場を作業床として使う場合」ですが、足場板等により建地と作業床のすき間を狭くするということについて、くさび緊結足場を主に使用する方は100人、82%と大部分の方が必要と回答しています。くさび緊結式足場以外の場合でも78%が必要と回答しています。全体としても大体8割近くが必要と回答しています。幅木等による中さんの下のすき間を狭くすることに関しては、くさび緊結式足場を主に使用する人は「必要」が48.4%、くさび緊結式足場以外の方は「必要」が55.5%、一方、「必ずしも必要ではないが、望ましい」という方の割合も多く、くさび緊結式足場を主に使用する方は35.2%、それ以外の方は26.8%がそう答えております。「不要」の方もそれなりにあり、十数パーセントの方が「不要」と答えております。

 次に、III-3 一時的に手すりや交さ筋かいを取り外した場合の躯体側の墜落防止措置についてです。これは複数回答可ですが、圧倒的に91.9%が安全帯を使用しましょうと回答しています。次に多いのが、4番の作業後の手すり等の復旧で、これは50%となっております。

 墜落により危険を及ぼすおそれがない躯体と足場板とすき間の基準を示す必要性について、約半数の47.4%の方が必要である。32%の方が必ずしも必要ではないが望ましいと回答し、16%が不要と回答しています。

 次の足場を使用する作業の特別教育の必要性に関しては、36%、142人が必要であると回答しています。

 必ずしも必要ではないが望ましいという方のほうが多く40.9%、161人となっております。不要と答えた方も20%とそれなりの割合を占めております。

 「III-5 元請として工事を請け負う場合」ですが、まず、わく組足場を作業床として使う場合におきまして、上さんの設置については必要であるという方が36.5%、必ずしも必要ではないが望ましいという方が32.7%、不要であるという方も23.9%という割合になっております。

 「III-5-1-2 足場板等により建地と作業床のすき間を狭くする」ということに関しましては、「必要」という方が69%、272人と最も多くなっております。続きまして「必ずしも必要ではないが、望ましいが」21.8%、86人と回答しています。「III-5-1-3 幅木等により下さんのすき間を狭くするに関しましては「必要」という方が195人の49.5%ですが、一方で「必ずしも必要ではないが、望ましい」という方も120人の30.5%、「不要」も14%ということになっております。

 「III-5-2 くさび緊結足場を作業床として使う場合」「III-5-2-1 足場板等により建地と作業床のすき間を狭くする」という質問に関しましては、これは64.5%、254人の方が「必要」であると回答し、「必ずしも必要ではないが、望ましい」という方は22.6%となっております。

 「III-5-2-2 幅木等により中さんの下のすき間を狭くする」に関しましては、176人、44.7%が「必要」であると回答しておりますが、一方で「必ずしも必要ではないが、望ましい」という方も32.7%、129人、「不要」な方も12.7%ございました。

 「VI 足場の組立て作業時の墜落防止措置に関する事項」でありますが、「IV-1わく組足場及びくさび緊結式足場の組み立て作業の経験」につきまして「よくある」という方が96人で24.4%、「時々ある」が21.6%ですが、「ない」と答えた方も38.6%です。少しでも経験があるものとして、マル1~マル3を選択した方は57%いらっしゃることになります。

 「IV-2-1 手すり先送り方式・わく組足場の組立て作業の経験」については、「時々ある」という方が最も多く36.4%。次がほとんどないが56人で24.9%、手すり据え置き方式に関しましては、同じように「時々ある」が最も多く、次がほとんどないです。

 手すり先行専用足場方式につきましては「ほとんどない」という方が最も多く31.1%、で70人、次が「時々ある」で28.4%となっております。

 「IV-2-4」は、くさび緊結式足場の手すり先送り方式の経験です。これに関しましては「ない」という方が最も多く34.7%。続きまして「ほとんどない」という方が34.2%と多くなっております。

 「IV-2-5 手すり据置き方式・くさび緊結式足場の組立て作業の経験」ですが、これも同じような傾向で、「ほとんどない」が最も多くて、次は「ない」という回答が多いです。

 「IV-3 わく組足場及びくさび緊結式足場の最上層で組立て作業を行う場合の墜落防止措置」についての質問です。

IV-3-1は、足場の両側に一層下から先行して手すりを設置する方式です。手すり先行工法による足場の組立ての経験があるという方もないという方も約50%の方が適当であると回答しています。一方で、適当であるが問題もあるというような指摘をされている方は組立ての経験がある方のほうが多く35%、ない方は26%です。不適当という意見についても、組立ての経験がある方は約10%の方が不適当と回答しております。

 「IV-3-2 足場の外側に一層下から先行して手すりを設置し、安全帯をかける」方法ですが、手すり先行工法による足場の組立て経験がある方の56%、ない方も50%が適当であると回答しております。適当であるが問題もあるという方も多く、経験ある方は34%、ない方が26%となっており、経験ある方のほうが問題もあるという指摘が多くなっております。

 請負形態としては、元請下請にかかわらず同じような傾向になっているのですが、「適当」な方が約50%、「適当であるが、問題もある」という方も30%以上いるという結果になっております。

 「IV-3-3 一層下から先行して親綱を設置し、安全帯をかける」方法ですが、手すり先行工法により組立て経験のある方では、「適当であるが、問題もある」という方が最も多く39%で、経験ない方は逆に47%の方が「適当」であるというような回答をしております。ここはありなしで結果が反転しております。

 「IV-3-4 くざひ緊結式足場で、一層下から先行して建地を設置し、部材を打ち込むポケットに安全帯をかける」ということに関しましては、手すり先行工法の経験がある方は不適当という方が最も多く、その次は問題もある、適当であるというような順番になっております。経験なしの方に関しては「無回答」という回答が最も多く15人、39.5%、続きまして「適当」と「不適当」が21%と同じ割合になっております。

 「IV-4 わく組み足場及びくさび緊結式足場の組立て作業で、作業床があれば一時的に安全帯を使用しないことがあるか」という質問に関しましては、最も多い回答はマル3ほとんどない」で33.8%、76人、「時々ある」という方が31.6%、71人、「ない」という方も多くて23.6%、53人という結果です。

 「IV-5 足場の組立て、解体又は変更の作業の特別教育の必要性」に関しましては、「必要」であるという方が最も多く40.4%で、一方で、「必ずしも必要でないが、望ましい」という方は38.7%という割合となっております。「不要」は15.1%です。

 「IV-6 足場の組立て作業主任者の定期的な能力向上教育の必要性」に関しましては、「必ずしも必要ではないが、望ましい」という方が半数以上の128人で56.9%、次が「必要」であるの70人で31.1%となっております。

 「IV-7-1 足場の組立て・変更を依頼した元方事業者等の注文者による点検の必要性」については、48.9%の110人が「必要」であると回答し、「必ずしも必要ではないが、望ましい」という方が37.3%の84人となっております。

 「IV-7-2 足場の組立て・変更を行った者以外の十分な知識・経験を有する第三者による点検の必要性」に関しましては、44%が「必ずしも必要ではないが、望ましい」、32.9%の方が「必要」であると回答しております。

 最後になりますが「IV-8 元請けとして工事を請け負う場合、わく組み足場及びくさび緊結式足場の最上層で組立て作業を行う場合の墜落防止措置」に関しまして、足場の外側に一層下から先行して手すりを設置し安全帯をかける措置については、主に元請けの方は66%が適当である、下請けの方も55%の55人が適当であると回答しています。元請け、下請けのどちらでもないという方も約65%方が適当であると回答しております。「適当であるが、問題もある」という方も多く、請負形態によらず、それぞれ大体30%前後ぐらいが「適当であるが問題もある」というような回答をしております。以上です。

○小林座長 どうもありがとうございました。

 まずは今の御説明に対して御質問がありましたらお伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○小島委員 小島でございます。

 まだ速報ということなので、これからもう少し詳細な分析もあるという理解ですが、今後、分析の中でお願いしたいということも含めまして2~3つお聞きしたいことがあります。

 まず1つは、別添2の1ページに経験年数が10年未満。これは私の推定ですが、現在の職種はこの職種に当たるのだけれども、他の職種に移っているので、全体の経験としてはもっとあるけれども、今の職種の経験が10年未満という理解でいいのですね。回答の仕方として、そもそも実務経験が10年以上と、職長等として実務経験が10年以上となっている該当者に対して経験年数というのは、ただいまの経験年数が10年ですという解釈で多分いいのだと思うので、ここはこれ以上アンケートを追跡できないかもしれませんが、ここはもう一度確認がとれたらなというのがあります。

 次に、主に使用する足場の種類のところの流れから、一番気になりますのは、2ページ目、3ページ目にわたって、通常作業時におけるという項目で3-1-1の上さんの設置とか、3-1-2とか、3-1-3のところに、主に使用している足場の高さ、5m未満、5m以上、10m未満、10m以上とこういう項目がありまして、それぞれが上さんの設置、3-1-2の建地と作業床のすき間を少なくする、幅木等による下さんのすき間は狭くするというところは、全部数字的に一緒なので、言っている意味はわかりますか。

101があって293があって、204があって190という数字が全部一緒になっているのですけれども、これは1つ選んだとすると3-1-1、3-1-2、3-1-3は同じことで並べるということでいいのですね。整理の仕方としてそういう振り分けになっているのですね。だから、同じ数字になるのですね。例えばで出しました。それはまた今日の答えでなくても結構です。

 一番聞きたかったのは、主に使用する足場の高さというのが足すと788ですが、1ページめくっていただくと、主に使用する足場の高さ394という数字があるのです。このあたりは多分マトリックスとかいろいろ整理ができると思うのですが、なぜこの数字が違うのかがよくわからないというのがあります。掛ける2なのかとか思っていたのだけれども、そのあたりは勝手に推測できないのでアンケートの中身でもう少し掘り下げていただけたらと思います。

 最後に5ページ「IV 足場の組立て作業時の墜落防止措置に関する事項」で、わく組足場及びくさび緊結足場の組立て作業の経験とあります。これも複数回答だと思うのですが「よくある」「時々ある」が合わせて181あります。これはこれでいいのですけれども、職種を見ますととび工さんとはっきり出されているのが73なのです。つまり、我々のイメージでは、足場組立て解体するのはとび工さんの仕事だよと思っていたけれども、181の経験があるということは、他の職種の人も実はやっていますという話なのか、昔とびをやっていたのでそういう経験があるという話なのかというのも気になるので、「よくある」、「時々ある」というのをチョイスされた方の職種はどういうものかということを調べていただけたらと思います。

 我々のイメージは、足場組立て作業はとび工さんがやるのだと思っているけれども、そうではない人がいっぱいやるということであれば、今まで言ってきた議論も含めて少し考え直さなければいけない話なので、ここはきちっとフォローしていただきたい。

 以上です。長々と申しわけありません。

○小林座長 大幢委員、どうぞ。

○大幢委員 クロス集計的なことはまだ終わっておりませんので、今のところただ単に結果を番号順に並べたというだけでありまして、整合性が取れていないところもあるかもしれませんので、もう少し必要があればクロス集計するという形にしたいと思います。

○小林座長 どうぞ。

○川越技術審査官 質問書から読み取れる話で、1点目の経験年数10年未満の話につきましては、質問票で今の業務に就いてからということを前置きしておりますので、職長としての経験は当然10年以上ですけれども、何らかの理由で職種が変わった後の作業経験を答えていただいていることになると思われます。

 もう一つ、これも質問票からある程度読み取れる部分ですが、主に使用している足場につきましては複数回答で求めておりまして、また、主に使用している足場の高さ、これも複数回答しているので、恐らく複数回答を分析した結果として、総計のところに書いてあるのは答えた人の人数が394になっていますし、主に使用している足場の高さは複数回答なので足し上げても394ではなく、当然それを上回る数になるのだろうと思います。

 クロス集計で5m未満、5m以上、10m未満、10m以上と分析したところにつきましては、大幢委員とまとめるときに話をしていたのは、5m未満とするのは、主に使用している足場として、5m以上とか10m以上を答えた人以外が5m未満になるように集計をお願いしていました。そういう意味で、主に使用している足場の高さのところの総計欄の5m未満と5m以上のところを足し上げるのと全体の数である394に、答えた人の数と一致する。5m未満の数だと101になりますけれども、これは主に使用している足場を5m以上とか10m以上と答えていない人が101ということだと認識しております。

それ以外のクロスの集計に関する御意見については、分析できるかどうか、引き続き検討をお願いしたいと思います。

○小林座長 よろしくお願いします。その他に御質問をどうぞ。

○児玉委員 項目のIV-3-4でポケットに安全帯をかけるという質問、使う立場から言うと、そんなことはやり方がおかしいという思いがあるのです。

 質問の項目に回答が不適当とか無回答だとか、他の回答に比べると非常に右側に偏った回答だと思うのですが、ここのところの質問の中に理由を求めているものがあるのですけれども、ここに何か特徴的な理由、例えばそんな使い方をするとフックが壊れて危ないとか、そういうような何か特徴的なものが書かれていたかどうかお聞きしたい。

○大幢委員 この部分についての理由は、まだ分析していないという状況です。おって詳しく調べられるのですが、例えば安全帯を外す時間がかかるので落下のおそれが増えるとか、安全帯をかけることがよいと思うとか、フックが深くかからないときがあるとか、安全帯のかけ方が間違っているというような理由です。

○児玉委員 大体そういう意見が入っていれば。

○大幢委員 そういう意見もあるということですね。

○児玉委員 多分そういう意見があって不適当だとか無回答のところが非常に多くなっているのではないかなと思うのです。

○大幢委員 あとは親綱を使いましょうというような意見が多いですね。

○児玉委員 はい。当然そうなると思うのです。

○大幢委員 あるいは最上段の作業床へ昇降する際は有効だと思うというような意見もあります。いろいろ意見がありますね。大体移動のときに問題があるような意見が多いような感じがしております。

○小林座長 同意できないということですね。

○大幢委員 はい。ざっとで申しわけないです。

○小林座長 その他に御質問などいかがでしょうか。これに対する御質問、この結果だけではなくて、先ほど来ありますけれども、どのような分析、これからさらに進めていただきたいというような御希望などもありましたら、今お伝えできればと思いますので、いかがでしょうか。

 これから次の議題であります報告書案に何らかの情報として皆さん欲しいというような項目がありましたらお聞きしておきたいと思います。よろしいでしょうか。

 理由などに関して、かなりいっぱい、いろんな必ずしも理由としてこちらで聞きたい言葉ばかりではない、そういうものが書いている可能性もあると思うのですけれども、大変な作業になると思いますけれども、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、第2の議題。後でまた第2の議題をいろいろお話ししていただく際に出てきましたら、また大幢委員のほうにお願いするというようなことも残しまして、第2の議題です。

 足場からの墜落防止措置の効果検証。この委員会の報告書の骨子について案が今できておりますので、それについて、まずは御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○川越技術審査官 それでは、事務局の川越から、資料2で用意しております骨子案について御説明いたします。

 これまでの検討会の議論の中で、おおむね皆様が方向性として一致している部分をもとにつくらせていただきました。今日、これからいろいろ議論いただくことになりますので、これをさらにこうすべきとかいったことは皆様から意見をいただいて対策として取りまとめていただきたいと考えております。

 また、骨子案ですけれども、今回、墜落防止対策のあり方というところを中心に書いてあります。最終的な報告書では、もちろん背景とか分析結果とか幾つかの資料なども踏まえて対策に結びつけていくというような報告書になろうかと思いますが、いろいろ議論がある対策のあり方について骨子を提案、用意しておりますので、説明いたします。

 まず、大きく資料2を見ていただくとわかるように、I、IIIIIIVとあります。

 足場の組立て、解体または変更の作業時の対策を1つ目。

 2つ目として、足場における通常の作業時の対策。

 3つ目として、足場からの墜落防止対策全般。

 4つ目として、関係府省と連携した墜落防止対策という4つにまとめております。

 まずIでございます。足場の組立て、解体または変更の作業において、墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、安全帯を安全に取りつけるための設備が設けられた状態でなければ作業を行ってはならないこととすべきであるとしております。

 ここですべきであるという書き方をしているものについては、規制の強化を念頭に置いた書きぶりとしております。それ以外、すべきであるという以外の語尾になっているものについては、引き続き通達で内容を示すとか、取り組みを促していく、そういったものということで書き分けております。

 「すべきである」の次で「なお」で書かれている部分ですが、ここの安全帯を安全に取りつけるための設備とは、手すり先行工法等に関するガイドライン、平成21年4月24日付、基発第0424001号に基づく手すり先行工法の手すりもしくは手すりわくまたは親綱とするということでございます。親綱もただ設置しただけでは有効でありませんので、ガイドラインに基づく適切な設置方法で取りつけられたもの。これが安全帯を安全に取りつけるための設備と考えております。

 先ほどの「すべきである」の文章の中で、墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときはということを限定している理由は、なかなか作業としては難しいと認識しておりますが、足場の最上層で、外側、内側、両方に手すりを先行して設置し、妻側にも先行して設置する。箱型のような形で全く落ちない状態になっているような場合、そういったことがあり得るということで、墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは安全帯を使うことになりますので、このような記述としています。

 2つ目の項目です。労働者を足場の組み立て等の作業に係る業務につかせるときは、特別教育を行うべきである。なお、本特別教育のカリキュラム等については、足場の組立て等に係る専門工事業者、安全衛生教育機関などの専門家による検討が必要である。

 3つ目です。足場の組立て等作業主任者について、従事する業務に関する能力の向上を図るため、労働安全衛生法第19条の2に基づく足場の組立て等作業主任者、能力向上教育をさらに促進することが適当である。

 4項目目、足場を請負人の労働者に使用させる元方事業者等の注文者は、足場の組立て、一部解体または変更の後、足場における作業を開始する前に点検を行い、その結果を保存するべきである。

 なお、本点検は、労働安全衛生コンサルタント、試験区分が土木または建築であるものなど、労働安全衛生法第88条に基づく足場の設置等の届出に係る「計画作成参画者」に必要な資格を有するものなど、十分な知識経験を有する者によりチェックリストを作成し、これに基づき点検を行うことを推進することが適当である。

 ここは議論の中で第三者点検というような話があった中で、組立て以外、作業を行った者以外ということで、注文者というのは第三者のうち一番確実な第三者かと思いますけれども、そういった方々に点検義務をかけるというようなことでございます。

 裏にいきまして、足場の通常の作業時の対策として1項目目、足場の床材と建地とのすき間については、一般的な関係部材の寸法を踏まえて、一定の基準を設けるべきである。

 2項目目、作業の必要上臨時に交さ筋かい、手すり等を取り外すときは、労働者に安全帯等を使用させる。取り外す箇所において作業を行う労働者以外の者の立ち入りを禁止するなど、墜落防止措置を講じるとともに、当該作業の終了後、直ちに元の状態に戻すべきである。

 大きな3項目目の1項目です。

 足場で作業を行う労働者に対して、労働者向けの墜落防止のポイントを解決したリーフレットなどにより、墜落防止に係る安全衛生意識の高揚を図ることが適当である。

 2項目目、より安全で使いやすい足場の開発を促進するため、足場の安全性が担保できる範囲で、法令に定める足場の要件を緩和すべきである。

 特に、近年、普及が進んでいるくさび緊結式足場のうち、一部の製品については、安全性を担保できる範囲で、建地の最後部から測って31mを超える部分の建地を二本組みとする要件、こういったものを緩和することが可能か、足場の安全に関する学識経験者などによる検証が得られたものについては実施することが適当であるとしております。

 4つ目、関係府省と連携した墜落防止対策としまして、労働災害防止のためには、発注者における施工時の安全衛生の確保のための必要な経費の積算、関係請負人へその経費が確実に渡るよう、国土交通省と連携して、墜落防止措置の見直し後の内容を含めて、これらの措置が実施されるよう、関係者に周知啓発を図ることが適当であるとしております。

 以上、御議論いただきたいと思います。

○小林座長 御説明どうもありがとうございました。

 全部で8項目ぐらいに分かれております。大きく4つの項目になっております。一つ一つについては全体と関係する部分もあるとは思いますけれども、議論をうまく進めていただくということで、順序よく順番に前のほうから進めていきたいと思います。御説明いただいたローマ数字は4つあって、その1つ目から、その中で算用数字それぞれをつけて順序がありますけれども、それの一つ一つに御意見を伺ってまとめることができればと思っておりますので、御協力をお願いいたします。

 まず「I 足場の組立て、解体又は変更の作業時の対策」に関して、その1番です。御説明いただいた部分に関しての御意見を伺いたいと思います。宮本委員、どうぞ。

○宮本委員 座長のお言葉ですけれども、全体の取り扱いのことにつきましてお聞きしたいのですが、先ほど報告がございましたけれども、べきである、すべきであるという箇所が4カ所なのです。この4カ所については、労働安全衛生規則等を強化するという法律上の問題、それ以外の部分については部長通達とかガイドラインとか、そういう形の扱いになっていくということなのでしょうか。お話があったかなとは思いますけれども、そのことについて確認をしたい。

○小林座長 文言については補足をお願いいたします。

○川越技術審査官 宮本委員からのお話のとおり、すべきであるというのが規制強化を想定した書きぶりでございまして、それ以外の書きぶりについては通達などで示すもの、行政が取り組みを行っていくものなどが該当するという整理でペーパーは作成しております。

○小林座長 よろしいでしょうか。

○宮本委員 ありがとうございました。

○小林座長 御意見を伺いたいと思います。どうぞ。

○鈴木(芳)委員 これは骨子案ということですので、細かい文言について実際の報告書では書き方もまた違ってくるのだろうと理解します。それでよろしいですか。

 なお以下ですが、これだけ見ると先行工法の手すりと、手すりわくと親綱と3つしか読めなくなってしまうおそれがあるので、私どもも業界としてユーザーさんから、新しいいい足場を工夫してくださいということを言われていますので、それ以外のものでも、もし将来的に対応ができるのであれば、そういうことが読めるような形に表現をしていただければという気持ちがございますので、その点、御配慮いただければと思います。

○小林座長 御意見、さらに伺いたいと思います。どうぞ。

○小野委員 このIの1ですけれども、手すり先行工法のガイドラインに基づく手すり先行工法の手すり若しくは手すりわく又は親綱とあります。この場合の親綱は、ガイドラインで手すり、要は先行して設置できない箇所においては親綱を取りつけることとなっていますので、その場合の親綱というのはあくまでもガイドラインに基づくという理解でいいわけですね。

○小林座長 先ほどの御説明ではそういうような話ですね。

○小野委員 わかりました。

○小林座長 どうぞ。

○川越技術審査官 事務局としてこの書きぶりを書いていますので。この手すり先行工法等に関するガイドラインの中で示されている機材について解説があるのですけれども、その中で手すり先行工法の手すりわくについての説明と、親綱についても親綱の設置基準というのがこの中にございまして、その設置基準を満たす親綱という設備として親綱をここは指している書きぶりでございます。ですから、どのような場面で親綱を使用するか、ガイドライン本体の記載がございますけれども、先行して手すりを設けることが困難な場所にのみ親綱を使うというガイドラインの本体の部分とは別な話として書いております。ですから、設備として適切な親綱を設置することまで、こうした設備の条件をガイドラインによるということにした書きぶりでございます。

○小野委員 では、今、座長のお答えとは違うわけですね。

○川越技術審査官 はい。

○小野委員 果たして、親綱というのは皆さんどうでしょう。一層下からいつもつけることができますか。なぜかといえば、結局組立て解体時に94%の人が安衛則を守っていなかった。安衛則というのは何かというと安全帯をつけろということだったのですが、それを94%守っていなかった。だから、いかに親綱を下から先行してつけたり、あるいは解体時に親綱を張ってずっとしていけるのか。ここにいかに困難さがあるかということをわかっていただかないと困るわけです。ですから、手すり先行のガイドラインの骨子の部分は、手すりが先行してできないような場合は親綱をつけなさいというのが基本になっているわけです。ですから、いつもここは前回も声を大きくして言ったのですけれども、結局組立・解体時において親綱を先行したり、解体時に親綱をずっとつけて追っかけていけますか。ですから、できないから事故のうち94%はやっていなかったとなるのです。

 手すり先行工法の骨子のところで、これを合致させていただければいいのではないかと思っています。それならば納得できます。結局はまたそれが元の木阿弥になってしまうということです。事故の94%の方はやっていなかったと。では、親綱を先行してできなかった場合、やらない場合はどこに安全帯を掛けますかということなのです。ですから、その辺の曖昧さを残さないでいかないといけないと思います。

○児玉委員 この表現ではいいのではないですか。

○小野委員 ですから、手すり先行のガイドラインの基本は、まず手すりを先行させましょうと。手すりが先行できない部分は親綱で結構ですよと言っているので、そういう意味でこれを該当させるなら結構ですよということです。

○児玉委員 だから、この文章だったらまさにそのとおりに読めると思うのです。

○小野委員 ところが、今、川越さんが違うと言ったので。座長もこれは含めると言われたので、私はそれなら納得しました。

○小林座長 皆さんに御意見伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 今、言われたのは、先行で手すり、もしくはという部分ですね。

○児玉委員 ここの文章は今言われたとおりの表現だと思います。

○小野委員 それなら私も納得できるのです。

○小林座長 いかがでしょうか。どうぞ。

○大幢委員 今、ここで議論されているのは手すり先行工法のガイドラインありきの話であり、鈴木委員の言われたように新たな機材の開発を考えると、ガイドラインから外れたものでも良いような表記にすればそれはクリアすることではないかと思います。

○鈴木(芳)委員 ですので、ガイドラインで示されている内容云々かんぬんを言っているわけではなくて、他にも何か方法があり得るのではないでしょうかということを読めるようにしておいていただきたいということを申し上げただけです。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 重要なことは、なお書きの後の話は幾らでも整理できるのでしょうけれども、要は安全帯を安全に取りつけられるための設備が設けられた状態でなければ作業してはならないというところをどういうふうな規格というのでしょうか、今後の新たな開発も含めてということですね。ここでべきと書いてあるもの。現在思い浮かぶのが、手すり先行工法の足場というのが一番に上がってくる、これは皆さん周知の話。それ以外でもそういうものの状態ができるものがあれば、それを開発あるいは私たちはこういうやり方でやりますというのがあれば、それはそれでいいということと理解しているのです。

○小野委員 もちろん結構です。

○小島委員 それが今後の法の規制にかかってくるところで、どういうものがそれに当たるのか、当たらないのかというのがまた出てくるとは思うのですけれども、設備が設けられた状態になければならないというところが一番重要なこと。

 もう一つ申し上げますと、いわゆる手すり先行工法の足場でやりたい、やるという条件であればそれはいいのですけれども、それができない条件があるので、例えばスパンとかさまざまな条件がありますね。そういうところは別の工夫をしてやるとか、わく組み足場でもこういうようにやるとかということで、規制がその部分だけがちがちになってしまうとそれ以外使えなくなるというのはいかにも問題が出てくるので、私はそういう理解をしたのです。

○小野委員 それでいいと思います。蛇足ですけれども、親綱の設置基準には、下からつけられるような仕組みにしなさいとはなってない!!

○大幢委員 それはガイドラインに書いてあるということなので、下からつけられるようなものがあれば良いという考えでよろしいでしょうか。

○小野委員 結構です。手すり先行工法の基準にそった同等以上のものであれば、当然もちろんいいわけです。

○小林座長 どうぞ。

○野澤建設安全対策室長 まず1点は、冒頭、小野委員のほうから、途中で修正というか言葉の中に出たのですが、要するに法令が守られていないのが現場としてというか、作業として全体の9割あるがごときお言葉から始まったのですが、その9割弱だと思うのですが、それはあくまで事故が起きたと。小野委員も途中からそれは盛んにおっしゃったのでそういうことだということでまずしっかりと御理解をいただきたいと思います。法令は8割くらいは、確か守られているというのが数字かなと思っております。

 今のお話で進みますと、それぞれの御理解をもう少し確認したほうがいいなとは思うのですが、民間で2割くらいで手すりが設置されているとか、公共工事ですと8割くらいというようなことで、全体としては3割、4割弱というような数字だったと理解しておりますが、それは設備的に2割しかできていないという状況は、例えば設備が十分あっていつにでも8~9割できるというような状況になっているのか。それとも、2割という数字の1つのあらわれとしては、やりたくてもできないというような場面ももしかしたらあるのかなとは思うのですが、その辺は建設業界として、あるいはその他皆様方で御存じのところがあったら教えていただければと思うのです。

○小林座長 どうぞ。

○加藤委員 私としては、なお書きの前に、先ほど小島委員も言いましたように、墜落における労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは安全帯を安全に取りつけるための設備が設けられた状態でなければ作業を行ってはならないこととすべきであるときちっと書かれているわけで、これによって各事業者が考えると思うのです。鈴木委員が先ほど言いましたように、新しい方法というか、いわゆるあれも考えて来られるだろうし、もっと自由に持たせて、ここがかなり厳しい縛りなものですから、後がそれを具体的にがっちりとすべきではない。思想だけきちっとしていればと思います。

○小林座長 どうもありがとうございました。他に、どうぞ。

○小野委員 今、加藤委員がおっしゃられたような必要性はないのだというような考え方は間違いだと思います。いずれにしろ、手すりがない状態では組んでいけないということは事実ですから。

○小林座長 どうぞ。

○才賀委員 今、一番のなお書きの上までは十分だと思うのです。ですから、その中で規制を強化するのだという先ほどの御説明なので、どのような規制の強化があるのか、きちんと発表していただければ、それ以上にガイドラインで云々というような細かいところまで縛ることはないのではないか。

 そして、現場というのは自然にいろんな事情があっていろんなことが起きるので、もうがんじがらめにして、それでなければできないよというようなことであった場合には現場が進んでいかないのだろうと思いますので、その辺は少し考えていただきたいと思います。

○小林座長 この辺の規制の中身に関しては、今、何かお持ちですか。

○川越技術審査官 例えば今少し議論をわかりやすくするために、1項目目のすべきであるまでを法令で示したとした場合に、安全帯を安全に取りつけるための設備とは何かということを通常法令が制定される場合には解釈で幾つか例示を出すことが一般的に行われておりまして、それをなお書きで記載しているということでございます。

 そういう意味では、手すり先行工法で措置する手すりわくについては皆さん異論がないと思いますが、それと同じように適切に設置された親綱を使えるのかについては、手すりが使えないから親綱を使う、それだけに限定をせずに、きちっと設置した親綱を、安全帯を安全に取りつける設備として認めるか認めないかという点について、現在多く行われている親綱という手法がだめだということになるとどうなのかという観点で皆様に御意見を賜りたいと考えております。

 手すりが使用できない場所だけで親綱を使うということではなく、親綱として適切であれば、安全帯を安全に取りつけるための設備として認めるべきか、認めないか、そこはしっかり議論いただきたいと思います。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 ここもまた基準の話になって、その親綱の話が出るとまたここで議論が整理しないといけないのです。先ほど来小野委員がおっしゃっているように、親綱の張り方とか親綱の位置とか高さとか、そういうようなところが、しかるべき基準がきちっとあると、例えばスパンとかそういうものが整っている状況かどうかでも1つの話になると思うのです。それが今親綱とおっしゃいましたけれども、今のベースとなる、例えば厚労省さんがお示しいただける基準とか標準とかというものがこういうものですよというのが、今ここの委員の方々の中での解釈にずれがあると、また噛み合わない議論になるので。例えば今小野委員がおっしゃったように、下の作業床から親綱をかけられるのかという質問に対してなぜ答えが出ないかというと、それはだめなのかというのと、なぜそれはいけないのだということも含めて、それはどういうものが基準でどうなっているのだということがいまいちみんなのイメージが湧かないのです。だから、私があえて申し上げたのは、手順としてこうですよね、例えばこういう事例ですよねというのがないと、今の質問というか投げかけにはきっと議論が噛み合わなくなります。

○小野委員 私も同感です。手すり先行工法のガイドラインができてもう10年もたっていますね。毎年普及促進事業もずっと厚労省としても行ってきているということですね。先ほど建対室長が言われていましたけれども、全体で44%が普及されてきているのです。この前厚労省から発表されています。民間が28で国が80%で、全体で44%まで普及がされてきているわけです。手すり先行のガイドラインができても10年も経ちましたので、他のいい方法ができてきていたでしょうか。と。今後いい方向を出るのは拒みません。それは当然結構なことです。

 国として、国交省の直轄で手すり先行工法のガイドラインを義務化されているわけです。義務化した結果、この前もここで発表になられました、手すり先行工法を採用した現場では3年間で死亡事故ゼロです。2件だけけがの事故がありました。これが歴然たる記録だと思うのです。手すり先行法でしかも二段で足場の各所へ幅木をつけなさいよと、それが国交省の義務化の結果として事故がそれぐらいしか起きていない。これを尊重すべきだと思います。

○小島委員 小野さん、確かにその数字はそうなのですけれども、よく調べてみましたら、国交省の方がいらっしゃるのですけれども、役所の仕事でも100%ではなく、現状では10年というレンジの中で、八十何パーセント。なぜ10年もたって100%ではないのかというのも実は別の見方、がありまして、それはなぜかというと、やりたくてもできないから、我々もそうですけれども、そういう場面が仕様書に書いてある。でも、そのやり方ができないのでこういうことでもいかがでしょうかと質疑を出す。それでも結構ですと言って、それをそうではない方法でやらせていただくという場面もあるのです。なので、私の理解は、そういうこともあるので、これしかだめですよということであれば、それ以外は使えなくなるということで、要するに自由度といいますか、使えない仕事はできなくなってしまうということになるので、こういう表現で私は納得したのです。

○小野委員 全く同感です。国交省直轄では九十何パーセント以上ですから。

○小島委員 それで話を元に戻します。こういうものだというのがないと、どうしても理解のずれがあると、例えば小野委員がおっしゃるように親綱を下にはわせてやるのでは意味がない。もし落ちたときなどは墜落の高さから言うと大変なのでだめだよねとか、そういうものが親綱はこういうものですよというのが設置基準としてはあるのかな。

○小野委員 もう一つ大事なことを私は言いたいのですけれども、手すりは墜落防止なのです。親綱は墜落した場合に、墜落を認めているわけです。墜落した場合、災害を小さくさせようというのが親綱です。この大きな違いもよくわかる必要があると思います。親綱にぶら下がって下まで墜落するのを防ぐ、これが親綱の役目ですね。手すりは違うのです。墜落そのものを防止するのです。

○小林座長 加藤委員、どうぞ。

○加藤委員 まず、親綱が墜落防止措置として有効かどうかという話になってくると、例えば話が土止め支保工の点検をするために、足場などは全然組めないわけですから、必ず支保工周囲あるいは上に親綱がつくわけです。それによって安全帯を使いながら点検していく。これが土止め支保工などの場合のやり方です。ですから、私は親綱というのは墜落防止について、これは確実に有効であると思います。

 あといろんな方法がこれによって、なお書き以下で書かれてくると、ではどうやったら安全に親綱、例えば手すり先行工法も当然いいのだけれども、でも、手すり先行工法をやったところで、そこで親綱を使いましょうというのが先ほどのアンケートの意見でも結構あったわけですし、だから、親綱というのは最終的な墜落防止について有効だと思うし、またこうやって書けば、では、如何に安全に親綱を取りつけるためにやれるかということをいろいろなところで考えていくと思います。

 だから、何も全てをがんじがらめに縛る必要はないと思っています。あと親綱と安全帯というのは墜落防止にとっては極めて有効であると言えると思います。

○小林座長 さらに。どうぞ。

○鈴木(敏)委員 親綱が下から先に張れないという意味合いがよく理解ができないのです。十分張れると思うのです。最近親綱を仕込んで建わくを立てることは十分できますし。ただ、効く、効かない、親綱の張り方、スパンと落下高さとたるみが決まってきますね。それで十分有効かどうかということはわかると思うのです。小野委員のおっしゃる下から張れないという、幾らだって工夫すれば張れますし、張れないというのは理解ができないのです。

○小野委員 先ほど私は、基本は墜落防止なので、手すりとロープの差を考えてもらえばいい。できるところは剛性のあるものでやるべきだし、それができないところは親綱でいいではないか、ロープでいいではないですかと私は言っているのです。

○小林座長 どうぞ。

○宗像委員 今の議論と違う点かもしれないのですけれども、今、低層の住宅の現場とか、足場がないのです。材料が足りないのです。足場をかけられないのです。かけられないわけではないのですけれども、希望の時期に足場をかけてもらうということが非常に困難です。一過性のものという見方もあると思います。一過性ではあると思います。

 材料の供給の面で考えるというお話をこの検討会の中でも以前差し上げましたけれども、今自分たちがふだんおつき合いをしている足場屋さんに手すり先行の材料を持っているところ、2割程度です。そこに限定されて今後工事が進んでいくとなると、足場がかからないから工事できないというようなところに行きつくようなものがあります。

 安全帯または親綱とするということで、それ以外の可能性を残しておいていただくことが、自分たちが工事を安全に進める上で必要なことかなと、重要なことかなと思いますので、この表現の中に先ほど厚労省の方から御説明のあったような意味合いが残っていることが必要だと思います。

○小林座長 さらに御意見を伺いたいと思います。特に、この部分に関して、今のいただいたような御意見の形でもってまとめていただくということでよろしいですか。どうぞ。

○野澤建設安全対策室長 いろいろ意見が出ましたし、私も説明しなければいけないなと思いながら説明できていない部分もあるのですが、親綱の張り方というのは手すり先行ガイドラインの中でもう明確に決めています。例えば、たるむというお話も出ましたが、緊張器を用い親綱をたるまないように張ることとありますから、緊張器を使うというのが必須になるかどうかはあれですけれども、普通にやっているとだんだんたるんでくるでしょうから、何らかの機械的な措置なりでやらなければいけないというのが今回の、または親綱の趣旨。例えばスパンなどもございまして10m以下とすることとなっていますから、10m以上のスパンで張ってはいけない。5つ分ぐらいになるのでしょうか、そういうようなことになります。

 我々の提案の趣旨は、最後、宗像委員が言ったようなことも私もそれを質問したつもりですがお答えがなかったのですが、いわゆる我々が義務付けた場合、それがやられていないと違反になりますし、作業を停止してくれというようなことも場合によってはやっていかなければいけない。そうなりますと、そういったことに十分対応できるかどうかということが必要です。もう少し有り体に言えば、手すり先行工法の手すりが有効であるということは、それはそれで多分異論はないのでしょうけれども、では、それだけで全ての現場が対応できるか。

 国交省の現場といいますが、私自身も投資額でざっと計算していくとですが、全国の現場の1割くらいになる。となりますと、例えば足場からの墜落が平成24年は24人ですと、その1割というと2人ということになりまして、もちろん2人がゼロになるということはすごいことですし、皆さんもそれは評価していると思うのですが、そういったことを考えたときに、そこで8割できていることが、おのずとそれ以外のところが全て規制さえかければできるというような物的な状況であるか。そんなことを考えたときには、現段階では親綱も先ほど言ったような張り方でしっかり張っていただくことを前提に認めるということが1つの合理的な判断なのかということで、皆様の検討会での発言では十分聞かれなかった部分もございますが、我々はいろいろな状況を考えましてそういう提案をさせていただいたということでございますので、座長からのお話は、最後そういったことでいいということでいいかどうかを現段階で結構ですけれども、確認をしていただければと思います。

○小林座長 いかがでしょうか。どうぞ。

○原田委員 ポイントは、供給体制はどうだろうという御指摘だと思うのです。正直なところ、私ども現在約3割程度が使用しているという現状において、残りの7割を一挙に供給を今可能ですかという質問があったとしても、非常に困難な部分が確かにございます。

 今までなぜこれだけしか供給できていないのかというと、ある意味では任意ですから、法令には準拠していませんので、使うべきところは使っているけれども、使わなくてもいいところは、例えば小規模でありますとか、そういったところについては特にオーダーもなかったので、我々も保有としてはそこまでは今まで目的としていなかったのです。今後、仮に全ての現場となるかどうか分かりませんけれども、需要が増大したときに一挙に全ての現場に法令で決まったから使いなさいとなると、供給は早期には無理かと思います。これはメーカーさんのほうの生産能力も限界がありますから、そういう意味でいくと、すぐには無理だと思います。したがって、経過措置は当然必要だと思います。親綱を経過措置と見るのか、あるいはこれも方法の1つと見るのか。これが今の検討課題の視点の違いではないかと思って聞いております。

 いずれにしても、供給責任を果たさなければなりませんけれども、時間は必ず必要だというのを供給側の立場から申し上げておきたいと思います。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 言葉が足らなかったかもしれませんけれども、前から申し上げているように、「足場」という言葉を使っているので、今の議論はどうしてもわく組足場の話ばかりになるのですが、くさび緊結足場も、単管足場というのも全部視野に入れた上で組立て、解体、変更に対してきちっと安全帯をかけられる仕組み、やり方を法律規制ですから考えないといけないので、私はそういう理解で安全帯というのはどうしても必要になってくるので、ここでガイドラインとなお書きのところに足場というのはいろんな足場があるということをイメージの上でここの規制強化というのは考えておかなければいけないと思います。

○小林座長 どうぞ。

○鈴木(敏)委員 親綱を墜落防止設備として認めないということにはなると、鉄骨建てはできない、先ほどの切梁の上に何を張ったらいいのか、全くあれですね。私自身は親綱は十分墜落防止設備として機能している。あと利便性としても10m張ったとき、10mをかけかえなしで移動できるという、かけかえ回数を少なく済ませる。確かに手すり先行も今新しい工夫をされてレール上を移動できるものもありますけれども、あれでもせいぜい1人か2人しかそこでできるわけではないです。だから、メリット、デメリットもあろうかと思うのです。十分親綱を墜落防止設備として否定する必要はない、してはまずいのではないかと思います。

○小野委員 私、親綱は全く否定しているものではありません。今議論になっているのは足場からの墜落なのです。今は鉄骨梁の上のどうのこうのと言われましたけれども、それはまた別な話です。親綱は墜落防止設備としては大事なものです。しかしながら、足場からのということで手すりが先行してできるところは手すり先行工法によってやりましょうということを言っているのです。同じ足場でも、小島さんが言われたように例えば単管足場、複雑な足場で、手すりは先行できないような足場もあります。そういう場面については親綱でやりましょうということであります。

○小林座長 どうぞ。

○野澤建設安全対策室長 先ほどお話になった経過措置という考え方でございますが、経過措置そのものは、例えば通常2年ぐらいの話ですので、それで対応できるかどうかという問題は一般論としてあると思います。ただ、もう少し考えるに、ここの検討会でもう一貫してというか、皆様ここには異論がないと思うのですが、手すり先行工法なり、そういう先行して手すりを設けるということが今の段階で一定の非常に優れた面があるということは認めていることだと思いますし、今回、仮に今提案のあるような状態で、それは供給状況とかそういったことも考慮して規制強化、規制を変えていくということをした場合に、何らかの形でそれが世の中でどのように受けとめられて、どのように動いていくかというのはあろうかと思います。

 今、申し上げたように、手すりを先に設けるということの有効性について供給の状況が整いながら、ある種環境整備だと思うのですが、そういった中で、あるいはそういう環境整備をしていくということについてもこの検討会で、幸いそれを提供する側の業界もあれば、それを利用する業界のほうもあるので、その辺の中長期的な環境整備をしつつ、我々はより安全な措置と位置づけてやってきているわけですから、そのより安全な措置の方へ進めていくということについては、今回のここに掲げた項目には明示的に示していませんが、そういったことも少し検討会の結果の中に入れていくということもあるのではないかなと。具体的な提案は我々としての提案を仮にさせていただくにせよ、持ち合わせはないのですが、例えば環境整備というのがあろうかと思います。

 その供給体制の問題もありますし、使うとなれば値段の問題もあると思いますし、先ほどスパンのところを長く移動できるようにというような、これは技術開発でしょうからそういった問題もあろうかと思いますし、逆に手すりを持っている側からしてみれば、それを当然更新する時期があるわけで、そういった更新する時期にはより安全な措置というか、そういったものへの移行ということもあろうかと思います。そんなことも含めて中長期的な取り組みも必要ではないか。今回の規制の見直しということについては直接は関係ないですが、将来の方向性も含めて、そういったことももし御検討いただければ、あるいは少し考えてみろということであれば事務局の方で次回と、まだ骨子案ですので次回は必要だと思いますので、提案をさせていただければとは考えております。

○小林座長 他に御意見はありますか。今の御説明のような形でさらに検討を続けなければいけないかなという感じですが、それでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○小林座長 時間も時間ですけれども、続いてIの2番、これについて御意見を伺いたいと思います。金森委員、どうぞ。

○金森委員 私は2と3を一緒に考えているわけです。ここに特別教育を行うべきであるとか、能力向上教育をさらに促進することが適当であるという書き方になっていますが、ただ、この程度では我々現場にいる人間が考えたときに進んでいかないと思うのです。ある程度の年数、3年なら3年以内にはやらなければならないとか、そこまでやっていかないと思うように進んでいかないのではないか。大会社であれば教育をやるかもしれませんけれども、民間工事をやっている職人さん方はこういう書き方では進んでいかないと思っております。

○小林座長 もう少し具体的にということですね。

○金森委員 そうですね。これをやろうとすれば、やはり3年以内に再教育をしていくというような年数を位置づけてしまうということまで必要ではないかなと。一遍とったら、もう自分が生きている間ずっとその資格はいいのだというような内容ではいけない。それを強く申し上げたくてこういう提案をしたのです。

○小林座長 初めごろにも1回取ったままでずっという話もありましたね。他にいかがでしょうか。

○児玉委員 3のほうもいいのですか。

○小林座長 今、できるだけ順番にやっていきたいと思うのです。どうぞ。

○野澤建設安全対策室長 今の3のほうもいいですかに対して申しわけない面があるのですが、今の委員の御発言は3のほうだったと思うので3のほうの制度のことについて御説明をしたいと思うのです。

 これは不確かですが、たしか5年に1回とかというようなことで示されておりますが、それはあくまでも指導ベースということでございます。これは行政としてこういうことを言っていいかどうかあれですが、能力向上教育というのは、実はいろんな能力向上教育がございまして、そのすべてがまだ指導事項でございますので、なかなか特定のものだけを義務と言うことは制度の並び上どうかとは思います。

 ただ、これも先ほどの私の発言に通ずるのですが、せっかくこういう業界の方が集まってこれが大事だとおっしゃっているのであれば、それを例えば業界の大運動というとあれですが、そんなことで進めていく。そのときには例えば建災防さんとかが、あるいは他の業界さんでも可能かもしれませんけれども、やっているところがあるかもしれませんが、作業主任者の技能講習をやっておりますから、能力向上教育を従来に増してやっていく。そんなことを取り組んでいただけるという雰囲気ができるのであれば、例えば報告書の中にもそんなことを余り有り体には書けませんが、それらしきことを書けるのではないかと思っております。そんなことを含めて促進するというのを提案としてさせていただいたというつもりでございます。

○小林座長 どうぞ。

○金森委員 作業主任者の教育を受けている人だとか、そういう人は割と足場からの転落をしているというようなことは少ないと思うのです。むしろ作業をしている側の特別教育だけを受けている人が長くなって教育も受けないようになってから落ちるということが多いと思って考えているのです。だから、そういう人を教育していけるような状態にしなければだめだということを申し上げているのです。

○小林座長 どうぞ。

○野澤建設安全対策室長 今の話は2番の話でして、作業者ですけれども、実はこれは残念ながら、特別教育の義務付けを従来しておりませんでしたので、それをしたいと思っておりますし、特別教育には能力向上教育の概念は実はないのですが、やはり一遍そういう教育をするかどうかというのはかなり違うと思いますので、そういう業務に就くときに特別教育を一応我々の考えとしては義務付けたいと考えております。

○金森委員 わかりました。

○小林座長 どうぞ。

○児玉委員 2と3の絡みの発言です。

 まず1つは、特別教育、あれだけ危険作業ですからやったほうがいいと思うのですけれども、ただ、足場作業主任者の資格を持っている人間というのは相当いるのです。足場の専門職などというのはほとんどの人間が持っていて、いわゆる主任者に選任された人間、その下で働いている人間もみんな資格を持っている。足場作業主任者の資格を持っている人間に対して足場仮設の危険有害業務の特別教育をやるかどうか。ここら辺をよく考えておいてもらわないとものすごいおかしな雰囲気になってしまうのです。

○小林座長 どうぞ。

○野澤建設安全対策室長 特別教育は制度としては、その業務に就くときということですので、いろんな前例はございますが、従来は一番多いのは既についている人は特別教育を必要としない。必要としないとはどこにも書いていませんが、特別教育の規定そのものはその業務に就くときですから、もうついている人は関係ないというか、そういう状況だと思っております。

○児玉委員 もう一つ、3番のほうに絡んでしまうのですけれども、作業主任者はたくさんいる。私などは能力低下防止教育と言っているのですが、これはどういう人を対象にやるかというので、先ほど言ったように資格を持っている人がいっぱいいて、私などは現に選任されてその職につく人間またはついている人間を引っ張り出して能力向上教育をやりましょうというのを職場の中で声を大きくして言っているのです。資格を持っている人間を対象にやるとものすごい多くなってしまうので、そういう考え方がこういう報告の中に入れられれば考えてみていただきたいなと思うのです。

○野澤建設安全対策室長 指導事項でというようなことは、そういったことも場合によっては含んでいると思う。もともとの概念というか、運用が能力向上教育は指導事項でやってきたということはそんなことも含んでいると思いますので、考えていきたいと思います。

○小林座長 いかがでしょうか。どうぞ。

○川越技術審査官 補足いたします。先ほど児玉委員からの質問の中で、作業主任者が業務に就くときに特別教育をやる必要があるのかというような話もありました。当然、作業主任者は十分な知識を持っている方ですから、作業主任者に対する特別教育は省略して差し支えないということになります。作業主任者技能講習自体が一定の業務経験がある人が作業主任者になるときに必要なものですので、そういったことは余りないとは思いますけれども、当然作業主任者のほうが上の教育ですので、特別教育をさらに受ける必要はありません。

○小林座長 どうもありがとうございました。教育などについては宮本委員、何かございましょうか。

○宮本委員 そういう方向でよろしいと思います。ただ、二重三重に規制となると、特別な能力向上も十分やられていないという現状もありますから、そういうところをしっかり担保するということが大事だと思っております。

 義務化というところがどこまで強化していくのかということについては注目しているところであります。

○小林座長 ありがとうございます。2番、基本的にこういう方向でよろしいということで了解でしょうか。

 それでは、先を急がせていただきますけれども、3番目、少々2番と関係がある話ですけれども、3番について御意見を伺いたいと思います。よろしいでしょうか。これは基本的に2番と同等にこういう方針でということでございます。

 それでは、点検についての4番でございます。それについて御意見を伺いたいと思います。どうぞ。

○加藤委員 この結果の保存ですけれども、これは確認です。現場でいろいろな書類が結構多くて、ですから、ぜひこの保存については解体まで全ての足場が終わるまでとか、その辺のなるべく保存期間を短くしていただきたい。そのような感じで考えていただけたらと思うのですが、いかがでしょうか。

○小林座長 御意見いかがですか。何かありますか。

○川越技術審査官 現状、注文者に係る足場の点検の義務につきましては、中震以上の地震の後、悪天候時の後の点検義務が既にございまして、それについても保存義務がございます。それについては、当該仕事が終了するまでという規定が既にございますので、それの並びで保存期間を定めることになるのではないかと考えております。

○加藤委員 了解しました。

○小林座長 他に御意見は。どうぞ。

○児玉委員 今のと似たようなものなのですけれども、現状でもその足場を使う使用前の点検があるのですけれども、造船などの場合、やはりいろんな職種の人が使うので、その日、その足場が使われるというと元方がほとんど点検している。または元方が足場のことをよく知っている足場の業者さんに依頼して点検している。そういうケースがほとんどなのですけれども、こういうときにはその点検がこれに該当するということで取り扱ってよろしいものかどうかお聞きしたいです。

○小林座長 それを考えるべきかどうかについても皆さんから御意見を伺えればと思います。どうぞ。

○小島委員 実は後で質問しようと思っていたのですけれども、ここの最初の3行、注文者はというところです。私が気になるのは、足場における作業を開始する前というのはどういう理解をするかということなのです。つまり、今おっしゃったように、作業という言葉は毎日の作業も全部作業です。それを全部注文者が全ての足場において毎日の作業でそれを点検し、その結果を保存すべきという話。さらに、なお本点検はということで第三者となると大変なことになります。なので、ここの足場における作業という定義をもう少し整理していただかないと、日々の作業で全部点検し、第三者という、それは前回もありましたので、そこら辺の話の定義を整理していただきたいと思います。

○小林座長 どうぞ。

○川越技術審査官 ここで書いてある足場における作業を開始する前にというのは、足場の組立て、一部解体または変更の後、いつまでにやるかということの意味で足場における作業を開始する前にという言葉を入れているので、毎回足場は変更しなくても当然毎日請負人のどなたかが使うことになりますから、その作業開始前に注文者が点検をするということを書いているわけではありません。

○小島委員 結構です。

○小林座長 どうぞ。

○原田委員 川越さんにお聞きしたいのですが、この文章を読む限り、例えば第三者による点検の項目だとおっしゃったのですが、第三者という読み取りがどうしてもできないのですが、どこに書かれているのですか。

○川越技術審査官 前回、前々回の検討会の議論で、第三者という言葉は足場の組立て作業に従事した人以外という話がございましたので、通常注文者はみずから足場を組み立てていないと考えておりますので、発注した業者が足場の組立て後に足場の点検を行うということを新たに義務付けるということで、実際に組み立てたもの以外の誰かも一社が必ず点検をすることになるという意味で前回の議論を受けた形でこのような提案をしております。

○小林座長 どうぞ。

○原田委員 もっと具体的には書けないのですか。非常にオブラートに包んだ表現になっているので、これが文言としては注文者という注記の部分でもいいのですけれども、その下で見ると有資格者という表現があるのですが、チェックリストを作成し、これに基づく点検をすると書かれている。どうも理解できないのです。

○川越技術審査官 労働安全衛生法上の注文者を実はここは指していまして、解説すると、実際に足場を注文し、それを使用させるものについて注文者の義務がかかることになっております。現場で使用させるもの、ほとんどが元請が用意して下請に使用させることになっているものがほとんどでございまして、そういうものについて安衛法上注文者に義務をかけております。例えば、くい打ち機などの機械とか、そういったものも含めて義務がかかっていますので、その中に足場も入っておりますので、いわゆる元請がなることが多いのですが、そこに義務をかけるという意味です。

 説明がわかりにくいということであれば、法令の部分も少し書き加える形は可能かと思います。なお書き以下について一緒になっているのでわかりにくいという話ですが、そういった点検を行う人はある程度十分な知識、経験を持った人によることが適当であるという結び方をしておりまして、ここはそういった必ずしも用意できない場合もあると思いますので、引き続き通達などで指導ベースでやっていくという考え方で分けて書いております。

○原田委員 わかりました。

○小林座長 どうぞ。

○児玉委員 造船工業会のほうからの要望です。なお書き以降、これは「等」という言葉が入っているからそれで理解はできるのですけれども、造船などは届をするような足場はほとんどないし、コンサルタントの資格も、どうしても土木、建築、こういうものを持っている人間になって、形が建築に偏り過ぎてしまっていて、もし、これが将来の法制度の改正に結びつくようなものであれば、ここら辺の表現、趣旨はこのとおりで賛成ですが、書き方を建築以外のところででも対応できるような書き方にしていただきたいと。

○小林座長 どうもありがとうございます。どうぞ。

○鈴木(敏)委員 先ほどの足場における作業を開始するというのと同じような話かもしれないのですけれども、足場の組立てと一部解体、または変更後という、そこの部分も何らか解説が必要になってくると思うので、ぜひともそれはお願いしたいと思います。

○小林座長 また次回もう少し詳しいものを出していただけると思いますので。

 その他よろしいでしょうか。では、基本的に4番もこういう方向でということで御了解いただいたと思います。ありがとうございます。

 続いてIIの足場における通常の作業時に関する対策ですが、1番目について御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。

○小野委員 IIの1については、これはこれで結構だと思います。

 2番は通常作業時の対策の中に入っていないのが今のところ。幅木の問題、上さんの問題がせっかく高い回答率で来ているのにもかかわらずここが抜けているということです。幅木については85%もやったほうがいいというアンケートの結果、上さんについてもそのような形になっているにもかかわらず、これが全然、建地と床材のすき間のことしかうたっていないというのはどうかと思います。

○小林座長 そうしますと、基本的にIIの1番はこの形で御了解いただくということでよろしいですね。2番に関して、今、小野委員の言われたことに関して御意見ありますでしょうか。何かこの部分に関して。

○小野委員 だから、1番、2番は、これはこれでよろしいと思います。ただ、ここの中でIIについて抜けているのは、幅木と上さんの件が抜けていますねという指摘です。

○小林座長 これプラスその他の部分が必要だということになりますか。

○小野委員 IIの1に関連する。すき間の問題とか、あるいは別個でもいいです。ものすごく大事な部分が抜けていますねということなのです。

○小林座長 幅木その他に関する。

○小野委員 幅木とか上さんです。

○小林座長 幅木、上さんに関する規制についてもということですね。

○小野委員 そうです。

○小林座長 いかがでしょうか。

○野澤建設安全対策室長 これも当方が一義的にとやかく言うわけではないのですが、最初のうちの各団体からの意見表明なりの中では、幅木が両側にというのは、あるいは方側にも含むのかもしれませんが、狭くなる。足場の幅にもよるのかもしれませんけれども、そういったこともあったかと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 小野委員のアンケートの話は、先ほどアンケートのときにも申し上げようと思ったのですが、アンケートは足場の外側の措置と書いてあるのです。外側の措置に対して幅木が必要か、上さんが必要かという質問なのです。なので、小野さんがおっしゃっているようなことであれば、限定的なという言葉は的確ではないですけれども、そういう部分での表現が必要であれば、そこは考えないといけないと思います。アンケートはあくまでも足場の外側の措置に対してという。

○小野委員 私もそれを理解した上で言っているのです。小島委員と一緒です。

○小島委員 野澤室長の話は内側、外側の話なので、今の話だと外側に限定した話でもし表現するのであれば、皆さんの御意見がまだ出ていないですが、幅木の話、上さんの話をしかるべき表現で適当であるとか、べきなのか、適当であると表現するのかは議論ですけれども、そういうのが必要になってくるということでしょうね。

○野澤建設安全対策室長 余り私が発言してはあれですが、外側というのは、それはそれでもしよければ両側の話ではないということを前提に、今、小島委員から言葉が出たのでそれに乗りますけれども、適当とべきの議論は皆様として何か意見。小野委員としては言葉で言えば、べきであるということだと思うのですが、状況の中で、先ほど言ったように当初いろんな御意見があったかと思いますが、それも含めて、ずっと検討会で検討してきていますから、そこのところが変わったというか、そういった点があればそれも含めて何か御意見いただけるものがあればいただければと思います。

○大幢委員 アンケートを補足しますが、まだ理由欄をしっかり分類していないのですが、幅木が必要と回答した方大半の理由としては、物の飛来落下防止に役立つということが挙げられています。これはもっと分析する必要があると思うのですが、墜落防止という理由ではなくて物の飛来落下ということで必要としている方が多いという状況であります。

○小野委員 もっとも、墜落防止は兼ねていますからね。現に下さんの下から、すき間から落ちて死んでいるこの前の事例もデータの中に入っていますし。

○小林座長 1番、2番はこういう方針で合意いただけるとして、3番、幅木ですとか上さんですとかということに関して、これはべきかどうかはともかくとして言及する必要があるということですが、いかがでしょうか。

○宮本委員 確認したいのですけれども、足場における通常の作業時と書いてあるのですが、設置する場合ということも含むということになっているのでしょうか。ということで、幅木ということのべきということになりますと、新たにここに小野さんがずっとおっしゃられてこられた規制の法律の法制化をするということになりますね。これを設置する場合ということを含めたということになるのでしょうか。通常の作業時と書いてあるのですけれども、この部分に限定するのかどうか、その辺のところを期待する。

○小林座長 ここでの用語として、これは今までの御議論に準じて言えば、通常の作業時というのは足場の設置、解体は含まないということだというのでよろしいですね。

○川越技術審査官 設置の作業のときというのは、別途特別に条文がございますので、ここの通常の作業時というのは足場ができた後。

○小林座長 足場を使って仕事をするということ。

○川越技術審査官 どういう状態であるべきかというところは安衛法の中で作業床という規定がありまして、それで手すりの基準などもそこに全部書いてありますので、通常の作業で使う足場のことなのでこのような表現をしております。ですから、今の話だと、常に幅木を設置しなければならないというような、べきの話なのか、やはり引き続き推奨でとどめるべきなのか、そのあたりの御議論かと思います。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 外側ということで少し限定して話すのですが、私の意見は、1番にも関係があるのですが、多分川越さんがそれも意識されたのかなと勝手に理解しているのですが、通常、今の規制でも下さんというのが入っているわけです。当時の規制では下さんでブレース、筋かいの下から落ちることを防げるであろうという想定でやりました。それが恐らく下さんを入れても、建地と床材との間が空き過ぎるとその間から落ちる可能性があるのではないかということで、この一定の基準を設けるべきであるというのがあるのかなと、私はそう理解したのです。

 幅木の議論はまさにそこなのです。なので、その辺は一定の基準というのは、幅木の話も含めて、すき間という部分について何か基準というような形で、どこまでお示しいただけるかどうかわかりませんけれども、いいのではないか。それを幅木と限定するのではなくて、下さんが入っている前提で、もちろん今の規制でも幅木でもいいのですから、幅木をつけたらつけたでいいわけですから、幅木でなければ下さんをやっていてもこういうすき間はだめですよみたいなというのを基準を設けるべきであるということではないかと、私はそう理解したのですけれども、違いますか。

○川越技術審査官 下さんのすき間には、下さんの下のすき間と床面の端の建地側のすき間、これは上から下に落ちる、こちらの方が危険だと思いますけれども、まずは床のところのすき間が空いて、かつ、下さんの下のすき間をプラスすると非常に大きな開口部になる。それはIIの1番の話で、一定の基準を設けることによって、例えば今最小で24cmの幅の足場板が多く流通しています。幅24cmの足場板を持ってくるのは簡単なのに合計24cm以上空いていることがある。例えば片側のすき間は12cm未満としなければいけないとか、そういった基準が考えられると思っています。少なくともそういった状態になれば、下さんとのすき間と床との合計のすき間が当然狭くなりますので、今より安全対策としては進められるのかなと考えております。その上で、さらに下さんの下のすき間もさらにやる必要があるのかどうかという議論になるのかなと考えております。

○小野委員 川越さんの今の続きです。今、下さん寸法は、床から15cm40cmになっているのです。当然40cmなら落ちるに決まっているわけですから、実際そういう事故事例もあるわけですから、幅木は墜落防止機材であり、飛来落下防止機材であります。メッシュシートを張ればいいというのではなくて、メッシュシートを張るまでタイムラグをどうしますかと。やはりできることは足元の飛来落下防止もしなければいけないのではないかということでアンケートへ職長さんたちはそういうことも含めて、私は回答しているのだと思います。

○小林座長 いかがでしょうか。御意見いただきたいと思います。どうぞ。

○金森委員 幅木の問題ですけれども、確かに外側に関しては幅木は今飛来防止のために必要だとは私も思うのですが、ただ、内、外ということになれば、やはり現場で仕事をする立場を考えますと、ものすごく邪魔なものになってしまうのです。資金ももちろんあるのかもしれないのですけれども、とにかく現場では建物側は内側にもそういうものをつけられるというような、ものすごく困ることだし、今、足場板のすき間、足場を広くすることによってすき間が狭くなるということを考えると、内側までは幅木は要らないのかなと思います。

○小林座長 他に御意見は。1番、2番に加えて3番目の幅木、上桟などに関する対策、それをつけ加えるというようなことでよろしいでしょうか。それともそれの中身について。

○宗像委員 つけ加えるであれば、内、外という考え方をもとに、作業性ということを考慮したものにすべきだと思います。

○小林座長 作業性は対策としてはどういうふうなことですか。

○宗像委員 ですから、外側に限定するとかというような形での追加であれば望ましいと思います。

○小林座長 べきではなくて、望ましい程度。

○宗像委員 自分の意見です。

○小林座長 いかがでしょうか。小野委員、いかがですか。

○小野委員 現実的な話としてはそういうところかなと私は思いますけれども、しかしながら、前回の委員会で児玉委員さんが、邪魔だからということ、膝が当たるからいいのではないかと、当たるからつけてはだめなのだというのは理由にならないとおっしゃられました。全くそうですね。だから、安全第一ということをまず基本に置けば、少々の邪魔であるとか、邪魔なら外せばいいわけですから、筋かいを外したりという話もずっとありましたから、それと一緒なのです。邪魔なときは外す。仕事が終われば復旧しておくとかということですね。内側からでも、躯体側からでも飛来落下というのはたくさんすき間が大きい場合もありまして、そうしたら、小幅ネットであるとか、幅木をつけるとかという対策もしておかなければいけないわけです。だから、外側だけの検討ということではだめだと思います。

 基本的に安全を重視するという立場ですね。仕事の邪魔だからとか、あるいは足元が歩きにくくなるとかというのは第二の問題だと私は思います。

○小林座長 今のお話で、3番目について、幅木、上さんなどに関して特に先ほど来の言い方で言いますと、べきではない範囲でもって言及するということでありますが、これは今までの対策にわざわざ上乗せするというようなことというのは必要でしょうか。

○小野委員 私はとにかく直接墜落死亡につながることですから、当然べきでなければいけないと思います。

○小林座長 御意見伺いたいと思いますけれども、いかがですか。3番目に関しては、次回もありますからさらに検討を続けていただくということで今は納めさせていただいてよろしいですか。

(「はい」と声あり)

○小林座長 では、そういうことにさせていただきます。それでは、急ぎます。

 「III 足場からの墜落防止対策全般」ということでございます。

 まずは1番目について、いわば安全意識向上のための方法論についてです。これについていかがでしょうか。特に問題はありませんか。どうぞ。

○宮本委員 いつも言っているのですけれども、労働者というのはどういう意味合いなのかということで、民法上、そういう法律上の労働者となると、いわゆる請負形態で個人事業者と判断される方も含まないということになりかねませんので、例えば「労働者等」とか入れていただいたほうがいいのかなということです。IVに関しても意見がありますけれども、そういうことでどうかと思います。

○小林座長 境が曖昧な人も含めてということですか。よろしいでしょうか。

 2番についてお伺いしたいと思いますけれども、意見がありましたらどうぞ。

 足場の安全性が担保できる場合の緩和について規制を緩めるということになりましょうか。

○川越技術審査官 現状では、建地の最高部から測って31mを超える部分の建地は2本組。強度がいかに強くても2本組としなければいけないという規定になっていますので、ここの部分、合理的な範囲で安全性が変わらないのであれば、こういった要件の例外を設けるとか、そういったことはあり得ると考えております。

○小林座長 ここのIIIの2番というのは、「特に」の部分だけを今は考えられているのですか。

○川越技術審査官 今、例示として上がっていたのは仮設工業会の委員からの御意見で出ていた部分で、あと壁つなぎの議論もあったと思いますが、建地のほうだけ例示をしております。いずれにしても、検証して問題ないということであれば合理的な基準に変えていくべきではないかという提案でございます。

○小林座長 どうぞ。

○小島委員 これは書きぶりの問題なので考えていただいたらいいのですけれども、わざわざくさび緊結足場のうちという表現はいかがなものか。例えばとか、事例ではこうだとかというのだったら理解できるのですけれども、他にも幾らでもそういう、いわゆる安衛則に基づく規制がかかっている部分がありますから、ここは特に近年とか、ここはちょっといかにも目立ち過ぎますね。皆さん方の委員の方々の感覚からすると、少し表現は工夫なさったほうがいいのではないか、工夫していただいたほうがいいのかなと思います。

○小林座長 御意見よろしいでしょうか。

 それでは、「III 足場からの墜落防止対策全般」に関しては、基本的にこの方向で、事務局には文言に関して御検討いただくということになると思いますけれども、これで御了解いただくということです。

 続いて「IV 関係府省と連携した墜落防止対策」ということであります。どうぞ。

○宮本委員 要望をいいですか。なお書きを入れていただけないかなということなのです。それは建設現場は先ほども言ったようにさまざまな就労形態にある作業者が混在をしている実態があるわけです。そういうことを踏まえて、作業に携わる全ての者の安全衛生措置を確保し、災害防止に努める必要があるといったような、要するに作業に携わる全ての労働者だけではなくて、個人事業者を含めてさまざまな形態の働く作業員がいらっしゃるわけですから、その辺のなお書きというのを入れられないかなという要望です。

○小林座長 特に国土交通省からお見えですので、御意見をいただきたいと思います。

○屋敷建築場整備課長 国土交通省でございます。

IVの対策でございます。この御趣旨は十分理解できるものでございます。25年2月のいわゆる第12次防で構ずべき施策として挙げられているところの文脈、その中で出てきたものと理解しております。国交省のほうは2つの顔、1つは発注者のことです。もう一つは、建設業法の担当をしている顔ということがございます。

 発注者の立場から申し上げますと、先ほど1割ぐらいのボリュームだというお話がございました。公費を使って工事をやるわけでございますから、それでどのようなしっかりした工事をやるかという説明責任を負っているという文脈の中で、この足場の関係におきましては、現在でもガイドラインに基づく施行、法を条件づけているということでこの数年行ってきておりますが、それに対して御批判を公費の使い方として受けていることもありませんので、それは引き続きそういう立場で進めてまいるということでございます。

 一方で、発注者の立場というよりかは建設業の担当している立場からということでございますが、公共事業のみならず、民間工事のほうも当然目配りをしていかなければいけないということでございますので、例えば説明会を開催するなど、発注者のアクションとして民間個人のところに広がるというものと合わせてそのような取り組みをしているというところでございます。

 今回の検討会のほうでしっかり御議論いただいているということでありますので、私どもとしましても御趣旨を踏まえまして、引き続き建設現場におきます安全確保にさまざまな観点から取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

○小林座長 どうもありがとうございました。

IVに関して「適当である」まで御意見を伺いたいと思います。どうぞ。

○小野委員 IVの安全衛生の確保のための必要な経費の積算という部分です。必要な経費の中には直接的な安全経費に加え労災保険料が含まれているかどうか、これはものすごい大事なところで、私たちがものすごい重視しているところです。宮本さんも言われました。個人事業者ですね。特に一人親方問題はここで苦しんでいる人が今90万人もおられるという事実です。300万人現場作業員のうち90万人が一人親方なのです。個人事業者ですから、直接的な墜落防止の経費、あるいは先ほど言った教育の経費、手間代、こういうのはみんな安全経費なわけですけれども、その他に労災保険料の負担です。これは発注者が負担してもらった上で、元請さんが一括して場内で働く作業者に平等に災害補償していける仕組みをぜひこの中に入れておいてほしいということなのです。だから、この経費の中に労災保険料もぜひ入れておいてほしいということでございます。これは前から私もずっとお願いしているところです。

○小林座長 これに関して御意見伺いたいと思います。

○宗像委員 それはこの場の議論には望まないというような形でくくられたと自分は思っていたのですが、違いましたか。

○小野委員 それは違います。この場で議論がされなければどこでやられるのですかということです。この検討会は厚生労働省主催です。労災保険料は厚生労働省の問題です。墜落災害防止だけではなくて災害が起きたときの手当てはどうなっているのでしょうかということで、一人親方はこの問題に非常に苦しんでいるわけですから、この中にぜひ入れていただきたいということで、この前もこれが復活していると思っています。

○小林座長 ここの文章を読みますと、施行時の安全衛生の確保のための必要な経費の積算ということが入っておりますので、この報告書の中にどの程度踏み込むことができるかというのはよく今イメージが湧かない部分がありますけれども、文言としては必要な経費の積算の部分に入る話ではあると思います。

 御意見伺いたいと思います。よろしいですか。どうぞ。

○川越技術審査官 一応小野委員から今話があった件、一人親方の特別加入制度が今ありますので、その制度を持っている担当部署との話もありますので、一般的な話の書きぶりとしてはこういう書き方にはなっておりますが、何か進められる対策があるのであれば、担当部署のほうから必要な御報告をいただいた上で最後の報告書に書けるものがあれば書いていく。それは前回説明したとおりでございます。

○小林座長 どうぞ。

○宮本委員 すみません。先ほど私が言ったのはIVのなお書きの話を言ったのです。私が先ほどお話ししたのはIIIではなくてIVの中になお書きを入れてほしいという要望をしたのですけれども、その御回答がないのでどうなのかということです。

○川越技術審査官 もちろん、作業に携わる人全ての災害防止に関して言及するという話ですので、それは可能かと思いますので、事務局のほうで案を考えたいと思います。

○小林座長 よろしくお願いいたします。

 基本的にIVに関しては、このとおり進めさせていただくということになると思います。全般にわたってI~IVまでの御意見を伺ったことになりますけれども、何か追加の御意見全般にわたってということはございましょうか。どうぞ。

○小野委員 ここまで出た問題についてはこの経過のとおりで結構ですけれども、ここにあと載っていない意見があります。一側足場問題です。一側足場の使用規制をすべきだという意見は強くこの前も言いました。これが入っていません。

 それから、足場の高さ規制の問題です。5m、10mの高さ規制、これは再検討してやらなければだめではないでしょうかと。特に5m未満で70%も災害で起きているのです。5m未満で作業主任者の配置が要らないなどというのもおかしいではないかということです。

 2カ月を超えて10mでなければ関係ないというのではおかしいではないかという問題です。だから、高さ規制の見直しが必要です。

JISの件です。屋根とか法面とか、JISがせっかくできているにもかかわらず、これの適用促進がうたわれなければだめではないでしょうかということです。

 今、言った件が骨子案から抜けているところでございます。

○小林座長 骨子案全般について小野委員が言われたようなこと、川越さん。

○川越技術審査官 今日は、次が入っておりますのでそろそろ時間いっぱいなのですが、小野委員の項目の追加意見について、他の委員からお一人か二人ぐらい、もし意見があるのであれば今おっしゃっていただいて、それで今回の議論は終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。

○小林座長 4月24日もありますけれども、事務局がまとめるということを提案するという作業のためにも御意見を今伺っておいたほうがよさそうですが、いかがでしょうか。どうぞ。

○小島委員 さまざまな議論があったので、ここで1つの御提案は、私どもの会社でもあるのですけれども、今後の課題、継続的にやる必要があるとか、そういう課題ですよと、ここまでの議論の中で出てきたものですから、そこは項目出しをして、こういうものを引き続き継続にやるとか、今また項目を出して議論しても現状では多分結論は出ないと思います。ましてや、ここでの話ではなくて、安衛則、安衛法の歴史的なものも含めてあるので、そこはそういう小野さんからの意見に対して少し情報を整理していただいて、別の場面で議論させていただいたほうがいいのではないかと思います。

○小野委員 ものすごくここの部分は大事なところですから、継続の課題としていくとかということにして、継続性を持たしていかなければだめだと思います。

○小島委員 同じ意見です。

○小林座長 他に御意見いただけますか。

 小島委員がおっしゃったような形の意見をおつけして、では事務局、次回の検討会の案をつくっていただきたいと思います。

 検討に関して、骨子案の検討をいただきました。ありがとうございます。

 それでは、あと事務局、つけ加えることはありますか。

○川越技術審査官 それでは、次回は本日の議論を踏まえて、また報告書案を出せる分は出していきたいと考えております。

 次回は既に御案内しているとおり、4月24日木曜日でございます。場所は厚生労働省内ですが会議室は未定でございますので、追って正式な開催案内を送付いたします。よろしくお願いいたします。

○小林座長 どうもありがとうございました。

 かなり時間を超過してしまいました。どうも活発な御意見をありがとうございます。全般についてよろしいでしょうか。何か御意見がおありでしたら伺っておきたいと思います。

 随分と超過いたしました。どうも申しわけありません。これで解散とさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。


(了)
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問い合わせ先: 03(5253)1111(内線5486)

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